説明

太陽電池パネル設置用架台

【課題】設置現場や大きさが異なる太陽電池パネルであっても、現場施工性、且つ強度上も問題なく、しかも、設置費用の抑制、工期の短縮化が可能な、太陽電池パネル設置用架台を提供する。
【解決手段】太陽電池パネルSpを傾斜支持するために、屋上の下地上に接地する基礎部と、基礎部に一体的に立設した、異なる支柱高さの固定側支持基体11と、可動側支持基体12とを有する。固定側支持基体は、支持すべき太陽電池パネルのパネル厚に応じて調節する調節受け部13と、可動側支持基体12は、支持すべき太陽電池パネルの大きさに応じて、可動基礎部12aを移動可能とすると共に、太陽電池パネルを所定傾斜角度で受け入れて支持するための昇降調節受け部15と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池パネル設置用架台に関し、特に、様々な規格寸法の太陽電池パネルに対応して用いることができ、現場施工性、且つ強度上も問題なく、しかも、設置費用、工期の抑制が可能な、太陽電池パネル設置用架台に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、地球環境対策として、COの発生を抑制するクリーンな発電方式として太陽光発電が注目されており、建物の屋上に太陽光発電システムを設置することが増進されつつある。
このような太陽光発電システムは、太陽光を効率よく受光することができる角度に太陽電池パネルを傾斜させた状態で設置することが望ましく、例えば特許文献1に示すように、太陽電池パネルSpを取り付けるために、ある程度傾斜角度が調節できるように架台1を構成し、この架台1上に30度程度傾斜させて太陽電池パネルSpを設置するようにしている(図11参照)。
【0003】
そして、屋上に太陽光発電システムを設置するためには、建物の躯体からコンクリート基礎Cfを設置して、その上に鉄骨で組み上げられた架台1を乗せ、架台1上に太陽電池パネルSpを取り付けていた。
【0004】
また、コンクリート基礎Cf以外の基礎として、工期短縮と軽量化のため金属製の乾式基礎Dfがあり、架台1を高精度に載置できるように、架台1に合わせて位置決めして、所定間隔ごとに屋上に躯体に植設するように施工してきた(図12参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−64147号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、コンクリート基礎Cfは、建物の構造と一体化するように設けるので、耐風圧性については、優れているが、コンクリートを硬化させる養生期間が必要であり、コンクリートの重量により、建物構造の耐荷重によっては設置できない虞があった。
また、既設の建物の屋上に設置する場合には、コンクリート基礎Cfを躯体と一体化させるため、屋上の防水層を一旦取り除く貫通工事が必要であり、工期中に漏水の懸念があった。
【0007】
さらに、金属製の乾式基礎Dfでは、基礎より上は従来の架台1を設置するため、従来通り、基礎設置と架台設置に分けて作業を行う必要がある(図12参照)。
【0008】
一方、架台上に取り付ける太陽電池パネルは、製造業者により寸法規格が異なり、各現場により架台の大きさが異なることとなり、基礎の取付位置、個数も異なることから、現場での施工が煩雑になるばかりか、設置に関しては、各現場で耐風圧計算の必要があった。
【0009】
基礎の上に取り付ける架台1は、発電効率を考慮して、設置精度が要求されるため、基礎の設置についても、高い精度が要求される。そのため、基礎設置の精度によっては、架台が取り付けられなくなる虞もある。
【0010】
乾式基礎Dfの設置精度は下地の影響を受けやすく、不陸や水勾配により、架台1設置の際に調整が必要になる場合もある。
【0011】
本発明は、以上のような各課題を改善し、克服するために提案されたものであって、設置現場や大きさが異なる太陽電池パネルであっても、現場において、容易に施工することができ、現場施工性、且つ強度上も問題なく、しかも、設置費用の抑制、工期の短縮化が可能な、太陽電池パネル設置用架台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明では、太陽電池パネルを予め定めた角度で傾斜支持する太陽電池パネル設置用架台であって、太陽電池パネルを傾斜支持するための複数の支持基体を備え、これら複数の支持基体は、それぞれ、固定基礎部と固定基礎部に一体的に立設してなる支柱部とを有する固定側支持基体と、可動基礎部と可動基礎部に一体的に立設してなる支柱部とを有する可動側支持基体と、を具備し、これら固定側支持基体および可動側支持基体の支柱部は、太陽電池パネルを予め定めた角度に傾斜支持するために、相違する支柱高さとし、 固定側支持基体は、支柱部に、支持すべき太陽電池パネルのパネル厚に応じて調節して太陽電池パネルを受け止める調節受け部を備え、可動側支持基体は、支持すべき太陽電池パネルの大きさに応じて、可動基礎部を固定側支持基体に対して移動可能とすると共に、支柱部に、太陽電池パネルを予め定めた傾斜角度で受け入れて支持するために、支柱部上で高さ方向に調節する昇降調節受け部を備えることを特徴とする。
