外科的処置用ゲージ
図(23)に示すように、例えば、ゲージ(301)の好適な実施の形態は本体(302)を含み、重錘(303)が本体(302)に取り付けられている。重錘(303)は、局所的な重力場の影響を受けて本体(302)から垂下している。より具体的には、重錘(303)は第1の面及び第2の面の双方で本体(302)に対して回転可能であり、これらの面は互いに直交している。使用の際は、コネクタ(322)によってゲージ(301)を種々の外科用器具に接続することができる。重錘(303)の指針(315)の位置は、本体(302)上に設けられたマーキング(316及び317)の2つのセットを参照して表され、これによって外科医は第1の面における第1の角度と第2の面における第2の角度を決定することができる。本発明の1つの例示的な用途では、第1の角度及び第2の角度は人工部品の外科的な挿入に関連する解剖学的な角度である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は外科用器具及び外科的な方法に関し、より詳細には、人工部品(prosthetic components)に関連する手術などの外科的処置で使用するゲージに関する。
【0002】
本発明は主に、人工股関節置換術などに関連して人間又は動物に行われる骨切り手術での人工部品の埋込に使用するために開発された。しかし、本発明はこの特定の使用分野に限定されないことが理解されよう。
【背景技術】
【0003】
従来の人工装具埋込技術では、外科医が人工部品の位置を目測で調整することが一般的に必要である。この従来技術を人工股関節置換術に使用すると、大腿骨ステムや寛骨臼カップなどの人工部品のずれが生じる場合がある。このずれによって、脚の位置がずれたり、脚の長さが不適当になったり、軟部組織の張りが不適当になるなどの術後合併症が生じる場合がある。また、人工部品のずれが長期にわたると、部品の摩耗を早めたり、部品の防腐剤が緩んだり、再手術の時期を早めうる、といった影響も現れる場合がある。
【0004】
これらの問題のいくつかは、開示内容が本明細書に完全に援用される同時係属の特許出願番号PCT/AU02/01482(WO03/037192)に開示された構成によって少なくとも部分的に対処されている。この特許明細書は、図20乃至図24及び図36に示すようなアラインメントハンドルの使用を開示している。
【0005】
このアラインメントハンドルは、人工部品が所定の向きにあるか否かを示すように構成されたゲージを含む。このアラインメントハンドルは、従来技術に比べてかなり改善されてはいるものの、一定の限界を示す。
【0006】
明細書全体にわたる従来技術の考察は全て、このような従来技術が周知であることや当該技術分野において共通の一般知識の一部を形成することを承認するものとみなすべきではない。
【特許文献1】国際公開第03/037192号パンフレット
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によると、第1の面における第1の角度及び第2の面における第2の角度を決定する外科的処置用ゲージが提供される。このゲージは、本体と、局所的な重力場の影響を受けて垂下するように本体に取り付けられ、第1の角度及び第2の角度を決定するように第1の面及び第2の面の双方において本体に対して回転可能である重錘と、を含む。
【0008】
ユニバーサルジョイントが重錘を本体に回転可能に取り付けることが好ましい。好適な実施の形態では、ユニバーサルジョイントはボールジョイントであるが、例えば、アイエンドジョイント(eye end joint)、単一の回転軸ジョイント、タイロッドエンドジョイント又はローズジョイント(rose joint)のような他のタイプのユニバーサルジョイントを他の好適な実施の形態において用いてもよいことが理解されよう。
【0009】
第1の面は第2の面に直交することが好ましい。
【0010】
好適な実施の形態の重錘は指針を含み、本体は指針に隣接して配置されたマーキングを含むことが好ましい。マーキングの第1のサブセットは第1の角度の角増分に対応し、マーキングの第2のサブセットは第2の角度の角増分に対応することがより好ましい。
【0011】
本発明の好適な実施の形態は、本体に配置されてゲージを人工部品に接続するコネクタを含む。他の好適な実施の形態は、本体に配置されてゲージを患者の所定の部位に接続するコネクタを含む。
【0012】
好適な実施の形態は、人工股関節置換術の際に寛骨臼カップを拡孔した(reamed)寛骨臼に挿入するなどの外科的な用途に特に適している。この用途では、第1の角度が寛骨臼カップのアバージョン(aversion)に対応することが好ましく、第2の角度が寛骨臼カップの外転に対応することが好ましい。
【0013】
本発明の第2の態様によると、第1の面における第1の角度及び第2の面における第2の角度を決定する外科的処置用ゲージが提供される。このゲージは、本体と、局所的な重力場の影響を受けて垂下するように本体に取り付けられ、第1の角度を決定するように第1の面において本体に対して回転可能である第1の重錘と、局所的な重力場の影響を受けて垂下するように本体に取り付けられ、第2の角度を決定するように第2の面において本体に対して回転可能である第2の重錘と、を含む。
【0014】
第1の重錘は第1の軸を中心として回転するように本体に取り付けられ、第2の重錘は第2の軸を中心として回転するように本体に取り付けられ、第1の軸は第2の軸に直交することが好ましい。
【0015】
ここで、添付の図面を参照しながら好適な実施の形態をあくまで一例として説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図面を参照すると、ゲージ1の第1の好適な実施の形態は本体2を含み、重錘3が本体2に取り付けられている。重錘3は、局所的な重力場の影響を受けて本体2から垂下している。より具体的には、重錘3は本体2に対し、図2の点線4で示す第1の面と図2の点線5で示す第2の面の双方において回転可能である。第1の面は第2の面に直交している。
【0017】
ボールジョイント6の形をとるユニバーサルジョイントが重錘3を本体2に回転可能に取り付けている。ユニバーサルジョイント6は、重錘3内で中心に収容されたボール7を有する。重錘3の内側表面8は、ボール7の凹面にならう凸状の形状を有する。駆動軸9がボール7の中心を貫通して延び、第1及び第2の円筒状端部10及び11を定める。駆動軸9の半径は、円錐状断面12及び13に沿って、ボール7内に埋め込まれた細い中央部分の半径からそれよりも太い第1及び第2の円筒状端部10及び11の半径に増加する。駆動軸9は重錘内に設けられた開口部14及び15を貫通して延びている。開口部14及び15はそれぞれ環状のストップ16及び17を定める。少なくとも、円錐状断面12又は13が隣接する環状ストップ16又は17に突き当たる点までは、ボール7は重錘3に対していずれの方向にも自由に移動する。駆動軸9に対する重錘3の移動範囲は、図11に最も良く示されるように、開口部14及び15の領域における重錘3の側壁のアーチ形状によって拡張されている。
【0018】
重錘及び駆動軸を組み立てるために、まず、ボール7、重錘3及び駆動軸といった部品が別々に製造される。重錘3のボール7用ハウジングの真下の領域は初めから中空である。これによってボール7を重錘3のベース21の開口部20から挿入することができる。次に、ボール7は、開口部20から挿入されてボール7の真下の中空部を埋めるコア19によって重錘3内に密閉される。次いで、第1の円筒状端部10が取り付けられた駆動軸の細い部分は、開口部15と、ボール7に設けられた開口部を貫通するように通される。最後に、第2の円筒状端部11が留め具22によって駆動軸9の細い部分のもう一方の側に固定される。
【0019】
次に、図2に最も良く示されるように、円筒状端部10及び11を本体2に固定して接続することにより、重錘3が本体2に取り付けられる。
【0020】
本体2は半円形の開口部28を含み、この開口28は、局所的な重力場に対してゲージ1の向きが変わると重錘3のベース21が重力の影響を受けて異なる位置をとるように間隙を提供する。軽量化の助けとなるように、例えば図3及び図7に示すような多数の開口部39を本体2に設けることができる。
【0021】
使用の際、本体2は、円錐状断面12及び13が環状留め具16及び17に接触しないように重錘3に対して配向される。このことや、重錘3がボール7によって定められる回転軸よりも低い重心を有するという事実によって、重錘3は重さのために垂直方向に自由に垂下することが確実になる。
