説明

外装板支持具

【課題】ダクトとの相対変位を許容できるように外装板を支持できるようにしながら、手作業でも容易に製作することができ、しかも、長期に亘って破損し難い外装板支持具を提供する。
【解決手段】金属製ダクトの外周側に配設された断熱材を覆う外装板を、そのダクトに支持するために、ダクト外面に溶接固定される外装板支持具であって、ダクト外面に対して溶接固定可能な溶接用側辺10を一端側に備えた固定用平板部分11と、外装板を支持可能な支持部12を一端側に備えた支持用平板部分13とを、夫々の他端側部分において互いに一体に有し、固定用平板部分と支持用平板部分とを、支持用平板部分の板面が溶接用側辺に対して略直交する方向に沿い、かつ、夫々の他端側部分においてそれらの板面どうしが互いに交差するように重なる姿勢で一体化してある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属製ダクトの外周側に配設された断熱材を覆う外装板を、そのダクトに支持するために、ダクト外面に溶接固定される外装板支持具に関する。
【背景技術】
【0002】
上記外装板支持具は、金属製ダクトの外周側に配設された断熱材の破損や、断熱材への雨水の浸入などを防止する外装板をダクトに支持するために、そのダクト外面に溶接固定されるものであり、外周側に断熱材が配設されたダクトと、その断熱材を覆う外装板との温度差や、ダクトと外装板との熱膨張率の違いなどに起因するダクトとの相対変位を許容できるように外装板を支持する必要がある。
このため、図11(a)に示すように、従来の外装板支持具Bでは、ダクト外面に対して溶接固定可能な溶接用側辺10を一端側に備えた固定用平板部分11を形成可能な領域14と、外装板を支持可能な支持部12を一端側に備えた支持用平板部分13を形成可能な領域15とを前後に備えた略長方形の平板材16を、それらの領域14,15どうしの間の箇所で略90度の角度に亘って捩ることにより、図11(b)に示すように、固定用平板部分11と支持用平板部分13とを、捩れ部分25を挟んで、板面どうしが略直交する姿勢で前後に備えたツイストバー形状に加工して、図12(a)に示すように、固定用平板部分11の溶接用側辺10をダクト外面1aに対して溶接固定すると共に、支持フレーム9を介して、外装板7を支持用平板部分13の支持部12に支持して、固定用平板部分11が溶接固定されているダクト1と、支持用平板部分13に支持されている外装板7との相対変位を、捩れ部分25の変形で許容できるように構成してある(例えば、特許文献1参照。)。
つまり、固定用平板部分11も支持用平板部分13も、夫々の板面に沿う方向の曲げ剛性が大きく、夫々の板面に対して直交する方向の曲げ剛性が小さいので、固定用平板部分11と支持用平板部分13とを、捩れ部分25を挟んで、板面どうしが略直交する姿勢で前後に備えさせて、ダクト1と外装板7との相対変位のうちの、固定用平板部分11の板面に沿う方向の変位成分も、支持用平板部分13の板面に沿う方向の変位成分も、図12(b),(c)に示すように、捩れ部分25の変形に伴う固定用平板部分11と支持用平板部分13との相対変位で吸収できるようにしてある。
【0003】
【特許文献1】特許第2966768号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このため、複数の外装板支持具で外装板をダクトに支持する場合に、各外装板支持具における捩り角度に誤差があると、ダクトや外装板に対する取り付け姿勢が外装板支持具毎に異なってくるので、外装板支持具を製作するにあたって、平板材を捩り角度が略一定になるように捩る必要がある。
しかしながら、平板材を略一定の捩り角度で捩るような作業の機械化にはコストがかかる欠点があり、また、手作業で製作する場合は、捩り角度が略一定になるように捩る作業に熟練を要する欠点がある。
