説明

変換処理システム

【課題】 電子機器の機種に依存する独自形式のデータに対応した変換プログラムを自動的に取得する変換処理システムを提供する。
【解決手段】 PCは、RAW画像データに付加されている識別情報に対応したプラグインがPC内に存在するか否かを判定し、識別情報に対応したプラグインが存在しない場合には、RAW画像データに付加されているアドレス情報に基づいて特定したプラグイン提供用サーバから識別情報に対応したプラグインを取得する。PCは、プラグイン提供用サーバから取得したプラグインを画像処理プログラムにインストールし、このプラグインによってRAW画像データの現像処理を実施する。この現像処理によって独自形式のRAW画像データは、標準形式のJPEG画像データに変換される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器の機種に依存する独自形式のデータを、標準形式のデータに変換する変換処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
撮影画像をデジタルデータとして記録するデジタルカメラが普及している。デジタルカメラは、被写体光をCMOS型やCCD型などの固体撮像素子によって撮像(被写体光を光電変換)し、撮影画像をメモリカードに記録するものである。通常のデジタルカメラは、固体撮像素子が出力したアナログ撮像信号をA/Dコンバータによってデジタルデータに変換し、デジタル信号処理回路(DPS)によって所定の現像処理(ガンマ補正、ホワイトバランス補正、ブライトネス補正など)を行った後、圧縮処理(JPEG形式やTIFF形式)を行い、メモリカードに記録する記録方式が一般的である。ただし、この記録方式では、現像処理の各種条件はDPSに依存するため、デジタルカメラの機種ごとに画像の出来上がりが異なる。すなわち、デジタルカメラの機種を選択した時点で、出来上がる画像の方向性が決まることになる。
【0003】
そこで、プロユーザなどを対象にした一眼レフタイプのハイエンド・デジタルカメラなどは、現像処理をユーザの手に委ねるために、A/Dコンバータから出力された直後のRAW形式の画像データ(以下、RAW画像データという)を、DPSを通さずそのままメモリカードに記録する記録方式を備えている。RAW画像データは、情報のロスが伴わず高品質であるため、商業写真などの高度な要求に対応する。
【0004】
しかしながら、RAW画像データのデータ形式は、固体撮像素子の構成(水平画素数、垂直画素数、色フィルタ配列など)に依存するため、デジタルカメラの機種ごとに異なる。すなわち、RAW画像データは、デジタルカメラの機種ごとの独自形式のデータであり、これをパーソナルコンピュータ(PC)などで現像処理するには、デジタルカメラの機種ごとにメーカから提供された専用の現像プログラム(ソフトウェア)を用いる必要がある。この現像プログラムによって、独自形式のRAW画像データを、標準形式の画像データ(JPEG形式やTIFF形式)に変換することができる。
【0005】
この現像プログラムには、プラグイン(組み込みソフトウェア)として、画像処理プログラム(例えば、Adobe Systems社製のPhotoshop(登録商標)などのアプリケーションプログラム)に組み込み可能とされたものが知られている。この画像処理プログラムは、デジタルカメラの機種ごとに各メーカから提供された現像プログラムをプラグインとして組み込み、各種データ形式のRAW画像データに対応することができるようになっている。
【0006】
また、このような現像プログラムをコンピュータ上に用意し、インターネットを介してデジタルカメラから該コンピュータ上にアップロードされたRAW画像データに対して、該コンピュータ上で現像処理を施すようにした画像処理システムが提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−152580号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記の従来技術では、ユーザは、独自形式のデータ(RAW画像データ)を標準形式のデータに変換するための変換プログラム(現像プログラム)がコンピュータ上に存在するか否かを確認し、コンピュータ上に存在しない場合には、該変換プログラムを、それを提供するメーカから取得するといった作業を行う必要がある。また、この際、該変換プログラムを提供するメーカのアドレス(URLなど)を調べる必要があり、該変換プログラムの取得に手間が強いられている。
【0008】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、電子機器の機種に依存する独自形式のデータに対応した変換プログラムを自動的に取得する変換処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の変換処理システムは、電子機器の機種に依存する独自形式のデータを標準形式のデータに変換する変換プログラムを格納したサーバと、このサーバと通信ネットワークを介して接続され、前記変換プログラムに基づいて前記独自形式のデータを標準形式のデータに変換する変換処理装置とを備え、前記独自形式のデータには、対応する変換プログラムの識別情報と、対応する変換プログラムを格納したサーバのアドレス情報とが付加されており、前記変換処理装置は、前記識別情報に対応する変換プログラムが該装置内に存在するか否かを判定し、存在しなければ、前記アドレス情報に基づいて特定したサーバから前記識別情報に対応する変換プログラムを取得することを特徴とする。
