多重薬物放出調節の可能なソリッドマイクロ構造体及びその製造方法
本発明は、生体適合性/生分解性物質にマイクロパーチクルまたはナノパーチクル及び/またはエマルション剤形の薬物運搬体を混合して、多重薬物放出調節の可能なソリッドマイクロ構造体を製造する方法及びこれにより製造されたソリッドマイクロ構造体に関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多重薬物放出調節の可能な生体適合性/生分解性ソリッドマイクロ構造体及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
疾病の治療のための数多くの薬物及び治療剤などが開発されたが、薬物の身体内への伝達に当たって、生物学的障壁(例えば、皮膚、口腔粘膜及び脳−血管障壁など)の通過問題及び薬物伝達の効率問題は依然として改善されるべき点として残っている。
【0003】
薬物は一般的に錠剤剤形またはカプセル剤形に経口投与されるが、数多くの薬物が胃腸管で消化または吸収されるか、または肝の機転によって消失されるなどの理由で、前記のような投与方法だけでは有効に伝えられない。さらに、いくつかの薬物は腸の粘膜を通過して有効に拡散され得ない。また患者の順応度も問題になる(例えば、特定間隔で薬物を服用せねばならないか、または薬を服用できない重患者の場合など)。
【0004】
薬物伝達におけるさらに他の一般的な技術は、従来の注射針(ニードル)を利用することである。この方法は経口投与に比べて効果的である一方、注射部位における痛み随伴及び皮膚の局部的損傷、出血及び注射部位での疾病感染などを引き起こすという問題点がある。
【0005】
前記のような問題点を解決するために、マイクロニードルを含む色々なマイクロ構造体が開発された。
【0006】
一般的に生分解性ソリッドマイクロニードルは、生体内への薬物伝達に使われる。生分解性ソリッドマイクロニードルを利用した薬物伝達は、血管またはリンパ管などの生体循環系ではない、皮膚を通じる経皮性薬物伝達を目的とする。したがって、生分解性ソリッドマイクロニードルは皮膚貫通時に無痛症でなければならず、製作過程で薬物と混合して皮膚貫通後に生体内で溶けて、目的とする部位に薬物を伝達できる生分解能がなければならない。また、10ないし20μmの皮膚角質層を貫通できる物理的硬度が必須である。
【0007】
分解性ソリッドマイクロニードルは、ナノデバイス・アンド・システムズ社により提案された(特許出願公開第2005154321号;及び“Sugar Micro Needles as Transdermic Drug Delivery System”,Biomedical Microdevices 7:3,185−188,2005)。このような、吸収型マイクロニードルは、皮膚内へ挿入されたマイクロニードルを除去せずに薬物伝達または美容に使用しようとするものである。この方法では、鋳型にマルトースと薬物とを混合した組成物を加え、これを凝固させてマイクロニードルを製作した。一方、米国ジョージア大学のプラウスニツは、ガラスをエッチングするか、またはフォトリソグラフィで鋳型を作って、生分解性ポリマーマイクロニードルの製作方法(Biodegradable polymer microneedles:Fabrication,mechanics and transdermal drug delivery,Journal of Controlled Release 104,51−66,2005)を提案したことがある。前記特許は、マイクロニードルを吸収型に製作して薬物を皮膚内へ伝達することを提示しているが、皮膚貫通時に痛みを伴った。また鋳型製作の技術的限界によって、無痛症を伴う適切な上端部直径を持つ上で、効果的な薬物伝達に要求されるレベルの長さ、すなわち、1mm以上の長さを持つマイクロニードルを製作することが困難であり、高温の製作温度による化学的薬物の搭載のみ可能であるという短所があった。
【0008】
また、米国ジョージア大学のプラウスニツは、複数層の生分解性マイクロニードルの製作方法(国際特許出願第WO02/064193号及び“Polymer Particle−based micromolding to fabricate novel microstructure”Biomedical Microdevices 9:223−234,2007)を提案して、生分解性プラスチックで製作されたマイクロパーチクルを鋳型に押圧した後、溶かして作ったマイクロニードル、及びマイクロパーチクルの一部を鋳型に押圧して溶かし、その上に他の物質を鋳型に入れて押圧して製作された複数層のマイクロニードルを製作した。しかし、複数層のマイクロニードルは一つのマイクロニードルより弱くて、鋳型から分離するときに効果的に分離させ難いだけでなく、皮膚貫通時に折れる可能性があった。また、鋳物製作方法の限界のため、マイクロパーチクルのみ利用した1タイプのカプセル化した生分解性マイクロニードルだけ製作するしかなく、いろいろなタイプの多重薬物放出調節の可能な生分解性マイクロニードルを製作できなくて、薬物伝達の多様性を満たすことができなかった。
【0009】
したがって、化学的、生物学的薬物の形態すべてを生分解性マイクロニードルとして製作する方法、及び薬物伝達の効率を極大化するための薬物放出調節が可能な生分解性マイクロニードルが必要であり、ひいては、いろいろな薬物において、それぞれ薬物放出調節ができる、多重薬物放出調節の可能な生分解性ソリッドマイクロニードルへのニーズが持続してきた。
【0010】
本明細書の全体にわたって複数の論文及び特許文献が参照され、その引用が表示されている。引用された論文及び特許文献の開示内容は、その全体として本明細書に参照までに挿入されて、本発明が属する技術分野のレベル及び本発明の内容がさらに明確に説明される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明者らは、ドローイング方法を利用して外形及び硬度で進歩した生分解性ソリッドマイクロニードル(PCT出願第PCT/KR2007/003506号:A biodegradable solid type microneedle and methods for preparing it)を提案した以後、マイクロ単位の直径、十分な有効長及び硬度を持つ上で多重薬物放出調節の可能なマイクロ構造体を開発しようと努力した。その結果、生体適合性/生分解性物質にマイクロパーチクルまたはナノパーチクル及び/またはエマルション剤形の薬物運搬体を混合して製造したソリッドマイクロ構造体が、前記の特徴を持つということを確認して、本発明を完成するに至った。
【0012】
したがって、本発明の目的は、水溶性及び脂溶性薬物、美容成分または高分子物質などが多重薬物として混合された形態、または多重薬物放出が可能な上で所望の特性(例えば、有効長、上端部直径及び硬度)を持つソリッドマイクロ構造体の製造方法を提供するところにある。
【0013】
本発明の他の目的は、ソリッドマイクロ構造体を提供するところにある。
【0014】
本発明の他の目的及び利点は、下記の発明の詳細な説明、特許請求の範囲及び図面によってさらに明らかになる。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の一様態によれば、本発明は、次の段階を含むソリッドマイクロ構造体の製造方法を提供する。(a)マイクロ構造体の骨格物質としての生体適合性/生分解性物質を用意する段階;(b)前記(a)の生体適合性/生分解性物質及び薬物を混合する段階であって、前記薬物は、マイクロパーチクル、ナノパーチクル及びエマルション剤形に混入(incorporation)されており;そして、(c)前記(b)の混合物を利用して薬物運搬体が含まれたソリッドマイクロ構造体を製造する段階。
【0016】
本発明の他の様態によれば、本発明は、前述した本発明の方法により製造されたソリッドマイクロ構造体を提供する。
【0017】
本発明者らは、マイクロ単位の直径、十分な有効長及び硬度を持つ上で多重薬物放出調節の可能なマイクロ構造体を開発しようと努力した。その結果、生体適合性/生分解性物質にマイクロパーチクルまたはナノパーチクル及び/またはエマルション剤形の薬物運搬体を混合して、前記の長所を持つ新規のソリッドマイクロ構造体を開発した。本発明によれば、従来技術で製作できなかった薬物の放出速度を時間によって調節するか、水溶性及び脂溶性薬物の混合形態、美容成分または高分子物質などを追加して多重薬物として混合された形態、または多重薬物放出が可能な上で所望の特性(例えば、有効長、上端部直径及び硬度)を持つソリッドマイクロ構造体を製造できることを確認した。
【0018】
本発明の方法をそれぞれの段階によって詳細に説明すれば、次の通りである。
【0019】
段階(a):マイクロ構造体の骨格物質としての生体適合性/生分解性物質準備
マイクロ構造体を製造するために本発明で利用される物質は、生体適合性/生分解性物質である。本明細書で用語“生体適合性物質”は、実質的に人体に毒性がなく、化学的に不活性であり、免疫原性のない物質を意味する。本明細書で用語“生分解性物質”は、生体内で体液または微生物などにより分解されうる物質を意味する。
【0020】
このような生体適合性/生分解性物質はマイクロ構造体の骨格をなし、望ましくは、ポリヒドロキシアルカノエート(PHAs)、ポリ(α−ヒドロキシアシッド)、ポリ(β−ヒドロキシアシッド)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−co−バレレート;PHBV)、ポリ(3−ヒドロキシプロプリオネート;PHP)、ポリ(3−ヒドロキシヘキサノエート;PHH)、ポリ(4−ヒドロキシアシッド)、ポリ(4−ヒドロキシブチレート)、ポリ(4−ヒドロキシバレレート)、ポリ(4−ヒドロキシヘキサノエート)、ポリ(エステルアミド)、ポリカプロラクトン、ポリラクタイド(PLA)、ポリグリコライド(PGA)、ポリ(ラクタイド−co−グリコライド;PLGA)、ポリジオキサノン、ポリオルトエステル、ポリアンヒドリド、ポリ(グリコール酸−co−トリメチレンカーボネート)、ポリホスホエステル、ポリホスホエステルウレタン、ポリ(アミノ酸)、ポリシアノアクリレート、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(イミノカーボネート)、ポリ(タイロシンカーボネート)、ポリカーボネート、ポリ(タイロシンアリレート)、ポリアルキレンオキサレート、ポリホスファゼン、PHA−PEG、ポリビニルピロリドン、ポリブタジエン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリメチルメタクリレート、ポリメタクリル酸エステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセタルジエチルアミノアセテート、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、塩化ビニル−プロピレン−ビニルアセテート共重合体、塩化ビニル−ビニルアセテート共重合体、クマロンインデンポリマー、ジブチルアミノヒドロキシプロピルエーテル、エチレン−ビニルアセテート共重合体、ジステアロイルグリセロール、2−メチル−5−ビニルピリジンメタクリレート−メタクリル酸共重合体、ヒアルロン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、セルロースまたはその誘導体、マルトース、デキストラン、グルコマンナン、グルコサミン、キトサン、ヘパリン、アルギネート、イヌリン、澱粉、グリコゲン、キチン、コンドロイチン、デキストリン、ケラタン硫酸、牛脂、ホエールワックス、ワックス、パラフィンワックスまたはキャスターワックスであり、さらに望ましくは、ポリラクタイド(PLA)、ポリグリコライド(PGA)、ポリ(ラクタイド−co−グリコライド;PLGA)、セルロースまたはその誘導体、マルトース、デキストラン、グルコマンナン、グルコサミン、キトサン、ヘパリン、アルギネート、イヌリン、澱粉またはグリコゲンであり、最も望ましくはポリラクタイド(PLA)、ポリグリコライド(PGA)、ポリ(ラクタイド−co−グリコライド;PLGA)、セルロースまたはその誘導体、マルトースまたはキトサンである。生体適合性/生分解性物質としてセルロース誘導体を利用する場合、望ましくは、セルロースポリマー、さらに望ましくは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース(望ましくは、ヒドロキシエチルセルロースまたはヒドロキシプロピルセルロース)、エチルヒドロキシエチルセルロース、アルキルセルロース及びカルボキシメチルセルロースであり、さらに望ましくは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはカルボキシメチルセルロースであり、最も望ましくは、カルボキシメチルセルロースである。
【0021】
マイクロ構造体の骨格をなす生体適合性/生分解性物質は、自体粘性を持つか、または他の増粘剤を含むことができる。このような生体適合性/生分解性物質の粘性は、含まれる物質の種類、濃度、温度または増粘剤の添加などによって多様に変化させることができ、本発明の目的に好適に調節できる。
【0022】
例えば、当業界で通例的に利用される増粘剤、例えば、ヒアルロン酸とその塩、ポリビニルピロリドン、セルロースポリマー、デキストラン、ゼラチン、グリセリン、ポリエチレングリコール、ポリソルベート、プロピレングリコール、ポビドン、カルボマー、ガッチガム、グアガム、グルコマンナン、グルコサミン、ダンマルガム、レンネットカゼイン、ローカストビーンガム、微小繊維状セルロース、サイリウムシードガム、ザンタンガム、アラビノガラクタン、アラビアガム、アルギン酸、ゼラチン、ゼランガム、カラギナン、カラヤガム、カードラン、キトサン、キチン、タラガム、タマリンドガム、トラガントガム、ファーセレラン、ペクチンまたはプルランなどの増粘剤をソリッドマイクロ構造体の主成分、例えば、生体適合性/生分解性物質に添加して本発明に好適に粘性を調節できる。
【0023】
本発明の望ましい具現例によれば、本発明で利用される生体適合性/生分解性物質は好適な溶媒に溶解されて粘性を表す。
【0024】
生体適合性/生分解性物質の製造に利用される溶媒は特別に制限されず、水、炭素数1−4の無水または含水低級アルコール、アセトン、エチルアセテート、クロロホルム、ジクロロメタン、1,3−ブチレングリコール、ヘキサン、ジエチルエーテルまたはブチルアセテートが溶媒として利用されうる。
【0025】
段階(b):生体適合性/生分解性物質及び薬物の混合
次いで、生体適合性/生分解性物質及び薬物を混合する段階であって、前記薬物はマイクロパーチクル、ナノパーチクル及びエマルション剤形に混入されるようにする。
【0026】
本明細書で用語“マイクロパーチクル”は、薬物がカプセル化したマイクロサイズの微粒球を意味し、“ナノパーチクル”は、薬物がカプセル化したナノサイズの微粒球を意味する。本明細書で用語“エマルション剤形”は、ソリッドマイクロ構造体の骨格物質である生体適合性/生分解性物質に薬物が乳化した形態である。
【0027】
ソリッドマイクロ構造体の骨格物質としての生体適合性/生分解性物質と、前記剤形に混入された薬物とは多様な方式で混合できる。
【0028】
代表的な3つの望ましい具現例を説明すれば、次の通りである。
【0029】
第1の具現例によれば、前記生体適合性/生分解性物質にエマルション剤形だけで混合できる(参照:図1ないし図4)。エマルション剤形の場合、ソリッドマイクロ構造体の骨格物質である生体適合性/生分解性物質に薬物を乳化させる方法として、当業界で公知の多様な方法を利用して製造できる。さらに詳細には、水中油(oil−in−water)または油中水(water−in−oil)エマルションタイプ及び多重エマルションタイプなどで製造できる。エマルションを製造する方法は、望ましくは、乳化剤なしに生体適合性/生分解性物質内に直接薬物を分散させて薬物が内包されたエマルションを製作するか、天然または合成された多様な乳化剤を利用して薬物を含めることができる。乳化剤を使用する場合、さらに望ましくは、天然乳化剤としてレシチン、硼砂、ステアリン酸、アミゾールソフト、ヘリオゲル、ワックス、ザンサンガム、乳化ワックスまたは可溶化剤を利用して安定化させることができ、合成乳化剤として、水中油エマルション用乳化剤であるPEG−8ジラウリン酸、PEG−150ジステアリン酸、PEG−8ステアリン酸、PEG−40ジステアリン酸、PEG−100ジステアリン酸及び油中水エマルション用乳化剤のソルビタンステアリン酸、ソルビタンオールレート、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタンなどで構成された群から選択するか、これを組み合わせて薬物が内包されたエマルションを製作することであり、最も望ましくは、乳化剤なしにエマルションを製作する。例えば、水溶性生体適合性/生分解性物質に脂溶性薬物を入れて、ホモジナイザーで水中油(W/O)タイプにエマルション化するか、キトサンまたは生分解性プラスチックなどの脂溶性生体適合性/生分解性物質に水溶性薬物を入れて、ホモジナイザーに油中水(O/W)タイプにエマルション化して前記混合物を製造できる。また、多重エマルション方式を利用して水溶性生体適合性/生分解性物質と水溶性薬物との混合物に脂溶性薬物と水溶性薬物との油中水(W/O)エマルション溶液を入れて、2次エマルションして水中油中水(W/O/W)タイプにエマルション化するか、脂溶性生体適合性/生分解性物質と脂溶性薬物との混合物に水溶性薬物と脂溶性薬物との水中油(O/W)エマルション溶液を入れて、2次エマルションして油中水中油(O/W/O)タイプにエマルション化して前記混合物を製造できる。エマルションを製作する均質速度によって製作される薬物のエマルションのサイズが変わる。
