壁面ブロックパネルの取付け構造および壁面ブロックパネル
【課題】 壁面ブロックパネルの前側に棚板、棚柱等の装飾用部品を配置する場合にでも、その施工に手間がかからない壁面ブロックパネルの取付け構造の提供。
【解決手段】 壁面ブロックパネルに取付けビスを挿通可能なビス孔が前後方向に形成され、ビス孔は取付けビスの胴部が挿通する小径孔と、小径孔に取付けビスの頭部が当接する段付き面を介して連続して形成されるとともに取付けビスの頭部が挿通して収納可能な大径孔とを有し、大径孔の前側で大径孔を中心として、前方を開放して大径孔の径より大きな幅を有する第一凹溝が外周端部に至るよう放射状に形成され、第一凹溝の前後方向途中部に第一凹溝に沿うよう且つ壁面に沿う方向に窪む第二凹溝が形成されている取付け構造。
【解決手段】 壁面ブロックパネルに取付けビスを挿通可能なビス孔が前後方向に形成され、ビス孔は取付けビスの胴部が挿通する小径孔と、小径孔に取付けビスの頭部が当接する段付き面を介して連続して形成されるとともに取付けビスの頭部が挿通して収納可能な大径孔とを有し、大径孔の前側で大径孔を中心として、前方を開放して大径孔の径より大きな幅を有する第一凹溝が外周端部に至るよう放射状に形成され、第一凹溝の前後方向途中部に第一凹溝に沿うよう且つ壁面に沿う方向に窪む第二凹溝が形成されている取付け構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧板等のような壁面ブロックパネルを壁面に取付けるための取付け構造および壁面ブロックパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1参照に示すように、矩形の壁面ブロックパネルがある。この壁面ブロックパネルはその側面に壁面方向に窪む係合凹部と壁面方向に突となる係合凸部とを有しており、隣合う壁面ブロックパネルの係合凹部、係合凸部どうしが係合し合うように組付けつつ壁面に沿うように順次隣接させて壁面に取付けられる。
【特許文献1】特開平5−148921号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来では、壁面ブロックパネルを隣接させて壁面に沿うよう取付けるものであるが、壁面ブロックパネルを壁面に取付け施工した後に、壁面ブロックパネルの前側に棚板、棚柱等の装飾用部品を配置する場合がある。しかしながら、壁面ブロックパネルには棚板、棚柱等を取付けるための部分を設けていないから、このような取付け作業は後付けの作業として施工に手間がかかるという課題があった。
【0004】
そこで本発明は、壁面ブロックパネルの前側に棚板、棚柱等の装飾用部品を配置する場合にでも、その施工に手間がかからない壁面ブロックパネルの取付け構造および壁面ブロックパネルの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、壁面の面方向に沿って隣合うよう壁面ブロックパネルどうしを組合わせて前記壁面に取付けるための取付け構造であって、壁面ブロックパネルの中心に取付けビスを挿通可能なビス孔が壁面ブロックパネルの前後方向に形成され、該ビス孔は取付けビスの胴部が挿通する小径孔と、該小径孔に取付けビスの頭部が当接する段付き面を介して連続して形成されるとともに取付けビスの頭部が挿通して収納可能な大径孔とを有し、該大径孔の前側で大径孔を中心として、前方を開放して大径孔の径より大きな幅を有する第一凹溝が壁面ブロックパネルの外周端部に至るよう放射状に形成され、前記第一凹溝の前後方向途中部に該第一凹溝に沿うよう且つ壁面に沿う方向に窪む第二凹溝が形成されていることを特徴としている。
【0006】
上記構成において、第一凹溝を通過させてビス孔の小径孔に取付けビスの胴部を挿入するとともに、ビス孔の大径孔に取付けビスの頭部を挿入してこれを大径孔に収納し、取付けビスの胴部が壁面に挿通することで壁面ブロックパネルが壁面に固定される。また、第二凹溝に棚柱等の装飾用部品を挿通することで、特別な後付け作業をすることなく棚板等の装飾用部品を壁面ブロックパネルに取付けるようにする。
【0007】
本発明の壁面ブロックパネルの取付け構造では、取付けビスの胴部の外周面には壁面に螺合する第一の雄ネジが形成され、取付けビスの頭部の外周面には第二の雄ネジが形成されて該第二の雄ネジに壁面ブロックパネルの前面に対して突出する取付け杆部材の端部が螺合される構成とされていることを特徴としている。
【0008】
上記構成において、取付けビスの胴部の第一の雄ネジを壁面に螺合することで壁面ブロックパネルが壁面に取付けられ、取付けビスの頭部の第二の雄ネジに取付け杆部材の端部を螺合することで取付け杆部材を壁面ブロックパネルの前面に対して突出させてこれに棚板等の装飾用部品を取付ける。
【0009】
本発明は、壁面の面方向に沿って隣合うよう壁面ブロックパネルどうしを組合わせてパネルユニットとして、該パネルユニットを前記壁面に取付けるための取付け構造であって、前記各壁面ブロックパネルはその隅部に、該隅部どうしがパネルユニットの中心となるように隣合わせて壁面に沿うよう配置した際に前後方向に貫通する取付けビスの胴部および頭部が挿通されるビス孔が形作られるよう各壁面ブロックパネルの中心側へ窪む凹部が形成されており、該凹部の周壁面には取付けビスの頭部が前後方向で当接する段付き面が形成され、取付けビスの頭部に壁面ブロックパネルの前面に対して突出する取付け杆部材の端部が取付け可能に構成されていることを特徴としている。
【0010】
上記構成において、各壁面ブロックパネルを、その凹部を形成した隅部どうしが中心となるようにして隣合わせ、取付けビスを凹部によって形作られたビス孔に挿通して取付けビスの胴部を壁面に挿通し、取付けビスの頭部を段付き面に当接することで壁面ブロックパネルをパネルユニットとして壁面に沿うようにしてこれに取付け、取付けビスの頭部に装飾用部品を取付けるための取付け杆部材を取付ける。
【0011】
本発明の壁面ブロックパネルの取付け構造では、取付けビスの胴部の外周面には壁面に螺合する第一の雄ネジが形成され、取付けビスの頭部の外周面には第二の雄ネジが形成されて該第二の雄ネジに壁面ブロックパネルの前面に対して突出する取付け杆部材の端部が螺合される構成とされていることを特徴としている。
【0012】
上記構成において、取付けビスの胴部の第一の雄ネジを壁面に螺合することで壁面ブロックパネルを壁面に取付け、取付けビスの頭部の第二の雄ネジに取付け杆部材の端部を螺合してこれを取付けビスに取付けて、取付け杆部材に装飾用部品を取付ける。
【0013】
本発明の壁面ブロックパネルの取付け構造では、パネルユニットは、正面視して矩形に形成された四個の壁面ブロックパネルから構成され、各壁面ブロックパネルは壁面側の後枠体部と、隣合う壁面ブロックパネルから離れる方向で壁面方向に沿う段付き面を介して前記後枠体部の前側に設けられた前枠体部とを有し、凹部は各壁面ブロックパネルにおいて後枠体部の隅部に形成されていることを特徴としている。
【0014】
上記構成において、後枠体部と前枠体部とは隣合う壁面ブロックパネルから離れる方向で壁面方向に沿う段付き面を介して連続しているから、壁面ブロックパネルを隣合うように組合わせてなるパネルユニットでは、その中心側に正面視して交差する凹溝が形成された形態となり、しかもビス孔は交差する凹溝の中心に配置されることになる。
【0015】
本発明は、壁面の面方向に沿って隣合うよう組合わされて前記壁面に取付けられる壁面ブロックパネルであって、面方向の中心に取付けビスを挿通可能なビス孔が前後方向に形成され、該ビス孔は取付けビスの胴部が挿通する小径孔と、該小径孔に取付けビスの頭部が当接する段付き面を介して連続して形成されるとともに取付けビスの頭部が挿通して収納可能な大径孔とを有し、該大径孔の前側で大径孔を中心として、前方を開放して大径孔の径より大きな幅を有する第一凹溝が外周端部に至るよう放射状に形成され、前記第一凹溝の前後方向途中部に該第一凹溝に沿うよう且つ壁面に沿う方向に窪む第二凹溝が形成されていることを特徴としている。
【0016】
上記構成において、第一凹溝を通過させて取付けビスをビス孔に挿通することで取付けビスの胴部を小径孔に挿通してこれを壁面に挿通するとともに、取付けビスの頭部を大径孔に挿通して段付き面に当接させて収納して壁面ブロックパネルを壁面に取付け、第二凹溝に装飾用部品を取付ける。
【0017】
本発明は、壁面の面方向に沿って隣合うよう組合わされたパネルユニットとして前記壁面に取付けられる壁面ブロックパネルであって、隅部に、該隅部どうしがパネルユニットの中心となるように隣合わせて壁面に沿うよう配置した際に前後方向に貫通する取付けビスの胴部および頭部が挿通されるビス孔が形作られるよう中心側へ窪む凹部が形成されており、該凹部の周壁面にはビスの頭部が前後方向で当接する段付き面が形成され、取付けビスの頭部に壁面ブロックパネルの前面に対して突出する取付け杆部材の端部が取付け可能に構成されていることを特徴としている。
【0018】
上記構成において、各壁面ブロックパネルを、その凹部を形成した隅部どうしが中心となるようにして隣合わせ、取付けビスを凹部によって形作られたビス孔に挿通して取付けビスの胴部を壁面に挿通し、取付けビスの頭部を段付き面に当接することで壁面ブロックパネルをパネルユニットとして壁面に沿うようにしてこれに取付け、取付けビスの頭部に装飾用部品を取付けるための取付け杆部材を取付ける。
【発明の効果】
【0019】
本発明の取付け構造によれば、第一凹溝を通過させてビス孔の小径孔に取付けビスの胴部を挿入するとともに、ビス孔の大径孔に取付けビスの頭部を挿入してこれを大径孔に収納し、取付けビスの胴部が壁面に挿通することで壁面ブロックパネルを壁面に固定することができ、第二凹溝に棚柱等の装飾用部品を挿通することで、特別な後付け作業をすることなく、したがって手間をかけずに棚板等の装飾用部品を壁面ブロックパネルに取付けることができる。
【0020】
本発明の壁面ブロックパネルによれば、第一凹溝を通過させて取付けビスをビス孔に挿通することで取付けビスの胴部を小径孔に挿通してこれを壁面に挿通するとともに、取付けビスの頭部を大径孔に挿通して段付き面に当接させて収納して壁面ブロックパネルを壁面に取付け、第二凹溝に装飾用部品を取付けることで、手間をかけずに棚板等の装飾用部品を壁面ブロックパネルに取付けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態に係る壁面ブロックパネルおよびその取付け構造を、図面に基づいて説明する。
【0022】
図1に示すように、本発明の壁面パネル構造1は、家屋の壁面2に沿って配置されるもので、パネルユニット3と、パネルユニット3の不測・不要な回動を阻止する回動阻止とパネルユニット3の壁面2方向の間隔を調節(微調節)するための間隔調節とを兼用した間隔調節手段4とを有する。
【0023】
ここで、パネルユニット3の基本構成を説明する。パネルユニット3は複数個、この場合は四個の壁面ブロックパネル5どうしを組合わせて正面視して矩形のパネルユニット3としているものである。
各壁面ブロックパネル5は、外枠体6と前板体7とを有し、外枠体6と前板体7とはそれぞれ合成樹脂により一体または別体に成形されており、この実施形態では別体に形成されている。
【0024】
図2に示すように、外枠体6には、正面視して矩形の外枠体6の連続する二辺の枠体部10,11の外側面それぞれに、対向する残りの二辺の枠体部12,13側に向けて窪む帯状の凹溝14,15(第二凹溝に相当する)が形成されている。この凹溝14,15は枠体部10,11の前後幅途中に形成されている。
【0025】
