説明

多層成形品、成形方法、及び成形装置

【課題】少ない工程で多層の樹脂成形物を得る多層成形品並びにその成形方法及び成形装置を提供することを目的とする。
【解決手段】サンドイッチ成形されたサンドイッチ成形体の片面に、溶融した樹脂が該面に積層されてのちそのまま冷却された仕上層が形成されてなる多層成形品である。また、キャビティの容積を変更可能なスライド型を備える金型のキャビティにスキン層となる第一の樹脂を射出したのちコア層となる第二の樹脂を射出しサンドイッチ成形し、次いでスライド型を移動させてキャビティの容積を拡大してできた空間に仕上層となる第三の樹脂を射出する多層成形品の成形方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多層成形品、成形方法、及び成形装置に関する。
【背景技術】
【0002】
樹脂製の多層成形品は各層の素材の特徴を活かした複合素材として各種用途に使用されている。なかでもクッション層を有するものが特に自動車用の素材として需要が伸びている。多層成形品の従来技術としては、真空成形による緩衝用成形複合パネル(例えば、特許文献1参照)や、スラッシュと発泡とを組み合わせた一体発泡による表皮成形方法(例えば、特許文献2参照)が開示されている。しかしながら、これらの方法では、基材が別に成形され、表皮層およびクッション層と一体化されるため、製造工程が多くて手間がかかり、製造コストが高くなる。
【0003】
また、クッション性複合成形品の製造方法(例えば、特許文献3参照)においては予め成形した硬質樹脂成形品を、硬質樹脂成形品より大きい空隙を有する金型内に挿着し、次いで発泡性のゴム状弾性体を空隙内に射出して金型内を完全充填した後、金型内を拡大して発泡性のゴム状弾性体を発泡させることが開示されている。
【0004】
しかしながら、この方法では、発泡時に硬質樹脂成形品の表皮層が軟化するために、発泡層の圧力や基材を形成する樹脂の射出力により模様が潰れるという難点がある。また、金型の移動により所定の板厚を得ようとしても、発泡速度が各部位で異なるため、制御が困難である。また、この方法は4層の成形品を得るものではない。
【0005】
一方、表皮層と基材の間隙に発泡層が配置された3層の成形品として、基材と表皮材とを別々に形成し、その間隙に発泡樹脂層を形成することが開示されている。(例えば、特許文献4参照)。この製造方法においては、基材の成形工程、表皮層の成形工程、発泡層の成形する工程の3工程が必要となり、製造工数が多いことから高い製造コストを要する問題がある。この製造方法は原理的には基本的には4層の成形品の製造にも適用可能であるがこの場合はさらに製造工数が多くなる。
【0006】
また、サンドイッチ成形方法とシートインサート成形方法とを組み合わせ、クッション性のシートをインサートされるシートとして用いる方法が開示されている(例えば、特許文献5、6参照)この方法では4層の成形品が2段の射出で得られるが、予めインサートされるシート成形して金型に装着する手間がかかる。
【0007】
さらに、成形金型のキャビティ内に一次溶融樹脂を充填し、成形品意匠面を形成した後、金型キャビティ容積の拡大と、意匠面裏面側への二次溶融樹脂の射出およびガスの注入を行うことにより、該二次溶融樹脂中の所望箇所に中空部を形成する複合成形品の製造方法が開示されている(例えば、特許文献7参照)。また、熱可塑性樹脂を射出成形金型キャビティに射出し、層(I)を形成した後、可動金型を後退して成形金型キャビテイを拡大し、繊維を含有し溶融膨張性を有する熱可塑性樹脂を、射出あるいは射出圧縮充填後、成形金型キャビティ容積を拡大して膨張し、層(II)を形成する多層成形品の製造方法が開示されている(例えば、特許文献8参照)。
【0008】
しかし、これらはいずれも2種類の樹脂による層構造品を得るもので、3種類の樹脂からなる多層構造品は得られない。
【特許文献1】特開昭55−5817号公報
【特許文献2】特公平5−1123号公報
【特許文献3】特開平6−234133号公報
【特許文献4】特開平9−1582号公報
【特許文献5】2001−232663号公報
【特許文献6】2004−230595号公報
【特許文献7】2001−334539号公報
【特許文献8】2001−9984号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、少ない工程で多層の樹脂成形物を得る多層成形品及びその成形方法を提供しようとすることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の要旨とするところは、サンドイッチ成形されたサンドイッチ成形体の片面に、溶融した樹脂が該面に積層されてのちそのまま冷却された仕上層が形成されてなる多層成形品であることにある。
【0011】
また、本発明の要旨とするところは、樹脂からなる仕上層が、サンドイッチ成形されたサンドイッチ成形体に積層されてなり、該サンドイッチ成形体のスキン層を構成する樹脂が、溶融した状態で前記仕上層に積層されてのちそのまま冷却されて、前記仕上層と前記サンドイッチ成形体との接合面が形成された多層成形品であることにある。
