説明

外部検知器を備えたバーコードスキャナ

スキャナガン100及び該スキャナガン100と通信する少なくとも一つのセンサ104を備えたバーコードスキャナ10であり、その少なくとも一つのセンサ104は、バーコードスキャナ10の少なくとも一つの動作状態を検知するために動作する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
バーコードスキャナ装置が知られている。現在のバーコードスキャナは一般に、オートフォーカス(自動焦点合わせ)、画像データ取り込み、および画像データのデコードのような種々の機能を共通の基盤で実行する。
【背景技術】
【0002】
電源がオンになったときに上記した動作を無条件に実行することは、バーコードスキャナを適切な画像に向けて、取り込みたい画像データを取得するのを保証するには役立つであろう。しかしながら、必要であるか否かに係わらず常に上記した機能を実行すると、エネルギを浪費するし、バーコードをスキャンするのに関係のない別の画像に関するデータをバーコードスキャナが取得し、デコードし、ストアする可能性が生じる。
【0003】
そのような無関係なデータは、データ記憶領域を無駄に使用するであろうし、バーコードデータからその無関係な画像データを分離するための後続作業が必要になるかもしれない。従って、一つ以上のバーコードスキャナの動作が、スキャナの電源をオンにすると無条件に実行されるのは技術的に問題がある。さもなければ、ユーザに実行のためのトリガ信号のような入力を要求することになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明の一つの目的は、バーコードスキャナの状態を検知し、その検知した状態に基づいてバーコードスキャナの少なくとも一つの動作を変化させることを含むバーコードスキャナを制御するための方法を提供することである。
【0005】
この発明の他の目的は、スキャナガン及びそのスキャナガンと通信する少なくとも一つのセンサを備え、その少なくとも一つのセンサがバーコードスキャナの少なくとも一つの動作状態を検知するように動作するバーコードスキャナを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
好ましい実施例においては、スキャナが使用されていない時は所望のモードにおいて複数の動作又は待機を実行し、使用されているときは異なる動作を実行するかあるいは異なるモードに移行する。典型的な実施例によると、スキャナが使用されるときあるいは使用が終了されるときに、その使用の開始又は終了がいつ起こったかを検知するスキャナの能力に基づいて、スキャナは特定の動作を開始又は停止及び/又はモードを変更する。
【0007】
この発明の好適な実施例の記載が添付図面とともになされたとき、他の実施例、特徴、利点などが当業者に明らかになるであろう。
この発明の種々の実施例を説明するために、現在好適な実施例の図面を示すが、この発明は図示されたとおりの配置及び手段に限定はされないことが理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の一つ以上の実施例によるバーコードスキャナの概略図である。
【図2】この発明の一つ以上の実施例によるバーコードスキャナによって実施される処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】この発明の一つ以上の実施例によるバーコードスキャナのブロック図である。
【図4】説明なし。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、この発明の一つ以上の実施例によるバーコードスキャナ100の概略図である。バーコードスキャナ10は、バーコードスキャナガン100、トリガ部102、モーションセンサ104、及び/又はコンタクトセンサ106を備えている。バーコードスキャナガン100は、従来のバーコードスキャナガンでよい。モーションセンサ(モーション検知器)104は、ジャイロスコープセンサ、及び/又は他の種類のセンサを用いることができる。種々のモーションセンサのより完全なリストは、以下の二つのウェブサイトの一方若しくは両方から閲覧できる。
http://www.vti.fi/en/products-solutions/products/accelerometers/digital-platform/
http://www.epson.co.jp/e/newsroom/tech_news/tnl0502single.pdf#search='gyro%20sensor
いずれにしても、従来から利用できる種々のモーションセンサのいずれでも充分である。
【0010】
