説明

太陽電池のフォトルミネセンスによる欠陥検査装置及び方法

【課題】太陽電池のクラック等の欠陥の検査を一定の判定レベルで簡単に行うことができる検査装置と方法を提供する。
【解決手段】太陽電池を検査する装置(1)は、複数の太陽電池(10a)を有する太陽電池パネル(10)を載置する試料台(25)と、太陽電池を照射するためのLED(32)を有する照射装置(31)と、LEDに電流を印加するLED電源(30)と、フィルター(37)を介して太陽電池の発光を撮像する撮像装置(35)と、撮像装置による撮像を制御し、撮像装置により撮像した画像を処理する制御演算装置(50)と、照射装置と撮像装置を移動するための駆動装置(40)とを備える。駆動装置により照射装置と撮像装置を移動して、太陽電池パネルの各々の太陽電池の画像を撮像する。制御演算装置は、太陽電池の2つの画像から差分画像を作成し、差分画像を所定のしきい値で2値化し、差分2値化画像を作成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池及び太陽電池パネルの欠陥検査装置、特に太陽電池表面のクラック等の欠陥を検査する装置、及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、太陽電池及び太陽電池パネルの検査は、目視により太陽電池表面にクラックがあるか検査していた。検査員によりクラックを判定するレベルに差が有り、また、検査のミスもあった。また、検査に時間がかかるという問題もあった。
【0003】
そのため、太陽電池のクラック等の欠陥を一定の判定レベルで、短時間に検査することが望まれている。
【0004】
特許文献1は、太陽電池表面に斜光照明、落射照明を当て、工業用TVカメラにより撮像し、画像データをメモリに記憶し、斜光照明を当てたときと、落射照明を当てたときの画像を比較し、欠陥の判定をする検査装置を開示する。
【0005】
しかし、特許文献1の検査装置は、照明の切り換え等の操作が複雑である。また表面の反射により検査するため、表面のクラックしか検出することができず、内部のクラックは検出することができなかった。また、電気短絡状態等の組成による欠陥を検出することができなかった。
【0006】
特許文献2は、光源から光起電力素子に光を照射し、測定端子棒により起電力を測定する光起電力素子の特性検査装置を開示する。
特許文献2の検査装置は、起電力を測定する必要があり、そのための測定装置が必要である。特許文献2では、プローブで起電力を測定することにより、部分的な特性を検査することができるとしているが、欠陥の細かい形状を検出することはできなかった。
【0007】
そのため、太陽電池のクラックによる欠陥の検査を一定の判定レベルで、簡単に行うことができる検査装置と、検査方法が望まれている。
【0008】
【特許文献1】特開平3−218045号
【特許文献2】特開平9−186212号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、太陽電池のクラック等の欠陥の検査を一定の判定レベルで簡単に行うことができる検査装置を提供することである。また、このような検査装置を使用した検査方法を提供することである。
本発明の他の目的は、内部のクラックも検出することができ、また、電気短絡状態等の組成による欠陥も検出することができる装置及び方法を提供することである。
本発明の他の目的は、欠陥の分布状態を検出することができる装置及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
太陽電池にバンドギャップ以上のエネルギーを有する光が入射すると吸収され、バンドギャップに相当するエネルギーの光を放射する。太陽電池に欠陥があると、欠陥部分の発光強度は正常な部分の発光強度と異なる。本発明は、この太陽電池のフォトルミネセンス効果を用い、発光強度の違いにより欠陥を検出する。クラックや電気的短絡状態等の欠陥が存在すると、発光強度が周囲と異なる。発光を目視し、又はカメラで撮像することにより、簡単に太陽電池の欠陥を検出することができる。
【0011】
本発明の1態様は、太陽電池の欠陥を検査する装置であって、
前記太陽電池を載置する試料台と、
前記太陽電池を照射するための、LEDユニットを有する照射装置と、
前記LEDユニットのLEDに電流を印加するためのLED電源と、
前記太陽電池の画像を撮像するための、フィルターユニットを有する撮像装置と、
前記撮像装置による撮像を制御し、前記撮像装置により撮像した画像データを処理する制御演算装置と、
撮像した画像を表示する出力装置と、を備え、
前記フィルターユニットのフィルターは、長波長透過フィルターであり、透過限界波長は、前記LEDの発光波長より長く、前記太陽電池の少なくとも1つの発光波長より短いことを特徴とする太陽電池検査装置である。
【0012】
これにより、太陽電池の発光を肉眼で見ることによって、又は、太陽電池の発光を撮像装置により撮像した画像を肉眼で見ることによって、クラック等の欠陥を簡単に判定することができる。
また、LEDの発光が撮像装置に入射せず、太陽電池の発光を検出することができる。
