説明

太陽電池保護シートおよび太陽電池モジュール

【課題】効率よく太陽電池の光電変換部に光を入射することができ、良好な構造再現性およびハンドリング性を実現した太陽電池保護シートおよび太陽電池モジュールを提供する。
【解決手段】太陽電池保護シート5は、透過性保護層12と、反射構造層13と、外層6とを有している。透過性保護層12は、光透過性を有し一方の面が光入射面とされ他方の面が光射出面とされる。反射構造層13は光射出面側に設けられ光射出面から射出した光を透過性保護層12に向けて反射する反射機能を有する。外層6は、反射構造層13が光射出面と反対側に位置する裏面側に設けられ反射構造層13を保護する。反射構造層13が光射出面側に位置する表面および裏面の少なくとも一方の面に光反射性を有する光反射用凹凸面13Aが設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造を有し、前記構造によって光の回折、散乱、拡散、屈折、あるいは反射作用によって特定方向に光を偏向し、 本来は損失となってしまう光を再利用することができる保護シート及びそれを用いた太陽電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化問題に対する内外各方面の関心が高まる中、二酸化炭素の排出抑制のために、種々努力が続けられている。化石燃料の消費量の増大は、大気中の二酸化炭素の増加をもたらし、その温室効果により地球の気温が上昇し、地球環境に重大な影響を及ぼす。化石燃料に代替えするエネルギーとしては、いろいろ検討されているが、クリーンなエネルギー源である太陽光発電に対する期待が高まっている。
【0003】
太陽光発電に使用される太陽電池は、太陽光のエネルギーを直接電気に換える光電変換部としてpn接合を有する半導体を用いており、このpn接合を構成する半導体として一般的にはシリコンが最もよく用いられている。一般に太陽電池に用いられる上述のシリコンには結晶系のものと非結晶のものに分けられる。
【0004】
これらの光電変換部の上には、空気や不純物から光電変換部を保護する封止基材として一般に透明な強化ガラス等のガラス基板が設けられている。
【0005】
なお、本明細書においては、このような光電変換部を含む少なくとも1つの太陽電池セルを封止材料を用いて封止してパッケージ化したものを太陽電池モジュールという。
【0006】
太陽電池モジュールは、小片サイズの太陽電池セルを複数電極で接続させ構成する。シリコン結晶系の太陽電池は、隣り合う太陽電池セル同士の間にはある程度間隔が空いている。また、太陽電池モジュールの端部は雨水などの浸食を防ぐため、太陽電池セルを配していない余白部分を数ミリから数十ミリ設けている。
これらの隙間及び余白部分は太陽電池セルが無いため、これらの領域に光が照射されても発電にはつながらず、損失となっている。
【0007】
このような、太陽電池セルの隙間および余白に注ぐ光が損失となっていることについて、従来、以下のような対応が提案されている。
【0008】
例えば、結晶系の太陽電池(光電変換部)を有する太陽電池モジュールにおいては、裏面に配す保護シートを光反射材とし、光を再び太陽電池セル側に戻し、前面板であるガラス板などにより全反射し、太陽電池セルの受光面に再入射させ効率を上げるものがある。さらに裏面に配す保護シート上に凹凸構造をつけ、凹凸構造上で反射した光を散乱し易くし太陽電池セルの受光面に導く確率を向上させ効率を上げた構造などがある(特許文献1及び2参照)。さらに、裏面の保護シートに凹凸をつけることにより光を散乱させ、さらに太陽電池セルの両方の面が受光面となるものを使用し効率を上げる構成も存在する(特許文献3参照)。
【0009】
表面に凹凸がある光反射機能を備えた裏面に配する保護シートの製造方法には、たとえば、光反射材を基材につける際に蒸着などによりランダムな凹凸を形成したり、微粒子を含む材料により微粒子をランダムに表面に突出させることで凹凸を形成あるいは、樹脂により基材上に凹凸を付形し、それらの凹凸の上に光反射材を塗布したり、光反射材料に凹凸構造を型押ししたりするものがある。しかし、ランダムな形状は再現性に乏しく品質管理が難しいだけでなく、散乱性の制御などの調光機能をつけにくい。凹凸構造上に光反射材を塗布する構成は、構造を埋めてしまったり、光反射材塗布時に液垂れなどの厚みムラができたりしやすく性能に偏りが出たり、外観が損なわれたりする。
【0010】
また、表面に凹凸がある光反射機能を備えた裏面に配する保護シートに対して、凹凸が存在する面から入射させた場合と、凹凸が存在する面とは反対側の面から入射させた場合において保護シートとセルの配置関係によって、ガラス板などからの全反射によるセルの受光面への再集光効率が高い面が異なることを確認している。
【0011】
すなわち、太陽電池モジュールのセルの配置によって、光の入射面に保護シートの凹凸がある面を配置することが望ましい場合がある。
【0012】
一方、太陽電池モジュールメーカーが、外部業者から前面に配すガラス板や保護シート、封止材料などの各部材を取り寄せ、それらを組み立てて太陽電池モジュールを製造することが多い。
【0013】
しかし、上述にあるような表面に凹凸がついた保護シートは、組み立てる工場へ輸送される際に埃や塵を巻き込み易いといった問題がある。これら埃や塵などのゴミの付着が残留すると、部材間での剥離などのトラブルの原因となる可能性があるだけでなく、保護シートの凹凸間にゴミが存在するにより太陽電池セルへの再集光性能を下げる可能性がある。
【0014】
更に、上述にあるような表面に凹凸がついた保護シートは、製造から太陽電池モジュールの組み立てまでの期間において、その凹凸構造が表面に晒される事により、摩擦や加重等により凹凸構造が若干歪んだり削れたりするといった欠陥が発生する可能性があり、それによって太陽電池セルへの再集光性能を下げる可能性がある。
【0015】
そのうえ、上述にあるような表面に凹凸がついた保護シートは、太陽電池モジュールの組立工程においてかけられる熱によって、凹凸構造が変形する可能性があり、それによって太陽電池セルへの再集光性能を下げる可能性がある。
【特許文献1】実開昭62‐101247号公報
【特許文献2】特開平10‐284747号公報
【特許文献3】特許第3670835号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
上述のように、太陽電池の裏面側で光反射をおこすことにより発電効率を向上させることができることは明白である。特に、薄膜系の太陽電池では発電部での光吸収率が、その薄さ故多く、裏面での再帰反射は発電の効率を向上させるためには重要である。薄膜系の太陽電池は、蒸着などの方法により発電部を薄膜で生成するため、シリコンウエハを使用する結晶系よりも発電部を薄く作ることができ、材料コストの面、フレキシブル性がある面で有利な構成である。しかし、薄膜であると受光面入射光を吸収しきることができず、透過する光成分も発生する。そのため、裏面側にリフレクターを設け再帰反射させることや、散乱によって太陽電池モジュール内部での光路長を長くする工夫をすることにより発電効率は向上する。