【0012】
また、本発明の多層成形品の要旨とするところは、前記サンドイッチ成形体のコア層が発泡材料から形成されたことにある。
【0013】
さらに、本発明の要旨とするところは、前記多層成形品を成形する方法であって、キャビティの容積を変更可能なスライド型を備える金型の前記キャビティにスキン層となる第一の樹脂を射出したのちコア層となる第二の樹脂を射出しサンドイッチ成形し、次いで前記スライド型を移動させて前記キャビティの容積を拡大してできた該キャビティ内の空間に仕上層となる第三の樹脂を射出する多層成形品の成形方法であることにある。
【0014】
さらにまた、本発明の要旨とするところは、前記多層成形品を成形する方法であって、キャビティの容積を変更可能なスライド型を備える金型の前記キャビティに仕上層となる樹脂Aを射出したのち、前記スライド型を移動させて前記キャビティの容積を拡大してできた該キャビティ内の空間にスキン層となる樹脂Bを射出し次いでコア層となる樹脂Cを射出しサンドイッチ成形する多層成形品の成形方法であることにある。
【0015】
また、本発明の成形方法の要旨とするところは、キャビティの容積を変更可能なスライド型を備える金型の前記キャビティにスキン層となる第一の樹脂を射出した後コア層となる第二の樹脂を射出して第一のサンドイッチ成形体を形成し、次いで前記スライド型を移動させて前記キャビティの容積を拡大してできた該キャビティ内の空間にスキン層となる第三の樹脂を射出した後コア層となる第四の樹脂を射出して第二のサンドイッチ成形体を形成することにある。
【0016】
また、本発明の多層成形品の要旨とするところは、前記成形方法によって形成された多層成形品であり、前記第一のサンドイッチ成形体及び前記第二のサンドイッチ成形体から成ることにある。
【0017】
また、本発明の多層成形品の要旨とするところは、前記第一のサンドイッチ成形体のコア層及び前記第二のサンドイッチ成形体のコア層が発泡材料から形成されたことにある。
【0018】
また、本発明の成形装置の要旨とするところは、キャビティの容積を変更可能なスライド型を備える金型と、前記金型のキャビティにスキン層となる第一の樹脂を射出する第一の射出ユニットと、前記第一の樹脂を射出した後コア層となる第二の樹脂を射出する第二の射出ユニットと、前記スライド型を移動させて前記キャビティの容積を拡大してできた該キャビティ内の空間にスキン層となる第三の樹脂を射出する第三の射出ユニットと、前記第三の樹脂を射出した後コア層となる第四の樹脂を射出する第四の射出ユニットと、を備えたことにある。
【発明の効果】
【0019】
本発明によると、型締めのまま4層の樹脂成形物を成形することができ、4層成形品の製造において、インサート法を用いた製造方法にくらべて製造工程が大幅に短縮され、製造コストの削減が可能となる。
【0020】
本発明によると、4層の樹脂成形物を得る多層成形品の製造において、インサート法を用いた製造方法にくらべて最外層とその最外層に隣接の層との接着力が強くなり、この両層それぞれの素材の選択の幅が拡がる。
【0021】
本発明によると、溶融混合して射出し混合樹脂として成形することが困難な互いに異種の樹脂または樹脂群を、型締めのままサンドイッチ成形により一体に成形することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の多層成形品及びその成形方法について説明する。本発明においては、キャビティの容積を変更可能なスライド型を備える金型のそのキャビティに、スキン層となる第一の樹脂を射出したのちコア層となる第二の樹脂を射出してサンドイッチ成形し、次いでそのスライド型を移動させてキャビティの容積を拡大してできたキャビティ内の空間に、第三の樹脂を射出して多層成形品を得る。
【0023】
サンドイッチ成形とは、まず、外層を形成する樹脂材料をキャビティ内に注入し、次いでこの樹脂材料層の内部に内層を形成する樹脂材料を注入し、これらの樹脂材料を冷却固化することで外層の内部に内層が形成された3層構造の樹脂成形体を形成する成形である。
【0024】
本発明においては例えば図1に示すような成形装置2が用いられる。なお、本明細書においては、各図にわたって記される同じ符号は同一又は同様の部材やものを示す。成形装置2は、第一の樹脂(スキン材料)を一定量射出する射出シリンダ22及び第一の樹脂を送通するためのスキン流路4と、第二の樹脂(コア材料)を一定量射出する射出シリンダ24及び第一の樹脂7を送通するためのコア流路6と、両流路より成形金型10のキャビティ12内へ溶融状態の樹脂を射出するための共有の第一の注入ノズル孔14とを有する。
【0025】
さらに、成形装置2はキャビティ12の容積を変更可能なスライド型16と、スライド型16を移動させてキャビティ12の容積を拡大してできたキャビティ12の空間に第三の樹脂9を一定量射出するための射出シリンダ26及び第三の樹脂(仕上材料)を送通するための仕上材料流路11及び第二の注入ノズル孔20を備える。
