説明

変性ポリエチレン樹脂組成物、及びその製造方法

【課題】ポリエチレン系の樹脂に対して、極性官能基を有するモノマーで変性させた樹脂組成物を提供する。
【解決手段】下記(a)及び(b)と、(c)、(d)及び(e)から選ばれる少なくとも一つの成分を、溶融混練して得られる変性ポリエチレン樹脂組成物。(a)ポリエチレン樹脂100重量部、(b)ラジカル重合開始剤0.01〜5重量部、(c)エポキシ基含有ビニル単量体0.01〜10重量部、(d)エチレン性二重結合及びケイ素原子を同一分子内に含む単量体0.01〜10重量部、(e)エチレン性二重結合及び酸性極性基を同一分子内に含む単量体0.01〜10重量部

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリエチレン樹脂とラジカル重合開始剤の存在下、エポキシ基含有ビニル単量体、エチレン性二重結合及び酸性官能基を同一分子内に含む単量体、及びエチレン性二重結合及びケイ素原子を同一分子内に含む単量体から選ばれる少なくとも1種の単量体を加え溶融混練して得られる変性ポリエチレン樹脂からなる樹脂組成物及び該樹脂組成物を含有する樹脂組成物とその製造方法に関する。
【0002】
また、特定の変性低密度ポリエチレン樹脂と特定の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を含む変性ポリエチレン樹脂組成物及びそれを用いたシート及びフィルム状成形体に関し、各種合成樹脂材料、金属材料、特にバリア樹脂材料等との親和性または接着性に優れ、各種ポリエチレン系樹脂材料が使われている包装容器分野や産業資材分野において有用な接着性樹脂組成物、及びそれを接着材として用いた成形体に関する。
【背景技術】
【0003】
ポリオレフィン樹脂、例えばポリエチレン樹脂は、その成形性、剛性、耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性などに優れ、また安価であることから、シート、フィルム、繊維、そのほか様々な形状の成形品として汎用的に使用されている。一方で、ポリエチレン樹脂は分子内に極性基を持たず、非極性で化学的に極めて不活性な高分子である。そのため、接着性、塗装密着性、耐油性等が低いという課題がある。この課題を改善するために、ポリオレフィン樹脂へ極性官能基を有する重合可能なモノマーをグラフト重合させて、変性樹脂を製造する様々な方法が報告されている。
【0004】
この欠点を改善するために、オレフィン系樹脂へ極性官能基を有する重合可能なモノマーをグラフト重合させて、変性樹脂を製造する方法が試みられ、以下のような方法が提案されている。
【0005】
(i)水中に分散させたポリオレフィン樹脂粒子にビニル単量体を含浸させ、過酸化物の存在下で加熱して変性ポリオレフィンを製造する方法(特許文献1)。
【0006】
(ii)ポリオレフィン樹脂、無水マレイン酸と有機過酸化物とを溶融混練し、変性ポリオレフィンを製造する方法(特許文献2)。
【0007】
(i)の方法では様々なビニル系単量体をポリオレフィン樹脂にグラフトさせることができる。しかし、エポキシ基などの極性の高い官能基を持つモノマーは、低極性であるポリオレフィン樹脂に含浸しにくいので、共重合できる量に限界があった。また、該モノマーの水への溶解抑制剤を必要とするため、反応後の変性ポリオレフィン組成物中に溶解抑制剤が残存し、印刷性、インキ密着性、接着性を阻害するという問題点があった。
【0008】
(ii)の方法では、ポリオレフィン樹脂に共重合できるモノマーの種類は限られている。例えば無水マレイン酸の代わりにメタクリル酸グリシジルを用いると、モノマーが未反応のまま揮発したり、モノマー同士の重合が起こるだけでポリオレフィン樹脂にグラフトしなかったり、余剰の過酸化物によりポリオレフィンの主鎖が切断されて低分子量化するため、着色が生じたり、機械的特性が低下することがあり、接着性への充分な要求に応えるレベルに達しているとは言えないのが現状である。
現在、太陽電池の封止材としては、EVAやポリビニルブチラール等の極性を有する樹脂が使用されている。これらの樹脂は、極性官能基を有するために、ガラス基板やPETフィルム等が積層されているバックシートとの接着性に優れ、シリコン基盤を保護している。一方で、EVAは接着性に優れるが、ポリオレフィンほどの水蒸気バリア性がなく、また太陽電池を作成する際にも、その接着性を充分に発揮させるために、長時間の熱処理工程があり生産性上の課題となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平6−122738号公報
【特許文献2】特開平9−278956号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、一般的な簡素な装置を用い、容易な方法により、難接着基材に対し優れた接着性を有する変性ポリエチレン系樹脂、該樹脂を含有する組成物およびその製造方法を提供することを目的とする。架橋が進行しやすく変性が困難であったポリエチレン系の樹脂において、その変性組成物を容易に得る事を目的とする。また得られた接着性を有するポリエチレンを太陽電池の封止材として応用し、EVAを使用した場合に比べて生産性を向上させる事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、上述の現状に鑑み鋭意検討した結果、変性ポリエチレン樹脂組成物を下記に記載する方法で製造する事により、上記課題の解決が可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、以下の構成を有するものである。
【0012】
1)下記(a)及び(b)と、(c)、(d)及び(e)から選ばれる少なくとも一つの成分を、溶融混練して得られる変性ポリエチレン樹脂組成物。
(a)ポリエチレン樹脂 100重量部、
(b)ラジカル重合開始剤 0.01重量部〜5重量部、
(c)エポキシ基含有ビニル単量体 0.01〜10重量部、
(d)エチレン性二重結合及びケイ素原子を同一分子内に含む単量体 0.01〜10重量部、
(e)エチレン性二重結合及び酸性極性基を同一分子内に含む単量体 0.01〜10重量部
【0013】
2)前記変性ポリエチレン樹脂組成物が、前記(a)及び(b)と、(c)、(d)及び(e)から選ばれる少なくとも一つの成分と、さらに下記(f)成分とを、溶融混練して得られる変性ポリエチレン樹脂組成物。
(f)芳香族ビニル単量体 0.01〜10重量部。
【0014】
3) 1)〜2)に記載のポリエチレン系樹脂が、LDPE又は、LLDPEである事を特徴とする変性ポリエチレン樹脂組成物
【0015】
4)(c)エポキシ基含有ビニル単量体が、グリシジル(メタ)アクリレートである1)〜3)のいずれか一項に記載の変性ポリエチレン樹脂組成物。
【0016】
5)(d)エチレン性二重結合及びケイ素原子を同一分子内に含む単量体が、下記一般式(1)で示される化学構造を有する化合物である1)〜4)のいずれか一項に記載の変性ポリエチレン樹脂組成物。
―SiX3 (1)
(式中、Xはそれぞれ独立に加水分解性基または水酸基である。)
【0017】
