説明

太陽光発電用パワーコンディショナ、太陽光発電システム及び太陽光発電システムの出力電力制御方法

【課題】最大電力点への追従制御を適切に行って太陽電池から取り出す電力の低下を抑制しつつ、太陽電池の発電量の低下及び変動を抑制することが可能な太陽光発電用パワーコンディショナを提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る太陽光発電用パワーコンディショナ10は、太陽電池5からの直流電力を変換して交流電力を生成し、該太陽電池5を系統電源に連系させる太陽光発電用パワーコンディショナであって、低電流状態から低電圧状態までの太陽電池5の電流−電圧特性を取得する取得手段82と、取得手段82によって取得された電流−電圧特性において、電力が最大となるときの電圧を電圧目標値として決定する決定手段83と、決定手段83によって決定された電圧目標値に太陽電池5の電圧を調整する調整手段84とを備え、取得手段82は、1分以上3時間以下の時間間隔で電流−電圧特性を取得する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池を系統電源に連系させるパワーコンディショナ、このパワーコンディショナを備えた太陽光発電システム、及び、この太陽光発電システムの出力電力制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、地球環境保全の観点から、クリーンな新エネルギー源として太陽電池が知られており、電力消費家(需要家)に設置された太陽電池と電気事業者の系統電源(商用電源)とを連系させて、電力消費家に電力を供給すると共に余剰の電力を電気事業者に送電することが可能な太陽光発電システムが注目されている。
【0003】
太陽光発電システムは、太陽電池からの直流電力を系統電源からの交流電力相当の交流電力に変換するために、昇圧回路やインバータ回路などを備えたパワーコンディショナを備えている。この種のパワーコンディショナは、太陽電池から電力を効率よく取り出すために、MPPT(Maximum Power PointTracking)制御を行うことがある。MPPT制御の手法としては、山登り法が一般的である。山登り法とは、太陽電池の動作電圧を所定量変化させて変化前後の発電量を比較し、発電量が増加するように動作電圧を変化させる手法である。したがって、山登り法では、現在の動作点付近に存在する一つ目の電力極大点に動作点を収束させることとなる。
【0004】
ところで、太陽電池は複数の太陽電池セルが直列に接続されており、太陽電池の一部に影が発生すると、電流−電圧特性に複数の電力極大点が現れることがある。その結果、上記した山登り法によるMPPT制御では、最大電力点ではない別の電力極大点に動作点が収束してしまうことがある。
【0005】
この点に関し、特許文献1には、連系運転前に太陽電池の電流−電圧特性を測定し、その最大電力点に対応する電圧を連系運転開始時の太陽電池の電圧とする太陽光発電システムが記載されている。これにより、連系運転時に、太陽光発電システムが山登り法によるMPPT制御を行っても、最大電力点に動作点を収束させることができるとしている。しかしながら、実際の動作環境下では、太陽電池に発生する影は時々刻々と変化しており、太陽電池の電流−電圧特性は不規則に変化すると共に、極大点が増加して複数の電力極大点における最大電力点の位置も不規則に変化することがある。その結果、特許文献1に記載の太陽光発電システムでは、時間の経過と共に、最大電力点から外れた動作を行ってしまうことがある。
【0006】
この点に関し、特許文献2には、上記した太陽電池の電流−電圧特性の測定及びその最大電力点への動作点の制御を、所定時間間隔で繰り返し実行する太陽光発電システムの最大電力出力制御方法が記載されている。
【特許文献1】特開平10−117440号公報
【特許文献2】特開平7−225624号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、時々刻々と変化する太陽電池の最大電力点を正確に把握し、太陽電池から電力を効率よく取り出すためには、電流−電圧特性の取得頻度を高めることが考えられる。しかしながら、電流−電圧特性の取得中は、最大電力点から大きく逸脱した動作を行うので、太陽電池の発電量が低下してしまう。また、太陽電池の発電量が断続的に低下して変動するので、系統電源に悪影響を与えてしまう懸念がある。
【0008】
そこで、本発明は、最大電力点への追従制御を適切に行って太陽電池から取り出す電力の低下を抑制しつつ、太陽電池の発電量の低下及び変動を抑制することが可能な太陽光発電用パワーコンディショナ、太陽光発電システム及び太陽光発電システムの出力電力制御方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明者らは、太陽電池に影を発生させる様々な要因を見出し、シミュレーションや実験を繰り返し行って鋭意検討した結果、最大電力点への追従制御を適切に行って太陽電池から取り出す電力の低下を抑制しつつ、太陽電池の発電量の低下及び変動を抑制することができる手法を見出した。
