説明

多機能栄養管

医療装置は、栄養管70の遠位先端に開口部152を持つ供給管腔70と、栄養管70に沿って間隔をおいて配置されるアクセス開口部120を持つ電気的管腔84とを含む栄養管70と、前記アクセス開口部近くに電気的に露出した部分132、132a、132bを持つ、前記電気的管腔内に配置された絶縁された導電体のセットと、前記電気的管腔内に配置され前記絶縁された導電体のセットの近くの前記電気的に露出した部分と電気的に接触する電極72、73、74、75、78、79、140であって、前記アクセス開口部内に配置された導電性材料部140を有する前記電極とを有する。前記電極は、予想される患者の心臓電気的中央線CL上に配置される少なくとも一つの上位又は近位電極74、75、78、79と、予想される患者の心臓電気的中央線CL下に配置される少なくとも一つの下位又は遠位電極72、73とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の説明は、新生児患者、小児患者又は成人患者のための栄養管、生理的監視技術、新生児及び小児看護、医療ケア等に関する。
【背景技術】
【0002】
識別できる医学的状態にある新生児のような新生児患者又は未熟児等は、時々供給管を介して授乳される。例えば、経鼻的胃栄養管装置において、栄養管が鼻開口部に挿入され、胃内部を終点として食道を通る。栄養管は、医学的状態のため適切な食物摂取ができない小児又は成人患者のためにも用いられる。
【0003】
栄養管を使用して治療を受けている患者は、また、心臓サイクル(例えば、心拍及び/又はECG)、呼吸、コアボディ温度等のような一つ以上の生理的パラメータを通常は監視される。新生児又は他の患者は、このように、心電計(ECG)電極、サーミスタ又は他の温度センサ等のような生理的プローブと栄養管とを接続される。栄養管及び様々な生理的プローブは、ワイヤ又はケーブルにより対応する監視装置(ECGモニタ、患者の温度計等)と接続される。患者はこれらの接続により不快にされ、患者の動きはワイヤ又はケーブルにより制限され、様々なワイヤ及びケーブルは、医師、看護婦又は他の医療関係者にとっての物理的障壁となる。新生児患者の場合、皮膚電極の粘着力は、未熟な皮膚成長や、湿度及び温度が制御される保育器環境による問題もある。
【0004】
新規な栄養管の挿入の間、(肺への気管支の経路よりはむしろ)胃への食道経路を栄養管が伝わることを確実にし、栄養管の遠位先端が(通常は食道よりはむしろ胃に又は胃の下方に)適切に配置されることを確実にするため注意されなければならない。栄養管の誤った位置決めは、肺への栄養の誤嚥又は他の合併症に結果としてなりえる。問題として、既存の栄養管は、通常は挿入の間、明確な位置フィードバックを提供しない。
【0005】
栄養管は、使い捨ての装置であり、すなわち、栄養管は異なる患者に一般に再利用されない。未熟児、小さい乳児又は他の新生児患者の場合、栄養管は、通常は急速な新生児成長率のため頻繁に交換される必要がある。使い捨ての部材として、栄養管が安価な製造コストであることが有利である。栄養管は、また、非常に酸性で腐食性の消化液を含む食道及び胃環境への露出下で信頼性を維持しなければならない。実際には、栄養管は、通常、シリコン、ポリウレタン又は他の丈夫な材料の単純な中空管要素である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願は、上述した課題等を克服する新規及び改良型の栄養管並びに栄養管の製造及び使用方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの態様によると、装置は、栄養管の遠位先端に開口部を持つ供給管腔と、前記栄養管に沿って間隔をおいて配置されるアクセス開口部を持つ電気的管腔とを含む前記栄養管と、前記アクセス開口部近くに電気的に露出した部分を持つ絶縁された導電体のセットであって、前記電気的管腔内に配置された前記絶縁された導電体のセットと、前記電気的管腔内に配置され前記絶縁された導電体のセットの近くの前記電気的に露出した部分と電気的に接触する電極であって、前記アクセス開口部内に配置された導電性材料部を有する前記電極とを有する。
【0008】
他の態様によると、栄養管に沿って間隔を置いたアクセス開口部を持つ電気的管腔と供給管腔とを含む栄養管を形成するステップと、絶縁された導電体のセットを、前記栄養管の前記電気的管腔へ挿入する挿入ステップであって、前記絶縁された導電体のセットが、挿入した後に、前記アクセス開口部近くにある電気的に露出した部分を持つ当該挿入ステップと、前記電気的管腔内に配置された前記絶縁された導電体のセットの近くの電気的に露出した部分と電気的に接触するため、導電性材料部を前記電気的管腔の前記アクセス開口部に注入することを含むプロセスにより、挿入ステップ後に電極を形成するステップとを有する、装置を作る方法が開示される。
【0009】
他の態様によると、前記方法で製造される装置が開示される。
【0010】
他の態様によると、装置は、栄養管の遠位先端に開口部を持つ供給管腔と電気的管腔とを含む栄養管と、前記電気的管腔内に配置される絶縁された導電体のセットと、前記絶縁された導電体のセットと電気的に接触し、前記栄養管に沿って配置された、上位又は近位電極のセット及び下位又は遠位電極のセットを含む電極と、前記上位又は近位電極のセットの一つの電極及び前記下位又は遠位先端の電極のセットの一つの電極を心電計器具に動作的に接続させるためのスイッチとを有する。
【0011】
1つの利点は、患者と接続されるワイヤ又はケーブルの減少した数である。
【0012】
他の利点は、より正確な生理的モニタリングである。
【0013】
他の利点は、一つ以上の統合された生理的監視センサを持つ栄養管を供給することである。
【0014】
他の利点は、一つ以上の統合された生理的監視センサを持つ栄養管の製造コストの減少である。
【0015】
他の利点は、一つ以上の統合された生理的監視センサを持つ栄養管の増大された頑健さを提供することである。
【0016】
本発明の更なる利点は、以下の詳細な説明を読んで理解する際に、当業者には理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、本願による器具を持つ新生児栄養管を表す。
【図2】図2は、遠位先端部分を通る図1の栄養管の断面図である。
【図3】図3は、サーミスタを通る図1の栄養管の断面図である。
【図4】図4は、電極を通る図1の栄養管の断面図である。
【図5】図5は、基部を通る図1の栄養管の断面図である。
【図6】図6は、多機能栄養管を有する医療装置を含む患者監視システムを模式的に表す。
【図7】図7は、図6の多機能栄養管の拡大斜視図を示す。
【図8】図8は、図6及び図7の多機能栄養管を製造する際に使用される押出成形後に形成されるアクセス開口部を含む多機能栄養管押出品の拡大斜視図を示す。
【図9】図9、図9A及び図9Bは、栄養管押出品の電気的管腔への電気的アセンブリの挿入の前の、図6及び図7の多機能栄養管の電気的アセンブリの様々な適切な実施例又は態様を示す。
【図10】図10は、温度センサ及び電極接続を明らかにするために押出品が取り除かれた、図6及び図7の多機能栄養管を示す。
【図11】図11は、供給管腔及び電気的管腔を現している、図8の栄養管押出品の断面を示す。
【図12】図12は、図6及び図7の多機能栄養管の遠位先端部の1つの適切な実施例の斜視図を示す。
【図13】図13は、図6及び図7の多機能栄養管の遠位先端部の1つの適切な実施例の斜視図を示す。
【図14】図14は、心電図記録機能を選択可能なECG電極に供給するために接続された図6乃至図13の多機能栄養管を有する医療装置の電気的回路図を模式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1を参照すると、新生児栄養管10が示されている。実施例では、管10は、吸い込み能力がまだ発達していないか、又は他のある理由のために通常の栄養を取ることができない生まれたばかりの乳児(新生児)のために装備された使い捨ての栄養管である。管10は、ある実施例では、5フレンチ管、すなわち直径1.67mmの管である。適当なスケーリングが、より大きいか又はより小さな管のために実施できる。新生児栄養管が本願で図示される例として説明されるが、更に一般的に、開示された栄養管の実施例及びその開示された態様は、成人の患者、被験物としての家畜(例えば、獣医の治療を受けるイヌ又はネコ)のための栄養管等に容易に適用されることも理解されるべきである。便宜のため、その実際のサイズが、例えば、長さ略300mmであるが、管10は分割されて示されている。
