多層プリント回路基板を製造する方法、接着防止材料、多層プリント回路基板、およびそのような方法の使用
互いに接続され、特に共に押圧される、複数の伝導または導電および非伝導または絶縁層またはプライから多層プリント回路基板を製造する方法であって、少なくとも、部分的平面層を接続した後に、少なくともその部分領域(11)が除去され、除去される部分領域(11)の接着を防止するために、接着を防止する材料(8)が、除去される部分領域にしたがって、除去される部分領域に隣接する層(9)上に付着され、接着を防止する材料(8)は、少なくとも1つの金属石鹸、好ましくはAl、Mg、Ca、NaおよびZnの脂肪酸塩をベースとする剥離剤、結合剤、および溶媒を含む混合物によって形成されることが提供され、それによって、除去される部分領域は、多層プリント回路基板の適切な処理および/または加工工程後に容易にかつ確実に除去され得る。さらに、接着防止材料、および多層プリント回路基板(1)の製造に関連する方法の使用が提供される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに接続される、特に、共に押圧される複数の伝導または導電および非伝導または絶縁層またはプライから多層プリント回路基板を製造する方法に関し、ここで、少なくとも部分的平面層を接続した後、少なくともその部分領域が除去され、除去される部分領域の接着を防止するために、接着を防止する材料が、除去される部分領域に隣接する層上に、除去される部分領域にしたがって付着される。本発明は、さらに、そのような方法で用いる接着防止材料、そのような方法によって、および/またはそのような接着防止材料を使用することによって製造される多層プリント回路基板、および多層プリント回路基板の製造に関連するそのような方法または接着防止材料の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
後の説明は多層プリント回路基板の製造に言及するが、当然のことながら、本発明による方法は極めて多様な応用分野で使用されてもよく、ここで、部分領域を、実質的に平面の材料層から、少なくとも1つのさらなる実質的に平面の材料層との接続後に除去することが目的とされる。一般的に、本発明は、多層構造に関連して付着可能であり、それから、多層構造の製造後に部分領域が取り去られ、または層またはプライの1つが少なくとも部分的に除去されることになる。この状況では、複雑な方法および構造が例えば公知であり、特に、接続される材料層を接続するために使用される少なくとも1つの接続層を前加工することによって、およびこれに応じた高い操作費用および接続される材料層の後の適切な位置付けまたは位置あわせのために必要なこれに応じた高い費用で、そのような材料層の接続後に部分領域を取り去るまたは除去することを目的とする。実質的に平面の材料層は、多層プリント回路基板に加えて、例えば、接続される紙状、ボール紙状の層または要素、例えば、箔、シートまたは金属板等の実質的板状またはシート状要素を含む場合がある。実質的に平面のまたは板状の材料を接続する状況では、例えば、特に、少なくとも部分領域の任意に必要とされる後の除去を目的として、接続手順の間に、接続される材料層の接着を保証する箔の部分領域が、凹部を備えるように接着性を有する箔を適切に前加工することが公知である。
【0003】
実質的に連続の接着箔に加えて、前加工された分離箔が、例えば、独国特許第4003344C号明細書から理解され得るように、その後除去される部分領域に応じて選択的に使用されてもよい。そのような接続箔または接着箔および/または分離箔の前加工は、それに応じて高い費用を伴い、さらに、そのような、特に前加工された箔の介在を介して接続される材料層の位置あわせおよび位置付けへのそれに応じた高い要求を設定することが直ちに明らかとなる。
【0004】
国際公開第2008/098271号または国際公開第2008/098269号から、最初に規定された種類の方法が、例えば、さらに理解され得、ここで、ろう状ペーストが接着防止または抗接着材料として使用され、それによって、そのようなろう状ペーストは、その付着および高圧および/または高温下でいくつかの層からなる多層回路基板の後の押圧後に、抗接着材料の漏出を引き起こす可能性がある。ろう状材料の使用は、さらに、そのような抗接着材料がほとんど除去され得ない、または例えば、除去される部分領域が除去された領域における多層回路基板の後のパターニングおよび/または接触を可能にするために、除去される部分領域の除去後に多大な努力をもってのみ除去される欠点を伴う。
【0005】
多層電子部品、特に多層プリント回路基板の製造の状況では、そのような電子部品の設計は、過去数年間で複雑性が増大しており、能動部品とプリント回路基板の部品との間の接続ポイント数の増大を一般的にもたらし、ここで、サイズ低減の増大は、同時に、そのような接続ポイント間の距離の低減を要求した。プリント回路基板の製造の状況では、いわゆる高密度相互接続(HDI)におけるいくつかの回路基板層を通るマイクロビアによってそのような部品接続ポイントのもつれを解くことが提案されている。
【0006】
例えば、空洞または中空空間の形成に関連して、プリント回路基板の設計および構成の複雑性の増大、およびしたがって伴われる小型化に加えて、回路基板において折りたたみ可能または曲げ可能な接続をもたらす目的でさらなる要求が言及されており、それらの要求は、ハイブリッド技術の開発、およびいわゆるリジッド−フレキシブルプリント回路基板の使用をもたらした。そのようなリジッド−フレキシブルプリント回路基板は、回路基板リジッド部または部分領域、およびそのようなリジッド部を接続するフレキシブル部を含み、信頼性が向上し、設計および構成の点からさらなるまたは追加の選択の自由を提示し、さらなる小型化を可能にする。
【0007】
そのようなリジッド−フレキシブルプリント回路基板の製造のために、回路基板のリジッド部およびフレキシブル部に対応するとともに誘電体からなる接続層が、上記リジッド部とフレキシブル部との間に設けられ、それによって、例えば、熱処理によって回路基板のリジッド部およびフレキシブル部の接続を引き起こす適切なシート状層またはフィルムの配置が、通常、比較的厚い層をもたらす。そのような厚い層は、多層回路基板の製作において所望の小型化をさまたげるだけでなく、マイクロビアの形成のための後のレーザーボアホール形状およびそれに応じた狭い間隙を介した接続部位に必要な位置あわせ精度の損失を引き起こす。非導電材料または誘電体層からなるそのような公知の厚い層は、特に、適切な前加工または構成が、プリント回路基板のリジッド部の後の分離または切断に応じて行われなければならないので、回路基板のリジッド部とフレキシブル部との間で要求される接続を生成するためのさらなる処理または工程段階および/またはより複雑な設計をさらに必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】独国特許第4003344C号明細書
【特許文献2】国際公開第2008/098271号
【特許文献3】国際公開第2008/098269号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記先行技術の問題を回避しながら、本発明は、多層プリント回路基板を製造する方法を提供することを目的とし、ここで、いくつかの層またはプライを接続、特に押圧した後、部分領域が確実に除去され得、特に、容易で確実に付着可能な接着を防止する材料が提供され、それは、さらに、除去される部分領域の領域においても、多層プリント回路基板の信頼性のあるさらなる処理を保証するように、除去される部分領域の除去後に、容易で、確実に、完全に再び除去されることが可能であることが好ましい。本発明は、さらに、そのような方法で使用される、そのような接着防止材料または抗接着材料、多層プリント回路基板、および先行技術の上記問題を回避するとともに上記目的および特有の特徴を実現しながら、多層プリント回路基板を製造するための方法の使用または抗接着材料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
これらの目的を解決するために、最初に規定された種類の多層プリント回路基板を製造する方法は、接着を防止する材料が、少なくとも1つの金属石鹸、好ましくはAl、Mg、Ca、NaおよびZnの脂肪酸塩をベースとする剥離剤、結合剤、および溶媒を含む混合物によって形成されることを基本的に特徴とする。本発明による接着防止材料は、結合剤および溶媒に加えて、剥離剤として少なくとも1つの金属石鹸を含むので、接着防止材料は容易にかつ確実に付着され、特に、高温および/または高圧下で、特に、個々の層またはプライを接続することに関しては、特に、多層プリント回路基板の製造におけるいくつかの加工手順後でさえ、最適の分離効果をもたらすことができることが保証される。さらに、剥離剤として少なくとも1つの金属石鹸を使用する場合、接着防止材料を付着する場合の向上されたパターニングが、例えば、ろう状ペーストのような公知の材料とは対照的に達成され、そのようなパターンが、後の接続または押圧手順の間でさえ確実に維持されることが分かった。本発明によれば、そのような金属石鹸は、Al、Mg、Ca、NaまたはZnの脂肪酸塩の形態で使用されることが好ましく、これは、特に、部分領域の接着を安全に防止し、したがってその簡単で後の除去を可能にする、容易で確実で実行可能で処理可能な材料を提供する。
【0011】
所望の抗接着性を達成するための確実で実行可能で処理可能な剥離剤を提供するために、好ましい実施形態によれば、剥離剤が、例えば、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸などの飽和脂肪酸および不飽和脂肪酸をベースとして使用されることが提案される。
【0012】
特に、少なくとも部分的に高圧および/または高温を使用することによって、多層プリント回路基板を製造した後に所望の分離効果を得るために、さらに好ましい実施形態によれば、剥離剤は、接着防止材料の60重量%未満の量、特に約5重量%〜45重量%の量で使用されることが提案される。
【0013】
付着手順の間の、接着防止材料の信頼性のある固定または配置のために、特に、本発明による接着防止材料の剥離剤の接着を保証し、かつ所望のレオロジーを調節して接着防止材料の信頼性のある簡単な付着を可能にするために、セルロース誘導体、特にセルロースエーテルまたはエステル、好ましくはエチルセルロースが、結合剤として使用されることが、さらに好ましく提案される。
【0014】
多層プリント回路基板を製造する場合、特に、硬化樹脂層および/または未硬化樹脂層を備えた銅の層は、接続手順、特に押圧手順、特に高温および/または高圧下で互いに接続されることが予想される。その際に、未硬化樹脂層の樹脂は、例えば、約70℃の温度で液体になり、約200℃へのさらなる温度上昇で重合によってデュロプラスト(duroplast)として固体状態に達し、これは、多層プリント回路基板の製造において個々の隣接層の接続を引き起こす。
【0015】
個々の層の接続手順の間の、セルロース誘導体、特にエチルセルロースの形態でのバインダーの使用は、特に、接着防止材料が移動による接続手順の間にバインダーを激減するように、例えば、多層プリント回路基板のエポキシ樹脂またはフェノール樹脂の、接続手順の間に液化する樹脂層の隣接層への上記バインダーの移動を引き起こし、したがって、接着防止材料がある、または付着される境界層上でのバインダーの激減により、除去される部分領域を除去する場合に、その後所望の分離効果をさらに向上する。
【0016】
その後に接着を防止する材料の付着手順の間に、特に、信頼性のある接着または固定に関して、所望の特性を達成するとともに、多層プリント回路基板の隣接層またはプライへの接続手順の間の移動による上記分離効果の向上を達成するために、さらに好ましい実施形態によれば、結合剤の量が、35重量%未満、特に3重量%と25重量%の間となるように選択されることが提案される。
【0017】
接着防止材料の信頼性のある付着について、接着防止材料は、さらに溶媒を含み、ここで、本発明による方法のさらに好ましい実施形態によれば、溶媒は220℃未満、特に約180℃〜200℃の沸点を有する。比較的高い沸点を有するそのような溶媒を使用することによって、一方では、製造されるプリント回路基板のさらなる層またはプライの配置に先立って、例えば、溶媒の早期乾燥に関する問題が、接着防止材料の付着の間に生じないことが保証される。他方では、溶媒のそのような沸点は、個々の回路基板層またはプライを接続する状況において、温度を例えば220℃の温度まで上昇する場合に、溶媒が接着防止材料から実質的に完全に除去される、または蒸発されることを保護する。
【0018】
接着防止材料の所望の特性をもたらすために、本発明による方法のさらに好ましい実施形態によれば、エチレンまたはポリプロピレングリコールエーテルおよびエステルが溶媒として使用されることが提案される。接着防止材料のそれに応じて良好な加工性をもたらすために、さらに、溶媒の量が、接着防止材料の85重量%未満、特に30重量%〜80重量%であることが提案されることか好ましい。
【0019】
既に上記数回指摘されたように、本発明による方法の状況で使用される接着防止材料は、特に、剥離剤として少なくとも1つの金属石鹸を使用することによって、特に信頼性のある付着およびそれに応じて良好なパターニングを可能にし、ここで、この状況では、さらに好ましい実施形態によれば、接着防止材料が、印刷工程、特にスクリーン印刷、ステンシル印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、タンポン印刷、インクジェット印刷等によって付着されることが提案される。これは、部分領域のその後の除去のために、接続から除かれる領域、または接着を防止する部分領域の特に簡単で位置が正確な付着を保証する。そのような印刷工程は、さらに、それ自体が公知であるだけでなく、様々な加工手順または工程段階の間に、個々の層またはプライをパターニングするためのプリント回路基板の製造に関連して、部分的に広く使用され、その結果、本発明による方法をさらに使用する多層プリント回路基板の製造における手順の経過が、多層プリント回路基板の製造のための方法制御の基礎的変更を必要とせず、補足的で容易に一体可能な方法の工程のみで十分である。
【0020】
本発明による方法に関する接着防止材料の特に簡単な処理を保証するために、接着防止材料がその付着後に乾燥および/または硬化工程を受けることがさらに提案されることが好ましい。そのように乾燥および/または硬化工程は、接着防止材料に使用され、特に、多層プリント回路基板の隣接する材料層またはプライにしたがって選択される材料に応じて行われることができる。
【0021】
除去される部分領域の本発明によってもたらされた除去を維持する、または接着を防止しながら、接着防止材料の所望の薄い層厚を得るために、さらに好ましい実施形態によって、接着防止材料は、25μm未満、特に15μm未満の層厚で付着されることが提案される。
【0022】
既に上記数回指摘されたように、その後除去される部分領域の接着は、高温および/または高圧下での多層プリント回路基板の製造の状況における複合処理または加工手順でさえ防止されることが保護されなければならない。少なくとも1つの金属石鹸をベースとし、接着防止材料のために本発明によって提供された剥離剤のために機能する分離原理は、除去される部分領域の後の除去を可能にし、多層プリント回路基板の製造における接続手順の間に相互に隣接する層またはプライ間の極性差による不適合に基本的に依存する。この状況では、接着防止材料が、隣接する実質的に平面の層またはプライに対して極性差を含むことがさらに好ましい実施形態によって提案される。接続または押圧手順の間に、特に、エポキシ樹脂またはフェノール樹脂の液化樹脂層を液化する接着防止材料と多層回路基板の層との間にそのような極性差をもたらすことによって、相境界面は、互いに隣接する層が混合しないように形成し、特に、接着防止層と隣接層の間で接続は確立されない。以下に詳細に説明されるように、例えば、側面領域の除去後に、除去される部分領域のそれに応じた安全な除去を可能にするように、この相境界面は、また、接続または押圧手順に続いてその後の冷却後に維持される。
