説明

多層プリント回路基板の配線表示装置およびその表示方法

【目的】2つの部品間を接続する配線パターンを構成する各配線パターン部分が存在する層やスルーホール位置を容易に識別可能に表示する「多層プリント回路基板の配線表示装置およびその表示方法」を提供することである。
【構成】多層プリント回路基板の配線状況をトポロジー表示する配線表示方法である。この配線表示方法では、信号を出力する部品(IC100)と信号が入力される部品(IC3001)間を接続する配線パターン毎に、該配線パターンを構成する配線パターン部分(*TL1〜*TL12)が存在する層および該配線パターン部分の2次元座標位置を特定しておく。そして、トポロジー表示をすべき配線パターンが特定されたとき、各層(L1〜L6)を識別可能に積層表示すると共に、該特定された配線パターンを構成する各配線パターン部分を、該配線パターン部分が存在する層の所定の位置に配置し、かつ、配置された層が異なる隣接配線パターン部分を、スルーホールを示す縦線で接続して表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は多層プリント回路基板の配線表示装置およびその表示方法に関わり、特に、多層プリント回路基板の配線状況を各層を積層して表示する配線表示装置およびその表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プリント回路基板の設計には、CAD(computer-aided design)が用いられている。このCADを用いることにより、プリント回路基板の配線レイアウトを容易に設計することが出来る。CADによって生成される設計データには、回路図データと、基板データとがある。回路図データは、実際の回路図における部品間の接続状態や部品情報を示す情報であり、基板データは、プリント回路基板の配線レイアウトを示す情報である。基板データを用いることにより、設計されたプリント回路基板の信号層を上方から見た配線レイアウト図をコンピュータのディスプレイに表示することが出来る。また、プリント回路基板の各配線の特性インピーダンスを計算する機能や、入力信号の周波数およびオン・オフレベルを設定して所定配線パターンにおけるノイズシミュレーションを実行して信号波形を表示する機能が組み込まれたCADも実用化されている。これら機能によれば、設計された配線の良否を検証することができる。
【0003】
ところで、最近では、高密度実装を実現するために多層プリント回路基板が多く利用されている。多層プリント回路基板においては、複数の信号線が複数の信号層に分散して配置される。しかし、上述の従来の配線レイアウト図では、複数の信号層それぞれに信号線がどのように分布して配置されているかを確認することは、ユーザにとっては実際上困難であった。
このため、従来技術として、多層プリント回路基板の任意の位置に対応する断面形状を表示する機能を備えた設計支援システムが提案されている(例えば特許文献1参照)。この従来技術によれば配線レイアウト図上において、所定の切り出し位置を指定することにより該切り出し位置から多層プリント基板を切断した際の基板断面図を表示できるようになっている。
【特許文献1】特開2006−18379号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来技術は依然として配線レイアウト図は多層プリント基板の任意の層の配線レイアウトのみを表示するのみであり、任意の部品間の配線パターンが各層にどのように配置されているのかを容易に判断できない問題があった。
そこで、任意の部品間の配線パターンを構成する配線パターン部分を直線的に配列して表示する従来技術が提案されている。図19はかかる2つの部品間の配線パターンの直線表示例であり、IC1001,IC300はIC部品、*TL1〜*TL12は各層に配置された配線パターン部分、RA1014は配線パターン中間に挿入された抵抗部品である。部品は基板表面あるいは裏面に配置され、配線パターン部分はドラム図形で表示され、ドラム模様により配置されている層が示されている。なお、点線枠内に各配線パターン部分の長さ、特性インピーダンス、配置層などが記入される。
【0005】
しかし、図19の表示例では一直線にスルーや各層の配線パターン部分(伝送線)を表現するため、非常に見づらく、特に、各配線パターン部分が何処の層に配置されているのかが判断しづらく、しかも、他の配線パターン部分と同じ層に存在するかなどが判断するのが難しい問題がある。
また、図19の表示例では、スルーホールが何処にあり、どの層間を接続しているのかが不明であるという問題がある。スルーホールの有する特性(容量)が信号パターンに影響する場合があり、径や位置、深さを調整したい場合があるが、従来技術では不可能である。更に、図19の表示例では、各配線パターン部分の線種(ストリップライン、マイクロストリップラインの別)などのインピーダンス特性を表示できない問題がある。このため、ノイズシミュレーションにより波形が歪むことが判明した場合、線種を考慮した対応が出来ない。
