説明

天然繊維複合材を含む積層体

カバー層および基板層を含む積層体が記載される。基板層は、天然繊維がポリマーバインダーによって互いに結合している天然繊維複合材を含む。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2008年7月11日付で出願された米国特許出願第61/080,020号の恩恵を主張し、その内容は全体として、参照により本明細書に組み入れられる。
【0002】
本開示は、天然繊維複合材を含む積層体および積層体を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
積層体とは、同一または異なる材料の2つ以上の層を、多くの場合接着剤を用いて、通常は加熱および/または加圧して、互いに結合することによって製造される材料である。積層体には、フレキシブル箔フィルム積層体から、剛性回路基板材料まで様々なものがある。例えば、Formicaは、硬質で耐久性のある表面として使用することができるメラニン樹脂を含む、紙または繊維のプラスチック積層体である。Plywoodは、単一の木片から得ることができるものより大きくかつ強い木製の梁を製造するために使用することができるウッドパイルまたは化粧板の積層体である。
【発明の概要】
【0004】
概要
カバー層および基板層を含む積層体が記載される。基板層は、天然繊維がポリマーバインダーによって互いに結合している天然繊維複合材を含む。カバー層は、木材、化粧板、プラスチック、またはカウンタートップ材料を含み得る。基板層は、リッジ、ワッフル、ハニカム、リボンまたはそれらの組合せを含み得る。天然繊維は、麻、ケナフ、ジュート、亜麻、バナナ、またはそれらの組合せを含んでもよい靭皮繊維を含み得る。ポリマーバインダーは、熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマー、またはそれらの組合せを含み得る。いくつかの態様においては、熱可塑性バインダーはポリプロピレンを含む。いくつかの態様においては、ポリマーバインダーは、生分解性脂肪族ポリエステルを含み得るバイオポリマー樹脂、植物油または糖に由来する樹脂、またはその組合せを含む。いくつかの態様においては、生分解性脂肪族ポリエステルは、ポリ乳酸(PLA)を含む。いくつかの態様においては、バイオポリマー樹脂はダイズポリオールに由来する。いくつかの態様においては、バイオポリマー樹脂はポリ(糖アクリレート)(poly(sugar acrylate))を含む。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1A】天然繊維複合材を含む積層体の3つの例示的な態様を示す。
【図1B】天然繊維複合材を含む積層体の3つの例示的な態様を示す。
【図1C】天然繊維複合材を含む積層体の3つの例示的な態様を示す。
【図2】図2は、天然繊維複合材を含む積層体の例示的な製造方法を示す。
【0006】
各図において、同一の符号は同一の構成要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
詳細な説明
図1A〜1Cは、天然繊維複合材を含む積層体100の3つの例示的な態様を示す。図1Aにおいて、積層体100は、平面状のカバー層110と、天然繊維複合材を含む平面状の基板層120とを含む。カバー層110と基板層120は互いに結合している。カバー層110と基板層120は任意の好適な方法を用いて互いに結合され得る。例えば、カバー層110と基板層120は、この2層の合わせ面に好適な量のポリマーバインダーを含浸させ、その後この2層を一緒に加圧して2層間の適切な結合を形成しながら固化または硬化させることによって結合され得る。
【0008】
図1Bにおいて、積層体100は、平面状のカバー層110と、天然繊維複合材を含む平面状の基板層120とを含む。基板層120は、互いに結合された、天然繊維複合材の3つの別個の部分を含む。上部複合材部分と下部複合材部分は平面状であるが、中間部複合材部分は、リッジ状のデザインを有している。上部複合材部分と中間部複合材部分は、中間部複合材部分のリッジのピークで互いに結合し、下部複合材部分と中間部複合材部分は、中間部複合材部分のリッジの谷部で互いに結合している。上部または下部複合材部分は、中間部複合材部分と、任意の好適な方法を用いて結合され得る。例えば、上部または下部複合材部分は、互いに結合される2つの部分の合わせ面を好適な量のポリマーバインダーで含浸させ、その後2つの部分を一緒に加圧して、2つの部分間の適切な結合を形成しながら固化または硬化させることによって中間部複合材部分と結合され得る。カバー層110と基板層120の上部複合材部分も互いに結合される。
【0009】
