説明

多モジュール力測定装置における測定値を伝達するための方法、多モジュール力測定装置及び力測定モジュール

【課題】測定スピード、測定精度及び安定性に優れた測定装置の簡単で効率の良い設計及び動作を達成することができる多モジュール力測定装置及び力測定モジュールの提供。
【解決手段】各々が力測定セル220と当該力測定セルによって発生された測定値を信号ラインを介して信号評価ユニット270へと伝送する信号処理ユニット230とを備えている少なくとも2つの力測定モジュール210を備えた多モジュール秤量装置200内の測定値の伝送のための方法及び関連する装置に関するもので、各測定値は、各々の信号処理ユニットによってビットシーケンス(B,B,・・・,B)に変換され、第一の力測定モジュールのビットシーケンスは信号評価ユニットに伝送され、少なくとも1つの別の力測定モジュールの信号処理ユニットのビットシーケンスは、前記第一の力測定モジュールの信号処理ユニットによって信号評価ユニットに伝送される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多モジュール力測定装置、特に多モジュール秤量装置の測定値を伝送する方法に関し、更に、多モジュール力測定装置のみならず多モジュール装置に適している力測定モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
多モジュール力測定装置は、当該用語がここで使用されているように、モジュール型の設計によって形成された力測定装置であり、相互に別個に測定される少なくとも2つの力が少なくとも2つの独立した力測定モジュールによって個々に得られる力測定装置を意味している。多モジュール秤量装置は、特別な種類の多モジュール力測定装置であり、個々に測定される力、所謂秤量荷重が少なくとも2つの独立した秤量対象物の各々の重力によって表される装置である。力測定モジュールは、この場合には、秤量モジュールと称される。
【0003】
作用している力を測定するためには、力測定モジュールの各々は、入力量すなわち力は対応する電気測定信号に変換するので、測定量のためのコンバータとして機能する電子機械的力測定セルを備えている。秤量モジュールにおいては、測定量の変換は、秤量対象物によってかけられる重力に対応する電気測定値を発生する所謂秤量セルによってアナログ的になされる。
【0004】
個々の力測定モジュール又は個々の秤量モジュールの測定信号は、場合に応じて、当該信号を評価するために一般的に信号評価ユニットに送られる。信号評価ユニットは、中央処理ユニットとして形成され、当該中央処理ユニットによって、測定信号から得られた測定結果が視覚的に表示され、中央コンピュータに伝送されるか又は装置の制御装置へと導かれることが多い。
【0005】
多モジュール秤量装置の典型的な用途は、均質な対象物を秤量するための自動化された製造及び試験装置に見出される。このような装置としては、特に小さく且つ比較的高価な部品の製造及び/又は試験のための設備、例えば、製薬工業におけるタブレット、カプセル又はアンプルのための充填包装機又は機械工業におけるボールベアリングの検査機がある。秤量対象物の秤量は、複数の荷重、例えば、重量の検査、計量分配又はコンパクトな空間内での容器の充填のために、個々に秤量されるプロセスである。
【0006】
この種の多モジュール力測定装置に必要とされる特性は、測定モジュールが、高い測定精度、高い再現性及び高度な安定性を有していること、これらの測定モジュールが可能な限り最も空間節約的でコンパクトな方法で配列することができること及び個々の力測定モジュールが可能な限り最も簡単で且つ費用効率の良い設計であることである。
【0007】
多モジュール型秤量装置は、米国特許第6,112,162号に記載されている。当該装置においては、個々の秤量セルのアナログ信号は、中央転換装置いわゆるマルチプレクサへと導かれる。従って、増幅器のみならずアナログ/デジタルコンバータを、個々の力測定モジュールによって特別な時間間隔で使用することができる。しかしながら、この構造においては、秤量セルの外乱−検知測定信号が、接続ラインを介して中央信号評価ユニットへと伝達され、当該中央信号評価ユニットにおいて、転換装置内を通過する。結論として、信号の伝達によって生じるか又は転換装置から生じる外乱作用は、測定信号の特性を低下させ得る。従って、達成可能な精度に限界があり、この参考文献に記載されている装置は高い精度を必要とする用途への適合性が低い。更に、この装置は、測定プロセスを比較的遅い速度でのみ行われるようにさせる。なぜならば、第一の測定セルの測定サイクルが完了した後にでなければ、次の秤量セルによる後続の測定サイクルを開始することができないからである。(特許文献1参照)
更に、DE 10 2005 025 534 B3に記載されている構造においては、秤量モジュールの作動のために必要とされる電子回路が、秤量セルのすぐ下すなわち秤量モジュールの下方部分内に配置されている。これによって、測定信号の伝達によって生じる外乱を避けることができる。しかしながら、この構造の欠点は、大きな空間及び電子回路の多くの複製が必要とされることによって生じる高いコストのみならず電子部品内における熱の発生の結果として起こる秤量セルに対する不所望な作用である。熱の発生という問題は、電子回路によって発生される熱が公知の浮力原理に従って感熱秤量セルに向かって上昇し、このようにして、測定器具の精度及び/又は安全性を損ない得るということである。(特許文献2参照)
