説明

太陽光パネルの下地フレームの設置方法および設置治具

【課題】容易な作業で精度の高い下地フレームの位置決めを行うことができる太陽光パネルの下地フレームの設置方法および設置治具を提供する。
【解決手段】間隔をあけて複数配置され、太陽光パネルPを載置して固定するための下地フレーム30の設置方法において、被設置面(屋根R)に一方の下地フレーム30を固定する第一下地フレーム固定工程と、一方の下地フレーム30に、設置される太陽光パネルPの寸法に応じて設定された所望の離間寸法を備えた設置治具50の一端を当接させつつ、設置治具50の他端に他方の下地フレーム30を当接させて位置決めを行う第二下地フレーム位置決め工程と、被設置面に他方の下地フレーム30を固定する第二下地フレーム固定工程と、を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光パネルの下地フレームの設置方法および設置治具に関する。
【背景技術】
【0002】
ソーラー発電パネルやソーラー給湯パネルなどの太陽光パネルは、屋根上に設置されることが多い。太陽光パネルを屋根上に設置するに際しては、屋根上に敷設した下地フレーム上に太陽光パネルを載置して、ネジなどの固定手段で固定するようになっている(例えば、特許文献1参照)。下地フレームを設置するには、墨出しによって、隣り合う下地フレーム間の距離を出して位置決めをしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−96793号公報(図8)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、太陽光パネルは、日当たりの良い屋根上などに設置されるので、太陽光の熱によって熱膨張する。そのため、下地フレーム間の距離は、パネルサイズに熱膨張による変形長さを加えた寸法となる。具体的には、例えば、1200mm×1000mm程度の一般的なサイズの太陽光パネルで、熱膨張に対応するためのクリアランスは2mm程度と規定されている。しかしながら、従来のように墨出しで下地フレームの設置位置を決める方法では、その精度が職人の熟練度に左右されて、寸法や平行度に誤差が発生するとともに、作業が煩雑であるという問題があった。さらには、木質系住宅の屋根上に太陽光パネルを設置する場合には、屋根の下地材の構成材料(木材)や工法、作業環境などによっては、防水などの品質上の問題はないものの屋根面に不陸や波打ちなどが生じてしまうことがあるため、墨出しによって下地フレームをmm単位の位置決めを行うのは困難であるという問題もあった。
【0005】
そこで、本発明は、前記の問題を解決するためになされたものであり、容易な作業で精度の高い下地フレームの位置決めを行うことができる太陽光パネルの下地フレームの設置方法および設置治具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための本発明は、間隔をあけて複数配置され、太陽光パネルを載置して固定するための下地フレームの設置方法において、設置面に一方の下地フレームを固定する第一下地フレーム固定工程と、前記一方の下地フレームに、設置される太陽光パネルの寸法に応じて設定された所望の離間寸法を備えた設置治具の一端を当接させつつ、前記設置治具の他端に他方の下地フレームを当接させて位置決めを行う第二下地フレーム位置決め工程と、設置面に前記他方の下地フレームを固定する第二下地フレーム固定工程と、を備えたことを特徴とする太陽光パネルの下地フレームの設置方法である。
【0007】
なお、所望の離間寸法は、太陽光パネルの寸法と、太陽光パネルの熱膨張による変化寸法を加えた長さとなる。このような方法によれば、太陽光パネルの寸法に応じて予め設定された所望の離間寸法を備えた設置治具を一方の下地フレームにスペーサとして当接させて、他方の下地フレームの位置を決定するので、精度の高い位置決めを行うことができる。また、墨出しを行わないので、作業が容易であって、精度が職人の熟練度に影響されない。
【0008】
請求項2に係る発明は、前記設置治具が、前記下地フレームの長手方向両端部の二箇所でそれぞれ使用されることを特徴とする。
【0009】
このような方法によれば、下地フレームの長手方向両端部で同じ寸法の離間寸法とすることができるので、下地フレーム間の平行精度を高めることができる。
【0010】
請求項3に係る発明は、太陽光パネルを載置して固定する複数の下地フレームを、所望の間隔をあけて設置するための設置治具において、一定長さを有する第一部材と、設置される太陽光パネルの寸法に応じて適宜設定された長さを有する第二部材とを接続してなり、既に設置された一方の下地フレームに当接する第一当接部と、新たに設置される他方の下地フレームに当接する第二当接部とを備えたことを特徴とする太陽光パネルの下地フレームの設置治具である。
【0011】
