説明

変形箱の製造方法及び変形箱

【課題】ボール紙製で、周囲が直線或は凹曲線となっている天板紙(ソコ板紙)とその周囲に側面胴板紙を接着し組み合わせる変形箱の製造において、成形用木型を必要としないようにして、投資額を少なくするとともに作業スペースも少なくし、多数ロット、少ロットの製造・注文に関係なく一定価格のコストで変形箱を提供できるようにしようとするもの。
【解決手段】ボール紙1製で、周囲が直線或は凹曲線となっている天板2紙(ソコ板紙)とその周囲に側面胴板3紙を組み合わせてなる変形箱において、天板紙(ソコ板紙)とこの天板紙に対応する側面胴板紙を予め切断しておき、側面胴板紙の下辺内側に極細幅の両面接着テープ4の片面を接着して接着面5を形成し、この接着面を天板紙(ソコ板紙)周囲に仮接着して変形箱本体を形成し、この仮接着部分に更に接着剤6を塗布して天板紙(ソコ板紙)と側面胴板紙を本接着するようにした変形箱の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボール紙製で、周囲が直線或は凹曲線となっている天板紙(ソコ板紙)とその周囲に側面胴板紙を接着し組み合わせる変形箱 (通称変形箱と言っている。)の製造方法及びその変形箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、平面視ハート型の変形箱を作るには、合板19をハート型にくり抜いて木型外枠20と木型内枠21の「木型24」を作り、同時に木型内枠21に対応する形状のボール紙製の天板紙(ソコ板紙)22とその天板紙の周囲に対応する側面胴板紙紙23を別途作成しておく。この木型外枠20に、その内壁面に沿って、予め作っておいたボール紙製の側面胴板紙23の下辺部を嵌め込み、この嵌め込まれた側面胴板23内には予め作っておいたボール紙製の天板紙22を入れ、その上から木型内枠21を当てて下方に押し込み、押し込み後は木型内枠21を取り出し、側面胴板紙23と天板紙22の当接部を接着し、更に天板紙22を二重以上に嵌め込む場合は前同様にして接着し、この接着が乾燥した時点で側面胴板紙23と天板紙22で形成された組立箱を木型外枠20から外す。その後必要によって、側面胴板紙23、天板紙22の全面或は一部分に別途化粧紙を貼り付けるようにしている。尚ソコ板紙は身箱、天板紙は被せ箱に使用するものであるが、夫々寸法的な相違があるので、木型外枠20等は二重に作っておく必要がある。
【0003】
然しながらこの従来方法にあっては、製造数量を挙げるためには多数の成形用の木型(最低、身箱用と被せ箱用の木型が必要。)が必要となり、初期投資額が多くなる難点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで本発明は、ボール紙製で、周囲が直線或は凹曲線となっている天板紙(ソコ板紙)とその周囲に側面胴板紙を接着し組み合わせる変形箱の製造において、成形用木型を必要としないようにして、投資額を少なくするとともに作業スペースも少なくし、多数ロット、少ロットの製造・注文に関係なく一定価格のコストで変形箱を提供できるようにしようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ボール紙製で、周囲が直線或は凹曲線となっている天板紙(ソコ板紙)とその周囲に側面胴板紙を組み合わせてなる変形箱において、天板紙(ソコ板紙)とこの天板紙に対応する側面胴板紙を予め切断しておき、側面胴板紙の下辺内側に極細幅の両面接着テープの片面を接着して接着面を形成し、この接着面を天板紙(ソコ板紙)周囲に仮接着して変形箱本体を形成し、この変形箱本体の天板紙(ソコ板紙)と側面胴板紙の交差部分に接着剤を塗布して天板紙(ソコ板紙)と側面胴板紙を本接着するようにした変形箱の製造方法である。
【発明の効果】
【0006】
本発明の効果として、成形用木型を必要としないので木型作成などの投資額が少なくなるとともに作業スペースも少なくでき、多数ロット、少ロットの製造・注文に関係なく一定価格のコストで変形箱を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明に係る変形箱の製造方法の工程説明図。
【図2】本発明の製造方法により作成した変形箱の拡大部分断面説明図。
【図3】従来の変形箱の製造方法を示した工程説明図。
【実施例】
【0008】
ボール紙1製で、周囲が直線或は凹曲線となっているハート型の天板紙(ソコ板紙)2とその周囲に側面胴板紙3を接着し組み合わせてなる変形箱において、天板紙(ソコ板紙)2とこの天板紙2に対応する側面胴板紙3を、キャド(CAD)(製品の形状、その他の属性データからなるモデルを、コンピュータの内部に作成し解析・処理することによって進める設計。)機構により作動する切断機又は打抜機によって予め切断しておき、側面胴板紙3の下辺内側の一部或は全部に天板紙2の厚さに対応する極細幅の両面接着テープ4の片面を接着して接着面5を形成し、この接着面5を天板紙(ソコ板紙)2の対応する周囲に仮接着して変形箱本体8を形成し、この変形箱本体8の天板紙(ソコ板紙)2と側面銅板紙3の交差部分に接着剤6を塗布して天板紙(ソコ板紙)2と側面銅板紙3を本接着することを特徴とする箱の製造方法である。天板紙(ソコ板)2を二重にするときはもう一枚の天板紙2を入れ接着する。尚側面胴板紙3の要所(例えばハート型の引込み部分と尖がり部分に対応する位置。)には図1、3に示す点線のように折り線7を入れておくとよい。又側面胴板紙3の両端は友紙等により形成した別途図示しない繋ぎ片等を接着して連結するようにするとよい。仮接着と本接着の部分が一致するのが望ましいが必ずしも一致する必要がない。
【0009】
このようにしてできた変形箱は、図2の拡大部分断面説明図に示すように、側面胴板紙3の下辺内側と天板紙(ソコ板紙)2の周囲を両面接着テープ4を介して仮接着すると同時に、この仮接着部分に接着剤6を塗布し本接着した構造となる。仮接着の部分と本接着の部分が一致するのが望ましいが必ずしも一致する必要がない。
【符号の説明】
【0010】
1:ボール紙
2:天板(ソコ板)
3:側面胴板
4:両面接着テープ
5:接着面
6:接着剤
7:折り線
8:変形箱本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボール紙製で、周囲が直線或は凹曲線となっている天板紙(ソコ板紙)とその周囲に側面胴板紙を組み合わせてなる変形箱において、天板紙(ソコ板紙)とこの天板紙に対応する側面胴板紙を予め切断しておき、側面胴板紙の下辺内側に両面接着テープの片面を接着して接着面を形成し、この接着面を天板紙(ソコ板紙)周囲に仮接着して変形箱本体を形成し、この変形箱本体の天板紙(ソコ板紙)と側面胴板紙の交差部分に接着剤を塗布して天板紙(ソコ板紙)と側面胴板紙を本接着するようにした変形箱の製造方法。
【請求項2】
ボール紙製で、周囲が直線或は凹曲線となっている天板紙(ソコ板紙)とその周囲に側面胴板紙を組み合わせてなる変形箱において、天板紙(ソコ板紙)とこの天板紙に対応する側面胴板紙の間に両面接着テープによる仮接着と接着剤による本接着を施してなる変形箱。

【図2】
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【図1】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−166429(P2012−166429A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−28575(P2011−28575)
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【出願人】(511039083)アートパック株式会社 (1)
【Fターム(参考)】