太陽電池モジュール用端子ボックスの出力ケーブル固定構造
【課題】出力ケーブルと端子板との電気的な接続が損なわれるおそれが少ない出力ケーブル固定構造を提供する。
【解決手段】太陽電池モジュールと電気的に接続される端子板を端子ボックスAの内部に備え、端子板に電気的に接続された出力ケーブル7を端子ボックスAの外部に導出してある太陽電池モジュール用端子ボックスの出力ケーブル固定構造であって、出力ケーブル7の胴部9に固定される第1固定部10と、端子ボックスAの一部に固定される第2固定部11とを有するケーブル固定具8により、出力ケーブル7を電気的な接続とは別に端子ボックスAに固定してある。
【解決手段】太陽電池モジュールと電気的に接続される端子板を端子ボックスAの内部に備え、端子板に電気的に接続された出力ケーブル7を端子ボックスAの外部に導出してある太陽電池モジュール用端子ボックスの出力ケーブル固定構造であって、出力ケーブル7の胴部9に固定される第1固定部10と、端子ボックスAの一部に固定される第2固定部11とを有するケーブル固定具8により、出力ケーブル7を電気的な接続とは別に端子ボックスAに固定してある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池モジュールと電気的に接続される端子板を端子ボックスの内部に備え、前記端子板に電気的に接続された出力ケーブルを前記端子ボックスの外部に導出してある太陽電池モジュール用端子ボックスの出力ケーブル固定構造に関する。
【背景技術】
【0002】
上記太陽電池モジュール用端子ボックスの出力ケーブル固定構造では、従来、出力ケーブルを端子板に対する電気的な接続とは別に端子ボックスに固定するケーブル固定具が、出力ケーブルに対する面接触によって当該出力ケーブルの浮き上がりを防止するケーブル押え部材で構成され、このケーブル押え部材を端子ボックスに係止固定してある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4452997号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このため、ケーブル押え部材の出力ケーブルに対する面接触に緩みが生じ易く、外部からの継続的な負荷が出力ケーブルに作用したときに、出力ケーブルが端子ボックスに対して変位して端子板との電気的な接続が損なわれるおそれがある。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、出力ケーブルと端子板との電気的な接続が損なわれるおそれが少ない出力ケーブル固定構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1特徴構成は、太陽電池モジュールと電気的に接続される端子板を端子ボックスの内部に備え、前記端子板に電気的に接続された出力ケーブルを前記端子ボックスの外部に導出してある太陽電池モジュール用端子ボックスの出力ケーブル固定構造であって、前記出力ケーブルの胴部に固定される第1固定部と、前記端子ボックスの一部に固定される第2固定部とを有するケーブル固定具により、前記出力ケーブルを前記電気的な接続とは別に前記端子ボックスに固定してある点にある。
【0006】
本構成の出力ケーブル固定構造は、出力ケーブルの胴部に固定される第1固定部と、端子ボックスの一部に固定される第2固定部とを有するケーブル固定具により、出力ケーブルを端子板との電気的な接続とは別に端子ボックスに固定してある。
このため、出力ケーブルと端子ボックスとを、ケーブル固定具を介して一体に固定することができ、長期に亘って出力ケーブルが端子ボックスに対して変位し難い。
したがって、本構成の出力ケーブル固定構造であれば、出力ケーブルと端子板との電気的な接続が損なわれるおそれが少ない。
【0007】
本発明の第2特徴構成は、前記第1固定部が、前記胴部に巻付把持可能な帯状に形成され、前記第2固定部が、前記端子ボックスに巻付把持可能となるよう前記第1固定部からT字状に突出形成してある点にある。
【0008】
本構成であれば、第1固定部を胴部に巻付把持させ、第2固定部を端子ボックスに巻付把持させるという簡易な作業で、出力ケーブルと端子ボックスとを、ケーブル固定具を介して一体に固定することができる。
【0009】
本発明の第3特徴構成は、前記第1固定部に、前記胴部の外面に対して集中荷重を付与可能な線状凸部を形成してある点にある。