また、その他のタイプの太陽電池においても絶縁性やバリア性を得るために、太陽電池モジュールにセルが配置されない余白部分を作る必要があり、この余白部分に注ぐ光の多くは発電には用いられないが、面積辺りの発電効率を向上させるためには、この余白領域に注ぐ光も有効に活用する手段が望まれている。多くが裏面に配す保護シートを反射材としたり、表面に凹凸をつけたりしているが、保管・輸送等の間に発生する凹凸構造の変形、保護シート輸送の際に埃や塵を巻き込み易いなどのハンドリング性が課題として残る。
【0017】
また、表面に凹凸がある光反射機能を備えた裏面に配する保護シートに対して、凹凸が存在する面から入射させた場合と、凹凸が存在する面の反対側の面から入射させた場合において保護シートとセルの配置関係によって、ガラス板などからの全反射によるセルの受光面への再集光効率が高い面が異なる為、より高い発電効率を達成する為には、前述の課題を回避しつつ太陽電池モジュールの構造に応じて最適な構成を提供する必要がある。
【0018】
本発明においては、光利用効率の向上を目的として、外光があらゆる方向から入射した場合でも効率よく太陽電池の光電変換部に光を入射することができ、良好な凹凸構造再現性および太陽電池モジュールの組み立てまでに発生し得る凹凸構造の変形の回避および良好なハンドリング性を実現し、設計通りの形状を製造することができる太陽電池保護シートおよび太陽電池モジュールの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記の課題を解決する為に、本発明の請求項1に係る太陽電池保護シートは、光透過性を有し一方の面が光入射面とされ他方の面が光射出面とされた透過性保護層と、前記光射出面側に設けられ前記光出射面から出射した光を前記透過性保護層に向けて反射する反射機能を有する反射構造層と、前記反射構造層が前記光出射面と反対側に位置する裏面側に設けられ前記反射構造層を保護する外層とを有し、前記反射構造層が前記光出射面側に位置する表面および前記裏面の少なくとも一方の面に光反射性を有する光反射用凹凸面が設けられていることを特徴とする。
言い換えると、保護シートに光反射性を有する光反射用凹凸面(レリーフ構造)を設けることにより、保護シートにより再帰反射する光は太陽電池セルの受光面に到達する確率が上がることにより、効率を向上させることができる。また、光反射用凹凸面(レリーフ構造)が形成されている面が保護シートの内部に位置することにより、保護シート両面には構造がない状態となり、太陽電池モジュール組み立て前の段階における摩擦等による傷や構造の変形、および塵埃の構造への巻き込みが低減し、ハンドリング性に優れる。更にレリーフ構造が形成されている面を受光面にすることも、受光面と反対の面にすることも可能となる。
レリーフ構造が形成されている面を受光面と反対の面にする場合においても、反射機能を有する構造層が透過性保護層および外層によって覆われている為、成形性や光学的性質を重視して材料の選定を行うことが可能となる。
【0020】
また、本発明の請求項2に係る太陽電池保護シートは、前記透過性保護層と前記反射構造層との間に、水蒸気透過度が0〜0.5g/mの範囲であるバリア層を有することを特徴とする。
バリア層を形成することにより、太陽電池モジュール内部への水蒸気の透過を防止し、太陽電池モジュールに用いられている電極の腐食や、封止樹脂の劣化を防ぐことが可能となる。水蒸気透過度が上述の範囲を超えてしまうと、電極の腐食や、封止樹脂の劣化が発生する場合がある為、望ましくない。また、前記透過性保護層と前記反射構造層との間に配置することにより、例えば前記反射構造層の一部に金属が用いられている場合に、太陽電池モジュール組み立ての際に電極が保護シートを貫通することにより、短絡する現象の防止効果を高めることが可能となる。
【0021】
また、本発明の請求項3に係る太陽電池保護シートは、前記反射構造層と前記外層との間に、水蒸気透過度が0〜0.5g/mの範囲であるバリア層を有することを特徴とする。
バリア層を形成することにより、太陽電池モジュール内部への水蒸気の透過を防止し、太陽電池モジュールに用いられている電極の腐食や、封止樹脂の劣化を防ぐことが可能となる。水蒸気透過度が上述の範囲を超えてしまうと、電極の腐食や、封止樹脂の劣化が発生する場合がある為、望ましくない。また、前記反射構造層と前期外層の間に配置することにより、反射構造層に入射光が到達するまでの光の吸収を極力抑えることが可能となる。
【0022】
また、本発明の請求項4に係る太陽電池保護シートは、前記光反射用凹凸面の形状がV字溝、多角錐形状あるいはこれらの逆型のいずれかであることを特徴とする。
上述のようなプリズム形状は反射率が良好である。たとえば、高アスペクト比の非球面レンズでは、散乱性はあるが構造による光の吸収が起こり、再帰反射率の低下を招く可能性がある。また、V字溝構造とは平面に対して下に凸であるV字形状が掘られている構造であり、その逆型は、平面に対して、上に凸であるV字形状が形成されている構造である。また、多角錘形状は、平面に対して、上に凸である多角錘が形成されている構造であり、その逆型は、平面に対して下に凸である多角錘が掘られている構造である。
【0023】
また、本発明の請求項5に係る太陽電池保護シートは、前記光反射用凹凸面の形状が複数の凸部と複数の凹部とで構成され、前記凸部の頂角が、120°から135°の範囲に含まれることを特徴とする。
頂角を上記の角度範囲に設定することにより、太陽電池モジュールに用いられる封止樹脂およびガラスの屈折率が約1.5とした際にガラスと空気との界面において全反射し、且つ反射光がレリーフ構造へ入射することを防ぐことが可能となる。一方135°を超える角度の場合、ガラスと空気との界面において、全反射が発生し難くなるため再集光効率が落ちる可能性が高くなる。また、120°を下回る角度の場合、レリーフ構造で反射した光の一部がレリーフ構造内で衝突する可能性が高くなり、再集光効率が落ちる可能性が高くなる。
【0024】
また、本発明の請求項6に係る太陽電池保護シートは、前記光反射用凹凸面は、前記反射構造層に設けられた凹凸形状の上に光反射性を有する反射膜が設けられることで構成されていることを特徴とする。
前記反射構造層を上記の様に形成することにより、光反射用凹凸面(レリーフ構造)を例えば押し出し成形や、レリーフ構造が形成された版を用いたエンボス成形、UV成形等により量産でき、安定して同一のレリーフ構造を形成することが可能となる。その結果、反射構造層を安定して生産することが可能となる。
また、本発明の請求項7に係る太陽電池保護シートは、前記反射構造層は、光反射性を有する光反射層で構成され、前記光反射用凹凸面は、前記光反射層の表面で構成されていることを特徴とする。
【0025】
また、本発明の請求項8に係る太陽電池保護シートは、前記反射膜が、金属であることを特徴とする。
前記反射膜に金属を用いることにより、鏡面反射による反射光の再集光効率を高めることが可能となる。