6)前記一般式(1)のXが、アルコキシ基であることを特徴とする1)〜5)のいずれか一項に記載の変性ポリエチレン樹脂組成物。
【0018】
7)前記アルコキシ基が、メトキシ基であることを特徴とする1)〜6)のいずれか一項に記載の変性ポリエチレン樹脂組成物。
【0019】
8)(f)芳香族ビニル単量体がスチレンである2)〜7)のいずれか一項に記載の変性ポリエチレン樹脂組成物。
【0020】
9)水蒸気バリア性が、2g/m・day/0.4mm未満であり、アルミとの接着強度が35N/25mm幅以上である1)〜8)のいずれか一項に記載の変性ポリエチレン樹脂組成物。
【0021】
10) 1)〜9)の何れか一項記載の変性ポリエチレン樹脂組成物からなり、熱溶着性を有するシートまたはフィルム状成形体。
【0022】
11)(a)ポリエチレン系樹脂と(b)ラジカル重合開始剤を溶融混練した後、次いで下記(c)〜(e)から選ばれる少なくとも一つの成分と、(f)芳香族ビニル単量体を加え溶融混練して得られることを特徴とする1)〜10)の何れか一項に記載の変性ポリエチレン樹脂組成物の製造方法。
(c)エポキシ基含有ビニル単量体
(d)エチレン性二重結合及びケイ素原子を同一分子内に含む単量体
(e)エチレン性二重結合及び酸性極性基を同一分子内に含む単量体
【0023】
12) 1)〜9)の何れか一項記載の変性ポリエチレン樹脂組成物を溶融混練した後、シートまたはフィルム状に成形加工することを特徴とするシートまたはフィルム状成形体の製造方法。
【0024】
13)ポリオレフィン系の樹脂100重量部に対し、1)〜9)の何れか一項に記載の変性ポリエチレン樹脂組成物を0.1〜100重量部含有するポリエチレン樹脂組成物。
【0025】
14)スチレン系エラストマー100重量部に対し、1)〜9)の何れか一項に記載の変性ポリエチレン樹脂組成物を0.1〜100重量部含有するポリエチレン樹脂組成物。
【0026】
15)粘着付与剤100重量部に対しし、1)〜9)の何れか一項に記載の変性ポリエチレン樹脂組成物を100〜500重量部含有するポリエチレン樹脂組成物。
【0027】
16) 1)〜9)の何れか一項記載の変性ポリエチレン樹脂組成物とポリオレフィン樹脂とを溶融混練した後、シートまたはフィルム状に成形加工することを特徴とするシートまたはフィルム状成形体の製造方法。
【0028】
17) 1)〜9)の何れか一項に記載の変性ポエチレン樹脂組成物、13)〜15)の何れか一項に記載のポリエチレン樹脂組成物、および10)、12)、16)の何れか一項に記載のポリオレフィン系シートまたはフィルム状成形体、からなる群より選ばれる少なくとも1つ以上で接着されてなる接着体。
【発明の効果】
【0029】
本発明の変性エチレン樹脂組成物は、難接着性の基材に対して優れた接着性を示す。本発明の変性ポリエチレン樹脂組成物は、単独で使用してもよいし、配合物として使用しても、難接着基材に対し優れた接着力を確保することができ、文具、雑貨、食品などの包装材、自動車用部品、家電、太陽電池用封止シートなどの電気電子部品、各種産業用資材などの幅広い分野に好適に用いられる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下に本発明の詳細について述べる。
(ポリエチレン樹脂)
本発明の(a)ポリエチレン樹脂は、例えば低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)が挙げられる。また、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン及び1−オクテンから選ばれる少なくとも1種とのあらゆる比率でのランダム共重合体またはブロック共重合体、エチレンとプロピレンとのあらゆる比率においてジエン成分が50重量%以下であるエチレン‐プロピレン‐ジエン三元共重合体、などのエチレン系ラバーが挙げられる。その他、ポリメチルペンテン、シクロペンタジエンとエチレンとのランダム共重合体、ブロック共重合体なども挙げられる。
【0031】
シートの水蒸気バリア性の観点からは、結晶部分の多いHDPEやLDPEが好ましいが、シートへの加工性の観点からは、LDPE、LLDPEが好ましい。
また、極性基が導入されたポリエチレン樹脂に対しても、本発明の変性は使用できる。極性基が導入されたポリエチレン樹脂の具体例としては、無水マレイン酸変性ポリエチレン、エチレン‐酢酸ビニル共重合体、エチレン‐アクリル酸共重合体、エチレン‐アクリル酸エチル共重合体、エチレン‐メタクリル酸メチル共重合体、エチレン‐アクリル酸エチル‐メタクリル酸グリシジル共重合体などが挙げられる。
【0032】
前記の原料ポリエチレン樹脂は、単独で用いてもよく、また複数を併用してもよい。前記原料ポリエチレン樹脂には、必要に応じて、他の樹脂、又はゴムを本発明の効果を損なわない範囲内で添加してもよい。
【0033】
前記の他の樹脂またはゴムとしては、たとえばポリペンテン‐1、などのポリα‐オレフィン;プロピレン‐ブテン‐1共重合体などのエチレン又はα‐オレフィン‐α‐オレフィン共重合体;エチレン‐プロピレン‐5‐エチリデン‐2‐ノルボルネン共重合体などのエチレンまたはα‐オレフィン‐α−オレフィン‐ジエン単量体共重合体;ポリブタジエン、ポリイソプレンなどのポリジエン共重合体;スチレン‐ブタジエンランダム共重合体などのビニル単量体‐ジエン単量体ランダム共重合体;スチレン‐ブタジエン‐スチレンブロック共重合体などのビニル単量体‐ジエン単量体‐ビニル単量体ブロック共重合体;水素化(スチレン‐ブタジエンランダム共重合体)などの水素化(ビニル単量体‐ジエン単量体ランダム共重合体);水素化(スチレン‐ブタジエン‐スチレンブロック共重合体)などの水素化(ビニル単量体‐ジエン単量体‐ビニル単量体ブロック共重合体);アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレングラフト共重合体、メタクリル酸メチル‐ブタジエン‐スチレングラフト共重合体などのビニル単量体‐ジエン単量体‐ビニル単量体グラフト共重合体;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレンなどのビニル重合体;塩化ビニル‐アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル‐酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリル‐スチレン共重合体、メタクリル酸メチル‐スチレン共重合体などのビニル共重合体などがあげられる。
【0034】
ポリエチレン樹脂に対するこれら他の樹脂またはゴムの添加量は、この樹脂の種類またはゴムの種類により異なり、前述のように本発明の効果を損なわない範囲内にあればよいものであるが、通常、25重量%程度以下であることが好ましい。
【0035】
また、これらポリエチレン樹脂(各種の添加材料を含む場合もある)は粒子状のものであってもペレット状のものであってもよく、その大きさや形はとくに制限されるものではない。
【0036】
