説明

増速機及び減速機

【課題】 増速機において、中間ローラの振動を抑制し、中間ローラを支持する軸受の耐久性を向上するとともに、中間ローラが出力軸や外輪と接する転接面の面圧を適切に確保すること。
【解決手段】 増速機20において、中間ローラ31〜33が軸方向の双方向から弾発支持されてなるもの。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、増速機及び減速機に関する。
【背景技術】
【0002】
過給機等に使用される増速機として、特許文献1に記載の如く、エンジンのクランク軸の回転により入力軸を回転させ、入力軸の回転を増速機により増速して出力軸に伝え、この出力軸に結合されたインペラの回転により吸入空気の過給を行なうものがある。
【特許文献1】特開平2003-201850
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に記載されるような増速機では、遊星摩擦ローラ機構を用いており、入力軸により回転される可撓性外側リングと、出力軸に結合される太陽軸の如くの摩擦ローラと、外側リングと摩擦ローラの間に介装される複数の遊星ローラ(中間ローラ)とを有し、外側リングの弾性変形を介して遊星ローラと摩擦ローラを締め付ける。
【0004】
従来の増速機では、図10に示す如く、遊星ローラ1の両端支軸のそれぞれに装填した軸受2A、2Bを単にハウジング3に嵌合して支持しており、以下の問題点がある。
【0005】
(1)遊星ローラ1は、出力軸と外輪との間に緊着されているため、高速回転する出力軸4、又は他の遊星ローラ1の影響によって軸方向に振動し、或いは遊星ローラ1自らの高速回転により振動する。遊星ローラ1の振動が軸受2A、2Bの耐久性を損なう。
【0006】
(2)遊星ローラ1の変位や振動により、遊星ローラ1が出力軸4や外輪5と接する転接面の面圧を適切に確保できない。
【0007】
本発明の課題は、増速機において、中間ローラの振動を抑制し、中間ローラを支持する軸受の耐久性を向上するとともに、中間ローラが出力軸や外輪と接する転接面の面圧を適切に確保することにある。
【0008】
本発明の他の課題は、減速機において、中間ローラの振動を抑制し、中間ローラを支持する軸受の耐久性を向上するとともに、中間ローラが入力軸や外輪と接する転接面の面圧を適切に確保することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明は、入力軸の回転を増速して出力軸に伝えるに際し、入力軸により回転されるとともに、出力軸に対し偏心して配置される外輪と、出力軸の外周面である被駆動側円筒面と、外輪の内周面である駆動側円筒面との間の、出力軸の径方向に関する幅が該出力軸の周方向に関して不同となる環状空間内に配置され、それぞれの外周面をそれらの被駆動側円筒面と駆動側円筒面に摩擦接触する動力伝達用円筒面とした複数の中間ローラとを有して構成され、少なくとも1個以上の中間ローラを、出力軸の周方向及び半径方向に移動できる可動ローラとしてなる増速機において、中間ローラが軸方向の双方向から弾発支持されてなるようにしたものである。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記中間ローラの両端支軸のそれぞれに装填した軸受がハウジングに嵌合され、各軸受の軸方向の外方に臨む端面が板ばねを介してハウジングに支持されるようにしたものである。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の増速機を用いた過給機である。
【0012】
請求項4の発明は、入力軸の回転を減速して出力軸に伝えるに際し、入力軸に対し偏心して配置されるとともに、出力軸を回転する外輪と、入力軸の外周面である駆動側円筒面と、外輪の内周面である被駆動側円筒面との間の、入力軸の径方向に関する幅が該入力軸の周方向に関して不同となる環状空間内に配置され、それぞれの外周面をそれらの駆動側円筒面と被駆動側円筒面に摩擦接触する動力伝達用円筒面とした複数の中間ローラとを有して構成され、少なくとも1個以上の中間ローラを、入力軸の周方向及び半径方向に移動できる可動ローラとしてなる減速機において、中間ローラが軸方向の双方向から弾発支持されてなるようにしたものである。
【0013】
請求項5の発明は、請求項4の発明において更に、前記中間ローラの両端支軸のそれぞれに装填した軸受がハウジングに嵌合され、各軸受の軸方向の外方に臨む端面が板ばねを介してハウジングに支持されるようにしたものである。
【発明の効果】
【0014】
(請求項1)
(a)中間ローラが軸方向の双方向から弾発支持される。中間ローラは軸方向の双方向から予圧としての弾発力を付与され、軸方向にガタなく支持されるとともに、軸方向の振動が弾発力により減衰される。これにより、中間ローラを支持する軸受の耐久性を向上するとともに、中間ローラが出力軸や外輪と接する転接面の面圧を適切に確保することができる。
【0015】
(請求項2)
(b)中間ローラの支軸に装填した軸受の端面を板ばねにより支持することにより、中間ローラを簡易な構造により、軸方向の双方向から弾発維持できる。
【0016】
(請求項3)
(c)過給機の増速機において上述(a)、(b)を実現できる。
【0017】
(請求項4)
(d)中間ローラが軸方向の双方向から弾発支持される。中間ローラは軸方向の双方向から予圧としての弾発力を付与され、軸方向にガタなく支持されるとともに、軸方向の振動が弾発力により減衰される。これにより、中間ローラを支持する軸受の耐久性を向上するとともに、中間ローラが入力軸や外輪と接する転接面の面圧を適切に確保することができる。
【0018】
(請求項5)
(e)中間ローラの支軸に装填した軸受の端面を板ばねにより支持することにより、中間ローラを簡易な構造により、軸方向の双方向から弾発維持できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1は過給機を示す断面図、図2は過給機を示す他の断面図、図3は過給機を示す他の断面図、図4は過給機を示す他の断面図、図5は図1のV-V線に沿う断面図、図6は図1のVI-VI線に沿う断面図、図7は図1のVII-VII線に沿う断面図、図8は連結部材を示す断面図、図9は図1の要部拡大断面図、図10は従来例を示す断面図、図11は減速機を示す断面図、図12は減速機を示す他の断面図、図13は減速機を示す他の断面図、図14は減速機を示す他の断面図、図15は図11のXV-XV線に沿う断面図、図16は図11のXVI-XVI線に沿う断面図、図17は図11のXVII-XVII線に沿う断面図、図18は連結部材を示す断面図、図19は図11の要部拡大断面図である。
【実施例】
【0020】
図1〜図7の自動車用過給機10は、入力軸11の回転を増速機20により増速して出力軸12に伝えるものであり、入力軸11にはエンジン出力により駆動されるプーリ13が固定され、出力軸12にはインペラ14が設けられる。
【0021】
過給機10は、センタプレート15にコンプレッサハウジング16をインロー嵌合して固定してある。コンプレッサハウジング16はインペラ14を収容し、吸込口16A、過給通路16B、スクロール16Cを備える。
【0022】
