説明

多機能ベッド

本発明は、治療的および予防的機器ならびに家庭用品に関し、移動が制限されたまたは完全に動けない重篤患者のケアのための、および一時的に動けない患者の予防的処置のための住宅において使用され得る。提案されるベッドの使用は、身体に作用するための各種方法を組み合わせることを可能にし、それによって広範囲の疾患の効率的な予防および治癒のための対策を取ることが可能になる。これは、全ての示された手段およびそれらの相互作用と共に、治癒効果を増強および拡大し、かつサービスの質を改善することを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療器具、すなわち重篤患者のためのベッドに関し、移動が制限されたまたは完全に動けない重篤患者を看護するために、さらに一時的に動けなくされた患者の処置のために、健康管理機関および住宅において使用され得る。
【背景技術】
【0002】
患者の快適性のために椅子に変形させることができる基部および部分的上部(睡眠用)プラットフォームと;便器およびそれを調整するための歯車と;部分的上部プラットフォームの形状を変化させるための機械的装置とからなる機能ベッドであって、前記便器を調整するための前記装置と前記部分的上部プラットフォームの形状を変化させるための前記装置とが、レバーと電気機械装置/リニアアクチュエータとのシステムとして設計される、機能ベッドが公知である(ロシア特許第2221534号)。
【0003】
前記公知のベッドの短所は、患者の汚物処理と複雑な水の供給および汚物処理排泄物の除去とを行うことが事実上不可能なことである。その上、このベッドは、構築することが困難であり、かつあまりにかさばっており;ベッドの使用には、ベッド内において患者を配置するために用いられる設備の複雑な設計のために多くの苦労と医療職員の存在とが必要であり;ベッドに組み込まれる余分な機能によって、ベッドが、維持により多くの労力を費やすものになる。
【0004】
ベッド手すりを有する基部と、前記手すりと結合させたフレームと、前記フレーム内に設置された上部プラットフォームと、水平軸の周りにフレームを回転させる装置と、上部プラットフォームロック装置と、患者支持ユニットとからなる機能ベッドが公知である。上部(睡眠用)プラットフォームは、患者の適応のための支持体を有し、多くのベルトおよび厚板の形で作製された患者支持手段と上部プラットフォームロック装置とは、フレームの範囲内における上部プラットフォームの保持と、フレームと共に回転する際に患者が落下し、滑り落ちることからの防止とを提供するクリップから作製される(特許第RU2317803号)。
【0005】
前記公知のベッド設計の短所は、患者の全面的な汚物処理が不可能であること、すなわち寝たきり患者が確実かつ寛大に固定されないことであり、このことによって、ケアの質がより低下する。上部プラットフォームの回転の管理は困難であり、職員の側の多くの苦労を必要とし、それによって患者の看護が複雑になる。
【0006】
基部と、ベッド手すりと、上部プラットフォームを有するフレームと、水平軸または垂直軸の周りで上部プラットフォームを有するフレームを回転させるフレーム回転装置と、患者の配置を固定する手段とを含む病院ベッドが公知である。各装置は、それ自体のウォーム歯車を備える(特許第RU2186555号)。前記公知のベッド設計の短所は、ベッド内における患者の再配置は可能であるものの、かかる動作を手動で行わなければならず、このことは多くの苦労を必要とすること;患者の汚物処理のシステムがないこと;患者の固定はベルトで行われ、このことによって患者の再配置の間に患者に傷害を負わせる可能性があることである。
【0007】
その上、特定の身体部分の負荷を排除すること;または呼吸器系もしくは循環器系におけるうっ血を回避すること;ならびに患者の器官および系における褥瘡およびうっ血作用を防止すること、すなわち、医学的適応を反映しかつ医師によって指示されたある種のプログラムに従って患者の再配置を管理することが重要である場合、上述の設計のいずれも、例えば脊椎、頭骨、腹腔または胸腔手術の後の重篤および寝たきり患者のケアのために用いることができない。前記公知のベッドを用いて患者を看護することは、労力を費やし、不都合である。
【0008】