【0010】
なお、前記変換処理装置は、前記識別情報に対応する変換プログラムが該装置内に存在する場合には、前記アドレス情報に基づいて特定したサーバからこの変換プログラムのバージョン情報を取得し、該装置内の変換プログラムが最新版でなければ、前記サーバから最新版の変換プログラムを取得することが好ましい。
【0011】
また、前記変換処理装置は、前記識別情報に対応する変換プログラムが該装置内に存在する場合には、前記アドレス情報に基づいて特定したサーバからこの変換プログラムのバージョン情報を取得し、該装置内の変換プログラムが最新版でなければ、その旨をユーザに報知し、ユーザの指示に基づいて、前記サーバから最新版の変換プログラムを取得することも好ましい。
【0012】
また、前記変換処理装置は、コンピュータと、これに所定の動作を実行させるアプリケーションプログラムとからなり、前記変換プログラムは、前記アプリケーションプログラムに組み込まれるプラグインであることが好ましい。
【0013】
さらに、前記独自形式のデータは、固体撮像素子によって撮像されたアナログ信号をデジタル化した直後のRAW形式の画像データであることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の変換処理システムによれば、独自形式のデータには、対応する変換プログラムの識別情報と、対応する変換プログラムを格納したサーバのアドレス情報とが付加されており、変換処理装置は、識別情報に対応する変換プログラムが装置内に存在するか否かを判定し、存在しなければ、アドレス情報に基づいて特定したサーバから識別情報に対応する変換プログラムを取得するので、独自形式のデータに対応する変換プログラムを自動的に取得することができ、ユーザは変換プログラムの取得に手間が強いられない。
【0015】
また、本発明の変換処理システムによれば、変換処理装置は、識別情報に対応する変換プログラムが装置内に存在する場合には、アドレス情報に基づいて特定したサーバからこの変換プログラムのバージョン情報を取得し、装置内の変換プログラムが最新版でなければ、サーバから最新版の変換プログラムを取得するので、常に最新版の変換プログラムを変換処理に適用することができる。
【0016】
また、本発明の変換処理システムによれば、変換処理装置は、識別情報に対応する変換プログラムが装置内に存在する場合には、アドレス情報に基づいて特定したサーバからこの変換プログラムのバージョン情報を取得し、装置内の変換プログラムが最新版でなければ、その旨をユーザに報知し、ユーザの指示に基づいて、サーバから最新版の変換プログラムを取得するので、ユーザの意図に逆らうことなく、最新版の変換プログラムを変換処理に適用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1において、画像処理システム2は、プラグイン提供用サーバ3とPC4とからなる。プラグイン提供用サーバ3とPC4とは、インターネットなどの通信ネットワーク6を介して相互にデータ通信が可能に接続されている。また、デジタルカメラ5がPC4に、USB(Universal Serial Bus)などの通信ケーブルによって接続される。PC4は、デジタルカメラ5が撮像したRAW画像データを取り込み、このRAW画像データに対応したプラグイン(現像プログラム)をプラグイン提供用サーバ3から取得する。
【0018】
プラグイン提供用サーバ3には、CPU(Central Processing Unit)10、ストレージ11、通信インタフェース12、プラグイン管理プログラム13などが設けられている。CPU10は、プラグイン提供用サーバ3の各部を制御する。ストレージ11には、デジタルカメラ5の機種ごとに対応した複数のプラグインが格納されている。通信インタフェース12は、プラグイン提供用サーバ3を通信ネットワーク6に接続する。プラグイン管理プログラム13は、所定の処理をCPU10に実行させるソフトウェアであり、通信ネットワーク6を介するPC4からのアクセスに応答して、PC4から要求されたプラグインをPC4に送信する。
【0019】
プラグイン提供用サーバ3は、例えば、デジタルカメラ5のメーカによって管理されており、ストレージ11内のプラグインは管理者によって最新版に随時アップデートされている。プラグイン提供用サーバ3には、通信ネットワーク6上のアドレスが設定されており、PC4はこのアドレスに基づいてプラグイン提供用サーバ3とデータの送受信を行う。なお、プラグイン提供用サーバ3は、デジタルカメラ5のメーカごとに複数設けられ、それらは通信ネットワーク6に接続されている。
【0020】
