説明

売価管理装置

【課題】特定の日時に特定の商品の売価がいくらになるのかの確認を容易化する。
【解決手段】入力インターフェイス部31を介して売価変更推移確認対象商品の商品コードと確認期間が入力されると、確認期間内日別単価取得部32は、単品マスタファイル21及び特売企画マスタファイル22に記憶されたデータに基づいて当該商品コードで識別される商品の当該確認期間内における単位時間毎の売価データを取得し、日別単価テーブル35を作成する。売価変更推移グラフ作成部33は、日別単価テーブル35に記憶された単位時間毎の売価データにより確認期間内の時間経過に伴う売価変更推移を示すグラフデータを作成する。売価変更推移グラフ出力部34は、このグラフデータを例えば表示または印刷出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種商品の売価を管理する売価管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
流通小売業で実用化されているPOS(Point Of Sales)システムは、一般に、金銭登録機能を有する端末いわゆるPOS端末と、その上位機としてオンラインで接続されたサーバ用コンピュータいわゆる店舗サーバとから構成されている。店舗サーバには、各商品固有の商品コードに対応して単価,品名等の単品データを記憶する単品マスタファイルが設けられている。また、特売企画等により単価を一時的に変更する商品の商品コードに対応して変更後単価及び変更期間等の単価変更データを記憶する単価変更ファイルが設けられている。POS端末には、客が購入する商品の商品コードを入力する入力部が設けられている。
【0003】
しかして店舗サーバでは、営業日毎に単品マスタファイルから各商品の少なくとも商品コード,単価及び品名が読出されて単品参照テーブルが作成される。また、単価変更ファイルが検索されて本営業日を変更期間とする単価変更データが探し出される。そして、該当する単価変更データが検出されると、この単価変更データにおける商品コードに対応して単品参照テーブルに記憶されている単価データが、当該単価変更データにおける変更後単価に変更される。こうして、各商品の商品コードに対応して少なくとも単価と品名が記憶された単品参照テーブルは、オンラインを通じてPOS端末にダウンロードされる。
【0004】
一方、POS端末では、入力部を介して単品コードが入力されると、上記単品参照テーブルから当該単品コードに対応する単価及び品名が読み出される。そして、この単価が売価として品名とともに表示される。また、売価に販売点数が乗算されて販売金額が算出され、単品コード,販売点数,販売金額などからなる商品販売データが売上登録処理される。
【0005】
これにより、例えば多数の商品の単価を一時的に値引きして販売する特売企画を実施する場合においても、事前に特売対象商品毎に単価変更データを作成し単価変更ファイルに保存しておくことによって、特売企画の実施期間中、POS端末で売上登録処理される各商品つまりは特売対象外商品のみならず特売対象商品の売価をも、POS端末のユーザの負担になることなく正確に管理できるようになる。(例えば、特許文献1,2参照)。
【特許文献1】特開平10−289379号公報
【特許文献2】特開平11−007586号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで従来は、1つの商品に対して複数の単価変更データを作成し、単価変更ファイに保存することが可能であった。また、その場合に変更後単価による販売期間が重複していても、例えば価格の安い方を優先したり、後から作成された方を優先したりすることによって対応可能であった。
【0007】
その一方で、単価変更ファイルに保存されている単価変更データのリストを表示または印刷出力することは可能であった。そこで、この単価変更データのリストから単価変更の実行状況や予約状況を確認することは従来から行われていた。
【0008】
しかしながら、特定の日時に特定の商品の売価がいくらになるのかを調べようとした場合、従来は、リストに表示された単価変更データの明細を見比べて、期間が重なっている部分の特定や金額の比較を確認者自身で行わなければならなかった。このため売価の特定に時間を要していた上、ミスも発生し易かった。
【0009】
