説明

媒体収納構造および媒体処理ユニット

【課題】規格公差の上限を超えた規格外の払込書の底板上への平坦な状態での収納を可能にする。
【解決手段】ガイド板31a、31b、一対の側板31cと、天板31d、底板31e、で収納空間34を形成した筐体31、正面ガイド板31aに設けた媒体搬入口33に配置したフィードローラ36、フィードローラ36の天板31d側に対向配置したプレッシャローラ37、払込書の搬入方向の直交方向に配置されたフィードローラの回転軸36aに固定され、複数の舌片38aが埴設された舌片ローラ38とを有する集積機構35、を備え、底板上に払込書を厚さ方向に直接積み重ねて収納する媒体収納構造で、フィードローラのガイド板31b側の外周面を、ガイド板31aから収納空間内に突出させ、収納空間内に突出させた突出部のフィードローラの軸方向の両側に、収納空間側に配置されたガード面を有するガード部41を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現金自動預払機等の自動取引装置に装着され、払込書等の1枚の紙葉からなる媒体を底板上に厚さ方向に積み重ねて収納する媒体収納構造およびその媒体収納構造を有する媒体収納庫を備えた媒体処理ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の媒体収納構造は、正面ガイド板、正面ガイド板に対向する背面ガイド板、正面ガイド板と背面ガイド板の側方に設けられた一対の側板、天板、底板で収納空間を形成した筐体と、正面ガイド板に設けられた媒体搬入口に配置されたフィードローラと、フィードローラの底板側に対向配置された分離ローラと、分離ローラの回転軸にワンウェイクラッチを介して取付られ、複数の舌片が埴設された舌片ローラとを有する集積機構と、天板と底板の間に昇降可能に設けられ、紙葉状の媒体を厚さ方向に積み重ねて集積するステージと、集積された媒体の正面ガイド板側の上面を検知する上面検知センサを備え、分離ローラの回転軸に設けられた舌片ローラの舌片の先端を、正面ガイド板から突出させながら回転させ、搬入された媒体の後端を叩き落してステージ上に集積し、一定枚数の媒体の集積時に上面検知センサが媒体の上面を検知している場合は、折れクセの強い媒体が集積されたと判定し、舌片の先端部で媒体の後端を押さえつけて後端部の折れクセを矯正し、舌片の先端部で媒体の後端を押さえつけても上面検知センサが媒体の上面を検知しているときは、ジャム発生の可能性があると判定し、ステージを一定量降下させて媒体の集積を継続している(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、ステージ上に集積された媒体の搬入方向の中央部の高さを検出する高さ検出レバーを設け、搬入される媒体の厚さおよび長さに応じて、ステージの昇降量を設定して媒体の反転や詰りを防止しているものもある(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−046298号公報(段落0011−0016、0026、0041−0044、第6図、第8図)
【特許文献2】特開平6−247606号公報(段落0013−0021、第1図、第4図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、銀行等の金融機関の支店やコンビニエンスストア等の店舗に設置された現金自動預払機は、利用者との間での取引処理を自動で行うために、取引選択画面や各種の入力画面等を表示する表示画面を有する操作表示部、利用者の取引カードのカード情報を読み書きすると共に明細票を発行するカードユニット、利用者の通帳の通帳情報を読み書きすると共に取引内容等を通帳に記帳する通帳ユニット、紙幣の入出金を行う紙幣ユニット、硬貨の入出金を行う硬貨ユニット等が設けられており、利用者の取引における操作性を向上させるために取引カードや通帳の挿入口、操作表示部、紙幣や硬貨の入出金口は正面側に集中して配置されるため、各ユニット等の小型化が望まれている。
【0006】
また、コンビニエンスストア等に設置された現金自動預払機の中には、利用者が持参した水道やガス、電気、電話等の料金の払込書や、ゆうパック(日本郵政株式会社の登録商標)の料金の払込書、通信販売等のカタログや広告に添付された申込書を兼ねた商品代金の払込書等の記入事項を読取って、その記入事項に基づく払込取引を自動で行っているものがある。
【0007】
しかしながら、上述した従来の特許文献1および特許文献2の技術においては、媒体収納構造が昇降可能なステージを備えているため、上記したジャム発生を防止する制御を行うことが可能であるが、ステージを昇降させる昇降装置を必要とし、処理済の払込書を収納する媒体収納庫が大型化し、その媒体収納庫を装備した媒体処理ユニットの小型化を図ることが困難になるという問題が生ずる。
【0008】
このため、筐体の底板上に媒体を直接積み重ねて収納する媒体収納庫を用い、底板上に集積され収納された媒体の高さを上面検知センサまたは高さ検出レバーで検出し、底板上に収納された媒体がフル状態であることを検出したときに、現金自動預払機の可動を停止させるようにすれば、媒体収納庫を装備した媒体処理ユニットの小型化を図ることが可能になる。