また、ダクトとの相対変位を許容できるように外装板を支持するにあたって、固定用平板部分の板面に沿う方向の変位成分も、支持用平板部分の板面に沿う方向の変位成分も、固定用平板部分と支持用平板部分との間に形成してある捩れ部分という特定部分を変形させることにより吸収させるので、その捩れ部分の疲労などによる材質の劣化で早期に破損し易い欠点もある。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、ダクトとの相対変位を許容できるように外装板を支持できるようにしながら、手作業でも容易に製作することができ、しかも、長期に亘って破損し難い外装板支持具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1特徴構成は、金属製ダクトの外周側に配設された断熱材を覆う外装板を、そのダクトに支持するために、ダクト外面に溶接固定される外装板支持具であって、
ダクト外面に対して溶接固定可能な溶接用側辺を一端側に備えた固定用平板部分と、前記外装板を支持可能な支持部を一端側に備えた支持用平板部分とを、夫々の他端側部分において互いに一体に有し、前記固定用平板部分と前記支持用平板部分とを、前記支持用平板部分の板面が前記溶接用側辺に対して略直交する方向に沿い、かつ、夫々の他端側部分においてそれらの板面どうしが互いに交差するように重なる姿勢で一体化してある点にある。
【0006】
〔作用及び効果〕
図3(b)に例示するように、ダクト外面に対して溶接固定可能な溶接用側辺10を一端側に備えた固定用平板部分11と、外装板を支持可能な支持部12を一端側に備えた支持用平板部分13とを、夫々の他端側部分において、支持用平板部分13の板面が溶接用側辺10に対して略直交する方向に沿う姿勢で互いに一体化してあるので、図4(a)に例示するように、固定用平板部分11も、支持用平板部分13も、その板面をダクト外面1aに対して直交する方向に略沿わせて、ダクト外面1aや外装板7に取付ることができる。
そして、固定用平板部分11と支持用平板部分13とを、夫々の他端側部分においてそれらの板面どうしが互いに交差するように重なる姿勢で互いに一体化してあるので、固定用平板部分11と支持用平板部分13との一体化部分における曲げ剛性を、固定用平板部分11の板面に沿う方向においても、支持用平板部分13の板面に沿う方向においても大きく確保することができ、ダクト1との相対変位を許容できるように外装板7を支持するにあたって、ダクト1と外装板7との相対変位のうちの、固定用平板部分11の板面に沿う方向の変位成分は、図4(b)に例示するように、その方向の曲げ剛性が小さい支持用平板部分13の変形で吸収させ、支持用平板部分13の板面に沿う方向の変位成分は、図4(c)に例示するように、その方向の曲げ剛性が小さい固定用平板部分11の変形で吸収させることができる。
従って、ダクトとの相対変位を許容できるように外装板を支持できるようにしながら、外装板支持具を製作するにあたって、平板材を略一定の捩り角度で捩るのではなく、固定用平板部分と支持用平板部分とを、それらの板面どうしが互いに交差するように重なる姿勢で互いに一体化してあれば良いので、作業の機械化を特に図ることなく、手作業で製作する場合でも特に熟練を要することなく容易に製作することができる。
また、ダクトと外装板との相対変位に伴う変形を、従来のような一箇所の特定部分を変形させて吸収するのではなく、固定用平板部分の変形と支持用平板部分の変形とに分散して吸収させることができるので、長期に亘って破損し難い。
【0007】
本発明の第2特徴構成は、前記固定用平板部分を形成可能な領域と前記支持用平板部分を形成可能な領域とを備えた一枚の平板材を、それらの領域どうしの境界部に略沿って略直角に折り曲げて、前記固定用平板部分と前記支持用平板部分とを一体化してある点にある。
【0008】
〔作用及び効果〕
一枚の平板材を略直角に折り曲げるという簡単な加工で容易に製作することができる。
【0009】
