説明

多孔質物品の製造方法

多孔質物品の製造方法が、導電性物質と、バインダと、を含む混合物を、バインダの硬化温度を下回る温度のモールドキャビティ内に分散させることを含む。導電性物質は、10体積%の粒子が12μm未満の直径を有し、50体積%の粒子が27μm未満の直径を有し、90体積%の粒子が53μm未満の直径を有する粒度分布を備えた導電性の粒子から形成される。混合物が、キャビティ内で成形圧力を受けて圧縮され、モールドがバインダの硬化温度に加熱されて、成形品が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池の多孔質水輸送板などの、多孔質物品の成形技術に関する。
【背景技術】
【0002】
多孔質物品の成形に用いられる製造技術は物品の性質や性能特性に重要な影響を及ぼす。一例として、多孔質水輸送板は粒状物質から成形される。顆粒の大きさはプレートの機械特性、孔径、電気的性質に影響を及ぼしうる。従って、プレートの成形に用いられる顆粒の大きさは、根本的に燃料電池性能を調節する役割を果たす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第6297442号明細書
【特許文献2】米国特許第5503944号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
顆粒の大きさの要因は知られているが、多孔質物品の性質や最終製品の性能への更なる調節を可能にする新しい製造技術を発達させる必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一例の多孔質物品の製造方法が、導電性物質と、バインダと、を含む混合物を、バインダの硬化温度を下回る温度のモールドキャビティ内に分散させることを含む。導電性物質は、10体積%の粒子が12μm未満の直径を有し、50体積%の粒子が27μm未満の直径を有し、90体積%の粒子が53μm未満の直径を有する粒度分布を備えた導電性の粒子から形成される。混合物が、キャビティ内で成形圧力を受けて圧縮され、モールドがバインダの硬化温度に加熱されて、成形品が形成される。
【0006】
開示の実施例の様々な特徴および利点が以下の詳細な説明から当業者にとって明らかとなるであろう。詳細な説明に添付の図面を以下のように簡単に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】一例の多孔質物品の製造方法を示す図。
【図2】図1に示す方法によって製造した多孔質水輸送板を有する一例の燃料電池装置を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、多孔質物品を製造するための一例の方法20の選択されたステップを示す。理解されるように、この方法20は、燃料電池の多孔質水輸送板などのあらゆる望ましい種類の多孔質物品を形成するのに用いられうる。
【0009】
図示の例では、方法20は、分散ステップ22と、圧縮ステップ24と、加熱ステップ26と、炭化ステップ28と、を含み、その各々について以下に詳述する。任意選択的に、この方法20はまた、多孔質物品を成形するように方法20で用いられる混合物を形成するための、形成ステップ30を含んでもよい。
【0010】
方法20における複数のステップの以下の記載からも明らかなように、一例のステップの組合せにより、所望の機械的特性および物理的特性を達成するための、多孔質物品の成形の調節が容易となる。一例として、この方法20は、物品もしくは最終製品の所望の性能特性を達成するように多孔質物品の機械的強度、導電率、および細孔径分布を調節するように用いられる。
【0011】
方法20の分散ステップ22を見ると、多孔質物品の形成に用いられるモールドキャビティに混合物が分散される。理解されるように、キャビティは最終製品に求められる形状に形成されてもよく、任意の特定の形状に限定されるものではない。混合物は最終的な多孔質物品に望ましい組成を有する比較的小さな粒子を含む。一例では、混合物は導電性物質と樹脂などのバインダとを含む。ここでの例では樹脂バインダについて述べるが、その他の種類のバインダが用いられてもよいことを理解されたい。導電性物質はグラファイトであり、樹脂バインダは熱硬化性ポリマである。更なる例として、導電性物質および樹脂バインダが「水輸送板の使用方法」と題された共有の特許文献1に記載されている。一部の例では、混合物は、界面活性剤や機能添加剤などの、方法20の一つまたは複数のステップを容易にするその他の物質を付加的に含んでもよい。その他の例では、混合物は、任意のその他の材料または物質が意図的に添加されることなく、導電性物質と樹脂バインダのみを含みうる。その場合、混合物は多孔質物品の加工や特性に実質的に影響を及ぼさない微量の不純物を含みうる。
【0012】
