説明

外部機能手段、本発明に係る外部機能手段を受けるための血液処理機器、および、方法

少なくとも1つのハウジング本体と、医療用流体を受けるためにハウジング本体に組み込まれる少なくとも1つのチャンバ(9、15、21、57)と、医療用流体を受けるおよび/または伝導するためにハウジング本体に組み込まれる少なくとも1つの通路(17、19、49)と、外部機能手段を通じて流れる流体を制御しあるいは調整するためにハウジング本体に全体的にあるいは部分的に組み込まれる少なくとも1つのバルブ手段(35、36、39、40、47、51、53、61)とを備える外部機能手段が提案される。また、本発明は、血液処理機器、および、本発明の外部機能手段によっておよび血液処理機器によってそれぞれ行なわれてもよい方法を特定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は請求項1に係る外部機能手段に関する。また、本発明は、請求項47〜52および請求項67〜73の前文に係る血液処理機器、および、請求項53〜66に係る方法に関する。
【背景技術】
【0002】
血液処理で利用される器具の洗浄は技術的に複雑な場合がある。許容できる作業経費で十分な衛生状態を保証するため、および、他の理由のため、血液カセットなどの外部機能手段が使用される。
【0003】
そのような血液カセットは、血液処理方法の前処理および実行のために可能な限り多くの機能を果たすように構成されている場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、他の外部機能手段、特に血液処理カセットを提供することである。また、本発明は、同様の外部機能手段を備えあるいは外部機能手段を駆動させて動作させるように構成されている血液処理機器、および、その使用のための対応する方法を提案するように意図される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は、請求項1の特徴を有する外部機能手段によって達成される。
【0006】
外部機能手段は、少なくとも1つのハウジング本体と、医療用流体を受けるためにハウジング本体に組み込まれる少なくとも1つのチャンバと、医療用流体を受けるおよび/または伝導するためにハウジング本体に組み込まれる少なくとも1つの通路と、外部機能手段を通じて流れる流体を制御しあるいは調整するためにハウジング本体に全体的にあるいは部分的に組み込まれる少なくとも1つのバルブ手段とを備える。
【0007】
ここで使用される表現「ハウジング本体」は、例えば血液処理方法などの医療処理方法で用いるのに適する材料、例えばプラスチック材料から形成される三次元本体を示す。ハウジング本体は、例えば、鋳造または射出成形方法によって製造されてもよい。
【0008】
ここで使用される表現「チャンバ」は、少なくとも1つの医療用媒体を受けるのに適する容積を示す。容積は、閉じられた空間であってもよく、あるいは、そのような閉じられた空間によって画定されてもよい。しかしながら、容積は、開放空間であってもよく、あるいは、そのような開放空間によって部分的に取り囲まれてもよく、また、何らかの他の本体、すなわち、ハウジング本体以外の本体の存在の結果として単に閉じられた空間(または、流体のための供給導管および排出導管を除いて閉じられた空間)になるだけでもよい。
【0009】
チャンバは、バルブおよび/またはセンサなどを受けるように構成されて意図されてもよい。
【0010】
ここで使用される表現「通路」または「導管」は、例えば血液、ヘパリン、または、他の薬剤、生理食塩水溶液、代替物などの医療用流体を受けるおよび/または伝導するのに適する手段を示す。
【0011】
通路または導管は、その一部が閉じられた構造および/または半開構造として構成されてもよい。通路または導管は、例えば、少なくとも1つの開放側でカバー手段により閉じられるように構成されていてもよく、したがって、例えば、血液処理機器の構成要素に対しておよび/または大気に対してシールできるように構成されてもよい。
【0012】
ここで使用される表現「バルブ手段」は、外部機能手段の通路または導管および/またはチャンバを通じた流体の進入または通過を制御できる制御または調整に適した手段を示す。バルブ手段は、この目的のために設けられる制御手段または調整手段によって駆動されてもよい。駆動は例えば自動態様で行なわれる。適した制御手段または調整手段は例えば血液処理機器内または血液処理機器上に設けられてもよい。
【0013】
本発明の外部機能手段の有利な実施形態または進展がそれぞれの添付の特許請求の範囲の主題である。
【0014】
本発明の特定の実施形態によれば、機能手段は、ラインによる流体の伝導、バルブ、血栓捕捉などの機能および/または同様の機能を実現できる手段である。
【0015】
本発明の幾つかの実施形態によれば、外部機能手段が処理機器の取り外し不能な部分ではない。むしろ、これらの実施形態に係る外部機能手段は、外部からの処理の目的で処理機器と接続される。
【0016】
好ましい実施形態において、外部機能手段には、少なくとも1つの一体型バルブ手段の一部であるカバー手段がその表面の少なくとも1つに設けられる。
【0017】
他の好ましい実施形態において、カバー手段は、その少なくとも一部が摩擦によっておよび/または形状閉塞によっておよび/または材料接続によってハウジング本体と接続される。カバー手段は、例えば、外周溶着部または何らかの他のタイプの外周接続部によってハウジング本体に接続されてもよい。カバー手段とハウジング本体との他の非外周またはドット形状または局部的な溶着または接続(例えば、接着接続または押圧接続)が行なわれてもよい。
【0018】
本発明に係る特定の実施形態において、カバー手段は(その特定の範囲または領域がそれぞれ)、外部機能手段の構造(少なくとも1つの構造)の2つの側または双方のそれぞれに沿って、外部機能手段と接続され、特にハウジング本体と接続される。本発明によれば、用語「両側に沿ってあるいは両側で」または「双方向に」は、それぞれの構造の少なくとも2つの側に存在するものと理解されてもよい。双方接続は、特に近接した、構造の領域、特に隣接領域、または、環境あるいは周辺領域での少なくとも二重接続として理解されてもよい。
【0019】
これらの構造の中には、特に流体チャネル、ライン、または、外部機能手段の他の要素がある。好ましくは、これらの要素は、カバー手段の主延在面に対して垂直な断面が開放し、および/または、カバー手段により外側または大気に対して覆われる。
【0020】
双方接続が溶着線であってもよい。双方接続はいずれの場合にも流体密であり、それにより、例えば、流体、特に液体が接合領域(例えば、接着または溶着線が形成された領域)を通じて交換されない。双方接続は、例えば外部機能手段の選択された領域で、単一の流体チャネル、ライン、または、他の要素に沿って行なわれてもよい。そのため、双方接続は、その複数に関して、または、全ての流体チャネル、ライン、または、他の要素に関して行なうことができる。
【0021】
双方接続は、それぞれの構造の左側および右側の両方で行なわれてもよい。双方接続は、構造に対して上下の両方などで行なうことができる。
【0022】
双方接続は、少なくとも1つの構造またはその一部の境界または縁のそれぞれ、または外周または延在部に沿う1つ、2つ、または、それ以上の溶着線であってもよい。
【0023】
双方接続の全体あるいは一部が長手方向に延在することができる。
【0024】
本発明に係る特定の実施形態では、双方接続により、外部機能手段を押圧するために必要な複雑さを減らすことができ有益である。本発明に係る幾つかの実施形態では、特に、例えば血液処理機器に対する外部機能手段の押圧を行なうことができる精度のための要件を減らすことができ有益である。本発明に係る特定の実施形態では、双方接続に起因して、低い押圧力で十分となり得るため有益である。本発明に係る幾つかの実施形態では、双方接続によって覆われたチャネルに作用するバルブのより信頼できる機能を達成することができ有益である。
【0025】
カバー手段は特にフィルムであってもよい。
【0026】
フィルムは好ましくはプラスチックフィルムであってもよい。この目的のため、また、好ましい態様では、当業者に適していると思われる任意のレーザ溶着可能なフィルムが考慮されてもよい。
【0027】
他の好ましい実施形態において、外部機能手段は、体外回路に流体連通状態で接続されるための接続部を備えてもよい。
【0028】
外部機能手段は特に血液処理のためのカセットとして構成されてもよい。
【0029】
更なる好ましい態様において、外部機能手段は、2つのコネクタにより少なくとも1つの(好ましくは2つの)蠕動ポンプに流体連通状態で接続されるように構成されていてもよい。ローラポンブが適した蠕動ポンプであってもよい。
【0030】
外部機能手段は、少なくとも1つの(好ましくは2つの)ポンプチューブセグメントを備えてもよく、あるいは、そのようなポンプチューブセグメントを受けるように構成されあるいは設けられてもよい。
【0031】
他の好ましい実施形態において、外部機能手段は、少なくとも1つのバーとカバー手段の一部とを備える少なくとも1つのバルブ手段を備える。バーはハウジング本体に形成される。バーおよびカバー手段は、バルブのような態様で流体の通路を変えるためにバーに作用する血液処理機器の作用体によって動作されるように配置される。
【0032】
そのような「バー」は、外部機能手段に組み込まれあるいは外部機能手段の表面から任意の所望の方向に突出する構成要素を示してもよい。バーが外部機能手段と同じ材料から形成されてもよい。鋳造または射出成形方法による外部機能手段の製造中に例えばウェブが形成されてもよい。
【0033】
他の好ましい実施形態において、その使用中に外部機能手段を通じて流れる流体は、代替物、ヘパリン、または、何らかの他の薬理学的に活性な薬剤、生理食塩水溶液(特に0.9%NaCl溶液)、血液、空気、および、これらの組み合わせである。
【0034】
外部機能手段は、特に、血液処理機器に結合されるように構成されていてもよい。更なる好ましい態様において、外部機能手段は、血液処理機器の受入れ手段によって血液処理機器に結合されるように構成されて意図されてもよい。外部機能手段は、特に、カバー手段に面する表面で処理機器に結合されるように構成されていてもよい。
【0035】
他の好ましい実施形態において、外部機能手段は、垂直線に対して、好ましくは5°〜11°の後方傾き角度で、特にほぼ8°または正確に8°の傾き角度で血液処理機器に結合されるように構成されていてもよい。外部機能手段は、(使用状態で)その上側領域が後方に傾けられることが好ましい。
【0036】
他の好ましい実施形態において、外部機能手段は、接触保護要素および/または滴下保護要素を含む少なくとも1つの代替物付加部位を備える。外部機能手段の他の部分、特に全ての他の部分も接触保護要素および/または滴下保護要素を備えてもよい。
【0037】
外部機能手段のポート(1つ、幾つか、あるいは、全てのポート)の閉塞機能が隔膜または逆止弁によって実現されてもよい。
【0038】
滴下保護要素が例えば一体型閉塞スリーブによって実現されてもよい。
【0039】
滴下保護要素は、好ましくは、代替物または血液または代替物と血液との混合物が外部機能手段の分解中に血液処理機器の受入れ手段から滴下するあるいは滴るのを防止する役目を果たしてもよい。このようにすると、使用される不純な外部機能手段の衛生的な取り扱いを処理機器の外側で更に確保することができる。
【0040】
本発明に係る外部機能手段は、二本針アクセスまたは単針アクセスを使用する血液処理方法で用いるのに適してもよい。
【0041】
患者の血液は、患者からの引き抜き段階中に透析装置を通じて既に導かれ、プロセスで透析され、透析装置のその通過後(好ましくは通過直後)に単針チャンバ内に保管され、そこから戻し段階で患者へ戻されることが好ましい。この場合、血液は、それが患者から出る「新鮮な」状態で透析される。したがって、本発明に係るカセットによる血液処理のために行なわれる方法は、血液が患者から引き出されて別個の単針チャンバ内に保管された後に透析されて静脈空気セパレータにより患者へ戻される従来の方法とは有利に異なる。
【0042】
外部機能手段は、好ましくは、血液サージ変向要素が配置される少なくとも1つの単針チャンバを備えてもよい。
【0043】
同様の「血液サージ変向要素」または血液サージ要素は、流れ減速を達成し、乱流をもたらしおよび/または単針チャンバに流入する血液を変向させ、あるいは、血液サージの衝撃を打ち消すのに適しかつそのように意図されてもよい。同様の血液サージ変向要素は、特に、流動学的に最適な態様で構成されてもよい。血液サージ変向要素は、例えば、その外周の少なくとも一部が単針チャンバの壁に接続される楕円形または円形の支柱の形状に構成されてもよい。
【0044】
血液サージ変向要素がなければ、仮想バルブを通じて流入する血液サージが所定の場合に溢出を引き起こす場合がある。これは、液位のハンティング動作またはスロッシング動作をそれぞれをもたらす場合がありおよび/または泡の形成をもたらす場合がある。血液サージ要素により、血液サージ全体が2つの更に小さい血液サージへ分けられ、それにより、血液サージ全体の衝撃を打ち消すことができ、また、溢出、スロッシング動作、および/または、泡の形成を回避することができ有益である。
【0045】
血液サージ変向要素として、2009年6月10日にドイツ特許商標局に出願された表題「Aufnahmeeinrichtung zum Aufnehmen von medizinischen Fluiden sowie externe Funktionseinrichtung und medizinische Behandlungsvorrichtung」[Reception means for receiving medical fluids,as well as external functional means and medical treatment apparatus]を有する特許出願10 2009 024 466.2で本発明の出願人により開示される血液サージ変向要素を使用できることが好ましい。その関連する開示内容は参照することにより全体が本願に組み入れられる。
【0046】
本発明の外部機能手段は、好ましくは、少なくとも1つの静脈血液チャンバを備えてもよい。
【0047】
単針チャンバは、好ましくは、外部機能手段のその使用中の方向に関して静脈血液チャンバの上側に配置されてもよい。
【0048】
静脈血液チャンバは、ハウジング本体の断面制限部によって少なくとも1つの上側空間と少なくとも1つの下側空間とに分けられてもよい。
【0049】
上側空間および下側空間が互いに流体連通しあるいは接続されてもよい。
【0050】
上側空間は、外部機能手段を通じて流れる流体の接線方向流入を許容するあるいはもたらすように構成されてもよい。上側空間は、外部機能手段を通じて流れる流体の安定した回転流をもたらすための領域を備えてもよい。
【0051】
下側空間は、外部機能手段を通じて流れる流体の回転流が実質的にないあるいは全くない領域を備えてもよい。
【0052】
好ましい態様において、静脈血液チャンバの上側空間および/または下側空間の壁または壁部は、血液処理機器の垂直線に対する外部機能手段の傾きに適合されてもよい。これにより、血液が流動学的に最適な態様で静脈血液チャンバを流れあるいは流動しあるいは通過することができ有益である。また、血液中に場合により含まれる空気が上昇でき、したがって、該空気を適切な態様で分離できる。
【0053】
静脈血液チャンバは、2009年6月10日にドイツ特許商標局に出願された表題「Luftabscheider,externe Funktionseinrichtung,Blutkreislauf sowie Behandlungsvorrichtung」[Air separator,external functional means,blood circuit,and treatment apparatus]を有する特許出願10 2009 024 465.4で本発明の出願人により開示されるように構成されて特に空気セパレータ効果を有してもよい。その関連する開示内容は参照することにより全体が本願に組み入れられる。