図1Cにおいて、積層体100は、平面状のカバー層110と、天然繊維複合材を含む平面状の基板層120とを含む。基板層120は、互いに結合された、天然繊維複合材の3つの別個の部分を含む。上部複合材部分と下部複合材部分は平面状であるが、中間部複合材部分はワッフル状のパターンを有している。上部複合材部分と中間部複合材部分は、中間部複合材部分のワッフルの谷部で互いに結合し、下部複合材部分と中間部複合材部分は、中間部複合材部分のワッフルのリッジ部で互いに結合している。カバー層110と基板層120の下部複合材部分も互いに結合される。
【0010】
カバー層110は、任意の好適な材料で構成され得る。例えば、カバー層110は、木材、化粧板、プラスチック、またはカウンタートップ材料(例えば、フォルマイカ)で構成され得る。
【0011】
基板層120は、多数の断面構成に製造され得る。例えば、基板層120は、中実、ハニカム、もしくはリボン構成、またはそれらの任意の組合せで製造され得る。
【0012】
基板層120は、天然繊維複合材を含む。天然繊維複合材は、ポリマーバインダーで互いに結合された天然繊維を含む。天然繊維は、植物由来の繊維を含む。好適な植物由来の繊維の代表的な例としては、靭皮繊維が含まれる。靭皮繊維は、主として植物の靭皮部から得られる強い木質の繊維を指す。好適な靭皮繊維の代表的な例としては、ジュート、ケナフ、麻、亜麻、バナナ、ラミー、ローゼル、およびそれらの組合せが含まれる。好適な靭皮繊維の他の例としては、葉繊維類(例えば、サイザル麻、バナナ葉、草(例えば、竹)、またはパイナップル葉に由来する繊維類)、わら繊維類(例えば、コムギワラ、イネワラ、オオムギワラ、またはモロコシの茎に由来する繊維類)、および殻繊維類(例えば、トウモロコシ殻、バガス(サトウキビ)、またはココナッツ殻に由来する繊維類)が含まれる。
【0013】
天然繊維複合材は、任意の好適な量の天然繊維を含有することができる。いくつかの態様においては、天然繊維は、複合材の全重量の約20重量%〜約80重量%である。例えば、天然繊維は、複合材の全重量の約25重量%、約35重量%、約65重量%または約75重量%より多くてもよい。いくつかの態様においては、天然繊維は、複合材の全重量の約30重量%〜約70重量%である。例えば、天然繊維は、複合材の全重量の約40重量%、約50重量%または約60重量%より多くてもよい。いくつかの態様においては、天然繊維は、複合材の全重量の約40重量%〜約60重量%である。例えば、天然繊維は、複合材の全重量の約45重量%または約55%より多くてもよい。
【0014】
天然繊維複合材に用いられる天然繊維は、任意の好適な線密度(即ち、デニール)を有することができる。例えば、天然繊維は、約8デニール〜約18デニールの線密度を有することができる。
【0015】
天然繊維複合材に用いられるポリマーバインダーは、任意の好適なポリマーバインダーであることができる。例えば、ポリマーバインダーは、加熱したとき、天然繊維が互いに結合され天然繊維複合材を形成することができるように、少なくとも部分的に軟化または溶融可能な熱可塑性ポリマーであることができる。好適な熱可塑性バインダーの代表的な例としては、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)またはグリコール修飾PET(PETG))、ポリアミド(例えば、ナイロン6またはナイロン6,6)、ポリエチレン(例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)または低線密度ポリエチレン(LLDPE))、ポリプロピレン、ポリ(l,4-シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)(PCT)、およびそれらの組合せが含まれる。いくつかの態様においては、ポリマーバインダーは、比較的結合性能の高い、未使用または再生品のポリプロピレンを含む。
【0016】
ポリオレフィンのような好適な熱可塑性バインダーは、カップリング、適合化(compatibilizing)、および/または混合剤を含有することができる。これらの剤は、天然繊維と熱可塑性バインダーとの間の相互作用および/または結合を改良し得、それによってより良好な機械的特性を有し得る天然繊維複合材を産出する。好適なカップリング、適合化、および/または混合剤の代表的な例としては、チタンアルコラート;リン酸、亜リン酸、ホスホン酸および珪酸のエステル;脂肪族、芳香族およびシクロ脂肪族酸の金属塩およびエステル;エチレン/アクリルまたはメタクリル酸;エチレン/アクリルまたはメタクリル酸のエステル;エチレン/酢酸ビニル樹脂;スチレン/無水マレイン酸樹脂またはそのエステル;アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂;メタクリレート/ブタジエンスチレン樹脂(MBS)、スチレンアクリロニトリル樹脂(SAN);ブタジエンアクリロニトリルコポリマー;ならびにポリエチレンまたはポリプロピレン変性ポリマーが挙げられる。