凹溝14,15はそれぞれ帯状の底面14c,15cと底面の幅方向端部から立設する側面14a,14b,15a,15bによって形成されている。前記二辺の枠体部10,11では、パネルユニット3を壁面2に取付けた際に壁面2側に位置する後部17と、後部17から前方に向けて突出する前部16とを有する。凹溝14,15は枠体部10,11の後部17と前部16との境界部分に形成されている。また、二辺の枠体部10,11の各凹溝14,15は連続しており、且つ同一の深さに形成されている。パネルユニット3を正面視してその中心に対して前部16は後部17に比べて小径(小面積)に形成されている。
後部17の内面上で且つその後端には、外枠体6を壁面2にビス2a止めするための取付け片6aが複数組形成されている。
【0026】
前記二辺の枠体部10,11の外面において、その後部17と前部16とは、壁面2に平行な段付き面18を介して一体的に形成されている。前記二辺の枠体部10,11以外の二辺の枠体部12,13の外面の後部17および前部16は面一の平面に形成されている。
【0027】
外枠体6の前部16のうち、凹溝14,15どうしが連続する部分に相当する隅部には、正面視して円弧状の湾曲壁20が形成されている。
【0028】
パネルユニット3は、壁面2に取付けビス21によって取付けられるものであり、外枠体6の後部17のうち、凹溝14,15どうしが連続する部分に相当する隅部の後部に、4個の壁面ブロックパネル5どうしを隣接するよう組合わせた状態において、取付けビス21の胴部22が挿入される正面視して扇状の小径凹部23が形成され、該隅部の前部に取付けビス21の頭部24が挿入される正面視して扇状の大径凹部25が、小径凹部23に連続して形成されている。大径凹部25と小径凹部23とは壁面2に沿う段付き面によって連続して形成されている。
【0029】
取付けビス21の胴部22と頭部24とは、取付けビス21の径方向の段付き面を介して連続されており、胴部22の外周面には第一の雄ネジ22aが形成されている。4個の壁面ブロックパネル5どうしを隣接するよう組合わせた状態において、各大径凹部25と各小径凹部23とで、径の異なるビス孔(後述の中心孔60)がパネルユニット3の中心に形成される。
なお、孔部の小径側の径は取付けビス21の胴部22に比べてわずかに大きくなるよう設定されており、孔部の大径側の径は取付けビス21の頭部24に比べてわずかに大きく設定されている。
【0030】
また、取付けビス21は胴部22と、胴部22に比べて大径の頭部24とを有して、胴部22の外周面には第一の雄ネジ22aが形成され、頭部24の外周面には第二の雄ネジ24aが形成されている。頭部24にはさらに大径のフランジを一体的または別体に有することも好ましい。
大径凹部25の前後方向の深さを、取付けビス21の頭部24の軸方向長さと同等か大きく設定されている。大径凹部25の径は取付けビス21の頭部24の径に比べて大きく設定されている。
【0031】
前記二辺の枠体部10,11のうちの一方の枠体部10の後部17には、壁面2方向に突出する凸起26が一体的に形成されている。凸起26は、枠体部10の長手方向に間隔を置いて対で形成されている。他方の枠体部11の後部17には、隣合う壁面ブロックパネル5の凸起26が嵌合する嵌合孔27が形成されている。
凸起26および嵌合孔27は、壁面ブロックパネル5どうしを隣接して組付ける組付け手段として用いられるが、この凸起26および嵌合孔27は組付け手段としての一例であり、嵌合、被嵌合の関係に限らず、壁面ブロックパネル5どうしを隣接して組付ける手段として係止、被係止の関係を用いてもよい。
【0032】
凹溝14,15どうしが連続する部分に相当する隅部に対角線上で対向する隅部には、間隔調節手段4を構成する調節凹部28が形成されている。
調節凹部28は、前後の小径調節凹部30と、両小径調節凹部30の間に配置される大径調節凹部31とを有する。小径調節凹部30および大径調節凹部31はともに正面視して扇状に形成されており、四個の壁面ブロックパネル5を組合わせた状態で正面視して円形になるように形成されている。
【0033】
すなわち、四個の壁面ブロックパネル5を組合わせた状態で、各小径調節凹部30が組合わされて円柱状の凹部となり、各大径調節凹部31が組合わされてそれぞれ円柱状の凹部となる。また、凹溝14,15は正面視して縦方向一方、横方向一方の双方に形成されることになる。
【0034】
図3に示すように、小径調節凹部30の前後、大径調節凹部31の前後には、後述の調節具32の前後部が係止する係止壁33が形成されている。特に、前側の小径調節凹部30の前係止面34aは外枠体6の前隅部から形成されてなり、後側の小径調節凹部30の後係止面34bは外枠体6の後隅部から形成されてなる。
小径調節凹部30の小径内周面35、大径調節凹部31の大径内周面36は、調節具32の外周面が当接可能な当接面とされている。
【0035】
二辺の枠体部10,11以外の二辺の枠体部12,13の何れかの前部16に、壁面2方向に突出した取付け凸起29が一体的に形成されている。この取付け凸起26は、図4(a),(b)に示すように、前板体7の側部に折曲して形成された枠体部長手方向の取付け片38に形成された取付け孔40に嵌合するものである。
前板体7は、前面の平板部41と、前記取付け片38とを有し、取付け孔40に取付け凸起26を嵌合することで外枠体6と平板部41とが一体化される。
【0036】
上記構成の四個の壁面ブロックパネル5どうしを、凸起26を嵌合孔27に嵌合させることで組合わせて、正面視して矩形のパネルユニット3としているもので、そのパネルユニット3の対角線の交点に、取付けビス21を挿入する孔が形成された状態となる。なお、各壁面ブロックパネル5における湾曲壁20が前記対角線の交点側に位置することになる。
また、パネルユニット3の四隅には、調節具32の取付け部分が配置される。
【0037】
前記調節具32は、パネルユニット3の四隅それぞれに形成された調節凹部28に嵌合するもので、その前後に、前係止面34a、後係止面34bに摩擦力をもって壁面2に沿う方向で摺動するようにして係止する面を有するものである。あるいは小径調節凹部30の係止壁33に摩擦力をもって壁面2に沿う方向で摺動するようにして係止する面を有するものである。
【0038】
さらに具体的に調節具32の構成を説明すると、図5(a),(b),(c)に示すように、調節具32は、径方向中心にある円柱部43と、円柱部43の外周面から径方向外方に突出する鍔部44とから形成されている。円柱部43は前後方向中心部に比べて前後部が大径に形成されている。
【0039】
鍔部44は、前側の対の小径鍔部45,46と、後側の対の小径鍔部47,48と、円柱部43の軸方向中心にある対の大径鍔部50,51とから構成されている。調節具32の外周面としての各小径鍔部45,46,47,48および大径鍔部50,51の四隅は円弧状に形成されており、その曲率は、当接面としての小径調節凹部30の小径内周面35、大径調節凹部31の大径内周面36と同一に設定されている。
【0040】
円柱部43、はその長手方向中心側の中心部43aに比べて前後部43bが大径に形成されている。また、調節具32の長手方向(前後方向)の長さL1は、前係止面34aと後係止面34bとの間の長さ(前後の離間距離)に比べて、若干長く設定されている。具体的には、小径鍔部45の前面および小径鍔部48の後面にわずかな肉盛り45a,48aを形成することで、若干長く設定されている。
【0041】
この構成により、調節具32を調節凹部28に嵌合することで、調節具32が調節凹部28に若干の圧入力をもって嵌合されるように設定されている。また、小径鍔部45,46,47,48がそれぞれ小径調節凹部30に嵌合して小径鍔部45,46,47,48の外周面がそれぞれ小径内周面35に当接可能となり、大径鍔部50,51の外周面がそれぞれ大径調節凹部31の大径内周面36に当接可能となる。
【0042】
この実施形態では、上記のように四個の壁面ブロックパネル5を組合わせたパネルユニット3どうしを壁面2に沿って、且つ壁面2に沿う方向の隙間δをもって、間隔調節手段4を用いて組付けるようにするものである。
【0043】
以下に、複数個のパネルユニット3を壁面2に沿うように縦横に並べて配置するよう施工する場合について説明する。
すなわち、予め壁面2に設置するパネルユニット3を複数個準備しておき、また、パネルユニット3を取付けるための中心を壁面2に対して芯出ししておく。そして、パネルユニット3の中心を、芯出しした位置に位置合わせし、取付けビス21を、壁面ブロックパネル5の隅部に形成された小径凹部23および大径凹部25の組合わせによって正面視して円形に形成されている、後述の中心孔60に挿入して、これを壁面2に螺合する。そうすると、取付けビス21の段部が小径凹部23および大径凹部25の境界面である壁面2方向に沿う段付き面60aに当接(圧接)し、パネルユニット3が壁面2に取付けられる。
【0044】
つまり、パネルユニット3は四個の壁面ブロックパネル5を、その隅部に形成された大径凹部25および小径凹部23が中心となるよう組合わせてなるものであり、このようにすることにより、図2、図6、図7、図8、図12、図16に示すように、パネルユニット3の矩形中心(対角線上の中心)に中心孔60が形作られる。
そして、小径凹部23および大径凹部25の境界部には、段付き面60aが形成されるから、取付けビス21の頭部24が段付き面60aに当接するよう取付けビス21の胴部22を小径凹部23に挿通し、胴部22の外周面に形成されている第一の雄ネジ22aを壁面2に螺合させることで、パネルユニット3を壁面2に取付けることができる。
大径凹部25の前後方向の深さを、取付けビス21の頭部24の軸方向長さと同等か大きく設定されていることで、取付けビス21の頭部24は、大径凹部25によって形作られる大径孔に収納される。
なお、中心孔60は、二辺の枠体部10,11の外面における段付き面18に一致する位置で前側に開放されている。
【0045】
壁面ブロックパネル5の隅部に形成された小径凹部23および大径凹部25の組合わせによって正面視して円形に形成されている中心孔60があるから、芯出し位置はこの中心孔60を通して確認することができ、したがってパネルユニット3を確実に芯出し位置に合致する位置に置いて、しかも確実に取付けビス21を壁面2に螺合することができる。
なお、このようにしてパネルユニット3を壁面2に取付けた状態では、パネルユニット3はその中心に挿通されている取付けビス21のみで支持されているから、パネルユニット3は壁面2に対して回動し易い状態となっている。
【0046】
また、二辺の枠体部10,11の外面において、その後部17と前部16とは、壁面2に平行な段付き面18を介して一体的に形成されているから、四個の壁面ブロックパネル5を、その隅部に形成された大径凹部25および小径凹部23が中心となるよう組合わせることで、正面視して十字状(放射状)の前後方向の第一凹溝3Aが、パネルユニット3の前面に形成されることになる。この第一凹溝3Aの壁面2方向に沿う幅は、中心孔60の径よりも大きく設定されている。
【0047】
上記作業を、縦列あるいは横列一列について行う。その後、調節具32を上下、あるいは左右に隣合うパネルユニット3の調節凹部28どうしに渡すようにして嵌合するようにする。このとき、調節具32の長手方向の長さL1は、前係止面34aと後係止面34bとの間の長さに比べて、若干長く設定されているから調節具32を調節凹部28に渡すように嵌合することで、調節具32が調節凹部28に若干の圧入力をもって嵌合されることになり、その圧入力によって隣合うパネルユニット3どうしが固定されることになる。
つまり、調節具32を調節凹部28に渡すようにして嵌合(連結)することにより、パネルユニット3単体では壁面2に対してその壁面2に沿うように回動し易い状態が解消される。
なお、左右に隣合うパネルユニット3の調節凹部28に調節具32を嵌合した状態では、調節具32の略半分が上方に突出した状態となっている。
【0048】
