説明

天然および人造の歯を白色化するための非−過酸化物調剤

本発明は過酸化物または研磨剤を用いない天然および人造の歯の白色化用の組成物および方法に関する。本発明における活性成分は「アクチニジン」(粗製または精製された)でありそしてキウイフルーツから製造される。本発明は、細片、トレー、歯磨き剤、リンス剤、口腔洗浄剤、またはパスティル剤、チューインガムもしくはロゼンジ剤のような装置の中での歯の白色化剤としての本発明の組成物および方法の使用を提供する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
背景
歯の白色化(すなわち、歯からの汚れの除去)は世界的に数千万ドルの産業である。歯を白色化するために多くの方式が試されており、それらの中の2つの最も普遍的なものは研磨剤、例えば珪藻土、シリカおよびベーキングソーダ、または化学的白色化剤、例えば過酸化物、の使用である。研磨剤を研磨作用と組み合わせて使用して汚染を研磨しそして歯の表面からの汚れを除去する。このように、歯から反射される光が歯の真の固有色である。研磨剤はほとんどの消費者用歯磨きペーストおよび歯科医により使用される予防ペーストの主成分である。研磨剤は歯の表面上だけで作用するため、歯の固有色は大部分変わらない。そこで、研磨剤は歯の白色化においては限定された効果だけを与え、そして先行技術調合物により使用されている多くの研磨剤はそれらが強い非−天然研磨剤を含有または使用するためそれらは歯の上にあるエナメル質を損傷させうる。
【0002】
第二の方式は歯を内因的および外因的に白色化するための組成物中での化学的白色化添加剤の使用である。化学的白色化添加剤は、歯に対して活性成分が歯の上で作用し且つ歯の白色性における改良を与え得る期間にわたり、適用される。白色化剤は歯に対して歯磨きペースト、リンス剤および口腔洗浄剤、ガム、フロス、錠剤、細片およびトレーを用いて一般に適用される。普遍的な化学的白色化剤は過酸化物である。しばしば、細片およびトレーを使用して過酸化物を典型的な歯のブラシ磨きで達成できるものを越える接触時間にわたり適用する。白色化活性成分の濃度、接触時間および適用回数は、過酸化物をベースとした歯の白色化組成物で得られる白色化の速度および量を指示する主要なパラメーターの一部である。過酸化物を使用する白色化製品は当該技術で既知である。例えば、引用することにより本発明の内容となる特許文献1および特許文献2は過酸化物組成物を含んでなる白色化製品を記載している。しかしながら、過酸化物は軟質組織(例えば、歯肉および他の口腔組織)の刺激を生ずることがありそして一部の人々は彼らの口内に強い化学物質が入るのを好まない。また、歯を白色化するためのこれらの現在利用可能な方式の両者とも人造歯の白色化には有効でない。特許文献3は過酸化物組成物並びにプロテアーゼを含有する歯磨き剤を開示しているが、潜在的損傷性の過酸化物並びに他の強い化学物質を含有する点でそれは他の化学物質をベースとした先行技術の組成物と同じ問題を依然として被る。
【特許文献1】米国特許第5,891,453号明細書
【特許文献2】米国特許第5,879,691号明細書
【特許文献3】米国特許第6,331,249号明細書
【発明の開示】
【0003】
従って、求められているものは強い研磨剤または過酸化物をベースとした化学物質を使用しない天然および人造の歯の両者の白色化用の組成物および方法である。
【0004】
発明の要旨
本発明は過酸化物または研磨剤を使用しない天然および人造の歯の白色化用の組成物および方法に関する。本発明における活性成分は「アクチニジン」(粗製、部分的に精製されたまたは精製された)でありそしてキウイフルーツから製造される。本発明は、例えば、細片、トレー、フロス、歯磨き剤(例えば、歯磨きペーストおよび歯磨き粉)、義歯クリーナー、口腔リンス剤、口腔洗浄剤、またはパスティル剤、チューインガムもしくはロゼンジ剤のような装置の中での歯−白色化剤としての本発明の組成物および方法の使用を提供する。
【0005】
発明の記述
本発明は、歯の自然色を回復するための、過酸化物または研磨剤が存在しない、天然の歯、歯冠および他の人造の歯を白色化するための非−研磨性または天然の研磨性の口腔組成物に関する。より具体的には、本発明は、細片またはトレー(例えば、全てが引用することにより本発明の内容となる米国特許第6,949,240号明細書、米国特許第6,514,483号明細書および米国特許第5,702,251号明細書並びにそれらに引用された米国特許を参照のこと)、フロス(例えば、引用することにより本発明の内容となる米国特許第6,705,328号明細書、米国特許第6,619,299号明細書、米国特許第4,583,564号明細書および米国特許第4,265,258号明細書を参照のこと)、歯磨き剤(例えば、歯磨きベースト、義歯洗浄剤または歯磨き粉;例えば、全てが引用することにより本発明の内容となる米国特許第6,861,048号明細書、米国特許第6,555,094号明細書、並びにそれらに引用された米国特許を参照のこと)、リンス剤および口腔洗浄剤(全てが引用することにより本発明の内容となる米国特許第6,004,538号明細書、並びにそれらに引用された米国特許を参照のこと)、またはパスティル剤、チューインガムもしくはロゼンジ剤のような装置(例えば、全てが引用することにより本発明の内容となる米国特許第6,926,916号明細書、米国特許第6,416,774号明細書および米国特許第4,146,634号明細書、並びにそれらに引用された米国特許を参照のこと)の中での白色化剤としての植物成分(粗製または精製されたアクチニジン)の使用に関し、それらの全ての製造は当該技術において既知である。ある種の態様では、グリセリンがアクチニジン組成物に合計組成物の5%〜100%の範囲内で加えられる。本発明の具体的な態様は以下でさらに詳細に記載される。
【0006】
「粗製アクチニジン」または「アクチニジン−含有調剤」とも称する植物成分はキウイフルーツから製造される。実験作業は、歯の白色化における実質的に純粋なアクチニジンの調合物の効果並びに規定された最少アクチニジン特異的活性を有する粗製アクチニジン調剤の調合物の効果を示した。粗製アクチニジンを生成するために使用される製造方法は例えば化学物質を用いずにキウイフルーツから皮および種を除去し、そして粗製生成物を次に貯蔵用に凍結乾燥する。アクチニダインとしても知られるアクチニジン(EC3.4.22.14)はキウイプロテアーゼである。粗製アクチニジンは、この明細書の実験部分に詳細に記載されているカゼイン加水分解検定方法により評価して、約3,500U/g(グラム当たりの単位)の最少活性および約5,000U/gの典型的な活性を有する。
【0007】
ここで開示される際には、「精製されたアクチニジン」または「部分的に精製されたアクチニジン」は当該技術で既知の蛋白質精製工程(例えば、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd Ed.,eds.Sambrook,Fritsch and Maniatis,Cold Spring Harbor Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,1989およびProtein Purification Protocols,2nd Ed.,ed.Culter,SmithKline Beecham Pharmaceuticals,Harlow,UK,2003を参照のこと)により粗製アクチニジンから実質的に精製されたアクチニジンである。精製されたまたは部分的に精製されたアクチニジンはカゼイン加水分解検定方法(この明細書の実験部分に記載されている)により検定して20,000U/g〜100,000U/gの範囲内の活性を有する。当該技術で既知の蛋白質精製技術は、例えば、蛋白質沈殿(例えば、塩または重合体を用いる)、免疫−親和クロマトグラフィー、親和クロマトグラフィー、緩衝液交換および拡散(例えば、イオン性不純物を除去するため)、イオン交換クロマトグラフィー、限外濾過、微量濾過、疎水性相互作用クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、電気泳動などを包含する。本発明の1つの態様では、精製されたアクチニジンは少なくとも50%純度である。より好ましい態様では、精製されたアクチニジンは少なくとも70%純度である。さらにより好ましい態様では、精製されたアクチニジンは少なくとも90%純度である。本発明の方法および組成物の全ては粗製および精製されたアクチニジンの両者と両立しうる。
【0008】