コンタクトセンサ106は、赤外線(IR)センサ、容量センサ、及び/又は他の適切なセンサを用いて実施できる。他の種類のセンサとしては、ユーザの手のひらに覆われる位置に、検知窓から光が入射しなくなったことを検知できるように配置される光センサがある。その他種々のコンタクトセンサは以下より閲覧できる。
http://www.psocdeveloper.com/uploads/tx_piapappnote/an2105_01.pdf
http://www.omron.com/ecb/products/touch/genri.html
http://www.omron.com/ecb/products/touch/yougo.htm
【0011】
モーションセンサ104は、バーコードスキャナ10が動いているか静止しているかを示すように動作することができる。この情報は、バーコードスキャナ10の一つ以上の動作を開始及び/又は停止に変えるために使用される。このモーションセンサ104からの情報の使用については、図2によってより詳細に述べる。一実施例において、モーションセンサ104はバーコードスキャナガン100内のどこに配置してもよい。他の実施例においては、モーションセンサ104はスキャナガン100の外側であっても、スキャナガンと通信可能な位置であれば配置できる。
【0012】
コンタクトセンサ106は、操作者がバーコードスキャナ10に接触しているかどうかを示するように動作することができる。バーコードスキャナ10に接触しているということは、バーコードスキャナ10を持っているか、それに単に触れただけも含む。あるいはまた、コンタクトセンサ106は、実際に操作者がスキャナ10に物理的に接触しなくても、スキャナ10に操作者が接近したことを検知するように構成することもできる。このコンタクト情報は、バーコードスキャナ10の一つ以上の動作を開始及び/又は停止に変えるために使用される。モーションセンサ104からの情報の使用については、図2によってより詳細に述べる。
【0013】
一つ以上の実施例において、コンタクトセンサ106は、スキャナガン100の外表面の操作者がスキャナガン100を持ち上げる際に、操作者に触れられる領域に配置され、一つ以上の別の実施例において、コンタクトセンサ106は、スキャナガンの内部に配置して、操作者がスキャナガン100に接触したときにそれを検知するために、適切な検知技術を用いてそれを検知する。
【0014】
右利きと左利きの操作者を考慮して、そのセンサ周辺の種々の部分に同じ特定の状態を検知する複数のセンサを配置することについてもまた検討した。例えば、ユーザの手で覆われる部分がユーザによって握られたときにそれを検知する光検知器を二つの検知器によって実現することができ、それを装置の各側面に一つずつ配置し、それによって装置を操作する人が右利きか左利きかに係わりなく、それらの一方の光が遮られるようにする。
【0015】
図2は、この発明の一つ以上の実施例によるバーコードスキャナによって実行される処理の流れを示すフローチャートである。図2の方法は、バーコードスキャナ10の一つ以上の状態の検知に基づいて、バーコードスキャナ10の一つ以上の動作を制御するために用いられる。ここで、「状態」の用語は「動作状態」の用語に対応するものである。さらに、ここでバーコードスキャナ10の動作制御には、走査(スキャン)、走査用のウォームアップ、発光動作、センサ稼働、モード変更などのような動作の開始及び/又は停止を含む。
【0016】
一つ以上の実施例において、その方法200はステップ202からスタートする。ステップ216において、バーコードスキャナ10の初期動作設定が確立される。初期設定は、スキャナをスリープモードにしておくことや、一つ以上の素子を非稼働や省電力モード又は同様な状態にしておくことを含む。
【0017】
ステップ204において、モーションセンサ104が、バーコードスキャナ10が動いているか否かを検知する。バーコードスキャナ10が動いていなければ、ステップ208でバーコードスキャナ10の動作を変更しない。バーコードスキャナ10が動いていれば、一つ以上の動作、例えばデコードをステップ206で停止する。ブロック210及び226が204又は208に続くときには、装置が動かされたり接触されたりしない限り、装置を例えばスリープモード又はアイドルモードのままにする。
【0018】
ステップ210では、バーコードスキャナ210に操作者が接触しているかどうかを判断するが、それはコンタクトセンサ106を用いて実行される。バーコードスキャナ10が接触されていなければ、ステップ216でバーコードスキャナ216の動作を変更しない。バーコードスキャナ10に対する接触が検知されると、ステップ212及び214でそれぞれバーコードスキャナの一つ以上の動作が開始又は停止される。バーコードスキャナ10に対する接触が検知されたとき、この装置は決定ポイント212において、スキャナが既に焦点が合っているか、あるいはブロック214で示したオートフォーカス処理の実行が要求されるかどうか判断する。いずれの場合にも、制御はその後ブロック216に移行してデータの取得及びデコードを行う。