【0013】
前記照射装置の前記LEDユニットは、LEDが前記太陽電池を斜め上方から照射するように取付けられていることが好ましい。
これにより、LEDの発光が太陽電池で反射し撮像装置に直接入射するのを防止することができる。
【0014】
前記LEDユニットは、前記照射装置に交換可能に取付けられ、
前記フィルターユニットの前記フィルターは交換可能に取付けられていることが好ましい。
異なる発光波長のLEDにより太陽電池を照射し、透過限界波長の異なるフィルターを用いることより、太陽電池の異なる層の発光を分離して撮像することができる。
【0015】
本発明の別の態様は、太陽電池の欠陥を検査する装置であって、
前記太陽電池を載置する試料台と、
前記太陽電池を照射するための、LEDユニットを有する照射装置と、
前記LEDユニットのLEDに電流を印加するためのLED電源と、
前記太陽電池の画像を撮像するための、フィルターユニットを有する撮像装置と、
前記撮像装置による撮像を制御し、前記撮像装置により撮像した画像データを処理する制御演算装置と、
撮像した画像を表示する出力装置と、を備え、
前記LEDユニットは、第1の発光波長を有する第1のLEDと第2の発光波長を有する第2のLEDとを含み、第1のLEDと第2のLEDとを選択的に発光させることができ、
前記フィルターユニットは、第1の透過限界波長を有する第1のフィルターと、第2の透過限界波長を有する第2のフィルターとを含み、前記第1のフィルターと第2のフィルターとを自動的に交換することができ、
前記第1のフィルターの前記第1の透過限界波長は、前記第1のLEDの第1の発光波長より長く、前記太陽電池の第1の発光波長より短く、
前記第2のフィルターの前記第2の透過限界波長は、前記第2のLEDの第2の発光波長より長く、前記太陽電池の第2の発光波長より短いことを特徴とする太陽電池検査装置である。
これにより、第1のLEDを発光させて、太陽電池の第1の発光を第1のフィルターを通して撮像し、次に、第2のLEDを発光させて、太陽電池の第2の発光を第2のフィルターを通して撮像し、太陽電池の第1の発光と第2の発光を区別して捕らえることができる。
【0016】
前記試料台上には、複数の太陽電池を有する太陽電池パネルを載置することができ、
前記照射装置と前記撮像装置を移動するための駆動装置を備え、
前記制御演算装置は、前記駆動装置を制御するための駆動制御部を備え、
前記駆動装置により前記照射装置と前記撮像装置を移動して、前記太陽電池パネルの各々の太陽電池の画像を撮像することができることが好ましい。
これにより、太陽電池パネル内の複数の太陽電池を順次自動的に撮像することができる。
【0017】
前記制御演算装置は、前記LED電源にかける電流をオンオフするLED電源オンオフ部を備え、前記撮像装置が前記太陽電池の画像を撮像する間だけ、前記にかける電流をオンにすることが好ましい。
これにより、電流印加による太陽電池の過熱を防止することができる。
【0018】
前記制御演算装置は、前記太陽電池の2つの画像から差分画像を作成し、前記差分画像を所定のしきい値で2値化し、差分2値化画像を作成することができるのが好ましい。
差分画像により、欠陥部を明確にすることができ、差分2値化画像により、欠陥部を強調した画像を見ることができる。
【0019】
前記制御演算装置が、前記差分2値化画像により、前記太陽電池の欠陥を判定するようにすることができる。
これにより、欠陥の判定を自動的に行うことができる。
【0020】
前記太陽電池の2つの画像は、基準となる太陽電池の画像と、検査する太陽電池の画像でもよい。
検査対象の太陽電池を欠陥のない基準の画像と比較することにより、欠陥を容易に判定することができる。
【0021】
前記太陽電池の2つの画像は、所定の信頼性試験の前に撮像した画像と、前記信頼性試験の後に撮像した画像でもよい。
これにより、どの信頼性試験により欠陥が生じたか、客観的に明らかにすることができる。
【0022】
本発明の他の態様は、太陽電池の欠陥を検査する方法であって、
照射装置のLEDユニットに電流を印加し、前記LEDユニットのLEDを発光させて試料台に載置された太陽電池を照射し、
撮像装置が、フィルターを通して前記太陽電池の画像を撮像し、
制御演算装置が、前記撮像装置により撮像した画像データを処理する段階と、
撮像した画像を表示する段階と、を備え、
前記フィルターは、長波長透過フィルターであり、透過限界波長は、前記LEDの発光波長より長く、前記太陽電池の少なくとも1つの発光波長より短い。
【0023】
本発明の他の態様は、太陽電池の欠陥を検査する方法であって、
照射装置のLEDユニットの第1のLEDに電流を印加して発光させ、試料台に載置された太陽電池を照射し、
撮像装置が、第1の透過限界波長を有する第1のフィルターを通して前記太陽電池の画像を撮像し、
照射装置のLEDユニットの第2のLEDに電流を印加して発光させ、試料台に載置された太陽電池を照射し、
撮像装置が、第2の透過限界波長を有する第2のフィルターを通して前記太陽電池の画像を撮像し、
制御演算装置が、前記撮像装置により撮像した画像データを処理する段階と、