【0054】
外部機能手段の他の好ましい実施形態では、ハウジング本体が硬質部として構成される。
【0055】
硬質部は、実質的に1つの材料から一体に形成されるハウジング本体であってもよい。このハウジング本体が射出成形部品であってもよい。硬質部は、400N/mmよりも大きい最小剛性、好ましい態様では1200〜1800N/mmの最小剛性(曲げ弾性係数)を有してもよい。
【0056】
血液処理カセットとしての外部機能手段の他の好ましい実施形態では、更なる好ましい実施形態において、カバー手段またはフィルムにわたる透析装置の上流側の体外血液回路内の圧力を測定することができる。
【0057】
外部機能手段は、好ましくは、1回使用された後に処分される使い捨て物品であってもよい。
【0058】
本発明の目的は、請求項47〜52および請求項67〜73に係る本発明の血液処理機器によっても達成される。
【0059】
他の好ましい実施形態において、血液処理機器は、本発明に係る少なくとも1つの外部機能手段を受けるように構成される。
【0060】
他の好ましい実施形態において、血液処理機器は、外部機能手段を駆動させるおよび/または動作させるための少なくとも1つの制御手段および/または作用体および/またはセンサを備える。
【0061】
制御手段は、CPUまたはその一部として構成されてもよい。
【0062】
制御手段および/または作用体は、バルブ手段を例えば動作させあるいは駆動させ、すなわち、例えば制御しあるいは調整するのに適しかつそのように意図されてもよい。制御手段および/または作用体は、その結合状態で外部機能手段のバルブ手段に対して反対の血液処理機器の位置に配置されてもよい。
【0063】
他の好ましい実施形態において、血液処理機器は、本発明に係る少なくとも1つの外部機能手段を受けるための少なくとも1つの受入れ手段を備える。受入れ手段は、本発明に係る外部機能手段を結合するための結合面を備えてもよい。そのような結合面は、例えば、血液処理機器のその使用中の方向に対する垂直線に対して所定の角度で特に後方に傾けられてもよい。そのような角度は、5〜11°、特にほぼ8°または正確に8°であってもよい。
【0064】
血液処理機器は、以下で説明されるように、また、図面を参照することにより、方法または方法ステップを実行するのに適してもよい。
【0065】
他の実施形態において、血液処理機器は、以下で説明されるように、また、図面を参照することにより、本発明に係る外部機能手段を動作させあるいは調整するためのおよび/または方法または方法ステップを実行するための、例えばCPUの形態を成す、制御手段を備える。
【0066】
また、血液処理機器は、本発明に係る方法または方法ステップを実行するために、本発明に係る外部機能手段またはその一部を動作させるための少なくとも1つの作用体を備えてもよい。
【0067】
血液処理機器は、特に、情報プロバイダの形態を成すセンサを備えてもよく、この場合、情報は、本発明に係る方法または方法ステップを実行するための本発明に係る外部機能手段の動作のための制御ユニットに関する信号としての機能を果たす。
【0068】
血液処理機器が例えば透析手段であってもよい。
【0069】
血液処理機器は、血液処理カセットとして構成される本発明の外部機能手段の体外回路または血液回路に存在するパラメータ、例えば圧力、差圧などを測定するための制御手段を備えてもよい。
【0070】
差圧は、カセット一体型動脈チャンバとカセット一体型静脈チャンバとの間で測定されてもよい。差圧は、透析装置の血液側圧力差のための指標として使用されてもよい。血液処理機器の制御手段は、差を計算するように構成され、所定の場合には圧力差を基準値(例えば制御手段またはメモリに記憶されてもよい)と比較するように構成されてもよく、随意的には制御信号を出力するように構成されてもよい。
【0071】
ここでは、例えば、透析装置の詰まりの兆候を前もってあるいは時が来て認識することができ有益である。対抗措置がとられてもよい。
【0072】
これらは、例えばカセット一体型付加部位による例えばヘパリンなどの抗凝血剤の付加を含みあるいは該付加から成ってもよい。
【0073】
また、例えば、事前希釈を増大させることができる。事後希釈から事前希釈へ切り換えることができる。
【0074】
また、カセット一体型測定部位は、透析膜にわたる膜貫通圧測定を可能にし有益である。
【0075】
この目的のため、対応する手段によって測定が行なわれる4つの測定部位を設けられてもよく、その測定結果は、適した手段、すなわち、フィルタ入口にある手段およびフィルタ出口にある手段、すなわち、血液側にある手段および透析液側にある手段のそれぞれによって評価される。
【0076】
本発明に係る幾つかの実施形態において、外部機能手段は、その特定の部分が、(少なくとも)結合面(または、その主面)に対して垂直な一方向で、他の部分よりも厚い。厚い部分は、そのうちの1つ以上を設けることができる、例えば光学測定装置、超音波装置、温度測定装置などの測定装置を受けるのに役立つ。
【0077】
厚くはなく、主に好ましくは外部機能手段の主結合面と平行におよび/または処理機器のアクチュエータセンサ面と平行に外部機能手段の主延在面内で延在する外部機能手段の部分は、同じ効果を有することができる。外部機能手段を延ばすこれらの部分(1つ以上)を同様に厚くすることができるが、本発明によれば、これは必要ない。
【0078】
測定装置は、そのドアにより、処理機器のドア側から処理機器と接続可能あるいは接続することができ、本発明に係る特定の実施形態では、外部機能手段が処理機器により押圧されおよび/またはその使用目的で覆われる。
【0079】
測定装置は、そのプレートにより、処理機器のアクチュエータセンサプレート側から処理機器と接続可能あるいは接続することができ、本発明に係る幾つかの実施形態では、外部機能手段と処理機器との間で機能接続または信号接続が確立される。
【0080】
そのような厚い部分または長い部分に配置される測定装置は、例えば、外部機能手段の供給または排出流体チャネル(特に、外部機能手段から流体を排出する流体チャネル、または、外部機能手段へあるいは外部機能手段内に流体を供給する流体チャネル)内の状態または状況のそれぞれを測定するのに役立つことができる。それらをそのような流体チャネルに近接して配置することができる。
【0081】
厚いあるいは長い部分の全てあるいは一部は、外部機能手段の境界または縁部に設けられるのが好ましい。これは、前述した部分のうちの1つにそれぞれ存在する測定装置と処理装置との間で簡単な接続を可能にすることができ有益である。また、境界または縁部でのそのような構成は容易なアクセスを許容し得る。
【0082】
外部機能手段は、前述した厚いあるいは長い部分または他の位置に、ライン漏れまたはバルブ漏れを検出するための例えば光学検出器などの検出器を結合するための測定点を備えることができる。そのような漏れは、例えば仮想バルブ、逆止弁の近傍で、供給ラインまたは排出ライン(例えば、バルブへ通じるあるいはバルブから離れる)で起こり得る。測定点および/または特に光学検出器を、対応する位置に配置できる。
【0083】
本発明に係る幾つかの実施形態において、外部機能手段は、それぞれが少なくとも1つの隔壁を備える1つ以上の付加部位を備えることができる。隔壁は、付加中に容易に透過されるように設計することができるが、シール、したがって、安全性および緊密性を有利に提供する。
【0084】
好ましくは、付加部位は、外部機能手段に組み込まれ、あるいは、外部機能手段と一体である。
【0085】
付加部位は、外部機能手段の端部領域または境界領域に配置することができる。本発明に係る幾つかの実施形態において、そのような構成は、付加部位への容易なアクセスを可能にすることができ有益である。本発明に係る特定の実施形態において、これは、特に、外部機能手段がその前側およびその後側の両方で処理機器と結合する目的で処理機器と接触する(例えば押圧する)ケースにおいて当てはまり、したがって、隔壁による付加のために前側および後側の両方に達することは、厄介でありあるいは困難である。そのため、幾つかの実施形態では、人間工学的な利点を得ることができる。
【0086】
更なる好ましい実施形態では、(好ましくは外部機能手段のその意図されるあるいは従来のそれぞれの使用中(例えば、外部機能手段が処理機器で押圧される状態での使用中)の意図されるあるいは従来のそれぞれの位置または配置に関して)供給ライン(全体または一部)または供給ラインへのあるいは供給ラインとの接続部位(例えば、供給ラインの接続ポート)が外部機能手段の上側領域に存在するように、外部機能手段にあるいは外部機能手段内に供給ラインを配置することができる。
【0087】
上側領域は境界または縁領域であってもよい。上側領域は、結合面または結合領域よりも上側の領域であってもよい。
【0088】
供給ラインは抗凝血剤のためのラインであってもよい。供給ラインがヘパリンラインであってもよい。抗凝血剤、例えばヘパリンのためのそれぞれのシリンジポンプを外部機能手段の使用中に外部機能手段またはその結合面よりも上側に配置することができる。
【0089】
本発明に係る幾つかの実施形態で得ることができる利点は、人間工学的な利点、短い供給ラインによってもたらされる更なる利点、接続部位の改善されたアクセス可能性なども備える。
【0090】
供給ラインは、幾つかの実施形態では、血液処理における外部機能手段の使用中にそれを通じて流体を体外で流れる血液へ供給できるラインあるいはそのために設けられるラインとして理解され得る。
【0091】
血液処理機器は、カセットバルブを動作させるための制御手段を備えてもよい。制御手段は、好ましくは、自由にプログラムできる態様でカセット一体型事前希釈と事後希釈との間を切り換えてもよい。制御手段は、好ましくは、代替物流(体積流量)を変えてもよい。情報プロバイダは、特に、透析装置の上流側および下流側に配置されるカセット一体型圧力測定部位であってもよい。
【0092】
本発明の目的は、請求項53〜66に係る本発明の方法によって更に達成される。以下、方法について説明する。
【0093】
一例として、以下では、血液処理方法が血液透析濾過法などの透析方法であると仮定する。血液処理機器は例えば透析手段である。
【0094】
透析手段は、動脈部と静脈部とを有する体外回路を備える。透析手段は動脈患者チューブクランプと静脈患者チューブクランプとを更に備える。
【0095】
透析中、患者は、例えば瘻孔、シャントまたは移植片、あるいは、典型的には二本針アクセスまたは単針アクセスの形態を有するカテーテルなどの患者のアクセスを介して体外回路に接続される。
【0096】
体外回路は、血液を運ぶ血液ポンプと、代替物を運ぶ代替物ポンプと、対応するポンプチューブセグメントとを備えてもよい。
【0097】
血液ポンプおよび代替物ポンプは、蠕動ポンプ、例えばローラポンプとして構成されてもよい。
【0098】
透析処理中の血液の「搬送方向」または「流れの方向」は、浄化されるべき血液が通常運ばれる方向を示す。特に、「搬送方向」または「流れの方向」は、患者から動脈針、動脈部、透析手段(図では下から上へ)、静脈部を介して延在する方向を示してもよく、また、静脈針を介して患者へ戻ってもよい。
【0099】
この搬送方向に抗して行なわれる流体(特に、血液および/または代替物)の搬送は、反対方向の搬送または流れと称される。
【0100】
血液処理機器は透析液入口と透析液出口とを有する透析手段を備え、この場合、透析液が血液と反対の方向で(図では上から下へ)透析手段を通じて運ばれてもよい。
【0101】
代替物は、代替物付加部位および事前希釈付加バルブおよび/または事後希釈付加バルブを介して体外回路へ導入されあるいは投入されてもよい。
【0102】
表現「時計回り」または「反時計回り」は図を参照する。血液ポンプおよび代替物ポンプは、通常、透析処理中の通常の搬送方向に対応してもよい反時計回り方向で運ぶ。
【0103】
プライミング中または充填中、事前希釈付加バルブ、事後希釈付加バルブ、および、単針血液バルブはそれぞれ最初に開放状態にあってもよい。
【0104】
好ましい態様では、動脈患者チューブクランプおよび静脈患者チューブクランプも開放する。
【0105】
動脈患者接続部および静脈患者接続部が互いに接続されるのが好ましい。
【0106】
体外回路と大気または収集容器との間の流体接続を確立することができかつ外部機能手段を通じて流れる流体を体外回路から排出できる機械側バルブ(「濯ぎポート」としても知られる)であるプラグバルブも閉じられることが好ましい。
【0107】
代替物が代替物付加部位を介して加えられる。
【0108】
代替物ポンプが始動される。この場合、代替物ポンプは(添付図面の紙面に対して)反時計回り方向に動作されることが好ましい。血液ポンプが好ましくは時計回り方向で始動される。
【0109】
代替物は、事後希釈付加バルブよりも前の位置のところまであるいは該位置へ運ばれるのが好ましい。到達時に事後希釈付加バルブが閉じられるのが好ましい。
【0110】
代替物は、事前希釈付加バルブを通じて、好ましくは透析手段へ向かう方向でおよび/または血液ポンプへ向かう方向で運ばれる。
【0111】
透析手段へ向けて流れる代替物は、透析手段および体外回路の静脈部を通過してもよく、また、外部機能手段の静脈血液チャンバに入ってもよい。
【0112】
血液ポンプへ向けて流れる代替物は、血液ポンプ内に挿入されるポンプチューブセグメントを時計回り方向で通過してもよい。好ましい態様において、代替物は、動脈患者接続部と静脈患者接続部との間の接続部を通じて更に流れて、外部機能手段の血栓トラップを通過して、静脈血液チャンバに達する。
【0113】
本発明によれば、血栓トラップであるいはその内部で、適切な圧力測定手段により体外回路内の圧力を測定することができる。これは、好ましくは、例えば血液処理カセットとして構成される外部機能手段のカバー手段にわたって行なわれてもよい。カバー手段がフィルムとして構成される場合、測定は、フィルムにわたってあるいはフィルムの媒介によって行なわれてもよい。したがって、このようにすると、好ましくは特に透析装置を通過した後に体外回路内の圧力を測定することができる。
【0114】
ここで、透析手段へ向けて流れる代替物を、静脈血液チャンバ内で、血液ポンプへ向けて流れる代替物と混合させることができる。
【0115】
静脈血液チャンバが満たされると、事前希釈付加バルブおよび単針血液バルブが好ましくは閉じられてもよくあるいは自動的に閉じてもよい。
【0116】
代替物ポンプが停止しあるいは停止されることが好ましい。事前希釈付加バルブ、事後希釈付加バルブ、および、単針血液バルブが閉じられるのが好ましい。
【0117】
代替物は、血液ポンプを動作させることにより体外回路を通じて運ばれる。
【0118】
好ましくは、単針チャンバ内には代替物が存在せずあるいは少量しか存在しない。
【0119】
本発明によれば、オンライン充填手法が以下のように行なわれてもよい。
1.自動代替物コネクタを接続する。
2.例えば一方の患者チューブの一端から他方の患者チューブへの適切なアクセスを与える適切なコネクタにより、動脈患者チューブおよび静脈患者チューブが血液処理機器の濯ぎポートに接続される。他の患者チューブの端部が、濯ぎポートの排水導管として機能する。コネクタは代替として、動脈患者導管または静脈患者導管に配置されてもよい。
3.静脈患者チューブクランプが閉じられ、事後希釈バルブが開かれ、事前希釈バルブが閉じられる。
4.空気の分離が単針バルブを通じて行なわれた状態で、事後希釈バルブを介して代替物ポンプにより静脈チャンバを充填する。
5.血液ポンプが順方向に動作して静脈チャンバから代替物を吸い込みあるいは吸引する。
6.静脈チャンバ内のレベルが下がると、所定の充填レベルを超えたことをレベル検出器が認識するまで事後希釈バルブを介した補充が行なわれる。必要に応じて繰り返されるこのプロセス中、血液ポンプの連続動作が維持される。