【0019】
通常、オートフォーカス動作は比較的速い。すなわち、接触を検知したとき、デコード処理を可能にするための十分な時間内にオートフォーカス動作を完了できる。
【0020】
スキャナに対して接触があるがスキャナが動いていない場合に、データの取得及びデコードが実行される。本質的に、このことは操作者がスキャナを走査する画像の近くの適切な位置に動かし、走査し始めるためにそれを正しく位置決めしたことを意味する。操作者がまだ完全にスキャナを握ってないと、モーションセンサが操作者のわずかな手の動きを検知するのは注目すべき点である。それにも関らず、操作者が走査すべき画像の前でのスキャナを比較的安定した状態で保持している状態を、モーションセンサが「動いていない」と正確に判断するようにその検出感度を容易に調整できる。
【0021】
図3は、この発明の一つ以上の実施例によるバーコードスキャナのブロック図である。図3は、図1に示したものに一つ以上の特徴を追加して示すものである。バーコードスキャナ10は、バーコードスキャナガン100、モーションセンサ104、コンタクトセンサ106、オートフォーカス機構302、データ取得部304、画像デコーダ部306、光通信部308を備えている。図3において、トリガ部102は便宜上省略した。ここで、モーションセンサ104とコンタクトセンサ106は前述したものである。従って、便宜上前述した部分は再度説明しない。
【0022】
一つ以上の実施例において、光通信部308は、光学素子、電気−機械装置、および二次元バーコードのようなバーコードによって反射される光の伝送に適した制御回路を有する。一つ以上の実施例において、オートフォーカス機構302は、レンズ、移動機構、およびバーコードスキャナ10の焦点を自動的に合わせるのに適した制御回路を有する。一つ以上の実施例において、データ取得部304は、光学装置、変換器、およびバーコードスキャナ10によって画像データを受け取って、少なくとも一時的に保存するのに適したデータ処理回路を有する。一つ以上の実施例において、画像データ・デコーダ306は、バーコードスキャナ10が受け取った画像データを、バーコードスキャナ10によって読みとったバーコードが示す元のバーコードデータに変換するのに適したデータ処理回路を有する。
【0023】
ここまでに説明した機能はオートフォーカス、画像取得、およびデコードであるが、その他の機能も、接触及び/又は動きによって測定されるパラメータに基づいて、自動的に実行及び中止を行なえることに留意されたい。さらに、発生する特定の機能に応じて、動きと接触の種々の組み合わせを適宜なし得る。例えば、スキャナをアクティブモードからスリープモードへ移行する機能を実行する場合には、スキャナが所定時間接触も動きもないかを見守る。他の組み合わせも同様に可能である。
【0024】
この発明の特定の実施例について記載したが、それはこの発明の原理とや適用例を示したにすぎない。従って、当業者であれば特許請求の範囲によって規定されるこの発明の範囲及び精神から逸脱することなく、説明した実施例に対して種々の変更および置き換えが可能なことが分かるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シンボル読取装置の状態を自動的に検知し、
その検知した状態に応じて、シンボルであるバーコードが使用されているか又は使用が完了しているかどうかを判断し、
前記検知ステップで検知した状態に基づいて、前記シンボル読取装置の次の動作に備えて前記バーコードスキャナの少なくとも一つの動作を変更する
ことを特徴とするシンボル読取装置の制御方法。
【請求項2】
請求項1記載のシンボル読取装置の制御方法において、
前記シンボル読取装置がバーコードスキャナであって、前記状態を検知をするステップでは、前記バーコードスキャナが動いているか止まっているかを判断することを特徴とするシンボル読取装置の制御方法。
【請求項3】
請求項1記載のシンボル読取装置の制御方法において、
前記バーコードスキャナの状態を検知をするステップでは、操作者が前記バーコードスキャナに接触しているか否かを判断することを特徴とするシンボル読取装置の制御方法。
【請求項4】
請求項1記載のシンボル読取装置の制御方法において、
前記検知によって前記バーコードスキャナの動きを検知したとき、省電力モードで動作中の前記バーコードスキャナによる動作を中止させることを特徴とするシンボル読取装置の制御方法。
【請求項5】
請求項1記載のシンボル読取装置の制御方法において、
前記変更するステップでは、前記検知するステップで前記バーコードスキャナが操作者と接触したことを検知した場合に、前記バーコードスキャナによる画像取得の工程を開始させることを特徴とするシンボル読取装置の制御方法。
