説明

多孔質フィルムの製造方法

【課題】耐熱性が高い多孔質フィルムを、より簡便な操作で、安価に製造することのできる製造方法を提供する。
【解決手段】
以下の(a)、(b)および(c)の工程をこの順で含むことを特徴とする液晶ポリエステル含有多孔質フィルムの製造方法。
(a)液晶ポリエステル100重量部を溶媒に溶解させた溶液に、該液晶ポリエステル100重量部に対しフィラーを1〜1500重量部分散したスラリー状塗工液を調製する。
(b)該塗工液を基材の少なくとも片面に塗工し、塗工膜を形成する。
(c)該塗工膜において、溶媒の除去、液晶ポリエステルを溶解しない溶媒への浸漬、乾燥を行い、液晶ポリエステル含有多孔質フィルムを得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多孔質フィルムの製造方法に関する。詳しくは、液晶ポリエステル含有多孔質フィルムの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多孔質フィルムは、セパレータとして、リチウムイオン二次電池、リチウムポリマー二次電池などの非水電解質二次電池に用いられている。セパレータは、微細孔を有する多孔質フィルムからなる。非水電解質二次電池において、セパレータは、耐熱性の高いことが求められており、これを解決する多孔質フィルムとしては、液晶ポリエステルからなる多孔質フィルムを挙げることができ、該フィルムの製造方法として、特許文献1には、液晶ポリエステルおよび無機化合物からなる組成物を溶融混練して、延伸してフィルムを製造し、無機化合物を溶出させることによる多孔質フィルムの製造方法が開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2001−342282号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の多孔質フィルムの製造方法においては、溶融混練、延伸、溶出など、操作が複雑である。本発明の目的は、耐熱性が高い多孔質フィルムを、より簡便な操作で、安価に製造することのできる製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、本発明に至った。すなわち本発明は、以下の発明を提供する。
<1>以下の(a)、(b)および(c)の工程をこの順で含むことを特徴とする液晶ポリエステル含有多孔質フィルムの製造方法。
(a)液晶ポリエステル100重量部を溶媒に溶解させた溶液に、該液晶ポリエステル100重量部に対しフィラーを1〜1500重量部分散したスラリー状塗工液を調製する。
(b)該塗工液を基材の少なくとも片面に塗工し、塗工膜を形成する。
(c)該塗工膜において、溶媒の除去、液晶ポリエステルを溶解しない溶媒への浸漬、乾燥を行い、液晶ポリエステル含有多孔質フィルムを得る。
<2>基材が、多孔質フィルムである前記の製造方法。
<3>基材が、熱可塑性樹脂(ここで、熱可塑性樹脂は、液晶ポリエステルとは異なる樹脂である。)からなる多孔質フィルムである前記の製造方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、耐熱性が高い多孔質フィルムを、より簡便な操作で、安価に製造することができ、本発明により得られる多孔質フィルムは、ろ過膜、分離膜、または非水電解質二次電池などの電池用もしくはキャパシター用のセパレータなどとして使用可能であることから、本発明は工業的に極めて有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明は、以下の(a)、(b)および(c)の工程をこの順で含むことを特徴とする液晶ポリエステル含有多孔質フィルムの製造方法を提供する。
(a)液晶ポリエステル100重量部を溶媒に溶解させた溶液に、該液晶ポリエステル100重量部に対しフィラーを1〜1500重量部分散したスラリー状塗工液を調製する。
(b)該塗工液を基材の少なくとも片面に塗工し、塗工膜を形成する。
(c)該塗工膜において、溶媒の除去、液晶ポリエステルを溶解しない溶媒への浸漬、乾燥を行い、液晶ポリエステル含有多孔質フィルムを得る。
【0008】
本発明において、液晶ポリエステルとしては、例えば、
(1)芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、および芳香族ジオールを重合させて得られるもの、
(2)同種または異種の芳香族ヒドロキシカルボン酸を重合させて得られるもの、
(3)芳香族ジカルボン酸および芳香族ジオールを重合させて得られるもの、
(4)ポリエチレンテレフタレートなどの結晶性ポリエステルに芳香族ヒドロキシカルボン酸を反応させて得られるもの、
(5)芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、およびフェノール性水酸基を有する芳香族アミンを重合させて得られるもの、
