説明

外付けキーパッド

【課題】
複数のキートップ画像を表示可能なタッチパネルを備える電子機器を操作する際に、操作感に優れ、入力容易な外付けキーパッドを提供する。
【解決手段】
本発明は、タッチ操作により所望の入力を可能とするキートップ画像12aを表示可能なタッチパネル11を備える電子機器10に取り付け可能な外付けキーパッド1であって、各キートップ画像12aの位置に対応するキートップ22aを集合させるキーボード22と、キートップ画像12aの位置にキートップ22aの位置を合わせるための固定手段41,42と、キートップ22aの下方にあってキートップ22aの上方からの押圧および当該押圧の解除によって弾性的に屈曲変形可能なドーム部22bとを備える外付けキーパッド1に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器のタッチパネル内に表示されるキーボード画像上に配置する外付けキーパッドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、携帯電子端末、携帯型のゲーム機器、券売機等の電子機器において、ディスプレイ上へのタッチ操作にて入力可能な機器が多くなっている。かかる機器に内蔵されるタッチセンサは、相対座標入力方式のポインティングデバイスと異なり、ディスプレイ上の絶対座標を入力できるため、操作が簡単で、かつ操作者の感覚に適合した入力を可能とする。タッチセンサは、その検出方法により、抵抗膜方式、静電容量方式、光学方式、超音波表面弾性波方式、電磁誘導方式などの多くのタイプに分けられるが、代表的なタッチセンサとして、抵抗膜方式および静電容量方式が知られている。
【0003】
抵抗膜方式タッチセンサの一例は、2枚の絶縁基板の各対向面に、ITO等による透明導電膜を形成し、電位勾配が形成された一方の透明導電膜と、他方の透明導電膜とが非接触状態となっている。一方から押圧すると、当該一方の透明導電膜と他方の透明導電膜とが接触し、他方の面側にて検出した電圧値に基づき、押圧された面上の絶対座標が特定される。
【0004】
一方、静電容量方式タッチセンサは、表面型静電容量方式、インナー型静電容量方式、投影型静電容量方式などのいくつかの方式に分けられるが、いずれも、センサ側の電極と、操作者の指(もう一方の電極に相当)との間の静電容量の変化を利用して、操作位置の絶対座標を特定する。これらの中でも、投影型静電容量方式のタッチセンサは、最近、注目を集めており、操作者が2本の指にて操作面上の2点を押圧したときに、その両座標を特定できる工夫がなされ、2本の指を使った画像の拡大若しくは縮小の操作が可能なものも知られている。このようなマルチタッチを可能とする静電容量方式タッチセンサは、例えば、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開公報2008/0062139
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のタッチセンサの操作面には、通常、透明な硬質樹脂若しくはガラス製のタッチパネルが配置されており、操作者は、そのタッチパネル上から指あるいはスタイラスペン(適宜、「指等」と称する)を使って操作を行う。抵抗膜式あるいは静電容量式のいずれのタッチセンサを内蔵する場合においても、タッチパネルに表示されるアイコンと称する画像の上から指等でタッチすることは容易であり、操作者に違和感を与えない。これに対して、キートップあるいは打鍵楽器の白鍵や黒鍵等(以後、「キートップ」という)を集合させた領域にてタッチ操作する場合には、操作者は、通常、硬質のタッチパネル上を連続してタッチする。キーボードのような押圧操作機器に馴染んだユーザの感覚によれば、硬質のタッチパネル上での連続タッチは、操作感に欠け、かつ入力しづらい。
【0007】
本発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、複数のキートップ画像を表示可能なタッチパネルを備える電子機器を操作する際に、操作感に優れ、入力容易な外付けキーパッドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を解決するため、本発明の一形態は、タッチ操作により所望の入力を可能とするキートップ画像を表示可能なタッチパネルを備える電子機器に取り付け可能な外付けキーパッドであって、各キートップ画像の位置に対応するキートップを集合させるキーボードと、キートップ画像の位置にキートップの位置を合わせるための固定手段と、キートップの下方にあってキートップの上方からの押圧および当該押圧の解除によって弾性的に屈曲変形可能なドーム部とを備える外付けキーパッドである。
【0009】
本発明の別の形態は、キートップおよびドーム部を、キートップ側からキートップ画像を視認できる透明材料にて構成する外付けキーパッドである。
【0010】
本発明の別の形態は、電子機器のタッチパネル側の面を覆う表カバーと、タッチパネル側と反対側の面を覆う裏カバーと、当該表カバーと当該裏カバーとを連結する連結部とを少なくとも備え、当該表カバーに、キーボードと、キーボード以外の領域をタッチ操作するためのウィンドウとを備え、連結部からタッチパネル側およびその反対側の双方向に折り返し可能に構成した外付けキーパッドである。
【0011】
本発明の別の形態は、ウィンドウの内方に透明板を備える外付けキーパッドである。
【0012】
本発明の別の形態は、固定手段を少なくとも裏カバーに備え、電子機器を裏カバーに固定する部材とする外付けキーパッドである。
【0013】
本発明の別の形態は、電子機器の少なくとも外縁部を覆う枠状部材と、キーボードと当該枠状部材とを連結する連結部とを備える外付けキーパッドである。
【0014】
本発明の別の形態は、連結部を、キーボードをタッチパネル側およびその反対側の双方向に折り返し可能に構成した外付けキーパッドである。
【0015】