【0019】
新生児は、管10を通してミルク又は母乳を与えられる。管10(すなわち、経鼻的胃栄養管装置)は、通常、鼻又は口に挿入され、食道を通って胃へ進む。管10は、栄養管10が適切に挿入されるとき、通常は胃の上位の部位に配置される管の遠位先端に遠位先端12を持つ。図2は、遠位先端部分14の断面図を表す。遠位先端12のホール16によって、乳児用ミルク又は母乳のような食べ物が管を出ることができる。遠位先端ホール16が詰まるか又はブロックされる場合に、遠位先端12から外れてある一つ以上の付加的なホール18によって、食べ物が出ることができる。遠位先端12及びクロスホール18は、実施例では、被験者の胃に好ましくは位置される。遠位先端部分14は、(実施例では)シリコンゴムのような柔らかい生体適合性材料で最適にモールドされる。
【0020】
栄養管10は、電極20も含む。電極20は、栄養管の外側にあって、挿入されるとき被験者の食道と接触する。絶縁されたリード線は、近くの各電極から栄養管10内部へ又は栄養管の外壁へ延在する。温度センサ(図示の例ではサーミスタ22である)は、管内に配置されていて、温度測定を行うため実施例では、電極20の遠位にある。図3は、サーミスタ22を断面に含む管10の断面を示す。熱電対、サーモダイオード等のような他の温度センサが、図示のサーミスタ22の代わりに使用できる。
【0021】
サーミスタ22は、少なくとも一方が絶縁される一対のワイヤに組み立てられる。実施例では、サーミスタ22は、特定の患者モニタ又は一連のモニタで動作するために較正される。較正は、栄養管10の患者への挿入の前に、例えば抵抗を測定し仕様と比較することによりオプションで点検される。オプションの較正動作において、正確さのため指定された基準をサーミスタに遵守させるために、サーミスタ抵抗が仕様と合うまで、抵抗は適切に増大される。図示のサーミスタ22は、半導体材料の一部であるか、又は各セグメント間に小ギャップを持つ、並列に接続される2つ以上のセグメントである。これは、長さが管直径の数倍の場合でも、アセンブリを2方向に屈曲可能にし、ねじることも可能にする。サーミスタの全体の抵抗は、その厚みと比例し、面積に反比例する。サーミスタの幅及びサーミスタの厚みが管10のサイズにより拘束されるので、サーミスタアセンブリの実効的な長さが、監視しているシステムの電気的要件に基づいて選択される。構成のこのやり方は、また、挿入、除去及び使用の間の困難さ及び苦痛を最小にする。このやり方は、製造、挿入及び使用の間、よりフレキシブルで破損に対しても、より抵抗がある。実施例では、サーミスタ22は、25℃で略2250Ω、37℃で略1360Ωの抵抗を持つ。
【0022】
単一のサーミスタの実施例において、管が挿入されるとき、サーミスタ22は、コア温度を正確に測定するために、読み取りが正確でない胃又は咽頭よりもむしろ、食道に最適に位置される。胃への配置は、胃内の空気又は食べ物により生じる不正確さ及び胃液の腐食性の効果のため問題を含み得る。
【0023】
栄養管10の鼻咽頭区域26は、電極20近くにある。名前が示すように、挿入されるとき、鼻咽頭区域26は咽頭及び鼻にある。この区域は、呼吸の間、空気の流れとの干渉及び被験者への刺激を低減するために、直径が小さく適切に滑らかである。代替の実施例では、鼻孔の完全な閉塞の可能性を減らすために、この区域は、非円形の形状及び/又は凹形状の縦溝を持つ。幾つかの実施例では、下咽頭サーミスタ28及び中咽頭サーミスタ30が、鼻咽頭区域26に含まれる。サーミスタ28、30は、呼吸の流れを測定するために使用され、加えて、遠位又は尾部のサーミスタは、コア温度測定を提供する。呼吸の流れは、中咽頭サーミスタ30と下咽頭サーミスタ28との間の相対的な温度変化として測定される。これらサーミスタ対のアレイは、様々な患者サイズに適応するように供給される。
【0024】
圧力差ΔPは、横隔膜下(又は尾部)ポート32と横隔膜上(又は頭部)ポート34との間の圧力勾配により測定される。ΔPは、被験者の呼吸労力を表す。気道閉塞は増大された労力を生じるがΔPを生じないので、流れは別個に(サーミスタ28及び30で)測定できる。呼吸の流れ及び呼吸労力は、別個に測定され、異なり得る。例えば、気道閉塞の場合、労力が増大するが、流れは減少するだろう。測定された流れは、正確さのためΔPに対してクロスチェックでき、2つが一致しない場合、警報の信号を送ることができる。
【0025】
図1の図示的の実施例では、2つのファイバー光学窓35は、横隔上圧力ポート34に近い。ファイバー光学窓35は、多くのファイバー光学ストランドの光沢のある端部である。栄養管の近位端部で、ファイバー光学ストランドは、(図示されていないが、光源から走っている)ソースファイバー及びリターンファイバーへ分かれる。両方のファイバーバンドルは、ファイバー光学窓35まで管10を下降する。一方のファイバー光学バンドルは食道内で終端し、他方のファイバー光学バンドルは栄養管の遠位先端で終端する。遠位のファイバーバンドルは、皮膚の薄い膜及び比較的半透明の性質のため小さな患者から放射する光を送るためだけに用いられるので、送信バンドル及び受信バンドルへ分離される必要はない。この遠位先端光は、暗い部屋においても外部の光源によりファイバーを付勢し、患者の腹部(適切に配置される場合)又は胸郭(適切に配置されない場合)から放射している光の位置を視覚化することにより、配置確認のために使われる。被験者のパルスは、従来の反射パルス酸素測定技術を使用して、ファイバー光学窓を通じて反射フォトプレチスモグラムにより測定される。コアSpOは、ファイバー光学窓35でも測定される。横隔膜上ポート34は、必要に応じてファイバー光学窓35を掃除するための洗浄位置として役立つ。
【0026】
図1乃至図3を含め、ここで図4を参照すると、図示による製造方法が開示されている。実施例では、4つの供給管腔36がある。3電極の実施例では、4つの管腔36のうち3つは電極20に対するコンタクトをもたらし、残り1つの管腔36はコンタクトをもたらさない。4電極の実施例では、4つの管腔36の各々は、電極20に対するコンタクトをもたらす。5電極の実施例では、4つの管腔36の3つが一つのコンタクトをもたらす一方、残りの第4の管腔36は2つのコンタクトをもたらす。より少ない又は追加の電極20は、同じパターンに従って適当に配置できる。管腔36は長さについてカットされている。各電極20の適当な位置で、ワイヤの非絶縁端部が固定されている。実施例では、ワイヤは、ハンダ付けにより、溶接により、導電性接着剤で結合することにより、圧着すること等により、金属取付部品と電気的且つ機械的に接続されている。取付部品38は、型押しにより、圧着により、接着等の何れかにより適当な位置で管腔36に取付けられる。
【0027】
図3に図示されるように、管腔36及びサーミスタ22、24、28、30は、管腔36の中央にワイヤ40及びサーミスタ22、24、28、30が一緒になって配置される。遠位先端部分14は、適所に保ちながら管腔36及びサーミスタ22、24、28、30と共に持ちこまれ、ジャケット42は押出、熱収縮、テープ包装等により付与される。管腔36は、このプロセスの間、形状が幾分再形成されるが、これは栄養管10のオペレーションには重要でない。ワイヤ40は、最大の柔軟性のため管10の中央に好ましくは位置される。付加的な接合強度が必要である場合、機械的強度材(ワイヤ又はファイバー)が遠位先端部分14に加えられ、ワイヤ40に固定できる。ジャケット42内の近位端部分46と遠位先端部分14との間のギャップ44は、混合して遠位先端部分に入り被験者の胃へホール16、18から流れるために、複数の管腔36からの流れに対する混合領域として役に立つ。次に、電極20が加えられる。
【0028】
図4を参照すると、ジャケット42は、電極20の領域内で除去される。導電性接着剤、ばね状装置等のような導電遷移部48が、結果として生じる除去された領域に置かれる。その後、電極20は、短い薄肉のシリンダの形で、各導電遷移部48上に配置され、適所に電極を係止するために型押しされる。近位端部分及び遠位先端部分の縁は、患者への損傷の危険を低減するため滑らかな表面を提供するために、ジャケット42へ曲げられる。