【0013】
これにより、固定基礎部と支柱部、並びに可動基礎部と支柱部が一体的に形成されることで、部品点数が減少して軽量化と作業性が向上する。基礎の設置はパネルの実寸に合わせて施工でき、太陽電池パネルを予め定めた傾斜角度で支持することができる。
【0014】
請求項2記載の発明では、固定側支持基体および可動側支持基体は、支持すべき太陽電池パネルの対向する枠縁を支持するように配置してなることを特徴とする。
【0015】
これにより、太陽電池パネルの対向する枠縁を介して太陽電池パネルを支持するため、耐風圧性が良好となる。
【0016】
請求項3記載の発明では、支持基体は金属材で構成され、支持基体の固定基礎部および可動基礎部は、所定範囲で張り出して屋上の下地に接地し、防水層を被覆することで、防水層と固定基礎部および可動基礎部と、を一体化するための張り出し部を備えたことを特徴とする。
【0017】
これにより、支持するパネルの重量に充分に耐え得る強度が確保できる。
【0018】
請求項4に記載の発明では、固定側支持基体の固定基礎部は、屋上の下地に接着によって固定される接着面を有することを特徴とする。
【0019】
これにより、施工に当たり、建物の躯体は何ら損傷を受けることはなく、工期も短縮化することができる。
【0020】
請求項5に記載の発明では、固定側支持基体の固定基礎部は、屋上の下地に締付固定手段によって固定される固定部を有することを特徴とする。
【0021】
これにより、所望の固定強度が直ちに得られる。
【0022】
請求項6に記載の発明では、固定側支持基体の固定基礎部は、屋上の下地に溶接手段によって固定される固定部を有することを特徴とする。
【0023】
これにより、速やかに所望の固定強度が得られる。
【0024】
請求項7に記載の発明では、前記傾斜角度は、5〜10度の範囲であることを特徴とする。
【0025】
これにより、耐風圧性を充分に確保することができる。
【0026】
さらに請求項8に記載の発明では、前記傾斜角度は、0〜60度の範囲であることを特徴とする。
【0027】
これにより、耐風圧性と発電効率性とを考慮した設置構造とすることができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、これまでの乾式基礎と架台としての支柱部とを一体的に構成したことで、部品点数が減少して軽量化と作業性が向上した。また、架台設置に当たり、パネルの実寸に合わせて施工できるため、これまでの架台設置のための精度を必要とせず、施工が容易となる。
パネルの取付角度が所定の傾斜角度に限定され、基礎一組当たりのパネル設置個数が決まっているため、耐風圧計算が容易となった。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係る太陽電池パネル設置用架台の第1実施形態を示す、模式的な斜視説明図である。
【図2】図1に示す太陽電池パネル設置用架台の、平面説明図である。
【図3】図1に示す太陽電池パネル設置用架台の、模式的な断面説明図である。
【図4】図3に示す太陽電池パネル設置用架台において、固定側支持基体の拡大断面図である。
【図5】図3に示す太陽電池パネル設置用架台において、可動側支持基体の拡大断面図である。
【図6】本発明に係る太陽電池パネル設置用架台を、施工場所において、所望数のパネルを配置すべく施工した一例を示す、模式的平面図である。
【図7a】図3に示す太陽電池パネル設置用架台において、固定側支持基体の別の実施形態を示す、拡大断面図である。
【図7b】図7aの固定側支持基体の要部側面図である。
【図7c】図7aの固定側支持基体における、調節受け部の固定構造の別例を示す、要部側面図である。
【図8】図3に示す太陽電池パネル設置用架台において、固定側支持基体の別の実施形態を示す、拡大断面図である。
【図9】図3に示す太陽電池パネル設置用架台において、固定側支持基体の別の実施形態を示す、拡大断面図である。
【図10】太陽電池パネル設置用架台において、固定側支持基体の別の実施形態にかかる模式的な斜視説明図である。
【図11】従来の太陽電池パネルを設置するための架台の一例を示した、斜視説明図である。