また、図19の配線パターンの直線表示では、各層における絶縁層の厚みや、各層におけるグランドパターンおよび電源パターンの有無や配設位置などを表示することができない問題がある。グランドパターンが近くに存在すれば、配線パターン部分に高周波電流が流れると該グランドパターンに戻り電流が流れるためノイズ特性が良くなる。一方、電源パターンが近くに存在するとノイズ特性が悪化する。このため、基板設計途中あるいは基板設計完了時にノイズシミュレーションにより波形が歪むことが判明した場合、配線パターン部分をグランドパターンに近づけ、あるいは電源パターンから離すように設計し直したい場合があるが、従来技術では不可能である。
更に、図19の従来の表示例では、着目している配線パターンにクロストークにより悪影響を与える隣接層の配線パターン(交差配線パターン、平行配線パターン)の存在の有無を表示することができなかった。このため、基板設計途中あるいは基板設計完了時にノイズシミュレーションにより波形が歪むことが判明した場合、クロストークを与える隣接配線パターンから離すように設計し直したい場合があるが、従来技術では不可能である。
【0006】
以上から本発明の目的は、2つの部品間の配線パターンを構成する各配線パターン部分が存在する層やスルーホール位置を容易に識別可能に表示することである。
本発明の別の目的は、各配線パターン部分のライン種別(ストリップライン、マイクロストリップラインの別)などのインピーダンス特性を表示できるようにすることである。
本発明の別の目的は、多層基板の各層における絶縁層の厚みや、着目する配線パターンに影響を与えるグランドパターンおよび電源パターンの有無や配設位置などを表示できるようにすることである。
本発明の別の目的は、着目している配線パターンにクロストークにより悪影響を与える隣接層の配線パターン(交差配線パターン、平行配線パターン)の存在の有無を表示できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は多層プリント回路基板の配線状況をトポロジー表示する配線表示方法及び配線表示装置である。
・配線表示方法
本発明の多層プリント回路基板の配線状況を表示する配線表示方法は、信号を出力する部品と信号が入力される部品間を接続する配線パターン毎に、該配線パターンを構成する配線パターン部分が存在する層および該配線パターン部分の2次元座標位置を特定する第1ステップ、トポロジー表示すべき配線パターンを特定する第2ステップ、トポロジー表示をすべき配線パターンが特定されたとき、各層を識別可能に積層表示する第3ステップ、前記特定された配線パターンを構成する各配線パターン部分を、該配線パターン部分が存在する層の前記2次元座標位置情報が示す位置に配置し、かつ、配置された層が異なる隣接配線パターン部分を、スルーホールを示す縦線で接続して表示する第4ステップ、を有している。
本発明の配線表示方法は、更に、回路図における前記部品間の接続情報や部品情報を特定する回路図データベースを作成するステップを備え、前記第1ステップは、部品間の前記接続情報を参照して、前記2つの部品の中間点から分岐するとき分岐点を挟んで2つの配線パターン部分が存在し、また、2つの部品の中間点に中間部品が存在する場合には該中間部品の両側に2つの配線パターン部分が存在するものとして前記配線パターン部分を識別するステップ、前記識別された各配線パターン部分が存在する層および2次元座標位置を特定するステップ、を有している。
本発明の配線表示方法では、該基板情報を用いて前記表示された各層の厚みの大小を示す厚み図形を前記各層内に表示する。
本発明の配線表示方法では、各配線パターン部分の上あるいは下の層に存在するグランドパターンを表示する。
本発明の配線表示方法では、各配線パターン部分の上あるいは下の層に存在する電源パターンを表示する。
本発明の配線表示方法では、各配線パターン部分と交差する配線パターンが隣接層に存在する場合にはその旨を表示する。
本発明の配線表示方法では、各配線パターン部分と平行する配線パターンが隣接層に存在する場合にはその旨を表示する。
本発明の配線表示方法では、配線パターン部分の線種、線幅、線厚を該配線パターン部分の近傍に表示する。
【0008】
・配線表示装置
本発明の多層プリント回路基板の配線状況をトポロジー表示する配線表示装置は、信号を出力する部品と信号が入力される部品間を接続する配線パターン毎に、該配線パターンを構成する配線パターン部分が存在する層および該配線パターン部分の2次元座標位置を特定する配線パターン特定部、多層配線のトポロジー表示をすべき所定の配線パターンが特定されたとき、各層を識別可能に積層表示すると共に、該特定された配線パターンを構成する各配線パターン部分を、該配線パターン部分が存在する層の前記2次元座標位置情報が示す位置に配置し、かつ、配置された層が異なる隣接配線パターン部分を、スルーホールを示す縦線で接続して表示する表示部を有する。
本発明の配線表示装置は、更に、回路図における前記部品間の接続情報や部品情報を特定する回路図データベースを作成する回路図データベース作成部を備え、前記配線パターン特定部は、回路図における部品間の前記接続情報を参照して、前記2つの部品の中間点から分岐するとき分岐点を挟んで2つの配線パターン部分が存在し、また、2つの部品の中間点に中間部品が存在する場合には該中間部品の両側に2つの配線パターン部分が存在するものとして前記配線パターン部分を識別する配線パターン部分識別部と、前記特定された各配線パターン部分が存在する層および2次元座標位置を特定する配線パターン部分特定部を有している。