精製された、部分的に精製されたまたは粗製のアクチニジン−含有調剤は天然または人造の歯への適用のために約50〜1200U/gの濃度範囲で調合される。より好ましい態様では、粗製アクチニジンは本発明の組成物中でカゼイン加水分解検定方法(この明細書の実験部分に記載されている)により測定して約100〜1000U/gの濃度範囲で使用される。皮および種の除去、その後の凍結乾燥により製造される上記の粗製アクチニジン調剤は本発明の組成物中で最終組成物の約1〜12%w/wの濃度範囲で使用される。より好ましい態様では、粗製アクチニジン調剤は本発明の組成物中で最終組成物の約2〜10%w/wの濃度範囲で使用される。精製された(または部分的に精製された)アクチニジンが使用される場合には、それはU/gによる測定値として粗製アクチニジンと同じ最終濃度で使用される。
【0009】
アクチニジン−含有調剤は、天然または人造の歯への適用のために調合される時に、茶、コーヒー、ブルーベリーまたはワインのようなポリフェノール−含有食品により引き起こされる歯の表面上の汚れ(外因性汚れ)および歯の表面下の汚れ(内因性汚れ)の除去に有効でありそして天然および人造の歯の自然色を白色化しそして維持するための口腔組成物の中で使用できる。本出願では、「人造の複数の歯」(または「人造の歯」)は、1本もしくは複数の天然の歯を全部または部分的に代替する義歯、歯冠、ブリッジ、部分歯またはいずれかの他の歯科装置をさす。本発明の活性成分は、それが汚れおよび汚れを引き起こす因子が付着する唾液蛋白質(すなわち、薄膜)により形成される層の生成を遅らせるため、今後の汚れも予防する。これに関すると、アクチニジン−含有調剤は、プラークの製造を防止し且つプラーク、歯石または薄膜に付着する汚れも防止できる抗−付着剤である。
【0010】
アクチニジンはActinidia属(キウイフルーツまたはチャイニーズ・グースベリーとも称する)からのシステインプロテイナーゼである。アクチニジンは遊離スルフヒドリル基を含有し、それは活性に関して必須であり、そしてその結果として植物チオールプロテアーゼの種に分類される。この群は、パパイヤからのパパイン、イチジクからのフィシンおよびパイナップルからのブロメラインも包含する。システインプロテアーゼ類は蛋白質を分解しうる。先行技術では、アクチニジンは消化酵素として(次章で論じられる)または高品質の食肉軟化剤として(King,et al.,Meat Science,5:389−396,1981;Lewis,et al.,J.Food Biochem,12:147−158,1988;Wada,et al.,Food Chemistry,78:167−171,2002;Kowlessur,et al.,Biochem.J,259:443−452,1989)のいずれかで使用される。パパイン族の他のプロテアーゼ類は、ダフコンディショナー、抗−炎症剤として、または飲料産業で貯蔵「冷却濁り」を防止するために使用される。
【0011】
キウイフルーツは緑色の新鮮な果実として世界的に知られている。キウイフルーツはニュージーランド、チリ、カリフォルニアおよび他の地方で果汁および濃縮物からワイン製造用までの広範囲の用途のために商業的に生育されている。キウイフルーツは、オレンジの2倍のビタミン、バナナのカリウム、高含有量のビタミンE、カルテノイド類、葉酸類、マンガン、並びに可溶性および不溶性繊維を含有し且つナトリウムが少ない世界的に最も栄養分が密な果実である(Lachance,J Am Coll Nutr,16:5,1997)。キウイフルーツはその酵素に関しても有名であり、それらは有効な消化調節剤である。主要なキウイ酵素であるアクチニジンはキウイフルーツパルプ(皮および種を含む)中の全ての可溶性蛋白質の60%を構成し、天然の消化不良処方剤として使用される。多くの普遍的な消化不良処方剤とは異なり、アクチニジンはpHを変更するというよりむしろ胃の酵素活性を増強する。
【0012】
単独でのまたは他の剤と組み合わされたある種の歯磨きペースト中の抗−汚れ剤としてのパパインおよび抗−炎症剤としてのブロメラインのようなある種のシステインプロテアーゼ類が口腔ケア調剤の中で使用されている。過酸化水素の不存在下では、アクチニジン(粗製または精製された)は天然および人造の歯のための白色化剤としての使用に関しては知られていない。
【0013】
一部の人々は他の人々より外因性の歯の汚れに対してより敏感であるようだが、そのような差異の理由は不明である(Watts and Addy,Food Chemistry 78:167−171,2001)。外因性の汚れは例えばプラークまたは後天的な薄膜の如き歯の表面堆積物の上に吸着される。薄膜は蛋白質の透明な薄い層であり、それに食品、細菌および汚れが付着する。特定の唾液蛋白質が歯および歯の主要な鉱物成分であるヒドロキシアパタイトに結合する時に薄膜が生ずる(Nathoo,J Am Dent Assoc 128:6S−10S,1997)。唾液は高割合(70%まで;Kauffman and Keller,Arch Oral Biol.,24:249−256,1979)のプロリンに富んだ蛋白質を含有し、それが薄膜を形成する。薄膜のプロリンに富んだ蛋白質、特に塩基性のプロリンに富んだ蛋白質、は食品のポリフェノール類に対する特別に高い親和力を有し、それらが歯の汚れに少なくとも部分的に寄与することが信じられている(Hagerman and Butler,J Biol Chem,256:494−4497,1981;Proctor,et al.,J Dental Research,84:73−78,2005)。
【0014】
外因性の汚れのための使用可能な因果関係のある因子は、食品成分、飲料、タバコ、口腔リンス剤および他の薬品並びに口腔衛生を包含する(Watts and Addy,Food Chemistry 78:167−171,2001)。茶、コーヒー、赤ワイン、およびポリフェノール類に富む他の食品は食事による歯の汚染に寄与すると考えられる。ポリフェノール類は植物内で普遍的に見出される多様な物質群である。それらは小フラボノイド類、例えば緑茶カテキン類およびブドウ皮のアントシアニン類、から50個より多いフラバノール分子を含有する高度に重合された構造、例えば紅茶テアフラビン類およびテアルビギン類、までの範囲にわたる(Bravo,Nutrit Rev,56:317−333,1999;Bennick,Crit Rev Oral Biol Med,13:184−196,2002)。紅茶および赤ワイン成分はインビトロの薄膜成熟に顕著な影響を有しており、容易に除去されない汚染された物質の厚い層の形成を引き起こすことが示された(Joiner,et al.,Eur J Oral Sci.,111:417−22,2003)。細菌および汚れは蛋白質薄膜に付着してプラークを形成する。本発明はいずれかの特定の機構により限定されないが、口腔組成物中でのプロテアーゼ−含有キウイ抽出部の含有は研磨剤および過酸化物なしで蛋白質薄膜の分解に寄与して、それにより汚れを除去しそして歯を白色化すると思われる。
【0015】
内因性の汚れは歯の表面下で見られる汚れである。これらの汚れを引き起こす因子は歯の中の穴に留まるか、歯の中の鉱物と結合するか、または歯の表面下に留まっている唾液蛋白質と結合する。本発明の組成物および方法は内因性の汚れの減少および除去にも有効であり、それにより外因性の汚れに対してだけ作用する先行技術の剤(例えば、研磨剤)よりはるかに大きな天然および人造の歯の白色化を与える。
【0016】
以下は、本発明の具体的な態様に関する開示である。この開示は引用することにより本発明の内容となる具体的な文献の開示により補充される。
【0017】
白色化細片
白色化細片および白色化トレーの製造は当該技術で既知である。簡単に述べると、例えば、白色化細片は以下の通りにして製造できる。細片は、例えば、約20〜約1500マイクロメートル(μm)そして好ましくは約50〜約1000μmの厚さのポリ(エチレン)オキシドフィルムから製造される水和可能フィルムでありうる。乾燥フィルムはアクチニジン白色化剤を不活性状態で含有する。口腔内の唾液によるフィルムの水和が例えばエチレンオキシド重合体マトリックスの中に加えられた水溶性白色化剤を溶解し、それにより白色化剤が活性化されそしてフィルムが適用される歯の表面に放出される。別の態様では、フィルムは予め水和されそしてアクチニジンをベースとした白色化剤は水和された形態である。乾燥細片に関しては、白色化剤が溶解しそしてその後に歯の表面との接触で放出される速度はフィルム厚さ、重合体性質並びに白色化剤濃度を変えることにより調節され、そのような濃度は一般的にフィルムの約0.1〜約30重量%そして好ましくは約0.5〜約25重量%で変動する。
【0018】
