説明

多色印刷流体の探知方法

本発明の多色印刷流体の探知方法は、明細書及び特許請求の範囲に記載されている。多色印刷流体は、一液型湿し水と、二液型湿し水と、巻取紙剥離剤と、からなる群から選択される。用いられるトレーサーは、対象とする各多色印刷流体において、蛍光分析により探知可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷流体に関する。特に、本発明は、異なる種類の印画工程においてさまざまな方法で使用される湿し水中及び巻取紙剥離剤中での蛍光トレーサーの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷流体は、湿し水及び巻取紙剥離剤を含んでいる。
湿し水は、オフセット印刷機で、オフセット版の非画像部へインクが付着するのを防ぐために使用されている。湿し水には、
(1)インクを水膜でバックグラウンドに触れさせないこと、
(2)バックグラウンドの親水性を維持すること、
(3)印刷開始時に素早くバックグラウンドのインクを落とすこと、
(4)印刷版の表面への水の高速拡散を促進すること、
(5)水流が水付けローラーを介して均一になるようにすること、
(6)印刷版とブランケットを潤滑すること、そして
(7)インクと水の乳化を制御すること、
という7つの機能がある。
【0003】
湿し水は、一般的に、以下の5つの主要な要素を有している。
(a)湿し水の最大の割合を占める水。
(b)pH値を減少させ、バックグラウンド領域の水に対する感度を維持するだけでなく、版画像部のインクに対する感度を維持するための酸。
(c)水の表面張力を緩和し、非印刷部(非画像部)の湿潤特性の維持を許容する湿潤剤又は界面活性剤。版をきれいに保つために必要な水の量を減らすことによって、湿潤剤もまた印刷に必要なインクの量を減らす。イソプロピルアルコールは、添加される湿潤剤のうち、もっとも一般的なものの一つである。
(d)アルミニウム版上の酸の腐食作用を最小化する版調整剤及びその他の添加剤。これらは、版の寿命を引き延ばし、全般的な印刷品質を向上させる役割を果たす。
(e)消泡剤及び抗菌剤はほとんどの湿し水に含まれている。
【0004】
湿し水は、また、溶液を酸性に保持する緩衝化合物と、いかなる堆積の機会をも排除する非堆積剤(NPA)と、ブランケットの放出特性を高め、紙むけ傾向による堆積を最小限度にするシリコン材と、アラビアゴムとを含んでいてもよい。ゴムの機能は、印刷版の非画像部に接着して、非画像部をインクの受容から保護することである。ゴムは、また、印刷停止時の印刷版を、湿気と薬品による腐食(化学攻撃)から保護する機能も有している。今日、CMC(カルボキシメチルセルロース)等のようないくつかのゴム代用品が使用されている。しかしながら、印刷版の非画像部をきれいに保つために、アラビアゴムは未だにもっとも効果的な物質である。
【0005】
巻取紙剥離剤は、ロールの表面張力を緩和することによる、シート剥離を提供する。巻取紙剥離剤は、
(a)巻取紙の再湿化と、
(b)巻取紙の潤滑と、
(c)巻取紙破損の低下と、
(d)マーキングの防止と、
(e)印刷画像の保護と、
(f)静的還元と、
(g)所望の滑りと、
を提供する、化学的にシリコン系(界面活性剤)混合物である。現在の印刷の慣例では、巻取紙剥離剤中の第一の構成要素は、合成シリコン、天然シリコン、そして天然シリコンと合成シリコンの混合物から構成される群の中から選択されるシリコン材である。
【0006】
印刷流体の使用及び応用の監視と制御は、米国特許5,826,507で、発明の名称が「オフセット印刷における湿し水量の測定方法」に記載の技術を用いて、既になされているといえる。この特許文献は、オフセット印刷装置に用いられる湿し水の量の測定方法についての情報を包含しており、探知可能な物質を湿し水に添加し、インクローラー及び/又は印刷された紙の画像部及び非画像部などの目標物における探知可能な物質の量を探知し、湿し水の量に関連するこの探知可能な物質の量はオフセット印刷工程で用いられる湿し水の量に関する。低濃度の湿し水の化学組成又は希釈タンク内に存在する湿し水の量の両方は、本発明によって測定ないし制御がされない。
【0007】
米国特許5,826,507において、非蛍光トレーサー物質、塩化リチウムの試験は、オフラインで断続的に行われ、非常に長いマニュアルのサンプルの調整手順を要する。それゆえに、この試験は、印画工程の即時制御には、即刻応答でできず、又は用いることができない。
【0008】
英国特許出願GB2254917には、オフセット印刷機の印刷用紙の表面における水付け媒体流体膜の厚さの測定装置が記載されている。この印刷機では、ある濃度の蛍光媒体が流体膜に添加され、印刷用紙の表面で蛍光を発するためのUVレーザの使用が誘発される。蛍光放射線は探知され、その強度は流体膜の厚さを測定するために用いられる。励起放射線は変調されてもよい。
【0009】
英国特許出願GB2254917におけるシステムは、印刷機の機械的調整を制御するために用いられ、湿し水の化学組成には用いられない。湿し水への蛍光プローブの添加は、膜厚の測定を可能とするためだけに制御され、湿し水の化学組成を制御するための手段として用いられない。湿し水組成の自動制御は、蛍光プローブについてのみ適用する。蛍光プローブは他の化学物質とともに添加されず、システムへの他の化学物質の制御も行わない。
【0010】
要求量の印刷流体が印刷工程の一部である所定位置に存在しているかどうかを測定するためには、付加的な方法を有することが好ましい。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0011】
発明の要旨
本発明の第一の態様は、
(1)一又は二以上の多色印刷流体が用いられる印画工程であって、前記多色印刷流体が、湿し水及び巻取紙剥離剤からなる群から選択される、印画工程を提供する工程と、
(2)対象とする各多色印刷流体に対する蛍光分析によって探知可能であるトレーサー物質を提供する工程であって、対象とする各多色印刷流体へ添加される各トレーサー物質は探知可能な蛍光信号を有している工程と、
(3)対象とする多色印刷流体内で用いられる各トレーサー物質の蛍光信号を探知可能な、一又は二以上の蛍光光度計を提供する工程と、
(4)前記一又は二以上の蛍光光度計を、紙面上の多色印刷流体を測定するための場所が選択できない場合以外は、対象とする多色印刷流体の有無の探知が要求される印画工程内のいずれかに配置する工程と、
(5)印画工程内における一又は二以上の場所で、前記トレーサー物質の蛍光信号を探知し、測定するために、前記一又は二以上の蛍光光度計を使用する工程と、
(6)印画工程内の選択された場所において、どれだけの量の各多色印刷流体が存在するかを測定するために、探知され、測定された前記トレーサー物質の蛍光信号を使用する工程と、
(7)随意的に、存在する多色印刷流体の量が対象とする場所で最適化されるように、前記印画工程の運転パラメータを調整する工程と、
を具備する多色印刷流体の探知方法である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本特許出願を通じて、以下の語彙は示された定義を有する。
「aka」は、「同様に、〜として知られている」を意味する。
「Anchor」は、Anchor,50 Industrial Loop,North,Orange Park.FL,800−354−2300を参照する。
「探知可能な」は、バックグラウンド材の蛍光信号よりも少なくとも5倍大きい蛍光信号の存在を意味する。
「CAS登録番号」は、Chemical Abstracts Servicesの登録番号を参照する。
「C&W」は、C&W Unlimited,217−A Washington Avenue,Carlstadt,NJ 201−933−4343を参照する。
「ICM」は、ICM Products,Inc.,805 Wolfe Avenue,Cassopolis,MN 49031,616−445−0847を参照する。
「Nalco」は、Nalso Company,1601 W.Diehl Road,Naperville IL 60563,電話番号(630)305−1000を参照する。
「PFSF」は、購入した湿し水の式を参照する。
「PWRA」は、購入した巻取紙剥離剤を参照する。
「RBP」は、Chemical Technology,150 South 118th Street,Milwaukee,WI,53214,電話番号414−258−7908を参照する。そして、