本発明はこのような事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、特定の日時に特定の商品の売価がいくらになるのかを、確認者の負担になることなく正確にかつ短時間で知ることができる売価管理装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の売価管理装置例えば店舗サーバは、各商品の商品コードに対応してその商品に設定された単価を記憶する商品別単価記憶手段例えば単品マスタファイルと、売価変更する商品の前記商品コードに対応して売価変更後の単価及びこの単価での販売期間を記憶する売価変更データ記憶手段例えば特売企画マスタファイルとを備える。また、売価変更推移確認対象商品の商品コード及び確認期間の情報入力を受け付ける入力受付手段例えば入力インターフェイス部を設ける。そして、この入力受付手段を介して売価変更推移確認対象商品の商品コードと確認期間が入力されると、商品別単価記憶手段及び売価変更データ記憶手段に記憶されたデータに基づいて当該商品コードで識別される商品の当該確認期間内における単位時間毎の売価データを取得し、この単位時間毎の売価データにより確認期間内の時間経過に伴う売価変更推移を示すグラフデータを作成して、このグラフデータを例えば表示または印刷出力するようにしたものである。
【発明の効果】
【0011】
かかる手段を講じた本発明によれば、特定の日時に特定の商品の売価がいくらになるのかをグラフから直接的に確認することが可能となり、確認ミスを高い確率で防ぐことができる上、確認者の負担軽減及び確認作業に要する時間の短縮を図り得、売価確認作業の能率を大幅に向上させることができる売価管理装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を用いて説明する。
なお、この実施の形態は、本部と販売店の双方で特売企画を設定できる例えばスーパーマーケットの各販売店にそれぞれ設置される店舗サーバに、本発明の売価管理装置としての機能を設けた場合である。
【0013】
図1は本実施の形態のシステム構成図であり、同図において、符号1は各販売店にそれぞれ構築される店舗システムを示している。店舗システム1は、店内に敷設されたLAN(Local Area Network)10に、店舗サーバ11、POS端末12、パソコン13等を接続して構築されている。POS端末12は、顧客が買い上げる商品の販売データを売上登録処理する商品販売データ処理装置として機能するものであり、店内の会計場などに設置された複数台がLAN10に接続されている。パソコン13にはプリンタ14が接続されている。店舗サーバ11は、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber),ISDN(Integrated Services Digital Network)等のネットワーク2を介して、本部に構築されている本部システム3と接続している。
【0014】
店舗サーバ11は、図2に示す機能ブロック図の構成により、売価管理機能を実現するものとなっている。すなわち店舗サーバ11は、HDD(Hard Disk Drive)装置等の大容量記憶装置に単品マスタファイル21と特売企画マスタファイル22を形成している。また、現在の日付及び時刻を計時する時計部23と、単品参照テーブル24を作成する単品参照テーブル作成部25と、作成された単品参照テーブル24を各POS端末12にLAN10を通じて送信する単品参照テーブル送信部26を備えている。
【0015】
単品マスタファイル21には、商品毎に作成される単品レコードが保存されている。単品レコードは、図3に示すように、単品コード,単品名称,定番単価,実売単価,実売単価開始日,実売単価終了日等の項目データで構成されている。単品コードは、各商品を識別するために商品毎に設定される商品固有のコードであり、多くの商品には自らの単品コードがバーコード,二次元コード,RFID等の形態で付されて販売されている。単品名称,定番単価及び実売単価は、対応する単品コードで特定される商品に対して予め設定される名称及び単価データである。定番単価は、一年を通して設定される単価であり、当該商品の基本となる単価,例えば希望小売価格等である。実売単価は、当該販売店における通常時の販売価格として設定される単価であり、定番単価と等しい若しくは安い価格が実売単価として設定されている。実売単価開始日及び終了日は、実売単価が有効となる期間の開始日及び終了日である。ここに、単品マスタファイル21は、商品別単価記憶手段を構成する。
