説明

太陽電池付き可搬型用品

【課題】太陽電池の存在が目立つことなく外観を自然なものとできる太陽電池付き可搬型用品を提供する。
【解決手段】駆体2に備えられた太陽電池1が色素増感型太陽電池であることから、担持させる増感色素の色調により太陽電池1部分を任意の色調として、太陽電池1の存在が目立つことなくペンダント等として用いても外観を自然なものとすることができる。また太陽電池1の正極41及び負極42に電気的に接続されループ状になされた導電性のケーブル3により、太陽電池によって発電された電力がケーブル3に導通されて磁界が発生し、その磁界により人体の血行を促進すること

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池が備えられた可搬型用品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
可搬型用品に太陽電池が備えられることで、動作に係る電池の交換が不要となったり、また頻度を低くできるが、係る可搬型用品としては、例えば強誘電性高分子液晶を含む液晶材を樹脂基板によって挟持してなる液晶表示素子によって形成され、任意のデザインを表示する液晶表示部と、この任意のデザインを記憶するICチップと、この任意のデザインを切り替える操作部とを備え、電源として太陽電池を用いた装飾品が開示されている(例えば特許文献1)。
【0003】
また他に、テレビ、ビデオ等あらゆるリモートコントロール操作の可能な電器製品に対するリモートコントロール送信機に太陽電池を取り入れたソーラーリモコンが開示されている(例えば特許文献2)。
【0004】
【特許文献1】特開平05−269008号公報
【特許文献2】実願平5−59971号のCD−ROM(実開平7−25680号)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、引用文献1や引用文献2に記載のような、従来の太陽電池付き可搬型用品では、太陽電池の色調が黒に近い青色であることから、太陽電池の存在が強調されて可搬型用品の外観が不自然なものとなる恐れがあった。
【0006】
本発明は上記の如き課題に鑑みてなされたものであり、太陽電池の存在が目立つことなく外観を自然なものとできる太陽電池付き可搬型用品を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は以下のような構成としている。すなわち、本発明に係わる太陽電池付き可搬型用品は、駆体と太陽電池とを備え、該太陽電池が色素増感型太陽電池であることを特徴とするものである。
【0008】
本発明に係る太陽電池付き可搬型用品によれば、駆体に備えられた太陽電池が色素増感型太陽電池であることから、担持させる増感色素の色調により太陽電池部分を任意の色調として、太陽電池の存在が目立つことなく外観を自然なものとすることができる。
【0009】
また更に太陽電池の正極及び負極に電気的に接続され、ループ状になされた導電性のケーブルが備えられ、該ケーブルが人体の一部に巻回可能となされていれば、太陽電池により発電された電力がケーブルに導通されて磁界が発生し、その磁界により人体の血行を促進することができ好ましい。
【0010】
また前記駆体はテレビ、ビデオ等のリモコンであれば、太陽電池が設けられていても目立つことがなく自然であり、また屋内で用いた場合でも蛍光灯等の光により発電することができ好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る太陽電池付き可搬型用品によれば、駆体に備えられた太陽電池が色素増感型太陽電池であることから、担持させる増感色素の色調により太陽電池部分を任意の色調として、太陽電池の存在が目立つことなく外観を自然なものとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明に係わる最良の実施の形態について、図面に基づき以下に具体的に説明する。
【0013】
図1は、本発明に係る太陽電池付き可搬型用品の、第一の実施形態を示す正面図である。太陽電池付き可搬型用品10はペンダント状のものであり、ハート型の駆体2の内側に色素増感型太陽電池である太陽電池1が備えられ、人体の一部である首に巻回してかけることができる導電性のケーブル3の両端が太陽電池1の正極41及び陰極42に電気的に接続されてループ状となされたものである。ケーブル3中を、陰極42から正極41に電子が移動すると、ケーブル3周辺に磁界が発生し、ケーブル3が巻回された首周りに磁界が作用して血行が促進され、肩こりや筋肉痛等を緩和することができるようになされている。
【0014】
