説明

外観検査装置

【課題】検査対象物である電子部品の全ての面を精度よく検査することのできる外観検査装置を提供する。
【解決手段】第1〜第4撮像ユニットD10〜G10の投光部材を赤色発光素子、緑色発光素子、青色発光素子で構成し、第5及び第6撮像ユニットH10,I10の投光部材を白色発光素子で構成する。これによって、検査対象物である電子部品1の面のうち、RGB三色照明で検査することが好適な側面に対してはRGB三色照明で照射を行って検査し、白色発光素子を照射して検査することが好適な側面に対しては白色発光素子で照射を行って検査する構成とする。これによって、電子部品1の6面全てを精度よく検査することができ、特に、6面全てをRGB三色照明で検査する場合に比して外部電極3,4で覆われている側面s5,s6の欠陥検出精度を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外観検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の外観検査装置として、電子部品に投光機構で光を照射して撮像することにより、1CCDカメラで撮像することによってその外観を検査するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この外観検査装置において投光機構は、赤色光を発する複数の発光ダイオードと、緑色光を発する複数の発光ダイオードと、青色光を発する複数の発光ダイオードとを撮像軸線を取り囲むようにして備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−064801号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のような投光機構を用いて検査対象物である電子部品の全ての面に対して異なる色の光を照射して検査した場合、例えば、チップコンデンサやチップインダクタなどのように一部の端面が外部電極で覆われている電子部品の外観検査を行うときに、面全体が外部電極で覆われている面の欠陥を良好に検出することができないという問題があった。
【0005】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、検査対象物である電子部品の全ての面を精度よく検査することのできる外観検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ここで、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、以下の理由から、面全体が外部電極に覆われている面は白色発光素子で白色光を照射して検査することが好ましいことを見出した。
【0007】
すなわち、外部電極で覆われた面の欠陥検査は薄く形成された金属膜表面の欠陥を検出することが目的となるため、表面を均一にムラなく照らすことが検査精度の向上につながる。赤色発光素子、緑色発光素子、青色発光素子からなるRGB三色照明でのチップ素体面の検査では表面上の欠陥検出に対しては青色光が有効であり、外部電極表面の欠陥検出にも基本的には青色光が有効に作用するものと考えられるが、(可視光領域で)波長の短い青色光は相対的に指向性が高くなるため、ドーム状照明の発光素子の全てを青色発光素子で構成したとすると照度ムラが発生しやすくなる。特に、反射効率の高い金属面の外部電極領域ではなおさら照度ムラが発生する。これに対して、白色発光素子では、発光ダイオードチップが放射する青色の光の一部が蛍光体層を透過し,残りは蛍光体に当たって黄色の光になり、この2色の光が混ざり合って(人間の視覚に対する)白色光を発生させている。白色発光素子の光もベースは青色光であるが、蛍光体層の通過によりLED光の指向性が弱められ広角となることから前記指向性に依存する照度ムラが抑制され、外部電極が均一に照らされることとなり、表面の欠陥検出精度が向上することになる。一方、RGB三色照明では最も効果的な青色発光素子が特定の角度領域にしか設けられず、かつ本来の高い指向性を持ったままであるため、両端面の曲率が大きい外部電極面に対して白色発光素子を用いた場合より欠陥検出精度が低下することを見出した。一方、素体の外表面側にはみ出した部分における外部電極領域は全面が外部電極で覆われた部分に比べて相対的にフラットな形状であるため、RGB三色照明における青色発光素子LE3で十分な欠陥検出を行うことができることも見出した。
【0008】
そこで、本発明に係る外観検査装置は、略直方体状の素体の互いに対向する面をそれぞれ外部電極で覆うことによって構成され、第1側面、第2側面、第3側面、第4側面、第5側面及び第6側面を有し、第1側面及び第3側面は、第2側面と第4側面とを連結し且つ第5側面と第6側面とを連結すると共に互いに対向しており、第2側面及び第4側面は、第1側面と第3側面とを連結し且つ第5側面と第6側面とを連結すると共に互いに対向しており、第5側面及び第6側面は、外部電極の外面であって、第1側面と第3側面とを連結し且つ第2側面と第4側面とを連結すると共に互いに対向する検査対象物の外観検査を行うための外観検査装置であって、検査対象物を保持する検査対象物保持手段と、第1側面、第2側面、第3側面、及び第4側面のうち少なくとも一の側面を撮像する第1撮像手段と、第5側面及び第6側面のうち少なくとも一の側面を撮像する第2撮像手段と、を備え、第1撮像手段は、撮像対象となる一の側面の撮像を行う第1撮像部と、第1撮像部の撮像対象面の照明を行う第1照明部とを有し、第1照明部は、一対の開口が設けられており、該一対の開口のうち一方の開口から他方の開口に向かう側に窪む凹曲面状とされると共に第1撮像部の撮像軸線を囲む内壁面を含み、内壁面が第1撮像部の撮像軸線周りに分割されることにより、あるいは一体に構成される第1保持部材と、第1撮像部の撮像軸線を囲むように第1保持部材の内壁面において保持され、第1保持部材の一方の開口側に向けて光を照射する第1投光部材とを含み、第1撮像部よりも検査対象物保持手段上に位置する検査対象物寄りとなると共に、第1保持部材の一方の開口が検査対象物保持手段上に位置する検査対象物における第1撮像部の撮像対象面に向かうように配置され、第2撮像手段は、撮像対象となる一の側面の撮像を行う第2撮像部と、第2撮像部の撮像対象面の照明を行う第2照明部とを有し、第2照明部は、一対の開口が設けられており、該一対の開口のうち一方の開口から他方の開口に向かう側に窪む凹曲面状とされると共に第2撮像部の撮像軸線を囲む内壁面を含み、内壁面が第2撮像部の撮像軸線周りに分割されることにより、あるいは一体に構成される第2保持部材と、第2撮像部の撮像軸線を囲むように第2保持部材の内壁面において保持され、第2保持部材の一方の開口側に向けて光を照射する第2投光部材とを含み、第2撮像部よりも検査対象物保持手段上に位置する検査対象物寄りとなると共に、第2保持部材の一方の開口が検査対象物保持手段上に位置する検査対象物における第2撮像部の撮像対象面に向かうように配置され、第1撮像部及び第2撮像部は、入射光を分光して色彩ごとに撮像し、第1投光部材は、赤色発光素子と、緑色発光素子と、青色発光素子とから構成され、第2投光部材は、白色発光素子から構成されていることを特徴とする。
【0009】
この外観検査装置では、素体の外表面及び第5側面及び第6側面からはみ出した外部電極の外表面の一部から構成される電子部品の第1側面、第2側面、第3側面、第4側面をそれぞれ撮像する第1撮像手段の第1投光部材は、赤色発光素子と、緑色発光素子と、青色発光素子とから構成されている。また、外部電極の外表面から構成される電子部品の第5側面、第6側面をそれぞれ撮像する第2撮像手段の第2投光部材は、白色発光素子から構成されている。このような構成とすることによって、RGB三色照明で検査することが好適な第1〜第4側面に対してはRGB三色照明で検査することが可能となり、白色発光素子を照射して検査することが好適な第5及び第6側面に対しては白色発光素子を照射して検査することが可能となる。これによって、電子部品の6面全てを精度よく検査することができる。特に、6面全てをRGB三色照明で検査する場合に比して外部電極で覆われている第5及び第6側面の欠陥検出精度を向上させることができる。
【0010】
また、本発明に係る外観検査装置では、第1投光部材は、第1保持部材の一方の開口側に、赤色発光素子が第1撮像部の撮像軸線を取り囲むように複数配置され、第1保持部材の他方の開口側に、青色発光素子が第1撮像部の撮像軸線を取り囲むように複数配置され、複数の赤色発光素子と複数の青色発光素子との間に、緑色発光素子が第1撮像部の撮像軸線を取り囲むように複数配置されて構成されることが好ましい。これによれば、第1投光部材については、素体の外表面及び外部電極の外表面からなる電子部品の第1〜第4側面に対して、青色の光、緑色の光、赤色の光の順に大きな角度から照明することが可能な構成となる。これによって、例えば素体が誘電体で構成されており、素体の外表面と外部電極の外表面とのコントラスト差が小さくなるチップコンデンサやセラミックインダクタなどについては、好適な照明角度となり、検査精度を向上させることができる。
【0011】
また、本発明に係る外観検査装置では、第1投光部材は、第1保持部材の一方の開口側に、青色発光素子が第1撮像部の撮像軸線を取り囲むように複数配置され、第1保持部材の他方の開口側に、赤色発光素子が第1撮像部の撮像軸線を取り囲むように複数配置され、複数の赤色発光素子と複数の青色発光素子との間に、緑色発光素子が第1撮像部の撮像軸線を取り囲むように複数配置されて構成されることが好ましい。これによれば、第1投光部材については、素体の外表面及び外部電極の外表面からなる電子部品の第1〜第4側面に対して、赤色の光、緑色の光、青色の光の順に大きな角度から照明することが可能な構成となる。これによって、例えば素体がフェライトで構成されており、素体の外表面と外部電極の外表面とのコントラスト差が大きくなるフェライトインダクタについては、好適な照明角度となり、検査精度を向上させることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、検査対象物である電子部品の全ての面を精度よく検査することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本実施形態に係る外観検査装置の全体を示す上面図である。
【図2】図2は、本実施形態に係る外観検査装置を示すブロック図である。
【図3】図3は、素体供給ユニットを示す斜視図である。
【図4】図4は、第1姿勢矯正ユニットを示す斜視図である。
【図5】図5は、第2姿勢矯正ユニットを示す斜視図である。
【図6】図6は、第1撮像ユニットを一部破断して示す図である。
【図7】図7は、第1撮像ユニットのドーム状照明を下方から見た図である。
【図8】図8は、第2撮像ユニットを一部破断して示す図である。
【図9】図9は、第3撮像ユニットを一部破断して示す図である。
【図10】図10は、第4撮像ユニットを一部破断して示す図である。
【図11】図11は、第5撮像ユニットを一部破断して示す図である。
【図12】図12は、第6撮像ユニットを一部破断して示す図である。
【図13】図13は、良品回収ボックス又は不良品回収ボックスを一部破断して示す図である。
【図14】図14は、本実施形態に係る外観検査装置の検査対象物である電子部品を示す斜視図である。
【図15】図15は、本実施形態に係る外観検査装置で素体の外表面を観察した実施例を示す図である。