【0023】
抗接着材料の付着による露出によって所望の分離効果を達成するために、抗接着材料は、少なくとも100℃、特に120℃の軟化点または融点を有することがさらに好ましい実施形態によって提案される。接続手順の間の多層プリント回路基板の製造における接着防止材料の層のそのような高軟化点または融点により、その時の接続手順の間に液化する材料の粘性は、接着防止材料の液化された剥離剤が製造される所望の構造の境界を越えて押圧されることを防止するようにすでに十分に高い。したがって、上記のように接続または押圧手順の間の温度のさらなる上昇でさえ、接着防止材料によって、部分領域の後の除去に必要な露出が、確実に維持されることが保証される。接続または押圧手順の間に、接着防止材料は、その後に除去される部分領域の領域において、比較的高い軟化点または融点で液体層の形成によって、その後除去される部分領域に隣接する領域において所望または求められるように、連続的な接続、例えば、互いに隣接する材料層または接続される材料層の接着または接続を防止する。
【0024】
既に上記されたように、本発明による方法の状況において、接着防止材料のための剥離剤として少なくとも1つの金属石鹸の使用は、さらに、除去される部分領域の除去後に、除去される部分領域の除去後に場合により存在する抗接着材料の残留物が、確実に除去可能であることを保護し、ここで、この点で、本発明による方法のさらに好ましい実施形態によれば、接着防止材料は、除去される部分領域の除去後に剥離媒体を付着することによって除去されることが提案される。
【0025】
本発明のさらなる好ましい実施形態によれば、剥離媒体の所望の除去特性を得るために、剥離媒体は高沸点溶媒と酸の混合物からなることがさらに提案される。高沸点溶媒と酸の混合物からなる剥離媒体を提供することによって、接着防止材料は、例えば、除去される部分領域の領域でもさらなるパターニングおよび/または接触を考慮して、多層プリント回路基板のさらなる処理または加工手順を可能にするように、除去される部分領域の除去後に確実に除去され得る。
【0026】
剥離媒体の特に信頼性のある付着のために、および除去される部分領域の除去後、接着防止材料またはその残留物の所望の洗浄または分離効果を達成するために、剥離媒体に関してさらに好ましい実施形態によって、接着防止材料は、溶解性を向上するために、超音波または機械的撹拌器を使用して高圧下または浸漬ベースン内で特に加熱された溶媒を吹きつけることによって除去されることが提案される。
【0027】
剥離媒体のそれに応じた信頼性のある良好な付着特性を達成するために、剥離媒体は、高沸点溶媒の少なくとも80%、特に少なくとも90%を含むことがさらに好ましい実施形態によって提案される。
【0028】
溶媒が、塩素化溶媒に加えて、エチレングリコール、ジエチレングリコールおよびポリグリコールエーテル、特に、ブチルグリコール、ヘキシルグリコール、ブチルジグリコール、プロピレングリコールエーテルおよびエステル、特に、酢酸塩、アルコール、ケトンおよびエステルからなる群より選択される場合、接着防止材料の特に信頼性のある分離効果が達成されることが好ましい。
【0029】
上記示されるような高沸点を有する溶媒に加えて、本発明による方法の状況で使用される剥離媒体は、酸も含み、ここでそれに応じた所望の洗浄効果を達成するために、剥離媒体中の酸は、20重量%未満、特に0.5重量%〜10重量%の量で使用されることが好ましい実施形態によって提案される。
【0030】
所望の分離効果を達成するために、および多層プリント回路基板の製造のために採用される材料に応じて、剥離媒体のためのさらに好ましい実施形態によれば、剥離媒体に含まれる酸が、例えば、塩酸または硫酸などの無機酸、または例えば、特にシュウ酸、酢酸、ギ酸などの有機酸、または例えば、エチレンジアミン四酢酸などの錯酸からなることが提案される。そのような酸の使用は、接着防止材料の残留物の所望の洗浄または分離効果を保証し、ここで、そのような酸を使用することによって、特に、伝導または導電層のエッチングまたは研磨効果も、同時に、必要に応じてまたは必要なら、除去される抗接着材料の領域で達成され得る。
【0031】
採用される剥離媒体、さらに多層回路基板の製造に使用される材料に応じて、接着防止材料の除去が150℃未満の温度、特に20℃と120℃の間で行われることがさらに好ましい実施形態によれば提案される。このように、同時に多層プリント回路基板の特に隣接層を残しながら、接着防止材料は、除去される部分領域の除去後に、それに応じて急速で容易に除去され得る。
【0032】
多層プリント回路基板の製造の状況では、多層回路基板の、接続される層またはプライは、積層工程によって接続されることが、さらに好ましい実施形態によれば提案される。そのような積層工程の状況では、例えば、接着防止材料の軟化点または融点、およびそれに含まれる溶媒の沸点を考慮して、接着防止材料の上記材料特性に加えて、この目的を達成するために採用される多層プリント回路基板および材料の製造に特に関連して、特別の要件を考慮に入れることもしたがって可能である。
【0033】
接続される平面材料層を接続した後に除去される部分領域の、特に信頼性のある簡単な除去または分離については、除去される少なくとも1つの部分領域のエッジ領域が、本発明による方法のさらに好ましい実施形態によれば、ミリング、スクラッチング、切断、特にレーザー切断によって画定および/または除去されることがさらに提案される。そのようなミリング、スクラッチングおよび切断等の手順は、それに応じて、接続される平面材料に対応して正確で確実に行われることができ、ここで、例えば、多層プリント回路基板の製造の状況などの、わずかな厚みを有する材料を使用する場合でさえ、分離手順のそれに応じて正確で信頼性のある性能が提供される。観察される許容範囲に関する要件は、さらに、それに応じて接着防止材料層により低減される。
【0034】
最初に規定された目的を解決するために、本発明による方法で使用される接着防止材料がさらに提供され、それは、少なくとも1つの金属石鹸、好ましくはAl、Mg、Ca、NaおよびZnの脂肪酸塩をベースとする剥離剤、結合剤および溶媒を含む混合物によって接着防止材料が形成されることを実質的に特徴とする。これは、既に広範囲に説明されたように、本発明による接着防止材料の簡単な加工性、信頼性のあるパターニング、およびその残留物の簡単で安全な後の除去の点から、有利な特性の達成を可能にする。
【0035】
既に数回指摘されたように、本発明の方法および/または多層プリント回路基板の製造のための接着防止材料を使用することが本発明によって提案される。
【0036】
特に、本発明によるそのような使用の状況では、さらに、中空空間、特にプリント回路基板中の三次元中空空間または空洞の製造のための、本発明による方法、または本発明による多層構造を使用することが提案されることが好ましい。
【0037】
このように製造された中空空間、空洞、特にチャンネルは、さらに、液体またはガス状物質を搬送し、または、チャンネルの場合には、好ましい使用によれば、プリント回路基板からの熱の拡散または散逸のための異なる幾何学的図形の金属を導入するためでも使用され得る。
【0038】
さらなる好ましい使用によれば、そのような空洞、特にプリント回路基板における光または音波を伝送するためのチャンネルを使用することがさらに考えられる。このように、空洞に挿入されるLEDと併用される場合、プリント回路基板からの斜光照明が、例えば提供され得る。
【0039】
これらの空洞、特に、チャンネルは、音を伝送するためにさらに使用されてもよく、したがって、とりわけ、手持ちサイズのコンピュータ、PDA、携帯電話のようなモバイル電子装置を備えたマイクロホンやスピーカーの分野での使用時の雑音および暗騒音を抑制する大きな利点をもたらし、それは当業者による雑音消去と簡潔に称せられる。
【0040】
さらに、これらの空洞または中空空間、特に、ガルバニックまたは化学−物理析出工程によって、またはスパッタリング、PVD、CVDなどのガス相からの析出工程によって、金属粒子、または絶縁層または抑止層を備えたチャンネルを提供するとともに、例えば、センサーの場合に液体、固体またはガス状物質を受けるための活性化学表面を備えた、そのような伝導層または密閉コートまたは層を堆積および積層することが提案されることが好ましい。
【0041】
本発明による方法の使用のさらに好ましい選択としては、プリント回路基板における少なくとも1つのチャンネルの製造、中空空間の形成のための露出、特にプリント回路基板における三次元中空空間または空洞、プリント回路基板のオフセットおよび/または段階的部分領域の製造、多層プリント回路基板の内側または内部層における少なくとも1つの要素、特に位置あわせ要素の露出、および/またはリジッド−フレキシブル回路基板の製造が挙げられる。
【0042】
下記では、本発明が、本発明の接着防止材料および接着防止材料をその後除去するための剥離媒体を使用する、本発明による多層プリント回路基板を製造するための本発明による方法の、添付図面で概略的に説明される例示的な実施形態によってより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】多層回路基板を製造するための本発明による方法の概略フローチャートである。
【図2】本発明による多層回路基板および接着防止材料の製造の状況において例示的に使用される樹脂材料の概略温度および粘性図を示す。
【図3】リジッド−フレキシブル回路基板のリジッド部の形態で、本発明によって製造される多層回路基板の平面材料層の第1の実施形態の概略断面図を示す。
【図4】図3に類似する説明図において、リジッド−フレキシブルプリント回路基板のリジッド部の断面図を示し、ここで、リジッド部の除去される部分領域の後の分離の領域にミリング端が設けられている。
【図5】図3および4に類似する説明図において、リジッド−フレキシブルプリント回路基板のリジッド部の断面図を示し、ここで、本発明による接着防止材料が、後の分離の領域およびミリング端に設けられる、または付着されて、リジッド部によって形成された実質的に平面の材料層とプリント回路基板のフレキシブル部との直接接続を防止するための露出領域を設ける。
【図6】図1から図5に類似する他の断面図をさらに示し、ここで、非導電または誘電体の層および第2の実質的に平面の材料層としてのリジッド−フレキシブルプリント回路基板のフレキシブル部は、第1の材料層のリジッド部上に配置または固定されている。
【図7】他の同様の断面図において、リジッド部を通って切断した後にリジッド−フレキシブルプリント回路基板の形態での本発明による多層構造を示す。
【図8】本発明の方法によって製造される本発明による多層構造として、多層プリント回路基板の実質的に平面の材料層の変形された実施形態の概略断面図である。
【図9】図8に表された平面材料層の概略断面図を示し、ここで、本発明による接着防止材料の層、または、接着防止材料が、付着される。
【図10】図8および図9で説明された平面材料層の概略断面図を示し、少なくとも1つのさらなる平面材料層と接続されて、本発明による多層プリント回路基板を製造する。
【図11】図10に類似する説明図において、その後除去される多層構造の部分領域の概略断面図を示し、切断によって定められる、または画定される。
【図12】図11に類似する説明図であり、図11の切断または定められた部分領域が除去される。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図1の概略フローチャートでは、製造される多層回路基板の第1の材料層の供給が、第1のステップS1でなされ、ここで、任意に、さらなる準備工程(プリント回路基板の製造のためにそれ自体公知であり、簡単にするために詳細に説明されない)後に、接着防止材料の付着が工程S2で行われ、それは以下に詳細に説明される。後の処理および工程段階中に除去される部分領域の領域における接着防止材料の付着は、特に、次の図によってさらに詳細に説明されるように、さらなる処理および工程段階、特に、次の図で説明される多層回路基板の接続および/または押圧手順後に、その部分領域の後の除去を可能にする。
【0045】
工程S2による接着防止材料の付着後に、工程3において、伝導または導電および非導電または絶縁材料の、製造される多層回路基板のさらなる層またはプライが配置または設けられる。
【0046】
この後、製造される多層回路基板の、工程S1およびS3で設けられた個々の層またはプライの接続が、多層回路基板の製造の状況で公知のように、高温および/または高圧を適用しながら、特に押圧することによって、同様に公知の方法で、工程S4で確立される。
【0047】
工程S4による接続、特に、押圧手順に続き、任意の工程S5が図1のフローチャートに設けられ、これによれば、除去される部分領域のパターニングは、例えば、側面の縁を生成または画定することによって、例えば、その後除去される部分領域が、例えば、既に工程S3のそれに応じてパターン化された状態で設けられないまたは付着されないなら、以下にさらに詳細に同様に説明されるようにミリングまたは切り込みによって行われる。
【0048】
任意に設けられた工程S5に続いて、除去される部分領域の除去は、図1によるフローチャートの工程S6で達成され、接着防止材料を使用することによってそれに応じた簡単で信頼性のある方法で、除去される部分領域の上記除去が実現可能である。
【0049】
工程S6によって除去される部分領域を除去した後に、接着防止材料の残留物の除去は、剥離材料を使用することによって工程S7で任意に行われ、ここで、例示的な実施形態によって詳細に下に説明されるように、少なくとも1つの金属石鹸ベースの接着防止材料の使用により、それに応じた信頼性のある簡単な除去が可能となり、ここで、任意に採用される剥離媒体については、以下に説明される例示的な実施形態を参照されたい。
【0050】
工程S7による接着防止材料の残留物の任意の除去に続いて、多層回路基板のさらなる層またはプライのさらなる受け入れまたは配置、及びそのパターニングが、公知の方法で再度、任意に行われ、ここで、そのようなさらなる工程の詳細な説明は、後の処理または工程段階についての熟知していることにより省略された。
【0051】
複数の伝導または導電および非導電または絶縁層またはプライを接続、特に押圧することによる多層回路基板の製造の状況で、流量特性および溶融粘度の点から、部分的にこれに応じた大きな相違を含む、通常採用されたガラス繊維強化樹脂材料が、そのような多層回路基板の製造に使用されることが公知である。
【0052】
多層回路基板のそのような層またはプライを接続または押圧する状況で、そのようなガラス繊維強化樹脂のプリプレグの融解粘度の最小値は、例えば、前架橋の程度によって一般的に決定され、さらに、例えば、多層回路基板の製造に使用されるプレスでもたらされる加熱速度に依存する。エポキシ樹脂ベースのプリプレグまたはガラス繊維強化樹脂材料は、例えば、最小の融解粘度を有し、したがって、液化は、2℃と5℃の間の典型的な加熱速度で、70℃と100℃の間の範囲に及び、概略的に図2に示される。
【0053】
粘性は、最小の粘性およびそれぞれのゲル点に達した後に、ほとんど、樹脂の進行する架橋により急上昇し、多層回路基板の製造で使用されるそのような樹脂材料の急冷凝固を通常もたらし、図2による温度上昇での粘性の急激な上昇を参照されたい。そのような凝固は、強く上昇する粘性をもたらしながら、非常に短い時間、例えば1分〜3分内に生じることが可能である。
【0054】
多層回路基板の製造で通常使用される材料のこの本質的に公知の粘性挙動を念頭に置いて、少なくとも1つの金属石鹸ベースの剥離剤が、接着防止材料に使用され、剥離剤は、多層回路基板の製造で通常採用される材料の凝固を考慮して、強く上昇する粘性の開始後のみに減少する剥離剤または接着防止材料の粘性によって、図2の概略図で示されるように、多層回路基板の製造で通常使用される材料の最小粘性に達する前に融解しない、または粘性が減少する。