EP 1 557 648は、補助的な力測定装置(子)が共用バス構造(例えば、RS485)によって主要な力測定装置(親)に接続されている構造を開示している。しかしながら、このバス構造は、一回に1つの力測定装置のみがバス構造によってデータを伝送することを確保するために、通信の適切な調整(例えば、アドレス及び/又はプロトコル)を必要とする。この食い違いは比較的遅いデータ伝送を生じさせ、通信を制御するのに必要とされる電子部品は、既に説明した高い熱及び付加的なコストの問題につながる。(特許文献3参照)
【特許文献1】米国特許第6,112,162号公報
【特許文献2】DE 10 2005 025 534 B3号公報
【特許文献3】EP 1 557 648号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明の目的は、多モジュール力測定装置、特に、多モジュール秤量装置の測定値を伝送する方法を提供すること、並びに、測定スピード、測定精度及び安定性に関する厳格な条件に適合した測定装置の簡単で且つコスト効率の良い設計及び動作を達成することができる多モジュール力測定装置及び適切な力測定モジュールを更に提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】

この課題は、特許請求の範囲に特定されている特徴を有する方法、多モジュール測定装置及び力測定モジュールによって解決される。本発明の展開した実施形態は、従属項に有利に提示されている。
【0010】
本発明は、多モジュール力測定装置、特に、各々が力測定セルと、信号評価ユニットへの信号伝送ラインを介して力測定セルによって発生される測定値を伝送する信号処理ユニットと、を備えている少なくとも2つの力測定モジュールを備えている多モジュール秤量器具の測定値を伝送するための方法及び器具に関する。各力測定モジュールの測定値は、信号処理ユニットによってビットシーケンスに変換され、第一の力測定モジュールの信号処理ユニットのビットシーケンスは信号評価ユニットに伝送され、少なくとも1つの更に別の力測定モジュールの信号処理ユニットのビットシーケンスは、中間接続ラインを介して前記第一の力測定モジュールの信号処理ユニットへ直接伝送され、そこから更に信号評価ユニットへ伝送される。これは、力測定セルの測定値が外乱作用に対して抵抗を有する形態とされ、個々の力測定モジュールにおける測定値を変換することによって極めて速い測定速度を達成することができ、比較的短い接続ラインによって費用面での利点が得られ、信号処理ユニット間の測定値の簡単な伝送によって、通信の制御のための多数の熱発生回路の使用を避けることができる、という結果がもたらされる。
【0011】
ビットシーケンスは、情報、すなわち、典型的には例えば測定値を連続するゼロ及び複数のゼロによって表される規定された電気信号状態の一連の構成単位として記憶し且つ/又は伝送する。結論として、測定値をビットシーケンスに変換することによって、力測定セルの敏感で且つ精度の高い測定信号は、外部干渉に抗する頑丈な形態に変換され且つこのようにして伝送及び更なる処理に良好に適合せしめられる。
【0012】
典型的には、特に高精度が必要とされるときには、測定値をビットシーケンスに変換することは、極めて時間がかかるプロセスを含んでいる。この変換プロセスを力測定モジュールの全てにおいて同時に行うという概念によって、高度の並列処理及び極めて速い測定速度を達成することができる。
【0013】
更に、多モジュール力測定装置の測定速度は、高速で行われる全グループのビットシーケンスの読み取りプロセスによって増大させることができる。この速く且つ連続してなされる読み取りは、ビットシーケンスが個々に発生され且つ力測定モジュールの各々において利用可能であるという事実によって可能になり、力測定モジュールの全てのビットシーケンスが一緒に信号評価ユニットへ伝送される。信号評価ユニットは、続いて、受け取ったビットシーケンスを、速い直列又は並列処理を使用することによって、高い伝達速度で更に処理することができる。
【0014】
種々の力測定モジュールの信号処理ユニットは相互に直接結合されているので、これらは、単一の信号処理ユニットのように機能する。従って、これは、力測定モジュール内での通信を制御するための高価な電子構造を使用する必要性を不要にする。従って、個々の力測定モジュール内での熱の発生が少なくされ、結果的に、多モジュール力測定装置の安定性が高くなる。
【0015】
また、信号処理ユニットの直接接続によって、接続ラインの長さがより短くなり、これは費用上の利点を提供する。更に、高価な電子部品、特にコントローラ装置と測定値の評価のための演算ユニットとは、信号評価ユニット内で一つにまとめられるので、一方ではコストに関する利益が得られ、他方では、力測定モジュール内での少ない熱の発生の結果として測定の安定性が高められる。
【0016】
ここで使用されている“ライン”という用語は、単一の導電ケーブル又は多数の導電ケーブル、ストランド又はワイヤのみならず力測定モジュールから信号評価ユニットへ電気信号を伝送するのに適している接地レール、ハウジング包囲体及び接続支柱のような固定器具を介する電流の伝送のような全ての種類の導電ラインを包含している。
【0017】
演算ユニット、調整器及び制御器のような高価な電子部品は信号評価ユニット内に配置し且つ全ての力測定モジュールによって共通で使用できるけれども、力測定モジュールの各々は、ビットシーケンスの発生のための最少の電子的集合体のみを含んでいる。力測定モジュールの数は常に信号評価ユニットの数よりも多いので、この概念は、多モジュール力測定装置全体の簡単且つ費用効率の良いレイアウトにつながる。
【0018】
本発明の好ましい実施形態においては、信号処理ユニットの各々は、第一の入力によって力測定セルの測定値を受け取り且つ/又は第二の入力によって少なくとも1つの更に別の力測定モジュールの信号処理ユニットのビットシーケンスを受け取る。信号処理ユニットは、このようにして、同時の且つ/又は連続の切換モードで種々のチャネル上の力測定セルのビットシーケンス及び測定値を処理することができる。