【0010】
本構成であれば、線状凸部を胴部の外面に対して食い込ませて、第1固定部を胴部に対して強固に巻付把持させ易い。
【0011】
本発明の第4特徴構成は、前記ケーブル固定具が取り付けられた前記出力ケーブルのうち、前記第2固定部を挿通可能であり、かつ、前記第1固定部を固定した部位或いは前記第1固定部近傍の前記出力ケーブルの部位の少なくとも半周以上の領域を包囲可能なケーブル包持部を前記端子ボックスに形成してある点にある。
【0012】
本構成であれば、第2固定部を出力ケーブルの端子板に対する接続側に向けた姿勢で、ケーブル固定具が固定された出力ケーブルのうちの、第1固定部を固定した部位或いは第1固定部近傍の出力ケーブルの部位の少なくとも半周以上の領域を包囲しておくことができる。
したがって、出力ケーブルの端子板に対する電気的な接続が損なわれないように、出力ケーブルの端子ボックスに対する固定姿勢を長期に亘って維持し易い。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】ボックス本体の内部を示す平面図である。
【図2】ボックス本体の正面図である。
【図3】ボックス本体の底面を示す平面図である。
【図4】ケーブル固定具の斜視図である。
【図5】ケーブル固定具の側面図である。
【図6】ケーブル固定具の正面図である。
【図7】ケーブル固定具の湾曲帯板材(第1固定部)を出力ケーブルに固定した状態を示す斜視図である。
【図8】(a)は、出力ケーブルを固定する前のケーブル固定部をボックス本体の底面側から見た斜視図、(b)は、出力ケーブルを固定した後のケーブル固定部をボックス本体の底面側から見た斜視図である。
【図9】ケーブル固定部をボックス本体の底面側から見た平面図である。
【図10】図9におけるX−X線断面図である。
【図11】図9におけるXI−XI線断面図である。
【図12】図9におけるXII −XII 線断面図である。
【図13】第2実施形態におけるボックス本体の内部を示す平面図である。
【図14】第2実施形態におけるボックス本体の正面図である。
【図15】第2実施形態におけるボックス本体の底面を示す平面図である。
【図16】図13におけるXVI −XVI 線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
図1〜図3は、太陽電池モジュール用端子ボックスAを示す。
端子ボックスAは、太陽電池モジュール(図外)と電気的に接続される二つの端子板1を内部に備える矩形箱形の樹脂製ボックス本体A1と、ボックス本体A1の開口部2を塞ぐ樹脂製蓋体(図外)とを備えている。
【0015】
端子板1はボックス本体A1の底板3に係止して組み付けられ、各端子板1に電気的に接続される太陽電池モジュール(図外)の出力端子(図外)を導入する導入孔4が底板3に貫通形成されている。
なお、図示しないが、端子板1どうしはバイパスダイオードを介して互いに電気的に接続される。
【0016】
ボックス本体A1の側壁5にケーブル挿通孔(図10参照)6を貫通形成して、各端子板1に電気的に接続された出力ケーブル7を各別にケーブル挿通孔6に挿通してボックス本体A1の外部に導出してある。
ケーブル挿通孔6は、ボックス本体A1の内側に向けて側壁5に一体成形してあるボス6aに連通している。
【0017】
各ケーブル挿通孔6及びボス6aに挿通してボックス本体A1の外部に導出された出力ケーブル7は、本発明による板金製のケーブル固定具(クランパー)8を用いた出力ケーブル固定構造により、端子板1との電気的な接続とは別に、ボックス本体A1に固定してある。
【0018】
尚、ケーブル固定具8が金属材料で形成されているので、樹脂製のケーブル固定具に比べて応力緩和が生じ難く、太陽電池モジュールが設置される高温多湿等の悪条件下においても、長期に亘って出力ケーブル7が端子ボックスAに対して位置ずれし難い。
【0019】
出力ケーブル7は、芯線7aと芯線7aを覆う絶縁被覆層9とを有しており、図4〜図6に示すように、ケーブル固定具8は、出力ケーブル7の胴部を構成する絶縁被覆層9に固定される第1固定部10と、ボックス本体A1の一部に固定される第2固定部11とを有する。
【0020】