基部と、ベッド手すりと、その両端部分に軸方向ロッドを有するフレームと、ロック装置の助けにより設置される上部プラットフォームと、患者を支持するための着脱可能な空気クランプと、アクチュエータと連結装置およびU字形ブラケットを介して軸方向ロッドの内の1つと結合したウォーム対とを有する水平軸の周りにおけるフレームの回転のための回転装置と、リードスクリューに沿って移動する能力を有しかつラックおよびヒンジによって上部プラットフォームと結合する台車からなるフレームを垂直に傾斜させるための機械的設備とを含む病院ベッドが公知である(特許第RU1666108号)。
【0009】
前記公知のベッド設計は、その患者の状態および医師の指示に従って、必要に応じて空間内において患者を再配置する能力がなく;水平軸に対して患者を回転させ、ベッドの上部プラットフォームを傾斜させる選択肢だけがある。ベッドの上部プラットフォームを傾斜させるユニットの設計は、過度に複雑になる。患者の汚物処理の能力はない。回転の間の患者の配置は、ベッドを管理する医療職員にとって不都合である。とりわけ、例えば脊椎、頭骨、腹腔または胸腔手術等の後の寝たきり患者を看護する際における、許容し得ない回転の間の偶発的な患者の傷害を排除することができない。また、前記ベッド設計は、褥瘡をもたらす、患者の身体表面に対する一定の負荷を除去することも、生体系が機能することを改善するための患者の身体の継続的な再配置の提供することもできない。
【0010】
従って、重篤および寝たきり患者のために意図された、本著者が知っているベッド設計のいずれも、同時に、医療職員がかかる患者を看護し、サービスの容易さを確保するための必要条件を提供することが可能ではなく;すなわち、患者の適切なケアの提供ができかつ患者の回復期および回復に寄与するリハビリテーション活動を実施することを可能にする、サービスが簡単な多機能ベッドの必要性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】ロシア特許第2221534号
【特許文献2】特許第RU2317803号
【特許文献3】特許第RU2186555号
【特許文献4】特許第RU1666108号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、寝たきり患者を看護する質を改善し、その労働集約度を減少させることである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的は、基部と、ベッド手すりと、その両端部分に軸方向ロッドを有するフレームと、前記フレーム内に設置される上部プラットフォームと、前記フレーム内における前記上部プラットフォームの設置のためのロック装置と、患者を支持するための着脱可能な空気クランプと、アクチュエータと前記軸方向ロッドの内の1つと結合したウォーム対とを有する水平軸の周りにおける前記フレームの回転のための回転装置と、リードスクリューに沿って移動する能力を有しかつラックおよびヒンジによって前記上部プラットフォームと結合する台車からなる前記フレームを垂直に傾斜させるための機械的設備とを含む多機能ベッドであって、前記ベッドが、前記ベッド手すり内に伸縮自在に設置されかつ相互に結合して、加圧液体の供給のためのコンプレッサと電気式アクチュエータとに結合した搬送システムを形成する中空垂直管の形で作製された前記フレームを垂直に持ち上げる装置を備え、さらに、前記ベッド軸方向ロッドの内の1つに結合した偏心フレーム振動装置と、前記上部プラットフォームの下の部分的ネットおよびパレットであって、それらの部分が着脱可能な部分的ネットおよびパレット、ならびに前記パレットの下に設置されかつ給水器具および汚物処理排泄物除去器具を備えた樋様ダクトの形の汚物処理設備とを備え、前記ネットおよびパレットの前記部分が水平移動能力を備え、前記フレーム回転装置が、電子制御信号を前記アクチュエータに伝達するための電子装置を含むフレーム回転制御システムと、回転モードを変えるためのまたはフレーム回転角度を割り当てるためのパケット型スイッチと、フレーム角度配置をロックするためのドラムロックとをさらに備え、前記上部プラットフォームが、前記フレームの内側面上にヒンジによって設置されたその横側面上に位置するピンを備える、多機能ベッドの本発明によって達成される。好ましくは、前記ベッドは、患者の身体に沿って移動する能力を備えた台車の形で作製されたマッサージ装置をさらに備え、それにマッサージローラが固定される。好ましくは、前記ベッドは、電磁コイルおよびコアが前記ベッドの前記基部内に設置される電磁アクチュエータの形で作製された振動装置をさらに備える。