このような構造によれば、太陽光パネルの寸法に応じて予め設定された所望の離間寸法を備えた設置治具を一方の下地フレームにスペーサとして当接させて、他方の下地フレームの位置を決定することができるので、精度の高い位置決めを行うことができる。また、墨出しを行わないので、作業が容易であって、精度が職人の熟練度に影響されない。
【0012】
請求項4に係る発明は、前記第二部材が、複数の長さのものが形成されており、設置される太陽光パネルの寸法に応じて適宜選択され、第一部材に着脱可能に接続されていることを特徴とする。
【0013】
このような構成によれば、複数種の太陽光パネルに対応することが可能である。また、設置治具を使用しないときには、第一部材と第二部材を分離しておけば、収容スペースを小さくすることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、容易な作業で精度の高い下地フレームの位置決めを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】屋根上に太陽光パネルを設置した状態を示した斜視図である。
【図2】太陽光パネルの設置構造を示した断面図である。
【図3】本発明に係る設置治具を示した斜視図である。
【図4】本発明に係る設置治具を示した分解斜視図である。
【図5】本発明に係る設置治具の使用状態を示した斜視図である。
【図6】本発明に係る設置治具の使用状態を示した断面図である。
【図7】下地フレームに太陽光パネルを設置する工程を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。本実施形態では、勾配屋根上に太陽光パネルを設置した場合を例に挙げて説明する。
【0017】
図1に示すように、太陽光パネルPは、屋根Rの勾配方向Xと、屋根面に沿って勾配方向Xと直交する直交方向Yに沿って、それぞれ複数枚配置されている。太陽光パネルPは、長方形形状を呈しており、長手方向が直交方向Yに沿うように、横向きに配置されている。なお、本実施形態の太陽光パネルPは、太陽光発電セル3(図2参照)を表面に備えたソーラー発電パネルを例示しているが、これに限定する趣旨ではなく、太陽光の熱エネルギーで温水を得るソーラー給湯パネルとしてもよいし、ソーラー発電パネルとソーラー給湯パネルの機能を合わせ持ったハイブリットソーラーパネルとしてもよい。太陽光パネルPは、屋根R上に敷設された下地フレーム30(図2および図5参照)上に固定されている。勾配方向Xまたは直交方向Yに隣り合う太陽光パネルP,P間には、所定間隔の幅を備えた目地2(図7参照)が形成されている。目地2には、目地止水部材1が装着される。
【0018】
まず、太陽光パネルPの設置構造を説明する。図2に示すように、太陽光パネルPは、屋根Rの表面材41上に配置された支持ブロック43上に固定された下地フレーム30上に固定されている。下地フレーム30は、直交方向Yに沿って延在して配置されている(図5参照)。下地フレーム30の長手方向両端部の下には、支持ブロック43がそれぞれ配置されている。下地フレーム30は、アルミニウム製またはステンレス製のプレートを屈曲させて形成されており、幅方向中間部を中心として対象形状になっている。下地フレーム30の幅方向中間部には、上方に突出する突条31が形成されている。突条31の上面には、目地止水部材1を固定するためのボルト用孔31a(図2、および図5の部分拡大図参照)が形成されている。ボルト用孔31aは、下地フレーム30の長手方向に延びる長孔にて構成されており、下地フレーム30の長手方向両端部に形成されている(図5の部分拡大図参照)。突条31の両側には、幅方向両端に広がって太陽光パネルPを下方から支持する支持部32,32が形成されている。太陽光パネルPは、その縁端部Paの底面が支持部32の上面に接触して載置される。支持部32には、溝部33が形成されており、この溝部33の底面が支持ブロック43上に接触して、下地フレーム30が載置される。溝部33は、補強リブの役目を果たしている。溝部33の底面には、下地フレーム30を屋根Rに固定するためのネジ孔33aが形成されている。ネジ孔33aには、上方からネジ34が挿入される。ネジ34は、屋根Rの表面材41を貫通して、その先端部が垂木などの屋根下地材44に螺合されている。
【0019】
目地止水部材1は、目地2を止水する部材であって、目地2を覆うカバー部材10と、このカバー部材10と太陽光パネルPとの間に介設される弾性シール材20とを備えている。カバー部材10は、アルミニウム製またはステンレス製のプレート材にて構成されている。カバー部材10は、表面部11と挿入部12とを備えてなる。カバー部材10は、表面部11に挿入部12を接合して形成してもよいし、押出形材にて一体形成してもよい。また一枚のプレートを折曲加工して形成してもよい。
【0020】