図2は、図1の太陽電池1の縦断面図である。太陽電池1は周囲を駆体2により保持され、光入射側αから熱可塑性合成樹脂である環状ポリオレフィン樹脂からなる本体11、本体11にスズドープ酸化インジウム(ITO)を蒸着して形成された透明電極12、多孔質半導体層に増感色素を担持させて形成した光電極層13、ヨウ素溶液からなる電解質層14、環状ポリオレフィン樹脂からなる本体15、及び本体15に白金を蒸着して形成された対向電極16が積層されたものであり、電解質層14の両側端は封止材17により封止されている。この本体11及び透明電極12を透過した可視光線が光電極層13に照射されることで電荷の移動が生じ発電が行われ、正極41は透明電極12に、陰極42は対向電極16に接続されているものである。必要な強度が備えられていれば、駆体2は太陽電池1の本体11及び15が兼ねるようにしてもよい。本体11及び15は透明性の高い材料から形成され、且つ透明電極12及び対向電極16は極めて膜厚の小さいものであることから、光電極層13に担持された増感色素の色調の透明な外観となされている。
【0015】
図3は、本発明に係る太陽電池付き可搬型用品の、第二の実施形態を示す正面図である。太陽電池付き可搬型用品10はテレビ用のリモコンであり、駆体2の上半分にはチャンネルボタン51と電源ボタン52とからなるボタン部5が設けられると共に、下半分には三体の太陽電池1が設けられ、三体の太陽電池1は各々別な色調とされカラフルな外観となされている。この太陽電池1が色素増感型太陽電池となされることで、太陽電池1の色調を任意のものとして自然な外観とでき、また色調が任意となり得るのでカラフルな外観を得ることもできる。更にまた、駆体2内に充電手段を設けて発電量が少ない状態でもリモコンが作動するようにしてもよい。
【0016】
光電極層13に担持される増感色素としては、クチナシ色素、スイカズラ色素等のカロテノイド系のものやクマリン343等のクマリン系色素等のものを用いることで黄色を発現させることができる。その他の色調を発現させるにおいては、赤色であればエオシン系等、青色であればスクアリン酸系、スクレアリリウム系等の色素を用いて発現させることができ、またこれら三原色を適宜の割合で配合することで様々な色調を設定することが可能となり得る。
【0017】
また用いられる用途によっては、変換効率の高くできる増感色素として一般に知られるルテニウム金属錯体色素として、N3、ブラックダイ、ビピリジン−カルボン酸基、ビピリジン系、フェナントロリン、キノリン、β−ジケトナート錯体等、他にOs金属錯体、Fe金属錯体、Cu金属錯体、Pt金属錯体、Re金属錯体等の金属錯体色素を用いることができる。これらの色素を用いることで、茶色味がかった赤色が発現される。他にも、シアニン色素やメロシアニン色素等のメチン色素、マーキュロクロム色素、キサンテン系色素、ポルフィリン色素、フタロシアニン色素、アゾ系色素、クマリン系色素等の有機系色素などを用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る太陽電池付き可搬型用品の、第一の実施形態を示す正面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】本発明に係る太陽電池付き可搬型用品の、第二の実施形態を示す正面図である。
【符号の説明】
【0019】
1 太陽電池
2 駆体
3 ケーブル
41 正極
42 陰極
10 太陽電池付き可搬型用品


【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆体と太陽電池とを備え、該太陽電池が色素増感型太陽電池であることを特徴とする太陽電池付き可搬型用品。
【請求項2】
更に太陽電池の正極及び負極に電気的に接続され、ループ状になされた導電性のケーブルが備えられ、該ケーブルが人体の一部に巻回可能となされていることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池付き可搬型用品。
【請求項3】
前記駆体はテレビ、ビデオ等のリモコンであることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池付き可搬型用品。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−204677(P2008−204677A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−37333(P2007−37333)
【出願日】平成19年2月19日(2007.2.19)
【出願人】(000002462)積水樹脂株式会社 (781)
【Fターム(参考)】