説明

多目的クランプ

【課題】工具を使用することなく、手で容易に異なる太さのパイプに固定する為の多目的クランプ。
【解決手段】多目的クランプ1は、挟み部2、挟み部3、レバー4、及び線ばね5を備え、挟み部2に、凸形状のパイプ保持部21を複数個所設け、取付部22を固着し、さらに線ばね5を取り付け、挟み部3に、凸形状のパイプ保持部31を複数個所設け,レバー4と挟み部3がレバー支点7によって回動可能に連結されており、レバー4に線ばね5を引っ掛ける為の溝状の線ばね引っ掛け部41を複数個所設け、挟み部2と挟み部3が挟み部支点6によって回動可能に連結されており、線ばね5をレバー4の線ばね引っ掛け部41に引っ掛け、レバーを回動させ、線ばね5により、挟み部2と挟み部3でパイプPを狭持することにより固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートやネット及びその他産業機器を保持する為の多目的クランプに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パイプにシートやネットを帳装する方法は、ボルトとナットを螺合させて、一対になったフックを備えるクランプ本体をパイプに固定し、上記フックにシートやネットを取り付けたり、シートやネットに備えられた孔にロープを通し、上記フックに結び付けるというものであった。このように従来のシートやネットを取り付けるクランプでは、クランプをパイプに固定する時に、ボルトにナットを螺合させるための専用工具が必要であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 実公平6−32601公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
工具を使用することなく、手で短時間に容易に異なる太さのパイプに固定する為の多目的クランプ。
【課題を解決するための手段】
【0005】
挟み部2、挟み部3、レバー4、及び線ばね5を備えた多目的クランプであって、挟み部2は、略直方体形状で、内側がパイプ保持側で、外側に取付部22を固着し、線ばね5を挟み部支点6とは異なる端部に、挟み部3は略直方体形状で、内側がパイプ保持側で、レバー4を挟み部3の挟み部支点6とは異なる端部にレバー支点7によって回動可能に連結し、レバー4に線ばね5を引っ掛ける為の溝状の線ばね引っ掛け部41を設け、挟み部2と挟み部3は、挟み部支点6で、回動可能に連結し、線ばね5をレバー4の線ばね引っ掛け部41に引っ掛け、レバーを回動させ、線ばね5により、挟み部2と挟み部3でパイプPを狭持することにより固定することを特徴する多目的クランプ。
また挟み部2に線ばね5を引っ掛ける為の溝状の線ばね引っ掛け部41を設け、レバー4に線ばね5を備えることも可能である。
さらに取付部22はフック状、又は、挟みによるチャック機能を有するなど、機能に応じて形状を変更できる。形状を変更することで様々な産業機器を取付けることが可能である。
【0006】
挟み部2に複数の凸形状のパイプ保持部21、挟み部3に複数のパイプ保持部31を設け、パイプ保持部21とパイプ保持部31を合計4個所以上とすることにより、パイプの挟持を強くしたことを特徴とする多目的クランプ。
【0007】
レバー4に引っ掛ける線ばね引っ掛け部41を複数個所設けることにより、複数の種類の太さのパイプに応じられるようにした多目的クランプ。
【発明の効果】
【0008】
(1)ボルトとナットでパイプを締めつける為の工具を用いる必要が無く、クランプする 為にかかる時間が比較的短く済み、施工性が高い。
(2)パイプに4箇所以上に接触し狭持するので滑りにくい。
(3)複数の種類の太さのパイプに固定することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の多目的クランプの構成図である
【図2】本発明の多目的クランプの使用方法である (a)挟み部が開いており、線ばねをレバーの線ばね引っ掛け部に引っ掛ける前の状態 (b)挟み部が閉じて、線ばねをレバーの線ばね引っ掛け部に引っ掛けた状態 (c)レバーを回転させて、線ばねをたわませてパイプに挟み部を当て、挟持している状態 (d)線ばね引っ掛け部を変えて異なる太さのパイプを挟持している状態
【図3】本発明の多目的クランプの施工例である
【図4】本発明の多目的クランプの取付部22が挟みによるチャック機能を有するものである
【図5】本発明の多目的クランプであって、挟み部2に線ばね5を引っ掛ける為の溝状の線ばね引っ掛け部41を設け、レバー4に線ばね5を備えたものの構成図である
【図6】本発明の多目的クランプであって、挟み部2に線ばね5を引っ掛ける為の溝状の線ばね引っ掛け部41を設け、レバー4に線ばね5を備えたものの使用方法である (a)挟み部が開いており、線ばねを挟み部の線ばね引っ掛け部に引っ掛ける前の状態 (b)挟み部が閉じて、線ばねを挟み部の線ばね引っ掛け部に引っ掛けた状態 (c)レバーを回転させて、線ばねをたわませてパイプに挟み部を当て、挟持している状態 (d)線ばね引っ掛け部を変えて異なる太さのパイプを挟持している状態
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本発明の多目的クランプの構成である。
多目的クランプ1は、挟み部2、挟み部3、レバー4及び線ばね5を備えている。
挟み部2は、略直方体形状で、内側がパイプ保持側で、そこに凸形状のパイプ保持部21を複数個所設け、外側に取付部22を固着し、線ばね5を挟み部支点6とは異なる端部に備える。挟み部3は略直方体形状で、内側がパイプ保持側で、そこにパイプを保持するための凸形状のパイプ保持部31(図2(a)参照)を複数個所設け、レバー4を挟み部3の挟み部支点6とは異なる端部にレバー支点7によって回動可能に連結する。
【0011】