【0022】
他の実施の形態(図示せず)において、ユニバーサルジョイント6は、アイエンドジョイント、タイロッドエンドジョイント又はローズジョイントなどの他の形をとる。
【0023】
重錘3は、ユニバーサルジョイント6の上部に延びる指針23を有する。重錘3が重力の影響を受けてボールジョイント7から自由に垂下すると、指針23の端部はボールジョイント6の中心の真上に位置し、重錘3の重心はボールジョイント6の中心の真下に位置する。本体2は、指針23が移動するための間隙を提供するチャンバ29を定める。
【0024】
本体2の上面は、指針23に隣接して配置されたマーキング24、25、26及び27を含む。マーキング第1のサブセット24及び26は第1の角度の角増分に対応し、マーキングの第2のサブセット25及び27は第2の角度の角増分に対応する。このように、ゲージ1を用いて第1の面4における第1の角度と第2の面5における第2の角度を決定することができる。例えば1つの好適な実施の形態では、マーキング24及び26は第1の角度の5°毎の増分に対応し、これはマーキングの一方の末端の−25°からマーキングの中央の0°を介してマーキングの反対側の末端の+25°にわたる。同様に、マーキング25及び27は第2の角度の5°毎の増分に対応し、これはマーキングの一方の末端の−10°からマーキングの中央の0°を介してマーキングの反対側の末端の+10°にわたる。使用の際、好適な実施の形態を用いる外科医又は他の人物は、マーキング24又は26に対する指針23の先端の位置を見極め、第1の角度を決定することができる。また、使用者はマーキング25又は27に対する指針23の先端の位置を見極め、第2の角度を決定することもできる。従って、都合のよいことに、1つの外科用器具によって使用者は局所的な重力場に対するゲージ1の向きに関連した2つの別個の角度を迅速かつ簡単に決定することができる。
【0025】
本発明のゲージ1を、同時係属のPCT出願番号PCT/AU02/01482(WO03/037192)の図36に示すアラインメントハンドル158と取り替えることが好ましい。
【0026】
人工部品、他の外科用器具又は患者の所定部位にゲージ1を接続するコネクタ30が本体2に配置されている。例えば、ゲージ1は外科用器具の一部品を形成することができ、例えば、ゲージ1と、図13及び図14にそれぞれ示す左カップホルダ又は右カップホルダと、図15に示すハンドル213とを含むカップアラインメント器具の一部品を形成することができる。
【0027】
ゲージ1の本体2は、遠位端31と、近位端32と、これらの端部の中間にあるハンドル34を定めている。重錘3は近位端32に隣接して配置されている。内側がねじ切りされたカラー30を含むコネクタが遠位端に配置されている。カップアラインメント器具を組み立てるには、図13及び図14に示すカップホルダ158のうちのいずれかにカラー30を結合することが必要である。適切なカップホルダが、カップホルダの近位端164に配置された取付手段160を介してゲージ1に取り付けられる。より具体的には、取付手段160は突起169を含み、この突起169がゲージ1の遠位端31のコネクタに差し込まれて2つの部品間の正確な相対的位置調整が確実になる。互いに差し込まれると、内側がねじ切りされたカラー30はカップホルダの雄ねじ224と係合し、これら2つの部品が共に固定される。
【0028】
図15に示すハンドル213は、カップアラインメント器具167を操作する際に更なる力を外科医に提供する。ハンドル213をカップホルダ158に接続するために、ハンドル213の雄ねじ163がカップホルダ内に配置された雌ねじ162と螺合する。結果として生じるカップアラインメント器具167は、アラインメントハンドル159がゲージ1に取って替わっているが同時係属のPCT出願番号PCT/AU02/01482(WO03/037192)の図69に示すものと同様である。
【0029】
次のステップは、適切なサイズの人工寛骨臼カップを(人工寛骨臼カップのサイズに合わせるために必要に応じて1つ以上のスペーサを用いて)カップアラインメント器具に取り付けるステップである。次いで、外科医はカップが拡孔寛骨臼に隣接するようにカップアラインメント器具を操作し、傷口に入れる。
【0030】
ここで、拡孔寛骨臼内への挿入に際して人工寛骨臼カップが解剖学的に正しい向きにあることを確実にするようにカップアラインメント器具を配向することが必要である。このことは、図16及び図17に示すアラインメントフレーム176を併用し、ゲージ1の指針23によって示される2つの角度を参照することで達成される。即ち、外科医は、同時係属のPCT出願番号PCT/AU02/01482(WO03/037192)に記載のものと同様にカップアラインメント器具を使用できるが、同時係属のPCT出願番号PCT/AU02/01482(WO03/037192)に開示されるアラインメントハンドル159の重錘173によって示されるような単一の面における単一の角度ではなく、本発明のゲージ1を用いて2つの異なる面における2つの角度をモニタすることで更なる情報が外科医に提供される、といった利点が加わる。ゲージ1と(図20に示す骨盤ホルダ230を用いて安定した状態に保たれる)患者の向きに対するコネクタ158の形状は、マーキング24又は26を参照して読み取られる第1の面における第1の角度が拡孔寛骨臼に対する寛骨臼カップのアバージョンに対応するようになっている。同様に、マーキング25又は27を参照して読み取られる第2の面における第2の角度は、拡孔寛骨臼に対する寛骨臼カップの外転に対応する。
【0031】
図16及び図17に示すアラインメントフレーム176を用いて、重錘3によって示される面以外の面における寛骨臼カップの位置を正確に調整することができる。アラインメントフレーム176は、第1の端部178及び第2の端部179を定めるフレーム部材177を含む。フレーム部材177は側面視でほぼL字形、平面視でA字形である。当接パッド180が第1の端部178上に配置されており、手術台の平面、特に垂直方向側部に当接するよう構成されている。例えば、外科医は膝を用いて当接パッド180を手術台の側部に押しつけることができる。アラインメントフレーム176の第2の端部179は患者の股関節部に隣接するように配置される。
【0032】
スロット付部材181の形をとる係合手段が第2の端部179に配置されており、患者の股関節部に向かって突出するように位置合わせされる。スロット付部材181の一端が開放されたスロット225は、ゲージ1のハンドル34の曲率外半径に合った曲率内半径を有する半円形の表面226を定めている。即ち、スロット225はハンドル34を受けてこれを方向づけるように寸法決めされている。スロットの形状は、ハンドル34が係合手段と係合することによってアラインメントハンドル159が重錘3に関連する2つの面とは異なる第3の面に対して所定の向きに向けられるようになっている。これは、ハンドル34をスロット付部材181に係合させる際にハンドル34の長手軸がスロット付部材181の軸に一致することを確実にするのに十分な幅227をスロット付部材が有するためである。より具体的には、ハンドル34がスロット付部材181内に配置されると、ハンドル34、従ってゲージ1は手術台の側部に対してほぼ垂直になる。この位置にある間、外科医はゲージ1を傾けてアバージョン(回避)を調節し、ゲージ1を回転させて外転を調節することができる。
【0033】
よって、下記の条件の各々が満たされた場合、外科医は、人工寛骨臼カップが患者の股関節部への挿入のために正しく配置されていると確信することができる。
・患者の股関節部が、図20に示す手術台上の所定の位置にある。
・スロット付部材が患者の股関節部に面するように、アラインメントフレーム176の第1の端部178が患者の股関節部に隣接する手術台の側部に当接している。
・ゲージ1のハンドル34がスロット付部材181と係合している。
・ゲージの指針23がアバージョン及び外転のための所望の角度を示している。
この時点で、外科医はパンチアセンブリを用いて寛骨臼カップを拡孔寛骨臼内にしっかり固定する。
【0034】