(6)芳香族ジカルボン酸およびフェノール性水酸基を有する芳香族アミンを重合させて得られるもの、
(7)芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、および芳香族ジアミンを重合させて得られるもの、
などが挙げられる。本発明においては、上記(5)、(6)または(7)の液晶ポリエステルを用いると、得られる液晶ポリエステル含有多孔質フィルムが、より耐熱性に優れ、好ましい。
【0009】
なお、これらの芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオールおよびフェノール性水酸基を有する芳香族アミンの代わりに、それらのエステル形成性誘導体もしくはアミド形成性誘導体を使用してもよい。
【0010】
ここで、カルボン酸のエステル形成性誘導体もしくはアミド形成性誘導体としては、例えば、カルボキシル基が、ポリエステル生成反応もしくはポリアミド生成反応を促進するような酸塩化物、酸無水物などの反応性が高い誘導体となっているもの、カルボキシル基が、エステル交換反応もしくはアミド交換反応によりポリエステルもしくはポリアミドを生成するようなアルコール類やエチレングリコール、アミンなどとエステルもしくはアミドを形成しているものなどが挙げられる。
【0011】
また、フェノール性水酸基のエステル形成性誘導体としては、例えば、エステル交換反応によりポリエステルを生成するように、フェノール性水酸基がカルボン酸類とエステルを形成しているものなどが挙げられる。
【0012】
さらに、アミノ基のアミド形成性誘導体としては、例えば、アミド交換反応によりポリアミドを生成するようなカルボン酸類とアミドを形成しているものなどが挙げられる。
【0013】
また、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオールおよびフェノール性水酸基を有する芳香族アミン、芳香族ジアミンは、エステル形成性もしくはアミド形成性を阻害しない程度であれば、塩素原子、フッ素原子などのハロゲン原子、メチル基、エチル基などのアルキル基、フェニル基などのアリール基などで置換されていてもよい。
【0014】
上記(A)液晶ポリエステルの繰り返し構造単位としては、下記のものを例示することができるが、これらに限定されるものではない。
【0015】
芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する繰り返し構造単位:

【0016】
上記の繰り返し構造単位は、ハロゲン原子、アルキル基またはアリール基で置換されていてもよい。
【0017】
芳香族ジカルボン酸に由来する繰り返し構造単位:

【0018】
上記の繰り返し構造単位は、ハロゲン原子、アルキル基またはアリール基で置換されていてもよい。
【0019】
芳香族ジオールに由来する繰り返し構造単位:

【0020】
上記の繰り返し構造単位は、ハロゲン原子、アルキル基またはアリール基で置換されていてもよい。
【0021】
フェノール性水酸基を有する芳香族アミンに由来する繰り返し構造単位:

【0022】
上記の繰り返し構造単位は、ハロゲン原子、アルキル基またはアリール基で置換されていてもよい。
【0023】
芳香族ジアミンに由来する繰り返し構造単位:

【0024】

【0025】
上記の繰り返し構造単位は、ハロゲン原子、アルキル基またはアリール基で置換されていてもよい。
【0026】
なお、繰り返し構造単位に置換されていてもよいアルキル基としては、例えば炭素数1〜10のアルキル基が通常用いられ、中でもメチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基が好ましい。繰り返し構造単位に置換されていてもよいアリール基としては、例えば炭素数6〜20のアリール基が通常用いられ、中でもフェニル基が好ましい。
【0027】
本発明において得られる液晶ポリエステル含有多孔質フィルムの耐熱性をより高める意味で、(A)液晶ポリエステルは、前記(A1)、(A3)、(B1)、(B2)または(B3)式で表される繰り返し単位を含むことが好ましい。
【0028】
ここで前記繰り返し単位を含む構造単位の好ましい組み合わせとしては、例えば、下記(a)〜(d)が挙げられる。
(a):
前記繰り返し構造単位(A1)、(B2)および(D1)の組み合わせ、
前記繰り返し構造単位(A3)、(B2)および(D1)の組み合わせ、
前記繰り返し構造単位(A1)、(B1)、(B2)および(D1)の組み合わせ、
前記繰り返し構造単位(A3)、(B1)、(B2)および(D1)の組み合わせ、
前記繰り返し構造単位(A3)、(B3)および(D1)の組み合わせ、または、
前記繰り返し構造単位(B1)、(B2)または(B3)および(D1)の組み合わせ。
(b):前記(a)の組み合わせのそれぞれにおいて、(D1)の一部または全部を(D2)に置換した組み合わせ。