【0026】
成形装置2を用いた本発明の多層成形品の成形手順を説明する。ステージ1(図2(a))において、キャビティ12内にスキン材料5(第一の樹脂)が第一の注入ノズル孔14を介して射出され、次いでステージ2(図2(b))において、スキン材料5の内部へ第一の注入ノズル孔14を介してコア材料7(第二の樹脂)が射出され、サンドイッチ成形体50が形成される。コア材料が射出されたのち、ステージ3(図2(c))においてスライド型16を移動させキャビティ12の容積を拡大してキャビティ12に空間18が形成される。ステージ4(図2(d))において、空間18に第二の注入ノズル孔20を介して仕上材料9(第三の樹脂)が射出される。
【0027】
射出シリンダ22とスキン流路4とを含んで、第一の樹脂を射出するための第一の射出ユニット30が構成され、射出シリンダ24とスキン流路6とを含んで第二の樹脂を射出するための第二の射出ユニット32が構成され、射出シリンダ26と第三材料流路11とを含んで第三の樹脂を射出するための第三の射出ユニット34が構成される。
【0028】
図3に、このような操作ステージを経て得られた多層成形品40の構造を示す。多層成形品40は、スキン層42で表裏面が被覆されたコア層44からなるサンドイッチ成形体50の片面に仕上層(第三層)46が積層されてなる。コア層44を構成する樹脂がスキン層42から例えばコア層44の端部の部位で一部外部に露出していてもよい。仕上層46は、上述のように説明されたその成形過程からわかるように、溶融した樹脂がサンドイッチ成形体50の片面に積層されてのちそのまま冷却されてなる。
【0029】
本発明の多層成形品の成形方法及び成形装置の他の態様について説明する。この態様においては、キャビティの容積を変更可能なスライド型を備える金型の前記キャビティに仕上層となる樹脂Aを射出したのち、スライド型を移動させてキャビティの容積を拡大してできたキャビティ内の空間にスキン層となる樹脂Bを射出し次いでコア層となる樹脂Cを射出しサンドイッチ成形して多層成形品を得る。
【0030】
この態様においては例えば図4に示すような成形装置2rが用いられる。成形装置2rは、スキン材料(樹脂B)を一定量射出する射出シリンダ22r及び樹脂Bを送通するためのスキン流路4rと、コア材料(樹脂C)を一定量射出する射出シリンダ24r及び樹脂Cを送通するためのコア流路6rと、両流路より成形金型10rのキャビティ12r内へ溶融状態の樹脂を射出するための共有の注入ノズル孔14r(注入ノズル孔A)とを有する。
【0031】
成形装置2rは、キャビティ12rの容積を変更可能なスライド型16rを有し、注入ノズル孔14r及び注入ノズル孔20r(注入ノズル孔B)を有する成形金型10rを備える。さらに、成形装置2rは、キャビティ12rに、注入ノズル孔20rを介して仕上材料(樹脂A)を一定量射出可能な射出ユニット30r(射出ユニットA)を備える。スライド型16rを移動させてキャビティ12rの容積を拡大してできた空間に、注入ノズル孔14rを介してスキン層となる樹脂Bとコア層となる樹脂Cが射出される。
【0032】
射出シリンダ22rとスキン流路4rとを含んで樹脂Bを射出する射出ユニット32rが構成され、射出シリンダ24rとスキン流路6rとを含んで樹脂Cを射出する射出ユニット34rが構成され、射出シリンダ26rと仕上材料流路11rとを含んで樹脂Aを射出する射出ユニット30rが構成される。
【0033】
成形装置2rを用いた本発明の多層成形品の成形手順を説明する。ステージ1(図5(a))において、キャビティ12r内に注入ノズル孔20rを介して樹脂9r(樹脂A)が射出される。次いでステージ2(図5(b))において、スライド型16r及び射出され成形さた樹脂9rを移動させキャビティ12rの容積を拡大してキャビティ12rに空間18rが形成される。射出され成形された樹脂9rは、重力あるいはスライド型16rとの付着力あるいは不図示の圧空吹き込みなどの移動手段あるいはスキン材料5rの射出圧などにより移動する。ステージ3(図5(c))において、空間18rにスキン材料5r(樹脂B)が注入ノズル孔14rを介して射出され、次いでステージ4(図5(d))において、スキン材料5rの内部へ注入ノズル孔14rを介してコア材料7r(樹脂C)が射出されサンドイッチ成形体90が形成される。
【0034】
このような操作ステージを経て得られた多層成形品の形状の態様は図3に示す多層成形品40の形状の態様と同じであり、樹脂Aからなる仕上層がサンドイッチ成形されたサンドイッチ成形体に積層されてなるが、サンドイッチ成形体のスキン層を構成する樹脂Bが、溶融した状態で仕上層に積層されたまま冷却されて、仕上層とサンドイッチ成形体との接合面が形成されている。
【0035】
本発明の多層成形品は全体としてブロック形状のものや、板状のものとすることができる。特に、曲面板形状のものは自動車用の構造材料例えばインストルメントパネルやドアトリム等の内装材として好適に用いることができる。
【0036】