「Rycoline」は、Rycoline Products,Inc.,5540 N.Northwest Highway,Chicago,IL,60630,800−621−1003を参照する。
【0013】
本発明の第一の態様は、
(1)一又は二以上の多色印刷流体が用いられる印画工程であって、前記多色印刷流体が、湿し水及び巻取紙剥離剤からなる群から選択される、印画工程を提供する工程と、
(2)対象とする各多色印刷流体に対する蛍光分析によって探知可能であるトレーサー物質を提供する工程であって、対象とする各多色印刷流体へ添加される各トレーサー物質は探知可能な蛍光信号を有している工程と、
(3)対象とする多色印刷流体内で用いられる各トレーサー物質の蛍光信号を探知可能な、一又は二以上の蛍光光度計を提供する工程と、
(4)前記一又は二以上の蛍光光度計を、紙面上の多色印刷流体を測定するための場所が選択できない場合以外は、対象とする多色印刷流体の有無の探知が要求される印画工程内のいずれかに配置する工程と、
(5)印画工程内における一又は二以上の場所で、前記トレーサー物質の蛍光信号を探知し、測定するために、前記一又は二以上の蛍光光度計を使用する工程と、
(6)印画工程内の選択された場所において、どれだけの量の各多色印刷流体が存在するかを測定するために、探知され、測定された前記トレーサー物質の蛍光信号を使用する工程と、
(7)随意的に、存在する多色印刷流体の量が対象とする場所で最適化されるように、前記印画工程の運転パラメータを調整する工程と、
を具備する多色印刷流体の探知方法である。
【0014】
本発明の方法を用いて探知できる多色印刷流体は、湿し水及び巻取紙剥離剤からなる群から選択される。
【0015】
湿し水は、印刷ジョブの特定の要求に見合うように調整されている。それによって、すべての成分が、異なる濃度であってもよいし、時として、湿し水中に存在することが要求されないこともある。本発明の方法において有用な湿し水の群は、通常、一液型湿し水と二液型湿し水とに分けられる。一液型湿し水は、一般的に以下の成分を含有している。すなわち、水、酸、湿潤剤(界面活性剤及び/又はイソプロピルアルコール)、緩衝剤、版調整剤、及びアラビアゴム又はカルボキシメチルセルロースである。一液型湿し水は、二液型湿し水とは異なっている。それは、一液型湿し水は、上記すべての成分を一液中に含有しているが、一方、二液型湿し水は、成分を酸溶液と湿潤剤溶液とに分割しているからである。
【0016】
本発明の方法に用いるのに適当で、かつ、商業的に入手可能な一液型湿し水は、以下のものを含む。
弱酸性湿し水 990 NRO、C&W Unlimited社製、
BPC ETCH HW 264724−330P、Rycoline社製、
2953 Quad Special Etch Single−Part Acid Fountain Solution、Anchor社製、
2150 エメラルド プレミアム WCNP 高速巻取紙酸湿し水、Anchor社製、
20231 エメラルド プレミアム KDMV−V、Anchor社製、及び
20180 エメラルド プレミアム QRKW、Anchor社製、である。
【0017】
二液型湿し水は、一般的に以下の成分を含有している。すなわち、水、酸、湿潤剤(界面活性剤及び/又はイソプロピルアルコール)、緩衝剤、版調整剤、及びアラビアゴム又はカルボキシメチルセルロースである。二液型湿し水の第一成分は、水と、酸と、緩衝剤とから構成される。二液型湿し水の第二成分は、水と、湿潤剤と、他の調整剤とから構成される。二液型湿し水は、一液型湿し水とは異なっている。それは、二液型湿し水は、成分を酸溶液と湿潤剤溶液とに分割しているからである。
【0018】
適当で、かつ、商業的に入手可能な二液型湿し水は、RBP社製Concept21系を含んでおり、二液型湿し水とともに、以下で説明する。
Concept21 ADM2.0は、酸性脱感作修飾剤である。これは、着色、調色、走査のような、版感度の問題を処理する。これは、湿し水の酸源となる。本発明の目的のため、この物質は二液型湿し水の第一成分とされる。
【0019】
Concept21 STM2.0は、表面張力修飾剤であり、その系の湿潤剤及び調整剤を含んでいる。本発明の目的のため、この物質は二液型湿し水の第二成分とされる。
【0020】
Concept21系の第二成分又は他の商業的に入手可能な二液湿し水は、版感度及び湿し水の表面張力特性の独立した調整を許容するように、また、印刷装置が、紙、インク、版、湿し水装置及びその他の要因によって決まる特定の印刷ジョブへ、湿し水をカスタマイズするのを許容するように、調整される。
【0021】
一液型湿し水に適したトレーサーは、
2−アントラセンスルホン酸ナトリウム塩(CAS登録番号16106−40−4)、
1,5−アントラセンジスルホン酸(CAS登録番号61736−91−2)及びその塩、
2,6−アントラセンジスルホン酸(CAS登録番号61736−95−6)及びその塩、
1,8−アントラセンジスルホン酸(CAS登録番号61736−92−3)及びその塩、
(出願日が2003年7月31日で、発明の名称が「不活性蛍光トレーサーとしてのジスルホン酸化アントラセンの使用」である、現在継続中の米国特許出願番号10/631,606を参照する。これにより、この出願がそっくりそのまま組み込まれる。)
アントラ[9,1,2−cde]ベンゾ[rst]ペンタフェン−5,10−ジオール,16,17−ジメトキシ−,ビス(硫酸水素),二ナトリウム塩、aka Anthrasol Green IBA(CAS登録番号2538−84−3)、aka 可溶性Vat Dye)、
バソフェナントロリンジスルホン酸二ナトリウム塩(CAS登録番号52746−49−3)、
1H−ベンズ[de]イソキノリン−5−スルホン酸,6−アミノ−2,3−ジヒドロ−2−(4−メチルフェニル)−1,3−ジオキソ−,一ナトリウム塩、aka ブリリアントアシッドイエロー 8G(CAS登録番号2391−30−2)、aka Lissamine Yellow FF、アシッドイエロー 7、
ベンゾ[a]フェノキサジン−7−イウム,5,9−ジアミノ−,アセテート、aka クレジルバイオレットアセテート(CAS登録番号10510−54−0)、
1−エチルキナルジニウムヨージド(CAS登録番号606−53−3)、
Keyfluor White ST(CAS登録番号4193−55−9)、aka Flu.Bright 28、
ベンゼンスルホン酸,2,2’−(1,2−エテンジイル)ビス[5−[[4−[ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−6−[(4−スルホフェニル)アミノ]−1,3,5―トリアジン−2−イル]アミノ]−,四ナトリウム塩、aka Keyfluor White CN(CAS登録番号16470−24−9)、
9,9’−ビアクリジニウム,10,10’−ジメチル−,ジニトラート、aka Lucigenin(CAS登録番号2315−97−1、aka 硝酸ビス−N−メチルアクリジニウム)
1−デオキシ−1−(3,4−ジヒドロ−7,8−ジメチル−2,4−ジオキソベンゾ[g]プテリジン−10(2H)−イル)−D−ribitol、aka リボフラビン又はビタミン B2(CAS登録番号83−88−5)、
2−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸(CAS登録番号81−16−3)と、
5−アミノ−2−ナフタレンスルホン酸(CAS登録番号119−79−9)と、
7−アミノ−1,3−ナフタレンスルホン酸,カリウム塩(CAS登録番号79873−35−1)と、
5−ジメチルアミノ−1−ナフタレンスルホン酸(CAS登録番号4272−77−9)と、
1−アミノ−4−ナフタレンスルホン酸(CAS登録番号84−86−6)と、
1−アミノ−7−ナフタレンスルホン酸(CAS登録番号119−28−8)と、を含みつつ、これらに限定されないモノ−、ジ−、又はトリ−スルホン酸化ナフタレン、
ベンゼンスルホン酸,2,2’−(1,2−エテンジイル)ビス[5−(4−フェニル−2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)−,二カリウム塩、aka Phorwite BHC 766(CAS登録番号52237−03−3)、