また、前記の添加材料(ほかの樹脂、およびゴム)を用いる場合は、この添加材料は予めポリエチレン樹脂に添加されているものであっても、ポリエチレン樹脂を溶融するときに添加されるものであってもよく、また変性ポリエチレン樹脂を製造したのちに適宜の方法でこの変性ポリオレフィン樹脂に添加されるものであってもよい。
【0037】
(ラジカル開始剤)
(a)ポリエチレン樹脂に対して、(c)エポキシ基含有ビニル単量体、(d)エチレン性二重結合及びケイ素原子を同一分子内に含む単量体、及び(e)エチレン性二重結合及び酸性極性基を同一分子内に含む単量体から選ばれる少なくとも1種の単量体をグラフト共重合する際、反応を開始するため、(b)ラジカル重合開始剤を添加する。ラジカル重合開始剤としては、一般に過酸化物またはアゾ化合物などがあげられる。前記ラジカル重合開始剤としては、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド;1,1‐ビス(t‐ブチルパーオキシ)‐3,3,5‐トリメチルシクロヘキサン、1,1‐ビス(t‐ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n‐ブチル‐4,4‐ビス(t‐ブチルパーオキシ)バレレート、2,2‐ビス(t‐ブチルパーオキシ)ブタンなどのパーオキシケタール;パーメタンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3‐テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド;ジクミルパーオキサイド、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(t‐ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α´‐ビス(t‐ブチルパーオキシ‐m‐イソプロピル)ベンゼン、t‐ブチルクミルパーオキサイド、ジ‐t‐ブチルパーオキサイド、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(t‐ブチルパーオキシ)ヘキシン‐3などのジアルキルパーオキサイド;ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド;ジ(3‐メチル‐3‐メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、ジ‐2‐メトキシブチルパーオキシジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート;t‐ブチルパーオキシオクテート、t‐ブチルパーオキシイソブチレート、t‐ブチルパーオキシラウレート、t‐ブチルパーオキシ‐3,5,5‐トリメチルヘキサノエート、t‐ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t‐ブチルパーオキシアセテート、t‐ブチルパーオキシベンゾエート、ジ‐t‐ブチルパーオキシイソフタレートなどのパーオキシエステルなどの有機過酸化物の1種または2種以上があげられる。
【0038】
これらのうち、とくに水素引き抜き能が高いものが好ましく、そのようなラジカル重合開始剤としては、たとえば1,1‐ビス(t‐ブチルパーオキシ)‐3,3,5‐トリメチルシクロヘキサン、1,1‐ビス(t‐ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n‐ブチル‐4,4‐ビス(t‐ブチルパーオキシ)バレレート、2,2‐ビス(t‐ブチルパーオキシ)ブタンなどのパーオキシケタール;ジクミルパーオキサイド、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(t‐ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α´‐ビス(t‐ブチルパーオキシ‐m‐イソプロピル)ベンゼン、t‐ブチルクミルパーオキサイド、ジ‐t‐ブチルパーオキサイド、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(t‐ブチルパーオキシ)ヘキシン‐3などのジアルキルパーオキサイド;ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド;t‐ブチルパーオキシオクテート、t‐ブチルパーオキシイソブチレート、t‐ブチルパーオキシラウレート、t‐ブチルパーオキシ‐3,5,5‐トリメチルヘキサノエート、t‐ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t‐ブチルパーオキシアセテート、t‐ブチルパーオキシベンゾエート、ジ‐t‐ブチルパーオキシイソフタレートなどのパーオキシエステルなどの1種または2種以上があげられる。
【0039】
前記ラジカル重合開始剤の添加量は、ポリエチレン樹脂100重量部に対して、0.01〜5重量部の範囲内にあることが好ましく、0.05〜3重量部の範囲内にあることがさらに好ましい。0.01重量部未満では変性が充分に進行せず、5重量部を超えるとポリエチレンの流動性、機械的特性の著しい低下を招く。
【0040】
(エポキシ基含有ビニル単量体)
エポキシ基含有ビニル単量体としては、例えば、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸グリシジル、マレイン酸モノグリシジル、マレイン酸ジグリシジル、イタコン酸モノグリシジル、イタコン酸ジグリシジル、アリルコハク酸モノグリシジル、アリルコハク酸ジグリシジル、p‐スチレンカルボン酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、メタアリルグリシジルエーテル、スチレン‐p‐グリシジルエーテル、p‐グリシジルスチレン、3,4‐エポキシ‐1‐ブテン、3,4‐エポキシ‐3‐メチル‐1‐ブテンなどのエポキシオレフィン、ビニルシクロヘキセンモノオキシドなどの1種または2種以上が挙げられる。
【0041】
これらのうち、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸グリシジルが安価という点で好ましい。前記エポキシ基含有ビニル単量体の添加量は、(a)ポリエチレン系樹脂100重量部に対して、0.01〜10重量部であることが好ましく、0.5〜5重量部であることがさらに好ましい。添加量が少なすぎると接着性が充分に改善されない傾向があり、添加量が多すぎると好適な形状や外観を有する樹脂組成物として取得できない傾向がある。
(エチレン性二重結合及びケイ素原子を同一分子内に含む単量体)
エチレン性二重結合及びケイ素原子を同一分子内に含む単量体は、下記一般式(1)で示される化学構造を有する化合物であることが好ましい。
―SiX3 (1)
式中、Xはそれぞれ独立に加水分解性基または水酸基であり、それぞれ同一であっても異なっても良い。
【0042】