一般的な股関節部置換術の他のステップは大腿管へのステムの挿入である。挿入後、ステム33の端部34は大腿骨の端部から突出する。ここで、術後の脚長、組織の張り及び筋肉の張りを正しくするのに必要な人工大腿骨頸部の長さを決定することが必要である。長さの短いトライアル用骨頭(short trial head)がステム上に配置され、股関節が元の位置に戻される。図21に最も良く示されるように、スペーサアラインメント器具189は、カップホルダが前述のようにゲージ1に取り付けられたのと同様の方法で左又は右のスペーサ部材190を必要に応じてゲージ1に接続することによって組み立てられる。即ち、ゲージ1の遠位端31にあるコネクタ30に配置された開口部に突起191を差し込む。カラー30が、スペーサ部材190の近位端192と螺合する。また、カップアラインメント器具の先の組立と同様に、ハンドル213が、スペーサ部材190の近位端192に隣接して設けられた雌ねじ193においてスペーサ部材190にねじ込まれる。即ち、スペーサアラインメント器具189を組み立てるには、カップアラインメント器具から始めてカップホルダ158をスペーサ部材190に取り替えればよい。
【0035】
スペーサ部材190はスペーサ194を含み、スペーサ194は、大腿管に挿入された人工ステムの端部34と係合するように構成されたスロット195を有する。これにより、(トライアル用骨頭は拡孔寛骨臼内に隠れてしまっているが)図21に示すように、スペーサ194がトライアル用骨頭と大腿骨の端部34の中間に配置される。トライアル用骨頭は、適切に配置されると半球状の表面203内に配置される。この場合においても、外科医はアラインメントフレーム176と共にゲージ1の重錘3を利用し、テストを行っている間にスペーサ194及びトライアル用骨頭が解剖学的に正しい態様で配向されていることを確実にし、適切な人工大腿骨頸部の長さを決定することができる。
【0036】
ゲージ1の他の例示的な用途は、人工部品の挿入前に行う患者の自然な形状の測定である。例えば、股関節が外されると、外科医は患者の寛骨臼の自然に生じるアバージョン角度(回避角度)及び外転角度の測定を望む場合がある。このような用途の場合、ゲージ1は患者の寛骨臼に当接したコネクタに接続され、ゲージは(例えば、図20に示す骨盤ホルダ230や図16及び図17に示すアラインメントフレームによって、前述の方法と同様に)患者に対して所定の関係に保たれる。これによって外科医は、マーキング24又は26から自然のアバージョン角度を、そしてマーキング25又は27から自然の外転角度を決定することができる。次に、これらの数字を後の使用のために書き留めておき、例えば、外科医は先に決定された自然の角度と同一のアバージョン角度及び外転角度での人工寛骨臼の挿入を選択することができる。
【0037】
図5乃至図8に示すゲージ37の他の好適な実施の形態は、クランプの形をとる異なったコネクタ30を設けたこと以外は図1乃至図4に示すゲージの好適な実施の形態とほぼ同じである。このクランプは、ボルト37の端部36の反対側に固定して配置された突起35を含む。よって、ゲージ37を接続させる物体の一部を突起35とボルト端部36の中間に配置することができる。次に、ボルトヘッド38はボルト端部36を突起35に向けて締めるように回転され、これによってゲージ37は物体にクランプで固定される。
【0038】
ゲージ40の他の実施の形態は、図22に示す読取面を含む。この実施の形態は、単一の重錘3とは対照的に2つの別々の重錘41及び42を用いる点で、前述の実施の形態と異なっている。このような実施の形態において、第1の重錘41及び第2の重錘42は、それぞれ重力の影響を受けて垂下するようにゲージ本体43に別々に取り付けられている。第1の重錘41は第1の軸44を中心として第1の面で回転するように本体43に取り付けられており、第2の重錘42は第2の軸45を中心として第2の面で回転するように本体43に取り付けられている。第1の軸44は第2の軸45に直交している。使用の際、外科医は第1の重錘41の位置をマーキング46又は47と比較し、第1の角度を決定する。同様に、第2の重錘42の位置をマーキング48又は49と比較し、第2の角度を決定する。この実施の形態はユニバーサルジョイント30を設ける必要がないため、図1乃至図8に示すゲージ1及び37に比べて機械的に簡易であるという利点がある。
【0039】
本発明の第4の実施の形態を図23乃至図47に示す。ゲージ301のこの好適な実施の形態は本体302を含み、重錘303が本体302に取り付けられている。重錘303は、局所的な重力場の影響を受けて本体302から垂下している。より具体的には、重錘303は本体302に対して第1の面と第2の面の双方において回転可能であり、これらの面は互いに対して直交している。
【0040】
ユニバーサルジョイント304が、重錘303を本体302に回転可能に取り付けている。ユニバーサルジョイント304は、図29乃至図32に最も良く示されるように、細長いピボット部材305からなる。ピボット部材305は、ピボット部材305に設けられた開口部336を貫通して延びるピン306に固定して配置されている。ピン306は、本体307に設けられた開口部337及び338内に固定して配置されている。ピボット部材305は、半球状のヘッド308と半球状のベース309を定めている。上部半球状ヘッド308は、重錘303の上部部品に設けられた対応する半球状のキャビティと結合するように構成されている。
【0041】
半球状ヘッドの直径は、対応する半球状キャビティ310の直径に等しい。直径が小さすぎると、指針315が落ち着いて安定した読取ができるようになる前に許容し難いほど長い間振動してしまうため、ゲージの出力を過度に敏感にしてしまう可能性がある。反対に、直径が大きすぎると重錘に与えられる減衰が大きくなりすぎ、読取が不正確になる可能性がある。好適な実施の形態では、この直径は1mmより大きく6mm未満であることが好ましい。この直径は2mmより大きく4mm未満であることがより好ましい。好適な実施の形態で用いられる直径は3mmであり、この直径は本体302に対する重錘303の移動に許容可能な程度の減衰を与えることがわかっている。
【0042】
組立の際、重錘303は、キャビティ310がヘッド308と係合するか又はこれに直接近接するように上部部品を配置することによって本体302に回転可能に取り付けられる。重錘303の下部部品312は、上部部品311及び下部部品312が互いに結合するようにピボット部材305の反対側の端部に配置されるか又はこの端部に隣接して配置される。より具体的には、上部部品311の下縁の凹部313が、下部部品312の上縁に設けられたフランジ314と結合するように構成されている。次いで、上部部品311及び下部部品312は、例えばはんだ付けや糊付けなどの結合手段によって互いに結合される。これにより、ピボット部材305は重錘303内に効果的に密閉される。よって、ゲージが使用中でピボット部材305がほぼ垂直に配向されている場合、重錘303は2つの面において自由に回転し、重錘の重心はヘッド308の真下の位置を占めることができる。この状態で、指針315はある位置まで回転し、前述の実施の形態を参照しながら詳しく述べた方法で2つの角度をマーキングの2つのセット316及び317によって読み取ることができる。
【0043】
ピボット部材305が入った重錘303内のキャビティの内寸法は、重錘303が重力によってヘッド308から垂下するとベース309と下部部品312の隣接する内側表面335との間に最小の間隙が設けられることを確実にするように選択される。これにより、重錘303がピボット部材305のみとヘッド308で係合し、重錘が自由に垂下できることが確実になる。即ち、この好適な実施の形態に用いられるジョイントのタイプを、ピボット部材305のヘッドが「単一の回転軸」として有効に機能する「単一の回転軸ジョイント」と呼ぶことができる。例えば、ゲージ301が上下に小刻みに振動したり(giggled up and down)ゲージ301を不注意に落としてしまったりした場合に起こりうる、ヘッド308との係合からかなり離れた位置への重錘の変位が生じないことを確実にするために、間隙は最小であることが好ましい。約0.5mmの間隙が好適な実施の形態に用いられる。即ち、最小の間隙を用いることによって、ゲージが振動したり落ちてしまってもキャビティ310がヘッド308に近接したままであり、ゲージ301が重力に対して使用中の向きに戻されるとキャビティ310は再びヘッド308と係合することが確実になる。
【0044】
切欠318及び319が重錘303の上部部品311の対向側部に設けられており、これによって重錘303はピン306に突き当たることなく許容可能な移動範囲内で回転することができる。同じ理由で、更なる切欠320及び321が重錘303の下部部品312に設けられている。
【0045】