撮像した画像を表示する段階と、を備え、
前記第1のフィルターの前記第1の透過限界波長は、前記第1のLEDの第1の発光波長より長く、前記太陽電池の第1の発光波長より短く、
前記第2のフィルターの前記第2の透過限界波長は、前記第2のLEDの第2の発光波長より長く、前記太陽電池の第2の発光波長より短い。
これにより、太陽電池の第1の発光と第2の発光を区別して捕らえることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、太陽電池のクラック等の欠陥の検査を簡単に行うことができる。検査を自動化することができるので、太陽電池の欠陥の検査を一定のレベルで行うことができ、検査時間とコストを削減することができる。
また、太陽電池表面のクラックだけでなく、内部のクラックも検出することができる。 更に、電気短絡状態等の組成による欠陥も検出することができる。
更に、欠陥の分布状態も検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
(第1の実施形態)
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の第1の実施形態による太陽電池検査装置1の概略斜視図である。太陽電池検査装置1は、太陽電池パネル10を載置する試料台25と、太陽電池パネル10を照射するLEDユニット32を有する照射装置31と、LEDユニット32に電流を印加するためのLED電源30と、太陽電池パネル10の画像を撮像するための撮像装置としてCCDカメラ35と、照射装置31とCCDカメラ35を移動するための駆動装置40とを備える。また、制御演算装置50と、入力装置61と、出力装置62とを備える。
【0026】
試料台25には、太陽電池パネル10が適合する凹部が形成されている。図1では、太陽電池パネル10は、3×5の15枚の太陽電池10aからなるように示すが、太陽電池パネル10は、他の数の太陽電池10aから構成されてもよい。なお、本明細書では、太陽電池10aとは1枚の太陽電池を言い、太陽電池パネル10とは太陽電池10aを電気的に接続し、貼り合わせたものを言う。
試料台25の上方には、太陽電池パネル10を斜め上方から照明するためのLEDユニット32を有する照射装置31が設けられている。LEDユニット32については、後述する。
【0027】
CCDカメラ35は、対物レンズ36と、フィルターユニット37を有し、太陽電池パネル10を構成する1枚の太陽電池10aの表面全体を1度に撮像することができる。CCDカメラ35は、制御演算装置50からの指示により、太陽電池10aを撮像する。
照射装置31とCCDカメラ35は、駆動装置40に結合されている。駆動装置40は、第1部材40aと、第2部材40bと、第3部材40cと、第4部材40dとを備える。制御演算装置50からの指示により、第2部材40bは第1部材40a上を図1のy方向に移動することができ、第3部材40cは第2部材40b上をx方向に移動することができ、第4部材40dは第3部材40cに沿ってz方向に移動することができるようになっている。その結果、駆動装置40は、照射装置31とCCDカメラ35を一緒に太陽電池パネル10の面と平行なx-y平面内で移動させることができ、また照射装置31とCCDカメラ35をz軸方向に移動させて、照射装置31及びCCDカメラ35と太陽電池パネル10との距離を調節することができる。また、照射装置31とCCDカメラ35とは、それぞれ個別に移動させて、相互の間の距離を調整することができるようになっている。
制御演算装置50と、入力装置61と、出力装置62については、図6のブロック図を参照して後述する。なお、図1には、駆動装置40及びCCDカメラ35と制御演算装置50の接続、LED電源30と照射装置31の接続は図示していない。
【0028】
(太陽電池)
次に本発明の太陽電池検査装置1により欠陥を検査する太陽電池パネル10を構成する太陽電池10aについて説明する。本発明の実施形態では、GaAs系の太陽電池10aについて説明するが、本発明は、GaAs系の太陽電池に限らず、Si系その他、あらゆる種類の太陽電池に使用することができる。
図2(A)は、GaAs系でInGaP/GaAs/Geの3層構造を有する太陽電池10aの上面図であり、(B)は下面図である。
図2(A)を参照すると、太陽電池10aの表面には、上側電極21がストライプ状に形成されている。各上側電極21は、集電電極22で接続されている。集電電極22は、電極23により、外部の電極に接続される。
図2(B)を参照すると、太陽電池10aの裏面には、一面にp側電極11が形成されている。
【0029】
図3は、GaAs系太陽電池10aの断面図である。太陽電池10aはp-側電極11の上に、Ge層12、GaAs層14、InGaP層16が順に形成されている。InGaP層16上の一部には、n-側電極21が形成されている。
太陽電池パネル10は、通常複数枚の太陽電池10aから構成される。一例では、図4に示すように、太陽電池10aを5枚直列に接続し、この5枚の太陽電池10aを3列並列に接続する。即ち、5×3=15枚の太陽電池10aで太陽電池パネル10を構成する。
