説明

変色用塗布具及びそれを用いた塗布具セット

【課題】 中詰式や弁式の塗布具を使用した際に問題となる筆跡のかすれや変色液の噴き出し等を生じることなく、内蔵する変色液を最後まで使い切ることができると共に、透明な塗布液貯蔵部を用いた場合には、収容する変色液の残量が容易に確認できる変色性塗布具及びそれを用いた塗布具セットを提供する。
【解決手段】 少なくともペン先と、塗布液保溜部材と塗布液貯蔵部とを備えた軸筒とからなり、前記塗布液貯蔵部内に、還元作用により消色又は変色する染料を含むインキにより形成された像を消色又は変色させる、少なくとも水と還元剤とを含有する変色液を内蔵してなる。前記変色液が界面活性剤を含有してなる。前記変色用塗布具の後端に、還元作用により消色又は変色する染料を含むインキ、又は、還元作用により消色又は変色しない着色剤を含むインキを内蔵する筆記具を設けてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は変色用塗布具及びそれを用いた塗布具セットに関する。更に詳細には、還元作用により消色又は変色する染料を含むインキによって形成された像を消色又は変色する変色液を内蔵した変色用塗布具及びそれを用いた塗布具セットに関する。
尚、本発明において「前」とはペン先側を指し、「後」とは塗布液貯蔵部側を指す。
【背景技術】
【0002】
従来より、還元作用により消色又は変色する染料を含むインキを内蔵する筆記具が用いられており、前記筆記具によって形成される筆跡を必要に応じて消色又は変色するために用いられる変色用塗布具が開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。
前記変色用塗布具は、繊維製のペン先を備え、変色液を含浸させた中綿を内蔵する塗布具である。そのため、中綿に含浸される変色液の残量が少なくなると、ペン先へ充分な量の変色液を誘導でき難くなるので、塗布(筆記)した際にかすれを生じ易いものであった。また、軸筒が透明であっても、中綿に含浸される変色液の残量を確認し難いため、塗布具の交換時期が視覚的に分からないことがあった。
【特許文献1】特公昭62−28834号公報
【特許文献2】特開2004−122491号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、前記した従来の不具合を解決するものであって、即ち、中詰式や弁式の塗布具を使用した際に問題となる筆跡のかすれや変色液の噴き出し等を生じることなく、内蔵する変色液を最後まで使い切ることができると共に、透明な塗布液貯蔵部を用いた場合には、収容する変色液の残量が容易に確認できる変色性塗布具及びそれを用いた塗布具セットを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の変色用塗布具は、少なくともペン先と、塗布液保溜部材と塗布液貯蔵部とを備えた軸筒とからなり、前記塗布液貯蔵部内に、還元作用により消色又は変色する染料を含むインキにより形成された像を消色又は変色させる、少なくとも水と還元剤とを含有する変色液を内蔵してなることを要件とする。
更に、前記変色液が界面活性剤を含有してなること、前記変色液全量中に界面活性剤を0.1〜5重量%含有すると共に、前記変色液全量中に還元剤を1〜20重量%含有することを要件とする。
更に、前記塗布液貯蔵部及び、該塗布液貯蔵部外方に位置する軸筒の少なくとも一部が透明性を有すること、前記ペン先がマーキングペンチップ又はボールペンチップであること、前記変色液が、還元作用により消色又は変色することのない着色剤を含むことを要件とする。
更に、前記変色用塗布具の後端に、還元作用により消色又は変色する染料を含むインキ、又は、還元作用により消色又は変色しない着色剤を含むインキを内蔵する筆記具を設けて両頭式形状としたことを要件とする。
更には、前記変色用塗布具と、還元作用により消色又は変色する染料を含むインキ、又は、還元作用により消色又は変色しない着色剤を含むインキを内蔵する筆記具とからなる塗布具セットを要件とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明により、変色液の噴き出しや筆跡のかすれを生じることなく大容量の変色液を収容でき、内蔵する変色液を最後まで使い切ることができると共に、透明な塗布液貯蔵部や軸筒を用いた場合には、収容する変色液の残量を容易に確認できる変色用塗布具及びそれを用いた塗布具セットを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の変色用塗布具は、還元作用により消色又は変色する染料を含むインキにより形成された像を消色又は変色することが可能な変色液を内蔵してなる塗布具であって、前記変色液を塗布液貯蔵部内に直接収容するものである。更に、前記塗布具は、急激な温度変化やキャップ着脱等に起因する塗布液貯蔵部の内圧変化に伴う溢出インキを一時的に保持することで、ペン先からの変色液の吹き出しを防止する塗布液保溜部材を軸筒内に備えるものである。