ゲージ301の第4の実施の形態は、差し込み型コネクタの形をとるコネクタ322を介して他の外科用器具に接続可能である。雌型コネクタ部品323が本体302の側部に配置されている。この雌型コネクタ部品323は中空のシリンダ332を含み、このシリンダ332は、本体302に取り付けられた近位端324と、雄型コネクタ部品を受け入れるように構成された開放遠位端325とを有する。開放遠位端325は対向する2つの溝329及び330を有し、これらは、雄型コネクタ部品328から突出した対応する一対の突起326及び327を挿入することのできる2つのトラックを定めている。接続先の外科用器具に対するゲージ301のずれを避けるため、トラック329及び330と対応する突起326及び327はサイズが異なっている。よって、双方の突起が双方のトラックと結合することのできるゲージ301と外科用器具との間の相対的な向きは1つのみである。位置が180°ずれていても、大きい方の突起326は小さい方の溝330に嵌まらない。
【0046】
雌型コネクタ部品323は、ばね331の形をした弾性のある付勢手段を含み、この手段は、雄型コネクタ部品328が雌型コネクタ部品323に挿入されると突起326及び327を圧迫するように中空シリンダの周りに配置される。これにより、突起が中空シリンダの遠位端に向けて付勢される。よって、取付先の外科用器具に対してゲージ301が回転されると、突起326及び327がトラックのカーブ333及び334の周りに移動され、弾性のある付勢によって突起が強制的にトラックの端部335及び336にしっかりと係合され、これによってゲージ301が外科用器具に接続される。接続されている間、雄型コネクタ部品328のシャフト339の端部は中空シリンダ332内に収容される。
【0047】
外科用器具の雄型コネクタ部品328からゲージ301の接続を外すために、使用者は付勢力に逆らうように突起326及び327を移動させ、次にゲージ301を外科用器具に対してひねって突起326及び327がカーブ333及び334の周りへ再び移動するようにし、これによってトラック340及び341の開放端から突起の係合を外すことができる。
【0048】
特定の実施の形態を参照して本発明を説明したが、本発明を多くの他の形態で具体化できることが当業者によって理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の第1の好適な実施の形態の斜視図である。
【図2】第1の実施の形態の平面図である。
【図3】第1の実施の形態の側面図である。
【図4】第1の実施の形態の背面図である。
【図5】本発明の第2の好適な実施の形態の斜視図である。
【図6】第2の実施の形態の平面図である。
【図7】第2の実施の形態の側面図である。
【図8】第2の実施の形態の背面図である。
【図9】本発明の第1及び第2の両方の好適な実施の形態において使用される重錘の斜視図である。
【図10】図9に示す重錘の側面図である。
【図11】図9に示す重錘の背面図である。
【図12】図9に示す重錘の平面図である。
【図13】左のカップホルダの平面図である。
【図14】右のカップホルダの平面図である。
【図15】ハンドルアセンブリの平面図である。
【図16】アラインメントフレームの側面図である。
【図17】アラインメントフレームの平面図である。
【図18】左の股関節部で作動するスペーサ部材の平面図である。
【図19】右の股関節部で作動するスペーサ部材の平面図である。
【図20】人工股関節置換術の開始直前の患者の斜視図である。
【図21】患者の寛骨臼に適用されるスペーサアラインメント器具の一部を示す斜視図である。
【図22】本発明の第3の好適な実施の形態の読取面の平面図である。
【図23】本発明の第4の実施の形態の斜視図である。
【図24】第4の実施の形態の分解斜視図である。
【図25】第4の実施の形態の本体の平面図である。
【図26】第4の実施の形態の本体の正面図である。
【図27】第4の実施の形態の本体の側面図である。
【図28】第4の実施の形態の本体の斜視図である。
【図29】第4の実施の形態のピボット部材の斜視図である。
【図30】第4の実施の形態のピボット部材の底面図である。
【図31】第4の実施の形態のピボット部材の正面図である。
【図32】第4の実施の形態のピボット部材の側面図である。
【図33】第4の実施の形態に用いられるピンの斜視図である。
【図34】第4の実施の形態のピンの側面図である。
【図35】第4の実施の形態のピンの正面図である。
【図36】第4の実施の形態の重錘の下部部品の斜視図である。
【図37】図36に示す部品の平面図である。
【図38】図36に示す部品の正面図である。
【図39】図36に示す部品の側面図である。
【図40】第4の実施の形態の重錘の上部部品の斜視図である。
【図41】図40に示す部品の平面図である。
【図42】図40に示す部品の正面図である。
【図43】図40に示す部品の側面図である。
【図44】第4の実施の形態の差し込み型コネクタの雌型部品である。
【図45】図44に示す雌型コネクタ部品の正面図である。
【図46】図44に示す雌型コネクタ部品の側面図である。
【図47】図44に示す雌型コネクタ部品の平面図である。
【図48】第4の実施の形態のゲージと共に使用する差し込み型コネクタの雄型部品の斜視図である。
【図49】図47に示す雄型コネクタ部品の平面図である。
【図50】図47に示す雄型コネクタ部品の側面図である。
【図51】図47に示す雄型コネクタ部品の正面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は外科用器具及び外科的な方法に関し、より詳細には、人工部品(prosthetic components)に関連する手術などの外科的処置で使用するゲージに関する。
【0002】
本発明は主に、人工股関節置換術などに関連して人間又は動物に行われる骨切り手術での人工部品の埋込に使用するために開発された。しかし、本発明はこの特定の使用分野に限定されないことが理解されよう。
【背景技術】
【0003】
従来の人工装具埋込技術では、外科医が人工部品の位置を目測で調整することが一般的に必要である。この従来技術を人工股関節置換術に使用すると、大腿骨ステムや寛骨臼カップなどの人工部品のずれが生じる場合がある。このずれによって、脚の位置がずれたり、脚の長さが不適当になったり、軟部組織の張りが不適当になるなどの術後合併症が生じる場合がある。また、人工部品のずれが長期にわたると、部品の摩耗を早めたり、部品の防腐剤が緩んだり、再手術の時期を早めうる、といった影響も現れる場合がある。
【0004】
これらの問題のいくつかは、開示内容が本明細書に完全に援用される同時係属の特許出願番号PCT/AU02/01482(WO03/037192)に開示された構成によって少なくとも部分的に対処されている。この特許明細書は、図20乃至図24及び図36に示すようなアラインメントハンドルの使用を開示している。
【0005】
このアラインメントハンドルは、人工部品が所定の向きにあるか否かを示すように構成されたゲージを含む。このアラインメントハンドルは、従来技術に比べてかなり改善されてはいるものの、一定の限界を示す。
【0006】
明細書全体にわたる従来技術の考察は全て、このような従来技術が周知であることや当該技術分野において共通の一般知識の一部を形成することを承認するものとみなすべきではない。
【特許文献1】国際公開第03/037192号パンフレット
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によると、第1の面における第1の角度及び第2の面における第2の角度を決定する外科的処置用ゲージが提供される。このゲージは、本体と、局所的な重力場の影響を受けて垂下するように本体に取り付けられ、第1の角度及び第2の角度を決定するように第1の面及び第2の面の双方において本体に対して回転可能である重錘と、を含む。
【0008】
ユニバーサルジョイントが重錘を本体に回転可能に取り付けることが好ましい。好適な実施の形態では、ユニバーサルジョイントはボールジョイントであるが、例えば、アイエンドジョイント(eye end joint)、単一の回転軸ジョイント、タイロッドエンドジョイント又はローズジョイント(rose joint)のような他のタイプのユニバーサルジョイントを他の好適な実施の形態において用いてもよいことが理解されよう。
【0009】
第1の面は第2の面に直交することが好ましい。
【0010】
好適な実施の形態の重錘は指針を含み、本体は指針に隣接して配置されたマーキングを含むことが好ましい。マーキングの第1のサブセットは第1の角度の角増分に対応し、マーキングの第2のサブセットは第2の角度の角増分に対応することがより好ましい。