【0055】
採用された剥離剤が融解し、したがって、粘性が減少するなら、既に、樹脂材料が比較的低粘性を有した時に、概して、多層プリント回路基板の層またはプライの接続の間に生じる高温および高圧により、以下に詳細に説明されるように、接着防止材料または剥離剤の所望のパターン化された付着が確実に保証され得ないことが予想されるにちがいない。
【0056】
互いに隣接する層またはプライまたは材料間の異なる極性の場合には、接着防止材料が、製造される多層回路基板の隣接層またはプライに対する極性差を含むことが好ましいように、そのような互いに隣接する層または材料の混合が大部分防止されることがさらに公知である。極性のそのような差は、採用された剥離剤または接着防止材料の粘性の低下の開始でさえ、まだ低い粘性を有する可能性がある樹脂材料との混合が、接着防止材料の所望の分離効果の信頼性のある維持を可能にするように防止されることを保証する。そのような好ましい極性差をもたらすことによって、剥離剤または接着防止材料が、任意の複合接続または押圧手順の間でさえ、多層回路基板の隣接層またはプライに対してその分離効果を失わないことがさらに保証され、その結果、所望の分離効果が維持される。
【0057】
図2から明らかなように、融解の開始または剥離剤の粘性の最初の低減で、多層回路基板の隣接した材料の粘性が、互いに隣接する材料が境界表面の領域で混ざることを防止するように、既に十分に高い、または増大することを保証するために、剥離剤は120℃より高い、好ましくは140℃〜160℃の融点を有することが、多層回路基板の製造で通常使用される材料および提供される剥離剤または接着防止材料の両方の相互に調整された粘性を達成するために不可欠である。
【0058】
以下に詳細に説明されるように、少なくとも1つの金属石鹸ベースの少なくとも1つの剥離剤に加えて、接着防止材料は、また、溶媒に加えてバインダーを含み、バインダーは、例えば、所望のパターニングを達成するための接着防止材料をインプリントすることによって、付着手順の間に有利な特性を特にもたらす。
【0059】
そのようなバインダーは、例えば、セルロース誘導体、特にセルロースエーテルまたはエステル、好ましくはエチルセルロースからなり、エチルセルロースの使用は、行なわれる印刷手順および達成されるパターニングに関して有利な特性をもたらす。そのような金属石鹸およびエチルセルロースの強く異なる溶解性を念頭に置いて、バインダーとしてのエチルセルロースの使用は、さらに、多層回路基板の個々の層の接続または押圧手順の間に、隣接する樹脂材料に少なくとも部分的に移動するエチルセルロースの適度な極性のマトリックスの利点を提供し、その結果、接着防止材料は、隣接する材料層に対する境界表面上のエチルセルロース、または一般的にバインダーを枯渇する。バインダーのそのような枯渇は、さらに、したがって、除去される部分領域の除去を促進または向上するように、接着防止材料の分離効果をさらに促進または向上する。
【0060】
除去される部分領域の除去後の既に有利な分離効果に加えて、次の図に詳細に説明されるように、剥離剤として使用される金属石鹸は、さらに、剥離媒体を用いて接着防止材料の簡単で安全な除去を促進し、例示的な実施形態によっても以下に詳細に説明される。そのような剥離媒体の使用は、接着防止材料の考えられる残留物が安全に除去され、部分領域が除去された多層回路基板の領域は、さらなる処理、例えば、後の処理または工程段階の状況で、パターン化および追加の層またはプライとの接続を受けることができることを保護する。さらに、接着防止材料の安全な除去は、例えば、修理目的のために多層回路基板の部分領域の除去を可能にし、それによって、多層回路基板のそれぞれの置換部品は、剥離媒体を用いて、接着防止材料の追加の除去後に再び使用され得る。
【0061】
接着防止層の除去は、さらに、このように製造された空洞およびその熱または電気的または熱および電気導電接続において、液状および糊状接着剤、接着箔または金属含有ペーストではんだづけする、または接着剤でつけることによって、保持手段、機械的固定等のプラスチックまたは金属の機械的部品と同様に電子部品の取り付けを可能にする。
【0062】
基本的に、様々な金属、特に、Ca、Mg、Al、Zn、Na等のステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸などの飽和脂肪酸および不飽和脂肪酸ベースの任意の金属石鹸が、接着防止材料用の剥離剤として使用され得る。金属石鹸の割合は、5%と45%の間で変化してもよい。
【0063】
さらに、結合剤のために良好な溶解性および印刷工程のために十分に高い沸点をもたらす任意の溶媒が、接着防止材料に使用され得、ここで、エチレンおよびプロピレングリコールエーテルおよびエステル(ブチルグリコール、ヘキシルグリコール、ブチルジグリコール)、ジエチレングリコールおよびポリグリコールエーテルおよびエーテルが、例えば、挙げられることができる。溶媒の割合は30%と80%の間で変化されてもよい。
【0064】
エチルセルロースに加えて、さらに、他のセルロースエーテルおよびエステルが、バインダーとして使用され得る。
【0065】
バインダーの割合は3%と25%の間で変化してもよい。粘性は、9cPsと80cPsの間で変化してもよい。
【0066】
次の組成が、接着防止材料(各割合は重量パーセントで示される)として使用されてもよい。
【0067】
例1
ステアリン酸マグネシウム 27
ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート 67
エチルセルロース 6
【0068】
例2
ステアリン酸アルミニウム 30
ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート 64
エチルセルロース 6
【0069】
例3
ステアリン酸カルシウム 30
ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート 64
エチルセルロース 6
【0070】
接着防止材料の任意に存在する残留物を除去するために剥離媒体を提供するために、高沸点溶媒および酸の混合物が提供され、上記酸は、特に、それぞれ使用される金属石鹸の金属部品を溶解する役目をする。特定の有機溶媒が、特に、バインダーおよび接着防止材料の採用された脂肪酸を溶解する役目をする。接着防止材料の完全で簡単な除去について、剥離媒体は、0.5barより大きく10barより小さい圧力、好ましくは1.5〜2.5barの圧力の噴射ノズルによって、除去される層上に導かれ、除去される材料の除去は、機械摩耗および初期の溶解によって達成される。剥離媒体は、20℃より高く120℃未満の温度に初期に加熱され、熱い状態で表面上で付着されることが好ましく、ノズルを介しての噴霧は、溶媒海の形成またはプリント回路基板上の蓄積、したがって、任意に完全に溶解していない懸濁粒子の堆積作用を防止するために、下方から行われることが好ましい。
【0071】
接着防止材料の除去は、さらに、機械的撹拌器または超音波発信器が溶解工程を支援するために使用可能である状態で、浸漬ベースン内で行われてもよい。
【0072】
特に、剥離媒体用の酸として次の酸:塩酸または硫酸のような鉱酸または無機酸、およびシュウ酸、酢酸、ギ酸、またはエチレンジアミン四酢酸のような錯化剤などの有機酸、が使用されてもよい。
【0073】
接着防止材料のバインダーのために良好な溶解性をもたらす溶媒は、特に、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、およびブチルグリコール、ヘキシルグリコール、ブチルジグリコール、プロピレングリコールエーテルおよびエステルのようなポリグリコールエーテル、特に酢酸塩が溶媒として使用されてもよい。さらに、また、アルコールのような高揮発性溶媒、好ましくは、イソプロパノール、ケトン、好ましくはアセトン、MEKおよびエステル、特に、酢酸エチル、および塩素化溶媒、好ましくは塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素である。
【0074】
この場合、酸の割合は、例えば、0.5%と10%の間で変化してもよい。
【0075】
接着防止材料の信頼性のある簡単な除去について、剥離媒体は、20℃と120℃の間の温度で使用される。
【0076】
剥離媒体の例としては以下のとおりである(各割合は重量パーセントで示される)。
【0077】
剥離媒体1
ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート 90
酢酸(100%) 10
【0078】
剥離媒体2
イソプロパノール 98
HCl(19%) 2
【0079】
剥離媒体3
ブチルジグリコール 97
HCl(19%) 3
【0080】
剥離媒体4
アクトン 95
ギ酸濃度 5
【0081】
剥離媒体5
ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート 95
HCl(19%) 5
【0082】
そのような多層プリント回路基板の部分領域をその後除去するために接着防止材料を使用する多層プリント回路基板を製造する方法は、図1で概略的に示され、異なる多層プリント回路基板の製造の例示的な実施形態で以下により詳細に説明され、図3から図7および図8から図12でそれぞれ表される。
【0083】
図3は、多層構造としてその後製造されるリジッド−フレキシブルプリント回路基板の第1の実質的に平面の材料層としてのリジッド多層部1の概略説明図である。個々の金属または銅層2は、例えば、プリプレグ層3およびコア4によって分離されている。個々の銅層2の間の接続は、マイクロビア5および通路6を介してそれぞれ示されている。
【0084】
リジッド−フレキシブルプリント回路基板の製造については、図4で示されるように、ミリング端7が、製造されるリジッド−フレキシブルプリント回路基板のリジッド多層部1の後の分離の領域に形成されている。
【0085】
自由空間を設ける、またはその後分割されるまたは切り開かれるプリント回路基板リジッド部1と、フレキシブル部との接続のためのプリント回路基板の第2の実質的に平面の材料層として設けられ配置される非導電または誘電体の層との間の直接接続を防止するために、そのような接着を防止する材料または抗接着材料8が、例えば、図3から図7で表された実施形態において、図1の工程S2によって、その後の分離の領域において、およびミリング端7によって形成されるチャンネルまたは溝内に、ミリング端7の形成に続いて設けられる。上記説明のような抗接着材料は、簡単な方法工程、例えば、印刷工程、特にスクリーン印刷またはステンシル印刷によって、後の分離の領域およびミリング端7に適用または導入される。使用された材料8に応じて、乾燥および/または硬化工程は、材料またはペースト8の付着に続いて設けられてもよい。
【0086】
製造されるリジッド−フレキシブルプリント回路基板のそれに応じた薄い層厚または全体厚さを得るために、25μm未満、特に15μm未満の層厚で接着防止材料8が後の分離、したがって部分領域の除去の領域に付着されることがさらにもたらされる。
【0087】
図3から図7に表された実施形態において、ミリング端7の形成が、抗接着材料8の付着に先立ってもたらされ、材料8は、あるいは、プリント回路基板のリジッド、特に、多層部分の後の分割の領域に付着されてもよく、ミリング端7は、付着された材料8を通る。
【0088】
図6で表されるように、例えば、図1の工程S3により、後の分割の領域およびミリング端7における抗接着材料8の付着後に、非導電または誘電体の結合層9が付着または配置され、上記結合層9は、それ自体公知であるホイル、例えば、プリプレグまたはRCCホイル、または液体誘電体からなる。非導電または誘電体の層9に続いて、製造されるリジッド−フレキシブルプリント回路基板のフレキシブル部分領域10が示され、ここで、製造されるリジッド−フレキシブルプリント回路基板のフレキシブル部10は、リジッド部1のように、いくつかの層からなっていてもよい。個々の層またはプライの配置後に、接続、特に、押圧が図1の工程S4にしたがって行われる。
【0089】
接着防止材料の配置によって、設けられる非導電または誘電体層9のための前加工および/または構成は、設けられる非導電または誘電体層9の準備工程が簡略化または低減されるように、特に、ミリング端7の領域における後の分離の領域において放棄され得る。個々の層間の接着防止機構に関して、図2に関係のあるコメントをさらに参照されたい。
【0090】
製造されるリジッド−フレキシブルプリント回路基板のリジッド部1上への接着防止材料8の付着の領域に除外領域を設けることによって、層9のより薄い層厚がさらに行い得、上記厚さは、例えば、50μm未満、特に、40μm以下であるように選択される。製造されるリジッド−フレキシブルプリント回路基板のリジッド部1とフレキシブル部10との間に配置される非導電材料の層のそのような薄い層厚を設けることは、製造されるリジッド−フレキシブルプリント回路基板の全体厚さの低減を促進するだけでなく、接合される部分、および後の通路またはマイクロビアの位置決めおよび位置あわせ精度も向上される。
【0091】
図7は、多層構造として、リジッド部1およびフレキシブル部10によって形成されたリジッド−フレキシブルプリント回路基板の断面図を示し、ここで、分割11が、ミリング端7の領域において、次いで分離されたリジッド部分領域12、13間に設けられた。この分割11は、平面材料層を接続した後、図1の工程S6によってその後除去される部分領域を構成する。プリント回路基板のフレキシブル部10とその後分離されるリジッド部分領域12、13との接続が、追加のマイクロビアまたは通路14によって達成可能であることがさらに示される。
【0092】
図7による説明図からさらに明らかなように、除去される非結合領域または部分領域11の切断深さに関して、非常に正確な許容範囲を考慮または観察する必要なしで、接着防止材料8の付着による接続のないまたは接続防止領域をもたらすことによって、非結合領域の作製、およびしたがって、後の方法工程も促進することが可能である。
【0093】
プリント回路基板の、抗接着材料8およびリジッド部1またはその後分離されるリジッド部12および13とフレキシブル部10との間に配置される非導電または誘電体の層9の適切な選択によって、電気および電子機器で特定の危険物を使用する場合に要求される法的制限を考慮に入れることが容易に実現可能である。
【0094】
抗接着材料8の付着によって未結合領域を設けることによって、簡単な方法工程が、特に、フレキシブル部10とリジッド部1との間に配置される層9の準備または製造、および分割を実現するための後の方法工程にて行い得る。
【0095】
フレキシブル部10およびリジッド部1、および相互に分離されたリジッド部12、13を接続するための薄い層厚、およびしたがって達成可能な薄い層厚および位置あわせ精度におけるしたがって生じる向上を使用することによって、大きな構成でさえ、例えば、18×24インチより大きいHDI回路基板の製造構成において、回路基板に非常に複雑な部品のためのフレキシブル層10を設けることがさらに可能となった。
【0096】
多層リジッドプリント回路基板の実施形態、またはプリント回路基板のリジッド部1は、図3から図7に表されており、多層構造のような多層プリント回路基板の簡略化された例を、図示するために単に表し、ここで、多数または複数の、特に、導電層2およびマイクロビア5または通路6、14を介してのフィードスルーは、それぞれ、製造される部品の所望の複雑さに応じて採用されてもよい。
【0097】
変形多層構造の図8から図12で説明された例示的な実施形態において、再び、製造される多層プリント回路基板の形態で、そのようなプリント回路基板の構造化コアが、20によって概して示され、コア20は、特に、図8で表される上部層が、図1の工程S1にしたがってそれに応じて構造化された状態のいくつかの層を含む。