コア層44としては例えば、射出直後に発泡する発泡樹脂を用いることができる。また、リサイクルされた樹脂を再生して用いてもよい。仕上層46は多層成形品の使用時の表面層となる場合が多く、外観や感触が重視されるので、エラストマーなどクッション性を有する樹脂が用いられることが好ましい。また、表面がわにテクスチュアの向上を目的とする微細な凹凸を付与されていてもよい。本発明においては、このような凹凸を付与する表面を有する金型を用意することができ、各種の金型から用途に応じた凹凸を有するものを選択して迅速かつ容易なロット切り替え生産を行うことができる。また、仕上層46として外観や感触の向上、表面強度向上等用途に応じた性能を有する素材を選択して、インサート法のような手間をかけずに容易に成形が可能である。また、素材の切り替えにより、このような性状の異なる仕上層46を備える各種製品のロットの生産の迅速かつ容易な切り替えが可能である。
【0037】
スキン層42や仕上層46としては用途によっては優れた発色性を有する樹脂が用いられてもよい。さらに、優れた耐スクラッチ性を備えた高硬度の樹脂が選択されてもよい。透明性の樹脂が選択されてもよい。
【0038】
コア層44としてはパネルの剛性を確保する場合はポリプロピレンのような硬質の樹脂が用いられてもよい。また、スキン層42は薄くて強靭な被膜を形成する樹脂からなることが好ましい。
【0039】
また、コア層44としてはリサイクルされた再生樹脂が用いられてもよい。この場合は、スキン層42の樹脂としては隠蔽性に優れた樹脂が選択されてもよい。
【0040】
コア層44やスキン層42や仕上層46に使用する樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリルスチレン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、AES樹脂、ASA樹脂、SMA樹脂、ポリアルキルメタクリレート樹脂などに代表される汎用プラスチックス、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリアリレート樹脂(非晶性ポリアリレート、液晶性ポリアリレート)等に代表されるエンジニアリングプラスチックス、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイドなどのいわゆるスーパーエンジニアリングプラスチックスと呼ばれるものも用いることができる。更にスチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性エラストマーも用いることができる。これらの樹脂を混合して用いてもよい。
【0041】
また、コア層44やスキン層42や仕上層46に使用する樹脂には必要に応じてホスファイト化合物のようなリン系熱安定剤や、フェノール系酸化防止剤のような酸化防止剤や、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤のような紫外線吸収剤や光安定剤を配合してもよい。
【0042】
さらにまた、コア層44やスキン層42や仕上層46に使用する樹脂には増量、高比重化、導電化、電磁波遮蔽化、高強力化、難燃化、抗菌、光触媒系防汚、衝撃改質、耐熱などを目的にフィラーを相当量含む樹脂が採用されてもよい。フィラーとしては、タルク、マイカ、クレー、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、カーボンビーズ、ガラスバルーン、炭素フレーク、ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、アラミド繊維、金属繊維、金属コートガラス繊維、金属コート炭素繊維、シリカ、セラミック粒子、カーボンブラック、ウイスカー、ハロゲン系、リン酸エステル系などの難燃剤、帯電防止剤、流動改質剤、結晶核剤、抗菌剤、グラフトゴムのような衝撃改質剤、などが挙げられる。特に無機充填材を多く含む必要がある場合には、コア層44の樹脂に含めることが好ましい。
【0043】
また、コア層44やスキン層42や仕上層46に使用する樹脂には光拡散、着色、蛍光増白などを目的に、顔料、染料、蓄光顔料、蛍光顔料、蛍光染料、ブルーイング剤、光拡散剤(アクリル系樹脂粒子、シリコーン系樹脂粒子、ガラスフレーク、炭酸カルシウム粒子、金属フレーク、金属コートガラスフレーク、など)が添加されてもよい。
【0044】
相接する2層を構成する樹脂は互いに相溶性を有するように選択されることが好ましいが、製品の要求特性上選択が制約される場合は、それぞれにあるいはいずれかに相溶剤
を混入させて用いることができる。
【0045】
また、本発明においては、仕上層が溶融状態でスキン層に接合されるため、インサート法を用いた製造方法にくらべて両層間の接着強力を高くすることができ、また素材選択の幅が大きくなる。とくに、スキン層を形成する樹脂、あるいは、スキン層を形成する樹脂と仕上層を形成する樹脂のそれぞれに相溶剤を購入させて成形することにより、異素材間の溶着であってもインサート法を用いた製造方法にくらべて両層間の接着強力をさらに高くすることができる。
