説明

多部品車両のためのエネルギ散逸装置

本発明は、1つのインタフェース4を有するベアリングブロック2、3を備える例えばクラッチ装置のためのエネルギ吸収装置に関し、前記インタフェースによって衝撃力をベアリングブロックへ導入可能であり、エネルギ吸収装置が変形チューブ5を更に備える。ベアリングブロックは、車体に強固に接続され得る第1のベアリングブロック部品と、インタフェース4に接続される第2のベアリングブロック部品とを備える。ベアリング側端部5bにおいて、変形チューブは、更に車体の方へ位置される変形チューブ部分5.2と比べて幅広い断面積を有する第1のベアリングブロック部品に強固に接続される部分5.1を備える。衝突の場合に第2のベアリングブロック部品が第1のベアリングブロック部品および変形チューブに対して車両ブロックの方向に移動できるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多部品車両の緊密カプラまたはサイドバッファのためのカップリングアセンブリ用のエネルギ散逸装置であって、カップリング面へ向けて方向付けられることが好ましいインタフェースを備える車体に装着可能なベアリングブロックを有し、上記インタフェースによって、隣接する車体から伝えられる衝撃力をベアリングブロックおよびベアリングブロックに接触して配置された変形チューブに伝えることができ、ベアリングブロックが、多部品車両の車体に装着固定可能な第1のベアリング支持部品と、インタフェースの車体側端部に接続される第2のベアリング支持部品とを備え、変形チューブが、そのカップリング面側端部で第1のベアリング支持部品に接続固定される部分を備え、上記部分が、車体近傍に位置される変形チューブの部分と比べて幅広い断面積を有し、第2のベアリング支持部品の車体側端部が、第1のベアリング支持部品と車体近傍に位置される変形チューブの部分との間で支えられる、エネルギ散逸装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このタイプのエネルギ散逸装置の背後にある原理は、従来技術から知られており、カップリングアセンブリのためのショックアブソーバとして例えば鉄道車両技術において使用されている。そのようなショックアブソーバは、通常、ドローギア(スプリング装置)と変形チューブの形態を成すエネルギ散逸装置との組み合わせから成り、ショックアブソーバのエネルギ散逸装置が特に高い衝撃速度でも車両を保護する。それにより、例えば、ドローギアは、牽引力および衝撃力を所定の大きさまで吸収し、その後、それを超える力を車両の車台へと方向付けるようになっている。
【0003】
そうすることにより、車両の通常の運転中に例えば多部品車両の個々の車体間で起こる牽引力および衝撃力は、ドローギアの動作荷重を超えたときに、例えば車両が障害物と衝突する場合或いは突然の制動に晒された場合に、ショックアブソーバの通常は再生式のドローギアによって吸収されるが、再生式のドローギアおよび個々の車体間に設けられてもよい任意のカップリング接続部が場合により破壊され或いは損傷される場合がある。いずれにしても、ショックアブソーバのドローギアは、結果として生じるエネルギの全てを吸収することができない。その結果、そのようなドローギアは、車両のエネルギ散逸概念に全体としてもはや組み入れられず、そのため、結果として生じる衝撃エネルギが車両の車台へ直接に伝えられる。したがって、後者は、極端な力に晒され、場合により損傷され或いは破壊されることさえある。鉄道車両の場合には、車体が脱線する危険もある。
【0004】
したがって、車両の車台を激しい衝突時の損傷から保護するため、ショックアブソーバには、例えばドローギアの効果的な吸収が十分に引き出された後に応答するようになっている破壊的に構成される或いは再生的に構成されるエネルギ散逸装置がしばしば設けられ、したがって、エネルギ散逸装置は、上記エネルギ散逸装置を通じた力の流れで伝えられるエネルギを少なくとも部分的に吸収し、したがって消散するようになっている。特に適用可能なエネルギ散逸装置は、変形チューブを備えるエネルギ散逸装置である。そのようなエネルギ散逸装置は、要素(変形チューブ)の所定の塑性変形によって、衝撃エネルギを変形の仕事および熱へと破壊的に変換する。
【0005】
ここで、例えばカップリングロッドの車体側端部を水平面内で回動可能にベアリングブロックに接続することは、鉄道車両技術の現状から知られており、それにより、通常の車両運転中および転轍中に起こる力を吸収し、したがって和らげるようになっている通常は再生式のドローギアが、カップリングロッド自体に或いはベアリングブロックに対するカップリングロッドの関節部に配置される。ベアリングブロックの下流側に配置される変形チューブの形態を成し、好ましくは破壊的構造の形態を成すエネルギ散逸要素が、例えばエネルギ散逸装置として利用される。例えば変形要素の形態を成して構成されるこのエネルギ散逸要素は、変形に働きによってカップリングアセンブリの動作荷重を超えたときに起こる衝撃エネルギを散逸させる役目を果たす。ここで、エネルギ散逸装置は、変形チューブを通じて力の流れで伝えられるエネルギが所定の大きさを超えると応答して、カップリングロッドおよびカップリングアセンブリから伝えられるエネルギの少なくとも一部を吸収するようになっている。エネルギ散逸装置のこの応答の後、変形要素を整合させて交換する必要がある。
【0006】
例えば独国特許出願公開第4302444号に記載されるように、エネルギ散逸要素として利用される変形要素は例えば変形チューブから成ることができ、変形チューブの車体側端部は、円錐形態を成して、ノズルプレートに構成される対応する円錐孔内へと延びる。この既知の中央バッファカップリングでは、例えばネジによりカップリングロッドを介してドローギアに接続されるベアリングブロック、変形チューブ、ノズルプレート、および、エネルギ散逸装置の応答後または応答中に歪んだ変形チューブの通過を可能にする鉄道車両の車台上のアンカープレートは、互いに軸線方向に支えられる。