【0026】
また、本発明の請求項9に係る太陽電池保護シートは、前記反射膜上に酸化防止層が形成されていることを特徴とする。
酸化防止層を前記反射膜上に形成することにより、反射膜の酸化を防止することが可能となり、反射性能の劣化を防ぐことが可能となる。また、酸化防止層を無機酸化物の薄膜層とすることにより、酸素遮断効果だけでなく、水蒸気の遮断も可能となる。
【0027】
また、本発明の請求項10に係る太陽電池保護シートは、前記反射膜が、少なくとも1種類の拡散フィラー混入材料を含むことを特徴とする。
拡散フィラーを含む材料を反射膜に使用することにより、光の反射角度はレリーフ構造により調整し、この反射光の散乱性を拡散フィラーにより調整することができる。すなわち、光の入射角に因らず、安定した反射性を実現することが可能となる。
【0028】
また、本発明の請求項11に係る太陽電池モジュールは、請求項1から10のいずれかに記載の太陽電池保護シートを用いることを特徴とする。
請求項1から10のいずれかに記載の太陽電池保護シートを太陽電池モジュールに採用することによって、効率よく太陽電池の光電変換部に光を入射することができ、且つ良好な再現性が得られる太陽電池モジュールの提供が可能となる。
【発明の効果】
【0029】
本発明においては、反射構造層を形成することにより、効率よく太陽電池の光電変換部に光を入射することができ、反射構造層が有する凹凸構造を形状の再現が容易なレリーフ構造とすることにより、良好な凹凸構造再現性を有し、反射構造層を透過性保護層と、外層との間に配置することにより、太陽電池モジュールの組み立てまでに発生し得る凹凸構造の変形の回避および良好なハンドリング性を実現し、設計通りの形状を製造することができる太陽電池保護シートおよび太陽電池モジュールを提供することが出来る。
また、前記保護シートを用い、LEDやEL素子等の発光素子の光を再利用することにより光の利用効率を向上し、発光効率の良い発光素子を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
まず、本発明に係る太陽電池モジュールについて説明する。
図1に示すのは本発明の太陽電池モジュール一様態に係る概略図である。光線1は、太陽光や、室内灯などの人工照明の光を指す。前面板2は外光1を入射するものであり、一般的で光線透過率が高い透明な材料が用いられ、具体的には強化ガラス、PEN(ポリエチレンナフタレート)などの樹脂シートが使用されている。
前面板2の厚みは強化ガラスであれば約5mm、樹脂シートであれば数十〜数百μmである。
【0031】
前面板2に入射した光1は充填材3へと入射する。充填材3は、太陽電池セルを封止する役割があり、前面板2から入射した外光1を透過させるため光線透過率が高い材料が用いられ、難燃性をもつEVA(エチレン・ビニル・アセテート)が広く使用されている。
【0032】
充填材3を透過した光1は太陽電池セル4へと入射する。太陽電池セル4は、光電効果により受光部に入射した光を電気へと変換する機能を持ち、単結晶シリコン型、多結晶シリコン型、薄膜シリコン型、CIGS(Cu・In・Ga・Seの化合物)系薄膜型など多くの種類が存在する。
太陽電池セル4は、複数個を電極で接続し、モジュールを形成する。
【0033】
太陽電池セル4を透過した光1は充填材3を介して保護シート5へ入射する。保護シート5は、入射した光を後述する反射構造層13により受光面側へと反射する機能を有する。反射された光は前面板2と大気との界面などでさらに反射され、太陽電池セル4の受光面に照射され光電変換されることにより光利用効率が向上する効果がある。
【0034】
図2は、本実施の形態に係る太陽電池の保護シート5の構成の一例を示す側面図である。保護シート5は、外層6、中間層7、ガスバリア層8、基材9、構造層10、反射膜11、中間層7、透過性保護層12が積層されている。
また、本実施の形態では、構造層10と反射膜11により反射構造層13が構成されている。
【0035】
外層6は、反射構造層13が透過性保護層12の光出射面と反対側に位置する裏面側に設けられ反射構造層13を保護するものである。
外層6は屋外に設置されることを鑑み、耐水性、紫外線に対する耐久性等の耐候性を有しているものが望ましく、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂(PET樹脂)等のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−(ポリ)スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、リエチレンナフタレート系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、エポキシン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂等が挙げられる。
上述の樹脂の中でも、高い耐熱性、強度、耐候性、耐久性、水蒸気等に対するガスバリア性等を有したものとして、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ乳酸系樹脂が好ましい。
【0036】
上述のポリエステル系樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等が挙げられる。これらのポリエステル系樹脂の中でも、耐熱性、耐候性等の諸機能面及び価格面のバランスが良好なポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
【0037】
上述のフッ素系樹脂としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレンとペルフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体からなるペルフルオロアルコキシ樹脂(PFA)、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマー(FEP)、テトラフルオロエチレンとペルフルオロアルキルビニルエーテルとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマー(EPE)、テトラフルオロエチレンとエチレン又はプロピレンとのコポリマー(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂(PCTFE)、エチレンとクロロトリフルオロエチレンとのコポリマー(ECTFE)、フッ化ビニリデン系樹脂(PVDF)、フッ化ビニル系樹脂(PVF)等が挙げられる。これらのフッ素系樹脂の中でも、強度、耐熱性、耐候性等に優れるポリフッ化ビニル系樹脂(PVF)やテトラフルオロエチレンとエチレン又はプロピレンとのコポリマー(ETFE)が特に好ましい。
【0038】