(c):前記(a)の組み合わせのそれぞれにおいて、(A1)の一部を(A3)に置換した組み合わせ。
(d):前記(a)の組み合わせのそれぞれにおいて、(D1)の一部または全部を(E1)または(E5)に置換した組み合わせ。
【0029】
さらに好ましい組み合わせとしては、p−ヒドロキシ安息香酸および2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸からなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物に由来する繰り返し構造単位30〜80モル%、4−ヒドロキシアニリンおよび4,4’−ジアミノジフェニルエーテルからなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物に由来する繰り返し構造単位10〜35モル%、テレフタル酸およびイソフタル酸からなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物に由来する繰り返し構造単位10〜35モル%からなることがより好ましく、更には、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸に由来する繰り返し構造単位30〜80モル%、4−ヒドロキシアニリンに由来する繰り返し構造単位10〜35モル%、イソフタル酸に由来する繰り返し構造単位10〜35モル%からなることが特に好ましい。
【0030】
また、液晶ポリエステルの重量平均分子量は、特に限定されないが、通常5000〜500000程度、好ましくは100000〜500000程度である。
【0031】
本発明において、液晶ポリエステルの製造方法は、特に限定されないが、例えば、芳香族ヒドロキシカルボン酸や芳香族ジオール、フェノール性水酸基を有する芳香族アミン、芳香族ジアミンを過剰量の脂肪酸無水物によりアシル化して(アシル化反応)、アシル化物を得、得られたアシル化物と、芳香族ヒドロキシカルボン酸および/または芳香族ジカルボン酸とをエステル交換・アミド交換することにより重合する方法が挙げられる。
【0032】
アシル化反応においては、脂肪酸無水物の添加量がフェノール性水酸基とアミノ基の総計の1.0〜1.2倍当量であることが好ましく、より好ましくは1.05〜1.1倍当量である。脂肪酸無水物の添加量が少ないと、エステル交換・アミド交換による重合時にアシル化物や芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸などが昇華し、反応装置の配管等が閉塞し易い傾向があり、また、脂肪酸無水物の添加量が多すぎると、得られる液晶ポリエステルの着色が著しくなる可能性がある。
【0033】
アシル化反応は、130〜180℃で5分間〜10時間反応させることが好ましく、140〜160℃で10分間〜3時間反応させることがより好ましい。
【0034】
アシル化反応に使用される脂肪酸無水物は、特に限定されないが、例えば、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水イソ酪酸、無水吉草酸、無水ピバル酸、無水2エチルヘキサン酸、無水モノクロル酢酸、無水ジクロル酢酸、無水トリクロル酢酸、無水モノブロモ酢酸、無水ジブロモ酢酸、無水トリブロモ酢酸、無水モノフルオロ酢酸、無水ジフルオロ酢酸、無水トリフルオロ酢酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水β−ブロモプロピオン酸などが挙げられ、これらは2種類以上を混合して用いてもよい。価格と操作性の観点から、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、または無水イソ酪酸が好ましく、より好ましくは、無水酢酸である。
【0035】
エステル交換・アミド交換による重合においては、アシル化物のアシル基がカルボキシル基の0.8〜1.2倍当量であることが好ましい。また重合温度は、400℃以下で行うことが好ましく、さらに好ましくは350℃以下である。また、昇温時の昇温速度は、0.1〜50℃/分であることが好ましく、さらに好ましくは0.3〜5℃/分である。また、この際、平衡を移動させるため、副生する脂肪酸と未反応の脂肪酸無水物は、蒸発させるなどして系外へ留去することが好ましい。
【0036】
なお、アシル化反応、エステル交換・アミド交換による重合は、触媒の存在下に行ってもよい。前記触媒としては、従来からポリエステルの重合用触媒として公知のものを使用することができ、例えば、酢酸マグネシウム、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸鉛、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、三酸化アンチモンなどの金属塩触媒、N,N−ジメチルアミノピリジン、N−メチルイミダゾールなどの有機化合物触媒などを挙げることができる。触媒は、通常、アシル化反応時に存在させ、アシル化反応後も除去することは必ずしも必要ではない。アシル化反応後に、前記触媒を除去しない場合にはそのまま次の処理(エステル交換・アミド交換による重合)を行うことができる。また当該処理を行うときに、前記のような触媒をさらに添加してもよい。