【0019】
本発明の更に別の実施形態においては、更に全ての別の力測定モジュールの信号処理ユニットが鎖状構造で相互に結合され、更に別の力測定モジュールの各々からのビットシーケンスは、信号評価ユニットに比較的近接して配置されている各々の隣接する力測定モジュールの信号処理ユニットへ伝送される。これによって、全ての力測定モジュールに対して、極めて効率的な信号の伝送を達成することができる。
【0020】
本発明の更に好ましい実施形態においては、ビットシーケンスは、信号評価ユニットによって発生されるのが好ましいクロック信号によって同期せしめられ且つ少なくとも1つの同期ラインを介して力測定モジュールに送られ且つ/又は1ビットずつ且つほぼ同時に送られる。好ましくは、第一の力測定モジュールの信号処理ユニット及び/又は少なくとも1つの別の力測定モジュールが、同期ラインを介して信号評価ユニットに接続される。同期形態により且つ/又は1ビットずつ且つ本質的に同時になされる変換によって、極めて高度な並行処理、従って、極めて迅速な測定速度が達成される。
【0021】
本発明の更に別の実施形態においては、力測定セルの各々によって発生される測定値は、前記力測定セル内に配置されているアナログ/デジタルコンバータによってビットシーケンスに変換される。これによって、力測定セルの外乱感知測定値は、頑丈なデジタル形式に変換され、従って、起こり得る信号量の損失に対して保護される。更に、力測定セルの測定値はまた、力測定セル内の適切な信号調整によって、アナログ/デジタル変換に先立って増幅し且つ/又はインピーダンス変換することができる。
【0022】
更に好ましい実施形態においては、信号処理ユニットは、2つの入力を有するシフトレジスタを備えており、当該シフトレジスタにおいては、アナログ/デジタルコンバータによってデジタル化された力測定セルの測定値が第一の入力へ入力され、前記少なくとも1つの更に別の力測定モジュールの信号処理ユニットのビットシーケンスが第二の入力に入力される。シフトレジスタを使用することによって、一般的に得られる標準的な製品を使用して簡単且つ費用効率の良い設計を実現することができる。
【0023】
本発明の更に別の実施形態においては、各信号処理ユニット又は適用可能な場合にはシフトレジスタのビットシーケンスが、隣接の力測定モジュールの信号処理ユニットのビットシーケンスに結合され、この結合されたビットシーケンスは、シリアルなビットの流れとして、信号評価ユニット又は少なくとも1つの更に別の力測定モジュールの信号処理ユニットの第二の入力に伝送される。個々のシフトレジスタは、これによって、実際には、多モジュール力測定装置の全ての力測定モジュールのシフトレジスタを理想的に包含する単一の大きなシフトレジスタ内に結合される。
【0024】
本発明の更に別の実施形態においては、アナログ/デジタルコンバータの各々は、信号評価ユニットの制御信号によって制御される。当該信号評価ユニットにおいては、制御装置は、特にアナログ/デジタルコンバータの同時起動を惹き起こし且つ/又はアナログ/デジタルコンバータの各々が変換プロセスの完了後に特におそらく論理回路によって信号評価ユニットに伝送される状態信号特に指示信号を発生する。この構造においては、第一の力測定モジュールのアナログ/デジタルコンバータ及び/又は少なくとも1つの更に別の力測定モジュールが、状態ライン及び/又は制御ラインを介して信号評価ユニットに接続される。
【0025】
本発明の更に別の実施形態においては、信号評価ユニットは、最も長く続くアナログ/デジタル変換の完了時を記録し、次いで、ビットシーケンスの伝送のためのクロック信号及び/又は新しい好ましくは全てのアナログ/デジタルコンバータの一斉起動のための制御信号を送る。これによって、不必要な待機時間が避けられて測定速度が速くなる。当該待機時間は、最も長い変換プロセスの完了の待機に対する十分安全な余裕を許容する必要性によってもたらされる。
【0026】
本発明の更に別の実施形態においては、多モジュール力測定装置の作動中の時間間隔が確保され、この間隔時間内に、測定がなされ、ビットシーケンスの伝送が中断され且つ/又は測定値が伝送され且つ測定値の取り込みが中断される時間間隔が確保される。これによって、異なるプロセス間の干渉が避けられる。
【0027】
本発明の更に別の実施形態においては、測定値の伝送間隔は、信号評価ユニット内に所定のパターンのビットシーケンスが現れるまで、特に、一連のゼロが現れるまで続くように設定され、最後の更に別の力測定モジュールの信号処理ユニットの第二の入力には、連続的にゼロの値が供給される。従って、多数の力測定モジュールの非登録の変化を信頼性高く認識することも可能になる。従って、当該伝送プロセスは、力測定モジュールの付加又は除去に関して極めて柔軟性がある。
【0028】
本発明の更に別の実施形態においては、更に別のセンサーの測定値、特に、温度センサーの測定値及び/又は識別コードが、少なくとも1つの力測定モジュールの信号処理ユニットによって力測定セルの測定値に加えて信号評価ユニットへと伝送される。この一体化された解決方法は、最も多様な測定値が問題無く且つ効率の良い方法によって信号評価ユニットへ伝送されるのを可能にする。
【0029】
本発明の更に好ましい実施形態においては、信号評価ユニットから力測定セルへの外乱の伝送を防止するために、信号評価ユニットは、大幅に、各々の力測定モジュールの測定セルからの空間分離及び/又は熱絶縁させて配列されている。
【0030】