【0007】
前記軸筒内に設けられる塗布液保溜部材としては、多数の薄い円盤体が互いに僅かな間隙(櫛溝)をあけて一体的に並列配置されてなり、前記円盤体を軸方向に縦貫してスリット状の塗布液誘導溝及び該溝より太幅の通気溝が設けられ、更に軸心に、前記塗布液貯蔵部内の変色液をペン先へ誘導するための誘導芯が配置される構造を有する、所謂ペン芯が好適に用いられる。
前記塗布液保溜部材(ペン芯)は、通常プラスチック材から成形されているが、プラスチック材表面は相対的に疎水性であるため、適用される変色液には、前記プラスチック材表面の濡れ性を向上させるため、プラスチック材表面への親和性を付与する界面活性剤を添加することが好ましい。
また、前記形態の他、塗布液保溜部材として繊維束体を適用することも可能である。
【0008】
前記ペン先は、塗布液保溜部材に配設される誘導芯に接続されており、塗布液貯蔵部内の変色液を塗布するものである。
前記ペン先の形状としては、汎用のものが用いられ、例えば、繊維チップ、フェルトチップ、プラスチックチップ、筆穂等のマーキングペンチップ、ボールペンチップ、万年筆用ペン先等を適用できる。特に、塗布性、筆記性に有利な点から、マーキングペンチップ又はボールペンチップが好ましい。
【0009】
前記塗布液貯蔵部は、変色液を内蔵することが可能であればどのような形状、形態のものでも適用でき、例えば、軸筒の塗布液保溜部材の後方部分に直接設けたり、カートリッジ状として着脱自在に設けることが可能である。
特に、前記塗布液貯蔵部は、透明性を有する部材で形成したり、透明部分を設けることが好ましい。これにより、変色液の残量を目視により確認できるので、液切れの確認が容易にでき、より有用なものとなる。
【0010】
前記軸筒は、塗布液保溜部材及び塗布液貯蔵部を収容してなるものであり、後端を閉鎖して塗布液貯蔵部を一体に成形できる他、塗布液貯蔵部をカートリッジ状にした際には、該カートリッジを被覆するように、着脱自在なカバー部材として構成したり、前記カートリッジ自体を軸筒後部として用いることができる。
前記軸筒の塗布液貯蔵部を覆う部分等の塗布液貯蔵部を視認できる部分は、透明性を有する部材で形成したり、透明部分を設けることが好ましい。これにより、変色液の残量を目視により確認できるので、液切れの確認が容易にでき、より有用なものとなる。
また、前記軸筒の塗布液保溜部材を視認できる部分を透明性材料で成形したり、別部材で透明部分を設けることにより、塗布液保溜部材に貯溜される変色液を確認できるような構成とすることもできる。
【0011】
前記変色液としては、水媒体中に還元剤が添加されたものが用いられる。
前記還元剤として具体的には、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸リチウム、亜硫酸カルシウム、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸亜鉛、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、チオ硫酸アンモニウム、次亜塩素酸ナトリウム、ハイドロサルファイト等を例示でき、安全性及び変色又は消色性能の観点から亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム等の亜硫酸塩が好適に用いられる。
また、前記変色液には必要に応じて有機溶剤や着色剤や各種添加剤を配合できる。
前記着色剤として、還元剤によって変色し難い染料や顔料を用いることで、変色液を有色にでき、視認性に優れたものとなる。
前記還元剤は、変色液全量中1〜20重量%含有される。1重量%以下では、充分な消去性を付与することができず、20重量%の添加であれば、充分な消去性・変色性を満たすので、それ以上の添加は要しない。
【0012】
前記変色液には、添加剤として有機アミンを添加することが好ましい。有機アミンの添加により、インキを消去した際に残色が発生することを確実に抑制できる。
前記有機アミンとしては、例えば、n−アミルアミン、2−エチルブチルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、アニリン、n−ブチルアミン、ジアミルアミン、ジエタノールアミン、n−トリブチルアミン、トリアミルアミン、トリエタノールアミン等が例示できる。
【0013】
