説明

多出力電源装置および当該電源装置を備えた画像形成装置

【課題】簡易な構成によって極性の異なる複数の電圧の出力が可能な多出力電源装置を提供すること。
【解決手段】多出力電源装置50は、トランスT1の2次巻線L2の第1端部P1に接続され、2次側電圧V2に応じた第1電圧DCLNBを出力する第1出力端子OUT1と、第1出力端子OUT1に接続される第1定電圧素子ZD1と、2次巻線L2の第2端部P2とグランドとの間に設けられる第2定電圧素子ZD2とを含む。第1定電圧素子ZD1と電流制限抵抗R13との間に第2出力端子OUT2が接続される。この接続構成において、2次側電圧V2および、第1,第2定電圧素子ZD1,ZD2の定電圧を適宜設定することによって、第1出力端子OUT1および第2出力端子OUT2から、極性の異なる複数の電圧が出力される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は多出力電源装置および当該電源装置を備えた画像形成装置に関し、詳しくは、電圧極性の異なる複数の電圧を出力する電源技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電圧極性の異なる複数の電圧を出力する電源に関する技術が、例えば、特許文献1に開示されている。そこでは、正負の複数出力電圧を、複数のトランスを用いて生成する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−163006号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来技術では、異なる複数の電圧を好適に生成し、出力できるものの、生成する電圧の極性(正負)に応じてトランスが使用されているため、電源の小型化に対しては不都合であった。そのため、小型化を可能とする、極性の異なる複数の電圧を出力する多出力電源装置が所望されていた。
【0005】
本発明は、極性の異なる複数の電圧の出力が可能な多出力電源装置を簡易な構成によって実現し、多出力電源装置の小型化を可能にする技術を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記技術を提供するための手段として、多出力電源装置に係る第1の発明は、1次巻線と、第1端部と第2端部とを有する2次巻線とを含み、前記2次巻線に2次側電圧を生成するトランスと、前記第1端部に接続され、前記2次側電圧に応じた第1電圧を出力する第1出力端子と、前記第1出力端子に接続される第1定電圧素子と、前記第1定電圧素子と前記第2端部との間に設けられる電流制限抵抗と、前記第2端部とグランドとの間に設けられる第2定電圧素子と、前記第1定電圧素子と前記電流制限抵抗との間に接続され、前記第1電圧と異なる第2電圧を出力する第2出力端子と、前記2次巻線の前記第1端部とグランドとの間に設けられ、前記第1端部とグランドとの間に前記2次側電圧による所定電流を流す電流生成回路と、前記1次巻線に接続され、前記トランスを駆動するトランス駆動回路と、前記トランス駆動回路を制御して、前記第1端部に所定値の前記2次側電圧を生成させる2次側電圧制御回路とを備える。
【0007】
第1および第2定電圧素子の接続構成によれば、例えば、第1および第2定電圧素子としてツェナーダイオードを使用し、第2定電圧素子に対応するツェナーダイオードのカソードをグランドに接続する。そして、2次側電圧の値、および各ツェナーダイオードのツェナー電圧を適宜、選定することで、正の第1電圧と負の第2電圧とを生成することができる。すなわち、1個のトランスによって極性の異なる複数の電圧を出力することができる。そのため、極性の異なる複数の電圧を出力する多出力電源装置を小型化することができる。
【0008】
第2の発明は、第1の発明の多出力電源装置において、前記第1端部とグランドとの間に設けられ、前記2次側電圧の値を検出する2次側電圧検出回路をさらに備え、前記2次側電圧制御回路は、前記2次側電圧検出回路の検出値に基づいて前記トランス駆動回路を制御する。
【0009】
本構成によれば、2次側電圧を2次側電圧検出回路および2次側電圧制御回路によってフィードバック制御することによって、2次側電圧を所定値に好適に維持できる。また、2次側電圧検出回路を、例えば、2次側電圧の分圧値を検出する分圧抵抗によって構成する場合、2次側電圧検出回路によって電流生成回路を兼ねることができる。
【0010】
第3の発明は、第1または第2の発明の多出力電源装置において、前記第1定電圧素子は第1ツェナーダイオードであり、前記第2定電圧素子は第2ツェナーダイオードであり、前記第1ツェナーダイオードのカソードが前記第1出力端子に接続され、前記第1ツェナーダイオードのアノードが前記電流制限抵抗に接続され、前記第2ツェナーダイオードのアノードが前記第2端部に接続され、前記第2ツェナーダイオードのカソードが前記グランドに接続される。
【0011】
本構成によれば、2次側電圧の値および第1,第2ツェナーダイオードのツェナー電圧を適宜、選定することで、正極性の第1電圧と負極性の第2電圧とを、簡易な構成において好適に生成することができる。
【0012】