ベンゼンスルホン酸,5−(2H−ナフト[1,2−d]トリアゾール−2−イル)−2−(2−フェニルエテニル)−,ナトリウム塩、aka Pylaklor White S−15A(CAS登録番号6416−68−8)、
1,3,6,8−ピレンテトラスルホン酸,四ナトリウム塩(CAS登録番号59572−10−0)、
キノリン(CAS登録番号91−22−5)、
キサンチリウム,9−(2,4−ジカルボキシフェニル)−3,6−ビス(ジエチルアミノ)−,塩化物,二ナトリウム塩、aka ローダミン WT(CAS登録番号37299−86−8)、
フェナジニウム,3,7−ジアミノ−2,8−ジメチル−5−フェニル−,塩化物、aka Safranine O(CAS登録番号477−73−6)、
ベンゼンスルホン酸,2,2’−(1,2−エテンジイル)ビス[5−[[4−[(2−ヒドロキシプロピル)アミノ]−6−(フェニルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ]−,二ナトリウム塩、aka Sandoz TH−40(CAS登録番号32694−95−4)、
キサンチリウム,3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(2,4−ジスルホフェニル)−,ナトリウム塩、aka スルホローダミン B(CAS登録番号3520−42−1、aka アシッドレッド 52)、
ベンゼンスルホン酸,2,2’−(1,2−エテンジイル)ビス[5−[[4−[(アミノメチル)(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−6−(フェニルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ]−,二ナトリウム塩、aka Tinopal 5BM−GX(CAS登録番号169762−28−1)、
ベンゼンスルホン酸,2,2’−([1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジイルジ−2,1−エテンジイル)ビス−,二ナトリウム塩、aka Tinopal CBS−X(CAS登録番号27344−41−8)、及び
7−ベンゾチアゾールスルホン酸,2,2’−(1−トリアゼン−1,3−ジイルジ−4,1−フェニレン)ビス[6−メチル−,二ナトリウム塩、aka チタンイエロー(CAS登録番号1829−00−1、aka チアゾールイエロー G)、
からなる群から選択される。
【0022】
一液型湿し水に用いられる好ましいトレーサーは、
2−アントラセンスルホン酸ナトリウム塩(CAS登録番号16106−40−4)、
1,5−アントラセンジスルホン酸(CAS登録番号61736−91−2)及びその塩、
2,6−アントラセンジスルホン酸(CAS登録番号61736−95−6)及びその塩、
1,8−アントラセンジスルホン酸(CAS登録番号61736−92−3)及びその塩、
アントラ[9,1,2―cde]ベンゾ[rst]ペンタフェン−5,10−ジオール,16,17−ジメトキシ−,ビス(硫酸水素),二ナトリウム塩、aka Anthrasol Green IBA(CAS登録番号2538−84−3、aka 可溶性Vat Dye)、
Keyfluor White ST(CAS登録番号4193−55−9、aka Flu.Bright 28)、
ベンゼンスルホン酸,2,2’−(1,2−エテンジイル)ビス[5−[[4−[ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−6−[(4−スルホフェニル)アミノ]−1,3,5―トリアジン−2−イル]アミノ]−,四ナトリウム塩、aka Keyfluor White CN(CAS登録番号16470−24−9)、
1−デオキシ−1−(3,4−ジヒドロ−7,8−ジメチル−2,4−ジオキソベンゾ[g]プテリジン−10(2H)−イル)−D−ribitol、aka リボフラビン又はビタミン B2(CAS登録番号83−88−5)、
ベンゼンスルホン酸,2,2’−(1,2−エテンジイル)ビス[5−(4−フェニル−2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)−,二カリウム塩、aka Phorwite BHC 766(CAS登録番号52237−03−3)、
ベンゼンスルホン酸,5−(2H−ナフト[1,2−d]トリアゾール−2−イル)−2−(2−フェニルエテニル)−,ナトリウム塩、aka Pylaklor White S−15A(CAS登録番号6416−68−8)、
1,3,6,8−ピレンテトラスルホン酸,四ナトリウム塩(CAS登録番号59572−10−0)、
キサンチリウム,9−(2,4−ジカルボキシフェニル)−3,6−ビス(ジエチルアミノ)−,塩化物,二ナトリウム塩、aka ローダミン WT(CAS登録番号37299−86−8)、
フェナジニウム,3,7−ジアミノ−2,8−ジメチル−5−フェニル−,塩化物、aka Safranine O(CAS登録番号477−73−6)、
ベンゼンスルホン酸,2,2’−(1,2−エテンジイル)ビス[5−[[4−[(2−ヒドロキシプロピル)アミノ]−6−(フェニルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ]−,二ナトリウム塩、aka Sandoz TH−40(CAS登録番号32694−95−4)、
キサンチリウム,3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(2,4−ジスルホフェニル)−,ナトリウム塩、aka スルホローダミン B(CAS登録番号3520−42−1、aka アシッドレッド 52)、
ベンゼンスルホン酸,2,2’−(1,2−エテンジイル)ビス[5−[[4−[(アミノメチル)(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−6−(フェニルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ]−,二ナトリウム塩、aka Tinopal 5BM−GX(CAS登録番号169762−28−1)、及び
ベンゼンスルホン酸,2,2’−([1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジイルジ−2,1−エテンジイル)ビス−,二ナトリウム塩、aka Tinopal CBS−X(CAS登録番号27344−41−8)、
からなる群から選択される。
【0023】
一液型湿し水に用いられる最も好ましいトレーサーは、
2−アントラセンスルホン酸ナトリウム塩(CAS登録番号16106−40−4)、
1,5−アントラセンジスルホン酸(CAS登録番号61736−91−2)及びその塩、
2,6−アントラセンジスルホン酸(CAS登録番号61736−95−6)及びその塩、
1,8−アントラセンジスルホン酸(CAS登録番号61736−92−3)及びその塩、及び
1,3,6,8−ピレンテトラスルホン酸,四ナトリウム塩(CAS登録番号59572−10−0)、
からなる群から選択される。
【0024】
巻取紙剥離剤及び一液型湿し水の両方と相性がよいトレーサーは、アントラセンジスルホン酸,二ナトリウム塩である。アントラセンジスルホン酸,二ナトリウム塩の好ましい組み合わせは、1,5−及び1,8−異性体の混合物である。
【0025】
二液型湿し水の第一成分とともに用いて好適なトレーサーは、
1,5−アントラセンジスルホン酸(CAS登録番号61736−91−2)及びその塩、
2,6−アントラセンジスルホン酸(CAS登録番号61736−95−6)及びその塩、
1,8−アントラセンジスルホン酸(CAS登録番号61736−92−3)及びその塩、
1,3,6,8−ピレンテトラスルホン酸,四ナトリウム塩(CAS登録番号59572−10−0)、
1,5−ナフタレンジスルホン酸,二ナトリウム塩(水和物)(CAS登録番号1655−29−4)、aka 1,5−NDSA水和物、及び
ベンゼンスルホン酸,2,2’−([1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジイルジ−2,1−エテンジイル)ビス−,二ナトリウム塩、aka Tinopal CBX−X(CAS登録番号27344−41−8)、
からなる群から選択される。
【0026】
