孔開け装置
【課題】樹脂シートに孔(貫通孔)を形成する孔開け装置にあっては、孔の形成精度の安定確保を実現できる技術の開発が求められていた。
【解決手段】樹脂シート91が載置される受け台2上にて昇降される孔開けユニット32に、樹脂シート91に突き刺す針31と、この針31を囲繞するように配置して針31に対して上下動可能に設けられた枠体36と、枠体36の下方への弾性付勢用のスプリング37とを設け、針31を突き刺したときに、枠体36が樹脂シート91を受け台2に押し付け、樹脂シート91からの針31の引き抜きを、枠体36が樹脂シート91の持ち上がりを押さえるため、円滑に行える孔開け装置を提供する。
する
【解決手段】樹脂シート91が載置される受け台2上にて昇降される孔開けユニット32に、樹脂シート91に突き刺す針31と、この針31を囲繞するように配置して針31に対して上下動可能に設けられた枠体36と、枠体36の下方への弾性付勢用のスプリング37とを設け、針31を突き刺したときに、枠体36が樹脂シート91を受け台2に押し付け、樹脂シート91からの針31の引き抜きを、枠体36が樹脂シート91の持ち上がりを押さえるため、円滑に行える孔開け装置を提供する。
する
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂シートに孔を形成する孔開け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
納豆容器などの食品容器等として、発泡スチレン系樹脂シート等の樹脂シートの成形、切断によって製造される樹脂製容器が広く用いられている。また、この樹脂製容器として、容器内部の通気性確保等を目的として、孔(小孔)が複数形成されたものがある。
樹脂製容器の孔の形成は、容器を形成する樹脂シートへの針の突き刺しによって形成する手法が広く採用されている(例えば、特許文献1)。
特許文献1では、熱溶融性のシート材(樹脂シート)に、平面方形のフランジを有する容器本体を構成する凹部及び容器の蓋体を縦横に多数整列させた成形シートを製造する成形工程と、前記成形シートにおける、前記フランジの四隅部に対応する部分に、加熱溶融によって容器本体のフランジの四隅部及び蓋体の四隅部に透孔を形成する隅切り工程と、前記成形シートを縦横に熱切断して、前記凹部を個別に分離する分離工程とを備え、前記隅切り工程において、隅切具と小孔形成具とをベースに取り付けたユニットを用いて、透孔の形成と同時に蓋体への小孔の形成も行う容器の製造方法が開示されている。隅切具及び小孔形成具は、針状であり、例えば、受け台上に載せた成形シートに上から突き刺して、隅切りの透孔、蓋体の小孔を形成する。
【特許文献1】特開平9−240710号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、受け台上に載せた樹脂シートに上から針を突き刺して孔を形成する場合、以下のような問題があった。
(a)受け台上に載せた樹脂シートに、部分的に、受け台上面からの浮き上がりが存在することがある。樹脂シートの内、針を突き刺した部位は、針によって受け台に押し付けられるものの、当該部位の周囲に浮き上がり部分が存在すると、樹脂シートが針に対して傾動するなど、針に対する樹脂シートの姿勢が安定せず、これが孔の形成精度に影響を与える。
(b)樹脂シートに突き刺した針の引き抜き時に、樹脂シートが針とともに持ち上がることがある。
(c)上記(a)、(b)のいずれも、針の突き刺しによる孔の形成に伴い樹脂シートから発生する、細粒状あるいは粉状のスクラップの発生増を招く。
【0004】
上記問題の対策として、樹脂シートを載せる受け台に、クリップ等のシート押さえ具を設け、このシート押さえ具によって樹脂シートの外周部を受け台に固定することも検討されるが、例えば、上述の特許文献1に開示の、容器本体を構成する凹部及び容器の蓋体を縦横に多数整列させた成形シート、等は、シートのサイズが小さくないため、クリップ等のシート押さえ具によって樹脂シートの外周部を固定しても、外周部よりも内側では、樹脂シートの浮き上がり、針の引き抜き時の持ち上がり、の防止に有効に機能しない。
