説明

媒体内に含まれている対象の測位のためのマルチセンサ系を備えた近接領域レーダー

本発明は、媒体に含まれている対象の測位のためのレーダー機器、特に携帯型レーダー機器であって、少なくとも1つのレーダーセンサ(60)を有し、該レーダーセンサは、探索すべき媒体へのアクセスのための第1の高周波検出信号を生成し、それによって当該レーダーセンサ(60)の反射された検出信号の測定と評価によって、当該媒体内に含まれる対象に関する情報が得られる。
本発明によれば、当該媒体内に含まれる対象に関する情報獲得のために、少なくとも1つのさらなるセンサ(64,66,68,70,92)が、少なくとも1つのさらなる第2の検出信号を生成すべく設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念による、媒体内に含まれている対象の測位のためのレーダー機器、特に携帯型レーダー機器、並びにこの機器に基づく請求項10の上位概念による方法に関している。
【0002】
そのような測定機器は、広帯域な電磁波パルスの形態の高周波検出信号を生成し、このパルスを探索すべき媒体内へ送信する。媒体内に含まれている対象は、伝播されたパルスを反射する。このフィードバックされた検出信号の測定器内での検出と評価によって、当該媒体内に含まれている対象に関する情報が得られる。
【0003】
背景技術
この種のレーダー機器は、例えば国際公開第96/19737号パンフレットから公知である。このレーダー機器を用いれば、例えば壁内若しくは地中に含まれている対象をより高い精度で検出することが可能である。それにより例えば壁部への孔あけの際にその中に埋まっている対象、例えば金属片や電線、水道管などを破損する前に安全が図られ、職人には、場所に関する正確な情報、すなわち壁部表面の経路位置や埋まっている対象の壁部内の深さなどが伝達される。
【0004】
前記国際公開第96/19737号パンフレットに記載されているようなレーダー機器は、通常は、送受信ユニットである「前端部“Frontend”」と表示装置からなっている。この国際公開第96/19737号パンフレットに開示されている前端部は、冒頭にも述べたように電気的なスイッチング回路のための遮蔽された1つの空間とこの空間に続く2つの空間(これらは送信アンテナと受信アンテナとして構成されている)を有している。送信アンテナと受信アンテナのための中空空間は、放射素子(例えばワイヤの形態)の組み込まれたホーン状の形態を有している。スイッチング回路を有している空間の遮蔽は、一方ではスイッチング回路のためのプリント基板上に載置されているケーシングによって行われており、もう一方では、アンテナホーンの壁部(これはプリント基板のスイッチング回路に対向する側に固定されている)によって行われている。
【0005】
国際公開第02/063334号パンフレットからはレーダー機器ないしは、金属性湾曲部から形成されたパッチアンテナを有する気密に遮蔽されたケーシング内のレーダー機器用集積回路が公知である。この国際公開第02/063334号パンフレットによるコンパクトで低コストに製造が可能なレーダー機器は、その中に配設された放射素子を備えた中空空間と、電気的なスイッチング回路のための遮蔽された空間とを有している。このケーシングは、次のように形成されている。すなわちスイッチング回路のための遮蔽された空間もアンテナ素子のための中空空間も形成するように形成されている。
【0006】
発明の利点
本発明による近接領域レーダーないしはそれを基礎とした、媒体内に含まれている対象の測位方法は、少なくとも1つのレーダーセンサの検出信号の他に少なくとも1つのさらなる検出信号を処理する。そのような方法では、一方では広帯域なパルスレーダーが使用される。このレーダーは、高周波な検出信号を電磁波パルスの形態で生成し、このパルスが探索すべき媒体内へ送信され、当該媒体から反射されたパルスないしは当該媒体内に含まれている対象から反射されたパルスが検出され、さらに評価される。この高周波な検出信号の評価によって、媒体内に含まれている対象の位置に関する情報を得ることができるようになる。この種のレーダーセンサないしはレーダーパルスを送信するレーダー検出器(“Ultrawideband−Radar”、UWB)は、特に、壁の中に隠れている対象の検出に適している(但し排他的に唯一適しているというわけではない)。
【0007】
その上さらに本発明による方法は、さらに少なくとも1つのさらなる付加的な検出信号が評価される。この付加的な検出信号を用いることによって、包含されている対象に関する付加的な情報を有利な形態で得ることができる。
【0008】
少なくとも2つの検出信号から得られる情報の組合わせは、例えば対象の純粋な測位の他に、すなわち対象の位置ないしは対象の深度の確定の他に、対象の材料の識別も実施することが可能である。そのため例えば種々異なる材料をこのようにして区別することができる。そのような測定機器を例えば壁に深いせん孔をあける前に用いれば、対象の純粋な測位の他にも媒体内に包含されている対象の“危険性”に関する情報も前もってとらえることができるようになる。そのため場合によっては電流の流れている線路を木の柱と区別することができる。
【0009】