更に、櫛溝状の塗布液保溜部材(ペン芯)において、櫛溝間で消去液の表面張力を小さくするために、濡れ剤(ペン芯性能付与剤)として界面活性剤を添加することが好ましい。更に、前記界面活性剤の添加により、塗布した際に紙面への浸透性が高くなるため、変色性インキによる筆跡をより確実に変色又は消色することができる。
前記界面活性剤は、変色液全量中0.05〜5重量%、特に還元剤が変色液全量中1〜20重量%含有される場合には0.1〜5重量%の範囲で好適に用いられる。0.05重量%以下では、ペン芯に充分な濡れ性を付与することができず、5重量%の添加であれば、充分な濡れ性を付与できるので、それ以上の添加は要しない。
【0014】
前記界面活性剤としては、塩濃度が高く強アルカリ性を示す水性溶液中においても溶解可能なものであれば、アニオン性、ノニオン性、両性、リン酸エステル系、フッ素系等の汎用のものが適用できる。
具体的には、アニオン性界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、スルホコハク酸塩、スルホン酸塩、タウリン誘導体、サルコシン誘導体、アマイドエーテルサルフェ−ト、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、脂肪酸塩、アルキルエーテル脂肪酸塩等が挙げられ、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン塩、ミリスチル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン塩、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、N−ラウロイルメチルタウリンナトリウム、N−ミリストイルメチルタウリントリエタノールアミン塩、ラウロイルサルコシンナトリウム、オレイルサルコシンカリウム、ミリストイルサルコシンナトリウム、ポリオキシヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド硫酸ナトリウム、ラウリル燐酸ナトリウム、ポリオキシエチレンセチルエーテル燐酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル燐酸トリエタノールアミン塩、ジポリオキシエチレンラウリルエーテル燐酸トリエタノールアミン塩、トリポリオキシエチレンラウリルエーテル燐酸トリエタノールアミン塩、ヤシ油脂肪酸トリエタノールアミン塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム等を例示できる。
【0015】
前記ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンアビエチルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンセチルエーテル等のポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマーアルキルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンジノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレングリセロールボレイトラウレート等を例示でき、特に、HLB値が15より大きい値を示すものが好ましい。
【0016】
前記両性界面活性剤としては、アルキルベタイン型、アルキルアミノベタイン型、イミダゾリン型、グリシン型、エーテルアミンオキシド型の界面活性剤が挙げられ、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン、ラウリルジメチルアミンオキシド、ポリオキシエチレンヤシ油アルキルジメチルアミンオキシド等を例示できる。
【0017】
リン酸エステル系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテルのリン酸モノエステルのアルカリ金属塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルのリン酸モノエステルのアルカリ金属塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルのリン酸ジエステルのアルカリ金属塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルのリン酸ジエステルのアルカリ金属塩がある。ここでアルカリ金属としてはナトリウム、カリウム等が例示される。