本発明の目的のために有用なエチレンオキシド重合体は、約10,000ダルトンから約10,000,000ダルトンまでの範囲にわたりそして好ましくは約100,000〜約1,500,000ダルトンの範囲内で変動する分子量のホモ重合体またはエチレンオキシド重合体の混合物を包含する。そのようなエチレンオキシド重合体は種々の製造元から市販されている。約10,000ダルトン〜約10,000,000ダルトンの分子量範囲内のポリ(エチレン)オキシドはユニオン・カーバイド・カンパニー(Union Carbide Company)から商品名「Polyox」で入手可能でありそして本発明の目的のために好ましい。エチレンオキシド重合体は本発明のフィルムの約50〜約95重量%そして好ましくは約60〜約85重量%を構成する。
【0019】
本発明の目的のために有用な可塑剤は、グリコール類、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、多価アルコール類、例えばグリセリンおよびソルビトール、並びにグリセロールエステル類、例えば三酢酸グリセロール、から選択される。可塑剤は本発明のフィルムの約5〜約30重量%そして好ましくは約10〜約25重量%を構成する。
【0020】
グリセリンは本発明における使用に好ましい可塑剤であり、そしてプロピレングリコールまたはポリエチレングリコール自体はユニオン・カーバイド・コーポレーションからそれらのCarowaxesシリーズとして入手可能であり、それらは200〜600ダルトンの分子量にわたる。
【0021】
アクチニジンをベースとした白色化剤および可塑剤の導入に加えて、フィルムマトリックスまたは白色化剤の中に少量の、例えば0.01〜2重量%の、他の天然成分、例えば酸化防止剤、防腐剤、pH調節剤、除痛剤、安定剤、ゲル化剤、香味剤など、を包含しうる。好ましいゲル化剤はカラゲナンである。好ましい濃稠化剤はヘクトライトクレイ、プロピレングリコールおよびグリセリンである。好ましい香味剤は天然香味剤、例えばペパーミント、スペアミント、アプリコットおよびシナモンなどである。敏感性の歯のためには、調合物は敏感性の歯を有する人々の疼痛を緩和する剤を含有しうる。この目的のために好ましい成分は硝酸カリウムである。所望する口触りを高めるための剤を加えることができる。このために好ましい成分はプロポリスである。洗浄剤を本発明で使用することができる。好ましい洗浄剤はラウリル硫酸ナトリウムである。水分保有剤をこの調合物中で使用することができる。好ましい水分保有剤はソルビトールおよびキシリトールである。
【0022】
エチレンオキシド重合体フィルムの一面を例えば10ナノメートル(nm)〜500ミクロン(μ)厚さの薄い保護コーティング層でコーティングすることもでき、それは溶解した白色化剤のマトリックスからの口腔粘膜への放出を防止するための遮蔽剤として作用し、それにより歯の表面上だけへの白色化剤の一方向放出を達成する。
【0023】
コーティング物質はフィルムの柔軟性を妨害しないようにそして白色化細片が歯列の配置に順応するように充分薄い層で適用される。
【0024】
コーティング物質は高分子量(すなわち、1,000,000ダルトンより大きい分子量)のものまたは組み合わせであることができ、そして例えばエチルセルロース、プロピルセルロース、イソプロピルセルロース、ブチルセルロース、t−ブチルセルロース、酢酸セルロース、並びにポリビニルアルコールの誘導体、例えばポリ酢酸ビニルおよびセラック、を包含する。
【0025】
本発明のエチレンオキシド重合体フィルムは普遍的な押し出しまたは溶媒流し込み方法を用いて製造することができる。例えば、ポリ(エチレン)オキシドの溶媒流し込みによりフィルムを製造するためには、エチレンオキシド重合体または重合体の混合物を充分量の重合体相容性溶媒の中に溶解させる。適する溶媒の例は、水、アルコール類、アセトン、酢酸エチルまたはそれらの混合物を包含する。溶液が製造された後に、可塑剤を撹拌しながら加え、そして透明で且つ均質な溶液が製造されるまで必要に応じて溶解を助けるために熱を適用し、その後に白色化剤およびいずれかの他の成分、例えば香味剤、を添加する。溶媒を適当な担体物質上にコーティングしそして乾燥してフィルムを製造する。担体物質は、2つの基質間の破壊的結合を形成するためのソーキングなしに重合体溶液が意図する担体幅を越えて均一に延展可能にする表面張力を有する。適当な担体物質の例はガラス、ステンレス鋼、テフロン、ポリエチレン−含浸クラフト紙を包含する。
【0026】
本発明で使用されるフィルムはワックスを含有しうるが、好ましくはワックス、エチレンテレフタレートおよび/またはポリエチレンテレプタレート、ポリエチレン、TeflonTM、酢酸エチルビニル、エチレンビニルアルコール、ポリエステル類、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリスチレン、ポリウレタン、および/または抗微生物剤を含有しない。
【0027】
所望するなら、フィルムの乾燥を高温空気浴の中で、乾燥オーブン、乾燥トンネル、真空乾燥機、またはいずれかの他の適当な乾燥装置を用いて行うことができ、それらはフィルムの1種もしくは複数の活性成分または香味剤に悪影響を与えないものである。
【0028】
使用の容易さのためには、乾燥フィルムを適当な寸法および形状の断片に切断しそして適当な容器中に包装する。
【0029】
本発明の白色化フィルム細片を使用するためには、歯の表面に適用された時のフィルムは必要に応じて口腔内の唾液により水和されるかまたは細片を水中に浸漬することにより予備湿潤される時に、歯に適当な方法で付着するであろう。これに関すると、白色化細片は歯の列(上側または下側)を覆うのに適する幅寸法を有するように製造される。従って、白色化細片は歯の上側部分にまたは歯の下側部分に別個または同時のいずれかで適用することができる。白色化細片の長さ寸法は所望する被覆量により決められる。これに関すると、白色化が望まれる歯の数が白色化細片の寸法を決めるであろう。例えば、他人から最も見易い前歯だけを白色化することが望ましいことがある。従って、この場合には白色化細片の長さは、全部の歯を白色化することが望まれる場合と比べて、短くすることができる。歯に対する白色化細片の適用期間は白色化剤のタイプおよび濃度並びに汚れのタイプおよび強さに依存するであろう。
【0030】
別の態様では、物質の細片を例えば重合体、天然および合成織物、不織布、箔、紙、ゴム、およびそれらの組み合わせの如き物質から製造することができる。細片は放出ライナーも含んでなりうる。物質(並びに放出ライナー)の細片は物質の1つの層または1つより多い層の積層でありうる。適する重合体は酢酸エチルビニル、エチルビニルアルコール、ポリエステル類、例えばデュポン(DuPont)により製造されるMYLAR(R)、およびそれらの組み合わせを包含するが、それらに限定されない。
【0031】
放出ライナーは、歯の白色化組成物がそれ自体に関してそして物質の細片に関して示すものより低い歯の白色化組成物に関する親和力を示すいずれかの物質から製造することができる。例えば、放出ライナーは紙またはポリエステル、例えばミネソタ州ミネアポリスの3M・コーポレーション(3M Corp.)により製造されるSCOTCHPAK(R)、から製造することができ、それらには物質の細片が放出ライナーから引っ張り取られる時に放出ライナーからの歯の白色化組成物の放出を助けるために非−粘着性物質がコーティングされる。例示コーティングはワックス、シリコーン、フルオロ重合体、例えばTeflon(R)、フルオロシリコーン類、または他の非−粘着タイプ物質を包含しうる。また、適当なコーティングは引用することにより本発明の内容となる米国特許第3,810,874号明細書、第4,472,480号明細書、第4,567,073号明細書、第4,614,667号明細書、第4,830,910号明細書、および第5,306,758号明細書に記載されているコーティングの1種を包含しうる。放出剤として適するであろう適当な物質のさらなる記述は引用することにより本発明の内容となるKirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology,Fourth Edition,Volume 21,pp.207−218に見られる。放出ライナーは白色化細片と少なくとも同じ寸法および形状であるべきである。しかしながら、放出ライナーは物質の細片およびアクチニジンをベースとした白色化剤の薄層を放出ライナーから除去するのをより容易にするために物質の細片を越えていてもよい。
【0032】