上述の環状ポリオレフィン系樹脂としては、例えばa)シクロペンタジエン(及びその誘導体)、ジシクロペンタジエン(及びその誘導体)、シクロヘキサジエン(及びその誘導体)、ノルボルナジエン(及びその誘導体)等の環状ジエンを重合させてなるポリマー、b)当該環状ジエンとエチレン、プロピレン、4−メチル−1−ペンテン、スチレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン系モノマーの1種又は2種以上とを共重合させてなるコポリマー等が挙げられる。これらの環状ポリオレフィン系樹脂の中でも、強度、耐熱性、耐候性等に優れるシクロペンタジエン(及びその誘導体)、ジシクロペンタジエン(及びその誘導体)又はノルボルナジエン(及びその誘導体)等の環状ジエンのポリマーが特に好ましい。
【0039】
なお、外層6の形成材料としては、上述の合成樹脂を1種又は2種以上混合して使用することができる。また、外層6の形成材料中には、加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性等を改良、改質する目的で、種々の添加剤等を混合することができる。この添加剤としては、例えば滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、充填材、強化繊維、補強剤、帯電防止剤、難燃剤、耐炎剤、発泡剤、防カビ剤、顔料等が挙げられる。上述の外層6の成形方法としては、特に限定されず、例えば押出し法、キャスト成形法、Tダイ法、切削法、インフレーション法等の公知の方法が採用される。
【0040】
外層6中に紫外線安定剤又は分子鎖に紫外線安定基が結合したポリマーを含有することも可能である。この紫外線安定剤又は紫外線安定基により、紫外線で発生するラジカル、活性酸素等が不活性化され、保護シート5の紫外線安定性、耐候性等を向上させることができる。この紫外線安定剤又は紫外線安定基としては、紫外線に対する安定性が高いヒンダードアミン系紫外線安定剤又はヒンダードアミン系紫外線安定基が好適に用いられる。
【0041】
中間層7は中間層7が接する2つの層との密着性が良好であることが望ましく、耐久性、クッション性などの諸特性を補うために用いられる。たとえば、シリコーン系樹脂などを用いる。中間層7を設けることで、その他の層のみでは不足する性能を補うことができる。たとえば、耐久性、クッション性などを高めるためにシリコーン系樹脂を用いたりする。特に屋外使用の太陽電池の場合、日照時の太陽電池の熱上昇は著しく、樹脂材料から作製した保護シートに反りが発生し、太陽電池の思わぬ故障を招く恐れもある。そのほか、高い発電効率を維持するために重要な高バリア性を有するために金属層を用いることもある。
【0042】
ガスバリア層8は、水蒸気バリアー性に優れた材料であることが望ましい。具体的には、水蒸気透過度が0〜0.5g/mの範囲であることが望ましい。ガスバリア層8に用いることができる材料の一例として、アルミ箔、アルミナ、シリカ等が挙げられる。
【0043】
基材9は構造層10を形成する材料との密着性が高いことが望ましい。また、反射膜11が基材9よりも外層6側に位置している場合には、透過性が高いことが望まれる。
【0044】
構造層10を形成する材料は基材9との密着性が高いことが望ましい。構造層10が基材9よりも外層6側に位置している場合には、透過性が高いことが望まれる。構造層10に用いられる材料としては、ポリマー組成物や、金属等が挙げられる。また、構造層10にポリマー組成物を用いる場合、ポリマー組成物の他に例えば硬化剤、可塑剤、分散剤、各種レベリング剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、粘性改質剤、潤滑剤、光安定化剤等が適宜配合されてもよい。
【0045】
上述のポリマー組成物としては、特に限定されるものではなく、例えばポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、アクリロニトリル−(ポリ)スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、リエチレンナフタレート系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂等が挙げられ、これらのポリマーを1種又は2種以上混合して使用することができる。
【0046】
上述のポリウレタン系樹脂の原料であるポリオールとしては、例えば水酸基含有不飽和単量体を含む単量体成分を重合して得られるポリオールや、水酸基過剰の条件で得られるポリエステルポリオールなどが挙げられ、これらを単体で又は2種以上混合して使用することができる。
【0047】
水酸基含有不飽和単量体としては、(a)例えばアクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アリルアルコール、ホモアリルアルコール、ケイヒアルコール、クロトニルアルコール等の水酸基含有不飽和単量体、(b)例えばエチレングリコール、エチレンオキサイド、プロピレングリコール、プロピレンオキサイド、ブチレングリコール、ブチレンオキサイド、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、フェニルグリシジルエーテル、グリシジルデカノエート、プラクセルFM−1(ダイセル化学工業株式会社製)等の2価アルコール又はエポキシ化合物と、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸との反応で得られる水酸基含有不飽和単量体などが挙げられる。これらの水酸基含有不飽和単量体から選択される1種又は2種以上を重合してポリオールを製造することができる。
【0048】
また上述のポリオールは、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸エチルヘキシル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸エチルヘキシル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸シクロヘキシル、スチレン、ビニルトルエン、1−メチルスチレン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、酢酸アリル、アジピン酸ジアリル、イタコン酸ジアリル、マレイン酸ジエチル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、エチレン、プロピレン、イソプレン等から選択される1種又は2種以上のエチレン性不飽和単量体と、上述の(a)及び(b)から選択される水酸基含有不飽和単量体とを重合することで製造することもできる。
【0049】
水酸基含有不飽和単量体を含む単量体成分を重合して得られるポリオールの数平均分子量は1000以上500000以下であり、好ましくは5000以上100000以下である。また、その水酸基価は5以上300以下、好ましくは10以上200以下、さらに好ましくは20以上150以下である。