混合物はモールドキャビティ内に均一に分散される。一例として、モールドキャビティ内に所定の重さおよび/または体積を有する混合物が供給され、次いで、キャビティ全体に亘って混合物を均一に分散させるように一様にされる。一例として、混合物を「平らにする」ようにドクターブレードまたは同様の機構が用いられ、それにより材料をキャビティ全体に亘って均一に広がらせる。任意選択的に、材料を均一に分散させやすくするようにモールドキャビティを攪拌してもよい。
【0013】
まず、モールドを樹脂バインダの硬化温度に比較して冷温に維持する。この記載の前提は、比較的冷温のモールド内に混合物を分散させるまたは充填することにより、さもなければその取扱いが制限されてしまう樹脂バインダを硬化させることなく材料をより均一に分散させるように、キャビティ内で混合物を取り扱いやすくさせることである。この均一な分散により、最終多孔質物品内における均一な細孔径分布の提供を促進する。対照的に、混合物を硬化温度もしくは硬化温度に近い高温のモールド内に混合物を充填すると硬化プロセスが引き起こされ、一部の粒子が互いに付着し、それにより取扱いが妨げられる。同様に、高温モールド内に充填した混合物を予成形品に低温加圧成形すると、混合物が互いに付着し、それにより取扱いが妨げられる。
【0014】
選択される冷温は、使用される樹脂バインダの種類によって異なる。一部の例では、選択された温度は周囲温度である。その他の例では、その温度は、混合物が互いに付着せず、その取扱いを妨げないような、樹脂バインダの軟化、流動、もしくは液化する温度を下回る温度でもよい。
【0015】
硬化温度は、使用される樹脂バインダの種類によって決まる。バインダがフェノール樹脂である一部の例では、硬化温度は概ね約120°Cを上回る温度である。この点について、バインダの硬化を防ぎ、取扱いを可能にするようにモールドの初期温度は約100°C以下である。
【0016】
混合物の分散後、モールドキャビティが適切なカバーもしくは合わせ金型により閉じられ、圧縮ステップ24で、プレスまたは同様の装置内で0.5〜100psi(約3.5〜689キロパスカル)の成形圧力にかけられる。一例として、モールドは、混合物の充填時には最初は冷たく、次いで成形圧力の印加時には加熱プレス内に配置される携帯用工具でもよい。モールドの加熱期間全体に亘って単一の成形圧力に維持されてもよく、あるいはモールドを加熱しながら圧力プロファイルに亘って圧力が調節されてもよい。一方、圧力下では、モールドが加熱ステップ26で樹脂バインダの硬化温度に加熱されて、成形品が形成される。加熱中、圧力は400〜800psi(約2758〜5516キロパスカル)に上昇する。一例として、混合物を徐々に加熱するようにモールドが所定の加熱速度で加熱される。温度が上昇すると、混合物の樹脂バインダが軟化し、液化する。徐々に加熱することにより、軟化もしくは液化した樹脂が成形圧力下で流動し、それにより材料の均一な分散化の実現がさらに促進される。モールドが硬化温度に予熱される場合、混合物があまりにも急速に加熱されるため必要な樹脂の流動を得ることができない。一方、毎分約20°Cまでの緩やかな速度で加熱することにより、軟化もしくは液化した樹脂が硬化する前にキャビティ内で局所的に流動することができるという利点を提供する。フェノール樹脂では130〜200°Cの硬化温度に達すると、硬化プロセスを完了させるように成形物品が所定時間そのままの状態に保たれる。その後圧力が解放されて成形物品を取り外す前にモールドが冷却される。更なるプロセスが必要ない場合、成形物品は多孔質物品であると判断される。
【0017】
一旦硬化されると、成形物品は炭化ステップ28でさらに熱処理されて樹脂バインダを炭化し、それにより熱処理された多孔質物品が形成される。炭化ステップ28で用いられる温度条件および雰囲気条件は選択される樹脂バインダの種類によって異なる。樹脂バインダがフェノール樹脂である一例では、炭化温度は約900°Cであり、処理雰囲気は不活性雰囲気である(例えば、非酸化性)。このような状況下では、樹脂バインダは熱分解すなわち「炭化」して炭質となり、導電性物質と炭質とが多孔質物品の形状に互いに結合される。熱処理ステップが望ましいが多孔質物品を提供するのに必要ではない。熱処理ステップの必要性は任意の特定の応用例の意図された環境における出発物質の安定性によって決まる。
【0018】
多孔質物品は、所与の物品の必要に応じて後処理プロセスにさらにかけられる。例えば、多孔質物品が燃料電池で用いられる多孔質水輸送板である場合、次いでプレートに亘る水分分布を促進するための親水性材料を適用するように物品が処理される。例えば、親水性材料は、周知の湿式化学酸蝕法(wet chemistry acid technique)を用いて適用される酸化スズを含みうる。
【0019】