【図16】図16は、本実施形態に係る外観検査装置で外部電極のみの外表面を観察した実施例を示す図である。
【図17】図17は、本実施形態に係る外観検査装置の他の例の全体を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係る外観検査装置10の好適な実施形態について、図面を参照して説明する。外観検査装置10は、チップコンデンサやチップインダクタ等といった電子部品1の表面における欠陥の有無を検出するものである。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0015】
[素体の構成]
まず、電子部品(検査対象物)1について、図14を参照して説明する。電子部品1は、略直方体形状のコンデンサやセラミックインダクタやフェライトインダクタなどの各種電子部品が適用される。電子部品1は、略直方体状の素体2における、長手方向に互いに対向する一対の側面を覆うように外部電極3,4を形成することによって構成される。素体2は、コンデンサの内部電極となる電極パターンや、インダクタとして機能させるための内部導体となる導体パターンが形成されたセラミックグリーンシート等を複数積層して圧着し、所定温度にて所定時間焼成した後、バレル研磨することで構成される。
【0016】
外部電極3は、素体2の長手方向の一端面を覆うと共に、一端面と隣接する側面の端部の一部を覆うように形成されている。また、外部電極4は、素体2の長手方向の他端面を覆うと共に、他端面と隣接する側面の端部の一部を覆うように形成されている。外部電極3,4は、素体2にCuなどを主成分とする電極ペーストを転写した後に所定温度にて焼き付け、更にNi/Su等の電気めっきを施すことによって形成される。
【0017】
電子部品1は、略直方体形状を呈している。電子部品1は、X軸方向(以下、「高さ方向」という)に対向する一対の側面s1(第1側面),s3(第3側面)と、Y軸方向(以下、「幅方向」という)に対向する一対の側面s2(第2側面),s4(第4側面)と、Z軸方向(以下、「長さ方向」という)に対向する一対の側面s5(第5側面),s6(第6側面)とを有している。そのため、側面s1,s2と側面s3,s4とは隣り合うように位置しており、側面s1,s2と側面s5,s6とは隣り合うように位置しており、側面s3,s4と側面s5,s6とは隣り合うように位置している。また、側面s1,s2は、側面s3と側面s4とを連結すると共に側面s5と側面s6とを連結し、側面s3,s4は、側面s1と側面s2とを連結すると共に側面s5と側面s6とを連結し、側面s5,s6は、側面s1と側面s2とを連結すると共に側面s3と側面s4とを連結している。側面s1、側面s2、側面s3、及び側面s4は、素体2の外面と外部電極3,4のはみ出し部分の外面とから構成され、側面s5は外部電極3の外面のみから構成され、側面s6は外部電極4の外面のみから構成される。
【0018】
ここで、素体2が電子部品となったときにいわゆる0402や0603と呼ばれる大きさとなるように素体2の大きさを設定することが好ましく、素体2の高さは、例えば0.2mm〜0.5mm程度に設定することができ、素体2の幅は、例えば0.2mm〜0.5mm程度に設定することができ、素体2の長さは、例えば0.4mm〜1mm程度に設定することができる。なお、素体2の稜部は、素体2を形成する際のバレル研磨工程によって面取りされており、丸みを帯びた状態となっている。
【0019】
[外観検査装置の構成]
続いて、外観検査装置10の構成について、図1及び図2を参照して説明する。外観検査装置10は、図1及び図2に示されるように、透明テーブル(検査対象物保持手段)Tと、素体供給ユニットA10と、第1姿勢矯正ユニットB10と、第2姿勢矯正ユニットC10と、第1撮像ユニットD10(第1撮像手段)と、第2撮像ユニットE10(第1撮像手段)と、第3撮像ユニットF10(第1撮像手段)と、第4撮像ユニットG10(第1撮像手段)と、第5撮像ユニットH10(第2撮像手段)と、第6撮像ユニットI10(第2撮像手段)と、良品回収ユニットJ10と、不良品回収ユニットK10と、制御部12とを備える。
【0020】
透明テーブルTは、例えばガラス、合成樹脂によって構成されている。透明テーブルTは、図1に示されるように、上方から見て略円形状を呈しており、その直径は、例えば40cm〜50cm程度に設定することができる。
【0021】
透明テーブルTの下面側には、例えばサーボモータ(図示せず)が配置されている。透明テーブルTは、このサーボモータによって駆動され、自身の中心軸Aを中心に図1の矢印R方向に回転(自転)する。
【0022】
透明テーブルTの周縁近傍には、透明テーブルTの回転方向(矢印R方向)に沿って、素体供給ユニットA10、第1姿勢矯正ユニットB10、第2姿勢矯正ユニットC10、第1撮像ユニットD10、第2撮像ユニットE10、第3撮像ユニットF10、第4撮像ユニットG10、第5撮像ユニットH10、第6撮像ユニットI10、良品回収ユニットJ10及び不良品回収ユニットK10がこの順に配置されている(図1参照)。
【0023】
[素体供給ユニットの構成]
続いて、素体供給ユニットA10の構成について、図3を参照して説明する。素体供給ユニットA10は、ホッパA12と、第1リニアフィーダA14と、ボールフィーダA16と、第2リニアフィーダA18とを有する。
【0024】
ホッパA12は、漏斗形状を呈しており、電子部品1を所定量貯蔵する。ホッパA12は、その底部が開閉可能となっており、底部が開放されると貯蔵している電子部品1を第1リニアフィーダA14に供給する。なお、ホッパA12には、人手により多数の電子部品1が供給される。
【0025】
第1リニアフィーダA14は、シュートA14a及び駆動部A14bによって構成されている。シュートA14aは、その長手方向に延びるU字状又はV字状の溝を有しており、この溝に沿って電子部品1を案内することにより、電子部品1をボールフィーダA16に向けて搬送する。駆動部A14bは、図示しない電磁石と板バネとを有する電磁式のものであり、電磁石の振動が板バネにより増幅されることで自ら振動する。駆動部A14bは、自ら振動することによりシュートA14aを振動させ、シュートA14aに形成された溝に沿ってホッパA12から供給された電子部品1をボールフィーダA16に押し出す。
【0026】
ボールフィーダA16は、ボールA16aと、駆動部A16bとを有しており、いわゆるロータリフィーダである。ボールA16aは、その内部の周方向の側面が下部に向かうのに伴い径が小さくなるすり鉢状傾斜面を呈しており、周方向の側面に螺旋状の溝が形成されている。駆動部A16bは、図示しない電磁石と板バネとを有する電磁式のものであり、電磁石の振動が板バネにより増幅されることで自ら振動する。駆動部A16bは、自ら振動することによりボールA16aを振動させ、ボールA16aに形成された螺旋状の溝に沿って電子部品1を徐々に上昇させながら電子部品1の姿勢を揃えて、電子部品1を第2リニアフィーダA18に押し出す。
【0027】
第2リニアフィーダA18は、シュートA18a及び駆動部A18bによって構成されている。シュートA18aは、その長手方向に延びるU字状又はV字状の溝を有しており、この溝に沿って電子部品1を案内することにより、電子部品1を透明テーブルTに向けて搬送する。シュートA18aは、透明テーブルTの外周の接線方向に沿って延びており、その先端が透明テーブルTの表面上に位置している。駆動部A18bは、図示しない電磁石と板バネとを有する電磁式のものであり、電磁石の振動が板バネにより増幅されることで自ら振動する。駆動部A18bは、自ら振動することによりシュートA18aを振動させ、シュートA18aに形成された溝に沿ってボールフィーダA16から供給された電子部品1を透明テーブルTに押し出す。これにより、電子部品1が透明テーブルTの表面における周縁部に供給されることとなる。なお、本実施形態においては、電子部品1の側面s3が透明テーブルTの表面に当接すると共に電子部品1の側面s4が透明テーブルTの中心軸A側に向くように、電子部品1を第2リニアフィーダA18によって透明テーブルTに供給している。
【0028】
[第1姿勢矯正ユニットの構成]
続いて、第1姿勢矯正ユニットB10の構成について、図4を参照して説明する。第1姿勢矯正ユニットB10は、一対の姿勢矯正アームB12,B14を有する。
【0029】
姿勢矯正アームB12は、図4に示されるように、基部B12aと、腕部B12bと、突出部B12cとを有する。基部B12aは、透明テーブルTの表面と略平行となるように、透明テーブルTの外方から透明テーブルTに向けて、透明テーブルTの径方向に延びている。腕部B12bは、基部B12aの先端に接続されており、透明テーブルTの表面と略平行となるように、透明テーブルTの外周の接線方向に沿って延びている。突出部B12cは、腕部B12bの先端に接続されおり、腕部B12bの先端から下方(透明テーブルTの表面側)に向けて突出している。
【0030】
ここで、基部B12a及び腕部B12bは、共に、透明テーブルTの表面から所定の距離だけ離間した状態で透明テーブルT上に配置されている。基部B12a及び腕部B12bと透明テーブルTの表面との離間距離は、透明テーブルT上に供給された電子部品1が第1姿勢矯正ユニットB10を通過する際に、電子部品1が基部B12a及び腕部B12bに接触しない程度(電子部品1の側面s1が透明テーブルTの表面に当接した状態となる本実施形態においては、少なくとも電子部品1の高さを超える程度)に設定されている。一方、突出部B12cの下面(透明テーブルTの表面と対向する面)は、透明テーブルTの表面から僅かに離間している。
【0031】
姿勢矯正アームB14は、基部B14aと、腕部B14bとによって構成されている。基部B14aは、透明テーブルTの表面と略平行となるように、透明テーブルTの外方から透明テーブルTに向けて、透明テーブルTの径方向に延びている。腕部B14bは、基部B14aの先端に接続されており、透明テーブルTの表面と略平行となるように、透明テーブルTの外周の接線方向に沿って延びている。腕部B14bは、基部B14aよりも下方(透明テーブルTの表面側)に向けて突出している。
【0032】
ここで、基部B14aは、透明テーブルTの表面から所定の距離だけ離間した状態で透明テーブルT上に配置されている。基部B14aと透明テーブルTの表面との離間距離は、透明テーブルT上に供給された電子部品1が第1姿勢矯正ユニットB10を通過する際に、電子部品1が基部B14aに接触しない程度(電子部品1の側面s3が透明テーブルTの表面に当接した状態となる本実施形態においては、少なくとも電子部品1の高さを超える程度)に設定されている。一方、腕部B14bの下面(透明テーブルTの表面と対向する面)は、透明テーブルTの表面から僅かに離間している。
【0033】
姿勢矯正アームB12の先端部(突出部B12cのうち透明テーブルTの回転方向に向かう側の端部)B12d及び姿勢矯正アームB14の先端部(腕部B14bのうち透明テーブルTの回転方向に向かう側の端部)B14cは、第2リニアフィーダA18のシュートA18aの先端に向かうと共に、当該先端から僅かに離間している。また、姿勢矯正アームB12の先端部B12d(突出部B12c)と姿勢矯正アームB14の先端部B14c(腕部B14b)との離間距離は、電子部品1が通過可能であると共に通過する電子部品1の姿勢が大きく崩されない程度(電子部品1の側面s4が透明テーブルTの中心軸A側に向く状態となる本実施形態においては、電子部品1の幅よりも僅かに広い程度)に設定されている。