本発明の配線表示装置は、各層の厚み、グランドパターンの有無、電源パターンの有無、交差配線パターンの有無、平行配線パターンの有無、配線パターン部分の線種、線幅、線厚を適宜表示する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、配線パターンを表示する際、各層を積層表示すると共に、各配線パターン部分をそれぞれが存在する層に配置し、かつ、隣接配線パターン部分の層が異なる場合、該配線パターン間をスルーホールを示す縦線で接続して表示するようにしたから、実際のパターンイメージと表示されたトポロジーイメージが一致し、非常に配線パターンが見やすくできる。特に、各配線パターン部分が何処の層に配置されているのかが一目でわかり、しかも、他の配線パターン部分と同じ層に存在するかなどを容易に判断することができる。また、スルーホールが何処にあり、どの層間を接続しているのか及びスルーホールの容量を容易に判断することができ、スルーホールの径や位置、深さを調整してノイズ特性を修正することができる。
また、本発明によれば、各層における絶縁層の厚みや、各層におけるグランドパターンおよび電源パターンの有無や配設位置などを表示することができるため、ノイズシミュレーションにより波形が歪むことが判明した場合、配線パターン部分をグランドパターンに近づけ、あるいは電源パターンから離すように設計し直すことが可能になる。
更に、本発明によれば、着目している配線パターンにクロストークにより悪影響を与える隣接層の配線パターン(交差配線パターン、平行配線パターン)の存在の有無を表示することができるため、ノイズシミュレーションにより波形が歪むことが判明した場合、クロストークを与える隣接の交差、平行配線パターンから離すように設計し直すことが可能になる。
本発明によれば、各配線パターン部分の線種(ストリップライン、マイクロストリップラインの別)、線幅、線厚などのインピーダンス特性を表示できるため、ノイズシミュレーションにより波形が歪むことが判明した場合、配線パターン部分の線種等を考慮した対応が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(A)本発明の原理
図1は本発明の原理説明図である。
本発明では、多層プリント回路基板の配線状況をトポロジー表示するに際して、信号を出力する部品IC1001と信号が入力される部品IC3000間を接続する配線パターン毎に、該配線パターンを構成する配線パターン部分*TL1〜*TL12が存在する層および該配線パターン部分の2次元座標位置を特定して保存する。そして、トポロジー表示すべき配線パターンが指定されたとき、多層基盤の各層L1〜をL6を識別可能に積層表示し、指定された配線パターンを構成する各配線パターン部分*TL1〜*TL12を、該配線パターン部分が存在する層の前記2次元座標位置情報が示す位置に配置し、かつ、配置された層が異なる隣接配線パターン部分を、スルーホールを示す縦線TH1〜TH10で接続して表示する。
このように配線パターンを表示すれば、実際の配線パターンイメージと表示されたトポロジーイメージが一致し、非常に配線パターンが見やすくなる。特に、各配線パターン部分*TL1〜*TL12が何処の層に配置されているのかが一目でわかり、しかも、他の配線パターン部分と同じ層に存在するかなどを容易に判断することができる。また、スルーホールTH1〜TH10が何処にあり、どの層間を接続しているのかを容易に判断することができる。
【0011】
(B)基板設計支援システム
図2は本発明の多層プリント回路基板の配線表示機能を備えた基板設計支援システムの構成図であり、ワークステーション、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータのようなコンピュータによって実現することができる。基板設計支援システムはCADにより多層プリント回路基板の設計データを作成すると共に、該設計データを効率よく確認/検証し、かつ、修正するために用いられる。
基板設計支援システムは、CPU(処理装置)1、主メモリ2、表示コントローラ3、表示装置4、マウス、キーボードなどの入力デバイス5、およびHDD(ハードディスクドライブ)のようなディスク記憶装置6を備え、CPU1、入力デバイス5、ディスク装置6はバス接続されている。CPU1はシステム全体の動作を制御するプロセッサであり、ディスク記憶装置6には基板設計や配線トポロジー表示を行う種々の制御プログラムやOSを記憶するプログラム部PRG、作成された複数の回路図の回路図情報を保存する回路図データベースCDB、作成された複数の基板の基板情報を保存する基板データベースPRDBなどが設けられている。プログラム部PRGには、設計支援プログラムとして、回路図の回路図情報を作成するための回路図CADプログラム6a、基板データベースを作成するための基板CADプログラム6b、配線パターンのトポロジー表示制御を行うトポロジー表示プログラム6c、設計された基板のノイズシミュレーションを行うノイズシミュレーションプログラム6dなどが保存されており、装置の起動時にOSと共に主メモリ2にローディングされ、CPU1は該設計支援プログラムの制御で回路図データベースの作成処理、基板データベースの作成処理、配線パターンのトポロジー表示処理、ノイズシミュレーションを実行する。すなわち、CPU1は機能的に、回路図作成処理部1a、基板作成処理部1b、トポロジー表示処理部1c、ノイズシミュレーション処理部1dを備えている。表示コントローラ3は入力された図形表示データを用いて多層基板の配線トポロジー画像を発生して表示装置(モニター)4に表示し、入力デバイス5はユーザの操作に応じて各種情報を入力する。