【0010】
そこで、本発明の太陽光発電用パワーコンディショナは、太陽電池からの直流電力を変換して交流電力を生成し、該太陽電池を系統電源に連系させる太陽光発電用パワーコンディショナであって、(a)低電流状態から低電圧状態までの太陽電池の電流−電圧特性を取得する取得手段と、(b)取得手段によって取得された電流−電圧特性において、電力が最大となるときの電圧を電圧目標値として決定する決定手段と、(c)決定手段によって決定された電圧目標値に太陽電池の電圧を調整する調整手段とを備え、(d)取得手段は、1分以上3時間以下の時間間隔で電流−電圧特性を取得することを特徴とする。
【0011】
太陽電池に影を発生させる要因としては、近隣の建物等障害物、太陽電池に付着するゴミや鳥の糞、太陽電池の一部の接触不良など太陽電池の劣化などの動かない障害物と、鳥の飛来、雲、航空機、太陽電池近傍を通る電車や車両などの動く障害物とに大別され、年間の発電量を低下させる重大な原因は、動かない障害物であることが判明した。このうち、太陽電池に付着するゴミや鳥の糞、太陽電池の一部の接触不良など太陽電池の劣化などは、太陽電池の電流−電圧特性の形状を恒常的に変化させるので、電流−電圧特性の取得頻度が1日1回以下でもMPPT制御によって十分に最大電力点に動作点を収束させることが可能である。
【0012】
ところが、近隣の建物等の動かない障害物は、太陽の方位、仰角が変化することにより緩やかに変化するため、最大電力点が時々刻々変化してしまい、山登り法によるMPPT制御によって最大電力点に動作点を収束させることが困難である。そこで、本願発明者らが鋭意検討した結果、電流−電圧特性の取得時間間隔を3時間以下とすることによって、山登り法によるMPPT制御が適切に行われない期間があっても太陽電池から80%以上の電力を取り出せることが判明した。
【0013】
また、太陽電池の電流−電圧特性の取得時間が0.5秒程度である場合、取得時間間隔を1分以上とすることによって、電流−電圧特性取得に起因する発電量の低下を1%未満に抑制できると共に発電量の変動を抑制できることが判明した。
【0014】
この太陽光発電用パワーコンディショナによれば、取得手段が、1分以上3時間以下の時間間隔で太陽電池の電流−電圧特性を取得するので、最大電力点への追従制御を適切に行って太陽電池から取り出す電力の低下を抑制しつつ、太陽電池の発電量の低下及び変動を抑制することができる。
【0015】
また、本発明の別の太陽光発電用パワーコンディショナは、太陽電池からの直流電力を変換して交流電力を生成し、該太陽電池を系統電源に連系させる太陽光発電用パワーコンディショナであって、(a)低電流状態から低電圧状態までの太陽電池の電流−電圧特性を取得する取得手段と、(b)取得手段によって取得された電流−電圧特性において、電力が最大となるときの電圧を電圧目標値として決定する決定手段と、(c)決定手段によって決定された電圧目標値に前記太陽電池の電圧を調整する調整手段と、(d)太陽電池の発電が阻害される時刻を記憶する記憶手段とを備え、(e)取得手段は、記憶手段によって記憶された時刻に電流−電圧特性を取得することを特徴とする。
【0016】
上記した近隣の建物等の動かない障害物は、一日におけるある時間帯だけ、又は一年におけるある時季だけ、太陽電池に影を発生させることがある。この場合、その時間帯又はその時季以外は山登り法によるMPPT制御によって十分に最大電力点に動作点を収束させることが可能であり、太陽電池の発電量の低下及び変動を発生させる電流−電圧特性の取得を行う必要がない。
【0017】
この太陽光発電用パワーコンディショナによれば、記憶手段が、太陽電池の発電が阻害される時刻、すなわち太陽電池に影が発生する時刻を記憶し、取得手段が、この時刻に太陽電池の電流−電圧特性を取得するので、最大電力点への追従制御を適切に行って太陽電池から取り出す電力の低下を抑制しつつ、太陽電池の発電量の低下及び変動を抑制することができる。
【0018】
本発明の太陽光発電システムは、太陽電池と、太陽電池からの直流電力を変換して交流電力を生成し、太陽電池を系統電源に連系させる上記の太陽光発電用パワーコンディショナとを備える。
【0019】
この太陽光発電システムによれば、上記した太陽光発電用パワーコンディショナを備えているので、最大電力点への追従制御を適切に行って太陽電池から取り出す電力の低下を抑制しつつ、太陽電池の発電量の低下及び変動を抑制することができる。
【0020】
本発明の太陽光発電システムの出力電力制御方法は、太陽電池からの直流電力を変換して交流電力を生成し、該太陽電池を系統電源に連系させる太陽光発電用パワーコンディショナを備える太陽光発電システムにおいて、(a)低電流状態から低電圧状態までの太陽電池の電流−電圧特性を1分以上3時間以下の時間間隔で取得し、(b)電流−電圧特性において、電力が最大となるときの電圧を電圧目標値として決定し、(c)太陽電池の電圧を電圧目標値に調整する。
【0021】