【0034】
以上のように姿勢矯正アームB12,B14が構成されているため、突出部B12c及び腕部B14bが電子部品1を案内する機能を発揮することとなるから、電子部品1がシュートA18aから透明テーブルTに供給される際に、シュートA18aの溝と透明テーブルTの表面との間に生じている段差を電子部品1が通過しても、当該段差によって電子部品1の姿勢が崩されることなく透明テーブルTに電子部品1が供給されるようになっている。また、基部B12aが透明テーブルTの表面から所定の距離だけ離間しているから、電子部品1が突出部B12cと腕部B14bとの間を通過した後に、姿勢矯正アームB12の基部B12aによって阻害されることなく電子部品1が透明テーブルTによって搬送されるようになっている。
【0035】
[第2姿勢矯正ユニットの構成]
続いて、第2姿勢矯正ユニットC10の構成について、図5を参照して説明する。第2姿勢矯正ユニットC10は、図5に示されるように、姿勢矯正部材C12と、一対のアームC14,16と、レーザ発光器C18と、レーザ受光器C20とを有する。
【0036】
姿勢矯正部材C12は、略直方体形状を呈する基部C12aと、基部C12aの先端に設けられた姿勢矯正部C12bとを有する。姿勢矯正部材C12は、姿勢矯正部C12bが透明テーブルTの中心軸A側に向かうように、透明テーブルTの周縁に配置されている。
【0037】
姿勢矯正部C12bは、基部C12aと接続されている基端部から透明テーブルTの中心軸A側の先端部に向かうにつれて、その厚みが薄くなっている。そのため、姿勢矯正部C12bは、側方から見たときに、三角形状を呈している。また、姿勢矯正部C12bの先端C12cは、透明テーブルTの中心軸A側(基部C12aから姿勢矯正部C12bに向かう方向)に向けて突出する円弧状を呈している。この円弧状の先端C12cに電子部品1の側面s2が当接しつつ電子部品1が透明テーブルTによって搬送されることで、電子部品1の傾きが矯正される。姿勢矯正部材C12によって電子部品1の姿勢を矯正することで、姿勢矯正部材C12を通過する全ての電子部品1が所望の姿勢(具体的には、透明テーブルTの径方向に対する電子部品1の幅方向の傾きが±5°以内)となるようにする。これにより、いずれの電子部品1においても、撮像条件を略均一にすることが可能となる。
【0038】
アームC14は、側方から見てL字形状を呈しており、その一端が姿勢矯正部材C12の基部C12aの上面側に接続され、その他端が透明テーブルTの中心軸A側(基部C12aから姿勢矯正部C12bに向かう方向)に向けて延びている。そのため、アームC14は、透明テーブルTの表面側に位置している。アームC14の他端には、レーザ発光器C18が設けられている。レーザ発光器C18は、レーザ光Lを、アームC14の他端から透明テーブルT及びレーザ受光器C20に向けて照射する。このレーザ光Lの照射位置は、姿勢矯正部C12bの先端C12cにおける頂部よりもやや透明テーブルTの中心軸A側であって、電子部品1が姿勢矯正部C12bの先端C12cにおける頂部と接している場合には電子部品1にレーザ光Lが当たるような位置となっている。
【0039】
アームC16は、側方から見てL字形状を呈しており、その一端が姿勢矯正部材C12の基部C12aの下面側に接続され、その他端が透明テーブルTの中心軸A側(基部C12aから姿勢矯正部C12bに向かう方向)に向けて延びている。そのため、アームC16は、透明テーブルTの裏面側に位置している。アームC16の他端には、レーザ受光器C20が設けられている。レーザ受光器C20は、レーザ発光器C18からのレーザ光Lの入射の有無によって、姿勢矯正部C12bの先端C12cにおける頂部を電子部品1が通過したか否かを検出する。
【0040】
[第1撮像ユニットの構成]
続いて、第1撮像ユニットD10の構成について、図6を参照して説明する。第1撮像ユニットD10は、電子部品1の側面s1を撮像するためのものである。第1撮像ユニットD10による電子部品1の側面s1の撮像は、透明テーブルTの上方から行われる。第1撮像ユニットD10は、図6に示されるように、撮像が行われるカメラD12(第1撮像部)と、図示しないレンズを収容する鏡胴D14と、ドーム状照明D16(第1照明部)とを有し、ドーム状照明D16がカメラD12及び鏡胴D14よりも透明テーブルT上に位置する電子部品1寄りに位置するように透明テーブルTの上方に配置されている。
【0041】
カメラD12は、入射光を分光して色彩ごとに撮像することのできるカメラから構成されており、具体的には3CCDカメラが用いられる。この3CCDカメラは、プリズムで入射光を赤色光と緑色光と青色光に分光し、それぞれの光を独立した三つのCCDカメラで撮像することができるものである。カメラD12として3CCDカメラを用いることによって、CCDカメラを用いた場合に比して鮮明な画像を取得することができる。
【0042】
ドーム状照明D16は、椀状部材D16a(第1保持部材)と、投光部材D16b(第1投光部材)とにより構成されている。椀状部材D16aは、開口D16c(一方の開口)が設けられた側壁部D16dと、鏡胴D14と連通する開口D16e(他方の開口)が中央部分に設けられた基部D16fとを含む。側壁部D16dは、内壁面が開口D16cから開口D16eに向かう側に向けて窪んだ凹曲面状(例えば、球面状や放物面状)とされている。基部D16fは、平板状を呈しており、開口D16cとは反対側に配置されている。
【0043】
ドーム状照明D16は、椀状部材D16aの開口D16cが透明テーブルT上に位置する電子部品1の側面s1に向かうように、透明テーブルTの上方に配置されている。そのため、カメラD12の撮像軸線DLは、鏡胴D14、基部D16fの開口D16e、側壁部D16d及び開口D16cを通って、電子部品1に向かうこととなる。つまり、カメラD12の撮像軸線DLは、側壁部D16dの内壁面によって取り囲まれている。
【0044】
投光部材D16bは、例えば複数の発光LED(LightEmitting Diode)から構成される。投光部材D16bを構成する発光LEDは、側壁部D16dの内壁面全体及び基部D16fの内壁面全体にわたって配置されている。そのため、投光部材D16bもカメラD12の撮像軸線DLを取り囲んでおり、基部D16fの内壁面に配置されている投光部材D16bによって、電子部品1の側面s1の垂線に沿った方向から電子部品1の側面s1が照明されると共に、側壁部D16dの内壁面に配置されている投光部材D16bによって、電子部品1の側面s1の垂線に対して0°を超え且つ90°未満の方向から電子部品1の側面s1が照明され、電子部品1の側面s1からの反射光が鏡胴D14及びカメラD12に導入されて、電子部品1の側面s1が撮像されることとなる。
【0045】
このように、電子部品1の側面s1の垂線に沿った方向から電子部品1の側面s1が照明されることで、電子部品1の側面s1における傷、凹凸、欠け等を明瞭に映し出すことができる。また、電子部品1の側面s1の垂線に対して0°を超え且つ90°未満の方向から電子部品1の側面s1が照明されることで、電子部品1の側面s1が様々な方向(角度)から照明され、クラックやチッピングといった電子部品1の側面s1から内部へと繋がる欠陥を明瞭に映し出すことができる。
【0046】
特に、本実施形態では、図6及び図7に示すように、投光部材D16bは、赤色の光を発する赤色発光素子LE1と、緑色の光を発する緑色発光素子LE2と、青色の光を発する青色発光素子LE3とから構成されている。電子部品1がコンデンサやセラミックインダクタの場合は、側壁部D16dの内壁面の開口D16c側に、赤色発光素子LE1が撮像軸線DLを全周にわたって取り囲むように複数配置され、側壁部D16dの内壁面の開口D16e側及び基部D16fの内壁面に青色発光素子LE3が撮像軸線DLを全周にわたって取り囲むように複数配置され、側壁部D16dの内壁面における複数の赤色発光素子LE1と複数の青色発光素子LE3との間に、緑色発光素子LE2が撮像軸線DLを全周にわたって取り囲むように複数配置されている。このように配置することによって、素体2の外表面及び外部電極3,4の外表面からなる電子部品1の側面s1に対して、青色の光、緑色の光、赤色の光の順に大きな角度から照明することが可能となる。従って、電子部品1の側面s1に対しては、赤色発光素子LE1の赤色光は他の発光素子に比して最も浅い投光角度(側面s1に対する発光素子の光軸の角度)で照射され、青色発光素子LE3の青色光は他の発光素子に比して最も大きい投光角度で照射され、緑色発光素子LE2の緑色光は赤色光よりも大きく青色光よりも浅い投光角度で照射される。例えば、赤色の光は10〜30°、緑色の光は35〜50°、青色の光は60〜75°で照射される検査の際は赤色発光素子LE1、緑色発光素子LE2、青色発光素子LE3の光を同時に照射する。
【0047】
青色光を電子部品1の側面s1に照射することによって、素体2及び外部電極3,4の外表面のクラックやキズや剥れなどの欠陥部分を際立たせ易くすることができる。また、青色光の投光角度を大きくすることによって側面s1の欠陥部分をより効果的に際立たせることができる。一方、赤色光を電子部品1の側面s1に照射することによって、外部電極3,4及び内部電極の浮き上がりといった、電子部品1の内部に存在する欠陥部分を際立たせ易くすることができる。また、赤色光の投光角度を浅くすることによって、内部に存在する欠陥部分を効果的に際立たせることが可能となると共に、欠けなどの電子部品1の形状不良を検出しやすくすることが可能となる。また、緑色光を電子部品1の側面s1に照射することによって、素体2及び外部電極3,4の外表面の化学反応(例えば焼成時における化学反応)による染みなどの変色を際立たせ易くすることができる。
【0048】
[第2撮像ユニットの構成]
続いて、第2撮像ユニットE10の構成について、図8を参照して説明する。第2撮像ユニットE10は、電子部品1の側面s2を撮像するためのものである。第2撮像ユニットE10による電子部品1の側面s2の撮像は、透明テーブルTの径方向における外方から行われる。第2撮像ユニットE10は、図8に示されるように、撮像が行われるカメラE12(第1撮像部)と、図示しないレンズを収容する鏡胴E14と、プリズムアダプタE16と、一対の半筒状照明E18,E20(第1照明部)とを有し、一対の半筒状照明E18,E20がカメラE12、鏡胴E14及びプリズムアダプタE16よりも透明テーブルT上に位置する電子部品1寄りに位置するように透明テーブルTの周縁よりも外方に配置されている。カメラE12は、入射光を分光して色彩ごとに撮像することのできるカメラから構成されており、具体的には3CCDカメラが用いられる。
【0049】
プリズムアダプタE16は、電子部品1の側面s2からの反射光が導入される開口部E16aと、開口部E16aから導入された反射光を反射する直角プリズムE16bと、鏡胴E14の先端と接続されると共に直角プリズムE16bによって反射された反射光を鏡胴E14及びカメラE12に向けて導出する開口部E16cとを含んで構成されている。
【0050】