第1固定部10は、絶縁被覆層9に巻き付けてカシメ固定することにより当該絶縁被覆層9に巻付把持可能なU字状に湾曲させた湾曲帯板材で構成され、カシメ固定時に、絶縁被覆層9の外周面に対して集中荷重を付与可能な複数の線状凸部12を湾曲帯板材(第1固定部)10の長手方向に沿わせて内周面側に向けて突出するように形成してある。
湾曲帯板材10の長手方向両端部には、出力ケーブル7にカシメ固定されたときに板幅方向で互いに隣り合うように入り込む爪13が形成されている。
【0021】
第2固定部11は、ボックス本体A1の一部に巻付把持可能となるように、湾曲帯板材10から延設された出力ケーブル7の外径よりも幅が狭い連結板材14と、その連結板材14に連設されてボックス本体A1の一部にカシメ固定される扁平帯板材15とを備えたT字状に湾曲帯板材10から突出形成してある。
【0022】
ケーブル固定具8は、図7に示すように、扁平帯板材15を出力ケーブル7の端子板1に対する接続側に向けた姿勢で、湾曲帯板材10が出力ケーブル7の絶縁被覆層9の外周面にカシメ固定される。
【0023】
ボックス本体A1の側壁5のうちのケーブル挿通孔6の周りの外側(端子ボックスAの外側)には、ケーブル固定具8の湾曲帯板材(第1固定部)10が予めカシメ固定された出力ケーブル7をボックス本体A1に固定するためのケーブル固定部16が、ボックス本体A1の底板3の下面と面一に樹脂成形されている。
【0024】
図8〜図12に示すように、ケーブル固定部16には、ケーブル固定具8が予め取り付けられた出力ケーブル7のうち、第2固定部11を挿通可能であり、かつ、湾曲帯板材10を固定した固定部位17及び湾曲帯板材10の近傍のケーブル部位18を包囲可能に保持するケーブル包持部19と、第2固定部11の扁平帯板材15がカシメ固定されるカシメ固定部(図12参照)20とを設けてある。
【0025】
ケーブル包持部19には、ケーブル固定具8の湾曲帯板材10が予めカシメ固定された出力ケーブル7をケーブル挿通孔6に挿通させるに伴う、第2固定部11(連結板材14)の通過を許容し、かつ、出力ケーブル7の径方向への抜け出しを阻止し得る幅のスリット21を形成してある筒状部分22を設けて、この筒状部分22の内側に、出力ケーブル7の湾曲帯板材10をカシメ固定した固定部位17、及び、その固定部位17のケーブル挿通方向前方側のケーブル部位(湾曲帯板材10の近傍の出力ケーブル7の部位)18の少なくとも半周以上の領域を包囲できるように構成してある。
【0026】
カシメ固定部20は、湾曲帯板材10をカシメ固定した出力ケーブル7がケーブル包持部19に保持されている状態で、底板3の下面側からの扁平帯板材15の入り込みを許容する矩形孔23と、矩形孔23に入り込ませた扁平帯板材15がその両端部を折り曲げてカシメ固定される被固定部26とを設けて構成してある。
【0027】
被固定部26は、図12に示すように、筒状部分22のうちの矩形孔23に臨む部位に、底板3の下面に平行な上面部分24と、その上面部分24に直交する方向に沿い、かつ、側壁5に直交する方向に沿った側面部分25とを有する角部26をスリット21を挟む両側に形成して設けてある。
そして、連結板材14を塑性変形させて扁平帯板材15を矩形孔23に入り込ませ、その扁平帯板材15の両端部を各角部(被固定部)26の側面部分25に沿って折り曲げて、扁平帯板材15をカシメ固定してある。
【0028】
本実施形態のケーブル固定具8は、扁平帯板材15をカシメ固定部20にカシメ固定するに伴って、底板3の下面に形成した凹部27に入り込む爪28を扁平帯板材15に設けてあるので、扁平帯板材15のカシメ固定部20に対するカシメ固定を解除したいときには、この爪28をドライバーなどで凹部27から引き起こすことによって容易に解除することができる。
【0029】
〔第2実施形態〕
図13〜図16は、本発明による出力ケーブル固定構造の別実施形態を示す。
本実施形態では、ボックス本体A1が、側壁5に形成したケーブル挿通孔6に連通するボス6aをボックス外側に備え、第2固定部11の扁平帯板材15の両端部を折り曲げて入り込ませる一対の矩形貫通孔29を底板3に形成して、扁平帯板材15を底板3にカシメ固定するカシメ固定部20を設けてある。
尚、本実施形態では、爪28を扁平帯板材15に設けていないケーブル固定具8を使用する。
【0030】
そして、ケーブル固定具8の湾曲帯板材(第1固定部)10をカシメ固定する前の出力ケーブル7をボックス本体A1の外側からボス6a及びケーブル挿通孔6に挿通してボックス本体A1の内側に入り込ませ、その出力ケーブル7にケーブル固定具8の湾曲帯板材10をカシメ固定した後、扁平帯板材15を底板3にカシメ固定してある。