【0037】
エステル交換・アミド交換による重合は、通常、溶融重合により行われるが、溶融重合と固相重合とを併用してもよい。固相重合は、溶融重合工程からポリマーを抜き出し、固化後、粉砕してパウダー状もしくはフレーク状にした後、公知の固相重合方法により行うことができる。具体的には、例えば、窒素などの不活性雰囲気下、20〜350℃で、1〜30時間固相状態で熱処理する方法などが挙げられる。固相重合は、攪拌しながらでも、攪拌することなく静置した状態で行ってもよい。なお適当な攪拌機構を備えることにより溶融重合槽と固相重合槽とを同一の反応槽とすることもできる。固相重合後、得られた液晶ポリエステルは、公知の方法によりペレット化して使用してもよい。
【0038】
液晶ポリエステルの製造は、例えば、回分装置、連続装置等を用いて行うことができ、上記のようにして液晶ポリエステルを製造することができる。
【0039】
工程(a)において、液晶ポリエステルが、窒素原子を含む場合には、溶媒として、極性アミド系溶媒または極性尿素系溶媒を用いることが好ましく、具体的には、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、テトラメチルウレアを挙げることができる。
【0040】
工程(a)において、液晶ポリエステルが、窒素原子を含まない場合には、溶媒として、プロトン性溶媒を用いることが好ましく、具体的には、以下の(L1)式で表されるハロゲン置換フェノール化合物を挙げることができる。
【0041】

((L1)式において、Aはハロゲン原子またはトリハロゲン化メチル基を示し、iは1以上5以下の整数値を示し、iが2以上の場合、複数存在するAは同一でも異なっていてもよい。)
【0042】
(L1)式において、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、よう素原子が挙げられ、液晶ポリエステルを溶解しやすいことから、フッ素原子、塩素原子が好ましく、この場合、ハロゲン置換フェノール化合物としては、ペンタフルオロフェノール、テトラフルオロフェノール、o−クロロフェノール、p−クロロフェノール等が挙げられる。さらにo−クロロフェノール、p−クロロフェノールが好ましく、特に好ましくはp−クロロフェノールである。
【0043】
工程(a)において、溶媒の液晶ポリエステルに対する使用量としては、適宜選択することができるが、通常、溶媒100重量部に対して液晶ポリエステル0.01〜100重量部を使用する。液晶ポリエステルが0.01重量部未満であると、液晶ポリエステル含有多孔質フィルムの厚みが均一とならない傾向がある。また、液晶ポリエステルが100重量部を超えると、溶解し難くなることがある。操作性や経済性の観点から、溶媒100重量部に対して、液晶ポリエステルが0.5〜50重量部であることが好ましく、1〜10重量部であることがより好ましい。
【0044】
本発明においては、上記のようにして、溶媒を用いて、液晶ポリエステルを溶解して、溶液を得る。
【0045】
本発明において、フィラーは、その材質として、有機粉末、無機粉末またはこれらの混合物のいずれから選ばれるものであってもよい。
【0046】
上記有機粉末としては、例えば、スチレン、ビニルケトン、アクリロニトリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、アクリル酸メチル等の単独あるいは2種類以上の共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体、4フッ化エチレン−エチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド等のフッ素系樹脂;メラミン樹脂;尿素樹脂;ポリオレフィン;ポリメタクリレート等の有機物からなる粉末が挙げられる。該有機粉末は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いることもできる。これらの有機粉末の中でも、化学的安定性の点で、ポリテトラフルオロエチレン粉末が好ましい。
【0047】
