説明

外用貼付剤

【課題】粘着剤層中にカルボン酸系薬物またはそのアルカリ塩、特にジクロフェナクナト
リウムまたはロキソプロフェンナトリウムを有効成分として含有する外用貼付剤において
、薬物の溶解性および粘着剤層からの薬物の放出性に優れ、かつ、粘着剤層中における薬
物の含量低下がなく、皮膚刺激性も低く、さらには、皮膚粘着性が改善され、貼付時また
は貼付している間の剥れ捲れまたは捩れ捲れが防止されたという使用感にも優れた貼付剤
を提供するものである。
【解決手段】粘着剤層中にカルボン酸系薬物またはそのアルカリ塩、特にジクロフェナク
ナトリウムまたはロキソプロフェンナトリウムを有効成分として含有する外用貼付剤にお
いて、粘着剤層へ剥れ捲れまたは捩れ捲れ防止剤を添加する。剥れ捲れまたは捩れ捲れ防
止剤としては、固体の酸であり、好ましくはパルミチン酸またはステアリン酸である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘着剤層中にカルボン酸系薬物またはそのアルカリ塩、特にジクロフェナクナ
トリウムまたはロキソプロフェンナトリウム水和物(以下、ロキソプロフェンナトリウム
という)を有効成分として含有する外用貼付剤に関し、さらに詳しくは、粘着剤層へのこ
れら薬物の溶解性および粘着剤層からの薬物の放出性に優れ、かつ、粘着剤層中における
薬物の含量低下がなく、皮膚刺激性も低く、さらには、皮膚粘着性が改善され、使用感に
優れたことを特徴とする外用貼付剤に関する。
【背景技術】
【0002】
外用貼付剤は、経口剤として服用した場合に問題となる薬物の副作用の発現や、生物学的
利用率の低下等がなく、かつ薬物を持続的に投与できる点で非常に優れた投与形態の一つ
である。このため、例えば、薬物としてインドメタシン、ジクロフェナクナトリウム、ロ
キソプロフェンナトリウムなどの非ステロイド性消炎鎮痛薬、ニトログリセリンなどの狭
心症/心不全治療薬、エストラジオールなどの更年期障害/骨粗鬆症治療薬、ツロブテロ
ールなどの気管支拡張作用薬等を含有した外用貼付剤が開発され、市販されている。
【0003】
上記のうち、カルボン酸系薬物またはそのアルカリ塩であるインドメタシン、ジクロフェ
ナクナトリウム、ロキソプロフェンナトリウムなどの非ステロイド消炎鎮痛薬を含有する
貼付剤は、多種多様な技術が開発され、その技術は市販貼付剤等で利用されている。例え
ば、消炎鎮痛薬を貼付剤基剤へ溶解させるために、有機酸(特許文献1)、クロタミトン
(特許文献2、特許文献3)などの溶解剤を含有させた貼付剤や、ロジンエステル誘導体
とl−メントールとを併用(特許文献4)した貼付剤が開発されている。また、貼付剤を
患部皮膚へ貼付した際の、貼付剤粘着剤層からの薬物の放出性を向上させるために炭酸プ
ロピレン(特許文献5)や種々の吸収促進剤を含有させた貼付剤が開発されている。また
、貼付剤粘着剤中における薬物の含有量低下を抑制するために脂肪酸金属塩(特許文献6
)、金属酸化物(特許文献7)、金属水酸化物(特許文献8)などを含有させた貼付剤が
開発されている。さらには、上記の問題を解決するために非極性粘着性高分子(特許文献
9)、高分子ポリイソブチレンと低分子ポリイソブチレン(特許文献10)などの特定の
高分子化合物を配合させた貼付剤等も開発されている。しかしながら、消炎鎮痛剤の物理
化学的性質は、化合物により大きく異なるため、その化合物に適した技術を選択または新
たに開発する必要がある。
【0004】
消炎鎮痛剤の中でジクロフェナクナトリウム、ロキソプロフェンナトリウムは、鎮痛・抗
炎症作用が強く、また物性的にも安定であるなどの特徴があり、臨床上の有用性が確認さ
れている。さらに、両化合物は解離定数(pKa)が約4.2と化学的にも共通する性質を有
している。該ジクロフェナクナトリウム、ロキソプロフェンナトリウムは一般的に使用さ
れている貼付剤の基剤への溶解性が悪く、結晶析出の発生や経皮吸収性の低下等の問題が
あり、貼付剤とすることが困難であったことから、これまで、様々な製剤工夫が施されて
きた。
【0005】
ジクロフェナクナトリウムの場合は、油性基剤に難溶性であり、特にゴム系基剤に配合し
た場合、ジクロフェナクナトリウムの結晶析出、経皮吸収性の低下などが問題となってい
た。そのため、ジクロフェナクナトリウムの油性基剤への溶解性や経皮吸収性を向上させ
るため、たとえば、溶解剤としてクロタミトンを含有する製剤(特許文献2参照)、オレ
イン酸、リノール酸またはリノレン酸の脂肪酸を含有する製剤(特許文献11参照)が提
案されている。しかしながら、特許文献2の貼付剤は、ジクロフェナクナトリウムの経皮
吸収性が十分でなく、また、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の脂肪酸を溶解剤と
して用いる貼付剤については、特許文献11に記載されたように、ジクロフェナクフリー
化により生成するナトリウムイオンがこれら脂肪酸に捕捉され、それにより生成する脂肪
酸ナトリウムに由来する皮膚刺激性が問題となっていた。該特許文献11では、放出性を
低下させることなく、皮膚刺激性を極めて少ない製剤として、オレイン酸、リノール酸、
リノレン酸等の炭素数10〜18の常温で液状の脂肪酸とイソステアリン酸を組み合わせ
て配合する製剤が提案されている。これら液状の酸とイソステアリン酸を組み合わせて得
られる特許文献11の貼付剤は、放出性や皮膚刺激性で優れているものの、粘着力低下等
の面で更なる改善が求められていた。
【0006】
また、ロキソプロフェンナトリウムは優れた抗炎症鎮痛作用を有し、水系貼付剤基剤へ配
合させた水系貼付剤(パップ剤;特許文献12参照)や非水系貼付剤基剤を用いたテープ
剤が市販(特許文献13参照)され、また研究開発(特許文献14参照)されている。し
かしながら、水系貼付剤基剤からのロキソプロフェンナトリウムの放出性は比較的低く、
生物学的利用率が良くない欠点があった。それに対し、ロキソプロフェンナトリウムをゴ
ム系エラストマーなどの非水系貼付剤基剤へ配合させた場合、ロキソプロフェンナトリウ
ムの放出性が良好で、十分な生物学的利用率を有する外用貼付剤を得ることが可能である
が、該ロキソプロフェンナトリウムの非水系貼付剤基剤への溶解性は非常に悪く、さらに
一般の溶解剤等を用いて非水系貼付剤基剤に溶解させた場合、ロキソプロフェンナトリウ
ムの経時的な含量低下が発生する等の新たな問題が認められていた。これに対しては、本
発明者の一人は、粘着剤層の基剤成分としてさらにテルペン系樹脂および/または水添ロ
ジンエステルを含有し、さらにロキソプロフェンの溶解剤としてイソスアテリン酸及びミ
リスチン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル等の脂肪酸エステルを使用する外
用貼付剤を開発した(特許文献15参照)。
【0007】
このようにイソステアリン酸は、ジクロフェナクナトリウムまたはロキソプロフェンナト
リウム等の非ステロイド性消炎鎮痛薬の溶解剤として優れた効果を示すものであるが、そ
の後の本発明者らによる製剤検討の結果、ジクロフェナクナトリウムまたはロキソプロフ
ェンナトリウムとイソステアリン酸とを粘着剤層に配合すると、それらの反応生成物とし
てイソステアリン酸ナトリウムが生成すること、さらに、該イソステアリン酸ナトリウム
を含有する貼付剤は経時的に粘着力が低下することが明らかとなった。さらに、夏季等の
多発汗時期においては、わずかではあっても粘着剤層に生じたイソステアリン酸ナトリウ
ムが発汗により生成する水分と相俟って貼付剤の剥れ捩れや捲れ現象を起こし、適用に不
具合が生じ、使用感に劣るという問題が生じることを見出した。
【0008】
よって、粘着剤層への薬物の溶解性および粘着剤層からの薬物の放出性に優れ、かつ、粘
着剤層中における薬物の含量低下がなく、さらには、皮膚粘着性が改善された使用感に優
れた貼付剤の提供が求められていた。
【0009】
【特許文献1】特開昭62−126119号公報
【特許文献2】特開平4−321624号公報
【特許文献3】特開平10−120560号公報
【特許文献4】WO93/04677号公報
【特許文献5】特開2002−87954号公報
【特許文献6】WO96/08245号公報
【特許文献7】特開2002−226366号公報
【特許文献8】特開2005−314328号公報
【特許文献9】特開平10−95729号公報
【特許文献10】WO01/78690号公報
【特許文献11】特許第4181232号公報
【特許文献12】WO98/08966号公報