【0011】
本発明の好適な実施の形態は、本体に配置されてゲージを人工部品に接続するコネクタを含む。他の好適な実施の形態は、本体に配置されてゲージを患者の所定の部位に接続するコネクタを含む。
【0012】
好適な実施の形態は、人工股関節置換術の際に寛骨臼カップを拡孔した(reamed)寛骨臼に挿入するなどの外科的な用途に特に適している。この用途では、第1の角度が寛骨臼カップのアバージョン(aversion)に対応することが好ましく、第2の角度が寛骨臼カップの外転に対応することが好ましい。
【0013】
本発明の第2の態様によると、第1の面における第1の角度及び第2の面における第2の角度を決定する外科的処置用ゲージが提供される。このゲージは、本体と、局所的な重力場の影響を受けて垂下するように本体に取り付けられ、第1の角度を決定するように第1の面において本体に対して回転可能である第1の重錘と、局所的な重力場の影響を受けて垂下するように本体に取り付けられ、第2の角度を決定するように第2の面において本体に対して回転可能である第2の重錘と、を含む。
【0014】
第1の重錘は第1の軸を中心として回転するように本体に取り付けられ、第2の重錘は第2の軸を中心として回転するように本体に取り付けられ、第1の軸は第2の軸に直交することが好ましい。
【0015】
ここで、添付の図面を参照しながら好適な実施の形態をあくまで一例として説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図面を参照すると、ゲージ1の第1の好適な実施の形態は本体2を含み、重錘3が本体2に取り付けられている。重錘3は、局所的な重力場の影響を受けて本体2から垂下している。より具体的には、重錘3は本体2に対し、図2の点線4で示す第1の面と図2の点線5で示す第2の面の双方において回転可能である。第1の面は第2の面に直交している。
【0017】
ボールジョイント6の形をとるユニバーサルジョイントが重錘3を本体2に回転可能に取り付けている。ユニバーサルジョイント6は、重錘3内で中心に収容されたボール7を有する。重錘3の内側表面8は、ボール7の凹面にならう凸状の形状を有する。駆動軸9がボール7の中心を貫通して延び、第1及び第2の円筒状端部10及び11を定める。駆動軸9の半径は、円錐状断面12及び13に沿って、ボール7内に埋め込まれた細い中央部分の半径からそれよりも太い第1及び第2の円筒状端部10及び11の半径に増加する。駆動軸9は重錘内に設けられた開口部14及び15を貫通して延びている。開口部14及び15はそれぞれ環状のストップ16及び17を定める。少なくとも、円錐状断面12又は13が隣接する環状ストップ16又は17に突き当たる点までは、ボール7は重錘3に対していずれの方向にも自由に移動する。駆動軸9に対する重錘3の移動範囲は、図11に最も良く示されるように、開口部14及び15の領域における重錘3の側壁のアーチ形状によって拡張されている。
【0018】
重錘及び駆動軸を組み立てるために、まず、ボール7、重錘3及び駆動軸といった部品が別々に製造される。重錘3のボール7用ハウジングの真下の領域は初めから中空である。これによってボール7を重錘3のベース21の開口部20から挿入することができる。次に、ボール7は、開口部20から挿入されてボール7の真下の中空部を埋めるコア19によって重錘3内に密閉される。次いで、第1の円筒状端部10が取り付けられた駆動軸の細い部分は、開口部15と、ボール7に設けられた開口部を貫通するように通される。最後に、第2の円筒状端部11が留め具22によって駆動軸9の細い部分のもう一方の側に固定される。
【0019】
次に、図2に最も良く示されるように、円筒状端部10及び11を本体2に固定して接続することにより、重錘3が本体2に取り付けられる。
【0020】
本体2は半円形の開口部28を含み、この開口28は、局所的な重力場に対してゲージ1の向きが変わると重錘3のベース21が重力の影響を受けて異なる位置をとるように間隙を提供する。軽量化の助けとなるように、例えば図3及び図7に示すような多数の開口部39を本体2に設けることができる。
【0021】
使用の際、本体2は、円錐状断面12及び13が環状留め具16及び17に接触しないように重錘3に対して配向される。このことや、重錘3がボール7によって定められる回転軸よりも低い重心を有するという事実によって、重錘3は重さのために垂直方向に自由に垂下することが確実になる。
【0022】
他の実施の形態(図示せず)において、ユニバーサルジョイント6は、アイエンドジョイント、タイロッドエンドジョイント又はローズジョイントなどの他の形をとる。
【0023】
重錘3は、ユニバーサルジョイント6の上部に延びる指針23を有する。重錘3が重力の影響を受けてボールジョイント7から自由に垂下すると、指針23の端部はボールジョイント6の中心の真上に位置し、重錘3の重心はボールジョイント6の中心の真下に位置する。本体2は、指針23が移動するための間隙を提供するチャンバ29を定める。
【0024】
本体2の上面は、指針23に隣接して配置されたマーキング24、25、26及び27を含む。マーキング第1のサブセット24及び26は第1の角度の角増分に対応し、マーキングの第2のサブセット25及び27は第2の角度の角増分に対応する。このように、ゲージ1を用いて第1の面4における第1の角度と第2の面5における第2の角度を決定することができる。例えば1つの好適な実施の形態では、マーキング24及び26は第1の角度の5°毎の増分に対応し、これはマーキングの一方の末端の−25°からマーキングの中央の0°を介してマーキングの反対側の末端の+25°にわたる。同様に、マーキング25及び27は第2の角度の5°毎の増分に対応し、これはマーキングの一方の末端の−10°からマーキングの中央の0°を介してマーキングの反対側の末端の+10°にわたる。使用の際、好適な実施の形態を用いる外科医又は他の人物は、マーキング24又は26に対する指針23の先端の位置を見極め、第1の角度を決定することができる。また、使用者はマーキング25又は27に対する指針23の先端の位置を見極め、第2の角度を決定することもできる。従って、都合のよいことに、1つの外科用器具によって使用者は局所的な重力場に対するゲージ1の向きに関連した2つの別個の角度を迅速かつ簡単に決定することができる。
【0025】
本発明のゲージ1を、同時係属のPCT出願番号PCT/AU02/01482(WO03/037192)の図36に示すアラインメントハンドル158と取り替えることが好ましい。
【0026】
人工部品、他の外科用器具又は患者の所定部位にゲージ1を接続するコネクタ30が本体2に配置されている。例えば、ゲージ1は外科用器具の一部品を形成することができ、例えば、ゲージ1と、図13及び図14にそれぞれ示す左カップホルダ又は右カップホルダと、図15に示すハンドル213とを含むカップアラインメント器具の一部品を形成することができる。
【0027】
ゲージ1の本体2は、遠位端31と、近位端32と、これらの端部の中間にあるハンドル34を定めている。重錘3は近位端32に隣接して配置されている。内側がねじ切りされたカラー30を含むコネクタが遠位端に配置されている。カップアラインメント器具を組み立てるには、図13及び図14に示すカップホルダ158のうちのいずれかにカラー30を結合することが必要である。適切なカップホルダが、カップホルダの近位端164に配置された取付手段160を介してゲージ1に取り付けられる。より具体的には、取付手段160は突起169を含み、この突起169がゲージ1の遠位端31のコネクタに差し込まれて2つの部品間の正確な相対的位置調整が確実になる。互いに差し込まれると、内側がねじ切りされたカラー30はカップホルダの雄ねじ224と係合し、これら2つの部品が共に固定される。
【0028】
図15に示すハンドル213は、カップアラインメント器具167を操作する際に更なる力を外科医に提供する。ハンドル213をカップホルダ158に接続するために、ハンドル213の雄ねじ163がカップホルダ内に配置された雌ねじ162と螺合する。結果として生じるカップアラインメント器具167は、アラインメントハンドル159がゲージ1に取って替わっているが同時係属のPCT出願番号PCT/AU02/01482(WO03/037192)の図69に示すものと同様である。
【0029】
次のステップは、適切なサイズの人工寛骨臼カップを(人工寛骨臼カップのサイズに合わせるために必要に応じて1つ以上のスペーサを用いて)カップアラインメント器具に取り付けるステップである。次いで、外科医はカップが拡孔寛骨臼に隣接するようにカップアラインメント器具を操作し、傷口に入れる。