【0030】
第2の具現例によれば、前記生体適合性/生分解性物質にマイクロパーチクルまたはナノパーチクルのみを薬物運搬体として混合できる(参照:図6及び図7)。生体適合性/生分解性物質に前記パーチクルを混合する方法は、当業界で公知の多様な方法を利用して製作できる。例えば、生体適合性/生分解性物質に多重エマルション方法、分散ドライ方法またはパーチクル沈殿方法などによってマイクロパーチクルまたはナノパーチクルを混合できる。
【0031】
第3の具現例によれば、前記ソリッドマイクロ構造体は、薬物運搬体としてマイクロパーチクルまたはナノパーチクルとエマルション(油中水、水中油または多重エマルション含む)とをいずれも含む(参照:図8及び図9)。
【0032】
前記生体適合性/生分解性物質に混合される薬物は特別に制限されない。例えば、前記薬物は化学薬物、タンパク質医薬、ペプチド医薬、遺伝子治療用核酸分子及びナノ粒子などを含む。
【0033】
本発明に利用できる薬物は、例えば、抗炎症剤、鎮痛剤、抗関節炎剤、鎮痙剤、抗憂鬱剤、抗精神病薬物、神経安定剤、抗不安剤、麻薬拮抗剤、抗パーキンソン薬物、コリン性アゴニスト、抗ガン剤、抗血管新生抑制剤、免疫抑制剤、抗ウイルス剤、抗生剤、食欲抑制剤、鎮痛剤、抗コリン剤、抗ヒスタミン剤、抗偏頭痛剤、ホルモン剤、冠状血管、脳血管または末梢血管拡張剤、避姙薬、抗血栓剤、利尿剤、抗高血圧剤、心血管疾患治療剤、美容成分(例えば、シワ改善剤、皮膚老化抑制剤及び皮膚美白制)などを含むが、これらに限定されるものではない。
【0034】
本発明に利用されるタンパク質/ペプチド医薬は特別に制限されず、ホルモン、ホルモン類似体、酵素、酵素阻害剤、信号伝達タンパク質またはその一部分、抗体またはその一部分、単鎖抗体、結合タンパク質またはその結合ドメイン、抗原、付着タンパク質、構造タンパク質、調節タンパク質、毒素タンパク質、サイトカイン、転写調節因子、血液凝固因子及びワクチンなどを含むが、これらに限定されるものではない。さらに詳細には、前記タンパク質/ペプチド医薬はインシュリン、IGF−1(insulin−like growth factor 1)、成長ホルモン、エリスロポエチン、G−CSFs(granulocyte−colony stimulating factors)、GM−CSFs(granulocyte/macrophage−colony stimulating factors)、インターフェロンアルファ、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ、インタールキン−1アルファ及びベータ、インタールキン−3、インタールキン−4、インタールキン−6、インタールキン−2、EGFs(epidermal growth factors)、カルシトニン、ACTH(adrenocorticotropic hormone)、TNF(tumornecrosis factor)、アトビスバン、ブセレリン、セトロレリクス、デスロレリン、デスモプレシン、ダイノルフィンA(1−13)、エルカトニン、エレイドシン、エプチフィバチド、GHRH−II(growth hormone releasing hormone−II)、ゴナドレリン、ゴセレリン、ヒストレリン、リュープロレリン、リプレッシン、オクトレオチド、オキシトシン、ピトレッシン、セクレチン、シンカリド、テルリプレシン、チモペンチン、チモシンα1、トリプトレリン、ビバリルジン、カルベトシン、サイクロスポリン、エキセディン、ランレオチド、LHRH(luteinizing hormone−releasing hormone)、ナファレリン、副甲状腺ホルモン、プラムリンチド、T−20(エンフュービルタイド)、サイマルファシン及びジコノチドを含む。
【0035】
前記薬物を含むマイクロパーチクルまたはナノパーチクルは、望ましくは、ポリエステル、ポリヒドロキシアルカノエート(PHAs)、ポリ(α−ヒドロキシアシッド)、ポリ(β−ヒドロキシアシッド)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−co−バレレート;PHBV)、ポリ(3−ヒドロキシプロプリオネート;PHP)、ポリ(3−ヒドロキシヘキサノエート;PHH)、ポリ(4−ヒドロキシアシッド)、ポリ(4−ヒドロキシブチレート)、ポリ(4−ヒドロキシバレレート)、ポリ(4−ヒドロキシヘキサノエート)、ポリ(エステルアミド)、ポリカプロラクトン、ポリラクタイド(PLA)、ポリグリコライド(PGA)、ポリ(ラクタイド−co−グリコライド;PLGA)、ポリジオキサノン、ポリオルトエステル、ポリアンヒドリド、ポリ(グリコール酸−co−トリメチレンカーボネート)、ポリホスホエステル、ポリホスホエステルウレタン、ポリ(アミノ酸)、ポリシアノアクリレート、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(イミノカーボネート)、ポリ(タイロシンカーボネート)、ポリカーボネート、ポリ(タイロシンアリレート)、ポリアルキレンオキサレート、ポリホスファゼン、PHA−PEG、ポリビニルピロリドン、ポリブタジエン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリメチルメタクリレート、ポリメタクリル酸エステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセタルジエチルアミノアセテート、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、塩化ビニル−プロピレン−ビニルアセテート共重合体、塩化ビニル−ビニルアセテート共重合体、クマロンインデンポリマー、ジブチルアミノヒドロキシプロピルエーテル、エチレン−ビニルアセテート共重合体、ジステアロイルグリセロール、2−メチル−5−ビニルピリジンメタクリレート−メタクリル酸共重合体、ヒアルロン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、セルロースまたはその誘導体、マルトース、デキストラン、グルコマンナン、グルコサミン、キトサン、ヘパリン、アルギン酸、イヌリン、澱粉、グリコゲン、キチン、コンドロイチン、デキストリン、ケラタン硫酸、牛脂、ホエールワックス、ワックス、パラフィンワックスまたはキャスターワックスで製造され、さらに望ましくは、ポリラクタイド(PLA)、ポリグリコライド(PGA)、ポリ(ラクタイド−co−グリコライド;PLGA)、セルロースまたはその誘導体、マルトース、デキストラン、グルコマンナン、グルコサミン、キトサン、ヘパリン、アルギネート、イヌリン、澱粉またはグリコゲンであり、最も望ましくは、ポリラクタイド(PLA)、ポリグリコライド(PGA)、ポリ(ラクタイド−co−グリコライド;PLGA)、セルロースまたはその誘導体、マルトースまたはキトサンである。生体適合性/生分解性物質としてセルロース誘導体を利用する場合、望ましくは、セルロースポリマー、さらに望ましくは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース(望ましくは、ヒドロキシエチルセルロースまたはヒドロキシプロピルセルロース)、エチルヒドロキシエチルセルロース、アルキルセルロース及びカルボキシメチルセルロースであり、さらに望ましくは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはカルボキシメチルセルロースであり、最も望ましくは、カルボキシメチルセルロースである。
【0036】
本発明の望ましい具現例によれば、本発明で利用されるマイクロ構造体の骨格物質としての生体適合性/生分解性物質は、前記マイクロパーチクルまたはナノパーチクルと異なる物質である。
【0037】
本発明の望ましい具現例によれば、本発明で利用されるマイクロ構造体の骨格物質としての生体適合性/生分解性物質は、薬物をさらに含む。含まれる薬物は制限されないが、さらに望ましくは、生体適合性/生分解性物質に含まれる薬物は、マイクロパーチクルまたはナノパーチクル、またはエマルションに含まれる薬物と異なるものであり、最も望ましくは、マイクロ構造体の骨格、マイクロパーチクルまたはナノパーチクル、そしてエマルションにはそれぞれ互いに異なる種類の薬物を含む。
【0038】
本発明の最も大きい特徴のうち一つは、マイクロ構造体に多様な薬物を搭載して多重薬物放出調節を行えるマイクロ構造体を製造することである。本明細書で用語“薬物放出調節”は、生体適合性/生分解性物質及びマイクロパーチクルまたはナノパーチクルが体内で生分解される時間及び程度がそれぞれ異なる性質を利用して、いろいろな薬物が必要に応じて生体内で薬物伝達効能が異なって調節されうるということを意味する。
【0039】
本発明のさらに他の特徴のうち一つは、マイクロ構造体に一つの薬物を多様な方法で搭載することである。この場合、マイクロ構造体の骨格、マイクロパーチクルまたはナノパーチクルが異なる速度で分解される性質を利用すれば、同じ薬物であるとしても所望の時間に合せて薬物放出できるように調節されたマイクロ構造体を製造できる。
【0040】
本発明で利用される薬物は特別に制限されず、望ましくは、マイクロパーチクルまたはナノパーチクルに含まれている薬物と、エマルションに含まれている薬物とは互いに異なる速度で放出されることであり、最も望ましくは、前記マイクロ構造体の骨格物質に含まれている薬物と、マイクロパーチクル、ナノパーチクルまたはエマルションに含まれている薬物とは互いに異なる速度で放出されることである。
【0041】
段階(c):薬物運搬体が含まれたソリッドマイクロ構造体の製造
薬物を含むか、または含んでいない生体適合性/生分解性物質に前記薬物運搬体を混合した後、最終的にソリッドマイクロ構造体を製作する。マイクロ構造体を製作する方法は、当業界に公知の多様な方法を利用して製作できる。例えば、生体適合性/生分解性物質に薬物を入れて、水中油(O/W)または油中水(W/O)エマルションして生成された混合物、生体適合性/生分解性物質に薬物を含むマイクロパーチクルまたはナノパーチクルを混合して生成された混合物、薬物が含まれた生体適合性/生分解性物質に他の薬物を入れて、水中油(O/W)または油中水(W/O)エマルションし、さらに他の薬物を含むマイクロパーチクルまたはナノパーチクルを混合して生成された混合物などを基板の表面上に用意する。薬物運搬体及び生体適合性/生分解性物質の混合物を収容する基板は特別に制限されず、例えば、ポリマー、有機化学物質、金属、セラミック、半導体などの物質で製造できる。次いで、目的とする形態に製作された支持体を前記混合物の表面に接触させた後、ドローイングしつつ凝固させれば、混合物は基板から支持体接触面に向かいつつ直径が縮小する構造を形成するようになる。この時、ドローイング速度を加速して混合物に引張強度以上の力を加えるか、レーザーを利用して特定部位を切断処理して短冊構造の生体適合性/生分解性ソリッドマイクロ構造体を製作する。ドローイング時に調節する条件及びドローイング速度は当業界に公知の通常の方法によって行え、例えば、生体適合性/生分解性物質、薬物運搬体、増粘剤または混合物を含む溶媒の粘性や接着性などによって、適当に調節できる。
【0042】
最後に、ドローイングされた混合物の任意の部位を切断して最終的にマイクロ構造体を得る。切断は多様な方法で行え、例えば、ドローイング速度を加速するか、または応力以上の力を加えるなどの物理的な切断またはレーザーを利用した切断など、当業界に公知の多様な方法により行える。
【0043】
本発明は多様なマイクロ構造体を提供でき、望ましくは、本発明により提供されるマイクロ構造体は、マイクロニードル、マイクロスパイク、マイクロブレード、マイクロナイフ、マイクロファイバ、マイクロプローブ、マイクロバーブ、マイクロアレイまたはマイクロ電極で、さらに望ましくは、マイクロニードル、マイクロスパイク、マイクロブレード、マイクロナイフ、マイクロファイバ、マイクロプローブまたはマイクロバーブであり、最も望ましくは、ソリッドマイクロニードルである。
【0044】
マイクロニードルは、皮膚貫通時に痛みと挿入後の異物感を最小化するために十分に細長形の構造を持つことが重要である。本発明によって製作されるソリッドマイクロニードルは、直径及び長さを目的とする形態に制限なしに製作できる。本発明の望ましい具現例によれば、本発明のソリッドマイクロニードルは、上端部直径1〜100μm、さらに望ましくは、2〜50μm、最も望ましくは、5〜10μmであり、望ましくは、有効長100〜10,000μm、さらに望ましくは、200〜10,000μm、さらに望ましくは、300〜8,000μm、最も望ましくは、500〜2,000μmであり、これらのあらゆるタイプは、パッチタイプ及びロールタイプにも製作可能である。
【0045】
本明細書で使われる用語、マイクロ構造体の“上端部”は、最小直径を持つマイクロ構造体の一末端部を意味する。本明細書で使われた用語“有効長”は、マイクロ構造体の上端部から支持体表面までの垂直長を意味する。本明細書で使われた用語“ソリッドマイクロニードル”は、中孔の形成なしに一体型に製作されたマイクロニードルを意味する。
【0046】
本発明のさらに他の様態によれば、本発明はマイクロ構造体の骨格物質としての生体適合性/生分解性物質に、薬物を含むマイクロパーチクル、ナノパーチクル及びエマルション剤形で構成された群から選択される少なくとも1種の薬物運搬体が混入されている薬物放出ソリッドマイクロ構造体を提供する。
【0047】
本発明であるソリッドマイクロ構造体は、前記生体適合性/生分解性物質、マイクロパーチクル、ナノパーチクルまたはエマルション剤形を利用するため、これら間の共通の内容は、本明細書の過度な複雑性を回避するためにその記載を省略する。
本発明の望ましい具現例によれば、本発明のマイクロ構造体の骨格物質としての生体適合性/生分解性物質は、ポリエステル、ポリヒドロキシアルカノエート(PHAs)、ポリ(α−ヒドロキシアシッド)、ポリ(β−ヒドロキシアシッド)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−co−バレレート;PHBV)、ポリ(3−ヒドロキシプロプリオネート;PHP)、ポリ(3−ヒドロキシヘキサノエート;PHH)、ポリ(4−ヒドロキシアシッド)、ポリ(4−ヒドロキシブチレート)、ポリ(4−ヒドロキシバレレート)、ポリ(4−ヒドロキシヘキサノエート)、ポリ(エステルアミド)、ポリカプロラクトン、ポリラクタイド(PLA)、ポリグリコライド(PGA)、ポリ(ラクタイド−co−グリコライド;PLGA)、ポリジオキサノン、ポリオルトエステル、ポリ酸無水物、ポリ(グリコール酸−co−トリメチレンカーボネート)、ポリホスホエステル、ポリホスホエステルウレタン、ポリ(アミノ酸)、ポリシアノアクリレート、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(イミノカーボネート)、ポリ(タイロシンカーボネート)、ポリカーボネート、ポリ(タイロシンアリレート)、ポリアルキレンオキサレート、ポリホスファゼン、PHA−PEG、ポリビニルピロリドン、ポリブタジエン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリメチルメタクリレート、ポリメタクリル酸エステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセタルジエチルアミノアセテート、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、塩化ビニル−プロピレン−ビニルアセテート共重合体、塩化ビニル−ビニルアセテート共重合体、クマロンインデンポリマー、ジブチルアミノヒドロキシプロピルエーテル、エチレン−ビニルアセテート共重合体、ジステアロイルグリセロール、2−メチル−5−ビニルピリジンメタクリレート−メタクリル酸共重合体、ヒアルロン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、セルロースまたはその誘導体、マルトース、デキストラン、グルコマンナン、グルコサミン、キトサン、ヘパリン、アルギネート、イヌリン、澱粉、グリコゲン、キチン、コンドロイチン、デキストリン、ケラタン硫酸、牛脂、ホエールワックス、ワックス、パラフィンワックス及びキャスターワックスで構成された群から選択されて、さらに望ましくはポリラクタイド(PLA)、ポリグリコライド(PGA)、ポリ(ラクタイド−co−グリコライド;PLGA)、セルロースまたはその誘導体、マルトース、デキストラン、グルコマンナン、グルコサミン、キトサン、ヘパリン、アルギネート、イヌリン、澱粉またはグリコゲンであり、最も望ましくはポリラクタイド(PLA)、ポリグリコライド(PGA)、ポリ(ラクタイド−co−グリコライド;PLGA)、セルロースまたはその誘導体、マルトースまたはキトサンである。