【0030】
(照射装置)
図5に照射装置31の概略断面図を示す。図示する実施形態では、照射装置31はLEDユニット32を備え、LEDユニット32には縦横に3×3個のLED33がマトリックス状に配列されている。LED33の前面には凸レンズ34が設けられ、LED33を出た光が略平行となって、太陽電池パネル10に向かうようになっている。LEDユニット32は太陽電池パネル10の面に対して60〜70°傾いた角度から照射するように取付けられていて、LED33から太陽電池パネル10の面で反射した光がCCDカメラ35に直接入らないようになっている。LED33をLED電源30に接続して、LED33を発光させることができる。
【0031】
LEDユニット32に取付けるLED33は、太陽電池10aの吸収波長領域の光を発光するものである。InGaPを発光させる波長領域は主に300〜700nmであり、GaAsを発光させる波長領域は主に700〜910nmである。シリコン太陽電池を発光させる波長領域は主にバンドギャップ以上のエネルギーに相当する300〜1070nmである。そのため、LED33として、470nmの発光波長を有する青色LEDを用いると、主にInGaPが発光し、GaAsも発光する。780nmの発光波長を有する赤色LEDを用いると、GaAsが発光する。
LEDユニット32は照射装置31から取り外し可能であり、異なる種類のLEDのついたLEDユニット32と交換することができる。
【0032】
図6に、太陽電池10aに電流を印加したときの太陽電池10aの発光によるスペクトル照度を示す。InGaPの発光波長は665nm、GaAsの発光波長は890nmである。GaAsの発光強度は、InGaPの発光強度の約25倍である。
【0033】
(撮像装置)
図1に戻って、撮像装置のCCDカメラ35に使用するCCDについて説明する。InGaPの発光波長665nm、GaAsの発光波長890nmの光を検出するため、950nmまでの波長に感度を有するシリコンのCCDを使用する。
Si太陽電池を使用する場合は、Si太陽電池の発光波長はバンドギャップのエネルギーに相当する1070nmなので、冷却タイプのSi CCDか、800〜1700nmの範囲の波長に感度を有するInGaAsのCCDを使用する。
【0034】
CCDカメラ35は、対物レンズ36と、その前のフィルターユニット37を備える。太陽電池の発光波長は、LEDの発光波長より長い。フィルターユニット37に装着されるフィルター38は透過限界波長以上の波長の光を透過する長波長透過フィルターであり、その透過限界波長は、LEDの発光波長より長く、太陽電池の発光波長より短い。ここに透過限界波長とは、フィルターの分光透過率において、透過率が72%以上となる波長と、5%以下となる波長の中点の波長を言う。LEDから発光し、太陽電池表面で反射した光は、フィルターでさえぎられCCDカメラに到達しないが、太陽電池の発光はフィルターを透過してCCDカメラで検出することができる。
【0035】
InGaP/GaAs/Geの3層構造を有するGaAs系太陽電池10aを用いる場合について、LEDの発光波長と、太陽電池の発光波長と、フィルターの透過限界波長との関係を具体的に説明する。
青色LED(発光波長470nm)で太陽電池に光を照射すると、主にInGaPが発光し(発光波長665nm)、GaAsも発光する(発光波長890nm)。透過限界波長625nmのフィルターを用いると、InGaPの発光とGaAsの発光が共にフィルターを透過する。CCDの感度は、InGaPの発光よりGaAsの発光に対する感度が低い(約1/6)。入射光のほとんどをInGaPが吸収・発光するため、主にInGaPの発光を検出することになる。
赤色LED(発光波長780nm)で太陽電池に光を照射すると、GaAsが発光し(発光波長890nm)、透過限界波長830nmのフィルターを用いると、GaAsの発光を検出することができる。
このように、フィルターを用いることにより、InGaP層の情報とGaAs層の情報を分離して得ることができる。
フィルター37は交換可能で、LEDの異なる波長の発光を検出するとき、迅速に交換できるようになっている。
【0036】
Si系等の太陽電池の検査を行う場合は、Si系の太陽電池の発光波長(1000〜1070nmの赤外線)に感度を有するInGaAsをCCD、もしくは冷却タイプのSiのCCDとして使用する。
本発明は、GaAs系、Si系に限定されない。太陽電池に適した励起光源とフィルターを使用することにより、あらゆる種類の太陽電池に適用することができる。
【0037】
(ブロック図)
図7は、本発明の実施形態による太陽電池検査装置1の概略斜視図であり、制御演算装置50と、入力装置61と、出力装置62とをブロック図で示す。試料台25と、照射装置31と、LED電源30と、CCDカメラ35と、駆動装置40とは、図1を参照して前述したので概略を示す。
制御演算装置50は、駆動装置40を制御する駆動制御部51と、カメラのシャッターを操作して撮像するカメラ制御部52と、LED電源のオンオフを制御するLED電源オンオフ部53とを含む。