増速機20は、くさび作用を利用した摩擦ローラ式増速機であり、フロントハウジング21とコンプレッサハウジング16により過給機の外郭を構成し、センタプレート15にフロントハウジング21をインロー嵌合して固定するとともに、センタプレート15にコンプレッサハウジング16をインロー嵌合して固定する。
【0023】
増速機20は、フロントハウジング21に軸受23、24を介して入力軸11を貫通支持し、フロントハウジング21の軸受23、24に挟まれる位置に挿着したオイルシール25により入力軸11の周囲を封止し、入力軸11のフロントハウジング11から突出する端部にプーリ13をボルト(ナットでも可)17により固定する。増速機20は、センタプレート15に挿着したオイルシール26により出力軸12の周囲を封止し、出力軸12の端部にインペラ14をナット18により固定する。
【0024】
増速機20は、入力軸11により回転される外輪27を有する。本実施例では、入力軸11と外輪27を概ね同軸配置し、入力軸11及び外輪27と出力軸12を偏心配置する。入力軸11と外輪27は、後述する如くに、連結部材28により連結される。
【0025】
増速機20は、出力軸12の外周面である被駆動側円筒面12Aと、外輪27の内周面である駆動側円筒面27Aとの間の環状空間内に3個の中間ローラ31、32、33を配置する。3個の中間ローラ31、32、33の外周面は、出力軸12の被駆動側円筒面12Aと外輪27の駆動側円筒面27Aに摩擦接触する動力伝達用円筒面31A、32A、33Aとされる。
【0026】
本実施例では、3個の中間ローラ31、32、33のうちの1つの中間ローラ31を、他の2つの中間ローラ32、33より大径とし、結果として、出力軸12の被駆動側円筒面12Aと外輪27の駆動側円筒面27Aとの間に上述の環状空間を形成するに際し、該環状空間の、出力軸12の径方向に関する幅を該出力軸12の周方向に関して不同にする。そして、3個の中間ローラ31、32、33のうちの少なくとも1個以上の中間ローラ、本実施例では中間ローラ33を、上記環状空間内で、出力軸12の周方向及び半径方向に移動できる可動ローラとし、結果として、全中間ローラ31〜33を出力軸12と外輪27に押付け可能にすることにより、入力軸11及び外輪27の回転を中間ローラ31〜33を介することにより増速して出力軸12に伝達可能にする。
【0027】
増速機20は、図1〜図7に示す如く、外輪27を全中間ローラ31〜33の外周に対し弾性変形状態(弾性拡径状態)にて緊着し、外輪27の内周面(駆動側円筒面27A)を出力軸12の外周面(被駆動側円筒面12A)に弾発的緊張状態にて接触させる。
【0028】
このとき、可動ローラ33は、センタプレート15及び後述するキャリヤ50に設けた案内溝34の範囲内で、出力軸12の周方向及び半径方向に移動できる。センタプレート15とキャリヤ50のそれぞれに設けた孔に挿入されたスプリング35、36が、センタプレート15とキャリヤ50に螺着されたキャップ35A、36Aにバックアップされる状態で、押圧子35B、36Bを可動ローラ33の両端支軸に装填してある軸受43A、53Aに押し当てる。可動ローラ33は、スプリング35、36に付勢される状態で、案内溝34の範囲内で、出力軸12の周方向及び半径方向に移動できるものとなる。
【0029】
増速機20の製造段階では、例えば旋盤のワーク把持用押圧爪等を利用し、全中間ローラ31〜33と同数の3個の押圧爪により外輪27の周方向3位置を押圧し、外輪27を概ね三角形状に弾性変形させる。これにより、外輪27の内周のうち、押圧爪に対応する部分に縮径部を形成するとともに、相隣る縮径部に挟まれる部分に拡径部を形成し、該拡径部に各中間ローラ31〜33のそれぞれを挿入し、その後、押圧爪による押圧を解除することにより、外輪27を全中間ローラ31〜33の外周に緊着できる。
【0030】
従って、過給機10は以下の如く動作し得ることになる(図1〜図7)。
(1)プーリ13にエンジンからの駆動力が入力すると、この駆動力が入力軸11から外輪27へ伝達される。このとき、外輪27と出力軸12は前述の如くに偏心していて前述の環状空間の出力軸12の径方向に関する幅が出力軸12の周方向に関して不同になっているため、エンジンの増速により大動力を伝えられた外輪27がaの方向へ回転すると、可動ローラ33が外輪27と出力軸12との間の環状空間の上記幅が狭くなる方向であって、可動ローラ33に及ぼすくさび作用を強くするbの方向に移動し、出力軸12の被駆動側円筒面12Aと外輪27の駆動側円筒面27Aと中間ローラ31〜33の動力伝達用円筒面31A〜33Aの間に大押付力cを発生する。この大押付力cにより出力軸12の被駆動側円筒面12Aと外輪27の駆動側円筒面27Aと中間ローラ31〜33の動力伝達用円筒面31A〜33Aの間に大摩擦力を発生し、外輪27に伝えられた大駆動力が出力軸12へ伝達され、出力軸12がdの方向へ高速回転する。この出力軸12の高速回転により、出力軸12に固定されたインペラ14が高速回転し、コンプレッサハウジング16の吸込口16Aから吸込んだ大量の空気が過給通路16B、スクロール16Cを経てエンジンに過給される。
【0031】
(2)エンジンの減速により、入力軸11から外輪27に伝えられる駆動力が低下した場合、可動ローラ33はスプリング35、36に抗して外輪27と出力軸12との間の環状空間の前記幅が広がる方向であって、可動ローラ33に及ぼすくさび作用を弱くするbと反対方向に変位し、出力軸12の被駆動側円筒面12Aと外輪27の駆動側円筒面27Aと中間ローラ31〜33の動力伝達用円筒面31A〜33Aの間に生ずる押付力cを小にし、出力軸12の被駆動側円筒面12Aと外輪27の駆動側円筒面27Aと中間ローラ31〜33の動力伝達用円筒面31A〜33Aの間に生ずる摩擦力を小にし、出力軸12をdの方向にて低速回転し、必要量の空気がエンジンに過給される。
【0032】
尚、エンジンからの駆動力が過大になったとき、可動ローラ33はbの方向で案内溝34の一端溝面(ストッパ面)に衝合し、押付力cの上限を規制し、増速機20の破損を防止する。また、エンジンからの駆動力が過小になったとき、可動ローラ33はbの反対方向で案内溝34の他端溝面(ストッパ面)に衝合し、押付力cの下限を規制し、入力軸11から出力軸12への動力伝達を維持する。
【0033】
以下、過給機10の増速機20において、(A)入力軸11と外輪27の連結構造、(B)中間ローラ31〜33の支持構造、(C)出力軸12の軸方向位置を規制する構造、(D)オイル供給構造について説明する。
【0034】
(A)入力軸11と外輪27の連結構造
増速機20は、図1〜図4に示す如く、入力軸11と外輪27を連結部材28により連結する。連結部材28は、入力軸11に固定されるボス状の内側取付部28Aと、外輪27に固定されるリング状の外側取付部28Bと、内側取付部28Aと外側取付部28Bの間に設けられる可撓部28Cとを有する。可撓部28Cは、可撓膜板からなり、その板面を入力軸11と外輪27の回転方向に沿って延在、本実施例では連続回転面状に延在させている。
【0035】