混合物を形成する任意選択的なステップ30は、モールドキャビティ全体に亘る混合物の均一な分散を付加的に容易にし、かつ/または、材料またはその他の要素の取扱いの改善に寄与する。一部の例では、形成ステップ30は、造粒、乾式混合、湿式処理、調合、または混合物を製造するためのその他の同様のまたはそれらの組合せ手法を含みうる。この点について、混合物は、樹脂バインダと互いに結合した導電性物質の粒子を有する粒状物質でもよく、あるいは、導電性物質の粒子とその導電性物質粒子に付着しない樹脂バインダ粒子との混合物を有する粒状物質でもよい。
【0020】
成形技術の幾つかの例を以下に記載する。混合物の製造に用いられる出発物質が混合物の特性、最終使用される多孔質物品の特性、またはその両方の特性に影響を及ぼすように選択される。一例として、導電性物質が特定の粒度分布を有する粒子として設けられる。天然もしくは合成の黒鉛粒子が導電性出発物質として用いられてもよい。黒鉛粒子は、その粒子の10体積%が直径12μm未満であり、粒子の50体積%が直径17μm未満であり、粒子の90体積%が25μm未満であるような粒度分布を有してもよい。この粒度分布は燃料電池の水輸送板にとって有利である。この記載を前提として、特定の要求を満たすその他の粒度分布が当業者にとって理解されるであろう。
【0021】
さらに、混合物の組成は最終使用物品によって決まる。一例として、この組成は、65〜90重量%の導電性物質と、残余の熱硬化性樹脂(例えば、10〜35重量%)と、を含む。
【0022】
混合物を形成するための一例の造粒技術では、樹脂バインダにより付着した導電性物質の凝集体を形成するように周知のプロセスが用いられる。凝集体の大きさは、最初は比較的大きい。この点について、造粒は、モールドキャビティ内での均一な分散にとって望ましい粒度分布を有する、より小さな凝集体を形成するように、凝集体を粉砕することを含む。一例として、より小さな凝集体は成形プロセスで用いられる混合物が50〜600μmの範囲の平均粒径を有するように分粒される。
【0023】
一部の例では、混合物の割合または組成を調節するようにより大きな凝集体を粉砕した後に、より小さな凝集体に追加の樹脂バインダを加えてもよい。導電性物質の、樹脂バインダに対する比率は、成形された多孔質物質の最終表面積に影響を及ぼしうる。例えば、凝集体を形成させるように最初に樹脂を使いすぎると、導電性物質が樹脂バインダ粒子の外表面に付着されるより望ましい構造となる代わりに、樹脂バインダ内に埋め込まれてしまう。したがって、より大きな凝集体を粉砕した後に樹脂を加えることにより、樹脂バインダの粒子内に導電性物質が埋め込まれてしまうという欠点が生じることなく、樹脂バインダの導電性物質に対する所望の割合を達成しうる。
【0024】
例えばより大きな凝集体のスクリーニングなどにより、任意の適切な方法でより小さな凝集体が分粒される。サイクロン分離などのその他の分離法が用いられてもよい。一部の例では、より大きな凝集体を分解するのに用いられる粉砕は、例えばグラインディングなどによる、より大きな粒径の凝集体を分解するためのあらゆる種類の機械的加工を含みうる。
【0025】
乾式混合技術は、導電性物質の粒子と樹脂バインダの粒子とを乾燥状態で互いに混合させることにより混合物を形成することを含む。したがって、混合物中の個別の粒子は導電性物質もしくは樹脂バインダからなるが、物質の凝集はない。次いで乾燥混合物を前述のようにモールドキャビティ内に分散させることができる。
【0026】
混合物を形成するための湿式処理技術は、導電性物質の粒子と樹脂バインダの粒子とを液体キャリアとともに混合してスラリを形成することを含む。一例として、液体キャリアは水またはその他の適切な種類の液体である。一部の例では、液体キャリアを除去するようにスラリを乾燥させることにより、または機械的手段により、スラリが固形に鋳造される。次いで固形体が粉砕され、任意選択的に混合物を形成するように分粒される。別の例では、スラリは攪拌状態下で乾燥されて、粉砕されることなく混合物が直接形成される。例えば、造粒を行うようにスラリを加熱すると同時に攪拌する攪拌パン乾燥機内でスラリを乾燥させてもよい。一方、ノズルを通してスラリを乾燥ガス流中へ噴霧してもよく、スラリの液滴がガス流中で乾燥し、最終的にコレクタを使って回収される。この方法では、ガス流が乾燥処理と組み合わされて顆粒を大きさまたは重さに応じて分離するようにも用いられ、グラインディングまたは選別を必要としない。
【0027】
混合物を形成するための一例の配合技術では、導電性物質の粒子と樹脂バインダの粒子とが押出し成形機内などで加熱され、それらの粒子を互いに混合させて、樹脂バインダにより付着した導電性物質を有する一つの大きな凝集体を形成する。その一つの大きな凝集体から次いでより小さな凝集体が形成され、混合物として用いられる。例えば、押出し成形機を終了すると、より大きな凝集体が小さな断片もしくはペレット状に切断され、または別の方法で分離され、あるいは周知の方法で粉砕されて、モールドキャビティ内に分散させるように顆粒の所望の大きさまたは粒度分布を提供する。