【特許文献13】WO2006/048939号公報
【特許文献14】WO2008/069283号公報
【特許文献15】特開2008−214337号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は上記問題点を解決するものであり、粘着剤層中にカルボン酸系薬物またはそのア
ルカリ塩、特にジクロフェナクナトリウムまたはロキソプロフェンナトリウムを有効成分
として含有する外用貼付剤において、粘着剤層への薬物の溶解性および粘着剤層からの薬
物の放出性に優れ、かつ、粘着剤層中における薬物の含量低下がなく、皮膚刺激性も低く
、さらには、皮膚粘着性が改善され、貼付時または貼付している間の剥れ捲れまたは捩れ
捲れが防止されたという使用感にも優れた貼付剤を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意研究を重ねた結果、支持体、粘着剤層および
剥離ライナーからなり、かつ有効成分として当該粘着剤層にカルボン酸系薬物またはその
アルカリ塩、特にジクロフェナクナトリウムまたはロキソプロフェンナトリウムを含有す
る外用貼付剤において、剥れ捲れまたは捩れ捲れ防止剤を配合して外用貼付剤とすること
により、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
【0012】
すなわち本発明は、支持体、粘着剤層および剥離ライナーからなり、該粘着剤層中に有効
成分としてカルボン酸系薬物またはそのアルカリ塩を含有する外用貼付剤において、該粘
着剤層中に剥れ捲れ防止剤を含有してなる外用貼付剤である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の外用貼付剤は、有効成分であるカルボン酸系薬物またはそのアルカリ塩、特にジ
クロフェナクナトリウムまたはロキソプロフェンナトリウムの粘着剤層への溶解性および
粘着剤層からの薬物の放出性に優れ、かつ、粘着剤層中における薬物の含量低下がなく、
皮膚刺激性も低く、さらには、皮膚粘着性が改善され、貼付時または貼付している間の剥
れ捲れまたは捩れ捲れが防止されたという使用感にも優れた貼付剤である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の外用貼付剤の有効成分であるカルボン酸系薬物またはそのアルカリ塩は、粘着剤
層中に含有されるものである。ここで、カルボン酸系薬物としては、たとえば、ケトプロ
フェン、フルルビプロフェン、ロキソプロフェン、ジクロフェナクが例示できる。そのア
ルカリ塩としては、たとえばナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる
。本発明の外用貼付剤に含有されるカルボン酸系薬物またはそのアルカリ塩には特に制限
はないが、その中でも鎮痛・抗炎症作用が強く、また物性的にも安定などの点でジクロフ
ェナクナトリウムまたはロキソプロフェンナトリウムが特に好ましい。
【0015】
有効成分として本発明に用いるカルボン酸系薬物またはそのアルカリ塩、特にジクロフェ
ナクナトリウムまたはロキソプロフェンナトリウムの配合量は貼付剤全量に対して、0.
5〜10質量%、特に1〜10質量%であることが好ましい。薬物の含量が0.5質量%
未満では、その放出量が少ないため、薬効の発現が期待できず、10質量%を越えて配合
しても、薬理作用の向上は得られず、薬物の生物学的利用率が低くなる等の問題があり、
好ましくない。
【0016】
本発明の外用貼付剤の粘着剤層は、基剤成分として、製造時のコストや、物性および品質
等のコントロール、すなわち製剤設計が容易であるなどの点を考慮して、ゴム系エラスト
マーが用いられる。該ゴム系エラストマーとしては、スチレン−イソプレン−スチレンブ
ロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン・ブタジ
エンゴム、ポリイソブチレン、ポリブテン、ブチルゴム、天然ゴム、イソプレンゴム等が
挙げられるが、中でもスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、ポリイソブチ
レン、ポリブテン、ブチルゴム、イソプレンゴムが好ましく用いられる。これらは、1種
を単独で、あるいは2種以上を組み合わせ使用することができる。本発明に用いるゴム系
エラストマーの配合量は10〜50質量%が好ましい。
【0017】
本発明の外用貼付剤の有効成分であるカルボン酸系薬物またはそのアルカリ塩、特にジク
ロフェナクナトリウムまたはロキソプロフェンナトリウムは、溶解剤に溶解して本発明の
外用貼付剤の粘着剤中に混合される。これら溶解剤としては、イソステアリン酸等の液体
の脂肪酸やミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸セ
チル、パルミチン酸イソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、セ
バシン酸ジイソプロピル等が挙げられる。また、これに加えて、エタノール、イソプロパ
ノール、オクチルドデカノール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリエチ
レングリコール、ステアリン酸プロピレングリコール、濃グリセリン等を用いることもで
きる。なかでも、イソステアリン酸は、ジクロフェナクナトリウムを溶解する点ですぐれ
た溶解剤である。これにアジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジ
イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル等の脂肪酸エステルを併用するとなおよい。こ
れらは、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせ使用することができる。
【0018】
これら溶解剤は有効成分であるカルボン酸系薬物またはそのアルカリ塩、特にジクロフェ
ナクナトリウムまたはロキソプロフェンナトリウムを溶解するに足る量でよく、薬物に対
して、等量以上5倍量以下を用いるのがよい。等量未満の場合には、薬物を溶解せず、ま
た、5倍量を超える場合は、効果に有意な差異はなく、適当ではない。
【0019】
なお、上述したように、ジクロフェナクナトリウムまたはロキソプロフェンナトリウムを
溶解するためには、イソステアリン酸を溶解剤として選択するのが好ましい。本発明者ら
の検討により、ジクロフェナクナトリウム含有貼付剤の場合、配合するイソステアリン酸
がジクロフェナクナトリウムからのナトリウムイオンを捕捉して粘着剤層にイソステアリ
ン酸ナトリウムが生じ、これが貼付剤の剥れ捲れまたは捩れ捲れを生じさせる原因となる
ことから、この剥れ捲れまたは捩れ捲れを防止する成分を添加する必要がある。このよう
にして生じたイソステアリン酸ナトリウムはわずかではあっても、夏季等の多発汗時期に
おいては、発汗により生成する水分と相俟って貼付剤の捩れや捲れ現象を起こし、適用に
不具合が生じ、患者が不快感を抱く結果に至りかねず、使用感に劣ることから、剥れ捲れ
または捩れ捲れを防止する成分を配合する。
【0020】
当該貼付剤の剥れ捲れまたは捩れ捲れを防止する成分としては、固体の酸、特に炭素数9
〜29の常温で固体の飽和脂肪酸が挙げられ、具体的にはラウリン酸、ミリスチン酸、パル
ミチン酸、ステアリン酸またはベヘン酸が挙げられる。これらは、1種を単独で、あるい
は2種以上を組み合わせ使用することができる。これら剥れ捲れまたは捩れ捲れ防止剤の
含有割合は薬物の含有量の0.1〜5質量倍であり、好ましくは0.2〜3質量倍である
。0.1質量倍未満では、粘着剤層中でのイソステアリン酸ナトリウムの生成を抑制する
ことができず、5質量倍を越える場合には、イソステアリン酸ナトリウムの生成を抑制効
果に有意な差異はなく、適当ではない。
【0021】
イソステアリン酸を配合したジクロフェナクナトリウム含有貼付剤においては、特にパル
ミチン酸を剥れ捲れ防止剤として配合させると、粘着力、薬物の吸収性、安定性にも優れ
たジクロフェナクナトリウム含有貼付剤が得られる。
【0022】
ロキソプロフェンナトリウム含有貼付剤においては、ステアリン酸を用いると、粘着力が
増強し、さらにこれにパルミチン酸を配合すると、薬物の安定性、吸収性に問題ないうえ
に剥れ捲れが防止された使用感にすぐれた貼付剤が得られる。
これら、イソステアリン酸またはステアリン酸とパルミチン酸との配合割合は、1:0.