一般式(1)中のXで記載される加水分解性基としては特に限定されず、公知の加水分解性基があげられ、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基などがあげられる。これらのなかでは、水素原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基およびアルケニルオキシ基が好ましく、アルコキシ基が、加水分解性が穏やかで取扱いやすいことからより好ましい。
【0043】
アルコキシ基の具体例としては、特に限定されず、例えば、メトキシ基、エトキシ基、1‐プロポキシ基、2‐プロポキシ基、1‐ブトキシ基、2‐ブトキシ基、tert‐ブチルオキシ基、オクトキシ基、ラウリルオキシ基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基などがあげられる。これらのなかでは、メトキシ基、エトキシ基が、入手が容易なことから好ましい。
【0044】
本発明において、ポリエチレン樹脂にグラフトされるアルコキシシランとしては、ビニルアルコキシシラン、イソプロペニルアルコキシシラン、アリルアルコキシシラン、アクリロキシアルコキシシラン、メタクリロキシアルコキシシラン等のラジカル重合性の官能基(アルケニル基)を有するアルケニルアルコキシシランが好ましく使用される。例えば、ビニルメトキシシラン、ビニルエトキシシラン、ビニルプロポキシシラン、ビニルブトキシシラン、メタクリロキシプロピルシラン等のビニルアルコキシシランなどが好ましく用いられ、このビニル基などの官能基を利用して対象とするポリエチレンン樹脂にグラフト反応により付加される。
【0045】
また、水酸基を有する化合物の具体例としては、ビニルトリヒドロキシシラン、ビニルビスメトキシヒドロキシシラン、メタクリロキシヒドロキシシランなどが挙げられる。前記エチレン性二重結合及びケイ素原子を同一分子内に含む単量体の添加量は、ポリエチレン樹脂100重量部に対して、0.01〜10重量部であることが好ましく、0.1〜5重量部であることがさらに好ましい。添加量が少なすぎると接着性が充分に改善されない傾向があり、添加量が多すぎると好適な形状や外観を有する樹脂組成物として取得できない傾向がある。
【0046】
(エチレン性二重結合及び酸性極性基を同一分子内に含む単量体)
エチレン性二重結合及び酸性極性基を同一分子内に含む単量体に含まれる酸性極性基としては、例えば、カルボン酸基、カルボン酸無水物基、カルボン酸ハライド基、カルボン酸アミド基、カルボン酸イミド基、カルボン酸塩基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、スルホン酸塩化物基、スルホン酸アミド基、スルホン酸塩基等が挙げられる。このうち、好ましくは、カルボン酸基及びカルボン酸無水物基である。
【0047】
本発明で用いるエチレン性二重結合及び酸性極性基を同一分子内に含む単量体は、特に制限されないが、好ましくは、上記の極性基を含む不飽和カルボン酸及び又はその誘導体である。不飽和カルボン酸又はその誘導体としては、例えば、不飽和モノもしくはジカルボン酸、又はこれらの誘導体が挙げられる。これらの誘導体としては、具体的には、カルボン酸の無水物、ハライド、及び塩等が挙げられる。このうち、好ましくは、不飽和ジカルボン酸又はその無水物である。
【0048】
不飽和モノ又はジカルボン酸の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、エンド‐ビシクロ[2.2.1]‐5‐ヘプテン‐2,3‐ジカルボン酸(エンディック酸)、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ナジック酸等が挙げられる。
【0049】
不飽和カルボン酸の誘導体の具体例としては、塩化マレニル、無水マレイン酸、無水エンディック酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸、無水ナジック酸、マレイン酸モノメチル、フマル酸モノメチル等が挙げられる。
【0050】
これら不飽和カルボン酸又はその誘導体のうち、好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸及びマレイン酸の無水物であり、より好ましくは、無水マレイン酸である。これらは、一種単独で用いてもよく、また、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0051】
これらのうち、無水マレイン酸が異種材と接着させる場合、特に金属材料と接着させる場合に、低い温度で接着するという点で好ましい。前記エチレン性二重結合及び酸性極性基を同一分子内に含む単量体の添加量は、ポリエチレン樹脂100重量部に対して、0.01〜10重量部であることが好ましく、0.1〜5重量部であることがさらに好ましい。添加量が少なすぎると接着性が充分に改善されない傾向があり、添加量が多すぎると好適な形状や外観を有する樹脂組成物として取得できない傾向がある。
【0052】
(芳香族ビニル単量体)
本発明の接着性変性樹脂組成物からなる層は、(a)ポリエチレン樹脂に対して、(c)エポキシ基含有ビニル単量体、(d)エチレン性二重結合及びケイ素原子を同一分子内に含む単量体、及び(e)エチレン性二重結合及び酸性極性基を同一分子内に含む単量体から選ばれる少なくとも1種の単量体、さらに(f)芳香族ビニル単量体を、溶融混練して得られる接着性変性樹脂組成物からなる層であることが好ましい。
芳香族ビニル単量体を例示するならば、スチレン;o‐メチルスチレン、m‐メチルスチレン、p‐メチルスチレン、α‐メチルスチレン、β‐メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレンなどのメチルスチレン;o‐クロロスチレン、m‐クロロスチレン、p‐クロロスチレン、α‐クロロスチレン、β‐クロロスチレン、ジクロロスチレン、トリクロロスチレンなどのクロロスチレン;o‐ブロモスチレン、m‐ブロモスチレン、p‐ブロモスチレン、ジブロモスチレン、トリブロモスチレンなどのブロモスチレン;o‐フルオロスチレン、m‐フルオロスチレン、p‐フルオロスチレン、ジフルオロスチレン、トリフルオロスチレンなどのフルオロスチレン;o‐ニトロスチレン、m‐ニトロスチレン、p‐ニトロスチレン、ジニトロスチレン、トリニトロスチレンなどのニトロスチレン;o‐ヒドロキシスチレン、m‐ヒドロキシスチレン、p‐ヒドロキシスチレン、ジヒドロキシスチレン、トリヒドロキシスチレンなどのビニルフェノール;o‐ジビニルベンゼン、m‐ジビニルベンゼン、p‐ジビニルベンゼンなどのジビニルベンゼン;o‐ジイソプロペニルベンゼン、m‐ジイソプロペニルベンゼン、p‐ジイソプロペニルベンゼンなどのジイソプロペニルベンゼン;などの1種または2種以上が挙げられる。これらのうちスチレン、α‐メチルスチレン、p‐メチルスチレンなどのメチルスチレン、ジビニルベンゼン単量体またはジビニルベンゼン異性体混合物が安価であるという点で好ましい。
【0053】
