説明

太陽追尾システム

【課題】 太陽光発電パネル体の如き被旋回移動板を太陽の動きに無段階に追従させることができる太陽追尾システムを提供すること。
【解決手段】 基台本体に上下方向に延びる第1軸線を中心として旋回自在に支持された支持脚体と、この支持脚体に水平方向に延びる第2軸線を中心として旋回自在に支持された被旋回移動体と、支持脚体を第1軸線を中心として駆動するための第1駆動機構と、被旋回移動体を第2軸線を中心として駆動するための第2駆動機構と、太陽の位置を検知するための太陽位置検知手段110と、を備えた太陽追尾システム。太陽位置検知手段110は、太陽の全方位を検知するための全方位検知手段112と、太陽の水平方向の方位を検知するための水平方位検知手段114と、太陽の上下方向の仰角を検知するための仰角検知手段116と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光発電パネル、温水発生パネルなどの被旋回移動体を太陽の動きに追尾させて移動させる太陽追尾システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の太陽光発電システムは、基台本体と、この基台本体に上下方向に延びる第1軸線を中心として旋回自在に支持された支持脚体と、この支持脚体に水平方向に延びる第2軸線を中心として旋回自在に支持された太陽光発電パネル体と、支持脚体を第1軸線を中心として旋回させるための第1駆動機構と、太陽光発電パネル体を第2軸線を中心として旋回させるための第2駆動機構と、第1及び第2駆動機構を作動制御するための制御手段と、太陽の位置検知するための太陽位置検知手段と、を備えている(例えば、特許文献1参照)。この太陽光発電システムでは、制御手段は太陽位置検知手段からの検知信号に基づいて第1及び第2駆動機構を作動制御し、第1駆動機構は太陽の動きに追尾するように支持脚体、即ち太陽光発電パネル体を水平方向に移動し、第2駆動機構は太陽の動きに追尾するように太陽光発電パネル体を上下方向に移動し、このようにして太陽光発電パネル体が太陽に正対向するように追尾移動される。
【0003】
【特許文献1】特開2006−60180号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この従来の太陽光発電システムにおいては、太陽位置検知手段は、太陽の水平方位を検知するための水平方位検知手段と、太陽の仰角を検知するための仰角検知手段とから構成されている。水平方位検知手段は例えば5つの方位検知センサを備え、これら5つの方位検知センサが方位遮蔽板によって仕切られ、また仰角検知手段は例えば4つの仰角検知センサから構成され、これら4つの仰角検知センサが仰角遮蔽板によって所要の通りに仕切られている。
【0005】
例えば、太陽の水平方位を検知するときには、5つの方位検知センサが利用され、太陽が正対向する方位検知センサの発電量が大きくなることに着目し、水平方位検知手段はこれら5つの方位検知センサの発電量に基づいて太陽の水平方位を検知し、制御手段は、水平方位検知手段により検知した方位に正対向するように第1駆動機構を作動させて太陽光発電パネル体を移動させる。
【0006】
しかしながら、このような検知方式では、太陽の水平方位を所定角度(例えば45度)間隔に検知するために、太陽光発電パネル体は上記所定角度間隔に位置付けられ、太陽の移動に段階的に追従するようになる。それ故に、太陽に正確に正対向しない方位位置では、太陽光発電パネル体の発電効率が幾分下がり、太陽光発電パネル体の発電量が低下する。このような発電効率の低下は、仰角検知手段に関連しても生じる。
【0007】
このような発電効率の低下を抑えるためには、水平方位検知手段の水平方位検知センサの設置個数を増やすとともに、仰角検知手段の仰角検知センサの設置個数を増やすことによってある程度解消することができるが、このように構成した場合、検知センサの設置個数が増え、太陽位置検知手段の構成が複雑になるとともに、その制御系も複雑になる問題がある。
【0008】
本発明の目的は、太陽光発電パネル体の如き被旋回移動板を太陽の動きに無段階に追従させることができる太陽追尾システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の請求項1に記載の太陽追尾システムは、基台本体と、前記基台本体に上下方向に延びる第1軸線を中心として旋回自在に支持された支持脚体と、前記支持脚体に水平方向に延びる第2軸線を中心として旋回自在に支持された被旋回移動体と、前記支持脚体を前記第1軸線を中心として水平方向に旋回させるための第1駆動機構と、前記被旋回移動体を前記第2軸線を中心として上下方向に旋回させるための第2駆動機構と、太陽の位置を検知するための太陽位置検知手段と、前記太陽位置検知手段からの検知信号に基づいて前記第1及び第2駆動機構を作動制御するための制御手段とを備えた太陽追尾システムにおいて、
前記太陽位置検知手段は、太陽の全方位を検知するための全方位検知手段と、太陽の水平方向の方位を検知するための水平方位検知手段と、太陽の上下方向の仰角を検知するための仰角検知手段と、を備え、前記全方位検知手段、前記水平方位検知手段及び前記仰角検知手段は太陽光を受光して発電する太陽光発電パネルから構成され、
前記制御手段は、前記全方位検知手段の発電量が第1所定値以上になると、前記第1駆動機構を作動させて前記支持脚体を前記第1軸線を中心として所定水平方向に駆動し、前記水平方位検知手段が太陽と正対向してその発電量が第2所定値以上になると前記第1駆動機構の作動を停止し、また前記第2駆動機構を作動させて前記被旋回移動体を前記第2軸線を中心として上下方向に駆動し、前記仰角検知手段が太陽と正対向してその発電量が第3所定値以上になると前記第2駆動機構の作動を停止し、かくして、前記被旋回移動体は太陽の移動に追尾して移動されることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項2に記載の太陽追尾システムでは、前記水平方位検知手段は、太陽光を上下方向の帯状に受光して太陽の水平方位を検知し、前記前記仰角検知手段は太陽光を水平方向の帯状に受光して太陽の仰角を検知することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項3に記載の太陽追尾システムでは、前記水平方位検知手段は、太陽光を上下方向の帯状に受光する水平方位検知太陽光パネルと、前記水平方位検知太陽光パネルに入射する太陽光を遮蔽するための水平方位遮蔽部材とを備え、前記水平方位遮蔽部材は、前記被旋回移動体が水平移動する所定水平方向において少なくとも前記水平方位検知太陽光パネルの上流側に配設され、太陽と正対向するときには前記水平方位検知太陽光パネルに入射する太陽光を遮蔽せず、太陽と正対向しないときには前記水平方位検知太陽光パネルに入射する太陽光の少なくとも一部を遮蔽することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項4に記載の太陽追尾システムでは、前記仰角検知手段は、太陽光を水平方向の帯状に受光する仰角検知太陽光パネルと、前記仰角検知太陽光パネルに入射する太陽光を遮蔽するための仰角遮蔽部材とを備え、前記仰角遮蔽部材は、前記被旋回移動体が上下移動する上下方向において前記仰角検知太陽光パネルの両側に配設され、太陽と正対向するときには前記仰角検知パネルに入射する太陽光を遮蔽せず、太陽光と正対向しないときには前記仰角検知太陽光パネルに入射する太陽光の少なくとも一部を遮蔽することを特徴とする。