具体的には、連結部材28は、図8に示す如く、概ねカップ状体29をなし、カップ状体29の底部29Aの中央に内側取付部28Aを設け、カップ状体29の側壁29Bの開口部に外側取付部28Bを設け、カップ状体29の底部29Aと側壁29Bが交差するコーナー部29Cと、側壁29Bを可撓部28Cとする。本実施例では、コーナー部29Cと、側壁29Bと、底部29Aのコーナー部29C寄り部分を可撓部28Cとし、底部29Aの内側取付部28A寄り部分は可撓部28Cよりも厚肉にしてカップ状体29の軸方向における腰の強さを確保可能している。
【0036】
連結部材28の内側取付部28Aは、フロントハウジング21の内部に位置する入力軸11の軸端部外周に螺着されて固定される。連結部材28の外側取付部28Bは、外輪27の幅方向の一端側の側部、本実施例では外輪27の駆動側円筒面27Aを形成する本体部27Bの一端側に環状薄肉部27Cを介して結合されている厚肉の環状取付部27Dの外周に螺着されて固定される。連結部材28を外輪27の側部に固定することにより、増速機20の外径を小型化するものである。連結部材28が固定される外輪27の取付部27Dを環状薄肉部27Cにより本体部27Bから切り離し、本体部27Bが各中間ローラ31〜33の外周に対する弾性変形状態を、環状取付部27Dの存在によらず、本体部27Bの幅方向において概ね均一化するものである。尚、環状薄肉部27Cの周方向複数位置には、外輪27に対し連結部材28、入力軸11を取付け、取外しするときに、外輪27を回り止めするための工具係止孔27Eを設けてある。
【0037】
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)入力軸11と外輪27を連結する連結部材28が、入力軸11と外輪27に固定されており、入力軸11又は外輪27との間で接離するところがない。従って、連結部材28が入力軸11又は外輪27との間で打音を生じたり、摺動磨耗を生じることがなく、入力軸11の回転力を安定的に外輪27に伝えることができる。
【0038】
(b)連結部材28において、入力軸11に固定される内側取付部28Aと外輪27に固定される外側取付部28Bの間に設けられる可撓部28Cは、入力軸11に対する外輪27の軸方向位置を規制しながら、(i)外輪27の径方向における弾性変形に外側取付部28Bを柔軟に追従させることができ、(ii)入力軸11と外輪27の軸心ずれを吸収することができる。
【0039】
(c)連結部材28の可撓部28Cが可撓膜板からなり、その板面を入力軸11と外輪27の回転方向に延在させてなるものとすることにより、可撓膜板は上述(b)の作用を奏しながら、入力軸11の回転力を確実に外輪27に伝えることができる。
【0040】
(d)連結部材28が、概ねカップ状体29をなし、カップ状体29の底部29Aの中央に内側取付部28Aを設け、カップ状体29の側壁29Bの開口部に外側取付部28Bを設け、カップ状体29の底部29Aと側壁29Bが交差するコーナー部29Cと、側壁29Bを可撓部28Cとしてなるようにした。従って、カップ状体29の全体的な強度のバランス、特に内側取付部28Aまわりの底部29Aの腰の強さにより、入力軸11に対する外輪27の軸方向位置を定位置に規制しながら、カップ状体29のコーナー部29Cと側壁29Bの可撓性により、外側取付部28Bを径方向と軸方向に対して変形容易にし、(i)外輪27の径方向における弾性変形に外側取付部28Bを柔軟に追従させることができ、(ii)入力軸11と外輪27の軸心ずれを吸収することができる。
【0041】
(e)連結部材28の外側取付部28Bが外輪27の幅方向の一端側の側部に固定されるものとすることにより、連結部材28の外側取付部28Bを外輪27の外周部に固定するものに比して、増速機20の外径サイズの小型化を図ることができる。
【0042】
(f)過給機10の増速機20において上述(a)〜(e)を実現できる。
【0043】
(B)中間ローラ31〜33の支持構造
増速機20は、センタプレート15にキャリヤ50を組付け、各中間ローラ31〜33の一端支軸に装填した軸受41A、42A、43Aをセンタプレート15に設けた軸受孔41、42、43に支持するとともに、他端支軸に装填した軸受51A、52A、53Aをキャリヤ50に設けた軸受孔51、52、53に支持する。
【0044】
センタプレート15に対するキャリヤ50の固定構造は、キャリヤ50の3本の脚部54のそれぞれをボルト55によりセンタプレート15に締結することにてなされる。センタプレート15は出力軸12の中間部が挿通し、かつオイルシール26が挿着される孔15Aを中心部に備える。キャリヤ50は入力軸11の端部(入力軸11に固定した連結部材28の内側取付部28A)が挿通する孔50Aと、出力軸12の端部が挿通する孔50Bを中心部(後述する被覆部50C)に互いに偏心させて備える。
【0045】
尚、可動ローラ33の両端支軸に装填した軸受41A、53Aを支持する軸受孔43、53は、軸受43A、53Aより大径の丸孔(長孔でも可)とされ、前述の案内溝34を形成する。
【0046】
しかるに、中間ローラ31〜33は、図1〜図4に示す如く、センタプレート15、キャリヤ50に支持されるに際し、軸方向の双方向から弾発支持される。
【0047】
具体的には、各中間ローラ31〜33の両端支軸のそれぞれに装填した軸受41A〜43A、51A〜53Aがセンタプレート15の軸受孔41〜43、キャリヤ50の軸受孔51〜53に嵌合(センタプレート15の軸受孔41〜43、キャリヤ50の軸受孔51〜53に対し軸方向に変位可能に隙間嵌め)され、各軸受41A〜43A、51A〜53Aの軸方向の外方(中間ローラ31〜33の動力伝達用円筒面31A〜33Aを備える本体に対する反対側)に臨む端面が板ばね56、57を介してセンタプレート15、キャリヤ50に支持される。
【0048】
即ち、中間ローラ31〜33の一端支軸に装填した軸受41A〜43Aが、軸方向において、センタプレート15に設けた閉塞孔41〜43の閉塞面に、図9(A)に示す如く、スペーサ56A、板ばね56、スペーサ56Bを介して弾発支持される。また、中間ローラ31〜33の他端支軸に装填した軸受51A〜53Aが、軸方向において、キャリヤ50に設けた貫通孔51〜53の開口端の環状溝に係着した止め輪58に、図9(B)に示す如く、スペーサ57A、板ばね57、スペーサ57Bを介して弾発支持される。各中間ローラ31〜33に板ばね56、57が及ぼす軸方向付勢力は、例えば4.5KGFである。
【0049】
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)中間ローラ31〜33が軸方向の双方向から弾発支持される。中間ローラ31〜33は軸方向の双方向から予圧としての弾発力を付与され、軸方向にガタなく支持されるとともに、軸方向の振動が弾発力により減衰される。これにより、中間ローラ31〜33を支持する軸受41A〜43A、51A〜53Aの耐久性を向上するとともに、中間ローラ31〜33が出力軸12や外輪27と接する転接面の面圧を適切に確保することができる。
【0050】
(b)中間ローラ31〜33の支軸に装填した軸受41A〜43A、51A〜53Aの端面を板ばね56、57により支持することにより、中間ローラ31〜33を簡易な構造により、軸方向の双方向から弾発維持できる。
【0051】
(c)過給機10の増速機20において上述(a)、(b)を実現できる。
【0052】
(C)出力軸12の軸方向位置を規制する構造