【0009】
一方、上記した各事業者が発行する払込書は、挿入方向を特定することが容易なように長方形で形成され、その短手方向および長手方向の長さは所定の公差(例えば、±1mm)を許容した上で規格化されているが、通信販売のカタログに添付された払込書等のように、カタログ上に切取線を設けて印刷された払込書の場合は、カタログ印刷時の印刷ズレや切取時の切断ミスによって、規格公差の上限を超えた規格外の払込書が媒体処理ユニットに挿入される場合がる。
【0010】
このような規格外の払込書が媒体処理ユニットに挿入された場合に、これを利用者に返却すると、却って払込書による自動取引の普及を阻害することになるため、利用者の利便性を考慮して規格外の払込書の取扱を可能にすると、規格外の払込書による処理の終了後に、その払込書を媒体収納庫に収納したときに、払込書の搬入方向の後端を舌片の先端部で叩き落して底板上に集積したときに、規格外の払込書の前端と後端がそれぞれ背面ガイド板と正面ガイド板に当接して突っ張った状態になり、中央部が天板側に凸の湾曲した媒体が収納されてしまうことになる。
【0011】
この場合に、フル状態を検出する手段として、特許文献2のような集積された媒体の搬入方向の中央部の高さを検出するフル検出レバーを用いると、筐体内に中央部が天板側に凸の湾曲した媒体が収納されたときに、その湾曲媒体の頂部付近をフル検出レバーが検出すると、収納枚数がその媒体収納庫に設定された所定の収納枚数に達しない場合であっても、フル状態の誤検出によって現金自動預払機の可動が停止し、現金自動預払機の可動効率を低下させるという問題がある。
【0012】
このことは、処理済の払込書を収納する媒体収納庫が底の浅い筐体で形成されている場合は、1枚の湾曲媒体が収納されたときに、フル検出レバーがフル状態を検出してしまう場合があるので、特に問題になる。
【0013】
また、媒体収納庫が底の深い筐体で形成されている場合であっても、既に収納された媒体の枚数が少ないときに、中央部が天板側に凸の湾曲媒体が収納されたときにフル検出レバーがフル状態を検出しなかったとしても、その上に収納された媒体によって突っ張った状態の湾曲媒体の中央部を押し潰す程の力が作用しない場合や、既に収納された媒体の枚数が多いときに湾曲媒体が収納された場合には、その媒体収納庫に設定された所定の収納枚数に達していないときに、フル検出レバーがフル状態を検出してしまい、上記した問題を生じさせることになる。
【0014】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、規格公差の上限を超えた規格外の媒体の底板上への平坦な状態での収納を可能にする媒体収納構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、上記課題を解決するために、正面ガイド板と、前記正面ガイド板に対向する背面ガイド板と、前記正面ガイド板と前記背面ガイド板の側方に設けられた一対の側板と、天板と、底板とで収納空間を形成した筐体と、前記正面ガイド板に設けられた媒体搬入口に配置されたフィードローラと、前記フィードローラの前記天板側に対向配置されたプレッシャローラと、媒体の搬入方向の直交方向である軸方向に配置された前記フィードローラの回転軸に固定され、複数の舌片が埴設された舌片ローラとを有する集積機構とを備え、前記底板上に媒体を厚さ方向に直接積み重ねて収納する媒体収納構造であって、前記フィードローラの前記背面ガイド板側の外周面を、前記正面ガイド板から収納空間内に突出させ、前記収納空間内に突出させた突出部の、前記軸方向の両側に、前記突出部の外周面より収納空間側に配置されたガード面を有するガード部を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
これにより、本発明は、フィードローラと底板との間に、正面ガイド板とガード部のガード面とによって規格公差の上限を超える規格外の払込書の収納を可能にする凹部を形成することができ、規格外の払込書が搬入されたとしても、その払込書を平坦な状態で底板上に直接収納することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施例の現金自動預払機の外観を示す説明図
【図2】実施例の媒体処理装置の構成を示す説明図
【図3】実施例の媒体収納構造の側面を示す説明図
【図4】実施例の集積機構の外観を示す説明図
【図5】実施例の媒体収納構造による払込書の収納動作を示す説明図
【図6】実施例の媒体収納構造による払込書の収納動作を示す説明図
【図7】実施例の媒体収納構造による払込書の収納動作を示す説明図
【図8】実施例の媒体収納構造による規格外の払込書の収納動作を示す説明図
【図9】実施例の媒体収納庫のフル状態を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、図面を参照して本発明による媒体収納構造および媒体処理ユニットの実施例について説明する。
【実施例】
【0019】