【0013】
更に、本発明の請求項5に記載の太陽追尾システムでは、前記全方位検知手段、前記水平方位検知手段及び前記仰角検知手段は検知ユニットとして構成され、前記水平方向検知手段及び前記仰角検知手段の前記太陽光発電パネルは、前記被旋回移動体の受光面と同一方向を向くように配置され、また前記全方向検知手段は第1〜第4方位検知太陽光パネルから構成され、前記第1方位検知太陽光パネルは、前記被旋回移動体の前記受光面と同一方向で且つ上方に傾斜して向くように配置され、前記第2方位検知太陽光パネルは、前記被旋回移動体の前記受光面と反対方向で且つ上方に傾斜して向くように配置され、前記第3方位検知太陽光パネルは、前記旋回移動体の前記受光面と垂直な方向で且つ前記被旋回移動体の水平移動方向の上流側を向くように配置され、また前記第4方位検知太陽光パネルは、前記旋回移動体の前記受光面と垂直な方向で且つ前記被旋回移動体の水平移動方向の下流側を向くように配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の請求項1に記載の太陽追尾システムによれば、太陽の位置を検知するための太陽位置検知手段は、太陽の全方位を検知するための全方位検知手段と、太陽の水平方向の方位を検知するための水平方位検知手段と、太陽の上下方向の仰角を検知するための仰角検知手段と、を備え、前記全方位検知手段、前記水平方位検知手段及び前記仰角検知手段は太陽光を受光して発電する太陽光発電パネルから構成されている。従って、太陽光発電パネルの発電電力を利用して制御手段の制御系を制御することができ、制御系を制御するための専用の電源を必要とせずに所要の通りに制御することができる。
【0015】
また、全方位検知手段は太陽が出ているか否かを検知し、太陽が出ている(例えば、昼間で雲などで隠れていない)ときにはその発電量が第1所定値以上になり、このときには、第1駆動機構が作動して支持脚体、即ち被旋回移動体が第1軸線を中心として所定水平方向に移動される。水平方位検知手段は太陽と正対向すると、その発電量が第2所定値以上になるように構成されており、被旋回移動体が移動して水平方位検知手段の発電量が第2所定値以上になると第1駆動機構の作動が停止され、このようにして被旋回移動体の水平方向の移動が太陽の移動に追尾して実質上無段階に行われる。また、このときには、第2駆動機構が作動して被旋回移動体が第2軸線を中心として上下方向に移動される。仰角検知手段は太陽と正対向すると、その発電量が第3所定値以上になるように構成されており、被旋回移動体が移動して仰角検知手段の発電量が第3所定値以上になると第2駆動機構の作動が停止され、このようにして被旋回移動体の上下方向(仰角方向)の移動も太陽の移動に追尾して実質上無段階で行われる。尚、被旋回移動体は、例えば太陽光発電システムに適用したときには太陽光を利用して発電する太陽光発電パネル体であり、例えば太陽熱利用温水貯湯システムに適用したときには太陽熱を利用して温める太陽熱利用パネル体である。
【0016】
また、本発明の請求項2に記載の太陽追尾システムによれば、水平方位検知手段は、太陽光を上下方向の帯状に受光して太陽の水平方位を検知するので、太陽の仰角位置に実質上関係なくその水平方位を検知することができる。また、前記仰角検知手段は太陽光を水平方向の帯状に受光して太陽の仰角を検知するので、太陽の水平方位位置に実質上関係なくその仰角を検知することができる。
【0017】
また、本発明の請求項4に記載の太陽追尾システムによれば、水平方位検知手段は、太陽光を上下方向の帯状に受光する水平方位検知太陽光パネルと、水平方位検知太陽光パネルに入射する太陽光を遮蔽するための水平方位遮蔽部材とを備え、この水平方位遮蔽部材は、太陽と正対向するときには水平方位検知太陽光パネルに入射する太陽光を遮蔽せず、太陽と正対向しないときには水平方位検知太陽光パネルに入射する太陽光の少なくとも一部を遮蔽するので、水平方位検知太陽光パネルが太陽に正対向しないときにはその発電量が低下し、その発電量が基準値より低下すると、この発電量が回復するように被旋回移動体が所要の通りに水平方向に移動され、このようにすることによって、簡単な構成でもって被旋回移動体を太陽の動き追尾させて水平方向に移動させることができる。
【0018】
また、本発明の請求項4に記載の太陽追尾システムによれば、仰角検知手段は、太陽光を水平方向の帯状に受光する仰角検知太陽光パネルと、仰角検知太陽光パネルに入射する太陽光を遮蔽するための仰角遮蔽部材とを備え、太陽と正対向するときには仰角検知パネルに入射する太陽光を遮蔽せず、太陽光と正対向しないときには前記仰角検知太陽光パネルに入射する太陽光の少なくとも一部を遮蔽するので、仰角検知太陽光パネルが太陽に正対向しないときにはその発電量が低下し、その発電量が基準値より低下すると、この発電量が回復するように被旋回移動体が所要の通りに上下方向に移動され、このようにすることによって、簡単な構成でもって被旋回移動体を太陽の動き追尾させて上下方向(仰角方向)に移動させることができる。
【0019】
更に、本発明の請求項5に記載の太陽追尾システムによれば、全方位検知手段、水平方位検知手段及び仰角検知手段は検知ユニットとして構成されるので、太陽位置検知手段を一つの検知ユニットとして簡単な構成とすることができる。また、水平方向検知手段及び仰角検知手段の前記太陽光発電パネルは、被旋回移動体の受光面と同一方向を向くように配置され、また全方向検知手段の第1方位検知太陽光パネルは、被旋回移動体の受光面と同一方向で且つ上方に傾斜して向くように配置され、その第2方位検知太陽光パネルは、被旋回移動体の前記受光面と反対方向で且つ上方に傾斜して向くように配置され、その第3方位検知太陽光パネルは、旋回移動体の前記受光面と垂直な方向で且つ被旋回移動体の水平移動方向の上流側を向くように配置され、またその第4方位検知太陽光パネルは、旋回移動体の前記受光面と垂直な方向で且つ被旋回移動体の水平移動方向の下流側を向くように配置されているので、これらの太陽光パネルを用いて太陽の水平方位及仰角を所要の通りに検知して被旋回移動体を太陽の移動に追尾して実質上無段階に移動させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して、本発明に従う太陽追尾システムの実施形態について説明する。まず、図1〜図13を参照して、本発明に従う太陽追尾システムの第1の実施形態を備えた太陽熱利用温水貯湯システムについて説明する。図1は、第1の実施形態の太陽追尾システムを装備した温水貯湯システムを示すシステム図であり、図2は、図1の温水貯湯システムにおける太陽追尾システムの側面図であり、図3は、図2の太陽追尾システムの基体本体に内蔵された第1駆動機構を示す図であり、図4は、図2の太陽追尾システムにおける太陽位置検知手段の取付状態を示す図であり、図5は、図4の太陽位置検知手段を示す図であり、図6は、図5の太陽位置検知手段を示す断面図であり、図7は、図5の太陽位置検知手段の水平方位検知手段を簡略的に示す図であり、図8は、図7の水平方位検知手段の検知原理を説明するための図であり、図9は、図5の太陽位置検知手段の仰角検知手段を簡略的に示す図であり、図10は、図9の仰角検知手段の検知原理を説明するための図であり、図11は、太陽光発電パネルの受光量と発電電力との関係を示す図であり、図12は、図2の太陽追尾システムの制御系の一部を示す簡略図である。
【0021】