【0098】
コア20は、1つまたはいくつかの層からなり、実質的に平面の材料層を構成し、部分領域において、その後、図9で説明されるように、追加の実質的に平面の材料層としてさらなる層またはプライとの接続のために、例えば、図1の工程S2によって、接着防止材料または抗接着材料21を備え、上記抗接着材料は、例えば、スクリーン印刷によって付着される。
【0099】
図9に表されるようにコア20によって形成された実質的に平面の材料層上の接着防止材料21の付着に続いて、例えば、複数の再び実質的に平面の材料層22、23を備えた平面コア20の積層工程によって、図1の工程S3、S4によるそれ自体公知の方法での接続または結合が達成され、抗接着材料を備えた部分領域が、図10で21によって再び表される。図10で説明された平面材料層23は、特にその上側で、それに応じたパターン化された方法で再び設計されてもよい。
【0100】
複数の実質的に平面の材料層20、22、23間での、図10で説明された接続手順に続いて、図11から明らかなように、実質的に平面の材料層23の部分領域25の限界または画定が、切断ラインまたは圧痕24を形成しながら、例えば、切断、特にレーザー切断によって達成され、図1の工程S5に対応する。除去される部分領域25の下に設けられた抗接着材料21は、切断ラインまたは境界を定める圧痕24の形成後に、簡単な方法で、図12で表されるまたは示されるように、および図1の工程S6に応じて、部分領域25の簡単で信頼性のある除去が実現可能とされる。
【0101】
図8から図12で表された実施形態において、追加の層が個々の実質的に平面の材料層間および/またはそばに示され、追加の層は、多層プリント回路基板の製作の状況においてそれ自体公知であり、したがって、図1の工程S8に関しても表されるように、詳細に説明されない。
【0102】
図8から図12による実施形態からも、上記例示的な実施形態によって接着防止材料21を付着することによって、実質的に平面の材料または材料層20、22、23を接合する状況においてもたらされる未結合領域が、それに結合される少なくとも1つの実質的に平面の層23の部分領域25の簡単で信頼性のある除去をその後可能にすることがはっきりと明らかである。
【0103】
切断、および例えば図11で説明、言及されるレーザー切断操作は、図3から図8による実施形態で説明されるようなミリング操作、またはスクラッチングまたは少なくとも1つの材料層23の同様の分割操作と交換されてもよい。
【0104】
図12では、スプレーヘッドまたはスプレーノズル27がさらに表され、それによって、上記識別された種類の剥離媒体が、除去される部分領域25の領域においても多層回路基板のさらなる処理を可能とするように、接着防止材料21の残留物を除去するために、表されたジェット28に応じて、および除去される部分領域25の除去後に図1の工程S7に応じて適用される。
【0105】
図8から図12による実施形態から、中空空間または空洞26、特に、三次元中空空間が、例えば、部分領域25を除去することによって多層プリント回路基板の部分領域または個々の層またはプライに形成され得ることは明らかである。
【0106】
さらに、多層プリント回路基板の内部領域または内部層に、分離された要素をその後に配置するために、部分領域または要素25の除去によって形成されたそのような空洞26を使用することが可能である。
【0107】
部分領域の除去は、さらに、特別の付着のためのオフセットおよび/または階段状部分領域を備えたプリント回路基板の製造を可能にする。
【0108】
印刷方法、例えば、抗接着材料8または21の付着のための上記例示的な実施形態において言及されたスクリーン印刷に加えて、オフセット印刷、フレキソ印刷、タンポン印刷、インクジェット印刷等が、それぞれ特に、抗接着材料の性質に応じてもたらされる、または使用されてもよい。
【0109】
パターン化された方法で金属石鹸系接着防止材料8または21を付着するために本発明によって提供される選択肢によって、後の方法工程は、特に、多層構造のその後に除去可能な部分領域11または25の除去に関して簡単な方法で促進される。
【0110】
例えば、簡単な印刷技術によって付着されることが可能である抗接着材料層8または21を使用することによって、先行技術において、例えば、分離ホイルのためにもたらされるような構成および調合技術が除かれることができる。
【0111】
特に、多層プリント回路基板の製造および処理または加工の状況では、抗接着材料8または21の露出または提供は、既に上記されたように、例えば、部分的厚さの低減によって、追加の部品のための空間26の形成を可能にする。そのような多層プリント回路基板の内部に、特におよび実質的に空間26のそのように設けることは、さらに、このようにプリント回路基板の小型化の要件を考慮して、そのような部品の埋め込みによってそのような多層プリント回路基板の全体厚さの低減を可能にする。
【0112】
特に、任意に残留する抗接着材料21の除去後に、スプレーノズル27によって、図12に表されるように、抗接着材料21の残留物が接触を改善するために除去された状態で、そのような凹部または空洞26の底に直接的に、例えば、除去された部分領域25の領域に配置されるために、追加の部品を接触することが可能となる。その際に、例えば、図12で説明されるように、その後に製造される空洞26の領域で、図8に設けられた材料層20の場合に、それぞれの接触要素または導電構造を配置することが簡単な方法で可能である。
【0113】
既に上記指摘されるように、空洞26を形成しながらの部分領域25の後の除去は、それに応じて三次元開口または任意に閉じた空洞を設けることを実現可能とし、ここで、例えば、図12で表された状態から外れる場合に、図1の工程S8に対応して多層プリント回路基板のさらなる層を設けることが実現可能である。
【0114】
接着防止材料8または21の適切な選択または配置によって、さらに、例えば、第1の実施形態を参照して、図7で表されるように、そのような多層導体構造のいくつかの層にわたって空洞26の形成を可能にすることができる。
【0115】
プリント回路基板の製造の状況では、このようにして、例えば、部分領域25を除去することによって位置あわせ要素のそれに応じた簡略化された露出をもたらすことも可能となる。
【0116】
階段状またはオフセット部分領域の形成は、例えば、多層プリント回路基板の介在部またはオーバーラップ部の生成を可能とする。
【0117】
接着防止材料8または21を付着することにより、部分領域を除去することによって、例えば、その完全な代用を要求するというよりは、接着防止材料が、そのような部品の不具合の場合に、部分領域を除去することによって、プリント回路基板の修理を可能とするように、高い故障または損傷率を場合により受ける部品の領域における予防措置として設けられる場合、埋め込まれた部品を備えた、既に存在するまたは装着されたプリント回路基板の修理の選択肢を提供することがさらに可能となり、したがって、部品の簡単な交換および接合される少なくとも2つの実質的に平面の材料層からなる多層構造の簡単な提供を可能にする。
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに接続される、特に、共に押圧される複数の伝導または導電および非伝導または絶縁層またはプライから多層プリント回路基板を製造する方法に関し、ここで、少なくとも部分的平面層を接続した後、少なくともその部分領域が除去され、除去される部分領域の接着を防止するために、接着を防止する材料が、除去される部分領域に隣接する層上に、除去される部分領域にしたがって付着される。本発明は、さらに、そのような方法で用いる接着防止材料、そのような方法によって、および/またはそのような接着防止材料を使用することによって製造される多層プリント回路基板、および多層プリント回路基板の製造に関連するそのような方法または接着防止材料の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
後の説明は多層プリント回路基板の製造に言及するが、当然のことながら、本発明による方法は極めて多様な応用分野で使用されてもよく、ここで、部分領域を、実質的に平面の材料層から、少なくとも1つのさらなる実質的に平面の材料層との接続後に除去することが目的とされる。一般的に、本発明は、多層構造に関連して付着可能であり、それから、多層構造の製造後に部分領域が取り去られ、または層またはプライの1つが少なくとも部分的に除去されることになる。この状況では、複雑な方法および構造が例えば公知であり、特に、接続される材料層を接続するために使用される少なくとも1つの接続層を前加工することによって、およびこれに応じた高い操作費用および接続される材料層の後の適切な位置付けまたは位置あわせのために必要なこれに応じた高い費用で、そのような材料層の接続後に部分領域を取り去るまたは除去することを目的とする。実質的に平面の材料層は、多層プリント回路基板に加えて、例えば、接続される紙状、ボール紙状の層または要素、例えば、箔、シートまたは金属板等の実質的板状またはシート状要素を含む場合がある。実質的に平面のまたは板状の材料を接続する状況では、例えば、特に、少なくとも部分領域の任意に必要とされる後の除去を目的として、接続手順の間に、接続される材料層の接着を保証する箔の部分領域が、凹部を備えるように接着性を有する箔を適切に前加工することが公知である。
【0003】
実質的に連続の接着箔に加えて、前加工された分離箔が、例えば、独国特許第4003344C号明細書から理解され得るように、その後除去される部分領域に応じて選択的に使用されてもよい。そのような接続箔または接着箔および/または分離箔の前加工は、それに応じて高い費用を伴い、さらに、そのような、特に前加工された箔の介在を介して接続される材料層の位置あわせおよび位置付けへのそれに応じた高い要求を設定することが直ちに明らかとなる。
【0004】
国際公開第2008/098271号または国際公開第2008/098269号から、最初に規定された種類の方法が、例えば、さらに理解され得、ここで、ろう状ペーストが接着防止または抗接着材料として使用され、それによって、そのようなろう状ペーストは、その付着および高圧および/または高温下でいくつかの層からなる多層回路基板の後の押圧後に、抗接着材料の漏出を引き起こす可能性がある。ろう状材料の使用は、さらに、そのような抗接着材料がほとんど除去され得ない、または例えば、除去される部分領域が除去された領域における多層回路基板の後のパターニングおよび/または接触を可能にするために、除去される部分領域の除去後に多大な努力をもってのみ除去される欠点を伴う。
【0005】
多層電子部品、特に多層プリント回路基板の製造の状況では、そのような電子部品の設計は、過去数年間で複雑性が増大しており、能動部品とプリント回路基板の部品との間の接続ポイント数の増大を一般的にもたらし、ここで、サイズ低減の増大は、同時に、そのような接続ポイント間の距離の低減を要求した。プリント回路基板の製造の状況では、いわゆる高密度相互接続(HDI)におけるいくつかの回路基板層を通るマイクロビアによってそのような部品接続ポイントのもつれを解くことが提案されている。
【0006】
例えば、空洞または中空空間の形成に関連して、プリント回路基板の設計および構成の複雑性の増大、およびしたがって伴われる小型化に加えて、回路基板において折りたたみ可能または曲げ可能な接続をもたらす目的でさらなる要求が言及されており、それらの要求は、ハイブリッド技術の開発、およびいわゆるリジッド−フレキシブルプリント回路基板の使用をもたらした。そのようなリジッド−フレキシブルプリント回路基板は、回路基板リジッド部または部分領域、およびそのようなリジッド部を接続するフレキシブル部を含み、信頼性が向上し、設計および構成の点からさらなるまたは追加の選択の自由を提示し、さらなる小型化を可能にする。
【0007】
そのようなリジッド−フレキシブルプリント回路基板の製造のために、回路基板のリジッド部およびフレキシブル部に対応するとともに誘電体からなる接続層が、上記リジッド部とフレキシブル部との間に設けられ、それによって、例えば、熱処理によって回路基板のリジッド部およびフレキシブル部の接続を引き起こす適切なシート状層またはフィルムの配置が、通常、比較的厚い層をもたらす。そのような厚い層は、多層回路基板の製作において所望の小型化をさまたげるだけでなく、マイクロビアの形成のための後のレーザーボアホール形状およびそれに応じた狭い間隙を介した接続部位に必要な位置あわせ精度の損失を引き起こす。非導電材料または誘電体層からなるそのような公知の厚い層は、特に、適切な前加工または構成が、プリント回路基板のリジッド部の後の分離または切断に応じて行われなければならないので、回路基板のリジッド部とフレキシブル部との間で要求される接続を生成するためのさらなる処理または工程段階および/またはより複雑な設計をさらに必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】独国特許第4003344C号明細書
【特許文献2】国際公開第2008/098271号
【特許文献3】国際公開第2008/098269号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記先行技術の問題を回避しながら、本発明は、多層プリント回路基板を製造する方法を提供することを目的とし、ここで、いくつかの層またはプライを接続、特に押圧した後、部分領域が確実に除去され得、特に、容易で確実に付着可能な接着を防止する材料が提供され、それは、さらに、除去される部分領域の領域においても、多層プリント回路基板の信頼性のあるさらなる処理を保証するように、除去される部分領域の除去後に、容易で、確実に、完全に再び除去されることが可能であることが好ましい。本発明は、さらに、そのような方法で使用される、そのような接着防止材料または抗接着材料、多層プリント回路基板、および先行技術の上記問題を回避するとともに上記目的および特有の特徴を実現しながら、多層プリント回路基板を製造するための方法の使用または抗接着材料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
これらの目的を解決するために、最初に規定された種類の多層プリント回路基板を製造する方法は、接着を防止する材料が、少なくとも1つの金属石鹸、好ましくはAl、Mg、Ca、NaおよびZnの脂肪酸塩をベースとする剥離剤、結合剤、および溶媒を含む混合物によって形成されることを基本的に特徴とする。本発明による接着防止材料は、結合剤および溶媒に加えて、剥離剤として少なくとも1つの金属石鹸を含むので、接着防止材料は容易にかつ確実に付着され、特に、高温および/または高圧下で、特に、個々の層またはプライを接続することに関しては、特に、多層プリント回路基板の製造におけるいくつかの加工手順後でさえ、最適の分離効果をもたらすことができることが保証される。さらに、剥離剤として少なくとも1つの金属石鹸を使用する場合、接着防止材料を付着する場合の向上されたパターニングが、例えば、ろう状ペーストのような公知の材料とは対照的に達成され、そのようなパターンが、後の接続または押圧手順の間でさえ確実に維持されることが分かった。本発明によれば、そのような金属石鹸は、Al、Mg、Ca、NaまたはZnの脂肪酸塩の形態で使用されることが好ましく、これは、特に、部分領域の接着を安全に防止し、したがってその簡単で後の除去を可能にする、容易で確実で実行可能で処理可能な材料を提供する。
【0011】
所望の抗接着性を達成するための確実で実行可能で処理可能な剥離剤を提供するために、好ましい実施形態によれば、剥離剤が、例えば、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸などの飽和脂肪酸および不飽和脂肪酸をベースとして使用されることが提案される。
【0012】
特に、少なくとも部分的に高圧および/または高温を使用することによって、多層プリント回路基板を製造した後に所望の分離効果を得るために、さらに好ましい実施形態によれば、剥離剤は、接着防止材料の60重量%未満の量、特に約5重量%〜45重量%の量で使用されることが提案される。