1〜2がよく、好ましくは、1:0.2〜1.5、より好ましくは1:0.3〜1である
。1:0.1未満および1:2を超える場合は、効果に有意な差異はなく、適当ではない

【0023】
上述したように、カルボン酸系薬物またはそのアルカリ塩、特にジクロフェナクナトリウ
ムまたはロキソプロフェンナトリウムを有効成分とする貼付剤の使用感を改善させるため
に、本発明により粘着剤層に剥れ捲れまたは捩れ捲れ防止剤を配合するのであるが、本発
明者らはジクロフェナクナトリウムを有効成分とする貼付剤については、さらに、これに
アクリル酸デンプンなどの水性高分子化合物を配合させるとなお、剥れ捲れまたは捩れ捲
れ防止効果が発揮されることを見出した。これらアクリル酸デンプンなどの水性高分子化
合物の添加量は、本発明貼付剤の全量に対して、0.1〜5質量%であり、好ましくは0
.1〜3質量%である。すなわち、本発明の別の態様として、粘着剤層に剥れ捲れ防止剤
を含有してなる外用貼付剤において、粘着剤層にさらに水性高分子化合物を含有してなる
外用貼付剤を提供することが挙げられる。
【0024】
本発明の貼付剤を製造するにあたり、粘着剤層にさらに粘着付与樹脂を配合するとよい。
粘着付与樹脂としては、ロジン系樹脂、水素添加ロジンエステル樹脂、テルペン系樹脂、
脂環族飽和炭化水素樹脂、石油系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂等が使用でき
る。これらの具体例としては、クリアロンP−105、フォーラル105、アルコンP−
100、KE−311、KE−100、スーパーエステルS−100、タマノル521、
YSレジン75、YSレジン PX1150N、KR−610(何れも商品名)を挙げる
ことができる。本発明に用いる粘着付与樹脂剤の配合量は10〜40質量%である。配合
量が10質量%未満では粘着力が低下するため好ましくなく、40質量%を越えると膏体
が硬くなり、凝集力が低下する等の問題が起こり、好ましくない。
【0025】
本発明の貼付剤の製造時および保存期間中の安定化のために酸化防止剤及び/または紫外
線吸収剤を加えることは好ましい。酸化防止剤としては、ペンタエリスリチル・テトラキ
ス[3−(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシフェニル)]プロピオネート、ブチ
ルヒドロキシアニソール、トコフェロール、酢酸トコフェロール、ジブチルヒドロキシト
ルエン、2−メルカプトベンゾイミダゾール、炭酸プロピレン、没食子酸プロピル、ピロ
亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸金属塩、アスコ
ルビン酸、その塩またはパルミチン酸もしくはステアリン酸等とのエステル、イソアスコ
ルビン酸またはその塩、エチレンジアミン四酢酸またはその塩等が使用でき、その配合量
は貼付剤全量に対して0.1〜3質量%である。酸化防止剤の配合量が0.1質量%未満
では、充分な酸化防止力が期待できないため、好ましくない。また、配合量が3質量%を
越えた場合には、有効成分であるカルボン酸系薬物またはそのアルカリ塩、特にジクロフ
ェナクナトリウムまたはロキソプロフェンナトリウムの結晶析出を起こし、皮膚透過性の
低下を招くため、好ましくない。紫外線吸収剤としては、4−第3級ブチル−4’−メト
キシベンゾイルメタン、2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)安息香
酸n−ヘキシルエステル、4−ヒドロキシ−3−メトキシケイ皮酸、4−ヒドロキシ−3
−メトキシケイ皮酸の分枝鎖状アルキルエステル、テレフタリリデン−3,3’−ジカン
ファー−10,10’−ジスルホン酸、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−
4−メチル−6−〔2−メチル−3−[1,3,3,3−テトラメチル−1−[(トリメチ
ルシリル)オキシジシロキサニール]プロピル〕ジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2
−エチルヘキシルエステル、1−(3,4−ジメトキシフェニル)−4,4−ジメチル−
1,3−ペンタンジオン、2−(2−ヒドロキシ−5−メトキシフェニル)ベンゾトリア
ゾール、オキシベンゾン、4−アミノ安息香酸エチルエステルまたは4−メトキシケイ皮
酸2−エチルヘキシルエステル等が挙げられる。
【0026】
本発明の貼付剤には、所望により、軟化剤として流動パラフィン、ワセリン等の油脂類や
l−メントール、dl−カンフル等の着香料を配合することができる。本発明に用いる軟
化剤としての油脂類の配合量は10〜40質量%が好ましい。本発明に用いる着香料の配
合量は1〜10質量%が好ましい。また、薬物の安定化剤として、ポリエチレングリコー
ルを配合することもできる。ポリエチレングリコール(PEG)としては、PEG400
、PEG1500、PEG4000、PEG6000、PEG20000等が挙げられる
。通常、本発明の目的を達するためには、低分子量PEGよりも高分子量PEG、特に分
子量4000〜20000のPEGを用いるのが好ましい。本発明に用いる安定化剤とし
ての配合量は0.1〜10質量%が好ましい。
【0027】
また本発明の外用貼付剤における支持体には、薬物不透過性で伸縮性または非伸縮性の支
持体を使用することができる。このような支持体としては、例えば、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリブタジエン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリエス
テル、ナイロン、ポリウレタン等の合成樹脂フィルムまたはシートあるいはこれらの積層
体、多孔質体、発泡体、紙、織布および織布などが挙げられる。
【0028】
さらに本発明の外用貼付剤における剥離ライナーには、薬物不透過性の剥離ライナーを使
用することができる。このような剥離ライナーとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリエステル等の高分子材料で作られたフィルムや、フィルムにアルミニウム
を蒸着させたもの、紙の上にシリコーンオイル等を塗付したものなどが挙げられるが、酸
性薬物またはそのアルカリ塩の透過がなく、加工性や低コストなどの点でポリエステルフ
ィルムが好ましく、ポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。さらに、該剥
離ライナーは、複数の材料を貼り合わせたラミネートフィルム等を使用しても良い。
【0029】
本発明の外用貼付剤の製造は、特に制限はなく、公知の製造方法に従って行うことができ
る。本発明の外用貼付剤の好ましい公知の製造方法としては、たとえば、粘着剤基剤成分
、有効成分であるカルボン酸系薬物またはそのアルカリ塩、本発明に用いられる溶解剤お
よびその他粘着付与樹脂、酸化防止剤/紫外線吸収剤、軟化剤、着香剤、PEG等の薬物や
安定化剤等の添加剤等粘着剤層に含ませるべき成分を酢酸エチル、ヘキサン、トルエンま
たはその混合溶媒等の有機溶媒に溶解させ、この溶解物を剥離ライナーまたは支持体上に
展延し、該溶解物中の溶媒を蒸発させ粘着剤層を形成した後、支持体または剥離ライナー
を貼り合わせることによって外用貼付剤を得る方法(溶剤法)や粘着剤基剤成分、有効成
分であるカルボン酸系薬物またはそのアルカリ塩、本発明に用いられる溶解剤およびその
他粘着付与樹脂、酸化防止剤/紫外線吸収剤、軟化剤、着香剤、PEG等の薬物や安定化剤
等の添加剤等粘着剤層に含ませるべき成分を加熱溶融させ、この溶融物を剥離ライナーま
たは支持体上に展延し、粘着剤層を形成した後、支持体または剥離ライナーを貼り合わせ
ることによって外用貼付剤を得る方法(ホットメルト法)などが挙げられる。
【0030】
本発明の貼付剤としては、非水系貼付剤であることが好ましく、具体的にはテープ剤が挙
げられる。その大きさは、50cmから200cmの範囲であり、好ましくは70c
から140cmである。また、厚さは80μmから150μmでよい。これを適用前
に剥離シートを剥して、打撲、捻挫、筋肉疲労から起こる痛み、肩こりに伴う痛み、腰痛
及び関節痛などの生じている患部に1日1回または急性期には数回に分けて貼付するとよ