【0048】
本発明の望ましい具現例によれば、前記薬物を含むマイクロパーチクルまたはナノパーチクルは、ポリエステル、ポリヒドロキシアルカノエート(PHAs)、ポリ(α−ヒドロキシアシッド)、ポリ(β−ヒドロキシアシッド)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−co−バレレート;PHBV)、ポリ(3−ヒドロキシプロプリオネート;PHP)、ポリ(3−ヒドロキシヘキサノエート;PHH)、ポリ(4−ヒドロキシアシッド)、ポリ(4−ヒドロキシブチレート)、ポリ(4−ヒドロキシバレレート)、ポリ(4−ヒドロキシヘキサノエート)、ポリ(エステルアミド)、ポリカプロラクトン、ポリラクタイド(PLA)、ポリグリコライド(PGA)、ポリ(ラクタイド−co−グリコライド;PLGA)、ポリジオキサノン、ポリオルトエステル、ポリアンヒドリド、ポリ(グリコール酸−co−トリメチレンカーボネート)、ポリホスホエステル、ポリホスホエステルウレタン、ポリ(アミノ酸)、ポリシアノアクリレート、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(イミノカーボネート)、ポリ(タイロシンカーボネート)、ポリカーボネート、ポリ(タイロシンアリレート)、ポリアルキレンオキサレート、ポリホスファゼン、PHA−PEG、ポリビニルピロリドン、ポリブタジエン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリメチルメタクリレート、ポリメタクリル酸エステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセタルジエチルアミノアセテート、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、塩化ビニル−プロピレン−ビニルアセテート共重合体、塩化ビニル−ビニルアセテート共重合体、クマロンインデンポリマー、ジブチルアミノヒドロキシプロピルエーテル、エチレン−ビニルアセテート共重合体、ジステアロイルグリセロール、2−メチル−5−ビニルピリジンメタクリレート−メタクリル酸共重合体、ヒアルロン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、セルロースまたはその誘導体、マルトース、デキストラン、グルコマンナン、グルコサミン、キトサン、ヘパリン、アルギネート、イヌリン、澱粉、グリコゲン、キチン、コンドロイチン、デキストリン、ケラタン硫酸、牛脂、ホエールワックス、ワックス、パラフィンワックス及びキャスターワックスで構成された群から選択され、さらに望ましくは、ポリラクタイド(PLA)、ポリグリコライド(PGA)、ポリ(ラクタイド−co−グリコライド;PLGA)、セルロースまたはその誘導体、マルトース、デキストラン、グルコマンナン、グルコサミン、キトサン、ヘパリン、アルギネート、イヌリン、澱粉またはグリコゲンであり、最も望ましくは、ポリラクタイド(PLA)、ポリグリコライド(PGA)、ポリ(ラクタイド−co−グリコライド;PLGA)、セルロースまたはその誘導体、マルトースまたはキトサンである。
【0049】
本発明の望ましい具現例によれば、本発明であるソリッドマイクロ構造体の骨格物質としての生体適合性/生分解性物質は、前記マイクロパーチクルまたはナノパーチクルと異なる物質である。
【0050】
本発明の望ましい具現例によれば、本発明であるソリッドマイクロ構造体は薬物運搬体であって、マイクロパーチクルまたはナノパーチクルとエマルションをいずれも含むものである。
【0051】
本発明の望ましい具現例によれば、本発明であるソリッドマイクロ構造体の骨格物質としての生体適合性/生分解性物質は、薬物をさらに含むものである。含まれる薬物は制限されないが、さらに望ましくは、生体的合成/生分解性物質に含まれる薬物は、マイクロパーチクルまたはナノパーチクル、またはエマルションに含まれる薬物と異なることであり、最も望ましくは、マイクロ構造体の骨格、マイクロパーチクルまたはナノパーチクル、そしてエマルションには、それぞれ互いに異なる種類の薬物を含むことである。
【0052】
本発明の望ましい具現例によれば、本発明の構成要素である前記マイクロパーチクルまたはナノパーチクルに含まれている薬物と、エマルションに含まれている薬物とは互いに異なる速度で放出されることであり、最も望ましくは、マイクロ構造体の骨格物質に含まれている薬物と、マイクロパーチクル、ナノパーチクルまたはエマルションに含まれている薬物とは互いに異なる速度で放出されることである。
【発明の効果】
【0053】
本発明の特徴及び利点を要約すれば、次の通りである。
【0054】
(i)本発明は、生体適合性/生分解性物質にマイクロパーチクルまたはナノパーチクル及び/またはエマルション剤形の薬物運搬体を混合して製造された多重薬物放出ソリッドマイクロ構造体及びその製造方法であり、このような戦略は従来に採択されたことがない。
【0055】
(ii)本発明によれば、マイクロ単位の直径、十分な有効長及び硬度を持つ上で、多様な薬物を同時に含むことができるソリッドマイクロ構造体を製造できる。
【0056】
(iii)本発明によれば、従来技術で製作できなかった水溶性及び脂溶性薬物の混合形態、美容成分または高分子物質などが多重薬物として混合された形態または多重薬物放出の可能なスマート薬物として、ソリッドマイクロ構造体を製作できる。
【0057】
(iv)本発明によれば、一つ薬物の放出速度を時間によって調節するか、または多様な薬物を一つのソリッドマイクロ構造体にして、速放性及び/または徐放性方式で無痛症伝達が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の具体的な一実施形態によって、生体適合性/生分解性物質単独または脂溶性薬物を含む生体適合性/生分解性物質に、水溶性薬物を油中水エマルション(W/O)方法で混合して製作した、薬物放出用ソリッドマイクロニードルの構造を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態によって、生体適合性/生分解性物質単独または水溶性薬物を含む生体適合性/生分解性物質に、脂溶性薬物を水中油エマルション(O/W)方法で混合して製作した、多重薬物放出調節の可能なソリッドマイクロニードルの構造を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態によって、生体適合性/生分解性物質単独または水溶性薬物を含む生体適合性/生分解性物質に、脂溶性薬物と水溶性薬物との油中水エマルション(W/O)溶液を、2次エマルションして水中油中水エマルション(W/O/W)方法で混合して製作した、多重薬物放出用ソリッドマイクロニードルの構造を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態によって生体適合性/生分解性物質単独または脂溶性薬物を含む生体適合性/生分解性物質に、水溶性薬物と脂溶性薬物の水中油エマルション(O/W)溶液を2次エマルションして油中水中油エマルション(O/W/O)方法で混合して製作した、多重薬物放出用ソリッドマイクロニードルの構造を示す図である。
【図5】本発明の具体的な実施例である図1、図2、図3または図4のソリッドマイクロニードルを、パッチ型に製作して皮膚に適用した図である。パネルaないしcは、多重薬物放出調節過程であって、水溶性及び脂溶性薬物の同時伝達または徐放性に伝達する過程を示す。
【図6】本発明の一実施形態によって、生体適合性/生分解性物質単独、または水溶性薬物を含む生体適合性/生分解性物質に同じ薬物または他の薬物を含むマイクロパーチクルまたはナノパーチクルを混合して製作した、多重薬物放出調節の可能なソリッドマイクロニードルの構造を示す図である。同じ薬物を含む場合、所望の時間による薬物放出調節を可能にすることができる。
【図7】本発明の一実施形態によって、生体適合性/生分解性物質単独または脂溶性薬物を含む生体適合性/生分解性物質に、同じ薬物または他の薬物を含むマイクロパーチクルまたはナノパーチクルを混合して製作した、多重薬物放出調節の可能なソリッドマイクロニードルの構造を示す図である。同じ薬物を含む場合、所望の時間による薬物放出調節を可能にすることができる。
【図8】本発明の一実施形態によって、生体適合性/生分解性物質単独、または水溶性薬物を含む生体適合性/生分解性物質に脂溶性薬物を水中油エマルション(O/W)方法で混合し、さらに他の薬物を含むマイクロパーチクルまたはナノパーチクルを混合して製作した、多重薬物放出調節の可能なソリッドマイクロニードルの構造を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態によって、生体適合性/生分解性物質単独、または水溶性薬物を含む生体適合性/生分解性物質に脂溶性薬物と水溶性薬物とを油中水エマルション(W/O)方法で混合し、また2次エマルションして水中油中水エマルション(W/O/W)化した後、さらに他の薬物を含むマイクロパーチクルまたはナノパーチクルを混合して製作した、多重薬物放出調節の可能なソリッドマイクロニードルの構造を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態である図6、図7、図8または図9のソリッドマイクロニードルをパッチ型に製作して皮膚に適用した図である。パネルaないしcは、多重薬物放出調節過程を示すものであって、パネルaは、マイクロニードルの皮膚への適用時に生体適合性/生分解性物質が分解され始める態様を示し、パネルbは、水溶性及び脂溶性薬物の同時伝達を示し、パネルcは、最終的にマイクロパーチクルまたはナノパーチクルに含まれた薬物が放出される態様を示す。
【図11】カルセインが混入されたエマルションを含むマイクロニードル(実施例1)において、カルセインの放出プロファイルを示すグラフである。
【図12】マイクロパーチクル(カルセイン搭載)が含まれたマルトース生分解性のマイクロニードル(Cy5.5搭載)の放出プロファイルを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0059】
以下、実施例を通じて本発明をさらに詳細に説明する。これら実施例は本発明をさらに具体的に説明するためのものであり、本発明の趣旨によって本発明の範囲がこれらの実施例により制限されないということは、当業者には明らかである。
【実施例】
【0060】
<実施例1>
生分解性重合体であるPLA(Poly−L−lactide:Sigma)またはPLGA[Poly(DL−lactide−co−glycolide)50:50:Sigma]を使用して、油中水タイプのカプセル化した生分解性ソリッドマイクロニードルを製作した。PLAまたはPLGAをジクロロメタン(Sigma)溶媒に溶かしてカルセイン(Sigma)溶液を混合し、ホモジナイザーを利用して24,000rpmで2分間油中水(W/O)タイプにエマルション化した。この油中水エマルション溶液をガラス平板に一定厚さにコーティングした後、直径200μmを持つ3×3パターニングしたフレームに接触させた。ジクロロメタンの強い揮発性によってコーティングされた油中水エマルション溶液が硬化しつつ、フレーム間の接触性を増大させた。3分後、PLAまたはPLGAエマルション溶液と接触されたフレームを利用して、コーティングされた油中水エマルション溶液を25μm/sの速度で90秒間ドローイングして、2,200μm長さのソリッドマイクロニードルを製作した。次いで、形成されたソリッドマイクロニードルは、ドローイング速度を高めるか、または切断してフレームから分離できる。製作されたソリッドマイクロニードルを140℃または170℃温度の真空オーブンで結晶化させた結果、上端部直径5μm、有効長2,000μmのカプセル化した生分解性重合体マイクロニードルを製作した。
【0061】
<実施例2>
セルロース誘導体であるカルボキシメチルセルロース(CMC:Sigma)を使用して水中油タイプの生分解性マイクロニードルを製作した。溶媒人物に水溶性ビタミンC誘導体(アスコルビン酸:Sigma)を混合し、有機溶媒であるジクロロメタン(Sigma)に溶かした脂溶性ビタミンA誘導体であるレチノール(Sigma)を混合し、ホモジナイザーを利用して11,000rpm攪拌速度で水中油(O/W)タイプにエマルション化した。次いで、CMCをエマルション溶液に溶かして4%CMC水中油エマルション溶液を作る。ガラス平板にCMC水中油エマルション溶液を一定厚さにコーティングした後、あらかじめ直径200μmを持つ3×3パターニングしたフレームに接触させた。接触後、10秒間コーティングされたエマルションCMC面が乾燥されて、フレームとCMCとの接触性を高めた。CMCと接触されたフレームを利用して、コーティングされたCMC水中油エマルションコーティング面を30μm/sの速度で60秒間ドローイングして、1,800μmのソリッドマイクロニードルを製作した。次いで、5分間の強力な乾燥で凝縮させると同時に固形化して形成されたソリッドマイクロニードルは、ドローイング速度を高めるか、または切断してフレームから分離できる。その結果、上端部直径5μm、有効長1,800μmのビタミンAとビタミンCとがカプセル化した生分解性セルロースマイクロニードルを製作した。ホモジナイザー攪拌速度によってエマルションサイズが変わり、ドローイング速度及びドローイング時間によって製作されたマイクロニードルの長さが変わる。
【0062】
<実施例3>
天然糖である粉末形態のマルトース(マルトース一水和物:Sigma)を使用して、マイクロパーチクルがカプセル化した生分解性マイクロニードルを製作した。マルトース粉末を140℃で溶かしてマルトースキャンディに作り、Cy5.5(Sigma)を混合した。カルセイン(Sigma)が含まれるようにホモジナイザーを利用して、多重エマルション方法でPLGA(Sigma)マイクロパーチクルを作り、フィルター(Millex)にこして直径5μm以下のマイクロパーチクルのみ利用する。マルトースキャンディ混合溶液にマイクロパーチクルを混合して、ガラス平板にマルトースとマイクロパーチクル混合キャンディとを一定厚さにコーティングした後、あらかじめ直径200μmの2×2パターニングしたフレームに接触させた。接触後、10秒間コーティングされたマルトースキャンディとフレームとの接触性を高めた。マルトースキャンディと接触したフレームを利用してコーティングされたマルトースキャンディを、30μm/sの速度で60秒間ドローイングして、1,800μmのソリッドマイクロニードルを製作した。次いで、形成されたソリッドマイクロニードルは、ドローイング速度を高めるか、または切断してフレームから分離できる。その結果、上端部直径5μm、有効長1,800μmのマイクロパーチクルがカプセル化した、多重薬物搭載及び多重薬物放出調節の可能な生分解性マルトースマイクロニードルを製作した。マルトース以外に、前記のセルロース誘導体であるCMCでも、前記のようなタイプに製作できる。ホモジナイザー攪拌速度及びフィルターによりマイクロパーチクルのサイズが変わり、ドローイング速度及びドローイング時間によって製作されたマイクロニードルの長さが変わる。
【0063】
<実施例4>
CMCを使用して、水中油タイプとマイクロパーチクルカプセル化方法を利用して多重薬物放出の可能な生分解性マイクロニードルを製作した。溶媒である水に水溶性ビタミンC誘導体(アスコルビン酸:Sigma)を混合し、有機溶媒であるジクロロメタン(Sigma)に溶かした脂溶性ビタミンA誘導体であるレチノール(Sigma)を混合して、ホモジナイザーを利用して11,000rpm攪拌速度で水中油(O/W)タイプにエマルション化した。次いで、CMCをエマルション溶液に溶かして4%CMC水中油エマルション溶液を作る。また、カルセイン(Sigma)が含まれるように、多重エマルション方法でPLGA(Sigma)マイクロパーチクルを作り、フィルター(Millex)にこして直径5μm以下のマイクロパーチクルのみ利用する。
【0064】
CMC水中油エマルション溶液に、カルセインがカプセル化したマイクロパーチクルを混合した。ガラス平板に前記の混合溶液を一定厚さにコーティングした後、あらかじめ直径200μmを持つ2×2パターニングしたフレームに接触させた。接触後、10秒間コーティングされたマイクロパーチクルが含まれたエマルションCMC面が乾燥されて、フレームとCMCとの接触性を高めた。CMCと接触されたフレームを利用して、コーティングされたCMC水中油エマルションコーティング面を30μm/sの速度で60秒間ドローイングして、1,800μmのソリッドマイクロニードルを製作した。次いで、5分間の強力な乾燥で凝縮させると同時に固形化して形成されたソリッドマイクロニードルは、ドローイング速度を高めるか、または切断してフレームから分離できる。その結果、上端部直径5μm、有効長1,800μmの、レチノールとBSA、カルセインがカプセル化した多重薬物放出タイプの生分解性セルロースマイクロニードルを製作した。ホモジナイザーの攪拌速度及びフィルターによりエマルション及びマイクロパーチクルサイズが変わり、ドローイング速度及びドローイング時間によって製作されたマイクロニードルの長さが変わる。
