多段化されたコンプレッサ水洗システム
【課題】効果的効率的なコンプレッサ洗浄システムを提供する。
【解決手段】コンプレッサ洗浄システムは、一端部はポンプの出口に、他端部は対応するノズルセットに結合された、流体供給ラインのステージを含む。制御弁を、ポンプとノズルセットの間で、流体供給ラインに接続し、ポンプとノズルセットの間において流体を選択的に供給する。ノズルセットの各ノズルを、ステージがコンプレッサの一部を洗浄することができるように、コンプレッサの入口に配置する。ノズルセットを、コンプレッサ入口のベルマウス組立体の周りに又は入口コーンの周りに配置し、それぞれのノズルのノズル噴霧先端部は、コンプレッサの入口空気流路内に延びる。コンプレッサの洗浄の決定と、構成された順次連続するパターンにおいて、流体をステージのうちの1以上に送ることができる。テンプレート及び設置ガイドを利用して、ノズルを配置する。
【解決手段】コンプレッサ洗浄システムは、一端部はポンプの出口に、他端部は対応するノズルセットに結合された、流体供給ラインのステージを含む。制御弁を、ポンプとノズルセットの間で、流体供給ラインに接続し、ポンプとノズルセットの間において流体を選択的に供給する。ノズルセットの各ノズルを、ステージがコンプレッサの一部を洗浄することができるように、コンプレッサの入口に配置する。ノズルセットを、コンプレッサ入口のベルマウス組立体の周りに又は入口コーンの周りに配置し、それぞれのノズルのノズル噴霧先端部は、コンプレッサの入口空気流路内に延びる。コンプレッサの洗浄の決定と、構成された順次連続するパターンにおいて、流体をステージのうちの1以上に送ることができる。テンプレート及び設置ガイドを利用して、ノズルを配置する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願に対する相互参照)
本出願は、2009年8月21日付で出願された「多段化されたコンプレッサ水洗システム(Staged Compressor Water Wash System)」という名称の米国仮特許出願第61/235,895号の優先権を主張するものであり、この仮出願の内容はすべて、本引用により、本明細書に完全に記述されているものとして包含される。
【0002】
本出願は、コンプレッサ洗浄システムに関する。更に詳しくは、本出願は、コンプレッサステージの洗浄システムと、ステージの洗浄システムの高度な機能を支え、他のコンプレッサ洗浄システムにも広範に適用できる、関連するシステム及び方法と、に関する。
【背景技術】
【0003】
コンプレッサ洗浄システムは、コンプレッサの空気流路の洗浄に関係している。大きな流量、大きな寸法の入口、侵食されやすい大きなブレード、又は高い圧縮比、の組合せのために、運転中のコンプレッサの洗浄には、多くの困難が伴う。
【0004】
特に、ガスタービンの利用において、全体流量が大きければ、適切な洗浄のために大量の流体、又は流体流れを必要とし、この結果、低NOxPPMの燃焼システム等では、燃焼停止の可能性がある。大きな入口は、動翼や静翼を適切にカバーするために、複数の、恐らくは、多数の水注入箇所を必要とする。侵食の影響をバランスさせつつ、ブレードを洗浄して粒子を除去するには、計画的に異なる時間間隔で、広範な範囲のサイズの流体液滴を供給する必要がある。高い圧縮比は、水を蒸発させ、この結果、後続のステージの洗浄が不可能となり、従って、洗浄を、前段のステージに重点を置いたものにしてしまう。その上、現場での設置は、繰り返し手順が必要となり易く、多数の障害が発生しやすいので、堅牢でありながらコンパクトな設計が、要求される。
【0005】
水に限定するわけではないが、水などの流体を高度に集中させることが、洗浄効率の向上に寄与する。しかしながら、水などの流体を高度に集中させると燃焼が不安定になるため、コンプレッサ内に注入可能な流体の量には制限がある。流体の高度の集中と燃焼停止という課題を軽減するためには、流体注入箇所又はノズルを多段化することが、ノズルに、空気に対して局所的に高度に集中した流体をコンプレッサの静翼及び動翼に衝突させることを繰り返させ、洗浄効率を向上又は最大にすることができる。
【0006】
産業用の定置型コンプレッサの入口は、例えば、入口フィルタハウジング、入口コーン、ベルマウスケーシング、及び入口ストラットを含むことができる。コンプレッサは、産業用の大型ガスタービンへの圧縮空気の供給を含む様々な用途において利用可能であり、天然ガスコンプレッサの用途として石油及びガス産業において、石油やガスプラットフォームなどの商用発電において、船舶において、又は、コンプレッサが有用であるあらゆるその他の用途において、利用することができる。コンプレッサの洗浄のためのノズルの配置には、特定の用途のための考慮すべき課題が存在する可能性があり、例えば、流体の、水対空気の比率や水流の軌道に影響を及ぼす、全体流量の変化などが存在する。
【0007】
ベースロードでは、空気入口速度は、第1ステージにおいて、半径方向にブレードに沿って、コンプレッサブレードの翼根から翼先端に約10倍も異なる可能性があり、最低速度は、ブレードの翼根の近傍である。高速エリア内に直接注入されなかった水などの流体は、ブレードの翼根に向かって導かれることが証明されており、この結果、ブレードの最も応力がかかった部分が集中的に侵食されることになる。オンライン洗浄においてブレードの翼先端を適切に洗浄するには、ノズルの噴出位置からブレードの翼先端に向かう照準線(line of sight)と、高速領域内における配置と、が必要である。
【0008】
大きな水滴は、通常、小さな水滴よりも格段に大きな影響をブレードに対して与える可能性があり、この結果、前縁の侵食速度を増大させる。ブレードの翼根は、ブレードの最も大きな応力がかかる部分であり、従って、前縁の侵食が問題となろう。このエリアを洗浄しつつ、侵食を最小限に保つには、小さな液滴を使用する必要がある。大きな液滴の短距離噴流は、通常、洗浄効率を向上させるが、利用する場合には、控えめに利用すべきである。
【0009】
例えば、多段マニホルドを含むコンプレッサ洗浄システムにおいては、一度にすべてのステージを開くことにより、マニホルドの背圧を低減することができ、従って、流体の液滴サイズを増大することができる。流体の液滴サイズを大きいものと小さいものとの間において変動させることにより、(1)大きな液滴は、コンプレッサ内を下流に向かって流れるときに蒸発するのに長時間を所要しうることから、コンプレッサの遠方のステージに到達可能であり、(2)コンプレッサの流量が同一ならば、圧力と流体の液滴サイズとを変化させることにより、水滴の衝撃領域を変化させることができる、という2つの方法で、洗浄効率を改善することができる。
【0010】
コンプレッサの入口スロートを十分カバーする有効なオンライン洗浄を設計するには、産業的な環境に耐える能力を有する堅牢な設計を維持しつつ、鋳造厚さ、曲率、アクセス、及び干渉に基づく幾何学的に困難なエリアに、ノズルを設置する必要があろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、これらのニーズ及び制約、並びに、その他に対処する効果的効率的なコンプレッサ洗浄システムが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0012】
一実施形態によれば、コンプレッサを洗浄するコンプレッサ洗浄システムは、流体を供給するポンプと、一端部でポンプの出口に接続された流体供給ラインと、個々の流体供給ラインの反対側の端部に接続され、それぞれ、個々の流体供給ラインに対応しているノズルセットと、を含む。各ノズルセットは、1つ以上のノズルを含む。更に、それぞれのノズルは、コンプレッサの入口又はコンプレッサの入口コーンの開口部内に配置され、このノズルは、コンプレッサブレードの照準線内において、コンプレッサの入口の空気流路内に延びている。又、コンプレッサ洗浄システムは、流体をポンプから選択的に供給するために、制御弁を含み、それぞれの制御弁は、ポンプと対応するノズルセットとの間で、対応する流体供給ラインに接続される。
【0013】
別の実施形態によれば、コンプレッサを洗浄するコンプレッサ洗浄システムは、複数のステージを含み、それぞれのステージは、一端部ではポンプの出口に、他端部ではノズルセットに接続された、流体供給ラインから構成されている。それぞれのステージは、制御弁を含み、この制御弁は、ポンプとノズルセットとの間において、流体供給ラインに接続され、ポンプとノズルセットとの間で、流体を選択的に供給するように構成される。ノズルセットは、ノズルを含み、ノズルは、ノズル本体と、ノズル本体の端部に位置するノズル噴霧先端部と、を有する。様々なステージそれぞれのノズルは、複数のステージの各々がコンプレッサの異なる部分を洗浄できるようにするために、コンプレッサの入口に配置される。
【0014】
一実施形態によれば、コンプレッサを洗浄する方法は、1つ以上のノズルをそれぞれ含む、ノズルセットを設けるステップを有する。テンプレート又は設置ガイドをコンプレッサの入口の一部に適用してノズルの場所をマーキングし、次に、コンプレッサの入口の対応するマーキングされた場所にノズルを配置する。この配置ステップは、ノズルが、コンプレッサブレードの照準線内で、コンプレッサの入口の空気流路内に延びるように、ノズルを配置するステップを含む。対応する流体供給ラインを介してノズルセットをポンプの出口に接続し、流体をポンプからノズルセットのうちの1以上に選択的に供給する。この選択的な供給は、コンプレッサの所望の部分を洗浄する、あらかじめ決定された順次連続するパターンに基づいている。
【0015】
本特許又は出願ファイルは、カラーで表現された少なくとも1枚の図面を含む。この1つ以上のカラー図面を有する特許又は特許出願公開の複写は、要求及び必要な料金の支払に基づいて米国特許商標庁から提供される。
【0016】
以上の要約及び以下の詳細な説明については、添付の図面との関連において参照することによって、更に十分に理解することができよう。添付の図面には、例示用の実施形態が示されているが、実施形態は、本明細書に示されている特定の方法及び手段に限定されないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】一実施形態による配管及び装置を含むコンプレッサ洗浄システムを示す。
【図2a】一実施形態による入口コーン及びベルマウス組立体を有するコンプレッサの入口を示す。
【図2b】一実施形態による入口コーン及びベルマウス組立体を有するコンプレッサの入口を示す。
【図3】一実施形態によるベルマウス組立体内のノズルの配置を示す。
【図4a】様々な実施形態による、コンプレッサの入口との関係におけるベルマウスノズル及び入口コーンノズルの噴霧パターンを示す。
【図4b】様々な実施形態による、コンプレッサの入口との関係におけるベルマウスノズル及び入口コーンノズルの噴霧パターンを示す。
【図4c】様々な実施形態による、コンプレッサの入口との関係におけるベルマウスノズル及び入口コーンノズルの噴霧パターンを示す。
【図4d】様々な実施形態による、コンプレッサの入口との関係におけるベルマウスノズル及び入口コーンノズルの噴霧パターンを示す。
【図4e】様々な実施形態による、コンプレッサの入口との関係におけるベルマウスノズル及び入口コーンノズルの噴霧パターンを示す。
【図4f】様々な実施形態による、コンプレッサの入口との関係におけるベルマウスノズル及び入口コーンノズルの噴霧パターンを示す。
【図5】一実施形態による、空気流れ方向におけるコーンノズル組立体を示す。
【図6】一実施形態による、ベルマウスノズルの設置状態の断面図を示す。
【図7a】一実施形態による、複数のマニホルド組立体を含むコンプレッサ洗浄システムを示す。
【図7b】一実施形態による、コンプレッサ洗浄システムの要素の詳細図を示す。
【図8a】一実施形態による、ベルマウス組立体及び入口コーンの一部分の断面図を示す。
【図8b】一実施形態による、ベルマウス組立体及び入口コーンの一部分の断面図を示す。
【図8c】一実施形態による、ベルマウス組立体及び入口コーンの一部分の断面図を示す。
【図8d】一実施形態による、ベルマウス組立体及び入口コーンの一部分の断面図を示す。
【図9a】一実施形態による、コンプレッサの入口内に設置されたコンプレッサ洗浄システムを示す。
【図9b】一実施形態による、コンプレッサの入口内に設置されたコンプレッサ洗浄システムを示す。
【図9c】一実施形態による、コンプレッサの入口内に設置されたコンプレッサ洗浄システムを示す。
【図10】異なるノズルステージが開かれた場合の、一定の流量でノズル背圧及び液滴サイズが可変である場合の、例示の折れ線グラフである。
【図11】エンジンの標準負荷を一定にして、ノズルの流体流量及び圧力を変化させた場合の、流体軌道を例示する図である。
【図12】ノズルの流体流量と圧力とを一定にして、コンプレッサの負荷を変化させた場合の、流体軌道を例示する図である。
【図13】コンプレッサブレードの翼根から翼先端までの、全流体流量の分布を示す棒グラフである。
【図14】側部入口構成の空気速度プロファイルを、ベースロードにおいて示す。
【図15a】実施形態に従ってベルマウス及び入口コーンノズルを設置するためのテンプレート及びモールドを示す。
【図15b】実施形態に従ってベルマウス及び入口コーンノズルを設置するためのテンプレート及びモールドを示す。
【図15c】実施形態に従ってベルマウス及び入口コーンノズルを設置するためのテンプレート及びモールドを示す。
【図15d】実施形態に従ってベルマウス及び入口コーンノズルを設置するためのテンプレート及びモールドを示す。
【図15e】実施形態に従ってベルマウス及び入口コーンノズルを設置するためのテンプレート及びモールドを示す。
【図15f】実施形態に従ってベルマウス及び入口コーンノズルを設置するためのテンプレート及びモールドを示す。
【図15g】実施形態に従ってベルマウス及び入口コーンノズルを設置するためのテンプレート及びモールドを示す。
【図15h】実施形態に従ってベルマウス及び入口コーンノズルを設置するためのテンプレート及びモールドを示す。
【図15i】実施形態に従ってベルマウス及び入口コーンノズルを設置するためのテンプレート及びモールドを示す。
【図15j】実施形態に従ってベルマウス及び入口コーンノズルを設置するためのテンプレート及びモールドを示す。
【図15k】実施形態に従ってベルマウス及び入口コーンノズルを設置するためのテンプレート及びモールドを示す。
【図15l】実施形態に従ってベルマウス及び入口コーンノズルを設置するためのテンプレート及びモールドを示す。
【図15m】実施形態に従ってベルマウス及び入口コーンノズルを設置するためのテンプレート及びモールドを示す。
【図15n】実施形態に従ってベルマウス及び入口コーンノズルを設置するためのテンプレート及びモールドを示す。
【図15o】実施形態に従ってベルマウス及び入口コーンノズルを設置するためのテンプレート及びモールドを示す。
【図16】一実施形態による、コンプレッサを洗浄する方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書において使用される以下の用語は、以下に記載する意味を有する。
【0019】
「添加剤」とは、分子、化学薬品、高分子、化合物、又は原子の、ガス、液体、又は固体状であって、単独又は組合せで他に任意の量だけ加えられるものを意味する。
【0020】
「合金」とは、複数の金属からなる、又は、1つ以上の金属と非金属とからなる物質を意味する。
【0021】
「耐食性」とは、腐食の速度を減少させる、腐食を防止する、腐食を後退させる、腐食を停止する、又はこれらの組合せを実行する能力を有することを意味する。
【0022】
「ベースロード」とは、任意の所与の圧力、温度、高度、又はその他の大気条件において、所定のガスタービンエンジンが発生することができる最大出力を意味するが、これに限定するものではない。
【0023】
「ベルマウス」とは、入口コンプレッサのらっぱ形に開いた開口部を意味する。
【0024】
「接続する(Connect)」とは、複数の部品を1つに接合、リンク、結合、装着、又は固定することを意味する。「接続された(Connected)」とは、相互に接合された、リンクされた、結合された、装着された、又は固定された複数の部品を意味する。「コネクタ(Connectors)」とは、1つ以上の部品を相互に接合、結合、装着、又は固定するために使用される部品を意味する。「接続(Connection)」とは、相互に接合された、リンクされた、結合された、装着された、又は固定された複数の部品の状態を意味する。
【0025】
「コンプレッサブレード」とは、入口案内翼(IGV)、可動IGV、静翼、又は、コンプレッサに関連するその他の羽根又はブレード、を含む動翼又は非動翼を意味するが、これらに限定するものではない。
【0026】
「汚染」とは、微生物、化学薬品、又はこれらの組合せを含む異物の存在を意味するが、これらに限定するものではない。
【0027】
「腐食」とは、少なくとも部分的な損傷、劣化、破壊、分解、変質、又はこれらの組合せの状態を意味する。
【0028】
「侵食」とは、少なくとも部分的な浸食、摩滅、材料の脱落、又はこれらの組合せの状態を意味する。
【0029】
「固定された(Fastened)」又は「固定する(Fasten)」とは、互いに装着された複数の部品に関し、1つ以上のボルト、ねじ、ナット、ピン、縫い目、ステープル、ブラッド、リベット、接着剤、紐による装着、留め金溶接による装着、かすがい、ストラップ留め、溶接、又は嵌合の使用、又はこれらの組合せ、による装着を含むがこれらに限定しない任意の方式によって装着されることを意味する。
【0030】
「流体」とは、液体又はガス又はスラリ、又はこれらの組合せ、を含むがこれらに限定しない、流動することができる任意の物質を意味する。「流体」は、水、蒸気、化合物、添加剤、又はこれらの組合せ、を含むがこれらに限定しない。流体は、1つ以上の固形粒子をその内部に含むことができる。
【0031】
「IGV」とは、入口案内翼を意味する。
【0032】
「LAF」とは、流れに対向して見ること(looking against flow)を意味する。
【0033】
「LAR」とは、液体対空気の比率を意味する。
【0034】
「液体」とは、水、化合物、添加剤、又は特定の形状を有しないが流れやすい性質を有するもの、又は、これらの組合せ、を含むことができる。液体は、1つ以上の固形粒子をその内部に含むことができる。
【0035】
「LWF」とは、流れに沿って見ること(looking with flow)を意味する。
【0036】
「金属」とは、固体である場合に少なくとも部分的に結晶質である元素の種類の、少なくとも1つを有することを意味する。「金属」は、金、銀、銅、鉄、鋼、ステンレス鋼、真鍮、ニッケル、亜鉛、アルミニウム、又はこれらの組合せ、を含むがこれらに限定せず、合金を含むが、合金に限定しない。
【0037】
「多段化された(Staged)」又は「ステージ(Stage)」とは、洗浄システムの異なる領域又は異なるモードに、別々の時間に又は同時に連続して有効になることを意味する。
【0038】
図1、図6、図7b、及び図11〜図12を参照すると、一実施形態によるコンプレッサを洗浄するコンプレッサ洗浄システム100が示されている。コンプレッサ洗浄システム100は、ポンプ110と、複数の流体供給ライン120と、複数のノズルセット130と、複数の制御弁140と、を含むことができる。
【0039】
ポンプ110は、流体を供給するように構成されており、例えば、約4137kPa〜約8274kPa(約600psi〜約1200psi)の範囲の運転圧力を有する0.0019m3/min〜0.303m3/min(0.5GPM〜80GPM)の流量の範囲の容積式ポンプであってよい。その他の流量及び運転圧力でも適切である可能性がある。更に、様々な運転パラメータを有するその他のタイプのポンプをコンプレッサ洗浄システム100内において利用することもでき、コンプレッサ洗浄システム100は、容積式ポンプを含むものに限定されない。
【0040】
複数の流体供給ライン120は、ポンプ110から供給される流体を受領及び供給するために、それぞれ、一端部で、ポンプ110の出力に接続することができる。ノズルセット130は、複数のノズルセット130の各々が、複数の流体供給ライン120のそれぞれものに対応するように、それぞれの流体供給ライン120の反対側の端部に接続することができる。各ノズルセット130は、1つ以上のノズル132を包含可能であり、それぞれのノズル132は、ノズル本体134と、ノズル本体134の一端に配設されたノズル噴霧先端部136と、を含む(例えば、図6、図11、及び図12を参照されたい)。従って、それぞれの流体供給ライン120は、ポンプ110から流体を受領し、この流体を対応するノズルセット130に供給可能であり、このノズルセットは、流体を供給するための1つ以上のノズル132を含むことができる。
【0041】
複数の制御弁140の各々は、ポンプ110及び対応するノズルセット130の間において複数の流体供給ライン120のうちの対応するものに接続することができる。この結果、それぞれの流体供給ライン120は、対応する制御弁140と、対応するノズルセット130と、を有することができる。それぞれの制御弁140は、ポンプ110から対応するノズルセット130に対して、対応する流体供給ライン120を介して、流体を選択的に供給するために運転可能であってよい。制御弁140は、例えば、高圧制御弁であってよい。