出力軸12と中間ローラ31〜33をセンタプレート15とキャリヤ50に組付けたとき、出力軸12が被駆動側円筒面12Aの両側に設けている鍔部12B、12Bは、唯1個の中間ローラ31〜33、本実施例では中間ローラ31の動力伝達用円筒面31Aの両端面を挟んで該出力軸12の軸方向位置を規制する。このとき、出力軸12の鍔部12B、12Bは、他の中間ローラ32、33の動力伝達用円筒面32A、33Aの両端面との間に隙間Gを形成する。
【0053】
出力軸12の鍔部12B、12Bは、可動ローラ33の動力伝達用円筒面33Aの両端面との間に隙間Gを形成する。
【0054】
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)出力軸12が被駆動側円筒面12Aの両側に設けられている鍔部12Bが、唯1個の中間ローラ31の両端面を挟んで該出力軸12の軸方向位置を規制し、他の中間ローラ32、33の両端面との間には隙間Gを形成した。従って、各中間ローラ31〜33の全てが出力軸12の鍔部12Bを介して軸方向に隙間なく結合される如くがなく、それらの軸方向の変位や振動について互いに干渉することがない。このため、複数の中間ローラ31〜33のうちの1個の中間ローラが、高速回転する出力軸12の影響により軸方向に変位したり、自らの高速回転により振動しても、この軸方向の変位や振動が出力軸12の鍔部12Bを介して他の中間ローラに干渉することがなく、増速機20の耐久性を向上できる。
【0055】
(b)各中間ローラ31〜33の軸方向の変位や振動が上述(a)の如くに相互に干渉し合うことがないから、各中間ローラ31〜33が出力軸12や外輪27と接する転接面の面圧を適切に確保できる。
【0056】
(c)出力軸12が被駆動側円筒面12Aの両側に設けている鍔部12Bが、可動ローラ33の両端面との間に隙間Gを形成することにより、上述(a)、(b)に加え、可動ローラ33をスムースに移動できる。
【0057】
(d)過給機10の増速機20において上述(a)〜(c)を実現できる。
【0058】
(D)オイル供給構造
増速機20は、トラクションオイルを内部に循環させるためのオイルポンプ60を内蔵する。オイルポンプ60は、フロントハウジング21の入力軸11まわりで、入力軸11に固定したロータの外周に複数枚のベーンを設け、このベーンをベースプレートとサイドプレートとカムリングにより囲んだベーンポンプ等にて構成され、本実施例では入力軸11により駆動される(オイルポンプ60は出力軸12により駆動されても良い)。
【0059】
オイルポンプ60が吐出するトラクションオイルは、入力軸11まわりの軸受24、オイルシール25を潤滑・冷却し、入力軸11の直径方向〜軸方向に穿設されてキャリヤ50の孔50Aに挿通されたその軸端面に開口する油路61から、キャリヤ50の孔50Bに挿通される出力軸12の軸端面からその軸方向に穿設される油路62に流れ、更に、油路62に交差して出力軸12の直径方向に穿設される分配路63から、出力軸12の回転に伴なう遠心力によりその外周側へ飛散流出する。出力軸12の被駆動側円筒面12Aに開口する分配路63から流出するオイルは出力軸12の被駆動側円筒面12A、中間ローラ31〜33の動力伝達用円筒面31A〜33Aを潤滑・冷却し、被駆動側円筒面12Aの両側寄りの分配路63から流出するオイルは出力軸12の両側鍔部12Bと中間ローラ31〜33の動力伝達用円筒面31A〜33Aの両端面とのスラスト接触部を潤滑・冷却する。油路62の閉塞端側に交差する分配路63から流出するオイルは、出力軸12まわりのオイルシール26を潤滑・冷却する。出力軸12の外周に流出したオイルは、更に、出力軸12と外輪27の間の環状空間を流れ、中間ローラ31〜33の軸受41A〜43A、軸受51A〜53A、外輪27の駆動側円筒面27Aを潤滑・冷却し、オイルポンプ60に戻る。
【0060】
増速機20は、入力軸11と出力軸12を偏心配置させているが、入力軸11の油路61と出力軸12の油路62の接続部を、センタプレート15に支持してあるキャリヤ50において、入力軸11の軸端と出力軸12の軸端が互いに偏心状態で挿通される孔50A、50Bを備えた中心被覆部50Cにより覆う。入力軸11の油路61から流出するオイルは、被覆部50Cにより外方遮断されて漏れを減らし出力軸12の油路62にガイドされる。
【0061】
増速機20は、入力軸11の軸端外周と被覆部50Cの孔50A内周との隙間にオイルを侵入させて油膜ダンパを形成することができる。入力軸11の軸端外周に設けた異径段差面と、被覆部50Cの孔50A内周に設けた異径段差面とを突き合せてラビリンス効果を発現させ、被覆部50cの外方遮断効果を強化することができる。
【0062】
増速機20は、出力軸12の軸端外周と被覆部50Cの孔50B内周との隙間にもオイルを侵入させて油膜ダンパを形成することができる。出力軸12の軸端外周に設けた異径段差面と、被覆部50Cの孔50B内周に設けた異径段差面とを突き合せてラビリンス効果を発現させ、被覆部50Cの外方遮断効果を強化することができる。
【0063】
増速機20は、キャリヤ50の被覆部50Cに、油路61に連通するオイル噴射孔64、65を設けている。増速機20は、図1、図5に示す如く、オイル噴射孔64から噴射されるオイルを直接的に、出力軸12の被駆動側円筒面12Aと中間ローラ31〜33の動力伝達用円筒面31A〜33Aとが接する転接面に対し、出力軸12と中間ローラ31〜33の回転方向と同じ向きに噴射して供給する。増速機20は、図5に示す如く、オイル噴射孔65から噴射されるオイルを直接的に、外輪27の駆動側円筒面27Aと中間ローラ31〜33の動力伝達用円筒面31A〜33Aとが接する転接面に対し、外輪27と中間ローラ31〜33の回転方向と同じ向きに噴射して供給する。
【0064】
増速機20は、図1に示す如く、連結部材28のカップ状体29により、キャリヤ50及び中間ローラ31〜33の軸方向の一方(入力軸11の側)の側方を覆い、出力軸12の分配路63から流出したオイルの流れ、及びキャリヤ50のオイル噴射孔64、65から噴射したオイルの流れを、外輪27の内周面(駆動側円筒面27A)に導くオイル流路66を区画する。このとき、外輪27の環状薄肉部27Cに設けた前述の工具係止孔27Eは、環状薄肉部27Cの内周に装填したOリング67により閉鎖される。そして、オイル流路66により外輪27の駆動側円筒面27Aに導かれたオイルは、図1に矢印で示す如く、外輪27の幅方向において連結部材28の外側取付部28Bが固定されている一端側と反対側の側部からフロントハウジング21の内周側に流出し、フロントハウジング21に設けてあるオイル戻り口68からオイルポンプ60に戻る。
【0065】
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)中間ローラ31〜33を支持するキャリヤ50にオイル噴射孔64、65を設け、このオイル噴射孔64、65から噴射されるオイルを直接的に、出力軸12と中間ローラ31〜33とが接する転接面、又は外輪27と中間ローラ31〜33とが接する転接面に供給することにより、オイルの霧化を生じにくく、それら転接面での油膜形成が容易になる。オイル噴射孔64、65からのオイルの噴射方向を、出力軸12、中間ローラ31〜33、外輪27の回転方向に沿わせる同方向とすることで、より確実に油膜形成できる。