この太陽光発電システムの出力電力制御方法によれば、太陽電池の電流−電圧特性を1分以上3時間以下の時間間隔で取得するので、上記したように、最大電力点への追従制御を適切に行って太陽電池から取り出す電力の低下を抑制しつつ、太陽電池の発電量の低下及び変動を抑制することができる。
【0022】
本発明の別の太陽光発電システムの出力電力制御方法は、太陽電池からの直流電力を変換して交流電力を生成し、該太陽電池を系統電源に連系させる太陽光発電用パワーコンディショナを備える太陽光発電システムにおいて、(a)太陽電池の発電が阻害される時刻を予め記憶し、(b)低電流状態から低電圧状態までの太陽電池の電流−電圧特性を上記時刻に取得し、(c)電流−電圧特性において、電力が最大となるときの電圧を電圧目標値として決定し、(d)太陽電池の電圧を電圧目標値に調整する。
【0023】
この太陽光発電システムの出力電力制御方法によれば、太陽電池の発電が阻害される時刻、すなわち太陽電池に影が発生する時刻を予め記憶し、太陽電池の電流−電圧特性をこの時刻に取得するので、上記したように、最大電力点への追従制御を適切に行って太陽電池から取り出す電力の低下を抑制しつつ、太陽電池の発電量の低下及び変動を抑制することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、最大電力点への追従制御を適切に行って太陽電池から取り出す電力の低下を抑制しつつ、太陽電池の発電量の低下及び変動を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
[第1の実施形態]
【0026】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る太陽光発電システムの構成を示す回路図である。図1に示す太陽光発電システム1は、太陽電池アレイ5と太陽光発電用パワーコンディショナ10とを備えている。
【0027】
太陽電池アレイ5は、複数の太陽電池セルがアレイ状に配列されている。太陽電池アレイ5では、十分な直流電圧を確保するために、複数の太陽電池セルが直列に接続されている。なお、太陽電池アレイ5では、太陽電池セルの直列回路が並列に複数接続されていてもよい。太陽電池アレイ5は、太陽光発電用パワーコンディショナ10に接続されている。
【0028】
太陽光発電用パワーコンディショナ10は、太陽電池アレイ5からの直流電力を変換して交流電力を生成し、太陽電池アレイ5を系統電源に連系させる。太陽光発電用パワーコンディショナ10は、ノイズフィルタ20と、昇圧回路30と、昇圧回路用ドライバ回路31と、インバータ回路40と、インバータ回路用制御回路41と、インバータ回路用ドライバ回路42と、連系リアクトル/ノイズフィルタ50と、電圧センサ60と、電流センサ70と、制御回路80と、スイッチ91,95とを有している。
【0029】
ノイズフィルタ20は、太陽電池アレイ5からの直流電力におけるノイズを除去する目的で、太陽電池アレイ5と昇圧回路30との間に設けられている。
【0030】
昇圧回路30は、制御回路80及びドライバ回路31による制御に基づいて、太陽電池アレイ5からの直流電力を昇圧する。昇圧回路30は、容量素子32,33と、コイル34と、スイッチング素子35と、ダイオード36とを有している。容量素子32は昇圧回路30の入力端子間に接続されており、容量素子32の一端にはコイル34の一端が接続されている。コイル34の他端にはスイッチング素子35の一端が接続されており、スイッチング素子35の他端は昇圧回路30の逆側の直流母線の入力端子及び出力端子に接続されている。スイッチング素子35と昇圧回路30の出力端子との間には、整流回路を構成するダイオード36と容量素子33とが接続されている。
【0031】
なお、本実施形態では、スイッチング素子35は、バイポーラトランジスタとリカバリーダイオードとを有している。スイッチング素子35におけるバイポーラトランジスタのゲートにはドライバ回路31からの駆動回路が入力される。ドライバ回路31は、制御回路80からの制御信号に応じて駆動信号を生成する。
【0032】
インバータ回路40は、昇圧回路30からの直流電力を交流電力に変換し、連系リアクトル/ノイズフィルタ50を介して出力端子2a,2bに接続される系統電源及び負荷に供給する。インバータ回路40は、制御回路41及びドライバ回路42によるフィードバック制御により、系統電源からの交流電力相当の交流電力を生成する。
【0033】
連系リアクトル/ノイズフィルタ50は、系統電源との連系のためのリアクトルと、インダクタや容量素子などから構成されるノイズフィルタとを有している。なお、ノイズフィルタにおけるインダクタと連系リアクトルとは共用されてもよい。
【0034】
電圧センサ60は、太陽電池アレイ5の電圧を検出し、この電圧値を制御回路80へ出力する。
【0035】
電流センサ70は、太陽電池アレイ5の電流を検出し、この電流値を制御回路80へ出力する。
【0036】