本発明の更に別の実施形態においては、信号ライン又は中間コネクタラインは、少なくとも1つの更に別の力測定モジュールの信号処理ユニットが多モジュール力測定装置内に挿入されるのを可能にするカップリングを備えている。当該カップリングは、当該カップリングの部品の結合部を介する直接的な電気接続を中断させることができ且つ開口端部が各々挿入されるべき力測定モジュールの信号処理ユニットの第二の入力端子及び出力端子に接続することができるような形態で構成されるのが好ましい。このようにして、力測定モジュールは、理想的には力測定装置の作動中に長い作業中止時間間隔無しで交換することができる。特に、工業装置における用途のためには、これは、装置全体の動作の中断を避けることができ又は少なくとも是伝い最少程度まで減じることができる。
【0031】
個々の力測定モジュールは、所望の方法で、例えば、列状に又はある領域に亘って若しくは三次元構成で、又はランダムな分布パターンで、又はリング形状レイアウトで、又は列状に配列することができる。ここで使用されている“列”という用語は、規則的な配列、例えば、直線、列状の一次元整列又はマトリックスのような領域を覆う二次元レイアウトを指してする。列としては、複数の二次元配列が相互に重ねられた複数の層状の重ね合わせも考えられる。
【0032】
本発明の更に好ましい実施形態においては、ビットシーケンスは、中間コネクタラインを介して伝送され、一方向信号伝送によって且つ/又は専用の信号伝送ラインを介して伝送される。中間コネクタラインは専用信号伝送ラインであるのが好ましい。このようにして、伝送中の遮断及び/又は不調和が避けられ、従って、速い伝送速度が最少のエネルギ消費レベルで達成することができる。
【発明の実施の形態】
【0033】
本発明による力測定装置、本発明による力測定モジュール及び本発明による方法の詳細は、図面に示されている実施形態の説明において提供されている。
【0034】
図1は、列状に設置されている6個の力測定モジュールを備えた多モジュール力測定装置200を斜視図で示している。力測定モジュール210の各々は、力測定モジュール210の内側に設置され且つ外部につながっている力伝達ロッド212に結合されている力測定セル(図示せず)を備えている。力伝達ロッド212は、力測定セルから荷重方向と反対方向へ延びており、力受け部材214が力伝達ロッド212の各々の端部に取り付けられている。秤量されるべき対象物すなわち荷重(図示せず)は、通常は力受け部材214の頂部上に配置される。
【0035】
各力測定モジュール210は、基板202の形態の受け入れ構造に取り付けられている。力測定モジュール210は、基板202に解除可能に結合されており、必要ならば、これらの力測定モジュールは、例えば、動作している場合又は力測定装置200が別の荷重範囲に適合されるべき場合に、同じタイプの力測定モジュール210と引き換えに個々に交換することができる。
【0036】
力が第一の力測定モジュール210の力測定セルに作用しているときに、力測定セルは対応する測定値を発生し、当該測定値は、第一の力測定モジュール210の信号処理ユニット230(図示せず)によってビットシーケンスBに変換される。このビットシーケンスBは、次いで、信号ライン240を介して信号評価ユニット270に伝送される。
【0037】
同様に、第二の力測定モジュール210の信号処理ユニット230は、力測定セルの測定値を対応する第二のビットシーケンスBに変換する。第二の力測定モジュール210のビットシーケンスBは、次いで、中間コネクタライン242を介して第一の力測定モジュール210の信号処理ユニット230へ伝送され且つそこから信号評価ユニット270へと伝送される。
【0038】
この実施形態においては、6個の力測定モジュール210が鎖状の配列で相互に結合されている。当該鎖状配列においては、第二乃至第六の力測定モジュールの信号処理ユニット230の各々のビットシーケンスB,・・・,Bが、中間コネクタライン242を介して各々の隣接する力測定モジュール210の信号処理ユニット230へと送られる。前記第二乃至第六の力測定モジュール210の各々のビットシーケンスB,・・・,Bは、このようにして、ある数の中間段階を介して第一の力測定モジュール210の信号処理ユニット230へと伝送され、そこから信号ライン240を介して信号評価ユニット270へと伝送される。
【0039】
ビットシーケンスB,・・・,Bを前進させる上記の原理は、所望の数、特に多数(n個)の力測定モジュール210、特に多数(n個)の測定モジュール210(nは2以上)によって多モジュール力測定装置200へと同様に拡張させることができる。
【0040】
信号評価ユニット270は、当該信号評価ユニット270の電子回路と力測定モジュール210の電子回路との間の相互干渉を避けるために、力測定モジュール210からある距離を隔てて配置されている。この干渉は、多くの形態で、例えば、電磁場、熱放射、熱対流又は機械的外乱として現れ得る。
【0041】
信号ライン240を介して伝送される信号は、信号評価ユニット270内で評価され且つ/又は適切に変形される。当該評価の結果は、更に処理するために多くの異なる方法で、例えば指示器、システムコントローラ又は中央コンピュータへと送ることができる。
【0042】
極めて簡素化された表現では、図2は、図1に示されている種類の多モジュール力測定装置200の原理を示している。この例における力測定モジュール210は、電磁力補償原理に基づいており、従って、特に高精度秤量のための秤量装置に良好に適している。
【0043】