【0029】
管10の外側部分50は、栄養管10が挿入されるとき被験者の外にある。外側部分50は、より大きな断面を持つ。管10内の部品から走るワイヤ40は、管側のコネクタ52で終端する。供給管腔伸展部54は、管側のコネクタ52の略中心を通過し、シリンジ、ドリップ、ポンプ又は他の手段により乳児ミルク又は母乳が注入できるようにする口頭スタイル取り付け部56で終端する。実施例では、取付部品56は、脈管注入のためのポートと区別するために、マークされるか又は物理的に区別される。
【0030】
ケーブル側のコネクタ58が管側のコネクタ52と嵌合する。実施例では、ケーブル側のコネクタ58は、栄養管管腔伸展部54を妨げることなくケーブル側のコネクタ58を接続又は切り離すことができるスロット(図示されず)を持つ。フレックス緩衝区域60を通って、外部の電気的ワイヤ62がモニタへと延びている。外部ワイヤ62は、患者モニタの様々な様式又はモデルとのインタフェースを可能にするアダプタにはめ込まれる。
【0031】
外側の部分50、管側のコネクタ52、供給コネクタ56及び管腔伸展部54は、従来の挿入モールド、オーバーモールド及び接着技術を使用して固定される。オーバーモールド又は組み立てられた管側のコネクタ52は、外部配線62上のケーブル側のコネクタ58と嵌合する。複数の供給管腔36は、外側の部分50の単一の管腔に遷移する。管腔伸展部54は、コネクタ部52、58の開口部を通る。管腔伸展部54において、関係するワイヤがなく、比較的透明であるので、流れの視覚的確認を容易にする。管腔伸展部54も可撓性である。介護者が管腔を締めつけることにより流れを遮断する必要がある場合、管腔伸展部54でされなければならない。組み立てられると、栄養管10は消毒され包装される準備が整う。
【0032】
通常は、3つの電極が、ECG読み取りのために使用される。小さな新生児のために、遠位先端の3つの電極20が最適に用いられる。中程度の新生児のために、中間の3つの電極20が最適に用いられる。より大きな新生児のために、近位の3つの電極20が最適に用いられる。実施例では、電極は、新生児のサイズ及び介護者の判断に基づいて手動で選択される。設定は、コネクタを一時的に切断し、コネクタ52に対してケーブル側の部分58を回転させ、その後再接続して、これにより、どの内部コンタクトが使用されるかを変えることにより、介護者により選択できる。他の実施例では、電極は、モニタにより選択される。管が挿入されると、全ての電極20はモニタに信号を送る。モニタは複数の波形を示し、オペレータは最もクリアなディスプレイを選択する。他の実施例では、全ての信号が記録されるか、又は、モニタは自動的に最善の電極を選択する。
【0033】
幾つかの実施例では、呼吸数は、間隔を置かれた一対のECG電極を介して患者に低電圧電気信号を導入することにより決定される。接続部の電気的インピーダンスは、呼吸動作の間変化するので、呼吸のレート及び深度は電気的インピーダンス変化に基づいて推定できる。幾つかの実施例では、呼吸数は、利用できる電極のアレイから選択される電極を使用して導出される。
【0034】
代替の実施例では、モニタ側にU字形のコネクタが用いられるので、軸方向に嵌合して、栄養管10が中心にある。相互干渉なしで、U字形状によって、電気的接続及び供給接続が任意のシーケンスでなされたり、切ることができる。他の代替の実施例では、コネクタは、半径方向又は斜め方向に嵌合して、栄養管の側にある。他の代替の実施例では、管10は、円形又はU字形のコネクタよりもむしろ矩形の(線形)コネクタを持つ。この実施例では、栄養管側は電極の数に等しい数のソケット(ピン)を持つ一方、ケーブル側はモニタにより用いられる電極の数に等しい数のピンを持つだろう。ケーブルは、多くの位置で栄養管10に接続でき、これによって、どの電極が働くか選択する。他の代替の実施例では、管10は、電極の選択がケーブル側のコネクタ58内部の切換装置又はケーブル62自体により実施されるコネクタを持つ。他の代替の実施例では、管10は、切断の後、回動カラー、又はコネクタが選択された位置においてのみ再接続できることを保証するための場所に固定できる他の装置を持つコネクタを持つ。他の代替の実施例では、管10は、モニタディスプレイに示されるように最も強い信号の電極を介護者が手動で選択できるように、コネクタ上にスライド又はロータリースイッチを持つ。前述のものは、単なる図示的例である。
【0035】
栄養管10の適当な挿入は、幾つかの例では問題を含む。管は、新生児の胃内に管10の遠位先端12を配置する深度まで挿入されるべきである。あまりに遠く、例えば十二指腸まで挿入することは望ましくないし、開口部16、18が食道内にあるような十分に遠くではない管の挿入も望ましくない。図1を再び参照すると、管10の遠位先端12上の遠位先端電極64は、配置確認を容易にするために、オプションで含まれる。遠位先端電極64が食道内にある間、食道の壁とのコンタクトは電気的連続性を作る。しかしながら、遠位先端電極64が食道括約筋を通って胃のより大きな開口部まで通るとき、電気的連続性は減少するか又は消える。電極64及び開口部18の相対的な位置が装置の詳細なデザインにより確立されるので、よって、患者の胃の始まりに対する開口部18の位置は、臨床医に知られている。
【0036】
電極64と連動して、任意の光源66が、被験者の食道を通過しながら、遠位先端12の位置を判断するために使用できる。新生児の胸部は、比較的薄く半透明である。十分に明るい場合、光源66は、新生児の胸部を通って見られ、介護者は遠位先端12の位置を視覚的に検証できる。光源66は、近位端部の外側のランプ及び管10の長さにわたって走る光学ファイバーにより照明される。ファイバー光学カメラは、遠位先端12に又は遠位先端12に光学的に接続されたファイバーに位置されて、管10を位置決めする補助のため従来の内視鏡として使用できることも意図される。幾つかの実施例では、ファイバー光学装置は、管10の耐久部品であるのに対し、別の実施例では、ファイバー光学装置はボディへの配置の前に供給管腔36に挿入され、管10が適切に配置されたあと取り外され、その結果、管腔36は栄養供給のために使われる。
【0037】
管10を挿入するとき、管は食道を通るべきであり、肺に向きを変えてはならない。どの経路を通るべきか判断する1つの態様は、遠位先端12のサーミスタでの温度測定である。異なる温度が呼気と吸気との間で測定される場合、遠位先端は気道内にある。温度が一定である場合、遠位先端は食道内にある。遠位先端の圧力を監視することも同様に利用できる。圧力は、管腔のうちの1つを封止し、圧力ポートを加えることにより測定できる。
【0038】
管10を配置する際の他の任意の補助は、pHを測定するセンサを含むことである。遠位先端12が適切に胃内にある場合、測定されたpHは酸性でなければならない。遠位先端12が肺にある場合、測定されたpHは中性である。遠位先端12が食道内にある場合、測定されたpHは、還流等に依存して、いくらか酸性である。
【0039】
図6乃至図14を参照して、他の幾つかの栄養管実施例が説明される。また、これらの実施例は、新生児アプリケーションに関して説明されているが、開示された栄養管システムは、適切なサイズスケーリング等により小児又は成人の患者にも容易に適合される。図6乃至図14に示される図示の栄養管システムは、栄養供給及び監視両方を提供する多機能システムであり、製造容易性を強化し、製造コストを減らし、栄養管の頑健さ及び信頼性を強化し、患者の成長に適応し、また他の利点を提供する本願で説明される態様を持つ。
【0040】