7.血栓トラップを「下側から」脱気する。すなわち、3つの全てのカセットバルブが閉じられる。動脈クランプが開かれ、静脈クランプが閉じられる。濯ぎポートが閉じられる。
8.少量を運ぶために血液ポンプが短時間にわたって逆方向に動作する。これにより、静脈負圧および動脈過圧が体外血液回路内に生み出される。
9.圧力平衡が確立されるまで静脈クランプを開く。
10.体外血液回路の充填を続ける。
11.充填された体外血液回路を濯ぐ(rinsing)。すなわち、気泡の発生が静脈気泡検出器により検出される。所定の時間間隔の過程で気泡が検出されないとあるいは気泡が殆ど検出されないと、体外血液回路が充填されたと見なされる。
12.濯ぎ中、代替物が事前希釈バルブを介して運ばれて濯ぎポート(「プラグバルブ」)を通じて廃棄される。
13.ここで、動脈クランプおよび静脈クランプの両方が開放される。血液ポンプが逆方向に動作して代替物の一部を濯ぎポートへ運ぶ。
【0120】
オンライン充填(代替物が透析機内にオンライン供給される)における別の方法として、充填液のための供給源としての生理食塩水溶液を収容する外部バッグにより充填を行なうこともできる。この目的のため、動脈患者導管が生理食塩水溶液を収容するバッグに接続される。静脈患者導管は、使用済み生理食塩水溶液のためのシンクとしてのいわゆる廃棄バッグに接続される。血液ポンプが順方向に動作する。事前希釈バルブおよび事後希釈バルブを開放することにより、これらの2つのバルブ間に配置される導管を充填することもできる。
【0121】
両方の方法において、患者は、所定の濯ぎ量に達しない前に体外血液回路に接続される。
【0122】
濯ぎにおいては、事前希釈付加バルブ、事後希釈付加バルブ、および、単針血液バルブが最初に閉じられることが好ましい。
【0123】
動脈患者チューブクランプおよび静脈患者チューブクランプが初めに開放するのが好ましい。
【0124】
動脈患者接続部および静脈患者接続部は依然として互いに接続される。
【0125】
代替物は、血液ポンプを動作させることにより体外回路を通じて運ばれる。この場合、例えば、単針チャンバ内には代替物が存在しない。
【0126】
このとき、事前希釈付加バルブは、プラグバルブ(機械側バルブまたは「濯ぎポート」)と同様に開放されるのが好ましい。
【0127】
代替物ポンプを(好ましくは、図面の面の反時計回り方向で)動作させかつ血液ポンプを(好ましくは時計回り方向で)動作させることにより、代替物が体外回路を通じて連続的に運ばれることが好ましい。血液ポンプは代替物ポンプよりもゆっくり回転してもよい。
【0128】
代替物は、廃棄するために排出導管を介して体外回路から抜け出てもよい。
【0129】
透析を行なうため、患者が体外回路に接続される。接続は、例えば、二本針アクセスによってあるいは単針アクセスによって達成されてもよい。
【0130】
患者接続の第1の変形では、好ましくは、事前希釈付加バルブ、事後希釈付加バルブ、および、単針血液バルブが閉じられてもよい。
【0131】
患者は、動脈針および静脈針を介して二本針アクセスにより体外回路に接続されてもよい。
【0132】
好ましい態様では、動脈患者チューブクランプおよび静脈患者チューブクランプが最初に閉じられてもよい。
【0133】
その後、動脈患者チューブクランプが開かれてもよい。
【0134】
血液ポンプが(好ましくは反時計回り方向に)動作されて好ましくは血液を動脈針を通じて体外回路へ運んでもよい。
【0135】
代替物は、廃棄されるために体外回路から透析液出口で排出されてもよい。
【0136】
浄化されるべき血液が透析手段の血液入口に達すると、動脈患者チューブクランプが好ましくは閉じられてもよく、また、その後に静脈患者チューブクランプが開かれてもよい。
【0137】
血液ポンプが停止されてもよい。
【0138】
ここで、血液は、好ましくは、静脈針を通じて体外回路へ流れて、血栓トラップを通じて静脈血液チャンバへ流れるとともに、静脈フィルタ導管を通じて血液出口へ流れて透析手段から流出してもよい。
【0139】
第2の変形によれば、患者は、もう一つの方法として、患者接続部を介して体外回路に接続されてもよい。
【0140】
最初に、事前希釈付加バルブ、事後希釈付加バルブ、および、単針血液バルブが閉じられるのが好ましい。
【0141】
患者は、例えば、再び二本針アクセスにより、動脈針および静脈針を介して体外回路に接続されてもよい。
【0142】
このとき、血液ポンプが(好ましくは反時計回り方向に)動作して血液を動脈針を通じて体外回路へ運んでもよい。血液は、好ましくは、透析手段および外部機能手段を通じて流れてもよい。血液は好ましくは静脈針を通じて患者内に入ってもよい。
【0143】
動脈患者チューブクランプおよび静脈患者チューブクランプが好ましくは開放状態にとどまってもよい。
【0144】
代替物の付加を伴わない透析処理では、事前希釈付加バルブおよび事後希釈付加バルブが閉じられてもよい。二本針アクセスを使用することにより透析処理を行なう場合には、単針血液バルブが好ましくは閉じられてもよい。
【0145】
また、動脈患者チューブクランプおよび静脈患者チューブクランプが好ましくは開放し、それにより、血液が体外回路を通じて連続的に流れてもよい。
【0146】
好ましい態様において、血液ポンプは、血液を動脈針を通じて体外回路へ運ぶとともに静脈針を通じて元の患者へ運んでもよい。
【0147】
血液が透析手段を通じて流れ、この透析手段において、血液が、透析手段を通じて血液と反対方向に流れる透析液により有利に浄化されてもよい。
【0148】
好ましい態様では、両方のステップ、すなわち、動脈吸引および静脈吸引が少なくとも所定の期間にわたって同時に行なわれてもよい。
【0149】
表現「オンラインHDF事前希釈」は、透析方法、特に、浄化されるべき血液に対して代替物が加えられる血液透析濾過法を示す。
【0150】
この方法(「オンラインHDF事前希釈」)では、事前希釈付加バルブが好ましくは開放してもよく、一方、事後希釈付加バルブおよび単針血液バルブが閉じられてもよい。
【0151】
動脈患者チューブクランプおよび静脈患者チューブクランプは、好ましくは開かれてもよい。
【0152】
血液ポンプ(好ましくは反時計回り方向に動作する)は、透析処理に関して既に前述したように、血液を動脈針を通じて体外回路へ運ぶとともに静脈針を通じて元の患者へあるいは患者の脈管系へ運んでもよい。
【0153】
代替物ポンプ(好ましくは反時計回り方向に動作する)は、体外血液回路の動脈部の事前希釈付加バルブであるいは該バルブを発端として血液と混合してもよい代替物を運んでもよい。
【0154】
先の説明にしたがって、好ましくは、透析液は、透析手段を通じて血液と反対方向で伝導されてもよく、また、透析手段を通じて同様に流れる血液を浄化するために使用されてもよい。
【0155】
表現「オンラインHDF事後希釈」は、透析方法、特に、浄化された血液に代替物が加えられる血液透析濾過法を示す。
【0156】
好ましい態様において、ここでは事後希釈付加バルブが開かれてもよく、一方、事前希釈付加バルブおよび単針血液バルブが閉じられる。
【0157】
プロセスシーケンスは、静脈部の事後希釈付加バルブであるいは該バルブを発端として代替物が浄化された血液に加えられて該血液と混合してもよいことを除き、前述した「オンラインHDF事前希釈」のシーケンスにほぼ対応する。
【0158】
いわゆる「オンラインHDF混合希釈」は、前述した「オンラインHDF事前希釈」のプロセスと前述した「オンラインHDF事後希釈」のプロセスとの間を切り換えることができるプロセスを示す。
【0159】
ここで、事前希釈または事後希釈のそれぞれの部分プロセスが特定の期間にわたって維持されてもよい。それぞれの部分プロセスが連続的に繰り返されてもよい。
【0160】
事前希釈または事後希釈の時間的割合は、固定されてもよくあるいは比率を変えることができてもよく、また、測定された量に応じて変えられてもよい。
【0161】
前述したように患者への二本針アクセスを使用することによる血液処理のための別の方法として、単針アクセス(「カセット一体型単針」)を使用することにより血液処理が行なわれてもよい。
【0162】
単針アクセスは、体外回路の動脈部と静脈部とに分かれるY形状部を備えてもよい。
【0163】
事前希釈付加バルブおよび事後希釈付加バルブが閉じられてもよい。一方、単針血液バルブが好ましくは開かれてもよい。このようにして、静脈血液チャンバと単針チャンバとの間の流体連通を行なうことができてもよい。
【0164】
動脈患者チューブクランプおよび静脈患者チューブクランプが閉じられてもよい。
【0165】
患者が体外回路に接続され、また、動脈患者チューブクランプが好ましくは開かれてもよい。
【0166】
血液ポンプは、血液を体外回路を通じて静脈血液チャンバを介して運んでもよく、好ましくは血液を外部機能手段の単針チャンバ内へ運んでもよい。
【0167】
単針チャンバがほぼ満たされあるいは完全に満たされると、血液ポンプが好ましくは停止されてもよく、また、動脈患者チューブクランプが閉じられてもよい。その後、静脈患者チューブクランプが開かれてもよい。
【0168】
血液は、静脈部を通じて、元の患者の脈管系内へあるいは患者へ流れてもよい。
【0169】
その後、動脈患者チューブクランプが開かれることが好ましい。
【0170】
プロセスは、必要および/または望みに応じて連続的にあるいは特定の間隔で繰り返されてもよい。
【0171】
血液透析濾過法を用いた単針処理の組み合わせも同様に可能である。
【0172】
血液処理方法の後、好ましくは体外回路に存在する血液が処理後に患者へ再循環されてもよい。
【0173】
血液再循環の第1の変形では、事前希釈付加バルブが開かれてもよく、また、事後希釈付加バルブおよび単針血液バルブが閉じられてもよい。
【0174】
動脈患者チューブクランプが好ましくは閉じられてもよく、一方、静脈患者チューブクランプが開かれてもよい。
【0175】
二本針アクセスの動脈針および静脈針が好ましくは患者にあるいは患者と共にとどまってもよい。
【0176】
代替物ポンプ(好ましくは反時計回り方向に動作する)は、好ましくは代替物を事前希釈付加バルブを介して体外回路へ運ぶように動作されてもよい。
【0177】
代替物は、プロセスにおいて、透析手段および体外回路の静脈部を通じて流れて、血液を移動させてもよい。代替物が静脈針に達する直前に、代替物ポンプが好ましくは停止されてもよい。
【0178】
この後、静脈患者チューブクランプが閉じられてもよく、また、動脈患者チューブクランプが開かれてもよい。
【0179】
代替物ポンプ(好ましくは反時計回り方向に動作する)および血液ポンプ(好ましくは時計回り方向に動作する)が動作されてもよい。
【0180】
事前希釈付加バルブを発端としてあるいは該バルブで、代替物が患者へ向けて動脈部へ運ばれてもよい。動脈針に達する直前に、両方のポンプが好ましくは停止されてもよい。
【0181】
動脈針および静脈針を通じた戻りが同時に行なわれてもよい。その後、代替物ポンプが高速で順方向に動作し、また、血液ポンプが低速で逆方向に動作する。
【0182】
血液再循環プロセスの第2の実施形態では、事前希釈付加バルブ、事後希釈付加バルブ、および、単針血液バルブが閉じられてもよい。
【0183】
動脈患者チューブクランプおよび静脈患者チューブクランプが好ましくは閉じられてもよい。
【0184】
好ましい態様では、少なくとも1つのセンサ/検出器が体外血液回路の動脈部に設けられてもよく、また、少なくとも1つのセンサ/検出器が体外血液回路の静脈部に設けられてもよい。
【0185】
動脈針が患者から外されてもよく、および/または、動脈患者導管が動脈針から外されてもよい。動脈患者チューブクランプおよび静脈患者チューブクランプが好ましくは開かれてもよい。
【0186】
血液ポンプ(好ましくは反時計回り方向に動作する)は、血液を動脈針を通じて体外回路へ運ぶように動作されてもよい。
【0187】
体外血液回路の動脈部のセンサ/検出器が空気の存在を検出すると、血液ポンプは、好ましくは、血液が事前希釈付加バルブに達するまで血液を運び続けてもよい。その後、血液ポンプが好ましくは停止されてもよい。
【0188】
動脈患者接続部が閉じられてもよい。
【0189】
代替物ポンプが動作されてもよい(好ましくは反時計回り方向に動作する)。
【0190】
事前希釈付加バルブが開かれてもよく、また、代替物ポンプが好ましくは代替物を事前希釈付加バルブを介して体外回路へ運んでもよい。
【0191】
代替物は、体外回路を通じて流れて好ましくは該回路内に存在する血液を移動させてもよい。静脈患者チューブクランプのセンサ/検出器が代替物の存在を認識すると、代替物ポンプは、好ましくは、全ての血液が体外回路から患者へ再循環されるまで、血液および代替物を静脈針を通じて患者へ運び続けてもよい。
【0192】
最後に、静脈針が引き抜かれてもよく、また、ポンプが好ましくは停止されてもよい。
【0193】
空にするため、事前希釈付加バルブおよび事後希釈付加バルブが開放してもよいが、単針血液バルブは閉じられてもよい。
【0194】
動脈患者チューブクランプおよび静脈患者チューブクランプが閉じられてもよい。
【0195】
動脈患者接続部および静脈患者接続部が好ましくは互いに接続されてもよい。
【0196】
プロセスの初めに、動脈患者チューブクランプおよび静脈患者チューブクランプが開かれてもよい。
【0197】
代替物は、好ましくは、代替物付加部位であるいは代替物付加部位により体外回路へ導入されてもよい。空にするため、空気が運ばれてもよい。
【0198】
代替物ポンプは、(反時計回り方向に)動作されて、代替物を体外回路を通じて事前希釈付加バルブおよび事後希釈付加バルブへ運んでもよい。
【0199】
消費された代替物は、好ましくは、廃棄されるために透析液出口で体外回路から抜け出てもよい。空気が運ばれて、それにより代替物が移動されてもよい。
【0200】
代替物は、一方では事前希釈付加バルブを通じて運ばれてもよく、他方では事後希釈付加バルブを通じて透析手段へ運ばれてもよい。
【0201】
事前希釈付加バルブが閉じられてもよい。血液ポンプが始動されてもよい。
【0202】
血液ポンプを動作させ(好ましくは反時計回り方向に動作する)かつ代替物ポンプを動作(好ましくは反時計回り方向に動作する)させることにより、空気が、体外回路を通じて−事後希釈付加バルブよりも上流側で始めて−および、静脈血液チャンバ、血栓トラップ、静脈部、動脈部を通じて透析手段へ運ばれてもよい。空気は、好ましくは、透析液出口を通じて体外回路から出てもよい。使用済みの代替物は廃棄されてもよい。
【0203】
以下、図面を参照しつつ、本発明の好ましい実施形態により本発明を説明する。図中、同じ参照符号は同じあるいは同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0204】
【図1】カバー手段をその前側に有する好ましい実施形態にしたがって設けられる本発明の外部機能手段の側面図を示している。
【図2】カバー手段が破壊的な切断後にめくり開かれた状態の図1の外部機能手段を示している。
【図3】図1および図2の外部機能手段をその後側から示している。
【図4】血液処理プロセスを行なう前の本発明に係る予備プロセスまたはプライミングプロセスの実行中の段階を簡略化された概略図で示している。
【図5】血液処理プロセスを行なう前の本発明に係る濯ぎプロセスの実行中の段階を簡略化された概略図で示している。
【図6】血液処理機器の体外回路に対して患者を接続するための本発明に係る第1のプロセスの実行中の段階を簡略化された概略図で示している。
【図7】血液処理機器の体外回路に対して患者を接続するための本発明に係る第2のプロセスの実行中の段階を簡略化された概略図で示している。
【図8】本発明に係る第1の血液処理プロセスの実行中の段階を簡略化された概略図で示している。
【図9】事前希釈を使用することによる図8の血液処理プロセスの実行中の段階を簡略化された概略図で示している。