本発明の第3特徴構成は、圧延山形鋼材の一端側における一対のフランジ部分のうちの一方のフランジ部分を切除することにより、他方のフランジ部分で前記固定用平板部分を形成し、前記圧延山形鋼材の他端側における一対のフランジ部分のうちの他方のフランジ部分を切除することにより、一方のフランジ部分で前記支持用平板部分を形成して、前記固定用平板部分と前記支持用平板部分とを一体化してある点にある。
【0010】
〔作用及び効果〕
入手し易い既製の圧延山形鋼材を使用して、一枚の平板材を折り曲げたり、固定用平板部分と支持用平板部分とを互いに溶接で接合するような作業を伴うことなく、製作することができる。
【0011】
本発明の第4特徴構成は、金属製ダクトの外周側に配設された断熱材を覆う外装板を、そのダクトに支持するために、ダクト外面に溶接固定される外装板支持具であって、
ダクト外面に対して溶接固定可能な溶接用側辺を備えた平板部材と、前記外装板を支持可能な支持部を備えた略円柱状の軸部材とを一体に有し、前記軸部材の一端側を、その軸芯が前記平板部材の板面に略沿い、かつ、前記溶接用側辺に対して略直交する姿勢で、前記平板部材に溶接固定して、前記支持部を前記平板部材から突出させてある点にある。
【0012】
〔作用及び効果〕
図9に例示するように、ダクト外面に対して溶接固定可能な溶接用側辺10を備えた平板部材23と、外装板を支持可能な支持部12を備えた略円柱状の軸部材24とを、軸部材24の一端側を、その軸芯Xが平板部材23の板面に略沿い、かつ、溶接用側辺10に対して略直交する姿勢で、平板部材23に溶接固定して、支持部12を平板部材23から突出させて、一体に有しているので、図10(a)に例示するように、平板部材23も、軸部材24も、ダクト外面1aに対して直交する方向に略沿わせて、ダクト外面1aや外装板7に取付ることができる。
そして、平板部材23と軸部材24との溶接部分における曲げ剛性を、平板部材23の板面に沿う方向においても、平板部材23の板面に直交する方向においても、大きく確保することができるので、ダクト1との相対変位を許容できるように外装板7を支持するにあたって、ダクト1と外装板7との相対変位のうちの、平板部材23の板面に沿う方向の変位成分は、図10(b)に例示するように、その方向の曲げ剛性が小さい軸部材24の変形で吸収させ、平板部材23の板面に直交する方向の変位成分は、図10(c)に例示するように、その方向の曲げ剛性が小さい平板部材23又は軸部材24の変形で吸収させることができる。
従って、ダクトとの相対変位を許容できるように外装板を支持できるようにしながら、外装板支持具を製作するにあたって、平板材を略一定の捩り角度で捩るのではなく、平板部材と軸部材とを軸部材の軸芯が平板部材の板面に略沿い、かつ、溶接用側辺に対して略直交する姿勢で平板部材に溶接固定してあれば良いので、作業の機械化を特に図ることなく、手作業で製作する場合でも特に熟練を要することなく容易に製作することができる。
また、ダクトと外装板との相対変位に伴う変形を、従来のような一箇所の特定部分を変形させて吸収するのではなく、平板部材の変形と軸部材の変形とに分散して吸収させることができるので、長期に亘って破損し難い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
図1,図2は、火力発電所や工場などにおいて温度が200℃程度の排ガスの通路を形成している金属製高温ダクト1の要部とその断熱保温構造を示す。
【0014】
前記ダクト1は、ダクト周方向に沿う冷却用パイプ2をダクト長手方向に間隔を隔てて一体に備えた鋼製壁板3で略矩形の横断面形状に形成してあり、その壁板3のダクト外面側に、H形鋼からなるバックスティ4をダクト長手方向に沿って取り付けてある。
【0015】
前記バックスティ4は、一方のフランジ4aを冷却用パイプ2側に当て付けた状態で、そのフランジ4aの左右両側における複数箇所を、壁板3に溶接固定してある一対のL形取付けピース5で挟み込んで取り付けてある。
【0016】