また、ポリオキシエチレンアルキルエーテルのリン酸モノエステルのアミン塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルのリン酸モノエステルのアミン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルのリン酸ジエステルのアミン塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルのリン酸ジエステルのアミン塩等が例示できる。また、ポリオキシエチレンアルキルエーテルのリン酸モノエステルのアルカノールアミン塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルのリン酸モノエステルのアルカノールアミン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルのリン酸ジエステルのアルカノールアミン塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルのリン酸ジエステルのアルカノールアミン塩等が例示できる。具体的には、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル(モノエステル及びジエステルの混合物)として東邦化学工業株式会社製の「フォスファノールPE−510」、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル(モノエステル及びジエステルの混合物)として同社製の「フォスファノールML−220」、同じくポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル(モノエステル及びジエステルの混合物)として同社製の「フォスファノールRA−600」、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル(モノエステル及びジエステルの混合物)として同社製の「フォスファノールRE−610」の他、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル(モノエステル及びジエステルの混合物)として第一工業製薬株式会社製の「プライサーフA212E」、「プライサーフA215C」、「プライサーフA210G」」等を例示することができる。
【0018】
フッ素系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンのパーフルオロアルキルエステル等が例示できる。
フッ素アルキルエステル、パーフルオロアルキルカルボン酸塩などの含フッ素系界面活性剤などがある。
フルオロアルキル(C2〜C10)カルボン酸、N−パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−〔フルオロアルキル(C8〜C11)オキシ〕−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸、パーフルオロアルキル(C7〜C13)カルボン酸、モノパーフルオロアルキル(C8〜C16)エチルリン酸エステル、パーフルオロアルキルアミンオキサイド、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物等が例示できる。
【0019】
前記変色用塗布具の一部(後端)には、還元作用により消色又は変色する染料を含むインキ、又は、還元作用により消色又は変色しない着色剤を含むインキを内蔵する筆記具や塗布具を設け(所謂、両頭式塗布具構造)、前記インキからなる筆跡を単一の塗布具により変色又は消色可能としたり、変色液塗布面上に再筆記可能とした、携帯性に優れた塗布具とすることができる。
【0020】
また、前記変色用塗布具は、還元作用により消色又は変色する染料を含むインキや、還元作用により消色又は変色しない着色剤を含むインキを内蔵する筆記具(変色性又は非変色性筆記具)や塗布具(変色性又は非変色性塗布具)と組み合わせて塗布具セットとすることもできる。
前記塗布具セットは、単一の変色性又は非変色性筆記具と変色用塗布具とにより構成されていてもよいが、複数の色調の異なる変色性又は非変色性筆記具や、複数の筆跡幅の異なる変色性又は非変色性筆記具と変色用塗布具とを組み合わせた塗布具セットとすることにより、バリエーションに富んだ筆跡や絵柄を形成できると共に、前記筆跡や絵柄を変色又は消色可能となると共に、消色させた塗布面上に再筆記できる、意外性に富んだ塗布具セットが得られる。
【0021】
なお、前記両頭式塗布具や塗布具セットに用いられる変色用塗布具の筆跡幅が、変色性筆記具(塗布具)により形成される筆跡幅よりも太く形成できるようなペン先とすることで、前記変色性筆跡を効率的に変色又は消色させることが可能となる。
前記変色用塗布具の筆跡幅が、変色性筆記具(塗布具)により形成される筆跡幅よりも細く形成できるようなペン先とすることで、前記変色性筆跡内への塗布や、先に消去液を塗布した部分へ変色性インキを重ね塗りすることによって、抜き文字が容易に形成できるものとなる。