アクチニジンをベースとした歯の白色化組成物はここでは例えば物質の細片および放出ライナーの両方を含んでなるとして記載されているが、アクチニジンをベースとした歯の白色化組成物は物質の細片およびアクチニジンをベースとした歯の白色化組成物の薄層だけを含んでなりうる。例えば、物質の細片およびアクチニジンをベースとした歯の白色化組成物の薄層を貯蔵するパッケージの内部は使用中に物質の細片およびアクチニジンをベースとした歯の白色化組成物の薄層のパッケージからの除去を容易にするために放出ライナーに関して以上で記載された方法と同様な方法でコーティングすることができる。さらに、アクチニジンをベースとした歯の白色化組成物は上記のように平らではなくロールの形状で提供することもできそして物質の複数の細片および/または放出ライナーを含んでなりうる。或いは、物質の細片および/または放出ライナーが例えば予備成型された歯科トレーまたは柔軟性歯科トレーの如き他の平らでない形状を包含しうることが意図される。物質の細片および/または放出ライナーは物質、ワックス、または歯の白色化組成物用の遮蔽剤としての使用のためそして歯に歯の白色化組成物を適用するために適するいずれかの他の物質の永久的に変形可能な細片から製造することもできる。
【0033】
物質の細片および放出ライナーに関する上記の物質は本発明での使用に適するが、放出ライナーおよび/または物質の細片(またはアクチニジンをベースとした歯の白色化組成物と少なくとも接触する表面)がポリオレフィンからそして好ましくはポリエチレンまたはポリプロピレンから製造される時には、アクチニジンをベースとした歯の白色化組成物の薄層の安定性を改良することができる。アクチニジンをベースとした歯の白色化組成物の安定性における少しないし中程度の増加は生成物の貯蔵寿命に有意な影響を与えうる。ここで使用される際には、用語「安定性」はアクチニジンをベースとした歯の白色化組成物がその元の濃度またはその活性の少なくとも90%を特定の期間(例えば、3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月)にわたり維持する性質をさすことを意図し、ここで特定の期間は歯の白色化組成物が製造されそして薄層を形成した時点から始まり測定される。他のポリオレフィン配合物、ポリエチレン配合物、ポリプロピレン配合物、およびそれらの組み合わせも本発明における物質の細片および/または放出ライナーとしての使用に適するであろう。以上で論じられたように、放出ライナーは製造および/または使用中の放出ライナーからの歯の白色化組成物の放出を助けるためにコーティングされうる。しかしながら、これらのコーティングは一般的には、アクチニジンをベースとした歯の白色化組成物およびその下にある物質の間の遮蔽剤として作用しないため、その下にある物質の適切な選択は依然として望まれる通りにできる。しかしながら、いずれのコーティングもアクチニジンをベースとした歯の白色化組成物に対して不活性であるべきである。
【0034】
物質の細片および/または放出ライナーは一般的に約1mm厚さより薄く、好ましくは約0.05mm厚さより薄く、そしてより好ましくは約0.001〜約0.03mm厚さである。さらにより好ましくは、物質の細片および/または放出ライナーは約0.1mm厚さより薄くそしてなおさらより好ましくは約0.005〜約0.02mm厚さである。物質の細片および/または放出ライナーの厚さおよび透過性は歯の白色化組成物の安定性に影響を与えうる。一般的に、より厚い細片は歯の白色化組成物により大きい安定性を与えうる。しかしながら、物質の細片の厚さは細片を装着する際の満足度の消費者許容性と均衡されなければならない。
【0035】
物質の細片はそれが非常に小さい力をかけて歯の輪郭通りに表面上を覆うことができるような比較的低い曲げ剛性を有していなければならず、すなわち、装着者の口、歯、および歯の隙間の曲率に対する順応性は、その実質的に平らな形状に戻す物質の細片内に小さい残存力があるため、維持される。物質の細片の柔軟性により、物理的な刺激なしにそれを長期間にわたり隣接する軟質組織と接触させうる。物質の細片は歯に対する圧力発生を必要とせず、そしてそれが適用される時の永久的な変形なしにそれは歯の表面および歯間空間に適合可能である。
【0036】
曲げ剛性は、細片厚さ、幅、および物質の弾性率の組み合わせの関数である物質の性質である。この試験は、ポリオレフィンフィルムおよびシートの剛性率を測定する方法である。それは水平ビームの端部に固定された歪みゲージを用いることにより試料の曲げに対する耐性を測定する。ビームの反対端部が試料の細片を越えて細片を水平プラットフォーム内の垂直溝の中に押し出し、そこで試料が停止する。歪みゲージに連結されたマイクロアンペア計は歪み力のグラム数で目盛り付けされている。試料の剛性率がマイクロアンペア計から直接読み取られそして試料細片幅のセンチメートル当たりのグラム数として表示される。本発明にとって必ずしも必要でないが好ましい態様では、物質の柔軟性細片はペンシルバニア州フィラデルフィアのスイング−アルバート・インスツルメント・カンパニー(Thwing−Albert Instrument Co.)から入手可能なHandle−O−Meter、モデル#211−300上で、試験方法ASTM D2923−95により測定した約5グラム/cmより低い曲げ剛性を有する。好ましくは、物質の細片は約4グラム/cmより低い、より好ましくは約3グラム/cmより低い、そして最も好ましくは約0.1グラム/cm〜約1グラム/cmの、曲げ剛性を有する。
【0037】
白色化トレー
白色化細片と同様に、白色化トレーを使用して本発明のアクチニジンをベースとした白色化組成物を歯の近くに維持することができる。
【0038】
本発明に従い構成されるトレーはアクチニジンをベースとした白色化組成物を歯に適用するために使用することができる。トレーは、例えば、一般的には底の壁並びにそれと一体になった幾らか弓型形状の外壁およびこれもそれと一体になった幾らか弓型形状の内壁を有する弓型構造にされたU−形状の樋を含んでなる。2つの壁は互いに離されて内部の通路もしくは溝すなわち使用者の歯を受容するような寸法にされたいわゆる「樋」を形成することは理解されうる。
【0039】
本発明のトレーは好ましくは、加熱時に成型できる多くのプラスチック物質のいずれかから製造される。ビニルプラスチックは加熱することができそして比較的低温において曲げ易くそして成型可能になるためそれは好ましい物質の1種であるが、本発明はもちろんビニルプラスチックの使用に限定されない。他のプラスチック物質、例えばスチレン共重合体など、も使用できる。
【0040】
トレーにはその外部表面に使用者の取扱い用のハンドルを装備することができるが、必ずしも必要ない。このハンドルは好ましくは外壁と一体化されておりそして弓部が使用者の歯の周りに置かれる時に使用者の唇の間で外部に伸びるであろう。
【0041】
外壁の上端部はスカラップ形状にすることができ、すなわち、示されているように、幾らか曲がりくねった端部を与えることができる。この方法で、外壁は使用者の歯と唇との間に存在する口の上側部分にさらに完全に順応するであろう。
【0042】
弓型挿入部も通路の中に置かれそして本質的に外壁のものと同様な弓型を有する。さらに、挿入部は外壁の内表面から内側に向かってわずかに離されており、受器を形成する。本発明のこの例示態様では、挿入部は外壁の距離全体には伸びないが弓部の実質部分の周りに伸びて使用者の微笑または会話中に見える歯に特に及ぶ。
【0043】
挿入部は除去可能方式で定置されて、挿入部の下端に沿って形成されそして外壁の内表面上に形成される留め具またはくぼみの中に伸びるタブによって受器を形成することができる。しかしながら、挿入部をトレー内に定置するためのいずれの手段でも使用することができる。
【0044】
1つの態様では、トレーは使用者の歯に成型される。例えば、トレーを形成しそしてそれを使用者の弓部および歯の形状に順応するように効果的に成型するためには、トレーおよびライナーを形成するプラスチックを加熱して幾らか柔軟性で且つ曲げ易くし、すなわち効果的に成型可能にする。加熱は種々の方法のいずれかで行うことができる。典型的な簡便な方法は、トレーを熱水浴の中に挿入することである。ハンドルの外側端部を保持することによりトレーを単に水中に浸すことができる。その後に、トレーを使用者の歯の上に置きそして使用者の歯の形状に効果的に順応させる。トレーの内および外表面並びに特に内および外壁上への簡単な叩きつけまたは圧縮により、トレーは使用者の歯および弓部の形状に効果的に順応するであろう。
【0045】
トレーを使用者の口から除去した後に、それを典型的には同じ手段により、例えば、それを熱水浴の中に短時間導入することにより、再び加熱する。トレーを次に放冷する。その冷却された構造では、トレーはまさしく歯並びにそれらの内および外表面の鏡像である。それ故、トレーは使用者の歯の効果的な型を構成する。一般的に、1つのトレーを上の歯のために使用しそして別のトレーを歯の下側用に使用するであろう。
【0046】
トレーを冷却した後に、挿入部を除去する。それ故、歯の前表面と外壁の内表面の間には追加の空間がありそしてこの空間がまさしく受器である。挿入部は比較的薄い断面形状を有しそして典型的には1/2ミリメートル程度の厚さを有する。しかしながら、いずれの妥当な寸法の挿入部でもこの目的のために使用できる。さらに、挿入部は好ましくはトレーの製造で使用されたものと同じ物質から製造される。