一対の半筒状照明E18,E20は、一対の開口が設けられており、該一対の開口のうち一方の開口から他方の開口に向かう側に窪む凹曲面状とされると共にカメラE12の撮像軸線ELを囲む内壁面を撮像軸線EL周りに分割することによって構成された半筒状部材E18a,E20a(第1保持部材)と、撮像軸線ELを囲むように半筒状部材E18a,E20aの内壁面において保持され、半筒状部材E18a,E20aの一方の開口側に向けて光を照射する複数の投光部材E18b,E20b(第1投光部材)とを含んで構成されている。具体的には、半筒状部材E18a,E20aは、それぞれ、側壁部E18c,E20cと、基部E18d,E20dとを含む。側壁部E18c,E20cは、内壁面が半筒状部材E18a,E20aの基端E18e,E20e側から先端E18f、E20f側に向かうにつれて拡径された曲面状(例えば、球面状や放物面状)とされている。基部E18d,E20dは、平板状を呈しており、半筒状部材E18a,E20aの基端E18e,E20e側に配置されている。つまり、一対の半筒状照明E18,E20は、ドーム状照明D16が開口D16c及び開口D16eの双方と交差する平面にて2つに分割されたものとなっている。そのため、一対の半筒状照明E18,E20は、それぞれ分割面E18g,E20gを有している。なお、請求項における「一方の開口」は、半筒状部材E18a,E20aの先端E18f、E20fによって構成され、請求項における「他方の開口」は側壁部E18c,E20cの基端E18e,E20e側の端部によって構成される。
【0051】
一対の半筒状照明E18,E20は、分割面E18g,E20gが透明テーブルTの表面と略平行となるように配置されている。また、一対の半筒状照明E18,E20は、半筒状部材E18a,E20aの先端E18f、E20fが透明テーブルT上に位置する電子部品1の側面s2に向かい、互いの内壁面が向かい合い、且つ、透明テーブルTの中心軸Aに沿って透明テーブルTの表面を含む仮想平面Vを間に置くように配置されている。そのため、カメラE12の撮像軸線ELは、鏡胴E14及びプリズムアダプタE16の開口部E16cを通って直角プリズムE16bによりその向きが変えられ、その後プリズムアダプタE16の開口部E16a及び半筒状照明E18と半筒状照明E20との間を通って、電子部品1に向かうこととなる。
【0052】
投光部材E18b,E20bは、例えば発光LEDである。投光部材E18b,E20bは、側壁部E18c,E20cの内壁面全体及び基部E18d,E20dの内壁面全体にわたって配置されている。そのため、基部E18d,E20dの内壁面に配置されている投光部材E18b,E20bによって、電子部品1の側面s2の垂線に沿った方向から電子部品1の側面s2が照明されると共に、側壁部E18c,E20cの内壁面に配置されている投光部材E18b,E20bによって、電子部品1の側面s2の垂線に対して0°を超え且つ90°未満の方向から電子部品1の側面s2が照明され、電子部品1の側面s2からの反射光が鏡胴E14及びカメラE12に導入されて、電子部品1の側面s2が撮像されることとなる。
【0053】
このように、電子部品1の側面s2の垂線に沿った方向から電子部品1の側面s2が照明されることで、電子部品1の側面s2における傷、凹凸、欠け等を明瞭に映し出すことができる。また、電子部品1の側面s2の垂線に対して0°を超え且つ90°未満の方向から電子部品1の側面s2が照明されることで、電子部品1の側面s2が様々な方向(角度)から照明され、クラックやチッピングといった電子部品1の側面s2から内部へと繋がる欠陥を明瞭に映し出すことができる。
【0054】
特に、本実施形態では、図8に示すように、投光部材E18b,E20bは、赤色の光を発する赤色発光素子LE1と、緑色の光を発する緑色発光素子LE2と、青色の光を発する青色発光素子LE3とから構成されている。電子部品1がコンデンサやセラミックインダクタの場合は、側壁部E18c,E20cの内壁面の先端E18f、E20f側に、赤色発光素子LE1が撮像軸線ELを略全周にわたって取り囲むように複数配置され、側壁部E18c,E20cの内壁面の基端E18e,E20e側及び基部E18d,E20dの内壁面に青色発光素子LE3が撮像軸線ELを略全周にわたって取り囲むように複数配置され、側壁部E18c,E20cの内壁面における複数の赤色発光素子LE1と複数の青色発光素子LE3との間に、緑色発光素子LE2が撮像軸線ELを略全周にわたって取り囲むように複数配置されている。このように配置することによって、素体2の外表面及び外部電極3,4の外表面からなる電子部品1の側面s2に対して、青色の光、緑色の光、赤色の光の順に大きな角度から照明することが可能となる。従って、電子部品1の側面s2に対しては、赤色発光素子LE1の赤色光は他の発光素子に比して最も浅い投光角度(側面s2に対する発光素子の光軸の角度)で照射され、青色発光素子LE3の青色光は他の発光素子に比して最も大きい投光角度で照射され、緑色発光素子LE2の緑色光は赤色光よりも大きく青色光よりも浅い投光角度で照射される。例えば、赤色の光は10〜30°、緑色の光は35〜50°、青色の光は60〜75°で照射される。検査の際は赤色発光素子LE1、緑色発光素子LE2、青色発光素子LE3の光を同時に照射する。
【0055】
[第3撮像ユニットの構成]
続いて、第3撮像ユニットF10の構成について、図9を参照して説明する。第3撮像ユニットF10は、電子部品1の側面s3を撮像するためのものである。第3撮像ユニットF10による電子部品1の側面s3の撮像は、透明テーブルTの下方から透明テーブルTを通して行われる。第3撮像ユニットF10は、図9に示されるように、撮像が行われるカメラF12(第1撮像部)と、図示しないレンズを収容する鏡胴F14と、プリズムアダプタF16と、ドーム状照明F18(第1照明部)とを有し、ドーム状照明F18がカメラF12、鏡胴F14及びプリズムアダプタF16よりも透明テーブルT上に位置する電子部品1寄りに位置するように透明テーブルTの下方に配置されている。カメラF12は、入射光を分光して色彩ごとに撮像することのできるカメラから構成されており、具体的には3CCDカメラが用いられる。
【0056】
プリズムアダプタF16は、電子部品1の側面s3からの反射光が導入される開口部F16aと、開口部F16aから導入された反射光を反射する直角プリズムF16bと、鏡胴F14の先端と接続されると共に直角プリズムF16bによって反射された反射光を鏡胴F14及びカメラF12に向けて導出する開口部F16cとを含んで構成されている。
【0057】
ドーム状照明F18は、椀状部材F18a(第1保持部材)と、複数の投光部材F18b(第1投光部材)とにより構成されている。椀状部材F18aは、開口F18c(一方の開口)が設けられた側壁部F18dと、開口F18e(他方の開口)が中央部分に設けられた基部F18fとを含む。側壁部F18dは、内壁面が開口F18cから開口F18eに向かう側に向けて窪んだ凹曲面状(例えば、球面状や放物面状)とされている。基部F18fは、平板状を呈しており、開口F18cとは反対側に配置されている。
【0058】
ドーム状照明F18は、椀状部材F18aの開口F18cが透明テーブルT上に位置する電子部品1の側面s3に向かうように、透明テーブルTの下方に配置されている。そのため、カメラF12の撮像軸線FLは、鏡胴F14及びプリズムアダプタF16の開口部F16cを通って直角プリズムF16bによりその向きが変えられ、その後プリズムアダプタF16の開口部F16a、基部F18fの開口F18e、側壁部F18d及び開口F18cを通って、電子部品1に向かうこととなる。つまり、カメラF12の撮像軸線FLは、側壁部F18dの内壁面によって取り囲まれている。
【0059】
投光部材F18bは、例えば発光LEDである。投光部材F18bは、側壁部F18dの内壁面全体及び基部F18fの内壁面全体にわたって配置されている。そのため、投光部材F18bもカメラF12の撮像軸線FLを取り囲んでおり、基部F16fの内壁面に配置されている投光部材F18bによって、電子部品1の側面s3の垂線に沿った方向から電子部品1の側面s3が照明されると共に、側壁部F18dの内壁面に配置されている投光部材F18bによって、電子部品1の側面s3の垂線に対して0°を超え且つ90°未満の方向から電子部品1の側面s3が照明されて、電子部品1の側面s3からの反射光が直角プリズムF16bを介して鏡胴F14及びカメラF12に導入されて、電子部品1の側面s3が撮像されることとなる。
【0060】
このように、電子部品1の側面s3の垂線に沿った方向から電子部品1の側面s3が照明されることで、電子部品1の側面s3における傷、凹凸、欠け等を明瞭に映し出すことができる。また、電子部品1の側面s3の垂線に対して0°を超え且つ90°未満の方向から電子部品1の側面s3が照明されることで、電子部品1の側面s3が様々な方向(角度)から照明され、クラックやチッピングといった電子部品1の側面s3から内部へと繋がる欠陥を明瞭に映し出すことができる。
【0061】
特に、本実施形態では、図9に示すように、投光部材F18bは、赤色の光を発する赤色発光素子LE1と、緑色の光を発する緑色発光素子LE2と、青色の光を発する青色発光素子LE3とから構成されている。電子部品1がコンデンサやセラミックインダクタの場合は、側壁部F18dの内壁面の開口F18c側に、赤色発光素子LE1が撮像軸線FLを全周にわたって取り囲むように複数配置され、側壁部F18dの内壁面の開口F18e側及び基部F18fの内壁面に青色発光素子LE3が撮像軸線FLを全周にわたって取り囲むように複数配置され、側壁部F18dの内壁面における複数の赤色発光素子LE1と複数の青色発光素子LE3との間に、緑色発光素子LE2が撮像軸線FLを全周にわたって取り囲むように複数配置されている。このように配置することによって、素体2の外表面及び外部電極3,4の外表面からなる電子部品1の側面s3に対して、青色の光、緑色の光、赤色の光の順に大きな角度から照明することが可能となる。従って、電子部品1の側面s3に対しては、赤色発光素子LE1の赤色光は他の発光素子に比して最も浅い投光角度(側面s3に対する発光素子の光軸の角度)で照射され、青色発光素子LE3の青色光は他の発光素子に比して最も大きい投光角度で照射され、緑色発光素子LE2の緑色光は赤色光よりも大きく青色光よりも浅い投光角度で照射される。例えば、赤色の光は10〜30°、緑色の光は35〜50°、青色の光は60〜75°で照射される。検査の際は赤色発光素子LE1、緑色発光素子LE2、青色発光素子LE3の光を同時に照射する。
【0062】
[第4撮像ユニットの構成]
続いて、第4撮像ユニットG10の構成について、図10を参照して説明する。第4撮像ユニットG10は、電子部品1の側面s4を撮像するためのものである。第4撮像ユニットG10による電子部品1の側面s4の撮像は、透明テーブルTの径方向における内方から行われる。第4撮像ユニットG10は、図9に示されるように、撮像が行われるカメラG12(第1撮像部)と、図示しないレンズを収容する鏡胴G14と、プリズムアダプタG16と、一対の半筒状照明G18,G20(第1照明部)とを有し、一対の半筒状照明G18,G20がカメラG12、鏡胴G14及びプリズムアダプタG16よりも透明テーブルT上に位置する電子部品1寄りに位置するように透明テーブルTの周縁近傍に配置されている。カメラG12は、入射光を分光して色彩ごとに撮像することのできるカメラから構成されており、具体的には3CCDカメラが用いられる。
【0063】
プリズムアダプタG16は、電子部品1の側面s4からの反射光が導入される開口部G16aと、開口部G16aから導入された反射光を反射する直角プリズムG16bと、鏡胴G14の先端と接続されると共に直角プリズムG16bによって反射された反射光を鏡胴G14及びカメラG12に向けて導出する開口部G16cとを含んで構成されている。なお、プリズムアダプタG16と比較して電子部品1が小さいことから、直角プリズムG16bは、図10に示されるように、プリズムアダプタG16内において透明テーブルTの表面側に向かうようにやや傾けられた状態となっている。