【0007】
したがって、独国特許出願公開第4302444号から知られるカップリングアセンブリにおけるエネルギ散逸要素として提案されているのは、カップリングアセンブリのベアリングブロックに接触して位置され且つノズルプレートによって加圧されるようになっている変形チューブであり、ノズルプレートは、カップリングアセンブリの動作荷重を超えるときに、変形チューブの車体側端部に当接して、ベアリングブロックおよび変形チューブを車体の車台に対して軸線方向に移動させることにより変形チューブの断面積を狭くする。
【0008】
この解決策の欠点は、第1に、ベアリングブロックが変形チューブと共に車体の車台へと後方に移動するために比較的大きな空間が必要とされるという点であるのが分かる。これは、変形チューブが歪むときに、すなわち、エネルギ散逸装置が応答するときに、カップリングアセンブリの背後に付加的に設けられる必要がある空間内へと変形チューブがノズルプレートによって押し込まれるからである。例えばボギーに直接に近接することに起因してこの付加的な空間が設けられないカップリングアセンブリでは、衝突時にカップリングアセンブリを保護するためのエネルギ散逸装置としてこの既知の従来技術の解決策を実現することができない。
【0009】
第2に、独国特許出願公開第4302444号から知られる解決策を用いると、エネルギ散逸装置が応答するとき−特に変形チューブに対して垂直方向または斜め方向の衝撃、すなわち、完全に軸線方向でない衝撃が加わるとき−に、変形チューブが例えばノズルプレートに形成される円錐孔に“詰まる”或いは楔留まる傾向を有し、それにより、破壊エネルギ散逸の機能がもはや確実に与えられないという危険がある。
【0010】
例えば、エネルギ散逸装置が作動されるときにその断面積を狭めることによって塑性変形するのではなく、その断面積を拡張させることによって塑性変形する変形チューブは、エネルギ散逸要素として既に鉄道車両技術からも知られており、そのため、衝突時、歪められた変形チューブは、エネルギ散逸装置から押し出されることが防止される。したがって、この解決策は、既に、小さい設置スペースと組み合わされてエネルギ散逸を最大にするエネルギ散逸装置を実現する。
【0011】
カップリングアセンブリで利用されるエネルギ散逸装置のためのこのタイプの解決策が例えば図1に概略的に描かれている。詳細には、図1は、従来技術において一般に知られるベアリングブロックの部分断面表示を示しており、この場合、カップリングアセンブリの動作荷重を超えると、ベアリングブロックの車体へ向けた軸線方向移動時に、エネルギ散逸要素を形成し且つその断面積の拡張によって塑性変形するようになっている変形チューブがベアリングブロックの車体側端部に当接する。
【0012】
具体的には、図1に描かれるベアリングブロックは垂直に延びる枢支ピン400を備えており、上記枢支ピンによって、図1に明確に示されないカップリングロッドの車体側端部が、水平面内で回動可能にベアリングブロックに関節結合される。ベアリングブロックは、(明確に示されない)車体に取り付け固定可能な第1のベアリング支持部品200と、枢支ピン400によってカップリングロッドの車体側端部に接続可能な第2のベアリング支持部品300とから成る。具体的には、カップリングロッドの車体側端部は、枢支ピン400によって、第2のベアリング支持部品300のカップリングロッド側端部またはカップリング面側端部300bに回動可能に結合される。
【0013】
図1に描かれる解決策ではベアリングブロックに接触して位置し且つ従来技術から知られる変形チューブ500は、そのカップリング面側端部500bで第1のベアリング支持部品200に接続固定される部分500.1を有する。第1のベアリング支持部品200に接続固定されるこの変形チューブ部分500.1は、車体近傍に配置される変形チューブ部分500.2と比べて幅広い断面積を有する。
【0014】
図1に描かれる解決策では、そのカップリングロッド側端部またはカップリング面側端部で第2のベアリング支持部品300の車体側端部300aに接続固定される円錐リング700が更に設けられており、その場合、円錐リングの車体側端部は、幅広い断面を有する変形チューブ部分500.1と車体近傍に位置される変形チューブ部分500.2との間の移行部500.3の内面と当接する。その際、第2のベアリング支持部品300は、その車体側端部300aにより、第1のベアリング支持部品200と車体近傍に配置された変形チューブ部分500.2との間で支えられる。
【0015】
衝突時、すなわち、過度の衝撃がカップリングアセンブリを介して伝えられるとき、および、この過度の衝撃が変形チューブ500の変形をもたらすとき、第2のベアリング支持部品300は、円錐リング700と共に、車体に取り付け固定された第1のベアリング支持部品200および変形チューブ500に対して車体の方向に移動し、それにより、車体近傍に配置される変形チューブ部分500.2が塑性変形によってその断面積の拡張を起こす。
【0016】