【0065】
以上、本発明の特定の部分を詳細に記述したが、当業者ならば、このような具体的な技術は単に望ましい具現例であるだけで、これにより本発明の範囲が制限されないということは明らかである。したがって、本発明の実質的な範囲は請求項とその等価物によって定義されるといえる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、多重薬物放出調節の可能な生体適合性/生分解性ソリッドマイクロ構造体及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
疾病の治療のための数多くの薬物及び治療剤などが開発されたが、薬物の身体内への伝達に当たって、生物学的障壁(例えば、皮膚、口腔粘膜及び脳−血管障壁など)の通過問題及び薬物伝達の効率問題は依然として改善されるべき点として残っている。
【0003】
薬物は一般的に錠剤剤形またはカプセル剤形に経口投与されるが、数多くの薬物が胃腸管で消化または吸収されるか、または肝の機転によって消失されるなどの理由で、前記のような投与方法だけでは有効に伝えられない。さらに、いくつかの薬物は腸の粘膜を通過して有効に拡散され得ない。また患者の順応度も問題になる(例えば、特定間隔で薬物を服用せねばならないか、または薬を服用できない重患者の場合など)。
【0004】
薬物伝達におけるさらに他の一般的な技術は、従来の注射針(ニードル)を利用することである。この方法は経口投与に比べて効果的である一方、注射部位における痛み随伴及び皮膚の局部的損傷、出血及び注射部位での疾病感染などを引き起こすという問題点がある。
【0005】
前記のような問題点を解決するために、マイクロニードルを含む色々なマイクロ構造体が開発された。
【0006】
一般的に生分解性ソリッドマイクロニードルは、生体内への薬物伝達に使われる。生分解性ソリッドマイクロニードルを利用した薬物伝達は、血管またはリンパ管などの生体循環系ではない、皮膚を通じる経皮性薬物伝達を目的とする。したがって、生分解性ソリッドマイクロニードルは皮膚貫通時に無痛症でなければならず、製作過程で薬物と混合して皮膚貫通後に生体内で溶けて、目的とする部位に薬物を伝達できる生分解能がなければならない。また、10ないし20μmの皮膚角質層を貫通できる物理的硬度が必須である。
【0007】
分解性ソリッドマイクロニードルは、ナノデバイス・アンド・システムズ社により提案された(特許出願公開第2005154321号;及び“Sugar Micro Needles as Transdermic Drug Delivery System”,Biomedical Microdevices 7:3,185−188,2005)。このような、吸収型マイクロニードルは、皮膚内へ挿入されたマイクロニードルを除去せずに薬物伝達または美容に使用しようとするものである。この方法では、鋳型にマルトースと薬物とを混合した組成物を加え、これを凝固させてマイクロニードルを製作した。一方、米国ジョージア大学のプラウスニツは、ガラスをエッチングするか、またはフォトリソグラフィで鋳型を作って、生分解性ポリマーマイクロニードルの製作方法(Biodegradable polymer microneedles:Fabrication,mechanics and transdermal drug delivery,Journal of Controlled Release 104,51−66,2005)を提案したことがある。前記特許は、マイクロニードルを吸収型に製作して薬物を皮膚内へ伝達することを提示しているが、皮膚貫通時に痛みを伴った。また鋳型製作の技術的限界によって、無痛症を伴う適切な上端部直径を持つ上で、効果的な薬物伝達に要求されるレベルの長さ、すなわち、1mm以上の長さを持つマイクロニードルを製作することが困難であり、高温の製作温度による化学的薬物の搭載のみ可能であるという短所があった。
【0008】
また、米国ジョージア大学のプラウスニツは、複数層の生分解性マイクロニードルの製作方法(国際特許出願第WO02/064193号及び“Polymer Particle−based micromolding to fabricate novel microstructure”Biomedical Microdevices 9:223−234,2007)を提案して、生分解性プラスチックで製作されたマイクロパーチクルを鋳型に押圧した後、溶かして作ったマイクロニードル、及びマイクロパーチクルの一部を鋳型に押圧して溶かし、その上に他の物質を鋳型に入れて押圧して製作された複数層のマイクロニードルを製作した。しかし、複数層のマイクロニードルは一つのマイクロニードルより弱くて、鋳型から分離するときに効果的に分離させ難いだけでなく、皮膚貫通時に折れる可能性があった。また、鋳物製作方法の限界のため、マイクロパーチクルのみ利用した1タイプのカプセル化した生分解性マイクロニードルだけ製作するしかなく、いろいろなタイプの多重薬物放出調節の可能な生分解性マイクロニードルを製作できなくて、薬物伝達の多様性を満たすことができなかった。
【0009】
したがって、化学的、生物学的薬物の形態すべてを生分解性マイクロニードルとして製作する方法、及び薬物伝達の効率を極大化するための薬物放出調節が可能な生分解性マイクロニードルが必要であり、ひいては、いろいろな薬物において、それぞれ薬物放出調節ができる、多重薬物放出調節の可能な生分解性ソリッドマイクロニードルへのニーズが持続してきた。
【0010】
本明細書の全体にわたって複数の論文及び特許文献が参照され、その引用が表示されている。引用された論文及び特許文献の開示内容は、その全体として本明細書に参照までに挿入されて、本発明が属する技術分野のレベル及び本発明の内容がさらに明確に説明される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明者らは、ドローイング方法を利用して外形及び硬度で進歩した生分解性ソリッドマイクロニードル(PCT出願第PCT/KR2007/003506号:A biodegradable solid type microneedle and methods for preparing it)を提案した以後、マイクロ単位の直径、十分な有効長及び硬度を持つ上で多重薬物放出調節の可能なマイクロ構造体を開発しようと努力した。その結果、生体適合性/生分解性物質にマイクロパーチクルまたはナノパーチクル及び/またはエマルション剤形の薬物運搬体を混合して製造したソリッドマイクロ構造体が、前記の特徴を持つということを確認して、本発明を完成するに至った。
【0012】
したがって、本発明の目的は、水溶性及び脂溶性薬物、美容成分または高分子物質などが多重薬物として混合された形態、または多重薬物放出が可能な上で所望の特性(例えば、有効長、上端部直径及び硬度)を持つソリッドマイクロ構造体の製造方法を提供するところにある。
【0013】
本発明の他の目的は、ソリッドマイクロ構造体を提供するところにある。
【0014】
本発明の他の目的及び利点は、下記の発明の詳細な説明、特許請求の範囲及び図面によってさらに明らかになる。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の一様態によれば、本発明は、次の段階を含むソリッドマイクロ構造体の製造方法を提供する。(a)マイクロ構造体の骨格物質としての生体適合性/生分解性物質を用意する段階;(b)前記(a)の生体適合性/生分解性物質及び薬物を混合する段階であって、前記薬物は、マイクロパーチクル、ナノパーチクル及びエマルション剤形に混入(incorporation)されており;そして、(c)前記(b)の混合物を利用して薬物運搬体が含まれたソリッドマイクロ構造体を製造する段階。
【0016】
本発明の他の様態によれば、本発明は、前述した本発明の方法により製造されたソリッドマイクロ構造体を提供する。
【0017】
本発明者らは、マイクロ単位の直径、十分な有効長及び硬度を持つ上で多重薬物放出調節の可能なマイクロ構造体を開発しようと努力した。その結果、生体適合性/生分解性物質にマイクロパーチクルまたはナノパーチクル及び/またはエマルション剤形の薬物運搬体を混合して、前記の長所を持つ新規のソリッドマイクロ構造体を開発した。本発明によれば、従来技術で製作できなかった薬物の放出速度を時間によって調節するか、水溶性及び脂溶性薬物の混合形態、美容成分または高分子物質などを追加して多重薬物として混合された形態、または多重薬物放出が可能な上で所望の特性(例えば、有効長、上端部直径及び硬度)を持つソリッドマイクロ構造体を製造できることを確認した。
【0018】
本発明の方法をそれぞれの段階によって詳細に説明すれば、次の通りである。
【0019】
段階(a):マイクロ構造体の骨格物質としての生体適合性/生分解性物質準備
マイクロ構造体を製造するために本発明で利用される物質は、生体適合性/生分解性物質である。本明細書で用語“生体適合性物質”は、実質的に人体に毒性がなく、化学的に不活性であり、免疫原性のない物質を意味する。本明細書で用語“生分解性物質”は、生体内で体液または微生物などにより分解されうる物質を意味する。
【0020】
このような生体適合性/生分解性物質はマイクロ構造体の骨格をなし、望ましくは、ポリヒドロキシアルカノエート(PHAs)、ポリ(α−ヒドロキシアシッド)、ポリ(β−ヒドロキシアシッド)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−co−バレレート;PHBV)、ポリ(3−ヒドロキシプロプリオネート;PHP)、ポリ(3−ヒドロキシヘキサノエート;PHH)、ポリ(4−ヒドロキシアシッド)、ポリ(4−ヒドロキシブチレート)、ポリ(4−ヒドロキシバレレート)、ポリ(4−ヒドロキシヘキサノエート)、ポリ(エステルアミド)、ポリカプロラクトン、ポリラクタイド(PLA)、ポリグリコライド(PGA)、ポリ(ラクタイド−co−グリコライド;PLGA)、ポリジオキサノン、ポリオルトエステル、ポリアンヒドリド、ポリ(グリコール酸−co−トリメチレンカーボネート)、ポリホスホエステル、ポリホスホエステルウレタン、ポリ(アミノ酸)、ポリシアノアクリレート、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(イミノカーボネート)、ポリ(タイロシンカーボネート)、ポリカーボネート、ポリ(タイロシンアリレート)、ポリアルキレンオキサレート、ポリホスファゼン、PHA−PEG、ポリビニルピロリドン、ポリブタジエン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリメチルメタクリレート、ポリメタクリル酸エステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセタルジエチルアミノアセテート、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、塩化ビニル−プロピレン−ビニルアセテート共重合体、塩化ビニル−ビニルアセテート共重合体、クマロンインデンポリマー、ジブチルアミノヒドロキシプロピルエーテル、エチレン−ビニルアセテート共重合体、ジステアロイルグリセロール、2−メチル−5−ビニルピリジンメタクリレート−メタクリル酸共重合体、ヒアルロン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、セルロースまたはその誘導体、マルトース、デキストラン、グルコマンナン、グルコサミン、キトサン、ヘパリン、アルギネート、イヌリン、澱粉、グリコゲン、キチン、コンドロイチン、デキストリン、ケラタン硫酸、牛脂、ホエールワックス、ワックス、パラフィンワックスまたはキャスターワックスであり、さらに望ましくは、ポリラクタイド(PLA)、ポリグリコライド(PGA)、ポリ(ラクタイド−co−グリコライド;PLGA)、セルロースまたはその誘導体、マルトース、デキストラン、グルコマンナン、グルコサミン、キトサン、ヘパリン、アルギネート、イヌリン、澱粉またはグリコゲンであり、最も望ましくはポリラクタイド(PLA)、ポリグリコライド(PGA)、ポリ(ラクタイド−co−グリコライド;PLGA)、セルロースまたはその誘導体、マルトースまたはキトサンである。生体適合性/生分解性物質としてセルロース誘導体を利用する場合、望ましくは、セルロースポリマー、さらに望ましくは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース(望ましくは、ヒドロキシエチルセルロースまたはヒドロキシプロピルセルロース)、エチルヒドロキシエチルセルロース、アルキルセルロース及びカルボキシメチルセルロースであり、さらに望ましくは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはカルボキシメチルセルロースであり、最も望ましくは、カルボキシメチルセルロースである。
【0021】
マイクロ構造体の骨格をなす生体適合性/生分解性物質は、自体粘性を持つか、または他の増粘剤を含むことができる。このような生体適合性/生分解性物質の粘性は、含まれる物質の種類、濃度、温度または増粘剤の添加などによって多様に変化させることができ、本発明の目的に好適に調節できる。
【0022】
例えば、当業界で通例的に利用される増粘剤、例えば、ヒアルロン酸とその塩、ポリビニルピロリドン、セルロースポリマー、デキストラン、ゼラチン、グリセリン、ポリエチレングリコール、ポリソルベート、プロピレングリコール、ポビドン、カルボマー、ガッチガム、グアガム、グルコマンナン、グルコサミン、ダンマルガム、レンネットカゼイン、ローカストビーンガム、微小繊維状セルロース、サイリウムシードガム、ザンタンガム、アラビノガラクタン、アラビアガム、アルギン酸、ゼラチン、ゼランガム、カラギナン、カラヤガム、カードラン、キトサン、キチン、タラガム、タマリンドガム、トラガントガム、ファーセレラン、ペクチンまたはプルランなどの増粘剤をソリッドマイクロ構造体の主成分、例えば、生体適合性/生分解性物質に添加して本発明に好適に粘性を調節できる。
【0023】
本発明の望ましい具現例によれば、本発明で利用される生体適合性/生分解性物質は好適な溶媒に溶解されて粘性を表す。
【0024】
生体適合性/生分解性物質の製造に利用される溶媒は特別に制限されず、水、炭素数1−4の無水または含水低級アルコール、アセトン、エチルアセテート、クロロホルム、ジクロロメタン、1,3−ブチレングリコール、ヘキサン、ジエチルエーテルまたはブチルアセテートが溶媒として利用されうる。
【0025】
段階(b):生体適合性/生分解性物質及び薬物の混合
次いで、生体適合性/生分解性物質及び薬物を混合する段階であって、前記薬物はマイクロパーチクル、ナノパーチクル及びエマルション剤形に混入されるようにする。
【0026】
本明細書で用語“マイクロパーチクル”は、薬物がカプセル化したマイクロサイズの微粒球を意味し、“ナノパーチクル”は、薬物がカプセル化したナノサイズの微粒球を意味する。本明細書で用語“エマルション剤形”は、ソリッドマイクロ構造体の骨格物質である生体適合性/生分解性物質に薬物が乳化した形態である。
【0027】
ソリッドマイクロ構造体の骨格物質としての生体適合性/生分解性物質と、前記剤形に混入された薬物とは多様な方式で混合できる。
【0028】
代表的な3つの望ましい具現例を説明すれば、次の通りである。
【0029】
第1の具現例によれば、前記生体適合性/生分解性物質にエマルション剤形だけで混合できる(参照:図1ないし図4)。エマルション剤形の場合、ソリッドマイクロ構造体の骨格物質である生体適合性/生分解性物質に薬物を乳化させる方法として、当業界で公知の多様な方法を利用して製造できる。さらに詳細には、水中油(oil−in−water)または油中水(water−in−oil)エマルションタイプ及び多重エマルションタイプなどで製造できる。エマルションを製造する方法は、望ましくは、乳化剤なしに生体適合性/生分解性物質内に直接薬物を分散させて薬物が内包されたエマルションを製作するか、天然または合成された多様な乳化剤を利用して薬物を含めることができる。乳化剤を使用する場合、さらに望ましくは、天然乳化剤としてレシチン、硼砂、ステアリン酸、アミゾールソフト、ヘリオゲル、ワックス、ザンサンガム、乳化ワックスまたは可溶化剤を利用して安定化させることができ、合成乳化剤として、水中油エマルション用乳化剤であるPEG−8ジラウリン酸、PEG−150ジステアリン酸、PEG−8ステアリン酸、PEG−40ジステアリン酸、PEG−100ジステアリン酸及び油中水エマルション用乳化剤のソルビタンステアリン酸、ソルビタンオールレート、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタンなどで構成された群から選択するか、これを組み合わせて薬物が内包されたエマルションを製作することであり、最も望ましくは、乳化剤なしにエマルションを製作する。例えば、水溶性生体適合性/生分解性物質に脂溶性薬物を入れて、ホモジナイザーで水中油(W/O)タイプにエマルション化するか、キトサンまたは生分解性プラスチックなどの脂溶性生体適合性/生分解性物質に水溶性薬物を入れて、ホモジナイザーに油中水(O/W)タイプにエマルション化して前記混合物を製造できる。また、多重エマルション方式を利用して水溶性生体適合性/生分解性物質と水溶性薬物との混合物に脂溶性薬物と水溶性薬物との油中水(W/O)エマルション溶液を入れて、2次エマルションして水中油中水(W/O/W)タイプにエマルション化するか、脂溶性生体適合性/生分解性物質と脂溶性薬物との混合物に水溶性薬物と脂溶性薬物との水中油(O/W)エマルション溶液を入れて、2次エマルションして油中水中油(O/W/O)タイプにエマルション化して前記混合物を製造できる。エマルションを製作する均質速度によって製作される薬物のエマルションのサイズが変わる。