【0064】
一対の半筒状照明G18,G20は、一対の開口が設けられており、該一対の開口のうち一方の開口から他方の開口に向かう側に窪む凹曲面状とされると共にカメラG12の撮像軸線GLを囲む内壁面を撮像軸線GL周りに分割することによって構成された半筒状部材G18a,G20a(第1保持部材)と、撮像軸線GLを囲むように半筒状部材G18a,G20aの内壁面において保持され、半筒状部材G18a,G20aの一方の開口側に向けて光を照射する複数の投光部材G18b,G20b(第1投光部材)とを含んで構成されている。具体的には、半筒状部材G18a,G20aは、それぞれ、側壁部G18c,G20cと、基部G18d,G20dとを含む。側壁部G18c,G20cは、内壁面が半筒状部材G18a,G20aの基端G18e,G20e側から先端G18f、G20f側に向かうにつれて拡径された曲面状(例えば、球面状や放物面状)とされている。基部G18d,G20dは、平板状を呈しており、半筒状部材G18a,G20aの基端G18e,G20e側に配置されている。つまり、一対の半筒状照明G18,G20は、ドーム状照明D16が開口D16c及び開口D16eの双方と交差する平面にて2つに分割されたものとなっている。そのため、一対の半筒状照明G18,G20は、それぞれ分割面G18g,G20gを有している。なお、請求項における「一方の開口」は、半筒状部材G18a,G20aの先端G18f、G20fによって構成され、請求項における「他方の開口」は側壁部G18c,G20cの基端G18e,G20e側の端部によって構成される。
【0065】
一対の半筒状照明G18,G20は、分割面G18g,G20gが透明テーブルTの表面と略平行となるように配置されている。また、一対の半筒状照明G18,G20は、半筒状部材G18a,G20aの先端G18f、G20fが透明テーブルT上に位置する電子部品1の側面s4に向かい、互いの内壁面が向かい合い、且つ、透明テーブルTの中心軸Aに沿って透明テーブルTを間に置くように配置されている。そのため、カメラG12の撮像軸線GLは、鏡胴G14及びプリズムアダプタG16の開口部G16cを通って直角プリズムG16bによりその向きが変えられ、その後プリズムアダプタG16の開口部G16a及び半筒状照明G18と半筒状照明G20との間を通って、電子部品1に向かうこととなる。
【0066】
投光部材G18b,G20bは、例えば発光LEDである。投光部材G18b,G20bは、側壁部G18c,G20cの内壁面全体及び基部G18d,G20dの内壁面全体にわたって配置されている。そのため、基部G18d,G20dの内壁面に配置されている投光部材G18b,G20bによって、電子部品1の側面s4の垂線に沿った方向から電子部品1の側面s4が照明されると共に、側壁部G18c,G20cの内壁面に配置されている投光部材G18b,G20bによって、電子部品1の側面s4の垂線に対して0°を超え且つ90°未満の方向から電子部品1の側面s4が照明され、電子部品1の側面s4からの反射光が直角プリズムG16bを介して鏡胴G14及びカメラG12に導入されて、電子部品1の側面s4が撮像されることとなる。
【0067】
このように、電子部品1の側面s4の垂線に沿った方向から電子部品1の側面s4が照明されることで、電子部品1の側面s4における傷、凹凸、欠け等を明瞭に映し出すことができる。また、電子部品1の側面s4の垂線に対して0°を超え且つ90°未満の方向から電子部品1の側面s4が照明されることで、電子部品1の側面s4が様々な方向(角度)から照明され、クラックやチッピングといった電子部品1の側面s4から内部へと繋がる欠陥を明瞭に映し出すことができる。
【0068】
特に、本実施形態では、図10に示すように、投光部材G18b,G20bは、赤色の光を発する赤色発光素子LE1と、緑色の光を発する緑色発光素子LE2と、青色の光を発する青色発光素子LE3とから構成されている。電子部品1がコンデンサやセラミックインダクタの場合は、側壁部G18c,G20cの内壁面の先端G18f、G20f側に、赤色発光素子LE1が撮像軸線GLを略全周にわたって取り囲むように複数配置され、側壁部G18c,G20cの内壁面の基端G18e,G20e側及び基部G18d,G20dの内壁面に青色発光素子LE3が撮像軸線GLを略全周にわたって取り囲むように複数配置され、側壁部G18c,G20cの内壁面における複数の赤色発光素子LE1と複数の青色発光素子LE3との間に、緑色発光素子LE2が撮像軸線GLを略全周にわたって取り囲むように複数配置されている。このように配置することによって、素体2の外表面及び外部電極3,4の外表面からなる電子部品1の側面s4に対して、青色の光、緑色の光、赤色の光の順に大きな角度から照明することが可能となる。従って、電子部品1の側面s4に対しては、赤色発光素子LE1の赤色光は他の発光素子に比して最も浅い投光角度(側面s4に対する発光素子の光軸の角度)で照射され、青色発光素子LE3の青色光は他の発光素子に比して最も大きい投光角度で照射され、緑色発光素子LE2の緑色光は赤色光よりも大きく青色光よりも浅い投光角度で照射される。例えば、赤色の光は10〜30°、緑色の光は35〜50°、青色の光は60〜75°で照射される。検査の際は赤色発光素子LE1、緑色発光素子LE2、青色発光素子LE3の光を同時に照射する。
【0069】
[第5撮像ユニットの構成]
続いて、第5撮像ユニットH10の構成について、図11を参照して説明する。第5撮像ユニットH10は、電子部品1の側面s5を撮像するためのものである。第5撮像ユニットH10による電子部品1の側面s5の撮像は、透明テーブルTの回転方向Rにおける前方側から行われる。第5撮像ユニットH10は、図11に示されるように、撮像が行われるカメラH12(第2撮像部)と、図示しないレンズを収容する鏡胴H14と、プリズムアダプタH16と、一対の半筒状照明H18,H20(第2照明部)とを有し、一対の半筒状照明H18,H20がカメラH12、鏡胴H14及びプリズムアダプタH16よりも透明テーブルT上に位置する電子部品1寄りに位置するように透明テーブルTの周縁近傍に配置されている。カメラH12は、入射光を分光して色彩ごとに撮像することのできるカメラから構成されており、具体的には3CCDカメラが用いられる。
【0070】
プリズムアダプタH16は、電子部品1の側面s5からの反射光が導入される開口部H16aと、開口部H16aから導入された反射光を反射する直角プリズムH16bと、鏡胴H14の先端と接続されると共に直角プリズムH16bによって反射された反射光を鏡胴H14及びカメラH12に向けて導出する開口部H16cとを含んで構成されている。なお、プリズムアダプタH16と比較して電子部品1が小さく、また、電子部品1の側面s5の撮像を透明テーブルTの回転方向Rにおける前方側から行うことから、カメラH12、鏡胴H14及びプリズムアダプタH16が透明テーブルTの表面側に向かうようにやや傾けられた状態となっていると共に、カメラH12、鏡胴H14及びプリズムアダプタH16のうち最も透明テーブルT側に位置するプリズムアダプタH16が透明テーブルTの表面から所定の距離(具体的には、電子部品1がプリズムアダプタH16と透明テーブルTの表面との間を通過可能な距離)だけ離間した状態となっている。
【0071】
一対の半筒状照明H18,H20は、一対の開口が設けられており、該一対の開口のうち一方の開口から他方の開口に向かう側に窪む凹曲面状とされると共にカメラH12の撮像軸線HLを囲む内壁面を撮像軸線HL周りに分割することによって構成された半筒状部材H18a,H20a(第2保持部材)と、撮像軸線HLを囲むように半筒状部材H18a,H20aの内壁面において保持され、半筒状部材H18a,H20aの一方の開口側に向けて光を照射する複数の投光部材H18b,H20b(第2投光部材)とを含んで構成されている。具体的には、半筒状部材H18a,H20aは、それぞれ、側壁部H18c,H20cと、基部H18d,H20dとを含む。側壁部H18c,H20cは、内壁面が半筒状部材H18a,H20aの基端H18e,H20e側から先端H18f、H20f側に向かうにつれて拡径された曲面状(例えば、球面状や放物面状)とされている。基部H18d,H20dは、平板状を呈しており、半筒状部材H18a,H20aの基端H18e,H20e側に配置されている。つまり、一対の半筒状照明H18,H20は、ドーム状照明H16が開口H16c及び開口H16eの双方と交差する平面にて2つに分割されたものとなっている。そのため、一対の半筒状照明H18,H20は、それぞれ分割面H18g,H20gを有している。なお、請求項における「一方の開口」は、半筒状部材H18a,H20aの先端H18f、H20fによって構成され、請求項における「他方の開口」は側壁部H18c,H20cの基端H18e,H20e側の端部によって構成される。
【0072】
一対の半筒状照明H18,H20は、分割面H18g,H20gが透明テーブルTの表面に対して所定の角度で傾いた状態、具体的には、先端H18f、H20f側が基端H18e,H20e側よりも透明テーブルTに近づいた状態となるように配置されている。また、一対の半筒状照明H18,H20は、半筒状部材H18a,H20aの先端H18f、H20fが透明テーブルT上に位置する電子部品1の側面s5に向かい、互いの内壁面が向かい合い、且つ、透明テーブルTの中心軸Aに沿って透明テーブルTを間に置くように配置されている。そのため、カメラH12の撮像軸線HLは、鏡胴H14及びプリズムアダプタH16の開口部H16cを通って直角プリズムH16bによりその向きが変えられ、その後プリズムアダプタH16の開口部H16a及び半筒状照明H18と半筒状照明H20との間を通って、電子部品1に向かうこととなる。
【0073】
投光部材H18b,H20bは、例えば発光LEDである。投光部材H18b,H20bは、側壁部H18c,H20cの内壁面全体及び基部H18d,H20dの内壁面全体にわたって配置されている。そのため、基部H18d,H20dの内壁面に配置されている投光部材H18b,H20bによって、電子部品1の側面s5の垂線に沿った方向から電子部品1の側面s5が照明されると共に、側壁部H18c,H20cの内壁面に配置されている投光部材H18b,H20bによって、電子部品1の側面s5の垂線に対して0°を超え且つ略90°の方向から電子部品1の側面s5が照明され、電子部品1の側面s5からの反射光が直角プリズムH16bを介して鏡胴H14及びカメラH12に導入されて、電子部品1の側面s5が撮像されることとなる。
【0074】
このように、電子部品1の側面s5の垂線に沿った方向から電子部品1の側面s5が照明されることで、電子部品1の側面s5における傷、凹凸、欠け等を明瞭に映し出すことができる。また、電子部品1の側面s5の垂線に対して0°を超え且つ略90°の方向から電子部品1の側面s5が照明されることで、電子部品1の側面s5が様々な方向(角度)から照明され、クラックやチッピングといった電子部品1の側面s5から内部へと繋がる欠陥を明瞭に映し出すことができる。
【0075】
特に、本実施形態では、図11に示すように、投光部材H18b,H20bは、白色の光を発する白色発光素子LE4のみから構成されている。白色発光素子LE4が撮像軸線HLを略全周にわたって取り囲むように、側壁部H18c,H20cの内壁面の全面にわたって取り付けられている。このように配置することによって、外部電極3の外表面からなる電子部品1の側面s5に対して、白色の光を照明することが可能となる。