【0028】
図2は、周知の電極化学反応により反応ガス間で電流を発生させる一例の燃料電池装置50の選択された部分を示す。燃料電池50の開示の配置は単なる例であり、本明細書中に記載の概念は他の燃料電池配置にも適用しうることを理解されたい。この例では、燃料電池装置50は図1に示す方法20によって処理された水輸送板52を含む。この点について、多孔質水輸送板52は、燃料電池装置50内で反応ガスを分配し、水分と液体水とを分配し、導電性を提供するように用いられる多孔質物品である。
【0029】
一例の燃料電池装置50は、電極アセンブリ54と、空気および水素などの反応ガスを電極アセンブリ54へと供給する多孔質水輸送板52と、を含む。電極アセンブリ54は、カソード触媒58とアノード触媒60との間の電解質56を含む。ガス拡散層62が水輸送板52と電極アセンブリ54との間に用いられて反応ガスの分配を容易にする。この場合、多孔質水輸送板52の各々は、一方の側に反応ガスをアノード60に供給する第1の反応ガス流れ場チャネル64を含むとともに、他方の側に別の反応ガスをカソード58に供給する第2の反応ガス流れ場チャネル66を含む。図示のように、多孔質水輸送板52の各々はまた、燃料電池装置50の温度の維持と、燃料電池装置50内の水分分布の調節とを容易にする冷却液チャネル68を含む。
【0030】
図示の例では、多孔質水輸送板52は、その輸送板52を通して液体水を移動させるのに適切な孔隙率を有する。一例として、多孔質水輸送板52はカソード58から生成水を除去し、乾燥を抑えるようにアノード60を加湿するのに役立つ。多孔質水輸送板52はまた、ウェットシーリング、熱交換、集電などの、これらに限定されない燃料電池装置50内でのその他の機能を果たしうる。一例として、本発明の方法20が、多孔質水輸送板52内の孔隙の孔径や孔径分布を調節するように用いられて、液体水の浸透性と気泡圧力との望ましいバランスを提供する。一例として、多孔質水輸送板52は、約1〜3μmの平均孔径を有する。気泡圧力は多孔質水輸送板にガスセパレータとしての機能を果たさせる物理的特性である。気体の液体に対する圧力差が気泡圧力を上回るまで、毛管力が多孔質構造内に水を保持する。水輸送板の孔径が減少するに従い気泡圧力が上昇する。透水性は、例えば特許文献2などに説明されているように、カソードから液体水を除去するのに必要である。したがって、所望の孔径および孔径分布を提供するように本発明に記載の方法20を用いることにより、気泡圧力と水の透過とのバランスを調節する能力を提供する。
【0031】
特徴部の組合せを図示の例に示したが、本発明の様々な実施例の利益を供与するようにそれらの全てを組み合わせる必要はない。言い換えれば、本発明の実施例に従って設計された装置は必ずしも図面のいずれかに示される特徴の全てもしくは図面に概略的に示される部分の全てを含む必要はないであろう。さらに、一実施例の選択された特徴部はその他の実施例の選択された特徴部と組合せてもよい。
【0032】
上記の記載は本質的に限定的なものではなく例示に過ぎない。本発明の真意を逸脱することなく開示の実施例に対する種々の変形や修正が当業者にとって明らかとなるであろう。本発明に付与される法的保護の範囲は付記の特許請求の範囲を検討することによってのみ決定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)10体積%の粒子が12μm未満の直径を有し、50体積%の粒子が27μm未満の直径を有し、90体積%の粒子が53μm未満の直径を有する粒度分布を備えた導電性の粒子から形成される導電性物質と、バインダと、を含む混合物を、該バインダの硬化温度を下回る温度のモールドキャビティ内で分散させ、
b)成形圧力下で前記キャビティ内の前記混合物を圧縮し、
c)前記混合物が前記キャビティ内で前記与圧下にある状態で、前記モールドを冷温から前記バインダの硬化温度まで加熱して、成形品を形成させることを備えた多孔質物品の製造方法。
【請求項2】
多孔質物品を形成するように前記成形品の前記バインダを炭化させることをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の多孔質物品の製造方法。
【請求項3】
不活性雰囲気下で炭化させることをさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の多孔質物品の製造方法。
【請求項4】
前記バインダにより付着した前記導電性物質を有する凝集体を含むように前記混合物を形成させることをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の多孔質物品の製造方法。
【請求項5】
より小さな凝集体を形成させるように前記凝集体を粉砕することをさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の多孔質物品の製造方法。