表面部11は、目地2に沿って延在しており、板状に形成されている。表面部11の幅方向両端部が、目地2とともに目地2の両側の太陽光パネルP,Pの各縁端部Pa,Paの表面を覆う。表面部11には、目地止水部材1を下地フレーム30に固定するためのボルト用孔13が形成されている。ボルト用孔13は、表面部11の幅方向中間部に位置し、表面部11の長手方向両端部にそれぞれ形成されている。
【0021】
挿入部12は、表面部11の裏面から突出して目地2の内部に挿入される部位である。挿入部12は、裏面に対して直交する一対のプレートからなり、その外側の側面(太陽光パネルPの縁端部Paの側面に対向する面)が、太陽光パネルPと間隔をあけるように構成されている。太陽光パネルPと挿入部12の間隔は、弾性シール材20が適度な応力で圧縮される寸法である。
【0022】
弾性シール材20は、弾性を有するゴムあるいは樹脂にて構成されており、カバー部材10の長手方向に沿って延在している。弾性シール材20は、カバー部材10の表面部11の裏面と挿入部12の側面の両面に接しており、接着剤によって固定されている。弾性シール材20は、目地止水部材1が目地2に装着された状態で、太陽光パネルPの縁端部Paの表面と側面によって押圧されている。これによって、弾性シール材20は、太陽光パネルPの縁端部Paの表面に接して形成されるシール面と、側面に接して形成されるシール面の、二つのシール面を形成することとなる。
【0023】
次に、図3および図4を参照しながら、本実施形態に係る設置治具50の構成を説明する。設置治具50は、下地フレーム30を、所望の間隔をあけて設置するためのものである(図5参照)。設置治具50は、図3および図4に示すように、一定長さを有する第一部材51と、設置される太陽光パネルPの寸法に応じて適宜設定された長さを有する第二部材55とを接続してなる。
【0024】
第一部材51は、断面L字状のアングル材52,52・・を溶接により長方形に組み合わせて形成されている。一方の短辺に位置するアングル材52の水平部52aの外側先端面が下地フレーム30に当接する第一当接部53を構成する。他方の短辺に位置するアングル材52の立上り部52bには、第二部材55を固定するためのネジ用貫通孔54(図4参照)が形成されている。ネジ用貫通孔54は、アングル材52の長手方向両端部にそれぞれ形成されている。短辺を構成する一対のアングル材52,52間には、把持棒62が架け渡されている。把持棒62は設置治具50を移動させるときに把持する部分であって、短辺の中間部にそれぞれ溶接されている。把持棒62は、断面U字状を呈しているが、この形状に限定されるものではない。
【0025】
第二部材55は、アングル材56に角パイプ57を溶接により接合して形成されている。角パイプ57は、アングル材56の長手方向両端部の立上り部56aに立設されており、先端にはネジ孔58(図4参照)が形成されたカバープレート59(図4参照)が溶接により固定されている。第二部材55は、角パイプ57の先端のカバープレート59が第一部材51のアングル材52の立上り部52bに当接して、ネジ60によって第一部材51に着脱可能に固定されている。これによって、アングル材56の角部が、第一当接部53と反対側に位置して、この角部が、下地フレーム30に当接する第二当接部61を構成する。第二当接部61は、第一当接部53と同等の長さを備えている。第一当接部53と第二当接部61とは、互いに平行になっている。第一当接部53と第二当接部61との距離が、設置治具50の長さとなる。第二部材55は、長さの異なる角パイプ57を利用することによって、複数の長さの第二部材55が形成される(図4の仮想線四角枠内参照)。つまり、第一部材51は一定の長さで、長さの異なる第二部材55を付け替えることによって、設置治具50の長さが調整される。
【0026】
第一部材51と第二部材55を合わせた設置治具50の長さは、太陽光パネルPの寸法と、太陽光パネルPの熱膨張による変化寸法を加えた長さとなる。具体的には、太陽光パネルPの基準短手方向寸法(常温時における短手方向の長さ寸法)に、熱膨張による短手方向の変化寸法を合わせた長さとする。太陽光パネルPは、複数のモジュール寸法で形成されているので、各太陽光パネルの寸法に応じて、設置治具50が複数種作成される。
【0027】
次に、図5乃至図7を参照しながら、下地フレームの設置方法を含む太陽光パネルPの設置方法を説明する。図5に示すように、まず、屋根R上の設置面に支持ブロック43を設置した上に、下地フレーム30を載置して固定する(第一下地フレーム固定工程)。支持ブロック43は、下地フレーム30の長手方向両端部に設置する。下地フレーム30は、屋根勾配の下流側から順次設置していく。
【0028】