【0030】
ここで、拡孔寛骨臼内への挿入に際して人工寛骨臼カップが解剖学的に正しい向きにあることを確実にするようにカップアラインメント器具を配向することが必要である。このことは、図16及び図17に示すアラインメントフレーム176を併用し、ゲージ1の指針23によって示される2つの角度を参照することで達成される。即ち、外科医は、同時係属のPCT出願番号PCT/AU02/01482(WO03/037192)に記載のものと同様にカップアラインメント器具を使用できるが、同時係属のPCT出願番号PCT/AU02/01482(WO03/037192)に開示されるアラインメントハンドル159の重錘173によって示されるような単一の面における単一の角度ではなく、本発明のゲージ1を用いて2つの異なる面における2つの角度をモニタすることで更なる情報が外科医に提供される、といった利点が加わる。ゲージ1と(図20に示す骨盤ホルダ230を用いて安定した状態に保たれる)患者の向きに対するコネクタ158の形状は、マーキング24又は26を参照して読み取られる第1の面における第1の角度が拡孔寛骨臼に対する寛骨臼カップのアバージョンに対応するようになっている。同様に、マーキング25又は27を参照して読み取られる第2の面における第2の角度は、拡孔寛骨臼に対する寛骨臼カップの外転に対応する。
【0031】
図16及び図17に示すアラインメントフレーム176を用いて、重錘3によって示される面以外の面における寛骨臼カップの位置を正確に調整することができる。アラインメントフレーム176は、第1の端部178及び第2の端部179を定めるフレーム部材177を含む。フレーム部材177は側面視でほぼL字形、平面視でA字形である。当接パッド180が第1の端部178上に配置されており、手術台の平面、特に垂直方向側部に当接するよう構成されている。例えば、外科医は膝を用いて当接パッド180を手術台の側部に押しつけることができる。アラインメントフレーム176の第2の端部179は患者の股関節部に隣接するように配置される。
【0032】
スロット付部材181の形をとる係合手段が第2の端部179に配置されており、患者の股関節部に向かって突出するように位置合わせされる。スロット付部材181の一端が開放されたスロット225は、ゲージ1のハンドル34の曲率外半径に合った曲率内半径を有する半円形の表面226を定めている。即ち、スロット225はハンドル34を受けてこれを方向づけるように寸法決めされている。スロットの形状は、ハンドル34が係合手段と係合することによってアラインメントハンドル159が重錘3に関連する2つの面とは異なる第3の面に対して所定の向きに向けられるようになっている。これは、ハンドル34をスロット付部材181に係合させる際にハンドル34の長手軸がスロット付部材181の軸に一致することを確実にするのに十分な幅227をスロット付部材が有するためである。より具体的には、ハンドル34がスロット付部材181内に配置されると、ハンドル34、従ってゲージ1は手術台の側部に対してほぼ垂直になる。この位置にある間、外科医はゲージ1を傾けてアバージョン(回避)を調節し、ゲージ1を回転させて外転を調節することができる。
【0033】
よって、下記の条件の各々が満たされた場合、外科医は、人工寛骨臼カップが患者の股関節部への挿入のために正しく配置されていると確信することができる。
・患者の股関節部が、図20に示す手術台上の所定の位置にある。
・スロット付部材が患者の股関節部に面するように、アラインメントフレーム176の第1の端部178が患者の股関節部に隣接する手術台の側部に当接している。
・ゲージ1のハンドル34がスロット付部材181と係合している。
・ゲージの指針23がアバージョン及び外転のための所望の角度を示している。
この時点で、外科医はパンチアセンブリを用いて寛骨臼カップを拡孔寛骨臼内にしっかり固定する。
【0034】
一般的な股関節部置換術の他のステップは大腿管へのステムの挿入である。挿入後、ステム33の端部34は大腿骨の端部から突出する。ここで、術後の脚長、組織の張り及び筋肉の張りを正しくするのに必要な人工大腿骨頸部の長さを決定することが必要である。長さの短いトライアル用骨頭(short trial head)がステム上に配置され、股関節が元の位置に戻される。図21に最も良く示されるように、スペーサアラインメント器具189は、カップホルダが前述のようにゲージ1に取り付けられたのと同様の方法で左又は右のスペーサ部材190を必要に応じてゲージ1に接続することによって組み立てられる。即ち、ゲージ1の遠位端31にあるコネクタ30に配置された開口部に突起191を差し込む。カラー30が、スペーサ部材190の近位端192と螺合する。また、カップアラインメント器具の先の組立と同様に、ハンドル213が、スペーサ部材190の近位端192に隣接して設けられた雌ねじ193においてスペーサ部材190にねじ込まれる。即ち、スペーサアラインメント器具189を組み立てるには、カップアラインメント器具から始めてカップホルダ158をスペーサ部材190に取り替えればよい。
【0035】
スペーサ部材190はスペーサ194を含み、スペーサ194は、大腿管に挿入された人工ステムの端部34と係合するように構成されたスロット195を有する。これにより、(トライアル用骨頭は拡孔寛骨臼内に隠れてしまっているが)図21に示すように、スペーサ194がトライアル用骨頭と大腿骨の端部34の中間に配置される。トライアル用骨頭は、適切に配置されると半球状の表面203内に配置される。この場合においても、外科医はアラインメントフレーム176と共にゲージ1の重錘3を利用し、テストを行っている間にスペーサ194及びトライアル用骨頭が解剖学的に正しい態様で配向されていることを確実にし、適切な人工大腿骨頸部の長さを決定することができる。
【0036】
ゲージ1の他の例示的な用途は、人工部品の挿入前に行う患者の自然な形状の測定である。例えば、股関節が外されると、外科医は患者の寛骨臼の自然に生じるアバージョン角度(回避角度)及び外転角度の測定を望む場合がある。このような用途の場合、ゲージ1は患者の寛骨臼に当接したコネクタに接続され、ゲージは(例えば、図20に示す骨盤ホルダ230や図16及び図17に示すアラインメントフレームによって、前述の方法と同様に)患者に対して所定の関係に保たれる。これによって外科医は、マーキング24又は26から自然のアバージョン角度を、そしてマーキング25又は27から自然の外転角度を決定することができる。次に、これらの数字を後の使用のために書き留めておき、例えば、外科医は先に決定された自然の角度と同一のアバージョン角度及び外転角度での人工寛骨臼の挿入を選択することができる。
【0037】
図5乃至図8に示すゲージ37の他の好適な実施の形態は、クランプの形をとる異なったコネクタ30を設けたこと以外は図1乃至図4に示すゲージの好適な実施の形態とほぼ同じである。このクランプは、ボルト37の端部36の反対側に固定して配置された突起35を含む。よって、ゲージ37を接続させる物体の一部を突起35とボルト端部36の中間に配置することができる。次に、ボルトヘッド38はボルト端部36を突起35に向けて締めるように回転され、これによってゲージ37は物体にクランプで固定される。
【0038】
ゲージ40の他の実施の形態は、図22に示す読取面を含む。この実施の形態は、単一の重錘3とは対照的に2つの別々の重錘41及び42を用いる点で、前述の実施の形態と異なっている。このような実施の形態において、第1の重錘41及び第2の重錘42は、それぞれ重力の影響を受けて垂下するようにゲージ本体43に別々に取り付けられている。第1の重錘41は第1の軸44を中心として第1の面で回転するように本体43に取り付けられており、第2の重錘42は第2の軸45を中心として第2の面で回転するように本体43に取り付けられている。第1の軸44は第2の軸45に直交している。使用の際、外科医は第1の重錘41の位置をマーキング46又は47と比較し、第1の角度を決定する。同様に、第2の重錘42の位置をマーキング48又は49と比較し、第2の角度を決定する。この実施の形態はユニバーサルジョイント30を設ける必要がないため、図1乃至図8に示すゲージ1及び37に比べて機械的に簡易であるという利点がある。
【0039】
本発明の第4の実施の形態を図23乃至図47に示す。ゲージ301のこの好適な実施の形態は本体302を含み、重錘303が本体302に取り付けられている。重錘303は、局所的な重力場の影響を受けて本体302から垂下している。より具体的には、重錘303は本体302に対して第1の面と第2の面の双方において回転可能であり、これらの面は互いに対して直交している。