第4の発明は、第1または第2の発明の多出力電源装置において、前記第1定電圧素子は、制御端子を有し、前記制御端子に供給されるON抵抗制御信号に応じてON抵抗が制御されるトランジスタであり、前記第2定電圧素子はツェナーダイオードであり、前記ツェナーダイオードのアノードが前記第2端部に接続され、前記ツェナーダイオードのカソードが前記グランドに接続される。
本構成によれば、ON抵抗制御信号によってトランジスタのON抵抗を可変することによって、トランジスタによる電圧降下、すなわち、第1電圧と第2電圧との電位差を適宜設定できる。
【0013】
第5の発明は、第4の発明の多出力電源装置において、前記第2出力端子に接続され、前記第2電圧の値を検出する第2電圧検出回路と、前記第2電圧検出回路の検出値に基づいて前記ON抵抗制御信号を生成する第2電圧制御回路とをさらに備える。
本構成によれば、第2電圧を第2電圧検出回路および第2電圧制御回路によってフィードバック制御することにより、第2電圧を所定値に好適に維持できる。
【0014】
第6の発明は、第1から第5のいずれかの発明の多出力電源装置において、前記第1端部と前記第1定電圧素子との間に設けられる第3定電圧素子をさらに備え、前記第1出力端子は、前記第1定電圧素子と前記第3定電圧素子との間に接続される。
【0015】
本構成によれば、例えば、第3定電圧素子として、所定のツェナー電圧を有するツェナーダイオードを使用し、2次側電圧の値を適宜設定することによって、負極性の第1電圧を生成することができる。すなわち、第1電圧および第2電圧を生成する際の、特に第1電圧を生成する際の、電圧極性の自由度が増加する。
【0016】
第7の発明は、第6の発明の多出力電源装置において、前記第3定電圧素子は第3ツェナーダイオードであり、前記第3ツェナーダイオードのアノードが前記第1出力端子に接続され、前記第3ツェナーダイオードのカソードが前記第1端部に接続される。
本構成によれば、2次側電圧の値および記第3ツェナーダイオードのツェナー電圧を適宜、選定することで、所望の極性を有する第1電圧および第2電圧を、簡易な構成において好適に生成することができる。
【0017】
また、画像形成装置に係る第8の発明は、第1から第7のいずれかの発明の多出力電源装置と、現像剤像によって被記録媒体に画像を形成する画像形成ユニットとを備える。
通常、電子写真方式の画像形成装置においては多数の高電圧が使用されている。そのため、本構成によれば、1個のトランスによって複数の高圧出力が可能な多出力電源装置を使用することによって、画像形成装置に使用される高圧電源の部品点数および重量を低減できる。延いては、画像形成装置のコスト低減および軽量化につながる。
【0018】
第9の発明は、第8の発明の画像形成装置において、前記画像形成ユニットは、前記現像剤像を担持する像担持体と、前記像担持体に残留する現像剤を除去する像担持体クリーナと、前記像担持体クリーナを介して紙粉を除去する紙粉クリーナとを含み、前記第1電圧は、前記紙粉クリーナに供給される紙粉クリーナ電圧であり、前記第2電圧は、前記像担持体クリーナに供給される像担持体クリーナ電圧である。
本構成によれば、画像形成装置における、像担持体に残留する現像剤の除去、および像担持体を介した紙粉の除去を、1個のトランスを備えた多出力電源装置によって、好適に行える。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、極性の異なる複数の電圧の出力が可能な多出力電源装置を簡易な構成によって実現し、多出力電源装置の小型化を可能にすることができ。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態1に係るプリンタの内部構成を表す概略断面図
【図2】プリンタの高圧電源装置の概略的なブロック図。
【図3】実施形態1における紙粉除去電圧・ドラムクリーナ電圧生成回路の概略的なブロック図
【図4】実施形態1における各種電圧の関係を示すテーブル
【図5】実施形態2における紙粉除去電圧・ドラムクリーナ電圧生成回路の概略的なブロック図
【図6】実施形態2における各種電圧の関係を示すテーブル
【図7】他の実施形態の紙粉除去電圧・ドラムクリーナ電圧生成回路の概略的なブロック図
【発明を実施するための形態】
【0021】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を、図1〜図4を参照しつつ説明する。
【0022】
1.プリンタの全体構成
図1は、本実施形態のカラープリンタ1(本発明の「多出力電源装置を備えた画像形成装置」の一例)の内部構成を表す概略断面図である。以下の説明では、各構成要素について、色毎に区別する場合は各部の符号にY(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン),K(ブラック)の添え字を付し、区別しない場合は添え字を省略する。なお、画像形成装置は、カラープリンタに限られず、例えば、FAXおよびコピー機能を有する複合機であってもよい。
【0023】
カラープリンタ(以下、単に「プリンタ」という)1は、給紙部3、画像形成部5、搬送機構7、定着部9、ベルトクリーニングユニット20、および高圧電源装置50を含む。プリンタ1は、例えば外部から入力される画像データに応じた1または複数色(本実施形態ではイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色)のトナー(現像剤)からなるトナー像を、シート15(用紙、OHPシートなど)に形成する。