力測定モジュール210は、力測定セル220を備えている。力測定セル220は、端部に可撓性の枢軸5を備えた一対のガイド部材4によって相互に拘束されている固定の部品2と垂直方向に可動の部品3とを備えている平行ガイドリンクを備えた力伝達機構を備えている。垂直方向に可動の部品3としては、測定される荷重を受ける機能を果たす片持ち梁支持アーム15がある。荷重によってかけられる力の垂直成分は、垂直方向に可動の部品3から、カプラー要素9を介してレバー6の短い方のレバーアーム8へと伝えられる。レバー6は、固定の部品2の一部分の上の可撓性支点7によって懸垂されている。力測定セルは更に、固定の部品2と堅固な結合状態に配置されているカップ形状の永久磁石装置10を備えており且つ空隙11が設けられている。レバー6の長い方のレバーアーム12に結合されているコイル13は、空隙11内に配置されている。コイル13内を流れる流れは補償電流であり、その大きさはレバー6に作用する力に依存する。レバー6の位置は、光電位置変換器14によって測定される。光電位置変換器14は、当該光電位置変換器の信号に応答して補償電流を調整するフィードバック制御装置16に接続され、レバー6が常に同じ位置に保持されるか又は荷重が変化した後に同じ位置に戻されるようになされている。この力補償原理は、特に最も小さい基板の重量に対して空間的な利点を有する極めて高い測定精度が達成されるのを可能にする。
【0044】
更に、力測定モジュールはまた、直接的に作用する力測定装置として形成することもできる。この場合には、力伝達レバー6は省略され、コイル13は外部につながっている力伝達ロッド212に直接結合される。補償電流は、補償力が力伝達ロッドに直接作用する荷重を打ち消すように調整されて力伝達ロッドが一定の位置に保持されるように調整される。
【0045】
図3は、n個の力測定モジュール210を備えている多モジュール力測定装置200の簡素化された回路図であり、n個の力測定モジュールの各々が、ビットシーケンスB,・・・,Bを発生するように機能する信号処理ユニット230を備えている。指数nは、2より大きいか等しい任意の正の整数を表している。好ましくは、力測定モジュール210の全てが、同一の設計であり且つ所望の方法で交換することができる。
【0046】
信号処理ユニット230の各々が、第一の入力INa、第二の入力INb及び出力OUTを有している。第一の入力INaは、各々の力測定セル220に接続されて、力測定セル220の測定値が信号処理ユニット230に伝送できるようになされている。第一の信号処理ユニット230の出力OUTは、信号ライン240によって信号評価ユニット270に接続されており、それによって、第一の力測定モジュール210の信号処理ユニット230によって発生されるビットシーケンスBを伝送することができる。
【0047】
第一の信号処理ユニット230の第二の入力INbは、中間コネクタライン242によって、第二の力測定モジュール210の信号処理ユニット230の出力に接続されている。この経路に沿って、第二の力測定モジュール210の信号処理ユニット230のビットシーケンスBが第一の力測定モジュール210の信号処理ユニットに伝送することができる。第一の力測定モジュール210の信号処理ユニット230においては、第二の力測定モジュール210の信号処理ユニット230のビットシーケンスBが、第一の力測定モジュール210の信号処理ユニット230のビットシーケンスBと結合されて、結合ビットシーケンスBとされる。
【0048】
同様に、更に別の力測定モジュール210は、鎖状配列で相互に結合され、その結果、最後の力測定モジュール210の信号処理ユニット230のビットシーケンスBは、間に接続されているあらゆる所望の数の力測定モジュール210の信号処理ユニット230を介して信号評価ユニット270に伝送される。
【0049】
図4は、図3による多モジュール力測定装置200の簡素化された回路図であり、当該多モジュール力測定装置200は、n個の力測定モジュール210を備えており、その各々が、アナログ/デジタルコンバータA/Dと、ビットシーケンスB,・・・,Bnを発生する機能を果たすシフトレジスタSRとを備えている。この場合にもまた、全ての力測定モジュール210は同じ設計であり且つ任意に交換可能であるのが好ましい。
【0050】
多モジュール力測定装置200は、付加的に、力測定モジュール210の各々の信号処理ユニット230を信号評価ユニット270に結合している同期ライン244を備えている。この同期ライン244によって、信号評価ユニット270内に発生されるクロック信号SCLが、個々の力測定モジュール210の信号処理ユニット230へと送られる。
【0051】
クロック信号SCLの各クロックパルスは、シフトレジスタのビットシーケンスが1ビットだけ位置をずらされるという作用を有している。このプロセスにおいては、シフトレジスタSRの出力におけるビットは、中間コネクタライン242を介して隣接する力測定モジュール210のシフトレジスタSRの第二の入力へ伝送される。第一の力測定モジュール210のシフトレジスタSRは例外であり、その出力におけるビットが信号評価ユニット270へ伝送される。更に、最後の力測定モジュール210のシフトレジスタSRの第二の入力にゼロ値(0)が入力される。
【0052】
このプロセスは、全ての信号評価ユニット270に1ビットずつ伝送されるまで繰り返される。これは、一方では正確に予め規定された数のクロックパルスが同期ライン244内に供給される構造によって行うことができ、他方では、所定のビットパターン(この場合には、一連のゼロ値(0))が信号評価ユニットの入力に現れるまでクロックパルスが同期ライン244に伝送される構造によって行うことができる。
【0053】
多モジュール力測定装置200は更に制御ライン248を備えており、当該制御ライン248を介して、各力測定モジュール210のアナログ/デジタルコンバータA/Dが信号評価ユニット270に接続されている。この制御ライン248によって、アナログ/デジタルコンバータA/Dは、適切な制御信号によって信号評価ユニット270から同時に起動させることができる。