【0040】
ユニバーサルジョイント304が、重錘303を本体302に回転可能に取り付けている。ユニバーサルジョイント304は、図29乃至図32に最も良く示されるように、細長いピボット部材305からなる。ピボット部材305は、ピボット部材305に設けられた開口部336を貫通して延びるピン306に固定して配置されている。ピン306は、本体307に設けられた開口部337及び338内に固定して配置されている。ピボット部材305は、半球状のヘッド308と半球状のベース309を定めている。上部半球状ヘッド308は、重錘303の上部部品に設けられた対応する半球状のキャビティと結合するように構成されている。
【0041】
半球状ヘッドの直径は、対応する半球状キャビティ310の直径に等しい。直径が小さすぎると、指針315が落ち着いて安定した読取ができるようになる前に許容し難いほど長い間振動してしまうため、ゲージの出力を過度に敏感にしてしまう可能性がある。反対に、直径が大きすぎると重錘に与えられる減衰が大きくなりすぎ、読取が不正確になる可能性がある。好適な実施の形態では、この直径は1mmより大きく6mm未満であることが好ましい。この直径は2mmより大きく4mm未満であることがより好ましい。好適な実施の形態で用いられる直径は3mmであり、この直径は本体302に対する重錘303の移動に許容可能な程度の減衰を与えることがわかっている。
【0042】
組立の際、重錘303は、キャビティ310がヘッド308と係合するか又はこれに直接近接するように上部部品を配置することによって本体302に回転可能に取り付けられる。重錘303の下部部品312は、上部部品311及び下部部品312が互いに結合するようにピボット部材305の反対側の端部に配置されるか又はこの端部に隣接して配置される。より具体的には、上部部品311の下縁の凹部313が、下部部品312の上縁に設けられたフランジ314と結合するように構成されている。次いで、上部部品311及び下部部品312は、例えばはんだ付けや糊付けなどの結合手段によって互いに結合される。これにより、ピボット部材305は重錘303内に効果的に密閉される。よって、ゲージが使用中でピボット部材305がほぼ垂直に配向されている場合、重錘303は2つの面において自由に回転し、重錘の重心はヘッド308の真下の位置を占めることができる。この状態で、指針315はある位置まで回転し、前述の実施の形態を参照しながら詳しく述べた方法で2つの角度をマーキングの2つのセット316及び317によって読み取ることができる。
【0043】
ピボット部材305が入った重錘303内のキャビティの内寸法は、重錘303が重力によってヘッド308から垂下するとベース309と下部部品312の隣接する内側表面335との間に最小の間隙が設けられることを確実にするように選択される。これにより、重錘303がピボット部材305のみとヘッド308で係合し、重錘が自由に垂下できることが確実になる。即ち、この好適な実施の形態に用いられるジョイントのタイプを、ピボット部材305のヘッドが「単一の回転軸」として有効に機能する「単一の回転軸ジョイント」と呼ぶことができる。例えば、ゲージ301が上下に小刻みに振動したり(giggled up and down)ゲージ301を不注意に落としてしまったりした場合に起こりうる、ヘッド308との係合からかなり離れた位置への重錘の変位が生じないことを確実にするために、間隙は最小であることが好ましい。約0.5mmの間隙が好適な実施の形態に用いられる。即ち、最小の間隙を用いることによって、ゲージが振動したり落ちてしまってもキャビティ310がヘッド308に近接したままであり、ゲージ301が重力に対して使用中の向きに戻されるとキャビティ310は再びヘッド308と係合することが確実になる。
【0044】
切欠318及び319が重錘303の上部部品311の対向側部に設けられており、これによって重錘303はピン306に突き当たることなく許容可能な移動範囲内で回転することができる。同じ理由で、更なる切欠320及び321が重錘303の下部部品312に設けられている。
【0045】
ゲージ301の第4の実施の形態は、差し込み型コネクタの形をとるコネクタ322を介して他の外科用器具に接続可能である。雌型コネクタ部品323が本体302の側部に配置されている。この雌型コネクタ部品323は中空のシリンダ332を含み、このシリンダ332は、本体302に取り付けられた近位端324と、雄型コネクタ部品を受け入れるように構成された開放遠位端325とを有する。開放遠位端325は対向する2つの溝329及び330を有し、これらは、雄型コネクタ部品328から突出した対応する一対の突起326及び327を挿入することのできる2つのトラックを定めている。接続先の外科用器具に対するゲージ301のずれを避けるため、トラック329及び330と対応する突起326及び327はサイズが異なっている。よって、双方の突起が双方のトラックと結合することのできるゲージ301と外科用器具との間の相対的な向きは1つのみである。位置が180°ずれていても、大きい方の突起326は小さい方の溝330に嵌まらない。
【0046】
雌型コネクタ部品323は、ばね331の形をした弾性のある付勢手段を含み、この手段は、雄型コネクタ部品328が雌型コネクタ部品323に挿入されると突起326及び327を圧迫するように中空シリンダの周りに配置される。これにより、突起が中空シリンダの遠位端に向けて付勢される。よって、取付先の外科用器具に対してゲージ301が回転されると、突起326及び327がトラックのカーブ333及び334の周りに移動され、弾性のある付勢によって突起が強制的にトラックの端部335及び336にしっかりと係合され、これによってゲージ301が外科用器具に接続される。接続されている間、雄型コネクタ部品328のシャフト339の端部は中空シリンダ332内に収容される。
【0047】
外科用器具の雄型コネクタ部品328からゲージ301の接続を外すために、使用者は付勢力に逆らうように突起326及び327を移動させ、次にゲージ301を外科用器具に対してひねって突起326及び327がカーブ333及び334の周りへ再び移動するようにし、これによってトラック340及び341の開放端から突起の係合を外すことができる。
【0048】
特定の実施の形態を参照して本発明を説明したが、本発明を多くの他の形態で具体化できることが当業者によって理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の第1の好適な実施の形態の斜視図である。
【図2】第1の実施の形態の平面図である。
【図3】第1の実施の形態の側面図である。
【図4】第1の実施の形態の背面図である。
【図5】本発明の第2の好適な実施の形態の斜視図である。
【図6】第2の実施の形態の平面図である。
【図7】第2の実施の形態の側面図である。
【図8】第2の実施の形態の背面図である。
【図9】本発明の第1及び第2の両方の好適な実施の形態において使用される重錘の斜視図である。
【図10】図9に示す重錘の側面図である。
【図11】図9に示す重錘の背面図である。
【図12】図9に示す重錘の平面図である。
【図13】左のカップホルダの平面図である。
【図14】右のカップホルダの平面図である。
【図15】ハンドルアセンブリの平面図である。
【図16】アラインメントフレームの側面図である。
【図17】アラインメントフレームの平面図である。
【図18】左の股関節部で作動するスペーサ部材の平面図である。
【図19】右の股関節部で作動するスペーサ部材の平面図である。
【図20】人工股関節置換術の開始直前の患者の斜視図である。
【図21】患者の寛骨臼に適用されるスペーサアラインメント器具の一部を示す斜視図である。
【図22】本発明の第3の好適な実施の形態の読取面の平面図である。
【図23】本発明の第4の実施の形態の斜視図である。
【図24】第4の実施の形態の分解斜視図である。
【図25】第4の実施の形態の本体の平面図である。
【図26】第4の実施の形態の本体の正面図である。
【図27】第4の実施の形態の本体の側面図である。
【図28】第4の実施の形態の本体の斜視図である。
【図29】第4の実施の形態のピボット部材の斜視図である。
【図30】第4の実施の形態のピボット部材の底面図である。
【図31】第4の実施の形態のピボット部材の正面図である。
【図32】第4の実施の形態のピボット部材の側面図である。
【図33】第4の実施の形態に用いられるピンの斜視図である。