【図10】事後希釈を使用することによる図8の本発明に係る血液処理プロセスの実行中の段階を簡略化された概略図で示している。
【図11】混合希釈(事前希釈)を使用することによる図8の本発明に係る血液処理プロセスの実行中の段階を簡略化された概略図で示している。
【図12】混合希釈(事後希釈)を使用することによる図8の本発明に係る血液処理プロセスの実行中の段階を簡略化された概略図で示している。
【図13】単針アクセスを使用することによる本発明に係る第2の血液処理プロセスの実行中の段階を簡略化された概略図で示している。
【図14】本発明に係る第1の血液再循環プロセスの実行中の段階を簡略化された概略図で示している。
【図15】本発明に係る第2の血液再循環プロセスの実行中の段階を簡略化された概略図で示している。
【図16】血液処理プロセスの実行後の本発明に係る排出プロセスの実行中の段階を簡略化された概略図で示している。
【図17】更なる実施形態における本発明に係る外部機能手段をその前側から見た簡略化された概略図で示している。
【図18】図17の図の細部を簡略化された概略図で示している。
【図19】その後側から見た斜視図で示される、図17の更なる実施形態における本発明に係る外部機能手段を簡略化された概略図で示している。
【図20】図19の図の細部を簡略化された概略図で示している。
【図21】本発明に係る外部機能手段をその前側から見た簡略化された概略図で示している。
【図22】図21の図の細部を簡略化された概略図で示している。
【図23】図21の図の更なる細部を簡略化された概略図で示している。
【図24】外部機能手段の本発明に係る1つの実施形態を簡略化された概略図で示している。
【図25】図24の図の細部を簡略化された概略図で示している。
【図26】図24の図の更なる細部を簡略化された概略図で示している。
【発明を実施するための形態】
【0205】
本発明の典型的な説明のため、血液処理機器が処理機器として選択され、血液処理方法が方法として選択される。
【0206】
図中の標準的な矢印は血液流れの方向を示す。ブロック矢印は代替物流れのそれぞれの方向を示す。二重ブロック矢印は、透析液流れのそれぞれの方向を示す。
【0207】
図1は外部機能手段の側面図を示しており、この外部機能手段には図1の紙面にカバー手段が設けられる。
【0208】
ここでは、外部機能手段が典型的にカセット1000として構成される。
【0209】
カセット1000は硬質部1を備える。図1に典型的に示されるように、硬質部1は、チャンバ、通路、および、バルブを備える。図1に更に典型的に示されるように、チャンバ、通路、および、バルブは、硬質部1に組み込まれ、あるいは、少なくとも一部が硬質部1によって形成される。
【0210】
図1のカセット1000には、その前側に、カバー手段、この場合には例えばフィルム3が設けられる。カバー手段は、平坦な態様で、すなわち平らに、硬質部1に溶着されてもよい。
【0211】
本発明によれば、三次元形態の溶着およびシール輪郭を伴う実施形態も可能である。
【0212】
カバー手段は、カセット1000の硬質部1のチャンバおよび/または通路を、具体的にはカバー手段の硬質部1から離れた方を向く側に対しておよび/または大気に対して閉じてもよい。
【0213】
図1から分かるように、フィルム3は、外周シールバー4でカセット1000の硬質部1上に載置する。フィルム3は、外周溶着部5でカセット1000の硬質部1と溶着される。
【0214】
あるいは、外周シールバー4が露出態様で実現されてもよい。
【0215】
フィルム3は、更なる局部的な溶着部(図示せず)でカセット1000の硬質部1に接続されてもよい。これらは、外周であってもよく、すなわち、リングおよび/またはドット形状に類似する有限という意味で閉じられている。
【0216】
フィルム3は、点または線の形態で特に液体伝導通路の周辺域でカセット1000の硬質部1と局所的に接続され、例えば溶着されてもよい。
【0217】
フィルム3は、レーザ溶着によってカセット1000の硬質部1に接続されてもよい。ここで、光吸収要素を使用することによって熱の局所的な付与が行なわれれば有益である。光吸収要素は、フィルムおよび/または硬質部の材料の一部であってもよく、または、フィルムと硬質部との間にあるいはフィルムの上側に配置される層であってもよい。層がフィルム層であってもよい。
【0218】
カセット1000は、少なくとも図1に示されるその前側により血液処理機器(図1に示されない)に結合されてもよい。血液処理機器の結合面に対するカセット1000の適切な結合のための典型的な技術は、2009年3月10日にドイツ特許商標局に出願された表題「Vorrichtung zum Verbinden einer externen Funktionseinrichtung mit einer Anordnung,Anordnung aufweisend eine solche Vorrichtung und Verfahren zum Verbinden」[Device for connecting an external functional means to an arrangement,arrangement including a like apparatus,and connecting method]を有する特許出願10 2009 012 633.3および同様に2009年3月10日にドイツ特許商標局に出願された表題「Abdichtungseinrichtung zum Abdichten eines Voluments einer medizinischen Behandlungsanordnung gegen ein weiteres Volumen sowie Anordnung und Verfahren」[Sealing means for sealing a volume of a medical treatment arrangement against another volume,as well as arrangement and method]を有する特許出願10 2009 012 632.5に記載されており、これらのそれぞれの開示内容は参照することにより全体が本願に組み入れられる。
【0219】
カセット1000は、フィルム3の面によってあるいはフィルム3の媒介によって血液処理機器の結合面に結合されてもよい。結合面は好ましくは三次元的に実現されてもよい。
【0220】
血液処理機器の結合面は、例えば図1に示されるその上端部で、図1の上端から下端へ延在する垂直線に対して8°だけ後方に(観察者から図1の描画面へ延在する方向に)傾けられてもよい。
【0221】
カセット1000は動脈患者接続部7を備える。
【0222】
カセット1000は動脈圧測定チャンバ9を備える。該チャンバは対応するセンサを含んでもよい。センサは、信号を好ましくはケーブルの媒介により送信してもよい。しかしながら、センサは、信号を無線態様で送信するように設けられてもよい。
【0223】
カセット1000は、カセット1000から血液を出すためのコネクタ11と、血液をカセット1000へ入れるためのコネクタ13とを備える。
【0224】
2つのコネクタ11、13は、血液ポンプのポンプチューブセグメントまたはポンプチューブセットに接続されるように構成されている。
【0225】
カセット1000は、透析装置(「プレフィルタ」)よりも上流側またはポンプ(「ポストポンプ」)よりも下流側のそれぞれの体外血液回路で圧力測定するための圧力測定部位を含むチャンバ15を更に備える。
【0226】
チャンバ15では、透析装置よりも上流側の体外回路内の圧力がフィルム3にわたってあるいはフィルム3を介して測定されてもよい。
【0227】
カセット1000は動脈フィルタ導管17および静脈フィルタ導管19を備える。
【0228】
カセット1000の内部は静脈血液チャンバ21を含む。静脈血液チャンバ21は上側空間23と下側空間25とに分けられる。
【0229】
静脈血液チャンバ21の上側空間23は血液の横方向接線流入を許容してもよい。ここで、血液は、入口(図1の左側)を通じて上側空間23内へ横方向に流れて、上側空間23の壁に対して接線方向に広げられてもよい。血液の横方向接線流入は、静脈血液チャンバ21の上側空間23内にほぼ安定したあるいは完全に安定した血液の回転流を伴う領域を形成してもよい。
【0230】
静脈血液チャンバ21の下側空間25は血液流のための沈静域に相当してもよい。そのような沈静域は、場合により、ここに存在する血液の回転流を実質的に有さずあるいは回転流を全く有さなくてもよい。
【0231】
静脈血液チャンバ21は、カセット1000の硬質部1の断面制限部27によって上側空間23と下側空間25とに分けられる。断面制限部27は、噴射流または急流をもたらすように静脈血液チャンバ21の断面をその幅および深さにおいて減少させ、それにより、カセット1000の静脈血液チャンバ21を横切った流体がゆっくりとした流速を伴って流れる。上側空間23と下側空間25は流体連通する。
【0232】
そのような構造により、すなわち、静脈血液チャンバ21を血液のほぼ安定したあるいは完全に安定した回転流を伴う領域と血液流のための沈静域とに分けることにより、血液または流体からの空気の効率的な分離を達成することができ有益である。
【0233】
静脈血液チャンバ21の上側空間23および下側空間25の壁は、図1のカセット1000の上部の垂直線に対する傾き、例えば図1に示されるカセット1000の上部の後方への(紙面へ向かう)8°の傾きに適切に適合されてもよい。壁は、静脈血液チャンバ21を通過する流体のための流動学的に最適な接触面を有利に描くように適切に円形状を有してもよい。
【0234】
カセット1000は血栓トラップ29を備える。
【0235】
血栓トラップとして、2009年6月10日にドイツ特許商標局に出願された本発明の出願人の表題「Gerinnselfanger,externe Funktionseinrichtung,Blutkreislauf sowie Behandlungsvorrichtung」[Clot trap,external functional means,blood circuit and treatment apparatus]を有する特許出願10 2009 024 495.6に開示される血栓トラップを使用できるのが好ましい。その関連する開示内容は参照することにより全体が本願に組み入れられる。
【0236】
血栓トラップ29では、体外回路内の圧力を、フィルム3を介してあるいはフィルム3にわたって、すなわち、特に透析装置の通過後に測定することができる。
【0237】
カセット1000は静脈患者接続部31を備える。
【0238】
カセット1000は動脈ヘパリン付加部位33を備える。ここで、ヘパリン付加部位33(静脈ヘパリン付加部位37と同様に)は、唯一好ましい態様において抗凝血剤または活性剤の組み合わせであるヘパリン以外の薬理学的に活性な薬剤を付加するのに適しかつ付加するように意図されていてもよいことに留意すべきである。このことは、これまでのあるいは以下の任意の種類の文脈でヘパリンが言及されるときには常に留意されるべきである。
【0239】
カセット1000は動脈ヘパリン付加部位33の逆止弁35を備える。
【0240】
動脈ヘパリン付加部位33の逆止弁35としてかつカセット1000の更なる逆止弁としても使用できる典型的な逆止弁は、2009年6月10日にドイツ特許商標局に出願された表題「Ventilvorrichtung,Ventileinsatz,externe Funktionseinrichtung,Behandlungsvorrichtung sowie Verfahren」[Valve device,valve insert,external functional means,treatment apparatus,and method]を有する本発明の出願人の特許出願10 2009 024 469.7に開示されており、その関連する開示内容は参照することにより全体が本願に組み入れられる。
【0241】
カセット1000は動脈ヘパリン付加バルブ36を備える。動脈ヘパリン付加バルブ36により、動脈フィルタ導管17内へのヘパリンの付加が制御されあるいは調整されてもよい。
【0242】
動脈ヘパリン付加バルブ36がいわゆる仮想バルブとして構成されてもよい。
【0243】
ここで使用される表現「仮想バルブ」は、バルブの機能をとり得る作用体によって達せられ得る作用体面(このケースでは、例えば、作用体膜)を有する要素を示す。
【0244】
作用体膜は、それに対して力、例えば押圧力を加えることにより、一方向に移動させ、拡張させ、あるいは、湾曲させるなどすることができる。その移動または拡張の結果として、作用体膜は、シール手段、例えばバーなどの要素と接触してもよく、あるいは、該要素から離れてもよい。したがって、作用体膜は、例えば、シール効果をもたらしあるいは高めあるいは終端させあるいは減少させてもよい。
【0245】
作用体膜に作用する力の付与が停止されあるいは力が解放されると、作用体膜は、例えば基本位置、例えば非湾曲状態へ戻ることができる。
【0246】
動脈ヘパリン付加バルブ36として使用するための仮想バルブおよびカセット1000の更なる仮想バルブは、カセット1000の硬質部1の通路のバー部分と該バー部分と接触するあるいは対向するフィルム3の部分とを伴って構成されあるいはこれらの部分から構成されてもよい。
【0247】
仮想バルブは、血液処理機器の作用体を介して動作されてもよい。
【0248】
仮想バルブを閉じるために、フィルム3の前記部分がバー部分に押し付けられてもよい。仮想バルブを開放するために、フィルム3の前記部分が再びバー部分から上昇されてもよい。
【0249】
仮想バルブにおける更なる例および/または実施形態は、本出願人によって2009年3月10日にドイツ特許商標局に出願された表題「Abdichtungseinrichtung zum Abdichten eines Volumens einer medizinischen Behandlungsanordnung gegen ein weiteres Volumen sowie Anordnung und Verfahren」[Sealing means for sealing a volume of a medical treatment arrangement against another volume,as well as arrangement and method]を有する特許出願10 2009 012 632.5において見出すことができる。その関連する開示内容は参照することにより全体が本願に組み入れられる。
【0250】
カセット1000は静脈ヘパリン付加部位37を備える。静脈ヘパリン付加部位37がルアーコネクタとして構成されてもよい。
【0251】
カセット1000は静脈ヘパリン付加部位37の逆止弁39を備える。
【0252】
カセット1000は静脈ヘパリン付加バルブ40を備える。静脈ヘパリン付加バルブ40を用いて、静脈フィルタ導管19内へのヘパリンの付加が制御されあるいは調整されてもよい。
【0253】
カセット1000は代替物付加部位41または代替物コネクタをそれぞれ備える。
【0254】
代替物付加部位41は、本出願人によって2009年6月10日にドイツ特許商標局に出願された表題「Verbindungseinrichtung und Verfahren zum Verbinden wenigstens zweier fluidfuhrender medizintechnischer Systeme,sowie medizintechnische Vorrichtung」[Connection means and method for connecting at least two fluid−conducting medical−technical systems,as well as a medical−technical apparatus]を有する本出願人の特許出願10 2009 024 575.8に記載される接続手段であってもよい。その関連する開示内容は参照することにより全体が本願に組み入れられる。