【0014】
ベッドの上部プラットフォームの下における、水平移動能力を備えた着脱可能部分を備えたネットおよびパレット、ならびにパレットの下に据えられかつ給水器具および汚物処理排泄物除去器具を備えた樋様ダクトの設置によって、フレームおよび上部プラットフォームの任意の配置が与えられた適切な患者の身体部分の検査、処置および汚物処理を容易にすることが可能になる。垂直面内における上部プラットフォーム傾斜能力は、応力を受けた状態で患者を置くことなく例えばベッドリネンを交換することを可能にし、上部プラットフォームの一端を上昇させることによって脊椎または下肢のストレッチを可能にすることもでき、それによって患者のケアが容易になる。
【0015】
フレームおよび上部プラットフォームの振動と一緒になった上部プラットフォームの垂直傾斜およびフレームの回転は、振り子のような揺動移動を生じ、この揺動移動は、患者に影響を及ぼし、ある種の患者の身体部分の一定の負荷を除去し、それによって身体内におけるうっ血域の形成がほぼ完全に防止される。提案される多機能ベッド上において、空間内における患者の再配置のモードを個別に調整することを可能にする電子装置を設置することは、重篤患者の回復期の時間を減少させることを可能にし、寝たきり患者の生活状態を改善することを可能にする。
【0016】
本発明を図面により示す。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、提案されるベッドの全体図を示す。
【図2】図2は、図1のA図である。
【図3】図3は、断面図B(図1のB)である。
【図4】図4は、持ち上げられた上部プラットフォームを有するベッドの全体図である。
【図5】図5は、図4の断面図C−Cである。
【図6】図6は、フレーム垂直持上装置である。
【図7】図7は、図1の断面図S−Sである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
多機能ベッドは、堅固に固定されたベッド手すり2および3を有する基部1と、フレーム4と、水平軸の周りのフレームの回転のための装置4と、フレーム垂直傾斜装置4と、偏心フレーム振動装置4と、フレーム垂直持上装置4と、上部プラットフォーム5とを含む。フレーム4は、一端側面上にヒンジ7を有するロッド6を、他端側面上にブラケット9を有するロッド8(図2)を、フレーム4の内側横側面上にランナ10を備える。上部プラットフォーム5は、フレーム4の内側に位置し、フレーム4の端部側面に固定されるロック11で所定位置内に固定され得る(図2)。上部プラットフォーム5は、フレーム4の内側横側面に固定されたヒンジ14および15内に設置されたプラットフォームの横側面に堅固に固定されたロッド12および13と、着脱可能な部分的ネット16とを有する(図5)。上部プラットフォーム5の横側面上に、膨張式枕18を有する着脱可能な空気クランプ17が設置される。水平軸の周りにおけるその回転のためのフレーム4の回転装置は、アクチュエータ19とウォーム対(その端部がアクチュエータのハウジング21内に枢動自在に載置されるスクリューシャフト20、ならびにその車軸の一方がアクチュエータ車軸19に結合し、他方の車軸が連結器23を介してブラケット9に結合する、クロスバー24に枢動自在に結合した歯車22)とを含み、連結器23はベッド手すり3に枢動自在に結合し、シャフト20の車軸の一方はハンドル25内において終端する。フレーム4の振動装置は、ベッド手すり2の外表面上のベッドの、フレーム回転装置に対して対向する端部に位置し、偏心して載置され;それは、電動モータ26と、堅固に固定された偏心ドライブ28を有するシャフト27とを有し、シャフト27は、ベッド手すり2内に設置された連結器29と軸方向のロッド6を有するヒンジ7とを介して結合される。上部プラットフォーム傾斜装置5は、台車30と、ハウジング32内にその端部を枢動自在に設置した、前記台車を貫通するリードスクリュー31とを有し、後者は、フレーム4の端部上に堅固に固定され、台車30は、ラック33によって上部プラットフォーム5に枢動自在に結合される。