図2は、本発明の多目的クランプの使用方法である。(a)は挟み部2と挟み部3が開いており、線ばね5をレバー4の線ばね引っ掛け部41に引っ掛ける前の状態、(b)は挟み部2と挟み部3が開いており、線ばね5をレバー4の線ばね引っ掛け部41に引っ掛けた状態、(c)はレバー4を回動させて、線ばね5をたわませてパイプPにパイプ保持部21とパイプ保持部31を接触させ、挟持している状態を示す。
本発明である多目的クランプをパイプに固定する場合は、図2(a)のように、挟み部2と挟み部3が開いている状態から、図2(b)のように、挟み部2と挟み部3を閉じて、線ばね5をレバー4の線ばね引っ掛け部41に引っ掛け、レバーを回動させ、線ばね5により、挟み部2と挟み部3でパイプPを狭持して固定する。
図2では、線ばね引っ掛け部41が2個所としているが、3個所以上設けることによって、より色々な種類の太さのパイプに対応出来る。
また、挟み部2と挟み部3にそれぞれ、凸形状のパイプ保持部21,パイプ保持部31を複数設け、4個所以上の複数個所で強くパイプを挟持し滑りにくくしている。
【0012】
図3は、多目的クランプの使用例であり、多目的クランプ1をパイプPに固定し、シートYに設けられた孔に取付部22を引っ掛け、シートを帳装している状態を示す。
また取付部22の形状を変更することによって、シートやネット以外の様々な産業機器を取付けることが可能である。
【0013】
図5は、本発明の多目的クランプであって、挟み部2に線ばね5を引っ掛ける為の溝状の線ばね引っ掛け部41を設け、レバー4に線ばね5を備えたものの構成である。
多目的クランプ1は、挟み部2、挟み部3、レバー4及び線ばね5を備えている。
挟み部2は、略直方体形状で、内側がパイプ保持側で、そこに凸形状のパイプ保持部21を複数個所設け、外側に取付部22を固着し、線ばね5を引っ掛ける為の溝状の線ばね引っ掛け部41を設ける。挟み部3は略直方体形状で、内側がパイプ保持側で、そこにパイプを保持するための凸形状のパイプ保持部31(図6(a)参照)を複数個所設け、レバー4を挟み部3の挟み部支点6とは異なる端部にレバー支点7によって回動可能に連結する。
【0014】
図6は、本発明の多目的クランプであって、挟み部2に線ばね5を引っ掛ける為の溝状の線ばね引っ掛け部41を設け、レバー4に線ばね5を備えたものの使用方法である。(a)は挟み部2と挟み部3が開いており、線ばね5を挟み部2の線ばね引っ掛け部41に引っ掛ける前の状態、(b)は挟み部2と挟み部3が開いており、線ばね5を挟み部2の線ばね引っ掛け部41に引っ掛けた状態、(c)はレバー4を回動させて、線ばね5をたわませてパイプPにパイプ保持部21とパイプ保持部31を接触させ、挟持している状態を示す。
本発明である多目的クランプをパイプに固定する場合は、図6(b)のように、挟み部2と挟み部3が開いている状態から、図6(c)のように、挟み部2と挟み部3を閉じて、線ばね5を挟み部2の線ばね引っ掛け部41に引っ掛け、レバーを回動させ、線ばね5により、挟み部2と挟み部3でパイプPを狭持して固定する。
図6では、線ばね引っ掛け部41が2個所としているが、3個所以上設けることによって、より色々な種類の太さのパイプに対応出来る。
また、挟み部2と挟み部3にそれぞれ、凸形状のパイプ保持部21,パイプ保持部31を複数設け、4個所以上の複数個所で強くパイプを挟持し滑りにくくしている。
【産業上の利用可能性】
【0015】
本発明の多目的クランプは、パイプに固定するとき、工具を用いることなく、パイプを挟むことで、手で、比較的短時間でパイプに固定し、シートやネット及びその他産業機器を取り付けることが出来る。
【符号の説明】
【0016】
1 多目的クランプ
2 挟み部
21 パイプ保持部
22 取付部
3 挟み部
31 パイプ保持部
4 レバー
41 線ばね引っ掛け部
5 線ばね
6 挟み部支点
7 レバー支点
P パイプ
Y シート
C チャック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
挟み部2、挟み部3、レバー4、及び線ばね5を備えた多目的クランプであって、挟み部2は、略直方体形状で、内側がパイプ保持側で、外側に取付部22を固着し、線ばね5を挟み部支点6とは異なる端部に備え、挟み部3は略直方体形状で、内側がパイプ保持側で、レバー4を挟み部3の挟み部支点6とは異なる端部にレバー支点7によって回動可能に連結し、レバー4に線ばね5を引っ掛ける為の溝状の線ばね引っ掛け部41を設け、挟み部2と挟み部3は、挟み部支点6で、回動可能に連結し、線ばね5をレバー4の線ばね引っ掛け部41に引っ掛け、レバーを回動させ、線ばね5により、挟み部2と挟み部3でパイプPを狭持することにより固定することを特徴する多目的クランプ。
【請求項2】
挟み部2に複数の凸形状のパイプ保持部21、挟み部3に複数の凸形状のパイプ保持部31を設け、パイプ保持部21とパイプ保持部31を合計4個所以上とすることにより、パイプの挟持を強くしたことを特徴とする請求項1記載の多目的クランプ。
【請求項3】
レバー4に線ばね引っ掛け部41を複数個所設けることにより、複数の種類の太さのパイプに応じられるようにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の多目的クランプ。
【請求項4】
挟み部2は、外側に一つ又は複数のフック、又はチャックを有する取付部22を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の多目的クランプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−225503(P2012−225503A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−104721(P2011−104721)
【出願日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(310007933)山陽株式会社 (4)
【出願人】(393000445)株式会社三共 (10)
【Fターム(参考)】