図6及び図7を参照すると、医療装置は、供給機能並びに付加的なECG、呼吸監視、温度監視及び任意の他の監視機能両方を提供するようにデザインされた栄養管70を含む。より遠位先端の方へ、栄養管70(又は、より正確に言うと、被験者の鼻から胃に管を通すか又は他の挿入のためにデザインされた栄養管の遠位先端)は、電極リング72、73、74、75、78、79及び温度センサ130を含む。食物は、栄養管70の供給管腔80の中を流れる。電極リング72、73、74、75、78、79及び温度センサ130は、栄養管70の電気的管腔84内に配置されている一組のワイヤ82と接続される。栄養管70の近位端部で、分岐90又は他の結合要素が、供給吸入口92を、ミルク源94と、又は供給吸入口に送られ供給管腔80を通って被験者の胃へ送られる食物の他の源と接続させる。供給吸入口92は、好ましくはこの目的のために標準化されたコネクタであり、しかるべく、供給吸入口92とミルク源94との接続が概略的に示されている。分岐90で、コネクタ91はワイヤ82のセットを電気的アダプタ96に接続させ、電気的アダプタ96はECG電極リング72、73、74、75、78、79から標準心電計(ECG)トランクケーブル100へのワイヤ82のセットのワイヤに適応している。コネクタ91は、また、温度センサ130から標準温度プローブケーブル102へワイヤ82のセットのワイヤを接続させる。ECGトランクケーブル100は、心電計(ECG)器具110と接続するためのコネクタ104を持つ一方、温度プローブケーブル102は、温度モニター114と接続するための標準化されたコネクタ112を持つ。図示の実施例では、ECG器具110及び温度モニター114は、呼吸モニタ115とともに、標準マルチパラメータ患者モニタ116により一体型で具現化されている。呼吸モニタ115は、また、ECGトランクケーブル100と動作的に接続されている(ECG器具110のように)。代替の構成では、個々の器具が、一体型のマルチパラメータ装置116を使用するよりむしろ、ECG、温度等を監視するために用いられる。
【0041】
栄養管70及び分岐90を有するアセンブリは、1人の単一の患者に使用され、その後捨てられる使い捨て部材として適切に取り扱われる。電気的アダプタ96は、再使用可能である。ECGトランクケーブル100及び温度プローブケーブル102も再使用可能であり、幾つかの実施例では、これらは従来のECGリード線セット又は温度プローブそれぞれで用いられる標準化された部品である。代替の実施例では、2つのケーブルは、2つのコネクタを持つ単一のケーブルにより、又は単一のコネクタが両方の機能に役立つ単一のケーブルにより置き換えられる。
【0042】
図7を継続して参照しながら、図8乃至図10を参照すると、医療装置の適切な構成は、以下の通りである。栄養管70は、例えば押出プロセスにより形成される。形成された栄養管70は、供給管腔80と、供給管腔の少なくとも一部と平行する電気的管腔84とを含む。栄養管70は、ポリウレタン、シリコン、又は食道及び胃への挿入のために柔らかくて可撓性で腐食抵抗を持ち生体適合性がある他の適当な材料で適切に形成される。押出プロセスの後、アクセス開口部120が、機械的穿孔、パンチング、レーザーカット又は他の適切なプロセスにより栄養管70内に形成される。アクセス開口部120は、栄養管70に沿って間隔を置かれて、電極の最終的な位置近くに栄養管70に沿って位置される。アクセス開口部120は、電気的管腔84へのアクセスを供給する。図示されてはいないが、アクセス開口部を他の目的のために電気的管腔84へ供給することも意図される。例えば、オプションで、熱アクセス開口部(図示されない)は、温度センサ130の最終的な位置に同様に形成される。図8は、アクセス開口部120の押出及び形成後の栄養管70を示す。押出成形されたので、供給管腔及び電気的管腔80、84は押出成形された栄養管70の遠位先端124まで完全に延在し、遠位先端124は通常は比較的シャープな又は切形の縁を持つ。好ましくは、遠位先端124は、遠位先端124で電気的管腔84をふさぐか又は閉じて、栄養管70の挿入の間、食道又は他の接触組織に対する損傷の可能性を減らすために遠位先端124の縁を滑らかにするように処理される。遠位先端124を滑らかにする幾つか適切なアプローチは、研磨、ラッピング等による機械的スムージング、炎、レーザー又は他の熱源による加熱を使用した熱リフローによるスムージング、化学エッチングによるスムージング等を含む。遠位先端124の任意の斯様な処理は、供給管腔80から胃へ食物が通過可能にするために、供給管腔80が遠位先端124で開口部を持ち続けることを保証しなければならないが、遠位先端124のこの開口部は、遠位先端処理によりオプションで再形成されるか又は調整されてもよい。
【0043】
図9を参照すると、別々のプロセスで、ワイヤ82のセット(又は、更に一般的にいえば、絶縁された導電体)及びサーミスタ130(又は、更に一般的にいえば、サーミスタ、熱電対、サーモダイオード又は他の温度センサ)を含む電気的アセンブリが組み立てられる。この組み立ての構成は、ワイヤ82のセットのワイヤをバンドルにアレンジし、温度センサ130をワイヤ82のセットの適当なワイヤと接続し、オプションで選択された長さまでワイヤをカットし、電極との電気的接触をなす前に電極リングと接続するワイヤのワイヤ部分から絶縁部を剥くことを含む。ワイヤ82の図示されたセットに8つのワイヤ、すなわち、電極リング72、73、74、75、78、79と接続するための6つのワイヤと、温度センサ130を接続するための2つの追加ワイヤとがある。電極の数、(あるとして)温度センサの数、モニタリング器具の正確な電気的要件、及び接続されるべき任意の追加の電気的要素の数に依存して、より多く又はより少ないワイヤが供給できる。例えば、図9の示された実施例の1つの考察されたバリエーションにおいて、温度センサ130は、また、温度センサ及び2つの電極が2つのワイヤを共有するように、それぞれの電極と接続する2つのワイヤと接続され、このようにして、ワイヤ82のセットのワイヤの数は、8つのワイヤから6つのワイヤまで減らされる。その上、ワイヤ82のセットのワイヤが直線として図示されているが、ワイヤのセットのワイヤは、代わりに、ワイヤのバンドリングを強調するために一緒にねじられるか又は編まれてもよい。
【0044】
電気的アセンブリを作る際、温度センサワイヤは栄養管の温度センサの位置に対応する所望の長さに切り取られ、温度センサ130はこれら切り取られたワイヤとはんだ付けされるか又は接続される。電極と接続するワイヤは、以下のように処理される。斯様な各ワイヤに対して、図9に示されるように裸線部132の形で電気的に露出された導体部を形成するために、電極が接続される付近の絶縁部が剥離される。(1つの裸線部は図9の斜視図では見えない点に留意されたい)。裸線部132は、栄養管70の電気的管腔84内に組み込まれるとき対応するアクセス開口部120と一致する又は付近にあるように電気的アセンブリの長さ方向に沿って位置される。オプションでは、図9に示されるように、裸線部132から遠位の各ワイヤの余分なワイヤ長さは、切り取られ、環状にされ、鋳造され、折り返され、又は後述されるようにアクセス開口部又は外部電極部に配置される導電性接着部分を持つ電気的に露出した導体の機械的相互接続を容易にするように修正される。図9Aは、環状にされることにより修正された(図9の裸線部132と比較して)裸線部132aを示す。他の考察される実施例では、裸線部は切り取られず、むしろ余分なワイヤ長は保持され、その結果、ほとんどの裸線部は処理されたワイヤの最端部以外に位置される。
【0045】
図7に示される最終的な多機能栄養管を形成するために、図9の電気的アセンブリは、対応するアクセス開口部120を持つ栄養管に沿って位置合わせされた裸線部132で、図8の栄養管押出の電気的管腔84に挿入される。
【0046】
図7乃至図9を継続して参照し、更に(押出を取り除いて、組み立てられた多機能栄養管を例示する)図10を参照すると、電極は、電気的管腔84内に配置された絶縁ワイヤ82のセットの近くの裸線部132と電気的に接触するために電気的管腔84のアクセス開口部120へ導電性材料部140を注入することを含むプロセスにより形成される。導電性材料部140は、図10においてだけ見える。適切な実施例では、導電性材料部140は、アクセス開口部に配置されていて、近くの裸線部132に付着している導電性接着部140を有する。この接着接続の頑健さは、上述したオプションのルーピング(例えば、図9Aの環状にされた裸線部132a)、鋳造、又は裸線部の他の修正によりオプションで強化される。オプションでは、導電性接着部140は、また、電気的管腔84内の電気的アセンブリの位置を保持するのを援助するため電気的管腔84の内面に付着する。幾つかの実施例では、導電性接着部140は、例えば、硬化導電エポキシ部分のような硬化導電ポリマー材料部を有する。このような実施例では、導電性接着部140の形成は、近くの裸線部132を電気的に接触させるためにアクセス開口部120に材料を注入することを含み、その後、図示によれば、硬化時間を遅延させて、オーブン等を経由してオプションで硬化熱を付与することを含む硬化オペレーションがなされる。他の考察された実施例では、、導電性接着部分は、制御可能にアクセス開口部120に流され凝固されるハンダ材料のような他の材料で出来ていてもよい。図示されていないが、付加的な接着部分が導電性又は電気的に非導電性である追加のアクセス開口部(図示されていないフィーチャ)を通る付加的な接着部分を供給し、電気的管腔84内の電気的アセンブリの機械的固定を供給することも考えられる。