【0016】
特売企画マスタファイル22には、特売商品毎に作成される特売企画レコードが保存されている。なお、特売商品とは、設定された特売企画の期間内に実売単価より安い特売単価で販売される商品である。特売企画レコードは、図4に示すように、特売企画番号,単品コード,特売単価,特売開始日,特売終了日,企画設定日等の項目データで構成されている。特売企画番号は、特売企画毎に割り当てられる番号である。特売開始日及び終了日は、対応する特売企画の開始日及び終了日つまりは対応する特売単価での販売期間である。企画設定日は、対応する特売企画の特売企画レコードが特売企画マスタファイル22に追加保存された日付である。
【0017】
因みに、本部が立案した特売企画の特売企画レコードは、通常、本部システム3で作成され、ネットワーク2を通じて店舗サーバ11に伝送されて、特売企画マスタファイル22に追加保存される。一方、店舗が立案した特売企画の特売企画レコードは、通常、パソコン13で作成され、LAN10を通じて店舗サーバ11に伝送されて、特売企画マスタファイル22に追加保存される。ここに、特売企画マスタファイル22は、売価変更データ記憶手段を構成する。
【0018】
単品参照テーブル作成部25は、CPUを主体とするプログラム処理によって構成されている。店舗サーバ11は、時計部23にて計時される日時が予め設定されている店舗営業日の開店時刻前所定時刻になると、単品マスタファイル21から各商品の少なくとも単品コード,単価及び品名を読出して単品参照テーブル24を作成する。また、特売企画マスタファイル22を検索して本営業日を特売単価での販売期間とする特売企画レコードを探し出す。そして、該当する特売企画レコードが検出されると、この特売企画レコードの単品コードに対応して単品参照テーブルに記憶されている単価データを、当該特売企画レコードの特売単価に変更する。ただし、単品コードが重複している特売企画レコードが検出された場合には、特売企画番号が一致する場合は企画設定日が新しい方を優先し、特売企画番号が一致しない場合には価格の安い方を優先する。こうして、各商品の単品コードに対応して少なくとも単価と品名が記憶された単品参照テーブル24は、単品参照テーブル送信部26の作用によりLAN10を通じて各POS端末12にダウンロードされる。
【0019】
これにより、各POS端末12は、客が購入する商品の単品コードが入力されると、単品参照テーブル24から当該単品コードに対応して記憶されている単価を読出し、この単価と販売点数から販売金額を算出する。そして、単品コード,販売点数及び販売金額からなる商品販売データを売上登録処理するものとなっている。
【0020】
また、店舗サーバ11は、図5に示す機能ブロック図の構成により、本発明に係る売価変更推移確認機能を実現するものとなっている。すなわち店舗サーバ11は、入力インターフェイス部31、確認期間内日別単価取得部32、売価変更推移グラフ作成部33及び売価変更推移グラフ出力部34を備えている。
【0021】
入力インターフェイス部31は、外部機器から売価変更推移確認指令コマンドと売価変更推移確認対象商品の単品コード及び確認期間の情報入力を受け付けるもので、入力受付手段を構成する。ここで、外部機器は、パソコン13、POS端末12あるいは本部システム3のコンピュータ等である。パソコン13及びPOS端末12の場合は、LAN10を経由して送られてくる売価変更推移確認指令コマンド及び単品コード,確認期間の情報の入力を受け付ける。本部システム3のコンピュータの場合は、ネットワーク2を経由して送られてくる売価変更推移確認指令コマンド及び単品コード,確認期間の情報の入力を受け付ける。
【0022】
確認期間内日別単価取得部32は、入力インターフェイス部31で売価変更推移確認指令コマンド及び単品コード,確認期間の情報入力を受け付けたことに応じて起動し、単品マスタファイル21及び特売企画マスタファイル22に記憶されたデータに基づき当該単品コードで識別される商品の当該確認期間内における日毎の売価を取得して、日別単価テーブル35を作成するもので、売価取得手段を構成する。
【0023】