図1において、1は本体装置としての現金自動預払機であり、銀行等の金融機関の支店やコンビニエンスストア等の店舗に設置され、利用者が選択した取引の入力を受付け、これを基に図示しないホストコンピュータと交信して利用者との取引処理を自動で行う機能等を有している。
【0020】
2は操作表示部であり、現金自動預払機1の正面に設けられ、LCD等の表示画面とタッチパネル等の入力手段との組合せで構成されており、表示画面に取引選択画面や各種の入力画面、利用者の処置を促す画面等を表示する他、入力手段により利用者からの入力を受付ける。
【0021】
3はカードユニットであり、挿入された利用者のキャッシュカードやクレジットカード等の取引カードの磁気ストライプやICチップ等に記録されている取引カードの金融機関名や支店名、口座番号、口座科目等の口座情報等からなるカード情報を読み書きする機能を有すると共に、明細票等に取引内容等を印字する機能を有している。
【0022】
4は通帳ユニットであり、挿入された利用者の通帳の磁気ストライプやICチップ等に記録されている通帳情報を読み書きする機能を有すると共に取引内容等を利用者の通帳に記帳する機能を有しており、その正面側には利用者の通帳の挿入を受入れると共に、記帳済の通帳を排出するための通帳吸排口4aが設けられている。
【0023】
5は紙幣ユニットであり、入金取引時等に利用者が投入した紙幣を受入れ、これを鑑別および計数して紙幣収納部に収納し、出金取引時等に紙幣収納部から利用者に支払う紙幣を繰出し、これを計数して利用者に引渡す機能を有している。
【0024】
6は硬貨ユニットであり、入金取引時等に利用者が投入した硬貨を受入れ、これを鑑別および計数して硬貨収納部に収納し、出金取引時等に硬貨収納部から利用者に支払う硬貨を繰出し、これを計数して利用者に引渡す機能を有している。
【0025】
7は媒体処理ユニットであり、利用者が持参した1枚の紙葉からなる媒体としての払込書の記入事項を読取る機能等を有しており、その正面側には利用者の払込書の挿入を受入れると共に、読取不能の払込書を利用者に返却するための媒体挿入口7aが設けられている。
【0026】
通帳ユニット4は、図2に示すように、通帳の挿入および排出を行うための通帳吸排口4a、通帳吸排口4aを開閉するシャッタ10、挿入された通帳を幅寄せして搬送状態を整位する幅寄せ部11、通帳の磁気ストライプ等に記録されている口座番号や記帳最終ページとその最終行等の通帳情報を読み書きする磁気ヘッドを有する読取書込部12、通帳を搬送するための一対のローラを対向配置した複数の正逆回転可能に構成された搬送ローラ13を有する通帳搬送路14が設けられており、通帳搬送路14の通帳吸排口4aの近傍には、通帳吸排口4aに印字ページを開いた状態でセットされた通帳の幅(挿入方向と直交する方向の長さをいう。)を検出するための図示しない幅検出センサ、開いた状態で挿入された通帳の挿入方向の長さを検出する図示しない長さ検出センサ等が設けられ、通帳搬送路14の読取書込部12の挿入方向の下流側には、通帳吸排口4aから開いた状態で受入れた通帳のページをめくるページめくり部15、めくられたページのページマークを読取るページマーク読取部16が設けられている。
【0027】
18は印字ユニットであり、通帳搬送路14の挿入方向の下流端に直線的に連結する通帳ユニット4内の印字搬送路19に配置され、通帳ユニット4の通帳吸排口4aから挿入された通帳、および媒体処理ユニット7の媒体挿入口7aから挿入された払込書の印字面に所定の記載内容を印字するための印字ヘッド20およびこれに印字搬送路19を挟んで対向配置されたプラテン21が設けられている。
【0028】
また、印字ヘッド20の両側には、印字搬送路19を搬送される払込書および通帳からなる印字対象媒体の厚さに応じた挟持搬送を可能にした一対のローラからなる正逆回転可能に構成された搬送ローラ22が配置されている。
【0029】
23は通帳回収部であり、通帳吸排口4aから排出され、取忘れられた通帳を収納して回収する収納部であって、印字搬送路19の挿入方向の下流端に配置されている。
【0030】
媒体処理ユニット7は、払込先の口座番号や払込金額等が記入された払込書を取扱うユニットであって、払込書を挿入するための媒体挿入口7a、挿入された払込書の記入内容等を読取るスキャナ部25、払込取引の終了後に印字ユニット18で取引日時や取引店舗名等の記載内容が印字された処理済の払込書を収納する媒体収納庫26a、26b、および払込書を搬送するための一対のローラを対向配置した複数の正逆回転可能に構成された搬送ローラ27を有する媒体搬送路28等が設けられており、媒体搬送路28の媒体挿入口7aの反対側の端部は、ページマーク読取部16と印字ユニット18との間の通帳搬送路14と印字搬送路19との連結部に合流している。
【0031】
また、印字搬送路19および媒体搬送路28の各分岐部には、通帳や払込書の搬送方向を切替える切替ブレード29a〜29dが設けられている。
【0032】