い。
【実施例】
【0031】
以下に実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。なお、実施例中、「%」とあるものは、特に断らない限り、「質量%」を意味
するものである。
【0032】
実施例1
下記組成および製法により、外用貼付剤を製造した。
【0033】
(組成)
(1)ジクロフェナクナトリウム 1.5%
(2)スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体 25%
(商品名:クレイトンD−KX401cs、JSRクレイトンエラストマー)
(3)ポリイソブチレン 1%
(商品名:テトラックス3T、新日本石油化学)
(4)ポリブテン 3%
(商品名:HV−300F、新日本石油化学)
(5)ブチルゴム 10%
(商品名:エクソンブチル065、エクソン化学)
(6)イソステアリン酸 2%
(商品名:イソステアリン酸EX、高級アルコール工業)
(7)セバシン酸ジイソプロピル 2%
(商品名:DIS、日光ケミカルズ)
(8)パルミチン酸 1%
(商品名:パルミチン酸、和光純薬)
(9)水素添加ロジン樹脂グリセリンエステル 15%
(商品名:KE−311、荒川化学工業)
(10)ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート] 0.1%
(商品名:イルガノックス1010、チバスペシャルティケミカルズ)
(11)流動パラフィン 35.4%
(商品名:ハイコールM−352、カネダ)
(12)l−メントール 3%
(商品名:天然薄荷脳、長岡実業)
(13)ポリエチレングリコール20000 1%
(商品名:マクロゴール20000、三洋化成)
【0034】
(製法)
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、ポリイソブチレン、ポリブテン、ブ
チルゴム、流動パラフィン、水素添加ロジン樹脂グリセリンエステル、ペンタエリスリチ
ル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート]を加熱溶融し、均一な状態にした後、ジクロフェナクナトリウム、イソステアリン
酸、パルミチン酸、セバシン酸ジイソプロピル、l−メントール及びポリエチレングリコ
ール20000を加え、均一な溶融物とした。次に、この溶融物を、ドクターナイフ塗工
機を用いて、厚さが100μmになるようにポリエチレンテレフタレートフィルム上に展
延し粘着剤層を形成した。その後、粘着剤層を伸縮性の織布に貼り合わせた。それから、
所望の大きさに裁断して外用貼付剤(実施例1)を得た。
【0035】
実施例2
下記組成および製法により、外用貼付剤を製造した。
【0036】
(組成)
(1)ジクロフェナクナトリウム 1.5%
(2)スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体 25%
(商品名:クレイトンD−KX401cs、JSRクレイトンエラストマー)
(3)ポリイソブチレン 1%
(商品名:テトラックス3T、新日本石油化学)
(4)ポリブテン 3%
(商品名:HV−300F、新日本石油化学)
(5)ブチルゴム 10%
(商品名:エクソンブチル065、エクソン化学)
(6)イソステアリン酸 2%
(商品名:イソステアリン酸EX、高級アルコール工業)
(7)セバシン酸ジイソプロピル 2%
(商品名:DIS、日光ケミカルズ)
(8)パルミチン酸 1%
(商品名:パルミチン酸、和光純薬)
(9)アクリル酸デンプン 2%
(商品名:サンウェットIM−1000MPS、三洋化成)
(10)水素添加ロジン樹脂グリセリンエステル 15%
(商品名:KE−311、荒川化学工業)
(11)ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート] 0.1%
(商品名:イルガノックス1010、チバスペシャルティケミカルズ)
(12)流動パラフィン 33.4%
(商品名:ハイコールM−352、カネダ)
(13)l−メントール 3%
(商品名:天然薄荷脳、長岡実業)
(14)ポリエチレングリコール20000 1%
(商品名:マクロゴール20000、三洋化成)
【0037】
(製法)
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、ポリイソブチレン、ポリブテン、ブ
チルゴム、流動パラフィン、水素添加ロジン樹脂グリセリンエステル、ペンタエリスリチ
ル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート]を加熱溶融し、均一な状態にした後、ジクロフェナクナトリウム、イソステアリン
酸、パルミチン酸、アクリル酸デンプン、セバシン酸ジイソプロピル、l−メントール及
びポリエチレングリコール20000を加え、均一な溶融物とした。次に、この溶融物を
、ドクターナイフ塗工機を用いて、厚さが100μmになるようにポリエチレンテレフタ
レートフィルム上に展延し粘着剤層を形成した。その後、粘着剤層を伸縮性の織布に貼り
合わせた。それから、所望の大きさに裁断して外用貼付剤(実施例2)を得た。
【0038】
比較例1
下記組成および製法により、外用貼付剤を製造した。
【0039】
(組成)
(1)ジクロフェナクナトリウム 1.5%
(2)スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体 25%
(商品名:クレイトンD−KX401cs、JSRクレイトンエラストマー)
(3)ポリイソブチレン 1%
(商品名:テトラックス3T、新日本石油化学)
(4)ポリブテン 3%
(商品名:HV−300F、新日本石油化学)
(5)ブチルゴム 10%
(商品名:エクソンブチル065、エクソン化学)
(6)イソステアリン酸 3%
(商品名:イソステアリン酸EX、高級アルコール工業)
(7)セバシン酸ジイソプロピル 2%
(商品名:DIS、日光ケミカルズ)
(8)水素添加ロジン樹脂グリセリンエステル 15%
(商品名:KE−311、荒川化学工業)
(9)ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート] 0.1%
(商品名:イルガノックス1010、チバスペシャルティケミカルズ)
(10)流動パラフィン 35.4%
(商品名:ハイコールM−352、カネダ)
(11)l−メントール 3%
(商品名:天然薄荷脳、長岡実業)
(12)ポリエチレングリコール20000 1%
(商品名:マクロゴール20000、三洋化成)
【0040】
(製法)
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、ポリイソブチレン、ポリブテン、ブ
チルゴム、流動パラフィン、水素添加ロジン樹脂グリセリンエステル、ペンタエリスリチ
ル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート]を加熱溶融し、均一な状態にした後、ジクロフェナクナトリウム、イソステアリン
酸、セバシン酸ジイソプロピル、l−メントール及びポリエチレングリコール20000
を加え、均一な溶融物とした。次に、この溶融物を、ドクターナイフ塗工機を用いて、厚
さが100μmになるようにポリエチレンテレフタレートフィルム上に展延し粘着剤層を
形成した。その後、粘着剤層を伸縮性の織布に貼り合わせた。それから、所望の大きさに
裁断して外用貼付剤(比較例1)を得た。
【0041】
試験例1
皮膚粘着力試験
実施例1、2及び比較例1をそれぞれ15mm×70mmに裁断し試料とした。各試料を被験
者の背部皮膚にサーキット方式で貼付した。所定の時間経過後に、テンシロン万能試験機
により、試料を貼付面に対して90°方向に下から毎分300mmの速度で剥離し、剥離時
の積分平均荷重を求め、粘着力(N/15mm)とした。6名の被験者について実施し、粘
着力の平均値及び標準偏差を求めた。剥離時間は、貼付直後と8時間後で測定を行った。
【0042】
その結果、実施例1(パルミチン酸配合)及び実施例2(パルミチン酸及びアクリル酸デ
ンプン配合)の貼付0時間及び貼付8時間後の皮膚粘着力(平均値±標準偏差値;単位:
N/15mm)は、それぞれ0.81±0.12、0.64±0.19、0.80±0.