【0031】
尚、ケーブル固定具8の湾曲帯板材(第1固定部)10を予めカシメ固定してある出力ケーブル7をボックス本体A1の内側からケーブル挿通孔6及びボス6aに挿通してボックス本体A1の外側に導出した後、ケーブル固定具8の扁平帯板材15の両端部を矩形貫通孔29の内側に向けて折り曲げて底板3にカシメ固定してあってもよい。
その他の構成は第1実施形態と同様である。
【符号の説明】
【0032】
1 端子板
7 出力ケーブル
8 ケーブル固定具
9 胴部
10 第1固定部
11 第2固定部
12 線状凸部
17 第1固定部を固定した部位
18 第1固定部近傍の出力ケーブルの部位
19 ケーブル包持部
A 端子ボックス
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池モジュールと電気的に接続される端子板を端子ボックスの内部に備え、前記端子板に電気的に接続された出力ケーブルを前記端子ボックスの外部に導出してある太陽電池モジュール用端子ボックスの出力ケーブル固定構造に関する。
【背景技術】
【0002】
上記太陽電池モジュール用端子ボックスの出力ケーブル固定構造では、従来、出力ケーブルを端子板に対する電気的な接続とは別に端子ボックスに固定するケーブル固定具が、出力ケーブルに対する面接触によって当該出力ケーブルの浮き上がりを防止するケーブル押え部材で構成され、このケーブル押え部材を端子ボックスに係止固定してある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4452997号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このため、ケーブル押え部材の出力ケーブルに対する面接触に緩みが生じ易く、外部からの継続的な負荷が出力ケーブルに作用したときに、出力ケーブルが端子ボックスに対して変位して端子板との電気的な接続が損なわれるおそれがある。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、出力ケーブルと端子板との電気的な接続が損なわれるおそれが少ない出力ケーブル固定構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1特徴構成は、太陽電池モジュールと電気的に接続される端子板を端子ボックスの内部に備え、前記端子板に電気的に接続された出力ケーブルを前記端子ボックスの外部に導出してある太陽電池モジュール用端子ボックスの出力ケーブル固定構造であって、前記出力ケーブルの胴部に固定される第1固定部と、前記端子ボックスの一部に固定される第2固定部とを有するケーブル固定具により、前記出力ケーブルを前記電気的な接続とは別に前記端子ボックスに固定してある点にある。
【0006】
本構成の出力ケーブル固定構造は、出力ケーブルの胴部に固定される第1固定部と、端子ボックスの一部に固定される第2固定部とを有するケーブル固定具により、出力ケーブルを端子板との電気的な接続とは別に端子ボックスに固定してある。
このため、出力ケーブルと端子ボックスとを、ケーブル固定具を介して一体に固定することができ、長期に亘って出力ケーブルが端子ボックスに対して変位し難い。
したがって、本構成の出力ケーブル固定構造であれば、出力ケーブルと端子板との電気的な接続が損なわれるおそれが少ない。
【0007】
本発明の第2特徴構成は、前記第1固定部が、前記胴部に巻付把持可能な帯状に形成され、前記第2固定部が、前記端子ボックスに巻付把持可能となるよう前記第1固定部からT字状に突出形成してある点にある。
【0008】
本構成であれば、第1固定部を胴部に巻付把持させ、第2固定部を端子ボックスに巻付把持させるという簡易な作業で、出力ケーブルと端子ボックスとを、ケーブル固定具を介して一体に固定することができる。
【0009】
本発明の第3特徴構成は、前記第1固定部に、前記胴部の外面に対して集中荷重を付与可能な線状凸部を形成してある点にある。
【0010】
本構成であれば、線状凸部を胴部の外面に対して食い込ませて、第1固定部を胴部に対して強固に巻付把持させ易い。
【0011】