そして、ダクト1の外周側にロックウールからなる厚板形状の断熱材6を配設し、その断熱材6の外面側を間隔を隔てて覆う鋼製外装板7を、本発明による外装板支持具Aでダクト1に支持してある。
尚、バックスティ4の断熱材6からの突出部分にも、その突出部分を覆う断熱材6aを配設してある。
【0017】
前記断熱材6,6aは、ダクト外面1aに予め溶接固定してある複数のピン8に突き刺すようにダクト外面1a側に押し付けて、それらのピン8の断熱材6,6aからの突出端にスピードワッシャ8aを装着して固定してある。
【0018】
前記外装板7は、ダクト外面1aに予め溶接固定してある複数の外装板支持具Aで、ダクト長手方向に沿って長い山形鋼からなる支持フレーム9を介して、ダクト1に支持してある。
【0019】
前記外装板支持具Aは、図3に示すように、ダクト外面1aに対して溶接固定可能な溶接用側辺10を一端側に備えた固定用平板部分11と、外装板7を支持可能な支持部12を一端側に備えた支持用平板部分13とを、夫々の他端側部分において互いに一体に有している。
【0020】
つまり、図3(a)に示すように、固定用平板部分11を形成可能な略長方形の矩形領域14と、支持用平板部分13を形成可能な略長方形の矩形領域15とを、領域長手方向に位置をずらせて隣り合わせに一体に備えた一枚の鋼製平板材16を、それらの領域14,15どうしの境界部17に略沿って略直角に折り曲げて、図3(b)に示すように、固定用平板部分11と支持用平板部分13とを、支持用平板部分13の板面が溶接用側辺10に対して略直交する方向に沿い、かつ、夫々の他端側部分においてそれらの板面どうしが互いに略直交するように重なる姿勢で一体化してある。
【0021】
そして、図4(a)に示すように、溶接用側辺10を、固定用平板部分11の板面がダクト周方向に沿い、かつ、ダクト外面1aに対して略直角の姿勢で、ダクト外面1aに対して溶接固定して、板面がダクト長手方向に沿う姿勢に保持した支持用平板部分13の一端側に備えた支持部12に、支持フレーム9の一方のフランジ9aを溶接固定して、他方のフランジ9bに外装板7をビス止めし、ダクト1と外装板7との相対変位のうちの、図4(b)に示すように、固定用平板部分11の板面に沿う方向の変位成分は、その方向の曲げ剛性が小さい支持用平板部分13の弾性変形で吸収させ、図4(c)に示すように、支持用平板部分13の板面に沿う方向の変位成分は、その方向の曲げ剛性が小さい固定用平板部分11の弾性変形で吸収させるように構成してある。
【0022】
〔第2実施形態〕
図5は、本発明による外装板支持具Aの別実施形態を示し、図5(a)に示す圧延山形鋼材18の一端側における一対のフランジ部分19a,19bのうちの一方のフランジ部分19aを切除することにより、図5(b)に示すように他方のフランジ部分19bで固定用平板部分11を形成し、図5(a)に示す圧延山形鋼材19の他端側における一対のフランジ部分20a,20bのうちの他方のフランジ部分20bを切除することにより、図5(b)に示すように一方のフランジ部分20aで支持用平板部分13を形成して、固定用平板部分11と支持用平板部分13とを一体化してある。
その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0023】
〔第3実施形態〕
図6は、本発明による外装板支持具Aの別実施形態を示し、図6(a)に示すように、固定用平板部分11を形成可能な略長方形の矩形領域14と、支持用平板部分13を形成可能な略長方形の矩形領域15とをL字状に一体に備えた一枚の鋼製平板材16を、図6(b)に示すように、それらの領域14,15どうしの境界部17に略沿って斜めに折り曲げると共に、支持用平板部分13を形成可能な矩形領域15における長手方向端部の支持部12の板面が固定用平板部分11の板面に対して略平行になるように、図6(c)に示すように、その矩形領域15を更に折り曲げて、固定用平板部分11と支持用平板部分13とを、支持用平板部分13の板面が溶接用側辺10に対して略直交する方向に沿い、かつ、夫々の他端側部分においてそれらの板面どうしが互いに斜めに交差するように重なる姿勢で一体化してある。