また、長尺の押さえバーを複数本用いて、樹脂シートを受け台上に押さえ込み、浮き上がり等を防止する案もあるが、樹脂シートの搬入、搬出の度に、押さえバーによる樹脂シートの受け台上への押さえ込み、孔開けの完了後、押さえバーの上昇による樹脂シートの押さえ込み解除、を行う必要があり、孔開けの作業時間の短縮が難しい。各押さえバーを昇降させる機構が必要になるなど、設備としても大掛かりなものになってしまう。
なお、納豆容器等の食品容器用の材料として多用されている発泡スチレン系樹脂シート等の発泡樹脂シートは、非発泡樹脂シートに比べて軽量であるため、受け台上に載せたときの部分的な浮き上がりが生じやすく、上述の(a)の問題が生じやすい。また、突き刺した針の引き抜き抵抗が比較的大きく、上述の(b)の問題が生じやすい。また、上述の(c)の問題も非発泡樹脂シートに比べて生じやすい。
【0005】
本発明は、前記課題に鑑みて、針の突き刺しによって樹脂シートに形成する孔の形成精度の安定確保、樹脂シートに突き刺した針の引き抜き時の樹脂シートの持ち上がり防止、スクラップの発生減少、を簡単な構成により実現できる孔開け装置の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明では以下の構成を提供する。
第1の発明は、樹脂シートに孔を形成する孔開け装置であって、前記樹脂シートが載置される受け台と、前記樹脂シートに突き刺して孔を形成する針が設けられた孔開けユニットを前記受け台上にて昇降させる針昇降機構とを具備し、前記孔開けユニットは、前記針昇降機構によって昇降されるベース部材と、このベース部材に下向きに突設された前記針と、ベース部材に昇降可能に取り付けて前記ベース部材の下側に前記針を囲繞するように配置された枠体と、前記枠体を下方に付勢するためのスプリングとを具備し、前記受け台上の樹脂シートに前記針を突き刺したときに、前記枠体が前記スプリングによって前記樹脂シートに弾性付勢されるように構成されていることを特徴とする孔開け装置を提供する。
第2の発明は、前記孔開けユニットの前記枠体の上端に、前記針が通される針孔が開口された孔開きプレートが設けられていることを特徴とする第1の発明の孔開け装置を提供する。
第3の発明は、前記孔開けユニットの前記枠体は、該枠体に設けられた当接部が、前記孔開けユニットに設けられたストッパ部に上から当接される下降限界位置から上方にて、前記ベース部材に対して昇降可能であり、前記下降限界位置は、前記枠体の下端が、前記針の下端に形成されたテーパ状の先細り部の上端よりも下、となるように設定されていることを特徴とする第1又は第2の発明の孔開け装置を提供する。
第4の発明は、前記受け台は、前記樹脂シートが載置されるシート載置面を形成し前記針が挿入可能な逃げ孔が貫通された針受け板を上部に具備し、前記針受け板上に載置された樹脂シートに上から突き刺して前記樹脂シートの下側に突出した針が、前記針受け板の前記逃げ孔に挿入されることを特徴とする第1〜第3のいずれかの発明の孔開け装置を提供する。
第5の発明は、前記針受け板の前記逃げ孔が、前記針受け板の下側に設けられた吸引通路を介して、集塵用のバキューム装置と接続されていることを特徴とする第5の発明の孔開け装置を提供する。
第6の発明は、前記受け台が、前記吸引通路として機能する内部空間を有する中空体であり、前記内部空間と前記針受け板の前記逃げ孔とが連通されていることを特徴とする第5の発明の孔開け装置を提供する。
第7の発明は、前記受け台の上部には、前記シート載置面を形成する孔開き受け板が、上下位置が互いに異なる複数箇所に設けられ、前記孔開き受け板の内のいずれか1以上が前記針受け板であり、最上段の孔開き受け板上に載せた前記樹脂シートに形成されている凹形部が、最上段の孔開き受け板よりも下側に位置する孔開き受け板上に載置されるようになっていることを特徴とする第4〜第6のいずれかの発明の孔開け装置を提供する。
第8の発明は、前記針昇降機構は、前記孔開けユニットが複数配列設置された昇降台を具備し、前記受け台上での前記昇降台の昇降によって、前記昇降台に設置されている各孔開けユニットの針による前記受け台上の樹脂シートの孔開けを一括して行えることを特徴とする第1〜第7のいずれかの発明の孔開け装置を提供する。