【0013】
付着手順の間の、接着防止材料の信頼性のある固定または配置のために、特に、本発明による接着防止材料の剥離剤の接着を保証し、かつ所望のレオロジーを調節して接着防止材料の信頼性のある簡単な付着を可能にするために、セルロース誘導体、特にセルロースエーテルまたはエステル、好ましくはエチルセルロースが、結合剤として使用されることが、さらに好ましく提案される。
【0014】
多層プリント回路基板を製造する場合、特に、硬化樹脂層および/または未硬化樹脂層を備えた銅の層は、接続手順、特に押圧手順、特に高温および/または高圧下で互いに接続されることが予想される。その際に、未硬化樹脂層の樹脂は、例えば、約70℃の温度で液体になり、約200℃へのさらなる温度上昇で重合によってデュロプラスト(duroplast)として固体状態に達し、これは、多層プリント回路基板の製造において個々の隣接層の接続を引き起こす。
【0015】
個々の層の接続手順の間の、セルロース誘導体、特にエチルセルロースの形態でのバインダーの使用は、特に、接着防止材料が移動による接続手順の間にバインダーを激減するように、例えば、多層プリント回路基板のエポキシ樹脂またはフェノール樹脂の、接続手順の間に液化する樹脂層の隣接層への上記バインダーの移動を引き起こし、したがって、接着防止材料がある、または付着される境界層上でのバインダーの激減により、除去される部分領域を除去する場合に、その後所望の分離効果をさらに向上する。
【0016】
その後に接着を防止する材料の付着手順の間に、特に、信頼性のある接着または固定に関して、所望の特性を達成するとともに、多層プリント回路基板の隣接層またはプライへの接続手順の間の移動による上記分離効果の向上を達成するために、さらに好ましい実施形態によれば、結合剤の量が、35重量%未満、特に3重量%と25重量%の間となるように選択されることが提案される。
【0017】
接着防止材料の信頼性のある付着について、接着防止材料は、さらに溶媒を含み、ここで、本発明による方法のさらに好ましい実施形態によれば、溶媒は220℃未満、特に約180℃〜200℃の沸点を有する。比較的高い沸点を有するそのような溶媒を使用することによって、一方では、製造されるプリント回路基板のさらなる層またはプライの配置に先立って、例えば、溶媒の早期乾燥に関する問題が、接着防止材料の付着の間に生じないことが保証される。他方では、溶媒のそのような沸点は、個々の回路基板層またはプライを接続する状況において、温度を例えば220℃の温度まで上昇する場合に、溶媒が接着防止材料から実質的に完全に除去される、または蒸発されることを保護する。
【0018】
接着防止材料の所望の特性をもたらすために、本発明による方法のさらに好ましい実施形態によれば、エチレンまたはポリプロピレングリコールエーテルおよびエステルが溶媒として使用されることが提案される。接着防止材料のそれに応じて良好な加工性をもたらすために、さらに、溶媒の量が、接着防止材料の85重量%未満、特に30重量%〜80重量%であることが提案されることか好ましい。
【0019】
既に上記数回指摘されたように、本発明による方法の状況で使用される接着防止材料は、特に、剥離剤として少なくとも1つの金属石鹸を使用することによって、特に信頼性のある付着およびそれに応じて良好なパターニングを可能にし、ここで、この状況では、さらに好ましい実施形態によれば、接着防止材料が、印刷工程、特にスクリーン印刷、ステンシル印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、タンポン印刷、インクジェット印刷等によって付着されることが提案される。これは、部分領域のその後の除去のために、接続から除かれる領域、または接着を防止する部分領域の特に簡単で位置が正確な付着を保証する。そのような印刷工程は、さらに、それ自体が公知であるだけでなく、様々な加工手順または工程段階の間に、個々の層またはプライをパターニングするためのプリント回路基板の製造に関連して、部分的に広く使用され、その結果、本発明による方法をさらに使用する多層プリント回路基板の製造における手順の経過が、多層プリント回路基板の製造のための方法制御の基礎的変更を必要とせず、補足的で容易に一体可能な方法の工程のみで十分である。
【0020】
本発明による方法に関する接着防止材料の特に簡単な処理を保証するために、接着防止材料がその付着後に乾燥および/または硬化工程を受けることがさらに提案されることが好ましい。そのように乾燥および/または硬化工程は、接着防止材料に使用され、特に、多層プリント回路基板の隣接する材料層またはプライにしたがって選択される材料に応じて行われることができる。
【0021】
除去される部分領域の本発明によってもたらされた除去を維持する、または接着を防止しながら、接着防止材料の所望の薄い層厚を得るために、さらに好ましい実施形態によって、接着防止材料は、25μm未満、特に15μm未満の層厚で付着されることが提案される。
【0022】
既に上記数回指摘されたように、その後除去される部分領域の接着は、高温および/または高圧下での多層プリント回路基板の製造の状況における複合処理または加工手順でさえ防止されることが保護されなければならない。少なくとも1つの金属石鹸をベースとし、接着防止材料のために本発明によって提供された剥離剤のために機能する分離原理は、除去される部分領域の後の除去を可能にし、多層プリント回路基板の製造における接続手順の間に相互に隣接する層またはプライ間の極性差による不適合に基本的に依存する。この状況では、接着防止材料が、隣接する実質的に平面の層またはプライに対して極性差を含むことがさらに好ましい実施形態によって提案される。接続または押圧手順の間に、特に、エポキシ樹脂またはフェノール樹脂の液化樹脂層を液化する接着防止材料と多層回路基板の層との間にそのような極性差をもたらすことによって、相境界面は、互いに隣接する層が混合しないように形成し、特に、接着防止層と隣接層の間で接続は確立されない。以下に詳細に説明されるように、例えば、側面領域の除去後に、除去される部分領域のそれに応じた安全な除去を可能にするように、この相境界面は、また、接続または押圧手順に続いてその後の冷却後に維持される。
【0023】
抗接着材料の付着による露出によって所望の分離効果を達成するために、抗接着材料は、少なくとも100℃、特に120℃の軟化点または融点を有することがさらに好ましい実施形態によって提案される。接続手順の間の多層プリント回路基板の製造における接着防止材料の層のそのような高軟化点または融点により、その時の接続手順の間に液化する材料の粘性は、接着防止材料の液化された剥離剤が製造される所望の構造の境界を越えて押圧されることを防止するようにすでに十分に高い。したがって、上記のように接続または押圧手順の間の温度のさらなる上昇でさえ、接着防止材料によって、部分領域の後の除去に必要な露出が、確実に維持されることが保証される。接続または押圧手順の間に、接着防止材料は、その後に除去される部分領域の領域において、比較的高い軟化点または融点で液体層の形成によって、その後除去される部分領域に隣接する領域において所望または求められるように、連続的な接続、例えば、互いに隣接する材料層または接続される材料層の接着または接続を防止する。
【0024】
既に上記されたように、本発明による方法の状況において、接着防止材料のための剥離剤として少なくとも1つの金属石鹸の使用は、さらに、除去される部分領域の除去後に、除去される部分領域の除去後に場合により存在する抗接着材料の残留物が、確実に除去可能であることを保護し、ここで、この点で、本発明による方法のさらに好ましい実施形態によれば、接着防止材料は、除去される部分領域の除去後に剥離媒体を付着することによって除去されることが提案される。
【0025】
本発明のさらなる好ましい実施形態によれば、剥離媒体の所望の除去特性を得るために、剥離媒体は高沸点溶媒と酸の混合物からなることがさらに提案される。高沸点溶媒と酸の混合物からなる剥離媒体を提供することによって、接着防止材料は、例えば、除去される部分領域の領域でもさらなるパターニングおよび/または接触を考慮して、多層プリント回路基板のさらなる処理または加工手順を可能にするように、除去される部分領域の除去後に確実に除去され得る。
【0026】
剥離媒体の特に信頼性のある付着のために、および除去される部分領域の除去後、接着防止材料またはその残留物の所望の洗浄または分離効果を達成するために、剥離媒体に関してさらに好ましい実施形態によって、接着防止材料は、溶解性を向上するために、超音波または機械的撹拌器を使用して高圧下または浸漬ベースン内で特に加熱された溶媒を吹きつけることによって除去されることが提案される。
【0027】
剥離媒体のそれに応じた信頼性のある良好な付着特性を達成するために、剥離媒体は、高沸点溶媒の少なくとも80%、特に少なくとも90%を含むことがさらに好ましい実施形態によって提案される。
【0028】
溶媒が、塩素化溶媒に加えて、エチレングリコール、ジエチレングリコールおよびポリグリコールエーテル、特に、ブチルグリコール、ヘキシルグリコール、ブチルジグリコール、プロピレングリコールエーテルおよびエステル、特に、酢酸塩、アルコール、ケトンおよびエステルからなる群より選択される場合、接着防止材料の特に信頼性のある分離効果が達成されることが好ましい。
【0029】
上記示されるような高沸点を有する溶媒に加えて、本発明による方法の状況で使用される剥離媒体は、酸も含み、ここでそれに応じた所望の洗浄効果を達成するために、剥離媒体中の酸は、20重量%未満、特に0.5重量%〜10重量%の量で使用されることが好ましい実施形態によって提案される。
【0030】
所望の分離効果を達成するために、および多層プリント回路基板の製造のために採用される材料に応じて、剥離媒体のためのさらに好ましい実施形態によれば、剥離媒体に含まれる酸が、例えば、塩酸または硫酸などの無機酸、または例えば、特にシュウ酸、酢酸、ギ酸などの有機酸、または例えば、エチレンジアミン四酢酸などの錯酸からなることが提案される。そのような酸の使用は、接着防止材料の残留物の所望の洗浄または分離効果を保証し、ここで、そのような酸を使用することによって、特に、伝導または導電層のエッチングまたは研磨効果も、同時に、必要に応じてまたは必要なら、除去される抗接着材料の領域で達成され得る。
【0031】
採用される剥離媒体、さらに多層回路基板の製造に使用される材料に応じて、接着防止材料の除去が150℃未満の温度、特に20℃と120℃の間で行われることがさらに好ましい実施形態によれば提案される。このように、同時に多層プリント回路基板の特に隣接層を残しながら、接着防止材料は、除去される部分領域の除去後に、それに応じて急速で容易に除去され得る。
【0032】
多層プリント回路基板の製造の状況では、多層回路基板の、接続される層またはプライは、積層工程によって接続されることが、さらに好ましい実施形態によれば提案される。そのような積層工程の状況では、例えば、接着防止材料の軟化点または融点、およびそれに含まれる溶媒の沸点を考慮して、接着防止材料の上記材料特性に加えて、この目的を達成するために採用される多層プリント回路基板および材料の製造に特に関連して、特別の要件を考慮に入れることもしたがって可能である。
【0033】
接続される平面材料層を接続した後に除去される部分領域の、特に信頼性のある簡単な除去または分離については、除去される少なくとも1つの部分領域のエッジ領域が、本発明による方法のさらに好ましい実施形態によれば、ミリング、スクラッチング、切断、特にレーザー切断によって画定および/または除去されることがさらに提案される。そのようなミリング、スクラッチングおよび切断等の手順は、それに応じて、接続される平面材料に対応して正確で確実に行われることができ、ここで、例えば、多層プリント回路基板の製造の状況などの、わずかな厚みを有する材料を使用する場合でさえ、分離手順のそれに応じて正確で信頼性のある性能が提供される。観察される許容範囲に関する要件は、さらに、それに応じて接着防止材料層により低減される。
【0034】
最初に規定された目的を解決するために、本発明による方法で使用される接着防止材料がさらに提供され、それは、少なくとも1つの金属石鹸、好ましくはAl、Mg、Ca、NaおよびZnの脂肪酸塩をベースとする剥離剤、結合剤および溶媒を含む混合物によって接着防止材料が形成されることを実質的に特徴とする。これは、既に広範囲に説明されたように、本発明による接着防止材料の簡単な加工性、信頼性のあるパターニング、およびその残留物の簡単で安全な後の除去の点から、有利な特性の達成を可能にする。
【0035】
既に数回指摘されたように、本発明の方法および/または多層プリント回路基板の製造のための接着防止材料を使用することが本発明によって提案される。
【0036】
特に、本発明によるそのような使用の状況では、さらに、中空空間、特にプリント回路基板中の三次元中空空間または空洞の製造のための、本発明による方法、または本発明による多層構造を使用することが提案されることが好ましい。
【0037】
このように製造された中空空間、空洞、特にチャンネルは、さらに、液体またはガス状物質を搬送し、または、チャンネルの場合には、好ましい使用によれば、プリント回路基板からの熱の拡散または散逸のための異なる幾何学的図形の金属を導入するためでも使用され得る。
【0038】
さらなる好ましい使用によれば、そのような空洞、特にプリント回路基板における光または音波を伝送するためのチャンネルを使用することがさらに考えられる。このように、空洞に挿入されるLEDと併用される場合、プリント回路基板からの斜光照明が、例えば提供され得る。
【0039】
これらの空洞、特に、チャンネルは、音を伝送するためにさらに使用されてもよく、したがって、とりわけ、手持ちサイズのコンピュータ、PDA、携帯電話のようなモバイル電子装置を備えたマイクロホンやスピーカーの分野での使用時の雑音および暗騒音を抑制する大きな利点をもたらし、それは当業者による雑音消去と簡潔に称せられる。
【0040】
さらに、これらの空洞または中空空間、特に、ガルバニックまたは化学−物理析出工程によって、またはスパッタリング、PVD、CVDなどのガス相からの析出工程によって、金属粒子、または絶縁層または抑止層を備えたチャンネルを提供するとともに、例えば、センサーの場合に液体、固体またはガス状物質を受けるための活性化学表面を備えた、そのような伝導層または密閉コートまたは層を堆積および積層することが提案されることが好ましい。
【0041】
本発明による方法の使用のさらに好ましい選択としては、プリント回路基板における少なくとも1つのチャンネルの製造、中空空間の形成のための露出、特にプリント回路基板における三次元中空空間または空洞、プリント回路基板のオフセットおよび/または段階的部分領域の製造、多層プリント回路基板の内側または内部層における少なくとも1つの要素、特に位置あわせ要素の露出、および/またはリジッド−フレキシブル回路基板の製造が挙げられる。
【0042】
下記では、本発明が、本発明の接着防止材料および接着防止材料をその後除去するための剥離媒体を使用する、本発明による多層プリント回路基板を製造するための本発明による方法の、添付図面で概略的に説明される例示的な実施形態によってより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】多層回路基板を製造するための本発明による方法の概略フローチャートである。
【図2】本発明による多層回路基板および接着防止材料の製造の状況において例示的に使用される樹脂材料の概略温度および粘性図を示す。
【図3】リジッド−フレキシブル回路基板のリジッド部の形態で、本発明によって製造される多層回路基板の平面材料層の第1の実施形態の概略断面図を示す。
【図4】図3に類似する説明図において、リジッド−フレキシブルプリント回路基板のリジッド部の断面図を示し、ここで、リジッド部の除去される部分領域の後の分離の領域にミリング端が設けられている。