二液型湿し水の第二成分とともに用いて好適なトレーサーは、
1,5−ナフタレンジスルホン酸,二ナトリウム塩(水和物)(CAS登録番号1655−29−4)、aka 1,5−NDSA水和物、
キサンチリウム,9−(2,4−ジカルボキシフェニル)−3,6−ビス(ジエチルアミノ)−,塩化物,二ナトリウム塩、aka ローダミン WT(CAS登録番号37299−86−8)、
キサンチリウム,3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(2,4−ジスルホフェニル)−,ナトリウム塩、aka スルホローダミン B(CAS登録番号3520−42−1、aka アシッドレッド 52)、
からなる群から選択される。
【0027】
二液型湿し水の第一成分及び二液型湿し水の第二成分の両方の探知が要求される条件で好適なトレーサーの組を、以下の表に示す。
【0028】
【表1】

この表中、
「ADSA」は、1,5−アントラセンジスルホン酸(CAS登録番号61736−91−2)及びその塩、
2,6−アントラセンジスルホン酸(CAS登録番号61736−95−6)及びその塩、
1,8−アントラセンジスルホン酸(CAS登録番号61736−92−3)及びその塩、
及びこれらの混合物、からなる群から選択される成分であり、
「PTSA」は、1,3,6,8−ピレンテトラスルホン酸,四ナトリウム塩(CAS登録番号59572−10−0)を参照し、
「NDSA」は、1,5−ナフタレンジスルホン酸,二ナトリウム塩(水和物)(CAS登録番号1655−29−4)、aka 1,5−NDSA水和物、を参照し、
「Tinopal CBS−X」は、ベンゼンスルホン酸,2,2’−([1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジイルジ−2,1−エテンジイル)ビス−,二ナトリウム塩 aka Tinopal CBS−X(CAS登録番号27344−41−8)を参照し、
「ローダミン WT」は、キサンチリウム,9−(2,4−ジカルボキシフェニル)−3,6−ビス(ジエチルアミノ)−,塩化物,二ナトリウム塩、aka ローダミン WT(CAS登録番号37299−86−8)を参照し、
「スルホローダミン B」は、 キサンチリウム,3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(2,4−ジスルホフェニル)−,ナトリウム塩、aka スルホローダミン B(CAS登録番号3520−42−1、aka アシッドレッド 52)を参照する。
【0029】
巻取紙剥離剤とともに用いて好適なトレーサーは、
1,5−アントラセンジスルホン酸(CAS登録番号61736−91−2)及びその塩、
2,6−アントラセンジスルホン酸(CAS登録番号61736−95−6)及びその塩、
1,8−アントラセンジスルホン酸(CAS登録番号61736−92−3)及びその塩、
及びこれらの混合物、
ベンゼンスルホン酸,2,2’−(1,2−エテンジイル)ビス[5−[[4−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−6−[(4−スルホフェニル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ]−,四ナトリウム塩、aka Sandoz CD(CAS登録番号16470−24−9)、aka Flu.Bright.220、と、
ベンゼンスルホン酸,2,2’−(1,2−エテンジイル)ビス[5−[[4−ビス(2−ヒドロキシプロピル)アミノ]−6−(フェニルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ]−,二ナトリウム塩、(CAS登録番号32694−95−4)、aka Sandoz TH−40、と、
ベンゼンスルホン酸,2,2’−(1,2−エテンジイル)ビス[5−[[4−(アミノメチル)(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−6−(フェニルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ]−,二ナトリウム塩、(CAS登録番号169762−28−1)、aka Tinopal 5BM−GX、と、
を含みつつ、これらに限定されない硫酸化アミノ−スチルベン蛍光増白剤及びその塩、
4’,4’−ビ[スチルベン−2,2’’’−ジスルホン酸]二ナトリウム塩(CAS登録番号27344−41−8)、aka Tinopal CBS、
を含みつつ、これらに限定されない硫酸化ビ−スチルベン蛍光増白剤及びその塩、
4−メチル−7−(ジエチルアミノ)−4−メチルクマリン(CAS登録番号91−44−1)、aka 蛍光増白剤 52、を含みつつ、これらに限定されないアルキルアミノ−クマリン蛍光増白剤及びその塩、
からなる群から選択される。
【0030】
巻取紙剥離剤とともに用いて好ましいトレーサーは、
1,5−アントラセンジスルホン酸(CAS登録番号61736−91−2)及びその塩、
2,6−アントラセンジスルホン酸(CAS登録番号61736−95−6)及びその塩、
1,8−アントラセンジスルホン酸(CAS登録番号61736−92−3)及びその塩、
及びこれらの混合物、
ベンゼンスルホン酸,2,2’−(1,2−エテンジイル)ビス[5−[[4−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−6−[(4−スルホフェニル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ]−,四ナトリウム塩、aka Sandoz CD(CAS登録番号16470−24−9)、aka Flu.Bright.220、と、
ベンゼンスルホン酸,2,2’−(1,2−エテンジイル)ビス[5−[[4−ビス(2−ヒドロキシプロピル)アミノ]−6−(フェニルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ]−,二ナトリウム塩、(CAS登録番号32694−95−4)、aka Sandoz TH−40、と、
ベンゼンスルホン酸,2,2’−(1,2−エテンジイル)ビス[5−[[4−(アミノメチル)(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−6−(フェニルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ]−,二ナトリウム塩、(CAS登録番号169762−28−1)、aka Tinopal 5BM−GX、と、
ベンゼンスルホン酸,5−(2H−ナフト[1,2−d]トリアゾール−2−イル)−2−(2−フェニルエテニル)−,ナトリウム塩、(CAS登録番号6416−68−8)、aka Tinopal RBS 200、と、
を含みつつ、これらに限定されない硫酸化アミノ−スチルベン蛍光増白剤及びその塩、
からなる群から選択される。
【0031】
巻取紙剥離剤とともに用いて最も好ましいトレーサーは、
1,5−アントラセンジスルホン酸(CAS登録番号61736−91−2)及びその塩、
2,6−アントラセンジスルホン酸(CAS登録番号61736−95−6)及びその塩、
1,8−アントラセンジスルホン酸(CAS登録番号61736−92−3)及びその塩、
及びこれらの混合物、
からなる群から選択される。
【0032】
上記に列挙された蛍光トレーサーは、さまざまな異なる化学薬品供給会社から商業的に入手可能であり、あるいは、合成有機化学における当業者が知り得る技術を用いて合成することもできる。
【0033】
一液型湿し水中に一般的に存在するトレーサーの量は、約0.01ppmから約10,000ppmであり、好ましくは約0.05ppmから約10ppmで、最も好ましくは約0.1ppmから約1.0ppmである。
【0034】
二液型湿し水の第一成分中に一般的に存在するトレーサーの量は、約0.01ppmから約10,000ppmであり、好ましくは約0.05ppmから約10ppmで、最も好ましくは約0.1ppmから約1.0ppmである。二液型湿し水の第二成分中に一般的に存在するトレーサーの量は、約0.01ppmから約10,000ppmであり、好ましくは約0.05ppmから約10ppmで、最も好ましくは約0.1ppmから約1.0ppmである。
【0035】