【0255】
代替物付加部位41には接触保護要素(図示せず)が設けられてもよい。代替物付加部位41には滴下保護要素(図示せず)が設けられてもよい。滴下保護要素が一体型閉塞スリーブによって実現されてもよい。滴下保護要素は、カセット1000が解放されてその後に血液処理機器から除去されるときに代替物および/または血液の残留物が滴下するのを防止することができる。
【0256】
滴下保護要素が取り外しできるように実現されてもよい。滴下保護要素がフードまたは蓋であってもよい。
【0257】
代替物付加部位41またはカセット1000の何らかの他の部分が不正開封保護を更に備えてもよく、その結果として、ユーザは、カセット1000が既に使用されたかどうかを容易にあるいは一見して認識する。この不正開封保護は、接触保護要素、閉塞スリーブ、または、何らかの他の構造によって実現されてもよい。好ましくは、対応する構造が、カセット1000内でのその位置またはカセット1000に対するその位置を認識できるように変更してもよい。好ましくは、対応する構造がその形状を変えてもよい。
【0258】
また、代替物付加部位41またはカセット1000の何らかの他の部分が再使用に対する防御を備えてもよい。好ましい態様において、カセット1000は、試みられる再使用に対して閉塞スリーブにより、好ましくは不可逆的な態様で、使用できないようにされる。それにもかかわらずカセット1000が再び使用される場合には、血液処理機器のセンサは、新たなカセットの使用中に測定されるはずの信号特性を測定しない。これは、液体がカセット1000内にあるいは代替物付加部位41内に入ることができない、あるいは少なくとも十分なまたは通常の量で入ることができないという事実に起因してもよい。血液処理機器の制御ユニットがこれを認識してもよい。警告がなされてもよい。
【0259】
不正開封保護または再使用に対する防御として、2009年6月10日にドイツ特許商標局に出願された表題「Verbindungseinrichtung und Verfahren zum Verbinden wenigstens zweier fluidfuhrender medizintechnischer Systeme,sowie medizintechnische Vorrichtung」[Connection means and method for connecting at least two fluid−conducting medical−technical systems,as well as a medical−techinical apparatus]を有する特許出願10 2009 024 575.8に本発明の出願人によって開示される不正開封保護または再使用に対する防御を使用できることが好ましい。その関連する開示内容は参照することにより全体が本願に組み入れられる。
【0260】
カセットは、カセット1000から代替物を出すためのコネクタ43と、代替物をカセット1000へ入れるためのコネクタ45とを備える。
【0261】
コネクタ43、45は、代替物ポンプのポンプチューブセグメントまたはポンプチューブセットに接続されるように構成されている。
【0262】
カセット1000は代替物の付加のための逆止弁47を備える。
【0263】
代替物は、逆止弁47を動作させることにより代替物導管49内へ導入されてもよい。
【0264】
カセット1000は事前希釈付加バルブ51を備える。事前希釈付加バルブ51は仮想バルブとして構成されてもよい。
【0265】
カセット1000は事後希釈付加バルブ53を備える。事後希釈付加バルブ53は仮想バルブとして構成されてもよい。
【0266】
カセット1000は単針殺菌膜55を備える。
【0267】
カセット1000は単針チャンバ57を備える。図1では、単針チャンバ57が静脈血液チャンバ21の上側に配置される。
【0268】
単針チャンバ57の内側には血液サージ変向要素59が配置される。血液サージ変向要素59は、血液サージを減速させおよび/またはその衝撃を解消するのに役立ってもよい。
【0269】
単針チャンバ57の内側に対する接続は、2009年6月10日にドイツ特許商標局に出願された表題「Einrichtung sowie externe Funktionseinrichtung und Behandlungsvorrichtung zum Behandeln von mediziniscen Fluiden」[Device and external functional means and treatment apparatus for the treatment of medical fluids]を有する特許出願10 2009 024 467.0に本発明の出願人によって開示される接続手段によってなされてもよい。その関連する開示内容は参照することにより全体が本願に組み入れられる。
【0270】
カセット1000は単針血液バルブ61を備える。単針血液バルブ61は仮想バルブとして構成されてもよい。
【0271】
カセット1000は真空引き部位63を備える。真空引き部位63は、例えば、その関連する開示内容の全体が参照することにより本願に組み入れられる2007年9月10日にドイツ特許商標局に出願された表題「Vorrichtung und Verfahren zur Behandlung einer medizinischen Flussigkeit」[Apparatus and method for treating a medical liquid]を有する特許出願10 2007 042 964 A1に記載されるように血液処理機器に対するカセット1000の真空結合に役立ってもよい。
【0272】
カセット1000は主アライメントセンタ65を備える。主アライメントセンタ65は、血液処理機器に対してカセット1000を位置合わせするおよび/または係止するのに有利に役立ってもよい。
【0273】
カセット1000は副アライメント部位67を備える。副アライメント部位67は、血液処理機器に対してカセット1000を位置合わせするおよび/または係止するのに役立ってもよい。
【0274】
カセット1000にはプライミングを始める前にガス(例えば殺菌空気)が満たされる。体外血液回路のプライミング中には、このガス充填が取って代えられなければならない。この場合、上昇導管および下降導管の両方が存在し、更には「エアネスト」が残存してはならないチャンバが存在するため、血液処理カセットは一般に特定の課題をもたらす。この目的のため、本カセット1000には特別な構造特徴が設けられる。
【0275】
すなわち、動脈圧を測定するためのチャンバ15は、空気全体がポンプチューブセグメントへ(例えば、ポンプチューブセグメント90へ;例えば図4参照)上昇できるように構成される。有利には、デッドスペースは存在しない。動脈圧測定チャンバから血液ポンプのポンプチューブセグメントへ独りでに上昇する空気は、血液ポンプの係合範囲からポンプチューブセグメントを通じて(例えば、ローラポンプのローラによって)強制的に運ばれる。(例えばローラの離脱に起因して)ポンプが影響を及ぼすのを止めると直ぐに、空気が独りでにカセット1000へ搬送方向に上昇する。
【0276】
静脈再循環導管(または、例えば図4に示される体外回路の静脈部93)は下降導管である。特定の体積流量(例えば、図1に示されるカセット1000の場合には200ml/分)を発端として、血液中の気泡が重力加速度に抗して「同伴される」。この効果は下降導管で利用される。下降導管の導管断面は、重力加速度に抗する気泡の強制搬送が流速に起因してうまくいくような小さいサイズをもって設計される。
【0277】
静脈血液チャンバ21では大きい断面が与えられ、それにより、気泡は、この場所に存在するゆっくりとしたあるいは低い流速に起因して流れの主方向に逆らってそこで確実に上昇できる。
【0278】
カセット1000の更なる構造特徴は以下の通りである。
【0279】
仮想バルブ40、51、53は、カセット1000が血液で動作される間に血液(水または代替物などよりも高い密度を有する)が開放された仮想バルブに「上向きに」あるいは「横向きに」殆ど侵入できないように物理的に方向付けられる。これは、血液が軽い水と比べて下降するからである。そのような有利な方向付けは仮想バルブ40、51、53を用いて実現される。一方、バルブ36はそのような要件を伴わない。すなわち、そこでは方向付けが重大ではない。
【0280】
同じ理由のため、代替物を加えるための逆止弁47の下側の導管通路(スタブ通路)が上昇態様で構成される。事前希釈および/または事後希釈バルブ51、53の故障、および、その結果として生じる血液のバイパス流の場合には、血液がもはや代替物導管49へ上昇できない。血液は、むしろ、対応するスタブ導管の開口を通り過ぎて流れる。
【0281】
カセット1000の傾きは、好ましくは5°〜11°、特に好ましい態様では既に言及した8°である。
【0282】
図2は図1のカセット1000を示しており、この場合、よりよく図示するために、フィルム3がカセット1000の左縁および上下で破壊的に切り開かれて右へめくり開かれているのが分かる。
【0283】
図2に示されるように、フィルム3は表面テクスチャを有する。
【0284】
図2は、フィルム3を切り開いた後の更に詳しく見えるカセット1000の内側の要素を示している。
【0285】
繰り返しを避けるため、図1の説明で論じた個々の要素の構成を参照されたい。
【0286】
ここで、明らかに分かるように、カセット1000はシールバー69を備える。シールバー69は、例えば、事前希釈付加バルブ51を実現するために使用されてもよい。
【0287】
図3はカセット1000をその後側から示している。カセット1000が血液処理機器に結合されると、カセット1000を除去するために血液処理機器のドアを開放する観察者がこの後側を見る。
【0288】
カセット1000は単針エアコネクタ71を備える。このエアコネクタは、単針殺菌膜55の支持グリッド(図示せず)を機器側および/または血液側で単針エアコネクタ71に配置するために設けられてもよい。
【0289】
カセット1000は幾つかの支持バーを備える。支持バーは例えばフィルム3の面に対して異なる高さを有する。支持バーは、図3の観察者に面するカセット1000の側に突出され、すなわち、図3の紙面から突出される。
【0290】
カセット1000は、5mmの高さを有する支持バー73と、8mmの高さを有する支持バー75と、13mmの高さを有する支持バー77と、24mmの高さを有する支持バー79と、31mmの高さを有する支持バー81とを備える。無論、これらの数値および他の数値が単なる例にすぎないことは言うまでもない。
【0291】
支持バーは、血液処理機器に結合される状態で、カセットを受けるための血液処理機器の受入れ手段の蓋に対してカセットを支持する役目を果たしてもよい。血液処理機器に対するカセットのそのような結合の典型的な実施形態は、2009年3月10日にドイツ特許商標局に出願された表題「Vorrichtung zum Verbinden einer externen Funktionseinrichtung mit einer Anordnung,Anordnung aufweisend eine solche vorrichtung und Verfahren zum Verbinden」[Device for connecting an external functional means to an arrangement,arrangement including a like apparatus,and connecting method]を有する特許出願10 2009 012 633.3で与えられ、その関連する開示内容は参照することにより全体が本願に組み入れられる。
【0292】
図3において、カセット1000は、それが機械インタフェースに対するその結合後にユーザ/観察者によって見られるように示されている。機械に対するカセット1000の傾きは「後方傾斜」を伴って実現され、それにより、上縁は、下縁よりもユーザ/観察者から更に離れて配置される。
【0293】
したがって、上方に面する静脈血液チャンバ21および単針チャンバ57の表面は、カセット1000の傾きにもかかわらず気泡が依然として内側で確実に上昇し得るような傾きを有する。別の方法として、無論、カセットの傾きを何ら与えないカセット設計も基本的に可能である。
【0294】
以下では、図4〜図16を参照することにより、血液処理方法において本発明の外部機能手段によって使用されてもよい本発明に係る異なるプロセスについて説明する。
【0295】
血液処理機器は、外部機能手段、例えば、図1〜図3で既に説明した要素を有する図1〜図3で論じたカセット1000を備える。
【0296】
血液処理機器は、透析液体入口2001と透析液体出口2003とを有する透析手段2000を更に備える。
【0297】
血液処理機器は体外回路3000を更に備える。
【0298】
体外回路3000は、動脈患者チューブクランプ83と、静脈患者チューブクランプ85とを備える。
【0299】
体外回路3000は、ポンプチューブセグメント88を有する血液ポンプ87を備える。
【0300】
体外回路3000は、ポンプチューブセグメント90を有する代替物ポンプ89を備える。
【0301】
血液ポンプ87および代替物ポンプ89は、蠕動ポンプとして、例えば図示のようなローラポンプとして構成されてもよい。
【0302】
表現「搬送方向」または「流れの方向」は、血液処理中の通常の搬送方向、すなわち、患者から透析手段へ向かう浄化されるべき血液の搬送方向、および、透析手段から患者へ戻る浄化された血液の搬送方向を示す。図の紙面において、この搬送方向は反時計回り方向である。
【0303】
同様に、代替物の流れに関連する表現「搬送方向」または「流れの方向」は、代替物付加バルブ41から体外回路3000へ向かう血液処理中の代替物の通常の搬送方向を示す。
【0304】
この搬送方向に逆らって行なわれる流体(特に、血液および代替物)の搬送は、反対方向の搬送または流れとして定められる。
【0305】
体外回路3000は動脈部91と静脈部93とを備える。
【0306】
体外回路3000の動脈部91は、患者の動脈接続のための部分、例えば動脈針から、カセット1000を通じて、透析手段2000の血液入口へ向けて延在する。動脈部91は様々な構成要素を有する。つまり、患者の動脈接続部、動脈患者接続部7、動脈患者チューブクランプ83、動脈圧測定チャンバ9、動脈事後または事前フィルタ圧測定部位を有するチャンバ15、血液ポンプ87のポンプチューブセグメント88、動脈フィルタ導管17、および、透析手段2000の血液入口は全て、体外回路3000の動脈部91の一部である。
【0307】
体外回路3000の静脈部93は、透析手段2000の血液出口から患者の静脈接続のための部分、例えば静脈針へ向けて延在する。静脈部93は様々な構成要素を有する。つまり、透析手段2000の血液出口、静脈フィルタ導管19、静脈血液チャンバ21、血栓トラップ29、単針チャンバ57、静脈患者接続部31、静脈患者チューブクランプ85、および、患者の静脈接続部は全て、体外回路3000の静脈部93の一部である。
【0308】
図4は、本発明の方法にしたがって利用された流体導管を充填するための予備プロセスまたはプライミングプロセスの実行中の段階を示している。
【0309】
体外回路3000の動脈部91および静脈部93は互いに接続される。
【0310】
カセット1000の事前希釈付加バルブ51、事後希釈付加バルブ53、および、単針血液バルブ61は開放される。2つの患者チューブクランプ83、85も開放される。
【0311】
図4は、予備プロセスまたはプライミングプロセス中の瞬間状態または段階として描かれた形態を示している。
【0312】