下流側の下地フレーム30が固定されたなら、図6に示すように、下地フレーム30に設置治具50を当接させる。具体的には、その下地フレーム30の突条31の上流側の側面に、設置治具50の第一部材51の第一当接部53を当接させながら、第一部材51の端部を勾配方向Xの上流側の支持部32上に載置する。設置治具50は、下地フレーム30の長手方向両端部の二箇所において当接させる(図5参照)。この状態を保持しながら、設置治具50の第二部材55の第二当接部61に、上流側の下地フレーム30を別途当接させる。このとき、上流側の下地フレーム30は、仮置きした支持ブロック43上に載置されており、突条31の下流側の側面に第二当接部61を当接させることで、勾配方向Xの位置を決定する(第二下地フレーム位置決め工程)。ここで、下流側の下地フレーム30と上流側の下地フレーム30との間隔(突条31,31の側面間の距離)が、設置治具50の長さと同じになり、上流側の下地フレーム30の位置決めが為される。
【0029】
上流側の下地フレーム30の設置位置が決まったなら、設置治具50を下流側の支持部32上に載置して、下地フレーム30を屋根Rに固定する(第二下地フレーム固定工程)。下地フレーム30の屋根Rへの固定が完了したなら、設置治具50を取り除く。なお、下地フレーム30を設置する際には、下地フレーム30の突条31のボルト用孔31aには、ボルトBを下側から挿通させて、その胴部を上方に突出させておく(図5の部分拡大図参照)。このボルトBを用いて、後の工程において下地フレーム30に沿って延在する目地止水部材1を固定する。一方、最下段と最上段の下地フレーム30では、直交方向Yに隣り合う下地フレーム30,30の間にも、ボルト用孔(図示せず)を形成して、ボルトを下側から挿通させて、その胴部を上方に突出させておく(図示せず)。このボルトを用いて、下地フレーム30と直交する方向(勾配方向X)に延在する目地止水部材1(図2参照)を固定する。
【0030】
全ての下地フレーム30の設置が完了したなら、図7に示すように、下流側から太陽光パネルPを設置していく。太陽光パネルPは、その上下の縁端部Paの底面を支持部32の上面に接触させて載置するとともに、下側の端面(側面)を突条31の側面に接触させて係止する(図2参照)。ここで、夏場など気温が高い場合には、太陽光パネルPが膨張して短手寸法が大きくなっており、太陽光パネルPの上側端部も突条31の側面に接触または近接している。一方、冬場など気温が低い場合には、太陽光パネルPが収縮して短手寸法が小さくなっており、太陽光パネルPの上側の端面は、突条31の側面と隙間を空けている(図示せず)。このように太陽光パネルPを配置することで、突条31を挟むように配置された太陽光パネルP,P(勾配方向Xにおいて隣接する太陽光パネルP,P)の間には、目地2(以下、「横目地2a」と称する場合がある)が直交方向Yに延在して形成されることとなる。この横目地2aの幅は、突条31の幅寸法と略同等の長さから、突条31の幅寸法に熱収縮による太陽光パネルPの短手方向の収縮寸法を加えた幅を備えた長さまでの範囲の寸法となる。
【0031】
直交方向Yにおいて隣接する方向に太陽光パネルPを設置する場合は、既設の太陽光パネルPに対して、新たな太陽光パネルPを、所定距離をあけて配置して勾配方向Xに延在する目地2(以下、「縦目地2b」と称する場合がある)を形成する。この縦目地2bの目地幅(直交方向Yの幅寸法)は、太陽光パネルPの基準長手方向寸法(常温時における直交方向Yの長さ寸法)に、熱膨張による長手方向の変化寸法を合わせた長さとする。
【0032】
太陽光パネルPの設置が完了したなら、図2に示すように、目地止水部材1を目地2に挿入する。下地フレーム30から突出するボルトBの胴部が、突条31のボルト用孔31aに挿通されるように、目地止水部材1を突条31の上方に設置する。目地止水部材1を目地2の内部に手である程度押し込んだ後に、ボルトBにナットNを装着して締め付ける。このとき、弾性シール材20は、太陽光パネルPの縁端部Paの表面によってカバー部材10の表面部11の裏面11aに押し付けられるとともに、太陽光パネルPの縁端部Paの側面によってカバー部材10の挿入部12の側面12aに押し付けられるので、二つのシール面を得ることができる。これによって、シール面積が大きくなり、必要なシール性能を確保できる。このとき、太陽光パネルPの縁端部Paの側面53bも利用して弾性シール材20を押圧しているので、太陽光パネルPの表面における弾性シール材20の押圧部分を少なくできる。したがって、カバー部材10が太陽光パネルPの表面を覆う面積を小さくすることができ、表面部11が太陽光発電セル3を覆わないので、受光面積の減少を抑えることができる。
【0033】
なお、本実施形態では、図1に示すように、縦目地2bに装着される目地止水部材1は、上端から下端まで延在して一本物で通して構成されており、横目地2aに装着される目地止水部材1が、太陽光パネルPごとに配置され、その両端が縦目地2bに装着された目地止水部材1の側面に当接している。
【0034】
最後に、図2に示すように、ボルトBの端部とナットNを覆うキャップ部材25を被せて、表面部11のボルト用孔13の周囲をシールして、太陽光パネルPの設置施工が完了する。