本発明の別の形態は、固定手段を、さらにキーボードの一部に形成し、枠状部材に固定可能なシート端を含む外付けキーパッドである。
【0016】
本発明の別の形態は、キーボードを複数備え、連結部からキートップ画像上に、一部のキーボードを選択配置可能とする外付けキーパッドである。
【0017】
本発明の別の形態は、固定手段を、キーボードの裏側にあってタッチパネル上にキーボードを脱着自在に貼り付けることのできる粘着層とする外付けキーパッドである。
【0018】
本発明の別の形態は、固定手段を、電子機器の周囲に巻いてキーボードをキートップ画像上に配置するバンドとする外付けキーパッドである。
【0019】
本発明の別の形態は、固定手段を、キーボードをキートップ画像上にスライド可能に構成されるスライダーとする外付けキーパッドである。
【0020】
本発明の別の形態は、キートップに導電性部材を備え、キートップの押圧時にアース可能に構成した外付けキーパッドである。
【0021】
本発明の別の形態は、電子機器の使用時に利用可能な物品を入れるためのボックスを、さらに備える外付けキーパッドである。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、キートップ画像を集合させたキーボード画像を表示可能なタッチパネルを備えた電子機器を操作する際に、操作感に優れ、容易に入力を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、本発明の第一の実施の形態に係る外付けキーパッドを電子機器にセットする状況を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1に示す外付けキーパッドに電子機器をセットした状態を操作面側から見た平面図である。
【図3】図3は、図2に示す外付けキーパッドの表カバーを開いてタッチパネル上から折り返す途中の状態を示す平面図である。
【図4】図4は、図2に示す外付けキーパッドの表カバーを開いた状態を示す平面図である。
【図5】図5は、図1に示す外付けキーパッドを構成する表カバーのA−A線断面図および当該断面図中の一部拡大図である。
【図6】図6は、図5に示す一部拡大図と別の形態を有する変形例を示す図である。
【図7】図7は、キーボードの変形例を示すA−A線断面図と同様の断面図および当該断面図の一部拡大図である。
【図8】図8は、図7に示すキートップの下方構造と異なる変形例を示す断面図である。
【図9】図9は、図8と同様、図7に示すキートップの下方構造と異なる変形例を示す断面図である。
【図10】図10は、図1に示す外付けキーパッドに、電子機器の使用時に利用可能な物品を入れるためのボックスをさらに備える外付けキーパッドの変形例を示す平面図である。
【図11】図11は、本発明の第二の実施の形態に係る外付けキーパッドの平面図である。
【図12】図12は、図11に示す外付けキーパッドを電子機器に取り付ける前後の各状況を示す平面図である。
【図13】図13は、図11に示す外付けキーパッドのB−B線断面図である。
【図14】図14は、本発明の第三の実施の形態に係る外付けキーパッドを電子機器に取り付ける状況を示す斜視図である。
【図15】図15は、本発明の第四の実施の形態に係る外付けキーパッドを電子機器に取り付ける状況を示す斜視図である。
【図16】図16は、本発明の第五の実施の形態に係る外付けキーパッドを電子機器に取り付ける状況を示す斜視図である。
【図17】図17は、本発明の第六の実施の形態に係る外付けキーパッドを電子機器に取り付ける状況を示す斜視図である。
【図18】図18は、図17に示す外付けキーパッドを構成する表カバーのC−C線断面図および当該断面図中の一部拡大図である。
【図19】図19は、本発明の第七の実施の形態に係る外付けキーパッドの斜視図である。
【図20】図20は、第八の実施の形態に係る外付けキーパッドに電子機器をセットした状態を操作面側から見た平面図である。
【図21】図21は、ATMのタッチパネルを含む操作面を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、本発明に係る外付けキーパッドの各実施の形態について説明する。
【0025】
<第一の実施の形態>
【0026】
図1は、本発明の第一の実施の形態に係る外付けキーパッドを電子機器にセットする状況を示す斜視図である。図2は、図1に示す外付けキーパッドに電子機器をセットした状態を操作面側から見た平面図である。図3は、図2に示す外付けキーパッドの表カバーを開いてタッチパネル上から折り返す途中の状態を示す平面図である。図4は、図2に示す外付けキーパッドの表カバーを開いた状態を示す平面図である。
【0027】
第一の実施の形態に係る外付けキーパッド1は、電子機器10のタッチパネル11側の面を覆う表カバー2と、タッチパネル11と反対側の面を覆う裏カバー4と、当該表カバー2と当該裏カバー4とを連結する連結部3とを少なくとも備える。表カバー2および裏カバー4は、好適には、電子機器1のタッチパネル11側の面およびその裏側の面よりも少し大きい。表カバー2は、複数のキートップ22aを備えるキーボード22と、タッチパネル11内に表示されるキーボード画像12以外の領域をタッチ操作するためのウィンドウ21とを備える。ウィンドウ21は、キーボード画像12の上方領域にほぼ近い形状と大きさに形成されている。また、ウィンドウ21には、透明フィルム(透明板の一例)23が嵌め込まれている。なお、表カバー2全体を透明の材料で構成することもできる。ここで、「透明」とは、無色透明、有色透明、半透明などを包含し、完全に裏側が視認できない不透明な状態と反する状態を意味する。
【0028】
表カバー2は、連結部3からタッチパネル11側およびその反対側の双方向に折り返し可能に構成される。表カバー2におけるキーボード22の下方には、電子機器10のボタン(例えば、起動ボタン)14の位置に合うように貫通孔24が形成される。ただし、表カバー2全体を透明にした場合には、ボタン14を表カバー2から視認可能になるため、貫通孔24を必ずしも要しない。