【請求項6】
前記混合物が50〜600μmの平均粒径を含むように前記より小さな凝集体を分粒することをさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の多孔質物品の製造方法。
【請求項7】
前記より小さな凝集体に追加のバインダを添加することをさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の多孔質物品の製造方法。
【請求項8】
前記導電性物質の粒子は、その10体積%の粒子が12μm未満の直径を有し、50体積%の粒子が17μm未満の直径を有し、90体積%の粒子が25μm未満の直径を有する粒度分布を有することを特徴とする請求項1に記載の多孔質物品の製造方法。
【請求項9】
前記ステップa)の前に、
前記導電性物質の粒子と前記バインダの粒子との乾燥混合物を含むように前記混合物を形成させることをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の多孔質物品の製造方法。
【請求項10】
前記ステップa)の前に、
スラリを形成するように前記導電性物質の粒子と樹脂バインダの粒子とを液体キャリアとともに湿式混合し、前記スラリを固形に鋳造し、前記混合物を形成させるように前記固形体を粉砕することをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の多孔質物品の製造方法。
【請求項11】
前記ステップa)の前に、
前記導電性物質の粒子と前記バインダの粒子とを加熱し、前記バインダにより付着した前記導電性物質の凝集体を形成させるように前記加熱した粒子を互いに混合し、前記凝集体から、より小さな凝集体を前記混合物として形成させることをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の多孔質物品の製造方法。
【請求項12】
前記ステップa)の前に、
スラリを形成するように前記導電性物質の粒子と前記バインダの粒子とを液体キャリアとともに湿式混合し、前記混合物を形成させるように前記スラリを攪拌状態下で乾燥させることをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の多孔質物品の製造方法。
【請求項13】

前記ステップa)の前に、
65〜90重量%の前記導電性物質と、残余の前記バインダと、を含む組成を有する前記混合物を形成させることをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の多孔質物品の製造方法。
【請求項14】
前記炭化ステップが、前記バインダを熱分解させるように前記成形品を不活性雰囲気で加熱することを含むことを特徴とする請求項2に記載の多孔質物品の製造方法。
【請求項15】
前記多孔質物品に親水性材料を適用することをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の多孔質物品の製造方法。
【請求項16】
前記ステップa)が、前記モールドキャビティ内で前記混合物の充填物を一様にすることを含むことを特徴とする請求項1に記載の多孔質物品の製造方法。
【請求項17】
前記混合物が、前記導電性物質と前記バインダとからなることを特徴とする請求項1に記載の多孔質物品の製造方法。
【請求項18】
前記多孔質物品が、燃料電池の多孔質水輸送板であることを特徴とする請求項1に記載の多孔質物品の製造方法。
【請求項19】
前記多孔質水輸送板が、1〜3μmの平均孔径を有することを特徴とする請求項18に記載の多孔質物品の製造方法。
【請求項20】
前記成形圧力下で前記キャビティ内の前記混合物を圧縮するステップが、
(i)10〜50°Cの第1の温度において、0.5〜100psi(3.5〜689キロパスカル)の第1の圧力で圧縮し、
(ii)次いで、前記モールドを130〜200°Cの第2の温度に加熱しながら、400〜800psi(2758〜5516キロパスカル)の第2の圧力で圧縮することを含むことを特徴とする請求項1に記載の多孔質物品の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2013−511408(P2013−511408A)
【公表日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−539861(P2012−539861)
【出願日】平成21年11月23日(2009.11.23)
【国際出願番号】PCT/US2009/065459
【国際公開番号】WO2011/062593
【国際公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(500477447)ユーティーシー パワー コーポレイション (138)
【Fターム(参考)】