制御回路80は、演算を行うPU(Processing Unit)と、PUに各処理を実行させるためのプログラムや後述する所定時間間隔データ等を記憶するROM(Read Only Memory)とを有している。このような構成により、制御回路80は、時間間隔判断手段81、電流−電圧特性取得手段82、電圧目標値決定手段83及び電圧調整手段84として機能する。
【0037】
時間間隔判断手段81は、内部カウンタのカウント値が所定値に達したか否かを定期的に判断することによって、所定時間間隔に達したか否かを判断する。所定時間間隔は1分以上3時間以下である。電流−電圧特性取得時間間隔が1分以上であれば、電流−電圧特性取得に起因する太陽電池アレイ5の発電量の低下を抑制することができる。また、電流−電圧特性取得時間間隔が3時間以下であれば、複数の電力極大点を適切に検出することができ、太陽電池アレイ5から取り出す電力の低下を抑制することができる。
【0038】
図2は、太陽電池アレイの電流−電圧特性の一例を示す図である。図2(b)には、太陽電池アレイ5に影が発生していない場合の電流−電圧特性が示されており、電力極大点Aが一つだけ存在し、この電力極大点Aが最大電力点である。一方、図2(a)には、太陽電池アレイ5に影が発生している場合の電流−電圧特性が示されており、二つの電力極大点A,Bが存在し、電力極大点Bが最大電力点である。
【0039】
ここで、太陽電池アレイ5に影が発生して、図2(b)から図2(a)のように電力極大点が二つに増加し、最大電力点が電力極大点Aから電力極大点Bに変化した場合、山登り法によるMPPT制御では、最大電力点Bではない別の電力極大点Aに動作点が収束されてしまう。しかしながら、電流−電圧特性取得時間間隔が3時間以下であれば、山登り法によるMPPT制御が適切に行われない期間、すなわち上記のように影の変化により電力極大点が増加して最大電力点Bが変化し、最大電力点Bとは別の電力極大点Aに動作点が収束される期間があっても、太陽電池からの電力を十分に取り出すことができる(詳細は後述する。)。
【0040】
電流−電圧特性取得手段82は、低電流状態から低電圧状態までの太陽電池アレイ5の電流−電圧特性を所定時間間隔で取得する。
【0041】
ここで、低電流状態とは、太陽電池アレイ5が開放状態となり電流が0Aとなる状態、及び、開放状態手前の非常に低い電流となる状態を含むものとする。低電流状態の電流は、パワーコンディショナの定格出力電力/5000V以下であることが好ましい。例えば、パワーコンディショナの定格出力が10kW/400Vであるとすると、低電流状態の電流は2A以下(すなわち、定格電流25Aに対して8%以下)となる。電流−電圧特性取得時の最低電流が定格出力電力/5000V以下であれば、複数の極大点を適切に検出することができる。
【0042】
また、低電流状態の電流は、パワーコンディショナの定格出力電力/50000V以上であることが好ましい。例えば、パワーコンディショナの定格出力が10kW/400Vであるとすると、低電流状態の電流は0.2A以上(すなわち、定格電流25Aに対して0.8%以上)となる。電流−電圧特性取得時の最低電流が定格出力電力/50000V以上であれば、電流−電圧特性取得時間を短縮し、太陽電池アレイ5の発電量の低下を抑制することができる。
【0043】
また、低電圧状態とは、太陽電池アレイ5が短絡状態となり電圧が0Vとなる状態、及び、短絡状態手前の非常に低い電圧となる状態を含むものとする。低電圧状態の電圧は、100V以下であることが好ましく、更に好ましくは50V以下である。電流−電圧特性取得時の最低電圧が100V以下であれば、複数の極大点を適切に検出することができる。
【0044】
また、低電圧状態の電圧は、0.01V以上であることが好ましく、更に好ましくは1V以上である。電流−電圧特性取得時の最低電圧が0.01V以上であれば、電流−電圧特性取得時間を短縮し、太陽電池アレイ5の発電量の低下を抑制することができる。
【0045】
電流−電圧特性取得手段82は、例えば、スイッチ91のオフ度合いを調整して上記した低電流状態を生成し、その後、スイッチ95のオン度合いを調整して上記した低電圧状態を生成する。その際、電流−電圧特性取得手段82は、電圧センサ60からの電圧値及び電流センサ70からの電流値を取得し、図2に示すような電流−電圧特性を得る。
【0046】
なお、電流−電圧特性の分解能は、低電流状態から低電圧状態までにおいて、20点以上1000点以下である。分解能が20点以上であれば、複数の極大点を適切に検出することができる。また、分解能が1000点以下であれば、電流−電圧特性取得時間を短縮して、太陽電池アレイ5の発電量の低下を抑制することができると共に、取得に使用するプロセッサとして高性能なものが不要で、システムを比較的安価にすることができる。
【0047】
電圧目標値決定手段83は、時間間隔判断手段81によって所定時間間隔に達したと判断された場合に、例えば電流と電圧との演算処理によって、電流−電圧特性における最大電力を決定し、この最大電力が得られるときの電圧を電圧目標値として決定する。一方、時間間隔判断手段81によって所定時間間隔に達していないと判断された場合に、電圧目標値決定手段83は、山登り法によるMPPT制御により電圧目標値を決定する。