08、0.76±0.17であり、貼付0時間と貼付8時間後で皮膚へ粘着性にあまり差
がなかったのに対し、比較例1では0.51±0.07から0.27±0.16であり貼
付8時間後の粘着力は貼付0時間に対して半分程度減少していた。本結果から、剥れ捲れ
防止剤(パルミチン酸)を加えることで、貼付中の粘着力の低下を抑え剥れ捲れ防止の効
果を生じさせることを示している。また、実施例2(パルミチン酸,アクリル酸デンプン
)の貼付0時間から貼付8時間への皮膚粘着力は、実施例1(パルミチン酸)に比べ経時
的な低下が抑制されており、水性高分子化合物(アクリル酸デンプン)の効果を示してい
る。
【0043】
実施例3
下記組成および製法により、外用貼付剤を製造した。
【0044】
(組成)
(1)ジクロフェナクナトリウム 1.5%
(2)スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体 23%
(商品名:クレイトンD1161P、JSRクレイトンエラストマー)
(3)ポリブテン 4%
(商品名:HV−300F、新日本石油化学)
(4)ブチルゴム 10%
(商品名:エクソンブチル065、エクソン化学)
(5)イソステアリン酸 5%
(商品名:イソステアリン酸EX、高級アルコール工業)
(6)セバシン酸ジイソプロピル 2%
(商品名:DIS、日光ケミカルズ)
(7)パルミチン酸 2%
(商品名:パルミチン酸、和光純薬)
(8)アクリル酸デンプン 3%
(商品名:サンウェットIM−1000MPS、三洋化成)
(9)脂環族飽和炭化水素樹脂 12.7%
(商品名:アルコンP−100、荒川化学工業)
(10)ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート] 0.1%
(商品名:イルガノックス1010、チバスペシャルティケミカルズ)
(11)流動パラフィン 33.4%
(商品名:ハイコールM−352、カネダ)
(12)l−メントール 3%
(商品名:天然薄荷脳、長岡実業)
(13)ポリエチレングリコール20000 0.3%
(商品名:マクロゴール20000、三洋化成)
【0045】
(製法)
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、ポリブテン、ブチルゴム、流動パラ
フィン、脂環族飽和炭化水素樹脂、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を加熱溶融し、均一な状態に
した後、ジクロフェナクナトリウム、イソステアリン酸、パルミチン酸、アクリル酸デン
プン、セバシン酸ジイソプロピル、l−メントール及びポリエチレングリコール2000
0を加え、均一な溶融物とした。次に、この溶融物を、ドクターナイフ塗工機を用いて、
厚さが100μmになるようにポリエチレンテレフタレートフィルム上に展延し粘着剤層
を形成した。その後、粘着剤層を伸縮性の織布に貼り合わせた。それから、所望の大きさ
に裁断して外用貼付剤(実施例3)を得た。
【0046】
実施例4
下記組成および製法により、外用貼付剤を製造した。
【0047】
(組成)
(1)ジクロフェナクナトリウム 1.5%
(2)スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体 28.1%
(商品名:クレイトンD−KX401cs、JSRクレイトンエラストマー)
(3)ポリブテン 5%
(商品名:HV−300F、新日本石油化学)
(4)ブチルゴム 10%
(商品名:エクソンブチル065、エクソン化学)
(5)イソステアリン酸 3.5%
(商品名:イソステアリン酸EX、高級アルコール工業)
(6)セバシン酸ジイソプロピル 2%
(商品名:DIS、日光ケミカルズ)
(7)パルミチン酸 2%
(商品名:パルミチン酸、和光純薬)
(8)アクリル酸デンプン 1%
(商品名:サンウェットIM−1000MPS、三洋化成)
(9)水素添加ロジン樹脂グリセリンエステル 13.7%
(商品名:KE−311、荒川化学工業)
(10)ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート] 0.1%
(商品名:イルガノックス1010、チバスペシャルティケミカルズ)
(11)流動パラフィン 28.8%
(商品名:ハイコールM−352、カネダ)
(12)l−メントール 3%
(商品名:天然薄荷脳、長岡実業)
(13)ポリエチレングリコール20000 1.3%
(商品名:マクロゴール20000、三洋化成)
【0048】
(製法)
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、ポリブテン、ブチルゴム、流動パラ
フィン、水素添加ロジン樹脂グリセリンエステル、ペンタエリスリチル−テトラキス[3
−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を加熱溶融し
、均一な状態にした後、ジクロフェナクナトリウム、イソステアリン酸、パルミチン酸、
アクリル酸デンプン、セバシン酸ジイソプロピル、l−メントール及びポリエチレングリ
コール20000を加え、均一な溶融物とした。次に、この溶融物を、ドクターナイフ塗
工機を用いて、厚さが100μmになるようにポリエチレンテレフタレートフィルム上に
展延し粘着剤層を形成した。その後、粘着剤層を伸縮性の織布に貼り合わせた。それから
、所望の大きさに裁断して外用貼付剤(実施例4)を得た。
【0049】
実施例5
下記組成および製法により、外用貼付剤を製造した。
【0050】
(組成)
(1)ジクロフェナクナトリウム 1.5%
(2)スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体 30%
(商品名:クレイトンD−KX401cs、JSRクレイトンエラストマー)
(3)ポリイソブチレン 2%
(商品名:テトラックス3T、新日本石油化学)
(4)ブチルゴム 8%
(商品名:エクソンブチル065、エクソン化学)
(5)イソステアリン酸 3.3%
(商品名:イソステアリン酸EX、高級アルコール工業)
(6)セバシン酸ジイソプロピル 2%
(商品名:DIS、日光ケミカルズ)
(7)パルミチン酸 1%
(商品名:パルミチン酸、和光純薬)
(8)アクリル酸デンプン 0.1%
(商品名:サンウェットIM−1000MPS、三洋化成)
(9)水素添加ロジン樹脂グリセリンエステル 14%
(商品名:KE−311、荒川化学工業)
(10)ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート] 0.1%
(商品名:イルガノックス1010、チバスペシャルティケミカルズ)
(11)流動パラフィン 34.3%
(商品名:ハイコールM−352、カネダ)
(12)l−メントール 3%
(商品名:天然薄荷脳、長岡実業)
(13)ポリエチレングリコール20000 0.7%
(商品名:マクロゴール20000、三洋化成)
【0051】
(製法)
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、ポリイソブチレン、ブチルゴム、流
動パラフィン、水素添加ロジン樹脂グリセリンエステル、ペンタエリスリチル−テトラキ
ス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を加熱
溶融し、均一な状態にした後、ジクロフェナクナトリウム、イソステアリン酸、パルミチ
ン酸、アクリル酸デンプン、セバシン酸ジイソプロピル、l−メントール及びポリエチレ
ングリコール20000を加え、均一な溶融物とした。次に、この溶融物を、ドクターナ
イフ塗工機を用いて、厚さが100μmになるようにポリエチレンテレフタレートフィル
ム上に展延し粘着剤層を形成した。その後、粘着剤層を伸縮性の織布に貼り合わせた。そ
れから、所望の大きさに裁断して外用貼付剤(実施例5)を得た。
【0052】
実施例6
下記組成および製法により、外用貼付剤を製造した。
【0053】
(組成)
(1)ジクロフェナクナトリウム 1.5%
(2)スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体 29.5%
(商品名:クレイトンD−KX401cs、JSRクレイトンエラストマー)
(3)ポリイソブチレン 2%
(商品名:テトラックス3T、新日本石油化学)
(4)ブチルゴム 8%
(商品名:エクソンブチル065、エクソン化学)
(5)イソステアリン酸 3.8%
(商品名:イソステアリン酸EX、高級アルコール工業)
(6)セバシン酸ジイソプロピル 2%
(商品名:DIS、日光ケミカルズ)
(7)パルミチン酸 1.3%
(商品名:パルミチン酸、和光純薬)
(8)アクリル酸デンプン 0.6%
(商品名:サンウェットIM−1000MPS、三洋化成)
(9)水素添加ロジン樹脂グリセリンエステル 14.5%
(商品名:KE−311、荒川化学工業)
(10)ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート] 0.1%
(商品名:イルガノックス1010、チバスペシャルティケミカルズ)
(11)流動パラフィン 33%
(商品名:ハイコールM−352、カネダ)
(12)l−メントール 3%
(商品名:天然薄荷脳、長岡実業)
(13)ポリエチレングリコール20000 0.7%
(商品名:マクロゴール20000、三洋化成)
【0054】
(製法)
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、ポリイソブチレン、ブチルゴム、流
動パラフィン、水素添加ロジン樹脂グリセリンエステル、ペンタエリスリチル−テトラキ
ス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を加熱
溶融し、均一な状態にした後、ジクロフェナクナトリウム、イソステアリン酸、パルミチ
ン酸、アクリル酸デンプン、セバシン酸ジイソプロピル、l−メントール及びポリエチレ
ングリコール20000を加え、均一な溶融物とした。次に、この溶融物を、ドクターナ
イフ塗工機を用いて、厚さが100μmになるようにポリエチレンテレフタレートフィル
ム上に展延し粘着剤層を形成した。その後、粘着剤層を伸縮性の織布に貼り合わせた。そ
れから、所望の大きさに裁断して外用貼付剤(実施例6)を得た。
【0055】
実施例7
下記組成および製法により、外用貼付剤を製造した。
【0056】
(組成)
(1)ロキソプロフェンナトリウム水和 5%
(2)スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体 12.5%
(商品名:クレイトンD−KX401cs、JSRクレイトンエラストマー)
(3)ブチルゴム 10%
(商品名:エクソンブチル065、エクソン化学)
(4)パルミチン酸 3%
(商品名:ルナックP−95、花王)
(5)ステアリン酸 9%
(商品名:精製ステアリン酸、花王)
(6)パルミチン酸イソプロピル 3%
(商品名:IPP−EX、日光ケミカルス゛)
(7)脂環族飽和炭化水素樹脂 30%
(商品名:アルコンP−100、荒川化学工業)
(8)ジブチルヒドロキシトルエン 1%
(商品名:ヨシノックスBHT、API−CORP)
(9)流動パラフィン 18.5%
(商品名:ハイコールM−352、カネダ)
(10)l−メントール 3%
(商品名:天然薄荷脳、長岡実業)
(11)ポリエチレングリコール6000 5%
(商品名:マクロゴール6000、三洋化成工業)
【0057】
(製法)
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、流動パラフィン、脂環族飽和炭化水
素樹脂、ブチルゴム及びポリエチレングリコール6000を加熱溶融し、l−メントール
を加え、均一な状態にした後、ロキソプロフェンナトリウム、ステアリン酸、パルミチン
酸、パルミチン酸イソプロピル及びジブチルヒドロキシトルエンを加え、均一な溶融物と
した。次に、この溶融物を、ドクターナイフ塗工機を用いて、厚さが100μmになるよ
うにポリエチレンテレフタレートフィルム上に展延し膏体層を形成した。その後、膏体層
を伸縮性の織布に貼り合わせた。それから、所望の大きさに裁断して外用貼付剤(実施例
7)を得た。
【0058】
実施例8
下記組成および製法により、外用貼付剤を製造した。
【0059】
(組成)
(1)ロキソプロフェンナトリウム水和物 5%
(2)スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体 14%
(商品名:クレイトンD−KX401cs、JSRクレイトンエラストマー)
(3)ポリイソブチレン 5%
(商品名:テトラックス3T、新日本石油化学)
(4)ポリブテン 10%
(商品名:HV−300F、新日本石油化学)
(5)ミリスチン酸イソプロピル 5%
(商品名:IPP−EX、日光ケミカルス゛)
(6)パルミチン酸 1.5%
(商品名:ルナックP−95、花王)
(7)ステアリン酸 5%
(商品名:精製ステアリン酸、花王)
(8)テルペン樹脂 29%
(商品名:YSレジンPX1150N、ヤスハラケミカル)
(9)ジブチルヒドロキシトルエン 3%
(商品名:ヨシノックスBHT、API−CORP)
(10)流動パラフィン 17.5%
(商品名:ハイコールM−352、カネダ)
(11)l−メントール 1%
(商品名:天然薄荷脳、長岡実業)
(12)ポリエチレングリコール20000 4%
(商品名:マクロゴール20000、三洋化成工業)
【0060】
(製法)
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、流動パラフィン、テルペン樹脂、ポ
リイソブチレン、ポリブテン及びポリエチレングリコール20000を加熱溶融し、l−
メントールを加え、均一な状態にした後、ロキソプロフェンナトリウム、ステアリン酸、
パルミチン酸、ミリスチン酸イソプロピル及びジブチルヒドロキシトルエンを加え、均一
な溶融物とした。次に、この溶融物を、ドクターナイフ塗工機を用いて、厚さが100μ
mになるようにポリエチレンテレフタレートフィルム上に展延し膏体層を形成した。その
後、膏体層を伸縮性の織布に貼り合わせた。それから、所望の大きさに裁断して外用貼付
剤(実施例8)を得た。
【0061】
比較例2
下記組成および製法により、外用貼付剤を製造した。
【0062】
(組成)
(1)ロキソプロフェンナトリウム水和物 5%
(2)スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体 17%
(商品名:クレイトンD−KX401cs、JSRクレイトンエラストマー)
(3)ポリブテン 3%
(商品名:HV−300F、新日本石油化学)
(4)ブチルゴム 6%
(商品名:エクソンブチル065、エクソン化学)
(6)イソステアリン酸 5%
(商品名:イソステアリン酸EX、高級アルコール工業)
(7)ミリスチン酸イソプロピル 5%
(商品名:IPP−EX、日光ケミカルス゛)
(8)水素添加ロジン樹脂グリセリンエステル 32%
(商品名:KE−311、荒川化学工業)
(9)ジブチルヒドロキシトルエン 3%
(商品名:ヨシノックスBHT、API−CORP)
(10)流動パラフィン 16%
(商品名:ハイコールM−352、カネダ)
(11)l−メントール 3%
(商品名:天然薄荷脳、長岡実業)
(12)ポリエチレングリコール20000 5%
(商品名:マクロゴール20000、三洋化成工業)
【0063】
(製法)
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、流動パラフィン、水素添加ロジン樹
脂グリセリンエステル、ブチルゴム、ポリブテン及びポリエチレングリコール20000
を加熱溶融し、l−メントールを加え、均一な状態にした後、ロキソプロフェンナトリウ
ム、イソステアリン酸、ミリスチン酸イソプロピル及びジブチルヒドロキシトルエンを加
え、均一な溶融物とした。次に、この溶融物を、ドクターナイフ塗工機を用いて、厚さが
100μmになるようにポリエチレンテレフタレートフィルム上に展延し膏体層を形成し
た。その後、膏体層を伸縮性の織布に貼り合わせた。それから、所望の大きさに裁断して
外用貼付剤(比較例2)を得た。
【0064】
試験例2
皮膚粘着力試験
実施例7、8及び比較例2をそれぞれ20mm×70mmに裁断し試料とした。各試料を被験
者の背部皮膚にサーキット方式で貼付した。所定の時間経過後に、テンシロン万能試験機
により、試料を貼付面に対して90°方向に下から毎分1000mmの速度で剥離し、剥離
時の積分平均荷重を求め、粘着力(N/20mm)とした。8名の被験者について実施し、
粘着力の平均値及び標準偏差を求めた。剥離時間は、貼付直後と8時間後で測定を行った

【0065】
実施例7及び実施例8(いずれもステアリン酸及びパルミチン酸配合)の貼付0時間及び
貼付8時間後の皮膚粘着力(平均値±標準偏差値;単位:N/20mm)は、それぞれ0
.99±0.25、0.95±0.74、1.20±0.25、1.25±0.72であ
り、貼付0時間と貼付8時間後で皮膚へ粘着性にあまり差がなかったのに対し、比較例2
では0.97±0.21から0.10±0.08であり貼付8時間後の粘着力は貼付0時
間に対してかなり減少していた。本結果から、剥れ捲れ防止剤(ステアリン酸、パルミチ
ン酸)を併用することで剥れ捲れ防止の効果を生じさせることを示している。
【0066】
実施例9
下記組成および製法により、外用貼付剤を製造した。
【0067】
(1)ロキソプロフェンナトリウム水和物 3%
(2)スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体 10%
(商品名:クレイトンD−KX401cs、JSRクレイトンエラストマー)
(3)ブチルゴム 10%
(商品名:エクソンブチル065、エクソン化学)
(4)パルミチン酸イソプロピル 4.5%
(商品名:IPP−EX、日光ケミカルス゛)
(5)パルミチン酸 3%
(商品名:ルナックP−95、花王)
(6)ステアリン酸 9%
(商品名:精製ステアリン酸、花王)
(7)脂環族飽和炭化水素樹脂 30.5%
(商品名:アルコンP−100、荒川化学工業)
(8)テルペン樹脂 4%
(商品名:YSレジンPX1150N、ヤスハラケミカル)
(9)ジブチルヒドロキシトルエン 1%
(商品名:ヨシノックスBHT、API−CORP)
(10)流動パラフィン 20%
(商品名:ハイコールM−352、カネダ)
(11)l−メントール 3%
(商品名:天然薄荷脳、長岡実業)
(12)ポリエチレングリコール6000 2%
(商品名:マクロゴール6000、三洋化成工業)
【0068】
(製法)
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、流動パラフィン、テルペン樹脂、脂
環族飽和炭化水素樹脂、ブチルゴム及びポリエチレングリコール6000を加熱溶融し、
l−メントールを加え、均一な状態にした後、ロキソプロフェンナトリウム、ステアリン
酸、パルミチン酸、パルミチン酸イソプロピル及びジブチルヒドロキシトルエンを加え、
均一な溶融物とした。次に、この溶融物を、ドクターナイフ塗工機を用いて、厚さが10
0μmになるようにポリエチレンテレフタレートフィルム上に展延し膏体層を形成した。
その後、膏体層を伸縮性の織布に貼り合わせた。それから、所望の大きさに裁断して外用
貼付剤(実施例9)を得た。
【0069】
実施例10
下記組成および製法により、外用貼付剤を製造した。
【0070】
(1)ロキソプロフェンナトリウム水和物 10%
(2)スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体 12%
(商品名:クレイトンD−KX401cs、JSRクレイトンエラストマー)
(3)ポリイソブチレン 5%
(商品名:テトラックス3T、新日本石油化学)
(4)ポリブテン 9.5%
(商品名:HV−300F、新日本石油化学)
(5)ミリスチン酸イソプロピル 5%
(商品名:IPM−EX、日光ケミカルス゛)
(6)パルミチン酸 1.5%
(商品名:ルナックP−95、花王)
(7)ステアリン酸 5%
(商品名:精製ステアリン酸、花王)
(8)テルペン樹脂 22%
(商品名:YSレジンPX1150N、ヤスハラケミカル)
(9)ジブチルヒドロキシトルエン 3%
(商品名:ヨシノックスBHT、API−CORP)
(10)流動パラフィン 18%
(商品名:ハイコールM−352、カネダ)
(11)ポリエチレングリコール20000 9%
(商品名:マクロゴール20000、三洋化成工業)
【0071】
(製法)
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、流動パラフィン、テルペン樹脂、ポ
リイソブチレン、ポリブテン及びポリエチレングリコール20000を加熱溶融し、ロキ
ソプロフェンナトリウム、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸イソプロピル及び
ジブチルヒドロキシトルエンを加え、均一な溶融物とした。次に、この溶融物を、ドクタ
ーナイフ塗工機を用いて、厚さが100μmになるようにポリエチレンテレフタレートフ
ィルム上に展延し膏体層を形成した。その後、膏体層を伸縮性の織布に貼り合わせた。そ
れから、所望の大きさに裁断して外用貼付剤(実施例10)を得た。
【0072】
実施例11
下記組成および製法により、外用貼付剤を製造した。
【0073】
(1)ロキソプロフェンナトリウム水和物 5%
(2)スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体 14%
(商品名:クレイトンD−KX401cs、JSRクレイトンエラストマー)
(3)ポリブテン 3%
(商品名:HV−300F、新日本石油化学
(4))ブチルゴム 5%
(商品名:エクソンブチル065、エクソン化学)
(5)アジピン酸ジイソプロピル 10%
(商品名:DID、日光ケミカルス゛)
(6)パルミチン酸 3%
(商品名:ルナックP−95、花王)
(7)ステアリン酸 9%
(商品名:精製ステアリン酸、花王)
(8)水素添加ロジン樹脂グリセリンエステル 25%
(商品名:KE−311、荒川化学工業)
(9)ジブチルヒドロキシトルエン 3%
(商品名:ヨシノックスBHT、API−CORP)
(10)流動パラフィン 16%
(商品名:ハイコールM−352、カネダ)
(11)l−メントール 3%
(商品名:天然薄荷脳、長岡実業)
(12)ポリエチレングリコール20000 4%
(商品名:マクロゴール20000、三洋化成工業)
【0074】
(製法)
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、流動パラフィン、水素添加ロジン樹
脂グリセリンエステル、脂環族飽和炭化水素樹脂、ブチルゴム、ポリブテン及びポリエチ
レングリコール20000を加熱溶融し、l−メントールを加え、均一な状態にした後、
ロキソプロフェンナトリウム、ステアリン酸、パルミチン酸、アジピン酸ジイソプロピル
及びジブチルヒドロキシトルエンを加え、均一な溶融物とした。次に、この溶融物を、ド
クターナイフ塗工機を用いて、厚さが100μmになるようにポリエチレンテレフタレー
トフィルム上に展延し膏体層を形成した。その後、膏体層を伸縮性の織布に貼り合わせた
。それから、所望の大きさに裁断して外用貼付剤(実施例11)を得た。
【0075】
実施例12
下記組成および製法により、外用貼付剤を製造した。
【0076】
(1)ロキソプロフェンナトリウム水和物 3%
(2)スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体 15%
(商品名:クレイトンD−KX401cs、JSRクレイトンエラストマー)
(3)ポリブテン 5%
(商品名:HV−300F、新日本石油化学)
(4)イソステアリン酸 3%
(商品名:イソステアリン酸 EX、高級アルコール工業)
(5)ミリスチン酸イソプロピル 5%
(商品名:IPM−EX、日光ケミカルス゛)
(6)パルミチン酸 3%
(商品名:ルナックP−95、花王)
(7)ステアリン酸 5%
(商品名:精製ステアリン酸、花王)
(8)テルペン樹脂 35%
(商品名:YSレジンPX1150N、ヤスハラケミカル)
(9)ジブチルヒドロキシトルエン 3%
(商品名:ヨシノックスBHT、API−CORP)
(10)流動パラフィン 18%
(商品名:ハイコールM−352、カネダ)
(11)ポリエチレングリコール20000 5%
(商品名:マクロゴール20000、三洋化成工業)
【0077】
(製法)
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、流動パラフィン、テルペン樹脂、ポ
リブテン及びポリエチレングリコール20000を加熱溶融し、ロキソプロフェンナトリ
ウム、イソステアリン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸イソプロピル及び
ジブチルヒドロキシトルエンを加え、均一な溶融物とした。次に、この溶融物を、ドクタ
ーナイフ塗工機を用いて、厚さが100μmになるようにポリエチレンテレフタレートフ
