説明

壁を仕切るための支柱組立体

支柱組立体は、離間並置された1組の支柱部と、内部にそれぞれ縦溝を設けた対向面とを備え、縦溝は互いに一直線に配置され、それぞれの位置で協働して、取り外し可能な張出要素を支持する縦方向支持ラック部材を受承するための凹部を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁を仕切るための支柱組立体、特に、取り外し可能な張出要素を支持する支持部材を有する種類の支柱組立体に関する。前記組立体は、ネジ、ボルトまたはその他の接続手段を必要とせずに、前記要素が容易に所定の位置に固定できるように構成される。
【背景技術】
【0002】
当技術分野では、オフィスの生活空間または所定の空間、小売店、卸売店の内部の仕切り壁を立設するのに使用される支柱組立体が既知である。当技術分野で既知のいくつかの実施形態では、支柱組立体は、断面が望ましい美的外観に適した形状を有し、縦方向の溝を呈する管状または半管状の部分からなる。この溝は、取り外し可能な張出要素が固定できる縦方向支持ラック部材を受承して、棚、吊り固定部材などのための支持部を形成するように構成される。
【0003】
これらの既知の実施形態の欠点は、縦方向支持ラック部材がそのほぼ全長に沿って見えてしまい、そのために、支柱組立体に固定される壁仕切り要素と好ましくないコントラストを生じてしまう点である。このような美的な不調和は、壁仕切り要素が装飾的なパネルから成る場合、または透明材料もしくは半透明材料の羽目板から成る場合に、特に明らかである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明は、改良型の壁を仕切るための支柱組立体を提供することにより、上述の欠点を克服するものである。前記組立体は、取り外し可能な張出要素のための支持部材を有し、前記部材は実際には視界から隠された状態であり、このため仕切り壁により優れた美的特性が得られる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、本発明の支柱組立体により達成される。前記組立体は、離間並置された1組の支柱部を備え、その対向面にはそれぞれ内部に縦溝が設けられ、支柱部の前記対向面の縦溝は互いに一直線になり、それぞれの位置で協働して、取り外し可能な張出要素を支持する縦方向支持ラック部材を受承するための凹部を形成する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、添付図面を参照して、本発明をより詳細に説明する。
本発明による支柱組立体は、全体が図面の図1、図2内10で示されるが、基本的に1組の並置支柱部11、12を備え、前記並置支柱部は、前記支柱部の適切な縦溝16、17、18内に配置される縦方向接続要素13、14、15を使用して互いに接続される。支柱部11、12は金属材料、すなわちアルミニウムから成る。要素13、14、15はゴムなどから成る。接続要素15は、断面が「D」型形状を有する管状要素として構成され、この形状により、支柱部11、12の対向面19、20を離間した状態を保つようになされる。
【0007】
支柱部11、12の対向面19、20には、それぞれ内部に縦溝21、22を設ける。これらの縦溝21、22は互いに一直線になり、各々の位置で協働して、取り外し可能な張出要素25が固定される縦方向支持部材24を受承し、棚、吊り固定部材などのための支持部を形成するための凹部23を形成する。
【0008】
一方、支柱部11、12の対向面19、20の反対の面は、連続形状、すなわちその断面が縦溝または凹部のない形状を示し、凸角形状を有する。
縦方向支持部材24は、優れた強度を確保するために、例えば、鋼鉄などの金属材料製のラック部材からなるのが好ましい。
【0009】
張出要素25の固定は、ネジ、ボルトまたはその他の接続手段を必要とせずに、簡単な方法で行われる。この固定のために、張出要素25の特定の長尺状の細長い部分26が、支柱部11、12の対向面19、20間の空隙に挿入され、ラック部材のスロットと係合する。
【0010】
都合が良いことに、2組の溝21、22および21′、22′を設けることも可能であり、各組の溝は、縦方向の支持部材24、24′を受承するための凹部23、23′を形成するように構成される。この構成により、取り外し可能な張出要素を支柱組立体10により支持される仕切り壁の各面上で固定することができる。
【0011】
支柱組立体10であれば、装飾的なパネルまたは透明材料もしくは半透明材料の羽目板を両側で組み立てることが可能である。このためには、支柱組立体10を形成する各支柱部11、12は、仕切り壁のパネルまたは羽目板の端部が挿入できる「U」字型の凹部を形成するための角度に折り曲げられたウイング部27、28を備える。
【0012】
図面の図3、4では、本発明の支柱組立体の変形例を示す。
この変形例の支柱組立体は、全体が10で示されるが、1組の並置支柱部11、12を備える。支柱部11、12の対向面19、20はそれぞれ、面20に溝31を設け、面19に嵌合レッジ32を設ける。溝31およびレッジ32は、ほぼその全長にわたり、支柱部の縦方向に延びる。レッジ32の高さは、溝31の深さより小さく、したがって、支柱組立体の組み立てた形状において、支柱部11、12が嵌合し、支柱部12上のレッジが支柱部11上の溝31内に受承される時、支柱部11、12の対向面19、20間に空隙が存在する。
【0013】