本発明の第4特徴構成は、前記ケーブル固定具が取り付けられた前記出力ケーブルのうち、前記第2固定部を挿通可能であり、かつ、前記第1固定部を固定した部位或いは前記第1固定部近傍の前記出力ケーブルの部位の少なくとも半周以上の領域を包囲可能なケーブル包持部を前記端子ボックスに形成してある点にある。
【0012】
本構成であれば、第2固定部を出力ケーブルの端子板に対する接続側に向けた姿勢で、ケーブル固定具が固定された出力ケーブルのうちの、第1固定部を固定した部位或いは第1固定部近傍の出力ケーブルの部位の少なくとも半周以上の領域を包囲しておくことができる。
したがって、出力ケーブルの端子板に対する電気的な接続が損なわれないように、出力ケーブルの端子ボックスに対する固定姿勢を長期に亘って維持し易い。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】ボックス本体の内部を示す平面図である。
【図2】ボックス本体の正面図である。
【図3】ボックス本体の底面を示す平面図である。
【図4】ケーブル固定具の斜視図である。
【図5】ケーブル固定具の側面図である。
【図6】ケーブル固定具の正面図である。
【図7】ケーブル固定具の湾曲帯板材(第1固定部)を出力ケーブルに固定した状態を示す斜視図である。
【図8】(a)は、出力ケーブルを固定する前のケーブル固定部をボックス本体の底面側から見た斜視図、(b)は、出力ケーブルを固定した後のケーブル固定部をボックス本体の底面側から見た斜視図である。
【図9】ケーブル固定部をボックス本体の底面側から見た平面図である。
【図10】図9におけるX−X線断面図である。
【図11】図9におけるXI−XI線断面図である。
【図12】図9におけるXII −XII 線断面図である。
【図13】第2実施形態におけるボックス本体の内部を示す平面図である。
【図14】第2実施形態におけるボックス本体の正面図である。
【図15】第2実施形態におけるボックス本体の底面を示す平面図である。
【図16】図13におけるXVI −XVI 線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
図1〜図3は、太陽電池モジュール用端子ボックスAを示す。
端子ボックスAは、太陽電池モジュール(図外)と電気的に接続される二つの端子板1を内部に備える矩形箱形の樹脂製ボックス本体A1と、ボックス本体A1の開口部2を塞ぐ樹脂製蓋体(図外)とを備えている。
【0015】
端子板1はボックス本体A1の底板3に係止して組み付けられ、各端子板1に電気的に接続される太陽電池モジュール(図外)の出力端子(図外)を導入する導入孔4が底板3に貫通形成されている。
なお、図示しないが、端子板1どうしはバイパスダイオードを介して互いに電気的に接続される。
【0016】
ボックス本体A1の側壁5にケーブル挿通孔(図10参照)6を貫通形成して、各端子板1に電気的に接続された出力ケーブル7を各別にケーブル挿通孔6に挿通してボックス本体A1の外部に導出してある。
ケーブル挿通孔6は、ボックス本体A1の内側に向けて側壁5に一体成形してあるボス6aに連通している。
【0017】
各ケーブル挿通孔6及びボス6aに挿通してボックス本体A1の外部に導出された出力ケーブル7は、本発明による板金製のケーブル固定具(クランパー)8を用いた出力ケーブル固定構造により、端子板1との電気的な接続とは別に、ボックス本体A1に固定してある。
【0018】
尚、ケーブル固定具8が金属材料で形成されているので、樹脂製のケーブル固定具に比べて応力緩和が生じ難く、太陽電池モジュールが設置される高温多湿等の悪条件下においても、長期に亘って出力ケーブル7が端子ボックスAに対して位置ずれし難い。
【0019】
出力ケーブル7は、芯線7aと芯線7aを覆う絶縁被覆層9とを有しており、図4〜図6に示すように、ケーブル固定具8は、出力ケーブル7の胴部を構成する絶縁被覆層9に固定される第1固定部10と、ボックス本体A1の一部に固定される第2固定部11とを有する。
【0020】
第1固定部10は、絶縁被覆層9に巻き付けてカシメ固定することにより当該絶縁被覆層9に巻付把持可能なU字状に湾曲させた湾曲帯板材で構成され、カシメ固定時に、絶縁被覆層9の外周面に対して集中荷重を付与可能な複数の線状凸部12を湾曲帯板材(第1固定部)10の長手方向に沿わせて内周面側に向けて突出するように形成してある。