【請求項6】
請求項1記載のシンボル読取装置の制御方法において、
前記変更するステップでは、前記検知するステップで前記バーコードスキャナが操作者と接触したことを検知した場合に、前記バーコードスキャナによるデコード動作を開始させることを特徴とするシンボル読取装置の制御方法。
【請求項7】
請求項1記載のシンボル読取装置の制御方法において、
前記変更するステップでは、前記検知するステップで前記バーコードスキャナが操作者と接触したことを検知した場合に、前記バーコードスキャナによるオートフォーカス動作を開始させることを特徴とするシンボル読取装置の制御方法。
【請求項8】
シンボルの走査及びデコードに関する複数の動作を行うためのスキャナと、
該スキャナと通信する少なくとも一つのセンサであって、前記スキャナに対するユーザの使用準備又は使用完了を検知するために動作するセンサと、
該センサによる前記スキャナに対するユーザの使用準備や又は使用完了の検知結果に応じて、前記スキャナの動作パラメータの少なくとも一つを変更する手段と
を備えたことを特徴とする装置。
【請求項9】
請求項8記載の装置において、前記少なくとも一つのセンサがモーションセンサであることを特徴とする装置。
【請求項10】
請求項9記載の装置において、前記モーション検知器が、前記スキャナガンが動いているか静止しているかを検知するために動作することを特徴とする装置。
【請求項11】
請求項8記載の装置において、前記少なくとも一つのセンサがコンタクトセンサであることを特徴とする装置。
【請求項12】
請求項11記載の装置において、前記コンタクトセンサが、操作者が前記スキャナガンを握っているのか否かを検知するために動作することを特徴とする装置。
【請求項13】
請求項8記載の装置において、モーションセンサ及びヒートセンサが作動されている場合に、前記スキャナが休止状態又はスリープモードから走査に備えてアクティブモードに変化することを特徴とする装置。
【請求項14】
請求項13記載の装置において、前記スキャナは銃の形をしており、前記モーションセンサは前記銃の前方部分に配置されており、ヒートセンサは前記銃の後方部分に配置されていることを特徴とする装置。
【請求項15】
請求項13の装置において、前記モーション検知器又は前記ヒート検知器の信号変化を検知すると、該装置が省電力モードへ移行することを特徴とする装置。
【請求項16】
シンボルの走査及びデコードのための走査装置であって、
それぞれ異なるパラメータを検知する複数のセンサを備え、
前記センサのうち少なくとも二つがそれぞれのパラメータを検知したときに省電力モードから使用モードに変化し、前記使用中又はその使用後に前記センサのうち少なくとも一つの状態が変わったときに使用モードから省電力モードに変化するように構成されていることを特徴とする走査装置。
【請求項17】
請求項16記載の走査装置において、
前記状態が変わる少なくとも一つのセンサが、前記少なくとも二つのセンサであることを特徴とする走査走査装置。
【請求項18】
請求項16記載の走査装置において、
前記少なくとも一つのセンサは、前記複数のセンサのうちの一つであるが、前記少なくとも二つのセンサのうちの一つではないことを特徴とする走査装置。
【請求項19】
画像取り込み装置の制御方法であって、
前記画像取り込み装置がユーザによって接触され且つ動いていないかどうかを検知し、そうであればオートフォーカス動作を開始することを特徴とする画像取り込み装置の制御方法。
【請求項20】
請求項19記載の制御方法において、
さらに、前記停止後に)、画像の取得収集及びデコードをすることを特徴とする画像取り込み装置の制御方法。
【請求項21】
請求項20記載の制御方法において、
さらに、ユーザがトリガ部を押したか否か判断するために該装置をテストするステップを有し、該ステップは該装置がユーザによって接触され及び動いている状態の検知に応じて開始されることを特徴とする画像取り込み装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−527481(P2010−527481A)
【公表日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−508347(P2010−508347)
【出願日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際出願番号】PCT/US2007/011824
【国際公開番号】WO2008/143612
【国際公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(391062872)株式会社オプトエレクトロニクス (70)
【出願人】(592252968)オプチコン インコーポレイテッド (31)
【Fターム(参考)】