【0029】
裏カバー4の電子機器10に接触する側の面(内側の面)には、各角部に、電子機器10の角部を挿入固定可能な固定バンド(固定手段の一例)41が備えられている。電子機器10の各角部を固定バンド41に挿入して裏カバー4の内側の面に固定すると、電子機器10のタッチパネル11と表カバー2との位置関係が確定する。このため、キートップ画像12aの位置とキートップ22aの位置とを重ね合わせることができる。また、裏カバー4は、連結部3と左右方向反対側にて表カバー2と固定可能な固定ベルト(固定手段の一例)42を備え、さらに、その固定ベルト42は、その先端側に、表カバー2に固定されるボタン凹部2aと嵌め込み可能なボタン凸部42aを備える。ボタン凸部42aとボタン凹部2aとの嵌め込みにより、表カバー2は、裏カバー4に対する位置を固定でき、連結部3から折り返すことができなくなる。このため、キートップ画像12aの位置とキートップ22aの位置をより一致させることができ、かつキーボード22の操作時に、キーボード22がキーボード画像12からずれるのを有効に防止できる。
【0030】
キーボード22は、好適には、タッチパネル11に表示されるキーボード画像12の位置に合わせた形状および大きさを有する。各キートップ22aは、キーボード22上から突出し、キーボード画像12中の各キートップ画像12aの位置に合わせて配置されている。後述するように、各キートップ22aは、キーボード22を基準として裏方向に押込み可能に備えられている。ただし、キートップ22aをキーボード22上から突出させずに、面一に構成しても良い。
【0031】
図2に示すように、表カバー2を電子機器10のタッチパネル11側の面に載せた状態では、キーボード22がキーボード画像12上に重なり、かつ各キートップ22aが各キートップ画像12a上に重なる。各キートップ22aは、絶縁性のシリコーンゴム、ウレタンゴム、EPDM、熱可塑性エラストマーの他、アクリル樹脂、PC樹脂等の樹脂にて好適に構成されるが、電子機器10が静電容量方式のタッチパネル11を備える場合には、特に、酸化亜鉛を多く含有する高誘電率型のシリコーンゴムにて構成するのが好ましい。各キートップ22aを透明な材料にて構成すると、各キートップ22a自体にキー機能表示を印刷等していなくても、その裏側に配置される各キートップ画像12aのキー機能表示を容易に視認できる。ただし、各キートップ22aを不透明な材料で構成しあるいは不透明な材料でコートし、各キートップ画像12aのキー機能表示を視認できないようにしても良い。その場合には、各キートップ22a自体にキー機能表示を印刷等により形成するのが好ましい。また、キーボード22の各キートップ22a以外の部分も透明な材料で構成しても良い。操作者は、透明フィルム23を通して、タッチパネル11におけるキーボード画像12の領域外に表示されるオブジェクト15を容易に視認できる。加えて、透明フィルム23は、その上からタッチパネル11を操作できる程度に薄く構成されている。このため、操作者は、透明フィルム23上からの操作により、例えば、オブジェクト15の拡大・縮小、あるいは移動等を行うこともできる。
【0032】
操作者は、キーボード22を用いた入力を終えると、図3に示すように、表カバー2を連結部3から折り返して、電子機器10のタッチパネル11を完全に露出させることができる。例えば、図4に示すように、キーボード画像12を非表示状態とし、タッチパネル11上の各種アイコン16をタッチ操作する場合には、キーボード22を折り返してタッチパネル11を完全に露出させることができる。
【0033】
図5は、図1に示す外付けキーパッドを構成する表カバーのA−A線断面図および当該断面図中の一部拡大図である。図6は、図5に示す一部拡大図とは別の形態を有する変形例を示す図である。
【0034】
キーボード22は、その裏側に基板25を備え、当該基板25との間に空間を形成する。基板25は、好適には、薄くて軟質の樹脂層若しくはメッシュ層であり、上方からの押圧に追従可能な可撓性を有する層である。各キートップ22aからの押圧位置の決定と、タッチパネル11上へのダメージ低減の必要性からである。キーボード22は、その空間に通じる複数の貫通孔22cを有する。各貫通孔22cには、それぞれ1つのキートップ22aが突出している。各キートップ22aは、その裏側に、弾性変形可能なドーム(ドーム部の一例)22bを連接する。この結果、キートップ22aとドーム22bとにより、ドームスイッチが構成される。このため、図5に示すように、各キートップ22aをその上方から矢印Fで示す方向に押圧すると、各キートップ22aは、ドーム22bを下方に向けて変形させながら、貫通孔22c内を下降する。次に、各キートップ22aへの押圧を解除すると、ドーム22bが元の状態に復帰し、これに伴い、各キートップ22aは貫通孔22c内を上昇する。各ドーム22bは、各キートップ22aと同様、絶縁性のシリコーンゴム、ウレタンゴム、EPDM、熱可塑性エラストマーの他、アクリル樹脂、PC樹脂等の樹脂にて好適に構成されるが、電子機器10が静電容量方式のタッチパネル11を備える場合には、特に、酸化亜鉛を多く含有する高誘電率型のシリコーンゴムにて構成するのが好ましい。また、各ドーム22bは、好適には、その上方からの圧力が徐々に加わると、所定の限界圧力に達したときに一挙につぶれるように設計される。これが操作者の指に伝達され、操作者は、明確な操作感覚を得る。このように、キートップ22aの下降に加えて、ドーム22bの急激な変形により、操作者は、タッチパネル11へのタッチ操作では得られない良好な操作感を得ることができる。
【0035】