湾曲帯板材10の長手方向両端部には、出力ケーブル7にカシメ固定されたときに板幅方向で互いに隣り合うように入り込む爪13が形成されている。
【0021】
第2固定部11は、ボックス本体A1の一部に巻付把持可能となるように、湾曲帯板材10から延設された出力ケーブル7の外径よりも幅が狭い連結板材14と、その連結板材14に連設されてボックス本体A1の一部にカシメ固定される扁平帯板材15とを備えたT字状に湾曲帯板材10から突出形成してある。
【0022】
ケーブル固定具8は、図7に示すように、扁平帯板材15を出力ケーブル7の端子板1に対する接続側に向けた姿勢で、湾曲帯板材10が出力ケーブル7の絶縁被覆層9の外周面にカシメ固定される。
【0023】
ボックス本体A1の側壁5のうちのケーブル挿通孔6の周りの外側(端子ボックスAの外側)には、ケーブル固定具8の湾曲帯板材(第1固定部)10が予めカシメ固定された出力ケーブル7をボックス本体A1に固定するためのケーブル固定部16が、ボックス本体A1の底板3の下面と面一に樹脂成形されている。
【0024】
図8〜図12に示すように、ケーブル固定部16には、ケーブル固定具8が予め取り付けられた出力ケーブル7のうち、第2固定部11を挿通可能であり、かつ、湾曲帯板材10を固定した固定部位17及び湾曲帯板材10の近傍のケーブル部位18を包囲可能に保持するケーブル包持部19と、第2固定部11の扁平帯板材15がカシメ固定されるカシメ固定部(図12参照)20とを設けてある。
【0025】
ケーブル包持部19には、ケーブル固定具8の湾曲帯板材10が予めカシメ固定された出力ケーブル7をケーブル挿通孔6に挿通させるに伴う、第2固定部11(連結板材14)の通過を許容し、かつ、出力ケーブル7の径方向への抜け出しを阻止し得る幅のスリット21を形成してある筒状部分22を設けて、この筒状部分22の内側に、出力ケーブル7の湾曲帯板材10をカシメ固定した固定部位17、及び、その固定部位17のケーブル挿通方向前方側のケーブル部位(湾曲帯板材10の近傍の出力ケーブル7の部位)18の少なくとも半周以上の領域を包囲できるように構成してある。
【0026】
カシメ固定部20は、湾曲帯板材10をカシメ固定した出力ケーブル7がケーブル包持部19に保持されている状態で、底板3の下面側からの扁平帯板材15の入り込みを許容する矩形孔23と、矩形孔23に入り込ませた扁平帯板材15がその両端部を折り曲げてカシメ固定される被固定部26とを設けて構成してある。
【0027】
被固定部26は、図12に示すように、筒状部分22のうちの矩形孔23に臨む部位に、底板3の下面に平行な上面部分24と、その上面部分24に直交する方向に沿い、かつ、側壁5に直交する方向に沿った側面部分25とを有する角部26をスリット21を挟む両側に形成して設けてある。
そして、連結板材14を塑性変形させて扁平帯板材15を矩形孔23に入り込ませ、その扁平帯板材15の両端部を各角部(被固定部)26の側面部分25に沿って折り曲げて、扁平帯板材15をカシメ固定してある。
【0028】
本実施形態のケーブル固定具8は、扁平帯板材15をカシメ固定部20にカシメ固定するに伴って、底板3の下面に形成した凹部27に入り込む爪28を扁平帯板材15に設けてあるので、扁平帯板材15のカシメ固定部20に対するカシメ固定を解除したいときには、この爪28をドライバーなどで凹部27から引き起こすことによって容易に解除することができる。
【0029】
〔第2実施形態〕
図13〜図16は、本発明による出力ケーブル固定構造の別実施形態を示す。
本実施形態では、ボックス本体A1が、側壁5に形成したケーブル挿通孔6に連通するボス6aをボックス外側に備え、第2固定部11の扁平帯板材15の両端部を折り曲げて入り込ませる一対の矩形貫通孔29を底板3に形成して、扁平帯板材15を底板3にカシメ固定するカシメ固定部20を設けてある。
尚、本実施形態では、爪28を扁平帯板材15に設けていないケーブル固定具8を使用する。
【0030】
そして、ケーブル固定具8の湾曲帯板材(第1固定部)10をカシメ固定する前の出力ケーブル7をボックス本体A1の外側からボス6a及びケーブル挿通孔6に挿通してボックス本体A1の内側に入り込ませ、その出力ケーブル7にケーブル固定具8の湾曲帯板材10をカシメ固定した後、扁平帯板材15を底板3にカシメ固定してある。
【0031】