第9の発明は、樹脂シートが、発泡スチレン系樹脂シートであることを特徴とする第1〜第8のいずれかの発明の孔開け装置を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る孔開け装置によれば、受け台上に載置された樹脂シートに上から孔開けユニットの針を突き刺す際に、枠体によって、樹脂シートを上から受け台上に押し付けることができる。このため、樹脂シートの部分的な浮き上がりに起因する孔の形成精度の低下を防止、形成精度の安定維持を実現できる。
また、樹脂シートに突き刺した針を引き抜く際に、枠体が、スプリングの弾性によって、樹脂シートを針から下方へ移動させる機能を果たす。これにより、樹脂シートから上方へ針を引き抜く際に、樹脂シートが針に追従して持ち上がってしまう、といった不都合の発生を抑えることができる。
また、これらの結果、樹脂シートからのスクラップの発生を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を実施した孔開け装置について、図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る孔開け装置1の構造を示す正断面図、図2は前記孔開け装置1の側面図、図3は前記孔開け装置1の昇降台33を下側から見た下面図、図4〜図6は前記孔開け装置1の孔開けユニット32と受け台2との関係を示す図、図7は前記孔開けユニット32の枠体36の構造を示す斜視図、図8は孔開けユニット32に設けられる切り込みブレード39aの構造を示す斜視図、図9は受け台2の構造を示す平面図、図10は孔開けユニット32の別態様を示す正断面図である。
また、図11は、前記孔開け装置1によって孔を形成する樹脂シート91の一例を示す斜視図、図12は前記樹脂シート91を切断して得られる製品(樹脂製容器92)を示す斜視図である。
なお、図1,図2〜図8、図10〜図12においては、上側を「上」、下側を「下」として説明する。
【0009】
ここで説明する孔開け装置1は、図11に示す樹脂シート91に、針の突き刺しによって孔93を形成するものである。
樹脂シート91は、図12に示すような、一枚の樹脂シートで形成された二つ折り構造の樹脂製容器92となる部分が、縦横に多数整列されたものである。
前記樹脂製容器92は、平面視矩形のフランジ部941を有する容器本体94と、この容器本体94から連続する板状に形成された蓋体95とを具備する。蓋体95は、容器本体94のフランジ部941の四辺の内の一辺から延出されていて、該蓋体95と容器本体94との境界位置を折り線96とする折り曲げによって、容器本体94上を覆うようにして、容器本体94に閉じ合わせることができる。
容器本体94は、矩形板状の底板部942の外周に側壁部943が立設された凹形部944と、この凹形部944の前記側壁部943の上部開口端の外周に周設された前記フランジ部941とで構成されている。
前記樹脂シート91は、樹脂製容器92の容器本体94と蓋体95とを、縦横に多数整列させたものであり、縦横に切断することで、樹脂製容器92を切り出すことができる。図11に示す仮想線97a、97bは、樹脂シート91から樹脂製容器92を切り出すための、縦横の切断線を示す。
【0010】
樹脂シート91としては、ここでは、発泡スチレン系樹脂シート等の、熱可塑性樹脂発泡シートであるが、非発泡の熱可塑性樹脂シートを用いることも可能である。また、本発明に係る樹脂シートとしては、熱可塑性樹脂シート以外の、各種樹脂シートの採用も可能である。
熱可塑性樹脂シートの場合は、例えば、成形型を使用した加熱成形によって、樹脂製容器92の容器本体94と蓋体95とを縦横に整列形成したもの(成形シート)等を用いることができる。
【0011】
図12に示すように、樹脂製容器92の蓋体95には、孔93(小孔)が複数形成されている。
ここで例示する孔開け装置1は、樹脂シート91の蓋体95部分に、針の突き刺しによって前記孔93を形成するものである。
【0012】