各キートップ22aは、その裏側に、導電性材料の一例である導電層(金属板、ITO膜等)27を備える。ここで、「導電性材料」とは、電気抵抗率が1.0×10(Ω・m)以下である材料をいうものとする。導電層27を各キートップ22aに備えると、電子機器10が静電容量方式のタッチセンサを備える機器の場合、押圧位置の導電層27がタッチパネル11側に近づくことにより操作位置を検知できる。この場合、各導電層27は、アースされている必要があるため、指と導通可能なように各キートップ22aの表側の面に延出させ、あるいは指を経由しない別のルートでアースしておくのが好ましい。導電層27を各キートップ22aの裏側に配置すると、各キートップ22aの厚さが大きくてタッチパネル11の内側の電極と操作者の指(もう一方の電極に相当)との間の距離が大きくなり過ぎたとしても、導電層27とタッチパネル11の内側の電極との距離を小さくできる。この結果、静電容量方式のタッチセンサを備える電子機器10であっても、正確な位置検出ができる。
【0036】
また、キートップ22aあるいはドーム22bの厚さが過度に大きくない場合には、図6に示すように、導電層27を各キートップ22aの表側の面(天面)に形成しても良い。さらに、導電層27を、指を経由しないルートでアースしておくと、操作者が厚手の手袋をはめた状態で操作し、あるいは絶縁性の高いもの(ペンなど)を使って操作した場合でも検出可能となる。
【0037】
図7は、キーボードの変形例を示すA−A線断面図と同様の断面図および当該断面図の一部拡大図である。図8および図9は、それぞれ、図7に示すキートップの下方構造と異なる変形例を示す断面図である。
【0038】
図7に示すキーボード22は、複数のキートップ22aを連接して成り、各キートップ22aの裏側に空間を確保した状態で基板25と貼付されている。各キートップ22aは、絶縁性のシリコーンゴム、ウレタンゴム、EPDM、熱可塑性エラストマーの他、アクリル樹脂、PC樹脂等の樹脂にて好適に構成されるが、電子機器10が静電容量方式のタッチパネル11を備える場合には、特に、酸化亜鉛を多く含有する高誘電率型のシリコーンゴムにて構成するのが好ましい。基板25上における各キートップ22aの位置には、金属製のドーム(ドーム部の一例、以後、「メタルドーム」という)31が配置されている。また、各キートップ22aは、その天面の裏側に、メタルドーム31側に突出する押し子30を備える。図7に示すように、キートップ22aの上方から矢印Fの方向に押圧すると、一点鎖線で示すように押し子30が下降し、メタルドーム31を下方に弾性変形させる。この際に、先に説明したドーム22bと同様、メタルドーム31の急激な変形が生じ、これが操作者の指に明確な操作感を与える。なお、メタルドーム31を用いると、キートップ画像12aに表示される文字等をキートップ22a上方から視認できなくなるので、キートップ22aの構成材料を透明な材料としなくても良い。
【0039】
図8に示すように、メタルドーム31に代えて、樹脂製のドーム(ドーム部の一例、以後、「レジンドーム」という)32を用いることもできる。各レジンドーム32は、好適には、押し子30と固定される。かかる場合、操作時にレジンドーム32がタッチパネル11に押しつけられても、タッチパネル11に傷を付ける危険性が極めて低いため、基板25を配置しなくても良い。
【0040】
また、図9に示すように、メタルドーム31あるいはレジンドーム32を用いる場合、これらドーム31,32を、基板25側に突出するように、各キートップ22aの裏側に開口面を向けて固定することもできる。かかる場合、押し子33を基板25に設けるのが好ましい。
【0041】
図10は、図1に示す外付けキーパッドに、電子機器の使用時に利用可能な物品を入れるためのボックスをさらに備える外付けキーパッドの変形例を示す平面図である。
【0042】
外付けキーパッド1の表カバー2あるいは裏カバー4に、例えば、予備の電池55を入れる電池入れ(ボックスの一例)50を設けても良い。電池入れ50は、半割ケース51,52を開閉自在に連接して成る。なお、電池入れ50を、連結部3に設けても良い。さらに、電池55以外に、イヤホーン等の他の物品を入れるボックスを、外付けキーパッド1の任意の箇所に設けることもできる。
【0043】
<第二の実施の形態>
次に、本発明の第二の実施の形態に係る外付けキーパッドについて説明する。この外付けキーパッドは、第一の実施の形態に示したいわゆるブックカバーの形態ではなく、電子機器の裏側と外周縁を覆いタッチパネル側を開口させたカバーの開口側に、折り返し可能なキーボードを固定するものである。第二の実施の形態を含め後述の各実施の形態において、第一の実施の形態と共通する部分については、同一の符号を付し、上述と重複した説明を省略する。
【0044】
図11は、本発明の第二の実施の形態に係る外付けキーパッドの平面図である。図12は、図11に示す外付けキーパッドを電子機器に取り付ける状況を示す平面図である。
【0045】
第二の実施の形態に係る外付けキーパッド1は、電子機器10の裏側を覆う裏側被覆部61と、電子機器10の外周縁を覆う外周被覆部(枠状部材の一例)62とを連接して成り、電子機器10のタッチパネル11側の面に開口部63を備える。外周被覆部62によって覆われる電子機器10の操作面側の領域は比較的小さいため、電子機器10のボタン14は、外付けキーパッド1の開口部63から露出する。なお、裏側被覆部61は、必須の構成ではなく、外周被覆部62のみにて電子機器10を覆うようにしても良い。外付けキーパッド1は、外周被覆部62の一部に、キーボード70を備える。キーボード70は、図11の横方向の一端(この実施の形態では、左側の端部)を連結部(固定手段の一例)71に固定し、連結部71を中心としてタッチパネル11上に配置する方向と、タッチパネル11から外す方向の両方向に折り返し自在である。キーボード70は、好適には、タッチパネル11に表示されるキーボード画像12の位置および大きさに合うように形成されている。キーボード70は、複数のキートップ70aを備える。各キートップ70aも、キーボード画像12中の各キートップ画像12aの位置に合うように配置されている。
【0046】