【0046】
さらに、本発明においては、スキン層、スキン層の表裏のコア層、仕上層が同時に成形される。従って、仕上層を予め成形しておく必要がなく、成形された仕上層を金型に装着する操作も当然ないので、インサート法を用いた製造方法にくらべて製造工程が大幅に短縮され、製造コストの削減が可能となる。なお、本発明において、仕上層をスキン層及びコア層から構成してもよい。
【0047】
また、本発明においては、サンドイッチ構造体と仕上層とがワンサイクルで同時打ちされ、いずれかが接合面において接合時に溶融状態にあるので、両者の熱収縮差が接合時に緩和され、製品のそりが発生しにくい。
【0048】
本発明の多層成形品はその特徴を活かして車のインストルメントパネルやドアトリム等の内装材として好適に用いることができる。例えば、PPやABS(アクリル・ブタジエン・スチレン樹脂)を用いたスキン層に発泡PPのような断熱性や防音性に優れるコア層を内包した2色サンドイッチ構造体に、触感が優れたエラストマー等の機能性材料を表皮として配した3色複合成形品からなる内装材を1個の金型でワンサイクルの射出成形工程で得ることができる。
【0049】
さらに、本発明の多層成形品の用途としては、エアコンやテレビのような家電製品のボデイが挙げられる。これに用いる3色複合成形品の一例としては、意匠性を発現させるためのスキン材とコア材とを組み合わせた2色サンドイッチ構造体に、さらに各種ロゴ等の表面装飾模様を有する他の材料を、1個の金型でワンサイクルの射出成形工程で付与した3色複合成形品が挙げられる。
【0050】
またさらに、本発明の多層成形品の用途としては、什器、用具、機械類の構造部材が挙げられる。一例としては、椅子式マッサージ機のアームレストで、ボデイ本体は剛性及び軽量性を実現させるべくABS等によるスキン材と、発泡剤を添加して成形したコア材によるサンドイッチ構造体に、触感が優れたエラストマー等の機能性材料を表面カバー層として用いた3色複合成形品からなる部材を1個の金型でワンサイクルの射出成形工程で得ることができる。
【実施例1】
【0051】
図1に示す装置により、車両用ドアトリムを想定した車両用ドアトリム構造モデルを成形した。金型は車両用ドアトリムの形状にあわせて製作し、第一の樹脂(スキン材料)としてPP(ポリプロピレン樹脂)(日本ポリケム社製ノバテックPP BC02A)を射出シリンダ22に通ずる押し出し機のスクリューにて195℃で溶融した。第二の樹脂(コア材料)としてPPスクラップ樹脂を射出シリンダ24に通ずる押し出し機のスクリューにて200℃で溶融した。キャビティ12内にスキン材料5(第一の樹脂)を第一の注入ノズル孔14を介して射出し、次いで、スキン材料5の内部へ第一の注入ノズル孔14を介してコア材料7(第二の樹脂)を射出し、サンドイッチ成形体50を形成した。コア材料が射出されたのち、スライド型16を移動させキャビティ12の容積を拡大してキャビティ12に形成した空間18に第二の注入ノズル孔20を介して仕上材料9(第三の樹脂)を射出した。
【0052】
表皮材である仕上材料9(第三の樹脂)としては、エラストマー(クラレ製セプトンCJ001N)を用いた。第三の樹脂は射出シリンダ26に通ずる押し出し機のスクリューにて220℃で溶融した。
【0053】
第三の樹脂の射出後冷却し型開きして、エラストマー表皮を有するPPスクラップ入りの3色4層複合成形体からなる車両用ドアトリム構造モデルが得られた。
【実施例2】
【0054】
図6に示す成形装置2gにより、3色複合材料加色プレートを成形した。成形装置2gは、スキン材料(樹脂B)を一定量射出する射出シリンダ22g及び樹脂Bを送通するためのスキン流路4gと、コア材料(樹脂C)を一定量射出する射出シリンダ24g及び樹脂Cを送通するためのコア流路6gと、両流路より成形金型10gのキャビティ12g内へ溶融状態の樹脂を射出するための共有の注入ノズル孔14gとを有する。
【0055】
また、成形装置2gは、成形金型10gを備える。成形金型10gは、第一のキャビティ12gの容積を変更可能な第一のスライド型16g及び第二のスライド型16ggを有し、注入ノズル孔14g及び注入ノズル孔20g(注入ノズル孔B)を有する。さらに、成形装置2gは、キャビティ12gに、注入ノズル孔20gを介して仕上材料(樹脂A)を一定量射出する射出シリンダ26g及び樹脂Aを送通するための流路8gを備える。
【0056】
スライド型16g及びスライド型16ggを移動させてキャビティ12gの容積を拡大してできた空間に、注入ノズル孔14gを介してスキン層となる樹脂Bとコア層となる樹脂Cが射出される。
【0057】
成形金型10gには、第一のスライド型16g、第二のスライド型16gg及び成形金型10gの本体52gとで囲まれた第二のキャビティ12ggが形成される。
【0058】