【0054】
多モジュール力測定装置200は更に、一方では信号評価ユニット270に接続され、他方では各々の論理要素Gを介して各力測定モジュール210内のアナログ/デジタルコンバータA/Dに接続されている状態ライン246を備えている。アナログ/デジタルコンバータA/Dは、変換プロセスを完了するとすぐに、この状態(この場合は論理値(1))を示す信号を関連する論理要素Gに送るであろう。論理要素Gは、この場合にはANDゲートとして形成されている。当該ANDゲートは、AND動作によって、アナログ/デジタルコンバータA/Dの信号を隣接する力測定モジュール210の状態ライン246の信号に結合する。力測定モジュール210のアナログ/デジタルコンバータのみならずそれ以前の力測定モジュール210のアナログ/デジタルコンバータが各々の変換プロセスの完了を示す信号を送っている場合には、対応する論理信号が、次に続く力測定モジュール210又は信号評価ユニット270へと伝送される。最後の力測定モジュール210の論理要素には、一定値(1)が入力される。対応する論理要素Gによる状態ライン246は、最後の変換プロセスの完了を示す信号が信号評価ユニット270に送るという作用を有する。
【0055】
当該測定方法は、同期モード又は非同期モードで動作させることができる。同期モードでは、全てのアナログ/デジタルコンバータA/Dが同時に起動され、測定値が所定の時間間隔の経た後に収集される。この時間間隔は、全てのアナログ/デジタルコンバータA/Dがそれらの各々の変換プロセスを完了し且つ対応するビットシーケンスをシフトレジスタSRに伝送できるように十分長く設定されるのが好ましい。この場合には、状態ライン246及び論理ゲートGは必要とされない。
【0056】
非同期モードでは、最後の変換プロセスの完了を示す信号が状態ライン246によって信号評価ユニット270へ送られる。次に、信号評価ユニット270は、ビットシーケンスを収集すること及び続いてアナログ/デジタルコンバータA/Dを起動させることによって迅速に続くことができる。この非同期モードにおいては、非生産デッド時間間隔を避けることができ、測定モード及び多モジュール測定装置200の測定速度を著しく増大させることができる。
【0057】
既に説明した例におけるように、当該原理は、この場合にもまた同様に、所望数の力測定モジュール210を備えた多モジュール力測定装置200へと拡張させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】図1は、列状に設置され、相互に及び信号評価ユニットに接続されている6個の力測定モジュールを備えた多モジュール力測定装置の斜視図である。
【図2】図2は、図1に示されている種類の多モジュール力測定装置の原理を示している図であり、当該図において、2つの力測定モジュールが断面図で示されており、これらの力測定モジュールは、電磁力補償原理に従って測定値を取り込み且つビットシーケンスを発生するように信号処理ユニットが設けられており、第二の力測定モジュールのビットシーケンスは、第一の力測定モジュールの信号処理ユニットによって信号評価ユニットに伝送される。
【図3】図3は、図2に示された種類の多モジュール力測定装置の簡素化された回路図であるが、多数個(n個)の力測定モジュール及び関連する信号処理ユニットを備え、当該信号処理ユニットの各々は2つの入力と1つの出力を有している。
【図4】図4は、図3に示されている種類の多モジュール力測定装置の原理を極めて簡素化した図で示しており、アナログ/デジタルコンバータ、シフトレジスタ(SR)及び論理要素(G)を備えている。
【符号の説明】
【0059】
2 固定の部品
3 垂直方向に可動の部品
4 ガイド部材
5,7 可撓性の枢軸
6 レバー
8,12 レバーアーム
9 カプラー要素
10 永久磁石装置
11 空隙
13 コイル
14 光電位置変換器
15 片持ち梁支持アーム
16 制御装置
200 多モジュール力測定装置
202 基板
210 力測定モジュール
212 力伝達ロッド
214 力受け部材
216 貫通穴
220 力測定セル
230 信号処理ユニット
240 信号ライン
242 中間コネクタライン
244 同期ライン
246 状態ライン
248 制御ライン
270 信号評価ユニット
,・・・,B ビットシーケンス
CL クロック信号
A/D アナログ/デジタルコンバータ
SR シフトレジスタ
G 論理要素

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が力測定セル(220)と力測定セル(220)によって発生された測定値を信号ライン(240)によって信号評価ユニット(270)に伝送する信号処理ユニット(230)とを備えている少なくとも2つの力測定モジュール(210)を備えた多モジュール力測定装置(200)特に多モジュール秤量装置における測定値を伝送するための方法であり、
各力測定モジュールの測定値が、その信号処理ユニット(230)によってビットシーケンス(B,・・・,B)に変換されること、及び第一の力測定モジュール(210)の信号処理ユニット(230)のビットシーケンス(B)が信号評価ユニット(270)に伝送され、少なくとも1つの更に別の力測定モジュール(210)の信号処理ユニット(230)のビットシーケンス(B,・・・,B)が中間コネクタライン(242)を介して第一の力測定モジュール(210)の信号処理ユニット(230)に伝送され且つそこから信号評価ユニット(270)へと伝送されることを特徴とする測定値を伝送する方法。
【請求項2】
請求項1に記載の測定値を伝送する方法であり、