【0024】
そして、図7(a)に示すように、溶接用側辺10を、固定用平板部分11の板面がダクト周方向に沿い、かつ、ダクト外面1aに対して略直角の姿勢で、ダクト外面1aに対して溶接固定して、板面がダクト長手方向に沿う姿勢に保持した支持部12に、支持フレーム9の一方のフランジ9aを溶接固定して、他方のフランジ9bに外装板7をビス止めし、ダクト1と外装板7との相対変位のうちの、図7(b),(c)に示すように、固定用平板部分11の板面に沿う方向の変位成分は、その方向の曲げ剛性が小さい支持用平板部分13の弾性変形で吸収させ、図7(d)に示すように、支持部12の板面に沿う方向の変位成分は、その方向の曲げ剛性が小さい固定用平板部分11の弾性変形で吸収させるように構成してある。
その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0025】
〔第4実施形態〕
図8は、本発明による外装板支持具Aの別実施形態を示し、図8(a)に示すように、溶接用側辺10を一端側に備えた固定用平板部分11を構成するための略長方形の平板材21の長手方向端部と、支持部12を一端側に備えた支持用平板部分13を構成するための略長方形の平板材22の長手方向端部とを、図8(b)に示すように略T字状に溶接固定して、固定用平板部分11と支持用平板部分13とを、支持用平板部分13の板面が溶接用側辺10に対して略直交する方向に沿い、かつ、夫々の他端側部分においてそれらの板面どうしが互いに略直交するように重なる姿勢で一体化してある。
その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0026】
〔第5実施形態〕
図9は、本発明による外装板支持具Aの別実施形態を示し、ダクト外面1aに対して溶接固定可能な溶接用側辺10を備えた略矩形の鋼製平板部材23と、外装板7を支持可能な支持部12を一端側に備えた略円柱状の鋼製軸部材24とを一体に有し、軸部材24の一端側を、その軸芯Xが平板部材23の板面に略沿い、かつ、溶接用側辺10に対して略直交する姿勢で、平板部材23の板面に溶接固定して、支持部12を平板部材23から突出させてある。
【0027】
そして、図10(a)に示すように、溶接用側辺10を、平板部材23の板面がダクト周方向に沿い、かつ、ダクト外面1aに対して略直角の姿勢で、ダクト外面1aに対して溶接固定して、軸部材24の支持部12に、支持フレーム9の一方のフランジ9aを溶接固定して、他方のフランジ9bに外装板7をビス止めし、ダクト1と外装板7との相対変位のうちの、平板部材23の板面に沿う方向の変位成分は、図10(b)に示すように、その方向の曲げ剛性が小さい軸部材24の弾性変形で吸収させ、平板部材23の板面に直交する方向の変位成分は、図10(c)に示すように、その方向の曲げ剛性が小さい平板部材23又は軸部材24の弾性変形で吸収させるように構成してある。
その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0028】
〔その他の実施形態〕
1.本発明による外装板支持具は、煙道を形成する金属製ダクトの外周側に配設された断熱材を覆う外装板を、そのダクトに支持するために使用する外装板支持具であっても良い。
2.本発明による外装板支持具は、支持用平板部分の支持部に外装板を溶接やビスなどで直に固定するものであっても良い。
3.本発明による外装板支持具は、軸部材の支持部に外装板を溶接で直に固定するものであっても、軸部材の支持部に雄ねじ部を形成して、その雄ねじ部に螺合するナットなどの雌ねじ部材で外装板を直に固定するものであっても良い。
4.本発明による外装板支持具は、支持用平板部分や平板部材の板面をダクト長手方向に沿わせた姿勢で、溶接用側辺をダクト外面に溶接固定するものであっても良い。