【0038】
駆動制御部51は、駆動装置40に駆動信号を送る。駆動装置40は、駆動信号により、照射装置31とCCDカメラ35を太陽電池パネル10の面と平行なx-y平面内で移動させることができ、またz軸方向に移動させて、照射装置31・CCDカメラ35と太陽電池パネル10との距離を調節することができる。
カメラ制御部52は、CCDカメラ35のシャッターを操作して、太陽電池10aの画像を撮像する。
LED電源オンオフ部53は、LED電源30をオンオフする。LED電源オンオフ部53は、CCDカメラ35の撮像と同期して、CCDカメラ35が太陽電池10aを撮像するときのみ、照射装置31のLED33に電流を印加することができる。
【0039】
制御演算装置50は、CCDカメラ35により撮像した画像データを処理する画像処理部56と、画像比較部57と、欠陥判定部58とを含む。制御演算装置50は、更に記憶部59を備える。
画像処理部56は、撮像した画像データに必要により圧縮処理を行い、表示できる画像データとして記憶部59に記憶する。記憶された画像データは、出力装置62のディスプレーに画像として表示することができる。
画像比較部57は、2つの画像の差分をとることにより、太陽電池10aの差分画像を作成することができる。
【0040】
検査対象の太陽電池10aの画像について、基準となる良品の太陽電池の画像と差分をとることができる。また、同じパネルに並んだ複数の太陽電池10aの画像の差分をとることができる。また、1つの太陽電池10aの所定の信頼性試験の前と後の画像の差分をとることができる。
差分画像を画素に区分し、画素毎に予め設定したしきい値で2値化し、差分がしきい値より大きい画素を欠陥部分「1」とし、差分がしきい値以下の画素を「0」とした差分2値化画像を作成することができる。この差分2値化画像を肉眼で見ることにより、容易に欠陥の判定を行うことができる。
【0041】
更に、制御演算装置50により、欠陥の判定まで行う場合は、欠陥判定部58が、太陽電池10aの差分2値化画像に基づいて、欠陥の判定を行う。例えば、欠陥部分「1」の画素数が所定数より多いとき、不良と判定する。欠陥判定部58は、良又は不良の判定結果信号を出力することができる。
記憶部59は、画像比較を演算する式、欠陥を判定する式等の演算式、画像データ等のデータを記憶する。
【0042】
入力装置61は、キーボード等の公知の入力装置であり、パネルの面積と周長、全ての搭載機器の面積と周長を入力するのに使用される。
出力装置62は、ディスプレー等の公知の表示装置であり、太陽電池10aの画像、差分画像、差分2値化画像等の画像、欠陥判定結果を表示することができる。出力装置62は、プリンター等の印刷装置を備えてもよく、この場合は結果をプリントアウトすることができる。
【0043】
(フローチャート)
図8は、本発明の実施形態による太陽電池検査装置1を使用した太陽電池パネルの検査方法を示すフローチャートである。太陽電池パネルの検査方法は、ステップS01で、太陽電池パネル10を試料台25に載置する。
ステップS02で、照射装置31とCCDカメラ35の高さを調節する。
ステップS03で、太陽電池10aの上にCCDカメラ35を移動し、太陽電池10aを撮像する位置を記憶部60に記憶する。複数の太陽電池10aを撮像する場合は、各太陽電池10aについて、カメラの位置を記憶する。
太陽電池パネルの種類ごとにカメラの位置を予め記憶部60に記憶しておき、測定の都度カメラの位置を求めるのではなく、太陽電池パネルの種類を入力することにより、カメラの位置を自動的に設定することができる。
【0044】
ステップS04で、太陽電池10aを撮像するため、CCDカメラ35をステップS03で求めた太陽電池10aの上の位置へ移動する。ステップS05で、LED電源オンオフ装置52により、LED電源30をオンにして、LED33aを発光させ、CCDカメラ35のシャッターを開き、太陽電池10aを撮像し、LED電源オンオフ装置52により、LED電源30をオフにする。ステップS06で、撮像した画像データを表示できる形式で記憶部60に記憶する。
【0045】
ステップS07で、フィルター37を交換して、他のLEDで更に撮像するかどうか求める。フィルター37を交換する場合は、ステップS08へ行き、フィルター37を交換してステップS05へ戻り、LED33bを発光させて再度太陽電池10aの撮像をする。
【0046】
ステップS07で、フィルター37を交換しない場合は、ステップS09で、試料台25に載置した全ての太陽電池10aの撮像が終了したかどうか求める。全ての太陽電池10aの撮像が終了していない場合は、次の太陽電池の測定のためステップS04に戻り、次の太陽電池10aの上にCCDカメラ35を移動して、太陽電池10aの撮像を続ける。
【0047】
更に、太陽電池の信頼性試験を実施する場合は、所定の信頼性試験を実施した後、再度図8のフローチャートのステップS04〜S10に従って、太陽電池パネルの検査を実施し、信頼性試験前後の発光を比較する。ここに信頼性試験には、振動試験、音響試験、熱衝撃試験、熱真空試験がある。これらの信頼性試験の前後に、太陽電池10aを撮像して、信頼性試験の前後で発光に違いが有る場合は、その信頼性試験により、太陽電池10aに欠陥が生じたことがわかる。