【0012】
CPU1の回路図作成処理部1aは図3に示すように、回路図CADプログラム6aの制御で入力デバイス5から入力されたデータに基づいて所定の回路図の回路図情報を作成して回路図データベースCDBに保存する。また、CPU1の基板作成処理部1bは図4に示すように、基板CADプログラム6bの制御で、回路図データベースCDBに保存されている所定の回路図情報を参照しつつ、入力デバイス5から入力されたデータに基づいて基板情報を作成して基板データベースPRDBに保存する。
【0013】
(C)回路図情報
図5は回路図作成処理部1aにより作成された回路図情報の説明図である。回路図情報は回路図上の全部品の部品特性と性能情報を記述する部品情報部PTINFと、部品間の接続状況を記述するネット情報部NTINFで構成されており、各部品にはリファレンス番号が付されている。部品情報部PTINFでは、リファレンス番号(部品)に対応させて部品情報番号、部品特性、部品性能情報が記述されている。ネット情報部NTINFでは、信号を出力する部品(ドライバ側部品)と信号が入力される部品(レシーバ側部品)間を接続する信号パスに対してネット番号Ni(i=1,2、・・・)を付し、該ネット番号に対応させてドライバ側部品のリファレンス番号とピン番号、信号パス中間の部品のリファレンス番号とピン番号、レシーバ側部品のリファレンス番号とピン番号が記述されている。
図6はネット情報の説明図であり、図6の(A)は回路図であり、リファレンス番号IC1001のドライバ側部品のピン番号P50が、リファレンス番号IC3001のレシーバ側部品のピン番号P10と抵抗R100(ピン番号はP1,P2)を介して接続されてネット番号Niの信号パス(配線パターン)が形成されている。また、リファレンス番号IC1001のドライバ側部品のピン番号P50は、リファレンス番号IC3002のレシーバ側部品のピン番号P13と直接に接続されてネット番号Ni+1の信号パス(配線パターン)を形成している。かかる場合、ネット番号NiおよびNi+1のネット情報は図6の(B)に示すようなる。
ネット番号Niの信号パス(配線パターン)の中間点から信号が分岐するとき、分岐点BP (図6の(C)参照)を挟んで2つの配線パターン部分PP1,PP2(図では点線ドラム形状で示している)が存在し、また、信号パスの中間点に中間部品R100が存在する場合には該中間部品の両側に2つの配線パターン部分PP2,PP3が存在し、図6の例ではネット番号Niの配線パターンには3個の配線パターン部分PP1,PP2,PP3が存在する。また、ネット番号Ni+1の信号パス(配線パターン)には2つの配線パターン部分PP1,PP4が存在する。後述するように基板作成処理部1bは配線パターンNi毎に、該配線パターンを構成する各配線パターン部分が存在する層および該配線パターン部分の2次元座標位置を特定するようになっている。
【0014】
(D)基板情報
図7は基板作成処理部1bが作成する基板情報の説明図であり、配線パターン情報部LPTと、グランド/電源配線情報部GPPと、基板層情報部PBDで構成されている。
配線パターン情報部LPTには、ネット番号Ni(i=1,2,・・・)の配線パターン毎に、該配線パターンを特定する以下の情報が記述されている、すなわち、配線パターン情報には、配線パターン毎に、
(1)部品シンボル
(2)部品位置情報
(3)配線位置情報
(4)配線レイヤ情報
(5)ライン種別情報
(6)スルーホール情報
が記述されている。部品シンボルは、基板上での部品の形状(縦、横サイズ)およびピン番号を特定する情報であり、部品位置情報は、基板上に2次元座標系を設定したときの部品の2次元座標位置および該部品が置かれる層を示す情報である。また、配線位置情報は、ネット番号Niにより特定される配線パターンを構成する全配線パターン部分(図6(C)参照、以後配線シンボルという)の2次元位置および形状を特定する情報であり、配線レイヤ情報は各配線シンボルの存在する層を示す情報である。ライン種別情報は、各配線シンボルがストリップラインであるかマイクロストリップラインであるかの別および該線路の幅W、厚さtを示す情報、スルーホール情報はスルーホールの位置、径φ等を示す情報である。
グランド/電源配線情報部GPPには、グランドパターンが存在する層や該グランドパターンの形状を特定する情報、および電源パターンが存在する層や該電源パターンの形状を特定する情報がそれぞれ記述されている。基板層情報PBDには、基板を構成する各層における絶縁層の厚さや導体層の厚さが記述されている。
【0015】
図8は基板作成処理部1bによる基板情報作成処理フロー例であり、最初に配線パターン情報部LPTを作成し(ステップ101)、ついで、グランド/電源配線情報部GPPを作成し(ステップ102)、最後に基板層情報部PBDを作成する(ステップ103)。