【0030】
第2の具現例によれば、前記生体適合性/生分解性物質にマイクロパーチクルまたはナノパーチクルのみを薬物運搬体として混合できる(参照:図6及び図7)。生体適合性/生分解性物質に前記パーチクルを混合する方法は、当業界で公知の多様な方法を利用して製作できる。例えば、生体適合性/生分解性物質に多重エマルション方法、分散ドライ方法またはパーチクル沈殿方法などによってマイクロパーチクルまたはナノパーチクルを混合できる。
【0031】
第3の具現例によれば、前記ソリッドマイクロ構造体は、薬物運搬体としてマイクロパーチクルまたはナノパーチクルとエマルション(油中水、水中油または多重エマルション含む)とをいずれも含む(参照:図8及び図9)。
【0032】
前記生体適合性/生分解性物質に混合される薬物は特別に制限されない。例えば、前記薬物は化学薬物、タンパク質医薬、ペプチド医薬、遺伝子治療用核酸分子及びナノ粒子などを含む。
【0033】
本発明に利用できる薬物は、例えば、抗炎症剤、鎮痛剤、抗関節炎剤、鎮痙剤、抗憂鬱剤、抗精神病薬物、神経安定剤、抗不安剤、麻薬拮抗剤、抗パーキンソン薬物、コリン性アゴニスト、抗ガン剤、抗血管新生抑制剤、免疫抑制剤、抗ウイルス剤、抗生剤、食欲抑制剤、鎮痛剤、抗コリン剤、抗ヒスタミン剤、抗偏頭痛剤、ホルモン剤、冠状血管、脳血管または末梢血管拡張剤、避姙薬、抗血栓剤、利尿剤、抗高血圧剤、心血管疾患治療剤、美容成分(例えば、シワ改善剤、皮膚老化抑制剤及び皮膚美白制)などを含むが、これらに限定されるものではない。
【0034】
本発明に利用されるタンパク質/ペプチド医薬は特別に制限されず、ホルモン、ホルモン類似体、酵素、酵素阻害剤、信号伝達タンパク質またはその一部分、抗体またはその一部分、単鎖抗体、結合タンパク質またはその結合ドメイン、抗原、付着タンパク質、構造タンパク質、調節タンパク質、毒素タンパク質、サイトカイン、転写調節因子、血液凝固因子及びワクチンなどを含むが、これらに限定されるものではない。さらに詳細には、前記タンパク質/ペプチド医薬はインシュリン、IGF−1(insulin−like growth factor 1)、成長ホルモン、エリスロポエチン、G−CSFs(granulocyte−colony stimulating factors)、GM−CSFs(granulocyte/macrophage−colony stimulating factors)、インターフェロンアルファ、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ、インタールキン−1アルファ及びベータ、インタールキン−3、インタールキン−4、インタールキン−6、インタールキン−2、EGFs(epidermal growth factors)、カルシトニン、ACTH(adrenocorticotropic hormone)、TNF(tumornecrosis factor)、アトビスバン、ブセレリン、セトロレリクス、デスロレリン、デスモプレシン、ダイノルフィンA(1−13)、エルカトニン、エレイドシン、エプチフィバチド、GHRH−II(growth hormone releasing hormone−II)、ゴナドレリン、ゴセレリン、ヒストレリン、リュープロレリン、リプレッシン、オクトレオチド、オキシトシン、ピトレッシン、セクレチン、シンカリド、テルリプレシン、チモペンチン、チモシンα1、トリプトレリン、ビバリルジン、カルベトシン、サイクロスポリン、エキセディン、ランレオチド、LHRH(luteinizing hormone−releasing hormone)、ナファレリン、副甲状腺ホルモン、プラムリンチド、T−20(エンフュービルタイド)、サイマルファシン及びジコノチドを含む。
【0035】
前記薬物を含むマイクロパーチクルまたはナノパーチクルは、望ましくは、ポリエステル、ポリヒドロキシアルカノエート(PHAs)、ポリ(α−ヒドロキシアシッド)、ポリ(β−ヒドロキシアシッド)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−co−バレレート;PHBV)、ポリ(3−ヒドロキシプロプリオネート;PHP)、ポリ(3−ヒドロキシヘキサノエート;PHH)、ポリ(4−ヒドロキシアシッド)、ポリ(4−ヒドロキシブチレート)、ポリ(4−ヒドロキシバレレート)、ポリ(4−ヒドロキシヘキサノエート)、ポリ(エステルアミド)、ポリカプロラクトン、ポリラクタイド(PLA)、ポリグリコライド(PGA)、ポリ(ラクタイド−co−グリコライド;PLGA)、ポリジオキサノン、ポリオルトエステル、ポリアンヒドリド、ポリ(グリコール酸−co−トリメチレンカーボネート)、ポリホスホエステル、ポリホスホエステルウレタン、ポリ(アミノ酸)、ポリシアノアクリレート、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(イミノカーボネート)、ポリ(タイロシンカーボネート)、ポリカーボネート、ポリ(タイロシンアリレート)、ポリアルキレンオキサレート、ポリホスファゼン、PHA−PEG、ポリビニルピロリドン、ポリブタジエン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリメチルメタクリレート、ポリメタクリル酸エステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセタルジエチルアミノアセテート、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、塩化ビニル−プロピレン−ビニルアセテート共重合体、塩化ビニル−ビニルアセテート共重合体、クマロンインデンポリマー、ジブチルアミノヒドロキシプロピルエーテル、エチレン−ビニルアセテート共重合体、ジステアロイルグリセロール、2−メチル−5−ビニルピリジンメタクリレート−メタクリル酸共重合体、ヒアルロン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、セルロースまたはその誘導体、マルトース、デキストラン、グルコマンナン、グルコサミン、キトサン、ヘパリン、アルギン酸、イヌリン、澱粉、グリコゲン、キチン、コンドロイチン、デキストリン、ケラタン硫酸、牛脂、ホエールワックス、ワックス、パラフィンワックスまたはキャスターワックスで製造され、さらに望ましくは、ポリラクタイド(PLA)、ポリグリコライド(PGA)、ポリ(ラクタイド−co−グリコライド;PLGA)、セルロースまたはその誘導体、マルトース、デキストラン、グルコマンナン、グルコサミン、キトサン、ヘパリン、アルギネート、イヌリン、澱粉またはグリコゲンであり、最も望ましくは、ポリラクタイド(PLA)、ポリグリコライド(PGA)、ポリ(ラクタイド−co−グリコライド;PLGA)、セルロースまたはその誘導体、マルトースまたはキトサンである。生体適合性/生分解性物質としてセルロース誘導体を利用する場合、望ましくは、セルロースポリマー、さらに望ましくは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース(望ましくは、ヒドロキシエチルセルロースまたはヒドロキシプロピルセルロース)、エチルヒドロキシエチルセルロース、アルキルセルロース及びカルボキシメチルセルロースであり、さらに望ましくは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはカルボキシメチルセルロースであり、最も望ましくは、カルボキシメチルセルロースである。
【0036】
本発明の望ましい具現例によれば、本発明で利用されるマイクロ構造体の骨格物質としての生体適合性/生分解性物質は、前記マイクロパーチクルまたはナノパーチクルと異なる物質である。
【0037】
本発明の望ましい具現例によれば、本発明で利用されるマイクロ構造体の骨格物質としての生体適合性/生分解性物質は、薬物をさらに含む。含まれる薬物は制限されないが、さらに望ましくは、生体適合性/生分解性物質に含まれる薬物は、マイクロパーチクルまたはナノパーチクル、またはエマルションに含まれる薬物と異なるものであり、最も望ましくは、マイクロ構造体の骨格、マイクロパーチクルまたはナノパーチクル、そしてエマルションにはそれぞれ互いに異なる種類の薬物を含む。
【0038】
本発明の最も大きい特徴のうち一つは、マイクロ構造体に多様な薬物を搭載して多重薬物放出調節を行えるマイクロ構造体を製造することである。本明細書で用語“薬物放出調節”は、生体適合性/生分解性物質及びマイクロパーチクルまたはナノパーチクルが体内で生分解される時間及び程度がそれぞれ異なる性質を利用して、いろいろな薬物が必要に応じて生体内で薬物伝達効能が異なって調節されうるということを意味する。
【0039】
本発明のさらに他の特徴のうち一つは、マイクロ構造体に一つの薬物を多様な方法で搭載することである。この場合、マイクロ構造体の骨格、マイクロパーチクルまたはナノパーチクルが異なる速度で分解される性質を利用すれば、同じ薬物であるとしても所望の時間に合せて薬物放出できるように調節されたマイクロ構造体を製造できる。
【0040】
本発明で利用される薬物は特別に制限されず、望ましくは、マイクロパーチクルまたはナノパーチクルに含まれている薬物と、エマルションに含まれている薬物とは互いに異なる速度で放出されることであり、最も望ましくは、前記マイクロ構造体の骨格物質に含まれている薬物と、マイクロパーチクル、ナノパーチクルまたはエマルションに含まれている薬物とは互いに異なる速度で放出されることである。
【0041】
段階(c):薬物運搬体が含まれたソリッドマイクロ構造体の製造
薬物を含むか、または含んでいない生体適合性/生分解性物質に前記薬物運搬体を混合した後、最終的にソリッドマイクロ構造体を製作する。マイクロ構造体を製作する方法は、当業界に公知の多様な方法を利用して製作できる。例えば、生体適合性/生分解性物質に薬物を入れて、水中油(O/W)または油中水(W/O)エマルションして生成された混合物、生体適合性/生分解性物質に薬物を含むマイクロパーチクルまたはナノパーチクルを混合して生成された混合物、薬物が含まれた生体適合性/生分解性物質に他の薬物を入れて、水中油(O/W)または油中水(W/O)エマルションし、さらに他の薬物を含むマイクロパーチクルまたはナノパーチクルを混合して生成された混合物などを基板の表面上に用意する。薬物運搬体及び生体適合性/生分解性物質の混合物を収容する基板は特別に制限されず、例えば、ポリマー、有機化学物質、金属、セラミック、半導体などの物質で製造できる。次いで、目的とする形態に製作された支持体を前記混合物の表面に接触させた後、ドローイングしつつ凝固させれば、混合物は基板から支持体接触面に向かいつつ直径が縮小する構造を形成するようになる。この時、ドローイング速度を加速して混合物に引張強度以上の力を加えるか、レーザーを利用して特定部位を切断処理して短冊構造の生体適合性/生分解性ソリッドマイクロ構造体を製作する。ドローイング時に調節する条件及びドローイング速度は当業界に公知の通常の方法によって行え、例えば、生体適合性/生分解性物質、薬物運搬体、増粘剤または混合物を含む溶媒の粘性や接着性などによって、適当に調節できる。
【0042】
最後に、ドローイングされた混合物の任意の部位を切断して最終的にマイクロ構造体を得る。切断は多様な方法で行え、例えば、ドローイング速度を加速するか、または応力以上の力を加えるなどの物理的な切断またはレーザーを利用した切断など、当業界に公知の多様な方法により行える。
【0043】
本発明は多様なマイクロ構造体を提供でき、望ましくは、本発明により提供されるマイクロ構造体は、マイクロニードル、マイクロスパイク、マイクロブレード、マイクロナイフ、マイクロファイバ、マイクロプローブ、マイクロバーブ、マイクロアレイまたはマイクロ電極で、さらに望ましくは、マイクロニードル、マイクロスパイク、マイクロブレード、マイクロナイフ、マイクロファイバ、マイクロプローブまたはマイクロバーブであり、最も望ましくは、ソリッドマイクロニードルである。
【0044】
マイクロニードルは、皮膚貫通時に痛みと挿入後の異物感を最小化するために十分に細長形の構造を持つことが重要である。本発明によって製作されるソリッドマイクロニードルは、直径及び長さを目的とする形態に制限なしに製作できる。本発明の望ましい具現例によれば、本発明のソリッドマイクロニードルは、上端部直径1〜100μm、さらに望ましくは、2〜50μm、最も望ましくは、5〜10μmであり、望ましくは、有効長100〜10,000μm、さらに望ましくは、200〜10,000μm、さらに望ましくは、300〜8,000μm、最も望ましくは、500〜2,000μmであり、これらのあらゆるタイプは、パッチタイプ及びロールタイプにも製作可能である。
【0045】
本明細書で使われる用語、マイクロ構造体の“上端部”は、最小直径を持つマイクロ構造体の一末端部を意味する。本明細書で使われた用語“有効長”は、マイクロ構造体の上端部から支持体表面までの垂直長を意味する。本明細書で使われた用語“ソリッドマイクロニードル”は、中孔の形成なしに一体型に製作されたマイクロニードルを意味する。
【0046】
本発明のさらに他の様態によれば、本発明はマイクロ構造体の骨格物質としての生体適合性/生分解性物質に、薬物を含むマイクロパーチクル、ナノパーチクル及びエマルション剤形で構成された群から選択される少なくとも1種の薬物運搬体が混入されている薬物放出ソリッドマイクロ構造体を提供する。
【0047】
本発明であるソリッドマイクロ構造体は、前記生体適合性/生分解性物質、マイクロパーチクル、ナノパーチクルまたはエマルション剤形を利用するため、これら間の共通の内容は、本明細書の過度な複雑性を回避するためにその記載を省略する。
本発明の望ましい具現例によれば、本発明のマイクロ構造体の骨格物質としての生体適合性/生分解性物質は、ポリエステル、ポリヒドロキシアルカノエート(PHAs)、ポリ(α−ヒドロキシアシッド)、ポリ(β−ヒドロキシアシッド)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−co−バレレート;PHBV)、ポリ(3−ヒドロキシプロプリオネート;PHP)、ポリ(3−ヒドロキシヘキサノエート;PHH)、ポリ(4−ヒドロキシアシッド)、ポリ(4−ヒドロキシブチレート)、ポリ(4−ヒドロキシバレレート)、ポリ(4−ヒドロキシヘキサノエート)、ポリ(エステルアミド)、ポリカプロラクトン、ポリラクタイド(PLA)、ポリグリコライド(PGA)、ポリ(ラクタイド−co−グリコライド;PLGA)、ポリジオキサノン、ポリオルトエステル、ポリ酸無水物、ポリ(グリコール酸−co−トリメチレンカーボネート)、ポリホスホエステル、ポリホスホエステルウレタン、ポリ(アミノ酸)、ポリシアノアクリレート、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(イミノカーボネート)、ポリ(タイロシンカーボネート)、ポリカーボネート、ポリ(タイロシンアリレート)、ポリアルキレンオキサレート、ポリホスファゼン、PHA−PEG、ポリビニルピロリドン、ポリブタジエン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリメチルメタクリレート、ポリメタクリル酸エステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセタルジエチルアミノアセテート、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、塩化ビニル−プロピレン−ビニルアセテート共重合体、塩化ビニル−ビニルアセテート共重合体、クマロンインデンポリマー、ジブチルアミノヒドロキシプロピルエーテル、エチレン−ビニルアセテート共重合体、ジステアロイルグリセロール、2−メチル−5−ビニルピリジンメタクリレート−メタクリル酸共重合体、ヒアルロン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、セルロースまたはその誘導体、マルトース、デキストラン、グルコマンナン、グルコサミン、キトサン、ヘパリン、アルギネート、イヌリン、澱粉、グリコゲン、キチン、コンドロイチン、デキストリン、ケラタン硫酸、牛脂、ホエールワックス、ワックス、パラフィンワックス及びキャスターワックスで構成された群から選択されて、さらに望ましくはポリラクタイド(PLA)、ポリグリコライド(PGA)、ポリ(ラクタイド−co−グリコライド;PLGA)、セルロースまたはその誘導体、マルトース、デキストラン、グルコマンナン、グルコサミン、キトサン、ヘパリン、アルギネート、イヌリン、澱粉またはグリコゲンであり、最も望ましくはポリラクタイド(PLA)、ポリグリコライド(PGA)、ポリ(ラクタイド−co−グリコライド;PLGA)、セルロースまたはその誘導体、マルトースまたはキトサンである。