図1及び図2において、太陽熱利用温水貯湯システムに適用された図示の太陽追尾システム1は、地面などに設置される基台本体2と、この基台本体2に回転自在に支持された支持脚体4と、支持脚体4に支持されたパネル組立体6とを備え、このパネル組み立て体6が太陽に移動に追尾して移動する被旋回移動体を構成する。基台本体2は、地面などに設置される本体部8と、この本体部8から実質上垂直上方に延びる支持部10とを備えている。支持脚体4は支持軸12を備え、この支持軸12の一端側(下端側)が支持部10に軸受手段(図示せず)を介して回転自在に支持され、その一端部が本体部8内に突出している。この支持軸12の一端部は後述するように第1駆動機構14に駆動連結されている。従って、支持脚体4は上下方向に延びる第1軸線16(支持軸12の中心軸線が第1軸線を構成する)を中心として水平方向に旋回自在に支持され、第1駆動機構14によって所定方向(矢印15で示す方向)及び所定方向に対して反対方向(矢印17で示す方向)に、即ち図1及び図2において左右方向に旋回される。
【0022】
支持軸12の他端側(上端側)は、基台本体2の支持部10から上方に突出し、この他端部(上端部)にパネル組立体6(被旋回移動体)が装着されている。パネル組立体6はパネル支持体18を備え、このパネル支持体18の下部に太陽光発電パネル20が取り付けられ、この下部を除く他の部分に温水発生パネル22が取り付けられている。パネル支持体18の背面中央部には連結ブラケット24が設けけられ、かかる連結ブラケット24が連結軸26を介して支持軸12の他端部に旋回自在に連結されている。従って、パネル組立体6は水平方向に延びる第2軸線(連結軸26の中心軸線が第2軸線を構成する)を中心として上下方向に旋回自在に支持されている。尚、この実施形態では、パネル組立体6は太陽光発電パネル20及び温水発生パネル22を備えているが、温水のみを生成する場合には、太陽光発生パネル20を省略することができる。
【0023】
図3を参照して、第1駆動機構14は、駆動源としての電動モータ28と、この電動モータ28の駆動力を駆動伝達するための駆動連結手段30とを備え、電動モータ28が駆動連結手段30を介して支持脚体4に駆動連結されている。支持脚体4の支持軸12の一端部にはフランジ部材32が取り付けられ、このフランジ部材32に連結ギア(図示せず)が取り付けられたフランジ部材34が連結されている。また、駆動連結手段30は、電動モータ28の出力軸に取り付けられた出力ギア36と、ギアボックス38に回転自在に支持された支持軸40に装着された伝達ギア42と、この支持軸40に取り付けられたウォームギア(図示せず)を有し、出力ギア36と伝達ギア42とがチェーン44を介して駆動連結され、また支持軸40のウォームギアがフランジ部材34の連結ギアに駆動連結されている。このように構成されているので、電動モータ28が所定方向(又は所定方向と反対方向)に駆動回転されると、この回転駆動力が出力ギア36、チェーン44、伝達ギア、支持軸40、ウォームギア(図示せず)、連結ギア(図示せず)及びフランジ部材32,34を介して支持軸12に伝達され、パネル組立体6は第1軸線を中心として例えば矢印15(又は矢印17)で示す方向に旋回される(図1も参照)。
【0024】
また、基台本体2の支持部10とパネル組立体6のパネル支持体18との間に第2駆動機構46が介在されている。この実施形態では、第2駆動機構46はそれ自体周知のボールスクリューアーム機構47から構成され、例えば、その本体部48が支持部10に装着された支持スリーブ50に取り付けられた連結ブラケット51に連結ピン52を介して旋回自在に連結され、そのアーム部54がパネル支持体10の背面に取り付けられた連結ブラケット56に連結ピン58を介して旋回自在に連結されている。このボールスクリュー機構47は、更に、本体部48に内蔵された駆動ギアモータ(図示せず)を備え、駆動ギアモータからの駆動力がボールねじを介してアーム部54に伝達される。従って、駆動ギアモータが所定方向(又は所定方向と反対方向)に回転駆動されると、ボールねじを介してアーム部54が矢印60で示す方向に伸長(又は矢印62で示す方向に収縮)され、パネル組立体6が第2軸線を中心として例えば矢印64で示す方向(又は矢印66で示す方向)に下方(又は上方)に向けて旋回される。この実施形態では、支持脚体4とパネル組立体6との間に一つのボールスクリューアーム機構47を介在させているが、充分な強度及び駆動力を得るために、これらの間に一対のボールスクリューアーム機構47を介在させるようにしてもよい。
【0025】
この実施形態では、パネル組立体6の温水発生パネル22に関連して、次の通りに構成されている。温水発生パネル22には太陽からの熱を集めるための集熱部72を備え、この集熱部72は細長い集熱管74から構成され、かかる集熱管74が温水発生パネル22のほぼ全域に設けられている。また、熱を温水として貯湯するための貯湯タンク76が設けられ、温水発生パネル22にて発生した温水の熱が熱交換により貯えられるように構成されている。
【0026】
貯湯タンク76内には熱交換器78が設けられ、この熱交換器78の流入側と温水発生パネル22の集熱管74の排出側とが温水供給ライン80を介して接続され、その流出側と温水発生パネル22の流入側とが温水戻りライン82を介して接続されている。この形態では、温水戻りライン82が二つに分岐され、分岐された一方が集熱管74の一端部に接続され、残りの他方が集熱管74の他端部に接続され、また温水供給ライン80は集熱管74の長さ方向略中央部に接続され、熱交換器78からの温水は集熱管74の両端部から流入し、かく流入した温水(又は水)はその中央部に向けて流れ、その後この中央部から温水供給ライン80を通して熱交換器78に供給される。
【0027】
温水供給ライン80及び温水戻しライン82は温水発生パネル72(具体的には、集熱管74)を通して温水(又は水)を循環するための循環ラインを構成し、この循環ラインに循環ポンプ84及び貯留タンク86が設けられている。循環ポンプ84は温水供給ライン80に配設され、温水発生パネル72の集熱管74からの温水を熱交換器78に供給する。また、貯留タンク86は集熱管74を通して循環される温水(又は水)を溜めるためのもので、集熱管74の中央部に設けられ、この貯留タンク86に温水供給ライン80が接続され、集熱管74の温水が貯留タンク86を介して熱交換器78に供給される。
【0028】
このように構成されているので、太陽光を利用して温水発生パネル22の集熱管74にて集熱されて温められた温水は、循環ポンプ84の作用によって、温水供給ライン80を通して熱交換器78に供給され、この熱交換器78において貯湯タンク86内の水との間で熱交換が行われ、このようにして集熱管74からの温水の熱が貯湯タンク86内の水に温水として貯えられる。熱交換後の温水は、温水戻りライン82を通して集熱管74に戻され、集熱管74にて再び温められる。
【0029】
貯湯タンク76には水供給ライン88が接続され、この水供給ライン88を通して水道水の如き水が貯湯タンク76に供給される。また、貯湯タンク76には出湯ライン90が接続され、出湯ライン90には例えばカラン92が取り付けられ、カラン92を開栓することによって、貯湯タンク76内の温水が出湯ライン90を通して出湯される。
【0030】
このパネル組立体6の太陽光発電パネル22に関連して、更に次のように構成されている。太陽光発電パネル22は太陽電池モジュールを備え、この太陽電池モジュールが発電電力ライン94を介して太陽電池コントローラ96に接続され、この太陽電池コントローラ96が電力送給ライン98を介して蓄電池100に接続されている。また、蓄電池100は、インバータ102を含む電力供給ライン104を介して貯湯制御部106に接続されている。