巻取紙剥離剤中に一般的に存在するトレーサーの量は、約0.01ppmから約10,000ppmであり、好ましくは約0.05ppmから約10ppmで、最も好ましくは約0.1ppmから約1.0ppmである。
【0036】
湿し水中のトレーサーを探知するのに好適な蛍光光度計は、商業的に入手可能であり、
TRASAR8000蛍光光度計(携帯型);TRASAR700蛍光光度計(卓上型);TRASAR3000(1,3,6,8−ピレンテトラスルホン酸,四ナトリウム塩、並びに、励起及び発光波長が類似であるその他の蛍光化合物用);改良型TRASAR3000(アントラセンジスルホン酸,二ナトリウム塩、並びに、励起及び発光波長が類似であるその他の蛍光化合物用);及びTRASAR Xe−2 コントローラ、からなる群から選択される。これらはすべて、Nalcoから入手可能である。Cyclops7蛍光光度計として知られる直列蛍光光度計プローブ(使用されるトレーサーと適合させるために光ファイバーが選択される必要がある。)は、Turner Designs,845 Maude Ave.,Sunnyvale,CA 94085((408)749−0994)から入手できる。これらの蛍光光度計を利用する際には、トレーサーの蛍光信号特性と適合させるために、励起・発光型光ファイバーが選択される必要がある。
【0037】
巻取紙剥離剤中でトレーサーを探知するために使用するのに好適な蛍光光度計は、商業的に入手可能であり、TRASAR700蛍光光度計(卓上型);TRASAR3000(1,3,6,8−ピレンテトラスルホン酸,四ナトリウム塩、並びに、励起及び発光波長が類似であるその他の蛍光化合物用);改良型TRASAR3000(アントラセンジスルホン酸,二ナトリウム塩、並びに、励起及び発光波長が類似であるその他の蛍光化合物用)、からなる群から選択される。これらの蛍光光度計を利用する際には、トレーサーの蛍光信号特性と適合させるために、励起・発光型光ファイバーが選択される必要がある。
【0038】
蛍光光度計を配置すべき実践的な場所は、関連のあるそれぞれの印画工程流体用の希釈タンク中の物質のサンプルを検査することができるようなところである。実際、湿し水と巻取紙剥離剤の両方は、タンク内で希釈されており、それゆえに、希釈タンクからサンプリングするための蛍光光度計の配置は、両方の流体に適用される。
【0039】
本発明の方法が実践される印画工程において、標準的な設備は、一般的に、ポンプ及び加圧式ラインを用いて印刷流体を印刷機に供給するようなものである。無作為抽出サンプル蛍光法において、蛍光光度計用の印刷流体のサンプルは、この加圧式ラインから除去されることもあり得る。無作為抽出サンプル蛍光法において、Trasar700蛍光光度計及びTrasar8000蛍光光度計はフローセルを有していないが、むしろ無作為抽出サンプル技術を用いて得られる離散量において供給されるときの一の離散サンプルを測定する。
【0040】
パイプ接続に割り当てられるフローセル蛍光法において、関連のある印刷流体のサンプルが、加圧式パイプラインから蛍光光度計を通じて循環するように、任意のポンプが追加されてもよい。フローセル蛍光法において、Trasar Xe−コントローラ及びTrasar3000蛍光光度計は、液体のオンライン連続監視を許容するフローセルを有している。
【0041】
印刷流体を印刷機へ利用するための制御システムによっては、加圧式印刷流体ラインと接触するときに生じることがある圧力損失又は吸い上げ管による吸い上げのような、いかなる悪い結果をも回避するために、関連のある多色印刷流体を蛍光光度計に循環させるための個々のポンプの取り付けが、好ましい設備となることがある。蛍光光度計を通じた循環の後、印刷流体は希釈タンクへ戻され、これにより印刷流体の無駄がなくなる。このタイプの設備では、再利用される蛍光光度計のサンプル蒸気の量のために、蛍光光度計は、希釈タンクと近接近して配置されていることが最も好ましい。蛍光光度計を希釈タンクへ近接近して配置することは、恐らく印画工程の運転者にとって最も都合がよいであろう。
【0042】
制御工程の情報構成要素は長距離を電子的に送信されるため、蛍光光度計の位置は、サンプリングの検討によって最も強力に影響される。本発明に用いて好適なすべてのフローセル蛍光光度計では、蛍光光度計からの信号が、4−20mA出力によって必要に応じて離れた場所へ容易に送信できる。また、制御装置を利用することも可能であり、ここでもまた、希釈タンク中の多色印刷流体の量の設定値が遠隔制御できる。設定値の遠隔調整は、標準的な特性を有する商業的に入手可能な蛍光光度計には必ずしも必要ない。しかし、遠隔調整は、補助のプログラマブル・ロジック・コントローラを用いて容易に行うことができ、それ自体は商業的に入手可能である。
【0043】
本発明に用いて好適な、すべての非フローセル不連続無作為抽出サンプル蛍光光度計において、蛍光光度計からの信号は、制御装置内での使用のために、コントローラに相互に入力される。
【0044】
以下、実施例を示しながら本発明を具体的に説明し、また、本発明の一般的な製造方法及び使用方法を開示する。本発明又はその保護対象は、いかなる場合にもこれらの実施例に制限されるものではない。
【実施例】
【0045】
(実施例1)一液型湿し水の探知方法
Cintra社はエライナ川河畔に位置する一都市に日刊新聞を印刷供給している。このCintra社は4色オフセット印刷機を用いて、出版物を新聞印刷用紙に印刷している。その印刷機には、湿し水が用いられている。その湿し水は、印刷機上で用いるために、市販の湿し水調合乳(「PFSF」)を市の水で希釈することによって調整されている。
【0046】
市の水の水源は、エライナ川である。「PFSF」とは、Rycoline Products Inc.から購入したBPC Etch HW,264724−330Pである。このPFSFは、印刷機上で使用される前に、5オンス/ガロン(3.9%)まで希釈される。PFSFの希釈システムは、タンクと、PFSF用ポンプと、機械的混合機と、伝導度コントローラと、を具備している。タンクは、レベル制御装置を備えている。このレベル制御装置は、タンク内のレベル(水位)を感知したり、市の水をタンクに入れるためのバルブを開閉したり、タンク内のレベル(水位)を一定に保ったりしている。混合機は、タンクの中身が均一な溶液となるように、絶えず撹拌している。
【0047】
伝導度コントローラは、タンク内の希釈溶液の伝導度を測定し、それが下部管理限界を下回ったときには、PFSFポンプの栓を開く。伝導度コントローラは、その後、溶液の伝導度が上部管理限界に到達したとき、PFSFポンプを閉じる。印刷機から再利用されるいくらかの希釈湿し水もまた、この混合タンクに戻される。自動希釈システムの使用の目的は、一定で且つ制御された希釈下で、PFSF印刷流体の連続供給を行うことである。
【0048】
新聞発行の印刷の最終段階では、印刷品質は最適である。そして、エライナ川の流域に激しい雨が降り始める。印刷機は、次の新聞発行の製作中に印刷品質の問題に遭遇する。問題は、PFSFの不適切な希釈であることが分かる。この問題の根源は、市の水質の変化である。
【0049】
激しい雨は、エライナ川の水位を上昇させ、その水の伝導度及び市の給水の伝導度を順々に顕著に低下させる。自動希釈システムは、さらなるPFSFを希釈タンクに添加することによって、市の水の伝導度の低下を補う。その結果、設定値における溶液の伝導度の総計は維持される。PFSF添加の増加により、所望の濃度よりもより高濃度の湿し水ができる。PFSFの不適切な希釈は、印刷品質の問題を引き起こす。
【0050】
この伝導度制御式自動希釈システムの失敗に対応して、Cintra社は本発明を成した。蛍光トレーサーとして機能させるために、1,5−アントラセンジスルホン酸二ナトリウム塩と1,8−アントラセンジスルホン酸二ナトリウム塩を、2:1の混合比の20ppmで、PFSFに添加する。
【0051】
PFSFの希釈システムは、伝導度コントローラの除去によって改良されている。PFSFポンプのオン/オフ・スイッチは、現在、TRASAR3000蛍光光度計によって制御されている。この蛍光光度計は、アントラセンジスルホン酸蛍光トレーサーに対する最高感度を得るために、430AF30発光フィルタを用いて改良されている。
【0052】
PFSF希釈タンクからのサンプルは、蛍光光度計の光学セルを通じて絶えず再循環されており、希釈タンクに戻る。蛍光光度計は、蛍光トレーサーからの蛍光信号を探知し、トレーサーの標準的希釈又は探知された印刷流体の標準的希釈で行われる較正に基づいて、その蛍光信号を濃度測定値に変換する。