【図12】架台を載せるために用いられる、乾式基礎の一例を示す、斜視説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1、図2に、本発明にかかる太陽電池パネル設置用架台10を示す。なお、太陽電池パネルSpは、多数の太陽電池セルScを、一面に縦横に敷設して、所定縦横寸法のパネルとして形成され、外枠周縁部を例えばアルミニウム製の枠縁Peで囲って構成されている。
【0031】
太陽電池パネル設置用架台10は屋上に設置するためのもので、太陽電池パネルSpを予め定めた角度(5〜10度)で傾斜支持するための複数の支持基体(ここでは固定側支持基体11と可動側支持基体12)から構成される(図3参照)。なお、傾斜角度は耐風圧性を良好なものとするために5〜10度としている。勿論、傾斜角度は、0〜60度も可能である。0〜60度が考えられるのは、時々刻々と変わる日々の太陽の高度、並びに冬至から夏至に至る太陽の南中高度の変化を考慮して取り付けるのが発電効率の観点から望ましいからである。
これら固定側支持基体11および可動側支持基体12は、実質的に、屋上の下地上に接地する固定基礎部11a、可動基礎部12aと、これら固定基礎部11a、可動基礎部12aにそれぞれ一体的に立設してなる支柱部11b、12bとを具備する。
なお、固定側支持基体11および可動側支持基体12は、必要強度を持たせるために、適宜な肉厚の鋼材で構成することができる。そして、固定基礎部11aと支柱部11b、可動基礎部12aと支柱部12bとは、例えば溶接によって一体化構成することができるし、あるいは、その他周知の固定手段で固定することも可能である。
そして、固定基礎部11a、可動基礎部12aは、所定範囲(支柱部11b、12bの下端側から略100mm以上)、張り出して、屋上の下地に接地している。これは、水が防水層の下へ流れ込まないように防水層を架台に貼りかけるため、十分な寸法としたのである。
以上のような張り出しを、固定基礎部11a、可動基礎部12aに設けることによって、張り出しに防水層を被覆することで、防水層と基礎とが一体化して防水の水みち(欠陥)をなくすことができ、防水層の防水性能を損なうことはないからである。もし、張り出しがないと、防水層と基礎とが一体化できず、水みち(欠陥)が生じる。
【0032】
固定側支持基体11は、固定基礎部11aに一体的に立設した支柱部11b上部側に、太陽電池パネルSpのパネル厚に応じて調節して、太陽電池パネルSpを受け止める調節受け部13を設けている(図4参照)。
調節受け部13は、支持すべき太陽電池パネルSpを枠縁Peを介して受ける受縁13aと、受縁13aに向って上下に移動調節して、受縁13aとの間で太陽電池パネルSpの枠縁Peを挟持する調節枠体13bとを有している。
受縁13aは、太陽電池パネルSpの支持角度(水平面に対して5〜10度の仰角)で突設されている。
調節枠体13bは、任意の調節位置で調節枠体13bを拘束する周知の締付固定手段14を備えている。
なお、固定側支持基体11の固定基礎部11aは、施工時、屋上の下地上に、移動しないように接着固定するか(接着層B)、あるいは、適宜な締付固定手段F(さらには、図示はしないが、例えばボルトを埋め込んで固定基礎部11aと溶接)で固定している。
【0033】
一方、可動側支持基体12は、可動基礎部12aを、支持すべき太陽電池パネルSpの大きさに応じて、屋上の下地上を移動可能としている(図5参照)。
また可動側支持基体12における支柱部12bは、太陽電池パネルSpを所定角度(5〜10度)に傾斜支持するために、固定側支持基体11の支柱部11bに比較して高さ寸法を大としている。
さらに、かかる支柱部12b上部には、太陽電池パネルSpを所定傾斜角度(水平面に対して5〜10度の俯角)で受け入れて支持するための昇降調節受け部15を設けている。
昇降調節受け部15は、頂部から支柱部12bに昇降可能に装入する昇降部15aと、太陽電池パネルSpを受け入れ、支持する受容部15bとからなる。受容部15bは昇降部15aを支柱部12bに装入した際に、水平面に対して5〜10度の俯角を持って傾斜するように設定している。
そして、昇降調節受け部15には、昇降部15aを支柱部12bに装入した際に、任意の位置で昇降部15aを支柱部12bに固定するための、周知の締付固定手段16を設けている。なお、受容部15bは、固定側支持基体11の調節受け部13同様、支持すべき太陽電池パネルSpの厚さの違いに対応できるように、受け入れ口寸法を太陽電池パネルSpの厚さに比較して、ある程度大きな寸法設定とするか、あるいは受容部15bの上部のみを昇降させて可動可能とする構成することもよい。
【0034】
本発明にかかる太陽電池パネルSp設置用架台10は、以上のように構成されるので、以下に記載するように、施工を行うことができる。