各々の信号処理ユニット(230)が、第一の入力(INa)を介して力測定セル(220)の測定値を受け取り且つ/又は第二の入力(INb)を介して少なくとも1つの別の力測定モジュール(210)の信号処理ユニット(230)のビットシーケンス(B,・・・,B)を受け取るようになされていることを特徴とする測定値を伝送する方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の測定値を伝送する方法であり、
全ての力測定モジュール(210)の信号処理ユニット(230)が鎖状配列で相互に結合されており、前記更に別の力測定モジュール(210)の各々からのビットシーケンス(B,・・・,B)が、信号評価ユニット(270)に近い方に隣接して配置されている各々の隣接する力測定モジュール(210)の信号処理ユニット(230)へと伝送されることを特徴とする測定値を伝送する方法。
【請求項4】
請求項1乃至3のうちのいずれか一の項に記載の測定値を伝送する方法であり、
ビットシーケンス(B,B,・・・,B)が、好ましくは信号評価ユニット(270)によって発生され且つ少なくとも1つの同期ライン(240)を介して供給されるクロック信号(SCL)によって同期せしめられ且つ/又はこれらは1ビットずつほぼ同時に伝送されることを特徴とする測定値を伝送する方法。
【請求項5】
請求項1乃至4のうちのいずれか一の項に記載の測定値を伝送する方法であり、
前記力測定セル(220)の各々によって発生される測定値が、前記力測定セル(220)内に配列されているアナログ/デジタルコンバータ(A/D)によってビットシーケンス(B,B,・・・,B)に変換されることを特徴とする測定値を伝送する方法。
【請求項6】
請求項5に記載の測定値を伝送する方法であり、
信号処理ユニット(230)の各々が、2つの入力(INa,INb)を有するシフトレジスタ(SR)を備えており、前記アナログ/デジタルコンバータ(A/D)によってデジタル化された力測定セル(220)の測定値が前記第一の入力(INa)に入力され、前記少なくとも1つの別の力測定モジュール(210)の信号処理ユニット(230)のビットシーケンス(B,B,・・・,B)が第二の入力(INb)に入力されることを特徴とする測定値を伝送する方法。
【請求項7】
請求項1乃至6のうちのいずれか一の項に記載の測定値を伝送する方法であり、
信号処理ユニット(230)の各々又は適用可能な場合にはシフトレジスタ(SR)のビットシーケンス(B,B,・・・,B)が隣接する力測定モジュール(210)の信号処理ユニットのビットシーケンス(B,B,・・・,B)に結合され、この結合されたビットシーケンス(B,B,・・・,B)が、連続するビットの流れとして信号評価ユニット(270)又は少なくとも1つの更に別の力測定モジュール(210)の信号処理ユニット(230)の第二の入力(INb)に伝送されることを特徴とする測定値を伝送する方法。
【請求項8】
請求項7に記載の測定値を伝送する方法であり、
前記アナログ/デジタルコンバータ(A/D)の各々が、信号評価ユニット(270)の制御信号によって制御され、当該制御が特にアナログ/デジタルコンバータの同時起動を生じさせること、及び/又は前記アナログ/デジタルコンバータ(A/D)の各々が、変換プロセスの完了後に状態信号特に指示器信号を発生し、この信号が論理回路によって信号評価ユニット(270)に伝送されることを特徴とする測定値を伝送する方法。
【請求項9】
請求項8に記載の測定値を伝送する方法であり、
前記信号評価ユニット(270)が最も長く続くアナログ/デジタルコンバータ変換の完了を記録し、次いで、ビットシーケンス(B,B,・・・,B)の伝送のためのクロック信号(SCL)及び/又は全てのアナログ/デジタルコンバータ(A/D)の新しい好ましくは同期起動のための制御信号を伝送することを特徴とする測定値を伝送する方法。
【請求項10】
請求項1乃至9のうちのいずれか一の項に記載の測定値を伝送する方法であり、
前記多モジュール力測定装置(200)の作動中に測定がなされ且つビットシーケンス(B,B,・・・,B)の伝送が中断される時間間隔(T)が確保され、且つ/又は測定値が伝送され且つ測定値の取り込みが中断される時間間隔(T)が確保されることを特徴とする測定値を伝送する方法。
【請求項11】
請求項1乃至10のうちのいずれか一の項に記載の測定値を伝送する方法であり、
測定値の伝送のための時間間隔が、信号評価ユニット(270)内にビットシーケンス(B,B,・・・,B)の所定のパターン特に連続するゼロが現れるまで続くように設定されること、及び更に別の最後の力測定モジュール(210)の信号処理ユニット(230)の第二の入力(INb)にゼロ値が連続して供給されることを特徴とする測定値を伝送する方法。
【請求項12】
請求項1乃至11のうちのいずれか一の項に記載の測定値を伝送する方法であり、
更に別のセンサーの測定値特に温度センサー及び/又は識別コードの測定値が、少なくとも1つの力測定モジュール(210)の信号処理ユニット(230)によって力測定セル(220)の測定値に加えて信号評価ユニット(270)に伝送されることを特徴とする測定値を伝送する方法。
【請求項13】
各々が力測定セル(220)と信号処理ユニット(230)とを備えている少なくとも2つの力測定モジュール(210)を備え、前記信号処理ユニット(230)の入力(INa)が力測定セル(220)に接続され、出力(OUT)が信号ライン(240)を介して信号評価ユニット(270)に接続されている多モジュール力測定装置(200)特に多モジュール秤量装置であり、