図1〜図3に示すように、前記孔開け装置1は、前記樹脂シート91が載置される受け台2と、受け台2上に載置された前記樹脂シート91に突き刺して孔93を形成するための針31を前記受け台2上にて昇降させる針昇降機構3とを具備して構成されている。
【0013】
まず、針昇降機構3について説明する。
針昇降機構3は、前記針31が設けられた孔開けユニット32が縦横に多数配列設置された昇降台33と、この昇降台33を昇降させる昇降機34とを具備して構成されている。
昇降台33は、盤状の昇降台本体331の下面側に、前記孔開けユニット32を縦横に多数配列設置した構造になっている。
【0014】
樹脂シート91におけるひとつの樹脂製容器92の蓋体95の複数の孔93は、針昇降機構3のひとつの孔開けユニット32によって形成される。
昇降台33における複数の孔開けユニット32の設置位置は、受け台2上に載置される樹脂シート91における樹脂製容器92の蓋体95の位置に対応している。
図11に示すように、樹脂シート91は、複数の容器本体94が一列に並べた容器本体列94Aと、複数の蓋体95が一列に並べた蓋体列95Aとを、交互になるようにして、それぞれ複数、並列に配列した構成になっている。
図3等に示すように、針昇降機構3の昇降台33の下側においては、孔開けユニット32が複数横並びに配列(図3の左右方向に配列。以下、図3の左右方向を、この孔開け装置1の「横方向」として説明する)されたユニット列32Aが、互いの間隔を開けて、複数並列に配列されている。ユニット列32Aの配列ピッチは、樹脂シート91の蓋体列95Aの配列ピッチに揃えてある。ひとつのユニット列32Aの複数の孔開けユニット32の位置は、樹脂シート91の蓋体列95Aの複数の蓋体95に対応する。
【0015】
なお、受け台2は、樹脂シート91の蓋体列95Aの複数の蓋体95を一括して載置できる細長のシート載置面(第1シート載置面21)を具備し、このシート載置面(第1シート載置面21)に沿って延在する細長形状に形成されている。孔開け装置1においては、孔開け装置1の横方向に延在設置された受け台2が、互いの間隔を開けて、孔開け装置1の縦方向に複数並列に設けられている。
針昇降機構3の複数のユニット列32Aは、それぞれ孔開け装置1における横方向に延在しており、複数の受け台2の位置に対応するように、孔開け装置1の縦方向に並列に設けられている。したがって、この孔開け装置1は、受け台2と該受け台2上にて昇降されるユニット列32Aとの組を、複数具備する。
【0016】
前記孔開けユニット32は、昇降台本体331に固定されたベース部材35と、このベース部材35に下向きに突設されて前記枠体36の内側に配置された複数本の前記針31と、前記ベース部材35に昇降可能に取り付けて前記ベース部材35の下側に前記針31を囲繞するように配置された枠体36と、前記枠体36を下方に付勢するためのスプリング37と、前記ベース部材35から下方に突設されて前記枠体36の昇降を案内する案内バー38と、樹脂シート91における前記樹脂製容器92の折り線96の位置に切り込ませる切り込みブレード39aを固定したブレード固定台39とを具備して構成されている。
【0017】
前記針31は、縦横に整列させて、孔開けユニット32に複数本設けられている。
各針31は、上端をベース部材35に固定して、ベース部材35の下側にて上下方向に延在するように設置されている。
また、各針31は、上端をベース部材35に固定した外観ロッド状の軸部31aの下端に、テーパ状の先細り部31bを具備している。
ベース部材35の下側に突設されている複数本の針31は、下端(換言すれば先細り部31bの下端頂部)の上下方向の位置が揃えられている。
【0018】
図7に示すように、前記枠体36は、四角枠状、より具体的には角筒状に形成されている。
この枠体36は、ベース部材35の下側にて上下方向に延在する案内バー38に案内されることで、内側空間361の中心軸線が上下方向となる向きを保ったまま、前記ベース部材35に対して昇降する。枠体36の前記ベース部材35に対する昇降は、ベース部材35に突設されている針31に対する昇降、とも言うことができる。
【0019】
