説明

子宮腫瘍の治療用医薬の調製のための7−t−ブトキシイミノメチルカンプトテシンの使用

子宮腫瘍、特に、子宮内膜癌および子宮頸癌の治療に有用な医薬の調製における7-t-ブトキシイミノメチルカンプトテシンの使用が記載される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に子宮腫瘍に対する抗癌活性を有する医薬の調製のための7-terブトキシ-イミノメチルカンプトテシンの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
化学療法用抗癌薬は、治療濃度域が非常に制限された薬剤である。実際、それらの細胞毒性活性は非選択的であるため、それらはそれらが接触した体の細胞のすべてに無差別に損傷を与え得る。
【0003】
過去20年の間に、子宮頸癌と子宮内膜癌との両方を含む用語である子宮癌は女性におけるもっとも頻度の高い骨盤癌となった。手術がほとんどの患者に選択される治療法である。化学療法の使用は転移性または進行した疾患の治療に一般に限られている。子宮癌の治療用に一般に規定されている化学療法薬は、典型的には20%〜35%という非常に低い陽性応答レベルを特徴とする。それゆえ陽性応答率がより高く、同時に副作用が少ないか、少なくともより耐えうる副作用しか示さない、抗癌薬の同定がいまだに必要とされている。7-terブトキシイミノメチルカンプトテシン (CPT184またはST 1481またはギマテカン(gimatecan))は経口的に活性の カンプトテシン誘導体であり、欧州特許 EP 1 044 977において記載されているように、その活性は非小細胞肺癌細胞株に対するものと特定されており、子宮癌については言及されていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発明の概要
このたび、ギマテカンが、子宮腫瘍、特に子宮内膜および子宮頸部の腫瘍にも活性であることが見いだされた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
それゆえ、本発明の一つの対象は、以下ギマテカンとも称する、7-t-ブトキシイミノメチルカンプトテシンの、子宮癌、特に子宮内膜癌および子宮頸癌の治療用医薬の調製のための使用である。
【0006】
本発明のもう一つの目的は、子宮腫瘍を患う患者の治療方法であり、該方法は、該患者に有効量の7-t-ブトキシイミノメチルカンプトテシンを投与することを含む。
【0007】
本発明の対象である医薬は例えば、上記欧州特許に記載のような医薬組成物の形態をとるであろう。好ましくは、医薬形態は経口投与に好適なものであろう。好ましい形態において、活性成分は、例えば、国際特許出願 PCT/IT00/00137に記載のようなリポソーム製剤に組み込まれるか、あるいは、非経口経路を介するその投与を可能とする別の形態をとるであろう。
【0008】
以下の実施例により本発明をさらに説明する。
【実施例】
【0009】
実施例1
ギマテカンは、インビボでの前臨床試験において高い治療係数を示した新規抗癌化合物である。さらに、ギマテカンは、間欠的および持続的の両方の様々な投与計画にて維持される抗癌活性を特徴とする。
【0010】
この前臨床証拠に鑑み、欧州第1相試験が行われ、そこで、ギマテカンは単一治療薬として様々な投与計画にて投与された。被験患者は、治癒的または標準的治療法がもはや指示されない進行した癌を患っていた。この試験の目的はギマテカンによる治療の耐用性を評価することであったが、この臨床試験の過程において、ギマテカンは多数の持続性の客観的な臨床応答をもたらした。特に言及に値するのは、子宮頸癌および子宮内膜癌の両方の多数の子宮癌患者による応答であり、かかる癌には、以前にかなりの治療を受けた形態および転移性疾患を示す形態も含まれていた。かかる臨床応答は部分的応答であると定義された。即ち、CT検査などの診断イメージング技術により評価した場合、1または複数の腫瘍病巣の30%を超える低下が示された。
【0011】
これらの応答は臨床試験に参加していない専門家による2つの独立の評価に供されたところ、かかる観察が確認された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
子宮腫瘍の治療用医薬の調製のための7-t-ブトキシイミノメチルカンプトテシンの使用。
【請求項2】
該腫瘍が子宮内膜癌である請求項 1の使用。
【請求項3】
該腫瘍が子宮頸癌である請求項 1の使用。
【請求項4】
該医薬が経口投与に好適なものである請求項1-3いずれかの使用。
【請求項5】
該医薬がリポソーム製剤である請求項1-4いずれかの使用。
【請求項6】
該医薬が非経口投与に好適なものである請求項1-5いずれかの使用。
【請求項7】
子宮腫瘍患者に有効量の7-t-ブトキシイミノメチルカンプトテシンを投与することを含む、子宮腫瘍を患う患者の治療方法。
【請求項8】
該腫瘍が子宮内膜癌である請求項 7の方法。
【請求項9】
該腫瘍が子宮頸癌である請求項 7の方法。
【請求項10】
該医薬が経口投与に好適なものである請求項 7の方法。
【請求項11】
該医薬がリポソーム製剤である請求項 7の方法。
【請求項12】
該医薬が非経口投与に好適なものである請求項 7の方法。

【公表番号】特表2008−501785(P2008−501785A)
【公表日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−526712(P2007−526712)
【出願日】平成17年6月8日(2005.6.8)
【国際出願番号】PCT/IT2005/000320
【国際公開番号】WO2005/120643
【国際公開日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(591043248)シグマ−タウ・インドゥストリエ・ファルマチェウチケ・リウニテ・ソシエタ・ペル・アチオニ (92)
【氏名又は名称原語表記】SIGMA−TAU INDUSTRIE FARMACEUTICHE RIUNITE SOCIETA PER AZIONI
【Fターム(参考)】