【0053】
所望の5オンス/ガロン(3.9%)希釈PFSFにおいて、0.78ppmアントラセンジスルホン酸二ナトリウム塩に相当する設定値が用いられる。
【0054】
+/−0.05ppm(+/−0.32オンス/ガロン)制御範囲の使用とは、PFSFポンプが、濃度0.73ppmでアントラセンジスルホン酸二ナトリウム塩として活性化され、また、希釈タンク中のアントラセンジスルホン酸二ナトリウム塩の濃度が0.83ppmに到達するときに、そのポンプが、不活性化される状態のことをいう。
【0055】
蛍光光度計によって決定されたPFSFの濃度が下部管理限界を下回るとき、追加のPFSFを希釈タンクへ添加するための継電器の作動によって、蛍光光度計がPFSF注入ポンプの栓を開く。PFSFの濃度が上部管理限界に到達するとき、蛍光光度計は、PFSFポンプを閉じる。
【0056】
トレーサーの蛍光信号が市の水質から完全に独立しているため、市の給水の変化にかかわらず、蛍光コントローラはPFSFを絶え間なく希釈する。印刷流体の希釈は、印画工程におけるばらつきの原因として除去され、印刷品質は、印刷機を配置した印刷装置によって、より一貫して容易に最適化される。
【0057】
(実施例2)巻取紙剥離剤の探知方法
Lorika社は、4色オフセット印刷機を用いて雑誌を印刷している。その印刷機は、湿し水と巻取紙剥離剤とを用いている。湿し水と巻取紙剥離剤の両方は、印刷機上で使用するために、PFSF及びPWRA調合乳を水で希釈することによって調整されている。市の給水は、EEB湖からの処理水でまかなわれている。
【0058】
PFSFは、Rycoline Products Inc.から購入したBPC Etch HW,264724−330Pであり、上記の実施例で述べたように、本発明で使用するために希釈される。
【0059】
PWRA調合乳はICM 1741であり、ICMから入手可能である。PWRAは、印刷機上で使用される前に、5%まで希釈される。従来のPWRAの希釈システムは、排出ポンプと、混合タンクと、機械的混合機と、を具備している。タンクは、レベル制御装置を備えている。このレベル制御装置は、タンク内のレベル(水位)を感知したり、市の水をタンクに入れるためのバルブを開閉したり、タンク内のレベル(水位)を一定に保ったりしている。混合機は、タンクの中身が均一な溶液となるように、絶えず撹拌している。市の水は、タンクに入る前に排出ポンプを流れ、PWRAをその流れへ誘引する。混合機は、タンクの中身が均一な溶液となるように、絶えず撹拌している。印刷機から再利用される希釈された巻取紙剥離剤もまた、この混合タンクに戻される。
【0060】
排出ポンプ希釈システム使用の目的は、一定希釈下での巻取紙剥離剤の連続供給を行うことである。しかしながら、排出ポンプは高精度な装置ではなく、その装置から生じる希釈率は、市の水圧、PWRAの粘度、流体温度、及び排出ポンプのチューブの付着物のような要因に依存している。排出ポンプによって提供される希釈率は、容易に調整したり又は自動制御に対して敏感に反応させたりできない。したがって、PWRAの濃度のいかなる調整も、希釈タンクへPWRAを手動で添加することにより行う。これらの要因の結果、巻取紙剥離剤は、希釈タンク内での必要濃度よりも一般的に高濃度となる。そして、PWRAは高コスト特殊化学物質であるため、この状態は不経済である。
【0061】
PWRA希釈のよりよい制御方法を得て、PWRAの使用量及びコストを最小化するために、Lorika社は本発明の方法を成した。
【0062】
蛍光トレーサーとして機能させるために、1,5−アントラセンジスルホン酸二ナトリウム塩と1,8−アントラセンジスルホン酸二ナトリウム塩を、2:1の混合比の100ppmで、PWRAに添加する。PWRAの希釈システムは、排出ポンプを除去し、PWRAを混合タンクへ注入する電気ポンプに置き換えることによって改良されている。
【0063】
PWRAポンプは、TRASAR3000蛍光光度計によって制御されている。この蛍光光度計は、アントラセンジスルホン酸蛍光トレーサーに対する最高感度を得るために、430AF30発光フィルタを用いて改良されている。PFSF希釈タンクからのサンプルは、蛍光光度計の光学セルを通じて絶えず再循環されており、希釈タンクに戻る。蛍光光度計は、蛍光トレーサーからの蛍光信号を探知し、探知された印刷流体の標準的希釈で行われる較正に基づいて、その蛍光信号を濃度測定値に変換する。
【0064】
±0.05ppmの制御範囲とは、PWRAポンプが濃度4.95ppmアントラセンジスルホン酸二ナトリウム塩のとき活性化され、濃度5.05ppmアントラセンジスルホン酸二ナトリウム塩のとき探知されることを意味する。
【0065】
蛍光光度計によって決定されたPWRAの濃度が下部管理限界を下回るとき、追加のPWRAを希釈タンクへ添加するための継電器の作動によって、PWRA注入ポンプを開栓するために、蛍光光度計が信号を送信する。PFSFの濃度が上部管理限界に到達するとき、蛍光光度計は、PWRAポンプを閉じる。5ppmのアントラセンジスルホン酸二ナトリウム塩に対応する設定値の使用により、PWRAに対し適正な5%希釈が提供される。
【0066】
本発明の方法の使用は、連続的で確実なPWRAの希釈制御を提供する。希釈について変更が必要なときは、単に蛍光光度計又はコントローラの設定値を変更するだけで、迅速に、且つ、容易に変更することができる。確実な制御によって、印刷装置において、システム内で用いられるPWRA濃度を最適化し、この特殊化学物質のコストを最小化することが可能となる。PWRAの希釈は、印画工程におけるばらつきの原因として除去され、印刷品質は、印刷機を配置した印刷装置によって、より一貫して容易に最適化される。
【0067】
本発明の方法について、その一例を用いて説明したが、上記明細書の開示に照らして、多くの修正及び変更が可能である。それゆえに、添付の特許請求の範囲内で、別段の記載がある場合を除き、本発明は実施されてもよいものとして、理解されなければならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)一又は二以上の多色印刷流体が用いられる印画工程であって、前記多色印刷流体が、湿し水及び巻取紙剥離剤からなる群から選択される、印画工程を提供する工程と、
(2)対象とする各多色印刷流体に対する蛍光分析によって探知可能であるトレーサー物質を提供する工程であって、対象とする各多色印刷流体へ添加される各トレーサー物質は探知可能な蛍光信号を有している工程と、
(3)対象とする多色印刷流体内で用いられる各トレーサー物質の蛍光信号を探知可能な、一又は二以上の蛍光光度計を提供する工程と、
(4)前記一又は二以上の蛍光光度計を、紙面上の多色印刷流体を測定するための場所が選択できない場合以外は、対象とする多色印刷流体の有無の探知が要求される印画工程内のいずれかに配置する工程と、
(5)印画工程内における一又は二以上の場所で、前記トレーサー物質の蛍光信号を探知し、測定するために、前記一又は二以上の蛍光光度計を使用する工程と、
(6)印画工程内の選択された場所において、どれだけの量の各多色印刷流体が存在するかを測定するために、探知され、測定された前記トレーサー物質の蛍光信号を使用する工程と、
(7)随意的に、存在する多色印刷流体の量が対象とする場所で最適化されるように、前記印画工程の運転パラメータを調整する工程と、
を具備する多色印刷流体の探知方法。
【請求項2】
前記多色印刷流体は湿し水である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記多色印刷流体は一液型湿し水である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記多色印刷流体は二液型湿し水である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記多色印刷流体は巻取紙剥離剤である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記トレーサーが、
2−アントラセンスルホン酸ナトリウム塩(CAS登録番号16106−40−4)、
1,5−アントラセンジスルホン酸(CAS登録番号61736−91−2)及びその塩、
2,6−アントラセンジスルホン酸(CAS登録番号61736−95−6)及びその塩、