【0048】
本発明の望ましい具現例によれば、前記薬物を含むマイクロパーチクルまたはナノパーチクルは、ポリエステル、ポリヒドロキシアルカノエート(PHAs)、ポリ(α−ヒドロキシアシッド)、ポリ(β−ヒドロキシアシッド)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−co−バレレート;PHBV)、ポリ(3−ヒドロキシプロプリオネート;PHP)、ポリ(3−ヒドロキシヘキサノエート;PHH)、ポリ(4−ヒドロキシアシッド)、ポリ(4−ヒドロキシブチレート)、ポリ(4−ヒドロキシバレレート)、ポリ(4−ヒドロキシヘキサノエート)、ポリ(エステルアミド)、ポリカプロラクトン、ポリラクタイド(PLA)、ポリグリコライド(PGA)、ポリ(ラクタイド−co−グリコライド;PLGA)、ポリジオキサノン、ポリオルトエステル、ポリアンヒドリド、ポリ(グリコール酸−co−トリメチレンカーボネート)、ポリホスホエステル、ポリホスホエステルウレタン、ポリ(アミノ酸)、ポリシアノアクリレート、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(イミノカーボネート)、ポリ(タイロシンカーボネート)、ポリカーボネート、ポリ(タイロシンアリレート)、ポリアルキレンオキサレート、ポリホスファゼン、PHA−PEG、ポリビニルピロリドン、ポリブタジエン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリメチルメタクリレート、ポリメタクリル酸エステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセタルジエチルアミノアセテート、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、塩化ビニル−プロピレン−ビニルアセテート共重合体、塩化ビニル−ビニルアセテート共重合体、クマロンインデンポリマー、ジブチルアミノヒドロキシプロピルエーテル、エチレン−ビニルアセテート共重合体、ジステアロイルグリセロール、2−メチル−5−ビニルピリジンメタクリレート−メタクリル酸共重合体、ヒアルロン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、セルロースまたはその誘導体、マルトース、デキストラン、グルコマンナン、グルコサミン、キトサン、ヘパリン、アルギネート、イヌリン、澱粉、グリコゲン、キチン、コンドロイチン、デキストリン、ケラタン硫酸、牛脂、ホエールワックス、ワックス、パラフィンワックス及びキャスターワックスで構成された群から選択され、さらに望ましくは、ポリラクタイド(PLA)、ポリグリコライド(PGA)、ポリ(ラクタイド−co−グリコライド;PLGA)、セルロースまたはその誘導体、マルトース、デキストラン、グルコマンナン、グルコサミン、キトサン、ヘパリン、アルギネート、イヌリン、澱粉またはグリコゲンであり、最も望ましくは、ポリラクタイド(PLA)、ポリグリコライド(PGA)、ポリ(ラクタイド−co−グリコライド;PLGA)、セルロースまたはその誘導体、マルトースまたはキトサンである。
【0049】
本発明の望ましい具現例によれば、本発明であるソリッドマイクロ構造体の骨格物質としての生体適合性/生分解性物質は、前記マイクロパーチクルまたはナノパーチクルと異なる物質である。
【0050】
本発明の望ましい具現例によれば、本発明であるソリッドマイクロ構造体は薬物運搬体であって、マイクロパーチクルまたはナノパーチクルとエマルションをいずれも含むものである。
【0051】
本発明の望ましい具現例によれば、本発明であるソリッドマイクロ構造体の骨格物質としての生体適合性/生分解性物質は、薬物をさらに含むものである。含まれる薬物は制限されないが、さらに望ましくは、生体的合成/生分解性物質に含まれる薬物は、マイクロパーチクルまたはナノパーチクル、またはエマルションに含まれる薬物と異なることであり、最も望ましくは、マイクロ構造体の骨格、マイクロパーチクルまたはナノパーチクル、そしてエマルションには、それぞれ互いに異なる種類の薬物を含むことである。
【0052】
本発明の望ましい具現例によれば、本発明の構成要素である前記マイクロパーチクルまたはナノパーチクルに含まれている薬物と、エマルションに含まれている薬物とは互いに異なる速度で放出されることであり、最も望ましくは、マイクロ構造体の骨格物質に含まれている薬物と、マイクロパーチクル、ナノパーチクルまたはエマルションに含まれている薬物とは互いに異なる速度で放出されることである。
【発明の効果】
【0053】
本発明の特徴及び利点を要約すれば、次の通りである。
【0054】
(i)本発明は、生体適合性/生分解性物質にマイクロパーチクルまたはナノパーチクル及び/またはエマルション剤形の薬物運搬体を混合して製造された多重薬物放出ソリッドマイクロ構造体及びその製造方法であり、このような戦略は従来に採択されたことがない。
【0055】
(ii)本発明によれば、マイクロ単位の直径、十分な有効長及び硬度を持つ上で、多様な薬物を同時に含むことができるソリッドマイクロ構造体を製造できる。
【0056】
(iii)本発明によれば、従来技術で製作できなかった水溶性及び脂溶性薬物の混合形態、美容成分または高分子物質などが多重薬物として混合された形態または多重薬物放出の可能なスマート薬物として、ソリッドマイクロ構造体を製作できる。
【0057】
(iv)本発明によれば、一つ薬物の放出速度を時間によって調節するか、または多様な薬物を一つのソリッドマイクロ構造体にして、速放性及び/または徐放性方式で無痛症伝達が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の具体的な一実施形態によって、生体適合性/生分解性物質単独または脂溶性薬物を含む生体適合性/生分解性物質に、水溶性薬物を油中水エマルション(W/O)方法で混合して製作した、薬物放出用ソリッドマイクロニードルの構造を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態によって、生体適合性/生分解性物質単独または水溶性薬物を含む生体適合性/生分解性物質に、脂溶性薬物を水中油エマルション(O/W)方法で混合して製作した、多重薬物放出調節の可能なソリッドマイクロニードルの構造を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態によって、生体適合性/生分解性物質単独または水溶性薬物を含む生体適合性/生分解性物質に、脂溶性薬物と水溶性薬物との油中水エマルション(W/O)溶液を、2次エマルションして水中油中水エマルション(W/O/W)方法で混合して製作した、多重薬物放出用ソリッドマイクロニードルの構造を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態によって生体適合性/生分解性物質単独または脂溶性薬物を含む生体適合性/生分解性物質に、水溶性薬物と脂溶性薬物の水中油エマルション(O/W)溶液を2次エマルションして油中水中油エマルション(O/W/O)方法で混合して製作した、多重薬物放出用ソリッドマイクロニードルの構造を示す図である。
【図5】本発明の具体的な実施例である図1、図2、図3または図4のソリッドマイクロニードルを、パッチ型に製作して皮膚に適用した図である。パネルaないしcは、多重薬物放出調節過程であって、水溶性及び脂溶性薬物の同時伝達または徐放性に伝達する過程を示す。
【図6】本発明の一実施形態によって、生体適合性/生分解性物質単独、または水溶性薬物を含む生体適合性/生分解性物質に同じ薬物または他の薬物を含むマイクロパーチクルまたはナノパーチクルを混合して製作した、多重薬物放出調節の可能なソリッドマイクロニードルの構造を示す図である。同じ薬物を含む場合、所望の時間による薬物放出調節を可能にすることができる。
【図7】本発明の一実施形態によって、生体適合性/生分解性物質単独または脂溶性薬物を含む生体適合性/生分解性物質に、同じ薬物または他の薬物を含むマイクロパーチクルまたはナノパーチクルを混合して製作した、多重薬物放出調節の可能なソリッドマイクロニードルの構造を示す図である。同じ薬物を含む場合、所望の時間による薬物放出調節を可能にすることができる。
【図8】本発明の一実施形態によって、生体適合性/生分解性物質単独、または水溶性薬物を含む生体適合性/生分解性物質に脂溶性薬物を水中油エマルション(O/W)方法で混合し、さらに他の薬物を含むマイクロパーチクルまたはナノパーチクルを混合して製作した、多重薬物放出調節の可能なソリッドマイクロニードルの構造を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態によって、生体適合性/生分解性物質単独、または水溶性薬物を含む生体適合性/生分解性物質に脂溶性薬物と水溶性薬物とを油中水エマルション(W/O)方法で混合し、また2次エマルションして水中油中水エマルション(W/O/W)化した後、さらに他の薬物を含むマイクロパーチクルまたはナノパーチクルを混合して製作した、多重薬物放出調節の可能なソリッドマイクロニードルの構造を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態である図6、図7、図8または図9のソリッドマイクロニードルをパッチ型に製作して皮膚に適用した図である。パネルaないしcは、多重薬物放出調節過程を示すものであって、パネルaは、マイクロニードルの皮膚への適用時に生体適合性/生分解性物質が分解され始める態様を示し、パネルbは、水溶性及び脂溶性薬物の同時伝達を示し、パネルcは、最終的にマイクロパーチクルまたはナノパーチクルに含まれた薬物が放出される態様を示す。
【図11】カルセインが混入されたエマルションを含むマイクロニードル(実施例1)において、カルセインの放出プロファイルを示すグラフである。
【図12】マイクロパーチクル(カルセイン搭載)が含まれたマルトース生分解性のマイクロニードル(Cy5.5搭載)の放出プロファイルを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0059】
以下、実施例を通じて本発明をさらに詳細に説明する。これら実施例は本発明をさらに具体的に説明するためのものであり、本発明の趣旨によって本発明の範囲がこれらの実施例により制限されないということは、当業者には明らかである。
【実施例】
【0060】
<実施例1>
生分解性重合体であるPLA(Poly−L−lactide:Sigma)またはPLGA[Poly(DL−lactide−co−glycolide)50:50:Sigma]を使用して、油中水タイプのカプセル化した生分解性ソリッドマイクロニードルを製作した。PLAまたはPLGAをジクロロメタン(Sigma)溶媒に溶かしてカルセイン(Sigma)溶液を混合し、ホモジナイザーを利用して24,000rpmで2分間油中水(W/O)タイプにエマルション化した。この油中水エマルション溶液をガラス平板に一定厚さにコーティングした後、直径200μmを持つ3×3パターニングしたフレームに接触させた。ジクロロメタンの強い揮発性によってコーティングされた油中水エマルション溶液が硬化しつつ、フレーム間の接触性を増大させた。3分後、PLAまたはPLGAエマルション溶液と接触されたフレームを利用して、コーティングされた油中水エマルション溶液を25μm/sの速度で90秒間ドローイングして、2,200μm長さのソリッドマイクロニードルを製作した。次いで、形成されたソリッドマイクロニードルは、ドローイング速度を高めるか、または切断してフレームから分離できる。製作されたソリッドマイクロニードルを140℃または170℃温度の真空オーブンで結晶化させた結果、上端部直径5μm、有効長2,000μmのカプセル化した生分解性重合体マイクロニードルを製作した。
【0061】
<実施例2>
セルロース誘導体であるカルボキシメチルセルロース(CMC:Sigma)を使用して水中油タイプの生分解性マイクロニードルを製作した。溶媒人物に水溶性ビタミンC誘導体(アスコルビン酸:Sigma)を混合し、有機溶媒であるジクロロメタン(Sigma)に溶かした脂溶性ビタミンA誘導体であるレチノール(Sigma)を混合し、ホモジナイザーを利用して11,000rpm攪拌速度で水中油(O/W)タイプにエマルション化した。次いで、CMCをエマルション溶液に溶かして4%CMC水中油エマルション溶液を作る。ガラス平板にCMC水中油エマルション溶液を一定厚さにコーティングした後、あらかじめ直径200μmを持つ3×3パターニングしたフレームに接触させた。接触後、10秒間コーティングされたエマルションCMC面が乾燥されて、フレームとCMCとの接触性を高めた。CMCと接触されたフレームを利用して、コーティングされたCMC水中油エマルションコーティング面を30μm/sの速度で60秒間ドローイングして、1,800μmのソリッドマイクロニードルを製作した。次いで、5分間の強力な乾燥で凝縮させると同時に固形化して形成されたソリッドマイクロニードルは、ドローイング速度を高めるか、または切断してフレームから分離できる。その結果、上端部直径5μm、有効長1,800μmのビタミンAとビタミンCとがカプセル化した生分解性セルロースマイクロニードルを製作した。ホモジナイザー攪拌速度によってエマルションサイズが変わり、ドローイング速度及びドローイング時間によって製作されたマイクロニードルの長さが変わる。
【0062】
<実施例3>
天然糖である粉末形態のマルトース(マルトース一水和物:Sigma)を使用して、マイクロパーチクルがカプセル化した生分解性マイクロニードルを製作した。マルトース粉末を140℃で溶かしてマルトースキャンディに作り、Cy5.5(Sigma)を混合した。カルセイン(Sigma)が含まれるようにホモジナイザーを利用して、多重エマルション方法でPLGA(Sigma)マイクロパーチクルを作り、フィルター(Millex)にこして直径5μm以下のマイクロパーチクルのみ利用する。マルトースキャンディ混合溶液にマイクロパーチクルを混合して、ガラス平板にマルトースとマイクロパーチクル混合キャンディとを一定厚さにコーティングした後、あらかじめ直径200μmの2×2パターニングしたフレームに接触させた。接触後、10秒間コーティングされたマルトースキャンディとフレームとの接触性を高めた。マルトースキャンディと接触したフレームを利用してコーティングされたマルトースキャンディを、30μm/sの速度で60秒間ドローイングして、1,800μmのソリッドマイクロニードルを製作した。次いで、形成されたソリッドマイクロニードルは、ドローイング速度を高めるか、または切断してフレームから分離できる。その結果、上端部直径5μm、有効長1,800μmのマイクロパーチクルがカプセル化した、多重薬物搭載及び多重薬物放出調節の可能な生分解性マルトースマイクロニードルを製作した。マルトース以外に、前記のセルロース誘導体であるCMCでも、前記のようなタイプに製作できる。ホモジナイザー攪拌速度及びフィルターによりマイクロパーチクルのサイズが変わり、ドローイング速度及びドローイング時間によって製作されたマイクロニードルの長さが変わる。
【0063】
<実施例4>
CMCを使用して、水中油タイプとマイクロパーチクルカプセル化方法を利用して多重薬物放出の可能な生分解性マイクロニードルを製作した。溶媒である水に水溶性ビタミンC誘導体(アスコルビン酸:Sigma)を混合し、有機溶媒であるジクロロメタン(Sigma)に溶かした脂溶性ビタミンA誘導体であるレチノール(Sigma)を混合して、ホモジナイザーを利用して11,000rpm攪拌速度で水中油(O/W)タイプにエマルション化した。次いで、CMCをエマルション溶液に溶かして4%CMC水中油エマルション溶液を作る。また、カルセイン(Sigma)が含まれるように、多重エマルション方法でPLGA(Sigma)マイクロパーチクルを作り、フィルター(Millex)にこして直径5μm以下のマイクロパーチクルのみ利用する。
【0064】