患者汚物処理設備は、上部プラットフォーム5の下に設置された、着脱可能な部分的なパレット34であって、前記パレットが、フレーム4の多層になったランナ10上を移動する能力を有して挿入されるロッドと嵌合するパレット34と、パレットの下に据えられかつ給水器具36および汚物処理排泄物除去器具37を(それぞれ)備えた樋様ダクト35と、ハンドル39を有する着脱可能なカバー38とを含む。パレットの各部分内のロッドは、それらのそれぞれのランナ10内において各々、垂直に、間欠的に設置され、樋様ダクト35は、パレットの中央部分内に設置される。マッサージ装置は、上部プラットフォーム5の横側側面の下部に固定される手すり40と、移動式の台車41と、台車41に固定された車軸上のマッサージローラ42とからなる。フレーム4を垂直に持ち上げる装置は、ベッド手すり2および3の気送管47内に伸縮自在に設置された中空垂直管43と、電気式アクチュエータ45の助けにより垂直管43内に加圧液体を供給するためのコンプレッサ44と、搬送管46とからなり、それらは単一の搬送システムを形成する。垂直管43は、ベッド手すりの垂直部47内に伸縮自在に設置される。フレーム回転の設備は、電動モータ19を必要な回転モードに切り替えるためのまたはフレーム回転角度を割り当てるためのパケット型スイッチ48と、パケット型スイッチ48を介して電動モータ19に電子制御信号を伝達するための電子装置49と、フレーム4の角度配置をロックするためのドラムロック50とからなるフレーム回転制御システムをさらに備える。回転パケット型スイッチ51は、上部プラットフォーム5にビデオ機器と医療用モニタリングおよび生命維持機器とを結合することが意図され、前記ビデオ機器は、ロッド52上に設置される。さらなる振動装置は電磁アクチュエータからなり、その電磁コイル53およびコア54はベッドの基部上に設置される。さらなる振動装置は、フレーム4の縦−横振動を生成することが意図される。
【0019】
機器の提案された部分の操作は、以下のように実施される。上部プラットフォーム5をフレーム4内のロック11でロックし;空気クランプ17を上部プラットフォーム5の縁部に沿って固定し;患者の頭をベッド手すり2に、足を基部1に平行なベッド手すり3に向けて、患者を上部プラットフォーム5上に寝かせ;頭を含めて患者を全ての側面から完全にカバーするために膨張式枕内に空気を押し入れることによって膨張式枕18を有する空気クランプ17で患者を固定し;必要に応じて患者を手動でまたは自動的にひっくり返し、配置は、必要に応じて事前設定プログラムに従って固定される。装置のハンドルを回してフレーム4を回転させることによって患者を手動でひっくり返すが、その目的のために、スクリューシャフト20を移動に設定し、それによってアクチュエータの歯車22を回転させ;フレーム4を、連結器23とブラケット9を貫通するロッド8とを介して回転させ、必要な配置においてロックし;この時点で患者は、例えば背後からの身体の汚物処理のために空気クランプ17の膨張式枕18上に横になっている。この目的のために、必要な身体部分への通路を開くためにネット16の部分をまず移動させるが、例えば、腰部の汚物処理を行うために、ネット16の部分を頭または足の方向にまず移動させ、次いで前記部分を除去して汚物処理を行い、ネット16の部分を所定位置に戻してそれを完了させる。次いで、スクリューシャフト20を再度回転させ、フレーム4を通常配置に戻す。樋様ダクト35を用いることが必要である場合、ハンドル39を用いて内側のカバー38を開き、給水器具36のスイッチを入れ、次いで器具37を通して汚水を洗い流す。脊椎または下肢のストレッチを行うことが必要である場合、上部プラットフォームの一端を上昇または下降させてよい。この目的のために、電動モータ26は、リードスクリュー31に沿って移動するための台車30を駆動するシャフト27を回転させる。上部プラットフォーム5の傾斜角を増大させるために、中空垂直管43とコンプレッサ44とベッド手すり内に載置された垂直エレメント47とを含むフレーム垂直持上装置の助けによりベッド手すり2および3を持ち上げることができる。フレームの角度配置をロックするドラムロック50と、パケット型スイッチ48と、電動モータ19に電子制御信号を伝達する装置49との助けにより、フレーム4と枢動自在に結合した上部プラットフォーム5がフレームに対して事前設定角度に回転する。