相応の切り換えによって、レーダーセンサの1つ又は複数のアンテナを容量性センサとして利用することも可能である。選択された駆動方式によれば、アンテナ薄板を測定コンデンサの電極として使用することも可能である。測定機器に対して所要の構造空間を拡大する付加的なコンデンサ面、この有利な構成において不要である。このようにしてコンパクトで特に携帯型の測定機器が実現され得る。励起信号に応じて例えば高周波な容量性センサまたは慣用の低周波なセンサ(例えば埋め込みボルトの検出に用いられる)が表示可能である。例えばアンテナ装置の駆動が次のように変調可能である。すなわちそれが高周波励起と低周波作動モードとの間で交互に切り換えられるように変調可能である(“擬似的並列作動モード”)。また例えば次のようなことも可能である。すなわち、レーダーセンサのアンテナを本発明によって次のように駆動制御すること、すなわち商用電源電圧検知器の形式で作動するように駆動制御できる(この検知器は商用電源電圧線路の交流電圧フィールドを容量的に検出可能である)。このケースでは、アンテナは受動的に、すなわち電界の形成なしで作動し、それによって、例えば壁の中の商用電源電圧線路の位置とその経路を示すことが可能となる。
【0010】
それ故に本発明による方法を用いれば、ただ1つのセンサを用いるだけで、その評価を介して含有されている対象に関する付加的な情報を相応の測定機器のユーザーに提供する一連の様々な検出信号を生成することが可能となる。
【0011】
その上さらに付加的な検出信号の利用は、含有されている対象の正確な測位も許容する。なぜなら第1の検出信号を生成するセンサが第2の検出信号の測定結果に基づいて最適化され、特別な測定状況に適応化できるからである。例えば容量性センサは、誘電インピーダンスの測定によって厚板を識別することができる。機器内に集積されたレーダーセンサは、エアーの介在は測定するがしかしながら機器の表示部には表示しないような作動が可能である。このことは例えば次のことによって達成できる。すなわちレーダーセンサに後置接続された信号処理部がエアー介在の信号を通常の方法を介して抽出する。このようにしてレーダーセンサは、最適に作動される。
【0012】
従属請求項に記載されている特徴によって請求項1による本発明による方法の別の有利な実施例が可能である。
【0013】
本発明による測定機器ないしはこの測定機器を基礎とした方法の実施形態においては、少なくとも1つのさらなる検出信号、すなわち情報の獲得と評価に用いられる検出信号が、少なくとも1つのさらなるセンサによって生成される。種々異なる検出信号に対する別個のセンサ利用によって、複数の測定を平行して実施することが可能となる。このことはとりわけ測定時間の低減を意味する。
【0014】
それにより、例えば誘導性センサを用いて金属性の対象と非金属性の対象の区別が可能となる。その上さらに、例えば誘導性センサの事前の較正調整が省略できるようになる。なぜならば、例えばレーダーセンサが対象の存在を何も識別しなかった場合には、自動的に実施することができるからである。
【0015】
本発明による方法は、有利な形式で所定の対象に応じて所期のように探索することが可能である。それにより、予め定められたサーチルーチンを駆動制御する相応の回路によって、例えば電気的なケーブル専用の探索若しくは金属専用の探索が可能になる。同じように壁の中に存在する中空空間や、探索基準に相応しない別の対象が、測定機器の表示部から例えばマスキングされ得る。そのためユーザーは所望する情報のみを得ることができる。それにより本発明による方法を用いれば、測定機器の表示部に例えば相前後して若しくは同時に、金属、電流通流線路、プラスチック、木材からなる対象、中空空間などを表示することが可能となる。このようにして例えば次のようなことも可能となる。すなわち、材料厚さの測定、例えば鉄筋コンクリート建築の場合のコンクリートの重なりや床暖房設備のもとでのたたき床の厚さの測定などを本発明による測定機器を用いて実施することが可能となる。
【0016】
本発明による方法の有利な実施形態によれば、センサのほとんど全ての検出信号が評価に用いられる。これらのセンサは例えばレーダーセンサ、容量性センサ、誘導性センサ、測光センサ、例えば赤外線センサ又は超音波センサなどである。これらのセンサは個別に若しくはグループにおいて相互接続される。このことは例えばマニュアルで若しくは自動的に、つまり測定機器のメモリ素子に記憶されている相応のルーチンによって制御されて実施され得る。
【0017】
本発明による方法の有利な評価ルーチンにおいては、全てのアクティブセンサの検出信号が評価され、一義的な信号を有するものが、後置接続されているデータ処理部に対して排他的に使用される。この場合その他のセンサの測定結果は無視される。床暖房設備の測定の際に誘導性センサが床の中の様々な大きさの金属対象を識別した場合には、比較的弱い信号はマスキングされてもよい。なぜならそれらは床の中の構造用鋼マットに起因しているからである。しかしながら誘導性センサが1つの種類のみの金属対象を識別し、レーダーセンサも付加的な対象を識別しないならば、誘導性センサによって検出された信号は、床暖房設備の金属管である。しかしながらレーダーセンサがさらなる対象を識別した場合には、その付加的な対象は、床暖房設備のプラスチック管である。従って金属性の対象は、再び相応に測定結果の表示からマスキングされ得る。このようにして関連のある情報だけを可視化させることが可能となる。
【0018】
特に有利な形式で、1つのセンサ、若しくは該センサの測定に使用される検出信号が、少なくとも1つのさらなる検出信号の評価と情報によって最適化され得る。それにより本発明による方法の実施形態において、個々のセンサの駆動制御にそれぞれ異なる“プログラム”が書き込まれる。例えば“金属用プログラム”、“空洞れんが用プログラム”、“プラスチック用プログラム”等である。そのような専用のサーチプログラムは、個々のセンサに書き込むことができ、それらはそのような対象の検出の際に特別な利点をもたらす。1つ又は複数のセンサの測定の際に、特別にプログラミングされたシナリオが識別されると、すなわち1つ又は複数のセンサが例えば特殊な原材料の指示を示すと、全てのセンサはこのプログラムに設定され、あるいはセンサの駆動制御と評価がこれからわかる材料に最適化される。このようにしてより正確な結果の供給が可能となる。なぜなら個々のセンサが例えば識別される対象に対して最適に調整された、受信感度で作動されるからである。