【0031】
このように構成されているので、太陽光を利用して太陽発電パネル22(具体的には、太陽電池モジュール)にて発電が行われると、太陽電池コントローラ96は発電電力を発電電力ライン94及び電力送給ライン98を通して蓄電池100に流し、この発電電力が蓄電池100に蓄電される。蓄電池100に蓄電された電力は、インバータ102及び電力供給ライン104を介して貯湯制御部106に供給され、貯湯制御部106は太陽光発電パネル22の発電電力を用いて作動制御される。
【0032】
この太陽熱利用温水貯湯システムに適用された太陽追尾システム1では、パネル組立体6に関連して、太陽の位置を検知するための太陽位置検知手段110が設けられ、この太陽位置検知手段110により検知された位置にパネル組立体6が対向するように構成されている。更に説明すると、図1とともに図4〜図6を参照して、この太陽追尾システム1の太陽位置検知手段110は、太陽の全方位を検知するための全方位検知手段112と、太陽の水平方向の方位(即ち、水平方位)を検知するための水平方位検知手段114と、太陽の上下方向の仰角を検知するための仰角検知手段116とを備え、全方位検知手段112、水平方位検知手段114及び仰角検知手段116が検知ユニット118として構成され、かかる検知ユニット118がパネル組立体6の上端部に図1及び図4に示すように取り付けられる。
【0033】
主として図5及び図6を参照して、この実施形態では、検知ユニット118は、パネル組立体6に取り付けられるユニット本体120を備え、ユニット本体120の上部に検知取付部122が設けられ、かかる検知取付部122に全方位検知手段112、水平方位検知手段114及び仰角検知手段116が設けられている。全方位検知手段112は4つの太陽光発電パネル、即ち第1〜第4方位検知太陽光発電パネル124,126,128,130を備え、水平方位検知手段114は一つの太陽光発電パネル、即ち水平方位検知太陽光発電パネル132を備え、また仰角検知手段116は一つの太陽光発電パネル、即ち仰角検知太陽光発電パネル134を備えている。
【0034】
検知取付部122は、略L字状の第1部材136、ブロック状の第2部材138、三角状の第3部材140及びプレート状の第4部材142を備え、第1部材136は、検知取付部122における左部(パネル組立体6の矢印15(図2)で示す旋回移動方向に見て上流側部)に設けられ、第2部材138は、上記第1部材136の上側に接して設けられ、第3部材140は第2部材138の上側に接して設けられ、また、第4部材142は、第2部材138と間隔をおいて検知取付部122における右端部(パネル組立体6の矢印15(図2)で示す旋回移動方向に見て下流側端部)に設けられている。第1部材136先端部144及び第3部材138の先端部146は、上下方向に間隔をおいて第2部材138の前面よりも前面側(図5及び図6において右側)に突出し、第4部材142は、第2部材138と間隔をおいて前面側に延びている。
【0035】
全方位検知手段112の第1〜第4方位検知太陽光発電パネル124,126,128,130は、次のように取り付けられている。第1方位検知太陽光発電パネル124は、第3部材140の前上傾斜面(前面側に向けて下方に傾斜する傾斜面)に取り付けられ、パネル組立体6(即ち、被旋回移動体)の表面(即ち、受光面)と同一方向で且つ後に向けて上方に傾斜して向くように配置され、第2方位検知太陽光発電パネル126は、第3部材140の後上傾斜面(後面側に向けて下方に傾斜する傾斜面)に取り付けられ、パネル組立体6の表面(受光面)と反対方向で且つ前に向けて上方に傾斜するように配置され、
第3方位検知太陽光発電パネル128は第2部材128の外側の側面(パネル組立体6の矢印15(図2)で示す旋回移動方向に見て下流側の側面)に取り付けられ、パネル組立体6の表面(受光面)に対して垂直な方向で且つパネル組立体6の水平移動方向の上流側を向くように配置され、また第4方位検知太陽発電パネル130は第4部材142の外面(パネル組立体6の矢印15(図2)で示す旋回移動方向に見て上流側の面)に取り付けられ、パネル組立体6の表面(受光面)に対して垂直な方向で且つパネル組立体6の水平移動方向の下流側を向くように配置される。
【0036】
このように取り付けられるので、図6から理解されるように、検知ユニット118の前面側からの太陽光は第1方位検知太陽光発電パネル124により受光され、検知ユニット118の後面側からの太陽光は第2方位検知太陽光発電パネル126により受光され、片側面側からの太陽光は第3方位検知太陽光発電パネル128により受光され、また他側面側からの太陽光は第4方位検知太陽光発電パネル130により受光され、従って、この全方位検知手段112は、全方位からの太陽光を所要の通りに受光することができる。
【0037】
また、水平方位検知手段114の水平方位検知太陽光発電パネル132は、第2部材138と第4部材142の間におけるユニット本体120の前面に取り付けられる。このように取り付けることによって、この水平方位検知太陽光発電パネル132の横方向(水平方向)片側に第2部材138が位置し、その横方向他側に第4部材142が位置し、第2部材138の壁部が片側の水平方位の遮蔽部材として機能し、第4部材142が他側の水平方位の遮蔽部材として機能し、片側の水平方位遮蔽部材(第2部材138)は、パネル組立体6の矢印15(図2)で示す旋回移動方向に見て下流側からの太陽光を遮蔽し、また他側の水平方位遮蔽部材(第4部材142)は、パネル組立体6の矢印15(図2)で示す旋回移動方向に見て上流側からの太陽光を遮蔽し、水平方位検知太陽光発電パネル132及びその両側の水平方位遮蔽部材が水平方位検知手段114を構成する。こような構成の水平方位検知手段114は、一対の水平方位遮蔽部材間において、上下方向に延びる帯状の太陽光を受光して後述するようにして太陽光の水平方位を検知する。
【0038】
更に、仰角検知手段116の仰角検知太陽光発電パネル134は、第1部材136と第3部材140の間における第2部材138の前面に取り付けられる。このように取り付けることによって、この仰角検知太陽光発電パネル134の上下方向片側(下側)に第1部材138の先端部144が位置し、その上下方向他側(上側)に第3部材140の先端部146が位置し、第1部材136の先端部144が片側の仰角遮蔽部材として機能し、第3部材140の先端部146が他側の仰角遮蔽部材として機能し、片側の仰角遮蔽部材(第1部材136)は、パネル組立体6の上下方向下側からの太陽光を遮蔽し、また他側の仰角遮蔽部材(第3部材140)は、パネル組立体6の上下方向上側からの太陽光を遮蔽し、仰角検知太陽光発電パネル134及びその上下方向両側の仰角遮蔽部材が仰角検知手段116を構成する。こような構成の仰角検知手段116は、一対の仰角遮蔽部材間において、水平方向に延びる帯状の太陽光を受光して後述するようにして太陽光の仰角を検知する。
【0039】
この実施形態では、検知ユニット118の検知取付部122(即ち、全方位検知手段112、水平方位検知手段114及び仰角検知手段116)が透明なカバー部材150により覆われており、このように覆うことによって、検知取付部122を保護することができる。尚、このカバー部材152は、太陽光を高効率で通過させる例えば樹脂材料から形成するのが望ましい。
【0040】