【0024】
給紙部3は、プリンタ1の最下部に設けられており、シート(「被記録媒体」の一例)15を収容するトレイ17と、ピックアップローラ19とを含む。トレイ17に収容されたシート15は、ピックアップローラ19により1枚ずつ取り出され、搬送ローラ11,レジストレーションローラ12を介して搬送機構7に送られる。
【0025】
搬送機構7は、シート15を搬送するためのものであり、例えば、プリンタ1内に形成された所定の装着部(図示せず)に着脱自在に装着される。搬送機構7は、駆動ローラ31、従動ローラ32、およびベルト34を含み、ベルト34は、駆動ローラ31と従動ローラ32との間に架け渡されている。駆動ローラ31が回動すると、ベルト34は、感光ドラム42と対向する側の表面が、図1中の右方向から左方向へ移動する。これにより、レジストレーションローラ12から送られてきたシート15が、画像形成部5下へと搬送される。また、搬送機構7は、4つの転写ローラ33を含む。
【0026】
画像形成部(「画像形成ユニット」の一例)5は、4個のプロセスユニット40Y,40M,40C,40Kおよび4個の露光装置43を含む。各プロセスユニット40は、帯電器41、感光ドラム(「像担持体」の一例)42、ドラムクリーナローラ(「像担持体クリーナ」の一例)44、紙粉除去ローラ(「紙粉クリーナ」の一例)45、ユニットケース46、現像ローラ47、および供給ローラ48を含む。各プロセスユニット40Y,40M,40C,40Kは、プリンタ1内に形成された所定の装着部(図示せず)に着脱自在に着される。
【0027】
感光ドラム42は、例えば、アルミニウム製の基材上に、正帯電性の感光層が形成されたものであり、アルミニウム製の基材がプリンタ1のグランドラインに接地されている。帯電器41は、例えば、スコロトロン型の帯電器であり、放電ワイヤ41Aおよびグリッド41Bを有する。放電ワイヤ41Aに帯電電圧CHGが印加され、グリッド41Bのグリッド電圧GRIDは、感光ドラム42の表面がほぼ同電位(例えば、+700V)になるように制御される。
【0028】
露光装置43は、例えば、感光ドラム42の回転軸方向に沿って一列状に並んだ複数の発光素子(例えばLED)を有し、複数の発光素子を、外部より入力される画像データに応じて発光制御することにより、感光ドラム42の表面に静電潜像を形成する。なお、露光装置43は、プリンタ1内に固定設置される。露光装置43はレーザを使用したものであってもよい。
【0029】
ユニットケース46は、各色のトナー(本実施形態では、例えば正帯電性の非磁性1成分トナー)を収納するとともに、現像ローラ47および供給ローラ48を有する。トナーは、供給ローラ48の回転により現像ローラ47に供給され、供給ローラ48と現像ローラ47との間で正に摩擦帯電される。さらに、現像ローラ47が、トナーを均一な薄層として感光ドラム42上へ供給することによって静電潜像を現像して、感光ドラム42上にトナー象を形成する。
【0030】
各転写ローラ33は、各感光ドラム42との間でベルト34を挟む位置に配置されている。各転写ローラ33は、感光ドラム42との間にトナーの帯電極性とは逆極性(ここでは、負極性)の転写電圧TRCCが印加されることで、感光ドラム42上に形成されたトナー像をシート15に転写する。その後、シート15は、搬送機構7により定着部9へと搬送され、定着部9にてトナー像が熱定着され、プリンタ1の上面に排出される。
【0031】
ドラムクリーナローラ44および紙粉除去ローラ45によって構成されるドラムクリーニング機構は、感光ドラム42上の付着物(トナーや紙粉)を静電気力で吸引して除去する。ドラムクリーニング機構は、正極性を有するトナーと、負極性を有する紙粉とを除去するための2つの作動時を有する。2つの作動時は、印刷時(通紙時)に実行されるトナー吸引時と、印刷ジョブ終了後や所定枚数印刷後(非通紙時)において実行されるトナー吐出・紙粉吸引時とを含む。なお、紙粉除去ローラ45は、ここでは、例えば、プロセスユニット40Kのみに設けられる。
【0032】
トナー吸引時では、トナーが感光ドラム42からドラムクリーナローラ44に吸引される。一方、トナー吐出・紙粉吸引時では、一旦ドラムクリーナローラ44に吸引されたトナーが感光ドラム42に吐出されるとともに、紙粉は、感光ドラム42からドラムクリーナローラ44を介して紙粉除去ローラ45に吸引される。感光ドラム42に吐出されたトナーは、例えば、現像ローラ47によって吸引され回収される。
【0033】
また、ベルトクリーニングユニット20は、搬送機構7の下方に設けられ、所定の装着部(図示せず)に着脱自在に装着される。ベルトクリーニングユニット20は、ベルトクリーニングローラ21、付着物回収ローラ22、および回収ボックス23を含み、ベルト34上の付着物(主にベルト34に残存したトナー)を回収する。
【0034】
2.高圧電源装置の構成
次に、図2を参照して、プリンタ1の本発明に関連する電気的構成を説明する。図2は、回路基板(図示せず)に実装される高圧電源装置50の概略的なブロック図および高圧電源装置50に関連する接続構成を示す。なお、高圧電源装置50は、各プロセスユニット40Y,40M,40C,40Kに対応する電圧生成回路を含むが、各プロセスユニットに対応する構成は、ほぼ同一であるため、図2には、プロセスユニット40Kに関連する電圧生成回路のみが示される。