【0048】
電圧調整手段84は、太陽電池アレイ5の電圧、すなわち電圧センサ60からの電圧が電圧目標値となるように、太陽電池アレイ5の電流を調整する。電圧調整手段84は、例えば昇圧回路30におけるスイッチング素子35のオン幅を調整することによって、太陽電池アレイ5の電流を調整する。
【0049】
次に、太陽光発電用パワーコンディショナ10及び太陽光発電システム1の動作を説明すると共に、本発明の第1の実施形態に係る太陽光発電システムの出力電力制御方法について説明する。図3は、本発明の第1の実施形態に係る太陽光発電システムの出力電力制御方法を示すフローチャートである。
【0050】
まず、太陽電池アレイ5によって直流電力が生成されると、昇圧回路30によって昇圧された後に、インバータ回路40によって交流電力に変換されて、出力端子2a,2bに接続される系統電源及び負荷に供給される。
【0051】
また、制御回路80における内部カウンタがカウントを開始し(ステップS01)、時間間隔判断手段81によって、カウント値が所定値に達したか否かが定期的に判断されて、所定時間間隔に達したか否かが判断される(ステップS02)。
【0052】
所定時間間隔に達していない場合には、山登り法によるMPPT制御が行われ、電圧目標値が決定される(ステップS03)。すると、電圧調整手段84によって、昇圧回路30におけるスイッチング素子35のオン幅が調整されて、すなわち電流が調整されて、太陽電池アレイ5の電圧が電圧目標値に調整され(ステップS04)、ステップS02へ戻る。
【0053】
一方、所定時間間隔に達した場合には、電流−電圧特性取得手段82によって、スイッチ91のオフ度合いが調整されて上記した低電流状態が生成された後に、スイッチ95のオン度合いが調整されて上記した低電圧状態を生成され、電圧センサ60からの電圧値及び電流センサ70からの電流値が取得されて、太陽電池アレイ5の電流−電圧特性が取得される(ステップS05)。次に、電圧目標値決定手段83によって、電流−電圧特性における最大電力が決定され、この最大電力が得られるときの電圧が電圧目標値として決定される(ステップS06)。次に、電圧調整手段84によって、昇圧回路30におけるスイッチング素子35のオン幅が調整されて、すなわち電流が調整されて、太陽電池アレイ5の電圧が電圧目標値に調整される(ステップS07)。
【0054】
その後、内部カウンタのカウント値がリセットされ(ステップS08)、ステップS02へ戻り、上記の処理が繰り返される。
【0055】
ここで、本願発明者らの検討結果について説明する。
【0056】
太陽電池の一部に発生する影としては、近隣の建物等の動かない障害物による影と、鳥の飛来や雲の動きなど動く障害物による影とに大別される。動かない障害物による影は、太陽の方位、仰角が変化することにより変化するため、電流−電圧特性を取得する頻度と得られる効果は、太陽の運行状況から推察することが可能である。常に太陽電池を理想的な条件に制御した場合と比べて、ある電流−電圧特性取得頻度で太陽電池を運転した場合に予期される電力損失を、障害物の高さ、太陽電池の面積などを種々変化させて、計算した結果を次に示す。なお、計算において太陽光発電システム1は、毎日、日射強度0.05kW/mに達したときに起動し、その際に電流−電圧特性を取得し、その後は与えられた時間間隔で電流−電圧特性を測定するものとした。
【0057】
図4は、電流−電圧特性取得時間間隔と理想的運転に対する電力損失との関係を示す図である。図4における曲線101〜103では、太陽電池の面積を変更しており、順に面積が小さくなっている。図4によれば、電流−電圧特性を取得する時間間隔が長くなるほど、電流−電圧特性における最大電力点からずれた動作となり、電力損失が増加していることが分かる。なお、障害物の高さを変化させた計算においても、同様の結果が得られることが確認されている。
【0058】
図5は、電流−電圧特性取得時間間隔と電力損失係数との関係を示す図である。ここで、電力損失係数とは、電流−電圧特性取得をある時間間隔で行う場合の電力損失が、電流−電圧特性取得を一日1度しか行わない場合の電力損失に対してどの程度であるかを示す係数である。この電力損失係数によれば、太陽電池の面積や障害物の高さなどのパラメータに依存しない電流−電圧特性取得時間間隔に対する特性が得られる。なお、曲線111〜113では、曲線101〜103と同様に太陽電池の面積を変更しており、順に面積が小さくなっている。
【0059】
図5によれば、電流−電圧特性を、3時間に一度取得すれば電力損失係数を20%程度に、2時間に一度取得すれば電力損失係数を10%程度に、1時間に一度取得すれば電力損失係数を5%に、15分に一度取得すれば電力損失係数を1%に、それぞれ抑制できることが分かる。換言すれば、3時間に一度の電流−電圧特性取得により、電流−電圧特性を始終取得することによる効率向上の80%程度の効果が得られることとなる。すなわち、電流−電圧特性の取得時間間隔を3時間以下とすることによって、MPPT制御が適切に行われない期間があっても太陽電池から80%以上の電力を取り出せることが分かった。