確認期間内日別単価取得部32の具体的な処理手順の一例を、図8〜図10の流れ図を用いて説明する。
店舗サーバ11は、先ず、ST(ステップ)1として、売価変更推移確認指令コマンドとともに入力された単品コード及び確認期間の情報を確認対象メモリ領域に記憶する。次に、ST2として、日数カウンタnを初期値“1”にセットする。また、ST3として、確認期間の日数Nを日数メモリ領域に記憶する。しかる後、ST4として、図6に示すように、日数N分の日付エリアD1〜DNとそれに対応する単価エリアA1〜AN及び単価種別エリアF1〜FNを形成してなる日別単価テーブル35を作成する。そして、この日別単価テーブル35の先頭日付エリアD1から最終日付エリアDNまで順番に確認期間開始日から終了日までの各日付データをセットする。
【0024】
次に、店舗サーバ11は、ST5として特売企画マスタファイル22の特売企画レコードを企画設定日の新しい順に検索する。そして、ST6として確認対象メモリ領域に記憶されている単品コードを有する特売企画レコードを検出したならば、ST7として日別単価テーブル35の日付エリアDn(nは日数カウンタnの値)にセットされている日付が当該特売企画レコードの特売期間内であるか否かを判断する。
【0025】
ここで、日付エリアDnの日付が特売期間内でない場合にはST5の処理に戻り、特売企画マスタファイル22の検索を続ける。これに対し、日付エリアDnの日付が特売期間内であった場合には、店舗サーバ11は、ST8として後述する特売単価取得処理を実行する。
【0026】
一方、特売企画マスタファイル22を検索した結果、確認対象メモリ領域内の単品コードを有する特売企画レコードを検出できなかった場合には、店舗サーバ11は、ST9として後述する通常単価取得処理を実行する。
【0027】
この特売単価取得処理または通常単価取得処理の実行により、日付エリアDnにセットされた日付における当該商品の売価が取得されるので、店舗サーバ11は、ST10として日数カウンタnを“1”だけカウントアップする。そして、ST11として日数カウンタnが日数メモリ領域に記憶されている確認期間の日数Nを超えたか否かを判断する。ここで、日数カウンタnが日数Nを超えていない場合には、その翌日における当該商品の売価を取得するためにST5の処理に戻る。すなわち、特売企画マスタファイル22の特売企画レコードを企画設定日の新しい順に再度検索して、特売単価取得処理または通常単価取得処理を実行する。
【0028】
かくして、ST11にて日数カウンタnが日数Nを超えたならば、確認期間開始日から終了日までの各日付における当該商品の売価を全て取得できたので、店舗サーバ11は、この処理を終了する。
【0029】
図9は、ST8の特売単価取得処理の手順を具体的に示す流れ図である。すなわち、店舗サーバ11は、確認対象メモリ領域に記憶されている単品コードを有する特売企画レコードでその特売期間が日付エリアDnの日付を含むレコードを検出したならば、ST21としてこのレコードの特売企画番号と特売単価を特売検出メモリ領域に記憶する。そして、ST22として特売企画マスタファイル22の検索を続ける。その結果、ST23として確認対象メモリ領域に記憶されている単品コードを有する特売企画レコードを検出できなかった場合には、店舗サーバ11は、ST24として日別単価テーブル35の単価エリアAn(nは日数カウンタnの値)に、特売検出メモリ領域内の特売単価をセットする。また、ST25として日別単価テーブル35の単価種別エリアFn(nは日数カウンタnの値)に、売価が特売単価であることを示す単価種別データ“2”をセットして、この特売単価取得処理を終了する。
【0030】
一方、特売企画マスタファイル22の検索により、ST23にて確認対象メモリ領域に記憶されている単品コードを有する特売企画レコードを再度検出した場合には、ST26として日別単価テーブル35の日付エリアDnにセットされている日付が当該特売企画レコードの特売期間内であるか否かを判断する。ここで、日付エリアDnの日付が特売期間内でない場合にはST22の処理に戻り、特売企画マスタファイル22の検索を続ける。
【0031】