PC4には、CPU20、操作部21、モニタ22、ストレージ23、画像処理プログラム24、通信インタフェース25、コネクタ26などが設けられている。操作部21は、キーボードやマウスなどからなり、CPU20は、操作部21からの入力信号に応じて、PC4の各部を制御する。ストレージ23は、コネクタ26を介して通信ケーブルで接続されたデジタルカメラ5からPC4へ取り込まれたRAW画像データを格納する。
【0021】
画像処理プログラム24は、所定の処理をCPU20に実行させるアプリケーションソフトウェアであり、RAW画像データのファイルコンバート、合成、レタッチなどの画像処理機能を有する。RAW画像データのファイルコンバートを行う際の現像処理は、後述するようにして画像処理プログラム24に組み込まれたプラグインによって行われる。
【0022】
このプラグインは、画像補正部とデータ圧縮部とからなる。画像補正部は、ガンマ補正、ホワイトバランス補正、ブライトネス補正、色補間などの各種補正処理をRAW画像データに対して施す。データ圧縮部は、画像補正部によって補正処理が施された画像データに対して圧縮処理を施し、デジタルカメラ5の機種に依存しない標準形式(例えばJPEG形式)の画像データに変換する。
【0023】
ガンマ補正では、固体撮像素子に入力される光量とそこから出力される電気信号との入出力特性に応じた補正を行う。ホワイトバランス補正では、光源の色温度に起因して赤や青に偏った白色を、R(赤),G(緑),B(青)の各色の発色具合を調整して、正しい白色が表示されるように補正する。ブライトネス補正では、画像全体の明るさを補正する。なお、画像補正部には、この他、シャープネス補正やコントラスト補正などの補正処理を含めるようにしてもよい。
【0024】
通信インタフェース25は、PC4を通信ネットワーク6に接続する。画像処理プログラム24は、デジタルカメラ5から取り込んだRAW画像データから後述するアドレス情報を抽出し、このアドレス情報を基づいてプラグイン提供用サーバ3の所在を特定し、プラグイン管理プログラム13に対して該RAW画像データに対応したプラグインの送信を要求する。
【0025】
また、LCD22は、画像処理プログラム24に基づく画像データのブラウザや、各種文字情報などを表示する。
【0026】
図2において、デジタルカメラ5には、CPU30、操作部31、撮影レンズ32、CCDイメージセンサ33、アンプ34、A/Dコンバータ35、デジタル信号処理回路(DSP)36、メモリカード37、付帯情報追加部38、データ圧縮回路39、LCD40、コネクタ41などからなる。CPU30は、シャッタボタンやモード切替スイッチを含む操作部31からの入力信号に基づいて、デジタルカメラ5の各部を制御する。
【0027】
CCDイメージセンサ33は、撮影レンズ32の背後に配置されている。CCDイメージセンサ33は、周知のように、マトリクス状に配列された多数の受光素子を備え、被写体光を電気信号に光電変換し、これをアナログ撮像信号として出力する。
【0028】
アナログ撮像信号は、アンプ34によって増幅されてA/Dコンバータ35に送られる。A/Dコンバータ35は、アナログ撮像信号をデジタル変換してRAW画像データを出力する。デジタルカメラ5は、例えば、JPEG記録モードとRAW記録モードとを備えており、A/Dコンバータ35から出力されたRAW画像データは、JPEG記録モードの場合にはDSP36に入力され、RAW記録モードの場合にはメモリカード37に入力される。付帯情報追加部38は、RAW記録モードの場合に、後述する付帯情報をRAW画像データに付加する。なお、JPEG記録モードとRAW記録モードとは、操作部31のモード切替スイッチによって切り替えられる。
【0029】
DSP36は、入力されたRAW画像データに対して、ガンマ補正、ホワイトバランス補正、ブライトネス補正などの各種信号処理(現像処理)を行い、処理後の画像データをデータ圧縮回路39に入力する。データ圧縮回路39は、入力された画像データに対して例えばJPEG方式の圧縮処理を施し、JPEG画像データをメモリカード37に記録する。
【0030】
LCD40は、メモリカード37に記録された画像データ(RAW画像データやJPEG画像データ)や文字情報などの表示を行う。また、LCD36は、撮影しようとする被写体像を確認するための電子ビューファインダとしても機能する。
【0031】
コネクタ41は、メモリカード37内のRAW画像データをPC4に取り込むための通信ケーブル(図示せず)が接続される接続部である。なお、メモリカード37を着脱自在とし、メモリカード37を介してRAW画像データをPC4に取り込むようにしてもよい。また、赤外線や無線等の通信方式によってRAW画像データをPC4に取り込むようにしてもよい。
【0032】
図3において、デジタルカメラ5からPC4に取り込まれるRAW画像データは、画像データと付帯情報とからなる。付帯情報には、識別情報およびアドレス情報が含まれる。識別情報は、デジタルカメラ5の機種(メーカ、製品種別)に対応したプラグインを識別するための情報である。アドレス情報は、この識別情報に対応したプラグインが含まれるプラグイン提供用サーバ3のアドレス(インターネットの場合にはURL)を示す情報である。また、画像データ領域には、A/Dコンバータ35から出力された直後のデジタル信号が記録されている。