次に、図7及び図8を参照して、水平方位検知手段114の検知原理を説明する。水平方位検知手段114を簡略的に示すと、図7(a)及び(b)に示す通りとなる。この水平方位検知手段114は、太陽光を受光する水平方位検知太陽光発電パネル132と、この水平方位検知太陽光発電パネル132が取り付けられる取付部材154とから構成される。取付部材154は略コ字状に形成され、その本体部156に水平方位検知太陽光発電パネル132が取り付けられ、この本体部156の両側部から延びる側壁部158,160が水平方位遮蔽部材として機能する。
【0041】
この水平方位検知手段114においては、取付部材154の一対の側壁部158,160が上下方向に延びるようにパネル組立体6(即ち、被旋回移動体)に取り付けられ、水平方位検知太陽光発電パネル132はパネル組立体6の表面(即ち、被旋回移動体の受光面)と同一方向を向くように配置され(換言すると、水平方位検知太陽光発電パネル132の面とパネル組立体6の表面とが相互に平行となるように配置される)、このように配置することによって、水平方位検知太陽光発電パネル132の面及びパネル組立体6の表面への太陽光の入射状態が同じようになる。
【0042】
この水平方位検知手段114の水平方位検知太陽光発電パネル132は、図7(a)及び(b)から理解されるように、太陽光を上下方向の帯状に受光して発電を行い、この発電量がパネル組立体6の水平方向の旋回移動の制御に利用され、このように帯状に受光することにより、太陽の仰角に実質上関係なくその水平方位を検知することができる。この水平方位検知太陽光発電パネル132に関連して、第1駆動機構14の電動モータ28を制御するための制御系に第1マイクロリレー(図示せず)が設けられ、この第1マイクロリレーが水平方位検知太陽光発電パネル132の発電電力により作動されるように構成され、第1マイクロリレーは第1駆動機構14を作動制御するための制御手段の一部を構成する。
【0043】
図11に示すように、水平方位検知太陽光発電パネル132の発電量は、太陽に正対向する位置に位置するときが最も大きく、この正対向位置からずれるほどその発電量が低下する。太陽光発電パネル132のこのような発電特性に着目し、正対向位置のときの水平方位検知太陽光発電パネル132の発電量よりも幾分低い電力値を第1マイクロリレーの第2動作点(この動作点を第2所定値V2として説明する)として設定し、水平方向検知太陽光発電パネル132の発電電力が第2動作点(第2所定値V2)以上になると、この第1マイクロリレーが作動して第1駆動機構14の制御系を「閉」から「開」に切り換え、第1駆動機構14の作動が停止する。
【0044】
この水平方位検知手段114の水平方位検知太陽光発電パネル132は、図8に示すように、太陽Sに正対向するように位置付けられ、これによって、パネル組立体6の受光面も太陽Sに正対向されるように移動される。即ち、水平方位検知太陽光発電パネル132は、図8から理解されるように、太陽Sと正対向する状態においては、太陽Sからの光は取付部材154の一対の側壁部158,160(水平方位遮蔽部材)に遮蔽されることなく水平方位検知太陽光発電パネル132に入射し、従って、このときには水平方位検知太陽光発電パネル132の発電電力は上記第2動作点(第2所定値V2)以上となり、第1マイクロリレー(図示せず)は第1駆動機構14の制御系を「開」にして第1駆動機構14を作動停止状態に保持し、パネル組立体6(被旋回移動体)は、水平方位において太陽Sに正対向する状態に保持される。
【0045】
このような状態から太陽Sが例えば図8において左から右に向けて幾分移動すると、水平方位検知太陽光発電パネル132に受光される太陽光の一部は、取付部材154の側壁部158(太陽Sの移動方向に見て上流側に位置する側壁部であって、水平方位遮蔽部材として機能する)によって遮蔽されて水平方位検知太陽光発電パネル132に到達せず、従って、このときには水平方位検知太陽光発電パネル132の発電電力は上記第2動作点(第2所定値V2)よりも低くなり、第1マイクロリレー(図示せず)は「開」から「閉」に切り換わる。このよう切り換わったときに、後述する第3マイクロリレーが「閉」状態に保たれていると、第1駆動機構14が作動され、パネル組立体6(被旋回移動体)が太陽Sの移動方向に移動する。そして、このように移動して水平方位検知太陽光発電パネル132が太陽Sと正対向すると、再び太陽Sからの光は取付部材154の一対の側壁部158,160に遮蔽されることなく水平方位検知太陽光発電パネル132に入射し、水平方位検知太陽光発電パネル132の発電電力は上記第2動作点(第2所定値V2)以上となり、第1マイクロリレー(図示せず)は第1駆動機構14の制御系を「開」にして第1駆動機構14を作動停止し、このように水平方位検知太陽光発電パネル132の発電出力を利用してパネル組立体6(被旋回移動体)を水平方位において太陽の動きに追尾させて実質上無段階に移動させることができる。
【0046】
また、図9及び図10を参照して、仰角検知手段116の検知原理を説明する。仰角検知手段116を簡略的に示すと、図9(a)及び(b)に示す通りとなる。この仰角検知手段116は、太陽光を受光する仰角検知太陽光発電パネル134と、この仰角検知太陽光発電パネル134が取り付けられる取付部材162とから構成される。取付部材162は、水平方位検知手段114の取付部材154と同様に、略コ字状に形成され、その本体部164に仰角検知太陽光発電パネル134が取り付けられ、この本体部164の上下方向両側部から延びる側壁部166,168が仰角遮蔽部材として機能する。
【0047】
この仰角検知手段116においては、取付部材162の一対の側壁部166,168が水平方向に延びるようにパネル組立体6(即ち、被旋回移動体)に取り付けられ、仰角検知太陽光発電パネル134はパネル組立体6の表面(即ち、被旋回移動体の受光面)と同一方向を向くように配置され(換言すると、仰角検知太陽光発電パネル134の面とパネル組立体6の表面とが相互に平行となるように配置される)、このように配置することによって、仰角検知太陽光発電パネル134の面及びパネル組立体6の表面への太陽光の入射状態が同じようになる。
【0048】
この仰角検知手段116の仰角検知太陽光発電パネル134は、図9(a)及び(b)から理解されるように、太陽光を水平方向の帯状に受光して発電を行い、この発電量がパネル組立体6の仰角方向の旋回移動の制御に利用され、このように水平方向に帯状に検知することによって、太陽の水平方向の方位に実質上関係なくその仰角を検知することができる。この仰角検知太陽光発電パネル134に関連して、第2駆動機構46の駆動ギアモータ(図示せず)の制御系に第2マイクロリレー(図示せず)が設けられ、この第2マイクロリレーが仰角検知太陽光発電パネル134の発電電力により作動されるように構成され、第2マイクロリレーは、第2駆動機構46を作動制御するための制御手段の一部を構成する。
【0049】
この仰角検知太陽光発電パネル134においても、その発電量は図11に示すようになり、太陽に正対向する位置に位置するときが最も大きく、この正対向位置からずれるほどその発電量が低下し、正対向位置のときの仰角検知太陽光発電パネル134の発電量よりも幾分低い電力値を第2マイクロリレーの第3動作点(この動作点を第3所定値V3として説明する)として設定し、仰角検知太陽光発電パネル134の発電電力が第3動作点(第3所定値V3)以上になると、この第2マイクロリレーが作動して第2駆動機構46の制御系を「閉」から「開」に切り換え、第2駆動機構46の作動が停止する。
【0050】