代替物が代替物付加部位41を介して体外回路3000へ導入される。この目的のため、自動代替物コネクタが接続される。体外回路3000の動脈部91の動脈患者チューブおよび体外回路3000の静脈部93の静脈患者チューブは、例えば一方の患者チューブの一端から他方の患者チューブへの適切なアクセスを与える適したコネクタによって、血液処理機器の濯ぎポートに接続される。他方の患者チューブの端部は、濯ぎポートへの排出導管としての役目を果たす。あるいは、コネクタは、動脈または静脈患者導管、すなわち、動脈部91または静脈部93に配置されてもよい。
【0313】
静脈患者チューブクランプ85が閉じられ、事後希釈付加バルブ53が開かれ、事前希釈付加バルブ51が閉じられる。
【0314】
静脈血液チャンバ21の充填が事後希釈付加バルブ53を介して代替物ポンプ89によって行なわれる。ここで、空気の分離が単針血液バルブ61を介して行なわれる。
【0315】
血液ポンプ87は、順方向に動作して、静脈血液チャンバ21から代替物を取り込みあるいは吸引する。
【0316】
静脈血液チャンバ21の液位が下降すると、所定の充填レベルを超えたことを液位検出器が認識するまで事後希釈付加バルブ53を介した補充が行なわれる。必要に応じて繰り返されるこのプロセス中、血液ポンプの連続動作が維持される。
【0317】
血栓トラップ29が「下側から」脱気される。すなわち、3つの全てのカセットバルブ(51、53、61)が閉じられる。動脈患者チューブクランプ83が開かれ、また、静脈患者チューブクランプ85が閉じられる。濯ぎポートが閉じられる。
【0318】
血液ポンプ87は、少量を運ぶために短時間にわたって逆方向に動作する。これにより、静脈負圧および動脈過圧が体外回路3000で生み出される。
【0319】
圧力平衡が確立される限りにわたって静脈患者チューブクランプ85が開かれる。
【0320】
その後、体外回路3000の充填が続けられる。
【0321】
静脈患者チューブクランプ85のセンサ/検出器115、例えば静脈気泡検出器によって、気泡の発生が検出される。所定の時間間隔の過程で気泡がないことあるいは気泡が殆どないことが検出されると直ぐに、体外回路3000が充填されていると見なされる。
【0322】
その後、充填された体外回路3000が濯がれる。濯ぎ中、代替物が事前希釈付加バルブ51を介して運ばれて濯ぎポート(「プラグバルブ97」)を通じて廃棄される。
【0323】
プロセスでは、動脈患者チューブクランプ83および静脈患者チューブクランプ85の両方が開かれる。血液ポンプ87は、逆方向に動作して、代替物の一部を濯ぎポートへ運ぶ。
【0324】
既に前述したように、オンライン充填のための別の方法(透析機で代替物がオンライン供給される)として、液体を充填するための供給源として生理食塩水溶液を収容する外部バッグを用いた充填を行なうこともできる。この目的を達成するため、体外回路3000の動脈患者導管または動脈部91は、生理食塩水溶液を収容するバッグに結合される。体外回路3000の静脈患者導管または静脈部93は、使用済み生理食塩水溶液のためのシンクとしてのいわゆる廃棄物バッグに結合される。血液ポンプ87は順方向に動作する。事前希釈付加バルブ51および事後希釈付加バルブ53を開くことにより、これらの2つのバルブ間に配置される導管を充填することもできる。
【0325】
両方の方法では、所定の濯ぎ量に達してから患者が体外回路3000に結合される。
【0326】
図5は、本発明の方法に係る濯ぎプロセスの段階を示している。
【0327】
体外回路3000(この時点で閉じられている)内を循環する代替物を前処理後または充填後(プライミング)に体外回路から除去するため、プラグバルブ97が開かれる。
【0328】
代替物ポンプ89が再び作動される。事前希釈付加バルブ51が開かれる。
【0329】
血液ポンプ87および代替物ポンプ89が代替物を体外回路3000から排出導管95を介して運ぶ。
【0330】
図5は、瞬間状態としてあるいは濯ぎプロセスの段階で描かれた形態を示している。
【0331】
血液ポンプ87および代替物ポンプ89が新しい代替物を絶えず運び、それにより、体外回路3000が濯がれる。使用される代替物が廃棄される。
【0332】
血液ポンプ87および代替物ポンプ89はそれぞれ時計回り方向に運ぶ。血液ポンプ87および代替物ポンプ89は互いからオフセットして運んでもよい。代替物ポンプ89は血液ポンプ87よりも急速に回転してもよい。
【0333】
図6は、二本針アクセス99によって第1の態様で本発明の方法にしたがって体外回路3000に患者4000を接続している段階を示している。全ての図が方法ステップを提供するように、図6も1つの段階を表わしているにすぎない。
【0334】
患者4000を血液処理機器に対して結合するために、二本針アクセス99が使用される。
【0335】
二本針アクセス99は、固定部102、例えばスリーブ、テープなどを有する動脈針101と、固定部104、例えばスリーブ、テープなどを有する静脈針103とを備える。
【0336】
動脈針101はカセット1000の動脈患者接続部7に接続される。静脈針103はカセットの静脈患者接続部31に接続される。
【0337】
静脈針103は、患者4000に配置されて動かないようにされあるいは固定される。動脈針101は、患者4000に配置されて固定される。静脈針103は、動脈針101の前に患者4000に接続されてもよい。
【0338】
充填の結果として、体外回路3000が代替物で満たされる。事前希釈付加バルブ51、事後希釈付加バルブ53、および、単針血液バルブ61が閉じられる。
【0339】
最初に、両方の患者チューブクランプ83、85が閉じられる。
【0340】
血液ポンプ87が作動される。動脈患者チューブクランプ83が開かれる。
【0341】
図6は、血液ポンプ87を始動させる直前の動脈患者チューブクランプ83が既に開放された瞬間の状態として描かれる形態を示している。
【0342】
血液は、患者4000から動脈針101を介して体外回路3000の動脈部91へ運ばれるとともに、代替物を移動させるあるいは運ぶ。代替物は、透析手段2000の透析液出口2003を介して血液処理機器から運び出される。
【0343】
体外回路3000の動脈部91からの血液が透析手段2000の血液入口105に達すると、動脈患者チューブクランプ83が閉じられて、血液ポンプ87が停止される。
【0344】
静脈患者チューブクランプ85が開かれる。
【0345】
血液は、静脈針103を介して反対方向で体外回路3000の静脈部93に入る。血液ポンプ87は作動されない。
【0346】
血液は、例えば、重力に起因して静脈部93に入ってもよい。
【0347】
血液は、静脈部93を通じて反対方向で流れて、血栓トラップ29および静脈血液チャンバ21に入る。血液は、静脈フィルタ導管19を通じて流れて、血液出口107を通じて反対方向で透析手段2000に入る。
【0348】
図7は、第2のモードの段階、または、患者4000を血液処理機器に接続するための別のプロセスの段階である。
【0349】
患者4000は、動脈針101および静脈針103によって体外回路3000に接続される。
【0350】
動脈患者チューブクランプ83および静脈患者チューブクランプ85が開かれる。事前希釈付加バルブ51、事後希釈付加バルブ53、および、単針血液バルブ61が閉じられる。
【0351】
代替物は体外回路3000全体に存在する(単針チャンバ57内を除く)。
【0352】
血液ポンプ87が始動される。透析手段2000はONにされない。
【0353】
図7は瞬間状態として描かれる形態を示している。このとき、代替物のみが体外回路3000に存在する。
【0354】
血液ポンプ87を動作させることにより、血液は、患者4000から動脈針101を介して体外回路3000の動脈部91へ運ばれる。血液は、透析手段2000内へその血液入口105で流入し、そこから、透析手段2000の血液出口107を通じて体外回路3000の静脈部93へ流れる。
【0355】
血液は、静脈フィルタ導管19を介してカセット1000に到達して、事後希釈付加バルブ53の閉位置で静脈血液チャンバ21に入る。この場合、血液は、静脈血液チャンバ21の上側空間内に接線方向で流入してもよい。
【0356】
血液は、静脈血液チャンバ21から、血栓トラップ29を介してカセット1000から出て、静脈患者接続部103を介して元の患者4000へ達する。
【0357】
図8は、患者への二本針アクセスを使用する透析処理の段階を示している。
【0358】
動脈患者チューブクランプ83および静脈患者チューブクランプ85が開かれる。事前希釈付加バルブ51、事後希釈付加バルブ53、および、単針血液バルブ61が閉じられる。
【0359】
図8は、血液ポンプ87の動作下での透析処理中の瞬間状態として描かれる形態を示している。
【0360】
透析手段2000が動作され、それにより、透析液が透析液入口2001で透析手段2000に入る。透析手段では、患者の血液の処理が行なわれる。透析液は透析液出口2003で透析手段2000から抜け出る。費やされた透析液は廃棄されあるいは浄化されてもよい。
【0361】
血液ポンプ87は、患者4000からの血液を動脈針101を介して体外回路3000の動脈部91へ運ぶ。この場合、血液はカセット1000を通過して透析手段2000へ運ばれる。
【0362】
プロセスでは、血液が透析液と反対の方向で透析手段2000を通じて流れて浄化される。透析手段2000の血液出口107では、浄化された血液が、透析手段2000から出て、静脈フィルタ導管19を通じてカセット1000へ流れ込むとともに、静脈血液チャンバ21および血栓トラップ29に入って、静脈患者接続部31でカセット1000から出る。
【0363】
浄化された血液は、静脈患者接続部103を介して再び患者4000へ戻される。
【0364】
代替物の供給は行なわれない。代替物ポンプ89は動作されない。
【0365】
図9は、代替物による血液の事前希釈を使用した図8に表わされる血液処理プロセスの段階を示している(「オンラインHDF事前希釈」)。
【0366】
事前希釈付加バルブ51が開かれる。事後希釈付加バルブ53および単針血液バルブ61が閉じられる。血液ポンプ87が動作される。代替物ポンプ89が始動される。代替物ポンプ89が血液ポンプ87と同期して動作されてもよい。
【0367】
記載された形態が図9に瞬間状態として表わされている。この場合、代替物が事前希釈付加バルブ51と事後希釈付加バルブ53との間に存在し、血液が残りの体外回路3000を通じて流れる。
【0368】
代替物ポンプ89は、事前希釈付加バルブ51で体外回路3000の動脈部91に入り血液と混合してこれを浄化させる代替物を運ぶ。
【0369】
図10は、代替物による血液の事後希釈を使用した図8に表わされる血液処理プロセスの段階を示している(「オンラインHDF事後希釈」)。
【0370】
事後希釈付加バルブ53が開かれる。事前希釈付加バルブ51および単針血液バルブ61が閉じられる。血液ポンプ87が動作される。代替物ポンプ89が始動される。代替物ポンプ89が血液ポンプ87と同期して動作されてもよい。
【0371】
記載された形態が図10に瞬間状態として表わされている。この場合、代替物が事前希釈付加バルブ51と事後希釈付加バルブ53との間に存在し、血液が残りの体外回路3000を通じて流れる。
【0372】
代替物ポンプ89は、事後希釈付加バルブ53で体外回路3000の静脈部93に入り浄化された血液と混合する代替物を運ぶ。
【0373】
図11および図12は、代替物による血液の混合希釈を使用した図8に表わされる血液処理プロセスの段階を示している(「オンラインHDF混合希釈−切換型」)。表現「混合希釈」は、事前希釈または事後希釈によって交互に行なわれる代替物による血液の希釈を示す。
【0374】
図11は、混合希釈の事前希釈区間を瞬間状態で示し、図12は、混合希釈の事後希釈区間を瞬間状態で示している。
【0375】
図11によって示されるプロセスは図9によって示されるプロセスの1つに対応し、図12によって示されるプロセスは図10のプロセスに対応する。血液ポンプ87および代替物ポンプ89は同期して回転する。血液ポンプ87および代替物ポンプ89は、例えば、図9および図10に表わされるプロセスまたはプロセス段階における場合よりも速く回転してもよい。
【0376】
図13は、患者への単針アクセスによる透析処理の段階のカセット1000および体外回路3000を示している(「カセット一体型単針」)。
【0377】
単針アクセス109は、患者4000に配置されて、固定部110によって固定される。固定部110は、例えば、スリーブ、テープなどとして実現されてもよい。
【0378】
単針アクセス109は、体外回路3000の動脈部91および静脈部93へ向かうY部品またはY形状分岐部111を備える。
【0379】
動脈患者チューブクランプ83が開かれる。静脈患者チューブクランプ85が最初に閉じられる。これは図13に表わされていない。
【0380】
血液ポンプ87が始動される。透析手段2000が動作される。患者4000からの血液は動脈部91を通じて透析手段2000へ運ばれる。透析手段2000では血液が浄化される。浄化された血液は体外回路3000の静脈部93へ導入される。
【0381】
血液はカセット1000の静脈血液チャンバ21に入る。単針血液バルブ61が開かれる。血液が単針チャンバ57に流入する。
【0382】
単針チャンバ57がほぼ満たされると、血液ポンプ87が停止され、図13に見られるように静脈患者チューブクランプ85が開かれる。透析プロセスが停止される。
【0383】
血液は、カセット1000、単針チャンバ57、静脈血液チャンバ21、および、血栓トラップ29から重力によって排出されて、患者4000へ再循環される。
【0384】
単針チャンバ29から血液が抜かれて該チャンバがほぼ空にされると、血液ポンプ87が再び始動される。
【0385】
血液処理のこの段階は必要に応じて繰り返される。
【0386】
図14は、血液処理の終了後の血液再循環プロセスの第1の変形例の段階を示している。
【0387】
動脈患者チューブクランプ83が開かれる。静脈患者チューブクランプ85が閉じられる。代替物ポンプ89が動作される。
【0388】
血液は体外回路3000に存在する。代替物は代替物導管49に存在する。
【0389】
事前希釈付加バルブ51、事後希釈付加バルブ53、および、単針血液バルブ61が最初に閉じられる。
【0390】
事前希釈付加バルブ51が開かれる。代替物は、体外回路3000の動脈部91を通じて透析手段2000へ運ばれる。
【0391】
搬送方向に対して事前希釈付加バルブ51の背後または上流側の体外回路3000に存在する血液は、透析手段2000および静脈部93を通じて患者4000へ運ばれる。
【0392】
代替物が静脈針103に達する直前に、代替物ポンプ89が停止される。
【0393】
静脈患者チューブクランプ85が開かれる。動脈患者チューブクランプ83が閉じられる。
【0394】
図14は、血液を移動させるために、開放された事前希釈付加バルブ51を通じて代替物が体外回路3000へ上流側に導入されるプロセス中の瞬間状態のカセット1000の形態を示している。
【0395】
血液ポンプ87および代替物ポンプ89が動作される。血液ポンプ87は、時計回り方向に回転し、したがって、搬送方向に逆らって回転する。代替物ポンプは反時計回り方向に回転する。血液ポンプ87および代替物ポンプ89は互いからオフセットして回転してもよい。
【0396】
代替物は、事後希釈付加バルブ53から体外回路3000の動脈部91へ運ばれるとともに、血液ポンプ87のポンプチューブセグメント88を通じて患者4000へ向けて運ばれる。代替物は、動脈部91に存在する血液を動脈針101と事前希釈付加バルブ51との間で移動させる。
【0397】
代替物が動脈針101に達する直前に、血液ポンプ87および代替物ポンプ89が停止される。
【0398】
図15は別の血液再循環プロセスの段階を示している。
【0399】