【0019】
本発明による測定機器の別の有利な実施形態によれば、複数のセンサが当該測定機器の1つの共通のケーシング内に集積化される。この場合これらのセンサは、例えば共通のプリント基板上に配設されていてもよい。有利には、例えば複数のセンサの全てが1つの共通な軸に合わせて配向され、それによって、相応の検出信号が1つの同じポイントに向けられる。
【0020】
当該機器が距離センサ系を有するならば、それによって様々なセンサの目下の信号レベルだけが測定されるのではなく、さらにその信号経過も把握されて表示される。それにより、測定機器のディスプレイには、二次元表示も可能である。この二次元表示では、距離情報の他に、深さ情報も表示できる。このことは有利には、大抵において1つ又は複数の光学的信号ランプを介して測定個所における目下の測定結果が表示される従来技法の金属測定機器とは異なっている。
【0021】
しかしながら本発明による測定機器の代替的実施形態によれば、複数のセンサの一部を1つの共通の基板上に集積化し、他の一部は当該測定機器ケーシング内の別の個所、例えば当該機器のケーシング底部に集積化させることも可能である。
【0022】
測定機器の特に有利な構成によれば、外部センサの適用下で、それらのセンサが、差込みモジュールや相応のインターフェースを用いて当該測定機器とその中に含有されているセンサとの結合が可能となる。
【0023】
例えば種々異なる一連のセンサを測定機器内で当該機器の完成の際に集積化させ、それらのセンサを個別に若しくはグループ毎に相応のソフトウエアを介してそれらの駆動制御をトリガさせる。このようにすれば、大量生産方式で、異なったユーザーの様々な要求を考慮することが可能となる。
【0024】
それにより本発明による測定機器は、低コストでコンパクトな多機能機器として構成され、それらは有利な形式で次のように扱いやすい作動形式を許容し得る。すなわちユーザーがこの測定機器を例えば探索すべき壁に当てるような作動形式である。これらの測定結果は、測定機器の表示部に直接アクセスしやすいグラフィカル表示で伝達される。それによりユーザーは、探索すべき壁に直接視線を向けて、壁のどの個所が安全に孔あけできるかを決定することができる。
【0025】
本発明による、媒体内に含まれている対象の測位のための方法のさらなる利点並びに相応する測定機器のさらなる利点は、以下の明細書と図面において開示されている。
【0026】
図面
本願の図面には、本発明による測定機器の実施例ないしは該機器を用いた、媒体内に含まれている対象の測位のための方法の実施例が示されており、それらは以下の明細書で詳細に説明される。これらの図面、明細書並びに特許請求の範囲に含まれている多数の特徴は組み合わせが可能である。当業者はこれらの特徴を個別に観察すれば、さらなる有意義な組み合わせに統合させることができるが、それらの組み合わせもここでは当該テキストに含まれているものとみなすことができる。これらの図面のうち、
図1は、本発明によるレーダー測定機器の概略的な構造を表した図であり、
図2は、本発明によるレーダー測定機器の第1の実施例のセンサ装置の断面図であり、
図3は、図2による本発明のレーダー測定機器の実施例を下方から見た概略図であり、
図4は、本発明によるレーダー測定器の第2の実施例のセンサユニットを図3に類似して下方から見た図であり、
図5は、本発明によるレーダー測定機器のセンサユニットのさらなる実施例を図3及び図4に類似した表示で表した図である。
【0027】
実施例の説明
次に本発明を図面に基づき以下の明細書で詳細に説明する。
【0028】
図1には本発明の基礎をなす方法ないしは本発明による方法のためのレーダー測定機器の基本構造が概略的に示されている。この図1の実施例による本発明による測定機器62は、レーダーセンサ60の他に誘導性センサ64、容量性センサ66,容量性高周波センサ68並びに赤外線センサ70の形態の測光センサ92を有している。またこのほかにさらなる別のセンサが相応の実施形態で含まれていてもよい。
【0029】
個々のセンサは、中央制御ユニット72によって駆動制御され、さらに評価されている。本発明による方法のもとでは、これらのセンサが個別に切り替えられてもよいし、グループで、若しくは全て一緒に切り替えられてもよい。作動モードの選択、すなわち所定の測定に対してどのセンサを使用すべきかは、一方では、作動切換スイッチ74を介した手動操作によって行うことが可能である。このスイッチは、操作フィールド、例えばキーボードあるいは測定機器のプログラムに集積されており、ユーザーによってその選択に応じて操作され得る。このユーザーによる作動モードの手動切換えの他にも、相応の制御プログラムを介した自動の作動モード選択(“自動モード”)も可能である。この制御プログラムは、測定機器の記憶媒体内に記憶されていてもよい。
【0030】
本発明による方法は、種々のセンサを並列的にも、擬似的並列にもあるいは直列的にも使用し得る。この場合擬似的並列作動モードのもとでは、個々のセンサ間で非常に迅速な切換えと相応の検出信号の生成が可能であり、さらに測定や評価ないしは場合によって評価のためのバッファ記憶が可能である。ここでは、自動的に設定されるセンサの選択とユーザーから設定されるセンサの選択の間での選択も可能である。
【0031】