【0060】
次に、雲や鳥などの動く障害物による影響については、これらによる日射の変動がどの程度であるかを1年以上に亘って測定し、得られたデータの自己相関を求めることにより、影状況が変化する速さを求めた。
【0061】
図6は、電流−電圧特性取得時間間隔と日射自己相関との関係を示す図である。図6によれば、一日単位での大きな日射強度変化に起因する変動が支配的であり、雲などによる変動の影響は小さいことがわかる。これより、電流−電圧特性の取得頻度としては、建物等動かない障害物の解析からえられた3時間程度の間隔で必要かつ十分であるものと推定される。
【0062】
また、雲など非定在的な障害物の影響を分離抽出するため、期間中最も変動が激しかった特定の1日について、日射変動の速度を明らかにするため自己相関分析を行った結果を図7に示す。図7によれば、特段目だったピークは無く、電流−電圧特性の測定頻度については上記の検討で十分と判断される。
【0063】
また、太陽電池の電流−電圧特性の取得時間が0.5秒程度である場合、取得時間間隔を1分以上とすることによって、電流−電圧特性取得に起因する発電量の低下を1%未満に抑制できると共に発電量の変動を抑制できることが分かった。
【0064】
以上説明したように、第1の実施形態の太陽光発電用パワーコンディショナ10によれば、電流−電圧特性取得手段82が、1分以上3時間以下の時間間隔で太陽電池アレイ5の電流−電圧特性を取得するので、最大電力点への追従制御を適切に行って太陽電池アレイ5から取り出す電力の低下を抑制しつつ、太陽電池アレイ5の発電量の低下及び変動を抑制することができる。
【0065】
また、第1の実施形態の太陽光発電システム1によれば、上記した太陽光発電用パワーコンディショナ10を備えているので、最大電力点への追従制御を適切に行って太陽電池アレイ5から取り出す電力の低下を抑制しつつ、太陽電池アレイ5の発電量の低下及び変動を抑制することができる。
【0066】
また、第1の実施形態の太陽光発電システムの出力電力制御方法によれば、太陽電池アレイ5の電流−電圧特性を1分以上3時間以下の時間間隔で取得するので、上記したように、最大電力点への追従制御を適切に行って太陽電池アレイ5から取り出す電力の低下を抑制しつつ、太陽電池アレイ5の発電量の低下及び変動を抑制することができる。
[第2の実施形態]
【0067】
図8は、本発明の第2の実施形態に係る太陽光発電システムの構成を示す回路図である。図8に示す太陽光発電システム1Aは、太陽光発電システム1において、太陽光発電用パワーコンディショナ10に代えて太陽光発電用パワーコンディショナ10Aを備えている点で第1の実施形態と異なっている。太陽光発電システム1Aのその他の構成は、太陽光発電システム1と同一である。
【0068】
太陽光発電用パワーコンディショナ10Aは、太陽光発電用パワーコンディショナ10において、制御回路80の代わりに制御回路80Aを備えている構成で第1の実施形態と異なっている。太陽光発電用パワーコンディショナ10Aのその他の構成は、太陽光発電用パワーコンディショナ10と同一である。
【0069】
制御回路80Aは、制御回路80において、時間間隔判断手段81に代えて時刻判断手段81Aを備えており、更に記憶手段85を備えている構成で第1の実施形態と異なっている。制御回路80Aのその他の構成は、制御回路80と同一である。
【0070】
記憶手段85は、太陽電池アレイ5の発電が阻害される時刻、すなわち太陽電池アレイ5に影が発生する所定時刻を記憶する。この所定時刻は、予め実験やシミュレーションによって決定されればよい。
【0071】
時刻判断手段81Aは、内部時計の時刻が所定時刻に達したか否かを定期的に判断する。
【0072】
次に、太陽光発電用パワーコンディショナ10A及び太陽光発電システム1Aの動作を説明すると共に、本発明の第2の実施形態に係る太陽光発電システムの出力電力制御方法について説明する。図9は、本発明の第2の実施形態に係る太陽光発電システムの出力電力制御方法を示すフローチャートである。
【0073】
記憶手段85によって、太陽電池アレイ5に影が発生する所定時刻が記憶され(ステップS11)、時刻判断手段81Aによって、内部時計の時刻が所定時刻に達したか否かが定期的に判断される(ステップS12)。
【0074】
所定時刻に達していない場合には、第1の実施形態と同様に、ステップS03及びステップS04の処理が行われ、ステップS12へ戻る。
【0075】
一方、所定時刻に達した場合には、ステップS05〜S07の処理が行われ、ステップS12へ戻り、上記の処理が繰り返される。
【0076】
ここで、上記した近隣の建物等の動かない障害物は、一日におけるある時間帯だけ、又は一年におけるある時季だけ、太陽電池に影を発生させることがある。この場合、その時間帯又はその時季以外はMPPT制御によって十分に最大電力点に動作点を収束させることが可能であり、太陽電池の発電量の低下及び変動を発生させる電流−電圧特性の取得を行う必要がない。