各キートップ70aは、絶縁性のシリコーンゴム、ウレタンゴム、EPDM、熱可塑性エラストマーの他、アクリル樹脂、PC樹脂等の樹脂にて好適に構成されるが、電子機器10が静電容量方式のタッチパネル11を備える場合には、特に、酸化亜鉛を多く含有する高誘電率型のシリコーンゴムにて構成するのが好ましい。この実施の形態では、キーボード70は、その表側から、キーボード画像12を透過して視認可能な透明な材料で形成されている。このため、キーボード70に配置される各キートップ70aがキー機能表示を有していなくても、操作者は、その操作によって入力できる文字、機能等を視認できる。ただし、各キートップ70a、さらにはキーボード70も、透明な材料ではなく不透明な材料で構成することも可能である。その場合には、各キートップ70aの天面に、キー機能表示を印刷等により形成するのが好ましい。また、キーボード70の厚さは薄いので、容易に撓ませることができる。キーボード70の好適な厚さは、キートップ70aを除く領域において0.02〜1mmであって、さらに好ましくは、0.05〜0.5mmである。このため、キーボード70における連結部71と反対側のシート端(固定手段の一例)72を、外周被覆部62と電子機器10との隙間に差し込むように、キーボード70を容易に撓ませることもできる。なお、シート端72は、外周被覆部62上に貼付するように構成しても良い。
【0047】
図13は、図11に示す外付けキーパッドのB−B線断面図である。
【0048】
外付けキーパッド1の各キートップ70aの構成、基板25上の構成等は、第一の実施の形態に係る外付けキーパッド1の図7に示す変形例の構成と共通するので、当該共通する構成については、重複した説明を省略する。
【0049】
キーボード70は、外周被覆部62に設けた連結部71を中心として、電子機器10のタッチパネル11側と、その裏側との両方向に折り返し自在に形成されている。このため、タッチパネル11に表示されるキーボード画像12上にキーボード70を配置したい場合には、キーボード70をタッチパネル11側に配置し、タッチパネル11上にて別の操作を行うような場合であってキーボード70を使用したくない場合には、キーボード70を、連結部71を中心に電子機器10の裏側へと折り返すことができる。なお、連結部71をタッチパネル11の面に略垂直に備える軸形状とし、キーボード70に連結部71を貫通させ、キーボード70をタッチパネル11の面内で回動可能にしても良い。
【0050】
<第三の実施の形態>
次に、本発明の第三の実施の形態に係る外付けキーパッドについて説明する。この外付けキーパッドは、キーボードを環状のバンド上に取り付けた形態を有するものである。キーボードの構成は、第一の実施の形態と共通する。
【0051】
図14は、第三の実施の形態に係る外付けキーパッドを、電子機器に取り付ける状況を示す斜視図である。
【0052】
第三の実施の形態に係る外付けキーパッド1は、複数のキートップ22aを配置したキーボード22の両側にバンド(固定手段の一例)80を環状に連接する形態を有する。バンド80は、その輪の中に、電子機器10を挿入可能である。バンド80によって形成される輪の周囲長さを、電子機器10の幅方向の周囲の長さと同一若しくは若干大きめに設定することにより、キーボード22の位置をキーボード画像12上に重ねて配置した後に互いの位置がずれるのを防止することができる。なお、バンド80を連結および分離自在に構成し、電子機器10の大きさに合わせて輪の大きさを自由に変更できるようにしても良い。
【0053】
<第四の実施の形態>
次に、本発明の第四の実施の形態に係る外付けキーパッドについて説明する。この外付けキーパッドは、キーボードを電子機器のタッチパネル上に貼り付ける形態を有するものである。キーボードの構成は、第一の実施の形態と共通する。
【0054】
図15は、第四の実施の形態に係る外付けキーパッドを電子機器に取り付ける状況を示す斜視図である。
【0055】
第四の実施の形態に係る外付けキーパッド1は、複数のキートップ22aを配置したキーボード22の裏面に、タッチパネル11上に貼り付けおよび取り外し自在な粘着層(固定手段の一例)84を備える。粘着層84の材料としては、例えば、ポリプロピレン樹脂を主材とする自己粘着型保護フィルム等を好適に用いることができる。
【0056】
<第五の実施の形態>
次に、本発明の第五の実施の形態に係る外付けキーパッドについて説明する。この外付けキーパッドは、キーボードをタッチパネル上にてスライド自在とする形態を有するものである。キーボードの構成は、第一の実施の形態と共通する。
【0057】
図16は、第五の実施の形態に係る外付けキーパッドを電子機器に取り付ける状況を示す斜視図である。
【0058】
第五の実施の形態に係る外付けキーパッド1は、複数のキートップ22aを配置したキーボード22の両側に、それぞれ1つのスライダー85を備える。各スライダー85は、キーボード22の長さ方向両端から水平方向に延出する水平部86と、水平部86の延出方向端部から下方に延出する垂直部87とから構成される。各水平部86の長さは、外付けキーパッド1の両垂直部87間の距離が電子機器10の幅方向の長さとほぼ同じか若干長い程度になるように設定されている。このようなスライダー85をキーボード22に設けることにより、外付けキーパッド1における電子機器10の幅方向の位置を規制することができ、電子機器10の長さ方向に外付けキーパッド1を移動自在になる。したがって、キーボード22を使用する際には、タッチパネル11上のキーボード画像12上にキーボード22を重ね、キーボード22を使用しない場合には、外付けキーパッド1を電子機器10の長さ方向にスライドさせて邪魔にならない位置に回避することができる。
【0059】
<第六の実施の形態>
次に、本発明の第六の実施の形態に係る外付けキーパッドについて説明する。この外付けキーパッドは、鍵盤形状のキーボードを表カバーに備えたブックカバー型のものである。
【0060】
図17は、第六の実施の形態に係る外付けキーパッドを電子機器に取り付ける状況を示す斜視図である。