【0076】
[第6撮像ユニットの構成]
続いて、第6撮像ユニットI10の構成について、図12を参照して説明する。第6撮像ユニットI10は、電子部品1の側面s6を撮像するためのものである。第6撮像ユニットI10による電子部品1の側面s6の撮像は、透明テーブルTの回転方向Rにおける後方側から行われる。第6撮像ユニットI10は、図12に示されるように、撮像が行われるカメラI12(第2撮像部)と、図示しないレンズを収容する鏡胴I14と、プリズムアダプタI16と、一対の半筒状照明I18,I20(第2照明部)とを有し、一対の半筒状照明I18,I20がカメラI12、鏡胴I14及びプリズムアダプタI16よりも透明テーブルT上に位置する電子部品1寄りに位置するように透明テーブルTの周縁近傍に配置されている。カメラH12は、入射光を分光して色彩ごとに撮像することのできるカメラから構成されており、具体的には3CCDカメラが用いられる。
【0077】
プリズムアダプタI16は、電子部品1の側面s6からの反射光が導入される開口部I16aと、開口部I16aから導入された反射光を反射する直角プリズムI16bと、鏡胴I14の先端と接続されると共に直角プリズムI16bによって反射された反射光を鏡胴I14及びカメラI12に向けて導出する開口部I16cとを含んで構成されている。なお、プリズムアダプタI16と比較して電子部品1が小さく、また、電子部品1の側面s6の撮像を透明テーブルTの回転方向Rにおける後方側から行うことから、カメラI12、鏡胴I14及びプリズムアダプタI16が透明テーブルTの表面側に向かうようにやや傾けられた状態となっていると共に、カメラI12、鏡胴I14及びプリズムアダプタI16のうち最も透明テーブルT側に位置するプリズムアダプタI16が透明テーブルTの表面から所定の距離(具体的には、電子部品1がプリズムアダプタI16と透明テーブルTの表面との間を通過可能な距離)だけ離間した状態となっている。
【0078】
一対の半筒状照明I18,I20は、一対の開口が設けられており、該一対の開口のうち一方の開口から他方の開口に向かう側に窪む凹曲面状とされると共にカメラI12の撮像軸線ILを囲む内壁面を撮像軸線IL周りに分割することによって構成された半筒状部材I18a,I20a(第2保持部材)と、撮像軸線ILを囲むように半筒状部材I18a,I20aの内壁面において保持され、半筒状部材I18a,I20aの一方の開口側に向けて光を照射する複数の投光部材I18b,I20b(第2投光部材)とを含んで構成されている。具体的には、半筒状部材I18a,I20aは、それぞれ、側壁部I18c,I20cと、基部I18d,I20dとを含む。側壁部I18c,I20cは、内壁面が半筒状部材I18a,I20aの基端I18e,I20e側から先端I18f、I20f側に向かうにつれて拡径された曲面状(例えば、球面状や放物面状)とされている。基部I18d,I20dは、平板状を呈しており、半筒状部材I18a,I20aの基端I18e,I20e側に配置されている。つまり、一対の半筒状照明I18,I20は、ドーム状照明I16が開口I16c及び開口I16eの双方と交差する平面にて2つに分割されたものとなっている。そのため、一対の半筒状照明I18,I20は、それぞれ分割面I18g,I20gを有している。なお、請求項における「一方の開口」は、半筒状部材I18a,I20aの先端I18f、I20fによって構成され、請求項における「他方の開口」は側壁部I18c,I20cの基端I18e,I20e側の端部によって構成される。
【0079】
一対の半筒状照明I18,I20は、分割面I18g,I20gが透明テーブルTの表面に対して所定の角度で傾いた状態、具体的には、先端I18f、I20f側が基端I18e,I20e側よりも透明テーブルTに近づいた状態となるように配置されている。また、一対の半筒状照明I18,I20は、半筒状部材I18a,I20aの先端I18f、I20fが透明テーブルT上に位置する電子部品1の側面s6に向かい、互いの内壁面が向かい合い、且つ、透明テーブルTの中心軸Aに沿って透明テーブルTを間に置くように配置されている。そのため、カメラI12の撮像軸線ILは、鏡胴I14及びプリズムアダプタI16の開口部I16cを通って直角プリズムI16bによりその向きが変えられ、その後プリズムアダプタI16の開口部I16a及び半筒状照明I18と半筒状照明I20との間を通って、電子部品1に向かうこととなる。
【0080】
投光部材I18b,I20bは、例えば発光LEDである。投光部材I18b,I20bは、側壁部I18c,I20cの内壁面全体及び基部I18d,I20dの内壁面全体にわたって配置されている。そのため、基部I18d,I20dの内壁面に配置されている投光部材I18b,I20bによって、電子部品1の側面s6の垂線に沿った方向から電子部品1の側面s6が照明されると共に、側壁部I18c,I20cの内壁面に配置されている投光部材I18b,I20bによって、電子部品1の側面s6の垂線に対して0°を超え且つ略90°の方向から電子部品1の側面s6が照明され、電子部品1の側面s6からの反射光が直角プリズムI16bを介して鏡胴I14及びカメラI12に導入されて、電子部品1の側面s6が撮像されることとなる。
【0081】
このように、電子部品1の側面s6の垂線に沿った方向から電子部品1の側面s6が照明されることで、電子部品1の側面s6における傷、凹凸、欠け等を明瞭に映し出すことができる。また、電子部品1の側面s6の垂線に対して0°を超え且つ略90°の方向から電子部品1の側面s6が照明されることで、電子部品1の側面s6が様々な方向(角度)から照明され、クラックやチッピングといった電子部品1の側面s6から内部へと繋がる欠陥を明瞭に映し出すことができる。
【0082】
特に、本実施形態では、図12に示すように、投光部材I18b,I20bは、白色の光を発する白色発光素子LE4のみから構成されている。白色発光素子LE4が撮像軸線ILを略全周にわたって取り囲むように、側壁部I18c,I20cの内壁面の全面にわたって取り付けられている。このように配置することによって、外部電極3の外表面からなる電子部品1の側面s6に対して、白色の光を照明することが可能となる。
【0083】
[良品回収ユニット及び不良品回収ユニットの構成]
続いて、良品回収ユニットJ10及び不良品回収ユニットK10の構成について、図13を参照して説明する。良品回収ユニットJ10は、外観検査の結果、良品であると判断された電子部品1を回収するためのものであり、不良品回収ユニットK10は、外観検査の結果、不良品であると判断された電子部品1を回収するためのものである。良品回収ユニットJ10及び不良品回収ユニットK10は、それぞれ、イオナイザJ12,K12と、回収ボックスJ14,K14とを有している。
【0084】
イオナイザJ12(K12)は、大気をイオン化して、透明テーブルTの表面に生じる電荷を中和させるためのガスを吹き付ける装置である。イオナイザJ12(K12)は、透明テーブルTの周縁近傍における上方に配置されている。イオナイザJ12(K12)のノズルは、回収ボックスJ14(K14)側に向けられ、やや透明テーブルTの表面に向かうようにやや傾けられている。そのため、イオナイザJ12(K12)のノズルからイオン化されたガスが吹き出されると、そのガスが透明テーブルの表面から回収ボックスJ14(K14)に向かうこととなる。
【0085】
回収ボックスJ14(K14)は、筐体J14a(K14a)と、筐体J14a(K14a)の内部に設けられたシュートJ14b(K14b)及び緩衝シートJ14c(K14c)とを含んで構成されている。筐体J14a(K14a)は、直方体形状を呈する中空の部材であって、導電性樹脂材料によって形成されている。筐体J14a(K14a)には、筐体J14a(K14a)の一の稜部が切り欠かれて開口J14d(K14d)が形成されている。筐体J14a(K14a)は、この開口J14d(K14d)が透明テーブルTの周縁に向かうように、透明テーブルTの周縁よりも外方に配置されている。なお、筐体J14a(K14a)は接地(アース)されており、電荷を筐体J14a(K14a)の外部に逃すことができるようになっている。
【0086】
シュートJ14b(K14b)は、三角柱形状を呈しており、導電性樹脂材料によって形成されている。シュートJ14b(K14b)は、筐体J14a(K14a)内において透明テーブルTに近づくにつれて下方に向かうように傾斜している。そのため、イオナイザJ12(K12)によって筐体J14a(K14a)内に吹き飛ばされた電子部品1は、シュートJ14b(K14b)によって筐体J14a(K14a)内の透明テーブルT寄りに集められる。この際、電子部品1は、シュートJ14b(K14b)の斜面を滑り降りることとなるので、電子部品1が筐体J14a(K14a)内に吹き飛ばされることにより電子部品1に生じる衝撃が緩和されるようになっている。
【0087】
緩衝シートJ14c(K14c)は、導電性の柔軟な材料によってシート状に形成されたものである。緩衝シートJ14c(K14c)は、その一方の主面が筐体J14a(K14a)における透明テーブルT寄りの壁部に向かうように、筐体J14a(K14a)の天板に取り付けられている。そのため、イオナイザJ12(K12)によって筐体J14a(K14a)内に吹き飛ばされた電子部品1は、まず緩衝シートJ14c(K14c)に衝突し、シュートJ14b(K14b)の斜面を滑り降り、その後筐体J14a(K14a)内に回収される。
【0088】
[制御部の構成]
続いて、制御部12の構成について、図2を参照して説明する。制御部12は、図2に示されるように、透明テーブルTに接続されたサーボモータ、第1リニアフィーダA14、ボールフィーダA16、第2リニアフィーダA18、レーザ発光器C18、レーザ受光器C20、第1撮像ユニットD10、第2撮像ユニットE10、第3撮像ユニットF10、第4撮像ユニットG10、第5撮像ユニットH10、第6撮像ユニットI10及びイオナイザJ12,K12と接続されている。
【0089】
制御部12は、透明テーブルTのサーボモータに信号を出力して、透明テーブルTの回転及び停止を制御する。制御部12は、第1リニアフィーダA14、ボールフィーダA16及び第2リニアフィーダA18に信号を出力して、第1リニアフィーダA14、ボールフィーダA16及び第2リニアフィーダA18の駆動及び停止を制御する。
【0090】
制御部12は、レーザ発光器C18に信号を出力して、レーザ受光器C20に向けてレーザ光Lを照射させる。そして、レーザ受光器C20では、レーザ発光器C18からのレーザ光Lを受光している場合(電子部品1が第2姿勢矯正ユニットC10を通過していない場合)には制御部12に信号を出力して、レーザ発光器C18からのレーザ光Lを受光していない場合(電子部品1の第2姿勢矯正ユニットC10の通過に伴い、レーザ光Lが電子部品1に照射された場合)には制御部12への信号出力を停止する。ここで、制御部12では、レーザ受光器C20からの信号出力が停止されたことを契機(トリガ)として、電子部品1が第2姿勢矯正ユニットC10を通過したと判断すると共に、当該電子部品1が各撮像ユニットD10,E10,F10,G10,H10,I10及び各回収ユニットJ10,K10のそれぞれに到達するのにどのくらい透明テーブルTを回転させることが必要であるのかを算出する。
【0091】