【0022】
前記両頭式塗布具や塗布具セットに用いられる還元作用により消色又は変色する染料を含むインキ、又は、還元作用により消色又は変色しない着色剤を含むインキを内蔵する筆記具(塗布具)は、どのような構造を有するものであってもよく、筆記先端部に繊維チップ、フェルトチップ、プラスチックチップ、ボールペンチップ、万年筆ペン先、筆穂等を筆記先端部に装着し、軸筒内部に収容した繊維束からなるインキ吸蔵体にインキを含浸させ、筆記先端部にインキを供給する構造、軸筒内部に直接インキを収容し、櫛溝状の塗布液保溜部材(ペン芯)や繊維束からなる塗布液保溜部材を介在させて筆記先端部に所定量のインキを供給する構造、軸筒内部に直接インキを収容して、弁機構により筆記先端部に所定量のインキを供給する構造、ペン先と連通するインキ収容管(軸筒)内にインキを充填し、該インキの後端に逆流防止用の液栓や固体栓を配設した構造が例示できる。
【0023】
前記インキ中に含まれる染料としては、還元剤によって変色又は消色する染料であれば汎用のものが用いられ、メチン系染料、トリメチルメタン系染料、ジフェニルメタン系染料、トリフェニルメタン系染料、キサンテン系染料、シアニン系染料、アゾ系染料、アントラキノン系染料、シアニン系染料等を使用することができる。
前記染料として具体的には、C.I.ベーシックブルー1、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー7、C.I.ベーシックブルー54、C.I.ベーシックブルー65、C.I.ベーシックブルー69、C.I.ベーシックオレンジ21、C.I.ベーシックオレンジ46、C.I.ベーシックレッド13、C.I.ベーシックレッド14、C.I.ベーシックレッド37、C.I.ベーシックレッド49、C.I.ベーシックグリーン1、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックバイオレット1、C.I.ベーシックバイオレット10、C.I.ベーシックバイオレット15、C.I.ベーシックバイオレット27、C.I.ベーシックイエロー49、C.I.アシッドブルー93、C.I.アシッドレッド92、C.I.アシッドグリーン3、C.I.アシッドバイオレット19、C.I.アシッドイエロー23を例示できる。
なお、前記還元剤によって変色又は消色する染料と共に、還元剤によって変色し難い染料や顔料を併用することによって、筆記時には前記染料の色調が混色となった筆跡が視認され、前記筆跡に変色液を付着させることにより、一方の染料が変色又は消色して異なる色調の筆跡を視認可能な構成とすることもできる。
また、インキ中に還元作用により消色又は変色しない着色剤のみを含有することで、変色液を塗布した面上に再筆記が可能なインキとすることもできる。
【0024】
インキ中に含まれる溶剤は、水の他に従来汎用の水溶性有機溶剤を添加することもでき、エタノール、プロパノール、ブタノール、グリセリン、ソルビトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、チオジエチレングリコール、ヘキシレングリコール、1,3−ブタンジオール、ネオプレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
【0025】
なお、インキ中で染料の発色性を良好なものとするためには、インキのpHを1〜6にする必要がある。
よって、インキのpHを前記酸性領域に調整が必要な場合は酸性物質を添加することもでき、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、シュウ酸、コハク酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、リン酸、パラトルエンスルホン酸等のスルホン酸、塩酸、硫酸、硝酸等が適用される。
特に、インキの色調への影響が小さく、ボールペンチップを用いた場合にはチップ摩耗が発生し難いことから、有機酸が好適に用いられる。
【0026】