【0047】
導電性材料部140は、アクセス開口部120を充填するために延在し、栄養管押出の外面と同一面に又はわずか向こうまで延在する。幾つかの実施例では、導電性接着部140のこれら同一面又はわずかに突出する露出面は、アクセス可能な電極である。他の実施例では、追加の電極要素は、各導電性接着部140の同一面又はわずかに突出している露出面に配置される。図示の実施例では、これら追加の要素は、栄養管の外側周辺に配置される電極リング72、73、74、75、78、79であり、これらは、アクセス開口部120に配置されている導電性材料部140と電気的に接触している環状導電体要素である。電極リング72、73、74、75、78、79は、電気的接触を作るため導電性接着部分と同一平面に又はわずかに突出している表面と接触し、半径方向に対称に露出した電極表面を好適に供給する。1つの適切な実施例では、電極リング72、73、74、75、78、79は、短い長さのステンレス鋼又はプラチナ管で出来ている。
【0048】
他の実施例では、追加の電極要素は、アクセス開口部に配置されている少なくとも導電性材料部上に配置される導電被覆を有する。オプションでは、斯様な被覆は、例えば図示の電極リング72、73、74、75、78、79に類似した環状リングを定めるために、栄養管押出の外面上に延在する。
【0049】
(図示の電極リング72、73、74、75、78、79又は導電被覆等のような)追加の電極要素を含む利点は、追加の電極要素は、食道又は電気的通信が要求される他の近くの組織との電気的結合を最適化するようにデザインできることである。このデザインは、追加の電極要素の材料の選択を含み、食道壁又は他の近くの組織と接触する等のため放射状に突出することを保証するために充分な厚みを図示の電極リング72、73、74、75、78、79に供給する。これによって、導電性接着部140は、裸線部132との接触抵抗を最小化し、注入及び硬化を容易にし、接着性特性を最適化するために機械的特性を最適化する等のような態様に関して最適化できる。導電性接着部140の最適化は、例えば、各アクセス開始120へ注入される材料のタイプ及び量の選択、注入プロセスメカニクスの制御、硬化プロセスの最適化等を含む。
【0050】
電気的管腔84が胃酸又は他の腐食性の生体組織にさらされないように、電極はオプションでアクセス開口部120を封止する。封止は、様々な態様で出来る。幾つかの実施例では、導電性材料部140は、アクセス開口部120を封止するため、完全にアクセス開口部120を充填する。加えて又は代わりに、電極リング72、73、74、75、78、79は、例えば栄養管押出に対する堅い摩擦嵌合のメカニズムにより封止を提供できる。加えて又は代わりに、付加的な密封剤(図示せず)が、電極リングと栄養管押出との間のギャップを封止するために、例えば電極リングの周辺に付与されてもよい。封止は、あまり完全でなくてもよく、例えば、挿入される多機能栄養管の予想される有効な寿命よりも統計学的に超える時間にわたって電気的管腔84への腐食性の液体の幾らかの進入を許容してもよい。
【0051】
オプションで、任意の熱アクセス開口部(図示されず)も供給され、当該開口部は、温度センサ130と熱的に接触する熱伝導性材料部で適切に満たされ、外部の熱的接触を規定するため栄養管押出の外面と同一面にあるか、又は僅かに突き出ている。熱伝導性材料部は、電気的短絡を導入する電位を回避するために、オプションで電気的に非導電性である。他のオプションとして、電極リング72、73、74、75、78、79に類似した熱伝導リングが、任意の熱伝導性材料部の注入の後、熱アクセス開口部上に配置されてもよい。
【0052】
図9の電気的アセンブリにおいて、導電体は、電気的管腔84に沿って延在するディスクリートの絶縁ワイヤのバンドルであるワイヤ82のセットを有し、電気的に露出した部分は、裸線部を露出させるために絶縁を剥いで、オプションで図9Aに示されるように輪にするような他の修正を実施することにより形成される裸線部132を有する。
【0053】
図9Bを参照すると、代わりの実施例では、導電体は、電気的管腔84に沿って延在する可撓性の回路基板(すなわち「フレックス回路基板」)82b内又は上に配置された一組の絶縁された導電性トレースを有する。この実施例では、電気的に露出した部分は、絶縁の被覆(例えば、酸化物、窒化物又は酸化窒化物被覆)が適切なフォトリソグラフ又は他のパターニング技術により取り除かれる(又は第1の場所には堆積されない)導電性トレースの露出部132bとして、最適に実施される。露出部132bは、部品が従来通りにはんだ付けされる回路基板のボンディングパッドと、このように類似している。オプションでは、露出部132bは、可撓性の回路基板82bの両面上に形成されるか、又は可撓性の回路基板82bを完全に通り、その結果、導電性エポキシはパッドの少なくとも1つとの電気的接触を作ることが保証される。加えて又は代わりに、可撓性の回路基板は、電気的接触を容易にするためにねじられてもよい。この別の実施例では、変更された温度センサ130bは、細長い絶縁された可撓性の回路基板82bに沿って所望の位置で細長い絶縁された可撓性の回路基板82bに直接はんだ付けされる表面実装コンポーネントとして実施される。実施例の変形例では、温度センサ用のソケットが基板にはんだ付けされ、温度センサはソケットを介して取り付けられる。更に、また別の実施例では、露出部132bb(単なるその1つの例が図9Bに模式的に示される)は、フレックス回路基板82bの縁から離れて延在するタブとして具現化されている。タブ132bbは、位置合わせされたアクセス開口部120を適切に切り抜けて、外部にアクセス可能な電極を供給するために、押出の外側にラップされる。ラップされたタブは、導電性又は電気的に不伝導性である適切な接着剤により固定される。
【0054】
図11を参照すると、供給管腔80及び電気的管腔84の断面を明かにした、栄養管押出の断面が示される。例示の実施例では、単一の供給管腔及び単一の電気的管腔がある。(しかしながら、(図1乃至図5の実施例と同様に)複数の供給管腔及び/又は複数の電気的管腔を含むことも意図される)。電気的アセンブリ(図9に示される)は、ワイヤ82のセット及び温度センサ130のバンドルを収容するのに十分な小さな断面を持つ。よって、電気的管腔84の断面積は小さくでき、結果的に供給管腔80は大きくできる。幾つかの実施例では、電気的管腔84の断面に対する供給管腔80の断面の比率は、2より大きい。幾つかの実施例では、電気的管腔84の断面に対する供給管腔80の断面の比率は、3より大きい。更に大きな比率さえ考察されるが、実施例では、電気的管腔84の断面に対する供給管腔80の断面の比率は約4である。
【0055】
複数の供給管腔も考察されるが、供給管腔80は、好ましくは(示されるように)単一の管腔である。単一の供給管腔は、等価断面積の複数の別々の供給管腔と比較して詰まりにくい。製造の迅速のために、電気的管腔84が(図11に示されるように)単一の管腔であり、(図9に示されるように)単一の電気的アセンブリが作られ単一の電気的管腔84へ挿入されることも有利である。しかしながら、対応する多数の電気的アセンブリ(その一部又は全部が、ストリップワイヤ部を持つ単一のワイヤを含む)を持つ複数の電気的管腔の使用も考察される。図11の図示的例では、電気的管腔84は、円形断面を持ち、栄養管押出の中央からオフセットがあり、供給管腔80は、栄養管押出の外面と略平行な凸状外面144と、電気的管腔84の表面の一部と略平行である凹状内面146とを持つ。この構成は、ここでは、「微笑んでいるキュークロープス」構成(電気的管腔84がキュークロープスの単一の「目」であり、電気的管腔80がキュークロープスの「微笑んでいる口」である)と呼ばれる。電気的管腔84の円形断面を保持すると共に、微笑んでいるキュークロープスアレンジメントは供給管腔80の大きな連続的な断面積を供給し、加えて、アクセス開口部120の形成を容易にするように栄養管押出の外面に近くに供給管腔80を配置する。他の断面構成も考察される。