【図5】図3および4に類似する説明図において、リジッド−フレキシブルプリント回路基板のリジッド部の断面図を示し、ここで、本発明による接着防止材料が、後の分離の領域およびミリング端に設けられる、または付着されて、リジッド部によって形成された実質的に平面の材料層とプリント回路基板のフレキシブル部との直接接続を防止するための露出領域を設ける。
【図6】図1から図5に類似する他の断面図をさらに示し、ここで、非導電または誘電体の層および第2の実質的に平面の材料層としてのリジッド−フレキシブルプリント回路基板のフレキシブル部は、第1の材料層のリジッド部上に配置または固定されている。
【図7】他の同様の断面図において、リジッド部を通って切断した後にリジッド−フレキシブルプリント回路基板の形態での本発明による多層構造を示す。
【図8】本発明の方法によって製造される本発明による多層構造として、多層プリント回路基板の実質的に平面の材料層の変形された実施形態の概略断面図である。
【図9】図8に表された平面材料層の概略断面図を示し、ここで、本発明による接着防止材料の層、または、接着防止材料が、付着される。
【図10】図8および図9で説明された平面材料層の概略断面図を示し、少なくとも1つのさらなる平面材料層と接続されて、本発明による多層プリント回路基板を製造する。
【図11】図10に類似する説明図において、その後除去される多層構造の部分領域の概略断面図を示し、切断によって定められる、または画定される。
【図12】図11に類似する説明図であり、図11の切断または定められた部分領域が除去される。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図1の概略フローチャートでは、製造される多層回路基板の第1の材料層の供給が、第1のステップS1でなされ、ここで、任意に、さらなる準備工程(プリント回路基板の製造のためにそれ自体公知であり、簡単にするために詳細に説明されない)後に、接着防止材料の付着が工程S2で行われ、それは以下に詳細に説明される。後の処理および工程段階中に除去される部分領域の領域における接着防止材料の付着は、特に、次の図によってさらに詳細に説明されるように、さらなる処理および工程段階、特に、次の図で説明される多層回路基板の接続および/または押圧手順後に、その部分領域の後の除去を可能にする。
【0045】
工程S2による接着防止材料の付着後に、工程3において、伝導または導電および非導電または絶縁材料の、製造される多層回路基板のさらなる層またはプライが配置または設けられる。
【0046】
この後、製造される多層回路基板の、工程S1およびS3で設けられた個々の層またはプライの接続が、多層回路基板の製造の状況で公知のように、高温および/または高圧を適用しながら、特に押圧することによって、同様に公知の方法で、工程S4で確立される。
【0047】
工程S4による接続、特に、押圧手順に続き、任意の工程S5が図1のフローチャートに設けられ、これによれば、除去される部分領域のパターニングは、例えば、側面の縁を生成または画定することによって、例えば、その後除去される部分領域が、例えば、既に工程S3のそれに応じてパターン化された状態で設けられないまたは付着されないなら、以下にさらに詳細に同様に説明されるようにミリングまたは切り込みによって行われる。
【0048】
任意に設けられた工程S5に続いて、除去される部分領域の除去は、図1によるフローチャートの工程S6で達成され、接着防止材料を使用することによってそれに応じた簡単で信頼性のある方法で、除去される部分領域の上記除去が実現可能である。
【0049】
工程S6によって除去される部分領域を除去した後に、接着防止材料の残留物の除去は、剥離材料を使用することによって工程S7で任意に行われ、ここで、例示的な実施形態によって詳細に下に説明されるように、少なくとも1つの金属石鹸ベースの接着防止材料の使用により、それに応じた信頼性のある簡単な除去が可能となり、ここで、任意に採用される剥離媒体については、以下に説明される例示的な実施形態を参照されたい。
【0050】
工程S7による接着防止材料の残留物の任意の除去に続いて、多層回路基板のさらなる層またはプライのさらなる受け入れまたは配置、及びそのパターニングが、公知の方法で再度、任意に行われ、ここで、そのようなさらなる工程の詳細な説明は、後の処理または工程段階についての熟知していることにより省略された。
【0051】
複数の伝導または導電および非導電または絶縁層またはプライを接続、特に押圧することによる多層回路基板の製造の状況で、流量特性および溶融粘度の点から、部分的にこれに応じた大きな相違を含む、通常採用されたガラス繊維強化樹脂材料が、そのような多層回路基板の製造に使用されることが公知である。
【0052】
多層回路基板のそのような層またはプライを接続または押圧する状況で、そのようなガラス繊維強化樹脂のプリプレグの融解粘度の最小値は、例えば、前架橋の程度によって一般的に決定され、さらに、例えば、多層回路基板の製造に使用されるプレスでもたらされる加熱速度に依存する。エポキシ樹脂ベースのプリプレグまたはガラス繊維強化樹脂材料は、例えば、最小の融解粘度を有し、したがって、液化は、2℃と5℃の間の典型的な加熱速度で、70℃と100℃の間の範囲に及び、概略的に図2に示される。
【0053】
粘性は、最小の粘性およびそれぞれのゲル点に達した後に、ほとんど、樹脂の進行する架橋により急上昇し、多層回路基板の製造で使用されるそのような樹脂材料の急冷凝固を通常もたらし、図2による温度上昇での粘性の急激な上昇を参照されたい。そのような凝固は、強く上昇する粘性をもたらしながら、非常に短い時間、例えば1分〜3分内に生じることが可能である。
【0054】
多層回路基板の製造で通常使用される材料のこの本質的に公知の粘性挙動を念頭に置いて、少なくとも1つの金属石鹸ベースの剥離剤が、接着防止材料に使用され、剥離剤は、多層回路基板の製造で通常採用される材料の凝固を考慮して、強く上昇する粘性の開始後のみに減少する剥離剤または接着防止材料の粘性によって、図2の概略図で示されるように、多層回路基板の製造で通常使用される材料の最小粘性に達する前に融解しない、または粘性が減少する。
【0055】
採用された剥離剤が融解し、したがって、粘性が減少するなら、既に、樹脂材料が比較的低粘性を有した時に、概して、多層プリント回路基板の層またはプライの接続の間に生じる高温および高圧により、以下に詳細に説明されるように、接着防止材料または剥離剤の所望のパターン化された付着が確実に保証され得ないことが予想されるにちがいない。
【0056】
互いに隣接する層またはプライまたは材料間の異なる極性の場合には、接着防止材料が、製造される多層回路基板の隣接層またはプライに対する極性差を含むことが好ましいように、そのような互いに隣接する層または材料の混合が大部分防止されることがさらに公知である。極性のそのような差は、採用された剥離剤または接着防止材料の粘性の低下の開始でさえ、まだ低い粘性を有する可能性がある樹脂材料との混合が、接着防止材料の所望の分離効果の信頼性のある維持を可能にするように防止されることを保証する。そのような好ましい極性差をもたらすことによって、剥離剤または接着防止材料が、任意の複合接続または押圧手順の間でさえ、多層回路基板の隣接層またはプライに対してその分離効果を失わないことがさらに保証され、その結果、所望の分離効果が維持される。
【0057】
図2から明らかなように、融解の開始または剥離剤の粘性の最初の低減で、多層回路基板の隣接した材料の粘性が、互いに隣接する材料が境界表面の領域で混ざることを防止するように、既に十分に高い、または増大することを保証するために、剥離剤は120℃より高い、好ましくは140℃〜160℃の融点を有することが、多層回路基板の製造で通常使用される材料および提供される剥離剤または接着防止材料の両方の相互に調整された粘性を達成するために不可欠である。
【0058】
以下に詳細に説明されるように、少なくとも1つの金属石鹸ベースの少なくとも1つの剥離剤に加えて、接着防止材料は、また、溶媒に加えてバインダーを含み、バインダーは、例えば、所望のパターニングを達成するための接着防止材料をインプリントすることによって、付着手順の間に有利な特性を特にもたらす。
【0059】
そのようなバインダーは、例えば、セルロース誘導体、特にセルロースエーテルまたはエステル、好ましくはエチルセルロースからなり、エチルセルロースの使用は、行なわれる印刷手順および達成されるパターニングに関して有利な特性をもたらす。そのような金属石鹸およびエチルセルロースの強く異なる溶解性を念頭に置いて、バインダーとしてのエチルセルロースの使用は、さらに、多層回路基板の個々の層の接続または押圧手順の間に、隣接する樹脂材料に少なくとも部分的に移動するエチルセルロースの適度な極性のマトリックスの利点を提供し、その結果、接着防止材料は、隣接する材料層に対する境界表面上のエチルセルロース、または一般的にバインダーを枯渇する。バインダーのそのような枯渇は、さらに、したがって、除去される部分領域の除去を促進または向上するように、接着防止材料の分離効果をさらに促進または向上する。
【0060】
除去される部分領域の除去後の既に有利な分離効果に加えて、次の図に詳細に説明されるように、剥離剤として使用される金属石鹸は、さらに、剥離媒体を用いて接着防止材料の簡単で安全な除去を促進し、例示的な実施形態によっても以下に詳細に説明される。そのような剥離媒体の使用は、接着防止材料の考えられる残留物が安全に除去され、部分領域が除去された多層回路基板の領域は、さらなる処理、例えば、後の処理または工程段階の状況で、パターン化および追加の層またはプライとの接続を受けることができることを保護する。さらに、接着防止材料の安全な除去は、例えば、修理目的のために多層回路基板の部分領域の除去を可能にし、それによって、多層回路基板のそれぞれの置換部品は、剥離媒体を用いて、接着防止材料の追加の除去後に再び使用され得る。
【0061】
接着防止層の除去は、さらに、このように製造された空洞およびその熱または電気的または熱および電気導電接続において、液状および糊状接着剤、接着箔または金属含有ペーストではんだづけする、または接着剤でつけることによって、保持手段、機械的固定等のプラスチックまたは金属の機械的部品と同様に電子部品の取り付けを可能にする。
【0062】
基本的に、様々な金属、特に、Ca、Mg、Al、Zn、Na等のステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸などの飽和脂肪酸および不飽和脂肪酸ベースの任意の金属石鹸が、接着防止材料用の剥離剤として使用され得る。金属石鹸の割合は、5%と45%の間で変化してもよい。
【0063】
さらに、結合剤のために良好な溶解性および印刷工程のために十分に高い沸点をもたらす任意の溶媒が、接着防止材料に使用され得、ここで、エチレンおよびプロピレングリコールエーテルおよびエステル(ブチルグリコール、ヘキシルグリコール、ブチルジグリコール)、ジエチレングリコールおよびポリグリコールエーテルおよびエーテルが、例えば、挙げられることができる。溶媒の割合は30%と80%の間で変化されてもよい。
【0064】
エチルセルロースに加えて、さらに、他のセルロースエーテルおよびエステルが、バインダーとして使用され得る。
【0065】
バインダーの割合は3%と25%の間で変化してもよい。粘性は、9cPsと80cPsの間で変化してもよい。
【0066】
次の組成が、接着防止材料(各割合は重量パーセントで示される)として使用されてもよい。
【0067】
例1
ステアリン酸マグネシウム 27
ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート 67
エチルセルロース 6
【0068】
例2
ステアリン酸アルミニウム 30
ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート 64
エチルセルロース 6
【0069】
例3
ステアリン酸カルシウム 30
ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート 64
エチルセルロース 6
【0070】
接着防止材料の任意に存在する残留物を除去するために剥離媒体を提供するために、高沸点溶媒および酸の混合物が提供され、上記酸は、特に、それぞれ使用される金属石鹸の金属部品を溶解する役目をする。特定の有機溶媒が、特に、バインダーおよび接着防止材料の採用された脂肪酸を溶解する役目をする。接着防止材料の完全で簡単な除去について、剥離媒体は、0.5barより大きく10barより小さい圧力、好ましくは1.5〜2.5barの圧力の噴射ノズルによって、除去される層上に導かれ、除去される材料の除去は、機械摩耗および初期の溶解によって達成される。剥離媒体は、20℃より高く120℃未満の温度に初期に加熱され、熱い状態で表面上で付着されることが好ましく、ノズルを介しての噴霧は、溶媒海の形成またはプリント回路基板上の蓄積、したがって、任意に完全に溶解していない懸濁粒子の堆積作用を防止するために、下方から行われることが好ましい。
【0071】
接着防止材料の除去は、さらに、機械的撹拌器または超音波発信器が溶解工程を支援するために使用可能である状態で、浸漬ベースン内で行われてもよい。
【0072】
特に、剥離媒体用の酸として次の酸:塩酸または硫酸のような鉱酸または無機酸、およびシュウ酸、酢酸、ギ酸、またはエチレンジアミン四酢酸のような錯化剤などの有機酸、が使用されてもよい。
【0073】
接着防止材料のバインダーのために良好な溶解性をもたらす溶媒は、特に、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、およびブチルグリコール、ヘキシルグリコール、ブチルジグリコール、プロピレングリコールエーテルおよびエステルのようなポリグリコールエーテル、特に酢酸塩が溶媒として使用されてもよい。さらに、また、アルコールのような高揮発性溶媒、好ましくは、イソプロパノール、ケトン、好ましくはアセトン、MEKおよびエステル、特に、酢酸エチル、および塩素化溶媒、好ましくは塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素である。
【0074】
この場合、酸の割合は、例えば、0.5%と10%の間で変化してもよい。
【0075】
接着防止材料の信頼性のある簡単な除去について、剥離媒体は、20℃と120℃の間の温度で使用される。
【0076】
剥離媒体の例としては以下のとおりである(各割合は重量パーセントで示される)。
【0077】
剥離媒体1
ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート 90
酢酸(100%) 10
【0078】
剥離媒体2
イソプロパノール 98
HCl(19%) 2
【0079】
剥離媒体3
ブチルジグリコール 97
HCl(19%) 3
【0080】
剥離媒体4
アクトン 95
ギ酸濃度 5
【0081】
剥離媒体5
ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート 95
HCl(19%) 5
【0082】
そのような多層プリント回路基板の部分領域をその後除去するために接着防止材料を使用する多層プリント回路基板を製造する方法は、図1で概略的に示され、異なる多層プリント回路基板の製造の例示的な実施形態で以下により詳細に説明され、図3から図7および図8から図12でそれぞれ表される。
【0083】
図3は、多層構造としてその後製造されるリジッド−フレキシブルプリント回路基板の第1の実質的に平面の材料層としてのリジッド多層部1の概略説明図である。個々の金属または銅層2は、例えば、プリプレグ層3およびコア4によって分離されている。個々の銅層2の間の接続は、マイクロビア5および通路6を介してそれぞれ示されている。
【0084】