前記インキには、剪断減粘性を付与したり、所望のインキ粘度を付与するために必要に応じて増粘剤を添加できる。例えば、水に可溶乃至分散性のキサンタンガム、ウェランガム、構成単糖がグルコースとガラクトースの有機酸修飾ヘテロ多糖体であるサクシノグリカン(平均分子量約100乃至800万)、グアーガム、ローカストビーンガム及びその誘導体、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸アルキルエステル類、メタクリル酸のアルキルエステルを主成分とする分子量10万〜15万の重合体、グルコマンナン、寒天やカラゲニン等の海藻より抽出されるゲル化能を有する増粘多糖類、ベンジリデンソルビトール及びベンジリデンキシリトール又はこれらの誘導体、架橋性アクリル酸重合体、無機質微粒子、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル・ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、脂肪酸アミド等のHLB値が8〜12のノニオン系界面活性剤、ジアルキル又はジアルケニルスルホコハク酸の塩類、N−アルキル−2−ピロリドンとアニオン系界面活性剤の混合物、ポリビニルアルコールとアクリル系樹脂の混合物等が挙げられ、単独或いは混合して使用することができる。
更に、水溶性樹脂を用いることもでき、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、スチレンマレイン酸共重合物、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、デキストリン等が挙げられる。
【0027】
前記増粘剤のうち、ポリビニルピロリドンとポリビニルアルコールはインキが酸性領域であっても安定的に機能して所望のインキ粘度を示すため、好適に用いられる。
特にインキのpHが1〜4の染料が良好な発色状態を示す系において、他の増粘剤は十分な機能を示し難いにもかかわらず、前記ポリビニルピロリドンとポリビニルアルコールは初期及び経時後も過度の粘度上昇や粘度低下を生じることなく、所望のインキ粘度を維持することができる。
【0028】
その他、必要に応じて染料の発消色に影響を及ぼさない範囲で、防錆剤、石炭酸等の防腐剤或いは防黴剤、界面活性剤、湿潤剤、メチルポリシロキサン等の消泡剤、潤滑剤等の添加剤を使用してもよい。
【0029】
更に、インキ収容管(軸筒)内に直接インキを収容した場合、インキの後端にはインキ逆流防止体を充填することができる。
前記インキ逆流防止体は不揮発性液体及び/又は難揮発性液体(基油)からなる。
具体的には、ワセリン、スピンドル油、ヒマシ油、オリーブ油、精製鉱油、流動パラフィン、ポリブテン、α−オレフィン、α−オレフィンオリゴマーまたはコオリゴマー、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコーンオイル等があげられ、一種又は二種以上を併用することもできる。
【0030】
前記不揮発性液体及び/又は難揮発性液体には、ゲル化剤を添加して好適な粘度まで増粘させることが好ましく、表面を疎水処理したシリカ、表面をメチル化処理した微粒子シリカ、珪酸アルミニウム、膨潤性雲母、疎水処理を施したベントナイトやモンモリロナイトなどの粘土系増粘剤、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属石鹸、トリベンジリデンソルビトール、脂肪酸アマイド、アマイド変性ポリエチレンワックス、水添ひまし油、脂肪酸デキストリン等のデキストリン系化合物、セルロース系化合物を例示できる。
前記インキ逆流防止体の基油としては、ポリブテン又はシリコーン油が好適に用いられ、増粘剤としては脂肪酸アマイド又はシリカが好適に用いられる。
尚、インキ逆流防止体には、樹脂製の固体栓を併用することもできる。
【実施例】
【0031】
以下に実施例を示すが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。尚、実施例中の部は重量部を示す。
【0032】
実施例1
変色液の調製
亜硫酸ナトリウム(還元剤) 15.0部
アニオン系界面活性剤 0.2部
〔日光ケミカルズ(株)製、商品名:アラニネートLN−30〕
石炭酸(防腐剤) 0.3部
グリセリン 10.0部
水 74.5部
前記溶剤中に還元剤と各種添加剤を加えて攪拌して変色液を得た。
【0033】
変色用塗布具Aの作製
前記変色液を、軸筒内に直接収容し、櫛溝状のインキ流量調節部材を介して軸筒先端部にチゼル型繊維マーキングペンチップを取り付けてマーキングペン形態の変色用塗布具を得た。
なお、前記変色用塗布具には着脱自在のキャップを備えてなる。
【0034】
実施例2
変色液の調製
亜硫酸カリウム(還元剤) 15.0部
炭酸カリウム 1.0部
リン酸エステル系界面活性剤 0.2部
〔第一工業製薬(株)製、商品名:プライサーフA208B〕
石炭酸(防腐剤) 0.1部
グリセリン 10.0部
水(イオン交換水) 73.7部
前記溶剤中に還元剤と各種添加剤を加えて攪拌して変色液を得た。
【0035】
変色用塗布具Bの作製
前記変色液を、軸筒内に直接収容し、櫛溝状のインキ流量調節部材を介して軸筒先端部に直径0.7mmのボールを抱持したボールペンチップを取り付けてボールペン形態の変色用塗布具を得た。