【0035】
高圧電源装置(「多出力電源装置」の一例)50は、CPU60、CPU60に接続された複数の電圧生成回路、ROM61、およびRAM62を含む。CPU60は、電圧生成回路の制御の他に、プリンタ全体の制御を司る。ROM61は、プリンタ全体の動作プログラム等を記憶し、RAM62は印刷処理に用いる画像データ等を記憶する。
【0036】
複数の電圧生成回路は、例えば、図2に示されるように、帯電電圧生成回路51、紙粉除去電圧・ドラムクリーナ電圧生成回路52、転写電圧生成回路53、現像電圧生成回路54、供給ローラ電圧生成回路55、ベルトクリーナ電圧生成回路56、および付着物回収電圧生成回路57を含む。なお、複数の電圧生成回路の構成は、これに限られない。
【0037】
帯電電圧生成回路51は、帯電器41の放電ワイヤ41Aに印加する帯電電圧CHGおよび帯電器41のグリッド41Bに印加するグリッド電圧GRIDを生成する。ここで、帯電電圧CHGは、例えば、5.5kV〜8kV(正極性)であり、グリッド電圧GRIDは、例えば、約700V(正極性)である。なお、グリッド電圧GRIDは、ここでは、例えば、放電ワイヤ41Aとグリッド41Bとの間の放電時における放電抵抗と、帯電電圧生成回路51内に設けられた分圧抵抗とによる、帯電電圧CHGの分圧によって生成される。
帯電電圧生成回路51は、例えば、CPU60のPWM1ポートからのPWM信号にしたがって帯電電圧CHGを生成し、帯電電圧CHGはA/D1ポートを介してフィードバック制御される。
【0038】
紙粉除去電圧・ドラムクリーナ電圧生成回路52は、紙粉除去ローラ45に印加する紙粉除去電圧DCLNBおよびをドラムクリーナローラ44に印加するドラムクリーナ電圧DCLNAを生成する。ここで、紙粉除去電圧DCLNBは、トナー吸引時では、例えば、約100V(正極性)であり、トナー吐出・紙粉吸引時では、例えば、約800V(正極性)である(図4参照)。
【0039】
また、ドラムクリーナ電圧DCLNAは、トナー吸引時では、例えば、約−100V(負極性)であり、トナー吐出・紙粉吸引時では、例えば、約600V(正極性)である(図4参照)。紙粉除去電圧・ドラムクリーナ電圧生成回路52は、CPU60のPWM2ポートからのPWM信号にしたがって紙粉除去電圧DCLNBを生成し、紙粉除去電圧DCLNBに基づいて、ドラムクリーナ電圧DCLNAを生成する。紙粉除去電圧DCLNBはA/D2ポートを介してフィードバック制御される。なお、紙粉除去電圧・ドラムクリーナ電圧生成回路52の詳細は、後述される。
【0040】
転写電圧生成回路53は、転写ローラ33に印加する転写電圧TRCCを生成する。ここで、転写電圧TRCCは、例えば、約−7kV(負極性)である。転写電圧生成回路53は、例えば、CPU60のPWM3ポートからのPWM信号にしたがって転写電圧TRCCを生成し、転写電圧TRCCは、A/D3ポートを介してフィードバック制御される。
【0041】
現像電圧生成回路54は、現像ローラ47に印加する現像電圧DEVを生成する。ここで、現像電圧DEVは、例えば、約400〜550V(正極性)である。現像電圧生成回路54は、例えば、CPU60のPWM4ポートからのPWM信号にしたがって現像電圧DEVを生成し、現像電圧DEVは、A/D4ポートを介してフィードバック制御される。
【0042】
供給ローラ電圧生成回路55は、供給ローラ48に印加する供給ローラ電圧SRを生成する。ここで、供給ローラ電圧SRは、例えば、約500〜650V(正極性)である。供給ローラ電圧生成回路55は、例えば、CPU60のPWM5ポートからのPWM信号にしたがって供給ローラ電圧SRを生成し、供給ローラ電圧SRは、A/D5ポートを介してフィードバック制御される。
【0043】
ベルトクリーナ電圧生成回路56は、ベルトクリーナローラ21に印加するベルトクリーナ電圧BCLNAを生成する。ここで、ベルトクリーナ電圧BCLNAは、例えば、約−1200V(負極性)である。ベルトクリーナ電圧生成回路56は、例えば、CPU60のPWM6ポートからのPWM信号にしたがってベルトクリーナ電圧BCLNAを生成し、ベルトクリーナ電圧BCLNAは、A/D6ポートを介してフィードバック制御される。
【0044】
付着物回収電圧生成回路57は、付着物回収ローラ22に印加する付着物回収電圧BCLNBを生成する。ここで、付着物回収電圧BCLNBは、例えば、約−1600V(負極性)である。付着物回収電圧生成回路57は、例えば、CPU60のPWM7ポートからのPWM信号にしたがって付着物回収電圧BCLNBを生成し、付着物回収電圧BCLNBは、A/D7ポートを介してフィードバック制御される。
【0045】
3.紙粉除去電圧・ドラムクリーナ電圧生成回路の構成
次に、図3および図4を参照して、紙粉除去電圧・ドラムクリーナ電圧生成回路52を説明する。図3は、紙粉除去電圧・ドラムクリーナ電圧生成回路52の概略的なブロック図であり、図4は、トナー吸引時およびトナー吐出・紙粉吸引時における各電圧の例を示すテーブルである。なお、図4において、紙粉除去電圧DCLNB>0、および第2端部電圧VT(−)<ドラムクリーナ電圧DCLNAが必要条件とされる。