成形装置2gによる3色複合材料加飾プレートの成形は以下の手順で行なった。まず、ステージ1(図7(a))において、キャビティ12gg内に注入ノズル孔20gを介して樹脂9g(樹脂Ag)を射出した。加飾用の樹脂Agとしてはポリスチレン系着色樹脂(東洋スチロール社製 MW−1C)を用いた。5秒の冷却時間をおいてステージ2(図7(b))に移行し、スライド型16g、スライド型16gg及び射出され成形された樹脂9gを移動させキャビティ12gの容積を拡大してキャビティ12gに空間18gを形成した。この移動においては、スライド型16gを図面視下方に移動させ、スライド型16ggは上面がスライド型16gの上面と略面一になるように移動させた。なお、この移動はスライド型16g、スライド型16gg及び射出され成形された樹脂9gの相対位置が変わらない状態での移動であってもよい。
【0059】
射出され成形された樹脂9gは、重力あるいはスライド型16ggとの付着力などにより移動し、スライド型16ggの上面に載置された状態に位置する。
【0060】
ステージ3(図7(c))において、空間18gにスキン材料5g(樹脂Bg)を注入ノズル孔14gを介して射出し、次いでステージ4(図7(d))において、スキン材料5gの内部へ注入ノズル孔14gを介してコア材料7g(樹脂Cg)を射出しサンドイッチ成形体90gを形成した。樹脂Bgとしてはポリスチレン系透明樹脂(東洋スチロール社製 MW−1C)を用いた。樹脂Cgとしてはポリスチレン系着色樹脂(東洋スチロール社製 MW−1C)を用いた。
【0061】
サンドイッチ成形体90gを形成後冷却時間30秒をおいて型開きし、3色複合材料加飾プレートが得られた。サンドイッチ成形体90gは、透明なスキン層104gとなった樹脂Bgの外側に密着して樹脂Agからなる成形体102gが存在し、樹脂Cgからなるコア層100gは成形体102gを避けてスキン層104g内を流れたものである。この3色複合材料加飾プレートは、透明樹脂(樹脂C)の中に一の有色成形体(樹脂B)が存在する層の部分(1)と、他の有色成形体(樹脂A)からなる層の部分(2)とが合体した構造を有し、部分(2)が部分(1)に喰い込んでおり、かつ部分(2)の露出した表面と部分(2)の露出した表面とが面一となる構成となっている。このように、本発明により、上面視で外観色相の異なる2種類のゾーンが存在する層状パネルからなる3色複合材料加飾プレート(サンドイッチ成形体90g)が得られる。このうちの一のゾーンの表面は、部分(1)の表面であり、透明樹脂(樹脂C)を介して一の有色成形体(樹脂B)が透視され、他のゾーンの表面は他の有色成形体(樹脂A)が露出した表面である。また、サンドイッチ成形体90gの表皮となるコア層100gの表面はロゴ等の模様を表示する不図示の凹凸面となっている。
【実施例3】
【0062】
次に、本発明の多層成形品、成形方法及び成形装置として、多層成形品200、多層成形品200を成形する成形方法、及び多層成形品200を成形する成形装置202を使用した実施例について説明する。成形装置202は、図8に示すように、キャビティ204の容積を変更可能なスライド型206を備える金型208と、金型208のキャビティ204にスキン層210となる第一の樹脂211を射出する第一の射出ユニット212と、第一の樹脂211を射出した後コア層214となる第二の樹脂215を射出する第二の射出ユニット216と、スライド型206を移動させてキャビティ204の容積を拡大してできたキャビティ204内の空間にスキン層218となる第三の樹脂219を射出する第三の射出ユニット220と、第三の樹脂219を射出した後コア層222となる第四の樹脂223を射出する第四の射出ユニット224と、を備えている。
【0063】
第一の樹脂211としては、PP(ポリプロピレン)のバージン材料(プライムポリマー株式会社製、グレードJ−3056HP)を使用し、第二の樹脂215としては、PPの再生材料を使用し、第三の樹脂219としては、TPE(サーモプラスチックエラストマー)のバージン材料(角一化成株式会社製、グレードE201260)を使用し、第四の樹脂223としては、TPEの発泡材料(三協化成株式会社製、グレードMB3066)を使用した。TPEの発泡材料には3%の発泡剤を配合した。
【0064】
まず、第一の射出ユニット212を作動させて、図9(a)に示すように、第一の樹脂211をキャビティ204内に射出した。図12に示すように、第一の樹脂211の樹脂温度190℃、射出速度4.7mm/secで行った。次に、第一の射出ユニット212及び第二の射出ユニット216を作動させて、図9(b)に示すように、第一の樹脂211及び第二の樹脂215を射出してスキン層210及びコア層214を形成した。図12に示すように、第一の樹脂211の樹脂温度190℃、射出速度17mm/sec、第二の樹脂215の樹脂温度180℃、射出速度9.3mm/secで行った。
【0065】