5.本発明による外装板支持具は、固定用平板部分と支持用平板部分とを、支持用平板部分の板面が溶接用側辺に対して略直交する方向に沿い、かつ、夫々の他端側部分においてそれらの板面どうしが互いに斜めに交差するように重なる姿勢で一体化してあっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】ダクトの要部とその断熱保温構造を示す斜視図
【図2】ダクトの要部とその断熱保温構造を示す断面図
【図3】第1実施形態の外装板支持具を示す斜視図
【図4】第1実施形態の外装板支持具の使用状態を示す断面図
【図5】第2実施形態の外装板支持具を示す斜視図
【図6】第3実施形態の外装板支持具を示す斜視図
【図7】第3実施形態の外装板支持具の使用状態を示す断面図
【図8】第4実施形態の外装板支持具を示す斜視図
【図9】第5実施形態の外装板支持具を示す斜視図
【図10】第5実施形態の外装板支持具の使用状態を示す断面図
【図11】従来の外装板支持具を示す斜視図
【図12】従来の外装板支持具の使用状態を示す断面図
【符号の説明】
【0030】
1 ダクト
1a ダクト外面
6 断熱材
7 外装板
10 溶接用側辺
11 固定用平板部分
12 支持部
13 支持用平板部分
14 固定用平板部分を形成可能な領域
15 支持用平板部分を形成可能な領域
16 平板材
17 境界部
18 圧延山形鋼材
19a 一方のフランジ部分
19b 他方のフランジ部分
20a 一方のフランジ部分
20b 他方のフランジ部分
23 平板部材
24 軸部材
X 軸芯

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属製ダクトの外周側に配設された断熱材を覆う外装板を、そのダクトに支持するために、ダクト外面に溶接固定される外装板支持具であって、
ダクト外面に対して溶接固定可能な溶接用側辺を一端側に備えた固定用平板部分と、前記外装板を支持可能な支持部を一端側に備えた支持用平板部分とを、夫々の他端側部分において互いに一体に有し、
前記固定用平板部分と前記支持用平板部分とを、前記支持用平板部分の板面が前記溶接用側辺に対して略直交する方向に沿い、かつ、夫々の他端側部分においてそれらの板面どうしが互いに交差するように重なる姿勢で一体化してある外装板支持具。
【請求項2】
前記固定用平板部分を形成可能な領域と前記支持用平板部分を形成可能な領域とを備えた一枚の平板材を、それらの領域どうしの境界部に略沿って略直角に折り曲げて、
前記固定用平板部分と前記支持用平板部分とを一体化してある請求項1記載の外装板支持具。
【請求項3】
圧延山形鋼材の一端側における一対のフランジ部分のうちの一方のフランジ部分を切除することにより、他方のフランジ部分で前記固定用平板部分を形成し、前記圧延山形鋼材の他端側における一対のフランジ部分のうちの他方のフランジ部分を切除することにより、一方のフランジ部分で前記支持用平板部分を形成して、
前記固定用平板部分と前記支持用平板部分とを一体化してある請求項1記載の外装板支持具。
【請求項4】
金属製ダクトの外周側に配設された断熱材を覆う外装板を、そのダクトに支持するために、ダクト外面に溶接固定される外装板支持具であって、
ダクト外面に対して溶接固定可能な溶接用側辺を備えた平板部材と、前記外装板を支持可能な支持部を備えた略円柱状の軸部材とを一体に有し、
前記軸部材の一端側を、その軸芯が前記平板部材の板面に略沿い、かつ、前記溶接用側辺に対して略直交する姿勢で、前記平板部材に溶接固定して、前記支持部を前記平板部材から突出させてある外装板支持具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−167664(P2009−167664A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−5778(P2008−5778)
【出願日】平成20年1月15日(2008.1.15)
【出願人】(000244084)明星工業株式会社 (33)
【Fターム(参考)】