この仰角検知手段116の仰角検知太陽光発電パネル134は、図10に示すように、上下方向(仰角方向)において太陽Sに正対向するように位置付けられ、これによって、パネル組立体6の受光面も太陽Sに正対向されるように移動される。即ち、仰角検知太陽光発電パネル134は、図10から理解されるように、太陽Sと正対向する状態においては、太陽Sからの光は取付部材162の一対の側壁部166,168(仰角遮蔽部材)に遮蔽されることなく仰角検知太陽光発電パネル134に入射し、従って、このときには仰角検知太陽光発電パネル132の発電電力は第3動作点(第3所定値V3)以上となり、第2マイクロリレー(図示せず)は第2駆動機構46の制御系を「開」にして第2駆動機構46を作動停止状態に保持し、パネル組立体6(被旋回移動体)は、上下方向(仰角方向)において太陽Sに正対向する状態に保持される。
【0051】
このような状態から太陽Sが例えば図10において下(又は上)から上(又は下)に向けて幾分移動すると、仰角検知太陽光発電パネル134に受光される太陽光の一部は、取付部材154の側壁部166(又は168)によって遮蔽されて仰角検知太陽光発電パネル134に到達せず、従って、このときには仰角検知太陽光発電パネル134の発電電力は第3動作点(第3所定値V3)よりも低くなり、第2マイクロリレー(図示せず)は閉状態に切り換えられる。このよう切り換わったときに、後述する第4マイクロリレーが閉状態に保持されていると、第2駆動機構46が作動され、パネル組立体6(被旋回移動体)が太陽Sの移動方向に上方(又は下方)に移動する。そして、このように上方(又は下方)に移動して仰角検知太陽光発電パネル134が太陽Sと正対向すると、再び太陽Sからの光は取付部材162の一対の側壁部166,168に遮蔽されることなく仰角検知太陽光発電パネル134に入射し、仰角検知太陽光発電パネル134の発電電力は第2マイクロリレーの第3動作点(第3所定値V3)以上となり、第2マイクロリレー(図示せず)は第2駆動機構46の制御系を「開」にして第2駆動機構46を作動停止し、このように仰角検知太陽光発電パネル134の発電出力を利用してパネル組立体6(被旋回移動体)を仰角方向において太陽Sの動きに追尾させて実質上無段階に移動させることができる。
【0052】
また、全方位検知手段112についても、第1〜第4方位検知太陽光発電パネル124,126,128、130の全発電電力(これら4つの方位検知太陽光発電パネルの合計発電電力)がパネル組立体6の水平方向及び仰角方向の旋回移動の制御に用いられ、全方位検知手段112の第1〜第4方位検知太陽光発電パネル124〜130に関連して、第1駆動機構14の電動モータ28の制御系に上記第1マイクロリレー(図示せず)に電気的に直列に第3マイクロリレー(図示せず)が配設されるとともに、第2駆動機構46の駆動ギアモータ(図示せず)の制御系に上記第2マイクロリレーに電気的に直列に第4マイクロリレー(図示せず)が配設され、第3及び第4マイクロリレーが第1〜第4方位検知太陽光発電パネル124〜130の全発電電力により作動されるように構成され、第3マイクロリレーは、第1駆動機構14を作動制御するための制御手段の一部を構成し、第4マイクロリレーは第2駆動機構46を作動制御するための制御手段の一部を構成する。
【0053】
全方位検知手段112の第1〜第4方位検知太陽光発電パネル124〜130においても、これらの全発電電力は、例えば昼間において太陽が出ていてその光が強いときには大きく、例えば昼間において太陽が雲に隠れている、又は雨、雪などが降っていて太陽が出ていない、或いは夜間で太陽が出ていないなどのときには、太陽からの光は弱く、又はほとんどなく、このようなときにはこれらの全発電電力が低下し、太陽の光がある程度強くてパネル組立体6を利用することができるときには、これらの全発電電力を第3及び第4マイクロリレー(図示せず)の第1動作点(この動作点を第1所定値V1として説明する)として設定し、第1〜第4方位検知太陽光発電パネル124〜130の全発電電力が上記第1動作点(第1所定値V1)以上になると、第3及び第4マイクロリレーが作動して開状態から名状態となり、第1及び第2駆動機構14,46の制御系の作動が許容される状態となる。
【0054】
一方、太陽からの光が弱く、又はほとんどなくてパネル組立体6を利用することができないときには、第1〜第4方位検知太陽光発電パネル124〜130の全発電電力が上記第1動作点(第1所定値V1)より低くなり、第3及び第4マイクロリレーが開状態となって第1及び第2駆動機構14,46の制御系が「閉」から「開」に切り換えられ、第1及び第2駆動機構14,46の制御系が非作動状態になり、パネル組立体6(被旋回移動体)はその状態に停止保持される。
【0055】
上述した太陽追尾システム1では、図12に示すように、支持脚体4の支持軸12の外周側に環状部材172が配設され、この環状部材172が基台本体2に取り付けられている。この環状部材172には、左旋回停止スイッチ174及び右旋回停止スイッチ176が設けられている。基台本体2は、図12に示すような方位関係に設置され、このような設置状態においては、この左旋回停止スイッチ174は、例えば「東北東」の方位に配設され、左方向(即ち、図12において反時計方向)のパネル組立体6の旋回移動を停止する。また、右旋回停止スイッチ176は、例えば「西北西」の方位に配設され、右方向(即ち、図12において時計方向)のパネル組立体6の旋回移動を停止する。
【0056】
また、支持軸12には、環状部材172に向けて延びる作用部材178が設けられ、この作用部材178は支持軸12の移動とともに一体的に回動する。支持軸12が左回転して作用部材178が「東北東」の位置まで回動すると、この作用部材178は左旋回停止スイッチ174を押圧し、また支持軸12が右回転して作用部材178が「西北西」の位置まで回動すると、この作用部材178は右旋回停止スイッチ176を押圧する。
【0057】
上述したシステムにおいては、太陽の動きに対する追尾は、次のようにして行われる。昼間において、太陽が雲で覆われている、雨が降っているときなどにおいては、全方位検知手段112の第1〜第4方位検知太陽光発電パネル124〜130の全発電電力が第1動作点(第1所定値V1)よりも低くなり、第1及び第2駆動機構14,46の制御系における第3及び第4マイクロリレー(図示せず)が開状態となって第1及び第2駆動機構14,46の制御系が「開」となる。従って、第1及び第2駆動機構14,46の制御系が非作動状態になり、パネル組立体6(被旋回移動体)はその状態に保持され、水平方向及び仰角方向(上下方向)に旋回移動することはない。
【0058】
一方、昼間において、太陽からの光が強いときには、全方位検知手段112の第1〜第4方位検知太陽光発電パネル124〜130の全発電電力が上記第1動作点(第1所定値V1)以上になり、上記第3及び第4マイクロリレーが第1〜第4方位検知太陽光発電パネル124〜130からの発電電力でもって作動して閉状態になり、第1及び第2駆動機構14,46の制御系の作動が許容される状態となる。
【0059】
このような状態において、太陽が「東」から「西」に移動すると、水平方位検知手段114の水平方位検知太陽光発電パネル132に受光される太陽光の一部が、第2部材138によって遮蔽されて水平方位検知太陽光発電パネル132に到達しなくなってその発電電力は上記第2動作点(第2所定値V2)よりも低くなり、第1マイクロリレー(図示せず)は、閉状態に切り換わる。かくすると、第3マイクロリレー(図示せず)も閉状態に保たれているので、第1駆動機構14の電動モータ28が蓄電池100(図1参照)からの電力を利用して作動され、パネル組立体6(被旋回移動体)が、水平方位において太陽Sの移動方向に移動される。
【0060】