【0077】
このように、第2の実施形態の太陽光発電用パワーコンディショナ10Aによれば、記憶手段85が、太陽電池アレイ5の発電が阻害される時刻、すなわち太陽電池に影が発生する時刻を記憶し、電流−電圧特性取得手段82が、この時刻に太陽電池アレイ5の電流−電圧特性を取得するので、最大電力点への追従制御を適切に行って太陽電池アレイ5から取り出す電力の低下を抑制しつつ、太陽電池アレイ5の発電量の低下及び変動を抑制することができる。
【0078】
また、第2の実施形態の太陽光発電システム1Aによれば、上記した太陽光発電用パワーコンディショナ10Aを備えているので、上記したように、最大電力点への追従制御を適切に行って太陽電池アレイ5から取り出す電力の低下を抑制しつつ、太陽電池アレイ5の発電量の低下及び変動を抑制することができる。
【0079】
また、第1の実施形態の太陽光発電システムの出力電力制御方法によれば、太陽電池アレイ5の発電が阻害される時刻、すなわち太陽電池に影が発生する時刻を予め記憶し、太陽電池アレイ5の電流−電圧特性をこの時刻に取得するので、上記したように、最大電力点への追従制御を適切に行って太陽電池アレイ5から取り出す電力の低下を抑制しつつ、太陽電池アレイ5の発電量の低下及び変動を抑制することができる。
【0080】
なお、本発明は上記した本実施形態に限定されることなく種々の変形が可能である。
【0081】
本実施形態では、電流−電圧取得時間間隔を固定する方法を用いたが、電流−電圧取得時間間隔を、一日における時間帯や一年間における時季によって変更する方法を用いてもよい。例えば、記憶手段85が一日における影が発生する時間帯データや一年間における影が発生する時季データを記憶し、これらの時間帯データや時季データに基づいて影が生じる時間帯や時季には、電流−電圧取得時間間隔を短くすればよい。
【0082】
また、本実施形態では、制御回路は太陽電池アレイの電力が最大となるように制御したが、電流−電圧特性における各点に対して、昇圧回路から出力される交流電力を予想し、この交流電力が最大となるときの太陽電池アレイの電圧を電圧目標値としてもよい。これによれば、この交流電力が最大となるように太陽電池アレイの電圧が制御されるので、一層確実に太陽光発電システムの出力を最大化することが可能となる。
【0083】
また、上記のように、交流電力が最大となるような太陽電池アレイの電圧制御と、山登り法によるMPPT制御とを組み合わせてもよい。これによれば、得られる交流電力を最大にすることが可能である。
【0084】
また、本実施形態では、スイッチ95に直列にコンデンサ及び抵抗素子を挿入してもよい。これによれば、太陽電池アレイの電流を徐々に制限すると共に電圧を上昇させ、太陽電池を開放に至らしめることができる。
【0085】
また、本実施形態では、低電流状態生成のためのスイッチ91は、回路上の他の素子からの影響を受ける恐れの小さいノイズフィルタ20の前段に設けられたが、スイッチ91の配置位置は本実施形態に限られるものではない。例えば、スイッチ91は、ノイズフィルタ20の後段に設けられてもよい。
【0086】
また、本実施形態では、低電流状態生成のためのスイッチ95は、回路上の他の素子からの影響を受ける恐れの小さいノイズフィルタ20の前段に設けられたが、スイッチ95の配置位置は本実施形態に限られるものではない。例えば、スイッチ95は、ノイズフィルタ20の後段であって、スイッチ91の前段に設けられてもよい。
【0087】
また、本実施形態では、電流−電圧特性を取得するために太陽電池アレイを直接短絡する手法を用いたが、昇圧回路におけるコンデンサ32,33を短絡する手法であっても太陽電池アレイの電流−電圧特性を取得することができる。この場合、低電圧状態生成用スイッチ95は、ノイズフィルタ20の前段又は後段、昇圧回路における整流回路の前段などに配置されればよい。また、コンデンサ32の電圧が太陽電池アレイの電圧と等しくなるまで昇圧しておくことが必要であり、このため、スイッチング素子35を十分な時間ゲートブロックして停止しておくことが必要である。その後、ノイズフィルタ20の前段又は後段に配置された低電圧状態生成用スイッチ95、整流回路の前段に配置された低電圧状態生成用スイッチ95、又はスイッチング素子35などを閉じることにより、コンデンサ32が放電され、それに伴い太陽電池アレイの電圧も降下して、電流−電圧特性を測定することが可能となる。
【0088】
また、低電圧状態生成用スイッチ95は、昇圧回路における整流回路の後段に配置されてもよい。この場合、低電圧状態生成用スイッチ95を閉じることにより、コンデンサ33が放電を開始し、コンデンサ33とコンデンサ32とが等電位になった時点からコンデンサ32の放電及び太陽電池の電圧降下が開始され、太陽電池アレイを短絡に至らしめることができる。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る太陽光発電システムの構成を示す回路図である。
