説明

太陽光パネル洗浄冷却装置

【課題】太陽光パネルの洗浄及び冷却を一層向上させることができると共に、装置の簡素化及び小型化が図れる太陽光パネル洗浄冷却装置を提供する。
【解決手段】傾斜して設置された太陽光パネル3と、太陽光パネル3の上方に配設され、太陽光パネル3に水を噴射するノズル孔11が形成されたノズル管10と、ノズル管10に水を供給する水供給管12とを備えている。水供給管12には、タイマー23によって制御される電磁弁21と、水の疑集の大きさを小さくする流体活性化装置22とが設けられていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光パネルを洗浄及び冷却する太陽光パネル洗浄冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光パネルは、次のような2つの問題点があった。第1に、太陽光パネルは外気に直接触れる場所に設置されるため、塵、ホコリ等の汚れにより光の透過度が低下して発電量が低下する。第2に、特にシリコンを基材とした太陽光パネルは、温度が上昇すると発電効率が低下する性質を有している。特に夏季における昼間においては、太陽光パネルの温度が著しく上昇し発電効率が著しく低下する。
【0003】
前記した問題点を解決する太陽光パネル洗浄冷却装置として、例えば特許文献1が挙げられる。この装置においては、霧状の水を太陽光パネルの表面に上方より噴射させると、上記問題点は解決される。更に、霧状の水を噴射させるので、太陽光パネルの熱により霧状の水は気化され、太陽光パネルの表面に水滴が残らなく、太陽光パネルの発電効率を低下させることがないという特徴をも有している。
【0004】
【特許文献1】特開2011−100782号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来技術は、水供給配管より供給された水を霧状にするために、太陽パネルに付着し光の透過率を低下させるホコリ、塵の洗浄はあまり期待できなかった。まエアを供給するエア供給配管と、このエア供給配管に圧縮空気を供給するコンプレッサを必要とする。このため、装置が複雑化すると共に大型化し、高価になるという問題があった。
【0006】
本発明の課題は、太陽光パネルの洗浄効率を上げ冷却を一層向上させることができると共に、装置の簡素化及び小型化が図れと同時に安価な太陽光パネル洗浄冷却装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明の請求項1は、傾斜して設置された太陽光パネルと、この太陽光パネルの上方に配設され、該太陽光パネルに水を噴射するノズル孔が形成されたノズル管と、このノズル管に水を供給する水供給管とを備えた太陽光パネル洗浄冷却装置において、前記水供給管には、タイマーによって制御される電磁弁と、水の疑集の大きさを小さくする流体活性化装置とが設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
供給水が流体活性化装置を通過すると、流体活性化装置により水の疑集の大きさを小さくし、浸透性、溶解性が向上するので、ノズル孔より噴射する噴射水の洗浄力がより一層向上する。また水の疑集の大きさが小さくなることにより、熱により気化され易くなる。即ち、噴射水は太陽光パネルの熱により気化され、太陽光パネルの表面に水滴が残ることがなく、太陽光パネルの発電効率を低下させることがない。また水供給管に流体活性化装置を取付けるのみでよく、従来のようなエア供給配管及びコンプレッサを必要としないので、装置が簡素化及び小型化が図れ装置が低減化する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の太陽光パネル洗浄冷却装置の一実施の形態を図1により説明する。家屋1の屋根2には太陽光パネル3が太陽光の方向に向けて傾斜して配設されている。太陽光パネル3を洗浄及び冷却するために、太陽光パネル3の上方の屋根2部分には、ノズル管10が配設され、ノズル管10には太陽光パネル3に水を噴射するノズル孔11が多数形成されている。ノズル管10には水供給管12が接続され、水供給管12は水道管13の蛇口14に接続されている。
【0010】
水供給管12の蛇口14側にはポンプ20,電磁弁21及び流体活性化装置22が接続されており、電磁弁21及びポンプ20はタイマー23によって制御される。前記流体活性化装置22は、水の疑集の大きさを小さくする機能を有している、例えば特開2006−68621号公報に示す装置を用いる。なお、ポンプ20、電磁弁21及び流体活性化装置22の配置は特に限定されない。
【0011】
次に作用について説明する。昼間の所定時間にタイマー23が作動するように予め設定しておく。タイマー23によってポンプ20及び電磁弁21が作動する。これにより、水が蛇口14より水供給管12を通ってノズル管10に供給される。そして、ノズル管10のノズル孔11より太陽光パネル3の表面に水が噴射される。これにより、太陽光パネル3の表面の汚れが洗浄されると共に太陽光パネル3は冷却される。
【0012】
本実施の形態においては、蛇口14より供給された供給水が流体活性化装置22を通過すると、該流体活性化装置22により水の疑集の大きさを小さくし、浸透性、溶解性が向上するので、ノズル孔11より噴射する噴射水の洗浄力がより一層向上する。また水の疑集の大きさが小さくなることにより、熱により気化され易くなる。即ち、噴射水は太陽光パネル3の熱により気化され、太陽光パネル3の表面に水滴が残ることがなく、太陽光パネル3の発電効率を低下させることがない。また本実施の形態においては、水供給管12に流体活性化装置22を取付けるのみでよく、従来のようなエア供給配管及びコンプレッサを必要としないので、装置が簡素化及び小型化が図れ装置が低減化する。
【0013】
なお、上記各実施の形態においては、太陽光パネル3を家屋1の屋根2に設置した場合について説明したが、地上に傾斜して設置した太陽光パネル3についても適用できることは言うまでもない。この場合は、供給水を上方に汲み上げる必要はないので、ポンプ20は必要とはしない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の太陽光パネル洗浄冷却装置の一実施の形態を家屋に設置した場合を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0015】
2・・・屋根、3・・・太陽光パネル、10・・・ノズル管、11・・・ノズル孔、12・・・水供給管、13・・・水道管、14・・・蛇口、20・・・ポンプ、21・・・電磁弁、22・・・流体活性化装置、23・・・タイマー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
傾斜して設置された太陽光パネルと、この太陽光パネルの上方に配設され、該太陽光パネルに水を噴射するノズル孔が形成されたノズル管と、このノズル管に水を供給する水供給管とを備えた太陽光パネル洗浄冷却装置において、前記水供給管には、タイマーによって制御される電磁弁と、水の疑集の大きさを小さくする流体活性化装置とが設けられていることを特徴とする太陽光パネル洗浄冷却装置。

【図1】
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【公開番号】特開2013−69944(P2013−69944A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−208330(P2011−208330)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(598030238)日本システム企画株式会社 (16)
【Fターム(参考)】