【0033】
以下、上記構成による画像処理システム2の作用について、図4のフローチャートを参照しながら説明する。デジタルカメラ5によってRAW画像データをPC4に取り込んだ後、画像処理プログラム24を起動して、ユーザによって所望のRAW画像データが選択されると、PC4は、画像処理プログラム24に基づく処理を開始し、まず、このRAW画像データから前述の付帯情報を取得する。PC4は、付帯情報に含まれる識別情報に対応したプラグインがPC4内に存在するか(画像処理プログラム24に組み込まれているか)否かを判定し、識別情報に対応したプラグインが存在する場合には、そのプラグインを用いて前述の現像処理を実施する。この現像処理によってRAW画像データは、標準形式のJPEG画像データに変換される。
【0034】
一方、識別情報に対応したプラグインが存在しない場合には、PC4は、付帯情報に含まれるアドレス情報に基づいてプラグイン提供用サーバ3をアクセスし、このプラグイン提供用サーバ3に対して識別情報に対応したプラグインの送信(ダウンロード)を要求する。プラグイン提供用サーバ3内のプラグイン管理プログラム13は、この要求に応答して、そのプラグインをPC4へ送信する。
【0035】
PC4は、プラグイン提供用サーバ3から送信されたプラグインを受信すると、このプラグインを画像処理プログラム24にインストールし(組み込み)、このプラグインを用いて前述の現像処理を実施する。この現像処理によってRAW画像データは、標準形式のJPEG画像データに変換される。
【0036】
このように、PC4は、撮影時にRAW画像データに付加した識別情報とアドレス情報とに基づいて、プラグイン提供用サーバ3から適切なプラグインを自動的にダウンロードして画像処理プログラム24に組み込むので、ユーザは、デジタルカメラ5の機種に対応したプラグインがPC4に存在するか否かを気にすることなく、RAW画像データの現像処理を行うことができる。すなわち、ユーザは、PC4において、デジタルカメラ5の機種を気にすることなく、RAW画像データを扱うことができる。
【0037】
上記実施形態では、識別情報に対応したプラグインが画像処理プログラム24に存在する場合には、即座にそのプラグインを用いて現像処理を行うようにしているが、本発明はこれに限定されず、画像処理プログラム24に識別情報に対応した存在する場合に、そのプラグインが最新版であるか否かを判定するようにしてもよいし、さらに、そのプラグインが最新版でない場合に、最新版のプラグインをダウンロードする前に、ダウンロードを行ってよいか否かをユーザに問い合わせるようにしてもよい。以下、この場合の画像処理システム2の作用について、図5のフローチャートを参照しながら説明する。
【0038】
デジタルカメラ5によって得られたRAW画像データをPC4に取り込んだ後、画像処理プログラム24を起動して、ユーザによって所望のRAW画像データが選択されると、PC4は、画像処理プログラム24に基づく処理を開始し、まず、このRAW画像データから前述の付帯情報を取得する。PC4は、付帯情報に含まれる識別情報に対応したプラグインがPC4内に存在するか否かを判定し、識別情報に対応したプラグインが存在しない場合には、上記と同様な手順により、プラグイン提供用サーバ3から識別情報に対応したプラグインをダウンロードし、これを画像処理プログラム24にインストールして現像処理を実施する。
【0039】
一方、識別情報に対応したプラグインが存在する場合には、PC4は、付帯情報に含まれるアドレス情報に基づいてプラグイン提供用サーバ3をアクセスし、このプラグイン提供用サーバ3に対して識別情報に対応したプラグインのバージョン情報の送信を要求する。プラグイン提供用サーバ3内のプラグイン管理プログラム13は、この要求に応答して、そのバージョン情報をPC4へ送信する。
【0040】
PC4は、プラグイン提供用サーバ3から送信されたバージョン情報を受信すると、画像処理プログラム24に存在する上記プラグインが最新版であるか否かを判定し、それが最新版である場合には、そのプラグインを用いて現像処理を実施する。一方、最新版でない場合には、PC4は、図6に示すような問い合わせウィンドウ50をLCD22に表示し、最新版のプラグインのダウンロードを行ってよいか否かをユーザに問い合わせる。
【0041】
問い合わせウィンドウ50において、ユーザが「NO」を選択すると、最新版のプラグインをダウンロードせずに、画像処理プログラム24に現存するプラグインを用いて現像処理を実施する。一方、ユーザが「YES」を選択すると、上記と同様な手順により、プラグイン提供用サーバ3から識別情報に対応した最新版のプラグインをダウンロードし、これを画像処理プログラム24にインストールして現像処理を実施する。
【0042】
画像処理システム2をこのように構成することで、現像処理において、ユーザの意図に逆らうことなく、容易に最新版のプラグインを適用することができる。
【0043】