【0046】
紙粉除去電圧・ドラムクリーナ電圧生成回路52は、トランスT1、整流ダイオードD1、第1ツェナーダイオード(「第1定電圧素子」の一例)ZD1、第1出力端子OUT1、第2ツェナーダイオード(「第2定電圧素子」の一例)ZD2、第2出力端子OUT2、電流制限抵抗R3、トランス駆動回路63、および2次側電圧検出回路64を含む。
【0047】
トランスT1は、1次巻線L1と、第1端部P1と第2端部P2とを有する2次巻線L2とを含み、2次巻線L2に2次側電圧V2を生成する。
【0048】
整流ダイオードD1は、第1端部P1に生成される交流電圧を整流し、コンデンサC1で平滑して2次側電圧V2を生成する。なお、ここでは、第1端部P1に生成される交流電圧の値(最大値)(以下、「第1端部電圧値VT(+)」という)と2次側電圧V2とは等しいものとし、整流ダイオードD1による電圧降下は無視するものとする。
【0049】
第1出力端子OUT1は、2次巻線L2の第1端部P1に接続され、詳しくは、整流ダイオードD1を介して接続され、2次側電圧V2に応じた紙粉除去電圧DCLNB(「第1電圧」の一例)を、紙粉除去ローラ45に対して出力する。
【0050】
第1ツェナーダイオードZD1のカソードは第1出力端子OUT1に接続され、第1ツェナーダイオードZD1のアノードは電流制限抵抗R3の一端に接続される。一方、第2ツェナーダイオードZD2のアノードは2次巻線L2の第2端部P2に接続され、第2ツェナーダイオードZD2のカソードはグランドに接続される。
【0051】
電流制限抵抗R3は、第1ツェナーダイオードZD1と2次巻線L2の第2端部P2との間に設けられ、第1ツェナーダイオードZD1に流れる電流を制限する。
【0052】
第2出力端子OUT2は、第1ツェナーダイオードZD1のアノードと電流制限抵抗R3の一端との間に接続され、紙粉除去電圧DCLNBとは異なるドラムクリーナ電圧DCLNA(「第2電圧」の一例)を、ドラムクリーナローラ44に出力する。紙粉除去電圧DCLNBとドラムクリーナ電圧DCLNAとは、第1ツェナーダイオードZD1のツェナー電圧VZD1だけ異なる。
【0053】
2次側電圧検出回路64は、2次巻線L2の第1端部P1とグランドとの間に設けられ、2次側電圧V2の値を検出する。2次側電圧検出回路64は、例えば、図3に示すように分圧抵抗R1,R2を含み、分圧抵抗R1,R2による2次側電圧V2の分圧値(検出値)をCPU60のA/D2ポートに供給する。
【0054】
また、2次側電圧検出回路(「電流生成回路」の一例)64は、分圧抵抗R1,R2を介して、2次巻線L2の第1端部P1とグランドとの間に2次側電圧V2による所定電流を流す。そして、2次巻線L2の第1端部P1からの所定電流がグランドおよび第2ツェナーダイオードZD2を介して2次巻線L2の第2端部P2に戻ることによって、ツェナーダイオードZD2が所定の電圧を発生するための電流を流すことができ、第2端部P2の電圧(以下「第2端部電圧VT(−)」という)が所定の負電圧となる。
【0055】
なお、ここでは、分圧抵抗R1,R2によって構成される2次側電圧検出回路64によって、2次巻線L2の第1端部P1とグランドとの間に2次側電圧V2による所定電流を流す電流生成回路を兼ねることができるため、別途電流生成回路を設ける必要がない。
【0056】
トランス駆動回路63は、1次巻線L1に接続され、トランスT1を駆動する。トランス駆動回路63は、例えば、図3に示すようにトランジスタQ1を含む。トランジスタQ1は、CPU60のPWM2ポートからのPWM信号にしたがってオン・オフ制御され、1次巻線L1を駆動する。
【0057】
CPU(「2次側電圧制御回路」の一例)60は、2次側電圧V2の値を設定する。CPU60は、2次側電圧V2の電圧値(本発明における「所定値」に相当する)の設定を、例えば、印刷処理に係るプログラムの命令にしたがって行う。なお、2次側電圧V2の値の設定方法は、これに限られない。そして、設定された値を有する2次側電圧V2が2次巻線L2の第1端部P1に生成されるように、2次側電圧検出回路64の検出値に基づいてトランス駆動回路63をフィードバック制御する。
【0058】
4.第1実施形態の作用・効果
第1および第2ツェナーダイオードZD1,ZD2の上記接続構成によれば、第1および第2ツェナーダイオードZD1,ZD2のツェナー電圧VZD1,VZD2を適宜、選定し、2次側電圧V2の値を適宜設定することで、正極性の紙粉除去電圧DCLNB(第1電圧)と負極性のドラムクリーナ電圧DCLNA(第2電圧)とを生成することができる。
【0059】
例えば、図4に示されるように、ツェナー電圧VZD1が200Vの第1ツェナーダイオードZD1と、ツェナー電圧VZD2が300Vの第2ツェナーダイオードZD2とを使用する。そして、トナー吸引時において、2次側電圧V2が100Vに設定されると、図4に示されるように、ほぼ100V(正極性)の紙粉除去電圧DCLNBが得られ、ほぼ−100V(負極性)のドラムクリーナ電圧DCLNAが得られる。
【0060】
このとき、紙粉除去電圧DCLNBとドラムクリーナ電圧DCLNAとの電圧差は、第1ツェナーダイオードZD1のツェナー電圧VZD1に相当する200Vとなる。すなわち、紙粉除去電圧DCLNBはドラムクリーナ電圧DCLNAより200V高い。そのため、正極性のトナーは好適に負極性のドラムクリーナローラ44に吸引され、紙粉除去ローラ45に移動することなく、ドラムクリーナローラ44に留まる。