なお、前記変色用塗布具には着脱自在のキャップを備えてなる。
【0036】
実施例3
変色液の調製
亜硫酸ナトリウム(還元剤) 15.0部
非変色性染料 1.0部
(C.I.ダイレクトブルー87)
アニオン系界面活性剤 1.0部
〔日光ケミカルズ(株)製、商品名:アラニネートLN−30〕
トリエタノールアミン 1.0部
石炭酸(防腐剤) 0.3部
グリセリン 10.0部
水(イオン交換水) 71.7部
前記溶剤中に還元剤と各種添加剤を加えて攪拌して変色液を得た。
【0037】
変色用塗布具Cの作製
前記変色液を、軸筒内に直接収容し、櫛溝状のインキ流量調節部材を介して軸筒先端部にチゼル型繊維マーキングペンチップを取り付けてマーキングペン形態の変色用塗布具を得た。
なお、前記変色用塗布具には着脱自在のキャップを備えてなる。
【0038】
実施例4
変色液の調製
亜硫酸ナトリウム(還元剤) 15.0部
石炭酸(防腐剤) 0.3部
グリセリン 10.0部
水 74.7部
前記溶剤中に還元剤と各種添加剤を加えて攪拌して変色液を得た。
【0039】
変色用塗布具Dの作製
前記変色液を、軸筒内に直接収容し、櫛溝状のインキ流量調節部材を介して軸筒先端部にチゼル型繊維マーキングペンチップを取り付けてマーキングペン形態の変色用塗布具を得た。
なお、前記変色用塗布具には着脱自在のキャップを備えてなる。
【0040】
筆記具用変色性インキAの調製
青色染料 4.0部
〔クラリアントGmbH社製、C.I.アシッドブルー93〕
リン酸エステル系界面活性剤(潤滑剤) 0.5部
〔第一工業製薬(株)製、商品名:プライサーフ212E〕
石炭酸(防腐剤) 0.1部
クエン酸(pH調整剤) 0.5部
キサンタンガム(増粘剤) 0.45部
グリセリン 15.0部
水 79.45部
【0041】
前記溶剤の一部に染料と各種添加剤を加えたものと、これとは別に溶剤の一部に増粘剤を加えたものとを混ぜ合わせた後、1時間攪拌して剪断減粘性変色性インキBを得た。
なお、前記インキのpHは3.0であり、粘度は20℃でEMD型回転粘度計〔東機産業(株)製、RE−80R、標準ロータ使用)を用いて測定した結果、100rpmで24.0mPa・s、1rpmで716.8mPa・sであり、剪断減粘性指数は0.26であった。
【0042】
変色性ボールペンの作製
先端部に0.5mmのボールを回転可能に抱持し、該ボールを前方に付勢する弾発部材を備えるボールペンチップが、接続部材を介して先端開口部に固着されるポリプロピレン製インキ収容管の内部に、前記変色性インキを充填した後、インキの後端に基油としてポリブテン85部中に、増粘剤として脂肪酸アマイド15部を添加し、3本ロールで混練して得られたインキ逆流防止体を配置させて変色性ボールペンレフィルを得た。
更に、前記変色性ボールペンレフィルを軸筒に組み込み、キャップを嵌めて変色性ボールペンを作製した。
前記変色性ボールペンを用いて紙面上に筆記すると、軽い筆記感で濃い青色の筆跡が得られるものであった。
【0043】
筆記具用変色性インキBの調製
赤色染料 2.0部
〔保土谷化学工業(株)製、C.I.ベーシックレッド14〕
リン酸エステル系界面活性剤(潤滑剤) 0.5部
〔第一工業製薬(株)製、商品名:プライサーフA212E〕
石炭酸 0.1部
グリセリン 15.0部
水 82.4部
【0044】
前記溶剤中に染料及び各種添加剤を加えた後、1時間攪拌して変色性インキBを得た。なお、前記インキのpHは3.5であった。
【0045】
変色性マーキングペンの作製
前記変色性インキBを、ポリプロピレン製の軸筒内に直接収容し、櫛溝状のインキ流量調節部材を介して軸筒先端部にチゼル型繊維マーキングペンチップを取り付けることで変色性マーキングペンを作製した。
前記変色性マーキングペンを用いて紙面上に筆記すると、軽い筆記感で濃い赤色の筆跡が得られるものであった。
【0046】
両頭式塗布具の作製
軸筒の一方に前記実施例1で得たマーキングペン形態の変色用塗布具を収容し、他方に先に調製した変色性インキAを収容する変色性ボールペンレフィルを嵌合して両頭式変色性塗布具を得た。
前記塗布具のボールペン部を用いて紙面上に筆記すると、青色の筆跡が得られ、更に、前記筆跡上から他方に設けられる変色用塗布具を用いて変色液を塗布すると筆跡は消色した。
前記両頭式塗布具は筆記と消去を1本の塗布具で行うことができるため、携帯性と利便性に優れるものであった。
【0047】
両頭式塗布具の作製
軸筒の一方に前記実施例1で得たマーキングペン形態の変色用塗布具を収容し、他方に先に調製した変色性インキBを収容する変色性マーキングペンを嵌合して両頭式変色性塗布具を得た。
前記塗布具の変色性マーキングペン部を用いて紙面上に筆記すると、赤色の筆跡が得られ、更に、前記筆跡上から他方に設けられる変色用塗布具を用いて変色液を塗布すると筆跡は消色した。