前記枠体36は、前記案内バー38を通すための案内バー挿通孔362が開口された突壁363を有する。図示例の枠体36において、前記突壁363は、具体的には、枠体36の上端開口部を覆うように設けられた天板364(針孔365が開口されている孔開きプレート)を、前記枠体36の側面(外周面)から枠体36の両側に張り出すように突出させた部分である。また、案内バー挿通孔362は、枠体36の複数箇所(図示例では、両側の突壁363に2カ所ずつ、計4カ所)に設けられている。
【0020】
また、枠体36は、天板364に複数開口されている針孔365に、ベース部材35に突設されている複数本の針31をそれぞれ通して、各針31の長手方向に沿って移動可能、すなわち、各針31に対して上下方向に移動可能に設けてある。天板364の針孔365は、針31に対する枠体36の上下動(昇降)を妨げないように、針31の断面形状に応じて、形状、寸法を調整することは言うまでも無い。
前記枠体36は、各案内バー挿通孔362に挿通された案内バー38に案内されながら、ベース部材35及び針31に対して上下動(昇降)する。
なお、孔開きプレートは、枠体36の上端開口部のみに設けられており、枠体36の下端開口部には設けられていない。枠体36の下端開口部は、開放されたままの状態になっている。
【0021】
前記枠体36は、前記突壁363が、案内バー38の下端の外周に突設された突起であるストッパ部38aに上から当接することで、ベース部材35及び針31に対するそれ以上の下降が規制される。突壁363がストッパ部38aに当接する位置が、ベース部材35及び針31に対する枠体36の下降限界位置である。
枠体36の突壁363は、ストッパ部に上から当接される当接部として機能する。
【0022】
また、図4等に示すように、枠体36は、突壁363とベース部材35との間に設けられたスプリング37によって、ベース部材35に対して下方へ弾性付勢されている。図4、図6に示すように、孔開けユニット32が、受け台2上の樹脂シート91から上方に離隔した位置にあるときには、スプリング37の弾性によって、枠体36の突壁363がストッパ部38aに押し付けられる。
前記スプリング37は、具体的にはコイルスプリングであり、案内バー38に外挿して、突壁363とベース部材35との間に設けられている。
【0023】
なお、ベース部材35及び針31に対する枠体36の下降限界位置を設定するためのストッパ部38a、当接部(例えば、上述の突壁363)としては、上述の構成に限定されない。例えば、天板364における枠体36内側に位置する部分に案内バー挿通孔362を形成し、天板364自体を、案内バー挿通孔362に通された案内バー38下端のストッパ部38aに上から当接される当接部として機能させることも可能である。
また、例として、以下のような構成も採用可能である。
(a)枠体36自体に上下に延在する長孔を形成し、この長孔に、ベース部材35に突設したストッパピン(ストッパ部)を挿入して、長孔の上下方向寸法の範囲で、ベース部材35に対する枠体36の上下動を可能とした構成。この場合は、枠体36自体がストッパピン(ストッパ部)に上から当接される当接部として機能する。
(b)ベース部材35に上下方向に延在形成した案内溝に、枠体36に突設した突片を上下動可能に挿入し、枠体36の突片が、案内溝の下端に設けられた突壁に上から当接する位置を、枠体の下降限界位置とした構成。この場合は、案内溝の下端に設けられた突壁がストッパ部、枠体36に突設した突片が、ストッパ部に上から当接される当接部、として機能する。
【0024】
図4等に示すように、前記枠体36の下降限界位置は、前記枠体36の下端366(下側の開口端部)が、前記針31の下端の先細り部31bの上端31cよりも下、となるように設定されている。この構成は、図5に示すように、受け台2上の樹脂シート91に突き刺した針31を、孔開けユニット32の上昇によって樹脂シート91から引き抜く(図6参照)際に、樹脂シート91が針31に追従して持ち上がってしまう、といった不都合の防止に有効に寄与する。