上記のようにして例えば横列一列のパネルユニット3の取付けを終了したら、当該一列のパネルユニット3を構成する各パネルユニット3の上方に、予め芯出ししていた位置を目安に、パネルユニット3を取付ける。このとき、既に取付けてある調節具32の突出した部分に、上方のパネルユニット3の調節凹部28が嵌合するようにして該パネルユニット3を壁面2に取付ける。
【0049】
ここで、隣合うパネルユニット3どうしを壁面2方向に沿うよう配置するにあたり、予め壁面2方向に沿う所定の間隔を置くようにするものであるが、当該間隔と、パネルユニット3の調節凹部28の径を加えた距離は、調節具32の鍔部44の径に比べて若干大きくなるように設定されている。
【0050】
具体的に、パネルユニット3どうしを隣合うように配置した状態において、前記間隔と調節凹部28の小径内周面35の径とを加えた距離は、小径鍔部45の最大径に比べて若干大きく設定されている。
換言すれば、パネルユニット3どうしを隣合うように配置した状態において、小径鍔部45の最大径は、前記間隔と調節凹部28の小径内周面35の径とを加えた距離に比べて小さくなるよう設定されている。つまり、調節具32を調節凹部28に嵌合するよう取付けた状態では、調節具32の外周面と調節凹部28の内面との間に若干の隙間が生じるように設定されている。
【0051】
そして、調節具32は調節凹部28に若干の圧入力をもって嵌合されるものの、パネルユニット3の中心部回りに該圧入力を超える回転力が働いた場合に、前記隙間が埋められるようになり、調節具32の外周面と調節凹部28の内面とが当接するものである。しかしながら、調節具32の外周面と調節凹部28の内面とが当接したとしても、調節具32を介してパネルユニット3どうしが連結されているから、調節具32によってパネルユニット3の不測・不要な回動は抑制されることになる。
さらに、調節具32の外周面と調節凹部28の内面との間の隙間を小さくする、あるいは大きくするようにすることで、既に取付けてあるパネルユニット3に隣合うようにパネルユニット3を壁面2方向に微調節しつつ配置して、該パネルユニット3を芯出し位置に配設することができる。
【0052】
上記のようにしてパネルユニット3を、壁面2に沿って、且つ所定の間隔を置いて隣合うように設置することで、予め設定した個数のパネルユニット3が壁面2に設置されることになる。
【0053】
そして、本発明の実施形態では、四個の壁面ブロックパネル5どうしを組合わせて一個のパネルユニット3として扱い、これを取付けビス21だけで取付ける構成であるから、壁面2に取付ける壁面ブロックパネル5が多数あったとしても、四個の壁面ブロックパネル5どうしを組合わせて一個のパネルユニット3として扱う分だけ取付けが容易で作業性が良好である。
【0054】
しかも、四個の壁面ブロックパネル5どうしを組合わせて一個のパネルユニット3とし、これらパネルユニット3を壁面2に沿う所定の間隔を置いて配置し、調節具32の外周面と調節凹部28の内面との間の隙間を小さくする、あるいは大きくするようにすることで、既に取付けてあるパネルユニット3に隣合うようにパネルユニット3を壁面2方向に微調節しつつ配置して、該パネルユニット3を芯出し位置に配設することで、従来のように壁面ブロックパネル5を直接的に隣接するようにして配置することで発生する累積誤差による端部の壁面ブロックパネル5どうしの段差を解消することができる。
【0055】
図9(a),(b),(c)は、調節具32をその径方向で半割り形状とした調節具32Aであり、図10(a),(b),(c)は調節具32Aをさらに径方向で半割り形状とした調節具32Bである。
【0056】
調節具32Aの基本構成は、調節具32を、その二隅の円弧状部分をそのまま欠けることなく半割りにした形状であるが、半割り面を平面とすべく、外面を平面とした隠し用壁61が設けられている。隠し用壁61は、小径鍔部45,46の半割り面間、小径鍔部47,48の半割り面間、および大径鍔部50,51の半割り面間を塞ぐように設けられるもので、その外面が円柱部43の半割り面と面一となるように一体的に形成されている。
【0057】
また、小径鍔部45および小径鍔部48の半割り面側端部には、それぞれ長手方向に突出する板片63が、その外面を円柱部43の半割り面と面一となるように一体的に形成されている。
【0058】
この調節具32Aは、端部に配置するパネルユニット3において隣合うパネルユニット3どうしの調節凹部28に渡すように嵌合させて使用する。端部に配置するパネルユニット3において隣合うパネルユニット3どうしの調節凹部28は、側面から見たとき調節凹部28の内側の凹凸が見えてしまうから、調節凹部28に調節具32Aをその面一となっている平面が外側に位置するように嵌合することで、隠し用壁61および円柱部43の半割り面によって該凹凸を隠すことができ、しかも調節具32Aは調節具32の半割り形状であるから、端部のパネルユニット3の側方へ調節具32Aが突出することがない。
【0059】
また、板片63がそれぞれ係止壁33に側方から当接することで、調節具32Aが調節凹部28に入り込んでしまうという状態を回避することができる。
【0060】
調節具32Bは、端部のパネルユニット3のうち、隅部のパネルユニット3、すなわち二辺の枠体部12,13側にパネルユニット3が配置されていないパネルユニット3の調節凹部28に嵌合して使用するものである。
【0061】
調節具32Bは、調節具32を、その一隅の円弧状部分をそのまま欠けることなく4分の一に分割した形状であるが、割り面を平面とすべく、外面を平面とした隠し用壁62が設けられている。隠し用壁62は、小径鍔部45,46の割り面間、小径鍔部47,48の割り面間、および大径鍔部50,51の割り面間を塞ぐように設けられるもので、その外面が円柱部43の割り面と面一となるように一体的に形成されている。
【0062】
また、小径鍔部45および小径鍔部48の割り面側端部には、それぞれ長手方向に突出する板片64が、その外面を円柱部43の割り面と面一となるように一体的に形成されている。
【0063】
端部の隅に配置するパネルユニット3において、該パネルユニット3の調節凹部28は、側面あるいは上下面から見たとき調節凹部28の内側の凹凸が見えてしまうから、調節凹部28に調節具32Bをその面一となっている平面が外側に位置するように嵌合することで、隠し用壁62および円柱部43の割り面によって該凹凸を隠すことができ、しかも調節具32Bは調節具32の分割形状であるから、端部のパネルユニット3の側方、上下方へ調節具32Bが突出することがない。
【0064】
また、板片64がそれぞれ係止壁33に側方から当接することで、調節具32Aが調節凹部28に入り込んでしまうという状態を回避することができる。
【0065】
図11は、取付けビス21を中心孔60に挿入した後に、その頭部24を隠すための隠し蓋65を示している。これは、円板状の蓋体66と、この蓋体66の裏面外周部から取付けビス21の軸方向に突出するよう設けられた複数のフック67から一体的に形成されている。フック67は蓋体66の周方向に等間隔で離間して四個設けられている。
【0066】
フック67は、基部68と基部68の先に設けられた楔形状の係止部70とから一体的に形成されている。係止部70は、凹溝14(15)の側面14a(15a)に、基部68の弾性によって係止する係止面71が形成されている。
【0067】
図12は隠し蓋65の使用状態図を示しており、図示のように、中心孔60に隠し蓋65を位置合わせして挿入することで、係止部70が前部16の外面に押圧されて縮径するよう弾性変形し、さらに隠し蓋65を押圧することで、係止面71が凹溝14(15)の側面14a(15a)に、壁面2に垂直な面で係止する。このとき、フック67の先端部は、凹溝14(15)の側面14b(15b)に当って、それ以上後方に移動するのを阻止される。
【0068】
本発明の実施形態に係る壁面パネル構造1では、外枠体6には、正面視して矩形の外枠体6の連続する二辺の枠体部10,11の外側面それぞれに、対向する残りの二辺の枠体部12,13側に向けて窪む凹溝14,15が形成されている。また、凹溝14,15どうしが連続する部分に相当する隅部には湾曲壁20が形成され、二辺の枠体部10,11のうちの一方の枠体部10には凸起26が形成され、他方の枠体部11には、隣合う壁面ブロックパネル5の凸起26が嵌合する嵌合孔27が形成されている。
【0069】
この構成によれば、パネルユニット3を組立てるにあたり湾曲壁20を中心側に位置するようにすれば、凸起26と嵌合孔27が嵌合するようになるから、四個の外枠体6を何れの配置としたとしても、同じ形状のパネルユニット3を構成することができるという、組立て作業上での容易さがある。
【0070】
しかも、対向する残りの二辺の枠体部12,13側に向けて窪む凹溝14,15を形成し、凹溝14,15どうしが連続する部分に相当する隅部を湾曲壁20とすることで、湾曲壁20を中心側に位置するようにしてパネルユニット3を組立てれば、一個のパネルユニット3において、常に隣接する壁面ブロックパネル5に連続的な縦横方向の凹溝14,15が形成されるようになる。
【0071】
そしてこのような凹溝14,15には、それぞれ棚板等を取付けるための棚柱等を縦横に挿通することが可能であり、したがって壁面パネル構造1の付加価値を向上させることができる。すなわち、凹溝14,15を設けていることにより、棚板、棚柱等の装飾用部品を、特別な施工をすることなく取付けることができる。
【0072】
図1に示す棚柱75は、中抜きの矩形断面に形成されており、その前面に、矩形の切欠き76を所定間隔毎に形成している。また一本の棚柱75の長さは、例えば一個のパネルユニット3の縦方向長さの半分の長さに比べてやや短く形成するようにしておく。これにより、パネルユニット3を設置した後に、縦方向の溝を形成している凹溝14(15)に、上方あるいは下方から、隠し蓋65(フック67)に相当する位置まで挿入するように構成している。
【0073】
あるいは、棚柱75は、少なくとも一個のパネルユニット3における凹溝14,15を上下方向あるいは左右方向に挿通するものであってもよい。この場合、大径凹部25の前後方向の深さは、取付けビス21の頭部24の軸方向長さと同等か大きく設定して、取付けビス21の頭部24が大径凹部25に収納されていることにより、棚柱75の凹溝14,15への挿通を邪魔するものがない。
【0074】
例えば棚柱75の切欠き76に、棚受け用のアングル77を取付けるようにする。具体的には、アングル77の後部に形成された上下の係止片78を切欠き76に挿入して係止するようにすることで取付けることができる。
【0075】
あるいは、横方向の溝となっている凹溝14(15)には、取付け具80を係止するようにして、この取付け具80に棚板81を取付けるようにすることも可能である。具体的には図1および図13に示すように、取付け具80はその後部に、凹溝14(15)の側面14a(15a)に係止するフック82と、フック82の側面14a(15a)への係止とともに、前板体7の前面に面どうしで当接する本体部83とを備える。本体部83は左右側が開放された断面コ字形に形成され、その挿入口84に棚板81の後部を把持し、且つ棚板81をビス止めするよう構成されている。
なお、パネルユニット3を正面視してその中心に対して前部16は後部17に比べて小径(小面積)に形成されているから、隣合う壁面ブロックパネル5の枠体部10,11間には壁面2方向の隙間があるから、この隙間から取付け具80を挿入することが可能である。
【0076】
上記実施形態では、取付けビス21は胴部22と頭部24とから構成し、胴部22の外周面に第一の雄ネジ22aを形成し、頭部24の外周面に第二の雄ネジ24aを形成している。そして、頭部24の前面頂部にドライバー等の工具用の溝(例えば十字溝)85を形成している。このような取付けビス21を用いて、壁面2に取付けビス21を介して化粧板86を取付けることが可能である。