1,8−アントラセンジスルホン酸(CAS登録番号61736−92−3)及びその塩、
アントラ[9,1,2−cde]ベンゾ[rst]ペンタフェン−5,10−ジオール,16,17−ジメトキシ−,ビス(硫酸水素),二ナトリウム塩、aka Anthrasol Green IBA(CAS登録番号2538−84−3)、aka 可溶性Vat Dye)、
バソフェナントロリンジスルホン酸二ナトリウム塩(CAS登録番号52746−49−3)、
1H−ベンズ[de]イソキノリン−5−スルホン酸,6−アミノ−2,3−ジヒドロ−2−(4−メチルフェニル)−1,3−ジオキソ−,一ナトリウム塩、aka ブリリアントアシッドイエロー 8G(CAS登録番号2391−30−2)、aka Lissamine Yellow FF、アシッドイエロー 7、
ベンゾ[a]フェノキサジン−7−イウム,5,9−ジアミノ−,アセテート、aka クレジルバイオレットアセテート(CAS登録番号10510−54−0)、
1−エチルキナルジニウムヨージド(CAS登録番号606−53−3)、
Keyfluor White ST(CAS登録番号4193−55−9)、aka Flu.Bright 28、
ベンゼンスルホン酸,2,2’−(1,2−エテンジイル)ビス[5−[[4−[ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−6−[(4−スルホフェニル)アミノ]−1,3,5―トリアジン−2−イル]アミノ]−,四ナトリウム塩、aka Keyfluor White CN(CAS登録番号16470−24−9)、
9,9’−ビアクリジニウム,10,10’−ジメチル−,ジニトラート、aka Lucigenin(CAS登録番号2315−97−1、aka 硝酸ビス−N−メチルアクリジニウム)
1−デオキシ−1−(3,4−ジヒドロ−7,8−ジメチル−2,4−ジオキソベンゾ[g]プテリジン−10(2H)−イル)−D−ribitol、aka リボフラビン又はビタミン B2(CAS登録番号83−88−5)、
2−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸(CAS登録番号81−16−3)、
5−アミノ−2−ナフタレンスルホン酸(CAS登録番号119−79−9)、
7−アミノ−1,3−ナフタレンスルホン酸,カリウム塩(CAS登録番号79873−35−1)、
5−ジメチルアミノ−1−ナフタレンスルホン酸(CAS登録番号4272−77−9)、
1−アミノ−4−ナフタレンスルホン酸(CAS登録番号84−86−6)、
1−アミノ−7−ナフタレンスルホン酸(CAS登録番号119−28−8)、
ベンゼンスルホン酸,2,2’−(1,2−エテンジイル)ビス[5−(4−フェニル−2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)−,二カリウム塩、aka Phorwite BHC 766(CAS登録番号52237−03−3)、
ベンゼンスルホン酸,5−(2H−ナフト[1,2−d]トリアゾール−2−イル)−2−(2−フェニルエテニル)−,ナトリウム塩、aka Pylaklor White S−15A(CAS登録番号6416−68−8)、
1,3,6,8−ピレンテトラスルホン酸,四ナトリウム塩(CAS登録番号59572−10−0)、
キノリン(CAS登録番号91−22−5)、
キサンチリウム,9−(2,4−ジカルボキシフェニル)−3,6−ビス(ジエチルアミノ)−,塩化物,二ナトリウム塩、aka ローダミン WT(CAS登録番号37299−86−8)、
フェナジニウム,3,7−ジアミノ−2,8−ジメチル−5−フェニル−,塩化物、aka Safranine O(CAS登録番号477−73−6)、
ベンゼンスルホン酸,2,2’−(1,2−エテンジイル)ビス[5−[[4−[(2−ヒドロキシプロピル)アミノ]−6−(フェニルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ]−,二ナトリウム塩、aka Sandoz TH−40(CAS登録番号32694−95−4)、
キサンチリウム,3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(2,4−ジスルホフェニル)−,ナトリウム塩、aka スルホローダミン B(CAS登録番号3520−42−1、aka アシッドレッド 52)、
ベンゼンスルホン酸,2,2’−(1,2−エテンジイル)ビス[5−[[4−[(アミノメチル)(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−6−(フェニルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ]−,二ナトリウム塩、aka Tinopal 5BM−GX(CAS登録番号169762−28−1)、
ベンゼンスルホン酸,2,2’−([1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジイルジ−2,1−エテンジイル)ビス−,二ナトリウム塩、aka Tinopal CBS−X(CAS登録番号27344−41−8)、及び
7−ベンゾチアゾールスルホン酸,2,2’−(1−トリアゼン−1,3−ジイルジ−4,1−フェニレン)ビス[6−メチル−,二ナトリウム塩、aka チタンイエロー(CAS登録番号1829−00−1、aka チアゾールイエロー G)、
からなる群から選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記トレーサーが、
2−アントラセンスルホン酸ナトリウム塩(CAS登録番号16106−40−4)、
1,5−アントラセンジスルホン酸(CAS登録番号61736−91−2)及びその塩、
2,6−アントラセンジスルホン酸(CAS登録番号61736−95−6)及びその塩、
1,8−アントラセンジスルホン酸(CAS登録番号61736−92−3)及びその塩、
アントラ[9,1,2―cde]ベンゾ[rst]ペンタフェン−5,10−ジオール,16,17−ジメトキシ−,ビス(硫酸水素),二ナトリウム塩、aka Anthrasol Green IBA(CAS登録番号2538−84−3、aka 可溶性Vat Dye)、
バソフェナントロリンジスルホン酸二ナトリウム塩(CAS登録番号52746−49−3)、
Keyfluor White ST(CAS登録番号4193−55−9、aka Flu.Bright 28)、
ベンゼンスルホン酸,2,2’−(1,2−エテンジイル)ビス[5−[[4−[ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−6−[(4−スルホフェニル)アミノ]−1,3,5―トリアジン−2−イル]アミノ]−,四ナトリウム塩、aka Keyfluor White CN(CAS登録番号16470−24−9)、
1−デオキシ−1−(3,4−ジヒドロ−7,8−ジメチル−2,4−ジオキソベンゾ[g]プテリジン−10(2H)−イル)−D−ribitol、aka リボフラビン又はビタミン B2(CAS登録番号83−88−5)、
ベンゼンスルホン酸,2,2’−(1,2−エテンジイル)ビス[5−(4−フェニル−2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)−,二カリウム塩、aka Phorwite BHC 766(CAS登録番号52237−03−3)、
ベンゼンスルホン酸,5−(2H−ナフト[1,2−d]トリアゾール−2−イル)−2−(2−フェニルエテニル)−,ナトリウム塩、aka Pylaklor White S−15A(CAS登録番号6416−68−8)、
1,3,6,8−ピレンテトラスルホン酸,四ナトリウム塩(CAS登録番号59572−10−0)、
キサンチリウム,9−(2,4−ジカルボキシフェニル)−3,6−ビス(ジエチルアミノ)−,塩化物,二ナトリウム塩、aka ローダミン WT(CAS登録番号37299−86−8)、
フェナジニウム,3,7−ジアミノ−2,8−ジメチル−5−フェニル−,塩化物、aka Safranine O(CAS登録番号477−73−6)、