次に、スライド型206を移動させて、図9(c)に示すように、キャビティ204の容積を拡大し、第三の射出ユニット220を作動させて、図9(d)に示すように、第三の樹脂219をキャビティ204内に射出した。図12に示すように、第三の樹脂219の樹脂温度220℃、射出速度5.7mm/secで行った。次に、第三の射出ユニット220及び第四の射出ユニット224を作動させて、図9(e)に示すように、第三の樹脂219及び第四の樹脂223を射出し、図9(f)に示すように、スキン層218及びコア層222を形成した。
【0066】
その結果、図11に示すように、第一のサンドイッチ成形体226及び第二のサンドイッチ成形体228から成る多層成形品200が形成された。第一のサンドイッチ成形体226と第二のサンドイッチ成形体228の接着強度は高かった。これは、一個の金型208によって第一のサンドイッチ成形体226及び第二のサンドイッチ成形体228を連続的に成形したことによるものと考えられる。また、第二のサンドイッチ成形体228は、コア層222がスキン層218よりも軟らかくて弾性を有するため、手で押さえた時の感触が良好であった。また、スキン層218がコア層222よりも硬いため、表面の磨耗や損傷を防止できる。このような本発明の成形方法を利用すれば、樹脂成形品の必要な部分のみに弾性体から成るコア層を形成することもでき、このようにして形成した多層成形品は自動車の内装部品として最適である。また、多層成形品の表面側のスキン層をバージン材料から形成し、コア層を再生材料から形成すれば、全体をバージン材料から形成した場合に比してコスト低減を図ることができる。
【0067】
その他、本発明は、主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々なる改良、修正、変更を加えた態様で実施できるものである。
【0068】
例えば、スキン層の樹脂とコア層の樹脂との射出方法としては、逐次射出、同時射出、あるいは逐次射出と同時射出の組み合わせを適宜使用することができる。また、本発明の多層成形品において、コア層をスキン層に比して、より軟らかく形成してもより硬く形成してもよい。
【0069】
また、本発明の多層成形品の成形方法及び装置においては、射出シリンダーをそれぞれの樹脂に対して独立として複数シリンダーを使用する方法の他、1本の射出シリンダーによる方法を使用することもできる。1本の射出シリンダーによる場合は、可動マンドレルで前室と後室に分けてスキン層の樹脂とコア層の樹脂を分離して蓄積し、射出によりスキン層の樹脂が金型内に充填された後、可動マンドレル先端部の孔よりコア層の樹脂が充填される可動マンドレル法が挙げられる。また補助装置よりスキン層の樹脂を押出し、ホットランナー内の切り替えバルブ等により射出装置内への蓄積を可能とし蓄積した後、コア層の樹脂を射出装置で可塑化、スキン層の樹脂とコア層の樹脂を射出装置内に蓄積した後、ホットランナー内の切り替えバルブ等により金型内への充填を可能とし充填するモノサンドイッチ法を挙げることができ、いずれの方法も本発明において使用することができる。この場合、本発明における第一の射出ユニットと第二の射出ユニットとは一部部品を兼用することとなる。
【0070】
また複数シリンダーによる場合、スキン層の樹脂とコア層の樹脂はスキン流路4とコア流路6とが合流する合流ノズルを用いて層構造とする方法の他、金型内のゲート部等で合流させる方法を使用することもできる。合流ノズルを使用する場合、平行型ノズル、V型ノズルのいずれも使用可能であり、そのノズルの内部構造としては同心円状2重管型を使用することができる。あるいは、遮断ピンを用いて合流ノズル内の樹脂の流れを制御する方法も使用可能である。また、ノズル内の樹脂層数としては、2チャンネルタイプを基本とするが、さらに多層化を可能とする3チャンネルタイプ以上のものも使用可能である。
【0071】
また、図3の多層成形品40において、サンドイッチ成形体50のコア層44がバージン材料又は再生材料である発泡材料から形成されてもよい。この場合、例えば、スキン層42がPPのバージン材料から形成され、仕上層46がエラストマー化粧材料から形成される。すなわち、コア層は、バージン材料の発泡材料、バージン材料の通常材料、再生材料の発泡材料、又は再生材料の通常材料の4態様のいずれかから選択される。また、図11の多層成形品200において、コア層214がバージン材料又は再生材料である発泡材料から形成されてもよい。この場合、例えば、スキン層218がエラストマー化粧材料から形成され、コア層222がバージン材料若しくは再生材料である発泡材料又はエラストマーの再生材料から形成され、スキン層210がPPのバージン材料から形成される。また、本発明の多層成形方法又は多層成形品は、上述のスキン層又は仕上層が発泡材料から成る態様であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の多層成形品を成形する成形装置の態様の一例を示す模式図である。
【図2】本発明の多層成形品の製造のステップを説明する図である。
【図3】本発明の多層成形品の構成を示す断面模式図である。
【図4】本発明の多層成形品を成形する成形装置の他の態様の一例を示す模式図である。