ステップ101の配線パターン情報作成処理において、まず、i=1とし(ステップ111)、ついで、回路図情報を参照してネット番号Niの配線パターンにおけるドライバ側、中間およびレシーバ側部品を識別し、該部品の部品シンボル情報、部品位置情報を決定する。なお、自動的に決定できる情報は自動決定し、基板設計者が入力する必要がある情報は入力デバイス5より入力して特定する(ステップ112)。ついで、回路図情報を参照してネット番号Niの配線パターン情報部LPTを特定する。すなわち、ネット番号Niの配線パターンを構成する全配線パターン部分(配線シンボル)を抽出し、各配線シンボルの配線位置情報、配線レイヤ情報、ライン種別情報などを特定する。自動的に決定できる情報は自動決定し、基板設計者が入力する必要がある情報は入力デバイス5より入力して特定する。全配線シンボルについて必要な情報が特定されるまでステップ113の処理を繰り返す(ステップ114)。
ついで、ネット番号Niの配線パターンにおけるスルーホール情報(スルーホール位置、スルーホール径、スルーホールが接続する層など)などを特定する(ステップ115)。スルーホール位置やスルーホールが接続する層は、ステップ113で特定した配線シンボルの配線位置情報や配線レイヤ情報を参照して自動計算できる。
ついで、全配線パターンの配線パターン情報部LPTの特定作業が完了したかチェックし(ステップ116)、完了してなければiを歩進して(ステップ117)次の配線パターンについてステップ112以降の処理を繰り返す。
全配線パターンの配線パターン情報の特定作業が完了すれば、入力デバイスからのデータ入力によりグランドパターンおよび電源パターン情報を特定し(ステップ102)、最後に同様にして基板層情報を特定する(ステップ103)。以上により基板情報の作成処理が終了する。
【0016】
(E)配線パターンのトポロジー表示制御
図9は配線パターンのトポロジー表示処理を実行するトポロジー表示処理部の構成図であり、図2と同一部分には同一符号を付している。トポロジー表示処理部1cはCPU1の一部であり、トポロジー表示プログラム6cに従って所定の処理を実行するようになっており、トポロジー表示用データ作成部11、配線シンボル特性計算部12、交差・平行パターン有無判別部13、グランド・電源パターン有無判別部14を備えている。
図10はトポロジー表示処理部の処理フローである。
入力デバイス5は、基板の配線パターンリストの中から所定の配線パターンNiを選択して該配線パターンのトポロジー表示をトポロジー表示処理部1cに要求する。なお、表示すべき配線パターンを特定するには、回路図を表示して該回路図中の該当ネットを入力デバイスが指示して特定することも可能である。
トポロジー表示処理部1cはトポロジー表示が要求されたか監視しており(ステップ201)、トポロジー表示が要求されると、トポロジー表示用データ作成部11を起動する。これにより、トポロジー表示用データ作成部11は、基板データベースPRDBより入力デバイス5により選択されたネット番号Niの配線パターン情報部LPT、グランド/電源配線情報部GPP、および基板層情報部PBDを読み取る。ついで、トポロジー表示用データ作成部11は読み取った配線パターン情報および基板の各層の厚み等に基づいて、図1に示すように配線パターンNiをトポロジー表示するためのデータを作成して表示コントローラ3に入力する(ステップ202)。すなわち、トポロジー表示用データ作成部11は、(1)各層L1〜L6をその厚み考慮して積層して表示するためのデータ、(2)ネット番号Niの配線パターンを構成する部品および各配線シンボルを、該部品および各配線シンボルがそれぞれ存在する層の所定位置に配置して表示するためのデータ、さらに、(3)層が異なる隣接配線パターン部分を、スルーホールを示す縦線TH1〜TH10で接続して表示するためのデータをそれぞれ作成し、該作成したデータ(トポロジー表示用データ)を表示コントローラ3に入力する
【0017】
ついで、トポロジー表示用データ作成部11は各層の厚みが、設定厚さより厚いか、薄いかを判断し、厚い層には太い点線を挿入し、薄い層には細い点線を挿入して表示するように厚み特定点線データを作成して表示コントローラ3に入力する(ステップ203)。
しかる後、配線シンボル特性計算部12は、各配線シンボルの長さ(mm)や高周波信号の伝播速度(mm/ps)、特性インピーダンス(ohm)を計算すると共に各スルーホールの容量値(pF)を計算し、これら計算結果やライン種別情報(線種、線幅W、線厚)等をそれらの表示位置データと共に表示コントローラ3に入力する(ステップ204)。
特性計算処理が終了すれば、交差・平行パターン有無判別部13は、配線シンボル毎に、該配線シンボルが存在する層に隣接する層に該配線シンボルと交差する配線パターンが存在するか、該配線シンボルに平行な配線パターンが存在するか調べ、判定結果を示す図形データを作成して表示コントローラ3に入力する(ステップ205)。交差配線パターンや平行配線パターンが存在するかは、各配線シンボルの2次元位置情報を参照して調べることが出来る。