先ず、施工現場である、屋上において、設置すべき面積に対応する太陽電池パネルSpの必要枚数を用意し、それぞれの太陽電池パネルSpを支持する架台10である、固定側支持基体11および可動側支持基体12を搬入する。
【0035】
作業者は、屋上において、施工図を基に、架台10である固定側支持基体11および可動側支持基体12を配置していき、それぞれ所定の位置において施工する(図6参照)。勿論、施工に当たり、下地のコンディションを把握するために、予め不陸や水勾配などの存在を調査して確認しておき、調整しておくことが好ましい。
【0036】
固定側支持基体11は、屋上の防水層などの下地に、接着手段Bや、周知の締付固定手段Fにより固定することができる。固定側支持基体11の配置が決まれば、対応する可動側支持基体12を位置決めして、太陽電池パネルSpを取り付けることができる。
すなわち、使用される太陽電池パネルSpの規格寸法に応じて、可動側支持基体12の可動基礎部12aを、支持すべき太陽電池パネルSpの大きさに応じて、屋上の下地上を移動させながら、昇降調節受け部15の締付固定手段16を緩めて、昇降部15aを支柱部12bにおいて昇降させ、太陽電池パネルSpの対向する両枠縁Peをそれぞれ固定側支持基体11の調節受け部13の受縁13aに載せる一方、可動側支持基体12の昇降調節受け部15の受容部15bに差し入れるようにする。太陽電池パネルSpが、可動側支持基体12の昇降調節受け部15の受容部15bに入らないときは、可動側支持基体12の可動基礎部12aを移動させる。
太陽電池パネルSpの厚さが固定側支持基体11の調節受け部13に合わないときは、締付固定手段14を緩めて、調節枠体13bを上げ下げ調節し、締付固定手段14を締め付けて太陽電池パネルSpを挟持する。
【0037】
以上のようにして、太陽電池パネルSpを架台10に取り付けることができるので、施工は、従来のように、基礎設置と架台設置に分けて作業を行う必要はなく、現場施工性が格段に向上する。
しかも、本発明では、これまでの乾式基礎と架台が一体化したことで、部品点数が減少して軽量化と作業性が向上する。
また、架台10の設置はパネルの実寸に合わせて可動側支持基体12の可動基礎部12aを移動させることで施工できるため、これまでの架台設置のための精度を必要とせず、施工が容易となる。
【0038】
なお、パネルの設置は5〜10度と傾斜が小さく限定的であるが、本実施形態で示した架台である固定側支持基体と可動側支持基体とで、耐風圧性は問題はない。さらには、パネルの取付角度が限定されていることと、基礎一組当たりのパネル設置個数が決まっているため、耐風圧計算が容易となる。勿論、パネルの設置場所によっては、0〜30度も可能であり、この方が、発電効率上、好ましい。
【0039】
以上、本発明に係る太陽電池パネル設置用架台について、一実施形態を挙げ、説明したが、架台の構成は、支柱部と基礎部とが一体型であれば、前述の実施形態に限らない。
例えば、架台が一組の固定側支持基体と可動側支持基体とで構成される実施形態を説明したが、さらに3つ以上の多数の固定側支持基体と可動側支持基体との構成も可能である。
【0040】
また、固定側支持基体および昇降調節手段は、任意な周知の機構を適用することができる。
例えば図4に示す調節受け部13は次のような構成として、任意の調節位置で調節枠体13bを拘束することができる。
すなわち、図7a、図7bに示すように、昇降調節手段は、固定側支持基体11の支柱部11b、または調節枠体13b側に、調節用の長穴Lhを設けて、締付固定手段14として、締付可能なスタッドボルト部材を長穴Lhを介して支柱部11b及び調節枠体13bに挿通し、任意の調節位置で調節枠体13bを拘束するようにしてもよい。
なお、使用される太陽電池パネルSpが確定していれば、その太陽電池パネルSpの規格寸法に対応して、固定側支持基体11および可動側支持基体12の配置位置、並びに固定側支持基体11での太陽電池パネルSpの上面の受け入れ位置を予め決めることができる。そのために、図7bに示すような昇降調節手段を設けなくても、工場にて、支柱部11bの所定高さの部位と調節枠体13bとに穴hを形成加工しておけば、現場で調節枠体13bの高さ調整(受け入れ調整)をする必要がなく、締付固定手段14で調節枠体13bを拘束することができるので、より工期の短縮化につながる。
【0041】
その他、調節受け部13は、図8に示すように、調節枠体13bと支柱部11b間に締付固定手段14を上下方向に締め込んで、太陽電池パネルSpの枠縁Peを挟み付けることも可能である。
また、調節受け部13は、図9に示すように、調節枠体13bと支柱部11b間にばね部材Sを有する締付固定手段14を上下方向にばね力により、太陽電池パネルSpの枠縁Peを挟み付けることも可能である。
【0042】