本実施例の媒体処理装置は、通帳ユニット4および通帳ユニット4に媒体搬送路28で連結された媒体処理ユニット7で構成され、印字対象媒体である払込書および通帳を1つの印字ユニット18を用いて印字処理する機能を有しており、通帳ユニット4およびその上に隣接して併設された媒体処理ユニット7が、現金自動預払機1に並べて装着されている。
【0033】
また、本実施例の媒体収納庫26a、26bは、その筐体31の深さが異なる以外は同様に構成され、媒体収納庫26aの深さは浅く、媒体収納庫26bの深さは深く形成されており、浅い媒体収納庫26aには比較的利用頻度の少ない処理済の払込書を少数枚(例えば50枚)、深い媒体収納庫26には比較的利用頻度の多い処理済の払込書を多数枚(例えば150枚)収納するように設定されている。
【0034】
以下に、浅い媒体収納庫26aの構成について、図3、図4を用いて説明する。
【0035】
媒体収納庫26aの筐体31は、正面ガイド板31a、正面ガイド板31aに対向する背面ガイド板31b、正面ガイド板31aと背面ガイド板31bの側方に設けられた一対の側板31c、天板31dおよび底板31eで構成されている。
【0036】
なお、図4は紙面手前側の側板31cを取除いた状態で示した側面図であり、天板31dは、払込書の搬入方向の直交方向の中央部で切断した断面を示し、そのストッパ51(後述)の近傍のみを部分断面で示したものである。
【0037】
図3、図4において、32は下ガイド板32aと上ガイド板32bからなる一対のガイド板を所定の間隔で対向配置した搬送ガイドであり、筐体31の、図3に矢印で示す払込書の搬入方向の上流側で、その天板31d側に配置され、媒体搬送路28の切替ブレード29dが設けられた分岐部(図2参照)と筐体31の正面ガイド板31aとの間を接続する搬送路を形成しており、正面ガイド板31aとの接続部が媒体搬入口33として機能する。
【0038】
本実施例の下ガイド板32aは、正面ガイド板31aと一体に形成され、上ガイド板32bは天板31dと一体に形成されている。
【0039】
また、正面ガイド板31a、背面ガイド板31b、一対の側板31c、天板31dおよび底板31eで形成された空間が、媒体搬入口33から搬入された処理済の払込書を収納する収納空間34として機能する。なお、本実施例の払込書は、その短手方向を搬入方向として搬入される。
【0040】
35は集積機構であり、搬送ガイド32に沿って搬入方向に搬送され、媒体搬入口33から放出された処理済の払込書を、収納空間34の底板31e上に、払込書の厚さ方向に直接積み重ねて集積する機能を有しており、フィードローラ36、プレッシャローラ37、舌片ローラ38等で構成されている。
【0041】
本実施例の集積機構35は、並設されたそれぞれ2つのフィードローラ36とプレッシャローラ37と舌片ローラ38等とで構成される。
【0042】
フィードローラ36は、筐体31の正面ガイド板31aの上方に形成された媒体搬入口33の底板31e側に配置され、その天板31d側の外周面は、下ガイド板32aから上ガイド板32b側に突出し、その背面ガイド板31b側の外周面は正面ガイド板31aから背面ガイド板31b側、つまり収納空間34内に突出しており、搬入方向の直交方向(軸方向という。)に配置された回転軸36aを中心に、媒体搬送路28の搬送ローラ27との共通の駆動源によって、集積回転方向(図3において、時計方向)およびその逆方向(反集積回転方向という。)に回転駆動される。
【0043】
プレッシャローラ37は、フィードローラ36の天板31d側に対向配置され、フィードローラ36を押圧して払込書を挟持して搬送するよう構成されており、フィードローラ36の回転軸36aと平行に配置された回転軸37aを中心にフィードローラ36または払込書との摩擦力により集積回転方向(図3において、反時計方向)およびその逆方向に従動回転する。
【0044】
41はガード部であり、フィードローラ36の収納空間34内に突出させた突出部の、搬入方向の直交方向の両側、つまりフィードローラ36の軸方向の両側の面に近接した正面ガイド板31aの部位を突出させて形成され、その背面ガイド板31b側に形成された対向面41aは、図3に示す所定の距離L1を介して、背面ガイド板31bに対向しており、対向面41aを含むガード部41の外形面であるガード面はフィードローラ36の突出部の外周面より半径方向外側、つまり収納空間側に配置され、収納空間34内に収納された払込書の正面ガイド板31a側の端部(以下、単に後端部という。)のフィードローラ36の外周面への接触による巻込みを防止する機能を有している。
【0045】
本実施例のガード部41の対向面41aと、背面ガイド板31bとの間の所定の距離L1は、収納する払込書の短手方向長さの規格公差(本実施例では、±1mm)の上限に、所定の余裕代(本実施例では、1mm)を加えた距離に設定されている。
【0046】
また、図3に示す、正面ガイド板31aと背面ガイド板31bとの間の所定の距離L2は、規格公差の上限を超えた規格外の払込書の中で、想定される最も長い搬入方向の長さを有する払込書の長さに、所定の余裕代(本実施例では、1mm)を加えた距離に設定されている。
【0047】