【0050】
水酸基過剰の条件で得られるポリエステルポリオールは、(c)例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、グリセリン、ペンタエリスリトール、シクロヘキサンジオール、水添ビスフェノルA、ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ハイドロキノンビス(ヒドロキシエチルエーテル)、トリス(ヒドロキシエチル)イソシヌレート、キシリレングリコール等の多価アルコールと、(d)例えばマレイン酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、トリメット酸、テレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸等の多塩基酸とを、プロパンジオール、ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、トリメチロールプロパン等の多価アルコール中の水酸基数が前記多塩基酸のカルボキシル基数よりも多い条件で反応させて製造することができる。
【0051】
上述の水酸基過剰の条件で得られるポリエステルポリオールの数平均分子量は500以上300000以下であり、好ましくは2000以上100000以下である。また、その水酸基価は5以上300以下、好ましくは10以上200以下、さらに好ましくは20以上150以下である。
【0052】
当該ポリマー組成物のポリマー材料として用いられるポリオールとしては、上述のポリエステルポリオール、及び、上述の水酸基含有不飽和単量体を含む単量体成分を重合して得られ、かつ、(メタ)アクリル単位等を有するアクリルポリオールが好ましい。かかるポリエステルポリオール又はアクリルポリオールをポリマー材料とすれば耐候性が高く、構造層10の黄変等を抑制することができる。なお、このポリエステルポリオールとアクリルポリオールのいずれか一方を使用してもよく、両方を使用してもよい。
【0053】
なお、上述のポリエステルポリオール及びアクリルポリオール中の水酸基の個数は、1分子当たり2個以上であれば特に限定されないが、固形分中の水酸基価が10以下であると架橋点数が減少し、耐溶剤性、耐水性、耐熱性、表面硬度等の被膜物性が低下する傾向がある。
【0054】
また、構造層10を形成する材料にフィラーを含有させることによって散乱性を付与し、外光の入射角による再集光効率の影響を減少させることが可能となる。また、フィラーの含有によって耐熱性が向上させることが可能となる。フィラーに用いられる材料としては、アクリル、アクリルスチレン、酸化ケイ素、酸化チタン、硫化亜鉛、酸化アルミニウム等が挙げられる。
【0055】
また、反射構造層13(構造層10)に形成する光反射用凹凸面13Aとは、入射してきた光を特定の方向へと反射する為の構造であり、その例として、V字溝、多角錘形状、回折格子、マイクロレンズ、非球面レンズ等が挙げられる。
なお、光反射用凹凸面13Aは、反射構造層13の全域にわたって形成されていてもよいし、太陽電池セル4に対応する箇所にのみ形成されていてもよい。
【0056】
また、反射構造層13(構造層10)に形成する光反射用凹凸面13Aの形成方法としては、プラスチック原料をスクリュまたはプランジャで加熱シリンダ内で送り込み、加熱流動化させ、先端のダイを通過させて形を与え、これを水または空気で冷却固化させて、長尺品を作る押出成形法がある。
【0057】
また、別の光反射用凹凸面13Aとしては、例えば樹脂等に電子ビームによってレリーフパターンを描画、或いはバイト切削等によりレリーフパターンを形成し、このように形成したレリーフパターンを、電鋳によって金属版に起こすなどして原版を作製し、その原版から熱可塑性樹脂にエンボス成形法でパターンを転写することで、大量にレリーフパターンを複製できる。また、熱可塑性樹脂にエンボス成形法で転写する代わりに、紫外線硬化樹脂を用いる成形法によってパターンを転写してもよい。
【0058】
本例においては、反射構造層13(構造層10)において光反射用凹凸面13Aが形成されている面が、透過性保護層12に面しているが、外層6に面していても良い。
【0059】
反射膜11は入射してきた光を反射する機能を有する層である。反射膜11に用いられる材料としては、反射性を有しかつ蒸着が可能であれば特に限定されるものではなく、例えばアルミニウム(Al)、銀(Ag)ニッケル(Ni)、スズ(Sn)、ジルコニウム(Zr)等の金属が挙げられる。また、硫化亜鉛等の高屈折率材料を含んでも良い。中でも、アルミニウムは紫外、可視、近赤外領域において、反射率が高く、表面に酸化皮膜を生成することにより、内部の侵食を防ぐことが可能となる。また、高い水蒸気バリア性を有するという利点がある。また、銀は可視、近赤外領域においてアルミニウムと比較しても反射率が高いという利点がある。また、金は可視領域の短波長側に吸収があるものの、600nm以上の波長においてはアルミニウムよりも反射率が高い。また、非常に侵食されにくいという利点があるため、これら3種の金属が反射膜11に用いる材料として望ましい。
【0060】
反射膜11を形成する際には、光反射用凹凸面13Aに沿って金属を蒸着することで形成される。この反射膜11の蒸着手段としては、構造層10に収縮、黄変等の劣化を招来することなく金属が蒸着できれば特に限定されるものではなく、(a)真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンクラスタービーム法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法;PVD法)、(b)プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法;CVD法)が採用される。これらの蒸着法の中でも、生産性が高く良質な反射層4が形成できる真空蒸着法やイオンプレーティング法が好ましい。
【0061】
なお、反射膜11は、単層構造でもよく、2層以上の多層構造でもよい。このように反射膜11を多層構造とすることで、蒸着の際に懸かる熱負担の軽減により構造層10の劣化が低減され、さらに構造層10と反射膜11との密着性等を改善することができる。このとき、金属膜の上に酸化金属層を設けても良い。また、上述の物理気相成長法及び化学気相成長法における蒸着条件は、構造層10や基材9の樹脂種類、反射膜11の厚さ等に応じて適宜設計される。
【0062】
反射膜11の厚さの下限としては、10nmが好ましく、20nmが特に好ましい。一方、反射膜11の厚さの上限としては、200nmが好ましく、100nmが特に好ましい。反射膜11の厚さが10nm下限より小さいと、反射膜11に入射する光を十分に反射することができない。また、20nm以上の厚さであっても、反射膜11で反射される光は増えないため、20nmであれば十分な厚さといえる。一方、反射膜11の厚さが200nmの上限を超えると、反射膜11に目視でも確認できるクラックが発生し、100nm以下であれば、目視で確認できないようなクラックも発生しない。