前記信号処理ユニット(230)の各々が、前記測定値をビットシーケンス(B,B,・・・,B)に変換するように作動し、第一の力測定モジュール(210)の前記信号処理ユニット(230)の出力(OUT)が、信号ライン(240)を介して前記信号評価ユニット(270)に接続されており、前記信号処理ユニット(230)が、中間コネクタライン(242)を介して前記少なくとも1つの別の力測定モジュール(210)の信号処理ユニット(230)の出力(OUT)に接続されていることを特徴とする多モジュール力測定装置。
【請求項14】
請求項13に記載の多モジュール力測定装置であり、
前記信号処理ユニット(230)が2つの入力(INa及びINb)を有しており、第一の入力(INa)は前記力測定セル(220)に接続されており、第二の入力(INb)は中間コネクタライン(242)を介して前記少なくとも1つの別の力測定モジュール(210)の信号処理ユニット(230)の出力(OUT)に接続されていることを特徴とする多モジュール力測定装置。
【請求項15】
請求項13又は14に記載の多モジュール力測定装置であり、
前記別の力測定モジュール(210)の全ての信号処理ユニット(230)が、鎖状配列で相互に結合されており、前記別の力測定モジュール(210)の各々のビットシーケンス(B,B,・・・,B)が、前記鎖状配列での位置が前記信号評価ユニット(270)により近い隣接の力測定モジュール(210)の信号処理ユニット(230)へ伝送されることを特徴とする多モジュール力測定装置。
【請求項16】
請求項13乃至15のうちのいずれか一の項に記載の多モジュール力測定装置であり、
信号処理ユニット(230)の各々が、前記力測定モジュール(220)に接続され且つビットシーケンス(B,B,・・・,B)を発生するように作動可能であるアナログ/デジタルコンバータ(A/D)を備えており且つ/又は2つの入力(INa,INb)を有するシフトレジスタ(SR)を備えており、当該シフトレジスタ(SR)の第一の入力(INa)がアナログ/デジタルコンバータ(A/D)に接続されており、第二の入力(INb)が前記少なくとも1つの別の力測定モジュール(210)の信号処理ユニット(230)の出力(OUT)に接続されていることを特徴とする多モジュール力測定装置。
【請求項17】
請求項13乃至16のうちのいずれか一の項に記載の多モジュール力測定装置であり、
前記信号処理ユニット(230)又は適用可能な場合にはシフトレジスタ(SR)の出力(OUT)が、連続するビットの流れを伝送するために信号評価ユニット(270)に接続されるか又は前記少なくとも1つの別の力測定モジュール(210)の信号処理ユニット(230)の第二の入力(INb)に接続されていることを特徴とする多モジュール力測定装置。
【請求項18】
請求項13乃至17のうちのいずれか一の項に記載の多モジュール力測定装置であり、
制御ライン(248)を備えており、当該制御ライン(248)を介して、前記信号処理ユニット(230)特にアナログ/デジタルコンバータ(A/D)が前記信号評価ユニット(270)に接続されていること、及び前記アナログ/デジタルコンバータ(A/D)が、適用可能な場合には共通の状態ライン(248)好ましくは論理要素(G)によって前記信号評価ユニット(270)に接続されていることを特徴とする多モジュール力測定装置。
【請求項19】
請求項16乃至18のうちのいずれか一の項に記載の多モジュール力測定装置であり、
前記信号評価ユニット(270)の大部分が、各々の力測定モジュール(210)の力測定セル(220)から空間的に分離され且つ/又は熱絶縁された状態で配列されていることを特徴とする多モジュール力測定装置。
【請求項20】
請求項13乃至19のうちのいずれか一の項に記載の多モジュール力測定装置であり、
前記信号ライン(240)又は前記中間コネクタライン(242)が、少なくとも1つの別の力測定モジュール(210)の信号処理ユニット(230)が前記多モジュール力測定装置(200)内へ挿入されるのを可能にする結合部を備えており、特に、当該結合部は、当該結合部の部品同士の結合による直接的な電気接続が遮断されて挿入されるべき力測定モジュール(210)の信号処理ユニット(230)の第二の入力(INb)及び出力(OUT)の各々への接続を達成することができるような構造とされていることを特徴とする多モジュール力測定装置。
【請求項21】
請求項13乃至20のうちのいずれか一の項に記載の多モジュール力測定装置であり、
前記信号処理ユニット(230)が、別の力測定モジュール(210)の信号処理ユニット(230)の出力(OUT)に直接接続することができることを特徴とする多モジュール力測定装置。
【請求項22】
請求項1乃至12のうちのいずれか一の項に記載の多モジュール力測定装置であり、
前記中間コネクタライン(242)を介して伝送されるビットシーケンス(B,B,・・・,B)が、一方向の及び/又は同期した伝送によって且つ/又は専用の信号伝送ラインを介して伝送されることを特徴とする多モジュール力測定装置。
【請求項23】
請求項13乃至20のうちのいずれか一の項に記載の多モジュール力測定装置であり、
前記中間コネクタライン(242)が、専用の信号伝送ラインとして形成されていることを特徴とする多モジュール力測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−80810(P2009−80810A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−237560(P2008−237560)
【出願日】平成20年9月17日(2008.9.17)
【出願人】(599082218)メトラー−トレド アクチェンゲゼルシャフト (130)
【住所又は居所原語表記】Im Langacher, 8606 Greifensee, Switzerland
【Fターム(参考)】