【0066】
(b)増速機20内で複数の中間ローラ31〜33を支持し、増速機20内の広い範囲に渡って位置することとなるキャリヤ50の複数箇所にオイル噴射孔64、65を設け、それらオイル噴射孔64、65から複数のオイル供給ポイントのそれぞれにオイルを供給することができ、オイルの供給量を増やすことができる。
【0067】
(c)連結部材28のカップ状体29により、キャリヤ50及び中間ローラ31〜33の一方の側方を覆い、オイルの流れを外輪27の内周面に導くオイル流路66を区画した。従って、増速機20の内部に供給されたオイルを、出力軸12等の回転する遠心力及びカップ状体29により外輪27と中間ローラ31〜33の転接面に効果的に導き、当該転接面でより確実に油膜形成できる。
【0068】
(d)過給機10の増速機20において上述(a)〜(c)を実現できる。
【0069】
図11〜図17の減速機110は、入力軸111の回転を減速して出力軸112に伝えるものであり、エンジン、電動モータ、油圧モータ等の回転を減速するに用いることができる。
【0070】
減速機110は、くさび作用を利用した摩擦ローラ式減速機であり、センタプレート121とリヤハウジング122により外郭を構成し、センタプレート121にリヤハウジング122をインロー嵌合して固定する。
【0071】
減速機110は、リヤハウジング122に軸受123、124を介して出力軸112を貫通支持し、リヤハウジング122の軸受123、124に挟まれる位置に挿着したオイルシール125により出力軸112の周囲を封止する。減速機110は、センタプレート121に挿着したオイルシール126により入力軸111の周囲を封止する。
【0072】
減速機110は、出力軸112を回転する外輪127を有する。本実施例では、出力軸112と外輪127を概ね同軸配置し、出力軸112及び外輪127と入力軸111を偏心配置する。出力軸112と外輪127は、後述する如くに、連結部材128により連結される。
【0073】
減速機110は、入力軸111の外周面である駆動側円筒面111Aと、外輪127の内周面である被駆動側円筒面127Aとの間の環状空間内に3個の中間ローラ131、132、133を配置する。3個の中間ローラ131、132、133の外周面は、入力軸111の駆動側円筒面111Aと外輪127の被駆動側円筒面127Aに摩擦接触する動力伝達用円筒面131A、132A、133Aとされる。
【0074】
本実施例では、3個の中間ローラ131、132、133のうちの1つの中間ローラ131を、他の2つの中間ローラ132、133より大径とし、結果として、入力軸111の駆動側円筒面111Aと外輪127の被駆動側円筒面127Aとの間に上述の環状空間を形成するに際し、該環状空間の、入力軸111の径方向に関する幅を該入力軸111の周方向に関して不同にする。そして、3個の中間ローラ131、132、133のうちの少なくとも1個以上の中間ローラ、本実施例では中間ローラ133を、上記環状空間内で、入力軸111の周方向及び半径方向に移動できる可動ローラとし、結果として、全中間ローラ131〜133を入力軸111と外輪127に押付け可能にすることにより、入力軸111の回転を中間ローラ131〜133を介することにより減速して外輪127及び出力軸112に伝達可能にする。
【0075】
減速機110は、図11〜図17に示す如く、外輪127を全中間ローラ131〜133の外周に対し弾性変形状態(弾性拡径状態)にて緊着し、外輪127の内周面(被駆動側円筒面127A)を入力軸111の外周面(駆動側円筒面111A)に弾発的緊張状態にて接触させる。
【0076】
このとき、可動ローラ133は、センタプレート121及び後述するキャリヤ150に設けた案内溝134の範囲内で、入力軸111の周方向及び半径方向に移動できる。センタプレート121とキャリヤ150のそれぞれに設けた孔に挿入されたスプリング135、136が、センタプレート121とキャリヤ150に螺着されたキャップ135A、136Aにバックアップされる状態で、押圧子135B、136Bを可動ローラ133の両端支軸に装填してある軸受143A、153Aに押し当てる。可動ローラ133は、スプリング135、136に付勢される状態で、案内溝134の範囲内で、入力軸111の周方向及び半径方向に移動できるものとなる。
【0077】
減速機110の製造段階では、例えば旋盤のワーク把持用押圧爪等を利用し、全中間ローラ131〜133と同数の3個の押圧爪により外輪127の周方向3位置を押圧し、外輪127を概ね三角形状に弾性変形させる。これにより、外輪127の内周のうち、押圧爪に対応する部分に縮径部を形成するとともに、相隣る縮径部に挟まれる部分に拡径部を形成し、該拡径部に各中間ローラ131〜133のそれぞれを挿入し、その後、押圧爪による押圧を解除することにより、外輪127を全中間ローラ131〜133の外周に緊着できる。
【0078】
従って、減速機110は以下の如く動作し得ることになる(図11〜図17)。
【0079】
(1)入力軸111に例えばエンジンからの駆動力が入力すると、この駆動力が入力軸111から外輪127へ伝達される。このとき、外輪127と入力軸111は前述の如くに偏心していて前述の環状空間の入力軸111の径方向に関する幅が入力軸111の周方向に関して不同になっているため、エンジンの増速により大動力を伝えられた入力軸111がaの方向へ回転すると、可動ローラ133が外輪127と入力軸111との間の環状空間の上記幅が狭くなる方向であって、可動ローラ133に及ぼすくさび作用を強くするbの方向に移動し、入力軸111の駆動側円筒面111Aと外輪127の被駆動側円筒面127Aと中間ローラ131〜133の動力伝達用円筒面131A〜133Aの間に大押付力cを発生する。この大押付力cにより入力軸111の駆動側円筒面111Aと外輪127の被駆動側円筒面127Aと中間ローラ131〜133の動力伝達用円筒面131A〜133Aの間に大摩擦力を発生し、入力軸111に伝えられた大駆動力が外輪127へ伝達され、外輪127及び出力軸112がdの方向へ減速回転する。
【0080】
(2)エンジンの減速により、入力軸111に伝えられる駆動力が低下した場合、可動ローラ133はスプリング135、136に抗して外輪127と入力軸111との間の環状空間の前記幅が広がる方向であって、可動ローラ133に及ぼすくさび作用を弱くするbと反対方向に変位し、入力軸111の駆動側円筒面111Aと外輪127の被駆動側円筒面127Aと中間ローラ131〜133の動力伝達用円筒面131A〜133Aの間に生ずる押付力cを小にし、入力軸111の駆動側円筒面111Aと外輪127の被駆動側円筒面127Aと中間ローラ131〜133の動力伝達用円筒面131A〜133Aの間に生ずる摩擦力を小にし、外輪127及び出力軸112をdの方向にて減速回転する。
【0081】
尚、エンジンからの駆動力が過大になったとき、可動ローラ133はbの方向で案内溝134の一端溝面(ストッパ面)に衝合し、押付力cの上限を規制し、減速機110の破損を防止する。また、エンジンからの駆動力が過小になったとき、可動ローラ133はbの反対方向で案内溝134の他端溝面(ストッパ面)に衝合し、押付力cの下限を規制し、入力軸111から出力軸112への動力伝達を維持する。
【0082】