独国特許出願公開第4302444号と関連して前述した解決策と同様、図1に描かれるエネルギ散逸装置の実現態様は、衝突中に車体に装着固定される第1のベアリング支持部品に対して車体へ向けて移動するそれらの構成要素がこの軸線方向移動時に傾き、それにより、達成可能なエネルギ散逸が、予測できず、特に、エネルギの散逸において予め決定可能な一連の事象をもたらさないという根本的な危険も伴う。具体的には、従来技術で一般に知られる図1に描かれる解決策を用いると、車体へ向かう軸線方向移動中に、第2のベアリング支持部品300が、第2のベアリング支持部品300の車体側端部300aに設けられる円錐リング700と共に、変形チューブ500の内側で傾き或いは楔留まるという根本的な危険が存在する。独国特許出願公開第4302444号と関連して前述した解決策を用いると、衝突時に、この解決策では第2のベアリング支持部品と共に車体へ向けて軸線方向に移動される変形チューブ自体が、ノズルプレートに設けられる開口内で楔留まり或いは詰まるという危険がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
上述した問題に基づき、本発明は、衝突時の予め決定可能な一連の事象と組み合わされて最大エネルギ散逸を実現するために例えば図1を参照して前述したカップリングアセンブリにおけるショックアブソーバとして利用される最初に挙げられたタイプのエネルギ散逸装置を更に向上させるという課題を扱う。特に、衝突時に、すなわち、例えばカップリングアセンブリの動作荷重を超えるときに、一方では、所定の予め決定可能な一連の事象にしたがって、結果として生じる衝撃エネルギの少なくとも一部を散逸させることができ、他方では、このために使用されるエネルギ散逸要素が最も小さい想定し得る設置スペースを車体の車台に必要とするエネルギ散逸装置が特定される。
【課題を解決するための手段】
【0018】
この課題は、最初に挙げられたタイプのエネルギ散逸装置であって、ベアリングブロックがガイド要素を発明的に更に備え、上記ガイド要素のカップリング面側端部が第2のベアリング支持部品の車体側端部に接続され、ガイド要素の車体側端部が、車体近傍に配置される変形チューブの部分へと少なくとも部分的に延びるとともに、上記変形チューブ部分の内面に接触して位置される、エネルギ散逸装置によって解決される。
【0019】
提案された解決策を用いて得られ得る利点は明らかである。第1に、例えばカップリングアセンブリの動作荷重を超えるときに断面拡張によって塑性変形するようになっているベアリングブロック下流側の変形チューブを備えることにより、最小の可能な設置スペースで最大エネルギ散逸をもたらすエネルギ散逸装置が提供される。これは、エネルギ散逸装置応答時に変形チューブが例えば車体の車台に付加的に設けられる空間から吐き出されないことにより達成される。
【0020】
一方、ガイド要素を提供する提案された解決策により、衝突の場合には、エネルギ散逸のプロセスにおいて予め決定可能な一連の事象も可能である。そのカップリング面側端部によって第2のベアリング支持部品に接続される上記ガイド要素は、それにより、その車体側端部が変形チューブ部分へと少なくとも部分的に延び、エネルギ散逸装置の応答前のその断面は、変形チューブのカップリング面側端部の幅広い断面と比べて幅広くない。一方で、エネルギ散逸装置応答前にガイド要素が幅広くない変形チューブ部分の内面に当接するため、また、他方で、ガイド要素のカップリング面側端部が第2のベアリング支持部品の車体側端部に接続されるため、ガイド要素の車体側端部は、エネルギ散逸装置の応答時に、すなわち、第2のベアリング支持部品がガイド要素と共に車体上に装着固定された第1のベアリング支持部品および第1のベアリング支持部品に接続固定された変形チューブに対して車体へ向けて移動されるときに、(未だ)幅広くない変形チューブ部分の内面に沿って延び、したがって、第2のベアリング支持部品の軸線方向案内を行なう。第2のベアリング支持部品のこの軸線方向案内は、エネルギ散逸装置の応答時に変形チューブ内での第2のベアリング支持部品の傾動を防止し、そのため、変形チューブの塑性変形(すなわち、変形チューブの塑性的な断面拡張)が予測可能な態様で進行し、衝突中の一連のエネルギ散逸事象を全体として予測できる。
【0021】
特にエネルギ散逸装置の実現態様に関連付けられる本発明の解決策の有利な実施形態が従属請求項に示されている。
【0022】
したがって、本発明に係る解決策の特に好ましい実現態様では、ベアリングブロックのガイド要素が好ましくはガイド要素と一体に形成される円錐リングを備え、円錐リングは、そのカップリング面側端部が第2のベアリング支持部品の車体側端部に接続され、また、その車体側端部が、車体近傍に配置される変形チューブの部分へと少なくとも部分的に延びるとともに、この変形チューブ部分の内面に当接し、その断面はエネルギ散逸装置が作動される前にはまだ幅広くない。したがって、この好ましい実現態様において、ガイド要素は、一方ではエネルギ散逸装置の応答時に第2のベアリング支持部品の軸線方向案内を担い、他方では円錐リングの機能を担う。それにより、ガイド要素のカップリング面側部分は、幅広い変形チューブ部分とエネルギ散逸装置の応答前に変形チューブのカップリング面側端部の幅広い断面に比べて未だ幅広くない断面を有する変形チューブ部分との間の移行部に当接するとともに、第2のベアリング支持部品がガイド要素と共に変形チューブに対して車体へ向けて移動されるときのエネルギ散逸装置の作動時に未だ今のところ幅広くない変形チューブ部分の塑性拡張を行なう。ガイド要素の車体側部分は、基本的に、幅広い断面積を有する変形チューブのカップリング面側端部と比べて小さい断面積を有する変形チューブ部分の内面と当接するため、第2のベアリング支持部品の必要な軸線方向案内は、エネルギ散逸装置の応答時にこのガイド要素部分によって行なわれる。
【0023】