上記の無機粉末としては、例えば、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属水酸化物、炭酸塩、硫酸塩等の無機物からなる粉末が挙げられ、具体的に例示すると、アルミナ、シリカ、二酸化チタン、または炭酸カルシウム等からなる粉末が挙げられる。該無機粉末は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いることもできる。これらの無機粉末の中でも、化学的安定性の点で、アルミナ粉末が好ましい。ここで、フィラーを構成する粒子のすべてがアルミナ粒子であることがより好ましく、さらにより好ましいのは、フィラーを構成する粒子のすべてがアルミナ粒子であり、その一部または全部が略球状のアルミナ粒子である実施形態である。尚、本発明において、略球状のアルミナ粒子は、真球状粒子を含むものである。
【0048】
本発明におけるフィラーの形状については、略球状、板状、柱状、針状、ウィスカー状、繊維状等が挙げられ、いずれの粒子も用いることができるが、均一な孔を形成しやすいことから、略球状粒子であることが好ましい。また、得られる液晶ポリエステル含有多孔質フィルムの強度特性および平滑性の観点から、フィラーを構成する粒子の平均粒子径としては、0.01μm以上1μm以下であることが好ましい。ここで、平均粒子径は、走査型電子顕微鏡写真から測定される値を用いる。具体的には、該写真に撮影されている粒子から任意に50個抽出し、それぞれの粒子径を測定して、その平均値を用いる。
【0049】
本発明において、溶液に、フィラーを分散させてスラリー状塗工液を得る方法としては、その装置として、圧力式分散機(ゴーリンホモジナイザー、ナノマイザー)等を用いればよい。
【0050】
工程(b)において、スラリー状塗工液を基材に塗工する方法としては、例えばナイフ、ブレード、バー、グラビア、ダイ等の塗工方法があげられ、バー、ナイフ等の塗工が簡便であるが、工業的には、溶液が外気と接触しない構造のダイ塗工が好ましい。また、塗工は2回以上行う場合もある。塗工は、特開2001−316006号公報に記載の塗工装置および特開2001−23602号公報に記載の方法により連続的に行うことが好ましい。
【0051】
工程(c)において、溶媒を除去する方法としては、通常、溶媒を蒸発させる方法により行う。溶媒を蒸発させる方法としては、加熱、減圧、通風などの方法が挙げられるが、中でも生産効率、操作性の点から加熱して蒸発させることが好ましく、通風しつつ加熱して蒸発させることがより好ましい。
【0052】
工程(c)において、液晶ポリエステルを溶解しない溶媒としては、水、アルコールを挙げることができる。この浸漬は、得られる液晶ポリエステル含有多孔質フィルムの洗浄も兼ねてもよい。また、この浸漬後、加熱、減圧、通風などの方法により、乾燥を行い、液晶ポリエステル含有多孔質フィルムを得る。
【0053】
液晶ポリエステル含有多孔質フィルムを、単層膜として得る場合には、基材から、剥離する必要がある。このとき、基材としては、前記液晶ポリエステルを溶解しない溶媒に溶解、膨潤しないものが挙げられ、具体的には、樹脂系フィルムでは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等からなるオレフィン系樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル系フィルム、ポリイミド、PPS等のスーパーエンジニアリングプラスチック系フィルム、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合フィルム(ETFE)等のフッ素系樹脂フィルムなどを挙げることができ、樹脂系フィルム以外では、銅板、ステンレス板などの金属板や、ガラス等のセラミック板などを挙げることができる。
【0054】
また、工程(b)における基材として、多孔質フィルムを用いれば、上記の剥離を行う必要がない場合がある。ここで、多孔質フィルムとしては、如何なるものであってもよく、例えば、本発明の液晶ポリエステル含有多孔質フィルムであってもよいが、多孔質フィルムが、熱可塑性樹脂(ここで、熱可塑性樹脂は、液晶ポリエステルとは異なる樹脂である。)からなる多孔質フィルムであれば、シャットダウン機能を有する積層タイプの多孔質フィルムを得ることができ、リチウムイオン二次電池、リチウムポリマー二次電池などの非水電解質二次電池用セパレータとして特に有用となる。
【0055】
上記の熱可塑性樹脂(ここで、熱可塑性樹脂は、液晶ポリエステルとは異なる樹脂である。)としては、80〜180℃で変形、軟化するものであることが好ましく、非水電解質二次電池においては、その電解液に溶解しないものを選択すればよい。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、熱可塑性ポリウレタンを挙げることができ、これらの2種以上の混合物を用いてもよい。より低温で軟化してシャットダウンさせる意味で、ポリエチレンが好ましい。ポリエチレンとして、具体的には、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状ポリエチレン等のポリエチレンを挙げることができ、超高分子量ポリエチレンを挙げることもできる。熱可塑性樹脂からなる多孔質フィルムの突刺し強度をより高める意味では、熱可塑性樹脂は、少なくとも超高分子量ポリエチレンを含有することが好ましい。また、熱可塑性樹脂からなる多孔質フィルムの製造面において、熱可塑性樹脂は、低分子量(重量平均分子量1万以下)のポリオレフィンからなるワックスを含有することが好ましい場合もある。