制御部12は、算出された透明テーブルTの回転量に基づいて、当該電子部品1が各撮像ユニットD10,E10,F10,G10,H10,I10のそれぞれに到達したと判定すると、各照明D16,E18,E20,F16,G18,G20,H18,H20,I18,I20に信号を出力して、ストロボ光による照明を行わせると共に、各カメラD12,E12,F12,G12,H12,I12に信号を出力して、電子部品1の各側面s1〜s6を撮像させる。そして、制御部12は、各カメラD12,E12,F12,G12,H12,I12によって撮像された電子部品1の側面s1〜s6の撮像画像データに基づいて画像処理を行い、電子部品1の傷等の欠陥の有無を検査し、電子部品1が不良品であるか否かの判断を行う。
【0092】
制御部12は、算出された透明テーブルTの回転量及び外観検査結果に基づいて、当該電子部品1が良品で且つ良品回収ユニットJ10に到達したと判定すると、イオナイザJ12に信号を出力して、イオナイザJ12にイオン化されたガスを噴射させる。これにより、良品の電子部品1は、イオナイザJ12からのイオン化されたガスによって回収ボックスJ14内に吹き飛ばされ、回収ボックスJ14に回収される。一方、制御部12は、算出された透明テーブルTの回転量及び外観検査結果に基づいて、当該電子部品1が不良品で且つ不良品回収ユニットK10に到達したと判定すると、イオナイザK12に信号を出力して、イオナイザK12にイオン化されたガスを噴射させる。これにより、不良品の電子部品1は、イオナイザK12からのイオン化されたガスによって回収ボックスK14内に吹き飛ばされ、回収ボックスK14に回収される。
【0093】
以上のような本実施形態においては、素体供給ユニットA10によって、電子部品1の側面s3が透明テーブルTに当接するように電子部品1を透明テーブルTの周縁部に配置し、透明テーブルTによって、電子部品1を搬送している。そのため、電子部品1の六つの側面s1〜s6に向かういずれの方向からでも電子部品1を視認できることから、各撮像ユニットD10,E10,F10,G10,H10,I10による電子部品1の各側面s1〜s6の撮像にあたって電子部品1を持ち替えたりする必要がなくなっている。その結果、高速に効率よく電子部品1の外観検査が行えるようになっている。
【0094】
次に、本発明の実施形態に係る外観検査装置10の作用・効果について説明する。
【0095】
まず、従来のように電子部品の全ての面に対してRGB三色照明を照射して検査した場合、例えば、チップコンデンサやチップインダクタなどのように一部の端面が外部電極3,4で覆われている電子部品1の外観検査を行うときに、全面が外部電極3,4で覆われている面の欠陥を良好に検出することができないという問題があった。そこで、このような問題を解決するため、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、以下の理由から、面全体が外部電極3,4に覆われている面は白色発光素子LE4で白色光を照射して検査することが好ましいことを見出した。
【0096】
すなわち、外部電極3,4で覆われた側面s5,s6の欠陥検査は薄く形成された金属膜表面の欠陥を検出することが目的となるため、表面を均一にムラなく照らすことが検査精度の向上につながる。赤色発光素子LE1、緑色発光素子LE2、青色発光素子LE3からなるRGB三色照明でのチップ素体面の検査では表面上の欠陥検出に対しては青色光が有効であり、外部電極表面の欠陥検出にも基本的には青色光が有効に作用するものと考えられるが、(可視光領域で)波長の短い青色光は相対的に指向性が高くなるため、ドーム状照明の発光素子の全てを青色発光素子LE3で構成したとすると照度ムラが発生しやすくなる。特に、反射効率の高い金属面の外部電極領域ではなおさら照度ムラが発生する。これに対して、白色発光素子LE4では、発光ダイオードチップが放射する青色の光の一部が蛍光体層を透過し,残りは蛍光体に当たって黄色の光になり、この2色の光が混ざり合って(人間の視覚に対する)白色光を発生させている。白色発光素子LE4の光もベースは青色光であるが、蛍光体層の通過によりLED光の指向性が弱められ広角となることから前記指向性に依存する照度ムラが抑制され、外部電極が均一に照らされることとなり、表面の欠陥検出精度が向上することになる。一方、RGB三色照明では最も効果的な青色発光素子LE3が特定の角度領域にしか設けられず、かつ本来の高い指向性を持ったままであるため、両端面の曲率が大きい外部電極面に対して白色発光素子LE4を用いた場合より欠陥検出精度が低下することを見出した。一方、側面s5,s6から側面s1〜s4側にまではみ出した外部電極領域は側面s5,s6の外部電極面に比べて相対的にフラットな形状であるため、RGB三色照明における青色発光素子LE3で十分な欠陥検出を行うことができることも見出した。
【0097】
以上によって、本発明の実施形態に係る外観検査装置10では、素体2の外表面及び外部電極3,4の外表面の一部から構成される電子部品1の側面s1、側面s2、側面s3、側面s4をそれぞれ撮像する撮像ユニットD10,E10,F10,G10の投光部材D16b,E18b,E20b,F18b,G18b,G20bは、赤色の光を発する赤色発光素子LE1と、緑色の光を発する緑色発光素子LE2と、青色の光を発する青色発光素子LE3とから構成されている。また、外部電極3、4の外表面から構成される電子部品1の側面s5、側面s6をそれぞれ撮像する撮像ユニットH10,I10の投光部材H18b,H20b,I18b,I20bは、白色の光を発する白色発光素子LE4から構成されている。このような構成とすることによって、RGB三色照明で検査することが好適な側面s1,s2,s3,s4に対してはRGB三色照明で検査することが可能となり、白色発光素子を照射して検査することが好適な側面s5,s6に対しては白色発光素子LE4を照射して検査することが可能となる。これによって、電子部品1の6面全てを精度よく検査することができ、特に、6面全てをRGB三色照明で検査する場合に比して外部電極3,4で全て覆われている側面s5,s6の欠陥検出精度を向上させることができる。
【0098】
また、検査精度を向上させることができるため、検査処理速度も向上させることができる。この検査処理速度の向上には、カメラD12〜I12に3CCDカメラを用いたことによって検査の際に赤色発光素子LE1、緑色発光素子LE2、青色発光素子LE3の光の同時照射が可能となることも寄与している。
【0099】
また、カメラD12,E12,F12,G12,H12,I12が、入射光を分光して色彩ごとに撮像することのできる3CCDカメラから構成されているため、電子部品1の検査精度を一層向上させることができる。
【0100】
また、本実施形態に係る外観検査装置10では、投光部材D16b,E18b,E20b,F18b,G18b,G20bについては、素体2の外表面及び外部電極3,4の外表面からなる電子部品1の側面s1,s2,s3,s4に対して、青色の光、緑色の光、赤色の光の順に大きな角度から照明することが可能な構成となっている。これによって、例えば素体2が誘電体で構成されており、素体2の外表面と外部電極3,4の外表面とのコントラスト差が小さくなるチップコンデンサやセラミックインダクタについては、好適な照明角度となり、検査精度を向上させることができる。
【0101】
次に、本発明の実施形態に係る外観検査装置10で電子部品1を観察したときの実施例について説明する。図15は外部電極が形成されていない素体2のみの外表面を撮像した実施例であり、(a)はRGB三色照明を照射して3CCDカメラで撮像したときの赤色光画像、(b)はRGB三色照明を照射して1CCDカメラで撮像したときの赤色光画像、(c)はRGB三色照明を照射して3CCDカメラで撮像したときの緑色光画像、(d)はRGB三色照明を照射して1CCDカメラで撮像したときの緑色光画像、(e)はRGB三色照明を照射して3CCDカメラで撮像したときの青色光画像、(f)はRGB三色照明を照射して1CCDカメラで撮像したときの青色光画像を示している。図15(a)〜(f)に示すグラフは素体2の写真中のバーBにおける輝度を示しており、図中に示す輝度差は検査対象領域における基準輝度値(例えば平均輝度)と欠陥箇所における輝度値との差分を示している。図15(a),(b)に示すように、RGB三色照明を照射して赤色光画像を取得することで、素体2の内方へ向かうクラックCRを観察することができる。また、3CCDカメラで撮像した場合はクラックCR部分で輝度差が131となり一層良好にクラックCRを検出することが可能となる。図15(c),(d)に示すように、RGB三色照明を照射して緑色光画像を取得することで、素体2の表面の化学反応によるシミSTを観察することができる。また、3CCDカメラで撮像した場合はシミST部分で輝度差が32となり一層良好にシミSTを検出することが可能となる。図15(e),(f)に示すように、RGB三色照明を照射して青色光画像を取得することで、素体2の表面の欠けCPを観察することができる。また、3CCDカメラで撮像した場合は欠けCP部分で輝度差が28となり一層良好に欠けCPを検出することが可能となる。なお、図15(e),(f)については、表面の欠けを観察し易い面として素体2の長手方向の端面の外表面を観察したが、(a)〜(d)と同じ面を観察しても同様に欠けを良好に観察することができる。
【0102】
図16は外部電極のみの外表面を撮像した実施例であり、(a)は白色発光素子を照射して3CCDカメラで撮像したときの赤色光画像、(b)は白色発光素子を照射して3CCDカメラで撮像したときの緑色光画像、(c)は白色発光素子を照射して3CCDカメラで撮像したときの青色光画像、(d)はRGB三色照明を照射して3CCDカメラで撮像したときの赤色光画像、(e)はRGB三色照明を照射して3CCDカメラで撮像したときの緑色光画像、(f)はRGB三色照明を照射して3CCDカメラで撮像したときの青色光画像を示している。図16(f)に示すように、RGB三色照明を照射して観察する場合は、外周縁の角R部が影となってしまい、外部電極の外表面全体にムラができて均一に映らないが、図16(c)に示すように、白色発光素子を照射して観察する場合は、外周縁の角R部の影響が少なく、外部電極の外表面全体が比較的均一に映る。