ィルム上に展延し膏体層を形成した。その後、膏体層を伸縮性の織布に貼り合わせた。そ
れから、所望の大きさに裁断して外用貼付剤(実施例12)を得た。
【0078】
実施例13
下記組成および製法により、外用貼付剤を製造した。
【0079】
(1)ロキソプロフェンナトリウム水和物 5%
(2)スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体 14%
(商品名:クレイトンD−KX401cs、JSRクレイトンエラストマー)
(3)ブチルゴム 10%
(商品名:エクソンブチル065、エクソン化学)
(4)パルミチン酸イソプロピル 5%
(商品名:IPP−EX、日光ケミカルス゛)
(5)パルミチン酸 6%
(商品名:ルナックP−95、花王)
(6)ステアリン酸 3%
(商品名:精製ステアリン酸、花王)
(7)水素添加ロジン樹脂グリセリンエステル 32%
(商品名:KE−311、荒川化学工業)
(8)ジブチルヒドロキシトルエン 3%
(商品名:ヨシノックスBHT、API−CORP)
(9)流動パラフィン 16%
(商品名:ハイコールM−352、カネダ)
(10)l−メントール 3%
(商品名:天然薄荷脳、長岡実業)
(11)ポリエチレングリコール6000 3%
(商品名:マクロゴール6000、三洋化成工業)
【0080】
(製法)
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、流動パラフィン、水素添加ロジン樹
脂グリセリンエステル、ブチルゴム及びポリエチレングリコール6000を加熱溶融し、
l−メントールを加え、均一な状態にした後、ロキソプロフェンナトリウム、ステアリン
酸、パルミチン酸、パルミチン酸イソプロピル及びジブチルヒドロキシトルエンを加え、
均一な溶融物とした。次に、この溶融物を、ドクターナイフ塗工機を用いて、厚さが10
0μmになるようにポリエチレンテレフタレートフィルム上に展延し膏体層を形成した。
その後、膏体層を伸縮性の織布に貼り合わせた。それから、所望の大きさに裁断して外用
貼付剤(実施例13)を得た。
【0081】
実施例14
下記組成および製法により、外用貼付剤を製造した。
【0082】
(1)ロキソプロフェンナトリウム水和物 5%
(2)スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体 14%
(商品名:クレイトンD−KX401cs、JSRクレイトンエラストマー)
(3)ポリブテン 5%
(商品名:HV−300F、新日本石油化学)
(4)ミリスチン酸イソプロピル 5%
(商品名:IPM−EX、日光ケミカルス゛)
(5)アジピン酸ジイソプロピル 3%
(商品名:DID、日光ケミカルス゛)
(6)パルミチン酸 4%
(商品名:ルナックP−95、花王)
(7)ステアリン酸 5%
(商品名:精製ステアリン酸、花王)
(8)水素添加ロジン樹脂グリセリンエステル 35%
(商品名:KE−311、荒川化学工業)
(9)ジブチルヒドロキシトルエン 3%
(商品名:ヨシノックスBHT、API−CORP)
(10)流動パラフィン 16%
(商品名:ハイコールM−352、カネダ)
(11)ポリエチレングリコール20000 5%
(商品名:マクロゴール20000、三洋化成工業)
【0083】
(製法)
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、流動パラフィン、水素添加ロジン樹
脂グリセリンエステル、ポリブテン及びポリエチレングリコール20000を加熱溶融し
、ロキソプロフェンナトリウム、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸イソプロピ
ル、アジピン酸ジイソプロピル及びジブチルヒドロキシトルエンを加え、均一な溶融物と
した。次に、この溶融物を、ドクターナイフ塗工機を用いて、厚さが100μmになるよ
うにポリエチレンテレフタレートフィルム上に展延し膏体層を形成した。その後、膏体層
を伸縮性の織布に貼り合わせた。それから、所望の大きさに裁断して外用貼付剤(実施例
14)を得た。
【0084】
実施例15
下記組成および製法により、外用貼付剤を製造した。
【0085】
(1)ロキソプロフェンナトリウム水和物 5%
(2)スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体 15%
(商品名:クレイトンD−KX401cs、JSRクレイトンエラストマー)
(3)ポリイソブチレン 5%
(商品名:テトラックス3T、新日本石油化学)
(4)ミリスチン酸イソプロピル 5%
(商品名:IPM−EX、日光ケミカルス゛)
(5)セバシン酸ジイソプロピル 1%
(商品名:DIS、日光ケミカルス゛)
(6)パルミチン酸 4%
(商品名:ルナックP−95、花王)
(7)ステアリン酸 5%
(商品名:精製ステアリン酸、花王)
(8)水素添加ロジン樹脂グリセリンエステル 35%
(商品名:KE−311、荒川化学工業)
(9)ジブチルヒドロキシトルエン 3%
(商品名:ヨシノックスBHT、API−CORP)
(10)流動パラフィン 16%
(商品名:ハイコールM−352、カネダ)
(11)l−メントール 1%
(商品名:天然薄荷脳、長岡実業)
(12)ポリエチレングリコール20000 5%
(商品名:マクロゴール20000、三洋化成工業)
【0086】
(製法)
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、流動パラフィン、水素添加ロジン樹
脂グリセリンエステル、脂環族飽和炭化水素樹脂、ポリイソブチレン及びポリエチレング
リコール20000を加熱溶融し、l−メントールを加え、均一な状態にした後、ロキソ
プロフェンナトリウム、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸イソプロピル、セバ
シン酸ジイソプロピル及びジブチルヒドロキシトルエンを加え、均一な溶融物とした。次
に、この溶融物を、ドクターナイフ塗工機を用いて、厚さが100μmになるようにポリ
エチレンテレフタレートフィルム上に展延し膏体層を形成した。その後、膏体層を伸縮性
の織布に貼り合わせた。それから、所望の大きさに裁断して外用貼付剤(実施例15)を
得た。
【産業上の利用可能性】
【0087】
上述したように、粘着剤層中にカルボン酸系薬物またはそのアルカリ塩、特にジクロフェ
ナクナトリウムまたはロキソプロフェンナトリウムを有効成分として含有する外用貼付剤
において、粘着剤層へ剥れ捲れまたは捩れ捲れ防止剤を添加することにより、薬物の溶解
性および粘着剤層からの薬物の放出性に優れ、かつ、粘着剤層中における薬物の含量低下
がなく、皮膚刺激性も低く、さらには、皮膚粘着性が改善され、貼付時または貼付してい
る間の剥れ捲れまたは捩れ捲れが防止されたという使用感にも優れた貼付剤を提供するも
のである。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体上に有効成分を含有する粘着剤層が形成された外用貼付剤において、粘着剤層に剥
れ捲れ防止剤を含有してなる外用貼付剤。
【請求項2】
前記剥れ捲れ防止剤が、固体の酸である請求項1に記載の外用貼付剤。
【請求項3】
前記固体の酸が、炭素数9〜29の常温で固体の飽和脂肪酸である請求項2に記載の外用
貼付剤。
【請求項4】
前記炭素数9〜29の常温で固体の飽和脂肪酸が、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチ
ン酸、ステアリン酸またはベヘン酸である請求項3に記載の外用貼付剤。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の外用貼付剤において、粘着剤層にさらに水性高分子化
合物を含有してなる外用貼付剤。
【請求項6】
水性高分子化合物が、アクリル酸デンプンである請求項5に記載の外用貼付剤。
【請求項7】
前記有効成分が、ジクロフェナクナトリウムまたはロキソプロフェンナトリウムである請
求項1から6のいずれかに記載の外用貼付剤。


【公開番号】特開2011−68610(P2011−68610A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−222040(P2009−222040)
【出願日】平成21年9月28日(2009.9.28)
【出願人】(390000929)祐徳薬品工業株式会社 (14)
【Fターム(参考)】