ベンゼンスルホン酸,2,2’−(1,2−エテンジイル)ビス[5−[[4−[(2−ヒドロキシプロピル)アミノ]−6−(フェニルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ]−,二ナトリウム塩、aka Sandoz TH−40(CAS登録番号32694−95−4)、
キサンチリウム,3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(2,4−ジスルホフェニル)−,ナトリウム塩、aka スルホローダミン B(CAS登録番号3520−42−1、aka アシッドレッド 52)、
ベンゼンスルホン酸,2,2’−(1,2−エテンジイル)ビス[5−[[4−[(アミノメチル)(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−6−(フェニルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ]−,二ナトリウム塩、aka Tinopal 5BM−GX(CAS登録番号169762−28−1)、及び
ベンゼンスルホン酸,2,2’−([1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジイルジ−2,1−エテンジイル)ビス−,二ナトリウム塩、aka Tinopal CBS−X(CAS登録番号27344−41−8)、
からなる群から選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記トレーサーが、
2−アントラセンスルホン酸ナトリウム塩(CAS登録番号16106−40−4)、
1,5−アントラセンジスルホン酸(CAS登録番号61736−91−2)及びその塩、
2,6−アントラセンジスルホン酸(CAS登録番号61736−95−6)及びその塩、
1,8−アントラセンジスルホン酸(CAS登録番号61736−92−3)及びその塩、及び
1,3,6,8−ピレンテトラスルホン酸,四ナトリウム塩(CAS登録番号59572−10−0)、
からなる群から選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
一液型湿し水及び巻取紙剥離剤の両方が探知され、同一のトレーサーが両方の印刷流体に用いられ、そのトレーサーは、アントラセンジスルホン酸,二ナトリウム塩の1,5−及び1,8−異性体である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
一液型湿し水及び巻取紙剥離剤の両方が探知され、異なるトレーサーがそれぞれの印刷流体に用いられる、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
二液型湿し水及び巻取紙剥離剤が探知され、一方のトレーサーは二液型湿し水の第1部分で用いられ、他方のトレーサーは二液型湿し水の第2部分で用いられ、第三の異なるトレーサーは巻取紙剥離剤中で用いられる、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記多色印刷流体は巻取紙剥離剤である、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記トレーサーは、
1,5−アントラセンジスルホン酸(CAS登録番号61736−91−2)及びその塩、
2,6−アントラセンジスルホン酸(CAS登録番号61736−95−6)及びその塩、
1,8−アントラセンジスルホン酸(CAS登録番号61736−92−3)及びその塩、
及びこれらの混合物、
ベンゼンスルホン酸,2,2’−(1,2−エテンジイル)ビス[5−[[4−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−6−[(4−スルホフェニル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ]−,四ナトリウム塩、aka Sandoz CD(CAS登録番号16470−24−9)、aka Flu.Bright.220、と、
ベンゼンスルホン酸,2,2’−(1,2−エテンジイル)ビス[5−[[4−ビス(2−ヒドロキシプロピル)アミノ]−6−(フェニルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ]−,二ナトリウム塩、(CAS登録番号32694−95−4)、aka Sandoz TH−40、と、
ベンゼンスルホン酸,2,2’−(1,2−エテンジイル)ビス[5−[[4−(アミノメチル)(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−6−(フェニルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ]−,二ナトリウム塩、(CAS登録番号169762−28−1)、aka Tinopal 5BM−GX、と、
を含みつつ、これらに限定されない硫酸化アミノ−スチルベン蛍光増白剤及びその塩、
4’,4’−ビ[スチルベン−2,2’’’−ジスルホン酸]二ナトリウム塩(CAS登録番号27344−41−8)、aka Tinopal CBS、
を含みつつ、これらに限定されない硫酸化ビ−スチルベン蛍光増白剤及びその塩、
4−メチル−7−(ジエチルアミノ)−4−メチルクマリン(CAS登録番号91−44−1)、aka 蛍光増白剤 52、を含みつつ、これらに限定されないアルキルアミノ−クマリン蛍光増白剤及びその塩、
からなる群から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記多色印刷流体が二液型湿し水であって、
一のトレーサーが二液型湿し水の第一成分を探知するために用いられ、異なる蛍光信号が付されている一のトレーサーが二液型湿し水の第二成分を探知するために用いられる、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
トレーサーが以下のようになっており、
【表1】

「ADSA」は、1,5−アントラセンジスルホン酸(CAS登録番号61736−91−2)及びその塩、
2,6−アントラセンジスルホン酸(CAS登録番号61736−95−6)及びその塩、
1,8−アントラセンジスルホン酸(CAS登録番号61736−92−3)及びその塩、
及びこれらの混合物、からなる群から選択される成分であり、
「PTSA」は、1,3,6,8−ピレンテトラスルホン酸,四ナトリウム塩(CAS登録番号59572−10−0)を参照し、
「NDSA」は、1,5−ナフタレンジスルホン酸,二ナトリウム塩(水和物)(CAS登録番号1655−29−4)、aka 1,5−NDSA水和物、を参照し、
「Tinopal CBS−X」は、ベンゼンスルホン酸,2,2’−([1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジイルジ−2,1−エテンジイル)ビス−,二ナトリウム塩 aka Tinopal CBS−X(CAS登録番号27344−41−8)を参照し、
「ローダミン WT」は、キサンチリウム,9−(2,4−ジカルボキシフェニル)−3,6−ビス(ジエチルアミノ)−,塩化物,二ナトリウム塩、aka ローダミン WT(CAS登録番号37299−86−8)を参照し、
「スルホローダミン B」は、 キサンチリウム,3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(2,4−ジスルホフェニル)−,ナトリウム塩、aka スルホローダミン B(CAS登録番号3520−42−1、aka アシッドレッド 52)を参照する、
請求項14に記載の方法。

【公表番号】特表2007−519545(P2007−519545A)
【公表日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−551207(P2006−551207)
【出願日】平成17年1月21日(2005.1.21)
【国際出願番号】PCT/US2005/001578
【国際公開番号】WO2005/072964
【国際公開日】平成17年8月11日(2005.8.11)
【出願人】(503270032)ナルコ カンパニー (22)
【氏名又は名称原語表記】NALCO COMPANY
【住所又は居所原語表記】1601 W.Diehl Road,Naperville,IL 60563−1198,United States of America
【Fターム(参考)】