図11はステップ205の詳細処理フローである。まず、i=1とし(ステップ301)、隣接層において第i配線シンボルと交差する交差パターンがあるか判定し(ステップ302)、ついで、隣接層において第i配線シンボルと平行な平行パターンがあるか判定する(ステップ303)。ついで、全配線シンボルについて上記判定処理が終了したかチェックし(ステップ304)、処理が終了してなければiを歩進し(ステップ305)、次の配線シンボルについてステップ302以降の処理を繰り返す。全配線シンボルについて上記判定処理が終了すれば、判定結果を示す図形データを作成して表示コントローラ3に入力する(ステップ306)。
【0018】
交差パターンおよび平行パターンの有無判定処理が終了すれば、グランド・電源パターン有無判別部14は配線シンボル毎に、全層において該配線シンボルの上あるいは下にグランドパターンおよび電源パターンが存在するか調べ、判定結果を示す図形データを表示コントローラ3に入力する(ステップ206)。グランドパターンおよび電源パターンが存在するかは、各配線シンボルの2次元位置情報とグランドパターンおよび電源パターンの2次元位置情報とを参照して調べることが出来る。
図12はステップ205の詳細処理フローである。まず、i=1とし(ステップ401)、全層において第i配線シンボルの上あるいは下にグランドパターンが存在するか判定し (ステップ402)、ついで、全層において第i配線シンボルの上あるいは下に電源パターンが存在するか判定する (ステップ403)。ついで、全配線シンボルについて上記判定処理が終了したかチェックし(ステップ404)、処理が終了してなければiを歩進し(ステップ405)、次の配線シンボルについてステップ402以降の処理を繰り返す。全配線シンボルについて上記判定処理が終了すれば、判定結果を示す図形データを作成して表示コントローラ3に入力する(ステップ406)。なお、スルーホールを示す縦線の両側はグランドパターンが存在しないように図形データを作成する。
ステップ206において、グランドパターンおよび電源パターンの存否の判定処理が終了すれば、表示コントローラ3は入力された表示データを用いて配線パターンのトポロジー画像を発生して表示装置4に表示する(ステップ207)。
【0019】
(F)トポロジー表示例
図1は、図10のステップ202で作成した表示データを用いては配線パターンをトポロジー表示した例であり、実際の配線パターンイメージと表示されたトポロジーイメージが一致し、非常に配線パターンが見やすくなっている。
図13は、図10のステップ202とステップ204の処理結果である表示データを用いて配線パターンをトポロジー表示した例であり、図1と異なる点は各配線シンボル*TH1〜*TL12の下に該配線シンボルの特性値や線種、線幅、線厚を示す付記部C1~C12とスルーホールの容量(pF)を示す数値を表示している点である。図14(A)は図13の点線A部分の拡大図、図14(B)は配線シンボル*TL9の付記部分の説明図である。各配線シンボルの付記部分には、(1)配線シンボル(伝送路)の長さ、(2)伝播速度、(3)特性インピーダンス、(4)シンボル名、(5)シンボルの存在する層情報に加えて、(6)ストリップライン/マイクロストリップラインの別を示す線種、線幅W、線厚tが追加されている。又、スルーホールTH1の上には、配線シンボル特性計算部12により計算されたスルーホールの容量を示す数値CPが表示されている。
【0020】
図15は図10のステップ202とステップ203の処理結果である表示データを用いて配線パターンをトポロジー表示した例であり、図1と異なる点は各層の絶縁体が厚いか、薄いかを示す点線TDL,FDLが表示されている点である。細い点線TDLが挿入されている層は絶縁体の厚さが設定値以下の薄い層であり、太い点線FDLが挿入されている層は絶縁体の厚さが設定値以上の厚い層であることを意味している。なお、厚いか、薄いかを細い点線と太い点線で識別可能に表示したが、色を変えるなど適宜の表示形態を採用することができる。又、以上では、厚いか、薄いかの二種類の厚さを示したが、三種類以上の厚さを示すようにしたり、あるいは各層に実際の絶縁体の厚さを記入するようにすることも出来る。絶縁層の厚さを表示することにより、配線シンボルからグランドパターンまでの距離の大小を把握できる。
【0021】
図16は図10のステップ202とステップ205の処理結果である表示データを用いて配線パターンをトポロジー表示した例であり、図1と異なる点は、配線シンボルと交差する交差配線パターンが隣接層に存在することを示す図形(楕円図形)CRPと、平行する平行配線パターンが隣接層に存在することを示す図形(点線)PLPを表示している点である。図16より、配線シンボル*LT10、*TL11、*TL1、*TL4、*TL6の下の層に交差配線パターンが存在し、配線シンボル*TL8の上の層に交差配線パターンが存在することが判る。特に、配線シンボル*LT1の下には3本の交差配線パターンが存在することが判る。また、配線シンボル*TL11、*TL2、*TL4、*TL6の上の層に1本の平行配線パターンが存在し、配線シンボル*TL7の下の層に1本の平行配線パターンが存在することが判る。
【0022】
図17は図10のステップ202とステップ206の処理結果である表示データを用いて配線パターンをトポロジー表示した例であり、図1と異なる点は、配線シンボルの上あるいは下にグランドパターンあるいは電源パターンが存在することを示す直線を表示している点である。なお、図17には各配線シンボルの上あるいは下に電源パターンが存在しなかった場合であり、グランドパターンが存在することを示す直線GPLのみが表示されている。また、スルーホールを示す縦線の両側はグランドパターンが切断されて表示されている。