好ましくは上記ガイド要素と一体に形成される円錐リングを備える後者で挙げたガイド要素の好ましい実現態様は、ガイド要素のカップリング面側端部(円錐リングのカップリング面側端部のそれぞれ)が第2のベアリング支持部品の車体側端部と積極的に係合される。第2のベアリング支持部品の車体側端部とガイド要素のカップリング面側端部との間の積極的な接続を選ぶことにより、特にエネルギ散逸装置が作動される際に、第2のベアリング支持部品からガイド要素への信頼できる所定の力の伝達が可能になる。エネルギ散逸装置が作動されると、円錐リングとして構成され且つ既に幅広い変形チューブ部分と(未だ)幅広くない変形チューブ部分との間の移行部に当接するガイド要素の部分からガイド要素へ伝えられる力は、当初は幅広くない変形チューブ部分を塑性変形させるために使用される。
【0024】
特に、円錐リング、既に幅広い変形チューブ部分と(未だ)幅広くない変形チューブ部分との間の移行部にある円錐リング部分をそれぞれを設けることにより、第2のベアリング支持部品から変形チューブの移行部分への特に高い理想的に完全な力の伝達を実現でき、それにより、一方で、エネルギ散逸装置の応答時間および応答挙動を、他方で、エネルギ散逸中の一連の事象、すなわち、エネルギ散逸装置が応答した後の一連の事象を、正確に予め規定可能である。
【0025】
しかしながら、ガイド要素、円錐リングのそれぞれのカップリング面側端部と第2のベアリング支持部品の車体側端部との間の積極的係合の形態を成す接続に関連する後者で挙げられた好ましい実施形態に加えて或いは代えて、例えばボルト継手によって積極的な接続或いは圧力嵌め接続または完全圧力嵌め接続を実現することも考えられる。衝突時にエネルギ散逸装置の応答時間および応答挙動をそれぞれ短くし、正確に予め決定して規定するため、ガイド要素のカップリング面側端部が基本的に第2のベアリング支持部品の車体側端部に対して可能な限り遊び無く結合されることが特に好ましい。
【0026】
前述した好ましい実現態様では、ガイド要素と好ましくは一体に形成される円錐リングを備えるガイド要素、円錐リングの機能を担い且つ幅広い断面積を有する変形チューブ部分と塑性変形によって断面積が未だ拡張されない車体近傍に配置される変形チューブ部分との間の移行部の内面に当接するガイド要素の部分により、最も想定し得る所定の完全な力の伝達を、変形チューブを介して、第2のベアリング支持部品から、幅広い断面積を有する部分と(未だ)幅広くない断面積を有する部分との間の変形チューブの移行部にある第1のベアリング支持部品へと行なうことができ、それにより、一方ではエネルギ散逸装置の応答挙動を、他方ではエネルギ散逸中の一連の事象を特に正確に予測できる。
【0027】
本発明に係る解決策の他の(代わりの)実現態様では、そのカップリング面側端部が第2のベアリング支持部品の車体側端部に接続され且つ幅広い断面積を有する変形チューブ部分と車体近傍に位置される変形チューブの部分との間の移行部の内面に当接する円錐リングを備えるベアリングブロックが有利に提供され、そのため、第2のベアリング支持部品からの変形チューブにおける前述した所定の力の伝達が実現される。これにより、ガイド要素は、そのカップリング面側端部によって第2のベアリング支持部品の車体側端部に更に有利に接続され、また、その車体側端部は、エネルギ散逸装置応答前にカップリングロッドの近傍に配置される変形チューブ部分の(幅広い)断面と比べて小さい内径を有する車体近傍に配置される変形チューブ部分へと少なくとも部分的に延びる。したがって、ガイド要素の車体側端部は、小さい内径を有する変形チューブ部分の内面と当接する。
【0028】
円錐リングと別個の構成要素として構成されるこのタイプのガイド要素を設けることによって得られる利点は、ガイド要素と一体に形成される円錐リングを有するガイド要素と関連する前述した利点にほぼ対応する。繰り返しを避けるため、ここでは、前回の所見を参照する。しかしながら、ガイド要素および円錐リングの2部品構造は、図1を参照して前述したような従来のエネルギ散逸装置を改良できるという更なる利点をもたらし、また、それにより、ベアリングブロックは、そのようなガイド要素を用いた軸線方向案内を行なうことなく変形チューブの下流側にある。これに必要な全ては、ガイド要素が第2のベアリング支持部品の車体側端部に配置され、それにより、ガイド要素のカップリング面側端部が第2のベアリング支持部品の車体側端部に接続されるとともに、ガイド要素の車体側端部が、エネルギ散逸装置の応答前に未だ幅広い内径を有していない車体近傍に配置される変形チューブ部分へと少なくとも部分的に延びるようになることである。それにより、ガイド要素の車体側端部は、小さい内径を有するこの変形チューブ部分の内面に接触して配置されるようになる。
【0029】
円錐リングおよびガイド要素がそれぞれ別個の構成要素として構成される本発明に係る解決策の後者に挙げられた実現態様においては、一方では円錐リングのカップリング面側端部が、他方ではガイド要素のカップリング面側端部がそれぞれ第2のベアリング支持部品の車体側端部と積極的に係合することが好ましい。そのような積極的な接続により、特に容易に実現されるが効果的な方法で、第2のベアリング支持部品と、エネルギ散逸装置のそれぞれの構成要素、特に一方では円錐リング、他方ではガイド要素との間で可能な最も信頼できる完全な力の伝達を実現できる。無論、ここでは、円錐リングおよび/またはガイド要素を第2のベアリング支持部品の車体側端部に接続するためにボルト継手などを使用することも考えられる。一般に、エネルギ散逸装置の応答挙動を短くして規定するため、特に、エネルギ散逸中の一連の事象を予め規定可能にするためにも、一方ではガイド要素と第2のベアリング支持部品の間に、他方では円錐リングと第2のベアリング支持部品との間に想定され得る遊びが存在しないことが好ましい。
【0030】