【0047】
別の態様では、トレーは使用者の歯に対するアクチニジンをベースとした白色化組成物の適用に適した形状に予備成型される。
【0048】
アクチニジンをベースとした白色化組成物をトレーの中に適用しそして使用者の歯を所望する白色化結果を達成するのに必要な期間および/または適用数でトレーを適用することにより、アクチニジンをベースとした白色化組成物を白色化操作において使用することができる。本発明のアクチニジンをベースとした白色化調合物は白色化トレーの中で使用される時には以上の「白色化細片」で挙げられた追加の成分も含むことができる。
【0049】
フロス
本発明のアクチニジンをベースとした白色化組成物は歯科フロス中に調合することもできる。例えば、本発明のアクチニジンをベースとした組成物を歯科フロス内に含浸させてそれをフロス処理中に使用者の歯に接触させることができる。本発明のこの態様は、本発明のアクチニジンをベースとした白色化組成物がそれらが互いに向かい合っているためここに記載された他の手段のあるものにより到達するのが難しい歯の表面と確実に接触させる利点を有する。
【0050】
本発明のある種の態様では、該歯科フロスは以下で論じられるように製造される。当業者は、本発明のアクチニジンをベースとした白色化組成物と相容性である歯科フロスの製造のための別の方法および組成物があることを認識するであろう。
【0051】
用語「1種もしくは複数の歯科フロス」の意味は歯科フロスおよび歯科テープの両者並びにいずれかの別の同様な製品を包含するとここでは理解されよう。さらに、本発明で使用される歯科フロスおよびテープは、いずれかの適当なまたは市販の歯科フロスまたはテープを包含しうる。これらのフロスおよびテープはいずれかの天然または合成源から製作することもでき、それらの例は高いおよび通常の靭性重合体、GoreTexTM、ナイロン、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリプロピレン、フルオロカーボン化合物、ポリテトラフルオロエチレン、レーヨン、ダクロン、アクリル、アセテート重合体、および他のプラスチックの単独または組み合わせてのフィラメントまたは糸を包含するが、それらに限定されない。天然物質は木綿、羊毛、絹、麻、および他のステープル繊維を単独または組み合わせて包含するが、それらに限定されない。合成−天然繊維の配合物も使用できる。しかしながら、合成フィラメントは、それらがより耐久性があり、より強く、一般的にはより安価であり、そして取扱いおよび調達がより容易であるため、好ましい。
【0052】
フロス自体の長さ、直径、構造またはデザインもいずれかの特定の寸法、形状、配置または構造に限定されず、それ故、いずれかの具体的な意図に適するように作製されうる。例えば、それは歯間の挿入を可能にするのに充分なほど小さい直径を有する一緒に製造された比較的大きい糸を与えるようにされた複数の個別フィラメントから構成することができる。それは押し出しモノフィラメントにまたは別のマルチフィラメント糸に結合された複合マルチフィラメント糸も含んでなりうる。単一の円形、四角形または長方形の形状にされたモノフィラメント糸も有用である。別の適する変種も当該技術で既知でありそしてそれらもここに開示された本発明において使用可能である。
【0053】
例えば、結合剤をここに開示された発明において使用して歯科フロスをこの開示でここで特定された成分に結合または別の方法で付着させる。それらは歯科フロスの摩擦特性を変えそしてフロス自体を含んでなる個別フィラメントを一緒に結合させるのを助ける能力も与える。さらに、ここで使用される変種はいずれかのタイプまたは組成物を制限するものでなく、それ故、それらの調合、構造または製造において多くの自由度を与える。一部の適する結合剤の例は従って植物からの天然ワックス類(例えば、カルナウバワックスおよびホホバワックス)、合成ワックス類、石油ワックス類、例えばポリエチレングリコールワックス、微結晶性ワックス、蜜蝋の液体ポリエチレングリコールエステル類並びに他の水溶性もしくは非−水溶性ワックスまたはワックス類似化合物、或いは水溶性もしくは非−水溶性重合体、石鹸、ゴム、樹脂(例えば、ミルラおよびプロポリス)、並びに当該技術で既知の他の物質を包含するが、それらに限定されない。
【0054】
フロスは、例えば、1種もしくはそれ以上の乳化剤を使用することもでき、それらはヘクトライトクレイ、モノステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート60などを単独でまたは組み合わせて包含するが、それらに限定されない。以下で挙げられる調合物の中でのそれらの使用により、個々の化学化合物がより良好に相互作用し、分配し、そして製造中に拡散し、そして種々の歯の表面上にはるかにより効率的に且つ有効な方法で延展する。一方で、これは最終生成物をより良くするだけでなくより持続させる。
【0055】
しかしながら、モノステアリン酸ソルビタンおよびポリソルベート60の両方が特定の調合物内で使用されるがそれらは同時に配合、混合または組み合わされてはならないことにも注意すべきである。その理由は、それが一緒になってある種の成分を固まらせるかまたは種々の別の望ましくない方法で反応させるからである。
【0056】
フロスは、例えば、1種もしくはそれ以上の歯の顔料剤または着色剤の使用も可能にし、それらの主な機構は隣接する歯の間および歯肉下の歯の表面を白色化しそしてこの白色性をできる限り長く維持することであるからである。適する顔料剤を装飾効果を生ずる手段としてまたはある種の調合物を表示もしくはデザインする手段として使用して、フロスを含んでなるフィラメントまたは繊維を着色することもできる。
【0057】
フロスは、例えば、1種もしくはそれ以上の溶解剤も使用することができる。それらの機能自体は溶解を助けることであろう。適する溶解剤は従って濾過された水、逆浸透水、蒸留水、および脱イオン水を単独または組み合わせ包含するが、それらに限定されない。しかしながら、脱イオン水が他のものに比べて好ましいことが見出されている。
【0058】
フロスは、例えば、1種もしくはそれ以上の香味剤を使用することもできる。これらは好ましくは、植物および果実から由来する油または抽出物、例えば柑橘油、果実エッセンス、ミント、ペパーミント油、スペアミント油、クローブ油、ヒメコウジ、アニス、サッサフラス、セージ、ユーカリ、ヨナラ、シナモン、レモン、オレンジ、バナナ、チェリー、リンゴ、パイナップル、ブドウ、イチゴおよびブルーベリーの油、を含んでなる。当業者は、そのような天然の香味剤は独立してまたは組み合わせていずれかの感覚的に許容可能な配合物の中で使用できることを認識するであろう。全てのそのような香味剤および香味剤配合物は本発明により予測される。
【0059】
よりたくさんの消費者へのアッピールを高めるために、フロスは例えば1種もしくはそれ以上の甘味剤も含有しうる。これらはキシリトール、グリセロール、ソルビトール、スクロース、ラクトース、デキストロース、マルトース、デキストリン、フルクトース、ガラクトース、コーンシロップなどを包含するが、それらに限定されない。
【0060】
弗化物はこれまでは虫歯病変または虫歯の発生の予防を助けることが見出されていた。虫歯は歯が再鉱化するより速い速度で脱鉱化する時に起こりそして最大の脱鉱化は歯のプラークを生成する酸により引き起こされる。しかしながら、再鉱化は唾液中でも見られる主な再鉱化剤であるカルシウムおよび燐酸塩により促進される。従って、弗化物をベースとした化合物は、歯の上または中で、ヒドロキシアパタイトの形状での燐酸カルシウムの沈殿を加速する触媒として作用することにより虫歯病変または虫歯からの保護を与える。しかしながら、これが弗化物の唯一の役割ではない。それはある種の細菌性酵素の活性およびそれらの酸生成工程を抑制することが可能であり、そして極端に高い濃度ではそれはある種のプラーク細菌も死滅させうる。さらに重要なことに、それはアパタイト内に、弗素化されたヒドロキシアパタイトすなわち「フルオルアパタイト」として、入り始めて、酸によりかなり少しだけ溶解されうる鉱物を作成する傾向がある。
【0061】
従って、フロスは例えば1種もしくはそれ以上の弗化物をベースとした化合物を含有しうる。これらの化合物は水中に微溶性であってもよくまたは完全に水溶性であってもよい。しかしながら、それらは水中に弗化物イオンを放出するそれらの能力並びにフロスの他の化合物との望ましくない反応がそれらにないことによりまず特徴づけられる。これらの物質の中には、無機弗化物塩類、例えば可溶性アルカリ金属、アルカリ土類金属塩類など、を含んでなりうる多くの弗化物をベースとした化合物がある。弗化物化合物が使用される時には、使用量は弗素化合物のタイプ、その溶解度、並びに選択される最終的な調合物および構造に大きく依存する。そこで、通常の調合および製薬学的な安全策が認められる限り用量または量に関しては実質的な許容余地が示される。従って、弗化物をベースとした化合物が以下で挙げられる調合物の中で使用される限り、それらは0.30%(W/W)以下の量でなければならない。しかしながら、最大範囲を0.24%(W/W)に設定することが好ましく、0.22〜0.24%(W/W)が使用する最良の合計範囲であることが見出された。