図18は、図10のステップ202,203,205,206の処理結果である表示データを用いて配線パターンをトポロジー表示した例である。
以上、配線パターンのトポロジー表示に際して、図1の配線パターンのトポロジーを基本とし、付記部や層の厚さを示す図形、交差配線パターンの存在を示す図形、平行配線パターンの存在を示す図形、グランドパターンの存在を示す図形、電源パターンの存在を示す図形等を適宜組み合わせて基本トポロジーに追加して表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の原理説明図である。
【図2】本発明の多層プリント回路基板の配線表示機能を備えた基板設計支援システムの構成図である。
【図3】回路図作成処理部の動作説明図である。
【図4】基板作成処理部の動作説明図である。
【図5】回路図情報の説明図である。
【図6】ネット情報の説明図である。
【図7】基板情報の説明図である。
【図8】基板情報作成処理フロー例である。
【図9】配線パターンのトポロジー表示処理を実行するトポロジー表示処理部の構成図である。
【図10】トポロジー表示処理部の処理フローである。
【図11】交差配線パターンおよび平行配線パターンの有無判別処理フローである。
【図12】グランドパターンおよび電源パターンの有無判別処理フローである。
【図13】配線パターンの第1のトポロジー表示例でである。
【図14】トポロジー表示説明図である。
【図15】配線パターンの第2のトポロジー表示例である。
【図16】配線パターンの第3のトポロジー表示例である。
【図17】配線パターンの第4のトポロジー表示例である。
【図18】配線パターンの第5のトポロジー表示例である。
【図19】従来の配線パターンのトポロジー表示説明図である。
【符号の説明】
【0024】
1 CPU(処理装置)
1a 回路図作成処理部
1b 基板作成処理部
1c トポロジー表示処理部
1d ノイズシミュレーション処理部
2 主メモリ
3 表示コントローラ3
4 表示装置
5 入力デバイス
6 ディスク記憶装置
6a 回路図CADプログラム
6b 基板 CADプログラム
6c トポロジー表示プログラム
6d ノイズシミュレーションプログラム
PRG プログラム部
CDB 回路図データベース
PRBD 基板データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層プリント回路基板の配線状況をトポロジー表示する配線表示方法において、
信号を出力する部品と信号が入力される部品間を接続する配線パターン毎に、該配線パターンを構成する配線パターン部分が存在する層および該配線パターン部分の2次元座標位置を特定する第1ステップ、
トポロジー表示すべき配線パターンを特定する第2ステップ、
トポロジー表示をすべき配線パターンが特定されたとき、各層を識別可能に積層表示する第3ステップ、
前記特定された配線パターンを構成する各配線パターン部分を、該配線パターン部分が存在する層の前記2次元座標位置情報が示す位置に配置し、かつ、配置された層が異なる隣接配線パターン部分を、スルーホールを示す縦線で接続して表示する第4ステップ、
を有することを特徴とする配線表示方法。
【請求項2】
回路図における前記部品間の接続情報や部品情報を特定する回路図データベースを作成するステップを備え、前記第1ステップは、
部品間の前記接続情報を参照して、前記2つの部品の中間点から分岐するとき分岐点を挟んで2つの配線パターン部分が存在し、また、2つの部品の中間点に中間部品が存在する場合には該中間部品の両側に2つの配線パターン部分が存在するものとして前記配線パターン部分を識別するステップ、
前記識別された各配線パターン部分が存在する層および2次元座標位置を特定するステップ、
を有することを特徴とする請求項1記載の多層プリント回路基板の配線表示装置
【請求項3】
各層の絶縁体の厚さを含む基板情報を特定するステップ、
該基板情報を用いて前記表示された各層の厚みの大小を示す厚み図形を前記各層内に表示するステップ、
を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の配線表示方法。
【請求項4】
グランドパターンが存在する層と該層におけるグランドパターンの2次元位置を特定するステップ、
前記各配線パターン部分の位置情報と前記グランドパターンの位置情報とを参照して、各配線パターン部分の上あるいは下の層にグランドパターンが存在するか調べるステップ、
存在する場合には、該層におけるグランドパターンが存在する位置を識別可能に表示すると共に、スルーホールを示す前記縦線の両側はグランドパターンが存在しないものとして表示するステップ、
を有することを特徴とする請求項1または2記載の配線表示方法。
【請求項5】
電源パターンの存在する層と該層における電源パターンの2次元位置を特定するステップ、
前記各配線パターン部分の位置情報と前記電源パターンの位置情報とを参照して、各配線パターン部分の上あるいは下の層に電源パターンが存在するか調べるステップ、
存在する場合には、該層における電源パターンが存在する位置を識別可能に表示するステップ、