一方ではガイド要素が、他方では円錐リングがそれぞれ別個の構成要素として構成される後者に挙げられた実現態様の1つの特に好ましい実施形態では、ガイド要素と第2のベアリング支持部品とを一体に形成することが考えられ、それにより、本発明のカップリングアセンブリの個々の構成要素の数を減らすことが可能である。これは、エネルギ散逸装置の簡略化された組み立てに関して特に有利である。
【0031】
第1のベアリング支持部品に関しては、第1のベアリング支持部品がボルト継手によって関連する車体に装着されることが好ましい。しかしながら、それに加えて或いはそれに代えて、第1のベアリング支持部品が積極的な接続によって車体に取り付けられることも考えられる。これらは、第1のベアリング支持部品を例えば関連する車体の車台に接続固定するための可能な実現態様である。しかしながら、無論、他の実施形態も考えられる。
【0032】
第1のベアリング支持部品の1つの好ましい実現態様は、上記第1のベアリング支持部品が、例えば車体の車台上の固定フランジに対してボルト締めされ得る少なくとも2つの平行に離間されたレールを備える。互いに平行に延びる第1のベアリング支持部品のこれらの少なくとも2つのレールは、それらが開口を形成するように構成されており、上記開口は、衝突時に、すなわち、第2のベアリング支持部品がエネルギ散逸装置の応答時に第1のベアリング支持部品および変形チューブに対してガイド要素と共に車体へ向けて移動されるときに、インタフェースの車体側端部がインタフェースに取り付けられる第2のベアリング支持部品と共に通過するのを可能にする。ここで提案された解決策は、車台にボルト締結される平行に離間された好ましくは垂直なレールから成る第1のベアリング支持部品の特に簡単に実現可能な実施形態を構成する。しかしながら、無論、他の実施形態も考えられる。
【0033】
最後に、提案された本発明の解決策においては、一方では、第2のベアリング支持部品が第1のベアリング支持部品と変形チューブとの間で好ましくは遊びを伴うことなく支えられ、他方では、カップリングアセンブリのための予め規定できる動作荷重を超えるときに第2のベアリング支持部品が第1のベアリング支持部品に対して、したがって車体近傍に配置される変形チューブの部分に対して車体へ向けて移動することにより、エネルギ散逸装置の応答前には幅広い断面を有さず、断面拡張によって塑性変形されるように変形チューブが形成されることが特に好ましい。したがって、エネルギ散逸装置は、カップリングアセンブリを過度な衝撃等から確実に保護することができ、例えば、一方ではエネルギ散逸装置の応答挙動を、他方では最大エネルギ散逸をカップリングアセンブリの動作荷重に適合させることよって保護することができる。
【0034】
本発明に係るエネルギ散逸装置は、多部品車両のカップリングアセンブリにおけるショックアブソーバとして適することが特に好ましく、その場合、カップリングアセンブリが牽引力および衝撃力を伝えるためのカップリングロッドを備え、また、好ましくはカップリング面へと方向付けられるエネルギ散逸装置のインタフェースが垂直に延びる枢支ピンを備え、上記枢支ピンによってカップリングロッドの車体側端部が水平面内で回動可能に第2のベアリング支持部品に対して関節結合される。したがって、本発明のエネルギ散逸装置のこの使用は、衝突時の予め決定可能な一連の事象において最大エネルギ散逸を実現可能なエネルギ散逸要素を有するカップリングアセンブリを提供する。特に、衝突時に、すなわち、カップリングアセンブリの動作荷重を超えるときに、一方では、所定の予め決定可能な一連の事象にしたがって、結果として生じる衝撃エネルギの少なくとも一部を散逸させることが可能であり、他方では、この目的のために利用されるエネルギ散逸要素が最も小さい想定し得る設置スペースを車体の車台に必要とするカップリングアセンブリが特定される。
【0035】
他方、多部品車両のサイドバッファにおいて本発明のエネルギ散逸装置を利用することも同様に好ましく、その場合、サイドバッファは、衝撃力をエネルギ散逸装置へ伝えるためのバッフル領域を備え、また、好ましくはカップリング面へと方向付けられるエネルギ散逸装置のインタフェースは、サイドバッファのバッフル領域に対して接続固定されることが好ましい。これにより、衝突時に、すなわち、例えばカップリングアセンブリの動作荷重を超えるときに、所定の予め決定可能な一連の事象にしたがって、特に結果として生じる衝撃エネルギを少なくとも部分的に消散し得る、サイドバッファのためのエネルギ散逸がもたらされる。
【0036】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る解決策の好ましい実施形態について詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】下流側エネルギ散逸装置を有する従来技術から知られるベアリングブロックの部分断側面図である。
【図2a】カップリングアセンブリで利用される本発明に係るエネルギ散逸装置の第1の好ましい実施形態の断側面図である。
【図2b】図2aに係る実施形態で利用されるエネルギ散逸要素(変形チューブ)の背面図である。
【図2c】下流側エネルギ散逸要素を有する本発明のエネルギ散逸装置の第1の実施形態で利用されるベアリングブロックを貫く図2bに示されるB−B線に沿う側面図である。
【図3a】カップリングアセンブリで利用される本発明に係るエネルギ散逸装置の第2の好ましい実施形態の断側面図である。
【図3b】図3aに係る実施形態で利用されるエネルギ散逸要素(変形チューブ)の背面図である。