【0042】
対応する流体供給ライン120、制御弁140、及びノズルセット130をステージと呼称することができる。従って、図1に示されている実施形態によれば、コンプレッサ洗浄システム100は、3つのステージ(ステージ1、ステージ2、及びステージ3)を具備しているが、コンプレッサ洗浄システム100は、これに限定されるものではなく、更に多くの数の又は更に少ない数のステージを含むことができる。
【0043】
又、コンプレッサ洗浄システム100は、排水ライン150と、排水制御弁160と、排水設備170と、をも含むことができる。排水ライン150の一端は、ポンプ110の出力に接続可能であり、排水ライン150の反対側の端部は、排水設備170又は排水ライン150内の流体が排出されるその他の部品又はエリアに接続することができる。排水制御弁160は、ポンプ110と排水設備170の間において排水ライン150に接続可能であり、ポンプ110から排水設備170又はその他の排水部品又はエリアに流体を選択的に供給するために構成することができる。
【0044】
又、コンプレッサを洗浄している場合にフィードバックをコンプレッサ洗浄システム100に供給するために、センサ180を排水ライン150に接続することもできる。例えば、一実施形態においては、1つ以上の導電率センサ180により、オフライン洗浄リンスサイクルの回数を決定するために、排出又は放出される流体の導電率又は純度を監視することができる。コンプレッサの洗浄リンスサイクルは、1つ以上の導電率センサ180が予め設定された排水又は放出流体の純度レベルを計測する時点まで、稼働することができる。その他の実施形態においては、1つ以上のセンサ180は、その他のパラメータを監視可能であり、コンプレッサ洗浄リンスサイクルは、センサ180の1つ以上が、可変の又はオペレータによって選択された導電率、排出流体の純度レベル、排出流体内の固形内容物の量、又はその他のパラメータを計測する時点まで、稼働を継続することができる。排水制御弁160は、予め設定された監視値に到達する時点まで、ポンプ110から排水設備170に流体を供給することができる。
【0045】
図2a〜図2b及び図6を参照すると、コンプレッサの入口200が示されている。コンプレッサ入口200は、吸気コア210と、ベルマウス組立体220と、を含むことができる。ベルマウス組立体220は、ベアリングハブ224と、複数のストラット222と、を含むことができる。それぞれのストラット222は、ベアリングハブ224からベルマウス組立体220に向かって外側に延びることができる。図2bは、ベルマウス組立体220の空気流れに対向する方向から見た背面図を提供している。
【0046】
コンプレッサ洗浄システム100の1つ以上のノズルセット130それぞれのノズル132は、コンプレッサの洗浄運転を支援するために、コンプレッサ入口200の一部の内部に又はその上部に配置することができる。例えば、一実施形態によれば、それぞれのノズル132は、吸気コア210又はベルマウス組立体220などのコンプレッサ入口200の開口部内に配置することができる。それぞれのノズル噴霧先端部136は、コンプレッサ入口200の入口空気流路内に延びるべく配置することができる。
【0047】
図3を参照すると、ベルマウス組立体220内におけるノズルの配置が示されている。一実施形態によれば、ノズル132は、ストラット222のそれぞれものの間に配置された2つのベルマウスノズル310を含む。但し、更に多くの数の又は更に少ない数のベルマウスノズル310をベルマウス組立体220内に配置することもできる。又、ストラット222の各々の間の空間が同数のベルマウスノズル310を含むことも必須ではない。一実施形態によれば、ノズルの配置は、コンプレッサブレード(図示されてはいない)の照準線を有する状態にある。ベルマウスノズル310の噴霧先端部は、入口空気流路内に最大で30%だけ延びることができる。但し、いくつかの実施形態においては、ベルマウスノズル310の噴霧先端部は、空気流路内に最大で50%だけ延びることができる。ベルマウスノズル310の方向は、入口空気流路に沿ったものであってよい。ベルマウスノズル310の本体は、ベアリングハブ224に対して垂直であってよく、又は、空気流路内においてベルマウス組立体220の湾曲面に対して±20度の範囲にあってよい。ベルマウスノズル310は、第90百分位数の逸脱を伴って、約4137kPa〜約8274kPa(約600〜約1200psi)の運転圧力範囲と、約50μm〜約500μmの範囲の流体液滴サイズと、を有することができる。その他の適切な運転圧力及び流体液滴サイズを利用することもできる。
【0048】
図4a〜図4fは、様々な実施形態によるノズル132の噴霧パターンを示す。
【0049】
図4aを参照すると、ベルマウスノズル310のオンライン噴霧パターン(以下、ベルマウス噴霧パターン410)が示されている。オンラインベルマウス噴霧パターン410は、平らなファンの形状から円錐形状の範囲であってよい。2つの1番目のベルマウスノズル噴霧角度415が、ベルマウス噴霧パターン410を定義しており、これらは、例えば、コンプレッサが稼動している場合には、コンプレッサの流れとの間において、噴霧流体排出形状の1°〜75°の範囲であってよい。オンライン洗浄は、通常、コンプレッサの排出温度が水の沸点以上である又はタービンがオンライン状態にある場合に実行され、これには、限定を伴うことなしに、ベースロード運転が含まれる。ベルマウス噴霧パターン410が周方向及び半径方向においてコンプレッサブレードの前縁の先端からコンプレッサブレードの中央部を包むように、コンプレッサブレード(図示されてはいない)を完全に、略完全に、又は十分にカバーすることができるベルマウス噴霧パターン410又はその他の適切な噴霧パターンなどの望ましいオンライン噴霧パターンを利用することができる。
【0050】
いくつかの実施形態は、ベルマウスノズル310のオフライン噴霧パターンを含むことができる。オフラインベルマウス噴霧パターン410は、平らなファン形状から円錐形状の範囲であってよい。2つの1番目のベルマウス噴霧角度415が、ベルマウス噴霧パターン410を定義しており、これらは、例えば、コンプレッサの流れとの間において、噴霧流体排出の1°〜75°の範囲であってよい。オフライン洗浄は、通常、コンプレッサ排出温度が水の沸点未満であるか又はタービンがオフライン状態にある場合に実行される。いくつかの実施形態においては、オフライン洗浄は、タービンが、オフライン状態にあり、部分的速度にある場合に、稼働する。オフラインベルマウス噴霧パターン410が周方向及び半径方向においてコンプレッサブレードの前縁の先端からコンプレッサブレードの中央部を包むように、コンプレッサブレード(図示されてはいない)を完全に、略完全に、又は十分にカバーすることができるオフラインベルマウス噴霧パターン410又はその他の適切な噴霧パターンなどの望ましいオフライン噴霧パターンを利用することができる。
【0051】
図4bを参照すると、コンプレッサ入口200及び入口コーン210との関係における入口コーンノズル420及びこれらの配置が示されている。一実施形態によれば、入口コーンノズル420は、入口コーンノズル420の噴霧先端部がコンプレッサブレードの前縁の中央部を指すように、入口コーンノズル420のノズル本体が±20°の範囲においてコンプレッサローターの中心線と平行になるように、入口コーン210の周囲の周りに配置することができる。その他の適切な範囲を使用することもできる。入口コーンノズル420の方向は、入口空気流路に沿ったものであってよく、コンプレッサブレードの照準線に沿ったものであってよい。入口コーンノズル420の噴霧先端部は、入口空気流路内に最大で5%だけ延びることができる。但し、いくつかの実施形態においては、入口コーンノズル420の噴霧先端部は、例えば、空気流路内に最大で20%などのように、空気流路内に更に延びることができる。入口コーンノズル420運転圧力範囲は、第90百分位数の逸脱を伴って、約4137kPa〜約8274kPa(約600〜約1200psi)の範囲であってよく、液滴は、約50μm〜約500μmの範囲であってよい。その他の適切な運転圧力範囲及び流体液滴サイズを利用することもできる。
【0052】
図4bを参照すると、入口コーンノズル420のオンライン噴霧パターン(以下、入口コーン噴霧パターン430)が示されている。オンライン入口コーン噴霧パターン430は、平らなファンの形状から円錐の形状の範囲であってよい。2つの1番目の入口コーン噴霧角度435が、入口コーン噴霧パターン430を定義しており、これらは、例えば、コンプレッサが稼働している場合には、大気圧状態において、コンプレッサの流れとの間において、噴霧流体排出形状の1°〜60°の範囲であってよい。オンライン洗浄は、通常、コンプレッサ排出温度が水の沸点以上であるか又はタービンがオンライン状態にある場合に、実行され、これには、限定を伴うことなしに、ベースロード運転が含まれる。コンプレッサ又はタービンがオンライン状態にある場合には、入口コーン噴霧パターン430が周方向及び半径方向においてコンプレッサブレードの翼根からコンプレッサブレードの中央部を包むように、コンプレッサブレード(図示されてはいない)を完全に、略完全に、又は十分にカバーすることができる入口コーン噴霧パターン430又はその他の適切な噴霧パターンなどの望ましいオンライン噴霧パターンを利用することができる。
【0053】
いくつかの実施形態は、入口コーンノズル420のオフライン入口コーン噴霧パターン430を含む。オフライン入口コーン噴霧パターン430は、平らなファンの形状又は円錐形状を有することができる。2つの1番目の入口コーン噴霧角度435が、入口コーン噴霧パターン430を定義しており、これらは、例えば、コンプレッサの流れとの間において、噴霧流体排出の1°〜75°の範囲であってよい。オフライン洗浄は、通常、コンプレッサ排出温度が水の沸点未満であるか又はタービンがオフライン状態である場合に、実行される。いくつかの実施形態においては、オフライン洗浄は、タービンがオフライン状態にあり、部分的速度にある場合に、稼働する。オフライン入口コーン噴霧パターン430が周方向及び半径方向においてコンプレッサブレードの翼根からコンプレッサブレードの中央部を包むように、コンプレッサブレード(図示されてはいない)を完全に、略完全に、又は十分にカバーすることができるオフライン入口コーン噴霧パターン430又はその他の適切な噴霧パターンなどの望ましい噴霧パターンを利用することができる。
【0054】
その他の実施形態においては、噴霧パターンは、半径又は周方向においてコンプレッサブレード上の異なるターゲットエリアを包むか、カバーするか、又は噴霧することができる。例えば、ベルマウス噴霧パターン410は、入口コーン噴霧パターン430の狙いを定めた噴霧とオーバーラップする状態において、コンプレッサブレードの前縁の先端からコンプレッサブレードの半径方向のカバー範囲の一部を包むように狙いを定めることができる(即ち、コンプレッサブレードの半径方向のカバー範囲の一部が、コンプレッサブレードの中央部を上回ってもよく、又は、下回ってもよい)。又、入口コーン噴霧パターン430は、コンプレッサブレードの翼根からコンプレッサブレードの半径方向のカバー範囲の特定の部分を包むように狙い定めることもすることができる。
【0055】
図4cは、ベルマウス噴霧パターン410と、ベルマウス噴霧角度415と、入口コーン噴霧パターン430と、を含むオフライン噴霧パターンの一実施形態を示す。図4d及び図4eは、ベルマウス噴霧パターン410と、入口コーン噴霧パターン430と、入口コーン噴霧角度435と、を含むコンプレッサ入口200のオンライン噴霧パターンを空気流れの方向において示しており、図4fは、こちらも、ベルマウス噴霧パターン410と、入口コーン噴霧パターン430と、を含むオンライン噴霧パターンを空気流れに対向する方向において示している。
【0056】
図4d及び図5は、一実施形態によるコンプレッサ入口200を空気流れの方向において示している。入口コーンノズル420は、一実施形態によれば、30°ごとに均等に離隔することができる。タービンがオフライン又はオンライン状態にある場合に、又はコンプレッサ排出温度が水の沸点を上回るか又は下回っている場合に、入口コーン噴霧パターン430又はその他の適切な噴霧パターンが周方向又は半径方向においてコンプレッサブレードの翼根からコンプレッサブレードの中央部を包むように、任意の数の入口コーンノズル420又はその間隔を利用し、コンプレッサ入口のコンプレッサブレードの完全な、略完全な、又は望ましいカバー範囲を得ることができる。
【0057】
図6、図8c、及び図8dは、ベルマウスノズル310又は入口コーンノズル420の設置状態の断面図を示している。一実施形態によれば、ベルマウスノズル310又は入口コーンノズル420などのノズル本体134は、コンプレッサ入口200の外部から設置し、ねじが切られた圧縮嵌合スリーブ610によって定位置にロックするか又はその他の方法で固定することができる。ロックカラー(lock collar)620は、一実施形態によれば、ノズル132を固定すると共にノズル132又はノズル本体134が圧縮嵌合スリーブ610を通じて入口空気流路の望ましくない部分の内部に摺動することを防止するか又は防止するために支援するために、切れ目のない単一片であるノズル本体134の一部であってよい。一実施形態によれば、設置の場合に、調節可能なレンチ又はその他の装置によってノズル噴霧先端部136を保持及びアライメントできるようにするために、ノズル本体134のヘッド内に平らな表面630を機械加工することができる。当然のことながら、その他の適切な材料及び方法を使用し、ノズル132又はノズル本体134を入口空気流路内において固定又は締結可能であり、又は、ノズル132又はノズル本体134が入口空気流路の望ましくない部分の内部に摺動することを防止するか又は防止するために支援することができる。
【0058】
一実施形態によれば、切れ目のない単一片であるノズル本体134は、溶接された支柱内に螺入可能であり、この内部において、切れ目のない単一片であるノズル本体134は、ロックカラーに対して張り出すことにより、コンプレッサ洗浄ノズル132又はノズル本体134が入口空気流路の望ましくない部分の内部に進入することを防止する。
【0059】
図7aは、複数のマニホルドを含むコンプレッサ洗浄システム109の一実施形態を示しており、この場合に、少なくとも1つのマニホルドは、入口コーンノズル420用であり、少なくとも1つのマニホルドは、ベルマウスノズル310用である。この実施形態に示されているように、ベルマウスノズルマニホルド710は、流体をベルマウスノズル310に供給するために構成可能であり、入口コーンノズルマニホルド720は、流体を入口コーンノズル420に供給するために構成することができる。コンプレッサ洗浄システム100の一実施形態においては、ベルマウスノズル310は、コンプレッサ入口のコンプレッサブレードの洗浄及び範囲のカバーのための望ましい局所化されたLARを生成するのに適した多段化のために複数のベルマウスノズルマニホルド710を必要としよう。このコンプレッサ洗浄システム100は、様々なサイズの様々なコンプレッサに対して適合可能であり、従って、入口コーンノズル420、ベルマウスノズル310、及び流体マニホルド710及び720の数は、相応して変化することができる。
【0060】
更に図7aと、そして、図7bを参照すると、マニホルド710及び720は、例えば、接続漏洩箇所を極小化するために、溶接T、THREAD−O−LET、WELD−O−LET、又はその他のコネクタを有する曲がった剛性のチューブ又は配管を含むことができる。又、マニホルド710及び720は、例えば、支持のために、又は振動を低減又は防止するために、ブラケットコネクタ450又はその他のハードウェアを含むこともすることができる。曲がりやすい接続部640がノズル本体134からマニホルド溶接部に延び、例えば、振動を低減又は防止することができる。マニホルド710及び720及び曲がりやすい接続部640は、その他の適切な手段を使用して固定又は接続することができる。
【0061】
一実施形態によれば、ベルマウスノズル310又は入口コーンノズル420は、ノズル310又は420のノズル本体134とマニホルド710又は720の間を接続するステンレス鋼の曲がりやすい接続部640(図6及び図7a、図7bを参照されたい)により、マニホルド710及び720などのSS304L 1 inch schedule 40又は80のマニホルドに接続することができる。いくつかの実施形態においては、限定を伴うことなしに、その他のステンレス鋼、炭素鋼、真鍮、又はその他の適切な材料などのその他の適切な金属又は合金を使用してマニホルド又は曲がりやすい接続部640を製造することができる。更に、曲がりやすい接続部640やマニホルド以外の適切な部品を使用し、流体を入口コーンノズル420又はベルマウスノズル310に供給することもできる。
【0062】
図8a〜図8dは、様々な実施形態によるコンプレッサ入口200のベルマウス組立体220及び入口コーン210の一部の断面図を示している。図8a及び図8dは、その上部に入口コーンノズル420及び対応するマニホルド720が設置される入口コーン210の一部の断面図を示している。
【0063】
図8cは、その上部に入口コーンノズル420及び対応するマニホルド720が設置される入口コーン210の一部と、その上部にベルマウスノズル310が設置されるベルマウス組立体220の一部と、の断面図を含む。図8cに示されている実施形態においては、ベルマウスの噴霧及び入口コーンの噴霧は、オフライン洗浄運転の場合にオンであり、ベルマウス噴霧パターン410及びベルマウス噴霧角度415が、入口コーン噴霧パターン430及び入口コーン噴霧角度435と共に、示されている。図8dは、その上部に入口コーンノズル420及び対応するマニホルド720が設置される入口コーン210の一部と、その上部にベルマウスノズル310が設置されるベルマウス組立体220の一部と、の断面図を示しており、入口コーンの噴霧は、オフライン洗浄運転の場合にオンである。図8dの実施形態には、入口コーン噴霧パターン430が示されている。
【0064】
図9a〜図9cは、コンプレッサ入口200に設置されたコンプレッサ洗浄システム100の詳細な図を提供している。図9aを参照すると、ベルマウスノズルマニホルド710は、一実施形態によれば、ベルマウス組立体220に設置される。曲がりやすい接続部640がベルマウスノズル310のノズル噴霧本体134からマニホルド溶接部に延びることができる。いくつかの実施形態においては、ベルマウスノズルマニホルド710を支持すると共に/又は、振動を低減又は防止するために、ブラケットハードウェア450が使用される。当然のことながら、ベルマウスノズルマニホルド710を支持すると共に/又は、振動を低減又は防止するために、その他の適切な装置、材料、又は方法を使用することもできる。
【0065】
図9bを参照すると、入口コーンノズルマニホルド720は、コンプレッサ入口200の入口コーン210の周囲に設置することができる。入口コーンノズルマニホルド720は、流体を入口コーンノズル420に供給することができる。ベルマウスノズル310は、ベルマウス組立体220の周囲の周りにおいて離隔可能であり、ベルマウスノズルマニホルド710が流体をベルマウスノズル310に供給することができる。いくつかの実施形態においては、入口コーンノズルマニホルド720を支持するために、又は振動を低減又は防止するために、ブラケットハードウェア450が使用される。
【0066】
図9cは、その上部に設置されたコンプレッサ洗浄システム100を有するコンプレッサ入口200の側面図を提供している。入口コーンノズル420は、入口コーン210の周囲の周りに設置可能であり、流体を受領するために、入口コーンノズルマニホルド720(図9cには図示されていない)に接続することができる。更に、ベルマウスノズル310は、ベルマウス組立体220内に設置可能であり、流体を受領するために、ベルマウスノズルマニホルド710(図9cには図示されていない)に接続することができる。この結果、入口コーンノズル420又はベルマウスノズル310は、コンプレッサを洗浄するために、流体をコンプレッサ入口200の入口空気流路内に、又はこの方向に、コンプレッサブレードの照準線に沿って、送出することができる。ベルマウス又は入口コーンノズル310、420は、それぞれ、前述のように、オンライン及びオフライン洗浄運転の両方において稼働することができる。
【0067】
図1を再度参照すると、マニホルド710及び720が、共通ヘッダ(ポンプ110)において接合可能であり、制御弁140によって相互に隔離されるシーケンシングの一実施形態が示されている。図1においては、1つ以上のベルマウスノズルマニホルド710は、ノズルセット130の1以上によって表現可能であり、1つ以上の入口コーンノズルマニホルド720は、その他のノズルセット130の1以上によって表現することができる。ベルマウスノズルマニホルド710及び入口コーンノズルマニホルド720は、いずれも、例えば、公称6205kPa(900psi)という高圧において運転する約140°Fに加熱された流体を、1ステージ当たりに1〜5分にわたって、ステージ1のノズルセット130、ステージ2のノズルセット130、ステージ3のノズルセット130、又はステージ1、2、及び3のノズルセット130の組合せに送出することができる。シーケンシングのその他の実施形態は、例えば、流体の温度又は圧力を変更可能であり、複数の多段化されたノズルセット又は複数の高圧制御弁140を含むことができる。
【0068】
1つ以上のメモリ部品内に保存されたコンピュータ実行可能命令の対応する組として、様々なシーケンシング運転を提供することができる。演算装置1100(図1を参照されたい)は、望ましいシーケンシング運転を実行するために、コンピュータ実行可能命令にアクセスし、これらを実行することができる。このために、演算装置1100は、プロセッサ、コプロセッサ、コントローラ、又は集積回路を含む様々なその他の処理手段又は装置として実施された処理要素を含むことができる。処理要素は、命令にアクセスし、これらを実行して、ポンプ110及び制御弁140及び排水弁160を制御するか又はその他の方法で運転させて、所望のシーケンシング運転を実現する能力を有する。コンピュータ実行可能命令は、リモートサーバー(図示されてはいない)上、又は演算装置1100のローカルメモリ部品1120内に保存可能であり、このメモリ部品は、情報、命令、又はこれらに類似したものを保存するために、揮発性又は不揮発性メモリを含むことができる。演算装置1100は、有線接続又は無線接続又はこれらの組合せを介して、ポンプ110、制御弁140、及び排水バルブ160に接続され、これらの部品を相応して制御して望ましい運転を実行する。
【0069】
図10は、コンプレッサ洗浄システム100の各ステージと関連する様々なパラメータを示す折れ線グラフである。特に、図10は、様々なノズルステージ(即ち、ステージ1のノズルセット130、ステージ2のノズルセット130、又はステージ3のノズルセット130)が起動された場合の一定の流量を、可変のノズル背圧及び液滴サイズと共に、示している。例えば、ステージ1、2、又は3のノズルセット130の間におけるスイッチングの場合に、複数の制御弁140が開き、この結果、流体の相対的に大きな液滴のバーストを結果的にもたらす低圧スパイクを生成することができる。低圧スパイクにおいては、一実施形態によれば容積式ポンプであってよいポンプ110が一定の流体流量を維持するため、個々のノズルセット130に対する流体流量は、相対的に一定に留まる。又、図10は、ステージ1〜3が同時に起動され、これにより、相対的に大きな流体の液滴のバーストを結果的にもたらす低圧スパイクを生成する実施形態をも示している。
【0070】
コンプレッサ洗浄システム100などの多段化されたコンプレッサ洗浄システムの別の特徴は、平均流体液滴サイズを運転の全体を通じて変更することができるという点にある。例えば、3ステージシステムにおいては、1つの高圧制御弁140が開いた状態において、流体液滴サイズは、第90百分位数の逸脱を伴って、約50μm〜約500μmの範囲であってよい。相対的に小さな流体液滴サイズは、コンプレッサブレードのブレード侵食を制限しつつ、洗浄システム100の洗浄運転を支援する。相対的に小さな流体液滴サイズは、相対的に小さな質量及び運動量を具備し、所与のコンプレッサ内において、相対的に大きな流体液滴サイズよりも、相対的に少ない侵食又は損耗を生成することができる。しかしながら、コンプレッサブレードの相対的に積極的な洗浄運転のためには、相対的に大きな流体液滴サイズが望ましいであろう。いくつかの実施形態においては、相対的に大きな液滴サイズは、短いバーストの形態において使用可能であり、オンライン又はオフライン洗浄プロセスの合計流体消費量の20%未満となっている。この場合にも、多段化されたコンプレッサ洗浄システム100を使用することにより、その他の適切な流体液滴サイズ及び流体消費の持続時間を形成することができる。
【0071】
又、コンプレッサ洗浄システム100は、液滴の分裂又は液滴の結合を防止又は低減するための機能をも含む。コンプレッサの入口などの高速空気流れ内に流体の液滴を注入すれば、流体液滴が分裂し、この結果、コンプレッサ洗浄システムの洗浄の有効性を低減することができる。ステージの起動又は流体運転圧力を変化させることにより、コンプレッサの洗浄液滴をコンプレッサに注入する場合の液滴の分裂を低減又は防止することができる。一実施形態においては、ベルマウスノズル310及び入口コーンノズル420は、液滴をコンプレッサの高速空気流れに注入する場合の液滴の分裂を低減又は防止するために、約4137kPa〜約8274kPa(約600〜約1200psi)の運転圧力範囲を有することができる。特定のノズル設計は、コンプレッサ内に注入される場合に液滴を合体、衝突させるか又は液滴の干渉を生成し、これにより、コンプレッサ洗浄システムの洗浄効果を低減可能な、限定を伴うことなしに、特定の円錐形状の噴霧パターンなどの噴霧パターン形状を生成することができる。いくつかの実施形態においては、ベルマウスノズル310又は入口コーンノズル420は、液滴が合体、衝突するか又はド液滴干渉を生成することを低減又は防止するための平らなファンの形状であるベルマウス噴霧パターン410又は入口コーン噴霧パターン430などの噴霧パターンを生成するために設計されている。米国特許第5,868,860号は、運転圧力及び圧力範囲に関係する更なる情報を含んでおり、この内容は、本引用により、本明細書に含まれる。
【0072】
図11は、一定のエンジン正規化負荷において、ノズル流体流量及び圧力を変化させた場合の流体軌道を例示する図である。図11は、制御弁140などの高圧制御弁の間においてサイクリングさせた場合に、ラインの背圧が低下し、これにより、ベルマウスノズル310又は入口コーンノズル420からの流体軌道がわずかに変化し、ブレード上における流体衝突をわずかに異なる半径方向の場所に生成することができることを示している。高圧制御弁140の間のサイクリングの場合の流体軌道の変動は、オンライン及びオフラインシナリオの両方において良好に機能することができる。流体衝突がコンプレッサブレードの異なるエリアを洗浄することができるため、いくつかの実施形態においては、コンプレッサ洗浄システム10の洗浄運転にとって、流体軌道を変化させることが有益であろう。例えば、ラインの背圧が8274kPa(1200psi)である場合には、流体軌道速度は、流体衝突によって、コンプレッサブレードの翼根又は中央部ではなく、コンプレッサブレードの先端のより多くの部分を洗浄可能なものとなる。別の実施形態においては、制御弁140として調節弁(modulating valve)を使用し、4137kPa〜8274kPa(600〜1200psi)の範囲又はその他の望ましい圧力範囲内に圧力を維持することができる。その他の実施形態においては、ベルマウスノズル310は、ノズル噴霧先端部136がコンプレッサの入口空気流路内に延びるように、設置され、ノズル132は、流体軌道が、入口空気流れに沿い、コンプレッサブレードの照準線に方向付けされるように、コンプレッサブレードの照準線に沿っている。別の実施形態(図示されてはいない)は、入口コーンノズル420からの流体軌道を変化させることができる。例えば、ラインの背圧が8274kPa(1200psi)である場合には、入口コーンノズル420の流体軌道は、流体衝突によって、コンプレッサブレードの翼根ではなく、コンプレッサブレードの中央部のより多くの部分を洗浄可能となるようなものにすることができる。ライン背圧が4137kPa(600psi)である場合には、入口コーンノズル420の流体軌道は、流体衝突によって、コンプレッサブレードの中央部ではなく、コンプレッサブレードの翼根のより多くの部分を洗浄可能となるようなものにすることができる。
【0073】
図12は、一定のノズル流体流量及び圧力において、所与のコンプレッサ速度又はエンジン正規化負荷における流体軌道を例示する図である。図12は、タービンが稼働可能なガスターンの正規化負荷を0%〜100%の間において変動させることにより、流体軌道をわずかに変化させ、この結果、ブレード上における流体衝突を異なる半径方向の場所において生成することができることを示している。ガスタービンの正規化負荷の変動を通じた流体軌道の変動は、オンラインシナリオにとって、より好適であろう。例えば、タービンがベースロードにある場合には、空気入口速度を増大可能であり、従って、入口コーンノズル420(図示されてはいない)からの流体衝突によって、コンプレッサブレードの先端ではなく、コンプレッサブレードの翼根のより多くの部分を洗浄することができる。タービンがベースロードにある場合には、ベルマウスノズル310の流体軌道により、流体衝突によって、コンプレッサブレードの中央部ではなく、コンプレッサブレードの先端のより多くの部分を洗浄することができる。別の実施形態においては、コンプレッサ速度は、入口コーンノズル420又はベルマウスノズル310からの流体軌道に対して、エンジン正規化負荷と同一の効果を有することができる。
【0074】
システム100などの多段化されたコンプレッサ洗浄システムは、高圧制御弁140の間におけるサイクリングの場合にラインの背圧を変化させ、ベルマウス又は入口コーンノズル310、420からの望ましい流体軌道を実現するために、構成することができる。その他の実施形態は、ライン背圧の変動を構成してベルマウス又は入口コーンノズル310、420からの望ましい流体軌道を実現するために使用可能な複数の調節弁を含むことができる。例えば、ガスタービンがベースロードにある場合に、ユーザーが吸気スロートのカバー範囲の増大を所望する場合には、多段化されたコンプレッサ洗浄システムは、調節弁を使用することによって望ましいライン背圧を維持し、吸気スロートのカバー範囲の増大とライン背圧の維持の両方を実現することができる。コンプレッサ洗浄システムは、ステージ1の調節弁を30%だけ、ステージ2の調節弁を40%だけ、そして、ステージ3の調節弁を10%だけ、開き、望ましいライン背圧を維持すると共に/又は、望ましい液体対空気比率を制御することができる。当然のことながら、吸気スロートのカバー範囲を増大させつつ、望ましいライン背圧又は液体対空気比率を維持するために、1つ以上の調節弁を利用可能であり、様々な構成及び運転位置を構成することができる。更に、ベルマウス又は入口コーンノズル310、420からの望ましい流体軌道が特定のガスタービンの正規化負荷又はコンプレッサ速度において実現されるように、多段化されたコンプレッサ洗浄システムを構成することもできる。いくつかの実施形態は、限定を伴うことなしに、ガスコンプレッサ又は遠心コンプレッサを含むコンプレッサを包含可能であり、この場合には、例えば、特定のコンプレッサの運転速度に基づいて、洗浄ノズルからの望ましい流体軌道を構成することができる。
【0075】
別の実施形態においては、オンライン洗浄において、所与のマニホルド(排水ステージ又はノズルセット130のうちの1つ)の高圧制御弁140を開くことにより、ガスタービン負荷の変更とノズル背圧の変動の組合せを利用し、周方向及び半径方向の両方における異なるブレードのカバー範囲を洗浄することができる。
【0076】
一実施形態によれば、図1に示されているコンプレッサ洗浄システム100は、ノズルの背圧を望ましい圧力範囲に変動させるべく使用可能な排水制御弁160を含むことができる。排水制御弁160を変調すると、ノズルの背圧が変化し、これにより、個々の流体ノズルからコンプレッサブレードに対して、異なる流体液滴サイズ及び流体軌道が提供される。
【0077】
更に図1を参照し、一実施形態によれば、ステージ1、2、及び3のノズルセット130は、同一の流体流量及び流体液滴サイズにおいて類似した圧力低下を有することができるが、1ステージ当たりのノズル132の数は、異なるものであってよい。例えば、一実施形態は、ステージ1には、10個の入口コーンノズル420を、そして、ステージ2には、20個のベルマウスノズル310を含むことができる。その他の実施形態は、1ステージ当たりに、更に多くの数の又は更に少ない数の入口コーンノズル420及びベルマウスノズル310を含むことができる。
【0078】
ステージの組合せを、短時間にわたって、即ち、1分以下にわたって、一度に開き、異なるサイズの液滴によってブレードの異なるエリアを洗浄できるようにすることができる。例えば、ステージ2のノズルセット130及びステージ3のノズルセット130cの高圧制御弁が閉鎖された状態において、ステージ1のノズルセット130の高圧制御弁140を開いた場合に、流体液滴サイズは、ステージ1、2、及び3のノズルセット130の高圧制御弁140が一度に開かれれた場合よりも大きなものとなる。1ステージ当たりのノズル132のその他の適切な構成を提供することも可能であり、ステージの組合せのタイミングを多くの用途について構成することも可能であり、1分を上回る時間にわたって一度に開くためにタイミング設定することもできる。
【0079】
図13は、コンプレッサブレードの翼根からコンプレッサブレードの先端までの合計流体流量分布の棒グラフであり、長さ1は、コンプレッサブレードの翼根近傍のエリアを表し、長さ20は、コンプレッサブレードの先端近傍のエリアを表している。図13は、側部吸気フィルタハウジングにおけるコンプレサブレードのオンライン洗浄のための半径方向のブレードの場所当たりの一実施形態による望ましい洗浄流体の割合の合計を示している。単位時間当たりに一貫性のある局所化された流体対空気比率(LAR)、即ち、流束密度比率を得るという目標は、それぞれのステージの累積噴霧カバー範囲においてコンプレッサの吸気スロート及び下流のブレードを通じた一貫性のある湿潤及び洗浄を提供する。一実施形態によれば、ベルマウスノズル310は、入口コーンノズル420よりも、より大きなエリアの湿潤及び洗浄をカバーしなければならない。一貫性のあるLARを維持するために、入口コーンノズル420よりも多くの流体を提供するために、より多くのベルマウスノズル310が必要となろう。その他の実施形態は、より少ないベルマウスノズル310を有するが、入口コーンノズル420に対するよりも、ベルマウスノズル310に対してより大きな流体流量を有するように、構成することができる。当然のことながら、ベルマウスノズル310、入口コーンノズル420、流体流量、圧力、及び液滴サイズのその他の適切な変動を実装し、一貫性のある単位時間当たりのLAR、即ち、流束密度比率を維持することができる。
【0080】
図14は、ローターからコンプレッサの外部ケーシングへの、又は半径方向をコンプレッサ動翼に沿って翼根から先端への、ベースロードにおける側部入口構成の空気入口速度の変動を示す数値流体力学(CFD)モデルの一実施形態を示している。相対的に高い速度が赤で示されており、最低速度が青で示されている。オレンジ及び赤の最高速度は、コンプレッサの中心線から離れた、コンプレッサケーシングに向かうコンプレサブレードにおいて見出される。更に、コンプレッサブレードの先端は、コンプレッサブレードの翼根よりも、高い局所的速度を有する。従って、タービンが稼働している場合には、コンプレッサブレードの先端は、コンプレッサブレードの翼根よりも、洗浄するためにより多くの流体を必要とすることになる。又、このコンプレッサブレードの先端における流体流量に対する相対的に大きなニーズは、流体対空気の一貫性のある流束密度比率の維持を必要とすることにもなる。いくつかの実施形態は、より多くの流体を提供して、コンプレッサブレードの翼根からコンプレッサブレードの先端への一貫性のある流体対空気の流束密度比率を維持するために、入口コーンノズル420のステージよりも、ベルマウスノズル310のより多くのステージを、又は、1ステージ当たりの入口コーンノズル420よりも、1ステージ当たりにより多くのベルマウスノズル310を含むことができる。図14は、特定のタービンのCFDモデルを示しているが、CFDモデルを任意のコンプレッサ又はタービンについて生成し、その他のコンプレッサのベルマウス及びコーンに取り付けられたノズルの使用を伴う多段化された水洗システムの適切な構成を決定することもできる。
【0081】
再度図1の実施形態を参照すると、高圧制御弁140の3つのステージは、コンプレッサ洗浄ノズル132を有する3つのマニホルドに流体を注入するために構成することができる。ステージ1は、例えば、コンプレッサブレードの翼根から中央部のより小さなエリアを狙った入口コーンノズル420内への流体注入を制御することができる。ステージ2及びステージ3は、例えば、1ステージ当たりのより大きなエリアのコンプレッサブレードのカバー範囲と下流のコンプレッサブレードに合焦された、コンプレッサブレードの中央部から先端を狙ったベルマウスノズル310内への流体注入を制御することができる。ポンプ110などの容積式ポンプは、一定の流体流量を供給することができるため、ステージ2又はステージ3のノズルが運転している場合には、流束密度比率は、より大きなエリアに方向付けされたステージ2又はステージ3のノズルへの一定の流体流量に起因し、半径方向においてコンプレッサブレードに沿って相対的に一貫性を有することができる。コンプレッサの吸気エリアの全体を通じた一貫性のある流束密度比率を維持するために、又はその他の望ましい運転結果を実現して様々なコンプレッサ又はタービンに対応するために、高圧弁、マニホルド、ノズル、及びノズルセットのステージの様々なその他の好適な構成を実装することができる。
【0082】
システム100などの多段化されたコンプレッサ洗浄システムのノズル先端部の配置は、コンプレッサブレードへの照準線を必要とすることになり、オンライン及びオフライン洗浄運転のいずれにも使用することができる。ノズル本体134の太さは、直径において0.25インチ超であってよく、0〜120Hzの周波数範囲によって励起されない堅牢な産業用用途の場合に、約0.0125インチの最小壁厚さを有する。その他の用途の場合には、ノズル本体の材料に応じて、0.0125インチ未満の壁厚さを有し、直径が0.25インチ未満であるノズル本体の太さを有するノズル本体134を利用することができる。図6を再度参照すると、ノズル噴霧先端部136は、レンチ又はその他のツールが締め付けつつノズル本体134を保持することができるようにするために、平らな表面630を含むことができる。又、ノズル本体134は、ロックカラー620をも包含可能であり、このロックカラーは、入口空気流路の外側から入口空気流路の内側へのノズル132の設置を許容可能であり、従って、これにより、ノズル132又はその他の材料が望ましくない入口空気流路内に落下することを許容する接続の緩みの可能性を除去又は低減することができる。ノズル先端部136の配置角度を適切にアライメントするために、ベルマウス設置ツールが必要であろう。ベルマウス設置ツールは、ノズル先端部136のアライメントとノズル先端部136の望ましい軌道角度のために、液圧ボール盤(図示されてはいない)を含むことができる。
【0083】
図15a〜図15oを参照すると、様々な実施形態によるベルマウスノズル310及び入口コーンノズル420を設置するために使用されるテンプレート及びモールドが示されている。
【0084】
一実施形態によれば、ベルマウス設置ツールは、図15d及び図15lと、流れに沿った方向から見た図15eの前面斜視図と、に示されている1つ以上のフォームフィッティングテンプレートを含むことができる。ノズル先端部をコンプレッサの流路内に挿入するために、ベルマウス組立体220のケーシング内にベルマウスノズルポートを穿孔することができる。ベルマウスノズルポートは、ノズル先端部136が必要な又は望ましいコンプレッサブレードに対する照準線を実現するように、穿孔することができる。フォームフィッティングテンプレートの材料は、硬いプラスチックから曲がりやすい磁石又は任意のその他の適切な材料の範囲であってよい。
【0085】
設置手順は、限定を伴うことなしに、ベルマウス組立体220上にベルマウスノズルポートの貫通場所1510をマーキングしてドリルビットの貫通場所に印を付けるか又はその他方法で通知するための1番目のテンプレート1540の使用を含むことができる。図8b及び図15d〜図15lを参照すると、2番目のテンプレート1530を使用し、入口コーン210上におけるベアリングハブのアライメント位置1515の直線投影1520をマーキング可能であり、ボール盤の降下位置をマーキングすることができる。ガス圧ジャックを有する特別に設計されたドリルを、プッシュオフ位置又はベアリングハブのアライメント位置1510において使用可能であり、1番目の及び2番目のテンプレートからベルマウスノズルポートの貫通箇所1510を決定する。その他の実施形態によれば、2番目のテンプレート1530は、2番目のテンプレート1530のアライメントに使用するために、ストラットアライメントノッチ1535を含むことができる。その他の実施形態は、テンプレートをアライメントするための基準として、ベルマウス組立体220上の既存のボルト孔円1590を使用することができる。当然のことながら、直線投影1520及びドリルビットの貫通場所を決定するその他の適切な方法を使用することもできる。
【0086】
その他の実施形態は、入口コーン210又はベルマウス組立体220上において個々のポート貫通場所をマーキングするために入口コーン210又はベルマウス組立体220上において使用される単一のテンプレートを含むことができる。又、単一のテンプレートを使用し、入口コーン210上においてベアリングハブのアライメント位置1515の直線投影1520をマーキングし、ボール盤の降下位置をマーキングすることもできる。
【0087】
2番目のテンプレート1530が、図15dに表されており、例示用のコンプレッサ入口200などのコンプレッサ入口に適用された状態において、図15e及び図15fにも示されている。2番目のテンプレート1530は、ベルマウス組立体220の2つのストラット222の間にフィットするために構成可能であり、ノズル先端部の挿入及び配置のために開口部を生成するために、ドリル又はその他の装置のためのポート貫通場所を通知又はマーキングするために利用することができる。
【0088】
1ストラット1番目のテンプレート1540が図15gに示されている。1ストラット1番目のテンプレート1540は、ベルマウス組立体220の1つのストラット222の周りに配置されるべく構成されている。図15h及び図15iは、コンプレッサ入口200に配置された1ストラット1番目のテンプレート1540の図を提供している。いくつかの実施形態は、相対的に容易な設置及び可搬性のために、1つ以上のハンドル1525を含む。
【0089】
図15jを参照すると、2つのストラット222の周りに配置されるべく構成された2ストラット1番目のテンプレート1550が示されている。図15k及び図151は、コンプレッサ入口200に配置された2ストラット1番目のテンプレート1550の図を提供している。
【0090】
1ストラット1番目のテンプレート1540及び2ストラット1番目のテンプレート1550を利用し、ベルマウスノズル310の挿入及び配置のためのベルマウスノズルポートの貫通箇所1510をマーキングすることができる。いくつかの実施形態によれば、ストラット222を使用し、コーンノズル設置ツール1560又はノズル設置ツール1500をアライメントすることができる。当然のことながら、1つ以上のストラット222、ボルト孔円1590、又はその他の基準をコンプレッサ入口内において使用することにより、任意のテンプレート又はツールをアライメントすることができる。
【0091】
一実施形態によれば、図15a及び図15bの切取り図と、図15cの正面斜視図と、に示されたコーン設置ツール1500を使用し、入口コーンノズル420を設置することができる。1つ以上のコーン設置ツール1500は、入口コーンノズル420の配置のために、ノズル先端部136の配置角度を適切にアライメントさせるべく、使用することができる。コーン設置ツール1500は、コンプレッサ入口の入口コーン210に装着するために構成することができる。
【0092】
いくつかの実施形態においては、コーン設置ツール1500は、ノズル先端部136の配置角度を適切に穿孔するために、ドリルアライメント角度を有する挿入ドリルビットガイド1565を有することができる。ドリルビットガイド1565は、ノズル132の設置の場合にドリルビットをガイドするために、予め定義された二次元の角度を含むことができる。一実施形態は、コーン設置ツール1500と共に使用することができる取り外し可能なドリルビットガイド1565を含み、この場合には、複数のドリルビットガイド1565を使用し、穿孔プロセスにおいて様々なドリルビットサイズに対応している。コーン設置ツール1500は、基準点として既存のボルト孔円1590を使用することにより、入口コーン210上に配置することができる。別の実施形態においては、ストラット222を使用し、コーン設置ツール1500を配置することができる。当然のことながら、コーン設置ツール1500を使用し、ベルマウスノズル310を設置可能であり、テンプレートを使用し、入口コーンノズル420を設置可能であり、ツール又はテンプレートの任意の組合せをノズル132の設置のために使用することができる。
【0093】
図15mを参照すると、コーンノズル設置ツール1560が示されている。コーンノズル設置ツール1560は、図15n及び図15oに更に示されているように、コンプレッサ入口200の入口コーン210に装着されるべく構成されている。コーンノズル設置ツール1560は、入口コーンノズル420の挿入及び配置のためのポート貫通部をマーキングするか又はその他の方法で通知するためのテンプレートを提供している。いくつかの実施形態においては、コーンノズル設置ツール1560は、穿孔アライメント角度のために使用可能な挿入ドリルビットガイド1565を有することができる。又、挿入ドリルビットガイド1565は、穿孔アライメント角度又は穿孔深さを提供するベルマウステンプレートのために使用することもできる。一実施形態は、コーンノズル設置ツール1560と共に使用することができる取り外し可能なドリルビットガイド1565を含み、この場合には、穿孔プロセスにおいて、複数のドリルビットガイド1565を使用し、様々なドリルビットサイズに対応している。別の実施形態は、基準点して既存のボルト孔円1590を使用することより、コーンノズル設置ツール1560をアライメントするために、ボルトアライメント孔1570(図15m)を含む。
【0094】
図16を参照すると、このフローチャートは、例えば、コンプレッサ洗浄システム100などのコンプレッサ洗浄システムの設置方法を示している。ステップ1610において、コンプレッサ洗浄システム100の一部である対応するノズルセット130の一部であってよいノズル132などの1つ以上のノズルを提供している。ノズルセット130は、ベルマウスノズルマニホルド710又は入口コーンノズルマニホルド720などのマニホルドに接続することができる。各ノズルセットは、1つ以上のノズル132を包含可能であり、それぞれのノズル132は、ノズル本体134と、ノズル本体134の一端に配設されたノズル噴霧先端部136と、を有する。
【0095】
ステップ1620において、1つ以上のテンプレート又は設置ガイドをコンプレッサの入口の一部に適用し、ノズルセット130のノズル132の各々の場所をマーキングしている。テンプレート又は設置ガイドは、例えば、ベルマウスノズルのノズル位置をマーキングするために、構成することができる。例えば、テンプレートは、ストラット222の間のノズル位置をマーキングするためにベルマウス組立体220のストラット222の周りに配置することができる。ノズルの位置は、それぞれのストラットの間に1つのノズル132を含むことができるが、その他の構成を利用することもできる。その他のテンプレート又は設置ガイドは、入口コーンノズルのノズル位置をマーキングするために、構成することができる。対応するテンプレート又はガイドは、例えば、既存のボルト孔円からボルト孔の周りにフィットすることができる。
【0096】
ステップ1630において、コンプレッサのベルマウス又は入口コーン組立体内の対応するマーキングされた場所に、ノズル132の各々を配置している。ノズル132は、それぞれのノズル噴霧先端部136がコンプレッサブレードの照準線内においてコンプレッサの入口空気流路内に延びることを許容するために、方向付けされる。
【0097】
ステップ1640において、1つ以上のノズル132を含む各ノズルセット130を対応する流体供給ライン120を介してポンプの出口に結合している。コンプレッサ洗浄システム100のポンプ110などのポンプは、流体供給ライン120を通じて流体をノズルセット130に供給するように構成されており、これらのノズルセットから、流体が、その洗浄のためにコンプレッサ内に放出又は供給される。
【0098】
ステップ1650において、流体をポンプ110から1つ以上のノズルセット130に選択的に供給している。この選択的な供給は、コンプレッサの望ましい部分を洗浄する既定の順次連続するパターンに基づいている。
【0099】
以上の例は、説明を目的として提供されたものに過ぎず、従って、決して限定として解釈してはならない。様々な実施形態を参照したが、本明細書に使用されている文言は、限定のための文言ではなく、説明及び例示のための文言である。更に、特定の手段、材料、及び実施形態を参照したが、本明細書に開示されている詳細事項に対する限定は、存在しない。むしろ、これらの実施形態は、添付の請求項の範囲に含まれるものなどのあらゆる機能的に均等な構造、方法、及び使用法をも含むものである。
【技術分野】
【0001】
(関連出願に対する相互参照)
本出願は、2009年8月21日付で出願された「多段化されたコンプレッサ水洗システム(Staged Compressor Water Wash System)」という名称の米国仮特許出願第61/235,895号の優先権を主張するものであり、この仮出願の内容はすべて、本引用により、本明細書に完全に記述されているものとして包含される。
【0002】
本出願は、コンプレッサ洗浄システムに関する。更に詳しくは、本出願は、コンプレッサステージの洗浄システムと、ステージの洗浄システムの高度な機能を支え、他のコンプレッサ洗浄システムにも広範に適用できる、関連するシステム及び方法と、に関する。
【背景技術】
【0003】
コンプレッサ洗浄システムは、コンプレッサの空気流路の洗浄に関係している。大きな流量、大きな寸法の入口、侵食されやすい大きなブレード、又は高い圧縮比、の組合せのために、運転中のコンプレッサの洗浄には、多くの困難が伴う。
【0004】
特に、ガスタービンの利用において、全体流量が大きければ、適切な洗浄のために大量の流体、又は流体流れを必要とし、この結果、低NOxPPMの燃焼システム等では、燃焼停止の可能性がある。大きな入口は、動翼や静翼を適切にカバーするために、複数の、恐らくは、多数の水注入箇所を必要とする。侵食の影響をバランスさせつつ、ブレードを洗浄して粒子を除去するには、計画的に異なる時間間隔で、広範な範囲のサイズの流体液滴を供給する必要がある。高い圧縮比は、水を蒸発させ、この結果、後続のステージの洗浄が不可能となり、従って、洗浄を、前段のステージに重点を置いたものにしてしまう。その上、現場での設置は、繰り返し手順が必要となり易く、多数の障害が発生しやすいので、堅牢でありながらコンパクトな設計が、要求される。
【0005】
水に限定するわけではないが、水などの流体を高度に集中させることが、洗浄効率の向上に寄与する。しかしながら、水などの流体を高度に集中させると燃焼が不安定になるため、コンプレッサ内に注入可能な流体の量には制限がある。流体の高度の集中と燃焼停止という課題を軽減するためには、流体注入箇所又はノズルを多段化することが、ノズルに、空気に対して局所的に高度に集中した流体をコンプレッサの静翼及び動翼に衝突させることを繰り返させ、洗浄効率を向上又は最大にすることができる。
【0006】
産業用の定置型コンプレッサの入口は、例えば、入口フィルタハウジング、入口コーン、ベルマウスケーシング、及び入口ストラットを含むことができる。コンプレッサは、産業用の大型ガスタービンへの圧縮空気の供給を含む様々な用途において利用可能であり、天然ガスコンプレッサの用途として石油及びガス産業において、石油やガスプラットフォームなどの商用発電において、船舶において、又は、コンプレッサが有用であるあらゆるその他の用途において、利用することができる。コンプレッサの洗浄のためのノズルの配置には、特定の用途のための考慮すべき課題が存在する可能性があり、例えば、流体の、水対空気の比率や水流の軌道に影響を及ぼす、全体流量の変化などが存在する。
【0007】
ベースロードでは、空気入口速度は、第1ステージにおいて、半径方向にブレードに沿って、コンプレッサブレードの翼根から翼先端に約10倍も異なる可能性があり、最低速度は、ブレードの翼根の近傍である。高速エリア内に直接注入されなかった水などの流体は、ブレードの翼根に向かって導かれることが証明されており、この結果、ブレードの最も応力がかかった部分が集中的に侵食されることになる。オンライン洗浄においてブレードの翼先端を適切に洗浄するには、ノズルの噴出位置からブレードの翼先端に向かう照準線(line of sight)と、高速領域内における配置と、が必要である。
【0008】
大きな水滴は、通常、小さな水滴よりも格段に大きな影響をブレードに対して与える可能性があり、この結果、前縁の侵食速度を増大させる。ブレードの翼根は、ブレードの最も大きな応力がかかる部分であり、従って、前縁の侵食が問題となろう。このエリアを洗浄しつつ、侵食を最小限に保つには、小さな液滴を使用する必要がある。大きな液滴の短距離噴流は、通常、洗浄効率を向上させるが、利用する場合には、控えめに利用すべきである。
【0009】
例えば、多段マニホルドを含むコンプレッサ洗浄システムにおいては、一度にすべてのステージを開くことにより、マニホルドの背圧を低減することができ、従って、流体の液滴サイズを増大することができる。流体の液滴サイズを大きいものと小さいものとの間において変動させることにより、(1)大きな液滴は、コンプレッサ内を下流に向かって流れるときに蒸発するのに長時間を所要しうることから、コンプレッサの遠方のステージに到達可能であり、(2)コンプレッサの流量が同一ならば、圧力と流体の液滴サイズとを変化させることにより、水滴の衝撃領域を変化させることができる、という2つの方法で、洗浄効率を改善することができる。
【0010】
コンプレッサの入口スロートを十分カバーする有効なオンライン洗浄を設計するには、産業的な環境に耐える能力を有する堅牢な設計を維持しつつ、鋳造厚さ、曲率、アクセス、及び干渉に基づく幾何学的に困難なエリアに、ノズルを設置する必要があろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、これらのニーズ及び制約、並びに、その他に対処する効果的効率的なコンプレッサ洗浄システムが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0012】
一実施形態によれば、コンプレッサを洗浄するコンプレッサ洗浄システムは、流体を供給するポンプと、一端部でポンプの出口に接続された流体供給ラインと、個々の流体供給ラインの反対側の端部に接続され、それぞれ、個々の流体供給ラインに対応しているノズルセットと、を含む。各ノズルセットは、1つ以上のノズルを含む。更に、それぞれのノズルは、コンプレッサの入口又はコンプレッサの入口コーンの開口部内に配置され、このノズルは、コンプレッサブレードの照準線内において、コンプレッサの入口の空気流路内に延びている。又、コンプレッサ洗浄システムは、流体をポンプから選択的に供給するために、制御弁を含み、それぞれの制御弁は、ポンプと対応するノズルセットとの間で、対応する流体供給ラインに接続される。
【0013】
別の実施形態によれば、コンプレッサを洗浄するコンプレッサ洗浄システムは、複数のステージを含み、それぞれのステージは、一端部ではポンプの出口に、他端部ではノズルセットに接続された、流体供給ラインから構成されている。それぞれのステージは、制御弁を含み、この制御弁は、ポンプとノズルセットとの間において、流体供給ラインに接続され、ポンプとノズルセットとの間で、流体を選択的に供給するように構成される。ノズルセットは、ノズルを含み、ノズルは、ノズル本体と、ノズル本体の端部に位置するノズル噴霧先端部と、を有する。様々なステージそれぞれのノズルは、複数のステージの各々がコンプレッサの異なる部分を洗浄できるようにするために、コンプレッサの入口に配置される。
【0014】
一実施形態によれば、コンプレッサを洗浄する方法は、1つ以上のノズルをそれぞれ含む、ノズルセットを設けるステップを有する。テンプレート又は設置ガイドをコンプレッサの入口の一部に適用してノズルの場所をマーキングし、次に、コンプレッサの入口の対応するマーキングされた場所にノズルを配置する。この配置ステップは、ノズルが、コンプレッサブレードの照準線内で、コンプレッサの入口の空気流路内に延びるように、ノズルを配置するステップを含む。対応する流体供給ラインを介してノズルセットをポンプの出口に接続し、流体をポンプからノズルセットのうちの1以上に選択的に供給する。この選択的な供給は、コンプレッサの所望の部分を洗浄する、あらかじめ決定された順次連続するパターンに基づいている。
【0015】
本特許又は出願ファイルは、カラーで表現された少なくとも1枚の図面を含む。この1つ以上のカラー図面を有する特許又は特許出願公開の複写は、要求及び必要な料金の支払に基づいて米国特許商標庁から提供される。
【0016】
以上の要約及び以下の詳細な説明については、添付の図面との関連において参照することによって、更に十分に理解することができよう。添付の図面には、例示用の実施形態が示されているが、実施形態は、本明細書に示されている特定の方法及び手段に限定されないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】一実施形態による配管及び装置を含むコンプレッサ洗浄システムを示す。
【図2a】一実施形態による入口コーン及びベルマウス組立体を有するコンプレッサの入口を示す。
【図2b】一実施形態による入口コーン及びベルマウス組立体を有するコンプレッサの入口を示す。
【図3】一実施形態によるベルマウス組立体内のノズルの配置を示す。
【図4a】様々な実施形態による、コンプレッサの入口との関係におけるベルマウスノズル及び入口コーンノズルの噴霧パターンを示す。
【図4b】様々な実施形態による、コンプレッサの入口との関係におけるベルマウスノズル及び入口コーンノズルの噴霧パターンを示す。
【図4c】様々な実施形態による、コンプレッサの入口との関係におけるベルマウスノズル及び入口コーンノズルの噴霧パターンを示す。
【図4d】様々な実施形態による、コンプレッサの入口との関係におけるベルマウスノズル及び入口コーンノズルの噴霧パターンを示す。
【図4e】様々な実施形態による、コンプレッサの入口との関係におけるベルマウスノズル及び入口コーンノズルの噴霧パターンを示す。
【図4f】様々な実施形態による、コンプレッサの入口との関係におけるベルマウスノズル及び入口コーンノズルの噴霧パターンを示す。
【図5】一実施形態による、空気流れ方向におけるコーンノズル組立体を示す。
【図6】一実施形態による、ベルマウスノズルの設置状態の断面図を示す。
【図7a】一実施形態による、複数のマニホルド組立体を含むコンプレッサ洗浄システムを示す。
【図7b】一実施形態による、コンプレッサ洗浄システムの要素の詳細図を示す。
【図8a】一実施形態による、ベルマウス組立体及び入口コーンの一部分の断面図を示す。
【図8b】一実施形態による、ベルマウス組立体及び入口コーンの一部分の断面図を示す。
【図8c】一実施形態による、ベルマウス組立体及び入口コーンの一部分の断面図を示す。
【図8d】一実施形態による、ベルマウス組立体及び入口コーンの一部分の断面図を示す。
【図9a】一実施形態による、コンプレッサの入口内に設置されたコンプレッサ洗浄システムを示す。
【図9b】一実施形態による、コンプレッサの入口内に設置されたコンプレッサ洗浄システムを示す。
【図9c】一実施形態による、コンプレッサの入口内に設置されたコンプレッサ洗浄システムを示す。
【図10】異なるノズルステージが開かれた場合の、一定の流量でノズル背圧及び液滴サイズが可変である場合の、例示の折れ線グラフである。
【図11】エンジンの標準負荷を一定にして、ノズルの流体流量及び圧力を変化させた場合の、流体軌道を例示する図である。
【図12】ノズルの流体流量と圧力とを一定にして、コンプレッサの負荷を変化させた場合の、流体軌道を例示する図である。
【図13】コンプレッサブレードの翼根から翼先端までの、全流体流量の分布を示す棒グラフである。
【図14】側部入口構成の空気速度プロファイルを、ベースロードにおいて示す。
【図15a】実施形態に従ってベルマウス及び入口コーンノズルを設置するためのテンプレート及びモールドを示す。
【図15b】実施形態に従ってベルマウス及び入口コーンノズルを設置するためのテンプレート及びモールドを示す。
【図15c】実施形態に従ってベルマウス及び入口コーンノズルを設置するためのテンプレート及びモールドを示す。
【図15d】実施形態に従ってベルマウス及び入口コーンノズルを設置するためのテンプレート及びモールドを示す。
【図15e】実施形態に従ってベルマウス及び入口コーンノズルを設置するためのテンプレート及びモールドを示す。
【図15f】実施形態に従ってベルマウス及び入口コーンノズルを設置するためのテンプレート及びモールドを示す。
【図15g】実施形態に従ってベルマウス及び入口コーンノズルを設置するためのテンプレート及びモールドを示す。
【図15h】実施形態に従ってベルマウス及び入口コーンノズルを設置するためのテンプレート及びモールドを示す。
【図15i】実施形態に従ってベルマウス及び入口コーンノズルを設置するためのテンプレート及びモールドを示す。
【図15j】実施形態に従ってベルマウス及び入口コーンノズルを設置するためのテンプレート及びモールドを示す。
【図15k】実施形態に従ってベルマウス及び入口コーンノズルを設置するためのテンプレート及びモールドを示す。
【図15l】実施形態に従ってベルマウス及び入口コーンノズルを設置するためのテンプレート及びモールドを示す。
【図15m】実施形態に従ってベルマウス及び入口コーンノズルを設置するためのテンプレート及びモールドを示す。
【図15n】実施形態に従ってベルマウス及び入口コーンノズルを設置するためのテンプレート及びモールドを示す。
【図15o】実施形態に従ってベルマウス及び入口コーンノズルを設置するためのテンプレート及びモールドを示す。
【図16】一実施形態による、コンプレッサを洗浄する方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書において使用される以下の用語は、以下に記載する意味を有する。
【0019】
「添加剤」とは、分子、化学薬品、高分子、化合物、又は原子の、ガス、液体、又は固体状であって、単独又は組合せで他に任意の量だけ加えられるものを意味する。
【0020】
「合金」とは、複数の金属からなる、又は、1つ以上の金属と非金属とからなる物質を意味する。
【0021】
「耐食性」とは、腐食の速度を減少させる、腐食を防止する、腐食を後退させる、腐食を停止する、又はこれらの組合せを実行する能力を有することを意味する。
【0022】
「ベースロード」とは、任意の所与の圧力、温度、高度、又はその他の大気条件において、所定のガスタービンエンジンが発生することができる最大出力を意味するが、これに限定するものではない。
【0023】
「ベルマウス」とは、入口コンプレッサのらっぱ形に開いた開口部を意味する。
【0024】
「接続する(Connect)」とは、複数の部品を1つに接合、リンク、結合、装着、又は固定することを意味する。「接続された(Connected)」とは、相互に接合された、リンクされた、結合された、装着された、又は固定された複数の部品を意味する。「コネクタ(Connectors)」とは、1つ以上の部品を相互に接合、結合、装着、又は固定するために使用される部品を意味する。「接続(Connection)」とは、相互に接合された、リンクされた、結合された、装着された、又は固定された複数の部品の状態を意味する。
【0025】
「コンプレッサブレード」とは、入口案内翼(IGV)、可動IGV、静翼、又は、コンプレッサに関連するその他の羽根又はブレード、を含む動翼又は非動翼を意味するが、これらに限定するものではない。
【0026】
「汚染」とは、微生物、化学薬品、又はこれらの組合せを含む異物の存在を意味するが、これらに限定するものではない。
【0027】
「腐食」とは、少なくとも部分的な損傷、劣化、破壊、分解、変質、又はこれらの組合せの状態を意味する。
【0028】
「侵食」とは、少なくとも部分的な浸食、摩滅、材料の脱落、又はこれらの組合せの状態を意味する。
【0029】
「固定された(Fastened)」又は「固定する(Fasten)」とは、互いに装着された複数の部品に関し、1つ以上のボルト、ねじ、ナット、ピン、縫い目、ステープル、ブラッド、リベット、接着剤、紐による装着、留め金溶接による装着、かすがい、ストラップ留め、溶接、又は嵌合の使用、又はこれらの組合せ、による装着を含むがこれらに限定しない任意の方式によって装着されることを意味する。
【0030】
「流体」とは、液体又はガス又はスラリ、又はこれらの組合せ、を含むがこれらに限定しない、流動することができる任意の物質を意味する。「流体」は、水、蒸気、化合物、添加剤、又はこれらの組合せ、を含むがこれらに限定しない。流体は、1つ以上の固形粒子をその内部に含むことができる。
【0031】
「IGV」とは、入口案内翼を意味する。
【0032】
「LAF」とは、流れに対向して見ること(looking against flow)を意味する。
【0033】
「LAR」とは、液体対空気の比率を意味する。
【0034】
「液体」とは、水、化合物、添加剤、又は特定の形状を有しないが流れやすい性質を有するもの、又は、これらの組合せ、を含むことができる。液体は、1つ以上の固形粒子をその内部に含むことができる。
【0035】
「LWF」とは、流れに沿って見ること(looking with flow)を意味する。
【0036】
「金属」とは、固体である場合に少なくとも部分的に結晶質である元素の種類の、少なくとも1つを有することを意味する。「金属」は、金、銀、銅、鉄、鋼、ステンレス鋼、真鍮、ニッケル、亜鉛、アルミニウム、又はこれらの組合せ、を含むがこれらに限定せず、合金を含むが、合金に限定しない。
【0037】
「多段化された(Staged)」又は「ステージ(Stage)」とは、洗浄システムの異なる領域又は異なるモードに、別々の時間に又は同時に連続して有効になることを意味する。
【0038】
図1、図6、図7b、及び図11〜図12を参照すると、一実施形態によるコンプレッサを洗浄するコンプレッサ洗浄システム100が示されている。コンプレッサ洗浄システム100は、ポンプ110と、複数の流体供給ライン120と、複数のノズルセット130と、複数の制御弁140と、を含むことができる。
【0039】
ポンプ110は、流体を供給するように構成されており、例えば、約4137kPa〜約8274kPa(約600psi〜約1200psi)の範囲の運転圧力を有する0.0019m3/min〜0.303m3/min(0.5GPM〜80GPM)の流量の範囲の容積式ポンプであってよい。その他の流量及び運転圧力でも適切である可能性がある。更に、様々な運転パラメータを有するその他のタイプのポンプをコンプレッサ洗浄システム100内において利用することもでき、コンプレッサ洗浄システム100は、容積式ポンプを含むものに限定されない。
【0040】
複数の流体供給ライン120は、ポンプ110から供給される流体を受領及び供給するために、それぞれ、一端部で、ポンプ110の出力に接続することができる。ノズルセット130は、複数のノズルセット130の各々が、複数の流体供給ライン120のそれぞれものに対応するように、それぞれの流体供給ライン120の反対側の端部に接続することができる。各ノズルセット130は、1つ以上のノズル132を包含可能であり、それぞれのノズル132は、ノズル本体134と、ノズル本体134の一端に配設されたノズル噴霧先端部136と、を含む(例えば、図6、図11、及び図12を参照されたい)。従って、それぞれの流体供給ライン120は、ポンプ110から流体を受領し、この流体を対応するノズルセット130に供給可能であり、このノズルセットは、流体を供給するための1つ以上のノズル132を含むことができる。
【0041】
複数の制御弁140の各々は、ポンプ110及び対応するノズルセット130の間において複数の流体供給ライン120のうちの対応するものに接続することができる。この結果、それぞれの流体供給ライン120は、対応する制御弁140と、対応するノズルセット130と、を有することができる。それぞれの制御弁140は、ポンプ110から対応するノズルセット130に対して、対応する流体供給ライン120を介して、流体を選択的に供給するために運転可能であってよい。制御弁140は、例えば、高圧制御弁であってよい。
【0042】
対応する流体供給ライン120、制御弁140、及びノズルセット130をステージと呼称することができる。従って、図1に示されている実施形態によれば、コンプレッサ洗浄システム100は、3つのステージ(ステージ1、ステージ2、及びステージ3)を具備しているが、コンプレッサ洗浄システム100は、これに限定されるものではなく、更に多くの数の又は更に少ない数のステージを含むことができる。
【0043】
又、コンプレッサ洗浄システム100は、排水ライン150と、排水制御弁160と、排水設備170と、をも含むことができる。排水ライン150の一端は、ポンプ110の出力に接続可能であり、排水ライン150の反対側の端部は、排水設備170又は排水ライン150内の流体が排出されるその他の部品又はエリアに接続することができる。排水制御弁160は、ポンプ110と排水設備170の間において排水ライン150に接続可能であり、ポンプ110から排水設備170又はその他の排水部品又はエリアに流体を選択的に供給するために構成することができる。
【0044】
又、コンプレッサを洗浄している場合にフィードバックをコンプレッサ洗浄システム100に供給するために、センサ180を排水ライン150に接続することもできる。例えば、一実施形態においては、1つ以上の導電率センサ180により、オフライン洗浄リンスサイクルの回数を決定するために、排出又は放出される流体の導電率又は純度を監視することができる。コンプレッサの洗浄リンスサイクルは、1つ以上の導電率センサ180が予め設定された排水又は放出流体の純度レベルを計測する時点まで、稼働することができる。その他の実施形態においては、1つ以上のセンサ180は、その他のパラメータを監視可能であり、コンプレッサ洗浄リンスサイクルは、センサ180の1つ以上が、可変の又はオペレータによって選択された導電率、排出流体の純度レベル、排出流体内の固形内容物の量、又はその他のパラメータを計測する時点まで、稼働を継続することができる。排水制御弁160は、予め設定された監視値に到達する時点まで、ポンプ110から排水設備170に流体を供給することができる。
【0045】
図2a〜図2b及び図6を参照すると、コンプレッサの入口200が示されている。コンプレッサ入口200は、吸気コア210と、ベルマウス組立体220と、を含むことができる。ベルマウス組立体220は、ベアリングハブ224と、複数のストラット222と、を含むことができる。それぞれのストラット222は、ベアリングハブ224からベルマウス組立体220に向かって外側に延びることができる。図2bは、ベルマウス組立体220の空気流れに対向する方向から見た背面図を提供している。
【0046】
コンプレッサ洗浄システム100の1つ以上のノズルセット130それぞれのノズル132は、コンプレッサの洗浄運転を支援するために、コンプレッサ入口200の一部の内部に又はその上部に配置することができる。例えば、一実施形態によれば、それぞれのノズル132は、吸気コア210又はベルマウス組立体220などのコンプレッサ入口200の開口部内に配置することができる。それぞれのノズル噴霧先端部136は、コンプレッサ入口200の入口空気流路内に延びるべく配置することができる。
【0047】
図3を参照すると、ベルマウス組立体220内におけるノズルの配置が示されている。一実施形態によれば、ノズル132は、ストラット222のそれぞれものの間に配置された2つのベルマウスノズル310を含む。但し、更に多くの数の又は更に少ない数のベルマウスノズル310をベルマウス組立体220内に配置することもできる。又、ストラット222の各々の間の空間が同数のベルマウスノズル310を含むことも必須ではない。一実施形態によれば、ノズルの配置は、コンプレッサブレード(図示されてはいない)の照準線を有する状態にある。ベルマウスノズル310の噴霧先端部は、入口空気流路内に最大で30%だけ延びることができる。但し、いくつかの実施形態においては、ベルマウスノズル310の噴霧先端部は、空気流路内に最大で50%だけ延びることができる。ベルマウスノズル310の方向は、入口空気流路に沿ったものであってよい。ベルマウスノズル310の本体は、ベアリングハブ224に対して垂直であってよく、又は、空気流路内においてベルマウス組立体220の湾曲面に対して±20度の範囲にあってよい。ベルマウスノズル310は、第90百分位数の逸脱を伴って、約4137kPa〜約8274kPa(約600〜約1200psi)の運転圧力範囲と、約50μm〜約500μmの範囲の流体液滴サイズと、を有することができる。その他の適切な運転圧力及び流体液滴サイズを利用することもできる。
【0048】
図4a〜図4fは、様々な実施形態によるノズル132の噴霧パターンを示す。
【0049】
図4aを参照すると、ベルマウスノズル310のオンライン噴霧パターン(以下、ベルマウス噴霧パターン410)が示されている。オンラインベルマウス噴霧パターン410は、平らなファンの形状から円錐形状の範囲であってよい。2つの1番目のベルマウスノズル噴霧角度415が、ベルマウス噴霧パターン410を定義しており、これらは、例えば、コンプレッサが稼動している場合には、コンプレッサの流れとの間において、噴霧流体排出形状の1°〜75°の範囲であってよい。オンライン洗浄は、通常、コンプレッサの排出温度が水の沸点以上である又はタービンがオンライン状態にある場合に実行され、これには、限定を伴うことなしに、ベースロード運転が含まれる。ベルマウス噴霧パターン410が周方向及び半径方向においてコンプレッサブレードの前縁の先端からコンプレッサブレードの中央部を包むように、コンプレッサブレード(図示されてはいない)を完全に、略完全に、又は十分にカバーすることができるベルマウス噴霧パターン410又はその他の適切な噴霧パターンなどの望ましいオンライン噴霧パターンを利用することができる。
【0050】
いくつかの実施形態は、ベルマウスノズル310のオフライン噴霧パターンを含むことができる。オフラインベルマウス噴霧パターン410は、平らなファン形状から円錐形状の範囲であってよい。2つの1番目のベルマウス噴霧角度415が、ベルマウス噴霧パターン410を定義しており、これらは、例えば、コンプレッサの流れとの間において、噴霧流体排出の1°〜75°の範囲であってよい。オフライン洗浄は、通常、コンプレッサ排出温度が水の沸点未満であるか又はタービンがオフライン状態にある場合に実行される。いくつかの実施形態においては、オフライン洗浄は、タービンが、オフライン状態にあり、部分的速度にある場合に、稼働する。オフラインベルマウス噴霧パターン410が周方向及び半径方向においてコンプレッサブレードの前縁の先端からコンプレッサブレードの中央部を包むように、コンプレッサブレード(図示されてはいない)を完全に、略完全に、又は十分にカバーすることができるオフラインベルマウス噴霧パターン410又はその他の適切な噴霧パターンなどの望ましいオフライン噴霧パターンを利用することができる。
【0051】
図4bを参照すると、コンプレッサ入口200及び入口コーン210との関係における入口コーンノズル420及びこれらの配置が示されている。一実施形態によれば、入口コーンノズル420は、入口コーンノズル420の噴霧先端部がコンプレッサブレードの前縁の中央部を指すように、入口コーンノズル420のノズル本体が±20°の範囲においてコンプレッサローターの中心線と平行になるように、入口コーン210の周囲の周りに配置することができる。その他の適切な範囲を使用することもできる。入口コーンノズル420の方向は、入口空気流路に沿ったものであってよく、コンプレッサブレードの照準線に沿ったものであってよい。入口コーンノズル420の噴霧先端部は、入口空気流路内に最大で5%だけ延びることができる。但し、いくつかの実施形態においては、入口コーンノズル420の噴霧先端部は、例えば、空気流路内に最大で20%などのように、空気流路内に更に延びることができる。入口コーンノズル420運転圧力範囲は、第90百分位数の逸脱を伴って、約4137kPa〜約8274kPa(約600〜約1200psi)の範囲であってよく、液滴は、約50μm〜約500μmの範囲であってよい。その他の適切な運転圧力範囲及び流体液滴サイズを利用することもできる。
【0052】
図4bを参照すると、入口コーンノズル420のオンライン噴霧パターン(以下、入口コーン噴霧パターン430)が示されている。オンライン入口コーン噴霧パターン430は、平らなファンの形状から円錐の形状の範囲であってよい。2つの1番目の入口コーン噴霧角度435が、入口コーン噴霧パターン430を定義しており、これらは、例えば、コンプレッサが稼働している場合には、大気圧状態において、コンプレッサの流れとの間において、噴霧流体排出形状の1°〜60°の範囲であってよい。オンライン洗浄は、通常、コンプレッサ排出温度が水の沸点以上であるか又はタービンがオンライン状態にある場合に、実行され、これには、限定を伴うことなしに、ベースロード運転が含まれる。コンプレッサ又はタービンがオンライン状態にある場合には、入口コーン噴霧パターン430が周方向及び半径方向においてコンプレッサブレードの翼根からコンプレッサブレードの中央部を包むように、コンプレッサブレード(図示されてはいない)を完全に、略完全に、又は十分にカバーすることができる入口コーン噴霧パターン430又はその他の適切な噴霧パターンなどの望ましいオンライン噴霧パターンを利用することができる。
【0053】
いくつかの実施形態は、入口コーンノズル420のオフライン入口コーン噴霧パターン430を含む。オフライン入口コーン噴霧パターン430は、平らなファンの形状又は円錐形状を有することができる。2つの1番目の入口コーン噴霧角度435が、入口コーン噴霧パターン430を定義しており、これらは、例えば、コンプレッサの流れとの間において、噴霧流体排出の1°〜75°の範囲であってよい。オフライン洗浄は、通常、コンプレッサ排出温度が水の沸点未満であるか又はタービンがオフライン状態である場合に、実行される。いくつかの実施形態においては、オフライン洗浄は、タービンがオフライン状態にあり、部分的速度にある場合に、稼働する。オフライン入口コーン噴霧パターン430が周方向及び半径方向においてコンプレッサブレードの翼根からコンプレッサブレードの中央部を包むように、コンプレッサブレード(図示されてはいない)を完全に、略完全に、又は十分にカバーすることができるオフライン入口コーン噴霧パターン430又はその他の適切な噴霧パターンなどの望ましい噴霧パターンを利用することができる。
【0054】
その他の実施形態においては、噴霧パターンは、半径又は周方向においてコンプレッサブレード上の異なるターゲットエリアを包むか、カバーするか、又は噴霧することができる。例えば、ベルマウス噴霧パターン410は、入口コーン噴霧パターン430の狙いを定めた噴霧とオーバーラップする状態において、コンプレッサブレードの前縁の先端からコンプレッサブレードの半径方向のカバー範囲の一部を包むように狙いを定めることができる(即ち、コンプレッサブレードの半径方向のカバー範囲の一部が、コンプレッサブレードの中央部を上回ってもよく、又は、下回ってもよい)。又、入口コーン噴霧パターン430は、コンプレッサブレードの翼根からコンプレッサブレードの半径方向のカバー範囲の特定の部分を包むように狙い定めることもすることができる。
【0055】
図4cは、ベルマウス噴霧パターン410と、ベルマウス噴霧角度415と、入口コーン噴霧パターン430と、を含むオフライン噴霧パターンの一実施形態を示す。図4d及び図4eは、ベルマウス噴霧パターン410と、入口コーン噴霧パターン430と、入口コーン噴霧角度435と、を含むコンプレッサ入口200のオンライン噴霧パターンを空気流れの方向において示しており、図4fは、こちらも、ベルマウス噴霧パターン410と、入口コーン噴霧パターン430と、を含むオンライン噴霧パターンを空気流れに対向する方向において示している。
【0056】
図4d及び図5は、一実施形態によるコンプレッサ入口200を空気流れの方向において示している。入口コーンノズル420は、一実施形態によれば、30°ごとに均等に離隔することができる。タービンがオフライン又はオンライン状態にある場合に、又はコンプレッサ排出温度が水の沸点を上回るか又は下回っている場合に、入口コーン噴霧パターン430又はその他の適切な噴霧パターンが周方向又は半径方向においてコンプレッサブレードの翼根からコンプレッサブレードの中央部を包むように、任意の数の入口コーンノズル420又はその間隔を利用し、コンプレッサ入口のコンプレッサブレードの完全な、略完全な、又は望ましいカバー範囲を得ることができる。
【0057】
図6、図8c、及び図8dは、ベルマウスノズル310又は入口コーンノズル420の設置状態の断面図を示している。一実施形態によれば、ベルマウスノズル310又は入口コーンノズル420などのノズル本体134は、コンプレッサ入口200の外部から設置し、ねじが切られた圧縮嵌合スリーブ610によって定位置にロックするか又はその他の方法で固定することができる。ロックカラー(lock collar)620は、一実施形態によれば、ノズル132を固定すると共にノズル132又はノズル本体134が圧縮嵌合スリーブ610を通じて入口空気流路の望ましくない部分の内部に摺動することを防止するか又は防止するために支援するために、切れ目のない単一片であるノズル本体134の一部であってよい。一実施形態によれば、設置の場合に、調節可能なレンチ又はその他の装置によってノズル噴霧先端部136を保持及びアライメントできるようにするために、ノズル本体134のヘッド内に平らな表面630を機械加工することができる。当然のことながら、その他の適切な材料及び方法を使用し、ノズル132又はノズル本体134を入口空気流路内において固定又は締結可能であり、又は、ノズル132又はノズル本体134が入口空気流路の望ましくない部分の内部に摺動することを防止するか又は防止するために支援することができる。
【0058】
一実施形態によれば、切れ目のない単一片であるノズル本体134は、溶接された支柱内に螺入可能であり、この内部において、切れ目のない単一片であるノズル本体134は、ロックカラーに対して張り出すことにより、コンプレッサ洗浄ノズル132又はノズル本体134が入口空気流路の望ましくない部分の内部に進入することを防止する。
【0059】
図7aは、複数のマニホルドを含むコンプレッサ洗浄システム109の一実施形態を示しており、この場合に、少なくとも1つのマニホルドは、入口コーンノズル420用であり、少なくとも1つのマニホルドは、ベルマウスノズル310用である。この実施形態に示されているように、ベルマウスノズルマニホルド710は、流体をベルマウスノズル310に供給するために構成可能であり、入口コーンノズルマニホルド720は、流体を入口コーンノズル420に供給するために構成することができる。コンプレッサ洗浄システム100の一実施形態においては、ベルマウスノズル310は、コンプレッサ入口のコンプレッサブレードの洗浄及び範囲のカバーのための望ましい局所化されたLARを生成するのに適した多段化のために複数のベルマウスノズルマニホルド710を必要としよう。このコンプレッサ洗浄システム100は、様々なサイズの様々なコンプレッサに対して適合可能であり、従って、入口コーンノズル420、ベルマウスノズル310、及び流体マニホルド710及び720の数は、相応して変化することができる。
【0060】
更に図7aと、そして、図7bを参照すると、マニホルド710及び720は、例えば、接続漏洩箇所を極小化するために、溶接T、THREAD−O−LET、WELD−O−LET、又はその他のコネクタを有する曲がった剛性のチューブ又は配管を含むことができる。又、マニホルド710及び720は、例えば、支持のために、又は振動を低減又は防止するために、ブラケットコネクタ450又はその他のハードウェアを含むこともすることができる。曲がりやすい接続部640がノズル本体134からマニホルド溶接部に延び、例えば、振動を低減又は防止することができる。マニホルド710及び720及び曲がりやすい接続部640は、その他の適切な手段を使用して固定又は接続することができる。
【0061】
一実施形態によれば、ベルマウスノズル310又は入口コーンノズル420は、ノズル310又は420のノズル本体134とマニホルド710又は720の間を接続するステンレス鋼の曲がりやすい接続部640(図6及び図7a、図7bを参照されたい)により、マニホルド710及び720などのSS304L 1 inch schedule 40又は80のマニホルドに接続することができる。いくつかの実施形態においては、限定を伴うことなしに、その他のステンレス鋼、炭素鋼、真鍮、又はその他の適切な材料などのその他の適切な金属又は合金を使用してマニホルド又は曲がりやすい接続部640を製造することができる。更に、曲がりやすい接続部640やマニホルド以外の適切な部品を使用し、流体を入口コーンノズル420又はベルマウスノズル310に供給することもできる。
【0062】
図8a〜図8dは、様々な実施形態によるコンプレッサ入口200のベルマウス組立体220及び入口コーン210の一部の断面図を示している。図8a及び図8dは、その上部に入口コーンノズル420及び対応するマニホルド720が設置される入口コーン210の一部の断面図を示している。
【0063】
図8cは、その上部に入口コーンノズル420及び対応するマニホルド720が設置される入口コーン210の一部と、その上部にベルマウスノズル310が設置されるベルマウス組立体220の一部と、の断面図を含む。図8cに示されている実施形態においては、ベルマウスの噴霧及び入口コーンの噴霧は、オフライン洗浄運転の場合にオンであり、ベルマウス噴霧パターン410及びベルマウス噴霧角度415が、入口コーン噴霧パターン430及び入口コーン噴霧角度435と共に、示されている。図8dは、その上部に入口コーンノズル420及び対応するマニホルド720が設置される入口コーン210の一部と、その上部にベルマウスノズル310が設置されるベルマウス組立体220の一部と、の断面図を示しており、入口コーンの噴霧は、オフライン洗浄運転の場合にオンである。図8dの実施形態には、入口コーン噴霧パターン430が示されている。
【0064】
図9a〜図9cは、コンプレッサ入口200に設置されたコンプレッサ洗浄システム100の詳細な図を提供している。図9aを参照すると、ベルマウスノズルマニホルド710は、一実施形態によれば、ベルマウス組立体220に設置される。曲がりやすい接続部640がベルマウスノズル310のノズル噴霧本体134からマニホルド溶接部に延びることができる。いくつかの実施形態においては、ベルマウスノズルマニホルド710を支持すると共に/又は、振動を低減又は防止するために、ブラケットハードウェア450が使用される。当然のことながら、ベルマウスノズルマニホルド710を支持すると共に/又は、振動を低減又は防止するために、その他の適切な装置、材料、又は方法を使用することもできる。
【0065】
図9bを参照すると、入口コーンノズルマニホルド720は、コンプレッサ入口200の入口コーン210の周囲に設置することができる。入口コーンノズルマニホルド720は、流体を入口コーンノズル420に供給することができる。ベルマウスノズル310は、ベルマウス組立体220の周囲の周りにおいて離隔可能であり、ベルマウスノズルマニホルド710が流体をベルマウスノズル310に供給することができる。いくつかの実施形態においては、入口コーンノズルマニホルド720を支持するために、又は振動を低減又は防止するために、ブラケットハードウェア450が使用される。
【0066】
図9cは、その上部に設置されたコンプレッサ洗浄システム100を有するコンプレッサ入口200の側面図を提供している。入口コーンノズル420は、入口コーン210の周囲の周りに設置可能であり、流体を受領するために、入口コーンノズルマニホルド720(図9cには図示されていない)に接続することができる。更に、ベルマウスノズル310は、ベルマウス組立体220内に設置可能であり、流体を受領するために、ベルマウスノズルマニホルド710(図9cには図示されていない)に接続することができる。この結果、入口コーンノズル420又はベルマウスノズル310は、コンプレッサを洗浄するために、流体をコンプレッサ入口200の入口空気流路内に、又はこの方向に、コンプレッサブレードの照準線に沿って、送出することができる。ベルマウス又は入口コーンノズル310、420は、それぞれ、前述のように、オンライン及びオフライン洗浄運転の両方において稼働することができる。
【0067】
図1を再度参照すると、マニホルド710及び720が、共通ヘッダ(ポンプ110)において接合可能であり、制御弁140によって相互に隔離されるシーケンシングの一実施形態が示されている。図1においては、1つ以上のベルマウスノズルマニホルド710は、ノズルセット130の1以上によって表現可能であり、1つ以上の入口コーンノズルマニホルド720は、その他のノズルセット130の1以上によって表現することができる。ベルマウスノズルマニホルド710及び入口コーンノズルマニホルド720は、いずれも、例えば、公称6205kPa(900psi)という高圧において運転する約140°Fに加熱された流体を、1ステージ当たりに1〜5分にわたって、ステージ1のノズルセット130、ステージ2のノズルセット130、ステージ3のノズルセット130、又はステージ1、2、及び3のノズルセット130の組合せに送出することができる。シーケンシングのその他の実施形態は、例えば、流体の温度又は圧力を変更可能であり、複数の多段化されたノズルセット又は複数の高圧制御弁140を含むことができる。
【0068】
1つ以上のメモリ部品内に保存されたコンピュータ実行可能命令の対応する組として、様々なシーケンシング運転を提供することができる。演算装置1100(図1を参照されたい)は、望ましいシーケンシング運転を実行するために、コンピュータ実行可能命令にアクセスし、これらを実行することができる。このために、演算装置1100は、プロセッサ、コプロセッサ、コントローラ、又は集積回路を含む様々なその他の処理手段又は装置として実施された処理要素を含むことができる。処理要素は、命令にアクセスし、これらを実行して、ポンプ110及び制御弁140及び排水弁160を制御するか又はその他の方法で運転させて、所望のシーケンシング運転を実現する能力を有する。コンピュータ実行可能命令は、リモートサーバー(図示されてはいない)上、又は演算装置1100のローカルメモリ部品1120内に保存可能であり、このメモリ部品は、情報、命令、又はこれらに類似したものを保存するために、揮発性又は不揮発性メモリを含むことができる。演算装置1100は、有線接続又は無線接続又はこれらの組合せを介して、ポンプ110、制御弁140、及び排水バルブ160に接続され、これらの部品を相応して制御して望ましい運転を実行する。
【0069】
図10は、コンプレッサ洗浄システム100の各ステージと関連する様々なパラメータを示す折れ線グラフである。特に、図10は、様々なノズルステージ(即ち、ステージ1のノズルセット130、ステージ2のノズルセット130、又はステージ3のノズルセット130)が起動された場合の一定の流量を、可変のノズル背圧及び液滴サイズと共に、示している。例えば、ステージ1、2、又は3のノズルセット130の間におけるスイッチングの場合に、複数の制御弁140が開き、この結果、流体の相対的に大きな液滴のバーストを結果的にもたらす低圧スパイクを生成することができる。低圧スパイクにおいては、一実施形態によれば容積式ポンプであってよいポンプ110が一定の流体流量を維持するため、個々のノズルセット130に対する流体流量は、相対的に一定に留まる。又、図10は、ステージ1〜3が同時に起動され、これにより、相対的に大きな流体の液滴のバーストを結果的にもたらす低圧スパイクを生成する実施形態をも示している。
【0070】
コンプレッサ洗浄システム100などの多段化されたコンプレッサ洗浄システムの別の特徴は、平均流体液滴サイズを運転の全体を通じて変更することができるという点にある。例えば、3ステージシステムにおいては、1つの高圧制御弁140が開いた状態において、流体液滴サイズは、第90百分位数の逸脱を伴って、約50μm〜約500μmの範囲であってよい。相対的に小さな流体液滴サイズは、コンプレッサブレードのブレード侵食を制限しつつ、洗浄システム100の洗浄運転を支援する。相対的に小さな流体液滴サイズは、相対的に小さな質量及び運動量を具備し、所与のコンプレッサ内において、相対的に大きな流体液滴サイズよりも、相対的に少ない侵食又は損耗を生成することができる。しかしながら、コンプレッサブレードの相対的に積極的な洗浄運転のためには、相対的に大きな流体液滴サイズが望ましいであろう。いくつかの実施形態においては、相対的に大きな液滴サイズは、短いバーストの形態において使用可能であり、オンライン又はオフライン洗浄プロセスの合計流体消費量の20%未満となっている。この場合にも、多段化されたコンプレッサ洗浄システム100を使用することにより、その他の適切な流体液滴サイズ及び流体消費の持続時間を形成することができる。
【0071】
又、コンプレッサ洗浄システム100は、液滴の分裂又は液滴の結合を防止又は低減するための機能をも含む。コンプレッサの入口などの高速空気流れ内に流体の液滴を注入すれば、流体液滴が分裂し、この結果、コンプレッサ洗浄システムの洗浄の有効性を低減することができる。ステージの起動又は流体運転圧力を変化させることにより、コンプレッサの洗浄液滴をコンプレッサに注入する場合の液滴の分裂を低減又は防止することができる。一実施形態においては、ベルマウスノズル310及び入口コーンノズル420は、液滴をコンプレッサの高速空気流れに注入する場合の液滴の分裂を低減又は防止するために、約4137kPa〜約8274kPa(約600〜約1200psi)の運転圧力範囲を有することができる。特定のノズル設計は、コンプレッサ内に注入される場合に液滴を合体、衝突させるか又は液滴の干渉を生成し、これにより、コンプレッサ洗浄システムの洗浄効果を低減可能な、限定を伴うことなしに、特定の円錐形状の噴霧パターンなどの噴霧パターン形状を生成することができる。いくつかの実施形態においては、ベルマウスノズル310又は入口コーンノズル420は、液滴が合体、衝突するか又はド液滴干渉を生成することを低減又は防止するための平らなファンの形状であるベルマウス噴霧パターン410又は入口コーン噴霧パターン430などの噴霧パターンを生成するために設計されている。米国特許第5,868,860号は、運転圧力及び圧力範囲に関係する更なる情報を含んでおり、この内容は、本引用により、本明細書に含まれる。
【0072】
図11は、一定のエンジン正規化負荷において、ノズル流体流量及び圧力を変化させた場合の流体軌道を例示する図である。図11は、制御弁140などの高圧制御弁の間においてサイクリングさせた場合に、ラインの背圧が低下し、これにより、ベルマウスノズル310又は入口コーンノズル420からの流体軌道がわずかに変化し、ブレード上における流体衝突をわずかに異なる半径方向の場所に生成することができることを示している。高圧制御弁140の間のサイクリングの場合の流体軌道の変動は、オンライン及びオフラインシナリオの両方において良好に機能することができる。流体衝突がコンプレッサブレードの異なるエリアを洗浄することができるため、いくつかの実施形態においては、コンプレッサ洗浄システム10の洗浄運転にとって、流体軌道を変化させることが有益であろう。例えば、ラインの背圧が8274kPa(1200psi)である場合には、流体軌道速度は、流体衝突によって、コンプレッサブレードの翼根又は中央部ではなく、コンプレッサブレードの先端のより多くの部分を洗浄可能なものとなる。別の実施形態においては、制御弁140として調節弁(modulating valve)を使用し、4137kPa〜8274kPa(600〜1200psi)の範囲又はその他の望ましい圧力範囲内に圧力を維持することができる。その他の実施形態においては、ベルマウスノズル310は、ノズル噴霧先端部136がコンプレッサの入口空気流路内に延びるように、設置され、ノズル132は、流体軌道が、入口空気流れに沿い、コンプレッサブレードの照準線に方向付けされるように、コンプレッサブレードの照準線に沿っている。別の実施形態(図示されてはいない)は、入口コーンノズル420からの流体軌道を変化させることができる。例えば、ラインの背圧が8274kPa(1200psi)である場合には、入口コーンノズル420の流体軌道は、流体衝突によって、コンプレッサブレードの翼根ではなく、コンプレッサブレードの中央部のより多くの部分を洗浄可能となるようなものにすることができる。ライン背圧が4137kPa(600psi)である場合には、入口コーンノズル420の流体軌道は、流体衝突によって、コンプレッサブレードの中央部ではなく、コンプレッサブレードの翼根のより多くの部分を洗浄可能となるようなものにすることができる。
【0073】
図12は、一定のノズル流体流量及び圧力において、所与のコンプレッサ速度又はエンジン正規化負荷における流体軌道を例示する図である。図12は、タービンが稼働可能なガスターンの正規化負荷を0%〜100%の間において変動させることにより、流体軌道をわずかに変化させ、この結果、ブレード上における流体衝突を異なる半径方向の場所において生成することができることを示している。ガスタービンの正規化負荷の変動を通じた流体軌道の変動は、オンラインシナリオにとって、より好適であろう。例えば、タービンがベースロードにある場合には、空気入口速度を増大可能であり、従って、入口コーンノズル420(図示されてはいない)からの流体衝突によって、コンプレッサブレードの先端ではなく、コンプレッサブレードの翼根のより多くの部分を洗浄することができる。タービンがベースロードにある場合には、ベルマウスノズル310の流体軌道により、流体衝突によって、コンプレッサブレードの中央部ではなく、コンプレッサブレードの先端のより多くの部分を洗浄することができる。別の実施形態においては、コンプレッサ速度は、入口コーンノズル420又はベルマウスノズル310からの流体軌道に対して、エンジン正規化負荷と同一の効果を有することができる。
【0074】
システム100などの多段化されたコンプレッサ洗浄システムは、高圧制御弁140の間におけるサイクリングの場合にラインの背圧を変化させ、ベルマウス又は入口コーンノズル310、420からの望ましい流体軌道を実現するために、構成することができる。その他の実施形態は、ライン背圧の変動を構成してベルマウス又は入口コーンノズル310、420からの望ましい流体軌道を実現するために使用可能な複数の調節弁を含むことができる。例えば、ガスタービンがベースロードにある場合に、ユーザーが吸気スロートのカバー範囲の増大を所望する場合には、多段化されたコンプレッサ洗浄システムは、調節弁を使用することによって望ましいライン背圧を維持し、吸気スロートのカバー範囲の増大とライン背圧の維持の両方を実現することができる。コンプレッサ洗浄システムは、ステージ1の調節弁を30%だけ、ステージ2の調節弁を40%だけ、そして、ステージ3の調節弁を10%だけ、開き、望ましいライン背圧を維持すると共に/又は、望ましい液体対空気比率を制御することができる。当然のことながら、吸気スロートのカバー範囲を増大させつつ、望ましいライン背圧又は液体対空気比率を維持するために、1つ以上の調節弁を利用可能であり、様々な構成及び運転位置を構成することができる。更に、ベルマウス又は入口コーンノズル310、420からの望ましい流体軌道が特定のガスタービンの正規化負荷又はコンプレッサ速度において実現されるように、多段化されたコンプレッサ洗浄システムを構成することもできる。いくつかの実施形態は、限定を伴うことなしに、ガスコンプレッサ又は遠心コンプレッサを含むコンプレッサを包含可能であり、この場合には、例えば、特定のコンプレッサの運転速度に基づいて、洗浄ノズルからの望ましい流体軌道を構成することができる。
【0075】
別の実施形態においては、オンライン洗浄において、所与のマニホルド(排水ステージ又はノズルセット130のうちの1つ)の高圧制御弁140を開くことにより、ガスタービン負荷の変更とノズル背圧の変動の組合せを利用し、周方向及び半径方向の両方における異なるブレードのカバー範囲を洗浄することができる。
【0076】
一実施形態によれば、図1に示されているコンプレッサ洗浄システム100は、ノズルの背圧を望ましい圧力範囲に変動させるべく使用可能な排水制御弁160を含むことができる。排水制御弁160を変調すると、ノズルの背圧が変化し、これにより、個々の流体ノズルからコンプレッサブレードに対して、異なる流体液滴サイズ及び流体軌道が提供される。
【0077】
更に図1を参照し、一実施形態によれば、ステージ1、2、及び3のノズルセット130は、同一の流体流量及び流体液滴サイズにおいて類似した圧力低下を有することができるが、1ステージ当たりのノズル132の数は、異なるものであってよい。例えば、一実施形態は、ステージ1には、10個の入口コーンノズル420を、そして、ステージ2には、20個のベルマウスノズル310を含むことができる。その他の実施形態は、1ステージ当たりに、更に多くの数の又は更に少ない数の入口コーンノズル420及びベルマウスノズル310を含むことができる。
【0078】
ステージの組合せを、短時間にわたって、即ち、1分以下にわたって、一度に開き、異なるサイズの液滴によってブレードの異なるエリアを洗浄できるようにすることができる。例えば、ステージ2のノズルセット130及びステージ3のノズルセット130cの高圧制御弁が閉鎖された状態において、ステージ1のノズルセット130の高圧制御弁140を開いた場合に、流体液滴サイズは、ステージ1、2、及び3のノズルセット130の高圧制御弁140が一度に開かれれた場合よりも大きなものとなる。1ステージ当たりのノズル132のその他の適切な構成を提供することも可能であり、ステージの組合せのタイミングを多くの用途について構成することも可能であり、1分を上回る時間にわたって一度に開くためにタイミング設定することもできる。
【0079】
図13は、コンプレッサブレードの翼根からコンプレッサブレードの先端までの合計流体流量分布の棒グラフであり、長さ1は、コンプレッサブレードの翼根近傍のエリアを表し、長さ20は、コンプレッサブレードの先端近傍のエリアを表している。図13は、側部吸気フィルタハウジングにおけるコンプレサブレードのオンライン洗浄のための半径方向のブレードの場所当たりの一実施形態による望ましい洗浄流体の割合の合計を示している。単位時間当たりに一貫性のある局所化された流体対空気比率(LAR)、即ち、流束密度比率を得るという目標は、それぞれのステージの累積噴霧カバー範囲においてコンプレッサの吸気スロート及び下流のブレードを通じた一貫性のある湿潤及び洗浄を提供する。一実施形態によれば、ベルマウスノズル310は、入口コーンノズル420よりも、より大きなエリアの湿潤及び洗浄をカバーしなければならない。一貫性のあるLARを維持するために、入口コーンノズル420よりも多くの流体を提供するために、より多くのベルマウスノズル310が必要となろう。その他の実施形態は、より少ないベルマウスノズル310を有するが、入口コーンノズル420に対するよりも、ベルマウスノズル310に対してより大きな流体流量を有するように、構成することができる。当然のことながら、ベルマウスノズル310、入口コーンノズル420、流体流量、圧力、及び液滴サイズのその他の適切な変動を実装し、一貫性のある単位時間当たりのLAR、即ち、流束密度比率を維持することができる。
【0080】
図14は、ローターからコンプレッサの外部ケーシングへの、又は半径方向をコンプレッサ動翼に沿って翼根から先端への、ベースロードにおける側部入口構成の空気入口速度の変動を示す数値流体力学(CFD)モデルの一実施形態を示している。相対的に高い速度が赤で示されており、最低速度が青で示されている。オレンジ及び赤の最高速度は、コンプレッサの中心線から離れた、コンプレッサケーシングに向かうコンプレサブレードにおいて見出される。更に、コンプレッサブレードの先端は、コンプレッサブレードの翼根よりも、高い局所的速度を有する。従って、タービンが稼働している場合には、コンプレッサブレードの先端は、コンプレッサブレードの翼根よりも、洗浄するためにより多くの流体を必要とすることになる。又、このコンプレッサブレードの先端における流体流量に対する相対的に大きなニーズは、流体対空気の一貫性のある流束密度比率の維持を必要とすることにもなる。いくつかの実施形態は、より多くの流体を提供して、コンプレッサブレードの翼根からコンプレッサブレードの先端への一貫性のある流体対空気の流束密度比率を維持するために、入口コーンノズル420のステージよりも、ベルマウスノズル310のより多くのステージを、又は、1ステージ当たりの入口コーンノズル420よりも、1ステージ当たりにより多くのベルマウスノズル310を含むことができる。図14は、特定のタービンのCFDモデルを示しているが、CFDモデルを任意のコンプレッサ又はタービンについて生成し、その他のコンプレッサのベルマウス及びコーンに取り付けられたノズルの使用を伴う多段化された水洗システムの適切な構成を決定することもできる。
【0081】
再度図1の実施形態を参照すると、高圧制御弁140の3つのステージは、コンプレッサ洗浄ノズル132を有する3つのマニホルドに流体を注入するために構成することができる。ステージ1は、例えば、コンプレッサブレードの翼根から中央部のより小さなエリアを狙った入口コーンノズル420内への流体注入を制御することができる。ステージ2及びステージ3は、例えば、1ステージ当たりのより大きなエリアのコンプレッサブレードのカバー範囲と下流のコンプレッサブレードに合焦された、コンプレッサブレードの中央部から先端を狙ったベルマウスノズル310内への流体注入を制御することができる。ポンプ110などの容積式ポンプは、一定の流体流量を供給することができるため、ステージ2又はステージ3のノズルが運転している場合には、流束密度比率は、より大きなエリアに方向付けされたステージ2又はステージ3のノズルへの一定の流体流量に起因し、半径方向においてコンプレッサブレードに沿って相対的に一貫性を有することができる。コンプレッサの吸気エリアの全体を通じた一貫性のある流束密度比率を維持するために、又はその他の望ましい運転結果を実現して様々なコンプレッサ又はタービンに対応するために、高圧弁、マニホルド、ノズル、及びノズルセットのステージの様々なその他の好適な構成を実装することができる。
【0082】
システム100などの多段化されたコンプレッサ洗浄システムのノズル先端部の配置は、コンプレッサブレードへの照準線を必要とすることになり、オンライン及びオフライン洗浄運転のいずれにも使用することができる。ノズル本体134の太さは、直径において0.25インチ超であってよく、0〜120Hzの周波数範囲によって励起されない堅牢な産業用用途の場合に、約0.0125インチの最小壁厚さを有する。その他の用途の場合には、ノズル本体の材料に応じて、0.0125インチ未満の壁厚さを有し、直径が0.25インチ未満であるノズル本体の太さを有するノズル本体134を利用することができる。図6を再度参照すると、ノズル噴霧先端部136は、レンチ又はその他のツールが締め付けつつノズル本体134を保持することができるようにするために、平らな表面630を含むことができる。又、ノズル本体134は、ロックカラー620をも包含可能であり、このロックカラーは、入口空気流路の外側から入口空気流路の内側へのノズル132の設置を許容可能であり、従って、これにより、ノズル132又はその他の材料が望ましくない入口空気流路内に落下することを許容する接続の緩みの可能性を除去又は低減することができる。ノズル先端部136の配置角度を適切にアライメントするために、ベルマウス設置ツールが必要であろう。ベルマウス設置ツールは、ノズル先端部136のアライメントとノズル先端部136の望ましい軌道角度のために、液圧ボール盤(図示されてはいない)を含むことができる。
【0083】
図15a〜図15oを参照すると、様々な実施形態によるベルマウスノズル310及び入口コーンノズル420を設置するために使用されるテンプレート及びモールドが示されている。
【0084】
一実施形態によれば、ベルマウス設置ツールは、図15d及び図15lと、流れに沿った方向から見た図15eの前面斜視図と、に示されている1つ以上のフォームフィッティングテンプレートを含むことができる。ノズル先端部をコンプレッサの流路内に挿入するために、ベルマウス組立体220のケーシング内にベルマウスノズルポートを穿孔することができる。ベルマウスノズルポートは、ノズル先端部136が必要な又は望ましいコンプレッサブレードに対する照準線を実現するように、穿孔することができる。フォームフィッティングテンプレートの材料は、硬いプラスチックから曲がりやすい磁石又は任意のその他の適切な材料の範囲であってよい。
【0085】
設置手順は、限定を伴うことなしに、ベルマウス組立体220上にベルマウスノズルポートの貫通場所1510をマーキングしてドリルビットの貫通場所に印を付けるか又はその他方法で通知するための1番目のテンプレート1540の使用を含むことができる。図8b及び図15d〜図15lを参照すると、2番目のテンプレート1530を使用し、入口コーン210上におけるベアリングハブのアライメント位置1515の直線投影1520をマーキング可能であり、ボール盤の降下位置をマーキングすることができる。ガス圧ジャックを有する特別に設計されたドリルを、プッシュオフ位置又はベアリングハブのアライメント位置1510において使用可能であり、1番目の及び2番目のテンプレートからベルマウスノズルポートの貫通箇所1510を決定する。その他の実施形態によれば、2番目のテンプレート1530は、2番目のテンプレート1530のアライメントに使用するために、ストラットアライメントノッチ1535を含むことができる。その他の実施形態は、テンプレートをアライメントするための基準として、ベルマウス組立体220上の既存のボルト孔円1590を使用することができる。当然のことながら、直線投影1520及びドリルビットの貫通場所を決定するその他の適切な方法を使用することもできる。
【0086】
その他の実施形態は、入口コーン210又はベルマウス組立体220上において個々のポート貫通場所をマーキングするために入口コーン210又はベルマウス組立体220上において使用される単一のテンプレートを含むことができる。又、単一のテンプレートを使用し、入口コーン210上においてベアリングハブのアライメント位置1515の直線投影1520をマーキングし、ボール盤の降下位置をマーキングすることもできる。
【0087】
2番目のテンプレート1530が、図15dに表されており、例示用のコンプレッサ入口200などのコンプレッサ入口に適用された状態において、図15e及び図15fにも示されている。2番目のテンプレート1530は、ベルマウス組立体220の2つのストラット222の間にフィットするために構成可能であり、ノズル先端部の挿入及び配置のために開口部を生成するために、ドリル又はその他の装置のためのポート貫通場所を通知又はマーキングするために利用することができる。
【0088】
1ストラット1番目のテンプレート1540が図15gに示されている。1ストラット1番目のテンプレート1540は、ベルマウス組立体220の1つのストラット222の周りに配置されるべく構成されている。図15h及び図15iは、コンプレッサ入口200に配置された1ストラット1番目のテンプレート1540の図を提供している。いくつかの実施形態は、相対的に容易な設置及び可搬性のために、1つ以上のハンドル1525を含む。
【0089】
図15jを参照すると、2つのストラット222の周りに配置されるべく構成された2ストラット1番目のテンプレート1550が示されている。図15k及び図151は、コンプレッサ入口200に配置された2ストラット1番目のテンプレート1550の図を提供している。
【0090】
1ストラット1番目のテンプレート1540及び2ストラット1番目のテンプレート1550を利用し、ベルマウスノズル310の挿入及び配置のためのベルマウスノズルポートの貫通箇所1510をマーキングすることができる。いくつかの実施形態によれば、ストラット222を使用し、コーンノズル設置ツール1560又はノズル設置ツール1500をアライメントすることができる。当然のことながら、1つ以上のストラット222、ボルト孔円1590、又はその他の基準をコンプレッサ入口内において使用することにより、任意のテンプレート又はツールをアライメントすることができる。
【0091】
一実施形態によれば、図15a及び図15bの切取り図と、図15cの正面斜視図と、に示されたコーン設置ツール1500を使用し、入口コーンノズル420を設置することができる。1つ以上のコーン設置ツール1500は、入口コーンノズル420の配置のために、ノズル先端部136の配置角度を適切にアライメントさせるべく、使用することができる。コーン設置ツール1500は、コンプレッサ入口の入口コーン210に装着するために構成することができる。
【0092】
いくつかの実施形態においては、コーン設置ツール1500は、ノズル先端部136の配置角度を適切に穿孔するために、ドリルアライメント角度を有する挿入ドリルビットガイド1565を有することができる。ドリルビットガイド1565は、ノズル132の設置の場合にドリルビットをガイドするために、予め定義された二次元の角度を含むことができる。一実施形態は、コーン設置ツール1500と共に使用することができる取り外し可能なドリルビットガイド1565を含み、この場合には、複数のドリルビットガイド1565を使用し、穿孔プロセスにおいて様々なドリルビットサイズに対応している。コーン設置ツール1500は、基準点として既存のボルト孔円1590を使用することにより、入口コーン210上に配置することができる。別の実施形態においては、ストラット222を使用し、コーン設置ツール1500を配置することができる。当然のことながら、コーン設置ツール1500を使用し、ベルマウスノズル310を設置可能であり、テンプレートを使用し、入口コーンノズル420を設置可能であり、ツール又はテンプレートの任意の組合せをノズル132の設置のために使用することができる。
【0093】
図15mを参照すると、コーンノズル設置ツール1560が示されている。コーンノズル設置ツール1560は、図15n及び図15oに更に示されているように、コンプレッサ入口200の入口コーン210に装着されるべく構成されている。コーンノズル設置ツール1560は、入口コーンノズル420の挿入及び配置のためのポート貫通部をマーキングするか又はその他の方法で通知するためのテンプレートを提供している。いくつかの実施形態においては、コーンノズル設置ツール1560は、穿孔アライメント角度のために使用可能な挿入ドリルビットガイド1565を有することができる。又、挿入ドリルビットガイド1565は、穿孔アライメント角度又は穿孔深さを提供するベルマウステンプレートのために使用することもできる。一実施形態は、コーンノズル設置ツール1560と共に使用することができる取り外し可能なドリルビットガイド1565を含み、この場合には、穿孔プロセスにおいて、複数のドリルビットガイド1565を使用し、様々なドリルビットサイズに対応している。別の実施形態は、基準点して既存のボルト孔円1590を使用することより、コーンノズル設置ツール1560をアライメントするために、ボルトアライメント孔1570(図15m)を含む。
【0094】
図16を参照すると、このフローチャートは、例えば、コンプレッサ洗浄システム100などのコンプレッサ洗浄システムの設置方法を示している。ステップ1610において、コンプレッサ洗浄システム100の一部である対応するノズルセット130の一部であってよいノズル132などの1つ以上のノズルを提供している。ノズルセット130は、ベルマウスノズルマニホルド710又は入口コーンノズルマニホルド720などのマニホルドに接続することができる。各ノズルセットは、1つ以上のノズル132を包含可能であり、それぞれのノズル132は、ノズル本体134と、ノズル本体134の一端に配設されたノズル噴霧先端部136と、を有する。
【0095】
ステップ1620において、1つ以上のテンプレート又は設置ガイドをコンプレッサの入口の一部に適用し、ノズルセット130のノズル132の各々の場所をマーキングしている。テンプレート又は設置ガイドは、例えば、ベルマウスノズルのノズル位置をマーキングするために、構成することができる。例えば、テンプレートは、ストラット222の間のノズル位置をマーキングするためにベルマウス組立体220のストラット222の周りに配置することができる。ノズルの位置は、それぞれのストラットの間に1つのノズル132を含むことができるが、その他の構成を利用することもできる。その他のテンプレート又は設置ガイドは、入口コーンノズルのノズル位置をマーキングするために、構成することができる。対応するテンプレート又はガイドは、例えば、既存のボルト孔円からボルト孔の周りにフィットすることができる。
【0096】
ステップ1630において、コンプレッサのベルマウス又は入口コーン組立体内の対応するマーキングされた場所に、ノズル132の各々を配置している。ノズル132は、それぞれのノズル噴霧先端部136がコンプレッサブレードの照準線内においてコンプレッサの入口空気流路内に延びることを許容するために、方向付けされる。
【0097】
ステップ1640において、1つ以上のノズル132を含む各ノズルセット130を対応する流体供給ライン120を介してポンプの出口に結合している。コンプレッサ洗浄システム100のポンプ110などのポンプは、流体供給ライン120を通じて流体をノズルセット130に供給するように構成されており、これらのノズルセットから、流体が、その洗浄のためにコンプレッサ内に放出又は供給される。
【0098】
ステップ1650において、流体をポンプ110から1つ以上のノズルセット130に選択的に供給している。この選択的な供給は、コンプレッサの望ましい部分を洗浄する既定の順次連続するパターンに基づいている。
【0099】
以上の例は、説明を目的として提供されたものに過ぎず、従って、決して限定として解釈してはならない。様々な実施形態を参照したが、本明細書に使用されている文言は、限定のための文言ではなく、説明及び例示のための文言である。更に、特定の手段、材料、及び実施形態を参照したが、本明細書に開示されている詳細事項に対する限定は、存在しない。むしろ、これらの実施形態は、添付の請求項の範囲に含まれるものなどのあらゆる機能的に均等な構造、方法、及び使用法をも含むものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンプレッサを洗浄するコンプレッサ洗浄システムであって、前記コンプレッサが、入口と、複数のコンプレッサブレードと、を有し、更に前記コンプレッサ洗浄システムが、
流体を供給するポンプと、
複数の流体供給ラインであって、前記複数の流体供給ラインの各々が一端部で前記ポンプの出口に接続された、複数の流体供給ラインと、
複数のノズルセットであって、前記複数のノズルセットの各々が前記複数の流体供給ラインのうちの対応する1つの、前記一端部とは反対側の端部に接続され、前記複数のノズルセットの各々が1つ以上のノズルを有する、複数のノズルセットと、
複数の制御弁であって、前記複数の制御弁の各々が、前記ポンプと、対応するノズルセットと、の間において前記複数の流体供給ラインのうちの対応する1つに接続され、前記複数の制御弁の各々が、前記ポンプから前記複数のノズルセットのうちの対応する1つに、流体を選択的に供給するように運転することができる、複数の制御弁と、
を備え、
各ノズルが、前記コンプレッサの入口の開口部内に配置され、前記1つ以上のノズルが、前記コンプレッサの入口空気流路内に、前記複数のコンプレッサブレードの照準線内に延びる、コンプレッサ洗浄システム。
【請求項2】
一端部を前記ポンプの出口に接続された排水ラインと、
前記排水ラインの前記一端部とは反対側の端部に接続された排水設備と、
前記ポンプと前記排水設備との間で前記排水ラインに接続された排水制御弁であって、前記ポンプから前記排水設備に流体を選択的に供給する操作をすることができる、排水制御弁と、
を更に備える、請求項1に記載のコンプレッサ洗浄システム。
【請求項3】
前記排水ライン内に接続され、排水流体の導電率と、排水流体の純度レベルと、前記排水ライン内の排水流体中の固体内容物の量と、のうちの1つ以上を監視するように作動することができる、センサを更に備え、
前記排水制御弁が、予め設定された監視値に到達するまで、流体を前記ポンプから前記排水設備に供給する、請求項1に記載のコンプレッサ洗浄システム。
【請求項4】
前記複数のノズルセットの各々が、ノズルマニホルドを有し、各ノズルマニホルドが、前記対応するノズルセット内の各ノズルに流体を供給するように構成された、請求項1に記載のコンプレッサ洗浄システム。
【請求項5】
ノズルマニホルドが、前記コンプレッサの入口のベルマウス組立体と複数のストラットとに係合するように構成され、前記ノズルマニホルドの前記ノズルが、前記ストラットのうちの1つ以上の間に配置されている、請求項4に記載のコンプレッサ洗浄システム。
【請求項6】
前記ノズルが、前記ノズルが前記入口空気流路内の前記ベルマウス組立体の湾曲面に対して垂直±20度となるように、更に配置される、請求項5に記載のコンプレッサ洗浄システム。
【請求項7】
前記ストラットのうちの1つ以上の間に配置された前記ノズルが、前記コンプレッサの前記コンプレッサブレードの一部を包むように、平らなファン形状の噴霧パターンと円錐形状の噴霧パターンとの間の形状で、噴霧パターンを放出する、請求項5に記載のコンプレッサ洗浄システム。
【請求項8】
ノズルマニホルドが、前記コンプレッサの入口の入口コーンの周囲に係合するように構成され、前記ノズルマニホルドの前記ノズルが、前記入口コーンの前記周囲の周りに配置されている、請求項4に記載のコンプレッサ洗浄システム。
【請求項9】
前記ノズルが、それぞれ、前記コンプレッサのコンプレッサローターの中心線と平行±20度であるように配置されている、請求項8に記載のコンプレッサ洗浄システム。
【請求項10】
前記入口コーンの前記周囲の周りに配置された前記ノズルが、前記コンプレッサの前記コンプレッサブレードの一部を包むように、平らなファン形状の噴霧パターンと円錐形状の噴霧パターンとの間の形状で、噴霧パターンを放出する、請求項8に記載のコンプレッサ洗浄システム。
【請求項11】
前記複数のノズルセットの各々が、前記コンプレッサブレードの異なる部分を洗浄するように配置されている、請求項1に記載のコンプレッサ洗浄システム。
【請求項12】
対応する流体供給ラインと、ノズルセットと、制御弁とが、ステージを構成し、各ステージが、前記コンプレッサブレードの一部を、半径方向又は周方向において洗浄するように配置されている、請求項1に記載のコンプレッサ洗浄システム。
【請求項13】
コンプレッサが、入口と、複数のブレードと、有する、コンプレッサを洗浄するコンプレッサ洗浄システムであって、前記コンプレッサ洗浄システムが、
流体を供給するポンプと、
複数のステージであって、各ステージが、一端部で前記ポンプの出口に接続された流体供給ラインと、前記流体供給ラインの前記一端部とは反対側の端部に接続されたノズルセットと、前記ポンプと前記ノズルセットとの間で前記流体供給ラインに接続された制御弁と、を有する、複数のステージと、
を備え、
各ノズルセットが、1つ以上のノズルを有し、
前記制御弁の各々が、前記ポンプから前記ノズルセットの対応する1つに、流体を選択的に供給するように操作することができ、
各ノズルが、前記コンプレッサの入口に配置され、前記複数のステージの各々がコンプレッサブレードの一部を洗浄することができるようにされている、コンプレッサ洗浄システム。
【請求項14】
各ノズルが、前記コンプレッサの入口コーン又は前記コンプレッサのベルマウス組立体に配置され、前記ノズルが、前記コンプレッサの入口空気流路内に延び、前記コンプレッサブレードの照準線内に配置されている、請求項13に記載のコンプレッサ洗浄システム。
【請求項15】
複数の嵌合スリーブを更に有し、各嵌合スリーブが、前記コンプレッサの前記入口上の位置にノズルを保持するように構成され、各ノズルが、ノズル本体に接続されたロックカラーを更に有し、それぞれのロックカラーは、対応する嵌合スリーブ内において前記対応するノズルを固定するように構成されている、請求項13に記載のコンプレッサ洗浄システム。
【請求項16】
前記複数のノズルセットの各々が、ノズルマニホルドを有し、各ノズルマニホルドが、前記対応するノズルセット内の各ノズルに流体を供給するように構成されている、請求項13に記載のコンプレッサ洗浄システム。
【請求項17】
前記複数のノズルセットのうちの1つ以上が、前記コンプレッサの入口のベルマウス組立体に配置されたノズルに流体を供給するように構成されたベルマウスノズルマニホルドを有する、請求項16に記載のコンプレッサ洗浄システム。
【請求項18】
前記複数のノズルのうちの1つ以上が、前記コンプレッサの入口の入口コーンに配置されたノズルに流体を供給するように構成された入口コーンノズルマニホルドを有する、請求項16に記載のコンプレッサ洗浄システム。
【請求項19】
各ノズルマニホルドが、前記対応するノズルセットの各ノズルのノズル本体に接続された硬いチューブを有する、請求項16に記載のコンプレッサ洗浄システム。
【請求項20】
前記硬いチューブに接続するために、各ノズル本体に装着され、各ノズル本体から延びる、フレキシブルな接続部を更に有する、請求項19に記載のコンプレッサ洗浄システム。
【請求項21】
各ノズルマニホルドが、前記対応するノズルセットの各ノズルのノズル本体に接続された配管を有する、請求項16に記載のコンプレッサ洗浄システム。
【請求項22】
前記複数のノズルセットのうちの1つ以上が、前記コンプレッサの入口のベルマウス組立体に配置されたノズルに流体を供給するように構成されたベルマウスノズルマニホルドを有し、
前記複数のノズルセットのうちの1つ以上が、前記コンプレッサの入口の入口コーンに配置されたノズルに流体を供給するように構成された入口コーンノズルマニホルドを有し、
前記ベルマウスノズルマニホルドの前記ノズルが、前記入口コーンノズルマニホルドのノズルよりも、大きなエリアをカバーするか、又は、多くの流体を供給するように構成されている、請求項16に記載のコンプレッサ洗浄システム。
【請求項23】
流体が、前記複数のステージのうちの1以上に順次連続するパターンで送られ、前記順次連続するパターンが、時間、流体温度、流体流量、及び流体圧力のうちの1つ以上の変化を有する、請求項13に記載のコンプレッサ洗浄システム。
【請求項24】
前記制御弁が、調節弁を有し、前記調節弁が、前記ステージ内において圧力を変化させて所望の流体軌道を実現するように構成されている、請求項13に記載のコンプレッサ洗浄システム。
【請求項25】
前記調節弁の各々が、前記所望の流体軌道を実現するために、既定の量だけ開かれる、請求項24に記載のコンプレッサ洗浄システム。
【請求項26】
一端部を前記ポンプの出口に接続された排水ラインと、
前記排水ラインの前記一端部とは反対側の端部に接続された排水設備と、
前記ポンプと前記排水設備との間で前記排水ラインに接続された排水制御弁であって、前記排水制御弁が、前記ポンプから前記排水設備に流体を選択的に供給するために操作することができ、前記排水制御弁が、1つ以上のノズル内のノズル圧力を変動させて所望の流体液滴サイズと前記1つ以上のノズルからの所望の流体軌道を実現するように更に操作することができる排水制御弁と、
を更に有する、請求項13に記載のコンプレッサ洗浄システム。
【請求項27】
コンプレッサを洗浄する方法であって、前記コンプレッサが入口と複数のブレードとを有し、前記方法が、
1つ以上のノズルセットを設けるステップであって、各ノズルセットが、1つ以上のノズルを有し、各ノズルが、ノズル本体と、前記ノズル本体の一端部に配置されたノズル噴霧先端部と、を有するステップと、
1つ以上のテンプレート又は設置ツールを前記コンプレッサの入口の一部に適用し、前記1つ以上のノズルの各々の場所をマーキングするステップと、
各ノズルが、前記コンプレッサの入口空気流路内に前記複数のコンプレッサブレードの照準線に沿って延びるように、対応する前記マーキングされた場所に、前記コンプレッサの前記入口の開口部内に前記ノズルセットの前記1つ以上のノズルの各々を配置するステップと、
前記1つ以上のノズルセットの各々を、対応する流体供給ラインを介して、ポンプの出口に結合するステップと、
前記ポンプから前記1つ以上のノズルセットのうちの1つ以上に、流体を選択的に供給するステップであって、前記選択的な供給が、前記コンプレッサブレードの所望の部分を洗浄するために決定された順次連続するパターンに基づいている、ステップと、
を有する方法。
【請求項28】
1つ以上のテンプレート又は設置ツールを前記コンプレッサの吸入口の一部に適用するステップが、1つ以上のテンプレート又は設置ツールを、前記コンプレッサの入口コーン又は前記コンプレッサのベルマウス組立体に配置するステップを有する、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記ノズルを配置するために、前記1つ以上のテンプレート又は設置ツール内に、前記マーキングされた場所に挿入ポートを穿孔するステップを更に有する、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
各挿入ポートに嵌合スリーブを適用するステップを更に有し、前記嵌合スリーブが、対応するノズルを定位置に保持するように構成され、各ノズルが、前記ノズル本体に接続されたロックカラーを更に有し、各ロックカラーが、対応する嵌合スリーブ内において前記対応するノズルを固定するように構成されている、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記複数のノズルセットのうちの1つ以上が、前記コンプレッサの入口のベルマウス組立体に配置されたノズルに流体を供給するように構成されたベルマウスノズルマニホルドを有し、前記適用されたテンプレート又は設置ツールのうちの1つ以上が、ベアリングハブのストラットの周りに嵌め合わされ、前記ベルマウス組立体のストラットの間でノズル位置をマーキングする、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
前記複数のノズルセットのうちの1つ以上が、前記コンプレッサの入口の入口コーンに配置されたノズルに流体を供給するように構成された入口コーンノズルマニホルドを有し、前記適用されたテンプレート又は設置ツールのうちの1つ以上が、前記入口コーンの内周の周りに嵌め合わされ、前記内周の周りにノズル位置をマーキングする、請求項28に記載の方法。
【請求項33】
前記ノズルの前記ノズル噴霧先端部の配置角度を穿孔するように構成されたドリルビットガイドを有するコーン設置ツールによって、前記コンプレッサの前記入口コーン又は前記ベルマウス組立体にノズルを設置するステップを、更に有する、請求項28に記載の方法。
【請求項34】
前記1つ以上のテンプレートが、前記ベルマウス組立体にベルマウスノズルの挿入及び配置の貫通箇所を、ベルマウスノズルポートのマーキングするために、1ストラットテンプレート又は2ストラットテンプレートを有し、前記1ストラットテンプレートは、前記ベルマウス組立体の1つのストラットの周りに配置されるべく構成可能であり、前記2ストラットテンプレートは、前記ベルマウス組立体の2つのストラットの周りに配置されるべく構成することができる、請求項28に記載の方法。
【請求項1】
コンプレッサを洗浄するコンプレッサ洗浄システムであって、前記コンプレッサが、入口と、複数のコンプレッサブレードと、を有し、更に前記コンプレッサ洗浄システムが、
流体を供給するポンプと、
複数の流体供給ラインであって、前記複数の流体供給ラインの各々が一端部で前記ポンプの出口に接続された、複数の流体供給ラインと、
複数のノズルセットであって、前記複数のノズルセットの各々が前記複数の流体供給ラインのうちの対応する1つの、前記一端部とは反対側の端部に接続され、前記複数のノズルセットの各々が1つ以上のノズルを有する、複数のノズルセットと、
複数の制御弁であって、前記複数の制御弁の各々が、前記ポンプと、対応するノズルセットと、の間において前記複数の流体供給ラインのうちの対応する1つに接続され、前記複数の制御弁の各々が、前記ポンプから前記複数のノズルセットのうちの対応する1つに、流体を選択的に供給するように運転することができる、複数の制御弁と、
を備え、
各ノズルが、前記コンプレッサの入口の開口部内に配置され、前記1つ以上のノズルが、前記コンプレッサの入口空気流路内に、前記複数のコンプレッサブレードの照準線内に延びる、コンプレッサ洗浄システム。
【請求項2】
一端部を前記ポンプの出口に接続された排水ラインと、
前記排水ラインの前記一端部とは反対側の端部に接続された排水設備と、
前記ポンプと前記排水設備との間で前記排水ラインに接続された排水制御弁であって、前記ポンプから前記排水設備に流体を選択的に供給する操作をすることができる、排水制御弁と、
を更に備える、請求項1に記載のコンプレッサ洗浄システム。
【請求項3】
前記排水ライン内に接続され、排水流体の導電率と、排水流体の純度レベルと、前記排水ライン内の排水流体中の固体内容物の量と、のうちの1つ以上を監視するように作動することができる、センサを更に備え、
前記排水制御弁が、予め設定された監視値に到達するまで、流体を前記ポンプから前記排水設備に供給する、請求項1に記載のコンプレッサ洗浄システム。
【請求項4】
前記複数のノズルセットの各々が、ノズルマニホルドを有し、各ノズルマニホルドが、前記対応するノズルセット内の各ノズルに流体を供給するように構成された、請求項1に記載のコンプレッサ洗浄システム。
【請求項5】
ノズルマニホルドが、前記コンプレッサの入口のベルマウス組立体と複数のストラットとに係合するように構成され、前記ノズルマニホルドの前記ノズルが、前記ストラットのうちの1つ以上の間に配置されている、請求項4に記載のコンプレッサ洗浄システム。
【請求項6】
前記ノズルが、前記ノズルが前記入口空気流路内の前記ベルマウス組立体の湾曲面に対して垂直±20度となるように、更に配置される、請求項5に記載のコンプレッサ洗浄システム。
【請求項7】
前記ストラットのうちの1つ以上の間に配置された前記ノズルが、前記コンプレッサの前記コンプレッサブレードの一部を包むように、平らなファン形状の噴霧パターンと円錐形状の噴霧パターンとの間の形状で、噴霧パターンを放出する、請求項5に記載のコンプレッサ洗浄システム。
【請求項8】
ノズルマニホルドが、前記コンプレッサの入口の入口コーンの周囲に係合するように構成され、前記ノズルマニホルドの前記ノズルが、前記入口コーンの前記周囲の周りに配置されている、請求項4に記載のコンプレッサ洗浄システム。
【請求項9】
前記ノズルが、それぞれ、前記コンプレッサのコンプレッサローターの中心線と平行±20度であるように配置されている、請求項8に記載のコンプレッサ洗浄システム。
【請求項10】
前記入口コーンの前記周囲の周りに配置された前記ノズルが、前記コンプレッサの前記コンプレッサブレードの一部を包むように、平らなファン形状の噴霧パターンと円錐形状の噴霧パターンとの間の形状で、噴霧パターンを放出する、請求項8に記載のコンプレッサ洗浄システム。
【請求項11】
前記複数のノズルセットの各々が、前記コンプレッサブレードの異なる部分を洗浄するように配置されている、請求項1に記載のコンプレッサ洗浄システム。
【請求項12】
対応する流体供給ラインと、ノズルセットと、制御弁とが、ステージを構成し、各ステージが、前記コンプレッサブレードの一部を、半径方向又は周方向において洗浄するように配置されている、請求項1に記載のコンプレッサ洗浄システム。
【請求項13】
コンプレッサが、入口と、複数のブレードと、有する、コンプレッサを洗浄するコンプレッサ洗浄システムであって、前記コンプレッサ洗浄システムが、
流体を供給するポンプと、
複数のステージであって、各ステージが、一端部で前記ポンプの出口に接続された流体供給ラインと、前記流体供給ラインの前記一端部とは反対側の端部に接続されたノズルセットと、前記ポンプと前記ノズルセットとの間で前記流体供給ラインに接続された制御弁と、を有する、複数のステージと、
を備え、
各ノズルセットが、1つ以上のノズルを有し、
前記制御弁の各々が、前記ポンプから前記ノズルセットの対応する1つに、流体を選択的に供給するように操作することができ、
各ノズルが、前記コンプレッサの入口に配置され、前記複数のステージの各々がコンプレッサブレードの一部を洗浄することができるようにされている、コンプレッサ洗浄システム。
【請求項14】
各ノズルが、前記コンプレッサの入口コーン又は前記コンプレッサのベルマウス組立体に配置され、前記ノズルが、前記コンプレッサの入口空気流路内に延び、前記コンプレッサブレードの照準線内に配置されている、請求項13に記載のコンプレッサ洗浄システム。
【請求項15】
複数の嵌合スリーブを更に有し、各嵌合スリーブが、前記コンプレッサの前記入口上の位置にノズルを保持するように構成され、各ノズルが、ノズル本体に接続されたロックカラーを更に有し、それぞれのロックカラーは、対応する嵌合スリーブ内において前記対応するノズルを固定するように構成されている、請求項13に記載のコンプレッサ洗浄システム。
【請求項16】
前記複数のノズルセットの各々が、ノズルマニホルドを有し、各ノズルマニホルドが、前記対応するノズルセット内の各ノズルに流体を供給するように構成されている、請求項13に記載のコンプレッサ洗浄システム。
【請求項17】
前記複数のノズルセットのうちの1つ以上が、前記コンプレッサの入口のベルマウス組立体に配置されたノズルに流体を供給するように構成されたベルマウスノズルマニホルドを有する、請求項16に記載のコンプレッサ洗浄システム。
【請求項18】
前記複数のノズルのうちの1つ以上が、前記コンプレッサの入口の入口コーンに配置されたノズルに流体を供給するように構成された入口コーンノズルマニホルドを有する、請求項16に記載のコンプレッサ洗浄システム。
【請求項19】
各ノズルマニホルドが、前記対応するノズルセットの各ノズルのノズル本体に接続された硬いチューブを有する、請求項16に記載のコンプレッサ洗浄システム。
【請求項20】
前記硬いチューブに接続するために、各ノズル本体に装着され、各ノズル本体から延びる、フレキシブルな接続部を更に有する、請求項19に記載のコンプレッサ洗浄システム。
【請求項21】
各ノズルマニホルドが、前記対応するノズルセットの各ノズルのノズル本体に接続された配管を有する、請求項16に記載のコンプレッサ洗浄システム。
【請求項22】
前記複数のノズルセットのうちの1つ以上が、前記コンプレッサの入口のベルマウス組立体に配置されたノズルに流体を供給するように構成されたベルマウスノズルマニホルドを有し、
前記複数のノズルセットのうちの1つ以上が、前記コンプレッサの入口の入口コーンに配置されたノズルに流体を供給するように構成された入口コーンノズルマニホルドを有し、
前記ベルマウスノズルマニホルドの前記ノズルが、前記入口コーンノズルマニホルドのノズルよりも、大きなエリアをカバーするか、又は、多くの流体を供給するように構成されている、請求項16に記載のコンプレッサ洗浄システム。
【請求項23】
流体が、前記複数のステージのうちの1以上に順次連続するパターンで送られ、前記順次連続するパターンが、時間、流体温度、流体流量、及び流体圧力のうちの1つ以上の変化を有する、請求項13に記載のコンプレッサ洗浄システム。
【請求項24】
前記制御弁が、調節弁を有し、前記調節弁が、前記ステージ内において圧力を変化させて所望の流体軌道を実現するように構成されている、請求項13に記載のコンプレッサ洗浄システム。
【請求項25】
前記調節弁の各々が、前記所望の流体軌道を実現するために、既定の量だけ開かれる、請求項24に記載のコンプレッサ洗浄システム。
【請求項26】
一端部を前記ポンプの出口に接続された排水ラインと、
前記排水ラインの前記一端部とは反対側の端部に接続された排水設備と、
前記ポンプと前記排水設備との間で前記排水ラインに接続された排水制御弁であって、前記排水制御弁が、前記ポンプから前記排水設備に流体を選択的に供給するために操作することができ、前記排水制御弁が、1つ以上のノズル内のノズル圧力を変動させて所望の流体液滴サイズと前記1つ以上のノズルからの所望の流体軌道を実現するように更に操作することができる排水制御弁と、
を更に有する、請求項13に記載のコンプレッサ洗浄システム。
【請求項27】
コンプレッサを洗浄する方法であって、前記コンプレッサが入口と複数のブレードとを有し、前記方法が、
1つ以上のノズルセットを設けるステップであって、各ノズルセットが、1つ以上のノズルを有し、各ノズルが、ノズル本体と、前記ノズル本体の一端部に配置されたノズル噴霧先端部と、を有するステップと、
1つ以上のテンプレート又は設置ツールを前記コンプレッサの入口の一部に適用し、前記1つ以上のノズルの各々の場所をマーキングするステップと、
各ノズルが、前記コンプレッサの入口空気流路内に前記複数のコンプレッサブレードの照準線に沿って延びるように、対応する前記マーキングされた場所に、前記コンプレッサの前記入口の開口部内に前記ノズルセットの前記1つ以上のノズルの各々を配置するステップと、
前記1つ以上のノズルセットの各々を、対応する流体供給ラインを介して、ポンプの出口に結合するステップと、
前記ポンプから前記1つ以上のノズルセットのうちの1つ以上に、流体を選択的に供給するステップであって、前記選択的な供給が、前記コンプレッサブレードの所望の部分を洗浄するために決定された順次連続するパターンに基づいている、ステップと、
を有する方法。
【請求項28】
1つ以上のテンプレート又は設置ツールを前記コンプレッサの吸入口の一部に適用するステップが、1つ以上のテンプレート又は設置ツールを、前記コンプレッサの入口コーン又は前記コンプレッサのベルマウス組立体に配置するステップを有する、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記ノズルを配置するために、前記1つ以上のテンプレート又は設置ツール内に、前記マーキングされた場所に挿入ポートを穿孔するステップを更に有する、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
各挿入ポートに嵌合スリーブを適用するステップを更に有し、前記嵌合スリーブが、対応するノズルを定位置に保持するように構成され、各ノズルが、前記ノズル本体に接続されたロックカラーを更に有し、各ロックカラーが、対応する嵌合スリーブ内において前記対応するノズルを固定するように構成されている、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記複数のノズルセットのうちの1つ以上が、前記コンプレッサの入口のベルマウス組立体に配置されたノズルに流体を供給するように構成されたベルマウスノズルマニホルドを有し、前記適用されたテンプレート又は設置ツールのうちの1つ以上が、ベアリングハブのストラットの周りに嵌め合わされ、前記ベルマウス組立体のストラットの間でノズル位置をマーキングする、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
前記複数のノズルセットのうちの1つ以上が、前記コンプレッサの入口の入口コーンに配置されたノズルに流体を供給するように構成された入口コーンノズルマニホルドを有し、前記適用されたテンプレート又は設置ツールのうちの1つ以上が、前記入口コーンの内周の周りに嵌め合わされ、前記内周の周りにノズル位置をマーキングする、請求項28に記載の方法。
【請求項33】
前記ノズルの前記ノズル噴霧先端部の配置角度を穿孔するように構成されたドリルビットガイドを有するコーン設置ツールによって、前記コンプレッサの前記入口コーン又は前記ベルマウス組立体にノズルを設置するステップを、更に有する、請求項28に記載の方法。
【請求項34】
前記1つ以上のテンプレートが、前記ベルマウス組立体にベルマウスノズルの挿入及び配置の貫通箇所を、ベルマウスノズルポートのマーキングするために、1ストラットテンプレート又は2ストラットテンプレートを有し、前記1ストラットテンプレートは、前記ベルマウス組立体の1つのストラットの周りに配置されるべく構成可能であり、前記2ストラットテンプレートは、前記ベルマウス組立体の2つのストラットの周りに配置されるべく構成することができる、請求項28に記載の方法。
【図1】
【図2a】
【図2b】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図4d】
【図4e】
【図4f】
【図5】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図8d】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図15a】
【図15b】
【図15c】
【図15d】
【図15e】
【図15f】
【図15g】
【図15h】
【図15i】
【図15j】
【図15k】
【図15l】
【図15m】
【図15n】
【図15o】
【図16】
【図14】
【図2a】
【図2b】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図4d】
【図4e】
【図4f】
【図5】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図8d】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図15a】
【図15b】
【図15c】
【図15d】
【図15e】
【図15f】
【図15g】
【図15h】
【図15i】
【図15j】
【図15k】
【図15l】
【図15m】
【図15n】
【図15o】
【図16】
【図14】
【公開番号】特開2012−229701(P2012−229701A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−172566(P2012−172566)
【出願日】平成24年8月3日(2012.8.3)
【分割の表示】特願2010−185201(P2010−185201)の分割
【原出願日】平成22年8月20日(2010.8.20)
【出願人】(507303402)ガス タービン エフィシエンシー スウェーデン アクティエボラーグ (18)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−172566(P2012−172566)
【出願日】平成24年8月3日(2012.8.3)
【分割の表示】特願2010−185201(P2010−185201)の分割
【原出願日】平成22年8月20日(2010.8.20)
【出願人】(507303402)ガス タービン エフィシエンシー スウェーデン アクティエボラーグ (18)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]