CMC水中油エマルション溶液に、カルセインがカプセル化したマイクロパーチクルを混合した。ガラス平板に前記の混合溶液を一定厚さにコーティングした後、あらかじめ直径200μmを持つ2×2パターニングしたフレームに接触させた。接触後、10秒間コーティングされたマイクロパーチクルが含まれたエマルションCMC面が乾燥されて、フレームとCMCとの接触性を高めた。CMCと接触されたフレームを利用して、コーティングされたCMC水中油エマルションコーティング面を30μm/sの速度で60秒間ドローイングして、1,800μmのソリッドマイクロニードルを製作した。次いで、5分間の強力な乾燥で凝縮させると同時に固形化して形成されたソリッドマイクロニードルは、ドローイング速度を高めるか、または切断してフレームから分離できる。その結果、上端部直径5μm、有効長1,800μmの、レチノールとBSA、カルセインがカプセル化した多重薬物放出タイプの生分解性セルロースマイクロニードルを製作した。ホモジナイザーの攪拌速度及びフィルターによりエマルション及びマイクロパーチクルサイズが変わり、ドローイング速度及びドローイング時間によって製作されたマイクロニードルの長さが変わる。
【0065】
以上、本発明の特定の部分を詳細に記述したが、当業者ならば、このような具体的な技術は単に望ましい具現例であるだけで、これにより本発明の範囲が制限されないということは明らかである。したがって、本発明の実質的な範囲は請求項とその等価物によって定義されるといえる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の段階を含む薬物放出ソリッドマイクロ構造体の製造方法:
(a)マイクロ構造体の骨格物質としての生体適合性/生分解性物質を用意する段階;
(b)前記(a)の生体適合性/生分解性物質及び薬物を混合する段階であって、前記薬物は、マイクロパーチクル、ナノパーチクル及びエマルション剤形に混入(incorporation)されており;そして
(c)前記(b)の混合物を利用して薬物運搬体が含まれたソリッドマイクロ構造体を製造する段階。
【請求項2】
前記マイクロ構造体の骨格物質としての生体適合性/生分解性物質は、ポリエステル、ポリヒドロキシアルカノエート(PHAs)、ポリ(α−ヒドロキシアシッド)、ポリ(β−ヒドロキシアシッド)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−co−バレレート;PHBV)、ポリ(3−ヒドロキシプロプリオネート;PHP)、ポリ(3−ヒドロキシヘキサノエート;PHH)、ポリ(4−ヒドロキシアシッド)、ポリ(4−ヒドロキシブチレート)、ポリ(4−ヒドロキシバレレート)、ポリ(4−ヒドロキシヘキサノエート)、ポリ(エステルアミド)、ポリカプロラクトン、ポリラクタイド(PLA)、ポリグリコライド(PGA)、ポール李(ラクタイド−co−グリコライド;PLGA)、ポリジオキサノン、ポリオルトエステル、ポリアンヒドリド、ポリ(グリコール酸−co−トリメチレンカーボネート)、ポリホスホエステル、ポリホスホエステルウレタン、ポリ(アミノ酸)、ポリシアノアクリレート、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(イミノカーボネート)、ポリ(タイロシンカーボネート)、ポリカーボネート、ポリ(タイロシンアリレート)、ポリアルキレンオキサレート、ポリホスファゼン、PHA−PEG、ポリビニルピロリドン、ポリブタジエン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリメチルメタクリレート、ポリメタクリル酸エステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセタルジエチルアミノアセテート、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、塩化ビニル−プロピレン−ビニルアセテート共重合体、塩化ビニル−ビニルアセテート共重合体、クマロンインデンポリマー、ジブチルアミノヒドロキシプロピルエーテル、エチレン−ビニルアセテート共重合体、ジステアロイルグリセロール、2−メチル−5−ビニルピリジンメタクリレート−メタクリル酸共重合体、ヒアルロン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、セルロースまたはその誘導体、マルトース、デキストラン、グルコマンナン、グルコサミン、キトサン、ヘパリン、アルギネート、イヌリン、澱粉、グリコゲン、キチン、コンドロイチン、デキストリン、ケラタン硫酸、牛脂、ホエールワックス、ワックス、パラフィンワックス及びキャスターワックスで構成された群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記生体適合性/生分解性物質は、ポリラクタイド(PLA)、ポリグリコライド(PGA)、ポリ(ラクタイド−co−グリコライド;PLGA)、セルロースまたはその誘導体、マルトース、デキストラン、グルコマンナン、グルコサミン、キトサン、ヘパリン、アルギネート、イヌリン、澱粉またはグリコゲンであることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記薬物を含むマイクロパーチクルまたはナノパーチクルは、ポリエステル、ポリヒドロキシアルカノエート(PHAs)、ポリ(α−ヒドロキシアシッド)、ポリ(β−ヒドロキシアシッド)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−co−バレレート;PHBV)、ポリ(3−ヒドロキシプロプリオネート;PHP)、ポリ(3−ヒドロキシヘキサノエート;PHH)、ポリ(4−ヒドロキシアシッド)、ポリ(4−ヒドロキシブチレート)、ポリ(4−ヒドロキシバレレート)、ポリ(4−ヒドロキシヘキサノエート)、ポリ(エステルアミド)、ポリカプロラクトン、ポリラクタイド(PLA)、ポリグリコライド(PGA)、ポリ(ラクタイド−co−グリコライド;PLGA)、ポリジオキサノン、ポリオルトエステル、ポリアンヒドリド、ポリ(グリコール酸−co−トリメチレンカーボネート)、ポリホスホエステル、ポリホスホエステルウレタン、ポリ(アミノ酸)、ポリシアノアクリレート、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(イミノカーボネート)、ポリ(タイロシンカーボネート)、ポリカーボネート、ポリ(タイロシンアリレート)、ポリアルキレンオキサレート、ポリホスファゼン、PHA−PEG、ポリビニルピロリドン、ポリブタジエン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリメチルメタクリレート、ポリメタクリル酸エステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセタルジエチルアミノアセテート、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、塩化ビニル−プロピレン−ビニルアセテート共重合体、塩化ビニル−ビニルアセテート共重合体、クマロンインデンポリマー、ジブチルアミノヒドロキシプロピルエーテル、エチレン−ビニルアセテート共重合体、ジステアロイルグリセロール、2−メチル−5−ビニルピリジンメタクリレート−メタクリル酸共重合体、ヒアルロン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、セルロースまたはその誘導体、マルトース、デキストラン、グルコマンナン、グルコサミン、キトサン、ヘパリン、アルギネート、イヌリン、澱粉、グリコゲン、キチン、コンドロイチン、デキストリン、ケラタン硫酸、牛脂、ホエールワックス、ワックス、パラフィンワックス及びキャスターワックスで構成された群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記マイクロ構造体の骨格物質としての生体適合性/生分解性物質は、前記マイクロパーチクルまたはナノパーチクルと異なる物質であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ソリッドマイクロ構造体は薬物運搬体であって、マイクロパーチクルまたはナノパーチクルとエマルションとをいずれも含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記マイクロ構造体の骨格物質としての生体適合性/生分解性物質は、薬物をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記マイクロパーチクルまたはナノパーチクルに含まれている薬物とエマルションに含まれている薬物とは、互いに異なる速度で放出されることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記マイクロ構造体の骨格物質に含まれている薬物と、マイクロパーチクル、ナノパーチクルまたはエマルションに含まれている薬物とは、互いに異なる速度で放出されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記マイクロ構造体の骨格、マイクロパーチクルまたはナノパーチクル、そしてエマルションには、互いに異なる種類の薬物が含まれていることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項11】
前記マイクロ構造体は、マイクロニードル、マイクロスパイク、マイクロブレード、マイクロナイフ、マイクロファイバ、マイクロプローブ、マイクロバーブ、マイクロアレイまたはマイクロ電極であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
マイクロ構造体の骨格物質としての生体適合性/生分解性物質に、薬物を含むマイクロパーチクル、ナノパーチクル及びエマルション剤形で構成された群から選択される少なくとも1種の薬物運搬体が混入されている薬物放出ソリッドマイクロ構造体。
【請求項13】
前記マイクロ構造体の骨格物質としての生体適合性/生分解性物質は、ポリエステル、ポリヒドロキシアルカノエート(PHAs)、ポリ(α−ヒドロキシアシッド)、ポリ(β−ヒドロキシアシッド)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−co−バレレート;PHBV)、ポリ(3−ヒドロキシプロプリオネート;PHP)、ポリ(3−ヒドロキシヘキサノエート;PHH)、ポリ(4−ヒドロキシアシッド)、ポリ(4−ヒドロキシブチレート)、ポリ(4−ヒドロキシバレレート)、ポリ(4−ヒドロキシヘキサノエート)、ポリ(エステルアミド)、ポリカプロラクトン、ポリラクタイド(PLA)、ポリグリコライド(PGA)、ポリ(ラクタイド−co−グリコライド;PLGA)、ポリジオキサノン、ポリオルトエステル、ポリアンヒドリド、ポリ(グリコール酸−co−トリメチレンカーボネート)、ポリホスホエステル、ポリホスホエステルウレタン、ポリ(アミノ酸)、ポリシアノアクリレート、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(イミノカーボネート)、ポリ(タイロシンカーボネート)、ポリカーボネート、ポリ(タイロシンアリレート)、ポリアルキレンオキサレート、ポリホスファゼン、PHA−PEG、ポリビニルピロリドン、ポリブタジエン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリメチルメタクリレート、ポリメタクリル酸エステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセタルジエチルアミノアセテート、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、塩化ビニル−プロピレン−ビニルアセテート共重合体、塩化ビニル−ビニルアセテート共重合体、クマロンインデンポリマー、ジブチルアミノヒドロキシプロピルエーテル、エチレン−ビニルアセテート共重合体、ジステアロイルグリセロール、2−メチル−5−ビニルピリジンメタクリレート−メタクリル酸共重合体、ヒアルロン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、セルロースまたはその誘導体、マルトース、デキストラン、グルコマンナン、グルコサミン、キトサン、ヘパリン、アルギネート、イヌリン、澱粉、グリコゲン、キチン、コンドロイチン、デキストリン、ケラタン硫酸、牛脂、ホエールワックス、ワックス、パラフィンワックス及びキャスターワックスで構成された群から選択されることを特徴とする請求項12に記載のマイクロ構造体。
【請求項14】
前記生体適合性/生分解性物質は、ポリラクタイド(PLA)、ポリグリコライド(PGA)、ポリ(ラクタイド−co−グリコライド;PLGA)、セルロースまたはその誘導体、マルトース、デキストラン、グルコマンナン、グルコサミン、キトサン、ヘパリン、アルギネート、イヌリン、澱粉またはグリコゲンであることを特徴とする請求項13に記載のマイクロ構造体。
【請求項15】
前記薬物を含むマイクロパーチクルまたはナノパーチクルは、ポリエステル、ポリヒドロキシアルカノエート(PHAs)、ポリ(α−ヒドロキシアシッド)、ポリ(β−ヒドロキシアシッド)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−co−バレレート;PHBV)、ポリ(3−ヒドロキシプロプリオネート;PHP)、ポリ(3−ヒドロキシヘキサノエート;PHH)、ポリ(4−ヒドロキシアシッド)、ポリ(4−ヒドロキシブチレート)、ポリ(4−ヒドロキシバレレート)、ポリ(4−ヒドロキシヘキサノエート)、ポリ(エステルアミド)、ポリカプロラクトン、ポリラクタイド(PLA)、ポリグリコライド(PGA)、ポリ(ラクタイド−co−グリコライド;PLGA)、ポリジオキサノン、ポリオルトエステル、ポリアンヒドリド、ポリ(グリコール酸−co−トリメチレンカーボネート)、ポリホスホエステル、ポリホスホエステルウレタン、ポリ(アミノ酸)、ポリシアノアクリレート、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(イミノカーボネート)、ポリ(タイロシンカーボネート)、ポリカーボネート、ポリ(タイロシンアリレート)、ポリアルキレンオキサレート、ポリホスファゼン、PHA−PEG、ポリビニルピロリドン、ポリブタジエン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリメチルメタクリレート、ポリメタクリル酸エステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセタルジエチルアミノアセテート、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、塩化ビニル−プロピレン−ビニルアセテート共重合体、塩化ビニル−ビニルアセテート共重合体、クマロンインデンポリマー、ジブチルアミノヒドロキシプロピルエーテル、エチレン−ビニルアセテート共重合体、ジステアロイルグリセロール、2−メチル−5−ビニルピリジンメタクリレート−メタクリル酸共重合体、ヒアルロン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、セルロースまたはその誘導体、マルトース、デキストラン、グルコマンナン、グルコサミン、キトサン、ヘパリン、アルギネート、イヌリン、澱粉、グリコゲン、キチン、コンドロイチン、デキストリン、ケラタン硫酸、牛脂、ホエールワックス、ワックス、パラフィンワックス及びキャスターワックスで構成された群から選択されることを特徴とする請求項12に記載のマイクロ構造体。
【請求項16】
前記マイクロ構造体の骨格物質としての生体適合性/生分解性物質は、前記マイクロパーチクルまたはナノパーチクルと異なる物質であることを特徴とする請求項12に記載のマイクロ構造体。
【請求項17】
前記ソリッドマイクロ構造体は薬物運搬体であって、マイクロパーチクルまたはナノパーチクルとエマルションとをいずれも含むことを特徴とする請求項12に記載のマイクロ構造体。
【請求項18】
前記マイクロ構造体の骨格物質としての生体適合性/生分解性物質は、薬物をさらに含むことを特徴とする請求項12に記載のマイクロ構造体。
【請求項19】
前記マイクロパーチクルまたはナノパーチクルに含まれている薬物とエマルションに含まれている薬物とは、互いに異なる速度で放出されることを特徴とする請求項17に記載のマイクロ構造体。
【請求項20】
前記マイクロ構造体の骨格物質に含まれている薬物と、マイクロパーチクル、ナノパーチクルまたはエマルションに含まれている薬物とは、互いに異なる速度で放出されることを特徴とする請求項18に記載のマイクロ構造体。
【請求項21】
前記マイクロ構造体の骨格、マイクロパーチクルまたはナノパーチクル、そしてエマルションには、互いに異なる種類の薬物が含まれていることを特徴とする請求項17に記載のマイクロ構造体。
【請求項22】
請求項1ないし12のうちいずれか一項に記載の製造方法によって製造されたマイクロ構造体。
【請求項1】
次の段階を含む薬物放出ソリッドマイクロ構造体の製造方法:
(a)マイクロ構造体の骨格物質としての生体適合性/生分解性物質を用意する段階;
(b)前記(a)の生体適合性/生分解性物質及び薬物を混合する段階であって、前記薬物は、マイクロパーチクル、ナノパーチクル及びエマルション剤形に混入(incorporation)されており;そして
(c)前記(b)の混合物を利用して薬物運搬体が含まれたソリッドマイクロ構造体を製造する段階。
【請求項2】