リジッド−フレキシブルプリント回路基板の製造については、図4で示されるように、ミリング端7が、製造されるリジッド−フレキシブルプリント回路基板のリジッド多層部1の後の分離の領域に形成されている。
【0085】
自由空間を設ける、またはその後分割されるまたは切り開かれるプリント回路基板リジッド部1と、フレキシブル部との接続のためのプリント回路基板の第2の実質的に平面の材料層として設けられ配置される非導電または誘電体の層との間の直接接続を防止するために、そのような接着を防止する材料または抗接着材料8が、例えば、図3から図7で表された実施形態において、図1の工程S2によって、その後の分離の領域において、およびミリング端7によって形成されるチャンネルまたは溝内に、ミリング端7の形成に続いて設けられる。上記説明のような抗接着材料は、簡単な方法工程、例えば、印刷工程、特にスクリーン印刷またはステンシル印刷によって、後の分離の領域およびミリング端7に適用または導入される。使用された材料8に応じて、乾燥および/または硬化工程は、材料またはペースト8の付着に続いて設けられてもよい。
【0086】
製造されるリジッド−フレキシブルプリント回路基板のそれに応じた薄い層厚または全体厚さを得るために、25μm未満、特に15μm未満の層厚で接着防止材料8が後の分離、したがって部分領域の除去の領域に付着されることがさらにもたらされる。
【0087】
図3から図7に表された実施形態において、ミリング端7の形成が、抗接着材料8の付着に先立ってもたらされ、材料8は、あるいは、プリント回路基板のリジッド、特に、多層部分の後の分割の領域に付着されてもよく、ミリング端7は、付着された材料8を通る。
【0088】
図6で表されるように、例えば、図1の工程S3により、後の分割の領域およびミリング端7における抗接着材料8の付着後に、非導電または誘電体の結合層9が付着または配置され、上記結合層9は、それ自体公知であるホイル、例えば、プリプレグまたはRCCホイル、または液体誘電体からなる。非導電または誘電体の層9に続いて、製造されるリジッド−フレキシブルプリント回路基板のフレキシブル部分領域10が示され、ここで、製造されるリジッド−フレキシブルプリント回路基板のフレキシブル部10は、リジッド部1のように、いくつかの層からなっていてもよい。個々の層またはプライの配置後に、接続、特に、押圧が図1の工程S4にしたがって行われる。
【0089】
接着防止材料の配置によって、設けられる非導電または誘電体層9のための前加工および/または構成は、設けられる非導電または誘電体層9の準備工程が簡略化または低減されるように、特に、ミリング端7の領域における後の分離の領域において放棄され得る。個々の層間の接着防止機構に関して、図2に関係のあるコメントをさらに参照されたい。
【0090】
製造されるリジッド−フレキシブルプリント回路基板のリジッド部1上への接着防止材料8の付着の領域に除外領域を設けることによって、層9のより薄い層厚がさらに行い得、上記厚さは、例えば、50μm未満、特に、40μm以下であるように選択される。製造されるリジッド−フレキシブルプリント回路基板のリジッド部1とフレキシブル部10との間に配置される非導電材料の層のそのような薄い層厚を設けることは、製造されるリジッド−フレキシブルプリント回路基板の全体厚さの低減を促進するだけでなく、接合される部分、および後の通路またはマイクロビアの位置決めおよび位置あわせ精度も向上される。
【0091】
図7は、多層構造として、リジッド部1およびフレキシブル部10によって形成されたリジッド−フレキシブルプリント回路基板の断面図を示し、ここで、分割11が、ミリング端7の領域において、次いで分離されたリジッド部分領域12、13間に設けられた。この分割11は、平面材料層を接続した後、図1の工程S6によってその後除去される部分領域を構成する。プリント回路基板のフレキシブル部10とその後分離されるリジッド部分領域12、13との接続が、追加のマイクロビアまたは通路14によって達成可能であることがさらに示される。
【0092】
図7による説明図からさらに明らかなように、除去される非結合領域または部分領域11の切断深さに関して、非常に正確な許容範囲を考慮または観察する必要なしで、接着防止材料8の付着による接続のないまたは接続防止領域をもたらすことによって、非結合領域の作製、およびしたがって、後の方法工程も促進することが可能である。
【0093】
プリント回路基板の、抗接着材料8およびリジッド部1またはその後分離されるリジッド部12および13とフレキシブル部10との間に配置される非導電または誘電体の層9の適切な選択によって、電気および電子機器で特定の危険物を使用する場合に要求される法的制限を考慮に入れることが容易に実現可能である。
【0094】
抗接着材料8の付着によって未結合領域を設けることによって、簡単な方法工程が、特に、フレキシブル部10とリジッド部1との間に配置される層9の準備または製造、および分割を実現するための後の方法工程にて行い得る。
【0095】
フレキシブル部10およびリジッド部1、および相互に分離されたリジッド部12、13を接続するための薄い層厚、およびしたがって達成可能な薄い層厚および位置あわせ精度におけるしたがって生じる向上を使用することによって、大きな構成でさえ、例えば、18×24インチより大きいHDI回路基板の製造構成において、回路基板に非常に複雑な部品のためのフレキシブル層10を設けることがさらに可能となった。
【0096】
多層リジッドプリント回路基板の実施形態、またはプリント回路基板のリジッド部1は、図3から図7に表されており、多層構造のような多層プリント回路基板の簡略化された例を、図示するために単に表し、ここで、多数または複数の、特に、導電層2およびマイクロビア5または通路6、14を介してのフィードスルーは、それぞれ、製造される部品の所望の複雑さに応じて採用されてもよい。
【0097】
変形多層構造の図8から図12で説明された例示的な実施形態において、再び、製造される多層プリント回路基板の形態で、そのようなプリント回路基板の構造化コアが、20によって概して示され、コア20は、特に、図8で表される上部層が、図1の工程S1にしたがってそれに応じて構造化された状態のいくつかの層を含む。
【0098】
コア20は、1つまたはいくつかの層からなり、実質的に平面の材料層を構成し、部分領域において、その後、図9で説明されるように、追加の実質的に平面の材料層としてさらなる層またはプライとの接続のために、例えば、図1の工程S2によって、接着防止材料または抗接着材料21を備え、上記抗接着材料は、例えば、スクリーン印刷によって付着される。
【0099】
図9に表されるようにコア20によって形成された実質的に平面の材料層上の接着防止材料21の付着に続いて、例えば、複数の再び実質的に平面の材料層22、23を備えた平面コア20の積層工程によって、図1の工程S3、S4によるそれ自体公知の方法での接続または結合が達成され、抗接着材料を備えた部分領域が、図10で21によって再び表される。図10で説明された平面材料層23は、特にその上側で、それに応じたパターン化された方法で再び設計されてもよい。
【0100】
複数の実質的に平面の材料層20、22、23間での、図10で説明された接続手順に続いて、図11から明らかなように、実質的に平面の材料層23の部分領域25の限界または画定が、切断ラインまたは圧痕24を形成しながら、例えば、切断、特にレーザー切断によって達成され、図1の工程S5に対応する。除去される部分領域25の下に設けられた抗接着材料21は、切断ラインまたは境界を定める圧痕24の形成後に、簡単な方法で、図12で表されるまたは示されるように、および図1の工程S6に応じて、部分領域25の簡単で信頼性のある除去が実現可能とされる。
【0101】
図8から図12で表された実施形態において、追加の層が個々の実質的に平面の材料層間および/またはそばに示され、追加の層は、多層プリント回路基板の製作の状況においてそれ自体公知であり、したがって、図1の工程S8に関しても表されるように、詳細に説明されない。
【0102】
図8から図12による実施形態からも、上記例示的な実施形態によって接着防止材料21を付着することによって、実質的に平面の材料または材料層20、22、23を接合する状況においてもたらされる未結合領域が、それに結合される少なくとも1つの実質的に平面の層23の部分領域25の簡単で信頼性のある除去をその後可能にすることがはっきりと明らかである。
【0103】
切断、および例えば図11で説明、言及されるレーザー切断操作は、図3から図8による実施形態で説明されるようなミリング操作、またはスクラッチングまたは少なくとも1つの材料層23の同様の分割操作と交換されてもよい。
【0104】
図12では、スプレーヘッドまたはスプレーノズル27がさらに表され、それによって、上記識別された種類の剥離媒体が、除去される部分領域25の領域においても多層回路基板のさらなる処理を可能とするように、接着防止材料21の残留物を除去するために、表されたジェット28に応じて、および除去される部分領域25の除去後に図1の工程S7に応じて適用される。
【0105】
図8から図12による実施形態から、中空空間または空洞26、特に、三次元中空空間が、例えば、部分領域25を除去することによって多層プリント回路基板の部分領域または個々の層またはプライに形成され得ることは明らかである。
【0106】
さらに、多層プリント回路基板の内部領域または内部層に、分離された要素をその後に配置するために、部分領域または要素25の除去によって形成されたそのような空洞26を使用することが可能である。
【0107】
部分領域の除去は、さらに、特別の付着のためのオフセットおよび/または階段状部分領域を備えたプリント回路基板の製造を可能にする。
【0108】
印刷方法、例えば、抗接着材料8または21の付着のための上記例示的な実施形態において言及されたスクリーン印刷に加えて、オフセット印刷、フレキソ印刷、タンポン印刷、インクジェット印刷等が、それぞれ特に、抗接着材料の性質に応じてもたらされる、または使用されてもよい。
【0109】
パターン化された方法で金属石鹸系接着防止材料8または21を付着するために本発明によって提供される選択肢によって、後の方法工程は、特に、多層構造のその後に除去可能な部分領域11または25の除去に関して簡単な方法で促進される。
【0110】
例えば、簡単な印刷技術によって付着されることが可能である抗接着材料層8または21を使用することによって、先行技術において、例えば、分離ホイルのためにもたらされるような構成および調合技術が除かれることができる。
【0111】
特に、多層プリント回路基板の製造および処理または加工の状況では、抗接着材料8または21の露出または提供は、既に上記されたように、例えば、部分的厚さの低減によって、追加の部品のための空間26の形成を可能にする。そのような多層プリント回路基板の内部に、特におよび実質的に空間26のそのように設けることは、さらに、このようにプリント回路基板の小型化の要件を考慮して、そのような部品の埋め込みによってそのような多層プリント回路基板の全体厚さの低減を可能にする。
【0112】
特に、任意に残留する抗接着材料21の除去後に、スプレーノズル27によって、図12に表されるように、抗接着材料21の残留物が接触を改善するために除去された状態で、そのような凹部または空洞26の底に直接的に、例えば、除去された部分領域25の領域に配置されるために、追加の部品を接触することが可能となる。その際に、例えば、図12で説明されるように、その後に製造される空洞26の領域で、図8に設けられた材料層20の場合に、それぞれの接触要素または導電構造を配置することが簡単な方法で可能である。
【0113】
既に上記指摘されるように、空洞26を形成しながらの部分領域25の後の除去は、それに応じて三次元開口または任意に閉じた空洞を設けることを実現可能とし、ここで、例えば、図12で表された状態から外れる場合に、図1の工程S8に対応して多層プリント回路基板のさらなる層を設けることが実現可能である。
【0114】
接着防止材料8または21の適切な選択または配置によって、さらに、例えば、第1の実施形態を参照して、図7で表されるように、そのような多層導体構造のいくつかの層にわたって空洞26の形成を可能にすることができる。
【0115】
プリント回路基板の製造の状況では、このようにして、例えば、部分領域25を除去することによって位置あわせ要素のそれに応じた簡略化された露出をもたらすことも可能となる。
【0116】
階段状またはオフセット部分領域の形成は、例えば、多層プリント回路基板の介在部またはオーバーラップ部の生成を可能とする。
【0117】
接着防止材料8または21を付着することにより、部分領域を除去することによって、例えば、その完全な代用を要求するというよりは、接着防止材料が、そのような部品の不具合の場合に、部分領域を除去することによって、プリント回路基板の修理を可能とするように、高い故障または損傷率を場合により受ける部品の領域における予防措置として設けられる場合、埋め込まれた部品を備えた、既に存在するまたは装着されたプリント回路基板の修理の選択肢を提供することがさらに可能となり、したがって、部品の簡単な交換および接合される少なくとも2つの実質的に平面の材料層からなる多層構造の簡単な提供を可能にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに接続され、特に共に押圧される、複数の伝導または導電および非伝導または絶縁層またはプライ(2、4、9;20、22、23)から多層プリント回路基板(1)を製造する方法であって、
少なくとも、部分的平面層を接続した後に、少なくともその部分領域(11、25)が除去され、
除去される部分領域(11、25)の接着を防止するために、接着を防止する材料(8、21)が、除去される部分領域(11、25)にしたがって、除去される部分領域に隣接する層(9)上に付着され、
接着を防止する材料(8、21)が、少なくとも1つの金属石鹸、好ましくはAl、Mg、Ca、NaおよびZnの脂肪酸塩をベースとする剥離剤、結合剤、および溶媒を含む混合物によって形成されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
剥離剤が、例えば、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸などの飽和脂肪酸および不飽和脂肪酸をベースとして使用されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
剥離剤が、接着防止材料の60重量%未満、特に、約5重量%〜45重量%の量で使用されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
セルロース誘導体、特にセルロースエーテルまたはエステル、好ましくは、エチルセルロースが、結合剤として使用されることを特徴とする、請求項1、2または3に記載の方法。
【請求項5】
結合剤の量が、35重量%未満となるように、特に、3重量%と25重量%の間になるように選択されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
溶媒が、220℃未満、特に約180℃〜200℃の沸点を有することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
エチレンまたはポリプロピレングリコールエーテルおよびエステルが溶媒として使用されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
溶媒の量が、接着防止材料(8、21)の85重量%未満、特に30重量%〜80重量%であることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
接着防止材料(8、21)が、印刷工程、特にスクリーン印刷、ステンシル印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、タンポン印刷、インクジェット印刷等によって付着されることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