また、図面の図3、4に示した変形例では、対向面19、20には、それぞれ内部に少なくとも1つの縦溝21、22を設ける。これらの縦溝21、22は互いに一直線になり、各々の位置で協働して、取り外し可能な張出要素25が固定される縦方向支持部材24を受承し、棚、吊り固定部材などのための支持部を形成するための凹部23を形成する。この変形例においても、張出要素25の固定は、張出要素25の特定の長尺状の細長い部分26を支柱部11、12の対向面19、20間の空隙に挿入して、ラック部材のスロットと係合させることにより行われる。
【0014】
この変形例においても、2組の溝21、22および21′、22′を設けることが可能であり、各組の溝は、縦方向の支持部材24、24′のための凹部23、23′を形成するように構成される。この構成により、取り外し可能な張出要素を支柱組立体10により支持される仕切り壁の各面上で固定することができる。
【0015】
本発明の支柱組立体により、縦方向支持ラック部材24、24′をその全長にわたって視界から隠す目的が達成される。縦方向支持ラック部材24、24′を受承するための凹部23、23′は、支柱組立体10の内部に、ウイング部27、28により形成された凹部の裏に適切に配置され、したがって、実際はウイング部27、28により形成された凹部に覆われた形になり、見えなくなる。
【0016】
ラック部材24、24′は、視界から隠されるので、特別な仕上げ加工の必要がなく、これは大きなコストの低減になる。
【0017】
さらに、ラック部材24、24′は、支柱組立体10を形成する部分とは別個のものであるので、当技術分野で既知の種類の適切な調節手段により、支柱部とは別個にラック部材24、24′の高さを調節することができる。特に、完全に水平でない床で仕切り壁を立設する時に、この機能が役に立つ。この機能により、張出要素25がどんな場合でも同じ高さで取り付けることが可能になるからである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】分解状態の支柱組立体の横断面図である。
【図2】組立状態の支柱組立体の横断面図である。
【図3】分解状態の本発明の支柱組立体の変形例の横断面図である。
【図4】組立状態の本発明の支柱組立体の変形例の横断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
仕切り壁を立設するための支柱組立体であって、前記支柱組立体(10)は、
離間並置された1組の支柱部(11、12)と、
前記支柱部の内部にそれぞれ縦溝(21、21′、22、22′)を設けた対向面(19、20)とを備え、
前記支柱部の前記対向面の前記縦溝(21、21′、22、22′)は、互いに一直線に配置され、それぞれの位置で協働して、取り外し可能な張出要素(25)を支持する縦方向支持ラック部材(24、24′)を受承するための凹部(23、23′)を形成することを特徴とする支柱組立体(10)。
【請求項2】
前記支柱部(11、12)は、仕切り壁のパネルまたは羽目板(29、30)の端部が挿入できる「U」字型の凹部を形成するための角度に折り曲げられたウイング部(27、28)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の支柱組立体。
【請求項3】
前記縦方向支持ラック部材を受承するための前記凹部(23、23′)は、ウイング部(27、28)により形成された前記凹部の裏に隠されて配置されることを特徴とする、請求項1、2に記載の支柱組立体。
【請求項4】
前記支柱部(11、12)は、その前記対向面(19、20)上に縦溝(16、17、18)を呈し、前記縦溝(16、17、18)上に配置された縦方向接続要素(13、14、15)により互いに接続されることを特徴とする、請求項1に記載の支柱組立体。
【請求項5】
接続要素(15)は、支柱部(11、12)の対向面(19、20)を離間した状態に保つことを可能にする断面形状を有する管状要素として構成されることを特徴とする、請求項4に記載の支柱組立体。
【請求項6】
前記縦方向ラック部材(24、24′)の、その受承する凹部(23、23′)内での高さを調節するために、調節手段を設けることを特徴とする、請求項1に記載の支柱組立体。
【請求項7】
前記支柱部(11、12)は、その前記対向面(19、20)上に嵌合部を呈し、前記嵌合部は溝(31)と、前記支柱組立体が組み立てられた時に前記溝(31)で受承されるようになされたレッジ(32)とからなり、前記レッジ(32)の高さは前記溝(31)の深さよりも大きく、それにより前記支柱組立体の組立状態において、前記支柱部(11、12)が接合され、前記支柱部(12)上の前記レッジ(32)が前記支柱部(11)の前記溝(31)内部で受承される時に、前記支柱部(11、12)の前記対向面(19、20)間に空隙が存在することを特徴とする、請求項1に記載の支柱組立体。
【請求項8】
前記溝(31)と前記レッジ(32)とは、ほぼその全長にわたり、前記支柱部(11、12)の縦方向に延びることを特徴とする、請求項7に記載の支柱組立体。
【請求項9】
前記支柱部(11、12)の前記対向面(19、20)の反対の面は、その断面が連続形状を呈し、凸角形状を有することを特徴とする、請求項1に記載の支柱組立体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−539003(P2009−539003A)
【公表日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−512777(P2009−512777)
【出願日】平成19年5月23日(2007.5.23)
【国際出願番号】PCT/IT2007/000364
【国際公開番号】WO2007/138631
【国際公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【出願人】(598087966)
【Fターム(参考)】