【0062】
本発明のフロスは本発明のアクチニジンをベースとした白色化組成物も含んでなる。本発明のアクチニジンをベースとした白色化組成物の詳細は以下に示す。
【0063】
歯磨き剤
本発明のアクチニジンをベースとした白色化組成物は歯磨きペーストおよび歯磨き粉と調合される時に使用することもできる。
【0064】
歯磨きペースト、義歯洗浄液およびペーストなどの形態の組成物は一般的に結合剤または濃稠化剤を含んでなるであろう。ここでの使用に適する結合剤はカルボキシビニル重合体、カラゲナン(好ましい)、ヒドロキシエチルセルロース並びにセルロースエーテル類の水溶性塩類、例えばナトリウムカルボキシメチルセルロースおよびナトリウムカルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、を包含する。天然ゴム類、例えばカラヤゴム、キサンタンゴム、アラビアゴム、およびトラガカントゴムも使用できる。コロイド状珪酸アルミニウムマグネシウムまたは微細分割された水和シリカを濃稠化剤の一部として使用して感触をさらに改良することができる。結合剤/濃稠化剤は全組成物の重量の約0.1%〜約5.0%、好ましくは約0.1%〜約1%、の量で使用することができる。活性成分は弗化物および硝酸カリウムであり、それらのレベルは抗−腔性および感度に関するそれらのそれぞれのFDA論文に記載されている。歯肉炎に関する活性は論文の結論をまだ検討中である。研磨剤は炭酸カルシウム、ベーキングソーダまたは水和シリカである。
【0065】
そのような組成物は典型的には1種もしくはそれ以上の甘味剤および香味剤を含んでなるであろう。歯磨き剤中での使用に適する甘味剤および香味剤の例は以上で論じられている。pH均衡剤並びに界面活性剤、防腐剤、安定剤なども歯磨き剤組成物の中でしばしば使用され、それらの例も以上で示されている。
【0066】
組成物を空気露呈時の硬化から保護するために、歯磨き剤の中にある種の湿潤剤物質を含むことも望ましい。好ましい湿潤剤はカラゲナンである。ある種の湿潤剤は歯磨きペースト組成物に望ましい甘みを与えうる。液体歯磨き剤および口腔洗浄剤はある量の湿潤剤も含有しうる。適する湿潤剤は当該技術で既知である。存在する時には、湿潤剤は一般的に、本発明の組成物の重量の約10%〜約70%である。
【0067】
歯磨き粉は、それらが乾燥状態で混合(すなわち、混合粉砕)しなければならないかまたは液体組成物として混合されそして次に例えば種々の既知の噴霧乾燥技術により乾燥しなければならないこと以外は、歯磨きペーストと同じ成分の多くを使用することができる。噴霧乾燥は、組成物の液体形態が霧状で熱い乾燥室の中に噴霧される時に霧の水性部分が室の乾燥熱により蒸発して組成物の乾燥成分だけが粉末形態で残ることであると記述される。組成物の粉末形態は約0.1%〜5%の間の水分含有量を有する。歯磨き粉は次に使用時の水の添加により(例えば、使用者により適用される水で)または使用者の唾液により使用時に再水和される。
【0068】
本発明の義歯洗浄剤組成物は1種もしくはそれ以上の洗浄剤、有機ペルオキシ酸前駆体、気沸発生剤、キレート化剤などをさらに包含しうる。
【0069】
溶解可能な錠剤
本発明の別の面は本発明のアクチニジンをベースとした白色化組成物を含んでなる溶解可能な義歯洗浄錠剤である。そのような錠剤は固体であってもよく、積層されていてもよく、液体が充填された芯などを有していてもよい。錠剤は水溶液の中に約1時間以内にそして、好ましくは、約15分間以内に、完全にまたはほぼ完全に溶解すべきである。錠剤は気沸性であってもよいが、必ずしも必要ない。
【0070】
成分の顆粒を適当な結合剤を用いて、例えば水性アルコール溶液中で最初に製造しそして乾燥することにより、水溶性の義歯洗浄錠剤を製造できる。生じた粒状混合物を次に0.4%もしくはそれ以下の水分含有量となるまで乾燥し、分別し、そして次に所望する活性成分と、結合剤、充填剤、延展剤、染料、香味剤、潤滑剤などと共に、適当な配合装置の中で充分に配合する。最終的配合物をパンチおよびダイ錠剤製造プレスの中に供給し、そこでそれを圧縮して錠剤とする。その後に、そのようにして製造された錠剤を取り出しそして包装する。
【0071】
口腔洗浄剤および口腔リンス剤
典型的には、本発明の口腔洗浄剤およびリンス剤は本発明のアクチニジンをベースとした白色化組成物を、例えば、水/グリセリン溶液状で含んでなり、そして香味剤、湿潤剤、甘味剤、発泡剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)および白色化細片に関して以上で記載されたような着色剤の1種もしくはそれ以上をさらに含んでなりうる。口腔洗浄剤はグリセリンを0〜60重量%、好ましくは0〜30重量%、のレベルで包含しうる。そのような口腔洗浄調剤のpH値は一般的に約3.5〜約8.0そして好ましくは約4.0〜約7.5である。3.5より低いpHは口腔にとって刺激性がありそして歯のエナメル質を溶解させるであろう。8.0より高いpHは不快な口当たりを生ずるであろう。口腔液体調剤は表面活性剤、すなわち界面活性剤、を調剤の重量の約5.0%までの量でそして弗化物−供与化合物を約2.0%までの量で含有しうる。
【0072】
パスティル剤、ロゼンジ剤およびチューインガム
本発明のアクチニジンをベースとしたチューインガム組成物は普遍的なチューインガムの形態または咀嚼に適するいずれかの他の製品形態でありうる。適する物理的形態はスティック、角形および糖衣形(すなわち、糖でコーティングされたガム、例えば、ChicletsTM)を包含する。チューインガムは液体が充填された芯を有することもでき、ここで液体の芯はアクチニジンをベースとした白色化組成物を含有する(例えば、米国特許第6,280,780号明細書を参照のこと)。チューインガムは咀嚼に適する消化可能なまたは溶解可能なガムでもありうる。チューインガムは典型的には口腔内に放出された成分が歯の表面および/または口腔組織の実質的に全てと口腔活性の目的のために接触させるのに充分な時間にわたり保有される。
【0073】
ここで使用される際の用語「坦体物質」は本発明のチューインガム組成物中で使用されるいずれかの安全で且つ有効な追加のチューインガム成分を意味する。そのような物質は、エラストマー、樹脂、可塑剤、脂肪、溶媒、ワックス、乳化剤、軟化剤、バルキング剤、甘味剤、吸収剤、経口活性金属イオン、カチオン性物質、弗化物イオン源、追加の抗結石剤、抗微生物剤、緩衝剤、白色化剤、アルカリ金属炭酸水素塩、濃稠化物質、湿潤剤、水、界面活性剤、二酸化チタン、香味剤、キシリトール、着色剤およびそれらの混合物を包含する。
【0074】
本発明のチューインガムは当該技術で既知の方法により製造される。例えば、ガムベースは45℃に加熱されて軟化する。ミキサー容器は全混合工程中に45℃に保たれそしてここに記載されたような添加剤並びに本発明のアクチニジンをベースとした白色化組成物が加えられそして均質となるまで混合される。次に、ガム混合物がスティック、角形などに形成され、包装されそして冷却される。所望するなら、ガムは糖または糖を含まないキャンディコーティングの中にコーティングされる。
【0075】
アクチニジンをベースとした白色化組成物はロゼンジ剤およびパスティル剤組成物の中で使用することもできる。ロゼンジ剤およびパルティル剤用の担体は簡便には糖、例えばグルコース、ラクトースもしくはスクロース、または実質的に非−虫歯原性物質、例えばマンニトール、キシリトール、もしくはソルビトールポリエチレングリコール、である。
【0076】
活性成分および担体の他に、ロゼンジ剤は好ましくは1種もしくはそれ以上の結合剤、例えばゼラチン(植物ゴムが好ましい)または液体のグルコースBPC1963、を含有し、それは全部でロゼンジ剤の約0.5〜10重量%の量で簡便に存在しうる。好ましい範囲は約1〜5重量%である。
【0077】
ロゼンジ剤は潤滑剤、例えばステアリン酸またはステアリン酸塩、例えばステアリン酸マグネシウム、をさらに含有してロゼンジ剤の製造を促進しうる。1種もしくはそれ以上の潤滑剤が存在する時には、それらの合計含有量は好ましくは0.1〜5重量%である。
【0078】