【図34】第4の実施の形態のピンの側面図である。
【図35】第4の実施の形態のピンの正面図である。
【図36】第4の実施の形態の重錘の下部部品の斜視図である。
【図37】図36に示す部品の平面図である。
【図38】図36に示す部品の正面図である。
【図39】図36に示す部品の側面図である。
【図40】第4の実施の形態の重錘の上部部品の斜視図である。
【図41】図40に示す部品の平面図である。
【図42】図40に示す部品の正面図である。
【図43】図40に示す部品の側面図である。
【図44】第4の実施の形態の差し込み型コネクタの雌型部品である。
【図45】図44に示す雌型コネクタ部品の正面図である。
【図46】図44に示す雌型コネクタ部品の側面図である。
【図47】図44に示す雌型コネクタ部品の平面図である。
【図48】第4の実施の形態のゲージと共に使用する差し込み型コネクタの雄型部品の斜視図である。
【図49】図47に示す雄型コネクタ部品の平面図である。
【図50】図47に示す雄型コネクタ部品の側面図である。
【図51】図47に示す雄型コネクタ部品の正面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の面における第1の角度及び第2の面における第2の角度を決定する外科的処置用ゲージであって、
本体と、
局所的な重力場の影響を受けて垂下するように前記本体に取り付けられ、前記第1の角度及び前記第2の角度を決定するように前記第1の面及び前記第2の面の双方において前記本体に対して回転可能である重錘と、
を含む外科的処置用ゲージ。
【請求項2】
ユニバーサルジョイントが前記重錘を前記本体に回転可能に取り付ける、請求項1に記載のゲージ。
【請求項3】
前記ユニバーサルジョイントが、ボールジョイント、単一の回転軸ジョイント、アイエンドジョイント、タイロッドエンドジョイント又はローズジョイントのうちのいずれか1つである、請求項2に記載のゲージ。
【請求項4】
前記第1の面が前記第2の面に直交する、前述の請求項のうちいずれか1項に記載のゲージ。
【請求項5】
前記重錘が指針を含む、前述の請求項のうちいずれか1項に記載のゲージ。
【請求項6】
前記本体が前記指針に隣接して配置されたマーキングを含む、請求項5に記載のゲージ。
【請求項7】
前記マーキングの第1のサブセットが前記第1の角度の角増分に対応し、前記マーキングの第2のサブセットが前記第2の角度の角増分に対応する、請求項6に記載のゲージ。
【請求項8】
前記本体に配置されて前記ゲージを人工部品に接続するコネクタを更に含む、前述の請求項のうちいずれか1項に記載のゲージ。
【請求項9】
前記本体に配置されて前記ゲージを患者の所定の部位に接続するコネクタを更に含む、前述の請求項のうちいずれか1項に記載のゲージ。
【請求項10】
前記外科的処置が、人工股関節置換術の際に行われる寛骨臼カップの拡孔寛骨臼への挿入である、前述の請求項のうちいずれか1項に記載のゲージ。
【請求項11】
前記第1の角度が、拡孔寛骨臼に対する前記寛骨臼カップのアバージョンに対応する、請求項10に記載のゲージ。
【請求項12】
前記第2の角度が、拡孔寛骨臼に対する前記寛骨臼カップの外転に対応する、請求項10又は請求項11に記載のゲージ。
【請求項13】
前記本体に対する前記重錘の移動が減衰される、前述の請求項のうちいずれか1項に記載のゲージ。
【請求項14】
第1の面における第1の角度及び第2の面における第2の角度を決定する外科的処置用ゲージであって、
本体と、
局所的な重力場の影響を受けて垂下するように前記本体に取り付けられ、前記第1の角度を決定するように前記第1の面において前記本体に対して回転可能である第1の重錘と、
局所的な重力場の影響を受けて垂下するように前記本体に取り付けられ、前記第2の角度を決定するように前記第2の面において前記本体に対して回転可能である第2の重錘と、
を含む外科的処置用ゲージ。
【請求項15】
前記第1の重錘が第1の軸を中心として回転するように前記本体に取り付けられており、前記第2の重錘が第2の軸を中心として回転するように前記本体に取り付けられており、前記第1の軸は前記第2の軸に直交する、請求項14に記載のゲージ。
【請求項1】
第1の面における第1の角度及び第2の面における第2の角度を決定する外科的処置用ゲージであって、
本体と、
局所的な重力場の影響を受けて垂下するように前記本体に取り付けられ、前記第1の角度及び前記第2の角度を決定するように前記第1の面及び前記第2の面の双方において前記本体に対して回転可能である重錘と、
を含む外科的処置用ゲージ。
【請求項2】
ユニバーサルジョイントが前記重錘を前記本体に回転可能に取り付ける、請求項1に記載のゲージ。
【請求項3】
前記ユニバーサルジョイントが、ボールジョイント、単一の回転軸ジョイント、アイエンドジョイント、タイロッドエンドジョイント又はローズジョイントのうちのいずれか1つである、請求項2に記載のゲージ。
【請求項4】
前記第1の面が前記第2の面に直交する、前述の請求項のうちいずれか1項に記載のゲージ。
【請求項5】
前記重錘が指針を含む、前述の請求項のうちいずれか1項に記載のゲージ。
【請求項6】
前記本体が前記指針に隣接して配置されたマーキングを含む、請求項5に記載のゲージ。
【請求項7】
前記マーキングの第1のサブセットが前記第1の角度の角増分に対応し、前記マーキングの第2のサブセットが前記第2の角度の角増分に対応する、請求項6に記載のゲージ。
【請求項8】
前記本体に配置されて前記ゲージを人工部品に接続するコネクタを更に含む、前述の請求項のうちいずれか1項に記載のゲージ。
【請求項9】
前記本体に配置されて前記ゲージを患者の所定の部位に接続するコネクタを更に含む、前述の請求項のうちいずれか1項に記載のゲージ。
【請求項10】
前記外科的処置が、人工股関節置換術の際に行われる寛骨臼カップの拡孔寛骨臼への挿入である、前述の請求項のうちいずれか1項に記載のゲージ。
【請求項11】
前記第1の角度が、拡孔寛骨臼に対する前記寛骨臼カップのアバージョンに対応する、請求項10に記載のゲージ。
【請求項12】
前記第2の角度が、拡孔寛骨臼に対する前記寛骨臼カップの外転に対応する、請求項10又は請求項11に記載のゲージ。
【請求項13】
前記本体に対する前記重錘の移動が減衰される、前述の請求項のうちいずれか1項に記載のゲージ。
【請求項14】
第1の面における第1の角度及び第2の面における第2の角度を決定する外科的処置用ゲージであって、
本体と、
局所的な重力場の影響を受けて垂下するように前記本体に取り付けられ、前記第1の角度を決定するように前記第1の面において前記本体に対して回転可能である第1の重錘と、
局所的な重力場の影響を受けて垂下するように前記本体に取り付けられ、前記第2の角度を決定するように前記第2の面において前記本体に対して回転可能である第2の重錘と、
を含む外科的処置用ゲージ。
【請求項15】
前記第1の重錘が第1の軸を中心として回転するように前記本体に取り付けられており、前記第2の重錘が第2の軸を中心として回転するように前記本体に取り付けられており、前記第1の軸は前記第2の軸に直交する、請求項14に記載のゲージ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【公表番号】特表2007−510475(P2007−510475A)
【公表日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−538604(P2006−538604)
【出願日】平成16年11月12日(2004.11.12)
【国際出願番号】PCT/AU2004/001568
【国際公開番号】WO2005/046475
【国際公開日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(505199186)インターナショナル パテント オーナーズ (ケイマン) リミテッド (4)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月12日(2004.11.12)
【国際出願番号】PCT/AU2004/001568
【国際公開番号】WO2005/046475
【国際公開日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(505199186)インターナショナル パテント オーナーズ (ケイマン) リミテッド (4)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]