【0103】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記した実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態では、投光部材D16b,E18b,E20b,F18b,G18b,G20bについて、素体2の外表面及び外部電極3,4の外表面からなる電子部品1の側面s1,s2,s3,s4に対して、青色の光、緑色の光、赤色の光の順に大きな角度から照明することが可能な構成となっているが、これに代えて、赤色の光、緑色の光、青色の光の順に大きな角度から照明することが可能な構成としてもよい。具体的には、側壁部D16dの内壁面の開口D16c側に、青色発光素子LE3が撮像軸線DLを全周にわたって取り囲むように複数配置され、側壁部D16dの内壁面の開口D16e側及び基部D16fの内壁面に赤色発光素子LE1が撮像軸線DLを全周にわたって取り囲むように複数配置され、側壁部D16dの内壁面における複数の赤色発光素子LE1と複数の青色発光素子LE3との間に、緑色発光素子LE2が撮像軸線DLを全周にわたって取り囲むように複数配置されている。また、側壁部E18c,E20cの内壁面の先端E18f、E20f側に、青色発光素子LE3が撮像軸線ELを略全周にわたって取り囲むように複数配置され、側壁部E18c,E20cの内壁面の基端E18e,E20e側及び基部E18d,E20dの内壁面に赤色発光素子LE1が撮像軸線ELを略全周にわたって取り囲むように複数配置され、側壁部E18c,E20cの内壁面における複数の赤色発光素子LE1と複数の青色発光素子LE3との間に、緑色発光素子LE2が撮像軸線ELを略全周にわたって取り囲むように複数配置されている。また、側壁部F18dの内壁面の開口F18c側に、青色発光素子LE3が撮像軸線FLを全周にわたって取り囲むように複数配置され、側壁部F18dの内壁面の開口F18e側及び基部F18fの内壁面に赤色発光素子LE1が撮像軸線FLを全周にわたって取り囲むように複数配置され、側壁部F18dの内壁面における複数の赤色発光素子LE1と複数の青色発光素子LE3との間に、緑色発光素子LE2が撮像軸線FLを全周にわたって取り囲むように複数配置されている。側壁部G18c,G20cの内壁面の先端G18f、G20f側に、青色発光素子LE3が撮像軸線GLを略全周にわたって取り囲むように複数配置され、側壁部G18c,G20cの内壁面の基端G18e,G20e側及び基部G18d,G20dの内壁面に赤色発光素子LE1が撮像軸線GLを略全周にわたって取り囲むように複数配置され、側壁部G18c,G20cの内壁面における複数の赤色発光素子LE1と複数の青色発光素子LE3との間に、緑色発光素子LE2が撮像軸線GLを略全周にわたって取り囲むように複数配置されている。これによって、例えば素体2がフェライトで構成されており、素体2の外表面と外部電極3,4の外表面とのコントラスト差が大きくなるフェライトインダクタについては、好適な照明角度となり、検査精度を向上させることができる。
【0104】
また、本実施形態では、電子部品1の側面s3が透明テーブルTの表面に当接すると共に電子部品1の側面s4が透明テーブルTの中心軸A側に向くように(電子部品1の幅方向が透明テーブルTの径方向に沿うと共に電子部品1の高さ方向が透明テーブルTの表面の垂線に沿うように)、電子部品1が透明テーブルTに供給されていたが、透明テーブルTに供給される電子部品1の姿勢はこれ以外であってもよい。例えば、電子部品1の側面s3が透明テーブルTの表面に当接すると共に電子部品1の側面s6が透明テーブルTの中心軸A側に向いて(電子部品1の幅方向が透明テーブルTの径方向に沿うと共に電子部品1の長さ方向が透明テーブルTの表面の垂線に沿って)いてもよく、電子部品1の側面s4が透明テーブルTの表面に当接すると共に電子部品1の側面s1が透明テーブルTの中心軸A側に向いて(電子部品1の高さ方向が透明テーブルTの径方向に沿うと共に電子部品1の幅方向が透明テーブルTの表面の垂線に沿って)いてもよく、電子部品1の側面s4が透明テーブルTの表面に当接すると共に電子部品1の側面s6が透明テーブルTの中心軸A側に向いて(電子部品1の長さ方向が透明テーブルTの径方向に沿うと共に電子部品1の幅方向が透明テーブルTの表面の垂線に沿って)いてもよく、電子部品1の側面s6が透明テーブルTの表面に当接すると共に電子部品1の側面s1が透明テーブルTの中心軸A側に向いて(電子部品1の高さ方向が透明テーブルTの径方向に沿うと共に電子部品1の長さ方向が透明テーブルTの表面の垂線に沿って)いてもよく、電子部品1の側面s6が透明テーブルTの表面に当接すると共に電子部品1の側面s4が透明テーブルTの中心軸A側に向いて(電子部品1の幅方向が透明テーブルTの径方向に沿うと共に電子部品1の長さ方向が透明テーブルTの表面の垂線に沿って)いてもよい。
【0105】
また、本実施形態では、透明テーブルTの周縁近傍に、透明テーブルTの回転方向(矢印R方向)に沿って、第1撮像ユニットD10、第2撮像ユニットE10、第3撮像ユニットF10、第4撮像ユニットG10、第5撮像ユニットH10及び第6撮像ユニットI10がこの順に配置されていたが、例えば、図17に示されるように、透明テーブルTの周縁近傍に、透明テーブルTの回転方向(矢印R方向)に沿って、第5撮像ユニットH10、第6撮像ユニットI10、第4撮像ユニットG10、第1撮像ユニットD10、第2撮像ユニットE10及び第3撮像ユニットF10がこの順に配置されていてもよい。また、図1及び図17以外に示す順番で各撮像ユニットを配置してもよい。
【0106】
また、透明テーブルTの表面を、透明な導電膜で覆うようにしてもよい。このようにすると、導電膜において電荷が移動しやすくなるので、電子部品1が載置される面の帯電を抑制することが可能となる。なお、透明テーブルTの表面を覆う透明な導電膜を接地(アース)しておくと、電荷を外部に逃すことができるようになるため好ましい。
【0107】
また、本実施形態では、電子部品1の各側面s1〜s6の撮像にあたり、制御部12によって各照明D16,E18,E20,F16,G18,G20,H18,H20,I18,I20に対しストロボ光による照明を行わせているが、各照明D16,E18,E20,F16,G18,G20,H18,H20,I18,I20を常時点灯させるようにしてもよい。ただし、ストロボ光を用いた方が、より大きな光量を瞬間的に得ることができるので、電子部品1の各側面s1〜s6を均一に照らすことができる。
【符号の説明】
【0108】
1…電子部品(検査対象物)、10…外観検査装置、D10…第1撮像ユニット(第1撮像手段)、D12…カメラ(第1撮像部)、D16…ドーム状照明(第1照明部)、D16a…椀状部材(第1保持部材)、D16b…投光部材(第1投光部材)、D16c…開口(一方の開口)、D16e…開口(他方の開口)、E10…第2撮像ユニット(第1撮像手段)、E12…カメラ(第1撮像部)、E18,E20…半筒状照明(第1照明部)、E18a,E20a…半筒状部材(第1保持部材)、E18b,E20b…投光部材(第1投光部材)、F10…第3撮像ユニット(第1撮像手段)、F12…カメラ(第1撮像部)、F18…ドーム状照明(第1照明部)、F18a…椀状部材(第1保持部材)、F18b…投光部材(第1投光部材)、F18c…開口(一方の開口)、F18e…開口(他方の開口)、G10…第4撮像ユニット(第1撮像手段)、G12…カメラ(第
1撮像部)、G18,G20…半筒状照明(第1照明部)、G18a,G20a…半筒状部材(第1保持部材)、G18b,G20b…投光部材(第1投光部材)、H10…第5撮像ユニット(第2撮像手段)、H12…カメラ(第2撮像部)、H18,H20…半筒状照明(第2照明部)、H18a,H20a…半筒状部材(第2保持部材)、H18b,H20b…投光部材(第2投光部材)、I10…第6撮像ユニット(第2撮像手段)、I12…カメラ(第2撮像部)、I18,I20…半筒状照明(第2照明部)、I18a,I20a…半筒状部材(第2保持部材)、I18b,I20b…投光部材(第2投光部材)、LE1…赤色発光素子、LE2…緑色発光素子、LE3…青色発光素子、LE4…白色発光素子、T…透明テーブル(検査対象物保持手段)、s1…側面(第1側面)、s2…側面(第2側面)、s3…側面(第3側面)、s4…側面(第4側面)、s5…側面(第5側面)、s6…側面(第6側面)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略直方体状の素体の互いに対向する面をそれぞれ外部電極で覆うことによって構成され、第1側面、第2側面、第3側面、第4側面、第5側面及び第6側面を有し、前記第1側面及び前記第3側面は、前記第2側面と前記第4側面とを連結し且つ前記第5側面と前記第6側面とを連結すると共に互いに対向しており、前記第2側面及び前記第4側面は、前記第1側面と前記第3側面とを連結し且つ前記第5側面と前記第6側面とを連結すると共に互いに対向しており、前記第5側面及び前記第6側面は、前記外部電極の外面であって、前記第1側面と前記第3側面とを連結し且つ前記第2側面と前記第4側面とを連結すると共に互いに対向する検査対象物の外観検査を行うための外観検査装置であって、
前記検査対象物を保持する検査対象物保持手段と、
前記第1側面、前記第2側面、前記第3側面、及び前記第4側面のうち少なくとも一の側面を撮像する第1撮像手段と、
前記第5側面及び前記第6側面のうち少なくとも一の側面を撮像する第2撮像手段と、を備え、
前記第1撮像手段は、
撮像対象となる前記一の側面の撮像を行う第1撮像部と、
前記第1撮像部の撮像対象面の照明を行う第1照明部とを有し、
前記第1照明部は、
一対の開口が設けられており、該一対の開口のうち一方の開口から他方の開口に向かう側に窪む凹曲面状とされると共に前記第1撮像部の撮像軸線を囲む内壁面を含み、前記内壁面が前記第1撮像部の撮像軸線周りに分割されることにより、あるいは一体に構成される第1保持部材と、
前記第1撮像部の撮像軸線を囲むように前記第1保持部材の内壁面において保持され、前記第1保持部材の前記一方の開口側に向けて光を照射する第1投光部材とを含み、
前記第1撮像部よりも前記検査対象物保持手段上に位置する前記検査対象物寄りとなると共に、前記第1保持部材の前記一方の開口が前記検査対象物保持手段上に位置する前記検査対象物における前記第1撮像部の撮像対象面に向かうように配置され、
前記第2撮像手段は、
撮像対象となる前記一の側面の撮像を行う第2撮像部と、
前記第2撮像部の撮像対象面の照明を行う第2照明部とを有し、
前記第2照明部は、
一対の開口が設けられており、該一対の開口のうち一方の開口から他方の開口に向かう側に窪む凹曲面状とされると共に前記第2撮像部の撮像軸線を囲む内壁面を含み、前記内壁面が前記第2撮像部の撮像軸線周りに分割されることにより、あるいは一体に構成される第2保持部材と、
前記第2撮像部の撮像軸線を囲むように前記第2保持部材の内壁面において保持され、前記第2保持部材の前記一方の開口側に向けて光を照射する第2投光部材とを含み、
前記第2撮像部よりも前記検査対象物保持手段上に位置する前記検査対象物寄りとなると共に、前記第2保持部材の前記一方の開口が前記検査対象物保持手段上に位置する前記検査対象物における前記第2撮像部の撮像対象面に向かうように配置され、
前記第1撮像部及び前記第2撮像部は、入射光を分光して色彩ごとに撮像し、
前記第1投光部材は、赤色発光素子と、緑色発光素子と、青色発光素子とから構成され、
前記第2投光部材は、白色発光素子から構成されていることを特徴とする外観検査装置。
【請求項2】
前記第1投光部材は、
前記第1保持部材の前記一方の開口側に、前記赤色発光素子が前記第1撮像部の撮像軸線を取り囲むように複数配置され、
前記第1保持部材の前記他方の開口側に、前記青色発光素子が前記第1撮像部の撮像軸線を取り囲むように複数配置され、
複数の前記赤色発光素子と複数の前記青色発光素子との間に、前記緑色発光素子が前記第1撮像部の撮像軸線を取り囲むように複数配置されて構成されることを特徴とする請求項1記載の外観検査装置。
【請求項3】
前記第1投光部材は、
前記第1保持部材の前記一方の開口側に、前記青色発光素子が前記第1撮像部の撮像軸線を取り囲むように複数配置され、
前記第1保持部材の前記他方の開口側に、前記赤色発光素子が前記第1撮像部の撮像軸線を取り囲むように複数配置され、
複数の前記赤色発光素子と複数の前記青色発光素子との間に、前記緑色発光素子が前記第1撮像部の撮像軸線を取り囲むように複数配置されて構成されることを特徴とする請求項1記載の外観検査装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図17】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate