説明

多状態反射型変調器ディスプレイ用のハイブリッドカラー合成

【課題】複数の光変調器(91)及び該複数の光変調器の反射面上の複数のフィルター素子(95)を含む表示装置(90)が提供される。
【解決手段】複数の光変調器(91)が、第1の組の光変調器(92)及び第2の組の光変調器(94)を含む。複数の光変調器(91)の各光変調器が、少なくとも第1状態、第2状態、及び第3状態の間で選択的に切り替えられるように構成される。各状態が、異なるスペクトル反射を有する。複数のフィルター素子(95)が、第1の組の光変調器(92)に対応する第1の組のフィルター素子(96)及び第2の組の光変調器(94)に対応する第2の組のフィルター素子(98)を含む。第1の組のフィルター素子(96)が、第2の組のフィルター素子(98)と異なる分光透過率を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、微小電気機械システム(MEMS)、及び、特に、MEMSを備えたディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
微小電気機械システム(MEMS)が、微小機械素子、アクチュエーター、及び電子機器を含む。微小機械素子が、堆積、エッチング及び/又は他のマイクロマシニングプロセスを使用して形成されてよく、このマイクロマシニングプロセスが、基板及び/若しくは堆積材料層の部分をエッチングし、又は電気及び電気機械デバイスを形成するように層を追加する。あるタイプのMEMSデバイスが、干渉型(interferometric)変調器と呼ばれる。本願明細書に使用されるものとして、干渉型変調器又は干渉型光変調器という用語は、光学干渉の原理を使用して光を選択的に吸収及び/又は反射するデバイについて言及したものである。ある実施形態において、干渉型変調器が、一組の伝導板を備えてよく、この伝導板の一方又は両方が、その全体又は一部が透明である及び/又は反射するものであってよく、適切な電気信号を印加すると相対運動することが可能であってよい。特定の実施形態において、一方の板が、基板上に堆積された固定層を備えてよく、他方の板が、空隙によって固定層から分離された金属膜を備えてよい。本願明細書においてさらに詳しく記載されているように、他方に対しての一方の板の位置により、干渉型変調器上への入射光の光学干渉を変化させることが可能である。このようなデバイスが、広範囲の用途を有し、当業界において、これらのタイプのデバイスの特徴を活用する及び/又は変更するのに役立ち、これらの特徴が、既存製品の改善及び未だ開発されていない新規な製品の製造に利用されることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第5986796号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
ある実施形態において、表示装置が、複数の光変調器、及び複数の光変調器の反射面上の複数のフィルター素子を備える。複数の光変調器が、第1の組の光変調器の、及び第2の組の光変調器を備える。複数の光変調器の各光変調器が、少なくとも第1状態、第2状態、及び第3状態の間で選択的に切り替えられるように構成される。各状態が、異なるスペクトル反射を有する。複数のフィルター素子が、第1の組の光変調器に対応する第1の組のフィルター素子、及び第2の組の光変調器に対応する第2の組のフィルター素子を備える。第1の組のフィルター素子が、第2の組のフィルター素子と異なる分光透過率を有する。
【0005】
ある実施形態において、表示装置が、少なくとも第1の色、第2の色、及び第3の色の間の光を光学的に変調するための第1手段、第1の色、第2の色、及び第3の色の間の光を光学的に変調するための第2手段、第1変調手段によって変調された光をフィルタリングするための第1手段、並びに、第2変調手段によって変調された光をフィルタリングするための第2手段を備える。第1フィルタリング手段が、第2フィルタリング手段と異なる分光透過率を有する。
【0006】
ある実施形態において、像を生成する方法が、複数の光変調器及び複数の光変調器の反射面上のフィルターを備えた表示装置を提供する段階を含む。複数の光変調器が、第1の組の光変調器及び第2の組の光変調器を備える。複数の光変調器の各光変調器が、少なくとも第1状態、第2状態、及び第3状態の間で選択的に切り替えられるように構成される。各状態が、異なるスペクトル反射を有する。フィルターが、第1の組の光変調器に対応する第1の組のフィルター素子、及び第2の組の光変調器に対応する第2の組のフィルター素子を備える。第1の組のフィルター素子が、第2の組のフィルター素子と異なる分光透過率を有する。この方法が、光源から表示装置の上に光を向かわせる段階と、これらの状態間で複数の光変調器を選択的に切り替える段階とをさらに備える。
【0007】
ある実施形態において、表示装置を製造する方法が、複数の光変調器を形成する段階、及び複数の光変調器の反射面上に複数のフィルター素子を形成する段階を含む。複数の光変調器が、第1の組の光変調器及び第2の組の光変調器を備える。複数の光変調器の各光変調器が、少なくとも第1状態、第2状態、及び第3状態の間で選択的に切り替えられるように構成される。各状態が、異なるスペクトル反射を有する。複数のフィルター素子が、第1の組の光変調器に対応する第1の組のフィルター素子、及び第2の組の光変調器に対応する第2の組のフィルター素子を備える。第1の組のフィルター素子が、第2の組のフィルター素子と異なる分光透過率を有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】ある実施形態の干渉型変調器ディスプレイの一部を図示した等角図であって、第1干渉型変調器の可動反射層が緩和位置(relaxed position)内にあり、第2干渉型変調器の可動反射層が作動位置内にある。
【図2】ある実施形態の3×3干渉型変調器ディスプレイを組み込んだ電子デバイスを図示したシステムブロック図である。
【図3】図1の干渉型変調器のある例示的な実施形態に対して加えられた電圧対可動ミラー位置の図である。
【図4】干渉型変調器ディスプレイを駆動するために使用されうる行及び列の電圧の組の図である。
【図5A】図2の3×3干渉型変調器ディスプレイにおける表示データのある例示的なフレームを図示したものである。
【図5B】図5Aのフレームを書くために使用されうる行及び列の信号に対するある例示的なタイミング図を図示したものである。
【図6A】複数の干渉型変調器を含むある実施形態の画像表示装置を示すシステムブロック図である。
【図6B】複数の干渉型変調器を含むある実施形態の画像表示装置を示すシステムブロック図である。
【図7A】図1の装置の断面図である。
【図7B】他の実施形態の干渉型変調器の断面図である。
【図7C】さらに他の実施形態の干渉型変調器の断面図である。
【図7D】さらに他の実施形態の干渉型変調器の断面図である。
【図7E】さらに他の実施形態の干渉型変調器の断面図である。
【図8A】例となる多−状態干渉型変調器の図式的な垂直断面図を示したものである。
【図8B】例となる多−状態干渉型変調器の図式的な垂直断面図を示したものである。
【図8C】例となる多−状態干渉型変調器の図式的な垂直断面図を示したものである。
【図9】ある例となる複数のフィルター素子及び複数の干渉型変調器を備えたある実施形態のディスプレイの分解斜視図である。
【図10】多−状態干渉型変調器に対する反射スペクトルの例を示したものである。
【図11】例となるフィルター素子の分光透過率対波長をプロットしたチャートである。
【図12A】複数のフィルター素子のさらなる例を示したものである。
【図12B】複数のフィルター素子のさらなる例を示したものである。
【図12C】複数のフィルター素子のさらなる例を示したものである。
【図12D】複数のフィルター素子のさらなる例を示したものである。
【図13A】ある実施形態における複数のフィルター素子及び様々な状態の複数の干渉型変調器を含むディスプレイの分解斜視図である。
【図13B】ある実施形態における複数のフィルター素子及び様々な状態の複数の干渉型変調器を含むディスプレイの分解斜視図である。
【図13C】ある実施形態における複数のフィルター素子及び様々な状態の複数の干渉型変調器を含むディスプレイの分解斜視図である。
【図13D】ある実施形態における複数のフィルター素子及び様々な状態の複数の干渉型変調器を含むディスプレイの分解斜視図である。
【図14A】他の実施形態における複数のフィルター素子及び様々な状態の複数の干渉型変調器を含むディスプレイの分解斜視図である。
【図14B】他の実施形態における複数のフィルター素子及び様々な状態の複数の干渉型変調器を含むディスプレイの分解斜視図である。
【図14C】他の実施形態における複数のフィルター素子及び様々な状態の複数の干渉型変調器を含むディスプレイの分解斜視図である。
【図14D】他の実施形態における複数のフィルター素子及び様々な状態の複数の干渉型変調器を含むディスプレイの分解斜視図である。
【図15A】様々な状態の干渉型変調器の組及びフィルター素子に対応する組の実施形態の分解斜視図である。
【図15B】様々な状態の干渉型変調器の組及びフィルター素子に対応する組の実施形態の分解斜視図である。
【図15C】様々な状態の干渉型変調器の組及びフィルター素子に対応する組の実施形態の分解斜視図である。
【図15D】様々な状態の干渉型変調器の組及びフィルター素子に対応する組の実施形態の分解斜視図である。
【図15E】様々な状態の干渉型変調器の組及びフィルター素子に対応する組の実施形態の分解斜視図である。
【図15F】様々な状態の干渉型変調器の組及びフィルター素子に対応する組の実施形態の分解斜視図である。
【図15G】様々な状態の干渉型変調器の組及びフィルター素子に対応する組の実施形態の分解斜視図である。
【図16A】様々な状態の干渉型変調器の組及びフィルター素子に対応する組の他の実施形態の分解斜視図である。
【図16B】様々な状態の干渉型変調器の組及びフィルター素子に対応する組の他の実施形態の分解斜視図である。
【図16C】様々な状態の干渉型変調器の組及びフィルター素子に対応する組の他の実施形態の分解斜視図である。
【図16D】様々な状態の干渉型変調器の組及びフィルター素子に対応する組の他の実施形態の分解斜視図である。
【図16E】様々な状態の干渉型変調器の組及びフィルター素子に対応する組の他の実施形態の分解斜視図である。
【図16F】様々な状態の干渉型変調器の組及びフィルター素子に対応する組の他の実施形態の分解斜視図である。
【図17】複数のフィルター素子及び複数の干渉型変調器を含む投射型ディスプレイの略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の詳細な記載は、本発明のある特定の実施形態を対象とするものである。しかしながら、本発明が、多数の異なる方法で具体化されることが可能である。この記載において、全体を通して、同種の部品が、同種の参照符号で示される図面を参照する。以下の記載から明らかになるように、動く(例えばビデオ)又は動かない(例えば静止像)、及びテキスト又は画像の像を表示するように構成されたいずれの装置において、本実施形態が、実施されてよい。特に、制限するものではないが、携帯電話、ワイヤレス機器、携帯情報端末(PDAs)、ノート又はポータブルコンピューター、GPS受信機/ナビゲーター、カメラ、MP3プレーヤー、カムコーダー、ゲーム機、腕時計、時計、計算機、テレビ用モニター、フラットパネルディスプレイ、コンピューター用モニター、自動車用ディスプレイ(例えば、走行距離計用ディスプレイ等)、コックピットコントロール及び/又はディスプレイ、カメラビューのディスプレイ(例えば、自動車内における後方確認用カメラのディスプレイ)、電子写真、電光掲示板又はサイン、プロジェクター、建築物、パッケージング、並びに、芸術的建造物(例えば、宝石類上の像のディスプレイ)のような、様々な電子デバイス内で又はこれと結合されて本実施形態が実施されてうると考えられる。本願明細書に記載されたそれらと同様な構造のMEMS装置が、電子スイッチ装置のような非−ディスプレイ用途に使用されることも可能である。
【0010】
ハイブリッド型の空間的−時間的な色合成を用いることにより、2つの光変調器を使用し、3つの原色からカラー画像を表現することが可能な装置が提供される。各光変調器が、3つのスペクトル反射を形成することが可能であり、1つ又は2つの原色を生成するように、フィルター素子と対を成す。カラーピクセルが、2つの他の原色を形成するフィルター素子と光変調器とが対をなしてひとつの原色を形成する光変調器及びフィルター素子を備えることにより、3つの原色を形成することが可能である。このような方法が、ピクセルの内部における光変調器(又は“サブーピクセル(sub−pixels)”)の数を、3から2に減らし、従来型のRGBディスプレイと同じ数のカラムドライバ(column drivers)を維持しながら、解像度を高め、固定パターン雑音を減らすことが可能である。あるいは、従来型のRGBディスプレイと同じ解像度を維持しながら、カラムドライバの数が減らされてもよい。ある実施形態において、光変調器の大きさ及びフィルター素子に対応するそれらが、異なる原色の輝度からなるように最適化されてよい。光変調器が、狭帯域の光源よりもむしろ干渉型変調器を備える実施形態において、ブランキングフィールド(blanking fields)が有利に取り除かれ、バンド幅が増加することが可能である。光変調器が、色分解を行うことが可能であるため、このような変調器及びフィルターを備えた投射装置が、有利に、カラーホイール(color wheel)を取り除く。このような装置を使用した像の形成方法も提供される。
【0011】
干渉型MEMS表示素子を備えたある干渉型変調器ディスプレイの実施形態が、図1に示されている。これらの装置において、ピクセルが、明るい又は暗い状態のいずれかである。明るい(“オン”又は“オープン”)状態において、表示素子が、ユーザに入射する可視光の大部分を反射する。暗い(“オフ”又は“クローズ”)状態において、表示素子が、ユーザに入射する可視光をほとんど反射しない。実施形態により、“オン”及び“オフ”状態の光の反射率特性が反対になる。MEMSピクセルが、選択された色に対して大部分を反射するように構成されることが可能であり、黒及び白に加え、カラー表示を可能とする。
【0012】
図1は、画像表示装置の一連のピクセル内における2つの隣接するピクセルを描いた等角図であり、各ピクセルが、MEMS干渉型変調器を備える。ある実施形態において、干渉型変調器ディスプレイが、これらの干渉型変調器の行/列アレイを備える。各干渉型変調器が、互いの距離が可変かつ制御可能に位置された一組の反射層を含み、少なくとも1つの可変寸法を持つ共鳴光学ギャップを形成する。ある実施形態において、反射層のひとつが、2つの位置の間を移動しうる。本願明細書において緩和位置と呼ばれる第1位置において、可動反射層が、固定された部分的反射層から比較的に大きく離れて位置される。本願明細書において作動位置と呼ばれる第2位置において、可動反射層が、部分的反射層とより密接に隣接して位置される。2つの層から反射する入射光が、可動反射層の位置により、発展的に又は破壊的に干渉し、各ピクセルに対し全体的な反射型又は非−反射型状態のいずれかを形成する。
【0013】
図1におけるピクセルアレイの示された部分が、2つの隣接する干渉型変調器12a及び12bを含む。左の干渉型変調器12aにおいて、可動反射層14aが、複数の反射層を含むオプティカルスタック(optical stack)16aから所定の距離だけ離れた緩和位置に示されている。右の干渉型変調器12bにおいて、可動反射層14bが、オプティカルスタック16bに隣接する作動位置に示されている。
【0014】
本願明細書において参照されるオプティカルスタック16a及び16b(合わせてオプティカルスタック16と呼ぶ)が、通常、インジウムスズ酸化物(ITO)のような電極層、クロムのような部分的反射層、及び透明誘電体を含むことが可能ないくつかの融合(fused)層を含む。従って、オプティカルスタック16が、導電性であり、部分的に透明であり、及び部分的に反射型であり、例えば、透明基板20の上に1つ又はそれ以上の上位層を堆積することにより、製造されてよい。部分的反射層が、様々な金属、半導体及び誘電体のような部分的に反射型である様々な材料から形成されることが可能である。部分的反射層が、材料の1つまたはそれ以上の層から形成されることが可能であり、各層が、単一の材料又は材料の組み合わせにより形成されることが可能である。
【0015】
ある実施形態において、オプティカルスタック16の層が、縞模様にパターン化され、以下にさらに記載されるように、表示装置内の行電極を形成しうる。可動反射層14a、14bが、柱18の上端に堆積された堆積金属層又は層(複数)(行電極16a、16bと直交する)及び柱18間に堆積された中間(intervening)犠牲材料の一連の縞模様として形成されてよい。犠牲材料が、エッチングされた場合、可動反射層14a、14bが、定義された間隙19だけ、オプティカルスタック16a、16bから分離される。反射層14に対し、アルミニウムのような高導電性かつ反射性材料が、使用されてよく、これらのストリップが、表示装置内の列電極を形成しうる。
【0016】
図1のピクセル12aによって示されるように、電圧をかけることなく、間隙19が、可動反射層14aとオプティカルスタック16aとの間に残り、可動反射層14aが機械的に緩和状態にある。しかしながら、選択された行及び列に電位差が与えられた場合、対応するピクセルにおいて行及び列電極の交点に形成されたコンデンサが、帯電され、静電力により、電極を引き合わせる。電圧が十分に高い場合、可動反射層14が変形され、オプティカルスタック16に押し付けられる。図1の右側のピクセル12bによって示されるように、オプティカルスタック16内の誘電層(この図には示さない)が、短絡を防ぎ、層14と16の間の分離距離を制御する。与えられた電位差の極性にかかわらず、この挙動は同じである。このように、反射型対非−反射型ピクセル状態を制御することが可能な行/列作動が、多くの点において従来型のLCD及び他のディスプレイ技術のそれと類似している。
【0017】
図2から5Bが、ディスプレイ応用における干渉型変調器のアレイを使用するためのある例示的なプロセス及びシステムを示す。
【0018】
図2は、本発明の態様を組み込みうるある実施形態の電子デバイスを示すシステムブロック図である。例示的な実施形態において、電子デバイスが、ARM、Pentium(登録商標)、Pentium II(登録商標)、Pentium III(登録商標)、Pentium IV(登録商標)、Pentium Pro(登録商標)、8051、MIPS(登録商標)、Power PC(登録商標)、ALPHA(登録商標)のようないずれの汎用シングル−又はマルチ−チップマイクロプロセッサ、又は、デジタルシングルプロセッサ、マイクロコントローラー、若しくはプログラマブル ゲート アレイのようないずれの特殊用途マイクロプロセッサでありうるプロセッサ21を含む。当業界において従来と同じように、プロセッサ21が、1つ又はそれ以上のソフトウェアモジュールを実行するように構成されてよい。オペレーティングシステムを実行するのに加え、プロセッサが、ウェブブラウザ、テレフォンアプリケーション、電子メールプログラム、又はいずれの他のソフトウェアアプリケーションを含む1つ又はそれ以上のソフトウェアアプリケーションを実行するように構成されてよい。
【0019】
ある実施形態において、プロセッサ21が、アレイドライバ22と通信するように構成されてもよい。ある実施形態において、アレイドライバ22が、ディスプレイアレイ又はパネル30に信号を提供する行駆動回路24及び列駆動回路26を含む。図1に示されたアレイの断面が、図2における線1−1によって示される。MEMS干渉型変調器に対し、行/列作動プロトコルが、図3に示されたこれらの装置のヒステリシス特性を利用する。例えば、可動層が緩和状態から作動状態に変形するためには、10ボルトの電位差を必要としうる。しかしながら、電圧がこの値から減らされた場合、電圧が、10ボルト以下に戻るにつれて、可動層が、その状態を維持する。図3の例示的な実施形態において、電圧が2ボルト以下に下がるまで、可動層が、完全には緩和しない。従って、装置が、緩和又は作動状態のいずれかで安定する範囲内における印加電圧のウインドウ(window)が存在し、図3に示された実施例における約3から7Vである。本願明細書において、これは、“ヒステリシスウインドウ(hysteresis window)”又は“スタビリティウインドウ(stability window)”と呼ばれる。図3のヒステリシス特性を有するディスプレイアレイに対し、行ストロービング(strobing)の間、作動されるストローブ行におけるピクセルが、約10ボルトの電圧差にさらされ、緩和されるピクセルが、ゼロボルトに近い電圧差にさらされるように、行/列作動プロトコルが、設計されることが可能である。ストローブの後で、ピクセルが、約5ボルトの電圧差の定常状態にさらされ、これらが、行ストローブがそれらをいずれの状態に位置させるように維持される。書き込まれた後、各ピクセルに、この実施例においては3−7ボルトの“スタビリティウインドウ”内の電圧差が与えられる。この特徴により、これまでの作動又は緩和状態のいずれかにおける同じ印加電圧条件下において、図1において示された画素設計が安定したものとなる。作動又は緩和状態のいずれかにおける干渉型変調器の各ピクセルが、本質的に、固定された及び移動する反射層によって形成されたコンデンサであるため、この安定状態が、ほぼワット損のないヒステリシスウインドウ内の電圧に維持されることが可能である。印加電位が固定される場合、本質的に、ピクセル内に電流が流れない。
【0020】
主用途において、第1行における所望の組の作動ピクセルに従い、表示フレームが、列電極の組をアクティブな状態にすることにより形成されてよい。次に、行パルスが、行1電極に印加され、アクティブ化された列ラインに対応するピクセルを作動させる。次に、第2行における所望の組の作動ピクセルに対応して、列電極のアクティブ化された組が、変化させられる。次に、パルスが、行2電極に印加され、アクティブ化された列電極に従い、行2における適当なピクセルが作動される。行1ピクセルが、行2パルスによる影響を受けず、行1パルスの間にこれらが設定される状態に維持される。フレームを形成するために、順次的な方法で、全体の一連の行に対して、これが、繰り返されてよい。通常、フレームが、リフレッシュされる及び/又は毎秒ある所望の数のフレームにおいてこのプロセスを連続的に繰り返すことにより新たな表示データで更新される。また、表示フレームを形成するピクセルアレイの駆動行及び列電極のための多くの種類のプロトコルが、周知であり、本発明とともに使用されてよい。
【0021】
図4、5A及び5Bが、図2の3×3アレイ上の表示フレームを形成するためのある実行可能な作動プロトコルを示す。図4が、図3のヒステリシス曲線を示すピクセルに使用されうる列及び行電圧レベルの実行可能な組を示す。図4の実施形態において、ピクセルを作動させる段階が、適切な列を−Vバイアスに、適切な行を+ΔVに設定する段階を含み、これらは、それぞれ−5ボルト及び+5ボルトに対応しうる。ピクセルを緩和する段階が、適切な列を+Vバイアスに、適切な行を同じ+ΔVに設定する段階により達成され、ピクセルにわたってゼロボルトの電位差を形成する。列が+Vバイアス又は−Vバイアスのいずれであるにもかわらず、行電圧がゼロボルトに維持されているこれらの行において、これらがはじめにいずれの状態にあったにせよピクセルが安定している。また、図4に示されているように、上記のそれらと異極性の電圧が使用されることが可能であると理解され、例えば、ピクセルを作動する段階が、適切な列を+Vバイアスに、適切な行を−ΔVに設定する段階を含む。この実施形態において、ピクセルを解放する段階が、適切な列を−Vバイアスに、適切な行を同じ−ΔVに設定する段階によって達成され、ピクセルにわたってゼロボルトの電位差を形成する。
【0022】
図5Bは、図5Aに示された表示装置を生じる図2の3×3アレイに与えられた一連の行及び列信号を示すタイミング図であり、ここで、作動ピクセルが、非−反射型である。図5Aに示されたフレームを書き込む前に、ピクセルがいずれの状態にあることが可能であり、この実施例においては、全ての行が0ボルトであり、全ての列が+5ボルトである。これらの印加電圧を備え、それらが存在する作動又は緩和状態において、全てのピクセルが安定である。
【0023】
図5Aのフレームにおいて、ピクセル(1,1)、(1,2)、(2,2)、(3,2)及び(3,3)が作動されている。これを達成するために、行1に対する“ラインタイム(line time)の間、列1及び2が、−5ボルトに設定され、列3が、+5ボルトに設定される。全てのピクセルが、3−7ボルトのスタビリティウインドウに維持されるため、これが、いずれのピクセルの状態を変化させない。次に、行1が、0から最大5ボルトに達し、ゼロに戻るパルスでストローブされる。これが、ピクセル(1,1)、(1,2)を作動し、ピクセル(1,3)を緩和する。アレイの他のピクセルは影響を受けない。要求どおりに行2を設定するために、列2が−5ボルトに設定され、列1及び3が+5ボルトに設定される。次に、同じストローブが行2に適用され、ピクセル(2,2)が作動され、ピクセル(2,1)及び(2,3)が緩和される。同様に、アレイの他のピクセルは影響を受けない。列2及び3を−5ボルトに、列1を+5ボルトに設定することにより、行3が同様に設定される。図5Aに示されるように、行3ストローブが、行3ピクセルを設定する。フレームを書き込んだ後、行電位がゼロであり、列電位が、+5又は−5ボルトのいずれかのまま維持されることが可能であり、次に、ディスプレイが図5Aの配置に安定する。同じ方法が、数十又は数百の行及び列のアレイに対して使用されることが可能であると考えられる。また、行及び列の作動を行うために使用される電圧のタイミング、順番、及びレベルが、上記のように一般的原理の範囲内において広く変更されることが可能であると考えられるが、上記実施例は、例示のみを目的とするものであり、本願明細書に記載されたシステム及び方法とともに、いずれの作動電圧法が、使用されることが可能である。
【0024】
図6A及び6Bが、表示装置40の実施形態を示すシステムブロック図である。表示装置40が、例えば、セル方式(cellular)携帯無線電話又は携帯電話であることが可能である。しかしながら、表示装置40又はそれをわずかに変形させたものの同じ部品も、テレビ受信機及びポータブルメディアプレイヤーのような様々なタイプの表示装置の実例である。
【0025】
表示装置40が、ハウジング41,ディスプレイ30,アンテナ43,スピーカー45、入力装置48、及びマイクロホン46を含む。ハウジング41が、通常、当業者に周知であるいずれの様々な製造プロセスから形成され、射出成形及び真空成形を含む。さらに、ハウジング41が、いずれの様々な材料から形成されてよく、制限するものではないが、プラスチック、金属、ガラス、ゴム、及びセラミック、又はこれらの組み合わせを含む。ある実施形態において、ハウジング41が、異なるロゴ、図、又は記号を含む異なる色の他の取り外し可能な部分と交換されうる取り外し可能な部分(示さない)を含む。
【0026】
例示的な表示装置40のディスプレイ30が、本願明細書に記載されたような、双安定(bi−stable)ディスプレイを含むいずれの様々なディスプレイであってよい。他の実施形態において、ディスプレイ30が、当業者に周知である上記のようなプラズマ、EL、OLED、STN LCD、又はTFT LCDのようなフラットパネルディスプレイ、又はCRT若しくは他のチューブデバイスのような非−フラットパネルディスプレイを含む。しかしながら、本願明細書に記載したように、本実施形態を記載する目的のために、ディスプレイ30が、干渉型変調器ディスプレイを含む。
【0027】
ある実施形態の例示的な表示装置40の部品が、図6Bに図式的に示されている。示された例示的な表示装置40が、ハウジング41を含み、その中に少なくとも部分的に入れられた付加的な部品を含むことが可能である。例えば、ある実施形態において、例示的な表示装置40が、トランシーバ47とつながれるアンテナ43を含むネットワークインターフェース27を含む。トランシーバ47が、調整用ハードウェア52と接続されるプロセッサ21と接続される。調整用ハードウェア52が、信号を調整するように構成されてよい(例えば、信号をフィルターする)。調整用ハードウェア52が、スピーカー45及びマイクロホン46と接続される。プロセッサ21が、入力装置48及びドライバコントローラー29にも接続される。ドライバコントローラー29が、フレームバッファ28及びアレイドライバ22と連結され、アレイドライバ22が、順にディスプレイアレイ30と連結される。特定の例示的な表示装置40の設計により、電力供給装置50が、要求に応じ全ての部品に電力を提供する。
【0028】
例示的な表示装置40が、ネットワーク上の1つ又はそれ以上の装置と通信することが可能となるように、ネットワークインターフェース27が、アンテナ43及びトランシーバ47を含む。ある実施形態において、プロセッサ21の要求を軽減するように、ネットワークインターフェース27が、いくつかの処理機能を有してもよい。アンテナ43が、信号を送信及び受信するための、当業者に周知であるいずれのアンテナである。ある実施形態において、IEEE 802.11(a)、(b)又は(g)を含むIEEE 802.11規格に従い、アンテナが、RF信号を送信及び受信する。他の実施形態において、ブルートゥース規格に従い、アンテナが、RF信号を送信及び受信する。セル方式携帯無線電話の場合、アンテナが、CDMA、GSM(登録商標)、AMPS、又は無線セル方式携帯無線電話ネットワーク内において通信するために使用される他の周知の信号を受信するように設計される。トランシーバ47が、アンテナ43から受信した信号を前処理し、これらが、プロセッサ21によって受信され、さらに操作されうる。また、トランシーバ47が、プロセッサ21から受信した信号を処理し、これらが、アンテナ43を介して、例示的な表示装置40から送信されうる。
【0029】
代替の実施形態において、トランシーバ47が、レシーバによって置換されることが可能である。さらに他の代替の実施形態において、ネットワークインターフェース27が、プロセッサ21に送られる画像データを保存する又は生成することが可能な画像ソースによって置換されることが可能である。例えば、画像ソースが、画像データを含むハードディスクドライブ若しくはデジタルビデオディスク(DVD)、又は画像データを生成するソフトウェアモジュールであることが可能である。
【0030】
プロセッサ21が、通常、例示的な表示装置40の全体のオペレーションを制御する。プロセッサ21が、ネットワークインターフェース27又は画像ソースからの圧縮画像データのようなデータを受信し、データが原(raw)画像データ又は原画像データに容易に処理されるフォーマットに処理される。次に、プロセッサ21が、処理データをドライバコントローラー29に、又は保存のためのフレームバッファ28に送る。通常、原データが、画像内における各位置の画像特性を識別する情報を参照する。例えば、このような画像特性が、色、飽和状態(saturation)及びグレースケールレベルを含むことが可能である。
【0031】
ある実施形態において、例示的な表示装置40のオペレーションを制御するために、プロセッサ21が、マイクロコントローラー、CPU、又は論理演算装置を含む。信号をスピーカー45に送信し、マイクロホン46からの信号を受信するために、調整用ハードウェア52が、通常、増幅器及びフィルターを含む。調整用ハードウェア52が、例示的な表示装置40内において、個別部品であってよく、プロセッサ21又は他の部品内に組み込まれてもよい。
【0032】
ドライバコントローラー29が、プロセッサ21によって生成された原画像データを、プロセッサ21から直接的に又はフレームバッファ28から取り込み、アレイドライバ22に高速で送信するために、原画像データを適切に再フォーマットする。具体的には、ドライバコントローラー29が、原画像データを、ラスタ様(raster−like)のフォーマットを有するデータフロー中に再フォーマットし、これが、ディスプレイアレイ30にわたるスキャンニングに適したタイムオーダーを有する。次に、ドライバコントローラー29が、フォーマット化された情報を、アレイドライバ22に送る。LCDコントローラーのようなドライバコントローラー29が、しばしば、スタンド−アローン集積回路(IC)としてシステムプロセッサ21と結合されるが、このようなコントローラーが、多くの方法で実現されてよい。これらが、ハードウェアとしてプロセッサ21に内蔵され、ソフトウェアとしてプロセッサ21に内臓されてよく、又はハードウェア内にアレイドライバ22と完全に統合されてよい。
【0033】
通常、アレイドライバ22が、ドライバコントローラー29からフォーマット化された情報を受信し、ビデオデータを、ディスプレイのピクセルのx−yマトリックスから生じる数百及びときには数千のリードに毎秒何度も適応されるパラレルセット(parallel set)の波形に再フォーマットする。
【0034】
ある実施形態において、ドライバコントローラー29、アレイドライバ22、及びディスプレイアレイ30が、本願明細書に記載されたいずれのタイプのディスプレイに適している。例えば、ある実施形態において、ドライバコントローラー29が、従来型のディスプレイコントローラー又は双安定ディスプレイコントローラーである(例えば、干渉型変調器コントローラー)。他の実施形態において、アレイドライバ22が、従来型のドライバ又は双安定ディスプレイドライバである(例えば、干渉型変調器ディスプレイ)。ある実施形態において、ドライバコントローラー29が、アレイドライバ22と統合される。このような実施形態が、セル方式の携帯無線電話、腕時計、及び他の狭い面積のディスプレイのような高度に統合されたシステムによく見られる。さらに他の実施形態において、ディスプレイアレイ30が、標準的なディスプレイアレイ又は双安定ディスプレイアレイである(例えば、干渉型変調器のアレイを含むディスプレイ)。
【0035】
入力装置48により、ユーザが、例示的な表示装置40のオペレーションを制御することが可能となる。ある実施形態において、入力装置48が、QWERTYキーボード又は電話キーボードのようなキーボード、ボタン、スイッチ、タッチセンサースクリーン、又は感圧若しくは感熱膜を含む。ある実施形態において、マイクロホン46が、例示的な表示装置40用の入力装置である。マイクロホン46が、装置にデータを入力するために使用される場合、例示的な入力装置40のオペレーションを制御するために、音声命令が、ユーザによって提供されてよい。
【0036】
電力供給装置50が、当業界において周知であるような様々なエネルギーストレージデバイスを含むことが可能である。例えば、ある実施形態において、電力供給装置50が、ニッケル−カドミウム電池又はリチウムイオン電池のような充電池である。他の実施形態において、電力供給装置50が、再生可能エネルギー源、コンデンサ、又はプラスチック太陽電池及び太陽電池ペイント(paint)を含む太陽電池である。他の実施形態において、電力供給装置50が、壁コンセントから電力を受け取るように構成される。
【0037】
ある実施形態において、上記のように、プログラム可能性の制御が、電子表示システムの様々な場所に位置することが可能であるドライバコントローラーに備わっている。アル実施形態において、プログラム可能性の制御が、アレイドライバ22に備わっている。当業者は、上記の最適化が、いずれの数のハードウェア及び/又はソフトウェア部品、並びに様々な機器構成において実現されうることを理解するだろう。
【0038】
上記に説明した原理に従って作動する干渉型変調器の構造の詳細が、大きく変更されてもよい。例えば、図7A−7Eが、可動反射層14及びその支持構造体の5つの異なる実施形態を示す。図7Aが、図1の実施形態の断面であり、金属材料14のストリップが、直交してのびる支持体18上に堆積される。図7Bにおいて、可動反射層14が、その角のみにある支持体、テザー(tether)32に取り付けられている。図7Cにおいて、可動反射層14が、柔軟性金属を備えうる可変層34からつるされている。可変層34が、直接的に又は間接的に可変層34の周辺の基板20と接続される。これらの接続を、本願明細書において、支柱と呼ぶ。図7Dにおける実施形態が、支柱プラグ42を有し、可変層34が、それ上に配置される。図7A−7Cのように、可動反射層14が、間隙上につるされたまま維持されるが、可変層34とオプティカルスタック16との間のホールで満たすことにより、可変層34が、支柱を形成しない。正しくは、支柱が、支柱プラグ42を形成するために使用される平坦化材料から形成される。図7Eに示された実施形態が、図7Dに示された実施形態をベースとしているが、また、図7A−7C示されたいずれかの実施形態、及び示されない付加的な実施形態と連携するように適応されてよい。図7Eに示された実施形態において、金属又は他の導電材料の追加層が、バス構造44を形成するために使用される。これにより、信号が、干渉型変調器の背面に沿ってルーティングされることが可能となり、別な方法で基板20上に形成されうる多くの電極を排除する。
【0039】
図7に示されたそれらのような実施形態において、干渉型変調器が、直視型(direct−view)装置として機能し、画像が、透明基板20の前側、変調器が配置される側の反対側から見られる。これらの実施形態において、反射層14が、可変層34を含み、基板20と反対の反射層の側上の干渉型変調器の部分を光学的にシールドする。これにより、画質に悪影響を与えることなく、シールド領域が、構成され、操作される。このようなシールディングが、図7Eにおけるバス構造44を可能とし、アドレッシング及びそのアドレッシングの結果として生じる動作のような、変調器の電気機械特性から変調器の光学特性を分離する能力を提供する。この分離可能な変調器アーキテクチャにより、変調器の電気機械的観点及び光学的観点のために使用される材料及び構造設計が、選択され、及び互いに独立して機能することが可能となる。さらに、図7C−7Eに示された実施形態が、可変層34によって実行されるその機械的特性からの反射層14の光学特性のデカップリングから生じる付加的な利点を有する。これにより、反射層14のために使用される構造設計及び材料が、光学特性に関して最適化されることが可能となり、可変層34のために使用される構造設計及び材料が、所望の機械的特性に関して最適されることが可能となる。
【0040】
これらが自己発光型であるか又は非自己発光型であるかにかかわらず、全てのカラーディスプレイに共通する課題は、制限された原色の組からのフルカラー画像の合成である。色合成に対するいくつもの試みが、伝統的に、電子表示のために使用されてきた。これらの最も成功したものが、加法混色の原理に従うものであり、光学的な重ね合わせ、空間的(spatial)色合成、及び時間的(temporal)色合成を含む。
【0041】
3原色画像の直接的かつ光学的な重ね合わせが、効果的であり、投射型ディスプレイシステムにおける方法で一般的に使用されているが、多くの直視型カラーディスプレイ技術に容易に適応するものではない。空間的色合成が、色合成の著しく最も成功している方法であり、陰極線管(CRT)及び液晶ディスプレイ(LCD)のような装置における、現代のカラーディスプレイ技術の基礎であり続けている。空間的色合成が、フルスペクトルを生成するために、3つまたはそれ以上の原色(通常、赤(R)、緑(G)、及び青(B))のサブ−ピクセルをごく接近して混合する。しかしながら、空間的色合成が、画質及びディスプレイ効率を低減する2つの大きな制限を有する。
【0042】
第一に、色合成のための利用可能な空間的領域の使用が、ディスプレイの空間的イメージングポテンシャルを減らすため、ポテンシャルディスプレイ解像度が、犠牲となっている。ヒューマンビジュアルシステム(HVS)の空間的統合領域内に、原色要素が含まれなければならないため、空間的色合成が、高いサブ−ピクセル密度を必要とする。この素子(例えば、サブ−ピクセル)が大きすぎる場合、完全な色合成が失敗し、色縁が、画像内ではっきり見えるようになる。そのようなものとして、色合成のための利用可能な空間的領域の使用が、ディスプレイ用の空間的なイメージングポテンシャルを減らす。一般的に、フルカラー全範囲を合成するためのRGB空間的モザイクの使用が、結果として、色合成に対するディスプレイの解像度ポテンシャルの約2/3が犠牲となる。青のサブ−ピクセルが、輝度にほとんど寄与せず、短−波長が、HVSによって極めて低い空間的解像度でのみ処理されるため、青のサブ−ピクセルに割り当てられたディスプレイ領域が、特に無駄が多い。
【0043】
第二に、原色サブ−ピクセルのモザイクが、特に青のサブ−ピクセル素子のために、固定パターン雑音を生成する。いくつかのモザイクにおける高い(high)固定パターン雑音の主要供給源が、低−輝度青サブ−ピクセル(又は、一般的に使用されるストライプモザイクの場合における青ストライプ)であり、この低−輝度青サブ−ピクセルが、通常、表示された白い領域の輝度の約8%のみを占め、従って、比較的に周囲が明るい中で暗い領域として現れる。可視スペクトルの中で、緑、赤、及び青サブ−ピクセル領域が、同じ輝きを有する場合、HVS発光効率関数が、スペクトルの緑領域でピークを示すため、緑領域が、3つのなかで最も明るく現れる。同様に、HVS発光効率のため、赤領域が、明るくないように現れ、青領域が、輝度のさらなる減少を示す。輝度が、R、G、及びBの加重値から算出される場合、Gに対する重み付け係数が、大きくなり(例えば、約0.55から0.8)、Rに対する重み付け係数が、中間であり(例えば、約0.15から0.35)、Bに対する重み付け係数が、小さい(例えば、約0.05から0.15)。
【0044】
時間的色(又は“フレーム−シーケンシャル”又は“フィールド−シーケンシャル”)合成が、空間的色合成に伴う空間的解像度の損失を回避し、固定パターン雑音を生成しない。空間的色合成とは異なり、時間的色合成が、空間的に分離された原色サブ−ピクセルの統合に依存しない。そのかわりに、原色ピクセルが、同じ網膜位置において時間内に連続して結像され、フルカラースペクトルを合成するように時間的に統合される(目及び/又は頭の動きにより位置シフトがない場合)。この時間的色による試みが、R、G、及びB放射源の逐次的活性化又は選択的に活性化することが可能な3つの原色フィルター(例えば、R、G、及びB又は黄色(Y)、シアン(C)、及びマゼンタ(M))を介した広帯域光の通過を含む様々な方法で達成されてよい。原色要素が、同じ空間的位置に全て結像され、空間的モザイクがないため、時間的色合成が、有利に、空間的解像度の損失を回避する。さらに、モザイクがないので、時間的色合成が、有利に、固定パターン雑音を生成しない。しかしながら、時間的色合成の2つの重要な制限が、時間的色合成を使用するディスプレイの効果を抑制する。
【0045】
第一に、時間的色合成が、効果的な加法混色を生成するが、時間的に変化する要素間の輝度の差が、目に見える輝度フリッカーを生成することが可能である。個々の原色のフィールドが、全ディスプレイ表示期間の3分の1だけ存在するため、目に見えるフリッカーを最小化するために十分に早いリフレッシュ速度でフルカラー画像を生成するために、時間的色合成ディスプレイが、高システムバンド幅を必要とする。高システムバンド幅と同等で、フルカラーフレームリフレッシュ速度が、単色又は空間的色合成ディスプレイのそれに相当し(すなわち、空間的色合成ディスプレイのリフレッシュ速度の3倍のカラーフィールド速度)、連続するカラー画像フィールド間に存在する残りの輝度変調のため、時間的色合成ディスプレイが、いまだフリッカーを結像する傾向がある。
【0046】
第二に、さらに困難な制限が、表示された画像と観察者の網膜との間の相対運動の結果として生じ、この運動が、画像から又は観察者の頭及び/若しくは目の動きから生じる。いずれにせよ、時間的に変化する色要素が、同じ網膜領域でもはや結像されず、観察者が、“色割れ(color break−up)”又は“レインボー効果(the rainbow effect)”として知られるようになったもの経験する。多くの存在下においてRGB時間的色合成ディスプレイに対する色割れを回避するために、通常、高速な衝動性運動が、フリッカーを回避するために必要とされるそれらを十分に上回るリフレッシュ頻度を必要とし、通常、1秒あたり360から480フィールドの範囲におけるカラーフィールド速度を必要とし、ディスプレイ輝度及びコントラストが高い場合には1秒あたり1,000フィールドを容易に越えることが可能である。これらの高いフィールド速度が、それらのドライブエレクトロニクスと同じように、時間的色合成ディスプレイに厳しいバンド幅制限を課し、原色画像フィールドの時間的隔離を極めて困難にする。
【0047】
画質が、ディスプレイ技術の発展を支える原動力となっている。全ての主な市場区分において、高ディスプレイ解像度及び改良された色品質に対する動きが、避けられない。同じく、これが、空間的色合成及び時間的色合成の両方の制限を露呈し、色を合成するためのいずれかの方法が、増え続けるディスプレイ画質に対する要求を単に完全に満足することが可能であるのかどうかという疑問が生じる。色合成にたいする新規な試みが、ディスプレイ技術の発展を支えうる。
【0048】
電子表示において色を合成するための従来型の方法の制限を認め、新規なハイブリッド空間的−時間的方法が、近年提案されており、空間的及び時間的分野の両方にわたる色合成機能を分配する。この方法のある実施形態が、透過型LCDsに対して提案されている。ハイブリッド空間的−時間的色合成が、空間的及び時間的分野の両方にわたる色合成機能を分配する。一般的な試みが、原色サブ−ピクセルの数を3から2に減らし、時間的合成によって第3の原色を生成する。異なるスペクトルパワー分布を備えた2つの時間的に交互する光源が、通常使用され、2つのサブ−ピクセルの両方を通して光を放射し、それぞれが、色選択フィルターに対応して異なるものを有する。例えば、黄色及び青色の光源が、マゼンタ及びシアンカラーフィルターのモザイクを有するLCDパネルと結合される。ある時間的フィールドの間に黄色の光源が、ターンオンされた場合、シアンカラーフィルターが、黄色スペクトル光分布の緑セグメントを送信するため、活性化されたシアンサブ−ピクセルにおけるディスプレイ出力が、緑であり、マゼンタカラーフィルターが、黄色スペクトル光分布の赤セグメントを送信するため、活性化されたマゼンタサブ−ピクセルにおけるディスプレイ出力が、赤となる。隣接する時間的フィールドの間に青色の光源が、ターンオンされた場合、シアン及びマゼンタカラーフィルターが、青色の光源の同じ短波長スペクトル領域を送信するため、活性化されたシアン及びマゼンタサブ−ピクセルにおけるディスプレイ出力が、青となる。
【0049】
RGB垂直ストライプピクセルモザイク及び空間的色合成を使用するフルカラーディスプレイと同じ数の水平サブ−ピクセル及び列ドライバを使用する場合、ハイブリッド空間的−時間的色合成が、無視できるほど低いレベルの固定パターン雑音とともに、水平及び垂直寸法に沿って最大3倍の効果的な空間的解像度の増加を提供することが可能である。あるいは、ハイブリッド空間的−時間的色合成が、減少したピクセル密度及び列ドライバとともに使用されることが可能であり、同程度の効果的な解像度を提供する。このような試みが、潜在的にコストを下げながら、減少したレベルの固定パターン雑音を保持することが可能であり、(増加したピクセル開口率によって)改善されたディスプレイ効率を提供することが可能である。しかしながら、LCDsに対するハイブリッド空間的−時間的色合成を使用することの大きな妨げとなるのが、各フィールドにおける各光源によるサブ−ピクセルの同時照射である。
【0050】
LCDsにおいて同じ色を形成するために、ある時間的フィールドと第二の隣接する時間的フィールドとの間のブランキングフィールドを書き込む必要がある。例えば、赤、緑、及び青からシアンを形成することは、通常、緑と青を結合することによって達成される。上記実施例のLCDにおいて緑及び青を形成するために、黄色の光源がターンオンされ、これによって、活性化されたシアンサブ−ピクセル内に緑を形成し、次に、サブ−ピクセル内に残りの緑が留まらないことを保障するために、ブランケットフィールドが、書き込まれる。次に、青色の光源が、ターンオンされ、これによって、活性化シアンサブ−ピクセル内に青を形成する。同じピクセル内における緑及び青の時間的な組み合わせが、観察者の目にシアンを形成する。サブ−ピクセル内に残りの青が留まらないことを保障するために、次の色が形成される前に、第二のブランキングフィールドが、書き込まれる。これらのブランキングフィールドが、時間をとり、この結果、LCDsのスループットが減少する。同じ期間内で連続する色を形成するために、ブランキングフィールドを備えたLCDが、増加した周波数(frequencies)を必要とし、さらに、過酷なバンド幅要件及び/又はフリッカーを必要とする。さらに、ブランキングフィールド間に放射された光の欠如を補うために、非−ブランキングフィールド間にLCD光源に提供される電力が、通常、増加し、LCDの電力消費が不利に増加する。
【0051】
干渉型変調器技術が、フルカラーディスプレイを形成するための特有なチャレンジを提起する(すなわち、3つ又はそれ以上の原色がカラー画像を提供するディスプレイ)。これらのチャレンジが、以下の操作上の特徴から生じる:装置が、各サブ−ピクセル素子における反射スペクトルに対する制約を伴う反射型空間的光変調器である;サブ−ピクセルアレイの空間的構造及び密度が、デザインルール及びタイミングベースのアドレッシング制限によって制限される;通常、ピクセルオペレーションの双安定及びバイナリ特性(binary nature)が、空間的及び/又は時間的色合成によって、グレースケールレベルの合成を利用する;基礎的な操作上の制約及びグレースケール及びカラーの両方への高レベルの合成に対する必要性のため、高ピクセル密度干渉型変調器装置が、比較的低い時間的フレーム速度に制限されうる。
【0052】
フルカラーディスプレイに対する干渉型変調器技術によって提起される特有のチャレンジと共に、装置のオペレーションの特有なモードによって絶好の機会が与えられる。特に、サブ−ピクセルレベルでの2つ又はそれ以上のスペクトル反射機能間を切り替えるための機能が、フルカラー干渉型変調器ディスプレイに対する色合成の方法に十分な柔軟性を提供する。
【0053】
本願明細書に記載された干渉型変調器の実施形態が、1つ又はそれ以上の反射状態及び非−反射(例えば、黒)状で作動する。ある実施形態において、変調器12が、反射状態にある場合、各反射状態が、白色光又は反射層14とオプティカルスタック16との間の距離によって決定された色の光を形成する。他の実施形態において、例えば、特許文献1に開示された実施形態では、キャビティ19のサイズ、及びその結果としての反射光の色を変化させるように、反射層14が、オプティカルスタック16と相対的な位置の範囲に位置されてよい。
【0054】
干渉型変調器12が、反射層14とオプティカルスタック16との間に形成された光キャビティを含む。光キャビティ19の効果的な光路長Lが、光キャビティ19、及びその結果として干渉型変調器12の共振波長λを決定する。ある実施形態において、効果的な光路長Lが、反射層14とオプティカルスタック16との間の距離と実質的に等しい。ある実施形態において、白色光が、約100Å(10nm)未満の効果的な光路長Lを有することによって形成される。通常、干渉型変調器12の共振波長λが、干渉型変調器12によって反射された光の知覚色に対応し、ある実施形態において式1によって記載され、ここでNは整数である。
L=1/2・N・λ(式1)
【0055】
従って、選択された共振波長λが、0.5λ(N=1)、λ(N=2)、1.5λ(N=3)等の効果的な光路長Lを有する干渉型変調器12によって反射される。整数Nが、反射光の干渉の“オーダー”と呼ばれてよい。本願明細書に使用されるものとして、反射層14が、少なくとも1つの位置にある場合、干渉型変調器のオーダーも、干渉型変調器によって反射された光のオーダーNを参照する。例えば、第1オーダー(N=1)赤干渉型変調器が、約650nmの波長λに対応する約325nmの効果的な光路長Lを有してよい。従って、第2オーダー(N=2)赤干渉型変調器が、約650nmの効果的な光路長Lを有してよい。干渉型変調器ディスプレイに使用されるいくつかの一般的な色に対する波長範囲例のリストが、表1に示される。
【0056】
【表1】

【0057】
キャビティ19が、約1の屈折率を有する流体を含む場合(例えば空気)、効果的な光路長Lが、反射層14とオプティカルスタック16との間の距離と実質的に等しい。キャビティ19が、1より大きな屈折率を有する流体を含む場合、効果的な光路長Lが、反射層14とオプティカルスタック16との間の距離と異なりうる。オプティカルスタック16が、絶縁層を含む実施形態において、効果的な光路長Lが、絶縁層の屈折率及び厚さによって影響を受け、効果的な光路長Lが、反射層14とオプティカルスタック16との間の距離と異なる。ある実施形態において、反射層14とオプティカルスタック16との間の距離が、干渉型変調器12の製造の間に反射層14とオプティカルスタック16との間に配置された犠牲材料の厚さを修正することによって、キャビティ19内の流体及び/又はオプティカルスタック16内の絶縁層を相殺するように、選択される。
【0058】
通常、高いオーダーの変調器が、狭い範囲の波長にわたって光を反射し、この結果、さらに飽和した着色光を形成する。高いオーダーの変調器が、通常、反射層14とオプティカルスタック16との間の大きな距離を利用するすると考えられる。さらに、高いオーダーの変調器が、狭い範囲の波長を反射するため、反射された光子の数が、減少し、ディスプレイが、明るくない。
【0059】
図9は、空間的−時間的色合成を使用することが可能な表示装置90の分解組立て概略図である。表示装置90が、複数の光変調器(例えば、干渉型変調器91)及び複数のフィルター素子95を含む。複数の光変調器91が、第1の組の光変調器92及び第2の組の光変調器94を含む。第1の組の光変調器92が、第2の組の光変調器94と同じ又は異なっていてよい。例えば、ある実施形態において、第1の組の光変調器を形成する段階が、第1の組の工程段階を含み、第2の組の光変調器を形成する段階が、第2の組の工程段階を含み、第2の組の段階が、第1の段階を含む。各光変調器91が、少なくとも第1状態、第2状態、及び第3状態の間で選択的に切り替えられるように構成され、各状態が、異なるスペクトル反射を有する。複数のフィルター素子95が、複数の光変調器91の反射側上に配置される。複数のフィルター素子95が、第1の組の光変調器92に対応する第1の組のフィルター素子96及び第2の組の光変調器94に対応する第2の組のフィルター素子98を含む。第1の組のフィルター素子96が、第2の組のフィルター素子98と異なる分光透過率を有する。本願明細書に使用されるものとして、“対応する”という用語が、制限されるものではないが、例えば、同じサイズ、形状、配向、及び光路内の位置を有し、実施的に光路内に配置されることを含む広義語である。
【0060】
図8Aから8Cが、本願明細書に記載されたある実施形態に適合する例示的な多−状態干渉型変調器80の略側断面図を示す。変調器80が、オプティカルスタック16内の電極とバススタック82内の電極との間に位置され、緩和状態、第1作動状態、及び第2作動状態の間において移動可能な可動反射層14を含む。多−状態干渉型変調器の他の構成も、本願明細書に記載されたある実施形態と適合する。
【0061】
図8Aから8Cの例示的な変調器80において、バススタック82が、柱18と反対の反射層14の側上に形成された柱81上に形成されてよい。本願明細書において参照されるように、バススタック82が、通常、アルミニウムのような導電性電極層、及び絶縁性誘電層を含むことが可能ないくつかの融合層を含む。ある好ましい実施形態において、反射層14の導電性部とバススタック82内の電極との間における電気的短絡を防ぐために、バススタック82が、反射層14とバススタック82内の電極との間に絶縁層を含む。バススタック82が、例えば、反射層14の上端上に形成された犠牲層の上に1つ又はそれ以上の上部層を堆積することによって製造されてよい。
【0062】
変調器80が、第1状態における第1スペクトル反射、第2状態における第二2スペクトル反射、及び第3状態における第二3スペクトル反射、を形成することができる。図8Aが、オプティカルスタック16及びバススタック82より遠位の反射層14を備えた緩和状態における変調器80を示す。緩和状態が、第1、第2、又は第3状態を含んでよい。図8Bが、オプティカルスタック16に最も近い反射層14を含む第1作動(actuated)(又は“駆動(driven)”)状態の変調器80を示す。第1作動状態が、第1、第2、又は第3状態を含んでよい。図8Cが、バススタック82に最も近い反射層14を備えた第2作動(又は“反対駆動(reverse driven)”)状態の変調器80を示す。第2作動状態が、第1、第2、又は第3状態を含んでよい。緩和状態、並びに第1及び第2作動状態のそれぞれにおける、反射層14からオプティカルスタック16内の部分的反射層までの距離、キャビティ19内の流体、及びオプティカルスタック16内の絶縁層の特性が、これらの状態における変調器80のスペクトル反射に影響を及ぼすことが可能である。
【0063】
当業者によって理解されるように、図8Cの反対駆動状態が、多くの方法で達成されることが可能である。ある実施形態において、反対駆動状態が、上向きに反射層14を静電的に引き寄せることが可能であるバススタック82内の電極又は導電層の使用を通して達成される。このような実施形態において、変調器80が、基本的に、単一の可動反射層14の周囲に対称的に配置された2つの干渉型変調器を含む。この構成により、オプティカルスタック16及びバススタック82の各電極が、相対する方向に反射層14を引き付けることが可能となる。
【0064】
バススタック82の層を形成するために使用される材料が、オプティカルスタック16を形成するために使用される材料と異なることが可能である。例えば、バススタック82が、光を透過する必要はない。さらに、バススタック82の導電層が、その変形した上方位置の反射層14の届かない位置に配置された場合、変調器80が、反射層14とバススタック82内の導電層との間の絶縁層を含んでも又は含まなくてもよい。
【0065】
図8Aの緩和状態から図8Bの駆動状態に反射層14を駆動するためにオプティカルスタック16に印加される電圧が、図8Cの反対駆動状態から図8Bの駆動状態に反射層14を駆動するためにオプティカルスタック16に印加される電圧と異なっていてよい。図8Aの緩和状態から図8Cの反対駆動状態に反射層14を駆動するためにバススタック82に印加される電圧が、図8Bの駆動状態から図8Cの反対駆動状態に反射層14を駆動するためにバススタック82に印加される電圧と異なっていてよい。図8Aの緩和状態又は図8Bの駆動状態から図8Cの反対駆動状態に反射層14を駆動するためにバススタック82に印加される電圧が、図8Aの緩和状態又は図8Cの反対駆動状態から図8Bの駆動状態に反射層14を駆動するためにオプティカルスタック16に印加される電圧と同じであっても、同じでなくてもよい。このような電圧が、所望の用途及び偏位の量によって決まることが可能であり、本発明の開示内容を考慮して、当業者が決定することが可能である。
【0066】
図10が、本願明細書に記載されたある実施形態に従う多−状態干渉型変調器に対する反射スペクトルの実施例を示す。破線102によって描かれた第1状態のスペクトル反射が、実質的に黄色であり、点線104によって描かれた第2状態のスペクトル反射が、実質的にシアンであり、実線106によって描かれた第3状態のスペクトル反射が、実質的に黒である。このようなスペクトルを形成するために、図8Aにおける反射層14とオプティカルスタック16との間の距離が、約250から260nmの間(例えば、第1オーダーシアン反射に対して)、約500から520nmの間(例えば、第2オーダーシアン反射に対して)、又は約750から780nmの間(例えば、第3オーダーシアン反射に対して)であってよく、図8Cにおける反射層14とオプティカルスタック16との間の距離が、約283から295nmの間(例えば、第1オーダー黄色反射に対して)、約565から590nmの間(例えば、第2オーダー黄色反射に対して)、又は約848から885nmの間(例えば、第3オーダー黄色反射に対して)であってよい。高いオーダーに対応する距離も可能である。この距離が、キャビティ19内の流体、オプティカルスタック16内の絶縁層の特性、装置の全体厚さ、並びに装置の製造のために使用される堆積及び除去プロセスの精度によって決定されてよいと考えられる。
【0067】
ある実施形態において、第1状態のスペクトル反射が、実施的に黄色であり、第2状態のスペクトル反射が、実施的に青であり、及び第3状態のスペクトル反射が、実施的に黒である。このような反射を形成するために、図8Aにおける反射層14とオプティカルスタック16との間の距離が、約220から250nmの間(例えば、第1オーダー青反射に対して)、約440から500nmの間(例えば、第2オーダー青反射に対して)、又は約660から750nmの間(例えば、第3オーダー青反射に対して)であってよく、図8Cにおける反射層14とオプティカルスタック16との間の距離が、約283から295nmの間(例えば、第1オーダー黄色反射に対して)、約565から590nmの間(例えば、第2オーダー黄色反射に対して)、又は約848から885nmの間(例えば、第3オーダー黄色反射に対して)であってよい。高いオーダーに対応する距離も可能である。
【0068】
ある実施形態において、複数のフィルター素子95が、各フィルター素子95に対応する染め色又は色素の濃度を備えた透明材料(例えばガラス、プラスチック等)を含む。いくつかの実施形態において、複数のフィルター素子95が、ハイブリッド空間的−時間的色合成を使用したLCDディスプレイ用である同様な複数のフィルター素子の約半分の厚さである。いくつかの実施形態において、複数のフィルター素子95が、ハイブリッド空間的−時間的色合成を使用したLCDディスプレイにおいて含まれる同様な複数のフィルター素子の約半分の染め色又は色素の濃度を有する。例えば、日本の東京の凸版、及びミズーリ州ローラのBrewer Science,Inc.から適切なカラーフィルターを入手することが可能である。
【0069】
図11が、例となるフィルター素子95の分光透過率対波長λをプロットしたチャートである。点線112で描かれたシアンフィルター素子が、実質的に約430から530nmの光を透過する。破線114で描かれたマゼンタフィルター素子が、実質的に約380から480nm、及び約600から740nmの光を透過する。実線116で描かれた黄色フィルター素子が、実質的に約500から740nmの光を透過する。
【0070】
ある実施形態において、各フィルター素子のサイズ及び形状が、対応する干渉型変調器(例えば、図9及び図12Aに示されたような)のサイズ及び形状に対応する。いくつかの実施形態において、複数のフィルター素子95が、(例えば、図9に示されるように)2つの実質的に垂直な方向において、第1の組のフィルター素子96が、第2の組のフィルター素子98と交互する格子状パターンを形成する。いくつかの実施形態において、複数のフィルター素子95が、(例えば、図12Aに示されるように)1つの方向において、第1の組のフィルター素子96が、第2の組のフィルター素子98と交互する一連の縦の列を形成する。
【0071】
ある実施形態において、各フィルター素子96、98の形状が、(図9に示されるように)実質的に長方形である。いくつかの実施形態において、各フィルター素子のサイズ及び形状が、(図12B及び12Cに示されるような)複数の干渉型変調器のサイズ及び形状と対応する。このような実施形態において、フィルター素子の一部が、光変調器の光路内に配置され、これが、複数の光変調器における各光変調器に対応する。そのようなものとして、ピクセルが、一組の光変調器を備えてよく、それぞれが、フィルター素子に対応して異なる。本願明細書に使用されるものとして、“対応する(corresponds)”という用語が、制限されるものではないが、実質的に同じ寸法を有することを含む広義語である。いくつかの実施形態において、干渉型変調器92,94及び対応するフィルター素子96,98が、制限されるものではないが、正方形、三角形、台形、及び多角形を含む他の形状を含む。
【0072】
図13Aから13Dが、様々な状態にある複数の光変調器(例えば、干渉型変調器91)を備えた例示的な表示装置90を示す。複数の光変調器91が、第1の組の光変調器92及び第2の組の光変調器94を含む。図13Aから13Dに示された実施形態において、光変調器92,94が、可動反射層14を含む複数の干渉型変調器を備える。表示装置90が、シアンの分光透過率を有し第1の組の光変調器92と対応する第1の組のフィルター素子96、及びマゼンタの分光透過率を有し第2の組の光変調器94と対応する第2の組のフィルター素子98を含む複数のフィルター素子95を備える。図13Aにおいて、光変調器91が、全て、黒のスペクトル反射を有する状態にある。例えば、図8Aから8Cの変調器を使用した場合、各変調器91が、反射層14がオプティカルスタック16に最も近い作動状態にある。対応するフィルター素子の分光透過率に係らず、図13Aの全ての変調器91に対応するピクセルが、観察者99には黒に見える。
【0073】
図13Bにおいて、光変調器91が、黄色のスペクトル反射を有する状態にある。例えば、図8Aから8Cの変調器を使用した場合、各変調器91が、緩和状態にある。第1の組のフィルター素子96を介して透過され、光変調器91から反射され、及び再び第1の組のフィルター素子96を介して透過された光源93からの光が、観察者99には緑に見える。第2の組のフィルター素子98を介して透過され、光変調器91から反射され、及び再び第2の組のフィルター素子98を介して透過された光源93からの光が、観察者99には赤に見える。図13Cにおいて、光変調器91が、青のスペクトル反射を有する状態にある。例えば、図8Aから8Cの変調器を使用した場合、各変調器91が、反射層14がバススタック82に最も近い作動状態にある。対応するフィルター素子の分光透過率に係らず、図13Cの全ての変調器91に対応するピクセルが、観察者99には青に見える。図13Dにおいて、光変調器91が、黄色、青、及び黒のスペクトル反射を有する様々な状態にある。従って、特定の光変調器91を選択的に作動させることにより、表示装置90が、緑、赤、青及び黒の領域を含むピクセルを備えた画像を形成することが可能である。
【0074】
図14Aから14Dが、様々な状態にある複数の光変調器(例えば、干渉型変調器91)を備えた例示的な表示装置90を示す。複数の光変調器91が、第1の組の光変調器92及び第2の組の光変調器94を含む。図13Aから13Dに示された実施形態において、光変調器92,94が、可動反射層14を含む複数の干渉型変調器を備える。表示装置90が、緑の分光透過率を有し第1の組の光変調器92と対応する第1の組のフィルター素子96、及びマゼンタの分光透過率を有し第2の組の光変調器94と対応する第2の組のフィルター素子98を含む複数のフィルター素子95を備える。図14Aにおいて、光変調器91が、全て、黒のスペクトル反射を有する状態にある。例えば、図8Aから8Cの変調器を使用した場合、各変調器91が、反射層14がオプティカルスタック16に最も近い作動状態にある。対応するフィルター素子の分光透過率に係らず、図14Aの全ての変調器91に対応するピクセルが、観察者99には黒に見える。
【0075】
図14Bにおいて、光変調器91が、黄色のスペクトル反射を有する状態にある。例えば、図8Aから8Cの変調器を使用した場合、各変調器91が、緩和状態にある。第1の組のフィルター素子96を介して透過され、光変調器91から反射され、及び再び第1の組のフィルター素子96を介して透過された光源93からの光が、観察者99には緑に見える。第2の組のフィルター素子98を介して透過され、光変調器91から反射され、及び再び第2の組のフィルター素子98を介して透過された光源93からの光が、観察者99には赤に見える。図14Cにおいて、光変調器91が、シアンのスペクトル反射を有する状態にある。例えば、図8Aから8Cの変調器を使用した場合、各変調器91が、反射層14がバススタック82に最も近い作動状態にある。第1の組のフィルター素子96を介して透過され、光変調器91から反射され、及び再び第1の組のフィルター素子96を介して透過された光源93からの光が、観察者99には緑に見える。第2の組のフィルター素子98を介して透過され、光変調器91から反射され、及び再び第2の組のフィルター素子98を介して透過された光源93からの光が、観察者99には青に見える。図14Dにおいて、光変調器91が、黄色、シアン、及び黒のスペクトル反射を有する様々な状態にある。従って、特定の光変調器91を作動させることにより、表示装置90が、緑、赤、青及び黒の領域を含むピクセルを備えた画像を形成することが可能である。他のスペクトル反射を備えた光変調器及び他の分光透過率を備えたフィルター素子を含むディスプレイも可能であると考えられる。
【0076】
ある実施形態において、表示装置90が、フルカラースペクトルを形成するように構成される(すなわち、カラー画像を表すために適した3つ又はそれ以上の原色を形成する表示装置)。適切なスペクトル反射及び分光透過率を備えた一組の光変調器及び一組のフィルター素子が、それぞれ、適切な空間的及び/又は時間的合成を備えたフルカラースペクトルを形成することが可能である。複数の光変調器及び複数のフィルター素子が、これによって、カラー画像を形成することが可能である。以下の実施例は、制限することを目的とするものではないが、第一、第二、及び他の色を使用した他の組み合わせも本願明細書に開示される。
【0077】
図15Aから15Gが、第1ピクセル素子151及び第2ピクセル素子152を備えたフルカラーディスプレイの一部の例示的な実施形態を示す。各ピクセル素子151,152が、それぞれ、黄色、青及び黒のスペクトル反射を有する状態間で切り替えられることが可能である光変調器153,155を備える。第1ピクセル素子151が、マゼンタの分光透過率を有する対応する第1フィルター素子154を含む。第2ピクセル素子152が、シアンの分光透過率を有する対応する第2フィルター素子156を含む。フルカラースペクトルを形成するために、ディスプレイが、空間的及び/又は時間的色合成を使用することが可能である。
【0078】
図15A及び15Bが、第1及び第2ピクセル素子151,152の空間的−時間的色合成を使用した白を形成する実施形態を図示する。図15Aにおいて、光変調器153,155が、黄色のスペクトル反射を有する状態にある。例えば、図8Aから8Cの変調器80を使用した場合、各変調器153,155が、緩和状態にある。第1フィルター素子154を介して透過され、光変調器153から反射され、及び再び第1フィルター素子154を介して透過された光源93からの光が、観察者99には赤に見える。第2フィルター素子156を介して透過され、光変調器155から反射され、及び再び第2フィルター素子156を介して透過された光源93からの光が、観察者99には緑に見える。単一の時間的フィールドにおける赤及び緑のディスプレイが、観察者99には黄色に見えると考えられる。図15Bに図示された隣接する時間的フィールドにおいて、光変調器155が、黄色のスペクトル反射を有する状態のままであり、光変調器153が、青のスペクトル反射を有する状態である。例えば、図8Aから8Cの変調器80を使用した場合、変調器153が、反射層14がバススタック82に最も近い作動状態にある。第1フィルター素子154を介して透過され、光変調器153から反射され、及び再び第1フィルター素子154を介して透過された光源93からの光が、観察者99には青に見える。第2フィルター素子156を介して透過され、光変調器155から反射され、及び再び第2フィルター素子156を介して透過された光源93からの光が、観察者99には緑に見え続ける。単一の時間的フィールドにおける青及び緑のディスプレイが、観察者99にはシアンに見えると考えられる。緑、青、及び赤のスペクトル反射を備えた光の空間的及び時間的混合が、適切な割合で白を合成することが可能である。いくつかの実施形態において、緑、赤及び青の重み付け係数が、それぞれ、約0.7152、0.2126及び0.0722である。いくつかの実施形態において、緑、赤及び青の重み付け係数が、それぞれ、約0.587、0.299及び0.114である。
【0079】
図15Cから図15Gが、単一の時間的フィールドにおけるある他の原色の形成を図示する(例えば、それぞれ図15A及び図15Bに対する上記の黄色及びシアンの色に加えて)。図15Cにおいて、光変調器(例えば、干渉型光変調器)153,155が、黒のスペクトル反射を有する状態にある。例えば、図8Aから8Cの変調器80を使用した場合、各変調器153,155が、反射層14がオプティカルスタック16に最も近い作動状態にある。光変調器153が、黒のスペクトル反射を有する状態にある場合、第1フィルター素子154を介して透過された光源93からの光が、実質的に、光変調器153によって破壊的に反射され、第1ピクセル素子151が、観察者99には黒に見える。光変調器155が、黒のスペクトル反射を有する状態にある場合、第2フィルター素子156を介して透過された光源93からの光が、実質的に、光変調器155によって破壊的に反射され、第2ピクセル素子153が、観察者99には黒に見える。従って、ディスプレイが、黒を合成することが可能である。
【0080】
図15Dにおいて、光変調器153が、黒のスペクトル反射を有する状態にあり、光変調器155が、黄色のスペクトル反射を有する状態にある。光変調器153が、黒のスペクトル反射を有する状態にある場合、第1フィルター素子154を介して透過された光源93からの光が、実質的に、光変調器153によって破壊的に反射され、第1ピクセル素子151が、観察者99には黒に見える。第2フィルター素子156を介して透過され、光変調器155から反射され、及び再び第2フィルター素子156を介して透過された光源93からの光が、観察者99には緑に見える。従って、ディスプレイが、緑を合成することが可能である。
【0081】
図15Eにおいて、光変調器153,155が、青のスペクトル反射を有する状態にある。第1フィルター素子154を介して透過され、光変調器153から反射され、及び再び第1フィルター素子154を介して透過された光源93からの光が、観察者99には青に見える。第2フィルター素子156を介して透過され、光変調器155から反射され、及び再び第2フィルター素子156を介して透過された光源93からの光が、観察者99には青に見える。従って、ディスプレイが、青を合成することが可能である。第1光変調器153又は第2光変調器155のいずれか一方が、黒のスペクトル反射を有する状態にある場合に、ディスプレイが、青を合成することも可能であると考えられる。
【0082】
図15Fにおいて、光変調器153が、黄色のスペクトル反射を有する状態にあり、光変調器155が、黒のスペクトル反射を有する状態にある。第1フィルター素子154を介して透過され、光変調器153から反射され、及び再び第1フィルター素子154を介して透過された光源93からの光が、観察者99には赤に見える。光変調器155が、黒のスペクトル反射を有する状態にある場合、第2フィルター素子156を介して透過された光源93からの光が、実質的に、光変調器155によって破壊的に反射され、第2ピクセル素子152が、観察者99には黒に見える。従って、ディスプレイが、赤を合成することが可能である。
【0083】
図15Gにおいて、光変調器153が、黄色のスペクトル反射を有する状態にあり、光変調器155が、青のスペクトル反射を有する状態にある。第1フィルター素子154を介して透過され、光変調器153から反射され、及び再び第1フィルター素子154を介して透過された光源93からの光が、観察者99には赤に見える。第2フィルター素子156を介して透過され、光変調器155から反射され、及び再び第2フィルター素子156を介して透過された光源93からの光が、観察者99には青に見える。従って、ディスプレイが、マゼンタを合成することが可能である。
【0084】
色彩理論に従い、フルカラースペクトルを合成するために、赤、緑、及び青の様々な混合物が使用されることが可能である。実施例として、図15Dの緑と図15Fの赤とを時間的に混合することにより、オレンジを形成することが可能である。他の実施例として、図15Dの緑、図15Eの青、及び図15Fの赤を時間的に混合することにより、白を形成することも可能である。構成要素の色が、好ましくは、1/60秒未満(約16ミリ秒)で時間的に混合され、HVSが、構成要素の色を解明する(resolve)ことが出来ない。
【0085】
図16Aから16Fが、第1ピクセル素子161及び第2ピクセル素子162を備えたフルカラーディスプレイの一部の例示的な実施形態を示す。各ピクセル素子161,162が、それぞれ、黄色、シアン、及び黒のスペクトル反射を有する状態間で切り替えられることが可能な光変調器(例えば、干渉型変調器)163,165を備える。第1ピクセル素子161が、マゼンタの分光透過率を有する対応する第1フィルター素子164を含む。第2ピクセル素子162が、緑の分光透過率を有する対応する第2フィルター素子166を含む。フルカラースペクトルを形成するために、ディスプレイが、空間的及び/又は時間的色合成を使用することが可能である。
【0086】
図16A及び16Bが、第1及び第2ピクセル素子161,162の空間的時間的色合成を使用した白色を形成する実施形態を図示する。図16Aにおいて、光変調器163,165が、黄色のスペクトル反射を有する状態にある。例えば、図8Aから8Cの変調器80を使用した場合、各変調器163,165が、緩和状態にある。第1フィルター素子164を介して透過され、光変調器163から反射され、及び再び第1フィルター素子164を介して透過された光源93からの光が、観察者99には赤に見える。第2フィルター素子166を介して透過され、光変調器165から反射され、及び再び第2フィルター素子166を介して透過された光源93からの光が、観察者99には緑に見える。単一の時間的フィールドにおける赤及び緑のディスプレイが、観察者99には黄色に見えると考えられる。図16Bに図示された隣接する時間的フィールドにおいて、光変調器165が、黄色のスペクトル反射を有する状態のままであり、光変調器163が、シアンのスペクトル反射を有する状態にある。例えば、図8Aから8Cの変調器80を使用した場合、変調器163が、反射層14がバススタック82に最も近い作動状態にある。第1フィルター素子164を介して透過され、光変調器163から反射され、及び再び第1フィルター素子164を介して透過された光源93からの光が、観察者99には青に見える。第2フィルター素子166を介して透過され、光変調器165から反射され、及び再び第2フィルター素子166を介して透過された光源93からの光が、観察者99には緑に見え続ける。単一の時間的フィールドにおける青及び緑のディスプレイが、観察者99にはシアンに見えると考えられる。緑、青、及び赤のスペクトル反射を備えた光の空間的及び時間的混合が、適切な割合で白を合成することが可能である。いくつかの実施形態において、緑、赤及び青の重み付け係数が、それぞれ、約0.7152、0.2126及び0.0722である。いくつかの実施形態において、緑、赤及び青の重み付け係数が、それぞれ、約0.587、0.299及び0.114である。また、光変調器165が、いずれかの時間的フィールドにおいてシアンのスペクトル反射を有する状態にあった場合に(即ち、第1ピクセル素子が、観察者99には緑に見える)、白が形成されうると考えられる。
【0087】
図16Cから図16Fが、単一の時間的フィールドにおけるある他の原色の形成を図示する(例えば、それぞれ図16A及び図16Bに対する上記の黄色及びシアンの色に加えて)。図16Cにおいて、光変調器163,165が、黒のスペクトル反射を有する状態にある。光変調器163が、黒のスペクトル反射を有する状態にある場合、第1フィルター素子164を介して透過された光源93からの光が、実質的に、光変調器163によって破壊的に反射され、第1ピクセル素子161が、観察者99には黒に見える。光変調器165が、黒のスペクトル反射を有する状態にある場合、第2フィルター素子166を介して透過された光源93からの光が、実質的に、光変調器165によって破壊的に反射され、第2ピクセル素子162が、観察者99には黒に見える。従って、ディスプレイが、黒を合成することが可能である。
【0088】
図16Dにおいて、光変調器163が、黒のスペクトル反射を有する状態にあり、光変調器165が、黄色のスペクトル反射を有する状態にある。光変調器163が、黒のスペクトル反射を有する状態にある場合、第1フィルター素子164を介して透過された光源93からの光が、実質的に、光変調器163によって破壊的に反射され、第1ピクセル素子161が、観察者99には黒に見える。第2フィルター素子166を介して透過され、光変調器165から反射され、及び再び第2フィルター素子166を介して透過された光源93からの光が、観察者99には緑に見える。従って、ディスプレイが、緑を合成することが可能である。また、光変調器165が、シアンのスペクトル反射を有する状態にある場合に(即ち、第1ピクセル素子が、観察者99には緑に見える)、緑が形成されうると考えられる。
【0089】
図16Eにおいて、光変調器163が、シアンのスペクトル反射を有する状態にあり、光変調器165が、黒のスペクトル反射を有する状態にある。第1フィルター素子164を介して透過され、光変調器163から反射され、及び再び第1フィルター素子164を介して透過された光源93からの光が、観察者99には青に見える。光変調器165が、黒のスペクトル反射を有する状態にある場合、第2フィルター素子166を介して透過された光源93からの光が、実質的に、光変調器165によって破壊的に反射され、第2ピクセル素子162が、観察者99には黒に見える。従って、ディスプレイが、青を合成することが可能である。
【0090】
図16Fにおいて、光変調器163が、黄色のスペクトル反射を有する状態にあり、光変調器165が、黒のスペクトル反射を有する状態にある。第1フィルター素子164を介して透過され、光変調器163から反射され、及び再び第1フィルター素子164を介して透過された光源93からの光が、観察者99には赤に見える。光変調器165が、黒のスペクトル反射を有する状態にある場合、第2フィルター素子166を介して透過された光源93からの光が、実質的に、光変調器165によって破壊的に反射され、第2ピクセル素子162が、観察者99には黒に見える。従って、ディスプレイが、赤を合成することが可能である。
【0091】
色彩理論に従い、フルカラースペクトルを合成するために、赤、緑、及び青の様々な混合物が使用されることが可能である。実施例として、図16Dの緑と図16Fの赤とを時間的に混合することにより、オレンジを形成することが可能である。他の実施例として、図16Dの緑、図16Eの青、及び図16Fの赤を時間的に混合することにより、白を形成することも可能である。
【0092】
色の重み付け係数、又は例示的な実施形態及び他の適切な実施形態が、解像度を増加させ及び/又は固定パターン雑音を減少させるために最適化されてよい。例えば、第2ピクセル素子の光変調器が、時間の100%に対する第1状態にある間、第1ピクセル素子の光変調器が、時間の76.3%に対する第1状態及び時間の23.7%に対する第2状態にあってよい。他の割合も可能である。他の実施例において、第1フィルター素子の領域が、第2フィルター素子よりも狭い領域を有してよい(例えば、第2フィルター素子の領域より約50%から75%狭い)。図12Dが、第1の組のフィルター素子96が、第2の組のフィルター素子98よりも大きな実施形態を示す。他の割合も可能である。
【0093】
上記のように、空間的−時間的色合成を使用したLCDsが、光源遷移(illuminant transitions)間のブランキングフィールドを必要とする。個々のサブ−ピクセルレベルにおいて色反射率が制御可能であるため、光変調器を備えたディスプレイが、有利に、ブランキングフィールドを必要としない。例えば、隣接するサブ−ピクセルが、一度に同じ光源で必ず照射されるLCDとは対象的に、1つのサブ−ピクセルが、隣接するサブ−ピクセルが黄色を反射すると同時に、青を反射しうる。ブランキングフィールドの除去が、有利に、光効率を増加させ、電力消費を減少させる。
【0094】
ある実施形態において、光変調器によって反射された光が、外部環境広帯域光源から生じる。環境広帯域光源の例が、制限されるものではないが、太陽光、及び人工照明(例えば、蛍光灯又はフィラメント電球)を含む。ある実施形態において(例えば、下記の投射型ディスプレイ)、ディスプレイが、1つの光源又は複数の光源を含む。ハイブリッド空間的−時間的色合成を利用し、光源を含む光変調器ディスプレイが、有利に、広帯域光(例えば、メタルハライドランプから)又は狭帯域光(例えば、LED投射型照明器から)を提供しうる。いくつかの実施形態において、狭帯域光源が、良好なディスプレイカラー性能(例えば、彩度、色域)を提供する。
【0095】
本願明細書に記載したハイブリッド空間的−時間的色合成を利用した光変調器ディスプレイが、投射型ディスプレイに組み込まれてもよい。図17が、表示装置90と同様な、複数の光変調器及び複数のフィルター素子を備えた投射型ディスプレイ70を示す。投射型ディスプレイ170が、ランプ172、集光レンズ174、整形レンズ176、及び映写レンズ178をさらに備える。上記のように、ランプ172が、広帯域光源(例えば、メタルハライドランプ)又は複数の狭帯域光源(例えば、LEDs)を備えてよい。他の光源も可能である。レンズ174,176,178が、プラスチック、ガラス等を含んでよく、当業界において周知である。光変調器が、色分解を行うことが可能であるため(即ち、異なるスペクトル反射を備えた光を反射することよって)、このような投射型ディスプレイが、有利に、従来型の投射型ディスプレイ(例えば、DLP)に含まれる集光レンズ174と整形レンズ176との間に配置されたカラーホイールを取り除くことが可能である。
【0096】
様々な具体的な実施形態を上に記載した。本発明が、これらの具体的な実施形態を参照して記載されているが、この記載は、本発明の説明を目的とするものであり、制限を目的とするものではない。添付の特許請求の範囲に定義されたような本発明の正確な範囲から逸脱することなく、当業者が、様々な修正及び用途に気付きうる。
【符号の説明】
【0097】
12 干渉型変調器
14 可動反射層
16 オプティカルスタック
18 柱
19 間隙、キャビティ
20 透明基板
21 プロセッサ
22 アレイドライバ
24 行駆動回路
26 列駆動回路
27 ネットワークインターフェース
28 フレームバッファ
29 ドライバコントローラー
30 ディスプレイ
40 表示装置
41ハウジング
43 アンテナ
45 スピーカー
46 マイクロホン
47 トランシーバ
48 入力装置
50 電力供給装置
52 調整用ハードウェア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一時間的フィールドにおいてピクセルの第一サブ−ピクセルに第一色を形成するステップと;
第二時間的フィールドにおいて前記第一サブ−ピクセルに前記第一色と異なる第二色を形成するステップであって、前記第一時間的フィールドと前記第二時間的フィールドとの間に中間のブランキングフィールドを有さない、ステップと;
を含むことを特徴とする画像を形成する方法。
【請求項2】
前記第一時間的フィールドにおける前記ピクセルの第二サブ−ピクセルに前記第一色と異なる第三色を形成するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第二時間的フィールドにおける前記第二サブ−ピクセルに前記第三色を形成するステップをさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第二時間的フィールドにおける前記第二サブ−ピクセルに前記第二色を形成するステップをさらに含むことを特徴とする請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記第一サブ−ピクセルに第一色を形成するステップが、第一光変調器を、第一状態、第二状態及び第三状態の一つに切り替えるステップを含み、
前記各状態が、異なるスペクトル反射を有し、
前記第二サブ−ピクセルに第三色を形成するステップが、第二光変調器を、前記第一状態、第二状態及び第三状態の一つに切り替えるステップを含むことを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第一サブ−ピクセルに第一色を形成するステップが、前記第一光変調器を、前記第一状態に切り替えるステップと、第一分光透過率を有する第一フィルター素子を備えた前記第一光変調器によって変調された光をフィルタリングするステップと、を含み、
前記第二サブ−ピクセルに第三色を形成するステップが、前記第二光変調器を、前記第一状態に切り替えるステップと、前記第一フィルター素子と異なる第二分光透過率を有する第二フィルター素子を備えた前記第二光変調器によって変調された光をフィルタリングするステップと、を含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第一サブ−ピクセルに第二色を形成するステップが、前記第一光変調器を、前記第一状態、第二状態及び第三状態の他の状態に切り替えるステップを含むことを特徴とする請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
前記第一光変調器が、前記第二光変調器よりも狭い領域を有することを特徴とする請求項5から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記第一光変調器の領域が、前記第二光変調器の領域より約50%から約75%狭いことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第一サブ−ピクセルに第一色を形成するステップが、第一光変調器を、第一スペクトル反射を有する第一状態に切り替えるステップを含み、前記第一サブ−ピクセルに第二色を形成するステップが、第一光変調器を、前記第一状態と異なるスペクトル反射を有する第二状態に切り替えるステップを含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記第一光変調器が、第一及び第二スペクトル反射と異なる第三スペクトル反射を有する第三状態に切り替え可能であり、前記第三スペクトル反射が、実質的に黒であることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第一時間的フィールドが、前記第二時間的フィールドよりも長い継続時間を有することを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記第一色を形成するステップが、広帯域光源からの光を反射するステップを含み、
前記第二色を形成するステップが、広帯域光源からの光を反射するステップを含むことを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記第一色を形成するステップが、狭帯域光源からの光を反射するステップを含み、
前記第二色を形成するステップが、狭帯域光源からの光を反射するステップを含むことを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記狭帯域光源が、LED投射型照明器を含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
第一時間的フィールドの間にピクセルの第一サブ−ピクセルに第一色を形成するステップと;
前記第一時間的フィールドの直後の第二時間的フィールドの間に前記第一サブ−ピクセルに前記第一色と異なる第二色を形成するステップと;
を含むことを特徴とする画像を形成する方法。
【請求項17】
前記第一時間的フィールドの間に前記ピクセルの第二サブ−ピクセルに前記第一色と異なる第三色を形成するステップと;
前記第二時間的フィールドの間に前記第二サブ−ピクセルに前記第三色を形成するステップと;
をさらに含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第一時間的フィールドの間に前記ピクセルの第二サブ−ピクセルに前記第一色と異なる第三色を形成するステップと;
前記第二時間的フィールドの間に前記第二サブ−ピクセルに前記第二色を形成するステップと;
をさらに含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記第一サブ−ピクセルに第一色を形成するステップが、第一光変調器を、第一状態、第二状態及び第三状態の一つに切り替えるステップを含み、
前記各状態が、異なるスペクトル反射を有し、
前記第一サブ−ピクセルに第二色を形成するステップが、前記第一光変調器を、前記第一状態、第二状態及び第三状態の他の状態に切り替えるステップを含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項20】
第一時間的フィールド及び第二時間的フィールドから構成された継続時間の間にピクセルの第一サブ−ピクセルに第一色を形成するステップと;
前記第一時間的フィールドにおいて前記ピクセルの第二サブ−ピクセルに前記第一色と異なる第二色を形成するステップと;
前記第二時間的フィールドにおいて前記第二サブ−ピクセルに前記第一及び第二色と異なる第三色を形成するステップと;
を含むことを特徴とする画像を形成する方法。
【請求項21】
前記第一時間的フィールドが、前記第二時間的フィールドよりも長い継続時間を有することを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記第二色を形成するステップが、前記第三色を形成するステップの前に存在することを特徴とする請求項20または21に記載の方法。
【請求項23】
前記第一サブ−ピクセルに第一色を形成するステップが、第一光変調器を、第一状態、第二状態及び第三状態の一つに切り替えるステップを含み、
前記各状態が、異なるスペクトル反射を有し、
前記第二サブ−ピクセルに第二色を形成するステップが、第二光変調器を、前記第一状態、第二状態及び第三状態の一つに切り替えるステップを含み、
前記第二サブ−ピクセルに第三色を形成するステップが、前記第二光変調器を、前記第一状態、第二状態及び第三状態の他の状態に切り替えるステップを含むことを特徴とする請求項20から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
表示装置に接続されるように構成されたドライバコントローラーを含むデバイスであって、
前記表示装置が、複数のサブ−ピクセルを含む少なくとも一つのピクセルを備え、
前記各サブ−ピクセルが、色を形成することによって信号に応答し、
前記ドライバコントローラーが、第一信号及び第二信号を形成するように構成され、
前記少なくとも一つのピクセルの第一サブ−ピクセルが、第一時間的フィールドの間に第一色を形成することにより前記第一信号に応答し、第二時間的フィールドの間に前記第一色と異なる第二色を形成することにより前記第二信号に応答し、前記第一時間的フィールドと前記第二時間的フィールドとの間に中間のブランキングフィールドを有さないことを特徴とするデバイス。
【請求項25】
前記ドライバコントローラーが、集積回路を含むことを特徴とする請求項24に記載のデバイス。
【請求項26】
前記ドライバコントローラーが、干渉型変調器コントローラーを含むことを特徴とする請求項24または25に記載のデバイス。
【請求項27】
前記第一時間的フィールドが、前記第二時間的フィールドよりも長い継続時間を有することを特徴とする請求項24から26のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項28】
前記ドライバコントローラーが、ハードウェアまたはソフトウェアとしてプロセッサに組み込まれていることを特徴とする請求項24から27のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項29】
前記ドライバコントローラーが、ハードウェアとしてアレイドライバに組み込まれていることを特徴とする請求項24から28のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項30】
前記ドライバコントローラーが、第三信号を形成するように構成され、
前記少なくとも一つのピクセルの第二サブ−ピクセルが、前記第一時間的フィールドの間及び前記第二時間的フィールドの間に第三色を形成することにより前記第三信号に応答し、
前記第三色が、前記第一及び第二色と異なることを特徴とする請求項24から29のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項31】
表示装置をさらに備え、
前記第一サブ−ピクセルが、第一状態、第二状態及び第三状態を有する第一干渉型変調器を備え、
前記各状態が、異なるスペクトル反射を有し、
前記第二サブ−ピクセルが、前記第一状態、第二状態及び第三状態を有する第二干渉型変調器を備えることを特徴とする請求項30に記載のデバイス。
【請求項32】
前記第一及び第二信号が、前記第一干渉型変調器を、前記第一状態、第二状態及び第三状態の間で切り替えるように構成され、
前記第三信号が、前記第二干渉型変調器を、前記第一状態、第二状態及び第三状態の間で切り替えるように構成されることを特徴とする請求項31に記載のデバイス。
【請求項33】
第一光変調器に対応する第一フィルター素子と;
第二光変調器に対応する第二フィルター素子と;
をさらに備え、
前記第一フィルター素子が、前記第二フィルター素子と異なる分光透過率を有することを特徴とする請求項31または32に記載のデバイス。
【請求項34】
表示装置をさらに備え、
前記第一サブ−ピクセルが、第一状態、第二状態及び第三状態を有する干渉型変調器を備え、
前記第一及び第二信号が、前記干渉型変調器を、前記第一状態、第二状態及び第三状態の間で切り替えるように構成されることを特徴とする請求項24に記載のデバイス。
【請求項35】
表示装置に接続されるように構成されたドライバコントローラーを含むデバイスであって、
前記表示装置が、少なくとも第一サブ−ピクセルと第二サブ−ピクセルを含む少なくとも一つのピクセルを備え、
前記各サブ−ピクセルが、色を形成することによって信号に応答し、
前記ドライバコントローラーが、複数の信号を形成するように構成され、
第一時間的フィールド及び第二時間的フィールドから構成された継続時間の間に第一色を形成することにより、前記第一サブ−ピクセルが、前記複数の信号に応答し、
前記第一時間的フィールドの間に前記第一色と異なる第二色を形成し及び前記第二時間的フィールドの間に前記第一色及び第二色と異なる第三色を形成することにより、前記第二サブ−ピクセルが、前記複数の信号に応答することを特徴とするデバイス。
【請求項36】
表示装置をさらに備え、
前記第一サブ−ピクセルが、第一状態、第二状態及び第三状態を有する第一干渉型変調器を備え、
前記各状態が、異なるスペクトル反射を有し、
前記第二サブ−ピクセルが、前記第一状態、第二状態及び第三状態を有する第二干渉型変調器を備えることを特徴とする請求項35に記載のデバイス。
【請求項37】
前記複数の信号が、前記第一干渉型変調器を、前記第一状態、第二状態及び第三状態の間で切り替え、前記第二干渉型変調器を、前記第一状態、第二状態及び第三状態の間で切り替えるように構成されることを特徴とする請求項36に記載のデバイス。
【請求項38】
第一光変調器に対応する第一フィルター素子と;
第二光変調器に対応する第二フィルター素子と;
をさらに備え、
前記第一フィルター素子が、前記第二フィルター素子と異なる分光透過率を有することを特徴とする請求項36または37に記載のデバイス。
【請求項39】
前記第一サブ−ピクセルが、前記第二サブ−ピクセルよりも小さな表示領域を有することを特徴とする請求項35から38のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項40】
前記第一時間的フィールドが、前記第二時間的フィールドよりも長い継続時間を有することを特徴とする請求項35から39のいずれか一項に記載のデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図12D】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図13D】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図14D】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図15D】
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【図15E】
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【図15F】
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【図15G】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図16D】
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【図16E】
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【図16F】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−68681(P2012−68681A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−283148(P2011−283148)
【出願日】平成23年12月26日(2011.12.26)
【分割の表示】特願2009−547258(P2009−547258)の分割
【原出願日】平成20年1月14日(2008.1.14)
【出願人】(508095337)クォルコム・メムズ・テクノロジーズ・インコーポレーテッド (133)
【Fターム(参考)】