相応の評価ユニット76によってセンサの個々の測定信号が評価され、相互に比較され、さらに例えば個々のセンサが他のセンサの測定結果に依存して最適化される。そのため本発明による方法の実施形態においては、個々のセンサの駆動制御がそれぞれ異なる“プログラム”に書き込まれる。例えば“金属用プログラム”、“空洞れんが用プログラム”、“プラスチック用プログラム”などである。そのような専用のサーチプログラムが個々のセンサに対応付けられる。1つ又は複数のセンサの測定の際に、専用にプログラミングされたシナリオが識別されると、すなわち例えばいくつかのセンサが特殊な材料の示唆を提供すると、全てのセンサがこのプログラムに切り替えられ、それと共により正確な最適化された測定結果が供給される。なぜなら例えば最適に調整された個々のセンサの感度で個々のセンサが作動し得るからである。
【0032】
本発明による方法の有利な評価ルーチンにおいては、全てのアクティブセンサの検出信号が評価され、そして一義的な信号を有するセンサのみが後置接続されたデータ処理部に対して排他的に用いられる。他のセンサの測定結果は、この場合さらなる評価に対して無視される。
【0033】
評価ユニット76は、データ処理のためのユニットであり、これには表示部78が後置接続されている。評価ユニット76のデータは、処理され、ユーザーに直感的にアクセスされ得る表示形式で移送される。それにより測定結果は、例えば目下の測定状況のグラフィック表示形式で処理される。測定機器内に集積された表示部を介して測定信号は、特にリアルタイムでユーザーに例えば探索した壁の断面図の形式で通知される。
【0034】
そのためデータ処理の際には例えば、全てのセンサ信号がニューラルネットワークの主要構成要素分析を用いて評価され、パターン識別を介して最も確率の高い結果が表示部を介して出力される。また各センサをその検出限界に応じて重み付けを結果に反映させる相応のルーチンが設けられてもよい。このことは、たとえ個々のセンサの各々が自身に確定された検出限界を有していようが、総合的結果は“柔軟”な限界を有するようになることを可能にする。ここでは例えばファジイ論理の使用が有利である。
【0035】
この方法のために設けられる個々のセンサは、全て一緒に当該測定機器の1つのケーシング内に集積されていてもよいし、あるいは、特別に適応化された本発明による測定機器の変化実施例でもって実現することも可能である。その場合には付加的な検出器、例えば赤外線検出器70が、レーダーセンサ60と容量性高周波検出器68と例えば誘導検出器64を備えた測定機器62上にモジュラ方式で載置されてもよい。共通のインターフェースを介して赤外線センサ70の駆動制御と評価も本来の測定機器62を介して行われる。
【0036】
図2には、本発明による測定機器のフロントエンド、すなわち本発明による測定機器のセンサヘッド10の断面図が示されている。この測定機器62(これは図2の実施例においては断片的に示されているのみである)は、レーダーセンサ60並びにコイルの形態をしている誘導性センサ64を有している。
【0037】
センサ装置10は、この場合導電性の表面を有するケーシング14を有している。このケーシング14は、例えば一体的なプレス鋳造部として金属で実現してもよいし、あるいは金属化されたプラスチックからなる成型プロセスによって実現してもよい。同じようにセンサ装置のケーシング14に対して導電性の金属コーティングを施すことも可能である。このセンサのケーシングは、片側が測定対象の方向に開いており、センサ装置の実質的な構成要素を含有し、自身も当該センサ装置の集積化された構成要素である。
【0038】
センサ装置10は、実質的に3つの構成グループを有している。この構成部分の第1のグループは、測定信号や検出信号の生成と処理を行う電気的なスイッチング回路48である。当該センサ装置10の第2のグループは、本発明による測定機器において特別に構成されたアンテナ16によって実現されている本来のレーダーセンサを含んでいる。このセンサ装置のケーシング14の周りでは、第3の構成グループとしてコイル装置12が設けられている。このコイル装置12は、相応に電子制御されたスイッチング回路と構成要素48と一緒に、特に金属性の対象を検出するための誘導性センサを形成している。
【0039】
前述した3つの異なる構成グループは、センサヘッド10の相互に分離した様々な部分空間に配設される。それに対して誘導性センサのコイル装置12は、ケーシング14の外側を取り囲み、電気的なスイッチング回路48とレーダーセンサ60のアンテナは、ケーシング内に配設されている。しかしながらプリント基板18によって相互に分離されている。このプリント基板18は、当該ケーシング14内で、その周縁が当該ケーシング14に固定されている。このケーシングは、それに対して図2による実施例の中で特徴的な肩部42を有しており、この肩部に当該プリント基板18が置かれている。このように形成されたケーシング14は、当該測定機器のこれ以上は詳細に示されていないケーシング内で、電子回路ないしはレーダーセンサのための2つの部分空間が上下に配設されるように組み込まれている。部分空間20及び22は、プリント基板18によって次のように相互に分離されている。すなわち第1の開放された部分空間20がレーダーセンサのために形成され、さらに第2の閉鎖された部分空間22は、電子部品のために形成されるように相互に分離されている。この第2の部分空間22は、ケーシング14の湾曲部28によって形成され、並びに当該ケーシングに固定的に接合されているプリント基板18によって形成される。有利な形式で、金属化された層30が、プリント基板18に載置されるか、プリント基板内に集積される。それにより、ケーシング14の部分空間22は、導電的な表面によって包含される。このようにして部分空間22は、“ファラディのケージ”23を形成する。このケージは、当該部分空間22内に配設されている電子的な構成要素を電磁的な障害から絶縁させることを可能にしている。