【0056】
図7乃至図10を参照して開示される実施例の他の利点は、温度センサ130が栄養管に沿って様々な配置を持つということである。例えば、図示の電極72のような追加電極は、温度センサ130から遠位に位置できる。更に一般的に、温度センサは、電極の間で栄養管に沿って位置できる。温度センサワイヤは、これにより短くされ、これは、中心に位置される温度センサが、その耐用寿命を短くする腐食性の胃酸にさらされにくくなって有利である。その上、胃よりはむしろ食道に温度センサを配置することにより、より正確なコアボディ温度測定が得られると期待される。
【0057】
最初に押出成形されるので、栄養管押出は、その遠位先端を含めて、その全体の長さに対して図11に示される均一な断面を持つ。電気的アセンブリを腐食性の食道又は胃の環境から保護するために、プラグ、ヒートシーリング等を使用して、電気的管腔84の遠位先端を封止することは有利である。加えて、鋭い縁を取り除くために、機械的研摩、研磨、リフロー処理等により遠位先端の形状を滑らかにすることが有益である。
【0058】
図12及び図13を参照すると、供給管腔80と流体連通するが、電気的管腔84と流体連通しない単一の再構成開口部152を含む、図示的に滑らかにされた遠位先端150が示される。図示の遠位先端は、また、補助的側部開口部154を含む。食べ物が管腔を離れ、患者の胃に入ることを可能にするため、管の遠位先端近くに一つ以上の開口部がある。図示的例によると、ある構成で、開口部152は(図12に示されるように)遠位先端にあり、側部の開口部154は供給管腔80に対して垂直で、ほぼ5mm近くにある。主要な開口部152がブロックされる場合であっても、側部の開口部154は胃からサンプルを吸入可能にする。
【0059】
図12及び図13の遠位先端を形成するための1つの適切なアプローチにおいて、封止プロセスは、挿入の容易さ、患者の安全性及び快適さのために設定される図示される滑らかな形状へ端部を形成する被加熱モールドを使用する。栄養管押出は、その長さのほとんどが好適に薄い壁を持つ。しかしながら、最も遠位の電極を越えて、電気的管腔84は必要でなく、断面は、図11の二重管腔「微笑んでいるキュークロープス」構成から図12に示される単一の中央の円形管腔152に変わる。端の半径が各外側直径に対して最大になるように、壁は内部へカーブする。
【0060】
オプションでは、放射線不透過性マーカー(図示されず)は、多機能栄養管の遠位先端、例えば、X線又は蛍光透視のような放射線撮像技術で多機能栄養管の遠位先端が観察可能にされるように、遠位先端近くの電気的管腔84に配置されている。放射線不透過性マーカーは、例えば、遠位先端近くの電気的管腔84に配置される金属的なスラグである。
【0061】
図6及び図7を参照すると、電極は、予想される患者の心臓電気的中央線CL(模式的に図6に示される)より上に配置された少なくとも一つの上位又は近位電極(すなわち、図示の実施例で、4つの上位又は近位電極リング74、75、78、79)と、予想される患者の心臓電気的中央線CLより下に配置された少なくとも一つの下位又は遠位電極(すなわち、図示の実施例で、2つの下位電極リング72、73)とで栄養管に沿って間隔を置いて置かれる。このアレンジメントは、心臓の心電計(ECG)信号の捕捉を可能にする。
【0062】
異なるサイズの患者に適応するために、少なくとも一つの上位又は近位電極は、予想された患者の心臓電気的中央線CLより上の栄養管に沿って間隔を置かれた一組の上位又は近位電極(すなわち、図示の実施例で、4つの上位又は近位電極リング74、75、78、79)を有し、少なくとも一つの下位又は遠位電極は、予想された患者の心臓電気的中央線より下の栄養管に沿って間隔を置かれた一組の下位又は遠位電極(すなわち、図示の実施例で、2つの下位又は遠位電極リング72、73)を有する。食道内に上位(近位)電極及び下位(遠位)電極の正しい設置を保証するために、栄養管の端が胃に位置されることを保証する適切な栄養管配置技術が使用される。1つの適切なアプローチは、胃内の遠位先端の配置のための標準耳/鼻/剣状突起プロセス方法である。代わりに、適切なセンサフィードバック技術が使用できる。適切に配置されるとき、下位又は遠位電極が食道にあり、患者の心臓電気的中央線CLが、上位(近接)電極のセットと下位(遠位)電極のセットとの間にあるように栄養管がサイズ化されるべきである。
【0063】
患者サイズ又は組織構造の変動に適応し、新生児アプリケーションにおける患者の成長に適応するために、ECG器具110は、電気的管腔84に配置される絶縁ワイヤ82のセットを介して、上位(近位)電極74、75、78、79のセットの選択された一つと、下位(遠位)電極72、73のセットの選択された一つと選択的且つ動作的に接続するように構成される。図6を参照すると、電極リングから心電計(ECG)トランクケーブル100へワイヤ82のセットのワイヤを適合させる図示の電気的アダプタ96は、患者サイズのような適切な基準に基づいて、電極の上位及び下位セットから動作可能な上位及び下位電極をそれぞれ看護士、医師又は他の有資格者が選択可能にする手動スイッチ160を含む。幾つかの実施例では、脊椎長に基づく(鼻孔から胃への)挿入の推薦される深度、胸骨又は鎖骨から臍までの距離、又は他の適切な外部的に決定可能な組織寸法をリストする電子又はペーパーチャート(図示されず)が供給される。選択可能な上下のECG電極を選択するための追加又は代替のアプローチは、試行錯誤である。4つの上位電極及び2つの下位電極を持つ例において、8つの可能な選択の組合せがあり、これは順にサンプリングでき、その後、最善のECGトレースを提供する組み合わせが選択される。
【0064】
図14を参照すると、スイッチ160(図6を参照)のような手動スイッチを使用するか、又はコンピュータ、(ECG、温度及び呼吸モニタ110、114、115を具現化する図示の一体的患者モニタ116のような)デジタル患者モニタ、若しくはソフトウェアベースの切換機能を持つ他のシステムを使用して自動的に実行できる図示のスイッチング回路が示される。この例では、6つのECG電極、すなわちECG及び呼吸を測定するために従来から用いられる従来の「RA」(右腕)、「LA」(左腕)及び「LL」(左脚)のECGリード線をシミュレーションするために切換え可能に接続できる電極72、73、74、75、78、79がある。代わりに、患者モニタは、外部胸部電極だけを使用して計測可能でないパラメータを測定するための可能性を持って、食道電極のアレイ周辺にデザインできる。
【0065】
オプションでは、図6に示されるように、電極72、73、74、75、78、79が呼吸を測定するためにも使用できる。例えば、図1乃至図5の実施例を参照して既述されたアプローチが使用でき、当該アプローチでは、一対の間隔を置かれた電極を介して患者に低電圧電気的信号を注入することにより呼吸数が決定される。接続の電気的インピーダンスは、呼吸動作の間、変化するので、呼吸のレート及び深度は、電気的インピーダンス変化に基づいて推定できる。上位電極のアレイ及び下位電極のアレイの場合、良好な呼吸測定は、ECG測定に用いられたのと同じ選択された上下の電極を用いることにより、得られる。これは、例えば、同じECGトランク100がECG器具100及び呼吸モニタ115を適切に供給する図6のアレンジメントを容易にする。
【0066】
図6乃至図14を参照して開示された実施例は、「MR条件付き」又は「MR安全」でさえあるように製造できる。後者の呼称は、多機能栄養管を持つ患者が、任意の磁気共鳴(MR)システムの検査を安全に受けることができることを示し、前者の呼称は、安全な診断が幾つかのMRシステムで、及び/又は最大磁気強度のような特定の指定された限界の下で可能なことを示す。多機能栄養管が「MR安全でない」場合、必要なラベルアイコンを補充して、栄養管がMRI検査の前に取り外されるという可能性を強調するためにプラスチック部品上の金属的な被覆を使用して、この指示を外部的に示すことが、オプションでマークされる。
【0067】