これによって、正面ガイド板31a側の、フィードローラ36と底板31eとの間に、正面ガイド板31aとガード部41のガード面の底板31e側の面とによる規格外の払込書の収納を可能にする凹部が形成される。
【0048】
舌片ローラ38は、天然ゴムや合成ゴム等の弾性材料で形成された舌片38aを、その外周面の全周に、外周面から半径方向外側に放射状に等ピッチで埴設したローラであって、ネジ等の固定手段でフィードローラ36の回転軸36aに固定されてフィードローラ36の軸方向の中央側に配置されており、回転軸36aの集積回転方向の回転に伴って、その舌片38aの先端部をカード部41の対向面41aから突出させた状態で、フィードローラ36と共に回転し、フィードローラ36とプレッシャローラ37の挟持部から放出された払込書の後端部を舌片38aの先端部で叩き落して底板31e上に集積し、当該払込書の後端部上を摺動する舌片38aの先端部によって当該払込書の後端を正面ガイド板31aに整位させる機能を有している。
【0049】
本実施例の舌片38aの先端の回転軌跡は、収納空間34内に放出された払込書の前端が背面ガイド板31bに衝突したときに、その先端部が、払込書の後端部を叩くことが可能なように形成される。
【0050】
また、図3は、浅い媒体収納庫26aであるので、収納空間に払込書Sが収納されていない空の状態であっても、舌片38aの先端部が底板31e上を摺動するように構成されている。
【0051】
なお、本実施例の舌片ローラ38を搬送ガイド32の下側に配置されたフィードローラ36の回転軸36aに固定しているのは、払込書の集積時に舌片ローラ38を確実に集積回転方向に回転させるためである。仮にプレッシャローラ37を搬送ガイド32の下側に配置してその回転軸37aに舌片ローラ38を固定したとすれば、フィードローラ36の外周面との摩擦力により従動回転するプレッシャローラ37に、その摩擦係数の低下による滑り等が生じた場合に、舌片ローラ38が回転しなくなり、舌片38aの先端部による叩き落しの効果が損なわれることになるからである。
【0052】
43はフル検出レバーであり、天板31d上に立設された支持部材44aに設けられた回転支点44を中心に回動可能に可能に支持されたL字状部材であって、その底板31e側の角部である検出部43aを、天板31dのフィードローラ36の軸方向の中央部に形成された窓部45から収納空間34に突出させた状態で、窓部45の正面ガイド板31a側の角部である支持部45aに自重により当接して支持されている。
【0053】
また、フル検出レバー43の検出部43aの天板31d側には、検出板43bが設けられており、底板31e上に収納された払込書の最上位の払込書の上面の搬入方向の中央部に、検出部43aが自重により当接したときに、その払込書の中央部の収納高さに応じて上昇する検出板43bをフル検出センサ46が検出したときに、媒体収納庫26aのフル状態が検出される。
【0054】
フル検出センサ46は、天板31d上に配置されたコの字状の支持部材の開口部46aを光軸が通過するように発光部と受光部とを対向配置した光学式センサであって、発光部からの光をフル検出レバー43の検出板43bが遮ったことを受光部で検出して、媒体収納庫26aのフル状態を検出する機能を有している。
【0055】
50は逆流防止レバーであり、プレッシャローラ37の軸方向の端部側に配置された「く」の字状部材であって、プレッシャローラ37の回転軸37aを挟んだフィードローラ36の反対側で回転軸37aの背面ガイド板31b側には係止部50aが形成され、その係止部50aの回転軸37aを挟んだ反対側には受部50bが形成されており、天板31dの収納空間34上に立設されたストッパ51に、係止部50aを自重により当接させて係止され、フィードローラ36の軸方向の端部側に設けられたガード部41に形成された矩形の切欠部52(図4参照)に受部50bを挿入した状態で、プレッシャローラ37の回転軸37aに回動可能に支持されており、フィードローラ36とプレッシャローラ37の挟持部の搬入方向の下流側に配置された受部50bに、収納空間34から搬送ガイド32に進入しようとする払込書の後端を当接させて、払込書の搬送ガイド32への流出を防止する機能を有している。
【0056】
以下に、図2および図5ないし図9を用いて、本実施例の印字ユニット18による印字処理および媒体処理ユニット7による浅い媒体収納庫26aへの処理済の払込書の収納処理について説明する。
【0057】
なお、以下に示す各動作は、媒体処理装置の図示しない制御部が、図示しない記憶部に格納されているプログラムによって、上記した各部を制御して実行するものである。
【0058】
また、以下の説明においては、印字対象媒体を払込書(以下、払込書Sと記す。)として説明する。
【0059】
本実施例の媒体収納庫26aのフル検出レバー43および逆流防止レバー50の初期状態は、図3に示す状態になっている。
【0060】
利用者が、払込書Sを媒体処理ユニット7の媒体挿入口7aにセットすると、制御部は、その払込書Sを媒体搬送路28によってスキャナ部25へ搬送し、スキャナ部25によって払込書Sの記入内容等を読取る。
【0061】