【0063】
また、反射膜11の外面には、トップコート処理を施すとよい。このように反射膜11の外面にトップコート処理を施すことで、反射膜11が封止及び保護され、経年劣化を抑えることが可能となる。
【0064】
上述のトップコート処理に用いるトップコート剤としては、例えばポリエステル系トップコート剤、ポリアミド系トップコート剤、ポリウレタン系トップコート剤、エポキシ系トップコート剤、フェノール系トップコート剤、(メタ)アクリル系トップコート剤、ポリ酢酸ビニル系トップコート剤、ポリエチレンアルイハポリプロピレン等のポリオレフィン系トップコート剤、セルロース系トップコート剤などが挙げられる。かかるトップコート剤の中でも、反射膜11との接着強度が高く、反射膜11の表面保護、欠陥の封止等に寄与するポリエステル系トップコート剤が特に好ましい。
【0065】
上述のトップコート剤のコーティング量(固形分換算)は、3g/m2以上、7g/m2以下が好ましい。トップコート剤のコーティング量が3g/m2より小さいと、反射膜11を封止及び保護する効果が小さくなるおそれがある。一方、当該トップコート剤のコーティング量が上7g/m2を超えても、上述の反射膜11の封止及び保護効果があまり増大せず、かえって保護シート5の厚さが増大してしまう。
【0066】
なお、上述のトップコート剤中には、密接着性向上のためのシランカップリング剤、耐候性等を向上させるための紫外線吸収剤、耐熱性等を向上させるための無機フィラー等の各種添加剤を適宜混合することができる。かかる添加剤の混合量としては、添加剤の効果発現とトップコート剤の機能阻害とのバランスから0.1重量%以上10重量%以下が好ましい。上述の添加剤が、0.1重量%未満では、密接着性、耐候性、耐熱性が十分に得られず、10重量%より多いと、トップコート剤の機能を阻害してしまう。
【0067】
保護シート5において、反射膜11を用いる場合にはその密接着性等を向上させるため、反射膜11の蒸着対象面である構造層10の表面に表面処理を施すとよい。このような表面処理としては、例えば(a)コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガス若しくは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理、化学薬品等を用いた酸化処理、及び(b)プライマーコート処理、アンダーコート処理、アンカーコート処理、蒸着アンカーコート処理などが挙げられる。これらの表面処理の中でも、反射層4との接着強度が向上し、緻密かつ均一な反射膜11の形成に寄与するコロナ放電処理及びアンカーコート処理が好ましい。
【0068】
上述のアンカーコート処理に用いるアンカーコート剤としては、例えばポリエステル系アンカーコート剤、ポリアミド系アンカーコート剤、ポリウレタン系アンカーコート剤、エポキシ系アンカーコート剤、フェノール系アンカーコート剤、(メタ)アクリル系アンカーコート剤、ポリ酢酸ビニル系アンカーコート剤、ポリエチレンアルイハポリプロピレン等のポリオレフィン系アンカーコート剤、セルロース系アンカーコート剤などが挙げられる。これらのアンカーコート剤の中でも、反射膜11の接着強度をより向上することができるポリエステル系アンカーコート剤が特に好ましい。
【0069】
上述のアンカーコート剤のコーティング量(固形分換算)は、1g/m2以上、3g/m2以下が好ましい。アンカーコート剤のコーティング量が1g/m2より少ないと、反射膜11の密着性向上効果が小さくなる。一方、当該アンカーコート剤のコーティング量が3g/m2より多いと、保護シート5の強度、耐久性等が低下するおそれがある。
【0070】
なお、上述のアンカーコート剤中には、密接着性向上のためのシランカップリング剤、ブロッキングを防止するためのブロッキング防止剤、耐候性等を向上させるための紫外線吸収剤等の各種添加剤を適宜混合することができる。
【0071】
透過性保護層12は耐熱、耐湿性、電気的特性(特に全面耐電圧)機械的特性が優れていることが望ましい。具体的にはフッ素樹脂フィルム、フッ素樹脂塗膜、電気絶縁用PETなどが挙げられる。
【0072】
図2に示す様な保護シート5を作製する方法の例としては、基材9上にガスバリア層8を蒸着等により形成し、ガスバリア層8が形成された面と反対側の面に、金属版を用いたUV成形法により光反射用凹凸面13Aを有する構造層10を作製し、その上に反射膜11を蒸着等により形成する。その後、反射膜11と透過性保護層12を中間層7を介して接着し、ガスバリア層8と外層6を中間層7を用いて接着する方法が挙げられる。
以上説明したように、本実施の形態の保護シート5は、光透過性を有し一方の面が光入射面とされ他方の面が光射出面とされた透過性保護層12と、光射出面側に設けられ光出射面から出射した光を前記透過性保護層12に向けて反射する反射機能を有する反射構造層13と、反射構造層13が光出射面と反対側に位置する裏面側に設けられ反射構造層13を保護する外層6とを有している。
そして、反射構造層13が光出射面側に位置する表面および前記裏面の少なくとも一方の面に光反射性を有する光反射用凹凸面13Aが設けられている。
光反射用凹凸面13Aは、反射構造層13に設けられた凹凸形状の上に光反射性を有する反射膜11が設けられることで構成されている。
【0073】
図3は、本実施の形態に係る太陽電池保護シートの構成の一例を示す側面図である。図2に示した保護シート5から、反射膜11を取り除いた層構成となっている。
【0074】
このように反射膜11が存在しない場合、構造層10自体に反射性が付与されていることが望ましい。具体的には、構造層10を形成する材料へのフィラー、顔料などの混合や、金属材料などの反射性を有する材料を用いる方法等が挙げられる。
すなわち、本例では、反射構造層13は、光反射性を有する光反射層としての構造層10で構成され、光反射用凹凸面13Aは、前記光反射層(構造層10)の表面で構成されている。
【0075】
構造層10を形成する材料中にフィラーを混合する場合、構造層10の耐熱性を向上させることができ、かつ屈折率がポリマー組成物と大きく異なるものを用いることが望ましい。これによって、光を反射させることができる。このフィラーを構成する無機物としては、特に限定されるものではなく、無機酸化物が好ましい。この無機酸化物は、酸化ケイ素等や、硫化亜鉛等の金属化合物を用いることもできるが特に、酸化チタン、酸化アルミニウム等の金属酸化物が望ましい。また酸化ケイ素の中空粒子を用いることもできる。このうち、酸化チタンは、屈折率が高く、分散性も得られやすいため好ましい。また、フィラーの形状は、球状、針状、板状、鱗片状、破砕状等の任意の粒子形状でよく、特に限定されない。
【0076】
フィラーの平均粒子径の下限としては、0.1μmが好ましく、上限としては30μmが好ましい。平均粒子径が0.1μmより小さいと光を十分に反射しない。また、平均粒子径が30μmより大きいと成型性が悪い。
【0077】