装置49は、パケット型スイッチ48を介して、一定の角度への上部プラットフォームの振子回転を行うこともできる。各種の患者身体部分の再配置の変化の増加をより小さいものに確保するため、縦−横振動を生成する。この目的のために、連結器29とフレーム4に結合した軸方向のロッド6とを介して、低振動数の振動を偏心振動装置から上部プラットフォームに伝達する。上部プラットフォーム5の傾斜した配置が必要である場合、ロック11を解除し、傾斜装置ハンドルによってリードスクリュー31を回転させ、それによって台車30を移動させ、しかるにラック33を持ち上げ、それによって次に上部プラットフォーム5の側面の内の1つを、ヒンジ14および15内に設置されたピン12および13上におけるその回転のため設定角度に持ち上げる。フレーム4の振動揺動を生成する目的のために、電動モータ26のスイッチを入れ、円板28を有する偏心シャフト27を設定角速度で連結器29を介して回転させる。揺動をヒンジ7およびロッド6を介してフレーム4および上部プラットフォーム5に伝達する。マッサージが必要である場合、台車41およびマッサージローラ42を患者の身体の関連部分に導き、台車41は、必要な速度で往復して手すり40上で身体表面に沿って移動する。回転パケット型スイッチ51は、空間内および時間内における上部プラットフォームの再配置の条件下で必要な医療用モニタリングおよび生命維持機器を患者に結合することを可能にする。患者の状態をモニタする目的のために、ロッド52に固定されるビデオ機器を用いてよい。振動数および振幅のパラメーターを変化させつつ振動揺動を生成する目的のために、電磁コイル53およびコア54を有するさらなる振動生成装置を用いてベッド基部1の振動を誘起し、それによってフレーム4の振動を誘起することができる。
【0020】
従って、提案される多機能ベッドは、呼吸器系のうっ血を防止し、胃腸管および血液循環系を刺激することによって重篤および寝たきり患者の状態を著しく改善することが可能である。患者をひっくり返すこと、再配置および振動モードは、患者の状態および医師の指示に応じて患者の特異性に基づいて設定される。患者が空気クランパによって保持されたベッドの上部プラットフォームの完全な回転(360°)の頻度は、1時間につき1〜2回から4〜5回以上であってよい。ベッドの上部プラットフォームは、背部から脇へ、腹部へ、他方の脇へ、そしてまた背部へと、90度毎に一定の時間(10〜30分間)の間回転することができる。患者の洗浄および汚物処理のために、上部プラットフォームの下に設置された特別な装置がある。寝たきり患者の汚物処理は、ベッド上で実施される。所定位置に患者を保持するために、様々な器具が用いられる(空気胸部ジャケット、ラテックス枕ならびに綿および泡クッション)。ベッドは、患者のためのマッサージ装置と、患者の遠隔モニタリングのためのビデオ機器とを備える。自動モードにおいて、電子装置ユニットは、一定の持続時間の通常の電気信号を適切なアクチュエータに伝達し、後者は、身体のこのまたはその部分の負荷を回収するために間欠的にいずれの方向においても設定角度にベッドフレームの角(振子)振動を生成し、さらに、設定角度にフレームを回転するための個別の電気信号を生成して、背中または他の身体部分の脇からの患者のケアの実施のための条件を提供する。例えば脊椎、頭骨、腹腔または胸腔手術の後のある種の重篤および寝たきり患者の場合、5〜10または30〜45分毎に180°〜240°までの角度への上部プラットフォームの揺動(振子)旋回を実施することが必要である。ベッドフレームの縦および横振動は、患者の身体部分の再配置の変化の増加を小さくすることもできる。ベッド上に患者を伴うフレームのかかる角変化、振子移動および縦−横振動は、電子装置においてプログラム化されたコマンドに応じて設定時間の間実施され得る。上部プラットフォームの下部は、寝たきり患者の簡単な洗浄、ならびにマッサージ、着直しおよび他のあらゆる医療手法を可能にする、着脱可能な部分からなるパレットを備える。従って、本発明の使用は、重篤および寝たきり患者の生活の質の改善に寄与するものであって、それはサービスの容易さを改善すると同時に、患者のケアの労働集約度を減少させる。
【符号の説明】
【0021】
1 基部
2 ベッド手すり
3 ベッド手すり
4 フレーム
4 水平軸の周りのフレームの回転のための装置