【0048】
太陽電池パネルの検査を終了し、次に、撮像した画像データの処理を行う。ステップS11で、2つの画像の差分画像を作成して、比較を行うことができる。差分画像を画素に区分し、画素毎に予め設定したしきい値で2値化し、差分がしきい値より大きい画素欠陥部分「1」とし、他を「0」とした差分2値化画像を作成することができる。
目視により差分画像又は差分2値化画像を見て、欠陥の判定を行うことができる。
比較には、例えば次の種類がある。
(1) 1つの太陽電池の画像を基準の画像と比較する。
(2) 1つの太陽電池の画像を同じパネル内の他の太陽電池の画像と比較する。
(3) 1つの太陽電池について信頼性試験の前後の画像を比較する。
【0049】
制御演算装置50により差分画像又は差分2値化画像を作成するだけでなく、制御演算装置50により欠陥の判定まで行う場合は、差分2値化画像のデータを、欠陥判定部58に出力する。
ステップS12で、画像の比較に基づいて欠陥の判定を行う。欠陥の判定は、差分2値化画像から、欠陥部分「1」の数を求め、その数が所定数より多いとき、欠陥と判定する。そして、判定結果信号を出力し、判定結果を出力装置62に表示することができる。
太陽電池パネルの検査方法を終了する。
【0050】
ここで、太陽電池の欠陥の種類について説明する。クラックの原因としては、主に次の種類がある。これらを総称してクラックという。
(1) 真空中で、太陽電池をパネルに固定するための接着剤が膨張し気泡ができることによる割れ。
(2) 真空中で、太陽電池の下にあるカプトンテープから、ガスが出て膨張することによる割れ。
(3) 太陽電池パネルの基板となるハニカムコアが低温で収縮し、その力を太陽電池が受けることによる割れ。
(4) 太陽電池パネル作製時に発生する割れ。
【0051】
クラックがある部分は、周囲と比較して発光が少なく、暗くなる。逆に、周囲の発光がクラックの部分から漏れだし、明るく見える場合もある。
その他、発光がムラになる箇所もある。これは、電気短絡状態等の組成による欠陥と考えられる。
【0052】
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、異なるLEDを選択的に発光させ、フィルターの交換を自動的に行う。即ち、異なるLEDにより太陽電池を発光させ、発光を自動的に撮像するものである。図9に第2の実施形態のLEDユニット32'の概略斜視図を示す。第2の実施形態では、照射装置31'のLEDユニット32'は、第1の発光波長の第1のLED33aと、第2の発光波長の第2のLED33bとが交互に取付けられ、LED電源の切り換えにより、第1のLED33aと第2のLED33bとを選択的に発光させることができる。1実施例では、第1のLED33aは青色LEDであり、第2のLED33bは赤色LEDである。
【0053】
図10に第2の実施形態のフィルターユニット37'の概略斜視図を示す。フィルターユニット37'は略円板状で、第1のフィルター38aと第2のフィルター38bとが取付けられ、フィルターシャフト39を中心に回転することにより、第1のフィルター38aと第2のフィルター38bとを選択的に光路に入れることができるようになっている。1実施例では、第1のフィルター38aは透過限界波長625nmのフィルターであり、第2のフィルター38bは透過限界波長830nmのフィルターである。
【0054】
カメラ制御部52は、CCDカメラ35のシャッターを操作する機能に加えて、フィルターユニット37の第1のフィルター38aと第2のフィルター38bとを自動的に交換することができる。
フィルターユニット37'はフィルターシャフト39を中心に回転するものを示したが、フィルターの交換方法はこれに限定されない。フィルターを直線方向にスライドさせる等他の方法で、フィルターを交換するようにしても良い。
【0055】
LED電源オンオフ部53は、LED電源30をオンオフし、また第1のLED33aと第2のLED33bとを選択的に発光させることができる。他の点については、第1の実施形態と同様である。
第2の実施形態では、第1のフィルター38aを光路に入れ、第1のLED33aを発光させて、太陽電池の発光を第1のフィルター38aを通して撮像する。次に、第2のフィルター38bを光路に入れ、第2のLED33bを発光させて、太陽電池の発光を第2のフィルター38bを通して撮像する。
【実施例】
【0056】
本発明の第1の実施形態の実施例を説明する。青色LED(発光波長470nm)を3×3個マトリックス状に並べたLEDユニットを使用し、太陽電池の垂線から20°傾いた角度から太陽電池を照射した。太陽電池のInGaP(発光波長665nm)とGaAs(発光波長890nm)が発光する。この光を透過限界波長625nmの長波長透過フィルターを通して、シリコンの受光素子を有するCCDカメラ(画素数1024×1024ピクセル)により撮像した。InGaPとGaAsの両方の発光を捕らえていると考えられる。
【0057】