このとき、記入内容等が読み取れなかった場合は、制御部は搬送ローラ27を逆転させ、払込書Sを媒体挿入口7aへ搬送して利用者に返却する。
【0062】
払込書Sの記入内容等を読取った制御部は、その記入内容を現金自動預払機1の図示しない主制御部へ送信し、主制御部が図示しないホストコンピュータと交信して払込書Sの記入内容に基づく払込取引を実行し、払込取引の処理が終了すると、主制御部は取引日時や取引店舗名等の所定の記載内容を添付した印字指令を制御部へ送信する。
【0063】
印字指令を受信した制御部は、所定の記載内容を払込書Sの印字面に印字するために、その払込書Sを媒体搬送路28によって印字ユニット18の方向へ搬送する。
【0064】
このとき、媒体搬送路28の搬送ローラ27と共通の駆動源により駆動されるフィードローラ36の回転軸36aの回転方向は、反集積回転方向となっており、例えば図7または図8に示すように、底板31e上に払込書Sが既に収納されている場合は、回転軸36aに固定された舌片ローラ38が反集積回転方向に回転するため、収納された払込書Sの後端部が舌片38aの先端部によって持上げられ、舌片38aの反集積回転方向の回転に伴って払込書Sの後端が媒体搬入口33の方向へ導かれるが、本実施例の媒体搬入口33には、フィードローラ36とプレッシャローラ37の挟持部の搬入方向の下流側に配置された受部50bを有する逆流防止レバー50が、その係止部50aをストッパ51に係止された状態で待機しているので、媒体搬入口33の方向へ導かれた払込書Sの後端(払込書Sの正面ガイド板31a側の払込書端をいう。)が受部50bに当接し、フィードローラ36とプレッシャローラ37とに挟持されて搬入方向の逆方向に搬送されることがないため、払込書Sの搬送ガイド32内への逆流が防止される。
【0065】
そして、制御部は、払込書Sを媒体搬送路28から印字搬送路19へ搬送し、払込書Sを搬送ローラ22に挟持させてプラテン21上の所定の印字位置へ搬送して停止させ、印字ヘッド20を、搬送方向の直交方向である印字方向に移動させながら払込書S上に所定の記載内容を印字する。
【0066】
払込書Sへの印字を終えた制御部は、その払込書Sが比較的利用頻度の少ない払込書Sの場合は、印字ユニット18の印字搬送路19および媒体処理ユニット7の媒体搬送路28の各搬送ローラ22、27を逆転させて、処理済の払込書Sを媒体挿入口7aの方向へ搬送し、切替ブレード29dにより搬送方向を媒体収納庫26aの方向へ切替えて媒体収納庫26aへ搬送し、搬送ガイド32に案内された払込書Sの搬送方向の前端をフィードローラ36とプレッシャローラ37との間に挟持させる。
【0067】
この媒体収納庫26aへの搬送時には、媒体搬送路28の搬送ローラ27と共通の駆動源により駆動されるフィードローラ36の回転軸36aの回転方向は、集積回転方向となっており、舌片ローラ38も集積回転方向に回転している。
【0068】
払込書Sの搬送方向の前端がフィードローラ36とプレッシャローラ37との間に挟持されると、その払込書Sは集積回転方向に回転しているフィードローラ36によって搬入方向に搬入され、その前端が逆流防止レバー50の受部50bに衝突すると、図5に示すように、逆流防止レバー50はプレッシャローラ37の回転軸37aを中心に払込書Sの前端に押されて受部50bが収納空間34側に回動し、更に搬入方向に搬送されて、その前端がフル検出レバー43に衝突すると、フル検出レバー43は回転支点44を中心に払込書Sの前端に押されて天板31d側に回動する。
【0069】
このとき、フル検出レバー43の検出板43bが、瞬間的にフル検出センサ46の光軸を遮るが、本実施例の制御部によるフル状態の検出は、所定の時間フル検出センサ46の光軸遮られることによって判定されるので、フル状態の誤検出が生ずることはない。
【0070】
そして、フィードローラ36とプレッシャローラ37による払込書Sの挟持が解除されると、図6に示すように、その払込書Sは媒体搬入口33から収納空間34へ放出され、その前端が背面ガイド板31bに衝突し、払込書Sの後端部が集積回転方向に回転している舌片ローラ38の舌片38aの先端部で叩かれながら底板31e上に落下する。
【0071】
このとき、逆流防止レバー50とフル検出レバー43は、それぞれ自重によってストッパ51と支持部45aの方向へ回動する。
【0072】
また、本実施例のガード部41のガード面は、フィードローラ36の正面ガイド板31aからの突出部の収納空間34側に配置されているので、払込書Sの後端がフィードローラ34に接触して巻込まれることはない。
【0073】
更に、舌片38aの先端部がガード部41の対向面41aから突出しながら回転し、対向面41aと背面ガイド板31bとの間の距離L1が、払込書3の規格公差の上限に所定の余裕代を加えた距離で形成されているので、媒体搬入口33から放出された払込書Sの後端部を舌片38aの先端部で確実に叩き落すことができる。
【0074】
収納空間34の底板31e上に落下した払込書Sは、図7に示すように、その後端部を摺動する舌片38aの先端部との摩擦力によって正面ガイド板31aの方向へ引寄せられ、その後端が正面ガイド板31aに当接して整位される。
【0075】