さらに、調節受け部13は、調節枠体13bに限らず、図10に示すような、屈曲棒状支持部材Rを支柱部11bの対向両面に上下動可能に配設して、これら対向両面の屈曲棒状支持部材R間に、太陽電池パネルSpの枠縁Peを挟み付けて支持することも可能である。
【0043】
さらには、図示はしないが、調節受け部13は、太陽電池パネルSpを挟んだ後に、太陽電池パネルSpをずれないように固定するための手段として調節枠体13bの上から太陽電池パネルSpを締め付ける締付ボルト部材を設けることもよい。あるいは、ずれ止めの手段としては、調節受け部13は太陽電池パネルSpを挟んだ後に、コーキング材等を充填することも考えられる。
【0044】
そしてさらには、太陽電池パネルSpは、固定側支持基体11の支柱部11bに下面側から昇降調節可能に固定する構造であれば、図4のように太陽電池パネルSp上面にかぶせるような調節枠体13bはなくてもよい。
【符号の説明】
【0045】
10 屋上設置用架台
11 固定側支持基体
12 可動側支持基体
11a 固定基礎部
12a 可動基礎部
11b、12b 支柱部
13 調節受け部
13a 受縁
13b 調節枠体
14 締付固定手段
15 昇降調節受け部
15a 昇降部
15b 受容部
16 締付固定手段
Sp 太陽電池パネル
Sc 太陽電池セル
Pe 枠縁
B 接着層
F 締付固定手段
Lh 長穴
h 穴
S ばね部材
R 屈曲棒状支持部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池パネルを予め定めた角度で傾斜支持する太陽電池パネル設置用架台であって、
前記太陽電池パネルを傾斜支持するための複数の支持基体を備え、
これら複数の支持基体は、それぞれ、固定基礎部と固定基礎部に一体的に立設してなる支柱部とを有する固定側支持基体と、可動基礎部と可動基礎部に一体的に立設してなる支柱部とを有する可動側支持基体と、を具備し、
これら固定側支持基体および可動側支持基体の支柱部は、前記太陽電池パネルを前記予め定めた角度に傾斜支持するために、相違する支柱高さとし、
前記固定側支持基体は、前記支柱部に、支持すべき太陽電池パネルのパネル厚に応じて調節して太陽電池パネルを受け止める調節受け部を備え、
前記可動側支持基体は、支持すべき太陽電池パネルの大きさに応じて、可動基礎部を固定側支持基体に対して移動可能とすると共に、前記支柱部に、前記太陽電池パネルを前記予め定めた傾斜角度で受け入れて支持するために、前記支柱部上で高さ方向に調節する昇降調節受け部を備えることを特徴とする太陽電池パネル設置用架台。
【請求項2】
前記固定側支持基体および可動側支持基体は、支持すべき太陽電池パネルの対向する枠縁を支持するように配置してなることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池パネル設置用架台。
【請求項3】
前記支持基体は金属材で構成され、前記支持基体の固定基礎部および可動基礎部は、所定範囲で張り出して屋上の下地に接地し、防水層を被覆することで、防水層と固定基礎部および可動基礎部と、を一体化するための張り出し部を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の太陽電池パネル設置用架台。
【請求項4】
前記固定側支持基体の固定基礎部は、屋上の下地に接着によって固定される接着面を有することを特徴とする請求項1から3記載のうち、いずれか1に記載の太陽電池パネル設置用架台。
【請求項5】
前記固定側支持基体の固定基礎部は、屋上の下地に締付固定手段によって固定される固定部を有することを特徴とする請求項1から3記載のうち、いずれか1に記載の太陽電池パネル設置用架台。
【請求項6】
前記固定側支持基体の固定基礎部は、屋上の下地に溶接手段によって固定される固定部を有することを特徴とする請求項1から3記載のうち、いずれか1に記載の太陽電池パネル設置用架台。
【請求項7】
前記傾斜角度は、5〜10度の範囲であることを特徴とする請求項1から6記載のうち、いずれか1に記載の太陽電池パネル設置用架台。
【請求項8】
前記傾斜角度は、0〜60度の範囲であることを特徴とする請求項1から6記載のうち、いずれか1に記載の太陽電池パネル設置用架台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【図7c】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−104756(P2012−104756A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−254106(P2010−254106)
【出願日】平成22年11月12日(2010.11.12)
【出願人】(000217365)田島ルーフィング株式会社 (78)
【Fターム(参考)】