上記実施形態では、現像プログラムをプラグインとして画像処理プログラムに組み込むようにしているが、本発明はこれに限定されず、プラグイン提供用サーバからダウンロードした現像プログラムを画像処理プログラムに組み込まずに単独で使用するようにしてもよい。
【0044】
また、上記実施形態では、デジタルカメラが備える固体撮像素子として、CCDイメージセンサを例に挙げて説明しているが、本発明はこれに限定されず、CMOSイメージセンサなどの他の固体撮像素子を用いるようにしてもよい。
【0045】
また、上記実施形態では、撮影によりRAW画像データを得る電子機器としてデジタルカメラを例に挙げて説明しているが、本発明はこれに限定されず、カメラ付き携帯電話機やデジタルビデオカメラなどの他の電子機器を用いるようにしてもよい。
【0046】
上記実施形態では、RAW画像データが現像処理されることにより生成される標準形式の画像データの形式として、JPEG形式を例に挙げて説明しているが、本発明はこれに限定されず、TIFF形式やBitmap形式などの他の形式としてもよい。
【0047】
また、上記実施形態では、電子機器の機種に依存する独自形式のデータとしてRAW画像データを例に挙げて説明しているが、本発明はこれに限定されず、電子機器の機種に依存するデータであれば、いかなる形式のデータ(音声データ、文書データなど)に対しても本発明を適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】画像処理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】デジタルカメラの構成を示すブロック図である。
【図3】RAW画像データのフォーマットを説明する図である。
【図4】画像処理システムの作用を説明するフローチャートである。
【図5】画像処理システムの他の実施形態を説明するフローチャートである。
【図6】問い合わせウィンドウを示す図である。
【符号の説明】
【0049】
2 画像処理システム
3 プラグイン提供用サーバ
5 デジタルカメラ
6 通信ネットワーク
13 プラグイン管理プログラム
24 画像処理プログラム
25 通信インタフェース
33 CCDイメージセンサ
35 A/Dコンバータ
36 デジタル信号処理回路
37 メモリカード
38 付帯情報追加部
39 データ圧縮回路
50 問い合わせウィンドウ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器の機種に依存する独自形式のデータを標準形式のデータに変換する変換プログラムを格納したサーバと、
このサーバと通信ネットワークを介して接続され、前記変換プログラムに基づいて前記独自形式のデータを標準形式のデータに変換する変換処理装置とを備え、
前記独自形式のデータには、対応する変換プログラムの識別情報と、対応する変換プログラムを格納したサーバのアドレス情報とが付加されており、
前記変換処理装置は、前記識別情報に対応する変換プログラムが該装置内に存在するか否かを判定し、存在しなければ、前記アドレス情報に基づいて特定したサーバから前記識別情報に対応する変換プログラムを取得することを特徴とする変換処理システム。
【請求項2】
前記変換処理装置は、前記識別情報に対応する変換プログラムが該装置内に存在する場合には、前記アドレス情報に基づいて特定したサーバからこの変換プログラムのバージョン情報を取得し、該装置内の変換プログラムが最新版でなければ、前記サーバから最新版の変換プログラムを取得することを特徴とする請求項1記載の変換処理システム。
【請求項3】
前記変換処理装置は、前記識別情報に対応する変換プログラムが該装置内に存在する場合には、前記アドレス情報に基づいて特定したサーバからこの変換プログラムのバージョン情報を取得し、該装置内の変換プログラムが最新版でなければ、その旨をユーザに報知し、ユーザの指示に基づいて、前記サーバから最新版の変換プログラムを取得することを特徴とする請求項1記載の変換処理システム。
【請求項4】
前記変換処理装置は、コンピュータと、これに所定の動作を実行させるアプリケーションプログラムとからなり、前記変換プログラムは、前記アプリケーションプログラムに組み込まれるプラグインであることを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の変換処理システム。
【請求項5】
前記独自形式のデータは、固体撮像素子によって撮像されたアナログ信号をデジタル化した直後のRAW形式の画像データであることを特徴とする請求項1ないし4いずれか記載の変換処理システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−253957(P2006−253957A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−66073(P2005−66073)
【出願日】平成17年3月9日(2005.3.9)
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】