【0061】
第六の実施の形態に係る外付けキーパッド1は、第一の実施の形態に係る外付けキーパッド1に備える文字等を入力するためのキーボード22を、打鍵楽器用の鍵盤形状のキーボード90に変えたものである。キーボード90は、電子機器10のタッチパネル11に表示される鍵盤画像(キーボード画像の一例)17に合わせた形状および大きさを有する。キーボード90は、複数の白鍵91と複数の黒鍵92とを備える。白鍵91は鍵盤画像17中の白鍵画像(キートップ画像の一例)18に相当する位置に、黒鍵92は鍵盤画像17中の黒鍵画像(キートップ画像の一例)19に相当する位置に、それぞれ配置される。
【0062】
図18は、図17に示す外付けキーパッドを構成する表カバーのC−C線断面図および当該断面図中の一部拡大図である。
【0063】
キーボード90は、その表側にカバー93を備えると共に、当該カバー93の裏側に基板94を備える。カバー93と基板94との間には、空間が形成されている。カバー93は、その空間に通じるように複数の貫通孔95を有する。白鍵91は、薄い操作板であって、その直下にキートップ96を備える。各キートップ96は、各貫通孔95から突出している。また、各キートップ96は、その裏側に、弾性変形可能なドーム(ドーム部の一例)97を連接する。この結果、キートップ96とドーム97とにより、ドームスイッチが構成される。このため、各白鍵91をその上方から押圧すると、各キートップ96は、ドーム97を下方に向けて変形させながら、貫通孔95内を下降する。次に、各白鍵91への押圧を解除すると、ドーム97が元の状態に復帰し、これに伴い、各キートップ96は貫通孔95内を上昇する。各ドーム97は、その上方からの圧力が徐々に加わると、所定の限界圧力に達したときに一挙につぶれる。これが操作者の指に伝達され、操作者は、明確な操作感覚を得る。このように、各キートップ96の下降に加えて、各ドーム97の急激な変形により、操作者は、タッチパネル11へのタッチ操作では得られない良好な操作感を得ることができる。
【0064】
各黒鍵92は、それ自体が天板を備えないキートップであり、カバー93に形成される各貫通孔95から突出している。また、各黒鍵92は、その裏側に、弾性変形可能なドーム97を連接する。この結果、黒鍵92とドーム97とにより、ドームスイッチが構成される。このため、各黒鍵92は、その上方から押圧すると、ドーム97を下方に向けて変形させながら、貫通孔95内を下降する。次に、各黒鍵92への押圧を解除すると、ドーム97が元の状態に復帰し、これに伴い、各黒鍵92は貫通孔95内を上昇する。キートップ96、黒鍵92およびドーム97のそれぞれは、絶縁性のシリコーンゴム、ウレタンゴム、EPDM、熱可塑性エラストマーの他、アクリル樹脂、PC樹脂等の樹脂にて好適に構成されるが、電子機器10が静電容量方式のタッチパネル11を備える場合には、特に、酸化亜鉛を多く含有する高誘電率型のシリコーンゴムにて構成するのが好ましい。
【0065】
キートップ96および黒鍵92は、その各裏側に、導電性材料の一例である導電層(金属板、ITO膜等)98を備える。このため、電子機器10が静電容量方式のタッチセンサを備える機器の場合、押圧位置の導電層98がタッチパネル11側に近づくことにより、操作位置を検知できる。この場合、各導電層98は、アースされている必要があるため、指と導通可能なようにキートップ96および黒鍵92の表側の面に延出させ、あるいは指を経由しない別のルートでアースしておくのが好ましい。また、キートップ96、黒鍵92あるいはドーム97の各厚さが過度に大きくない場合には、導電層98をキートップ96あるいは黒鍵92の各表側の面に形成しても良い。なお、導電層98を設ける利点については、第一の実施の形態に係る外付けキーパッド1にて説明した利点と共通するので、ここでは重複した説明を省略する。
【0066】
<第七の実施の形態>
次に、本発明の第七の実施の形態に係る外付けキーパッドについて説明する。この外付けキーパッドは、第六の実施の形態に係る外付けキーパッドに、第一の実施の形態に係る外付けキーパッドの表カバーを追加した形態を有する。キーボードの構成は、第一の実施の形態および第六の実施の形態と共通する。
【0067】
図19は、第七の実施の形態に係る外付けキーパッドの斜視図である。
【0068】
第七の実施の形態に係る外付けキーパッド1は、第六の実施の形態に係る外付けキーパッド1の裏カバー4に別の連結部3を形成して、そこに第一の実施の形態にて説明したキーボード22を有する表カバー2を連結した構造を有する。第七の実施の形態に係る外付けキーパッド1は、裏カバー4の両側から、それぞれ異なるキーボード90,22を備えた2枚の表カバー2を折り返し可能な構成を有する。このため、電子機器10のタッチパネル11に表示されるキーボード画像12あるいは鍵盤画像17に応じて、表カバー2を変更することができる。
【0069】
なお、上記の構造は、裏カバー4の左右両側から、表カバー2を交互に折り返し可能なものであるが、裏カバー4の左側(あるいは右側)のみに複数の表カバー2を連結しておき、タッチパネル11上に表示される画像に応じて、所望の表カバー2を選択して折り返すようにしても良い。また、同じ形態のキーボード22を備えた複数の表カバー2を連結部3に連結しても良い。例えば、ドーム22bの硬さをそれぞれ変えたキーボード22を複数用意し、操作者がキーボード22を適宜選択することにより、当該操作者の好みに合った操作感を奏するようにしても良い。
【0070】
<第八の実施の形態>
次に、本発明の第八の実施の形態に係る外付けキーパッドについて説明する。この外付けキーパッドは、第一の実施の形態に係る外付けキーパッドの表カバーに、ゲーム用のキーボードを備えたものである。キーボードの内部構造は、第一の実施の形態と同様である。
【0071】
図20は、第八の実施の形態に係る外付けキーパッドに電子機器をセットした状態を操作面側から見た平面図である。
【0072】
第八の実施の形態に係る外付けキーパッド1は、第一の実施の形態に係る外付けキーパッド1に備える文字等を入力するためのキーボード22を、ゲーム用のキーボード102に変えたものである。キーボード102は、電子機器10のタッチパネル11に表示されるゲーム用のキーボード画像112に合わせた形状および大きさを有する。キーボード102は、2つの多方向操作キー(キートップの一例)102aを備える。多方向操作キー102aは、キーボード画像112中の多方向操作キー画像(キートップ画像の一例)112aに相当する位置に配置される。多方向操作キー102aおよびその下方のドーム(不図示)は、絶縁性のシリコーンゴム、ウレタンゴム、EPDM、熱可塑性エラストマーの他、アクリル樹脂、PC樹脂等の樹脂にて好適に構成されるが、電子機器10が静電容量方式のタッチパネル11を備える場合には、特に、酸化亜鉛を多く含有する高誘電率型のシリコーンゴムにて構成するのが好ましい。
【0073】
<その他の実施の形態>
以上、本発明の好適な各実施の形態について説明してきたが、本発明は、上記の各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り、種々変形実施可能である。
【0074】
例えば、本発明に係る外付けキーパッドは、券売機やATM等の常設型の電子機器のタッチパネルにも使用することができる。
【0075】
図21は、ATMのタッチパネルを含む操作面を模式的に示す図である。
【0076】
ATM(電子機器の一例)120の操作面130には、タッチパネル131と、紙幣や硬貨の入出口132とが配置されている。タッチパネル131の左右両側には、内側に溝を有しタッチパネル131の上下方向に伸びる2本のレール(スライダーの一例)141が固定されている。2本のレール141は、タッチパネル131の下方を越えて延出している。両レール141の溝には、キーボード142の左右両端が嵌め込まれており、キーボード142は、レール141内をスライドして、タッチパネル131上を移動可能である。レール141とキーボード142は、ともに、外付けキーパッド140の構成部材である。キーボード142は、タッチパネル131に表示されるキーボード画像132上に重ねて使用可能な形態を有しており、キーボード画像132中の各キートップ画像132aの位置に合うように、各キートップ142aを配置している。キートップ142aおよびその下方のドーム(不図示)は、絶縁性のシリコーンゴム、ウレタンゴム、EPDM、熱可塑性エラストマーの他、アクリル樹脂、PC樹脂等の樹脂にて好適に構成されるが、ATM120が静電容量方式のタッチパネル131を備える場合には、特に、酸化亜鉛を多く含有する高誘電率型のシリコーンゴムにて構成するのが好ましい。操作者は、タッチパネル131上に表示されるキーボード画像132上方にキーボード142を重ね、キートップ142aを押圧操作することにより、タッチパネル131上のキートップ画像132aにタッチするときと同様の入力を行うことができる。タッチパネル131上にて別のタッチ操作をするときには、操作者は、キーボード142をレール141に沿って下げて、タッチパネル131上から回避させることができる。なお、レール141の長さや取り付け位置を変えることにより、キーボード142をタッチパネル131の上方に回避させ、あるいはタッチパネル131の右側や左側に回避させることも可能になる。なお、キーボード142の構成は、第一の実施の形態と共通する。
【0077】
電子機器10は、抵抗膜方式、静電容量方式等のパネル上へのタッチ操作にて入力可能な如何なる種類のタッチパネル11を備えるものでも良い。キーボード画像12は、複数のキートップ画像12aを含む領域としてタッチパネル11内に明確な境界を有しているが、明確な境界を有していなくても良い。これは、キーボード画像112,132についても同様である。また、キートップ22aは、キートップ画像12aと同一の大きさに限定されず、キートップ画像12aの選択が可能であればキートップ画像12aより大きくても小さくても良い。また、キーボード22に備えるキートップ22aの数、位置、キートップ22aに表示される文字等についても、上述の実施の形態にて例示したものに限定されない。したがって、キーボード22は、例えば、日本語、ドイツ語、中国語、数字等を入力するためのキーボードであっても良い。さらに、キートップ22aの天面に、点字等の形状にて凹凸を形成しても良い。これらの変形例は、キートップ96、黒鍵92、多方向操作キー102aについても同様である。
【0078】
第一の実施の形態に係る外付けキーパッド1の構造の一部を、他の実施の形態に係る外付けキーパッド1にも採用することができる。例えば、第二から第八の実施の形態に係る外付けキーパッド1において、これらのキートップの下方の構造に、図5または図6に示す構造を採用しても良い。また、ウィンドウ21に、透明フィルム23を備えずに、単に貫通する開口部としても良い。また、固定バンド41、固定ベルト42を両方とも備えるのではなく、いずれか1つの固定手段を用いるようにしても良い。ただし、その場合、電子機器10と外付けキーパッド1とをより確実に固定するためには、固定バンド41を少なくとも備えるようにするのが好ましい。さらに、固定バンド41および固定ベルト42の数および形態は、上述の実施の形態にて説明したものに限定されない。
【0079】
また、各キートップ22a,70a等自体、あるいはその直下に配置する部材を、拡大レンズの機能を有する材料で構成すると、キーボード22等の上方から、キートップ画像12a等に表示される文字等を拡大させた状態で視認することが可能になる。この場合、押し子30が邪魔になる可能性もあるが、押し子30をキートップ22a,70a等の中央から端にずらすことにより、拡大した文字等を容易に視認可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、タッチパネルを有する電子機器に外付けするキーパッドとして利用できる。