前記両頭式塗布具は筆記と消去を1本の塗布具で行うことができるため、携帯性と利便性に優れるものであった。
【0048】
塗布具セットの作製
前記実施例1で得たマーキングペン形態の変色用塗布具と、先に調製した変色性インキAを収容する変色性ボールペンと、変色性インキBを収容する変色性マーキングペンとを組み合わせて塗布具セットを得た。
前記各変色性インキを収容する筆記具を用いて紙面上に筆記すると、青色及び赤色の筆跡が得られ、前記筆跡上から変色用塗布具を用いて変色液を塗布すると各筆跡は消色した。
【0049】
塗布具セットの作製
前記実施例2で得たボールペン形態の変色用塗布具と、先に調製した変色性インキBを収容する変色性マーキングペンとを組み合わせて塗布具セットを得た。
前記マーキングペンを用いて紙面上に筆記すると赤色の筆跡が得られ、前記筆跡上に変色用塗布具を用いて変色液を塗布すると、塗布部分は赤色筆跡が消色した。
【0050】
前記変色用塗布具A〜Dを用いて以下の試験を行った。
ペン芯濡れ性試験
ペン先下向き状態で保持した変色用塗布具を、キャップ嵌合状態で0℃、1時間放置した後、ペン先下向き状態のままキャップを外して40℃まで上昇させた際のペン芯櫛溝部へのインキ流入状態及びペン先からの塗布液のボタ落ちの有無を観察した。
【0051】
インキ回収試験
ペン芯濡れ性試験の後、再び0℃に冷却した際にペン芯櫛溝部から塗布液貯蔵部への塗布液の回収状態を観察した。
【0052】
キャップ着脱試験
ペン先下向き状態で、キャップの着脱動作を連続的に繰り返した際における、ペン芯櫛溝部内への塗布液の出入状態を観察した。
【0053】
変色試験
先に得られた変色性インキBを内蔵する変色性マーキングペンを用いて、レポート用紙に直線を筆記した後、各変色用塗布具で赤色の筆跡上をなぞった際の色変化を確認した。
前記各試験の結果を以下の表に示す。
【0054】
【表1】

【0055】
尚、試験結果の評価は以下の通りである。
ペン芯濡れ性試験
○:円滑に流入し、ボタ落ちは発生しなかった。
△:流入が若干変則的で、ペン先に塗布液が溜まったが、ボタ落ちは発生しなかった。
インキ回収試験
○:良好に全て回収した。
△:若干ペン芯櫛溝部内に残留した。
キャップ着脱試験
○:着脱による塗布液の出入が円滑に行われ、ボタ落ちは発生しなかった。
△:着脱による塗布液の出入が若干変則的で、ペン先に塗布液が溜まったが、ボタ落ちは発生しなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともペン先と、塗布液保溜部材と塗布液貯蔵部とを備えた軸筒とからなり、前記塗布液貯蔵部内に、還元作用により消色又は変色する染料を含むインキにより形成された像を消色又は変色させる、少なくとも水と還元剤とを含有する変色液を内蔵してなることを特徴とする変色用塗布具。
【請求項2】
前記変色液が界面活性剤を含有してなることを特徴とする請求項1記載の変色用塗布具。
【請求項3】
前記変色液全量中に界面活性剤を0.1〜5重量%含有すると共に、前記変色液全量中に還元剤を1〜20重量%含有することを特徴とする請求項2記載の変色用塗布具。
【請求項4】
前記塗布液貯蔵部及び、該塗布液貯蔵部外方に位置する軸筒の少なくとも一部が透明性を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の変色用塗布具。
【請求項5】
前記ペン先がマーキングペンチップ又はボールペンチップであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の変色用塗布具。
【請求項6】
前記変色液が還元作用により消色又は変色することのない着色剤を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の変色用塗布具。
【請求項7】
前記請求項1乃至6記載の変色用塗布具の後端に、還元作用により消色又は変色する染料を含むインキ、又は、還元作用により消色又は変色しない着色剤を含むインキを内蔵する筆記具を設けて両頭式形状としたことを特徴とする塗布具。
【請求項8】
前記請求項1乃至6記載の変色用塗布具と、還元作用により消色又は変色する染料を含むインキ、又は、還元作用により消色又は変色しない着色剤を含むインキを内蔵する筆記具とからなる塗布具セット。

【公開番号】特開2006−289804(P2006−289804A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−114101(P2005−114101)
【出願日】平成17年4月12日(2005.4.12)
【出願人】(000111890)パイロットインキ株式会社 (832)
【Fターム(参考)】