このようなポリマーは、無水マレイン酸またはそのエステル、アクリルまたはメタクリル酸またはそのエステル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、およびスチレンのような極性モノマーを含む反応性基で変性される。いくつかの態様においては、熱可塑性バインダーは、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレンまたはポリプロピレン)またはその上にグラフトされた無水マレイン酸(MAH)を有するそのコポリマーを含む。
【0017】
カップリング、適合化、および/または混合剤は、任意の好適な量で熱可塑性バインダー中に存在することができる。例えば、剤はバインダーの全重量を基にして約0.01重量%以上、約0.1重量%以上、または約0.2重量%以上の量で熱可塑性バインダー中に存在することができる。剤はバインダーの全重量を基にして約20重量%以下、約10重量%以下、または約5重量%以下の量で熱可塑性バインダー中に存在することができる。いくつかの態様においては、熱可塑性バインダーは、バインダーの全重量を基にして約0.01〜約20重量%または約0.1〜約10重量%のカップリング、適合化、および/または混合剤を含有する。カップリング、適合化、および/または混合剤の量は、熱可塑性バインダーのモル当りに存在するカップリング、適合化、および/または混合剤のモル数によって表すこともできる。熱可塑性バインダーがポリプロピレンおよび無水マレイン酸カップリング剤を含む場合のような、いくつかの態様においては、バインダーはポリプロピレンポリマーのモル当り約5〜約50モルの無水マレイン酸を含有することができる。
【0018】
ポリマーバインダーは、硬化すると天然繊維どうしを結合して天然繊維複合材を形成することが可能な熱硬化性ポリマーとすることもできる。好適な熱硬化性バインダーの代表的な例としては、ポリウレタン、エポキシ、フェノールおよび尿素が含まれる。
【0019】
いくつかの態様においては、ポリマーバインダーは、バイオポリマー樹脂を含む。好適なバイオポリマー樹脂の代表的な一例は、生分解性脂肪族ポリエステルである。好適な生分解性脂肪族ポリエステルの代表的な例としては、ポリエステルアミド、修飾ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸(PLA)、ポリ乳酸に基づくターポリマー、ポリグリコール酸、ポリアルキレンカーボネート(例えば、ポリエチレンカーボネート)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)(例えば、ポリヒドロキシブチラート(PHB)、ポリヒドロキシバレラート(PHV)、ポリヒドロキシブチラート-ヒドロキシバレラート共重合体(PHBV)、それらのホモポリマーおよびコポリマー、それらの組合せ)などが含まれる。好適な生分解性脂肪族ポリエステルの他の例としては、少なくとも5つの炭素原子の繰り返し単位をもつ脂肪族ポリエステル(例えば、ポリカプロラクトン)、およびサクシネート系脂肪族ポリマー(例えば、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、およびポリエチレンサクシネート)が含まれる。好適な生分解性脂肪族ポリエステルのより多くの例としては、ポリエチレンオキサレート、ポリエチレンマロネート、ポリエチレンサクシネート、ポリプロピレンオキサレート、ポリプロピレンマロネート、ポリプロピレンサクシネート、ポリブチレンオキサレート、ポリブチレンマロネート、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンデカンジオエートおよびポリエチレントリデカンジオエートおよびこれらの化合物のコポリマーおよびジイソシアネートまたはラクチドが含まれる。
【0020】
いくつかの態様においては、生分解性脂肪族ポリエステルは、優れた耐熱性と硬さを有し、天然繊維どうしを確実に結合することができるポリ乳酸(PLA)樹脂を含む。ポリ乳酸は、ポリ(L-乳酸);ポリ(D-乳酸);およびポリ(DL-乳酸)などの乳酸のホモポリマー、ならびに主要成分としての乳酸および少量の共重合可能なコポリマー、例えば3-ヒドロキシブチレート、カプロラクトン、グリコール酸などを含有する乳酸のコポリマーを指す。いくつかの態様においては、ポリ乳酸は、難燃剤、帯電防止剤または酸化防止剤などの添加物を含む。
【0021】