【0061】
また、この場合、2次巻線L2の第2端部電圧VT(−)は、第2ツェナーダイオードZD2のツェナー電圧VZD2によって、−300Vとなる。したって、電流制限抵抗R3による電圧降下は200Vとなる。
【0062】
すなわち、1個のトランスT1によって極性の異なる2つの電圧(DCLNB,DCLNA:100V、−100V)を出力することができる。そのため、極性の異なる複数の電圧を出力する高圧電源装置50の構成を小型化することができる。
【0063】
一方、トナー吐出・紙粉吸引時において、2次側電圧V2が800Vに設定されると、図4に示されるように、ほぼ800Vの紙粉除去電圧DCLNBが得られ、ほぼ600Vのドラムクリーナ電圧DCLNAが得られる。すなわち、この場合、共に、正極性の紙粉除去電圧DCLNBおよびドラムクリーナ電圧DCLNAが得られる。
【0064】
このとき、紙粉除去電圧DCLNBとドラムクリーナ電圧DCLNAとの電圧差は、同様に、第1ツェナーダイオードZD1のツェナー電圧VZD1に相当する200Vとなる。すなわち、紙粉除去電圧DCLNBはドラムクリーナ電圧DCLNAより200V高い。また、ドラムクリーナ電圧DCLNA(800V)は感光ドラム42の電圧より高いため、トナーは好適に感光ドラム42に吐出される。一方、負極性の紙粉は、ドラムクリーナローラ44を介して紙粉除去ローラ45に好適に吸引される。
【0065】
この場合、1個のトランスT1によって極性の異なる2つの電圧を出力することができる構成において、必要に応じて、共に、正極性の2つの電圧(DCLNB,DCLNA:100V、−100V)を出力することができる。
【0066】
このように、実施形態1においては、トナー吸引時およびトナー吐出・紙粉吸引時において必要とされる4種類の電圧を、2次側電圧V2の設定変更に基づき、1個のトランスT1によって好適に生成することができる。
【0067】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を、図5および図6を参照しつつ説明する。図5は、実施形態2の紙粉除去電圧・ドラムクリーナ電圧生成回路52Aの概略的なブロック図であり、図6は、実施形態2におけるトナー吸引時およびトナー吐出・紙粉吸引時における各電圧の例を示すテーブルである。なお、図6においては、第1端部電圧VT(+)>0、および第2端部電圧VT(−)<ドラムクリーナ電圧DCLNAが必要条件とされる。
【0068】
なお、実施形態1と実施形態2とは、紙粉除去電圧・ドラムクリーナ電圧生成回路の構成が一部、異なるだけである。そのため、同一構成要素には同一の部材番号を付し、相違点のみを説明する。
【0069】
紙粉除去電圧・ドラムクリーナ電圧生成回路52Aでは、図5に示されるように、整流ダイオードD1と第1ツェナーダイオードZD1との間に、さらに、第3ツェナーダイオードZD3(「第3定電圧素子」の一例)が設けられている。
【0070】
すなわち、第3ツェナーダイオードZD3が、2次巻線L2の第1端部P1と第1ツェナーダイオードZD1の間に設けられている。具体的には、第3ツェナーダイオードZD3のアノードが第1出力端子OUT1に接続され、第3ツェナーダイオードZD3のカソードが、整流ダイオードD1を介して、2次巻線L2の第1端部P1に接続されている。また、第1出力端子OUT1は、第1ツェナーダイオードZD1と第3ツェナーダイオードZD3との間に接続されている。
【0071】
5.第2実施形態の作用・効果
第1〜第3ツェナーダイオード(ZD1,ZD2,ZD3)の上記接続構成によれば、第1〜第3ツェナーダイオード(ZD1,ZD2,ZD3)のツェナー電圧(VZD1,VZD2,VZD3)を適宜、選定し、2次側電圧V2の値を適宜設定することで、第1実施形態と比べて、さらに負極性の紙粉除去電圧DCLNB(第1電圧)を生成することができる。
【0072】
例えば、図6に示されるように、ツェナー電圧VZD1が100Vの第1ツェナーダイオードZD1と、ツェナー電圧VZD2が300Vの第2ツェナーダイオードZD2と、ツェナー電圧VZD3が200Vの第3ツェナーダイオードZD3とを使用する。そして、トナー吸引時(1)において、2次側電圧V2(第1端部電圧VT(+))が100Vに設定されると、図6に示されるように、ほぼ−100Vの紙粉除去電圧DCLNBが得られ、ほぼ−200Vのドラムクリーナ電圧DCLNAが得られる。この場合の電流制限抵抗R3による電圧降下は100Vとなる。
【0073】
このとき、紙粉除去電圧DCLNBとドラムクリーナ電圧DCLNAとの電圧差は、第1ツェナーダイオードZD1のツェナー電圧VZD1に相当する100Vとなる。すなわち、紙粉除去電圧DCLNBはドラムクリーナ電圧DCLNAより100V高い。そのため、正極性のトナーは好適にドラムクリーナローラ44に吸引され、紙粉除去ローラ45に移動することなく、ドラムクリーナローラ44に留まる。
【0074】
すなわち、この場合、1個のトランスT1によって、共に負極性の2つの電圧(DCLNB,DCLNA:−100V、−100V)を出力することができる。