前記(f)芳香族ビニル単量体の添加量は、ポリエチレン樹脂100重量部に対して、0.01〜10重量部であることが好ましく、0.1〜5重量部であることがさらに好ましい。前記範囲の添加量において、ポリエチレン樹脂に対する(c)エポキシ基含有ビニル単量体、(d)エチレン性二重結合及びケイ素原子を同一分子内に含む単量体、(e)エチレン性二重結合及び酸性極性基を同一分子内に含む単量体のグラフト効率を高く維持することでき好適である。一方、添加量が10重量部を超えると(c)エポキシ基含有ビニル単量体、(d)エチレン性二重結合及びケイ素原子を同一分子内に含む単量体、(e)エチレン性二重結合及び酸性極性基を同一分子内に含む単量体のグラフト効率が飽和域に達する。
【0054】
(変性ポリエチレン樹脂組成物)
本発明の変性ポリエチレン樹脂組成物は、(a)ポリエチレン樹脂に対し、(c)エポキシ基含有ビニル単量体、(d)エチレン性二重結合及びケイ素原子を同一分子内に含む単量体、及び(e)エチレン性二重結合及び酸性極性基を同一分子内に含む単量体から選ばれる少なくとも1種の単量体からなるグラフト鎖をグラフトさせた樹脂組成物である。また、本発明の変性ポリエチレン樹脂組成物は、(a)ポリエチレン樹脂に対し、(c)エポキシ基含有ビニル単量体、(d)エチレン性二重結合及びケイ素原子を同一分子内に含む単量体、及び(e)エチレン性二重結合及び酸性極性基を同一分子内に含む単量体から選ばれる少なくとも1種の単量体、さらに(f)芳香族ビニル単量体からなるグラフト鎖をグラフトさせた樹脂組成物であることが、グラフト効率を高める点で好ましい。
【0055】
単量体として、(c)エポキシ基含有ビニル単量体、(d)エチレン性二重結合及びケイ素原子を同一分子内に含む単量体、(e)エチレン性二重結合及び酸性極性基を同一分子内に含む単量体、及び(f)芳香族ビニル単量体を使用した場合、種々の素材に対する接着性を得ることができ、さらに好ましい。
【0056】
本発明に用いるグラフト重合反応としては、特に制限されないが、溶液重合、含浸重合、溶融重合などを用いることができる。特に、溶融重合が簡便で好ましい。溶融混練時の添加順序及び方法については、特に制限はない。なお、その他必要に応じ添加される材料の混合や溶融混練の順序及び方法はとくに制限されるものではない。溶融混練時の加熱温度は、100〜250℃であることが、ポリエチレン樹脂が充分に溶融し、かつ熱分解しないという点で好ましい。また溶融混練の時間(ラジカル重合開始剤を混合してからの時間)は、通常30秒間〜60分間である。
【0057】
また、前記の溶融混練の装置としては、押出機、バンバリーミキサー、ミル、ニーダー、加熱ロールなどを使用することができる。生産性の面から単軸あるいは2軸の押出機を用いる方法が好ましい。また、各々の材料を充分に均一に混合するために、前記溶融混練を複数回繰返してもよい。
【0058】
本発明の変性ポリエチレン樹脂組成物には必要に応じて、酸化防止剤、金属不活性剤、燐系加工安定剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、蛍光増白剤、金属石鹸、制酸吸着剤などの安定剤、または架橋剤、連鎖移動剤、核剤、滑剤、可塑剤、充填材、強化材、顔料、染料、難燃剤、帯電防止剤などの添加剤を本発明の効果を損なわない範囲内で添加してもよい。これらの安定剤および添加剤を用いる場合は、予め(a)ポリエチレン樹脂に添加されているものであってもよく、(a)ポリエチレン樹脂に(c)〜(f)成分をグラフトさせる際に添加されるものであってもよく、また変性ポリエチレン樹脂を製造したのちに適宜の方法でこの変性ポリエチレン樹脂に添加されるものであってもよい。
【0059】
(粘着付与樹脂)
粘着付与樹脂としては、特に制限されないが、例えば、ロジン系粘着付与樹脂、テルペン系粘着付与樹脂、炭化水素系粘着付与樹脂、エポキシ系粘着付与樹脂、ポリアミド系粘着付与樹脂、エラストマー系粘着付与樹脂、フェノール系粘着付与樹脂、ケトン系粘着付与樹脂などが挙げられる。粘着付与樹脂は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0060】
具体的には、ロジン系粘着付与樹脂としては、例えば、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジンなどの未変性ロジン(生ロジン)や、これらの未変性ロジンを水添化、不均化、重合などにより変性した変性ロジン(水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジンの他、その他の化学的に修飾されたロジンなど)の他、各種のロジン誘導体などが挙げられる。前記ロジン誘導体としては、例えば、未変性ロジンをアルコール類によりエステル化したロジンのエステル化合物や、水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジンなどの変性ロジンをアルコール類によりエステル化した変性ロジンのエステル化合物などのロジンエステル類;未変性ロジンや変性ロジン(水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジンなど)を不飽和脂肪酸で変性した不飽和脂肪酸変性ロジン類;ロジンエステル類を不飽和脂肪酸で変性した不飽和脂肪酸変性ロジンエステル類;未変性ロジン、変性ロジン(水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジンなど)、不飽和脂肪酸変性ロジン類や不飽和脂肪酸変性ロジンエステル類におけるカルボキシル基を還元処理したロジンアルコール類;未変性ロジン、変性ロジンや、各種ロジン誘導体等のロジン類(特に、ロジンエステル類)の金属塩などが挙げられる。また、ロジン誘導体としては、ロジン類(未変性ロジン、変性ロジンや、各種ロジン誘導体など)にフェノールを酸触媒で付加させ熱重合することにより得られるロジンフェノール樹脂なども用いることができる。
【0061】
テルペン系粘着付与樹脂としては、例えば、α−ピネン重合体、β−ピネン重合体、ジペンテン重合体などのテルペン系樹脂や、これらのテルペン系樹脂を変性(フェノール変性、芳香族変性、水素添加変性、炭化水素変性など)した変性テルペン系樹脂(例えば、テルペン−フェノール系樹脂、スチレン変性テルペン系樹脂、芳香族変性テルペン系樹脂、水素添加テルペン系樹脂など)などが挙げられる。
【0062】
炭化水素系粘着付与樹脂としては、例えば、脂肪族系炭化水素樹脂[炭素数4〜5のオレフィンやジエン(ブテン−1、イソブチレン、ペンテン−1等のオレフィン;ブタジエン、1,3−ペンタジエン、イソプレン等のジエンなど)などの脂肪族炭化水素の重合体など]、芳香族系炭化水素樹脂[炭素数が8〜10であるビニル基含有芳香族系炭化水素(スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、インデン、メチルインデンなど)の重合体など]、脂肪族系環状炭化水素樹脂[いわゆる「C4石油留分」や「C5石油留分」を環化二量体化した後重合させた脂環式炭化水素系樹脂、環状ジエン化合物(シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネン、ジペンテンなど)の重合体又はその水素添加物、下記の芳香族系炭化水素樹脂や脂肪族・芳香族系石油樹脂の芳香環を水素添加した脂環式炭化水素系樹脂など]、脂肪族・芳香族系石油樹脂(スチレン−オレフィン系共重合体など)、脂肪族・脂環族系石油樹脂、水素添加炭化水素樹脂、クマロン系樹脂、クマロンインデン系樹脂などの各種の炭化水素系の樹脂が挙げられる。