【0077】
具体的に、取付けビス21に連結する前後方向のポール状の連結部材87を設けて、この連結部材87の前部に化粧板86を支持させるようにしている。連結部材87の両端部内周面のうち、少なくとも一端側の内周面には雌ネジを形成している。この実施形態では、連結部材87の両端部内周面の双方に雌ネジを形成している。
そして一端側の雌ネジを取付けビス21の頭部24の第二の雄ネジ24aに螺合して連結部材87をパネルユニット3の前面からさらに前方に突出させ、予め化粧板86の板面に形成した取付け孔と連結部材87の他端側とを位置合わせするようにして化粧ネジ88を取付け孔に挿通し、化粧ネジ88を連結部材87の他端側に螺合する。
【0078】
このように、本発明の実施形態に係るパネルユニット3(壁面ブロックパネル5)では、第一凹溝3A、凹溝14,15(第二凹溝に相当する)、取付け構造を構成する取付けビス21の頭部24の外周面に第二の雄ネジ24aを形成したことにより、棚柱75、アングル77、取付け具80、棚板81、化粧板86、連結部材87等の装飾用部品を大掛かりな後工程によらずに設けることができる。
【0079】
特に、大径凹部25の径は取付けビス21の頭部24の径に比べて大きく設定し、頭部24に連結部材87を螺合した際に、連結部材87の端部が大径凹部25の内周面に内嵌するように設定することにより、連結部材87をその端部で確実に指示することができるから、化粧板86を安定した状態で保持することができる。
【0080】
本発明は上記実施形態に限定されるものではない。ここで、調節具32の別の実施形態を図14および図15に示す。これらの図に示す調節具32は、前当接部材90と後当接部材91とを前後一対で組合わせて構成されるものである。
【0081】
前当接部材90は、前円板92と、この前円板92の後面から後方に向けて突出する複数本(図では四本)の嵌合脚部材94とから一体に形成されている。嵌合脚部材94は前円板92の後面に周方向に等間隔に離間して配置されている。各嵌合脚部材94は、その中心に嵌合孔95を形成した前後方向で同一断面の中抜き円柱状に形成されている。
【0082】
後当接部材91は、後円板96と、この後円板96の前面から前方に向けて突出する複数本(図では四本)の被嵌合脚部材93とから一体に形成されている。被嵌合脚部材93は後円板96の前面に周方向に等間隔に離間して配置されている。被嵌合脚部材93は円錐台形状に形成されており、その先端部分の径は嵌合孔95に比べて小径に形成されており、前後方向途中で嵌合孔95の径を超える径に形成されている。この被嵌合脚部材93は、嵌合脚部材94に後方から内嵌するものである。
【0083】
前円板92の中心には雌ネジ孔97が形成されており、後円板96の中心には貫通孔98が形成されている。雌ネジ孔97は前円板92の厚み方向途中から形成されており、その前部には調節ボルト100の大径頭部101が挿入されて当接可能な段付き面102を有する挿入凹部103が形成されている。大径頭部101の前面にはレンチ等の工具で調節ボルト100を回転操作するための工具用凹部104が形成されている。
【0084】
貫通孔98には、調節ボルト100の胴部105の途中に形成した段部106が前後方向で当接する当接面107が形成されている。調節ボルト100の先端部には、抜止め用の止めリング108を取付けるための環状溝110が形成されている。
なお、調節ボルト100における胴部105の大径頭部101側の外周面に雌ネジ孔97に螺合する雄ネジ112が形成されている。
【0085】
上記構成の前当接部材90の嵌合脚部材94に後当接部材91の被嵌合脚部材93を嵌合する一方で、調節ボルト100の雄ネジ112を雌ネジ孔97に螺合するとともに調節ボルト100の胴部105を貫通孔98に挿通し、環状溝110に抜止め用の止めリング108を取付ける。
【0086】
このような調節具32をパネルユニット3の調節凹部28(係止壁33間)に挿入し、上記のようにしてパネルユニット3を壁面2に沿うように配置する。そして、必要に応じて調節ボルト100を回転させて後円板96に対する前円板92の位置を相対的に離間させることで、後円板96および前円板92の外周部分をそれぞれ係止壁33に内側から圧接する。この圧接力により、隣合うパネルユニット3どうしが不測・不要に回動するのを防止することができる。
【0087】
上記実施形態では、四個の壁面ブロック5で一個のパネルユニット3を構成し、これを壁面2の面方向に沿うよう組付けた場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、パネルユニット3を一個の壁面ブロック5から構成することも可能である。この場合では、壁面ブロック5の中心に取付けビス21を挿通する中心孔60を設けるようにし、壁面ブロック5の四隅に調節凹部28を形成するようにする。
そしてこの場合は、壁面ブロック5の前面に、例えば正面視して十字状(放射状)の前後方向の第一凹溝3Aを形成し、第一凹溝3Aの前後方向途中に、壁面2の面方向に向けて窪む帯状の凹溝14,15を形成する。
この構成でも同様に、装飾用部品を大掛かりな後工程によらずに設けることができる。
【0088】
そして、中心孔60に取付けビス21を挿通するようにして壁面ブロック5を壁面2に取付け、壁面ブロック5の調節凹部28に調節具32を渡すようにして上記実施形態と同様にして、順次壁面ブロック5を壁面2の面方向に沿って組付けるようにする。
【0089】
なお、図2、図3、図6等では凹溝14,15は一本の帯状に形成した場合を示しているが、特に、図7、図16では凹溝14,15に加えて、凹溝14,15の前側に、凹溝14,15に比べて小幅の小幅溝19a,19bが凹溝14,15に平行に複数本(この場合二条の溝)が形成された例を示している。
これら小幅溝19a,19bも凹溝14,15と同様に、取付け具80のフック82(図11参照)を係止させるのに用いられるものである。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の実施形態を示す壁面パネル構造の取付け状態を示す斜視図
【図2】同じくパネルユニットを構成する壁面ブロックの外枠体の単体斜視図
【図3】同じくパネルユニットを構成する壁面ブロックの底面図
【図4】同じくパネルユニットを構成する壁面ブロックの前板体の単体図で(a)は単体底面図、(b)は単体正面図
【図5】同じく調節具の単体図で(a)は単体斜視図、(b)は単体平面図、(c)は単体正面図
【図6】同じくパネルユニットどうしの取付け状態を示す側面図
【図7】同じくパネルユニットどうしの取付け状態を示す拡大側面図
【図8】同じくパネルユニットどうしの取付け状態を示す斜視図
【図9】同じく調節具の単体図で(a)は単体斜視図、(b)は単体平面図、(c)は単体正面図
【図10】同じく調節具の単体図で(a)は単体斜視図、(b)は単体平面図、(c)は単体正面図
【図11】同じく隠し蓋の単体図で(a)は単体斜視図、(b)は単体平面図
【図12】同じく隠し蓋の使用状態を示す平面図
【図13】同じく棚板の取付け状態の一例を示す側面図
【図14】同じく別の実施形態を示す調節具の平面図
【図15】同じく調節具の前当接部材の単体図で(a)は単体斜視図、(b)は単体平面図、(c)は単体正面図
【図16】同じく取付け具に棚板を取付けた別例を示す側面図
【符号の説明】
【0091】
1…壁面パネル構造、2…壁面、3…パネルユニット、4…間隔調節手段、5…壁面ブロック、6…外枠体、7…前板体、10,11…枠体部、12,13…枠体部、14,15…凹溝、20…湾曲壁、21…取付けビス、22…胴部、22a…第一の雄ネジ、24…頭部、24…第二の雄ネジ、25…大径凹部、28…調節凹部、29…凸起、30…小径調節凹部、31…大径調節凹部、32…調節具、33…係止壁、41…平板部、43…円柱部、44…鍔部、45,46…小径鍔部、47,48…小径鍔部、50,51…大径鍔部、60…中心孔、75…棚柱、81…棚板、93…被嵌合脚部材、94…嵌合脚部材、100…調節ボルト
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧板等のような壁面ブロックパネルを壁面に取付けるための取付け構造および壁面ブロックパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1参照に示すように、矩形の壁面ブロックパネルがある。この壁面ブロックパネルはその側面に壁面方向に窪む係合凹部と壁面方向に突となる係合凸部とを有しており、隣合う壁面ブロックパネルの係合凹部、係合凸部どうしが係合し合うように組付けつつ壁面に沿うように順次隣接させて壁面に取付けられる。
【特許文献1】特開平5−148921号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来では、壁面ブロックパネルを隣接させて壁面に沿うよう取付けるものであるが、壁面ブロックパネルを壁面に取付け施工した後に、壁面ブロックパネルの前側に棚板、棚柱等の装飾用部品を配置する場合がある。しかしながら、壁面ブロックパネルには棚板、棚柱等を取付けるための部分を設けていないから、このような取付け作業は後付けの作業として施工に手間がかかるという課題があった。
【0004】
そこで本発明は、壁面ブロックパネルの前側に棚板、棚柱等の装飾用部品を配置する場合にでも、その施工に手間がかからない壁面ブロックパネルの取付け構造および壁面ブロックパネルの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、壁面の面方向に沿って隣合うよう壁面ブロックパネルどうしを組合わせて前記壁面に取付けるための取付け構造であって、壁面ブロックパネルの中心に取付けビスを挿通可能なビス孔が壁面ブロックパネルの前後方向に形成され、該ビス孔は取付けビスの胴部が挿通する小径孔と、該小径孔に取付けビスの頭部が当接する段付き面を介して連続して形成されるとともに取付けビスの頭部が挿通して収納可能な大径孔とを有し、該大径孔の前側で大径孔を中心として、前方を開放して大径孔の径より大きな幅を有する第一凹溝が壁面ブロックパネルの外周端部に至るよう放射状に形成され、前記第一凹溝の前後方向途中部に該第一凹溝に沿うよう且つ壁面に沿う方向に窪む第二凹溝が形成されていることを特徴としている。
【0006】
上記構成において、第一凹溝を通過させてビス孔の小径孔に取付けビスの胴部を挿入するとともに、ビス孔の大径孔に取付けビスの頭部を挿入してこれを大径孔に収納し、取付けビスの胴部が壁面に挿通することで壁面ブロックパネルが壁面に固定される。また、第二凹溝に棚柱等の装飾用部品を挿通することで、特別な後付け作業をすることなく棚板等の装飾用部品を壁面ブロックパネルに取付けるようにする。
【0007】
本発明の壁面ブロックパネルの取付け構造では、取付けビスの胴部の外周面には壁面に螺合する第一の雄ネジが形成され、取付けビスの頭部の外周面には第二の雄ネジが形成されて該第二の雄ネジに壁面ブロックパネルの前面に対して突出する取付け杆部材の端部が螺合される構成とされていることを特徴としている。
【0008】
上記構成において、取付けビスの胴部の第一の雄ネジを壁面に螺合することで壁面ブロックパネルが壁面に取付けられ、取付けビスの頭部の第二の雄ネジに取付け杆部材の端部を螺合することで取付け杆部材を壁面ブロックパネルの前面に対して突出させてこれに棚板等の装飾用部品を取付ける。
【0009】