【0056】
上記の熱可塑性樹脂(ここで、熱可塑性樹脂は、液晶ポリエステルとは異なる樹脂である。)からなる多孔質フィルムは、微細孔を有し、その孔のサイズ(直径)は通常3μm以下、好ましくは1μm以下であり、空孔率は、通常30〜80体積%、好ましくは40〜70体積%である。非水電解質二次電池において、通常の使用温度を越えた場合には、熱可塑性樹脂の変形、軟化により、微細孔を閉塞する役割(シャットダウン機能)を果たすことになる。
【0057】
本発明においては、スラリー状塗工液におけるフィラー濃度、液晶ポリエステル濃度を制御することにより、得られる液晶ポリエステル含有多孔質フィルムの厚みを1μm以上30μm以下、さらには、1μm以上10μm以下のように、薄くすることが可能である。また、得られる液晶ポリエステル含有多孔質フィルムの孔のサイズ(直径)を、3μm以下、さらには1μm以下のように小さくすることが可能である。また、得られる液晶ポリエステル含有多孔質フィルムの空孔率は、通常、30〜80体積%、好ましくは40〜70体積%である。本発明においては、微細な孔をしかも均一に発生させた液晶ポリエステル含有多孔質フィルムを得ることができ、このことにより、十分な透気度を保ちつつ、かつ強度の大きいフィルムとすることができる。
【0058】
上記の熱可塑性樹脂(ここで、熱可塑性樹脂は、液晶ポリエステルとは異なる樹脂である。)からなる多孔質フィルムの製造方法は、特に限定されるものではなく、例えば特開平7−29563号公報に記載されたように、熱可塑性樹脂に可塑剤を加えてフィルム成形した後、該可塑剤を適当な溶媒で除去する方法や、特開平7−304110号公報に記載されたように、公知の方法により製造した熱可塑性樹脂からなるフィルムを用い、該フィルムの構造的に弱い非晶部分を選択的に延伸して微細孔を形成する方法が挙げられる。熱可塑性樹脂からなる多孔質フィルムが、超高分子量ポリエチレンおよび重量平均分子量1万以下の低分子量ポリオレフィンを含むポリオレフィン系樹脂から形成されてなる場合には、製造コストの観点から、以下に示すような方法により製造することが好ましい。すなわち、
(1)超高分子量ポリエチレン100重量部と、重量平均分子量1万以下の低分子量ポリオレフィン5〜200重量部と、無機充填剤100〜400重量部とを混練してポリオレフィン系樹脂組成物を得る工程
(2)前記ポリオレフィン系樹脂組成物を用いてシートを成形する工程
(3)工程(2)で得られたシート中から無機充填剤を除去する工程
(4)工程(3)で得られたシートを延伸してシャットダウン層とする工程
を含む方法、または
(1)超高分子量ポリエチレン100重量部と、重量平均分子量1万以下の低分子量ポリオレフィン5〜200重量部と、無機充填剤100〜400重量部とを混練してポリオレフィン系樹脂組成物を得る工程
(2)前記ポリオレフィン系樹脂組成物を用いてシートを成形する工程
(3)工程(2)で得られたシートを延伸する工程
(4)工程(3)で得られた延伸シート中から、無機充填剤(C)を除去して熱可塑性樹脂からなる多孔質フィルムとする工程
を含む方法である。
【実施例】
【0059】
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。尚、フィルム(液晶ポリエステル含有多孔質フィルム、ポリエチレン多孔質フィルム、液晶ポリエステル含有多孔質フィルムおよびポリエチレン多孔質フィルムの積層多孔質フィルム)の評価、非水電解質二次電池の製造および評価は、次のようにして行った。
【0060】
フィルムの評価
(1)厚み測定
液晶ポリエステル含有多孔質フィルムの厚みは、JIS規格(K7130−1992)に従い、測定した。積層多孔質フィルムにおいては、積層多孔質フィルムの厚みから、ポリエチレン多孔質フィルムの厚みを差し引いた値を用いた。
(2)ガーレー法による透気度の測定
フィルムの透気度は、JIS P8117に基づいて、株式会社安田精機製作所製のデジタルタイマー式ガーレー式デンソメータで測定した。
(3)空孔率
フィルムのサンプルを一辺の長さ10cmの正方形に切り取り、重量W(g)と厚みD(cm)を測定した。サンプル中のそれぞれの層の重量(Wi(g))を求め、Wiとそれぞれの層の材質の真比重(真比重i(g/cm3))とから、それぞれの層の体積を求めて、次式より空孔率(体積%)を求めた。
空孔率(体積%)=100×{1−(W1/真比重1+W2/真比重2+・・+Wn/真比重n)/(10×10×D)}
(4)遊離塩素含有量の測定