【図3c】下流側エネルギ散逸要素を有する本発明のエネルギ散逸装置の第2の実施形態で利用されるベアリングブロックを貫く図3bに示されるB−B線に沿う側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1は、従来技術に係るカップリングアセンブリのショックアブソーバとして一般に利用されるようなエネルギ散逸装置を有するベアリングブロックの部分断側面図を示している。先に示したように、図1に描かれる解決策は、エネルギ散逸装置が応答した後に変形チューブが断面拡大によって塑性変形し、したがって、変形チューブが例えばノズルプレートによってエネルギ散逸装置から放出されないため、比較的小さい設置スペースを必要とするエネルギ散逸装置によって特徴付けられる。しかしながら、図1の例に描かれる既知の解決策では、エネルギ散逸装置応答時に円錐リング700を有する第2のベアリング支持部品300が変形チューブ500に楔留まり、それにより、所定の、特に予め決定可能な一連の事象で破壊エネルギ吸収の機能がもはや確実に与えられないという危険が存在する。
【0039】
図2aは、カップリングアセンブリで使用される本発明に係るエネルギ散逸装置の第1の好ましい実施形態を断側面図で示している。図2aに示されるエネルギ散逸装置の背面図が図2bに示されている。図2cは、図2aに係る下流側エネルギ散逸要素を有する本発明のエネルギ散逸装置の第2の実施形態で利用されるベアリングブロックを貫く図2bに示されるB−B線に沿う側面図を示している。
【0040】
第1の好ましい実施形態のエネルギ散逸装置が利用されるカップリングアセンブリは、本質的に、牽引力および衝撃力を伝えるための図面に明確に示されないカップリングロッドと、多部品車両の車体に取り付け可能なベアリングブロックとを備える。具体的には、ベアリングブロックは、多部品車両の車体に装着固定可能な第1のベアリング支持部品2と、枢支ピン4によってカップリングロッドの車体側端部に結合される第2のベアリング支持部品3とから成る。これにより、枢支ピン4は、例えば隣接する車体から伝えられる衝撃力をカップリングロッドを介して第2のベアリング支持部品3へ伝達可能なインタフェースに相当する。
【0041】
図示のように互いに略平行に延びる2つのレールから成ることが可能な第1のベアリング支持部品2は、ボルト継手8によって車体に装着固定することができる。一方、第2のベアリング支持部品3は、第1のベアリング支持部品2の突出要素10とエネルギを吸収するためにベアリングブロックの下流側に位置される変形チューブ5との間で遊びを伴うことなく支えられる。
【0042】
詳細には、変形チューブ5は、ここでは、そのカップリングロッド側またはカップリング面側端部5bが第1のベアリング支持部品2に接続固定される部分5.1を備えており、上記部分5.1は、車体近傍に配置される変形チューブ5の部分5.2と比べて幅広い断面積を有する。カップリングロッド側またはカップリング面側変形チューブ部分5b、すなわち、幅広い断面積を有する変形チューブ5の部分は、図2aに示されるように上記ボルト継手8を介して第1のベアリング支持部品2に対して接続固定できる。
【0043】
枢支ピン4は、エネルギ散逸装置に対して衝撃力を伝えるためのインタフェースとして、第2のベアリング支持部品3のカップリングロッド側またはカップリング面側端部3bに設けられ、(明確に示されない)カップリングロッドの車体側端部は、水平面内で回動可能に上記枢支ピン4でベアリングブロックに関節結合される。
【0044】
一方、第2のベアリング支持部品3の車体側端部3aは、第1のベアリング支持部品2の上記突出要素10と、車体近傍に配置される変形チューブ5の部分5.2、すなわち、エネルギ散逸装置の応答前に第1のベアリング支持部品2に接続固定されるカップリングロッド側変形チューブ部分5bの断面積と比べて小さい断面積を有する変形チューブ部分との間で遊びを伴うことなく支えられる。
【0045】
具体的には、これにより、第2のベアリング支持部品3の車体側端部3aにガイド要素6が設けられ、ガイド要素6は、ガイド要素6と一体に形成された円錐リング7を備える。ガイド要素6のカップリングロッド側端部6bは、積極的な係合によって第2のベアリング支持部品3の車体側端部3aに対して接続され、それにより、ガイド要素6の車体側端部6aは、車体近傍に配置される幅広くない断面積を有する変形チューブ部分5.2へと少なくとも部分的に延びるとともに、この変形チューブ部分5.2の内面に当接する。
【0046】
図2a〜図2cに係る実施形態におけるガイド要素6と一体に形成される円錐リング7は、一方では、幅広い断面積を有する変形チューブ5.1と車体近傍に配置される変形チューブ部分5.2との間の移行部5.3の内面と当接する。
【0047】
幅広くない変形チューブ部分5.2で延在し且つこの変形チューブ部分5.2の内面に接触して配置されたガイド要素6の車体側端部6aは軸線方向の案内をもたらし、この軸線方向の案内では、エネルギ散逸装置応答時に、第2のベアリング支持部品2が、車体近傍に位置される変形チューブ部分5.2の同時断面拡大を伴って第1のベアリング支持部品2および変形チューブ5に対して車体へ向けて方向性のある所定の態様で案内される。
【0048】
図3a〜図3cは、図2a〜図2cを参照して前述したエネルギ散逸装置を備えるベアリングブロックの変形例を描いており、それにより、この好ましい代わりの手段は、本発明のエネルギ散逸装置の第2の実施形態で利用される。具体的には、図3aは、カップリングアセンブリで利用される本発明に係るエネルギ散逸装置の第2の好ましい実施形態を断側面図で示している。図3aに係る実施形態で利用されるエネルギ散逸装置の背面図が図3bに示されている。図3cは、下流側エネルギ散逸要素を有する本発明に係るエネルギ散逸装置の第2の実施形態で利用されるベアリングブロックを貫く図3bに示されるB−B線に沿う断面図を示している。
【0049】