本発明は、壁面の面方向に沿って隣合うよう壁面ブロックパネルどうしを組合わせてパネルユニットとして、該パネルユニットを前記壁面に取付けるための取付け構造であって、前記各壁面ブロックパネルはその隅部に、該隅部どうしがパネルユニットの中心となるように隣合わせて壁面に沿うよう配置した際に前後方向に貫通する取付けビスの胴部および頭部が挿通されるビス孔が形作られるよう各壁面ブロックパネルの中心側へ窪む凹部が形成されており、該凹部の周壁面には取付けビスの頭部が前後方向で当接する段付き面が形成され、取付けビスの頭部に壁面ブロックパネルの前面に対して突出する取付け杆部材の端部が取付け可能に構成されていることを特徴としている。
【0010】
上記構成において、各壁面ブロックパネルを、その凹部を形成した隅部どうしが中心となるようにして隣合わせ、取付けビスを凹部によって形作られたビス孔に挿通して取付けビスの胴部を壁面に挿通し、取付けビスの頭部を段付き面に当接することで壁面ブロックパネルをパネルユニットとして壁面に沿うようにしてこれに取付け、取付けビスの頭部に装飾用部品を取付けるための取付け杆部材を取付ける。
【0011】
本発明の壁面ブロックパネルの取付け構造では、取付けビスの胴部の外周面には壁面に螺合する第一の雄ネジが形成され、取付けビスの頭部の外周面には第二の雄ネジが形成されて該第二の雄ネジに壁面ブロックパネルの前面に対して突出する取付け杆部材の端部が螺合される構成とされていることを特徴としている。
【0012】
上記構成において、取付けビスの胴部の第一の雄ネジを壁面に螺合することで壁面ブロックパネルを壁面に取付け、取付けビスの頭部の第二の雄ネジに取付け杆部材の端部を螺合してこれを取付けビスに取付けて、取付け杆部材に装飾用部品を取付ける。
【0013】
本発明の壁面ブロックパネルの取付け構造では、パネルユニットは、正面視して矩形に形成された四個の壁面ブロックパネルから構成され、各壁面ブロックパネルは壁面側の後枠体部と、隣合う壁面ブロックパネルから離れる方向で壁面方向に沿う段付き面を介して前記後枠体部の前側に設けられた前枠体部とを有し、凹部は各壁面ブロックパネルにおいて後枠体部の隅部に形成されていることを特徴としている。
【0014】
上記構成において、後枠体部と前枠体部とは隣合う壁面ブロックパネルから離れる方向で壁面方向に沿う段付き面を介して連続しているから、壁面ブロックパネルを隣合うように組合わせてなるパネルユニットでは、その中心側に正面視して交差する凹溝が形成された形態となり、しかもビス孔は交差する凹溝の中心に配置されることになる。
【0015】
本発明は、壁面の面方向に沿って隣合うよう組合わされて前記壁面に取付けられる壁面ブロックパネルであって、面方向の中心に取付けビスを挿通可能なビス孔が前後方向に形成され、該ビス孔は取付けビスの胴部が挿通する小径孔と、該小径孔に取付けビスの頭部が当接する段付き面を介して連続して形成されるとともに取付けビスの頭部が挿通して収納可能な大径孔とを有し、該大径孔の前側で大径孔を中心として、前方を開放して大径孔の径より大きな幅を有する第一凹溝が外周端部に至るよう放射状に形成され、前記第一凹溝の前後方向途中部に該第一凹溝に沿うよう且つ壁面に沿う方向に窪む第二凹溝が形成されていることを特徴としている。
【0016】
上記構成において、第一凹溝を通過させて取付けビスをビス孔に挿通することで取付けビスの胴部を小径孔に挿通してこれを壁面に挿通するとともに、取付けビスの頭部を大径孔に挿通して段付き面に当接させて収納して壁面ブロックパネルを壁面に取付け、第二凹溝に装飾用部品を取付ける。
【0017】
本発明は、壁面の面方向に沿って隣合うよう組合わされたパネルユニットとして前記壁面に取付けられる壁面ブロックパネルであって、隅部に、該隅部どうしがパネルユニットの中心となるように隣合わせて壁面に沿うよう配置した際に前後方向に貫通する取付けビスの胴部および頭部が挿通されるビス孔が形作られるよう中心側へ窪む凹部が形成されており、該凹部の周壁面にはビスの頭部が前後方向で当接する段付き面が形成され、取付けビスの頭部に壁面ブロックパネルの前面に対して突出する取付け杆部材の端部が取付け可能に構成されていることを特徴としている。
【0018】
上記構成において、各壁面ブロックパネルを、その凹部を形成した隅部どうしが中心となるようにして隣合わせ、取付けビスを凹部によって形作られたビス孔に挿通して取付けビスの胴部を壁面に挿通し、取付けビスの頭部を段付き面に当接することで壁面ブロックパネルをパネルユニットとして壁面に沿うようにしてこれに取付け、取付けビスの頭部に装飾用部品を取付けるための取付け杆部材を取付ける。
【発明の効果】
【0019】
本発明の取付け構造によれば、第一凹溝を通過させてビス孔の小径孔に取付けビスの胴部を挿入するとともに、ビス孔の大径孔に取付けビスの頭部を挿入してこれを大径孔に収納し、取付けビスの胴部が壁面に挿通することで壁面ブロックパネルを壁面に固定することができ、第二凹溝に棚柱等の装飾用部品を挿通することで、特別な後付け作業をすることなく、したがって手間をかけずに棚板等の装飾用部品を壁面ブロックパネルに取付けることができる。
【0020】
本発明の壁面ブロックパネルによれば、第一凹溝を通過させて取付けビスをビス孔に挿通することで取付けビスの胴部を小径孔に挿通してこれを壁面に挿通するとともに、取付けビスの頭部を大径孔に挿通して段付き面に当接させて収納して壁面ブロックパネルを壁面に取付け、第二凹溝に装飾用部品を取付けることで、手間をかけずに棚板等の装飾用部品を壁面ブロックパネルに取付けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態に係る壁面ブロックパネルおよびその取付け構造を、図面に基づいて説明する。
【0022】
図1に示すように、本発明の壁面パネル構造1は、家屋の壁面2に沿って配置されるもので、パネルユニット3と、パネルユニット3の不測・不要な回動を阻止する回動阻止とパネルユニット3の壁面2方向の間隔を調節(微調節)するための間隔調節とを兼用した間隔調節手段4とを有する。
【0023】
ここで、パネルユニット3の基本構成を説明する。パネルユニット3は複数個、この場合は四個の壁面ブロックパネル5どうしを組合わせて正面視して矩形のパネルユニット3としているものである。
各壁面ブロックパネル5は、外枠体6と前板体7とを有し、外枠体6と前板体7とはそれぞれ合成樹脂により一体または別体に成形されており、この実施形態では別体に形成されている。
【0024】
図2に示すように、外枠体6には、正面視して矩形の外枠体6の連続する二辺の枠体部10,11の外側面それぞれに、対向する残りの二辺の枠体部12,13側に向けて窪む帯状の凹溝14,15(第二凹溝に相当する)が形成されている。この凹溝14,15は枠体部10,11の前後幅途中に形成されている。
【0025】
凹溝14,15はそれぞれ帯状の底面14c,15cと底面の幅方向端部から立設する側面14a,14b,15a,15bによって形成されている。前記二辺の枠体部10,11では、パネルユニット3を壁面2に取付けた際に壁面2側に位置する後部17と、後部17から前方に向けて突出する前部16とを有する。凹溝14,15は枠体部10,11の後部17と前部16との境界部分に形成されている。また、二辺の枠体部10,11の各凹溝14,15は連続しており、且つ同一の深さに形成されている。パネルユニット3を正面視してその中心に対して前部16は後部17に比べて小径(小面積)に形成されている。
後部17の内面上で且つその後端には、外枠体6を壁面2にビス2a止めするための取付け片6aが複数組形成されている。
【0026】
前記二辺の枠体部10,11の外面において、その後部17と前部16とは、壁面2に平行な段付き面18を介して一体的に形成されている。前記二辺の枠体部10,11以外の二辺の枠体部12,13の外面の後部17および前部16は面一の平面に形成されている。
【0027】
外枠体6の前部16のうち、凹溝14,15どうしが連続する部分に相当する隅部には、正面視して円弧状の湾曲壁20が形成されている。
【0028】
パネルユニット3は、壁面2に取付けビス21によって取付けられるものであり、外枠体6の後部17のうち、凹溝14,15どうしが連続する部分に相当する隅部の後部に、4個の壁面ブロックパネル5どうしを隣接するよう組合わせた状態において、取付けビス21の胴部22が挿入される正面視して扇状の小径凹部23が形成され、該隅部の前部に取付けビス21の頭部24が挿入される正面視して扇状の大径凹部25が、小径凹部23に連続して形成されている。大径凹部25と小径凹部23とは壁面2に沿う段付き面によって連続して形成されている。
【0029】
取付けビス21の胴部22と頭部24とは、取付けビス21の径方向の段付き面を介して連続されており、胴部22の外周面には第一の雄ネジ22aが形成されている。4個の壁面ブロックパネル5どうしを隣接するよう組合わせた状態において、各大径凹部25と各小径凹部23とで、径の異なるビス孔(後述の中心孔60)がパネルユニット3の中心に形成される。
なお、孔部の小径側の径は取付けビス21の胴部22に比べてわずかに大きくなるよう設定されており、孔部の大径側の径は取付けビス21の頭部24に比べてわずかに大きく設定されている。
【0030】
また、取付けビス21は胴部22と、胴部22に比べて大径の頭部24とを有して、胴部22の外周面には第一の雄ネジ22aが形成され、頭部24の外周面には第二の雄ネジ24aが形成されている。頭部24にはさらに大径のフランジを一体的または別体に有することも好ましい。
大径凹部25の前後方向の深さを、取付けビス21の頭部24の軸方向長さと同等か大きく設定されている。大径凹部25の径は取付けビス21の頭部24の径に比べて大きく設定されている。
【0031】
前記二辺の枠体部10,11のうちの一方の枠体部10の後部17には、壁面2方向に突出する凸起26が一体的に形成されている。凸起26は、枠体部10の長手方向に間隔を置いて対で形成されている。他方の枠体部11の後部17には、隣合う壁面ブロックパネル5の凸起26が嵌合する嵌合孔27が形成されている。
凸起26および嵌合孔27は、壁面ブロックパネル5どうしを隣接して組付ける組付け手段として用いられるが、この凸起26および嵌合孔27は組付け手段としての一例であり、嵌合、被嵌合の関係に限らず、壁面ブロックパネル5どうしを隣接して組付ける手段として係止、被係止の関係を用いてもよい。
【0032】
凹溝14,15どうしが連続する部分に相当する隅部に対角線上で対向する隅部には、間隔調節手段4を構成する調節凹部28が形成されている。
調節凹部28は、前後の小径調節凹部30と、両小径調節凹部30の間に配置される大径調節凹部31とを有する。小径調節凹部30および大径調節凹部31はともに正面視して扇状に形成されており、四個の壁面ブロックパネル5を組合わせた状態で正面視して円形になるように形成されている。
【0033】
すなわち、四個の壁面ブロックパネル5を組合わせた状態で、各小径調節凹部30が組合わされて円柱状の凹部となり、各大径調節凹部31が組合わされてそれぞれ円柱状の凹部となる。また、凹溝14,15は正面視して縦方向一方、横方向一方の双方に形成されることになる。
【0034】
図3に示すように、小径調節凹部30の前後、大径調節凹部31の前後には、後述の調節具32の前後部が係止する係止壁33が形成されている。特に、前側の小径調節凹部30の前係止面34aは外枠体6の前隅部から形成されてなり、後側の小径調節凹部30の後係止面34bは外枠体6の後隅部から形成されてなる。
小径調節凹部30の小径内周面35、大径調節凹部31の大径内周面36は、調節具32の外周面が当接可能な当接面とされている。
【0035】
二辺の枠体部10,11以外の二辺の枠体部12,13の何れかの前部16に、壁面2方向に突出した取付け凸起29が一体的に形成されている。この取付け凸起26は、図4(a),(b)に示すように、前板体7の側部に折曲して形成された枠体部長手方向の取付け片38に形成された取付け孔40に嵌合するものである。
前板体7は、前面の平板部41と、前記取付け片38とを有し、取付け孔40に取付け凸起26を嵌合することで外枠体6と平板部41とが一体化される。