ポリ乳酸は、乳酸またはラクチドの重合(例えば、縮合重合または開環重合)によって調製することができる。縮合重合では、L-乳酸、D-乳酸、またはその混合物を直接デヒドロ縮合重合に供され得る。開環重合では、乳酸の環式ダイマーであるラクチドを重合調整剤や触媒の助けにより重合に供され得る。ラクチドは、L-ラクチド、D-ラクチド、およびDL-ラクチド(L-乳酸とD-乳酸の濃縮物)を含み得る。これらの各ラクチド(すなわち、L-ラクチド、D-ラクチド、およびDL-ラクチド)はダイマーである。すなわち、それらは2つの乳酸単位からなる。そのキラル中心の結果、乳酸は2つの異なる立体化学異性体;R異性体およびS異性体構成を有する。D-ラクチドは2つのR異性体を含み、L-ラクチドは2つのS異性体を含み、DL-ラクチドはR異性体とS異性体を含む。任意の望ましい組成および結晶度を有するポリ乳酸を得るために必要に応じて、種々の異性体を混合および重合させてもよい。ポリ乳酸の分子量を増加させるために少量の鎖延長剤(例えば、ジイソシアネート化合物、エポキシ化合物または酸無水物)を用いてもよい。いくつかの態様においては、ポリ乳酸の重量平均分子量は、約60,000〜約1,000,000の範囲である。
【0022】
乳酸およびラクチドは、非対称性分子である;それらは、2つの光学異性体を有しており、一つは左旋性(「L」)エナンチオマーであり、他の一つは右旋性(「D」)エナンチオマーである。特定のエナンチオマーを重合することによって、または2つのエナンチオマーの混合物を用いることによって、化学的に類似するが異なる特性を有する異なるポリマーを調製することができる。特に、ポリ乳酸ポリマーの立体化学性をこのように修飾することによって、例えば、ポリマーの融解温度、融解レオロジー、および結晶度を制御することができる。
【0023】
バイオポリマー樹脂は、ダイズ油などの植物油から誘導され得る。いくつかの態様においては、バイオポリマー樹脂は、ダイズポリオールから誘導される。ダイズポリオールは、マレイン酸化またはフマル酸化ダイズ油と、エチレングリコール、ペンタエリスリトール、およびトリメチルプロパンなどのポリオール類ならびにそれらの塩とを反応させることによって調製することができる。
【0024】
バイオポリマー樹脂はまた、糖からも誘導され得る。好適な糖の代表的な例としては、グルコース、マンノースおよびフルクトースなどの単糖類;スクロース、ラクトース、マルトース、トレハロースなどの二糖類;およびラフィノースなどの三糖類が含まれる。いくつかの態様においては、バイオポリマー樹脂は、ポリ(糖アクリレート)を含む。ポリ(糖アクリレート)は、糖とアクリレートの混合物を有機溶媒中で酵素の存在下で反応させることにより作製可能な糖アクリレートの添加重合によって調製することができる。
【0025】
好適なバイオポリマー樹脂の他の例としては、アセチルセルロース樹脂などの植物系化合物および化学的に修飾されたデンプン樹脂が含まれる。
【0026】
天然繊維複合材は、以下のようにして調製され得る。不規則構造の天然繊維をまず、手作業または機械を用いてカーディングし、天然繊維を整え、もつれを取り除く。カーディングプロセスでは、未処理または洗浄された天然繊維にブラシをかけ、天然繊維のウェブを作製する。カーディングプロセスでは、異なるタイプの天然繊維を混合し、それらの均質な混合物を生成することができる。天然繊維がカーディングされた後、得られた天然繊維のウェブがクロスラップされ、天然繊維の不織芯(nonwoven battings)を作製する。次いで天然繊維が好適な量のポリマーバインダーと混合され、その混合物を、エアまたはドライニードルで穿孔されたマット中に置き、繊維を機械で絡み合わせ、方向付けながら縫い合わせ、ウェブを高密度化して仕上げ構成を作製する。次いでウェブを、ポリマーバインダーが活性化するのに十分な温度まで加熱する。ポリマーバインダーは、天然繊維どうしを結合させ、寸法的に安定なウェブにする。いくつかの態様においては、ポリマーバインダー活性化プロセス中、不織ウェブを圧縮しない。あるいは、ある程度ウェブの圧縮を用いてもよい。
【0027】
図2は、天然繊維複合材を含む積層体の例示的な製造方法200を示す。方法200は、天然繊維複合材を有する基板層とカバー層の合わせ面にバインダーポリマーを含浸させる工程、この2層を加熱してバインダーポリマーを活性化させる工程、加圧し、冷却し2層を永久的に結合させる工程、および側面をトリミングし、長さ方向にカッティングする工程を含む。天然繊維複合材ロール210は、複数の天然繊維複合材部分を予熱機220に供給し得る。そこで複合材部分は所定の温度に予熱される。予熱された複合材部分は加熱されたラミネータ230に供給され、そこで複合材部分は積層され、所望の構成をもつ基板層となる。ポリマータンク240は、基板層の合わせ面にポリマーバインダーを含浸させる。次いでカバー材料フィーダー250は、カバー層を、基板層の合わせ面に置く。その結果、カバー層の合わせ面にもバインダーポリマーが含浸される。