ロゼンジ剤は普遍的なロゼンジ剤製造工程により、例えば1,3−ビス(2−カルボキシクロモン−5−イルオキシ)−2−ヒドロキシプロパンまたはその塩を助剤、希釈剤または担体と混合しそして混合物を圧縮することにより、製造できる。好ましい工程では、ビス−クロマンおよび助剤、希釈剤または担体は最初に望ましくはロゼンジ剤に圧縮する前に一緒に造粒される。造粒段階は好ましくは湿潤造粒段階であり、そして潤滑剤は望ましくは圧縮段階の直前に加えられる。
【0079】
パスティル剤(時にはナツメまたは軟質ロゼンジ剤として知られる)はグリセリン、ゼラチン(または他の天然ゲル化剤(gelifiant))および水の混合物から製造される硬質のジェリー様調剤であり、それにアクチニジン調合物が加えられる。香味剤を加えることができる。グリコ−ゼラチンベースは穏やかな加熱により溶融することができそしていずれかの成分を加えることができる。温められたベースを次に型に注ぎそして硬化させる。例えば、http://www.rpsgb.org.uk/pdfs/mussheet04.pdfを参照のこと。
【実施例】
【0080】
実験
カゼイン加水分解検定
以下の検定を使用して粗製アクチニジン、精製されたアクチニジンおよび本発明のアクチニジン組成物の活性を測定する。
【0081】
以下の試薬を準備する(milli−Qまたは蒸留水(もしくは同等物)が全ての希釈用に使用される)。
【0082】
50mM燐酸水素二ナトリウムを以下の通りにして新たに製造する。1.42gの無水オルト燐酸水素二ナトリウムを250mlビーカー(または同等物)の中に重量測定添加する。160mlのmilli−Q水を加える。温かい水浴の中に溶解させる。放冷して、milli−Q水を用いてメスフラスコ内で200mlとする。良く混合する。
【0083】
基質を以下の通りにして新たに製造する。1.2gのHammarsten Casein(BDH,440203H)を250mlビーカー(または同等物)の中に重量測定添加する。150mlの50mM燐酸水素二ナトリウムを加える。60−70℃に15分間にわたり加熱する。放冷しそしてpH計を用いて0.1M NaOHでpH8.0に調節する。メスフラスコ内でmilli−Q水を用いて容量を200mlとする。良く混合する。
【0084】
L−システイン−EDTAを以下の通りにして製造する。8.78gのL−システインHClおよび2.23gのEDTAを1Lメスシリンダーの中に重量測定添加する。約800mlのmilli−Q水を加える。20%NaOHを最初に、次に最後に向かって0.1M NaOH用いてpHを4.5に調節する。milli−Q水を用いて1Lの最終容量とする。
【0085】
標準処方により混合された0.11Mトリクロロ酢酸(TCA)
必要な希釈を以下の通りにして測定する。必要量の試料(粗製アクチニジンに関しては典型的な質量は1.5g−1.6gである)を100mlメスフラスコの中に重量測定添加する。溶解させそしてL−システイン/EDTAで容量を満たす。氷冷されている超音波浴の中に10分間にわたりそして次に冷蔵庫の中に50分間にわたり入れる。
【0086】
以下の希釈物を製造する:
【0087】
【表1】

【0088】
各希釈に関して1個の試料および1個の空白試験管(〜20ml)を製造する。(検定希釈マップに関しては図3を参照のこと)。5mlの基質を試料試験管の各々にそして1mlの酵素溶液を空白試験管の各々に分配する。第一の試料試験管を37℃の水浴の中にタイマー上で00.00(分、秒)分において入れた。1分毎に、すなわち01.00、02.00などに、1個の試料管を加える。10.00分において、1mLの酵素試薬を第一の試料試験管に加え、撹拌ミキサーを用いて15秒間にわたり5および10秒間短く休みながら混合する。10分30秒において、第一の空白(酵素だけを含有)試験管を37℃の水浴の中に入れる。1mlの酵素を次の試料溶液に11分において加え、前と同様に撹拌する。11分30秒において次の空白管を加える。このパターンを全ての試料および空白試験管で続ける。20分において5mlのTCA溶液を第一の試料試験管に加えそして撹拌ミキサーを用いて15秒間にわたり5および10秒間短く休みながら混合し、次に水浴に戻す。タイマー上で20分30秒において5mlのTCA溶液を第一の空白試験管の中に分配しそして上記の通りにして15秒間にわたり撹拌し、次に水浴に戻す。21分において5mlのTCAを第二の試料試験管に加えそして撹拌ミキサーを用いて15秒間にわたり5および10秒間短く休みながら混合し、次に水浴に戻す。このパターンを全ての試料および空白試験管で続ける。30分30秒において5mlの基質を第一の空白試験管の中に分配しそして上記の通りにして15秒間にわたり撹拌し、次に水浴に戻す。このパターンを残りの空白試験管の全てで続ける。50分において第一の試料管を濾過し始め、試料管を1分毎に濾過し続ける。Advantec filter papers #3,110mmを濾過用に使用し、濾紙の滑らかな面が外側になるように折る。60分30秒において第一の空白溶液を濾過し、61分30秒において第二の空白溶液を濾過し、それを続ける。溶液が室温になるまで(15−30分間)それらを放置する。急速に撹拌する。直ちに275mmにおける吸光度を読み取り、milli−Q水を空白として使用する。平均試料吸光度および平均空白吸光度の間でどの希釈が0.10(±0.01)の差を有するかを結果から判定する。最終検定を行うために0.10±0.01の差を示す希釈物を採用する。
【0089】
最終検定−判定された希釈物を使用する。必要量の試料を100mlのメスフラスコの中に重量測定添加しそして正確な重量を記録する。65−70mgのMAC(既知の活性のアクチニジンのバッチを基準とする測定精度検査)を100mlのメスフラスコの中に重量測定添加しそして正確な重量を記録する。各々をL−システイン/EDTAで容量まで覆う。氷冷された超音波浴の中に10分間にわたり、次に冷蔵庫の中に50分間にわたり入れる。空白および試料の間の吸光度の差を確実に0.10±0.01吸光度単位にするために希釈検定を指針として適宜希釈する。最大2個の仕上がった生成物試料および1個のMAC試料を一度に検定することができる。各希釈に関して3個の試料および3個の空白20ml試験管を製造する。(最終検定マップに関しては図4を参照のこと)。平均試料吸光度および平均空白値の間の差が0.10±0.01に相当する場合にのみ結果は許容可能である。
【0090】
活性を以下の通りにして計算する:
【0091】
【数1】

【0092】
単位:毎分1μgのチロシンに相当するアミノ酸の製造。A10:反応混合物の光学濃度。A0:空白混合物の光学濃度。0.374:チロシン(50μg/ml)の光学濃度。50:チロシン(50μg/ml)。11:反応容量。1/10:1分間内に応答するための10分間の反応時間。
【0093】
希釈因子(DF)を以下の通りにして計算する:
【0094】
【数2】

【0095】
100ml=最初に製造されたアクチニジン容量。1000:mgの質量をgの質量に転換する(1g=1ml)。
【0096】
試験試料の製造
粗製アクチニジンのバイオアベイラビリティーを評価するために、粗製アクチニジンから製造された溶液を白色化検定において茶およびコーヒーの溶液で汚染された密なセラミックヒドロキシアパタイトディスクを用いて測定した。過酸化水素を正の対照としてそして溶媒、水または水性グリセリンを負の対照として使用した。
【0097】
密なセラミックヒドロキシアパタイトディスク(HAD)(0.5”直径×0.04−0.05”厚さ)(Clarkson Chromatography Products Inc.,South Williamsport,PA)を水で2回すすいでそれらをきれいにした。ディスクを脱塩水の中に1時間にわたり保った。この時間中に、パラフィルムを噛むことにより透明化された唾液(試料採取前2時間は食物または飲み物なし)を製造しそして唾液を瓶に集め、それを次に3500rpmにおいて10分間にわたり遠心した。上澄み液だけを使用した。ディスクを水から取り出しそして0.5mlの透明化された唾液の中に入れそして一晩にわたり37℃においてプラットフォームシェーカー上で90rpmでインキュベートした。
【0098】
翌朝に、茶およびコーヒーの新しい溶液を製造した。茶に関しては、50mlの沸騰水を100mLビーカー内の2個のリプトン黄色ラベルティーバッグ上に注ぎ、そして10分間にわたり放置した。コーヒーに関しては、66gの香味剤なしの非−デカフェタイプのレギュラーコーヒーを1.6Lの井戸水の中で使用した。
【0099】
唾液をディスクから除去しそして0.5mlのコーヒー+0.5mlの茶をウエルに加えた。溶液およびディスクを3時間にわたりプラットフォームシェーカー上で90rpmでインキュベートした。茶+コーヒー溶液を除去しそしてディスクを水で2回すすぎそしてL、a、b測定を行う前に紙と共に乾燥した。
【0100】