【0036】
上記構成の四個の壁面ブロックパネル5どうしを、凸起26を嵌合孔27に嵌合させることで組合わせて、正面視して矩形のパネルユニット3としているもので、そのパネルユニット3の対角線の交点に、取付けビス21を挿入する孔が形成された状態となる。なお、各壁面ブロックパネル5における湾曲壁20が前記対角線の交点側に位置することになる。
また、パネルユニット3の四隅には、調節具32の取付け部分が配置される。
【0037】
前記調節具32は、パネルユニット3の四隅それぞれに形成された調節凹部28に嵌合するもので、その前後に、前係止面34a、後係止面34bに摩擦力をもって壁面2に沿う方向で摺動するようにして係止する面を有するものである。あるいは小径調節凹部30の係止壁33に摩擦力をもって壁面2に沿う方向で摺動するようにして係止する面を有するものである。
【0038】
さらに具体的に調節具32の構成を説明すると、図5(a),(b),(c)に示すように、調節具32は、径方向中心にある円柱部43と、円柱部43の外周面から径方向外方に突出する鍔部44とから形成されている。円柱部43は前後方向中心部に比べて前後部が大径に形成されている。
【0039】
鍔部44は、前側の対の小径鍔部45,46と、後側の対の小径鍔部47,48と、円柱部43の軸方向中心にある対の大径鍔部50,51とから構成されている。調節具32の外周面としての各小径鍔部45,46,47,48および大径鍔部50,51の四隅は円弧状に形成されており、その曲率は、当接面としての小径調節凹部30の小径内周面35、大径調節凹部31の大径内周面36と同一に設定されている。
【0040】
円柱部43、はその長手方向中心側の中心部43aに比べて前後部43bが大径に形成されている。また、調節具32の長手方向(前後方向)の長さL1は、前係止面34aと後係止面34bとの間の長さ(前後の離間距離)に比べて、若干長く設定されている。具体的には、小径鍔部45の前面および小径鍔部48の後面にわずかな肉盛り45a,48aを形成することで、若干長く設定されている。
【0041】
この構成により、調節具32を調節凹部28に嵌合することで、調節具32が調節凹部28に若干の圧入力をもって嵌合されるように設定されている。また、小径鍔部45,46,47,48がそれぞれ小径調節凹部30に嵌合して小径鍔部45,46,47,48の外周面がそれぞれ小径内周面35に当接可能となり、大径鍔部50,51の外周面がそれぞれ大径調節凹部31の大径内周面36に当接可能となる。
【0042】
この実施形態では、上記のように四個の壁面ブロックパネル5を組合わせたパネルユニット3どうしを壁面2に沿って、且つ壁面2に沿う方向の隙間δをもって、間隔調節手段4を用いて組付けるようにするものである。
【0043】
以下に、複数個のパネルユニット3を壁面2に沿うように縦横に並べて配置するよう施工する場合について説明する。
すなわち、予め壁面2に設置するパネルユニット3を複数個準備しておき、また、パネルユニット3を取付けるための中心を壁面2に対して芯出ししておく。そして、パネルユニット3の中心を、芯出しした位置に位置合わせし、取付けビス21を、壁面ブロックパネル5の隅部に形成された小径凹部23および大径凹部25の組合わせによって正面視して円形に形成されている、後述の中心孔60に挿入して、これを壁面2に螺合する。そうすると、取付けビス21の段部が小径凹部23および大径凹部25の境界面である壁面2方向に沿う段付き面60aに当接(圧接)し、パネルユニット3が壁面2に取付けられる。
【0044】
つまり、パネルユニット3は四個の壁面ブロックパネル5を、その隅部に形成された大径凹部25および小径凹部23が中心となるよう組合わせてなるものであり、このようにすることにより、図2、図6、図7、図8、図12、図16に示すように、パネルユニット3の矩形中心(対角線上の中心)に中心孔60が形作られる。
そして、小径凹部23および大径凹部25の境界部には、段付き面60aが形成されるから、取付けビス21の頭部24が段付き面60aに当接するよう取付けビス21の胴部22を小径凹部23に挿通し、胴部22の外周面に形成されている第一の雄ネジ22aを壁面2に螺合させることで、パネルユニット3を壁面2に取付けることができる。
大径凹部25の前後方向の深さを、取付けビス21の頭部24の軸方向長さと同等か大きく設定されていることで、取付けビス21の頭部24は、大径凹部25によって形作られる大径孔に収納される。
なお、中心孔60は、二辺の枠体部10,11の外面における段付き面18に一致する位置で前側に開放されている。
【0045】
壁面ブロックパネル5の隅部に形成された小径凹部23および大径凹部25の組合わせによって正面視して円形に形成されている中心孔60があるから、芯出し位置はこの中心孔60を通して確認することができ、したがってパネルユニット3を確実に芯出し位置に合致する位置に置いて、しかも確実に取付けビス21を壁面2に螺合することができる。
なお、このようにしてパネルユニット3を壁面2に取付けた状態では、パネルユニット3はその中心に挿通されている取付けビス21のみで支持されているから、パネルユニット3は壁面2に対して回動し易い状態となっている。
【0046】
また、二辺の枠体部10,11の外面において、その後部17と前部16とは、壁面2に平行な段付き面18を介して一体的に形成されているから、四個の壁面ブロックパネル5を、その隅部に形成された大径凹部25および小径凹部23が中心となるよう組合わせることで、正面視して十字状(放射状)の前後方向の第一凹溝3Aが、パネルユニット3の前面に形成されることになる。この第一凹溝3Aの壁面2方向に沿う幅は、中心孔60の径よりも大きく設定されている。
【0047】
上記作業を、縦列あるいは横列一列について行う。その後、調節具32を上下、あるいは左右に隣合うパネルユニット3の調節凹部28どうしに渡すようにして嵌合するようにする。このとき、調節具32の長手方向の長さL1は、前係止面34aと後係止面34bとの間の長さに比べて、若干長く設定されているから調節具32を調節凹部28に渡すように嵌合することで、調節具32が調節凹部28に若干の圧入力をもって嵌合されることになり、その圧入力によって隣合うパネルユニット3どうしが固定されることになる。
つまり、調節具32を調節凹部28に渡すようにして嵌合(連結)することにより、パネルユニット3単体では壁面2に対してその壁面2に沿うように回動し易い状態が解消される。
なお、左右に隣合うパネルユニット3の調節凹部28に調節具32を嵌合した状態では、調節具32の略半分が上方に突出した状態となっている。
【0048】
上記のようにして例えば横列一列のパネルユニット3の取付けを終了したら、当該一列のパネルユニット3を構成する各パネルユニット3の上方に、予め芯出ししていた位置を目安に、パネルユニット3を取付ける。このとき、既に取付けてある調節具32の突出した部分に、上方のパネルユニット3の調節凹部28が嵌合するようにして該パネルユニット3を壁面2に取付ける。
【0049】
ここで、隣合うパネルユニット3どうしを壁面2方向に沿うよう配置するにあたり、予め壁面2方向に沿う所定の間隔を置くようにするものであるが、当該間隔と、パネルユニット3の調節凹部28の径を加えた距離は、調節具32の鍔部44の径に比べて若干大きくなるように設定されている。
【0050】
具体的に、パネルユニット3どうしを隣合うように配置した状態において、前記間隔と調節凹部28の小径内周面35の径とを加えた距離は、小径鍔部45の最大径に比べて若干大きく設定されている。
換言すれば、パネルユニット3どうしを隣合うように配置した状態において、小径鍔部45の最大径は、前記間隔と調節凹部28の小径内周面35の径とを加えた距離に比べて小さくなるよう設定されている。つまり、調節具32を調節凹部28に嵌合するよう取付けた状態では、調節具32の外周面と調節凹部28の内面との間に若干の隙間が生じるように設定されている。
【0051】
そして、調節具32は調節凹部28に若干の圧入力をもって嵌合されるものの、パネルユニット3の中心部回りに該圧入力を超える回転力が働いた場合に、前記隙間が埋められるようになり、調節具32の外周面と調節凹部28の内面とが当接するものである。しかしながら、調節具32の外周面と調節凹部28の内面とが当接したとしても、調節具32を介してパネルユニット3どうしが連結されているから、調節具32によってパネルユニット3の不測・不要な回動は抑制されることになる。
さらに、調節具32の外周面と調節凹部28の内面との間の隙間を小さくする、あるいは大きくするようにすることで、既に取付けてあるパネルユニット3に隣合うようにパネルユニット3を壁面2方向に微調節しつつ配置して、該パネルユニット3を芯出し位置に配設することができる。
【0052】
上記のようにしてパネルユニット3を、壁面2に沿って、且つ所定の間隔を置いて隣合うように設置することで、予め設定した個数のパネルユニット3が壁面2に設置されることになる。
【0053】
そして、本発明の実施形態では、四個の壁面ブロックパネル5どうしを組合わせて一個のパネルユニット3として扱い、これを取付けビス21だけで取付ける構成であるから、壁面2に取付ける壁面ブロックパネル5が多数あったとしても、四個の壁面ブロックパネル5どうしを組合わせて一個のパネルユニット3として扱う分だけ取付けが容易で作業性が良好である。
【0054】
しかも、四個の壁面ブロックパネル5どうしを組合わせて一個のパネルユニット3とし、これらパネルユニット3を壁面2に沿う所定の間隔を置いて配置し、調節具32の外周面と調節凹部28の内面との間の隙間を小さくする、あるいは大きくするようにすることで、既に取付けてあるパネルユニット3に隣合うようにパネルユニット3を壁面2方向に微調節しつつ配置して、該パネルユニット3を芯出し位置に配設することで、従来のように壁面ブロックパネル5を直接的に隣接するようにして配置することで発生する累積誤差による端部の壁面ブロックパネル5どうしの段差を解消することができる。
【0055】
図9(a),(b),(c)は、調節具32をその径方向で半割り形状とした調節具32Aであり、図10(a),(b),(c)は調節具32Aをさらに径方向で半割り形状とした調節具32Bである。
【0056】
調節具32Aの基本構成は、調節具32を、その二隅の円弧状部分をそのまま欠けることなく半割りにした形状であるが、半割り面を平面とすべく、外面を平面とした隠し用壁61が設けられている。隠し用壁61は、小径鍔部45,46の半割り面間、小径鍔部47,48の半割り面間、および大径鍔部50,51の半割り面間を塞ぐように設けられるもので、その外面が円柱部43の半割り面と面一となるように一体的に形成されている。
【0057】
また、小径鍔部45および小径鍔部48の半割り面側端部には、それぞれ長手方向に突出する板片63が、その外面を円柱部43の半割り面と面一となるように一体的に形成されている。
【0058】
この調節具32Aは、端部に配置するパネルユニット3において隣合うパネルユニット3どうしの調節凹部28に渡すように嵌合させて使用する。端部に配置するパネルユニット3において隣合うパネルユニット3どうしの調節凹部28は、側面から見たとき調節凹部28の内側の凹凸が見えてしまうから、調節凹部28に調節具32Aをその面一となっている平面が外側に位置するように嵌合することで、隠し用壁61および円柱部43の半割り面によって該凹凸を隠すことができ、しかも調節具32Aは調節具32の半割り形状であるから、端部のパネルユニット3の側方へ調節具32Aが突出することがない。
【0059】
また、板片63がそれぞれ係止壁33に側方から当接することで、調節具32Aが調節凹部28に入り込んでしまうという状態を回避することができる。
【0060】