イオン交換水の入った容器内に、フィルムをイオン交換水に浸漬するようにして入れた容器を、プレッシャークッカー装置内に設置し、120℃、飽和水蒸気圧下に24時間静置することで、フィルム中の塩素をイオン交換水に抽出し、該イオン交換水について、イオンクロマト法により、塩素量を測定し、フィルムにおける遊離塩素含有量を求めた。
(5)フィルムのシャットダウン温度測定
図1に示すようなシャットダウン測定用セル(以降セルと呼称)にてシャットダウン温度を測定した。
6cm角の正方形のセパレータ(8)を一方のSUS板電極(10)上に配置し、電解液(9)を真空含浸した後、スプリング(12)付きの電極(13)を、該スプリングが上になるようにセパレータ(8)にのせた。前記電極(10)上に配置されたスペーサ(11)上に、もう一つのSUS板電極(10)を置き、前記スプリング(12)および電極(13)を介してセパレータ(8)に面圧1kgf/cm2が作用するように両電極(10)、(10)を締めて、セルを組み立てた。電解液(9)には、エチレンカーボネート30vol%:ジメチルカーボネート35vol%:エチルメチルカーボネート35vol%の混合溶液に、1mol/LのLiPF6を溶解させたものを用いた。組み立てたセルの両極(10)、(10)に、インピーダンスアナライザー(7)の端子を接続し、1kHzでの抵抗値を測定した。また、セパレータ直下に熱電対(14)を設置して温度も同時に測定できるようにし、昇温速度の2℃/分の条件で昇温しながら、インピーダンスおよび温度の測定を実施した。1kHzでのインピーダンスが1000Ωに到達した時の温度をシャットダウン温度(SD温度)とした。また、シャットダウン後、さらに温度を上昇させ、フィルムが破れ、測定上、内部抵抗が低下し始めるときの温度を熱破膜温度とした。
【0061】
非水電解質二次電池の作製および評価
(1)正極シートの作製
カルボキシメチルセルロース、ポリテトラフルオロエチレン、アセチレンブラック、正極活物質であるコバルト酸リチウム粉末および水を分散混練し、正極用電極合剤のペーストを得た。このペーストに含有される各成分の重量比としては、カルボキシメチルセルロース:ポリテトラフルオロエチレン:アセチレンブラック:コバルト酸リチウム粉末:水の重量比で0.75:4.55:2.7:92:45であった。該ペーストを正極集電体である厚さ20μmAl箔の両面の所定部分に塗布し、乾燥、ロールプレス、スリットし、正極シートを得た。正極用電極合剤が塗布されていない部分のAl箔の長さは1.5cmであり、その塗布されていない部分にアルミリードを抵抗溶接した。
(2)負極シートの作製
カルボキシメチルセルロース、天然黒鉛、人造黒鉛および水を分散混錬し、負極用電極合剤のペーストを得た。このペーストに含有される各成分の重量比としては、カルボキシメチルセルロース:天然黒鉛:人造黒鉛:水の重量比で2.0:58.8:39.2:122.8であった。該ペーストを負極集電体である厚さ12μmCu箔の両面の所定部分に塗布し、乾燥、ロールプレス、スリットを行って負極シートを得た。負極用電極合剤が塗布されていない部分のCu箔の長さは1.5cmであり、塗布されていない部分にニッケルリードを抵抗溶接した。
(3)非水電解質二次電池の作製
フィルムをセパレータとして用い、それと、正極シート、負極シート(負極用電極合剤未塗布部30cm)とを、正極シート、セパレータ、負極シートの順になるように、また負極の合剤未塗布部が最外周になるように積層し、一端より巻き取って電極群とした。前記の電極群を電池缶に挿入し、電解液として、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとエチルメチルカーボネートの体積比16:10:74混合液にLiPF6を1モル/リットルとなるように溶解した電解液を含浸し、正極端子を兼ねる電池蓋を用いて、ガスケットを介して、蓋をして、シールし、18650サイズの円筒電池(非水電解質二次電池)を得た。尚、セパレータとして積層多孔質フィルムを用いる場合には、液晶ポリエステル含有多孔質フィルムは正極シートと接するように、かつセパレータにおけるポリエチレン多孔質フィルムは負極シートと接するようにして積層した。
(4)評価
上記のようにして得た円筒電池を、専用の架台に固定し、油圧プレス式の釘刺し試験機に取り付けたφ2.5mmの釘を、5mm/secの速度で下ろして、電池の円筒部の中心に釘を貫通させたときの熱的挙動を観察した。
【0062】
実施例1
攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却器を備えた反応器に、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸 941g(5.0モル)、4−アミノフェノール 273g(2.5モル)、イソフタル酸 415.3g(2.5モル)および無水酢酸 1123g(11モル)を仕込んだ。反応器内を十分に窒素ガスで置換した後、窒素ガス気流下で15分かけて150℃まで昇温し、温度を保持して3時間還流させた。