特に図3aおよび図3bから分かるように、本発明のエネルギ散逸装置の第2の実施形態は、まず最初に、変形チューブ5のカップリングロッド側端部5bがボルト継手8によって第1のベアリング支持部品2に対して接続固定されず、むしろ積極的な接続によって第1のベアリング支持部品2に接続固定されるという点において、図2a〜図2cを参照して前述した第1の実施形態と異なる。この積極的な接続は、ベアリング支持部品2および要素10と共に、変形チューブ5のカップリングロッド側端部5b上の径方向に突出する要素9によって形成される。
【0050】
第1の実施形態と更に異なる点は、下流側エネルギ散逸要素が本発明のエネルギ散逸装置の第2の好ましい実施形態で利用されるベアリングブロックにおけるガイド要素6の実現態様である。特に図3aおよび図3cから分かるように、第2の実施形態では、そのカップリングロッド側端部7bが積極的な係合によって第2のベアリング支持部品3の車体側端部3aに対して接続固定され且つ幅広い断面積を有する変形チューブ部分5.1と車体近傍に配置される変形チューブ部分5.2との間の移行部5.3の内面に接触して配置された円錐リング7が設けられる。円錐リング7に加えて、第2の実施形態は、円錐リング7とは別個に構成されるガイド要素6を備え、このガイド要素6も、好ましくは、そのカップリングロッド側端部6bが積極的な係合によって第2のベアリング支持部品3の車体側端部3aに対して接続され、それにより、ガイド要素6の車体側端部6aは、車体近傍に配置される変形チューブ部分5.2へと少なくとも部分的に延びるとともに、この変形チューブ部分5.2の内面に接触して配置される。
【0051】
第2の実施形態では、一方の円錐リング7と他方のガイド要素6とが別個の構成要素として構成されているため、図3aおよび図3cに描かれるガイド要素6は、例えば図1に描かれるような既存の解決策を改良するのに特に適している。したがって、図1に示される解決策に図3aに係るガイド要素6を組み入れるだけで、カップリングアセンブリの動作荷重を超えるときに軸線方向案内機能を伴うエネルギ散逸装置を提供することができる。
【0052】
本発明の構成は、図面を参照して説明した実施形態に限定されない。実際には、本明細書中で説明される個々の特徴は、望まれる互いの任意の組み合わせで実現できる。特に、例えば、エネルギ散逸装置が多部品車両のサイドバッファで利用されることも考えられ、それにより、サイドバッファは、衝撃力をエネルギ散逸装置へ伝えるためのバッフル領域を備え、また、それにより、好ましくはカップリング面へ方向付けられるエネルギ散逸装置インタフェースが、サイドバッファのバッフル領域に接続固定されることが好ましい。
【符号の説明】
【0053】
2…第1のベアリング支持部品、3…第2のベアリング支持部品、3a…第2のベアリング支持部品の車体側端部、3b…第2のベアリング支持部品のカップリングロッド側端部、4…枢支ピン、5…変形チューブ、5a…変形チューブの車体側端部、5b…変形チューブのカップリングロッド側端部、5.1…幅広い断面積の変形チューブ部分、5.2…幅広くない断面積の変形チューブ部分、5.3…変形チューブの移行部、6…ガイド要素、6a…ガイド要素の車体側端部、6b…ガイド要素のカップリングロッド側端部、7…円錐リング、7a…円錐リングの車体側端部、7b…円錐リングのカップリングロッド側端部、8…ボルト継手、9…第1のベアリング支持部品の変形チューブのカップリングロッド側端部上の突出要素、10…第1のベアリング支持部品上の突出要素。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多部品車両の緊密カプラまたはサイドバッファのためのカップリングアセンブリ用のエネルギ散逸装置であって、
カップリング面へ向けて方向付けられることが好ましいインタフェース(4)を備える車体に装着可能なベアリングブロック(2、3)を有し、前記インタフェースによって、隣接する車体から伝えられる衝撃力を前記ベアリングブロック(2、3)および前記ベアリングブロック(2、3)に当接する変形チューブ(5)に伝えることができ、前記ベアリングブロック(2、3)が、多部品車両の車体に装着固定可能な第1のベアリング支持部品(2)と、前記インタフェース(4)の車体側端部に接続される第2のベアリング支持部品(3)とを備え、
前記変形チューブ(5)が、前記カップリング面側端部(5b)で前記第1のベアリング支持部品(2)に接続固定される部分(5.1)を備え、前記部分(5.1)が、車体近傍に位置される前記変形チューブ(5)の部分(5.2)と比べて幅広い断面積を有し、
前記第2のベアリング支持部品(3)の車体側端部(3a)が、前記第1のベアリング支持部品(2)と車体近傍に位置される前記変形チューブ(5)の部分(5.2)との間で支えられる、エネルギ散逸装置において、
前記ベアリングブロック(2、3)がガイド要素(6)を更に備え、前記ガイド要素のカップリング面側端部(6b)が前記第2のベアリング支持部品(3)の車体側端部(3a)に接続され、前記ガイド要素の車体側端部(6a)は、車体近傍に位置される前記変形チューブ(5)の部分(5.2)へと少なくとも部分的に延びるとともに、前記変形チューブ部分(5.2)の内面に接触して配置されることを特徴とするエネルギ散逸装置。
【請求項2】
前記ベアリングブロック(2、3)の前記ガイド要素(6)が、前記ガイド要素(6)と一体に形成される円錐リング(7)を備え、前記円錐リングのカップリング面側端部(7b)が前記第2のベアリング支持部品(3)の車体側端部(3a)に接続され、前記円錐リングの車体側端部(7a)は、車体近傍に位置される前記変形チューブ(5)の部分(5.2)へと少なくとも部分的に延びるとともに、前記変形チューブ部分(5.2)の内面に接触して配置される、請求項1に記載のエネルギ散逸装置。