調節具32Bは、端部のパネルユニット3のうち、隅部のパネルユニット3、すなわち二辺の枠体部12,13側にパネルユニット3が配置されていないパネルユニット3の調節凹部28に嵌合して使用するものである。
【0061】
調節具32Bは、調節具32を、その一隅の円弧状部分をそのまま欠けることなく4分の一に分割した形状であるが、割り面を平面とすべく、外面を平面とした隠し用壁62が設けられている。隠し用壁62は、小径鍔部45,46の割り面間、小径鍔部47,48の割り面間、および大径鍔部50,51の割り面間を塞ぐように設けられるもので、その外面が円柱部43の割り面と面一となるように一体的に形成されている。
【0062】
また、小径鍔部45および小径鍔部48の割り面側端部には、それぞれ長手方向に突出する板片64が、その外面を円柱部43の割り面と面一となるように一体的に形成されている。
【0063】
端部の隅に配置するパネルユニット3において、該パネルユニット3の調節凹部28は、側面あるいは上下面から見たとき調節凹部28の内側の凹凸が見えてしまうから、調節凹部28に調節具32Bをその面一となっている平面が外側に位置するように嵌合することで、隠し用壁62および円柱部43の割り面によって該凹凸を隠すことができ、しかも調節具32Bは調節具32の分割形状であるから、端部のパネルユニット3の側方、上下方へ調節具32Bが突出することがない。
【0064】
また、板片64がそれぞれ係止壁33に側方から当接することで、調節具32Aが調節凹部28に入り込んでしまうという状態を回避することができる。
【0065】
図11は、取付けビス21を中心孔60に挿入した後に、その頭部24を隠すための隠し蓋65を示している。これは、円板状の蓋体66と、この蓋体66の裏面外周部から取付けビス21の軸方向に突出するよう設けられた複数のフック67から一体的に形成されている。フック67は蓋体66の周方向に等間隔で離間して四個設けられている。
【0066】
フック67は、基部68と基部68の先に設けられた楔形状の係止部70とから一体的に形成されている。係止部70は、凹溝14(15)の側面14a(15a)に、基部68の弾性によって係止する係止面71が形成されている。
【0067】
図12は隠し蓋65の使用状態図を示しており、図示のように、中心孔60に隠し蓋65を位置合わせして挿入することで、係止部70が前部16の外面に押圧されて縮径するよう弾性変形し、さらに隠し蓋65を押圧することで、係止面71が凹溝14(15)の側面14a(15a)に、壁面2に垂直な面で係止する。このとき、フック67の先端部は、凹溝14(15)の側面14b(15b)に当って、それ以上後方に移動するのを阻止される。
【0068】
本発明の実施形態に係る壁面パネル構造1では、外枠体6には、正面視して矩形の外枠体6の連続する二辺の枠体部10,11の外側面それぞれに、対向する残りの二辺の枠体部12,13側に向けて窪む凹溝14,15が形成されている。また、凹溝14,15どうしが連続する部分に相当する隅部には湾曲壁20が形成され、二辺の枠体部10,11のうちの一方の枠体部10には凸起26が形成され、他方の枠体部11には、隣合う壁面ブロックパネル5の凸起26が嵌合する嵌合孔27が形成されている。
【0069】
この構成によれば、パネルユニット3を組立てるにあたり湾曲壁20を中心側に位置するようにすれば、凸起26と嵌合孔27が嵌合するようになるから、四個の外枠体6を何れの配置としたとしても、同じ形状のパネルユニット3を構成することができるという、組立て作業上での容易さがある。
【0070】
しかも、対向する残りの二辺の枠体部12,13側に向けて窪む凹溝14,15を形成し、凹溝14,15どうしが連続する部分に相当する隅部を湾曲壁20とすることで、湾曲壁20を中心側に位置するようにしてパネルユニット3を組立てれば、一個のパネルユニット3において、常に隣接する壁面ブロックパネル5に連続的な縦横方向の凹溝14,15が形成されるようになる。
【0071】
そしてこのような凹溝14,15には、それぞれ棚板等を取付けるための棚柱等を縦横に挿通することが可能であり、したがって壁面パネル構造1の付加価値を向上させることができる。すなわち、凹溝14,15を設けていることにより、棚板、棚柱等の装飾用部品を、特別な施工をすることなく取付けることができる。
【0072】
図1に示す棚柱75は、中抜きの矩形断面に形成されており、その前面に、矩形の切欠き76を所定間隔毎に形成している。また一本の棚柱75の長さは、例えば一個のパネルユニット3の縦方向長さの半分の長さに比べてやや短く形成するようにしておく。これにより、パネルユニット3を設置した後に、縦方向の溝を形成している凹溝14(15)に、上方あるいは下方から、隠し蓋65(フック67)に相当する位置まで挿入するように構成している。
【0073】
あるいは、棚柱75は、少なくとも一個のパネルユニット3における凹溝14,15を上下方向あるいは左右方向に挿通するものであってもよい。この場合、大径凹部25の前後方向の深さは、取付けビス21の頭部24の軸方向長さと同等か大きく設定して、取付けビス21の頭部24が大径凹部25に収納されていることにより、棚柱75の凹溝14,15への挿通を邪魔するものがない。
【0074】
例えば棚柱75の切欠き76に、棚受け用のアングル77を取付けるようにする。具体的には、アングル77の後部に形成された上下の係止片78を切欠き76に挿入して係止するようにすることで取付けることができる。
【0075】
あるいは、横方向の溝となっている凹溝14(15)には、取付け具80を係止するようにして、この取付け具80に棚板81を取付けるようにすることも可能である。具体的には図1および図13に示すように、取付け具80はその後部に、凹溝14(15)の側面14a(15a)に係止するフック82と、フック82の側面14a(15a)への係止とともに、前板体7の前面に面どうしで当接する本体部83とを備える。本体部83は左右側が開放された断面コ字形に形成され、その挿入口84に棚板81の後部を把持し、且つ棚板81をビス止めするよう構成されている。
なお、パネルユニット3を正面視してその中心に対して前部16は後部17に比べて小径(小面積)に形成されているから、隣合う壁面ブロックパネル5の枠体部10,11間には壁面2方向の隙間があるから、この隙間から取付け具80を挿入することが可能である。
【0076】
上記実施形態では、取付けビス21は胴部22と頭部24とから構成し、胴部22の外周面に第一の雄ネジ22aを形成し、頭部24の外周面に第二の雄ネジ24aを形成している。そして、頭部24の前面頂部にドライバー等の工具用の溝(例えば十字溝)85を形成している。このような取付けビス21を用いて、壁面2に取付けビス21を介して化粧板86を取付けることが可能である。
【0077】
具体的に、取付けビス21に連結する前後方向のポール状の連結部材87を設けて、この連結部材87の前部に化粧板86を支持させるようにしている。連結部材87の両端部内周面のうち、少なくとも一端側の内周面には雌ネジを形成している。この実施形態では、連結部材87の両端部内周面の双方に雌ネジを形成している。
そして一端側の雌ネジを取付けビス21の頭部24の第二の雄ネジ24aに螺合して連結部材87をパネルユニット3の前面からさらに前方に突出させ、予め化粧板86の板面に形成した取付け孔と連結部材87の他端側とを位置合わせするようにして化粧ネジ88を取付け孔に挿通し、化粧ネジ88を連結部材87の他端側に螺合する。
【0078】
このように、本発明の実施形態に係るパネルユニット3(壁面ブロックパネル5)では、第一凹溝3A、凹溝14,15(第二凹溝に相当する)、取付け構造を構成する取付けビス21の頭部24の外周面に第二の雄ネジ24aを形成したことにより、棚柱75、アングル77、取付け具80、棚板81、化粧板86、連結部材87等の装飾用部品を大掛かりな後工程によらずに設けることができる。
【0079】
特に、大径凹部25の径は取付けビス21の頭部24の径に比べて大きく設定し、頭部24に連結部材87を螺合した際に、連結部材87の端部が大径凹部25の内周面に内嵌するように設定することにより、連結部材87をその端部で確実に指示することができるから、化粧板86を安定した状態で保持することができる。
【0080】
本発明は上記実施形態に限定されるものではない。ここで、調節具32の別の実施形態を図14および図15に示す。これらの図に示す調節具32は、前当接部材90と後当接部材91とを前後一対で組合わせて構成されるものである。
【0081】
前当接部材90は、前円板92と、この前円板92の後面から後方に向けて突出する複数本(図では四本)の嵌合脚部材94とから一体に形成されている。嵌合脚部材94は前円板92の後面に周方向に等間隔に離間して配置されている。各嵌合脚部材94は、その中心に嵌合孔95を形成した前後方向で同一断面の中抜き円柱状に形成されている。
【0082】
後当接部材91は、後円板96と、この後円板96の前面から前方に向けて突出する複数本(図では四本)の被嵌合脚部材93とから一体に形成されている。被嵌合脚部材93は後円板96の前面に周方向に等間隔に離間して配置されている。被嵌合脚部材93は円錐台形状に形成されており、その先端部分の径は嵌合孔95に比べて小径に形成されており、前後方向途中で嵌合孔95の径を超える径に形成されている。この被嵌合脚部材93は、嵌合脚部材94に後方から内嵌するものである。
【0083】
前円板92の中心には雌ネジ孔97が形成されており、後円板96の中心には貫通孔98が形成されている。雌ネジ孔97は前円板92の厚み方向途中から形成されており、その前部には調節ボルト100の大径頭部101が挿入されて当接可能な段付き面102を有する挿入凹部103が形成されている。大径頭部101の前面にはレンチ等の工具で調節ボルト100を回転操作するための工具用凹部104が形成されている。
【0084】
貫通孔98には、調節ボルト100の胴部105の途中に形成した段部106が前後方向で当接する当接面107が形成されている。調節ボルト100の先端部には、抜止め用の止めリング108を取付けるための環状溝110が形成されている。
なお、調節ボルト100における胴部105の大径頭部101側の外周面に雌ネジ孔97に螺合する雄ネジ112が形成されている。
【0085】
上記構成の前当接部材90の嵌合脚部材94に後当接部材91の被嵌合脚部材93を嵌合する一方で、調節ボルト100の雄ネジ112を雌ネジ孔97に螺合するとともに調節ボルト100の胴部105を貫通孔98に挿通し、環状溝110に抜止め用の止めリング108を取付ける。
【0086】
このような調節具32をパネルユニット3の調節凹部28(係止壁33間)に挿入し、上記のようにしてパネルユニット3を壁面2に沿うように配置する。そして、必要に応じて調節ボルト100を回転させて後円板96に対する前円板92の位置を相対的に離間させることで、後円板96および前円板92の外周部分をそれぞれ係止壁33に内側から圧接する。この圧接力により、隣合うパネルユニット3どうしが不測・不要に回動するのを防止することができる。
【0087】
上記実施形態では、四個の壁面ブロック5で一個のパネルユニット3を構成し、これを壁面2の面方向に沿うよう組付けた場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、パネルユニット3を一個の壁面ブロック5から構成することも可能である。この場合では、壁面ブロック5の中心に取付けビス21を挿通する中心孔60を設けるようにし、壁面ブロック5の四隅に調節凹部28を形成するようにする。
そしてこの場合は、壁面ブロック5の前面に、例えば正面視して十字状(放射状)の前後方向の第一凹溝3Aを形成し、第一凹溝3Aの前後方向途中に、壁面2の面方向に向けて窪む帯状の凹溝14,15を形成する。