4 フレーム垂直傾斜装置
4 偏心フレーム振動装置
4 フレーム垂直持上装置
5 上部プラットフォーム
5 上部プラットフォーム傾斜装置
6 ロッド
7 ヒンジ
8 ロッド
9 ブラケット
10 ランナ
11 ロック
12 ロッド
12 ピン
13 ロッド
13 ピン
14 ヒンジ
15 ヒンジ
16 部分的ネット
17 空気クランプ
18 膨張式枕
19 アクチュエータ
19 アクチュエータ車軸
19 電動モータ
20 スクリューシャフト
21 ハウジング
22 歯車
23 連結器
24 クロスバー
25 ハンドル
26 電動モータ
27 シャフト
28 偏心ドライブ
28 円板
29 連結器
30 台車
31 リードスクリュー
32 ハウジング
33 ラック
34 パレット
35 樋様ダクト
36 給水器具
37 汚物処理排泄物除去器具
38 カバー
39 ハンドル
40 手すり
41 台車
42 マッサージローラ
43 中空垂直管
44 コンプレッサ
45 電気式アクチュエータ
46 搬送管
47 気送管
47 垂直部
47 垂直エレメント
48 パケット型スイッチ
49 電子装置
50 ドラムロック
51 回転パケット型スイッチ
52 ロッド
53 電磁コイル
54 コア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部と、ベッド手すりと、その両端部分に軸方向ロッドを有するフレームと、前記フレーム内に設置される上部プラットフォームと、前記フレーム内における前記上部プラットフォームの設置のためのロック装置と、患者を支持するための着脱可能な空気クランプと、アクチュエータと前記軸方向ロッドの内の1つと結合したウォーム対とを有する水平軸の周りにおける前記フレームの回転のための回転装置と、リードスクリューに沿って移動する能力を有しかつラックおよびヒンジによって前記上部プラットフォームと結合する台車の形で作製された前記フレームを垂直に傾斜させるための機械的設備とを含む多機能ベッドであって、かかるベッドが、前記ベッド手すり内に伸縮自在に設置されかつ相互に結合して、加圧液体の供給のためのコンプレッサと電気式アクチュエータとに結合した搬送システムを形成する中空垂直管の形で作製された前記フレームを垂直に持ち上げる装置を備え、
さらに、前記ベッド軸方向ロッドの内の1つに結合した偏心フレーム振動装置と、
前記上部プラットフォームの下に設置された部分的ネットおよびパレットであって、それらの部分が着脱可能な部分的ネットおよびパレット、ならびに前記パレットの下に設置されかつ給水器具および汚物処理排泄物除去器具を備えた樋様ダクトの形で構築された汚物処理設備とを備え、前記ネットおよびパレットの前記部分が水平移動能力を備え、
前記フレーム回転装置が、電子制御信号を前記アクチュエータに伝達するための電子装置を含むフレーム回転制御システムと、回転モードを変えるためのまたはフレーム回転角度を割り当てるためのパケット型スイッチと、フレーム角度配置をロックするためのドラムロックとをさらに備え、
前記上部プラットフォームが、前記フレームの内側横側面上にヒンジによって設置されたその横側面上に位置するピンを備えることを特徴とする、多機能ベッド。
【請求項2】
かかるベッドが、患者の身体に沿って移動する能力を備えた台車の形で作製されたマッサージ装置をさらに備え、それにマッサージローラが固定されることを特徴とする、請求項1に記載のベッド。
【請求項3】
かかるベッドが、電磁コイルおよびコアが前記ベッドの前記基部内に設置される電磁アクチュエータの形で作製された振動装置をさらに備える、請求項1に記載のベッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−528667(P2012−528667A)
【公表日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−513899(P2012−513899)
【出願日】平成22年5月31日(2010.5.31)
【国際出願番号】PCT/RU2010/000280
【国際公開番号】WO2010/140925
【国際公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(511294028)
【Fターム(参考)】