以下、減速機110において、(A)出力軸112と外輪127の連結構造、(B)中間ローラ131〜133の支持構造、(C)入力軸111の軸方向位置を規制する構造、(D)オイル供給構造について説明する。
【0083】
(A)出力軸112と外輪127の連結構造
減速機110は、図11〜図14に示す如く、出力軸112と外輪127を連結部材128により連結する。連結部材128は、出力軸112に固定されるボス状の内側取付部28Aと、外輪127に固定されるリング状の外側取付部128Bと、内側取付部128Aと外側取付部128Bの間に設けられる可撓部128Cとを有する。可撓部128Cは、可撓膜板からなり、その板面を出力軸112と外輪127の回転方向に沿って延在、本実施例では連続回転面状に延在させている。
【0084】
具体的には、連結部材128は、図18に示す如く、概ねカップ状体129をなし、カップ状体129の底部129Aの中央に内側取付部128Aを設け、カップ状体129の側壁129Bの開口部に外側取付部128Bを設け、カップ状体129の底部129Aと側壁129Bが交差するコーナー部129Cと、側壁129Bを可撓部128Cとする。本実施例では、コーナー部129Cと、側壁129Bと、底部129Aのコーナー部129C寄り部分を可撓部128Cとし、底部129Aの内側取付部128A寄り部分は可撓部128Cよりも厚肉にしてカップ状体129の軸方向における腰の強さを確保可能している。
【0085】
連結部材128の内側取付部128Aは、リヤハウジング122の内部に位置する出力軸112の軸端部外周に螺着されて固定される。連結部材128の外側取付部128Bは、外輪127の幅方向の一端側の側部、本実施例では外輪127の被駆動側円筒面127Aを形成する本体部127Bの一端側に環状薄肉部127Cを介して結合されている厚肉の環状取付部127Dの外周に螺着されて固定される。連結部材128を外輪127の側部に固定することにより、減速機110の外径を小型化するものである。連結部材128が固定される外輪127の取付部127Dを環状薄肉部127Cにより本体部127Bから切り離し、本体部127Bが各中間ローラ131〜133の外周に対する弾性変形状態を、環状取付部127Dの存在によらず、本体部127Bの幅方向において概ね均一化するものである。尚、環状薄肉部127Cの周方向複数位置には、外輪127に対し連結部材128、出力軸112を取付け、取外しするときに、外輪127を回り止めするための工具係止孔127Eを設けてある。
【0086】
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)出力軸112と外輪127を連結する連結部材128が、出力軸112と外輪127に固定されており、出力軸112又は外輪127との間で接離するところがない。従って、連結部材128が出力軸112又は外輪127との間で打音を生じたり、摺動磨耗を生じることがなく、出力軸112の回転力を安定的に外輪127に伝えることができる。
【0087】
(b)連結部材128において、出力軸112に固定される内側取付部128Aと外輪127に固定される外側取付部128Bの間に設けられる可撓部128Cは、出力軸112に対する外輪127の軸方向位置を規制しながら、(i)外輪127の径方向における弾性変形に外側取付部128Bを柔軟に追従させることができ、(ii)出力軸112と外輪127の軸心ずれを吸収することができる。
【0088】
(c)連結部材128の可撓部128Cが可撓膜板からなり、その板面を出力軸112と外輪127の回転方向に延在させてなるものとすることにより、可撓膜板は上述(b)の作用を奏しながら、出力軸112の回転力を確実に外輪127に伝えることができる。
【0089】
(d)連結部材128が、概ねカップ状体129をなし、カップ状体129の底部129Aの中央に内側取付部128Aを設け、カップ状体129の側壁129Bの開口部に外側取付部128Bを設け、カップ状体129の底部129Aと側壁129Bが交差するコーナー部129Cと、側壁129Bを可撓部128Cとしてなるようにした。従って、カップ状体129の全体的な強度のバランス、特に内側取付部128Aまわりの底部129Aの腰の強さにより、出力軸112に対する外輪127の軸方向位置を定位置に規制しながら、カップ状体129のコーナー部129Cと側壁129Bの可撓性により、外側取付部128Bを径方向と軸方向に対して変形容易にし、(i)外輪127の径方向における弾性変形に外側取付部128Bを柔軟に追従させることができ、(ii)出力軸112と外輪127の軸心ずれを吸収することができる。
【0090】
(e)連結部材128の外側取付部128Bが外輪127の幅方向の一端側の側部に固定されるものとすることにより、連結部材128の外側取付部128Bを外輪127の外周部に固定するものに比して、減速機110の外径サイズの小型化を図ることができる。
【0091】
(f)減速機110において上述(a)〜(e)を実現できる。
【0092】
(B)中間ローラ131〜133の支持構造
減速機110は、センタプレート121にキャリヤ150を組付け、各中間ローラ131〜133の一端支軸に装填した軸受141A、142A、143Aをセンタプレート121に設けた軸受孔141、142、143に支持するとともに、他端支軸に装填した軸受151A、152A、153Aをキャリヤ150に設けた軸受孔151、152、153に支持する。
【0093】
センタプレート121に対するキャリヤ150の固定構造は、キャリヤ150の3本の脚部154のそれぞれをボルト155によりセンタプレート121に締結することにてなされる。センタプレート121は入力軸111の中間部が挿通し、かつオイルシール26が挿着される孔121Aを中心部に備える。キャリヤ150は出力軸112の端部(出力軸112に固定した連結部材128の内側取付部128A)が挿通する孔150Aと、入力軸111の端部が挿通する孔150Bを中心部(後述する被覆部150C)に互いに偏心させて備える。
【0094】
尚、可動ローラ133の両端支軸に装填した軸受141A、153Aを支持する軸受孔143、153は、軸受143A、153Aより大径の丸孔(長孔でも可)とされ、前述の案内溝134を形成する。
【0095】
しかるに、中間ローラ131〜133は、図11〜図14に示す如く、センタプレート121、キャリヤ150に支持されるに際し、軸方向の双方向から弾発支持される。
【0096】
具体的には、各中間ローラ131〜133の両端支軸のそれぞれに装填した軸受141A〜143A、151A〜153Aがセンタプレート121の軸受孔141〜143、キャリヤ150の軸受孔151〜153に嵌合(センタプレート121の軸受孔141〜143、キャリヤ150の軸受孔151〜153に対し軸方向に変位可能に隙間嵌め)され、各軸受141A〜143A、151A〜153Aの軸方向の外方(中間ローラ131〜133の動力伝達用円筒面131A〜133Aを備える本体に対する反対側)に臨む端面が板ばね156、157を介してセンタプレート121、キャリヤ150に支持される。
【0097】