ディスクをソフトウエアEversmartTM(クレオサイテックス(CreoScitex)、ビラーリカ、マサチュセッツ州)を用いるCreoscitex Eversmart Jazz+スキャナーで走査した。約300dpiの解像度を用いて走査しそして対象を15dpiの解像度で再びサイジングした。Adobe Photoshopソフトウエア(アドーブ・システムズ(Adobe Systems)、サンノゼ、カリフォルニア州)。最も濃い点のL、a、b値を採取した。
【0101】
正の対照の製造
200マイクロリットルの30%過酸化物溶液を800μlの脱塩水に加えた(6%溶液)。3%溶液に関しては、900μlの脱塩水中の100μlの過酸化物溶液を使用した。溶液を混合しそして500μlを直接2つのウエルに入れた(正の対照)。2つのウエルには水だけが加えられた(負の対照)。
【0102】
歯に対する適用のためのアクチニジン−含有調剤の調合
3mL瓶に、150mgの粗製アクチニジン(5%溶液用)を重量測定しそして3mLの脱塩水を室温において加えそして10分間にわたり中速で撹拌棒を用いて撹拌した。数滴の1N NaOH溶液を加えることによりpHを約6.0に調節した。500マイクロリットルの粗製アクチニジン溶液をウエル内のディスクに加えた。各検定を三重に行った。マイクロプレートを37℃において60分間にわたりインキュベートしそして90rpmで振った。ディスクを水で2回すすいだ。HADの表面を紙タオルで軽く拭いそして色を測定した(L、aおよびb値)。
【0103】
粗製アクチニジンは約5.0−7.0の間のpH最適値を有しそして約4.0−8.0の間のpH範囲において安定である。50℃以下でも長期間にわたり安定である。
【0104】
定量的HAD色測定
Adobe Photoshopソフトウエアを用いて処理の前および後にHADの色を測定した。走査後に、光学的パラメーターL、aおよびbの値をAdobeで測定した。△Lは、全体的な明度または暗度変化に関係する処理の前および後のLの差を表わす。全体的な色の差は以下の式で計算される△Eにより示される。△Lの高い値は明度を示しそして△Eの高い値はより大きい色変化を示す。両方の値に関して、値が高ければ高いほど処理は良好である。
【0105】
【数3】

【0106】
貯蔵標準
正の対照(H)および成分を4℃において貯蔵した。
【0107】
結果
効果実験
5%粗製アクチニジンはコーヒーおよび茶による汚れを除去することができた(表1、図1を参照のこと)。粗製アクチニジンを6%過酸化物の溶液を用いる処理に匹敵する50%グリセリン溶液の中に溶解した場合には結果はより良好であった。水性グリセリンの溶液または水は△Lに関して効果がなかった。精製されたアクチニジンの5%溶液を用いると匹敵する結果が得られた。
【0108】
【表2】

【0109】
時間実験
粗製アクチニジンの効果を検討するために必要な期間を測定するために、時間実験を行った。ディスクを5%粗製アクチニジン溶液(50%水性グリセリン)の中に5、10、15、30、45および60分間にわたり保った。NaOHを用いてpHを5.75に調節した。3%および6%の過酸化水素を正の対照として使用しそして50%グリセリン溶液を負の対照として使用した。結果(表2、図2を参照のこと)は、粗製アクチニジンの溶液が5分後に正の結果を与えそして30分後に処理が3%過酸化物溶液に匹敵したことを示す。60分間の処理後に、結果は6%過酸化物溶液より優れていた。水性グリセリン溶液はディスクの着色に影響を与えなかった。
【0110】
【表3】

【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】図1は茶およびコーヒーで着色された粗製アクチニジンの5%溶液で処理されたヒドロキシアパタイト・ディスクの変色に対するグリセリンの百分率の影響を示す。
【図2】図2は茶およびコーヒーで着色された粗製アクチニジンの5%溶液で処理されたヒドロキシアパタイト・ディスクの変色に対する時間の影響を示す。
【図3】図3はカゼイン加水分解検定希釈マップを示す。
【図4】図4はカゼイン加水分解検定最終検定マップを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)アクチニジン−含有調剤を準備し、
b)段階a)のアクチニジン−含有調剤を天然または人造の歯に対する適用のために調合し、そして
c)段階b)の調合物を天然または人造の歯と天然または人造の歯を白色化するのに充分な量で且つ期間にわたり接触させる
ことを含んでなる、天然または人造の歯を白色化する方法。
【請求項2】
アクチニジン−含有調剤が約50U/gの最少アクチニジン活性を有する、請求項1の方法。
【請求項3】
アクチニジン−含有調剤が少なくとも約1.0%の粗製アクチニジンの調剤中の最少最終濃度を有する、請求項1の方法。
【請求項4】
アクチニジン−含有調剤がグリセリンも少なくとも約20%の濃度で含んでなる、請求項1の方法。
【請求項5】
アクチニジン−含有調剤がキウイフルーツの抽出物である、請求項1の方法。
【請求項6】
アクチニジン−含有調剤が白色化細片の中に調合される、請求項1の方法。
【請求項7】
アクチニジン−含有調剤が歯磨き剤の中に調合される、請求項1の方法。
【請求項8】
アクチニジン−含有調剤が口腔リンス剤または口腔洗浄剤の中に調合される、請求項1の方法。
【請求項9】
アクチニジン−含有調剤がチューインガム、パスティル剤またはロゼンジ剤の中に調合される、請求項1の方法。
【請求項10】
アクチニジン−含有調剤が人造の歯を洗浄するための調剤の中に調合される、請求項1の方法。
【請求項11】
天然または人造の歯を白色化するための接触用の、アクチニジン−含有調剤でコーティングされた重合体状の細片。
【請求項12】
アクチニジン−含有調剤がキウイフルーツの抽出物である、請求項11の重合体状の細片。
【請求項13】
アクチニジン−含有調剤が約50U/gの最少アクチニジン活性を有する、請求項11の重合体状の細片。
【請求項14】
アクチニジン−含有調剤が少なくとも約1.0%の粗製アクチニジンの調剤中の最少最終濃度を有する、請求項11の重合体状の細片。
【請求項15】
アクチニジン−含有調剤を含んでなる歯磨き剤。
【請求項16】
アクチニジン−含有調剤がキウイフルーツの抽出物である、請求項15の歯磨き剤。
【請求項17】
アクチニジン−含有調剤が約50U/gの最少アクチニジン活性を有する、請求項15の歯磨き剤。
【請求項18】
アクチニジン−含有調剤が少なくとも約1.0%の粗製アクチニジンの調剤中の最少最終濃度を有する、請求項15の歯磨き剤。
【請求項19】
アクチニジン−含有調剤を含んでなる口腔リンス剤または口腔洗浄剤。
【請求項20】
アクチニジン−含有調剤がキウイフルーツの抽出物である、請求項19の口腔リンス剤または口腔洗浄剤。
【請求項21】
アクチニジン−含有調剤が約50U/gの最少アクチニジン活性を有する、請求項19の口腔リンス剤または口腔洗浄剤。
【請求項22】
アクチニジン−含有調剤が少なくとも約1.0%の粗製アクチニジンの最少濃度を有する、請求項19の口腔リンス剤または口腔洗浄剤。
【請求項23】
アクチニジン−含有調剤を含んでなるチューインガム、パスティル剤またはロゼンジ剤。
【請求項24】
アクチニジン−含有調剤がキウイフルーツの抽出物である、請求項23のチューインガム、パスティル剤またはロゼンジ剤。
【請求項25】
アクチニジン−含有調剤が約50U/gの最少アクチニジン活性を有する、請求項23のチューインガム、パスティル剤またはロゼンジ剤。
【請求項26】
アクチニジン−含有調剤が少なくとも約1.0%の粗製アクチニジンの最少濃度を有する、請求項23のチューインガム、パスティル剤またはロゼンジ剤。
【請求項27】
アクチニジン−含有溶液を生成するための水溶液中に可溶性である錠剤。
【請求項28】
アクチニジン−含有調剤がキウイフルーツの抽出物である、請求項27の錠剤。
【請求項29】
錠剤が約50U/gの最少アクチニジン活性を有するアクチニジン−含有溶液を生成する、請求項27の錠剤。
【請求項30】
錠剤が少なくとも約1.0%の粗製アクチニジンの最少濃度を有するアクチニジン−含有溶液を生成する、請求項27の錠剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−515957(P2009−515957A)
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−541152(P2008−541152)
【出願日】平成18年8月16日(2006.8.16)
【国際出願番号】PCT/US2006/031953
【国際公開番号】WO2007/061468
【国際公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(508147647)トムズ・オブ・メイン (2)
【Fターム(参考)】