【符号の説明】
【0081】
1 外付けキーパッド
2 表カバー
3 連結部
4 裏カバー
10 電子機器
11 タッチパネル
12a キートップ画像
18 白鍵画像(キートップ画像の一例)
19 黒鍵画像(キートップ画像の一例)
21 ウィンドウ
22 キーボード
22a キートップ
22b ドーム(ドーム部の一例)
23 透明フィルム(透明な操作板の一例)
27 導電層(導電性部材の一例)
31 メタルドーム(ドーム部の一例)
32 レジンドーム(ドーム部の一例)
41 固定バンド(固定手段の一例)
42 固定ベルト(固定手段の一例)
50 電池入れ(ボックスの一例)
55 電池(物品の一例)
62 外周被覆部(枠状部材の一例)
70 キーボード
70a キートップ
71 連結部(固定手段の一例)
72 シート端(固定手段の一例)
80 バンド(固定手段の一例)
84 粘着層(固定手段の一例)
85 スライダー
90 キーボード
92 黒鍵(キートップの一例)
96 キートップ
97 ドーム(ドーム部の一例)
98 導電層(導電性部材の一例)
102 キーボード
102a 多方向操作キー(キートップの一例)
112 キーボード画像
112a 多方向操作キー画像(キートップ画像の一例)
120 ATM(電子機器の一例)
131 タッチパネル
132a キートップ画像
140 外付けキーパッド
141 レール(スライダーの一例)
142 キーボード
142a キートップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチ操作により所望の入力を可能とするキートップ画像を表示可能なタッチパネルを備える電子機器に取り付け可能な外付けキーパッドであって、
上記各キートップ画像の位置に対応するキートップを集合させるキーボードと、
上記キートップ画像の位置に上記キートップの位置を合わせるための固定手段と、
上記キートップの下方にあって上記キートップの上方からの押圧および当該押圧の解除によって弾性的に屈曲変形可能なドーム部と、
を備えることを特徴とする外付けキーパッド。
【請求項2】
前記キートップおよび前記ドーム部は、前記キートップ側から前記キートップ画像を視認できる透明材料から成ることを特徴とする請求項1に記載の外付けキーパッド。
【請求項3】
前記電子機器の前記タッチパネル側の面を覆う表カバーと、前記タッチパネル側と反対側の面を覆う裏カバーと、当該表カバーと当該裏カバーとを連結する連結部とを少なくとも備え、
当該表カバーは、
前記キーボードと、前記キーボード以外の領域をタッチ操作するためのウィンドウとを備え、上記連結部から前記タッチパネル側およびその反対側への双方向に折り返し可能に構成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の外付けキーパッド。
【請求項4】
前記ウィンドウは、その内方に、透明板を備えることを特徴とする請求項3に記載の外付けキーパッド。
【請求項5】
前記固定手段は、少なくとも前記裏カバーに備えられ、前記電子機器を前記裏カバーに固定する部材であることを特徴とする請求項3および請求項4に記載の外付けキーパッド。
【請求項6】
前記電子機器の少なくとも外縁部を覆う枠状部材と、
前記固定手段として、前記キーボードと当該枠状部材とを連結する連結部と、
を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の外付けキーパッド。
【請求項7】
前記連結部は、前記キーボードを前記タッチパネル側およびその反対側の双方向に折り返し可能に構成されることを特徴とする請求項6に記載の外付けキーパッド。
【請求項8】
前記固定手段は、さらに、前記キーボードの一部に形成され、前記枠状部材に固定可能なシート端を含むことを特徴とする請求項7に記載の外付けキーパッド。
【請求項9】
前記キーボードを複数備え、
前記連結部から前記キートップ画像上に、一部の前記キーボードを選択配置可能であることを特徴とする請求項3から請求項8のいずれか1項に記載の外付けキーパッド。
【請求項10】
前記固定手段は、前記キーボードの裏側にあって、前記タッチパネル上に前記キーボードを脱着自在に貼り付けることのできる粘着層であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の外付けキーパッド。
【請求項11】
前記固定手段は、前記電子機器の周囲に巻いて、前記キーボードを前記キートップ画像上に配置するバンドであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の外付けキーパッド。
【請求項12】
前記固定手段は、前記キーボードを前記キートップ画像上にスライド可能に構成されるスライダーであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の外付けキーパッド。
【請求項13】
前記キートップに導電性部材を備え、前記キートップの押圧時にアース可能に構成されていることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の外付けキーパッド。
【請求項14】
前記電子機器の使用時に利用可能な物品を入れるためのボックスを、さらに備えることを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の外付けキーパッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−18478(P2012−18478A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−154180(P2010−154180)
【出願日】平成22年7月6日(2010.7.6)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】