このような収納動作によって、規格内の処理済の払込書Sが底板31e上に集積され収納されている途中で、規格公差の上限を超える規格外の処理済の払込書S(払込書Sgと記す。)が媒体収納庫26aに搬送されてきた場合は、上記図5、図6を用いて説明したのと同様にして、その払込書Sgは、前端で逆流防止レバー50およびフル検出レバー43を押し退けながら収納空間34へ放出され、後端部を舌片38aの先端部で叩かれながら底板31e上または既に収納された最上位の払込書S上に落下する。
【0076】
このとき、本実施例の正面ガイド板31aと背面ガイド板31bとの間の距離L2は、想定される最も長い規格外の払込書Sgの長さに所定の余裕代を加えた距離で形成されているので、底板31e上または最上位の払込書S上に落下した規格外の払込書Sgの前端と後端がそれぞれ正面ガイド板31aと背面ガイド板31bに当接した状態で突っ張ることはなく、払込書Sgの搬入方向の中央部が天板31d側に凸の湾曲をすることを防止して、湾曲した払込書Sgの頂部がフル検出レバー43の検出部43aを押上げることによるフル状態の誤検出を防止することができる。
【0077】
収納空間34の底板31e上に落下した払込書Sgは、図8に示すように、その後端部上を摺動する舌片38aの先端部との摩擦力によって正面ガイド板31aの方向へ引寄せられ、規格内の払込書Sと同様に、平坦な状態で後端を正面ガイド板31aに当接させて整位される。
【0078】
この場合に、浅い媒体収納庫26aの設けられた舌片ローラ38の舌片38aの先端部は、底板31e上を摺動するように構成されているので、空の収納空間34に放出された最初の払込書Sが、規格外の払込書Sgであったとしても、その払込書Sgの後端部上を舌片38aの先端部が摺動し、払込書Sgを平坦な状態で後端を正面ガイド板31aに当接させた状態で収納することができる。
【0079】
このようにして、規格内の払込書Sおよび規格外の払込書Sgが順次に底板31e上に収納され、その収納高さが高くなってフル検出レバー43の検出部43aが自重によって最上位の払込書Sに当接するようになると、その収納高さに応じてフル検出レバー43の検出板43bが天板31d側に移動して行き、検出板43bの端部がフル検出センサ46の光軸を遮ると、制御部は所定の時間の経過後に、媒体収納庫26aがフル状態なったことを認識し、フル検出通知を現金自動預払機1の主制御部へ送信し、これを受信した主制御部は、現金自動預払機1の可動を停止させる。
【0080】
上記のようにして、本実施例の媒体収納構造による規格外の払込書Sgを含む払込書Sの収納動作が行われる。
【0081】
なお、上記においては、浅い媒体収納庫26aを例にその構造および収納動作等について説明したが、深い媒体収納庫26bの場合も同様である。
【0082】
この深い媒体収納庫26bの場合は、舌片38aの先端部が底板31e上を摺動することはないが、規格内の払込書Sおよび規格外の払込書Sgを順次に底板31e上に集積していき、その最上位の払込書Sの上面がフル検出レバー43の検出部43aに接近したときに、舌片38aの先端部が最上位の払込書S上を摺動し、規格外の払込書Sgが媒体搬入口33から放出されたとしても、上記したように、本実施例の正面ガイド板31aと背面ガイド板31bとの間の距離L2は、想定される最も長い規格外の払込書Sgの長さに所定の余裕代を加えた距離で形成されているので、最上位の払込書S上に落下した規格外の払込書Sgの中央部が天板31d側に凸の湾曲をすることはなく、湾曲した払込書Sgの頂部がフル検出レバー43の検出部43aを押上げることによるフル状態の誤検出を防止することができる。
【0083】
上記のように、本実施例では、正面ガイド板31a側の、フィードローラ36と底板31eとの間に正面ガイド板31aとガード部41のガード面とによる規格外の払込書Sgの収納を可能にする凹部を形成したので、規格外の払込書Sgが搬入されたとしても、その払込書Sgを平坦な状態で底板31e上に直接収納することができ、フル状態の誤検出による現金自動預払機の停止を防止して、払込書Sによる払込取引を可能にした現金自動預払機の可動効率を向上させることができる。
【0084】
なお、規格外の払込書Sgの収納を可能とするために、背面ガイド板31bを後退させて収納空間34を拡げることも考えられるが、このようにすると、収納空間34内に放出された規格内の払込書Sの前端が背面ガイド板31bに衝突したときに、その後端部を舌片38aの先端部で叩くことができなくなる場合があるので、好ましくない。
【0085】