接着防止材料(8、21)が、その付着後に、乾燥および/または硬化工程を受けることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
接着防止材料(8、21)が、25μm未満、特に15μm未満の層厚で付着されることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
接着防止材料(8、21)が、隣接する実質的に平面の層またはプライに対して極性差を含むことを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
抗接着材料(8、21)が、少なくとも120℃、好ましくは140℃〜160℃の軟化点または融点を有することを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
除去される部分領域(11、25)の除去後に、接着防止材料(8、21)が、剥離媒体(28)を付着することによって除去されることを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
剥離媒体(28)が、高沸点溶媒と酸の混合物からなることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
接着防止材料(8、21)が、溶解性を向上するために、超音波または機械的撹拌器を使用して、高圧でまたは浸漬ベースン内で、特に、加熱された溶媒を吹きつけることによって除去されることを特徴とする、請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
剥離媒体(28)が、高沸点溶媒の少なくとも80%、特に少なくとも90%を含むことを特徴とする、請求項14、15または16に記載の方法。
【請求項18】
溶媒が、塩素化溶媒に加えて、エチレングリコール、ジエチレングリコールおよびポリグリコールエーテル、特にブチルグリコール、ヘキシルグリコール、ブチルジグリコール、プロピレングリコールエーテルおよびエステル、特に酢酸塩、アルコール、ケトンおよびエステルからなる群より選択されることを特徴とする、請求項14から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
剥離媒体(28)が、20重量%未満、特に0.5重量%〜10重量%の量で使用されることを特徴とする、請求項14から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
剥離媒体(28)中の溶媒が、例えば、塩酸または硫酸などの無機酸、または特に、シュウ酸、酢酸、ギ酸などの有機酸、または例えば、エチレンジアミン四酢酸などの錯酸からなることを特徴とする、請求項14から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
接着防止材料(8、21)の除去が、150℃未満の温度、特に20℃と120℃の間の温度で行われることを特徴とする、請求項14から20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
多層回路基板(1)の、接続される層またはプライ(2、4、9;20、22、23)が、積層工程によって接続されることを特徴とする、請求項1から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
除去される少なくとも1つの部分領域(11、25)のエッジ領域(7、24)が、ミリング、スクラッチング、切断、特にレーザー切断によって画定および/または除去されることを特徴とする、請求項1から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
接着防止材料(8、21)が、少なくとも1つの金属石鹸、好ましくはAl、Mg、Ca、NaおよびZnの脂肪酸塩をベースとする剥離剤、結合剤、および溶媒を含む混合物によって形成されることを特徴とする、請求項1から23のいずれか一項に記載の方法で使用される接着防止材料。
【請求項25】
請求項1から23のいずれか一項に記載の方法によって、および/または請求項24に記載の接着防止材料を使用することによって製造された多層プリント回路基板。
【請求項26】
請求項1から23のいずれか一項に記載の方法、または多層プリント回路基板(1)の製造のための請求項22に記載の接着防止材料の使用。
【請求項27】
プリント回路基板に、中空空間、特に三次元中空空間または空洞(25)を製造するための請求項26に記載の使用。
【請求項28】
プリント回路基板に少なくとも1つのチャンネルを製造するための請求項26に記載の使用。
【請求項29】
電子および/または機械部品を埋め込むための請求項27または28に記載の使用。
【請求項30】
音、光、液体および/またはガスを伝送するための請求項27または28に記載の使用。
【請求項31】
例えば、メモリーカード、電子インターフェースまたはコネクタ、またはアンテナなどの電子部品および構造部品を、前記中空空間または空洞(26)で受けるための請求項27または28に記載の使用。
【請求項32】
中空空間、空洞またはチャンネル(26)が、その後、化学的、物理的またはガルバニック付着手順によって伝導、絶縁、抑制、再吸収、反射または密閉層で充填、被覆または囲まれる請求項27または28に記載の使用。
【請求項33】
多層プリント回路基板(1)の内部または内部層に、少なくとも1つの要素、特に位置あわせ要素を露出するための請求項26に記載の使用。
【請求項34】
プリント回路基板(1)のオフセットおよび/または階段状部分領域(26)を製造するための請求項26に記載の使用。
【請求項35】
リジッド−フレキシブル回路基板(1)を製造するための請求項26に記載の使用。
【請求項1】
互いに接続され、特に共に押圧される、複数の伝導または導電および非伝導または絶縁層またはプライ(2、4、9;20、22、23)から多層プリント回路基板(1)を製造する方法であって、
少なくとも、部分的平面層を接続した後に、少なくともその部分領域(11、25)が除去され、
除去される部分領域(11、25)の接着を防止するために、接着を防止する材料(8、21)が、除去される部分領域(11、25)にしたがって、除去される部分領域に隣接する層(9)上に付着され、
接着を防止する材料(8、21)が、少なくとも1つの金属石鹸、好ましくはAl、Mg、Ca、NaおよびZnの脂肪酸塩をベースとする剥離剤、結合剤、および溶媒を含む混合物によって形成されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
剥離剤が、例えば、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸などの飽和脂肪酸および不飽和脂肪酸をベースとして使用されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
剥離剤が、接着防止材料の60重量%未満、特に、約5重量%〜45重量%の量で使用されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
セルロース誘導体、特にセルロースエーテルまたはエステル、好ましくは、エチルセルロースが、結合剤として使用されることを特徴とする、請求項1、2または3に記載の方法。
【請求項5】
結合剤の量が、35重量%未満となるように、特に、3重量%と25重量%の間になるように選択されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
溶媒が、220℃未満、特に約180℃〜200℃の沸点を有することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
エチレンまたはポリプロピレングリコールエーテルおよびエステルが溶媒として使用されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
溶媒の量が、接着防止材料(8、21)の85重量%未満、特に30重量%〜80重量%であることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
接着防止材料(8、21)が、印刷工程、特にスクリーン印刷、ステンシル印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、タンポン印刷、インクジェット印刷等によって付着されることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
接着防止材料(8、21)が、その付着後に、乾燥および/または硬化工程を受けることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
接着防止材料(8、21)が、25μm未満、特に15μm未満の層厚で付着されることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
接着防止材料(8、21)が、隣接する実質的に平面の層またはプライに対して極性差を含むことを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
抗接着材料(8、21)が、少なくとも120℃、好ましくは140℃〜160℃の軟化点または融点を有することを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
除去される部分領域(11、25)の除去後に、接着防止材料(8、21)が、剥離媒体(28)を付着することによって除去されることを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
剥離媒体(28)が、高沸点溶媒と酸の混合物からなることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
接着防止材料(8、21)が、溶解性を向上するために、超音波または機械的撹拌器を使用して、高圧でまたは浸漬ベースン内で、特に、加熱された溶媒を吹きつけることによって除去されることを特徴とする、請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
剥離媒体(28)が、高沸点溶媒の少なくとも80%、特に少なくとも90%を含むことを特徴とする、請求項14、15または16に記載の方法。
【請求項18】
溶媒が、塩素化溶媒に加えて、エチレングリコール、ジエチレングリコールおよびポリグリコールエーテル、特にブチルグリコール、ヘキシルグリコール、ブチルジグリコール、プロピレングリコールエーテルおよびエステル、特に酢酸塩、アルコール、ケトンおよびエステルからなる群より選択されることを特徴とする、請求項14から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
剥離媒体(28)が、20重量%未満、特に0.5重量%〜10重量%の量で使用されることを特徴とする、請求項14から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
剥離媒体(28)中の溶媒が、例えば、塩酸または硫酸などの無機酸、または特に、シュウ酸、酢酸、ギ酸などの有機酸、または例えば、エチレンジアミン四酢酸などの錯酸からなることを特徴とする、請求項14から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
接着防止材料(8、21)の除去が、150℃未満の温度、特に20℃と120℃の間の温度で行われることを特徴とする、請求項14から20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
多層回路基板(1)の、接続される層またはプライ(2、4、9;20、22、23)が、積層工程によって接続されることを特徴とする、請求項1から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
除去される少なくとも1つの部分領域(11、25)のエッジ領域(7、24)が、ミリング、スクラッチング、切断、特にレーザー切断によって画定および/または除去されることを特徴とする、請求項1から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
接着防止材料(8、21)が、少なくとも1つの金属石鹸、好ましくはAl、Mg、Ca、NaおよびZnの脂肪酸塩をベースとする剥離剤、結合剤、および溶媒を含む混合物によって形成されることを特徴とする、請求項1から23のいずれか一項に記載の方法で使用される接着防止材料。
【請求項25】
請求項1から23のいずれか一項に記載の方法によって、および/または請求項24に記載の接着防止材料を使用することによって製造された多層プリント回路基板。
【請求項26】
請求項1から23のいずれか一項に記載の方法、または多層プリント回路基板(1)の製造のための請求項22に記載の接着防止材料の使用。
【請求項27】
プリント回路基板に、中空空間、特に三次元中空空間または空洞(25)を製造するための請求項26に記載の使用。
【請求項28】
プリント回路基板に少なくとも1つのチャンネルを製造するための請求項26に記載の使用。
【請求項29】
電子および/または機械部品を埋め込むための請求項27または28に記載の使用。
【請求項30】
音、光、液体および/またはガスを伝送するための請求項27または28に記載の使用。
【請求項31】
例えば、メモリーカード、電子インターフェースまたはコネクタ、またはアンテナなどの電子部品および構造部品を、前記中空空間または空洞(26)で受けるための請求項27または28に記載の使用。
【請求項32】
中空空間、空洞またはチャンネル(26)が、その後、化学的、物理的またはガルバニック付着手順によって伝導、絶縁、抑制、再吸収、反射または密閉層で充填、被覆または囲まれる請求項27または28に記載の使用。
【請求項33】
多層プリント回路基板(1)の内部または内部層に、少なくとも1つの要素、特に位置あわせ要素を露出するための請求項26に記載の使用。
【請求項34】
プリント回路基板(1)のオフセットおよび/または階段状部分領域(26)を製造するための請求項26に記載の使用。
【請求項35】
リジッド−フレキシブル回路基板(1)を製造するための請求項26に記載の使用。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2012−516039(P2012−516039A)
【公表日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−546523(P2011−546523)
【出願日】平成22年1月22日(2010.1.22)
【国際出願番号】PCT/AT2010/000024
【国際公開番号】WO2010/085830
【国際公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(511181603)デイー・シー・シー−デイベロツプメント・サーキツツ・エンド・コンポーネンツ・ゲー・エム・ベー・ハー (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月22日(2010.1.22)
【国際出願番号】PCT/AT2010/000024
【国際公開番号】WO2010/085830
【国際公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(511181603)デイー・シー・シー−デイベロツプメント・サーキツツ・エンド・コンポーネンツ・ゲー・エム・ベー・ハー (1)
【Fターム(参考)】
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