【0040】
プリント基板18は、図2からも明らかなように、一方の側に電気的なスイッチング回路と測定信号の生成と評価のための構成要素48を支持している。このプリント基板18の他方の側には、アンテナ16のアンテナ薄板24が固定されている。
【0041】
センサ装置10のケーシング14の第1の部分空間20(この内部にレーダーセンサ60が設けられている)は、実質的に当該プリント基板18の表面32と、ケーシング14の側壁34とによって形成される。この側壁34には、孔部36が設けられており、この孔部は、センサ装置のケーシング14を測定機器のケーシングに留めることを可能にする。
【0042】
ケーシング14の第1の部分空間20は、片側が開口54によって開放されており、実質的にレーダーセンサ60のアンテナ16を支持している。このアンテナは、プリント基板18上に固定されているアンテナ薄板24と、当該アンテナ装置のアース電極21を形成するケーシング14の部分空間20の内面38とによって形成されている。このようにしてアンテナ16を非常にコンパクトに構成することが可能となる。
【0043】
第1の部分空間20は、図2の実施例に示されているように、所属する測定機器の一方の壁部50によってラドンの形式で遮蔽されていてもよい。但しこの隔壁がアンテナ装置16の電界に対する何らかの障害を示さない限りであるが。この理由から前記壁部50は、例えば本発明による測定機器のプラスチックケーシングの一方の側によって実現されてもよい。このケースにおいては、本発明による測定機器は、ケーシング壁部50を用いて、測定すべき構造部、例えば屋根若しくは床を介してセンシングされる。この壁部50は、それに対してレーダーセンサのアンテナ薄板24を損傷から守るための機械的な保護に用いられる。
【0044】
本発明による測定機器は、距離センサ系を有しており、そのため様々なセンサの目下の信号レベルが測定されるだけでなく、さらに信号の経過も把握して表示することができる。それにより当該測定機器のディスプレイでは二次元表示も可能である。この二次元表示のもとでは、距離情報の他に深さ情報も表示することができる。このことは有利には、大抵において1つ又は複数の光学的信号ランプを介して目下の測定個所における目下の測定結果が表示される従来技法の測定機器とは異なっている。
【0045】
センサ装置のケーシング14の周りには、本発明による測定機器の誘導性センサ64のコイル装置12の複数のコイル要素80が巻回されている。この場合これらのコイル要素80は、例えばコイル支持体84に設けられるかないしはその中に鋳造されてもよい。相応の結合手段を介してこれらのコイル要素80は、さらに詳細には示されていないエネルギー供給部に接続され、駆動制御と評価のための電子的な構成素子48と接続される。また他の実施形態によれば、誘導性センサ装置が測定機器62のプラスチックの底部50に集積され得る。
【0046】
図3には、図2による本発明の測定機器のセンサヘッド10の保護壁部50を除いた下方側平面図が概略的に示されている。アンテナ16のアンテナ薄板24は、センサ基板18のほぼ中央に設けられている。ケーシング14の周りには、本発明による測定機器の誘導性センサ64の複数のコイル要素80が配設されている。
【0047】
本発明による方法のもとでは、相応の切換によって、レーダーセンサ60のアンテナ16を慣用的な方式、すなわち低周波な容量性センサ66の方式で作動させることも可能である。それに対しては例えばアンテナ16の駆動制御が次のように変調できる。すなわちそれが高周波な励起と低周波な作動方式の間で交互に切り替えられるように変調できる。また例えば図2ないしは図3による本発明の測定機器のアンテナ装置16を次のように駆動制御することも可能である。すなわち、例えば電圧線路の交流電圧電界を容量的に把握し得る商用電圧検出器65の形式で作動するように駆動制御することも可能である。そのようなケースでは、センサはパッシブに作動される。つまり電界を生成することなしに作動される。そのため例えば壁の中の電源電圧線路の位置とその経過を表示させることが可能となる。
【0048】
本発明による測定機器内に設けられている電子制御系によれば、図2ないしは図3の実施例によるセンサだけを用いて、レーダーセンサ60のアンテナ装置16を介して種々異なる検出信号を生成することも可能である。これらの検出信号は、擬似的に並列に若しくは直列的に評価が可能であり、それによって当該評価を介して、媒体内に含有されている測定すべき対象に関する付加的な情報が獲得できる。この場合レーダーセンサ60は、容量性センサとして、特に従来型の、つまり電源電圧検出器65のような低周波な容量性センサ66として駆動制御可能であり、その一方で高周波な検出器68としての駆動制御も可能である。この場合有利には、探索すべき平面上の1つの同じポイントに複数の検出信号が自動的に配向される。それにより常に同じ測定領域が探索される。すなわち検出信号が切り替えられた場合でも同じ測定領域が探索される。異なる空間領域の測定による測定エラーは、この本発明による測定機器の実施例においては、ほぼ除外することが可能である。
【0049】
代替的な実施例によれば、異なる検出信号に、それぞれ1つの独立したセンサ、例えばそれぞれ1つのアンテナと1つの測定コンデンサが対応付けられる。それにより、複数の検出信号の獲得のために、やや広めの構造空間のもとでも純粋に並列な作動モードが可能となる。
【0050】