フィラーのポリマー組成物100部に対する配合量の下限としては固形分換算で30部が好ましい。一方、フィラーの上述の配合量の上限としては100部が好ましい。これは、フィラーの配合量が30部より少ないと光を十分に反射することができない為である。逆に、配合量が上述の範囲を越えると、成型性が悪い。
【0078】
上述のフィラーとしては、その表面に有機ポリマーが固定されたものを用いるとよい。このように有機ポリマー固定のフィラーを用いることで、ポリマー組成物での分散性やポリマー組成物との親和性の向上が図られる。この有機ポリマーについては、その分子量、形状、組成、官能基の有無等に関して特に限定はなく、任意の有機ポリマーを使用することができる。また有機ポリマーの形状については、直鎖状、分枝状、架橋構造等の任意の形状のものを使用することができる。
【0079】
上述の有機ポリマーを構成する具体的な樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルおよびこれらの共重合体やアミノ基、エポキシ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基等の官能基で一部変性した樹脂等が挙げられる。中でも、(メタ)アクリル系樹脂、(メタ)アクリル−スチレン系樹脂、(メタ)アクリル−ポリエステル系樹脂等の(メタ)アクリル単位を含む有機ポリマーを必須成分とするものが被膜形成能を有し好適である。他方、上述のポリマー組成物と相溶性を有する樹脂が好ましく、従って構造層3を形成する材料と同じ組成であるものが最も好ましい。
【0080】
上述の構造層10を形成する材料としてはシクロアルキル基を有するポリオールが好ましい。ポリマー組成物としてのポリオール中にシクロアルキル基を導入することで、ポリマー組成物の撥水性、耐水性等の疎水性が高くなり、高温高湿条件下での構造層10耐撓み性、寸法安定性等が改善される。また、構造層10の耐候性、硬度、肉持感、耐溶剤性等の塗膜基本性能が向上する。さらに、表面に有機ポリマーが固定されたフィラーとの親和性及びフィラーの分散性がさらに良好になる。
【0081】
また、ポリマー組成物中には硬化剤としてイソシアネートを含有するとよい。このようにポリマー組成物中にイソシアネート硬化剤を含有することで、より一層強固な架橋構造となり、構造層10の被膜物性がさらに向上する。このイソシアネートとしては上述の多官能イソシアネート化合物と同様の物質が用いられる。中でも、被膜の黄変色を防止する脂肪族系イソシアネートが好ましい。
【0082】
なお、フィラーは、内部に有機ポリマーを包含していてもよい。このことにより、フィラーのコアである無機物に適度な軟度および靱性を付与することができる。
【0083】
上述の有機ポリマーにはアルコキシ基を含有するものを用いるとよく、その含有量は特に限定されないが、フィラー1g当たり0.01mmol以上50mmol以下が好ましい。アルコキシ基により、ポリマー組成物との親和性や、ポリマー組成物中での分散性を向上させることができる。
【0084】
上述のアルコキシ基は、微粒子骨格を形成する金属元素に結合したRO基を示す。このRは置換されていてもよいアルキル基であり、微粒子中のRO基は同一であっても異なっていてもよい。Rの具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル等が挙げられる。フィラーを構成する金属と同一の金属アルコキシ基を用いるのが好ましく、フィラーがコロイダルシリカである場合には、シリコンを金属とするアルコキシ基を用いるのが好ましい。
【0085】
有機ポリマーを固定したフィラーの有機ポリマーの含有率については、特に制限されないが、フィラーを基準にして0.5質量%以上50質量%以下が好ましい。
【0086】
図4は、本実施の形態に係る太陽電池保護シートの構成の一例を示す側面図である。図2に示した保護シート5から基材9およびガスバリア層8を取り除いた層構成となっている。
太陽電池モジュールの使用環境によっては、図4に示す形態が利用できない場合もある。特に高バリア性が要求される場合は、別途、バリア強化効果のある材料をコーティングするなど、何らかの工夫が必要となる。また、図4に示す構成は、使用する部材が少ないため材料コストダウン効果が得られる。
【0087】
図5は、本実施の形態に係る太陽電池保護シートの構成の一例を示す側面図である。外層6、ガスバリア層8、基材9、構造層10、反射膜11、透過性保護層12が積層されている。
【0088】
図5に示す様な保護シート5を作製する方法の例としては、基材9上にガスバリア層8を蒸着等により形成し、ガスバリア層8が形成された面と反対側の面に、金属版を用いたUV成形法により光反射用凹凸面13Aを有する構造層10を作製し、その上に反射膜11を蒸着等により形成する。その後、反射膜11上に透過性保護層12を、ガスバリア層8上に外層6をコーティングする方法が挙げられる。
【0089】
このように反射膜11上にコーティングによって層を形成される等して、光反射用凹凸面13A上に形成された層は形成された面が概ね平滑になっており、且つ、保護シート5を断面から見た場合における最上面と最下面(本例における透過性保護層12が反射構造層13と面する側と反対の面と、外層6が反射構造層13と面する側と反対の面)が、概ね平行になっている事が望ましい。
光反射用凹凸面13A上に形成された層が平滑となっていない場合、輸送、組み立て時において摩擦等により傷が付きやすくなり、傷による透過率の低下を起因とする再集光効率が低下する可能性がある。また、組み立て時に気泡を巻き込む可能性が高くなり、巻き込まれた気泡を起点とした剥離の発生や、気泡と気泡が接する材料との屈折率差による、屈折、散乱、反射等の現象を起因として再集光効率が低下する可能性がある。また、輸送時に埃塵等の微細なゴミを巻き込み、剥離等が発生する可能性が高くなる。
また、保護シート5を断面から見た場合における最上面と最下面が、概ね平行になっていない場合、組み立て時に気泡を巻き込む可能性が高くなり、巻き込まれた気泡を起点とした剥離の発生や、気泡と気泡が接する材料との屈折率差による、屈折、散乱、反射等の現象を起因として再集光効率が低下する可能性がある。また、保護シート5が積層された状態で保管する場合、局所的に圧力の負荷高くなり、保護シート5の平滑性を保てなくなる可能性がある。
上記の平滑性に関する具体的な数値としては、表面の粗さRaが20μm以下であることが望ましく、更に望ましくは5μm以下である事が望ましい。Raが5μmを超えると埃塵等が付着し易くなり、20μmを超えると摩擦等による傷が発生しやすくなる。
【0090】
図6(a)および(b)は、本実施の形態に係る光反射用凹凸面13Aの一例を示す斜視図である。光反射用凹凸面13Aは構造層10の片面に設けられ、光線1を調光する機能がある。太陽電池の種類及び設置場所にもよるが、図6(a)に示すようなピラミッド型、図6(b)に示すV溝型などが効果的な形状の例として挙げられる。また、主に太陽電池の光源となるのは、太陽光である。太陽は太陽電池モジュールから無限遠に位置する光源に近似されるので、太陽光は、太陽電池が設置されるような屋上、屋根などでは平行光として太陽電池へ入射することになる。ただし、全て平行光ということではなく、周辺物に当たり反射する散乱光も存在するが、大部分が平行光として入射する。平行光の調光には、平面をもつプリズム形状が有効である。