【0063】
その後、留出する副生酢酸および未反応の無水酢酸を留去しながら170分かけて320℃まで昇温し、トルクの上昇が認められる時点を反応終了とみなし、内容物を取り出した。得られた固形分は室温まで冷却し、粗粉砕機で粉砕後、窒素雰囲気下250℃で3時間保持し、固相で重合反応を進めた。得られた粉末は350℃で偏光顕微鏡により液晶相に特有のシュリーレン模様が観察された。また前記粉末(液晶ポリエステル)8gをN−メチル−2−ピロリドン92gに加え、120℃に加熱すると完全に溶解し、液晶ポリエステル濃度が8重量%の透明な溶液が得られた。
【0064】
前記溶液に、さらにN−メチル−2−ピロリドンを加え、攪拌し、液晶ポリエステル濃度3重量%とした溶液100gに、エアロゾル社製高純度アルミナ(平均粒子径:0.013μm)を9g添加した後、6000rpmの高速攪拌によりアルミナを溶液中に分散させてスラリー状塗工液を得た。
【0065】
A4サイズのガラス板を用意し、その上に長方形に切り取ったポリエチレン多孔質フィルム(三井化学株式会社製、膜厚16μm、透気度121秒/100cc、平均孔径0.06μm、空孔率49体積%)を置き、短辺部の片側をテープでガラス板に固定した。ついで該多孔質フィルムの上に、直径20mmのステンレス製塗工バーを、多孔質フィルムとのクリアランスが0.04mmになるように平行に配置した。塗工バー手前の多孔質フィルム上に上記で調整した、スラリー状塗工液を供給した後、両手でバーの両端を持ち、バーを手前に動かして多孔質フィルム全体にスラリー状塗工液を塗工して、多孔質フィルム上に塗工膜を塗工した。ついで、ガラス板ごと、70℃のオーブン内に30分間静置し、溶媒を蒸発させた後、フィルムをガラス板から外して、樹脂製バットを用いて、通水下5分間水洗し、A4サイズの金枠に固定して、金枠ごと70℃のオーブン内で10分間乾燥させ、積層多孔質フィルムを得た。得られた積層多孔質フィルムは、厚み20μm、空孔率45%、透気度450秒/100cc、遊離塩素含有量が60重量ppmであった。また、積層多孔質フィルムのシャットダウン温度は134℃であり、200℃においても、熱破膜は見られず、耐熱性の高いことがわかった。
【0066】
前記で得られた積層多孔質フィルムにつき、耐候性を調べるために、25℃、80%相対湿度下に12時間静置させた後、セパレータとして用いて、非水電解質二次電池を作製し、該電池に釘を貫通させたときの熱的挙動を観察したところ、温度上昇が緩やかであったことから、高湿度下における絶縁性、すなわち耐候性に優れることがわかった。
【0067】
実施例2
ポリエチレン多孔質フィルムの代わりに、厚み100μmのPETフィルムを用いて、クリアランスを0.20mmになるようにした以外は、実施例1と同様の方法で、液晶ポリエステル含有多孔質フィルムを得て、PETフィルムを剥離し、単層の多孔質フィルムを得た。該フィルムは、厚み20μm、空孔率50%、透気度460秒/100ccであった。また、該フィルムは200℃においても、熱破膜は見られず、耐熱性の高いことがわかった。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】シャットダウン温度の測定装置の概略図
【符号の説明】
【0069】
7:インピーダンスアナライザー
8:セパレータ
9:電解液
10:SUS板
11:テフロン(登録商標)製スペーサ
12:スプリング
13:電極
14:熱電対
15:データ処理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の(a)、(b)および(c)の工程をこの順で含むことを特徴とする液晶ポリエステル含有多孔質フィルムの製造方法。
(a)液晶ポリエステル100重量部を溶媒に溶解させた溶液に、該液晶ポリエステル100重量部に対しフィラーを1〜1500重量部分散したスラリー状塗工液を調製する。
(b)該塗工液を基材の少なくとも片面に塗工し、塗工膜を形成する。
(c)該塗工膜において、溶媒の除去、液晶ポリエステルを溶解しない溶媒への浸漬、乾燥を行い、液晶ポリエステル含有多孔質フィルムを得る。
【請求項2】
基材が、多孔質フィルムである請求項1記載の製造方法。
【請求項3】
基材が、熱可塑性樹脂(ここで、熱可塑性樹脂は、液晶ポリエステルとは異なる樹脂である。)からなる多孔質フィルムである請求項2記載の製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2008−308669(P2008−308669A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−122024(P2008−122024)
【出願日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】