【0063】
本発明の変性ポリエチレン樹脂組成物は、添加剤として、ポリオレフィン樹脂に添加しても、接着性を向上することができる。
【0064】
本発明の変性ポリエチレン樹脂組成物は、ポリオレフィン樹脂と混合して用いることができる。例えばポリプロピレン単独重合体、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリ‐1‐ブテン、ポリイソブチレン、プロピレンとエチレンおよび/または1‐ブテンとのあらゆる比率でのランダム共重合体またはブロック共重合体、エチレンとプロピレンとのあらゆる比率においてジエン成分が50重量%以下であるエチレン‐プロピレン‐ジエン三元共重合体、ポリメチルペンテン、シクロペンタジエンとエチレンおよび/またはプロピレンとの共重合体などの環状ポリオレフィン、エチレンまたはプロピレンと50重量%以下のたとえば酢酸ビニル、メタクリル酸アルキルエステル、アクリル酸アルキルエステル、芳香族ビニルなどのビニル化合物などとのランダム共重合体、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーブロック共重合体、オレフィン系熱可塑性エラストマー(ポリプロピレンとエチレン/プロピレン共重合体又はエチレン‐プロピレン‐ジエン三元共重合体の単純混合物、その一部架橋物、又はその完全架橋物)などが挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0065】
剛性が高く、安価であるという点からはポリプロピレン単独重合体が好ましく、剛性および耐衝撃性がともに高いという点からはプロピレンとほかの単量体とのブロック共重合体であることが好ましい。また、柔軟性が必要な場合にはポリオレフィン系熱可塑性エラストマーが好ましい。
【0066】
本発明の変性ポリエチレン樹脂組成物とポリオレフィン樹脂を混合する際にその混合量は特に限定はないが、変性ポリエチレン樹脂組成物100重量部に対し、0.1〜100重量部を含有とすることが接着性の点で好ましく、更には0.1〜70重量部を含有させることが好ましい。より好ましくは0.3〜50重量部であり、更に好ましくは0.5〜20重量部である。
【0067】
(シートまたはフィルム状成形体について)
本発明の変性ポリエチレン樹脂組成物は、熱溶着性を有するポリエチレンシートまたはフィルム状成形体にすることができる。また、ポリオレフィン樹脂と本発明の変性ポリエチレン樹脂組成物を混合してなるポリエチレン樹脂組成物も、熱溶着性を有するポリエチレンシートまたはフィルム状成形体にすることができる。本発明でいう熱溶着性とは、熱で溶けて被着体と接合する性質のことである。本発明のシートまたはフィルム状成形体とは、成形体の厚みとしては3μmから10mmが例示でき、好ましくは10μm〜5mmであり、シートあるいはフィルムとして利用することができるものである。
【0068】
本発明の熱溶着性を有するポリエチレンシートまたはフィルム状成形体の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば本発明の変性ポリエチレン樹脂組成物とポリオレフィン樹脂をドライブレンド、あるいは溶融混練した後に、各種の押出成形機、射出成形機、カレンダー成形機、インフレーション成形機、ロール成形機、あるいは加熱プレス成形機などを用いてシート状成形体に成形加工することが可能である。
【0069】
本発明で用いられる被着体の材料としては、例えば、本発明の接着性フィルムの接着樹脂層と接着し得る材料である。具体的には、例えば、金、銀、銅、鉄、錫、鉛、アルミニウム、シリコンなどの金属;ガラス、セラミックスなどの無機材料;紙、布などのセルロース系高分子材料;メラミン樹脂、アクリル・ウレタン樹脂、ウレタン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、スチレン・アクリロニトリル共重合体、ポリカーボネート樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂などの合成高分子材料等が挙げられる。
【0070】
被着体の材料として、異なる2種類以上の材料を混合、複合してもよい。また、積層体が本発明の接着性フィルムを介して、異なる2つの被着体が接着してなるものである場合、2つの被着体を構成する材料は、同じ種類の材料でも異なる種類の材料のいずれでもよい。被着体の性状としては特に限定されないが、例えば、フィルム状、シート状、板状、繊維状などが挙げられる。また、被着体には、必要に応じて、離型剤、メッキなどの被膜、塗料による塗膜、プラズマやレーザーなどによる表面改質、表面酸化、エッチングなどの表面処理等を実施してもよい。被着体の具体例としては、トリム類(ドアトリム、内装トリムなど)、成形天井、シート材(内装シート、インパネ表皮、装飾シートなど)等の自動車部材や、室内ドア、パーティション、内装壁板、家具、システムキッチン等の住宅資材で使用される化粧フィルムが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【実施例】
【0071】
以下に具体的な実施例を示すが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。下記実施例および比較例中「部」および「%」は、それぞれ「重量部」および「重量%」を表す。
【0072】
[アルミとの接着強度]
アルミとの接着強度は、島津製作所製AG−2000Aを用い、23℃にて引張テストスピード200mm/minでT字剥離試験を行った。テストサンプルは、以下の方法で作成した。2枚のアルミプレート(25mm×150mm×100μm厚)の間にフィルム(50μm)を挟み、プレス機(プレス温度200℃、プレス時間1分)にて接着し、テストサンプルを得た。
【0073】
[水蒸気バリア性]JIS K7126−1(差圧法)に従い、40℃/90%RH、透過面積15.2cm2、圧力差75cmHgの条件で測定した値で、g/m・day/0.4mm単位で表す。
◎:0.5 (g/m・day/0.4mm)未満
○:0.5 (g/m・day/0.4mm)以上、かつ、2.0 (g/m・day/0.4mm)未満
×:2.0 (g/m・day/0.4mm)以上
【0074】
[太陽電池モジュールの耐熱耐湿性評価]
本発明の太陽電池封止材用シートを用い、縦5inch横5inchサイズの太陽電池ハイブリッド基板(ガラス上にシリコン等を蒸着・加工して発電素子を形成した物)とバックシート(東洋アルミ社製:TOYAL SOLAR FA20/AL30/BPET50/LE50)の間に幅50mm長さ50mmの本発明の太陽電池封止材用シートを挟み、真空ラミネータ(spire社製:Spi−Laminator)で一体成形した。一体成形の条件は170℃で脱気時間3.5分、プレス圧力1kg/cm2、プレス時間10分で加熱圧着し、太陽電池モジュールを得た。封止材としてEVA系樹脂を使用した場合は、一体成形の条件は170℃で脱気時間3.5分、プレス圧力1kg/cm2、プレス時間3.5分で加熱圧着し、更に150℃のオーブンで120分加熱してEVAを架橋させて太陽電池モジュールを得た。