【0075】
また、図6に示されるように、トナー吸引時(2)において、2次側電圧V2(第1端部電圧VT(+))が200Vに設定されると、ほぼ0Vの紙粉除去電圧DCLNBが得られ、ほぼ−100Vのドラムクリーナ電圧DCLNAが得られる。すなわち、紙粉除去電圧DCLNBおよびドラムクリーナ電圧DCLNAが、それぞれ、100V、上昇する。電流制限抵抗R3による電圧降下は200Vとなる。この場合、正極性(ゼロVも含む)の紙粉除去電圧DCLNBおよび負極性のドラムクリーナ電圧DCLNAが得られる。
【0076】
一方、トナー吐出・紙粉吸引時において、2次側電圧V2が800Vに設定されると、図6に示されるように、ほぼ600Vの紙粉除去電圧DCLNBが得られ、ほぼ500Vのドラムクリーナ電圧DCLNAが得られる。電流制限抵抗R3による電圧降下は800Vとなる。すなわち、この場合、共に、正極性の紙粉除去電圧DCLNBおよびドラムクリーナ電圧DCLNAが得られる。
【0077】
このとき、紙粉除去電圧DCLNBとドラムクリーナ電圧DCLNAとの電圧差は、100Vとなる。すなわち、紙粉除去電圧DCLNBはドラムクリーナ電圧DCLNAより100V高い。そのため、トナーは好適に感光ドラム42に吐出される。一方、負極性の紙粉は、ドラムクリーナローラ44を介して紙粉除去ローラ45に好適に吸引される。
【0078】
このように、実施形態1の効果に加え、第3ツェナーダイオードZD3によって、負極性の紙粉除去電圧DCLNB(第1電圧)を生成することができる。紙粉除去電圧DCLNBおよびドラムクリーナ電圧DCLNAを生成する際の、特に紙粉除去電圧DCLNBを生成する際の、電圧極性の自由度が増加する。
【0079】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0080】
(1)上記実施形態1,2においては、第1定電圧素子として第1ツェナーダイオードZD1を使用する例を示したが、これに限られない。例えば、図7に示すように、第1定電圧素子としてトランジスタTR1を使用するようにしてもよい。この場合、トランジスタTR1のベース(「制御端子」の一例)に供給されるON抵抗制御信号に応じてトランジスタTR1のON抵抗が制御される。そのため、ON抵抗制御信号によってトランジスタTR1のON抵抗を可変することによって、トランジスタTR1による電圧降下を、すなわち、紙粉除去電圧DCLNB(第1電圧)とドラムクリーナ電圧DCLNA(第2電圧)との電位差を、適宜設定できる。
【0081】
なお、ここでは、例えば、CPU60はON抵抗制御信号をPWM信号として生成する。ON抵抗制御信号(PWM信号)はPWM2Aポートからフォトカプラ66に供給され、フォトカプラ66を介して、トランジスタTR1のベースが制御される。
【0082】
この場合、紙粉除去電圧・ドラムクリーナ電圧生成回路52Bは、図7に示すように、さらに、第2出力端子OUT2に接続され、ドラムクリーナ電圧DCLNAの値を検出する第2電圧検出回路65を含むことが望ましい。そして、CPU(「第2電圧制御回路」の一例)60は、例えば、分圧抵抗R4,R5によって構成される第2電圧検出回路65の検出値に基づいてON抵抗制御信号を生成することが好ましい。この構成によれば、ドラムクリーナ電圧DCLNAを第2電圧検出回路65およびCPU60によってフィードバック制御することによって、第2電圧を所定値に好適に維持できる。
【0083】
なお、図7は、図3に示す実施形態1において第1定電圧素子としてトランジスタTR1を使用する例を示すものであるが、図5に示す実施形態2において第1定電圧素子としてトランジスタTR1を使用するようにしてもよい。また、第2定電圧素子あるいは第3定電圧素子として、ツェナーダイオードに代えて上記ON抵抗が制御されるトランジスタを使用することもできる。その他、第1〜3定電圧素子として、バリスタを使用することも可能である。
【0084】
(2)上記各実施形態においては、1個のトランスT1によって、第1電圧として紙粉除去電圧DCLNBが生成されて、第2電圧としてドラムクリーナ電圧DCLNAが生成される例を示したが、これに限られない。例えば、1個のトランスT1によって、第1電圧として供給ローラ電圧SRを生成し、第2電圧として現像電圧DEVを生成する場合にも、本発明は適用できる。
【0085】
(3)上記各実施形態においては、トランスT1の2次側電圧(第1端部電圧)V2が正極性である場合を示したが、これに限られない。本発明は、トランスT1の2次側電圧(第1端部電圧)V2が負極性である場合にも適用できる。この場合、第1〜第3ツェナーダイオード(ZD1,ZD2,ZD3)およびトランジスタTR1の接続方向を、上記各実施形態と逆にすればよい。
【0086】
2次側電圧(第1端部電圧)V2が負極性である場合、例えば、1個のトランスT1によって、第1電圧として付着物回収電圧BCLNBを生成し、第2電圧としてベルトクリーナ電圧BCLNAを生成する場合にも、本発明は適用できる。
【0087】
さらに、高圧電源装置(多出力電源装置)50が、上記1個のトランスの2次側電圧V2が正極性である場合と、上記他のトランスの2次側電圧V2が負極性である場合とを組み合わせた構成を有するものであってもよい。
【0088】