以上説明したように、本実施例では、正面ガイド板と、背面ガイド板と、一対の側板と、天板と、底板とで収納空間を形成した筐体と、正面ガイド板に設けられた媒体搬入口に配置されたフィードローラと、フィードローラの天板側に対向配置されたプレッシャローラと、払込書の搬入方向の直交方向である軸方向に配置されたフィードローラの回転軸に固定され、複数の舌片が埴設された舌片ローラとを有する集積機構とを備え、底板上に払込書を厚さ方向に直接積み重ねて収納する媒体収納構造において、フィードローラの背面ガイド板側の外周面を、正面ガイド板から収納空間内に突出させ、収納空間内に突出させた突出部のフィードローラの軸方向の両側に、突出部の外周面より収納空間側に配置されたガード面を有するガード部を設けたので、フィードローラと底板との間に、正面ガイド板とガード部のガード面とによって規格公差の上限を超える規格外の払込書Sgの収納を可能にする凹部を形成することができ、規格外の払込書Sgが搬入されたとしても、その払込書Sgを平坦な状態で底板上に直接収納することが可能になり、フル状態の誤検出による現金自動預払機の停止を防止して、払込書Sによる払込取引を可能にした現金自動預払機の可動効率を向上させることができる。
【0086】
また、本実施例の媒体収納構造を有する媒体収納庫を備えた媒体処理ユニットは、特別な昇降装置を用いなくとも、その媒体収納庫に規格外の払込書Sgを含む払込書Sを平坦な状態で収納することができ、媒体処理ユニットの小型化を図ることができる。
【符号の説明】
【0087】
1 現金自動預払機
2 操作表示部
3 カードユニット
4 通帳ユニット
4a 通帳吸排口
5 紙幣ユニット
6 硬貨ユニット
7 媒体処理ユニット
7a 媒体挿入口
10 シャッタ
11 幅寄せ部
12 読取書込部
13、22、27 搬送ローラ
14 通帳搬送路
15 ページめくり部
16 ページマーク読取部
18 印字ユニット
19 印字搬送路
20 印字ヘッド
21 プラテン
23 通帳回収部
25 スキャナ部
26a、26b 媒体収納庫
28 媒体搬送路
29a〜29d 切替ブレード
31 筐体
31a 正面ガイド板
31b 背面ガイド板
31c 側板
31d 天板
31e 底板
32 搬送ガイド
32a 下ガイド板
32b 上ガイド板
33 媒体搬入口
34 収納空間
35 集積機構
36 フィードローラ
36a、37a 回転軸
37 プレッシャローラ
38 舌片ローラ
38a 舌片
41 ガード部
41a 対向面
43 フル検出レバー
43a 検出部
43b 検出板
44 回転支点
44a 支持部材
45 窓部
45a 支持部
46 フル検出センサ
50 逆流防止レバー
50a 係止部
50b 受部
51 ストッパ
52 切欠部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正面ガイド板と、前記正面ガイド板に対向する背面ガイド板と、前記正面ガイド板と前記背面ガイド板の側方に設けられた一対の側板と、天板と、底板とで収納空間を形成した筐体と、
前記正面ガイド板に設けられた媒体搬入口に配置されたフィードローラと、前記フィードローラの前記天板側に対向配置されたプレッシャローラと、媒体の搬入方向の直交方向である軸方向に配置された前記フィードローラの回転軸に固定され、複数の舌片が埴設された舌片ローラとを有する集積機構とを備え、前記底板上に媒体を厚さ方向に直接積み重ねて収納する媒体収納構造であって、
前記フィードローラの前記背面ガイド板側の外周面を、前記正面ガイド板から収納空間内に突出させ、前記収納空間内に突出させた突出部の、前記軸方向の両側に、前記突出部の外周面より収納空間側に配置されたガード面を有するガード部を設けたことを特徴とする媒体収納構造。
【請求項2】
請求項1において、
前記ガード部の前記背面ガイド板側の対向面と、前記背面ガイド板との間の距離が、収納する媒体の規格公差の上限に所定の余裕代を加えた距離であることを特徴とする媒体収納構造。
【請求項3】
請求項2において、
前記舌片の先端部が、前記ガード部の対向面から突出しながら回転することを特徴とする媒体収納構造。
【請求項4】
請求項3において、
前記舌片の先端部が、前記底板上を摺動することを特徴とする媒体収納構造。
【請求項5】
請求項1において、
前記フィードローラの回転軸と平行に配置された前記プレッシャローラの回転軸に回動可能に支持され、前記天板の前記収納空間上に設けられたストッパに自重により当接する係止部と、前記フィードローラとプレッシャローラの挟持部の搬入方向の下流側に配置された受部とを有する逆流防止レバーを設けたことを特徴とする媒体収納構造。
【請求項6】
請求項1において、
前記天板に回動可能に支持され、前記底板上に収納された最上位の媒体に自重により当接する検出部を有するフル検出レバーを設けたことを特徴とする媒体収納構造。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の媒体収納構造を有する媒体収納庫と、
複数の正逆回転可能に構成された搬送ローラによって、媒体を搬送する媒体搬送路とを備え、
前記媒体搬送路の搬送ローラと前記フィードローラとを、共通の駆動源で回転駆動することを特徴とする媒体処理ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−136780(P2011−136780A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−296741(P2009−296741)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】