これに対し、日付エリアDnの日付が特売期間内であった場合には、店舗サーバ11は、ST27として当該特売企画レコードの企画コードが特売検出メモリ領域に記憶されている特売企画番号と一致するか否かを判断する。ここで、一致しない場合には、同一商品に対して同日に別の特売企画が設定されており、この場合は価格が安い方を有効にするので、店舗サーバ11は、ST28として当該特売企画レコードの特売単価と特売検出メモリ領域内の特売単価とを比較する。そして、価格が安い方の特売単価と、その特売単価に対応した特売企画レコードの特売企画番号とを、特売検出メモリ領域に上書きして記憶する。
【0032】
ST27にて、当該特売企画レコードの企画コードが特売検出メモリ領域内の特売企画番号と一致する場合には、同一の特売企画に対して同一商品の特売価格が複数設定されており、この場合は設定日が新しい方を有効にするので、特売検出メモリ領域のデータを書き換えない。しかる後、ST22の処理に戻り、特売企画マスタファイル22の検索を続ける。
【0033】
こうして、ST23にて特売企画マスタファイル22の検索終了を確認したならば、前述したように、日別単価テーブル35の単価エリアAn(nは日数カウンタnの値)に、特売検出メモリ領域内の特売単価をセットする。また、日別単価テーブル35の単価種別エリアFn(nは日数カウンタnの値)に、売価が特売単価であることを示す単価種別データ“2”をセットして、この特売単価取得処理を終了する。
【0034】
図10は、ST9の通常単価取得処理の手順を具体的に示す流れ図である。すなわち、店舗サーバ11は、確認対象メモリ領域に記憶されている単品コードを有する特売企画レコードでその特売期間が日付エリアDnの日付を含むレコードを検出できなかった場合には、ST31として単品マスタファイル21から確認対象メモリ領域に記憶されている単品コードを有する単品レコードを取得する。そして、ST32としてこの単品レコードに実売単価が設定されているか否かを判断する。また、設定されていた場合には、ST33としてその実売単価の有効期間内に日付エリアDnの日付が含まれるか否かを判断する。
【0035】
ここで、当該単品レコードに日付エリアDnの日付を有効期間とする実売単価が設定されていた場合には、店舗サーバ11は、ST34として日別単価テーブル35の単価エリアAn(nは日数カウンタnの値)に、当該単品レコードの実売単価をセットする。また、ST35として日別単価テーブル35の単価種別エリアFn(nは日数カウンタnの値)に、売価が実売単価であることを示す単価種別データ“1”をセットして、この通常単価取得処理を終了する。
【0036】
一方、当該単品レコードに日付エリアDnの日付を有効期間とする実売単価が設定されていなかった場合には、店舗サーバ11は、ST36として日別単価テーブル35の単価エリアAn(nは日数カウンタnの値)に、当該単品レコードの定番単価をセットする。また、ST37として日別単価テーブル35の単価種別エリアFn(nは日数カウンタnの値)に、売価が定番単価であることを示す単価種別データ“0”をセットして、この通常単価取得処理を終了する。
【0037】
因みに、確認期間内日別単価取得部32は、CPUを主体に構成されている。また、確認対象メモリ領域,日数メモリ領域及び特売検出メモリ領域は、RAM上に形成されている。
【0038】
売価変更推移グラフ作成部33は、確認期間内日別単価取得部32により作成された日別単価テーブル35に記憶されている日毎の単価データ(売価)と単価種別データとにより、確認期間内の時間経過に伴う売価変更推移を示すグラフデータを作成するもので、グラフ作成手段を構成する。
【0039】
すなわち売価変更推移グラフ作成部33は、図12に示すように、横軸(X軸)を時間(日付)とし、縦軸(Y軸)を売価とするX−Y平面上に、日毎の単価データをポイント化し、各ポイントを日付順に直線で結んで折れ線グラフを作成する。これにより、横軸と平行な直線が対応する期間の有効単価となるので、その値(金額)を縦軸に付す。
【0040】
また、売価変更推移グラフ作成部33は、異なる有効単価をそれぞれ示す横軸と平行な2本の直線を結ぶ斜線の両頂点を売変ポイントとしてドットで示す。また、単価種別設定テーブル36を参照して、有効単価を示す直線部分を単価種別に応じて色分けする。
【0041】
例えば図7に示すように、単価種別設定テーブル36に、単価種別データ“0”の定番単価に対して色データ「黒」が設定され、単価種別データ“1”の実売単価に対して色データ「青」が設定され、単価種別データ“2”の特売単価に対して色データ「赤」が設定されていたとすると、定番単価を有効単価として示す直線が黒色で示され、実売単価を有効単価として示す直線が青色で示され、特売単価を有効単価として示す直線が赤色で示されるように、折れ線グラフを作成する。