【図5】図4に示す成形装置による本発明の多層成形品の製造のステップを説明する図である。
【図6】本発明の多層成形品を成形する成形装置のさらに他の態様の一例を示す模式図である。
【図7】図6に示す成形装置による本発明の多層成形品の製造のステップを説明する図である。
【図8】本発明の多層成形品を成形する成形装置のさらに他の態様の一例を示す模式図である。
【図9】図8に示す成形装置による本発明の多層成形品の製造のステップを説明する図である。
【図10】図8に示す成形装置による本発明の多層成形品の製造のステップを説明する図である。
【図11】図8に示す成形装置による本発明の多層成形品の構成を示す断面模式図である。
【図12】図8に示す成形装置による成形試験の条件を示す表である。
【符号の説明】
【0073】
2、2r、2g、202:成形装置
5、211:第一の樹脂(スキン材料)
4:スキン流路
6:コア流路
7、215:第二の樹脂(コア材料)
9:第三の樹脂(第三材料)
10、208:成形金型
11:第三材料流路
12:キャビティ
14:第一の注入ノズル孔
16、16r、16g、16gg、206:スライド型
20:第二の注入ノズル孔
22、22r、22g、24、24r、24g、26、26r、26g:射出シリンダ
30、30r、30g、212:第一の射出ユニット
32、32r、32g、216:第二の射出ユニット
34、34r、34g、220:第三の射出ユニット
40、200:多層成形品
42、210、218:スキン層
44、214、222:コア層
46:仕上層
50、226、228:サンドイッチ成形体
219:第三の樹脂(スキン材料)
223:第四の樹脂(コア材料)
224:第四の射出ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンドイッチ成形されたサンドイッチ成形体の片面に、溶融した樹脂が該面に積層されてのちそのまま冷却された仕上層が形成されてなる多層成形品。
【請求項2】
樹脂からなる仕上層が、サンドイッチ成形されたサンドイッチ成形体に積層されてなり、該サンドイッチ成形体のスキン層を構成する樹脂が、溶融した状態で前記仕上層に積層されてのちそのまま冷却されて、前記仕上層と前記サンドイッチ成形体との接合面が形成された多層成形品。
【請求項3】
前記サンドイッチ成形体のコア層が発泡材料から形成された請求項1又は請求項2に記載の多層成形品。
【請求項4】
請求項1に記載の多層成形品を成形する方法であって、キャビティの容積を変更可能なスライド型を備える金型の前記キャビティにスキン層となる第一の樹脂を射出したのちコア層となる第二の樹脂を射出しサンドイッチ成形し、次いで前記スライド型を移動させて前記キャビティの容積を拡大してできた該キャビティ内の空間に仕上層となる第三の樹脂を射出する多層成形品の成形方法。
【請求項5】
請求項2に記載の多層成形品を成形する方法であって、キャビティの容積を変更可能なスライド型を備える金型の前記キャビティに仕上層となる樹脂Aを射出したのち、前記スライド型を移動させて前記キャビティの容積を拡大してできた該キャビティ内の空間にスキン層となる樹脂Bを射出し次いでコア層となる樹脂Cを射出しサンドイッチ成形する多層成形品の成形方法。
【請求項6】
キャビティの容積を変更可能なスライド型を備える金型の前記キャビティにスキン層となる第一の樹脂を射出した後コア層となる第二の樹脂を射出して第一のサンドイッチ成形体を形成し、次いで前記スライド型を移動させて前記キャビティの容積を拡大してできた該キャビティ内の空間にスキン層となる第三の樹脂を射出した後コア層となる第四の樹脂を射出して第二のサンドイッチ成形体を形成する成形方法。
【請求項7】
前記請求項6に記載する成形方法によって形成された多層成形品であり、
前記第一のサンドイッチ成形体及び前記第二のサンドイッチ成形体から成る多層成形品。
【請求項8】
前記第一のサンドイッチ成形体のコア層及び前記第二のサンドイッチ成形体のコア層の一方又は両方が発泡材料から形成された請求項7に記載の多層成形品。
【請求項9】
キャビティの容積を変更可能なスライド型を備える金型と、
前記金型のキャビティにスキン層となる第一の樹脂を射出する第一の射出ユニットと、
前記第一の樹脂を射出した後コア層となる第二の樹脂を射出する第二の射出ユニットと、
前記スライド型を移動させて前記キャビティの容積を拡大してできた該キャビティ内の空間にスキン層となる第三の樹脂を射出する第三の射出ユニットと、
前記第三の樹脂を射出した後コア層となる第四の樹脂を射出する第四の射出ユニットと、
を備えた成形装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−216668(P2007−216668A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−347627(P2006−347627)
【出願日】平成18年12月25日(2006.12.25)
【出願人】(393029136)角一化成株式会社 (8)
【Fターム(参考)】