即ち、中間ローラ131〜133の一端支軸に装填した軸受141A〜143Aが、軸方向において、センタプレート121に設けた閉塞孔141〜143の閉塞面に、図19(A)に示す如く、スペーサ156A、板ばね156、スペーサ156Bを介して弾発支持される。また、中間ローラ131〜133の他端支軸に装填した軸受151A〜153Aが、軸方向において、キャリヤ150に設けた貫通孔151〜153の開口端の環状溝に係着した止め輪158に、図19(B)に示す如く、スペーサ157A、板ばね157、スペーサ157Bを介して弾発支持される。各中間ローラ131〜133に板ばね156、157が及ぼす軸方向付勢力は、例えば4.5KGFである。
【0098】
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)中間ローラ131〜133が軸方向の双方向から弾発支持される。中間ローラ131〜133は軸方向の双方向から予圧としての弾発力を付与され、軸方向にガタなく支持されるとともに、軸方向の振動が弾発力により減衰される。これにより、中間ローラ131〜133を支持する軸受141A〜143A、151A〜153Aの耐久性を向上するとともに、中間ローラ131〜133が入力軸111や外輪127と接する転接面の面圧を適切に確保することができる。
【0099】
(b)中間ローラ131〜133の支軸に装填した軸受141A〜143A、151A〜153Aの端面を板ばね156、157により支持することにより、中間ローラ131〜133を簡易な構造により、軸方向の双方向から弾発維持できる。
【0100】
(c)減速機110において上述(a)、(b)を実現できる。
【0101】
(C)入力軸111の軸方向位置を規制する構造
入力軸111と中間ローラ131〜133をセンタプレート121とキャリヤ150に組付けたとき、入力軸111が駆動側円筒面111Aの両側に設けている鍔部111B、111Bは、唯1個の中間ローラ131〜133、本実施例では中間ローラ131の動力伝達用円筒面131Aの両端面を挟んで該入力軸111の軸方向位置を規制する。このとき、入力軸111の鍔部111B、111Bは、他の中間ローラ132、133の動力伝達用円筒面132A、133Aの両端面との間に隙間Gを形成する。
【0102】
入力軸111の鍔部111B、111Bは、可動ローラ133の動力伝達用円筒面133Aの両端面との間に隙間Gを形成する。
【0103】
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)入力軸111が駆動側円筒面111Aの両側に設けられている鍔部111Bが、唯1個の中間ローラ131の両端面を挟んで該入力軸111の軸方向位置を規制し、他の中間ローラ132、133の両端面との間には隙間Gを形成した。従って、各中間ローラ131〜133の全てが入力軸111の鍔部111Bを介して軸方向に隙間なく結合される如くがなく、それらの軸方向の変位や振動について互いに干渉することがない。このため、複数の中間ローラ131〜133のうちの1個の中間ローラが、高速回転する入力軸111の影響により軸方向に変位したり、自らの高速回転により振動しても、この軸方向の変位や振動が入力軸111の鍔部111Bを介して他の中間ローラに干渉することがなく、減速機110の耐久性を向上できる。
【0104】
(b)各中間ローラ131〜133の軸方向の変位や振動が上述(a)の如くに相互に干渉し合うことがないから、各中間ローラ131〜133が入力軸111や外輪127と接する転接面の面圧を適切に確保できる。
【0105】
(c)入力軸111が駆動側円筒面111Aの両側に設けている鍔部111Bが、可動ローラ133の両端面との間に隙間Gを形成することにより、上述(a)、(b)に加え、可動ローラ133をスムースに移動できる。
【0106】
(d)減速機110において上述(a)〜(c)を実現できる。
【0107】
(D)オイル供給構造
減速機110は、トラクションオイルを内部に循環させるためのオイルポンプ160を内蔵する。オイルポンプ160は、リヤハウジング122の出力軸112まわりで、出力軸112に固定したロータの外周に複数枚のベーンを設け、このベーンをベースプレートとサイドプレートとカムリングにより囲んだベーンポンプ等にて構成され、本実施例では出力軸112により駆動される(オイルポンプ160は入力軸111により駆動されても良い)。
【0108】
オイルポンプ160が吐出するトラクションオイルは、出力軸112まわりの軸受124、オイルシール125を潤滑・冷却し、出力軸112の直径方向〜軸方向に穿設されてキャリヤ150の孔150Aに挿通されたその軸端面に開口する油路161から、キャリヤ150の孔150Bに挿通される入力軸111の軸端面からその軸方向に穿設される油路162に流れ、更に、油路162に交差して入力軸111の直径方向に穿設される分配路163から、入力軸111の回転に伴なう遠心力によりその外周側へ飛散流出する。入力軸111の駆動側円筒面111Aに開口する分配路163から流出するオイルは入力軸111の駆動側円筒面111A、中間ローラ131〜133の動力伝達用円筒面131A〜133Aを潤滑・冷却し、駆動側円筒面111Aの両側寄りの分配路163から流出するオイルは入力軸111の両側鍔部111Bと中間ローラ131〜133の動力伝達用円筒面131A〜133Aの両端面とのスラスト接触部を潤滑・冷却する。油路162の閉塞端側に交差する分配路163から流出するオイルは、入力軸111まわりのオイルシール126を潤滑・冷却する。入力軸111の外周に流出したオイルは、更に、入力軸111と外輪127の間の環状空間を流れ、中間ローラ131〜133の軸受141A〜143A、軸受151A〜153A、外輪127の被駆動側円筒面127Aを潤滑・冷却し、オイルポンプ160に戻る。
【0109】
減速機110は、入力軸111と出力軸112を偏心配置させているが、出力軸112の油路161と入力軸111の油路162の接続部を、センタプレート121に支持してあるキャリヤ150において、出力軸112の軸端と入力軸111の軸端が互いに偏心状態で挿通される孔150A、150Bを備えた中心被覆部150Cにより覆う。出力軸112の油路161から流出するオイルは、被覆部150Cにより外方遮断されて漏れを減らし入力軸111の油路162にガイドされる。
【0110】
減速機110は、出力軸112の軸端外周と被覆部150Cの孔150A内周との隙間にオイルを侵入させて油膜ダンパを形成することができる。出力軸112の軸端外周に設けた異径段差面と、被覆部150Cの孔150A内周に設けた異径段差面とを突き合せてラビリンス効果を発現させ、被覆部150cの外方遮断効果を強化することができる。
【0111】
減速機110は、入力軸111の軸端外周と被覆部150Cの孔150B内周との隙間にもオイルを侵入させて油膜ダンパを形成することができる。入力軸111の軸端外周に設けた異径段差面と、被覆部150Cの孔150B内周に設けた異径段差面とを突き合せてラビリンス効果を発現させ、被覆部150Cの外方遮断効果を強化することができる。
【0112】
減速機110は、キャリヤ150の被覆部150Cに、油路161に連通するオイル噴射孔164、165を設けている。減速機110は、図11、図15に示す如く、オイル噴射孔164から噴射されるオイルを直接的に、入力軸111の駆動側円筒面111Aと中間ローラ131〜133の動力伝達用円筒面131A〜133Aとが接する転接面に対し、入力軸111と中間ローラ131〜133の回転方向と同じ向きに噴射して供給する。減速機110は、図15に示す如く、オイル噴射孔165から噴射されるオイルを直接的に、外輪127の被駆動側円筒面127Aと中間ローラ131〜133の動力伝達用円筒面131A〜133Aとが接する転接面に対し、外輪127と中間ローラ131〜133の回転方向と同じ向きに噴射して供給する。