この構成でも同様に、装飾用部品を大掛かりな後工程によらずに設けることができる。
【0088】
そして、中心孔60に取付けビス21を挿通するようにして壁面ブロック5を壁面2に取付け、壁面ブロック5の調節凹部28に調節具32を渡すようにして上記実施形態と同様にして、順次壁面ブロック5を壁面2の面方向に沿って組付けるようにする。
【0089】
なお、図2、図3、図6等では凹溝14,15は一本の帯状に形成した場合を示しているが、特に、図7、図16では凹溝14,15に加えて、凹溝14,15の前側に、凹溝14,15に比べて小幅の小幅溝19a,19bが凹溝14,15に平行に複数本(この場合二条の溝)が形成された例を示している。
これら小幅溝19a,19bも凹溝14,15と同様に、取付け具80のフック82(図11参照)を係止させるのに用いられるものである。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の実施形態を示す壁面パネル構造の取付け状態を示す斜視図
【図2】同じくパネルユニットを構成する壁面ブロックの外枠体の単体斜視図
【図3】同じくパネルユニットを構成する壁面ブロックの底面図
【図4】同じくパネルユニットを構成する壁面ブロックの前板体の単体図で(a)は単体底面図、(b)は単体正面図
【図5】同じく調節具の単体図で(a)は単体斜視図、(b)は単体平面図、(c)は単体正面図
【図6】同じくパネルユニットどうしの取付け状態を示す側面図
【図7】同じくパネルユニットどうしの取付け状態を示す拡大側面図
【図8】同じくパネルユニットどうしの取付け状態を示す斜視図
【図9】同じく調節具の単体図で(a)は単体斜視図、(b)は単体平面図、(c)は単体正面図
【図10】同じく調節具の単体図で(a)は単体斜視図、(b)は単体平面図、(c)は単体正面図
【図11】同じく隠し蓋の単体図で(a)は単体斜視図、(b)は単体平面図
【図12】同じく隠し蓋の使用状態を示す平面図
【図13】同じく棚板の取付け状態の一例を示す側面図
【図14】同じく別の実施形態を示す調節具の平面図
【図15】同じく調節具の前当接部材の単体図で(a)は単体斜視図、(b)は単体平面図、(c)は単体正面図
【図16】同じく取付け具に棚板を取付けた別例を示す側面図
【符号の説明】
【0091】
1…壁面パネル構造、2…壁面、3…パネルユニット、4…間隔調節手段、5…壁面ブロック、6…外枠体、7…前板体、10,11…枠体部、12,13…枠体部、14,15…凹溝、20…湾曲壁、21…取付けビス、22…胴部、22a…第一の雄ネジ、24…頭部、24…第二の雄ネジ、25…大径凹部、28…調節凹部、29…凸起、30…小径調節凹部、31…大径調節凹部、32…調節具、33…係止壁、41…平板部、43…円柱部、44…鍔部、45,46…小径鍔部、47,48…小径鍔部、50,51…大径鍔部、60…中心孔、75…棚柱、81…棚板、93…被嵌合脚部材、94…嵌合脚部材、100…調節ボルト
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁面の面方向に沿って隣合うよう壁面ブロックパネルどうしを組合わせて前記壁面に取付けるための取付け構造であって、
壁面ブロックパネルの中心に取付けビスを挿通可能なビス孔が壁面ブロックパネルの前後方向に形成され、該ビス孔は取付けビスの胴部が挿通する小径孔と、該小径孔に取付けビスの頭部が当接する段付き面を介して連続して形成されるとともに取付けビスの頭部が挿通して収納可能な大径孔とを有し、該大径孔の前側で大径孔を中心として、前方を開放して大径孔の径より大きな幅を有する第一凹溝が壁面ブロックパネルの外周端部に至るよう放射状に形成され、前記第一凹溝の前後方向途中部に該第一凹溝に沿うよう且つ壁面に沿う方向に窪む第二凹溝が形成されていることを特徴とする壁面ブロックパネルの取付け構造。
【請求項2】
取付けビスの胴部の外周面には壁面に螺合する第一の雄ネジが形成され、取付けビスの頭部の外周面には第二の雄ネジが形成されて該第二の雄ネジに壁面ブロックパネルの前面に対して突出する取付け杆部材の端部が螺合される構成とされていることを特徴とする請求項1記載の壁面ブロックパネルの取付け構造。
【請求項3】
壁面の面方向に沿って隣合うよう壁面ブロックパネルどうしを組合わせてパネルユニットとして、該パネルユニットを前記壁面に取付けるための取付け構造であって、
前記各壁面ブロックパネルはその隅部に、該隅部どうしがパネルユニットの中心となるように隣合わせて壁面に沿うよう配置した際に前後方向に貫通する取付けビスの胴部および頭部が挿通されるビス孔が形作られるよう各壁面ブロックパネルの中心側へ窪む凹部が形成されており、該凹部の周壁面には取付けビスの頭部が前後方向で当接する段付き面が形成され、取付けビスの頭部に壁面ブロックパネルの前面に対して突出する取付け杆部材の端部が取付け可能に構成されていることを特徴とする壁面ブロックパネルの取付け構造。
【請求項4】
取付けビスの胴部の外周面には壁面に螺合する第一の雄ネジが形成され、取付けビスの頭部の外周面には第二の雄ネジが形成されて該第二の雄ネジに壁面ブロックパネルの前面に対して突出する取付け杆部材の端部が螺合される構成とされていることを特徴とする請求項3記載の壁面ブロックパネルの取付け構造。
【請求項5】
パネルユニットは、正面視して矩形に形成された四個の壁面ブロックパネルから構成され、各壁面ブロックパネルは壁面側の後枠体部と、隣合う壁面ブロックパネルから離れる方向で壁面方向に沿う段付き面を介して前記後枠体部の前側に設けられた前枠体部とを有し、凹部は各壁面ブロックパネルにおいて後枠体部の隅部に形成されていることを特徴とする請求項3または請求項4記載の壁面ブロックパネルの取付け構造。
【請求項6】
壁面の面方向に沿って隣合うよう組合わされて前記壁面に取付けられる壁面ブロックパネルであって、
面方向の中心に取付けビスを挿通可能なビス孔が前後方向に形成され、該ビス孔は取付けビスの胴部が挿通する小径孔と、該小径孔に取付けビスの頭部が当接する段付き面を介して連続して形成されるとともに取付けビスの頭部が挿通して収納可能な大径孔とを有し、該大径孔の前側で大径孔を中心として、前方を開放して大径孔の径より大きな幅を有する第一凹溝が外周端部に至るよう放射状に形成され、前記第一凹溝の前後方向途中部に該第一凹溝に沿うよう且つ壁面に沿う方向に窪む第二凹溝が形成されていることを特徴とする壁面ブロックパネル。
【請求項7】
壁面の面方向に沿って隣合うよう組合わされたパネルユニットとして前記壁面に取付けられる壁面ブロックパネルであって、
隅部に、該隅部どうしがパネルユニットの中心となるように隣合わせて壁面に沿うよう配置した際に前後方向に貫通する取付けビスの胴部および頭部が挿通されるビス孔が形作られるよう中心側へ窪む凹部が形成されており、該凹部の周壁面にはビスの頭部が前後方向で当接する段付き面が形成され、取付けビスの頭部に壁面ブロックパネルの前面に対して突出する取付け杆部材の端部が取付け可能に構成されていることを特徴とする壁面ブロックパネル。
【請求項1】
壁面の面方向に沿って隣合うよう壁面ブロックパネルどうしを組合わせて前記壁面に取付けるための取付け構造であって、
壁面ブロックパネルの中心に取付けビスを挿通可能なビス孔が壁面ブロックパネルの前後方向に形成され、該ビス孔は取付けビスの胴部が挿通する小径孔と、該小径孔に取付けビスの頭部が当接する段付き面を介して連続して形成されるとともに取付けビスの頭部が挿通して収納可能な大径孔とを有し、該大径孔の前側で大径孔を中心として、前方を開放して大径孔の径より大きな幅を有する第一凹溝が壁面ブロックパネルの外周端部に至るよう放射状に形成され、前記第一凹溝の前後方向途中部に該第一凹溝に沿うよう且つ壁面に沿う方向に窪む第二凹溝が形成されていることを特徴とする壁面ブロックパネルの取付け構造。
【請求項2】
取付けビスの胴部の外周面には壁面に螺合する第一の雄ネジが形成され、取付けビスの頭部の外周面には第二の雄ネジが形成されて該第二の雄ネジに壁面ブロックパネルの前面に対して突出する取付け杆部材の端部が螺合される構成とされていることを特徴とする請求項1記載の壁面ブロックパネルの取付け構造。
【請求項3】
壁面の面方向に沿って隣合うよう壁面ブロックパネルどうしを組合わせてパネルユニットとして、該パネルユニットを前記壁面に取付けるための取付け構造であって、
前記各壁面ブロックパネルはその隅部に、該隅部どうしがパネルユニットの中心となるように隣合わせて壁面に沿うよう配置した際に前後方向に貫通する取付けビスの胴部および頭部が挿通されるビス孔が形作られるよう各壁面ブロックパネルの中心側へ窪む凹部が形成されており、該凹部の周壁面には取付けビスの頭部が前後方向で当接する段付き面が形成され、取付けビスの頭部に壁面ブロックパネルの前面に対して突出する取付け杆部材の端部が取付け可能に構成されていることを特徴とする壁面ブロックパネルの取付け構造。
【請求項4】
取付けビスの胴部の外周面には壁面に螺合する第一の雄ネジが形成され、取付けビスの頭部の外周面には第二の雄ネジが形成されて該第二の雄ネジに壁面ブロックパネルの前面に対して突出する取付け杆部材の端部が螺合される構成とされていることを特徴とする請求項3記載の壁面ブロックパネルの取付け構造。
【請求項5】
パネルユニットは、正面視して矩形に形成された四個の壁面ブロックパネルから構成され、各壁面ブロックパネルは壁面側の後枠体部と、隣合う壁面ブロックパネルから離れる方向で壁面方向に沿う段付き面を介して前記後枠体部の前側に設けられた前枠体部とを有し、凹部は各壁面ブロックパネルにおいて後枠体部の隅部に形成されていることを特徴とする請求項3または請求項4記載の壁面ブロックパネルの取付け構造。
【請求項6】
壁面の面方向に沿って隣合うよう組合わされて前記壁面に取付けられる壁面ブロックパネルであって、
面方向の中心に取付けビスを挿通可能なビス孔が前後方向に形成され、該ビス孔は取付けビスの胴部が挿通する小径孔と、該小径孔に取付けビスの頭部が当接する段付き面を介して連続して形成されるとともに取付けビスの頭部が挿通して収納可能な大径孔とを有し、該大径孔の前側で大径孔を中心として、前方を開放して大径孔の径より大きな幅を有する第一凹溝が外周端部に至るよう放射状に形成され、前記第一凹溝の前後方向途中部に該第一凹溝に沿うよう且つ壁面に沿う方向に窪む第二凹溝が形成されていることを特徴とする壁面ブロックパネル。
【請求項7】
壁面の面方向に沿って隣合うよう組合わされたパネルユニットとして前記壁面に取付けられる壁面ブロックパネルであって、
隅部に、該隅部どうしがパネルユニットの中心となるように隣合わせて壁面に沿うよう配置した際に前後方向に貫通する取付けビスの胴部および頭部が挿通されるビス孔が形作られるよう中心側へ窪む凹部が形成されており、該凹部の周壁面にはビスの頭部が前後方向で当接する段付き面が形成され、取付けビスの頭部に壁面ブロックパネルの前面に対して突出する取付け杆部材の端部が取付け可能に構成されていることを特徴とする壁面ブロックパネル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2008−308849(P2008−308849A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−156595(P2007−156595)
【出願日】平成19年6月13日(2007.6.13)
【出願人】(000002462)積水樹脂株式会社 (781)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月13日(2007.6.13)
【出願人】(000002462)積水樹脂株式会社 (781)
【Fターム(参考)】
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