枠体36の下降限界位置は、枠体36の下端366が先細り部31bの下端頂部よりも下側となる位置、あるいは、先細り部31bの下端頂部付近が枠体36の下端366から下に僅かに突出するように設定される。下降限界位置にある枠体36の下端366からの針31下端部の突出寸法は、針31を突き刺して孔93を形成する樹脂シート31の厚み等に応じて適宜設定し得るが、樹脂シート91の厚さ寸法を超えない範囲で出来るだけ小さく設定することが好ましい。
【0025】
図8は、ブレード固定台39に固定される切り込みブレード39aを示す斜視図である。
図8に示すように、切り込みブレード39aは細長板状であり、長手方向の複数箇所に、樹脂シート91に切り込ませる刃部39bが突設されている。
この切り込みブレード39aは、樹脂シート91の折り線96(図11参照)の位置に刃部39bを切り込ませることで、折り線96部分にミシン目98(図12参照)を形成するものである。ミシン目98は、樹脂製容器92において、折り線96から両側の部分(容器本体94と蓋体95)を重ね合わせるように、折り線96を中心として二つ折りに曲げる際に、曲げやすくするためのものである。
【0026】
ブレード固定台39は、孔開けユニット32のベース部材35の下側に突設されている。但し、ベース部材35におけるブレード固定台39の突設位置は、枠体36と接触しないように、枠体36から離隔させてある。
このブレード固定台39は、下端に、ブレード把持片39cを把持するための一対のブレード把持片39cを具備しており、一対のブレード把持片39cの間に切り込みブレード39aを差し込み、締め付けねじ39dの締め付けによって、一対のブレード把持片39cを互いに接近するように若干弾性変形させることで、切り込みブレード39aを一対のブレード把持片39cの間に挟み込むようにして固定できる。切り込みブレード39aは、刃部39bが、ブレード固定台39から下方に突出する向きで固定される。
【0027】
ブレード固定台39は、細長板状の切り込みブレード39aの全長を収納できるように、細長に形成されており、ベース部材35の下面に沿って延在する突条状になっている。
ブレード固定台39及び切り込みブレード39aは、ユニット列32Aの長手方向(図3左右方向。横方向)に沿って延在するように設けられている。また、各ユニット列32Aにおいては、各孔開けユニット32のブレード固定台39が、ユニット列32Aの延在方向(長手方向)に沿って直列に配列されるようにして、位置を揃えて設けられており、ユニット列32Aの長手方向全長にわたって設けられた一枚の切り込みブレード39aを、ユニット列32Aの各孔開けユニット32のブレード固定台39によって固定している。
但し、切り込みブレード39aを、孔開けユニット32毎に一枚ずつ設置する構成も採用可能であることは言うまでも無い。
【0028】
なお、針31は、例えば、外観ロッド状の軸部31aの下端部の、樹脂シート91に突き刺される部分(軸部31aの内、先細り部31bの上端31c付近に位置する部分)が、径数mm(例えば、2〜4mm)程度の断面円形に形成されているもの、等が採用されるが、これに対して、切り込みブレード39aの、樹脂シート91に切り込ませる刃部39bは、厚さ1mm程度、あるいは、それよりも薄い、極薄の板状になっている。しかも、刃部39bは、両面を滑らかに形成して、樹脂シート91に対する切り込み(突き刺し)、引き抜きによる、樹脂シート91からのスクラップの発生を防止できるようにしてある。
【0029】
針31の、外観ロッド状の軸部31aの断面形状は、円形の他、例えば、矩形、三角形、半円形等、様々な形状を採用できる。
【0030】
次に、受け台2について説明する。
図1、図2に示すように、既述の通り、受け台2は、樹脂シート91の蓋体列95Aの複数の蓋体95を一括して載置できるように、孔開け装置1の横方向に延在する細長形状に形成されており、互いの間隔を開けて、孔開け装置1の縦方向に複数並列に設けられている。
【0031】
図4等に示すように、前記受け台2は、具体的には、長尺の受け台本体21と、この受け台本体21上の天板部21a上に取り付けられた針受け板22(孔開き受け板)とを具備して構成されている。