クラックのある太陽電池の撮像結果を図11に示す。図11(A)は、比較例として、太陽電池に電流を印加したときの発光を撮像したものである。(B)は、青色LEDにより太陽電池を照射し、太陽電池のフォトルミネセンスをフィルターなしでCCDカメラにより撮像したものである。図12(C)は本発明により太陽電池のフォトルミネセンスをフィルターありで撮像したものである。
図11(A)の太陽電池に電流を印加したときは、クラック部分が明るくなる。(B)のLEDにより太陽電池を照射し、フィルターなしで撮像した場合は、反射光が強く、太陽電池のフォトルミネセンスは明確には捉えられない。図12(C)でフィルターを使用すると、太陽電池のフォトルミネセンスの画像を明確に捉えることができる。クラック部分は暗くなっている。
クラックのない太陽電池を図12(C)と同じ条件で撮像し、(C)のクラックのある太陽電池の画像とクラックのない太陽電池の画像の差分を取って、差分画像を作成し、更に2値化した画像を(D)に示す。(D)の差分2値化画像では、クラックの部分が強調されていることがわかる。
【0058】
次に、同じ太陽電池を使用し、LEDユニットを赤色LED(発光波長780nm)を3×3個マトリックス状に並べたLEDユニットに交換し、太陽電池を照射した。太陽電池のGaAs(発光波長890nm)が発光する。フィルターは透過限界波長830nmの長波長透過フィルターに交換した。同じCCDカメラにより撮像した。主に、太陽電池のGaAs層の発光を捕らえている。
撮像結果を図13に示す。図13(A)は、比較例として、太陽電池に電流を印加したときの発光を撮像したものである。(B)は本発明方法により赤色LEDで太陽電池を照射し、太陽電池のフォトルミネセンスをフィルターありで撮像したものである。本発明方法では、太陽電池のフォトルミネセンスの画像を明確に捉えることができた。図13(A)と同様、(B)でも、クラックの部分は暗くなっている。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明によれば、太陽電池の検査を簡単に行うことができる。そのため、太陽電池を利用する全ての産業に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の第1の実施形態による太陽電池検査装置の概略斜視図。
【図2】(A)は太陽電池の表面図、(B)は太陽電池の裏面図。
【図3】太陽電池の断面図。
【図4】太陽電池パネルの構成を示す図。
【図5】照射装置の概略断面図。
【図6】太陽電池の発光スペクトル強度。
【図7】太陽電池検査装置のブロック図。
【図8】太陽電池の検査方法を示すフローチャート。
【図9】第2の実施形態のLEDユニットの斜視図。
【図10】第2の実施形態のフィルターユニットの概略斜視図。
【図11】(A)は太陽電池に電流を印加したときの発光を撮像した画像。(B)は、青色LEDにより太陽電池を照射し、太陽電池のフォトルミネセンスをフィルターなしで撮像した画像。
【図12】(C)は、青色LEDにより太陽電池を照射し、太陽電池のフォトルミネセンスをフィルターありで撮像した画像。(D)は(C)のクラックのある太陽電池の画像とクラックのない太陽電池の画像の差分を取った差分2値化画像。
【図13】(A)は、太陽電池に電流を印加したときの発光を撮像した画像、(B)は本発明により赤色LEDで太陽電池を照射し、太陽電池のフォトルミネセンスをフィルターありで撮像した画像。
【符号の説明】
【0061】
1 太陽電池検査装置
10 太陽電池パネル
10a 太陽電池
11 p-側電極
12 Ge層
14 GaAs層
16 InGaP層
21 n-側電極
22 集電電極
23 電極
25 試料台
30 LED電源
31 照射装置
32,32' LEDユニット
33,33a,33b LED
34 凸レンズ
35 CCDカメラ
36 対物レンズ
37,37' フィルターユニット
38,38a,38b フィルター
39 フィルターシャフト
40 駆動装置
50 制御演算装置
61 入力装置
62 出力装置
51 駆動制御部
52 カメラ制御部
53 LED電源オンオフ部
56 画像処理部
57 画像比較部
58 欠陥判定部
59 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池の欠陥を検査する装置であって、
前記太陽電池を載置する試料台と、
前記太陽電池を照射するための、LEDユニットを有する照射装置と、
前記LEDユニットのLEDに電流を印加するためのLED電源と、
前記太陽電池の画像を撮像するための、フィルターユニットを有する撮像装置と、
前記撮像装置による撮像を制御し、前記撮像装置により撮像した画像データを処理する制御演算装置と、
撮像した画像を表示する出力装置と、を備え、
前記フィルターユニットのフィルターは、長波長透過フィルターであり、透過限界波長は、前記LEDの発光波長より長く、前記太陽電池の少なくとも1つの発光波長より短いことを特徴とする太陽電池検査装置。
【請求項2】
前記照射装置の前記LEDユニットは、LEDが前記太陽電池を斜め上方から照射するように取付けられている請求項1に記載の太陽電池検査装置。