【0075】
作製した太陽電池モジュールに、AM1.5にスペクトル調整したソーラーシミュレータによって、25℃、照射強度1000mW/cm2の擬似太陽光を照射し、太陽電池の開放電圧[V]、および、1cm2当たりの公称最大出力動作電流[A]および公称最大出力動作電圧[V]を測定し、これらの積から公称最大出力[W](JIS C8911 1998)の初期値を求めた。
【0076】
次に、太陽電池モジュールを、温度85℃、湿度85%RHの環境下に、500時間放置し、耐熱耐湿試験を実施し、放置後の太陽電池モジュールについて上記と同様にして公称最大出力[W]を求め、耐熱耐湿性の優劣を判断した。優劣の判断は以下のように行った。
◎:2000h以上〜3000h未満での、耐熱耐湿試験後の公称最大出力を初期値で除した値が0.95以上
○:1000h以上〜2000h未満での、耐熱耐湿試験後の公称最大出力を初期値で除した値が0.95以上
△:500h以上〜1000h未満での、耐熱耐湿試験後の公称最大出力を初期値で除した値が0.95以上
×:500時間耐熱耐湿試験後の公称最大出力を初期値で除した値が0.95未満
【0077】
(実施例1)
(a)LDPE(プライムポリマー社製ミラソン401)100部、(b)1,3−ジ(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(日油社製:パーブチルP、1分間半減期175℃)0.25部をシリンダー温度200℃、スクリュー回転数150rpmに設定したベント付き二軸押出機(40mmφ、L/D=38、日本製鋼所製、製品名TEX44)に供給して溶融混練した後、次いで、シリンダー途中より、(f)スチレン5重量部、(c)グリシジルメタクリレート5重量部を加え溶融混練して変性ポリエチレン樹脂ペレットを得た。得られた変性樹脂ペレットを、シリンダー及びダイス温度200℃、スクリュー回転数100rpmに設定した単軸押出機(20mmφ、L/D=20、(株)東洋精機製、製品名ラボプラストミル)のホッパーに投入し、ダイス先端に取り付けたT型ダイスより、幅約13cm、厚み30μmのフィルムを得た。ドローダウン等の問題なく加工性は、良好であった。アルミとの接着強度は、40N/25mm幅であった。また、同様にTダイにて400μm厚みのシートを作成し、水蒸気バリア性を評価したところ、透湿度は0.22(g/m・day/0.4mm)であった。この変性樹脂を使用して太陽電池モジュールを前述の方法で作成したところ、良好な耐久性(耐熱耐湿性)を示した。
評価結果を表1に記載する。
【0078】
(実施例2)
(a)LDPE(プライムポリマー社製、ミラソン401)100部、(b)1,3−ジ(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(日油社製:パーブチルP、1分間半減期175℃)0.25部、(e)無水マレイン酸(和光純薬社製)1部をシリンダー温度200℃、スクリュー回転数150rpmに設定したベント付き二軸押出機(40mmφ、L/D=38、日本製鋼所製、製品名TEX44)に供給して溶融混練した後、次いで、シリンダー途中より、(f)スチレン5重量部、(c)グリシジルメタクリレート5重量部を加え溶融混練して変性ポリエチレン樹脂ペレットを得た。得られた変性樹脂ペレットを、シリンダー及びダイス温度200℃、スクリュー回転数100rpmに設定した単軸押出機(20mmφ、L/D=20、(株)東洋精機製、製品名ラボプラストミル)のホッパーに投入し、ダイス先端に取り付けたT型ダイスより、幅約13cm、厚み30μmのフィルムを得た。ドローダウン等の問題なく加工性は、良好であった。アルミとの接着強度は、50N/25mm幅であった。
【0079】
また、同様にTダイにて400μm厚みのシートを作成し、水蒸気バリア性を評価したところ、透湿度は0.22(g/m・day/0.4mm)であった。この変性樹脂を使用して太陽電池モジュールを前述の方法で作成したところ、良好な耐久性(耐熱耐湿性)を示した。
評価結果を表1に記載する。
【0080】
(実施例3)
(a)LLDPE(プライムポリマー社製、エボリューSP0540)100部、(b)1,3−ジ(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(日油社製:パーブチルP、1分間半減期175℃)0.25部をシリンダー温度200℃、スクリュー回転数150rpmに設定したベント付き二軸押出機(40mmφ、L/D=38、日本製鋼所製、製品名TEX44)に供給して溶融混練した後、次いで、シリンダー途中より、(f)スチレン5重量部、(c)グリシジルメタクリレート5重量部を加え溶融混練して変性ポリエチレン樹脂ペレットを得た。得られた変性樹脂ペレットを、シリンダー及びダイス温度200℃、スクリュー回転数100rpmに設定した単軸押出機(20mmφ、L/D=20、(株)東洋精機製、製品名ラボプラストミル)のホッパーに投入し、ダイス先端に取り付けたT型ダイスより、幅約13cm、厚み30μmのフィルムを得た。ドローダウン等の問題なく加工性は、良好であった。アルミとの接着強度は、67N/25mm幅であった。また、同様にTダイにて400μm厚みのシートを作成し、水蒸気バリア性を評価したところ、透湿度は0.50(g/m・day/0.4mm)であった。この変性樹脂を使用して太陽電池モジュールを前述の方法で作成したところ、良好な耐久性(耐熱耐湿性)を示した。評価結果を表1に記載する。
【0081】
(比較例1)
変性処理を行っていないLDPE(プライムポリマー社製、ミラソン401)樹脂ペレットを、シリンダー及びダイス温度200℃、スクリュー回転数100rpmに設定した単軸押出機(20mmφ、L/D=20、(株)東洋精機製、製品名ラボプラストミル)のホッパーに投入し、ダイス先端に取り付けたT型ダイスより、幅約13cm、厚み30μmのフィルムを得た。ドローダウン等の問題なく加工性は、良好であった。アルミとの接着強度は、0N/25mm幅であり、接着性は全く示されなかった。
【0082】
また、同様にTダイにて400μm厚みのシートを作成し、水蒸気バリア性を評価したところ、透湿度は0.18(g/m・day/0.4mm)であった。この変性樹脂を使用して太陽電池モジュールを前述の方法で作成したところ、基盤と接着しないため、モジュールが作成できなかった。
評価結果を表1に記載する。
【0083】
(比較例2)
変性処理を行っていないLLDPE(プライムポリマー社製、エボリューSP0540)樹脂ペレットを、シリンダー及びダイス温度200℃、スクリュー回転数100rpmに設定した単軸押出機(20mmφ、L/D=20、(株)東洋精機製、製品名ラボプラストミル)のホッパーに投入し、ダイス先端に取り付けたT型ダイスより、幅約13cm、厚み30μmのフィルムを得た。ドローダウン等の問題なく加工性は、良好であった。アルミとの接着強度は、0N/25mm幅であり、接着性は全く示されなかった。また、同様にTダイにて400μm厚みのシートを作成し、水蒸気バリア性を評価したところ、透湿度は0.50(g/m・day/0.4mm)であった。この変性樹脂を使用して太陽電池モジュールを前述の方法で作成したところ、基盤と接着しないため、モジュールが作成できなかった。