【図2】太陽電池アレイの電流−電圧特性の一例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る太陽光発電システムの出力電力制御方法を示すフローチャートである。
【図4】電流−電圧特性取得時間間隔と理想的運転に対する電力損失との関係を示す図である。
【図5】電流−電圧特性取得時間間隔と電力損失係数との関係を示す図である。
【図6】電流−電圧特性取得時間間隔と日射自己相関との関係を示す図である。
【図7】電流−電圧特性取得時間間隔と日射自己相関との関係を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る太陽光発電システムの構成を示す回路図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る太陽光発電システムの出力電力制御方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0090】
1,1A…太陽光発電システム、2a,2b…出力端子、5…太陽電池アレイ、10,10A…太陽光発電用パワーコンディショナ、20…ノイズフィルタ、30…昇圧回路、31…昇圧回路用ドライバ回路、32,33…容量素子、34…コイル、35…スイッチング素子、36…ダイオード、40…インバータ回路、41…インバータ回路用制御回路、42…インバータ回路用ドライバ回路、50…連系リアクトル/ノイズフィルタ、60…電圧センサ、70…電流センサ、80,80A…制御回路、81…時間間隔判断手段、81A…時刻判断手段、82…電圧特性取得手段、83…電圧目標値決定手段、84…電圧調整手段、85…記憶手段、91,95…スイッチ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池からの直流電力を変換して交流電力を生成し、該太陽電池を系統電源に連系させる太陽光発電用パワーコンディショナであって、
低電流状態から低電圧状態までの前記太陽電池の電流−電圧特性を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された前記電流−電圧特性において、電力が最大となるときの電圧を電圧目標値として決定する決定手段と、
前記決定手段によって決定された前記電圧目標値に前記太陽電池の電圧を調整する調整手段と、
を備え、
前記取得手段は、1分以上3時間以下の時間間隔で前記電流−電圧特性を取得することを特徴とする、
太陽光発電用パワーコンディショナ。
【請求項2】
太陽電池からの直流電力を変換して交流電力を生成し、該太陽電池を系統電源に連系させる太陽光発電用パワーコンディショナであって、
低電流状態から低電圧状態までの前記太陽電池の電流−電圧特性を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された前記電流−電圧特性において、電力が最大となるときの電圧を電圧目標値として決定する決定手段と、
前記決定手段によって決定された前記電圧目標値に前記太陽電池の電圧を調整する調整手段と、
前記太陽電池の発電が阻害される時刻を記憶する記憶手段と、
を備え、
前記取得手段は、前記記憶手段によって記憶された前記時刻に前記電流−電圧特性を取得することを特徴とする、
太陽光発電用パワーコンディショナ。
【請求項3】
太陽電池と、
前記太陽電池からの直流電力を変換して交流電力を生成し、前記太陽電池を系統電源に連系させる請求項1又は2に記載の太陽光発電用パワーコンディショナと、
を備える、太陽光発電システム。
【請求項4】
太陽電池からの直流電力を変換して交流電力を生成し、該太陽電池を系統電源に連系させる太陽光発電用パワーコンディショナを備える太陽光発電システムにおいて、
低電流状態から低電圧状態までの前記太陽電池の電流−電圧特性を1分以上3時間以下の時間間隔で取得し、
前記電流−電圧特性において、電力が最大となるときの電圧を電圧目標値として決定し、
前記太陽電池の電圧を前記電圧目標値に調整する、
太陽光発電システムの出力電力制御方法。
【請求項5】
太陽電池からの直流電力を変換して交流電力を生成し、該太陽電池を系統電源に連系させる太陽光発電用パワーコンディショナを備える太陽光発電システムにおいて、
前記太陽電池の発電が阻害される時刻を予め記憶し、
低電流状態から低電圧状態までの前記太陽電池の電流−電圧特性を前記時刻に取得し、
前記電流−電圧特性において、電力が最大となるときの電圧を電圧目標値として決定し、
前記太陽電池の電圧を前記電圧目標値に調整する、
太陽光発電システムの出力電力制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−300745(P2008−300745A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−147268(P2007−147268)
【出願日】平成19年6月1日(2007.6.1)
【出願人】(000004444)新日本石油株式会社 (1,898)
【Fターム(参考)】