動脈患者チューブクランプ83および静脈患者チューブクランプ85には、体外回路3000の導管内部の光学密度の測定および代替物の出現の自動認識のためのそれぞれのセンサ/検出器113およびセンサ/検出器115が設けられる。他のおよび/または更なる適したセンサが使用されてもよい。センサおよび検出器は、単一部品としてあるいは別個の構成要素として実現されてもよい。
【0400】
動脈針101の固定部102が解放され、動脈針101が引き抜かれる。動脈患者チューブクランプ83が開かれる。事前希釈付加バルブ51が閉じられる。
【0401】
静脈針103は患者4000に接続されたままである。静脈患者チューブクランプ85が閉じられる。
【0402】
血液ポンプ87は、搬送方向で動作されて、血液を体外回路3000の動脈部91から運び出す。
【0403】
図15には、プロセスの開始直後の状態を示すプロセスの対応する瞬間状態が示されている。
【0404】
センサ/検出器113は代替物の出現を認識する。血液は、それが事前希釈付加バルブ51に達するまで運ばれる。その後、血液ポンプ87が停止される。
【0405】
代替物ポンプ89が始動される。動脈患者チューブクランプ83が閉じられる。静脈患者チューブクランプ85が開かれる。
【0406】
事前希釈付加バルブ51が開かれる。代替物ポンプ89は、静脈患者チューブクランプ85のセンサ/検出器115が代替物の出現を認識するまで、体外回路3000の動脈部91、透析手段2000、および、体外回路3000の静脈部93を通じて代替物を運ぶ。
【0407】
血液は、静脈針103を通じて元の患者4000へ運ばれる。
【0408】
図16は、排出プロセスの段階のカセット1000および体外回路3000を示している。
【0409】
患者はもはや処理機器に接続されない。体外回路3000の動脈部91および静脈部93が互いに接続される。
【0410】
動脈患者チューブクランプ83および静脈患者チューブクランプ85が開かれる。瞬間状態の形態の図16に示されるように、事前希釈付加バルブ51および事後希釈付加バルブ53が開かれる。
【0411】
代替物ポンプ89を動作させることにより、空気が代替物付加部位41を通じて体外回路3000に導入される。空気は、開放された事前希釈付加バルブ51および開放された事後希釈付加バルブ53を通じて流れ、それにより、体外回路3000に入る。
【0412】
空気は、体外回路3000および透析手段2000を通じて反対方向に流れる。
【0413】
事前希釈付加バルブ51が閉じられ、血液ポンプ87が動作される。血液ポンプ87および代替物ポンプ89は、空気をカセット1000を通じて透析手段2000へ搬送方向で運ぶ。空気は透析液出口2003で抜け出る。
【0414】
血液を患者内へ再循環させおよび/または体外回路を空にするための更なる適した方法は、例えば、2009年2月11日にドイツ特許商標局に出願された表題「Verfahren zum Entfernen von Blut aus einem extrakorporalen Blutkreislauf for eine Behandlungsvorrichtung nach Beenden einer Blutbehandlungssitzung und Vorrichtung zum Ausfuhren desselben」[Method of removing blood from an extracorporeal blood circuit for a treatment apparatus following termination of a blood treatment session,and apparatus for performing said method]を有する特許出願10 2009 008 346.4に記載されており、その関連する開示内容は参照することにより全体が本願に組み入れられる。
【0415】
また、そのような方法は、2009年6月10日にドイツ特許商標局に出願された表題「Verfahren zum Entfernen von Blut aus einem extrakorporalen Blutkreislauf,Behandlungsvorrichtung sowie Schlauchsystem」[Method of removing blood from an extracorporeal blood circuit,treatment apparatus,and tubing system]を有する本出願人の特許出願10 2009 024 606.1に記載されている。その関連する開示内容は参照することにより全体が本出願に組み入れられる。
【0416】
図17は、更なる実施形態にしたがった本発明に係る外部機能手段1000をその前側から見た簡略化された概略図で示している。その非常に多くの特徴に関して、図17に示されるカセット1000は、以下の全ての他の図においても同様に、図1〜図16に示されるカセット1000の実施形態に対応する。
【0417】
図17に示されるカセット1000の実施形態は、血液処理の前または終了後にカセット1000を(有利には簡単におよび/または迅速に)組み立ておよび/または分解するためのハンドホールド117を備える。ハンドホールド117は、一般に多くの労力を必要とする分解においても使用できる。
【0418】
ハンドホールドは、工具によって作動されるように、すなわち、主としてあるいは専ら手作業で作動されないように設計することができる。
【0419】
また、図17に示されるカセット1000の実施形態は、抽出ポイントまたは充填ポスト119をそれぞれ備える。カセット1000の充填ポスト119は、カセット1000からの代替物の抽出またはサンプリングのそれぞれを行なうために設けることができる。
【0420】
充填ポスト119は、図1〜図16に示される全ての構造およびラインに加えて設けることができる。
【0421】
充填ポスト119は、カセット1000の通常の血液処理動作中に流体によってフラッシングされないように設けることができる。好ましくは、そのような場合、流体は、処理中に充填ポスト119を通じてカセット1000から出ないあるいは充填ポスト119を通じてカセット1000に入らない。
【0422】
本発明によれば、充填ポスト119は、図示の位置以外の位置に設けることもできる。
【0423】
本発明によれば、充填ポスト119は、例えば、例外的なケースでは、例えば代替物などの流体を抽出しあるいは除去するための部位または位置のそれぞれとしての役目を果たしてもよい。抽出された流体、例えば代替物は、随意的な手動戻りの際、あるいは動脈ラインを介した患者の脈管系への体外血液の動脈注入の際に、移動流体として使用できる。後者は、戻りに適した流体を充填ポストにより僅かな労力で得ることができるという点において、特定のラインの閉塞の場合またはカセット機能あるいは処理機器の機能の障害の場合に役に立ち得る。
【0424】
充填ポスト119は、様々な方法でカセット1000に設けることができかつカセット1000と接続できる。本発明に係る特定の実施形態において、充填ポストはカセット1000のハウジング本体と一体で形成される。充填ポストは、カセットに注入されるルアーロック装置となることができあるいは該装置を備えることができる。
【0425】
本発明に係る幾つかの実施形態において、充填ポストはバルブ、特に切り換え可能なバルブを備える。
【0426】
本発明に係る特定の実施形態において、充填ポストは、流体を代替物に加えるのにも適しかつそのために設けられる。
【0427】
図17の外部機能手段1000は固定部121、123を更に備える。2つ以外の任意の数で設けられてもよいチューブ固定部121、123は、特定の実施形態では、例えばカセット1000の結合中に処理機器のドア開放に耐え抜くことにより、カセット1000の取り扱い中にカセットを使用するために必要とされるチューブの破壊または損傷を防止することができ有益である。
【0428】
参照符号125は、例えば、2009年6月10日にドイツ特許商標局に出願された表題「Ventilvorrichtung,Ventileinsatz,externe Funktionseinrichtung,Behandlungsvorrichtung sowie Verfahren」[Valve device,valve insert,external functional means,treatment apparatus,ant method]を有する本発明の出願人の特許出願10 2009 024 469.7に開示されるように設計される戻止め弁または逆止弁を示す。
【0429】
戻止め弁125は静脈ラインの付加バルブであってもよい。
【0430】
図17はヘパリン付加部位127を更に開示する。図17の典型的な実施形態において、ヘパリン付加部位は、単針チャンバ57の上側でかつ静脈血液チャンバ21の上側におけるカセット1000の上側領域に配置される。
【0431】
ヘパリン付加部位127は、簡潔ににヘパリンライン128と称されるヘパリンのための供給ラインと流体連通する。図17の実施形態において、ヘパリンライン128は、静脈血液チャンバ21が始まるカセット1000のレベルに達するまでヘパリン付加部位127から下方へ延在する。
【0432】
また、図17は、カセット1000が、下縁領域Uに、例えば血栓トラップ29の近傍にあるいは下側にあまり機能を同等に及ぼさない構造(comparably less function exerting structures)を備えることを示す。これは、例えば処理機器、そのドア、または、他の装置あるいは手段などとそれぞれ接続される測定装置などとカセット1000との結合を可能にする空間を、カセット1000の下縁領域Uにもたらす。そのような測定装置は、動脈および/または静脈温度センサ、気泡検出器、光学密度を測定するためのセンサなどであってもよい。
【0433】
したがって、このように必要とされる空間を設け、それに伴って前述したあるいは他のセンサを空間に設ける可能性を与えることは、プロセス安全性に寄与し、このようにして患者の危険を排除できる。
【0434】
空間Uをカセット1000の他の部分または領域に設けることもできることは明らかである。同様に、複数のそのような空間を設けることもできる。好ましくは、そのような空間は、カセット1000の境界領域または縁領域または端領域に設けられ、および/または供給ラインまたは排出ラインにあるいはそれに近接して設けられる。想定し得るセンサのそのような好ましい位置に起因して、空間は、直接的にあるいは間接的に、アクセス性を高めること、人間工学的態様を改善すること、および、例えば前述したセンサと分析装置とをそれぞれ接続しあるいは結合する(短い信号ライン)ためのコストを低減することにも役立つ。
【0435】
図18は、図17の領域Aの拡大表示を概略的な簡略化された態様で示している。拡大表示の図18に示される戻止め弁125は、例えば、それが処理の終了後に代替物をフラッシングできるように代替物の事後希釈付加のためのバルブとしてカセット1000に組み込むことができる。このように、この構成を使用することにより、戻止め弁の近傍でカセット1000のプライミングおよび濯ぎ中にキャビティを更に効率的な方法で通気することができ有益である。血液処理の終了後にカセット1000を空にした後に目に見える血液残留物の残存を回避することができ有益である。したがって、これは、随意的に、血液残留物の場合にカセット1000をその使用後に処分する際の第三者の汚染リスクの低減に寄与できる。戻止め弁125は、特にカセット1000の従来の使用中に人の支援を伴うことなくフラッシングされるように配置されるのが好ましい。
【0436】
また、図18は、仮想バルブ129および仮想バルブ130を示している。仮想バルブは出願の他の部分で特定される。詳細については、これらの部分を参照されたい。
【0437】
図19は、実質的にその後側から見た僅かに斜視的な図で表わされる更なる実施形態の本発明に係る外部機能手段を概略的に簡略化された図で示している。
【0438】
他の図に関して既に前述した構造に加えて、図19に示されるカセット1000の実施形態は、隔壁を備える付加部位131を更に備える。隔壁を備える付加部位131(簡潔に隔壁付加部位と称される)は、図19に示される実施形態では、カセット1000の上縁またはエッジのレベルにそれぞれ配置される。図19の上縁は、カセット1000の上側領域の1つの例である。
【0439】
図20は、図19の表示部分Bを拡大して概略的に簡略化された図で示している。
【0440】
図21は、実質的にその前側から見た僅かに斜視的な図で表わされる更なる実施形態の本発明に係る外部機能手段を概略的に簡略化された図で示している。
【0441】
例えば図17の実施形態以外で、カセット1000は、この更なる実施形態では、充填ポスト(そこでは参照符号119で示される)を備えていない。
【0442】
図22は、図21の表示部分Aを拡大して概略的に簡略化された図で示している。図18の構成とは異なる仮想バルブの構成をよく確認することができる。異なる構成が異なるフラッシング能力をもたらすことができる。
【0443】
図23は、図21の図の部分Bの更なる細部を概略的に簡略化された図で示している。
【0444】
図23から分かるように、静脈血液チャンバ21は、静脈血液チャンバ21の内壁および/または外壁の窪み133または収縮部または傾き変更部または減損部あるいは非対称性を備える。図21および図23の両方において、窪み133は、静脈血液チャンバ21の右縁および前側に示されている。
【0445】
窪み133は、少なくとも供給ラインに面する側に存在することができる。
【0446】
窪み133は、静脈チャンバの硬質部の外周の一部または全周に存在することができる。
【0447】
血液カセット1000の使用位置では、窪み133を略水平に配置することができる。
【0448】
特定の実施形態において、窪み133は、静脈血液チャンバ21の一部またはその壁の外周および/または直径の変更部に対応しあるいは該変更部を備えることができる。
【0449】
本発明に係る幾つかの実施形態では、水平部分に関して(図21のカセット1000またはカセット1000のその使用中の構成の描写に関して)、窪み133は、(窪み133のレベルで)静脈血液チャンバ21の非半円直径となることができあるいは非半円直径を備えることができる。
【0450】
本発明に係る特定の実施形態において、窪み133は、特に図21の描写の上下方向でのチャンバの断面の減少部であってもよい。
【0451】
本発明に係る幾つかの実施形態において、窪み133は、特に図21の描写の上下方向における、静脈血液チャンバ21の大きい断面または大きい断面積が静脈血液チャンバ21の小さい断面または小さい断面積を通り越す移行域または部分であってもよい。
【0452】
本発明に係る特定の実施形態において、窪み133は、特に図21の描写の上下方向における、静脈血液チャンバ21の外周の一部に沿って延在する凹みであってもよい。
【0453】
特定の実施形態において、窪み133は、上下方向での図21の描写に関して静脈血液チャンバ21の非対称形態をもたらすことができる。
【0454】
静脈血液チャンバ21の断面全体に沿って部分的にあるいは全体的に延在することができる窪み133は、驚くべきことに、静脈血液チャンバ21内で泡立ちあるいは発泡のそれぞれの減少をもたらした。
【0455】
単針バルブの形状を随意的に最適化することもできた窪み133によって達成される静脈血液チャンバ21の形状の最適化により、本発明の特定の実施形態では、処理の開始前に改良された通気を達成することができる。また、本発明に係る幾つかの実施形態では、改良された蒸気流を殺菌中に得ることができる。更に、本発明に係る特定の実施形態では、そこからもたらされる既知の利点を備える渦水空間または領域の減少を得ることができる。
【0456】
図24は、カセット1000の形態を成す本発明に係る外部機能手段を下側および前側から見た斜視図で概略的に簡略化して示している。
【0457】