(4)本発明に係る多出力電源装置は、画像形成装置に限られず、複数の電圧出力、特に極性の異なる複数の電圧出力を必要とするあらゆる装置に適用できる。
【符号の説明】
【0089】
1…プリンタ
5…画像形成部
42…感光体ドラム
44…ドラムクリーナローラ
45…紙粉除去ローラ
50…高圧電源装置
52,52A,52B…紙粉除去電圧・ドラムクリーナ電圧生成回路
60…CPU
63…トランス駆動回路
64…2次側電圧検出回路(電流生成回路)
65…第2電圧検出回路
R13…電流制限抵抗
T1…トランス
L1…1次巻線
L2…2次巻線
P1…2次巻線の第1端部
P2…2次巻線の第2端部
OUT1…第1出力端子
OUT2…第2出力端子
V2…2次側電圧
ZD1…第1ツェナーダイオード
ZD2…第2ツェナーダイオード
ZD3…第3ツェナーダイオード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1次巻線と、第1端部と第2端部とを有する2次巻線とを含み、前記2次巻線に2次側電圧を生成するトランスと、
前記第1端部に接続され、前記2次側電圧に応じた第1電圧を出力する第1出力端子と、
前記第1出力端子に接続される第1定電圧素子と、
前記第1定電圧素子と前記第2端部との間に設けられる電流制限抵抗と、
前記第2端部とグランドとの間に設けられる第2定電圧素子と、
前記第1定電圧素子と前記電流制限抵抗との間に接続され、前記第1電圧と異なる第2電圧を出力する第2出力端子と、
前記第1端部とグランドとの間に設けられ、前記第1端部とグランドとの間に前記2次側電圧による所定電流を流す電流生成回路と、
前記1次巻線に接続され、前記トランスを駆動するトランス駆動回路と、
前記トランス駆動回路を制御して、前記第1端部に所定値の前記2次側電圧を生成させる2次側電圧制御回路と、
を備えた、多出力電源装置。
【請求項2】
請求項1に記載の多出力電源装置において、
前記第1端部とグランドとの間に設けられ、前記2次側電圧の値を検出する2次側電圧検出回路をさらに備え、
前記2次側電圧制御回路は、前記2次側電圧検出回路の検出値に基づいて前記トランス駆動回路を制御する、多出力電源装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の多出力電源装置において、
前記第1定電圧素子は第1ツェナーダイオードであり、前記第2定電圧素子は第2ツェナーダイオードであり、
前記第1ツェナーダイオードのカソードが前記第1出力端子に接続され、前記第1ツェナーダイオードのアノードが前記電流制限抵抗に接続され、
前記第2ツェナーダイオードのアノードが前記第2端部に接続され、前記第2ツェナーダイオードのカソードが前記グランドに接続される、多出力電源装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の多出力電源装置において、
前記第1定電圧素子は、制御端子を有し、前記制御端子に供給されるON抵抗制御信号に応じてON抵抗が制御されるトランジスタであり、
前記第2定電圧素子はツェナーダイオードであり、
前記ツェナーダイオードのアノードが前記第2端部に接続され、前記ツェナーダイオードのカソードが前記グランドに接続される、多出力電源装置。
【請求項5】
請求項4に記載の多出力電源装置において、
前記第2出力端子に接続され、前記第2電圧の値を検出する第2電圧検出回路と、
前記第2電圧検出回路の検出値に基づいて前記ON抵抗制御信号を生成する第2電圧制御回路とをさらに備える、多出力電源装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の多出力電源装置において、
前記第1端部と前記第1定電圧素子との間に設けられる第3定電圧素子をさらに備え、
前記第1出力端子は、前記第1定電圧素子と前記第3定電圧素子との間に接続される、多出力電源装置。
【請求項7】
請求項6に記載の多出力電源装置において、
前記第3定電圧素子は第3ツェナーダイオードであり、
前記第3ツェナーダイオードのアノードが前記第1出力端子に接続され、前記第3ツェナーダイオードのカソードが前記第1端部に接続される、多出力電源装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の多出力電源装置と、
現像剤像によって被記録媒体に画像を形成する画像形成ユニットと、
を備えた画像形成装置。
【請求項9】
請求項8に記載の画像形成装置において、
前記画像形成ユニットは、
前記現像剤像を担持する像担持体と、
前記像担持体に残留する現像剤を除去する像担持体クリーナと、
前記像担持体クリーナを介して紙粉を除去する紙粉クリーナと、
を含み、
前記第1電圧は、前記紙粉クリーナに供給される紙粉クリーナ電圧であり、
前記第2電圧は、前記像担持体クリーナに供給される像担持体クリーナ電圧である、画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−139570(P2011−139570A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−297215(P2009−297215)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】