【請求項3】
前記円錐リング(7)の前記カップリング面側端部(7b)が、前記第2のベアリング支持部品(3)の前記車体側端部(3a)と積極的に係合する、請求項2に記載のエネルギ散逸装置。
【請求項4】
前記円錐リング(7)の前記カップリング面側端部(7b)が、前記第2のベアリング支持部品(3)の前記車体側端部(3a)に非積極的に接続される、請求項2または3に記載のエネルギ散逸装置。
【請求項5】
前記円錐リング(7)が、幅広い断面積の変形チューブ部分(5.1)と車体近傍に位置される前記変形チューブ(5)の部分(5.2)との間の移行部(5.3)の内面と当接する、請求項2〜4のいずれか一項に記載のエネルギ散逸装置。
【請求項6】
前記ベアリングブロック(2、3)が、前記カップリング面側端部(7b)が前記第2のベアリング支持部品(3)の車体側端部(3a)に接続される円錐リング(7)を更に備え、前記円錐リングは、幅広い断面積の変形チューブ部分(5.1)と車体近傍に位置される前記変形チューブ(5)の部分(5.2)との間の移行部(5.3)の内面に接触して位置し、前記ガイド要素(6)は、前記カップリング面側端部(6b)が前記第2のベアリング支持部品(3)の車体側端部(3a)に接続され、前記車体側端部(6a)が、車体近傍に位置される前記変形チューブ(5)の部分(5.2)へと少なくとも部分的に延びるとともに、前記変形チューブ部分(5.2)の内面に接触して配置される、請求項1に記載のエネルギ散逸装置。
【請求項7】
一方では前記円錐リング(7)のカップリング面側端部(7b)が、他方では前記ガイド要素(6)のカップリング面側端部(6b)がそれぞれ、前記第2のベアリング支持部品(3)の車体側端部(3a)と積極的に係合する、請求項6に記載のエネルギ散逸装置。
【請求項8】
前記ガイド要素(6)および前記第2のベアリング支持部品(3)が一体構造を成す、請求項6または7に記載のエネルギ散逸装置。
【請求項9】
前記第2のベアリング支持部品(3)が、前記第1のベアリング支持部品(2)と車体近傍に位置される前記変形チューブ(5)の部分(5.2)との間で前記円錐リング(7)を介して遊びを伴うことなく支えられる、請求項2〜8のいずれか一項に記載のエネルギ散逸装置。
【請求項10】
前記第1のベアリング支持部品(2)がボルト接続(8)によって車体に固定され得る、請求項1〜9のいずれか一項に記載のエネルギ散逸装置。
【請求項11】
前記第1のベアリング支持部品(2)が積極的な接続によって車体に固定され得る、請求項1〜10のいずれか一項に記載のエネルギ散逸装置。
【請求項12】
前記第1のベアリング支持部品(2)が、互いに略平行に延びて車体に螺合固定され得る2つのレールを備える、請求項1〜11のいずれか一項に記載のエネルギ散逸装置。
【請求項13】
前記第2のベアリング支持部品(3)が前記第1のベアリング支持部品(2)と前記変形チューブ(5)との間で支えられ、エネルギ吸入機構の予め規定可能な動作荷重を超えるときに前記第2のベアリング支持部品(3)が前記第1のベアリング支持部品(2)に対して、したがって車体近傍に位置される前記変形チューブ(5)の部分(5.2)に対して車体へ向けて移動して幅広い断面が塑性変形されるように前記変形チューブ(5)が形成される、請求項1〜12のいずれか一項に記載のエネルギ散逸装置。
【請求項14】
多部品車両のカップリングアセンブリにおける請求項1〜13のいずれか一項に記載のエネルギ散逸装置の使用であって、前記カップリングアセンブリが牽引力および衝撃力を伝えるためのカップリングロッドを備え、好ましくはカップリング面へと方向付けられる前記エネルギ散逸装置の前記インタフェース(4)が垂直に延びる枢支ピンを備え、前記枢支ピンによって前記カップリングロッドの車体側端部が水平面内で回動可能に前記第2のベアリング支持部品(3)に対して関節結合される、エネルギ散逸装置の使用。
【請求項15】
多部品車両のサイドバッファにおける請求項1〜13のいずれか一項に記載のエネルギ散逸装置の使用であって、前記サイドバッファが、衝撃力を前記エネルギ散逸装置へ伝えるためのバッフル領域を備え、好ましくはカップリング面へと方向付けられる前記エネルギ散逸装置の前記インタフェース(4)は、前記サイドバッファの前記バッフル領域に対して好ましくは強固に接続される、エネルギ散逸装置の使用。

【図1】
image rotate

【図2a】
image rotate

【図2b】
image rotate

【図2c】
image rotate

【図3a】
image rotate

【図3b】
image rotate

【図3c】
image rotate


【公表番号】特表2010−526702(P2010−526702A)
【公表日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−506889(P2010−506889)
【出願日】平成20年4月25日(2008.4.25)
【国際出願番号】PCT/EP2008/055064
【国際公開番号】WO2008/135414
【国際公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願人】(506408818)フォイト パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (52)
【氏名又は名称原語表記】VOITH PATENT GmbH
【住所又は居所原語表記】St. Poeltener Str. 43, D−89522 Heidenheim, Germany
【Fターム(参考)】