そして、このように移動して水平方位検知太陽光発電パネル132が太陽Sと正対向すると、太陽Sからの光は第2部材138に遮蔽されることなく水平方位検知太陽光発電パネル132に入射し、水平方位検知太陽光発電パネル132の発電電力は上記第2動作点(第2所定値V2)以上となる。かくすると、第1マイクロリレー(図示せず)は、水平方位検知太陽光発電パネル132からの発電電力でもって開状態となり、これによって、第1駆動機構14の制御系が開状態となって第1駆動機構14の作動が停止し、このようにしてパネル組立体6を水平方位において太陽の動きに追尾させて移動させることができる。
【0061】
また、上述した状態において、太陽が「東」から「西」に移動しながら上がる(又は下がる)と、仰角検知手段116の仰角検知太陽光発電パネル134に受光される太陽光の一部が、第3部材140(又は第1部材136)によって遮蔽されて仰角検知太陽光発電パネル134に到達しなくなってその発電電力は上記第3動作点(第3所定値V3)よりも低くなり、第2マイクロリレー(図示せず)は、閉状態に切り換わる。かくすると、第4マイクロリレー(図示せず)も閉状態に保たれているので、第2駆動機構46の駆動ギアモータ(図示せず)が蓄電池100(図1参照)からの電力を利用して作動され、パネル組立体6が太陽の仰角方向(上下方向)において移動方向に移動される。
【0062】
そして、このように移動して仰角検知太陽光発電パネル134が太陽と正対向すると、太陽からの光は第3部材140(又は第1部材136)に遮蔽されることなく仰角検知太陽光発電パネル134に入射し、仰角検知太陽光発電パネル134の発電電力は上記第3動作点(第3所定値V3)以上となる。かくすると、第2マイクロリレー(図示せず)は、仰角検知太陽光発電パネル134からの発電電力でもって開状態となり、これによって、第2駆動機構46の制御系が開状態となって第2駆動機構46の作動が停止し、このようにしてパネル組立体6を仰角方向において太陽の動きに追尾させて移動させることができる。
【0063】
昼間においては、全方位検知手段112、水平方位検知手段114及び仰角検知手段116の検知信号(換言すると、それらの検知信号)に基づいて制御手段(図示せず)が上述したように第1及び第2駆動機構14,46を作動制御するので、パネル組立体6(被旋回移動体)は太陽の動きに追尾して移動される。そして、太陽が「西」に沈んで夜間になると、全方位検知手段112の第1〜第4方位検知太陽光発電パネル124〜130の全発電電力が第1動作点(第1所定値V1)よりも低く、第1及び第2駆動機構14,46の制御系における第3及び第4マイクロリレー(図示せず)が開状態となり、パネル組立体6は旋回移動することはないが、この夜間において、パネル組立体6が初期位置に位置付けられる。例えば、夜間の適宜の時刻に第1駆動機構14が作動して支持軸12(即ち、パネル組立体6)が図12において時計方向に旋回移動され、作用部材178が「西北西」の位置まで移動すると、この作用部材178は右旋回停止スイッチ176を押圧する。かくすると、第1駆動機構14の電動モータ28の回転方向が反転し、支持軸12が図12において反時計方向に旋回移動され、作用部材178が「東北東」の位置まで移動すると、この作用部材178が左旋回停止スイッチ174押圧し、かく押圧することによって、電動モータ28の作動が停止し、このようにしてパネル組立体6が初期位置(作用部材178が左旋回スイッチ174を押圧する角度位置)に位置付けられ、このようにして書位置に位置付けて翌日の準備状態に保つ。尚、この実施形態では、「東北東」の角度位置を初期位置としているが、例えば「西北西」の角度位置(作用部材178が右旋回停止スイッチ176を押圧する角度位置)を初期位置とするようにしてもよい。
【0064】
図1〜図12を参照して、一実施形態の太陽追尾システムを備えた太陽熱利用温水貯湯システムについて説明したが、本発明の太陽追尾システムは、このような実施形態に限定されず、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。
【0065】
例えば、上述した実施形態では、全方位検知手段112、水平方位検知手段114及び仰角検知手段116を検知ユニット118として構成しているが、このように一つの検知ユニット118と構成する必要はなく、例えば、全方位検知手段112、水平方位検知手段114及び仰角検知手段116をそれぞれ別個に構成し、各検知手段112,114,116をパネル組立体6(被旋回移動体)に取り付けるようにしてもよい。
【0066】
また、例えば、全方位検知手段112として、上述した構成に代えて、図13に示すものを用いるようにしてもよい。図13(a)は第1の変形形態の全方位検知手段を示し、この全方位検知手段112Aは、頂部を切断した四角錐状の取付本体182を有し、この取付本体182の4側面の各々とその先端頂面にそれぞれ方位検知太陽光発電パネル184が取り付けられ、合計5つの太陽光発電パネルが用いられる。図13(b)は第2の変形形態の全方位検知手段を示し、この全方位検知手段112Bは、三角錐状の取付本体186を有し、この取付本体186の3側面の各々にそれぞれ方位検知太陽光発電パネル188が取り付けられ、合計3つの太陽光発電パネルが用いられる。図13(c)は第3の変形形態の全方位検知手段を示し、その全方位検知手段112Cは、円錐状の取付本体190を有し、この取付本体186の側面の全周にわたって方位検知太陽光発電パネル192が設けられ、方位検知太陽光発電パネル192は一つ又は複数のものから構成することができる。また、図13(d)は第4の変形形態の全方位検知手段を示し、その全方位検知手段112Dは、円筒状の取付本体194を有し、この取付本体186の側面の全周にわたって方位検知太陽光発電パネル196が設けられ、この場合においても、方位検知太陽光発電パネル196は一つ又は複数のものから構成することができる。
【0067】
また、例えば、水平方位検知手段114として、上述した構成に代えて、図14に示すものを用いるようにしてもよい。図14(a)は第1の変形形態の水平方位検知手段を示し、このような水平方位検知手段は、北半球の地域にて設置する場合に使用される。この水平方位検知手段114Aでは、被旋回移動体201(例えば、パネル組立体)の矢印202で示す旋回方向(第1軸線を中心とする旋回方向)に見て下流側の水平方位遮蔽部材204は存在するが、矢印202で示す旋回方向に見て上流側の水平方位遮蔽部材は省略されている。従って、被旋回移動体201に取り付けられる取付部材206は、水平方位検知太陽光発電パネル208が取り付けられる本体部210を備え、水平方位遮蔽部材204は、本体部210の一側部(矢印202で示す方向に見て上流側の側部)に設けられ、矢印202で示す方向の太陽の移動により、太陽からの光の少なくとも一部がこの水平方位遮蔽部材204により遮蔽されるようになる。
【0068】
また、図14(b)は第2の変形形態の水平方位検知手段を示し、このような水平方位検知手段は南半球の地域に接地する場合に用いられる。この水平方位検知手段114Bでは、被旋回移動体211(例えば、パネル組立体)の矢印212で示す旋回方向(第1軸線を中心とする旋回方向)に見て下流側の水平方位遮蔽部材214は存在するが、矢印212で示す旋回方向に見て上流側の水平方位遮蔽部材は省略されている。従って、被旋回移動体211に取り付けられる取付部材216は、水平方位検知太陽光発電パネル218が取り付けられる本体部220を備え、水平方位遮蔽部材214は、本体部220の一側部(矢印212で示す方向に見て上流側の側部)に設けられ、矢印212で示す方向の太陽の移動により、太陽からの光の少なくとも一部がこの水平方位遮蔽部材214により遮蔽されるようになる。