を有することを特徴とする請求項1または2記載の配線表示方法。
【請求項6】
前記各配線パターン部分の位置情報を参照して、配線パターン部分毎に、隣接する層に該配線パターン部分と交差する別の配線パターンが存在するか調べるステップ、
存在する場合には、存在位置に交差配線パターンが存在することを示す図形を表示するステップ、
を有することを特徴とする請求項1または2記載の配線表示方法。
【請求項7】
前記各配線パターン部分の位置情報を参照して、配線パターン部分毎に、隣接する層に該配線パターン部分と平行な別の配線パターンが存在するか調べるステップ、
存在する場合には、存在位置に平行配線パターンが存在することを示す図形を表示するステップ、
を有することを特徴とする請求項1または2記載の配線表示方法。
【請求項8】
配線パターン部分の線種、線幅、線厚を特定するステップ、
該線種、線幅、線厚を該配線パターン部分の近傍に表示するステップ、
を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の配線表示方法。
【請求項9】
多層プリント回路基板の配線状況をトポロジー表示する配線表示装置において、
信号を出力する部品と信号が入力される部品間を接続する配線パターン毎に、該配線パターンを構成する配線パターン部分が存在する層および該配線パターン部分の2次元座標位置を特定する配線パターン特定部、
多層配線のトポロジー表示をすべき所定の配線パターンが特定されたとき、各層を識別可能に積層表示すると共に、該特定された配線パターンを構成する各配線パターン部分を、該配線パターン部分が存在する層の前記2次元座標位置情報が特定する位置に配置し、かつ、配置された層が異なる隣接配線パターン部分を、スルーホールを示す縦線で接続して表示する表示部、
を有することを特徴とする多層プリント回路基板の配線表示装置。
【請求項10】
回路図における前記部品間の接続情報や部品情報を特定する回路図データベースを作成する回路図データベース作成部を備え、
前記配線パターン特定部は、部品間の前記接続情報を参照して、前記2つの部品の中間点から分岐するとき分岐点を挟んで2つの配線パターン部分が存在し、また、2つの部品の中間点に中間部品が存在する場合には該中間部品の両側に2つの配線パターン部分が存在するものとして前記配線パターン部分を識別する配線パターン部分識別部、
前記特定された各配線パターン部分が存在する層および2次元座標位置情報を特定する配線パターン部分特定部、
を有することを特徴とする請求項9記載の多層プリント回路基板の配線表示装置。
【請求項11】
各層の絶縁体の厚さを含む基板情報を特定する基板情報特定部、
を備え、前記表示部は、該基板情報を用いて前記表示された各層の厚みの大小を示す厚み図形を前記各層内に表示する、
ことを特徴とする請求項9または10記載の多層プリント回路基板の配線表示装置。
【請求項12】
グランドパターンが存在する層と該層におけるグランドパターンの2次元位置を特定する基板情報特定部、
前記各配線パターン部分の位置情報と前記グランドパターンの位置情報とを参照して、各配線パターン部分の上あるいは下の層にグランドパターンが存在するか調べる判定部、
を備え、前記表示部は存在する場合には、該層におけるグランドパターンが存在する位置を識別可能に表示すると共に、スルーホールを示す前記縦線の両側はグランドパターンが存在しないものとして表示する、
ことを特徴とする請求項9または10記載の多層プリント回路基板の配線表示装置。
【請求項13】
電源パターンの存在する層と該層における電源パターンの2次元位置を特定する基板情報特定部、
前記各配線パターン部分の位置情報と前記電源パターンの位置情報とを参照して、各配線パターン部分の上あるいは下の層に電源パターンが存在するか調べる判定部、
を備え、前記表示部は存在する場合には、該層における電源パターンが存在する位置を識別可能に表示する
ことを特徴とする請求項9または10記載の多層プリント回路基板の配線表示装置。
【請求項14】
前記各配線パターン部分の位置情報を参照して、配線パターン部分毎に、隣接する層に該配線パターン部分と交差する別の配線パターンが存在するか調べる判定部、
を備え、前記表示部は、存在する場合には、存在位置に交差配線パターンが存在することを示す図形を表示する
ことを特徴とする請求項9または10記載の多層プリント回路基板の配線表示装置。
【請求項15】
前記各配線パターン部分の位置情報を参照して、配線パターン部分毎に、隣接する層に該配線パターン部分と平行な別の配線パターンが存在するか調べる判定部、
を備え、前記表示部は、存在する場合には、存在位置に平行配線パターンが存在することを示す図形を表示する、
ことを特徴とする請求項9または10記載の多層プリント回路基板の配線表示装置。
【請求項16】
前記配線パターン特定部は、各配線パターン部分の線種、線幅、線厚を特定し、前記表示部は該線種、線幅、線厚を該配線パターン部分の近傍に表示する、
ことを特徴とする請求項9記載の多層プリント回路基板の配線表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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