図25は、図24の表示部分Cを拡大して概略的に簡略化された図で示している。図示のように、単針(SN)バルブのバルブシート135は、カセット1000のハウジング本体の近接または隣接バーあるいは部分と比べて下降されている。これにより、発明者は、乱流の形成を回避するあるいは減少させることができるだけでない流体の利点を得ることができる。下降は例えば0.5mmであってもよい。
【0458】
図26は、図24の表示部分Dを拡大して概略的に簡略化された図で示している。図26から分かるように、仮想バルブのバルブシート137、139は、カセット1000のハウジング本体の近接または隣接バーあるいは部分に対して下降されている。下降は例えば0.5mmであってもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのハウジング本体と、
医療用流体を受けるために前記ハウジング本体に組み込まれる少なくとも1つのチャンバ(9、15、21、57)と、
医療用流体を受けるおよび/または伝導するために前記ハウジング本体に組み込まれる少なくとも1つの通路(17、19、49)と、
外部機能手段を通じて流れる流体を制御しまたは調整するために前記ハウジング本体に全体的にまたは部分的に組み込まれる少なくとも1つのバルブ手段(35、36、39、40、47、51、53、61)と、
を備える、外部機能手段。
【請求項2】
少なくとも1つの前記一体型バルブ手段(35、36、39、40、47、51、53、61)の一部であるカバー手段をその表面の少なくとも1つに備える、請求項1に記載の外部機能手段。
【請求項3】
前記カバー手段が、その少なくとも一部が摩擦によっておよび/または形状閉塞によっておよび/または材料接続によって前記ハウジング本体に接続される、請求項2に記載の外部機能手段。
【請求項4】
前記カバー手段が、少なくとも1つの外周溶着部(5)によって前記ハウジング本体に接続される、請求項3に記載の外部機能手段。
【請求項5】
前記カバー手段が、更なる非外周溶着部またはドット形状溶着部または局所的な溶着部によって前記ハウジング本体に接続される、請求項3または4に記載の外部機能手段。
【請求項6】
前記カバー手段が、2つの側でまたは双方で、外部機能手段の少なくとも1つの構造体、特に前記ハウジング本体と接続される、請求項3〜5のいずれか一項に記載の外部機能手段。
【請求項7】
前記カバー手段がフィルム(3)である、請求項2〜6のいずれか一項に記載の外部機能手段。
【請求項8】
体外回路(3000)に流体連通状態で接続されるための接続部を備える、請求項1〜7のいずれか一項に記載の外部機能手段。
【請求項9】
血液でないまたは血液に限らない流体を外部機能手段の内部またはライン部分へ供給するのに適しかつ供給するように設けられる少なくとも1つの隔壁を備える少なくとも1つの付加部位(131)を更に備える、請求項8に記載の外部機能手段。
【請求項10】
外部機能手段のその使用中の位置合わせに関して上側領域にまたは境界領域に全体的にまたは部分的に配置される、特に抗凝血剤のための供給ラインを備える、請求項1〜9のいずれか一項に記載の外部機能手段。
【請求項11】
外部機能手段の使用中にその上側領域に配置される外部機能手段の領域に少なくとも配置される少なくとも1つのヘパリンライン(128)を備える請求項1〜10のいずれか一項に記載の外部機能手段。
【請求項12】
外部機能手段を処理機器と接続するおよび/または外部機能手段を処理機器から分離するための少なくとも1つのハンドルバーまたはハンドホールド(117)を備える、請求項1〜11のいずれか一項に記載の外部機能手段。
【請求項13】
外部機能手段がその使用目的で処理機器と接続される間に血液でないまたは血液に限らない流体を外部機能手段から抽出するのに適しかつ抽出するために設けられる少なくとも1つの充填ポスト(119)を備える、請求項1〜12のいずれか一項に記載の外部機能手段。
【請求項14】
外部機能手段が処理機器に結合される間に少なくとも1つのチューブの少なくとも1つの部分を外部機能手段に固定するための少なくとも1つのチューブ固定部(121、123)を備える、請求項1〜13のいずれか一項に記載の外部機能手段。
【請求項15】
血液処理のためのカセット(1000)として構成される、請求項1〜14のいずれか一項に記載の外部機能手段。
【請求項16】
血液処理カセット(1000)として構成され、該血液処理カセットが、その内部に収容される体外回路(3000)の部分に、少なくとも1つの動脈カセット一体型チャンバと少なくとも1つの静脈カセット一体型チャンバとを備え、前記カセット(1000)がカバー手段として少なくとも1つのフィルム(3)を備え、前記体外血液回路に存在する動脈圧および/または静脈圧を前記フィルム(3)の媒介によって測定できる、請求項8に記載の外部機能手段。
【請求項17】
前記動脈チャンバおよび/または前記静脈チャンバの上側の動脈圧および/または静脈圧を前記フィルム(3)の媒介によって測定するための手段を備える、請求項16に記載の外部機能手段。
【請求項18】
2つのコネクタ(11、13、43、45)によって少なくとも1つの蠕動ポンプに流体連通状態で接続されるように構成されている、請求項1〜17のいずれか一項に記載の外部機能手段。
【請求項19】
前記蠕動ポンプがローラポンプである、請求項18に記載の外部機能手段。
【請求項20】
少なくとも1つのポンプチューブセグメント(88、90)を備える、請求項18または19に記載の外部機能手段。
【請求項21】
前記ハウジング本体に形成される少なくとも1つのバーと前記カバー手段の少なくとも一部とを備える少なくとも1つのバルブ手段(36、40、51、53、61)を備え、前記バーおよび前記カバー手段が、流体の通路を変えるために前記カバー手段により前記バーに作用する血液処理機器の作用体によって動作されるように配置される、請求項1〜20のいずれか一項に記載の外部機能手段。
【請求項22】
流体が、代替物、ヘパリン、血液、生理食塩水溶液、空気、および、これらの組み合わせを含むグループの一部である、請求項1〜21のいずれか一項に記載の外部機能手段。
【請求項23】
血液処理機器に結合されるように構成されている、請求項1〜22のいずれか一項に記載の外部機能手段。
【請求項24】
受入れ手段によって前記血液処理機器に結合されるように構成されて意図される、請求項23に記載の外部機能手段。
【請求項25】
特に垂直線に対してほぼ8°または正確に8°の傾き角度で前記血液処理機器に結合されるように構成されている、請求項23または24に記載の外部機能手段。
【請求項26】
前記カバー手段に面する表面で処理機器に結合されるように構成されている、請求項23または24に記載の外部機能手段。
【請求項27】
接触保護要素および/または滴下保護要素を有する少なくとも1つの代替物付加部位(41)を備える、請求項1〜26のいずれか一項に記載の外部機能手段。
【請求項28】
滴下保護要素が一体型閉塞スリーブによって実現される、請求項27に記載の外部機能手段。
【請求項29】
患者(4000)に対する二本針アクセス(99)を使用する血液処理方法で用いる、請求項1〜28のいずれか一項に記載の外部機能手段。
【請求項30】
患者(4000)に対する単針アクセス(109)を使用する血液処理方法で用いる、請求項1〜29のいずれか一項に記載の外部機能手段。
【請求項31】
血液サージ変向要素(59)が配置される少なくとも1つの単針チャンバ(57)を備える、請求項1〜30のいずれか一項に記載の外部機能手段。
【請求項32】
少なくとも1つの静脈血液チャンバ(21)を備える、請求項1〜31のいずれか一項に記載の外部機能手段。
【請求項33】
前記単針チャンバ(57)が、外部機能手段のその使用中の方向に関して前記静脈血液チャンバ(21)の上側に配置される、請求項30または31に記載の外部機能手段。
【請求項34】
前記静脈血液チャンバ(21)が、前記ハウジング本体の断面制限部(27)によって少なくとも1つの上側空間(23)と少なくとも1つの下側空間(25)とに分けられる、請求項32または33に記載の外部機能手段。
【請求項35】
前記上側空間(23)および前記下側空間(25)が互いに流体連通または流体接続し、前記上側空間(23)が、外部機能手段を通じて流れる流体の接線方向流入を許容するように、またはもたらすように構成される、請求項34に記載の外部機能手段。
【請求項36】
前記上側空間(23)が、外部機能手段を通じて流れる流体の安定した回転流をもたらすための領域を含む、請求項34または35に記載の外部機能手段。
【請求項37】
前記下側空間(25)が、外部機能手段を通じて流れる流体の回転流が実質的にないまたは全くない領域を含む、請求項34〜36のいずれか一項に記載の外部機能手段。
【請求項38】
前記静脈血液チャンバ(21)の前記上側空間(23)および/または前記下側空間(25)の壁は、血液処理機器の垂直線に対する外部機能手段の傾きに適合される、請求項25〜37のいずれか一項に記載の外部機能手段。
【請求項39】
前記静脈血液チャンバ(21)の少なくとも1つの壁が少なくとも1つの窪み(133)を備える、請求項25〜38のいずれか一項に記載の外部機能手段。
【請求項40】
前記ハウジング本体が硬質部(1)として構成される、請求項1〜39のいずれか一項に記載の外部機能手段。
【請求項41】
不正開封保護を備える、請求項1〜40のいずれか一項に記載の外部機能手段。
【請求項42】
前記不正開封保護が前記代替物付加部位(41)の形態によって実現される、請求項41に記載の外部機能手段。
【請求項43】
前記不正開封保護が、前記カセット(1000)内のまたは前記カセット(1000)に対するその位置の変化に基づいておよび/またはその形状の変化に基づいて、前記代替物付加部位(41)の閉塞スリーブによってまたは接触保護要素によって実現される、請求項42に記載の外部機能手段。
【請求項44】
再使用に対する防御を備える、請求項1〜43のいずれか一項に記載の外部機能手段。
【請求項45】
再使用に対する前記防御が前記代替物付加部位(41)の形態によって実現される、請求項44に記載の外部機能手段。
【請求項46】
前記閉塞スリーブが再使用に関して使用できないようにされる、請求項44または請求項45に記載の外部機能手段。
【請求項47】
請求項1〜46のいずれか一項に記載の少なくとも1つの外部機能手段を受けるように構成されることを特徴とする血液処理機器、特に透析機器。
【請求項48】
前記外部機能手段を駆動させるおよび/または動作させるための少なくとも1つの制御手段および/または作用体および/またはセンサを備える、請求項47に記載の血液処理機器。
【請求項49】
請求項1〜46のいずれか一項に記載の少なくとも1つの外部機能手段を受けるための少なくとも1つの受入れ手段を備える請求項47または請求項48に記載の血液処理機器。
【請求項50】
前記受入れ手段が前記外部機能手段を結合するための結合面を備える、請求項49に記載の血液処理機器。
【請求項51】
前記結合面が、血液処理機器のその使用中の方向に対するまたは地球の中心に対する垂直線に対して所定の角度で傾けられる、請求項49または請求項50に記載の血液処理機器。
【請求項52】
前記角度が、5〜11°、特にほぼ8°または正確に8°である、請求項49〜51のいずれか一項に記載の血液処理機器。
【請求項53】
請求項1〜46のいずれか一項に記載の外部機能手段の使用によって特徴付けられる、外部機能手段を前処理し、またはプライミングするための方法。
【請求項54】
請求項1〜46のいずれか一項に記載の外部機能手段の使用によって特徴付けられる、外部機能手段を濯ぐための方法。
【請求項55】
請求項1〜46のいずれか一項に記載の外部機能手段の使用によって特徴付けられる、外部機能手段を患者(4000)に接続するための方法。
【請求項56】
請求項1〜46のいずれか一項に記載の外部機能手段の使用によって特徴付けられる、患者(4000)の血液処理のための方法。
【請求項57】
二本針方法におけるその実行によって特徴付けられる、請求項56に記載の血液処理のための方法。
【請求項58】
単針方法におけるその実行によって特徴付けられる、請求項56に記載の血液処理のための方法。
【請求項59】
血液を透析するための透析手段(2000)、特に透析フィルタを通じて血液を伝導するステップと、
前記透析手段(2000)を通過した血液を前記単針チャンバ(57)に保管するステップと、
を含み、
血液が、前記単針チャンバ(57)に入る前に最初に前記透析手段(2000)で透析される、請求項56または請求項58に記載の血液処理のための方法。
【請求項60】
事前希釈ステップを含む、二本針方法での透析中に、請求項1〜46のいずれか一項に記載の外部機能手段を動作させるための方法。
【請求項61】
事後希釈ステップを含む、二本針方法での透析中に、請求項1〜46のいずれか一項に記載の外部機能手段を動作させるための方法。
【請求項62】
少なくとも1つの事前希釈ステップと少なくとも1つの事後希釈ステップとを含む、二本針方法での透析中に、請求項1〜46のいずれか一項に記載の外部機能手段を動作させるための方法。
【請求項63】
単針方法での透析中に、請求項1〜46のいずれか一項に記載の外部機能手段を動作させるための方法。
【請求項64】
請求項1〜46のいずれか一項に記載の外部機能手段からの血液を再循環させるための方法。
【請求項65】
請求項1〜46のいずれか一項に記載の外部機能手段を空にするための方法。
【請求項66】
血液処理機器に挿入して使用される外部機能手段が既に使用されたかどうかを血液処理機器のセンサによって検査するステップ
を含む、請求項53〜65のいずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
特に請求項53〜66のいずれか一項に記載の方法を実行するように設計されおよび設けられまたは構成される、血液処理機器。
【請求項68】
請求項1〜46のいずれか一項に記載の外部機能手段を制御するための、または調整するためのおよび/または請求項53〜66のいずれか一項に記載の方法を実行するための制御手段を備える、請求項67に記載の血液処理機器。
【請求項69】
請求項53〜66のいずれか一項に記載の方法を実行するために、請求項1〜46のいずれか一項に記載の外部機能手段またはその一部を動作させるための少なくとも1つの作用体を備える、請求項67または請求項68に記載の血液処理機器。
【請求項70】
請求項53〜66のいずれか一項に記載の方法を実行するために、請求項1〜46のいずれか一項に記載の外部機能手段を動作させるための基準としての信号を出力するためのセンサを備える、請求項67〜69のいずれか一項に記載の血液処理機器。
【請求項71】
請求項1〜46のいずれか一項に記載のカセット(1000)を受けて制御するための透析機器。
【請求項72】
請求項1〜46のいずれか一項に記載の少なくとも1つのカセット(1000)を備える、請求項71に記載の透析機器。
【請求項73】
請求項47〜52のいずれか一項にしたがっておよび/または請求項67〜70のいずれか一項にしたがって構成される、請求項71または72に記載の透析機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公表番号】特表2012−524563(P2012−524563A)
【公表日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−506399(P2012−506399)
【出願日】平成22年4月21日(2010.4.21)
【国際出願番号】PCT/EP2010/002488
【国際公開番号】WO2010/121819
【国際公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(597075904)フレゼニウス メディカル ケア ドイッチェランド ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (55)
【Fターム(参考)】