【0069】
また、水平方位検知手段(又は仰角検知手段)の太陽光発電パネルは、図15に示すように取り付けることもできる。図15において、この形態の水平方位検知手段114C(又は仰角検知手段116C)は、被旋回移動体に取り付けられる取付部材222を備え、この取付部材222の取付部224の取付面226が傾斜面として形成され、この取付面226に水平方位検知太陽光発電パネル228(又は仰角検知太陽光発電パネル230)が取り付けられる。また、この取付面226と対向するように、取付部224の一端部に水平方向遮蔽部材228(又は仰角遮蔽部材230)が設けられる。このような水平方位検知手段114C(又は仰角検知手段116C)を用いた場合、上述したと同様の効果が達成されるとともに、太陽に正対向したときにおいても、水平方位検知太陽光発電パネル228(又は仰角検知太陽光発電パネル230)の発電電力を小さく抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】第1の実施形態の太陽追尾システムを装備した温水貯湯システムを示すシステム図。
【図2】図1の温水貯湯システムにおける太陽追尾システムの側面図。
【図3】図2の太陽追尾システムの基体本体に内蔵された第1駆動機構を示す図。
【図4】図2の太陽追尾システムにおける太陽位置検知手段の取付状態を示す斜視図。
【図5】図4の太陽位置検知手段を示す斜視図。
【図6】図5の太陽位置検知手段を示す断面図。
【図7】図7(a)は、図5の太陽位置検知手段の水平方位検知手段の原理を説明するために簡略的に示す斜視図、また図7(b)は、その簡略的断面図。
【図8】図7の水平方位検知手段の検知原理を説明するための説明図。
【図9】図9(a)は、図5の太陽位置検知手段の仰角検知手段の原理を説明するために簡略的に示す斜視図、また図9(b)は、その簡略的断面図。
【図10】図9の仰角検知手段の検知原理を説明するための説明図。
【図11】太陽光発電パネルの受光量と発電電力との関係を示す図。
【図12】図2の太陽追尾システムの制御系の一部を示す簡略図。
【図13】図13(a)〜(d)は、いずれも、全方位検知手段の種々の変形形態を簡略的に示す斜視図。
【図14】図14(a)及び(b)は、いずれも、水平方位検知手段の変形形態を簡略的に示す斜視図。
【図15】図15(a)は、水平方位検知手段の更に他の変形形態を示す斜視図、図15(b)は、その断面図。
【符号の説明】
【0071】
1 太陽追尾システム
2 基台本体
4 支持脚体
6 パネル組立体(被旋回移動体)
14 第1駆動機構
16 第1軸線
26 第2軸線
110 太陽位置検知手段
112,112A,112B,112C,112D 全方位検知手段
114,114A,114B,114C 水平方位検知手段
116,116C 仰角検知手段
118 検知ユニット
124,126,128,130 方位検知太陽光発電パネル
132 水平方位検知太陽光発電パネル
134 仰角検知太陽発電パネル
S 太陽

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台本体と、前記基台本体に上下方向に延びる第1軸線を中心として旋回自在に支持された支持脚体と、前記支持脚体に水平方向に延びる第2軸線を中心として旋回自在に支持された被旋回移動体と、前記支持脚体を前記第1軸線を中心として水平方向に旋回させるための第1駆動機構と、前記被旋回移動体を前記第2軸線を中心として上下方向に旋回させるための第2駆動機構と、太陽の位置を検知するための太陽位置検知手段と、前記太陽位置検知手段からの検知信号に基づいて前記第1及び第2駆動機構を作動制御するための制御手段とを備えた太陽追尾システムにおいて、
前記太陽位置検知手段は、太陽の全方位を検知するための全方位検知手段と、太陽の水平方向の方位を検知するための水平方位検知手段と、太陽の上下方向の仰角を検知するための仰角検知手段と、を備え、前記全方位検知手段、前記水平方位検知手段及び前記仰角検知手段は太陽光を受光して発電する太陽光発電パネルから構成され、
前記制御手段は、前記全方位検知手段の発電量が第1所定値以上になると、前記第1駆動機構を作動させて前記支持脚体を前記第1軸線を中心として所定水平方向に駆動し、前記水平方位検知手段が太陽と正対向してその発電量が第2所定値以上になると前記第1駆動機構の作動を停止し、また前記第2駆動機構を作動させて前記被旋回移動体を前記第2軸線を中心として上下方向に駆動し、前記仰角検知手段が太陽と正対向してその発電量が第3所定値以上になると前記第2駆動機構の作動を停止し、かくして、前記被旋回移動体は太陽の移動に追尾して移動されることを特徴とする太陽追尾システム。
【請求項2】
前記水平方位検知手段は、太陽光を上下方向の帯状に受光して太陽の水平方位を検知し、前記前記仰角検知手段は太陽光を水平方向の帯状に受光して太陽の仰角を検知することを特徴とする請求項1に記載の太陽追尾システム。
【請求項3】
前記水平方位検知手段は、太陽光を上下方向の帯状に受光する水平方位検知太陽光パネルと、前記水平方位検知太陽光パネルに入射する太陽光を遮蔽するための水平方位遮蔽部材とを備え、前記水平方位遮蔽部材は、前記被旋回移動体が水平移動する所定水平方向において少なくとも前記水平方位検知太陽光パネルの上流側に配設され、太陽と正対向するときには前記水平方位検知太陽光パネルに入射する太陽光を遮蔽せず、太陽と正対向しないときには前記水平方位検知太陽光パネルに入射する太陽光の少なくとも一部を遮蔽することを特徴とする請求項2に記載の太陽追尾システム。
【請求項4】
前記仰角検知手段は、太陽光を水平方向の帯状に受光する仰角検知太陽光パネルと、前記仰角検知太陽光パネルに入射する太陽光を遮蔽するための仰角遮蔽部材とを備え、前記仰角遮蔽部材は、前記被旋回移動体が上下移動する上下方向において前記仰角検知太陽光パネルの両側に配設され、太陽と正対向するときには前記仰角検知パネルに入射する太陽光を遮蔽せず、太陽光と正対向しないときには前記仰角検知太陽光パネルに入射する太陽光の少なくとも一部を遮蔽することを特徴とする請求項2に記載の太陽追尾システム。
【請求項5】
前記全方位検知手段、前記水平方位検知手段及び前記仰角検知手段は検知ユニットとして構成され、前記水平方向検知手段及び前記仰角検知手段の前記太陽光発電パネルは、前記被旋回移動体の受光面と同一方向を向くように配置され、また前記全方向検知手段は第1〜第4方位検知太陽光パネルから構成され、前記第1方位検知太陽光パネルは、前記被旋回移動体の前記受光面と同一方向で且つ上方に傾斜して向くように配置され、前記第2方位検知太陽光パネルは、前記被旋回移動体の前記受光面と反対方向で且つ上方に傾斜して向くように配置され、前記第3方位検知太陽光パネルは、前記旋回移動体の前記受光面と垂直な方向で且つ前記被旋回移動体の水平移動方向の上流側を向くように配置され、また前記第4方位検知太陽光パネルは、前記旋回移動体の前記受光面と垂直な方向で且つ前記被旋回移動体の水平移動方向の下流側を向くように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の太陽追尾システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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