【0042】
売価変更推移グラフ出力部34は、売価変更推移グラフ作成部33で作成された折れ線グラフのデータを売価変更推移確認指令コマンドの出力元に出力するもので、グラフ出力手段を構成する。
すなわち売価変更推移グラフ出力部34は、売価変更推移確認指令コマンドの出力元がパソコン13であった場合には、当該折れ線グラフのデータをパソコン13にLAN10を介して送信出力する。これにより、入力された単品コードによって特定される商品の確認期間内における売価変更推移を示す折れ線グラフがパソコン13のディスプレイに表示される。また、プリンタ14によって記録紙に印字出力することも可能となる。
【0043】
また、売価変更推移確認指令コマンドの出力元がPOS端末12であった場合には、売価変更推移グラフ出力部34は、当該折れ線グラフのデータをPOS端末12にLAN10を介して送信出力する。これにより、同様な折れ線グラフがPOS端末12のディスプレイ例えばオペレータ用ディスプレイに表示される。
【0044】
また、売価変更推移確認指令コマンドの出力元が本部システム3のコンピュータであった場合には、売価変更推移グラフ出力部34は、当該折れ線グラフのデータを上記コンピュータにネットワーク2を介して送信出力する。これにより、本部システム3にて同様な折れ線グラフのデータが表示または印刷出力される。
【0045】
今、ユーザが例えばパソコン13を操作して、売価変更推移確認指令コマンドとともに単品Aの単品コードと、確認期間開始日[7月1日]及び終了日[8月31日]を入力したとする。ここで、図11に示すように、単品Aの定番単価が100円であり、7月5日から30日までの実売有効期間での実売単価が90円であり、7月10日から15日まで実施される特売企画での特売単価が88円であり、7月20日から25日まで実施される特売企画での特売単価が86円であるとすると、パソコン13のディスプレイには、図12に示される折れ線グラフが表示される。
【0046】
なお、図12において符号41は金額変更スクロールバーであり、このバーをスライドさせることによって表示金額の位置を上下にスクロールすることが可能である。また、符号42は表示期間変更スクロールバーであり、このバーをスライドさせることによって表示日付の位置を左右にスクロールすることが可能である。
【0047】
ユーザは、図12に示される折れ線グラフから、確認期間内における単品Aの日毎の売価とその売価の種別とを直接的に確認することができる。このため、例えば7月13日を例にとると、従来は、ユーザが7月13日に有効となり得る単価として定番単価,実売単価及び特売単価の3種類があることを認識し、その中から価格の最も安い特売単価を売価として特定していたので、ユーザの負担が大きく、ミスも発生し易かったが、本実施の形態によれば、横軸の日付と縦軸の金額とから7月13日の売価が88円であり、またその時点の色から特売単価であることを、負担なく短時間のうちにかつ正確に特定することができる。
【0048】
したがって、1つの商品について多くの日数の売価を特定する必要があったり、多くの商品の売価を特定する必要があったりした場合に、その作業に要する時間を従来と比較して大幅に短縮できるようになり、作業能率の大幅な向上を期待できるものである。
【0049】
因みに、図12において、折れ線グラフの線上がクリック操作されたことに応じて、それに対応した日付,売価及び売価種別をポップアップ表示させることによって、作業能率がさらに高められるようになり、好都合である。
【0050】
なお、この発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
【0051】
例えば前記実施の形態では、店舗サーバ11に本発明を適用した場合を示したが、本発明は本部システム3のコンピュータやパソコン13やPOS端末12等にもプログラミングすることによって適用できるものである。
【0052】
また、売価取得手段を構成する確認期間内日別単価取得部32の具体的な処理手順を図8〜図10の流れ図を用いて説明したが、この処理手順はあくまでも一例であり、売価取得手段がこの処理手順に限定されるものではない。同様に、グラフ作成手段の処理手順も前記実施形態のものに限定されないのは言うまでもないことである。また、グラフも折れ線グラフに限定されるものではなく、時間経過に伴う売価変更推移が示されるグラフであればよい。