図6乃至図14の例による実施例の他の図示の例として、1つの適切な実施例において、ポリウレタン管が、栄養管押出を規定するために押出成形される。サイズは、カテーテル直径仕様のために従来使われた「French」(Fr)スケールで5に対応する、略1.7mmの外径である。2つの管腔80、84は、押出の長さにわたり、これはある考察される実施例では、略30cmである。電気的管腔84は、約0.5mm(0.02インチ)直径の実質的に円形の断面を持つ。供給管腔80は、図11に示されるように、大きな断面を持ち、形状の点で三日月に似ていて、ある実施例では、略0.78mmの断面領域を持つ。好適には、この5FRの多機能栄養管は、従来の(単一機能の)供給管としてほとんど同じ供給管腔領域を持ち、従って、フローレートは同様である。
【0068】
近位端で、多機能栄養管は、供給管腔80へ流動食の入力をできるようにする吸気口92(すなわち、「ハブ」)を持つ。幾つかの実施例では、吸気口92は、標準的なルアーテーパー接続金具というよりはむしろ、「腸だけに適切な接続金具」である。斯様な腸適合接続金具は、これらのシリンジ、ポンプ及び嵌合部品とのアダプタだけを収容し、その結果、栄養管は患者の脈管系に不注意で接続できない。オプションでは、第2のハブ(図示されず)は、ポンプ又は貯蔵部への主要な接続を妨げることなく、経口薬又は補助食品の投与ができるようにする。両方のハブは、逆流を防止し、ハブをきれいに保つために、プラグ又はキャップを好ましくは具備する。接続金具は、供給接続としてその使用を識別するのを助けるために、オプションで色付けされたオレンジ又は琥珀である。
【0069】
1つの適切な実施例では、電気的管腔84内に配置されている温度検出装置130(又は表面実装された若しくはソケットを付けられた装置130b)は、周囲温度が増大すると電気的抵抗が減少するセラミックサーミスタである。被験者内のサーミスタ130の適切な位置は、食道にあり、ここで、リード線長は比較的短い。胃の温度センサの配置は、食べ物の摂取の間、可能性がある温度遷移のため正確でないコアボディ温度測定を供給すると予想され、胃内部の酸性の環境から腐食の可能性のため、セラミックサーミスタの動作寿命を低減する。他方では、(あまりに栄養管近くにある)食道内のかなり高い所での温度センサの配置は、結果的にワイヤ82のセットの多数のワイヤが温度センサと平行して通ることになり、これは問題を含み得る。従って、幾つかの実施例では、温度センサ130が(図示されるように)電極74、75、78、79の上位のセットと電極72、73の下位セットとの間にある中央の配置が選択される。
【0070】
適切な実施例では、管押出(図8を参照)を供給する二重管腔80、84は、ポリウレタン、シリコン又は他の適切な材料から押出成形される。アクセス開口部120、122は、電極が供給されるべき位置に、穿孔、パンチング等により電気的管腔84へ(供給管腔80を通らずに)押出の外側から適切に作られる。電気的アセンブリ(図9を参照)は、2つのリード線ワイヤを持つサーミスタ130を含む。(幾つかの実施例では、2つ以上の温度センサ、例えば、図1の実施例のサーミスタ28、30のように呼吸測定で使用される一つ以上の温度センサを具備することが意図される)。電気的アセンブリは、また、接続されるべき各電極用のリード線ワイヤを含む。各電極ワイヤの絶縁部は、ワイヤの遠位先端で、又はワイヤに沿った幾つかの中間ポイントで、裸線部132を形成するために取り除かれる。部品は、その後、相対的に正しい位置に位置されるサーミスタ及び裸線部を持つ電気的アセンブリを形成するように配されるか一緒に束にされる。電気的管腔84への挿入の間、電気的アセンブリは手動で一緒に保持される。加えて又は代わりに、電気的アセンブリは、接着剤、取付器具(例えばタイ等)等により一緒に保持される。
【0071】
電気的アセンブリは、電気的管腔84へ引かれて、アクセス開口部120と位置合わせされる。導電性接着部140はアクセス開口部120に注入されるので、これら接着部はアクセス開口部120のトップと同じ高さ又はわずかに突出している。導電性接着剤は、適当な裸線部から栄養管押出の外側までの電気的経路を定める。導電性接着部140は、電気的アセンブリを固定するために、オプションで電気的管腔84の内壁にも付着する。オプションでは、熱伝導接着性部分は、サーミスタ130を機械的に固定し、改善された熱結合を栄養管の外側に供給するために、熱アクセス開口部122に注入される。
【0072】
サーミスタ130は、適切には、円筒状ケースと、同じ側に2つの軸状の絶縁されたワイヤリード線とを持つ別々の部品である。代替の実施例では、サーミスタ130は、可撓性の回路(ワイヤ82のセットのワイヤを規定する細長い可撓性の回路基板であるか又はそうでなくてもよい)上に直接製作され、パフォーマンス仕様を満足するように切り取られ、電気的絶縁のために封入される。
【0073】
図示の電極リング72、73、74、75、78、79のような追加の電極要素が、オプションで加えられる。一つの適切なアプローチでは、適度に導電性の塗料の薄い被覆部分は、導電性接着部140にわたって管の外側に付与される。この材料は、電極に適切な特性のため、また、導電性接着剤部140との効率的な結合のため選択できる。代わりに、導電性接着部140は、外部電極を直接規定できる。この後者の場合、アクセス開口部120への注入の後、外部ローラー又は他のスムージング装置が、各電極に対する環状外部接触表面を規定するため外側表面の周りに材料を拡げるためにオプションで用いられる。代わりに、アクセス開口部120がパンチされるか又は形成される前に、追加の電極要素(例えば、外部の導電被膜部)は、栄養管押出の外部に付与できる。
【0074】
図6乃至図14を参照してここで説明された多機能栄養管実施例は、従来の栄養管と同じ態様で配置され栄養供給のために使用される。加えて、ECG波形、心拍、及びオプションでインピーダンス呼吸数は、表面電極のアレイが従来通りに接続されるのと同じ態様で、電気的アダプタ96を従来のECGトランクケーブル100と接続することにより得られる。好適には、患者の心臓電気的中央線CL間の同じ上位電極及び下位電極は、ECG及び呼吸測定両方で使用できる。開示された多機能栄養管の利点は、看護士、医師又は他の医療従事者が、ECGのための電極をそれぞれの「正しい」位置(例えば、RAチャネルに右腕の電極、LLチャネルに左脚電極等)に接続する必要はないということである。多機能栄養管のECG機能を使用するとき、モニタ上の標準ラベル(例えば「リード線II」)のラベルが付与されず、波形は従来のECGの波形を正確に複製しなくてもよい。しかしながら、心拍及び呼吸数は、正確に測定される。同様の様式で、電気的アダプタ96を温度プローブケーブル102に接続することにより、コアボディ温度が食道から連続的に監視される。
【0075】
本発明は、好ましい実施例を参照して説明された。上述の説明を読んで理解すると、変更及び代替例が他に思い浮かぶだろう。添付の請求の範囲又はその均等の範囲にある限り、本発明は、斯様な変更及び代替例全てを含むものとして解釈されることが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
栄養管の遠位先端に開口部を持つ供給管腔と、前記栄養管に沿って間隔をおいて配置されるアクセス開口部を持つ電気的管腔とを含む前記栄養管と、前記アクセス開口部近くに電気的に露出した部分を持つ絶縁された導電体のセットであって、前記電気的管腔内に配置された前記絶縁された導電体のセットと、前記電気的管腔内に配置され前記絶縁された導電体のセットの近くの前記電気的に露出した部分と電気的に接触する電極であって、前記アクセス開口部内に配置された導電性材料部を有する前記電極とを有する、装置。
【請求項2】
前記導電性材料部は、近くの前記電気的に露出した部分に付着し、前記アクセス開口部内に配置された導電性接着部分を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記導電性接着部分は、また、前記電気的管腔に付着する、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記導電性接着部分が導電ポリマー材料部を有する、請求項2又は3に記載の装置。
【請求項5】