この本発明による方法は、所定の対象に応じて所期のように探索することを有利な形式で許容させ得る。そのため予め定められたサーチルーチンを駆動制御する相応の回路によって例えば電流の流れるケーブル若しくは金属に特化したサーチが可能となる。同じように壁の中に埋もれている中空空間も測定機器の表示部において自動的にマスキングさせたり、あるいはユーザー自身の設定によってマスキングさせること、つまり表示させないようにすることができる。そのため、ユーザーは、所望の情報だけを選択的に受け取ることができる。
【0051】
図4には、本発明による測定機器のセンサヘッド10のさらなる実施例が、図3に類似して示されている。この場合同じ構成要素には、同じ符号が付されている。この図4の実施例による本発明の測定機器のセンサヘッド10は、これまでに示されてきた先の実施例との違いとして、レーダーセンサ60の送信アンテナ86と受信アンテナ88を有している。
【0052】
このレーダーセンサ60の受信アンテナ86ないし受信アンテナ88の相応の駆動制御と幾何学的変形によって次のことが可能となる。すなわち、これらのアンテナの一方若しくは両方が、容量性センサ65,66,68、特に容量性高周波センサ68のための電極として使用することが可能となる。このようにすれば、容量性高周波センサ68に対して、付加的な1つの電極ないしは付加的な2つの電極をセンサヘッド10のケーシング内に強いて集積化させる必要がなくなる。レーダーセンサ60の送信アンテナと受信アンテナは、既に前述してきたようにアンテナ薄板だけで実現してもかまわない。それによりセンサヘッドは、図3に示されているケースのように構成される。アンテナ16の駆動制御は、このケースの場合、まず最初にレーダーパルスが送信され(送信アンテナ)、引き続き当該アンテナが受信に切り替えられ、それによって、反射されてフィードバックされたレーダーパルスが同じアンテナ(今度は受信アンテナ)によって検出される。
【0053】
図5には、本発明による測定機器のセンサヘッド10のさらなる別の実施例が示されている。誘導性センサ64のコイル要素80とレーダーセンサ60の送信アンテナ86と受信アンテナ88の他に(これらは容量性高周波センサ68としても駆動制御される)、付加的に測光センサ92が本発明による測定機器のセを介してンサヘッド10内に赤外線センサ70の形態で集積されている。
【0054】
赤外線センサは、温度若しくは温度差を測定しなければならない場所で有利に使用できる。そのため最近のIRセンサを介して迅速で信頼性の高い温度測定が実現可能となる。特に、1000℃以上の非常に高い温度自体も高い信頼度で測定することが可能である。なぜならこの測定は、無接触で放射熱だけに基づいて行われるからである。
【0055】
本発明による測定機器の赤外線センサ70は、例えばその導電性が、発生している放射強度と共に変化する半導体フォトダイオードから成っている。この場合このフォトダイオードは、特に1μm(赤外線ビーム)以上の領域の波長に対して感応する。
【0056】
図5に示されている実施例による本発明の測定機器の使用が期待されるのは、例えば床暖房設備のようなシナリオのもとでのヒーター管路などであり、すなわち床や壁、屋根の中に埋もれている暖房用の通流管の測定においてである。ここでは例えば、管路の損傷を避けるために、ないしは既に損傷させてしまった管路の正確な位置を測定するために、それらの管路がどこに存在しているかが把握されなければならない。その場合に従来の方法では、例えばIRセンサ機器、熱感知カメラ若しくはサーモフィルムなどが求められていた。そのような従来技術によるIRセンサ機器を用いれば、探索すべき領域が緩慢にスキャンされ局所的な温度極大値が表される。熱感知カメラは、基本的には赤外線領域の写真を生成する。これは僅かな温度差も可視化できる。サーモフィルムは、温度に反応する材料からなっており、これは比較的高い温度のもとで着色される。この場合このフィルムは、探索すべき領域上に接着されなければならない。しかしながらこれらのいずれの方法も、検出された対象の深度情報までは獲得することができない。
【0057】
本発明による測定機器は、これらの従来技法による機器に比べて、複数のセンサ原理の組み合わせによって、壁の中、屋根の中、若しくは床の中の、加熱された管路若しくは冷却された管路の迅速でかつ信頼性の高い測位及び測定が可能となる。IRセンサ70に対しては、粗い精度の識別、すなわち加熱された管路と冷却された管路の違い、並びに当該管路の測位とその大体の位置は、本発明による測定機器に集積されたさらなるセンサ原理によって、当該管路の正確な位置、深さ及び大きさが確定できるようになる。
【0058】
図5は、遮蔽されたケーシング14として付加的センサ系のセンサ基板18が含まれているセンサ装置10が示されている。このセンサ基板18上には、レーダーセンサ68のアンテナ86と88がろうづけされている。これらのアンテナ86,88は、レーダー測定に対してさらに付加的に相応の電子的な接続によって容量性の高周波センサ68としてもないしは容量性センサ65,66としても利用できる。インテリジェンスソフトウエア若しくは相応の電子回路は、それに対してこれらのセンサの個々の作動モード間で非常に高速に切り替えられる。さらにケーシング14には、コイル装置80が誘導性の検出のために巻回されている。選択的にフェライトがコイルのために設けられていてもよい。このコイル巻線のタイプやサイズ位置は、専用に成形可能である。
【0059】