また、V溝型やピラミッド型はマイクロレンズなどの球面、非球面の形状と比べ、作製しやすい利点がある。
【0091】
図7は、本実施の形態に係る光反射用凹凸面13Aの一例の頂角を示す側面図である。光反射用凹凸面13Aの頂角θは、光反射用凹凸面13Aを形成する2つの対向する側面にそれぞれ平行な線L1およびL2に挟まれる角度を指す。
言い換えると、光反射用凹凸面13Aの形状は複数の凸部と複数の凹部とで構成されており、凸部の頂角θが120°から135°の範囲に含まれている。
[実施例]
【0092】
次に本発明の実施例について説明する。本実施例においては構成を図4に示した構成とし、光反射用凹凸面13Aの頂角をαとΒ(α<Β)とした2種類の保護シートに関して再集光効率に関する測定を行った。
【0093】
図8に測定方法の模式図を示す。光源として正午の太陽光を想定し、入射角度は約0度の平行光を測定光源として採用した。また、再集光効率の測定にはパワーメーター16を用いた。太陽電池の構成を想定し、保護シート5、パワーメーター16、青板ガラス15を順に積層した。また、各層の間には屈折率を合わせる為、グリセリン17を用いて液浸した。
【0094】
本発明の実施内容は、反射構造層13はPETフィルムを成形基材として、紫外線硬化型のアクリル系樹脂を用いて作製し、反射膜11としてアルミ蒸着を施した。また、透過性保護層12および外層6にはPETフィルムを用いた。
【0095】
作製したサンプルに関して、レリーフが形成されている面及び反対面から光を入射させ、測定した結果を図9に示す。比較として、反射が無いと想定した黒紙と、散乱反射が発生すると想定される白PETの測定を行った。
【0096】
黒紙および白PETと本実施例のサンプルの測定結果を比較すると、本実施例のサンプルが再集光性能が高いことが確認された。また、頂角αのサンプルに関しては、レリーフ面から光を入射させた場合の方が再集光性能が高く、頂角Βのサンプルに関しては、逆に反対面から光を入射させた方が再集光性能が高いことが確認された。
【0097】
また、頂角αのサンプルと頂角Βのサンプルの再集光性能を比較すると頂角αの再集光性能の方が総じて良好であるが、α<Βである為、頂角αのサンプルの方がセル壁に衝突する範囲が大きい為、セルの配置次第で有利な頂角が変わる事が確認された。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本実施の形態に係る太陽電池モジュールの構成の一例を示す側面図である。
【図2】本実施の形態に係る太陽電池保護シートの構成の一例を示す側面図である。
【図3】本実施の形態に係る太陽電池保護シートの構成の一例を示す側面図である。
【図4】本実施の形態に係る太陽電池保護シートの構成の一例を示す側面図である。
【図5】本実施の形態に係る太陽電池保護シートの構成の一例を示す側面図である。
【図6】本実施の形態に係る光反射用凹凸面13Aの一例を示す斜視図である。
【図7】本実施の形態に係る光反射用凹凸面13Aにおける頂角θを示す説明図である。
【図8】本実施の形態に係る太陽電池保護シートの評価の実施構成を示す側面図である。
【図9】本実施の形態に係る太陽電池保護シートの再集光効率の測定結果を示す図である。
【符号の説明】
【0099】
1……外光、2……前面板、3……充填剤、4……太陽電池セル、5……保護シート、6……外層、7……中間層、8……ガスバリア層、9……基材、10……構造層、11……反射膜、12……透過性保護層、13……反射構造層、13A……光反射用凹凸面、14……光源、15……青板ガラス、16……パワーメーター、17……グリセリン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光透過性を有し一方の面が光入射面とされ他方の面が光射出面とされた透過性保護層と、
前記光射出面側に設けられ前記光出射面から出射した光を前記透過性保護層に向けて反射する反射機能を有する反射構造層と、
前記反射構造層が前記光出射面と反対側に位置する裏面側に設けられ前記反射構造層を保護する外層とを有し、
前記反射構造層が前記光出射面側に位置する表面および前記裏面の少なくとも一方の面に光反射性を有する光反射用凹凸面が設けられている、
ことを特徴とする太陽電池保護シート。
【請求項2】
前記透過性保護層と前記反射構造層との間に、水蒸気透過度が0〜0.5g/mの範囲であるバリア層を有することを特徴とする請求項1に記載の太陽電池保護シート。
【請求項3】
前記反射構造層と前記外層との間に、水蒸気透過度が0〜0.5g/mの範囲であるバリア層を有することを特徴とする請求項1に記載の太陽電池保護シート。
【請求項4】
前記光反射用凹凸面の形状がV字溝、多角錐形状あるいはこれらの逆型のいずれかであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の太陽電池保護シート。
【請求項5】
前記光反射用凹凸面の形状が複数の凸部と複数の凹部とで構成され、前記凸部の頂角が、120°から135°の範囲に含まれることを特徴とする請求項4に記載の太陽電池保護シート。
【請求項6】
前記光反射用凹凸面は、前記反射構造層に設けられた凹凸形状の上に光反射性を有する反射膜が設けられることで構成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の太陽電池保護シート。
【請求項7】
前記反射構造層は、光反射性を有する光反射層で構成され、前記光反射用凹凸面は、前記光反射層の表面で構成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の太陽電池保護シート。
【請求項8】
前記反射膜が、金属であることを特徴とする請求項6に記載の太陽電池保護シート。
【請求項9】
前記反射膜上に酸化防止層が形成されていることを特徴とする請求項8に記載の太陽電池保護シート。
【請求項10】
前記反射膜が、少なくとも1種類の拡散フィラー混入材料を含むことを特徴とする請求項6に記載の太陽電池保護シート。
【請求項11】
請求項1から10のいずれかに記載の太陽電池保護シートを用いることを特徴とする太陽電池モジュール。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2010−123682(P2010−123682A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−294688(P2008−294688)
【出願日】平成20年11月18日(2008.11.18)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】