【0035】
以上の説明したように、本実施形態に係る太陽光パネルPの下地フレーム30の設置方法および設置治具50によれば、太陽光パネルPの寸法に応じて予め設定された所望の離間寸法を備えた設置治具50を下流側の下地フレーム30にスペーサとして当接させて、上流側の下地フレーム30の設置位置を決定するので、容易な作業で精度の高いmm単位の位置決めを行うことができる。また、従来のように墨出しを行わないので、作業が容易であって、精度が職人の熟練度に影響されない。さらには、木質系住宅の屋根などで、屋根面に不陸や波打ちなどが生じてしまった場合でも、下地フレームをmm単位で位置決めすることができる。
【0036】
さらに、設置治具50は、第一当接部53と第二当接部61とがある程度の長さを備えて互いに平行に構成されているので、下流側の下地フレーム30と上流側の下地フレーム30との平行精度を確保することができる。さらに、本実施形態では、設置治具50を、下地フレーム30の長手方向両端部の二箇所でそれぞれ使用しているので、下地フレーム30の長手方向両端部で同じ寸法の離間寸法とすることができるので、下地フレーム30,30間の平行精度をより一層高めることができる。
【0037】
また、設置治具50は、第一部材51と第二部材55とを接合して構成されており、第二部材55が、複数の長さのものが形成されて、第一部材51に着脱可能に接続されているので、第二部材55を交換するだけで、容易に複数種の太陽光パネルPに対応することができる。さらに、設置治具50を使用しないときには、第一部材51と第二部材55を分離しておけば、収容スペースを小さくすることができる。
【0038】
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。例えば、前記実施形態では、第一部材51を下側の下地フレーム30に当接させ、第二部材55を上側の下地フレーム30に当接させているが、これに限定されるものではなく、逆向きに利用してもよい。
【0039】
また、設置治具50の形状は、前記実施形態に限定されるものではなく、他の形状であってもよい。例えば、前記実施形態では、第一部材51に、長さの異なる第二部材を接合することで、設置治具50の長さを変えているが、第一部材に対して第二部材を移動可能に取り付けて、設置治具50の長さを変えるように構成してもよい。
【符号の説明】
【0040】
30 下地フレーム
50 設置治具
51 第一部材
53 第一当接部
55 第二部材
61 第二当接部
P 太陽光パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
間隔をあけて複数配置され、太陽光パネルを載置して固定するための下地フレームの設置方法において、
設置面に一方の下地フレームを固定する第一下地フレーム固定工程と、
前記一方の下地フレームに、設置される太陽光パネルの寸法に応じて設定された所望の離間寸法を備えた設置治具の一端を当接させつつ、前記設置治具の他端に他方の下地フレームを当接させて位置決めを行う第二下地フレーム位置決め工程と、
設置面に前記他方の下地フレームを固定する第二下地フレーム固定工程と、を備えた
ことを特徴とする太陽光パネルの下地フレームの設置方法。
【請求項2】
前記設置治具は、前記下地フレームの長手方向両端部の二箇所でそれぞれ使用される
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽光パネルの下地フレームの設置方法。
【請求項3】
太陽光パネルを載置して固定する複数の下地フレームを、所望の間隔をあけて設置するための設置治具において、
一定長さを有する第一部材と、設置される太陽光パネルの寸法に応じて適宜設定された長さを有する第二部材とを接続してなり、
既に設置された一方の下地フレームに当接する第一当接部と、新たに設置される他方の下地フレームに当接する第二当接部とを備えた
ことを特徴とする太陽光パネルの下地フレームの設置治具。
【請求項4】
前記第二部材は、複数の長さのものが形成されており、設置される太陽光パネルの寸法に応じて適宜選択され、第一部材に着脱可能に接続されている
ことを特徴とする請求項3に記載の太陽光パネルの下地フレームの設置治具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−255267(P2012−255267A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−127847(P2011−127847)
【出願日】平成23年6月8日(2011.6.8)
【出願人】(391011548)田島応用化工株式会社 (19)
【出願人】(596037460)株式会社エプコ (14)
【出願人】(397031577)株式会社ヨネキン (16)
【Fターム(参考)】