赤外線センサ70は、ケーシング14内部にも設けることが可能であり、例えばセンサ基板18上に設けていてもよい。しかしながらセンサの対抗的な作用のために典型的に良好とされるのはケーシングの外部にセンサを位置付けすることである。本発明による測定機器の有利な構成によれば、赤外線センサ70が、取り外し可能なIRセンサヘッド73の形態で構成され、それが相応の容量性高周波測位機器に対する付加的構成要素73として設けられる。この測位機器における相応のインターフェースを介して当該赤外線センサは、測定機器の制御ユニットや評価ユニットに接続され、これらのユニットによって駆動制御され、さらに評価され得る。
【0060】
本発明による測定機器の種々異なる実施例によれば、使用されるセンサ原理の集積化の方式は、任意に実現させることが可能である。それらの複数のセンサの位置、サイズ、並びに数に制約はない。付加的な複数の検出信号から得られる複数のデータは、有益に継続処理され、それによって、含有されている対象に関するさらに付加的な情報が導きだせる。
【0061】
相応のデータ処理(ソフトウエア)によれば、個々のセンサの測定結果が相互に補足され、それによって含有される対象に関するできるだけ完全な画像が導きだせる。
【0062】
複数のセンサの組み合わせから得られることの可能な複数の検出信号の評価、若しくは1つの同じセンサの異なる駆動制御から得られることが可能である複数の検出信号の評価は、有利な形式で次のようなことを可能にする。すなわち含有されている対象の測位に対してさらに付加的に、例えば材料の識別や、電気的線路のもとでの例えば線路の電圧状態に関する情報が得られるようになる。
レーダーセンサと赤外線センサの組み合わせによって、例えば水道管の測位のみでなく、ここにおいてはそのような管路における異なる温度レベルに基づいて、例えば管路内の媒体の通流方向に関する情報も得ることができるようになる。さらに並列的に得られる検出信号ないしは直列的に得られる検出信号のさらなる利用によって、レーダー測位とその深度の推定が著しく正確に行える。なぜなら相応するセンサが、検知された対象の識別された材料タイプに基づいて設定と最適化が可能になるからである。
【0063】
それにより個々のセンサを他のセンサによって得られた含有対象物に関する情報によって最適化することが可能となる。このようにして、各センサユニットを、他のセンサから得られた付加情報に基づいて良好に作動させることも可能となる。この相互に依存することのない最適化された結果は、ソフトウエア的に若しくはハードウエア的に次のように関連付けられる。すなわち本発明による測定機器は、ユーザーに位置や深さ、幅のみならず、例えば材料の種類や温度自体、対象の深さも伝達し得る。
【0064】
それにより本発明による測定機器は、有利な形式で取扱いも容易な運転の可能な低コストでコンパクトなマルチ機器として構成される。ユーザーは、この測定機器を例えば壁の探索に用いることができる。その測定結果は、ユーザーに直感的に容易にアクセス可能なグラフィック表示で当該測定機器の表示部に直接通知される。そのためこのようにして直接の視線を探索すべき壁に向けることができる。それにより、ユーザーは、例えば壁のどの個所において孔あけを実施すべきでないかがわかり、あるいはどの個所ならそのような孔あけが危険でないかがわかる。
【0065】
本発明による測定機器ないしはこの測定機器を用いた本発明による、媒体内に含まれている対象の測定のための方法は、図面中に示された実施例に限定されるものではない。
【0066】
特に本発明による方法は、壁や床若しくは屋根の中に埋まっている対象の検出にだけ限定されるものでもない。
【0067】
本発明の有利な実施例によれば、少なくとも1つのさらなるセンサは、誘導型センサ(64)である。
【0068】
また有利には前記少なくとも1つのさらなるセンサは、容量性センサ(65,66,68)である。
【0069】
本発明によれば有利には、前記容量性センサ(65,66,68)は、レーダーセンサ(60)の少なくとも1つのアンテナ(16,24,86,88)によって形成されている。
【0070】
有利には、前記少なくとも1つのさらなるセンサは、測光型センサ(92,70)である。
【0071】
有利には、前記少なくとも1つのさらなる測光型センサは、赤外線センサ(70)である。
【0072】
有利には前記複数のセンサ(60,64,66,68,70,92)のうちの少なくとも2つは、測定機器の共通のケーシング(62)内に集積されている。
【0073】
前記複数のセンサ(60,64,66,68,70,92)のうちの少なくとも2つは、共通のプリント基板(18)上に配設されている。
【0074】
有利には前記レーダーセンサ(60)は、広帯域インパルスレーダーセンサである。
【0075】
有利には、レーダーセンサ(60)の少なくとも1つのアンテナ(16,86,88)がさらなるセンサ、特に容量性センサ(65,66,68)の電極として少なくとも時折作動される。
【0076】
有利には、少なくとも1つのさらなる検出信号が少なくとも1つのさらなるセンサ装置(64,65,66,68,70,92)によって生成される。
【0077】
有利には、少なくとも1つの第1の検出信号と少なくとも1つの第2の検出信号は、平行して測定される。
【0078】
有利には、少なくとも1つの第1の検出信号と少なくとも1つの第2の検出信号は、ほぼ平行に測定される。
【0079】
また有利には、少なくとも1つの第1の検出信号と少なくとも1つの第2の検出信号は、シリアルに測定される。
【0080】
本発明によれば有利には、複数のセンサの複数の検出信号が測定されて評価され、前記複数のセンサは、少なくとも容量性センサ(65,66,68)と誘導性センサ(64)と測光型センサ(70,94)を含んでいるセンサグループからなっている。
【0081】