【請求項3】
前記LEDユニットは、前記照射装置に交換可能に取付けられ、
前記フィルターユニットの前記フィルターは交換可能に取付けられている請求項1に記載の太陽電池検査装置。
【請求項4】
太陽電池の欠陥を検査する装置であって、
前記太陽電池を載置する試料台と、
前記太陽電池を照射するための、LEDユニットを有する照射装置と、
前記LEDユニットのLEDに電流を印加するためのLED電源と、
前記太陽電池の画像を撮像するための、フィルターユニットを有する撮像装置と、
前記撮像装置による撮像を制御し、前記撮像装置により撮像した画像データを処理する制御演算装置と、
撮像した画像を表示する出力装置と、を備え、
前記LEDユニットは、第1の発光波長を有する第1のLEDと第2の発光波長を有する第2のLEDとを含み、第1のLEDと第2のLEDとを選択的に発光させることができ、
前記フィルターユニットは、第1の透過限界波長を有する第1のフィルターと、第2の透過限界波長を有する第2のフィルターとを含み、前記第1のフィルターと第2のフィルターとを自動的に交換することができ、
前記第1のフィルターの前記第1の透過限界波長は、前記第1のLEDの第1の発光波長より長く、前記太陽電池の第1の発光波長より短く、
前記第2のフィルターの前記第2の透過限界波長は、前記第2のLEDの第2の発光波長より長く、前記太陽電池の第2の発光波長より短いことを特徴とする太陽電池検査装置。
【請求項5】
前記試料台上には、複数の太陽電池を有する太陽電池パネルを載置することができ、
前記照射装置と前記撮像装置を移動するための駆動装置を備え、
前記制御演算装置は、前記駆動装置を制御するための駆動制御部を備え、
前記駆動装置により前記照射装置と前記撮像装置を移動して、前記太陽電池パネルの各々の太陽電池の画像を撮像することができる請求項1又は4に記載の太陽電池検査装置。
【請求項6】
前記制御演算装置は、前記LED電源にかける電流をオンオフするLED電源オンオフ部を備え、前記撮像装置が前記太陽電池の画像を撮像する間だけ、前記にかける電流をオンにする請求項5に記載の太陽電池検査装置。
【請求項7】
前記制御演算装置は、前記太陽電池の2つの画像から差分画像を作成し、前記差分画像を所定のしきい値で2値化し、差分2値化画像を作成することを特徴とする請求項5に記載の太陽電池検査装置。
【請求項8】
前記制御演算装置が、前記差分2値化画像により、前記太陽電池の欠陥を判定する請求項7に記載の太陽電池検査装置。
【請求項9】
太陽電池の欠陥を検査する方法であって、
照射装置のLEDユニットに電流を印加し、前記LEDユニットのLEDを発光させて試料台に載置された太陽電池を照射し、
撮像装置が、フィルターを通して前記太陽電池の画像を撮像し、
制御演算装置が、前記撮像装置により撮像した画像を処理する段階と、
撮像した画像を表示する段階と、を備え、
前記フィルターは、長波長透過フィルターであり、前記透過限界波長は、前記LEDの発光波長より長く、前記太陽電池の少なくとも1つの発光波長より短いことを特徴とする太陽電池検査方法。
【請求項10】
太陽電池の欠陥を検査する方法であって、
照射装置のLEDユニットの第1のLEDに電流を印加して発光させ、試料台に載置された太陽電池を照射し、
撮像装置が、第1の透過限界波長を有する第1のフィルターを通して前記太陽電池の画像を撮像し、
照射装置のLEDユニットの第2のLEDに電流を印加して発光させ、試料台に載置された太陽電池を照射し、
撮像装置が、第2の透過限界波長を有する第2のフィルターを通して前記太陽電池の画像を撮像し、
制御演算装置が、前記撮像装置により撮像した画像データを処理する段階と、
撮像した画像を表示する段階と、を備え、
前記第1のフィルターの前記第1の透過限界波長は、前記第1のLEDの第1の発光波長より長く、前記太陽電池の第1の発光波長より短く、
前記第2のフィルターの前記第2の透過限界波長は、前記第2のLEDの第2の発光波長より長く、前記太陽電池の第2の発光波長より短いことを特徴とする太陽電池検査方法。
【請求項11】
前記試料台上に、複数の太陽電池を有する太陽電池パネルが載置され、
前記制御演算装置の駆動制御部が駆動装置を制御し、
前記駆動装置が、前記照射装置と前記撮像装置を移動して、前記太陽電池パネルの各々の太陽電池の画像を撮像する請求項9又は10に記載の太陽電池検査方法。
【請求項12】
前記制御演算装置は、前記LED電源にかける電流をオンオフするLED電源オンオフ部を備え、前記撮像装置が前記太陽電池の画像を撮像する間だけ、前記にかける電流をオンにする請求項11に記載の太陽電池検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−224432(P2008−224432A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−63527(P2007−63527)
【出願日】平成19年3月13日(2007.3.13)
【出願人】(503361400)独立行政法人 宇宙航空研究開発機構 (453)
【Fターム(参考)】