したがって、カバー層と基板層の構築物が形成され、そこで2つの層の合わせ面にバインダーポリマーが含浸される。次いで、構築物がラミネータ260に供給され、そこでカバー層と基板層が永久的に結合される。ラミネータ260は、構築物を加熱してバインダーポリマーを活性化させ、圧力をかけて2つの層を堅固にプレスする。次いでラミネータ260は、構築物を一定時間加圧しながら冷却し、バインダーポリマーを固化または硬化させ、カバー層と基板層との適切な結合を形成する。2つの層が互いに積層された後、その積層体の縁部をトリミングし、切断ステーション270にて適切な長さに切断し、天然繊維複合材を含む完成した積層体を提供する。完成した積層体は、生分解性を有しており、最終的に廃棄処分する際の環境的負荷を削減することができる。
【0028】
本明細書において記載の積層体は、種々の用途に使用され得る。例えば、積層体は、テーブルトップ、ライティングボードなどの作業表面として使用することができる。積層体はまた、棺や火葬用の骨壷などの埋葬用容器または付属品を製造するために使用することもできる。積層体はさらにクローゼット、ベッド、フロントなどの内装用または外装用ドアを製造するために使用することができる。積層体は、本棚、ディスプレイ棚、キャビネット、食器棚などの棚材料を製造するために使用することができる。積層体はまた、ファイルボックス、貯槽、保管用引き出しなどの貯蔵容器を製造するために使用することもできる。積層体はさらに、自動車の内装材もしくは外装材または建築材料として使用することができる。
【0029】
本発明の多くの態様が記載されている。しかしながら、本発明の精神および範囲を逸脱することなく種々の変更が本発明に対して可能であるということが理解される。したがって、以下の特許請求の範囲の範囲内で他の態様が存在する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カバー層および基板層を含む積層体を含む物品であって、該基板層が、ポリマーバインダーによって互いに結合された天然繊維を含む天然繊維複合材を含み、前記物品が、作業表面、埋葬用容器または付属品、内装用または外装用ドア、棚材料、貯蔵容器、自動車の内装材または外装材、建築材料、およびそれらの組合せからなる群より選択される、物品。
【請求項2】
カバー層が、木材、化粧板、プラスチック、またはカウンタートップ材料を含む、請求項1記載の物品。
【請求項3】
基板層が、リッジ、ワッフル、ハニカム、リボン、またはそれらの組合せを含む、請求項1記載の物品。
【請求項4】
天然繊維が、靭皮繊維を含む、請求項1記載の物品。
【請求項5】
靭皮繊維が、麻、ケナフ、ジュート、亜麻、バナナ、およびそれらの組合せからなる群より選択される、請求項4記載の物品。
【請求項6】
ポリマーバインダーが熱可塑性ポリマーを含む、請求項1記載の物品。
【請求項7】
熱可塑性ポリマーがポリプロピレンを含む、請求項6記載の物品。
【請求項8】
ポリマーバインダーが熱硬化性ポリマーを含む、請求項1記載の物品。
【請求項9】
ポリマーバインダーがバイオポリマー樹脂を含む、請求項1記載の物品。
【請求項10】
バイオポリマー樹脂が生分解性脂肪族ポリエステルを含む、請求項9記載の物品。
【請求項11】
生分解性脂肪族ポリエステルがポリ乳酸(PLA)を含む、請求項10記載の物品。
【請求項12】
バイオポリマー樹脂がダイズポリオールに由来する、請求項9記載の物品。
【請求項13】
バイオポリマー樹脂が糖に由来する、請求項9記載の物品。
【請求項14】
作業表面である、請求項1記載の物品。
【請求項15】
埋葬用容器または付属品である、請求項1記載の物品。
【請求項16】
内装用または外装用ドアである、請求項1記載の物品。
【請求項17】
棚材料である、請求項1記載の物品。
【請求項18】
貯蔵容器である、請求項1記載の物品。
【請求項19】
内装材または外装材である、請求項1記載の物品。
【請求項20】
建築材料である、請求項1記載の物品。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【公表番号】特表2011−527650(P2011−527650A)
【公表日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−517652(P2011−517652)
【出願日】平成21年7月10日(2009.7.10)
【国際出願番号】PCT/US2009/050240
【国際公開番号】WO2010/006252
【国際公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【出願人】(511008997)オグラフ ホールディングス リミテッド ライアビリティ カンパニー (1)
【Fターム(参考)】