有利には、センサ(64,65,66,68,70,92)の少なくとも1つの検出信号は、少なくとも1つのさらなる検出信号の測定と評価によって最適化される。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明によるレーダー測定機器の概略的な構造を表した図
【図2】本発明によるレーダー測定機器の第1の実施例のセンサ装置の断面図
【図3】図2による本発明のレーダー測定機器の実施例を下方から見た概略図
【図4】本発明によるレーダー測定器の第2の実施例のセンサユニットを図3に類似して下方から見た図
【図5】本発明によるレーダー測定機器のセンサユニットのさらなる実施例を図3及び図4に類似した表示で表した図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体内に含まれている対象の測位のためのレーダー機器、特に携帯型レーダー機器であって、
少なくとも1つのレーダーセンサ(60)を有しており、
前記レーダーセンサ(60)は、探索すべき媒体へのアクセスのための第1の高周波検出信号を生成し、それによって少なくとも1つのレーダーセンサ(60)の反射された検出信号の測定と評価により、当該媒体内に含まれる対象に関する情報が得られる形式のレーダー機器において、
前記媒体内に含まれる対象に関する情報獲得のために、少なくとも1つのさらなるセンサ(64,65,66,68,70,92)が、少なくとも1つのさらなる第2の検出信号を生成すべく設けられていることを特徴とするレーダー機器。
【請求項2】
前記少なくとも1つのさらなるセンサは、誘導型センサ(64)である、請求項1記載のレーダー機器。
【請求項3】
前記少なくとも1つのさらなるセンサは、容量性センサ(65,66,68)である、請求項1記載のレーダー機器。
【請求項4】
前記容量性センサ(65,66,68)は、レーダーセンサ(60)の少なくとも1つのアンテナ(16,24,86,88)によって形成されている、請求項3記載のレーダー機器。
【請求項5】
前記少なくとも1つのさらなるセンサは、測光型センサ(92,70)である、請求項1記載のレーダー機器。
【請求項6】
前記少なくとも1つのさらなる測光型センサは、赤外線センサ(70)である、請求項5記載のレーダー機器。
【請求項7】
前記複数のセンサ(60,64,66,68,70,92)のうちの少なくとも2つは、測定機器の共通のケーシング(62)内に集積されている、請求項1から5いずれか1項記載のレーダー機器。
【請求項8】
前記複数のセンサ(60,64,66,68,70,92)のうちの少なくとも2つは、共通のプリント基板(18)上に配設されている、請求項6記載のレーダー機器。
【請求項9】
前記レーダーセンサ(60)は、広帯域インパルスレーダーセンサである、請求項1から7いずれか1項記載のレーダー機器。
【請求項10】
媒体内に含まれている対象の測位のための方法であって、
レーダーセンサ(60)の少なくとも1つのアンテナ(16,86,88)を用いて第1の高周波検出信号を発生し、該信号は探索すべき媒体へ送信され、それによって第1の検出信号測定と評価、特にフィードバックされたレーダー信号の測定によって、当該媒体内に含まれる対象に関する情報が得られる形式の方法において、
前記媒体内に含まれる対象に関する情報の獲得のために、少なくとも1つのさらなる第2の検出信号が評価されるようにしたことを特徴とする方法。
【請求項11】
レーダーセンサ(60)の少なくとも1つのアンテナ(16,86,88)がさらなるセンサ、特に容量性センサ(65,66,68)の電極として少なくとも時折作動される、請求項10記載の方法。
【請求項12】
少なくとも1つのさらなる検出信号が少なくとも1つのさらなるセンサ装置(64,65,66,68,70,92)によって生成される、請求項10記載の方法。
【請求項13】
少なくとも1つの第1の検出信号と少なくとも1つの第2の検出信号は、平行して測定される、請求項10または12記載の方法。
【請求項14】
少なくとも1つの第1の検出信号と少なくとも1つの第2の検出信号は、ほぼ平行に測定される、請求項10から12いずれか1項記載の方法。
【請求項15】
少なくとも1つの第1の検出信号と少なくとも1つの第2の検出信号は、シリアルに測定される、請求項10から12いずれか1項記載の方法。
【請求項16】
複数のセンサの複数の検出信号が測定されて評価され、前記複数のセンサは、少なくとも容量性センサ(65,66,68)と誘導性センサ(64)と測光型センサ(70,94)を含んでいるセンサグループからなっている、請求項10から15いずれか1項記載の方法。
【請求項17】
センサ(64,65,66,68,70,92)の少なくとも1つの検出信号は、少なくとも1つのさらなる検出信号の測定と評価によって最適化される、請求項10から16いずれか1項記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2006−527842(P2006−527842A)
【公表日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−516210(P2006−516210)
【出願日】平成16年12月15日(2004.12.15)
【国際出願番号】PCT/EP2004/053487
【国際公開番号】WO2005/081015
【国際公開日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【出願人】(390023711)ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (2,908)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
【Fターム(参考)】