【0113】
減速機110は、図11に示す如く、連結部材128のカップ状体129により、キャリヤ150及び中間ローラ131〜133の軸方向の一方(出力軸112の側)の側方を覆い、入力軸111の分配路163から流出したオイルの流れ、及びキャリヤ150のオイル噴射孔164、165から噴射したオイルの流れを、外輪127の内周面(被駆動側円筒面127A)に導くオイル流路166を区画する。このとき、外輪127の環状薄肉部127Cに設けた前述の工具係止孔127Eは、環状薄肉部127Cの内周に装填したOリング167により閉鎖される。そして、オイル流路166により外輪127の被駆動側円筒面127Aに導かれたオイルは、図11に矢印で示す如く、外輪127の幅方向において連結部材128の外側取付部128Bが固定されている一端側と反対側の側部からリヤハウジング122の内周側に流出し、リヤハウジング122に設けてあるオイル戻り口168からオイルポンプ160に戻る。
【0114】
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)中間ローラ131〜133を支持するキャリヤ150にオイル噴射孔164、165を設け、このオイル噴射孔164、165から噴射されるオイルを直接的に、入力軸111と中間ローラ131〜133とが接する転接面、又は外輪127と中間ローラ131〜133とが接する転接面に供給することにより、オイルの霧化を生じにくく、それら転接面での油膜形成が容易になる。オイル噴射孔164、165からのオイルの噴射方向を、入力軸111、中間ローラ131〜133、外輪127の回転方向に沿わせる同方向とすることで、より確実に油膜形成できる。
【0115】
(b)減速機110内で複数の中間ローラ131〜133を支持し、減速機110内の広い範囲に渡って位置することとなるキャリヤ150の複数箇所にオイル噴射孔164、165を設け、それらオイル噴射孔164、165から複数のオイル供給ポイントのそれぞれにオイルを供給することができ、オイルの供給量を増やすことができる。
【0116】
(c)連結部材128のカップ状体129により、キャリヤ150及び中間ローラ131〜133の一方の側方を覆い、オイルの流れを外輪127の内周面に導くオイル流路166を区画した。従って、減速機110の内部に供給されたオイルを、入力軸111等の回転する遠心力及びカップ状体129により外輪127と中間ローラ131〜133の転接面に効果的に導き、当該転接面でより確実に油膜形成できる。
【0117】
(d)減速機110において上述(a)〜(c)を実現できる。
【0118】
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】図1は過給機を示す断面図である。
【図2】図2は過給機を示す他の断面図である。
【図3】図3は過給機を示す他の断面図である。
【図4】図4は過給機を示す他の断面図である。
【図5】図5は図1のV-V線に沿う断面図である。
【図6】図6は図1のVI-VI線に沿う断面図である。
【図7】図7は図1のVII-VII線に沿う断面図である。
【図8】図8は連結部材を示す断面図である。
【図9】図9は図1の要部拡大断面図である。
【図10】図10は従来例を示す断面図である。
【図11】図11は減速機を示す断面図である。
【図12】図12は減速機を示す他の断面図である。
【図13】図13は減速機を示す他の断面図である。
【図14】図14は減速機を示す他の断面図である。
【図15】図15は図11のXV-XV線に沿う断面図である。
【図16】図16は図11のXVI-XVI線に沿う断面図である。
【図17】図17は図11のXVII-XVII線に沿う断面図である。
【図18】図18は連結部材を示す断面図である。
【図19】図19は図11の要部拡大断面図である。
【符号の説明】
【0120】
10 過給機
11 入力軸
12 出力軸
12A 被駆動側円筒面
15 センタプレート
20 増速機
27 外輪
27A 駆動側円筒面
31〜33 中間ローラ
31A〜33A 動力伝達用円筒面
41、42、43、51、52、53 軸受孔
41A、42A、43A、51A、52A、53A 軸受
50 キャリヤ
56、57 板ばね
110 減速機
111 入力軸
111A 駆動側円筒面
112 出力軸
115 センタプレート
127 外輪
127A 被駆動側円筒面
131〜133 中間ローラ
131A〜133A 動力伝達用円筒面
141、142、143、151、152、153 軸受孔
141A、142A、143A、151A、152A、153A 軸受
150 キャリヤ
156、157 板ばね

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力軸の回転を増速して出力軸に伝えるに際し、
入力軸により回転されるとともに、出力軸に対し偏心して配置される外輪と、
出力軸の外周面である被駆動側円筒面と、外輪の内周面である駆動側円筒面との間の、出力軸の径方向に関する幅が該出力軸の周方向に関して不同となる環状空間内に配置され、それぞれの外周面をそれらの被駆動側円筒面と駆動側円筒面に摩擦接触する動力伝達用円筒面とした複数の中間ローラとを有して構成され、
少なくとも1個以上の中間ローラを、出力軸の周方向及び半径方向に移動できる可動ローラとしてなる増速機において、
中間ローラが軸方向の双方向から弾発支持されてなることを特徴とする増速機。
【請求項2】
前記中間ローラの両端支軸のそれぞれに装填した軸受がハウジングに嵌合され、各軸受の軸方向の外方に臨む端面が板ばねを介してハウジングに支持される請求項1に記載の増速機。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の増速機を用いた過給機。
【請求項4】
入力軸の回転を減速して出力軸に伝えるに際し、
入力軸に対し偏心して配置されるとともに、出力軸を回転する外輪と、
入力軸の外周面である駆動側円筒面と、外輪の内周面である被駆動側円筒面との間の、入力軸の径方向に関する幅が該入力軸の周方向に関して不同となる環状空間内に配置され、それぞれの外周面をそれらの駆動側円筒面と被駆動側円筒面に摩擦接触する動力伝達用円筒面とした複数の中間ローラとを有して構成され、
少なくとも1個以上の中間ローラを、入力軸の周方向及び半径方向に移動できる可動ローラとしてなる減速機において、
中間ローラが軸方向の双方向から弾発支持されてなることを特徴とする減速機。
【請求項5】
前記中間ローラの両端支軸のそれぞれに装填した軸受がハウジングに嵌合され、各軸受の軸方向の外方に臨む端面が板ばねを介してハウジングに支持される請求項4に記載の減速機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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