尚、ケーブル固定具8の湾曲帯板材(第1固定部)10を予めカシメ固定してある出力ケーブル7をボックス本体A1の内側からケーブル挿通孔6及びボス6aに挿通してボックス本体A1の外側に導出した後、ケーブル固定具8の扁平帯板材15の両端部を矩形貫通孔29の内側に向けて折り曲げて底板3にカシメ固定してあってもよい。
その他の構成は第1実施形態と同様である。
【符号の説明】
【0032】
1 端子板
7 出力ケーブル
8 ケーブル固定具
9 胴部
10 第1固定部
11 第2固定部
12 線状凸部
17 第1固定部を固定した部位
18 第1固定部近傍の出力ケーブルの部位
19 ケーブル包持部
A 端子ボックス
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池モジュールと電気的に接続される端子板を端子ボックスの内部に備え、
前記端子板に電気的に接続された出力ケーブルを前記端子ボックスの外部に導出してある太陽電池モジュール用端子ボックスの出力ケーブル固定構造であって、
前記出力ケーブルの胴部に固定される第1固定部と、前記端子ボックスの一部に固定される第2固定部とを有するケーブル固定具により、前記出力ケーブルを前記電気的な接続とは別に前記端子ボックスに固定してある太陽電池モジュール用端子ボックスの出力ケーブル固定構造。
【請求項2】
前記第1固定部が、前記胴部に巻付把持可能な帯状に形成され、前記第2固定部が、前記端子ボックスに巻付把持可能となるよう前記第1固定部からT字状に突出形成してある請求項1記載の太陽電池モジュール用端子ボックスの出力ケーブル固定構造。
【請求項3】
前記第1固定部に、前記胴部の外面に対して集中荷重を付与可能な線状凸部を形成してある請求項1又は2記載の太陽電池モジュール用端子ボックスの出力ケーブル固定構造。
【請求項4】
前記ケーブル固定具が取り付けられた前記出力ケーブルのうち、前記第2固定部を挿通可能であり、かつ、前記第1固定部を固定した部位或いは前記第1固定部近傍の前記出力ケーブルの部位の少なくとも半周以上の領域を包囲可能なケーブル包持部を前記端子ボックスに形成してある請求項1〜3のいずれか1項記載の太陽電池モジュール用端子ボックスの出力ケーブル固定構造。
【請求項1】
太陽電池モジュールと電気的に接続される端子板を端子ボックスの内部に備え、
前記端子板に電気的に接続された出力ケーブルを前記端子ボックスの外部に導出してある太陽電池モジュール用端子ボックスの出力ケーブル固定構造であって、
前記出力ケーブルの胴部に固定される第1固定部と、前記端子ボックスの一部に固定される第2固定部とを有するケーブル固定具により、前記出力ケーブルを前記電気的な接続とは別に前記端子ボックスに固定してある太陽電池モジュール用端子ボックスの出力ケーブル固定構造。
【請求項2】
前記第1固定部が、前記胴部に巻付把持可能な帯状に形成され、前記第2固定部が、前記端子ボックスに巻付把持可能となるよう前記第1固定部からT字状に突出形成してある請求項1記載の太陽電池モジュール用端子ボックスの出力ケーブル固定構造。
【請求項3】
前記第1固定部に、前記胴部の外面に対して集中荷重を付与可能な線状凸部を形成してある請求項1又は2記載の太陽電池モジュール用端子ボックスの出力ケーブル固定構造。
【請求項4】
前記ケーブル固定具が取り付けられた前記出力ケーブルのうち、前記第2固定部を挿通可能であり、かつ、前記第1固定部を固定した部位或いは前記第1固定部近傍の前記出力ケーブルの部位の少なくとも半周以上の領域を包囲可能なケーブル包持部を前記端子ボックスに形成してある請求項1〜3のいずれか1項記載の太陽電池モジュール用端子ボックスの出力ケーブル固定構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−74629(P2012−74629A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−219971(P2010−219971)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000194918)ホシデン株式会社 (527)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000194918)ホシデン株式会社 (527)
【Fターム(参考)】
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