硬化された導電ポリマー材料部が導電エポキシ部を有する、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記電極は、更に、前記アクセス開口部に配置される前記導電性材料部と電気的に接触する、前記栄養管の外側周辺に配置される環状導電要素を有する、請求項1乃至5の何れか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記電極は、更に、前記アクセス開口部近くの電気的に露出した部分を持つ前記絶縁された導電体のセットと電気的に接触する、前記栄養管の外側周辺に配置される環状導電要素を有する、請求項1乃至5の何れか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記電極は、更に、前記アクセス開口部に配置された前記導電性材料部上に少なくとも配置される導電被覆を有する、請求項1乃至5の何れか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記導電被覆は、前記栄養管の外側の近くの部分に更に配置されている、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記導電性材料部が前記栄養管の外側のカバー部まで前記アクセス開口部の外側へ延在する、請求項1乃至5の何れか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記電極が前記アクセス開口部を封止する、請求項1乃至10の何れか一項に記載の装置。
【請求項12】
少なくとも一つの下位又は遠位電極が食道内に配置され、少なくとも一つの上位又は近位電極が食道内に配置され、予想される患者の心臓電気的中央線が、前記少なくとも一つの下位又は遠位電極と前記少なくとも一つの上位又は近位電極との間に配置されるように、前記電極は配置され、前記栄養管は大きさを設定される、請求項1乃至11の何れか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記少なくとも一つの上位又は近位電極は、上位又は近位電極のセットを有し、前記少なくとも一つの下位又は遠位電極は、下位又は遠位電極のセットを有し、前記装置は上位のECG電極のセットの選択された電極と、下位のECG電極のセットの選択された電極とを、前記電気的管腔に配置された絶縁された導電体のセットを介してECG器具と選択的且つ動作的に接続する、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
選択的且つ動作的に接続する構成を供給する手動スイッチと、選択的且つ動作的に接続する構成を電気的に供給する心電計器具又は患者モニタとのうちの一つを更に有する、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記少なくとも一つの下位又は遠位電極と前記少なくとも一つの上位又は近位電極との間で前記栄養管に沿って前記電気的管腔内に配置される温度センサを更に有し、前記温度センサは、前記電気的管腔内に配置される前記絶縁された導電体のセットと動作的に接続されている、請求項12、13又は14に記載の装置。
【請求項16】
前記電気的管腔に配置される前記絶縁された導電体のセットは、ワイヤのセットをし、前記電気的に露出した部分は裸線部を有する、請求項1乃至15の何れか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記裸線部が環状裸線部を含む、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記電気的管腔に配置される前記絶縁された導電体のセットは、可撓性の回路基板の導電性トレースを有し、前記電気的に露出した部分は、前記導電性トレースの露出部を有する、請求項1乃至15の何れか一項に記載の装置。
【請求項19】
前記導電性トレースの露出部が前記可撓性の回路基板の両面上にある、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
表面実装により、ソケット取付けにより、又はハンダ付けのような直接の電気的相互接続の他の標準手段により、前記可撓性の回路基板と電気的に接続される温度センサを更に有する、請求項18又は19に記載の装置。
【請求項21】
前記栄養管が、ポリウレタン栄養管又はシリコン栄養管を有する、請求項1乃至20の何れか一項に記載の装置。
【請求項22】
前記供給管腔が単一の供給管腔を有し、前記電気的管腔が単一の電気的管腔を有する、請求項1乃至21の何れか一項に記載の装置。
【請求項23】
前記装置がMR安全でなく、前記栄養管上の金属的な被覆を使用して、このMR安全でない指示を外部に示すためにマークされている、請求項1乃至22の何れか一項に記載の装置。
【請求項24】
栄養管に沿って間隔を置いたアクセス開口部を持つ電気的管腔と供給管腔とを含む栄養管を形成するステップと、絶縁された導電体のセットを、前記栄養管の前記電気的管腔へ挿入する挿入ステップであって、前記絶縁された導電体のセットが、挿入した後に、前記アクセス開口部近くにある電気的に露出した部分を持つ当該挿入ステップと、前記電気的管腔内に配置された前記絶縁された導電体のセットの近くの電気的に露出した部分と電気的に接触するため、導電性材料部を前記電気的管腔の前記アクセス開口部に注入することを含むプロセスにより、前記挿入ステップ後に電極を形成するステップとを有する、装置を作る方法。
【請求項25】
注入した後に、前記電極の外部表面を規定するために少なくとも導電性材料部上に外部電極要素又は被覆部を配置するステップを更に有する、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
請求項24又は25に記載の方法により作られる、医療装置。
【請求項27】
栄養管の遠位先端に開口部を持つ供給管腔と電気的管腔とを含む栄養管と、前記電気的管腔内に配置される絶縁された導電体のセットと、前記絶縁された導電体のセットと電気的に接触し、前記栄養管に沿って配置された、上位又は近位電極のセット及び下位又は遠位電極のセットを含む電極と、前記上位又は近位電極のセットの一つの電極及び前記下位又は遠位電極のセットの一つの電極を心電計器具に動作的に接続させるためのスイッチとを有する、装置。
【請求項28】
前記上位又は近位電極のセットが食道内に配置され、前記下位又は遠位電極のセットが食道内に配置され、予想される患者の心臓電気的中央線が、前記上位又は近位電極のセットの動作的に接続された一つの電極と前記下位又は遠位電極のセットの動作的に接続された一つの電極との間に配置されるように、前記電極は患者に対して配置され、前記栄養管は大きさを設定される、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記上位又は近位電極のセットが食道内に配置され、前記下位又は遠位電極のセットが食道内に配置され、予想される患者の心臓電気的中央線が、前記上位又は近位電極のセットの動作的に接続された一つの電極と前記下位又は遠位電極のセットの動作的に接続された一つの電極との間に配置される一方、前記栄養管の遠位先端部が胃内にあるように、前記電極は患者に対して配置され、前記栄養管は大きさを設定される、請求項27に記載の装置。
【請求項30】
前記心電計器具と、呼吸モニタとを更に有し、前記スイッチは、前記上位又は近位電極のセットの前記一つの電極及び前記下位又は遠位電極のセットの前記一つの電極を前記呼吸モニタに動作的に接続する、請求項27、28又は29に記載の装置。
【請求項31】
前記スイッチが、選択的且つ動作的に接続する前記構成を供給する手動スイッチと、選択的且つ動作的に接続する前記構成を電気的に供給する心電計器具又は患者モニタとから成るグループから選択される、請求項27乃至30の何れか一項に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2013−521040(P2013−521040A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−555515(P2012−555515)
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【国際出願番号】PCT/IB2011/050454
【国際公開番号】WO2011/107894
【国際公開日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】