前記マイクロ構造体の骨格物質としての生体適合性/生分解性物質は、ポリエステル、ポリヒドロキシアルカノエート(PHAs)、ポリ(α−ヒドロキシアシッド)、ポリ(β−ヒドロキシアシッド)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−co−バレレート;PHBV)、ポリ(3−ヒドロキシプロプリオネート;PHP)、ポリ(3−ヒドロキシヘキサノエート;PHH)、ポリ(4−ヒドロキシアシッド)、ポリ(4−ヒドロキシブチレート)、ポリ(4−ヒドロキシバレレート)、ポリ(4−ヒドロキシヘキサノエート)、ポリ(エステルアミド)、ポリカプロラクトン、ポリラクタイド(PLA)、ポリグリコライド(PGA)、ポール李(ラクタイド−co−グリコライド;PLGA)、ポリジオキサノン、ポリオルトエステル、ポリアンヒドリド、ポリ(グリコール酸−co−トリメチレンカーボネート)、ポリホスホエステル、ポリホスホエステルウレタン、ポリ(アミノ酸)、ポリシアノアクリレート、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(イミノカーボネート)、ポリ(タイロシンカーボネート)、ポリカーボネート、ポリ(タイロシンアリレート)、ポリアルキレンオキサレート、ポリホスファゼン、PHA−PEG、ポリビニルピロリドン、ポリブタジエン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリメチルメタクリレート、ポリメタクリル酸エステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセタルジエチルアミノアセテート、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、塩化ビニル−プロピレン−ビニルアセテート共重合体、塩化ビニル−ビニルアセテート共重合体、クマロンインデンポリマー、ジブチルアミノヒドロキシプロピルエーテル、エチレン−ビニルアセテート共重合体、ジステアロイルグリセロール、2−メチル−5−ビニルピリジンメタクリレート−メタクリル酸共重合体、ヒアルロン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、セルロースまたはその誘導体、マルトース、デキストラン、グルコマンナン、グルコサミン、キトサン、ヘパリン、アルギネート、イヌリン、澱粉、グリコゲン、キチン、コンドロイチン、デキストリン、ケラタン硫酸、牛脂、ホエールワックス、ワックス、パラフィンワックス及びキャスターワックスで構成された群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記生体適合性/生分解性物質は、ポリラクタイド(PLA)、ポリグリコライド(PGA)、ポリ(ラクタイド−co−グリコライド;PLGA)、セルロースまたはその誘導体、マルトース、デキストラン、グルコマンナン、グルコサミン、キトサン、ヘパリン、アルギネート、イヌリン、澱粉またはグリコゲンであることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記薬物を含むマイクロパーチクルまたはナノパーチクルは、ポリエステル、ポリヒドロキシアルカノエート(PHAs)、ポリ(α−ヒドロキシアシッド)、ポリ(β−ヒドロキシアシッド)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−co−バレレート;PHBV)、ポリ(3−ヒドロキシプロプリオネート;PHP)、ポリ(3−ヒドロキシヘキサノエート;PHH)、ポリ(4−ヒドロキシアシッド)、ポリ(4−ヒドロキシブチレート)、ポリ(4−ヒドロキシバレレート)、ポリ(4−ヒドロキシヘキサノエート)、ポリ(エステルアミド)、ポリカプロラクトン、ポリラクタイド(PLA)、ポリグリコライド(PGA)、ポリ(ラクタイド−co−グリコライド;PLGA)、ポリジオキサノン、ポリオルトエステル、ポリアンヒドリド、ポリ(グリコール酸−co−トリメチレンカーボネート)、ポリホスホエステル、ポリホスホエステルウレタン、ポリ(アミノ酸)、ポリシアノアクリレート、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(イミノカーボネート)、ポリ(タイロシンカーボネート)、ポリカーボネート、ポリ(タイロシンアリレート)、ポリアルキレンオキサレート、ポリホスファゼン、PHA−PEG、ポリビニルピロリドン、ポリブタジエン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリメチルメタクリレート、ポリメタクリル酸エステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセタルジエチルアミノアセテート、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、塩化ビニル−プロピレン−ビニルアセテート共重合体、塩化ビニル−ビニルアセテート共重合体、クマロンインデンポリマー、ジブチルアミノヒドロキシプロピルエーテル、エチレン−ビニルアセテート共重合体、ジステアロイルグリセロール、2−メチル−5−ビニルピリジンメタクリレート−メタクリル酸共重合体、ヒアルロン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、セルロースまたはその誘導体、マルトース、デキストラン、グルコマンナン、グルコサミン、キトサン、ヘパリン、アルギネート、イヌリン、澱粉、グリコゲン、キチン、コンドロイチン、デキストリン、ケラタン硫酸、牛脂、ホエールワックス、ワックス、パラフィンワックス及びキャスターワックスで構成された群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記マイクロ構造体の骨格物質としての生体適合性/生分解性物質は、前記マイクロパーチクルまたはナノパーチクルと異なる物質であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ソリッドマイクロ構造体は薬物運搬体であって、マイクロパーチクルまたはナノパーチクルとエマルションとをいずれも含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記マイクロ構造体の骨格物質としての生体適合性/生分解性物質は、薬物をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記マイクロパーチクルまたはナノパーチクルに含まれている薬物とエマルションに含まれている薬物とは、互いに異なる速度で放出されることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記マイクロ構造体の骨格物質に含まれている薬物と、マイクロパーチクル、ナノパーチクルまたはエマルションに含まれている薬物とは、互いに異なる速度で放出されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記マイクロ構造体の骨格、マイクロパーチクルまたはナノパーチクル、そしてエマルションには、互いに異なる種類の薬物が含まれていることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項11】
前記マイクロ構造体は、マイクロニードル、マイクロスパイク、マイクロブレード、マイクロナイフ、マイクロファイバ、マイクロプローブ、マイクロバーブ、マイクロアレイまたはマイクロ電極であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
マイクロ構造体の骨格物質としての生体適合性/生分解性物質に、薬物を含むマイクロパーチクル、ナノパーチクル及びエマルション剤形で構成された群から選択される少なくとも1種の薬物運搬体が混入されている薬物放出ソリッドマイクロ構造体。
【請求項13】
前記マイクロ構造体の骨格物質としての生体適合性/生分解性物質は、ポリエステル、ポリヒドロキシアルカノエート(PHAs)、ポリ(α−ヒドロキシアシッド)、ポリ(β−ヒドロキシアシッド)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−co−バレレート;PHBV)、ポリ(3−ヒドロキシプロプリオネート;PHP)、ポリ(3−ヒドロキシヘキサノエート;PHH)、ポリ(4−ヒドロキシアシッド)、ポリ(4−ヒドロキシブチレート)、ポリ(4−ヒドロキシバレレート)、ポリ(4−ヒドロキシヘキサノエート)、ポリ(エステルアミド)、ポリカプロラクトン、ポリラクタイド(PLA)、ポリグリコライド(PGA)、ポリ(ラクタイド−co−グリコライド;PLGA)、ポリジオキサノン、ポリオルトエステル、ポリアンヒドリド、ポリ(グリコール酸−co−トリメチレンカーボネート)、ポリホスホエステル、ポリホスホエステルウレタン、ポリ(アミノ酸)、ポリシアノアクリレート、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(イミノカーボネート)、ポリ(タイロシンカーボネート)、ポリカーボネート、ポリ(タイロシンアリレート)、ポリアルキレンオキサレート、ポリホスファゼン、PHA−PEG、ポリビニルピロリドン、ポリブタジエン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリメチルメタクリレート、ポリメタクリル酸エステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセタルジエチルアミノアセテート、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、塩化ビニル−プロピレン−ビニルアセテート共重合体、塩化ビニル−ビニルアセテート共重合体、クマロンインデンポリマー、ジブチルアミノヒドロキシプロピルエーテル、エチレン−ビニルアセテート共重合体、ジステアロイルグリセロール、2−メチル−5−ビニルピリジンメタクリレート−メタクリル酸共重合体、ヒアルロン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、セルロースまたはその誘導体、マルトース、デキストラン、グルコマンナン、グルコサミン、キトサン、ヘパリン、アルギネート、イヌリン、澱粉、グリコゲン、キチン、コンドロイチン、デキストリン、ケラタン硫酸、牛脂、ホエールワックス、ワックス、パラフィンワックス及びキャスターワックスで構成された群から選択されることを特徴とする請求項12に記載のマイクロ構造体。
【請求項14】
前記生体適合性/生分解性物質は、ポリラクタイド(PLA)、ポリグリコライド(PGA)、ポリ(ラクタイド−co−グリコライド;PLGA)、セルロースまたはその誘導体、マルトース、デキストラン、グルコマンナン、グルコサミン、キトサン、ヘパリン、アルギネート、イヌリン、澱粉またはグリコゲンであることを特徴とする請求項13に記載のマイクロ構造体。
【請求項15】
前記薬物を含むマイクロパーチクルまたはナノパーチクルは、ポリエステル、ポリヒドロキシアルカノエート(PHAs)、ポリ(α−ヒドロキシアシッド)、ポリ(β−ヒドロキシアシッド)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−co−バレレート;PHBV)、ポリ(3−ヒドロキシプロプリオネート;PHP)、ポリ(3−ヒドロキシヘキサノエート;PHH)、ポリ(4−ヒドロキシアシッド)、ポリ(4−ヒドロキシブチレート)、ポリ(4−ヒドロキシバレレート)、ポリ(4−ヒドロキシヘキサノエート)、ポリ(エステルアミド)、ポリカプロラクトン、ポリラクタイド(PLA)、ポリグリコライド(PGA)、ポリ(ラクタイド−co−グリコライド;PLGA)、ポリジオキサノン、ポリオルトエステル、ポリアンヒドリド、ポリ(グリコール酸−co−トリメチレンカーボネート)、ポリホスホエステル、ポリホスホエステルウレタン、ポリ(アミノ酸)、ポリシアノアクリレート、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(イミノカーボネート)、ポリ(タイロシンカーボネート)、ポリカーボネート、ポリ(タイロシンアリレート)、ポリアルキレンオキサレート、ポリホスファゼン、PHA−PEG、ポリビニルピロリドン、ポリブタジエン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリメチルメタクリレート、ポリメタクリル酸エステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセタルジエチルアミノアセテート、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、塩化ビニル−プロピレン−ビニルアセテート共重合体、塩化ビニル−ビニルアセテート共重合体、クマロンインデンポリマー、ジブチルアミノヒドロキシプロピルエーテル、エチレン−ビニルアセテート共重合体、ジステアロイルグリセロール、2−メチル−5−ビニルピリジンメタクリレート−メタクリル酸共重合体、ヒアルロン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、セルロースまたはその誘導体、マルトース、デキストラン、グルコマンナン、グルコサミン、キトサン、ヘパリン、アルギネート、イヌリン、澱粉、グリコゲン、キチン、コンドロイチン、デキストリン、ケラタン硫酸、牛脂、ホエールワックス、ワックス、パラフィンワックス及びキャスターワックスで構成された群から選択されることを特徴とする請求項12に記載のマイクロ構造体。
【請求項16】
前記マイクロ構造体の骨格物質としての生体適合性/生分解性物質は、前記マイクロパーチクルまたはナノパーチクルと異なる物質であることを特徴とする請求項12に記載のマイクロ構造体。
【請求項17】
前記ソリッドマイクロ構造体は薬物運搬体であって、マイクロパーチクルまたはナノパーチクルとエマルションとをいずれも含むことを特徴とする請求項12に記載のマイクロ構造体。
【請求項18】
前記マイクロ構造体の骨格物質としての生体適合性/生分解性物質は、薬物をさらに含むことを特徴とする請求項12に記載のマイクロ構造体。
【請求項19】
前記マイクロパーチクルまたはナノパーチクルに含まれている薬物とエマルションに含まれている薬物とは、互いに異なる速度で放出されることを特徴とする請求項17に記載のマイクロ構造体。
【請求項20】
前記マイクロ構造体の骨格物質に含まれている薬物と、マイクロパーチクル、ナノパーチクルまたはエマルションに含まれている薬物とは、互いに異なる速度で放出されることを特徴とする請求項18に記載のマイクロ構造体。
【請求項21】
前記マイクロ構造体の骨格、マイクロパーチクルまたはナノパーチクル、そしてエマルションには、互いに異なる種類の薬物が含まれていることを特徴とする請求項17に記載のマイクロ構造体。
【請求項22】
請求項1ないし12のうちいずれか一項に記載の製造方法によって製造されたマイクロ構造体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a)】
【図5b)】
【図5c)】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10a)】
【図10b)】
【図10c)】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a)】
【図5b)】
【図5c)】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10a)】
【図10b)】
【図10c)】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2012−504160(P2012−504160A)
【公表日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−530003(P2011−530003)
【出願日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際出願番号】PCT/KR2009/005654
【国際公開番号】WO2010/039007
【国際公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【出願人】(511082908)ヌリ−エム ウェルネス カンパニー リミテッド (2)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際出願番号】PCT/KR2009/005654
【国際公開番号】WO2010/039007
【国際公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【出願人】(511082908)ヌリ−エム ウェルネス カンパニー リミテッド (2)
【Fターム(参考)】
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