評価結果を表1に記載する。
【0084】
(比較例3)
(a)TPO(ダウケミカル社製Versify3401、軟質プロピレン樹脂)100部、(b)1,3−ジ(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(日油社製:パーブチルP、1分間半減期175℃)0.5部をシリンダー温度200℃、スクリュー回転数150rpmに設定したベント付き二軸押出機(40mmφ、L/D=38、日本製鋼所製、製品名TEX44)に供給して溶融混練した後、次いで、シリンダー途中より、(f)スチレン5重量部、(c)グリシジルメタクリレート5重量部を加え溶融混練して変性ポリオレフィン樹脂ペレットを得た。得られた変性樹脂ペレットを、シリンダー及びダイス温度200℃、スクリュー回転数100rpmに設定した単軸押出機(20mmφ、L/D=20、(株)東洋精機製、製品名ラボプラストミル)のホッパーに投入し、ダイス先端に取り付けたT型ダイスより、幅約13cm、厚み30μmのフィルムを得た。ドローダウン等の問題なく加工性は、良好であった。アルミとの接着強度は、80N/25mm幅であった。また、同様にTダイにて400μm厚みのシートを作成し、水蒸気バリア性を評価したところ、透湿度は2.50(g/m・day/0.4mm)であった。
【0085】
この変性樹脂を使用して太陽電池モジュールを前述の方法で作成したところ、接着は良好であったが、出力が低下して耐久性(耐熱耐湿性)を示さなかった。
評価結果を表1に記載する。
【0086】
(比較例4)
EVA(サンビック社製)シートを用いて、太陽電池モジュールを作成した。前記の[太陽電池モジュールの耐熱耐湿性評価]で記載した通り、170℃で脱気時間3.5分、プレス圧力1kg/cm、プレス時間10分で加熱圧着し、さらに150℃のオーブンで120分加熱してEVAを架橋させて太陽電池モジュールを作成した。また、水蒸気バリア性を評価したところ、透湿度は15(g/m・day/0.4mm)であった。この太陽電池モジュールは、良好な耐久性(耐熱耐湿性)を示した。評価結果を表1に記載する。
【0087】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(a)及び(b)と、(c)、(d)及び(e)から選ばれる少なくとも一つの成分を、溶融混練して得られる変性ポリエチレン樹脂組成物。
(a)ポリエチレン樹脂 100重量部、
(b)ラジカル重合開始剤 0.01重量部〜5重量部、
(c)エポキシ基含有ビニル単量体 0.01〜10重量部、
(d)エチレン性二重結合及びケイ素原子を同一分子内に含む単量体 0.01〜10重量部、
(e)エチレン性二重結合及び酸性極性基を同一分子内に含む単量体 0.01〜10重量部
【請求項2】
前記変性ポリエチレン樹脂組成物が、前記(a)及び(b)と、(c)、(d)及び(e)から選ばれる少なくとも一つの成分と、さらに下記(f)成分とを、溶融混練して得られる変性ポリエチレン樹脂組成物。
(f)芳香族ビニル単量体 0.01〜10重量部。
【請求項3】
請求項1〜2に記載のポリエチレン系樹脂が、LDPE又は、LLDPEである事を特徴とする変性ポリエチレン樹脂組成物
【請求項4】
(c)エポキシ基含有ビニル単量体が、グリシジル(メタ)アクリレートである請求項1〜3のいずれか一項に記載の変性ポリエチレン樹脂組成物。
【請求項5】
(d)エチレン性二重結合及びケイ素原子を同一分子内に含む単量体が、下記一般式(1)で示される化学構造を有する化合物である請求項1〜4のいずれか一項に記載の変性ポリエチレン樹脂組成物。
―SiX3 (1)
(式中、Xはそれぞれ独立に加水分解性基または水酸基である。)
【請求項6】
前記一般式(1)のXが、アルコキシ基であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の変性ポリエチレン樹脂組成物。
【請求項7】
前記アルコキシ基が、メトキシ基であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の変性ポリエチレン樹脂組成物。
【請求項8】
(f)芳香族ビニル単量体がスチレンである請求項2〜7のいずれか一項に記載の変性ポリエチレン樹脂組成物。
【請求項9】
水蒸気バリア性が、2g/m・day/0.4mm未満であり、アルミとの接着強度が35N/25mm幅以上である請求項1〜8のいずれか一項に記載の変性ポリエチレン樹脂組成物。
【請求項10】
請求項1〜9の何れか一項記載の変性ポリエチレン樹脂組成物からなり、熱溶着性を有するシートまたはフィルム状成形体。
【請求項11】
(a)ポリエチレン系樹脂と(b)ラジカル重合開始剤を溶融混練した後、次いで下記(c)〜(e)から選ばれる少なくとも一つの成分と、(f)芳香族ビニル単量体を加え溶融混練して得られることを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載の変性ポリエチレン樹脂組成物の製造方法。
(c)エポキシ基含有ビニル単量体
(d)エチレン性二重結合及びケイ素原子を同一分子内に含む単量体
(e)エチレン性二重結合及び酸性極性基を同一分子内に含む単量体
【請求項12】
請求項1〜9の何れか一項記載の変性ポリエチレン樹脂組成物を溶融混練した後、シートまたはフィルム状に成形加工することを特徴とするシートまたはフィルム状成形体の製造方法。
【請求項13】
ポリオレフィン系の樹脂100重量部に対し、請求項1〜9の何れか一項に記載の変性ポリエチレン樹脂組成物を0.1〜100重量部含有するポリエチレン樹脂組成物。
【請求項14】
スチレン系エラストマー100重量部に対し、請求項1〜9の何れか一項に記載の変性ポリエチレン樹脂組成物を0.1〜100重量部含有するポリエチレン樹脂組成物。
【請求項15】
粘着付与剤100重量部に対しし、請求項1〜9の何れか一項に記載の変性ポリエチレン樹脂組成物を100〜500重量部含有するポリエチレン樹脂組成物。
【請求項16】
請求項1〜9の何れか一項記載の変性ポリエチレン樹脂組成物とポリオレフィン樹脂とを溶融混練した後、シートまたはフィルム状に成形加工することを特徴とするシートまたはフィルム状成形体の製造方法。
【請求項17】
請求項1〜9の何れか一項に記載の変性ポエチレン樹脂組成物、請求項13〜15の何れか一項に記載のポリエチレン樹脂組成物、および請求項10、12、16の何れか一項に記載のシートまたはフィルム状成形体、からなる群より選ばれる少なくとも1つ以上で接着されてなる接着体。


【公開番号】特開2012−46666(P2012−46666A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−191036(P2010−191036)
【出願日】平成22年8月27日(2010.8.27)
【出願人】(000000941)株式会社カネカ (3,932)
【Fターム(参考)】