【0053】
また、前記実施の形態では、確認期間の単位を日としたが、日時としてもよい。こうすることにより、1日の営業時間中の特定の時間帯に行うタイムサービス等の売価変更にも容易に対応できるようになる。
【0054】
この他、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を組合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の一実施の形態におけるシステム構成を示すブロック図。
【図2】同実施の形態において店舗サーバが売価管理機能を実現するのに必要な構成を示すブロック図。
【図3】同実施の形態において単品マスタファイルに保存される単品レコードの主要なデータ構造を示す模式図。
【図4】同実施の形態において特売企画マスタファイルに保存される特売企画レコードの主要なデータ構造を示す模式図。
【図5】同実施の形態において店舗サーバが売価変更推移確認機能を実現するのに必要な構成を示すブロック図。
【図6】同実施の形態において作成される日別単価テーブルのエリア構成を示す模式図。
【図7】同実施の形態において使用される単価種別設定テーブルのデータ構成例を示す模式図。
【図8】同実施の形態において実行される確認期間内日別単価取得部32の具体的な処理手順の一例を示す流れ図。
【図9】図8における特売単価取得処理の具体的な処理手順の一例を示す流れ図。
【図10】図9における通常単価取得処理の具体的な処理手順の一例を示す流れ図。
【図11】特定商品の特定確認期間内における設定単価とその種別及び有効期間を示す図。
【図12】図11に示されるデータをグラフ化した一表示例を示す模式図。
【符号の説明】
【0056】
1…店舗システム、2…ネットワーク、3…本部システム、11…店舗サーバ、12…POS端末、13…パソコン、14…プリンタ、21…単品マスタファイル、22…特売企画マスタファイル、31…入力インターフェイス部、32…確認期間内日別単価取得部、33…売価変更推移グラフ作成部、34…売価変更推移グラフ出力部、35…日別単価テーブル、36…単価種別設定テーブル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各商品の商品コードに対応してその商品に設定された単価を記憶する商品別単価記憶手段と、
売価変更する商品の前記商品コードに対応して売価変更後の単価及びこの単価での販売期間を記憶する売価変更データ記憶手段と、
売価変更推移確認対象商品の商品コード及び確認期間の情報入力を受け付ける入力受付手段と、
この入力受付手段を介して前記売価変更推移確認対象商品の商品コードと確認期間が入力されると、前記商品別単価記憶手段及び前記売価変更データ記憶手段に記憶されたデータに基づいて当該商品コードで識別される商品の当該確認期間内における単位時間毎の売価データを取得する売価取得手段と、
この売価取得手段により得られた単位時間毎の売価データにより前記確認期間内の時間経過に伴う売価変更推移を示すグラフデータを作成するグラフ作成手段と、
このグラフ作成手段により作成されたグラフデータを出力するグラフ出力手段と、
を具備したことを特徴とする売価管理装置。
【請求項2】
前記売価取得手段は、前記入力受付手段を介して前記売価変更推移確認対象商品の商品コードと確認期間が入力されると、当該確認期間内における単位時間毎に、当該単位時間を販売期間としかつそれに対応する商品コードが入力された商品コードと一致する売価変更データが前記売価変更データ記憶手段に記憶されているか否かを検索し、記憶されている場合にはその売価変更データの単価を当該商品の当該単位時間における売価として取得し、記憶されていない場合には、入力された商品コードに対応して前記商品別単価記憶手段に設定されている単価を当該商品の当該単位時間における売価として取得することを特徴とする請求項1記載の売価管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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