受け台本体21は、前記天板部21aと、両側の側壁部21bとを具備し、断面形状が概略コ字形になっている長尺の部材である。この受け台本体21は、天板部21aと両側の側壁部21bとによって囲まれる内側の内部空間21cを介して、前記天板部21aとは反対の側に位置する開口部が下側、前記天板部21aとなる向きで、底盤20上に設けられた取り付けプレート20a上に固定して設置している。取り付けプレート20aは、受け台本体21の下側の開口部を密閉する機能を果たす。なお、取り付けプレート20aは、図2に示すように、受け台本体21の長手方向両端の端面板21d、21eの下縁を含む、受け台本体21の下縁全体(すなわち、受け台本体21の下側の開口端部の全周)に当接されて、受け台本体21の下側の開口部を密閉する。
【0032】
受け台2上には、受け台本体21の天板部21a上の2カ所に取り付けた孔開き受け板22、23によって、樹脂シート91が載置される、水平あるいはほぼ水平のシート載置面24、25が形成されている。前記シート載置面24、25は、受け台本体21の天板部21a上の2カ所に取り付けた孔開き受け板22、23の上面である。
図4等に示すように、受け台本体21の天板部21aは、孔開き受け板22、23を取り付けるための水平あるいはほぼ水平の上面(取り付け面)を形成する2つの台板部(第1台板部21f、第2台板部21g)を具備する。2つの台板部21f、21gは、いずれも、受け台2の長手方向に延在形成されており、並列になっている。
また、2つの台板部21f、21gは、天板部21aに形成された段差部21hを介して、上下方向の位置がずらされており、各台板部21f、21gに取り付けられた孔開き受け板22、23上のシート載置面24、25も、上下方向の位置がずらされている。
2つの台板部21f、21gの位置は、水平方向にもずらされていることは言うまでも無い。2つの台板部21f、21gは、段差部21hを介して両側に位置する。
【0033】
互いの上下位置が異なる2つのシート載置面24、25の内の上側のシート載置面24(第1載置面)が、樹脂シート91の蓋体列95Aが配置されるシート載置面(第1載置面)である。受け台本体21の第1台板部21f上に取り付けた孔開き受け板である針受け板22の上面が、樹脂シート91の蓋体列95Aが配置される第1載置面24を形成する。
また、受け台本体21の第2台板部21g上に取り付けた孔開き受け板23の上面が形成するシート載置面(第2載置面25)には、樹脂シート91の容器本体94部分が載置される(容器本体列94Aが載置される)。
【0034】
図1等に示すように、樹脂シート91は、受け台2と受け台2から上方に離隔させた昇降台33との間に搬入して、複数の受け台2上の第1載置面24に蓋体95(蓋体列95A)を載置し、複数の受け台2の第1載置面24同士の間に確保された凹所26に収納した容器本体94(容器本体列94A)を第2載置面25に載置することで、位置決めされる。
なお、図1等では、隣り合う受け台2の間に、クリアランスが確保された構成を例示したが、例えば、上記クリアランスに、第2載置面25を延長するように、容器本体94を載置するための載置面を形成する支持部材を設置したり、受け台2のサイズを大型化して、クリアランスを解消するといったことも可能である。
また、複数の受け台2をひと纏めにした構成の受け台、すなわち、互いの上下方向の位置が異なる第1載置面24と第2載置面25とが複数箇所に形成された構造の受け台の採用も可能である。
【0035】
図4、図9等に示すように、針受け板22は、受け台本体21の第1台板部21fの長手方向に沿って一列に配列させて、複数、取り付けられている。各針受け板22の位置は、昇降台33のユニット列32Aの複数の孔開けユニット32に対応させてある。
針受け板22には、孔開けユニット32の針31が挿脱される複数の逃げ孔22aを上下に貫通させて形成してある。
また、各針受け板22は、受け台本体21の第1台板部21fの長手方向の複数箇所に形成された開口部21iを覆うようにして取り付けられ、各逃げ孔22aを、前記開口部21iを介して受け台本体21の内部空間21cと連通させてある。
1つの孔開けユニット32に1枚の針受け板22を設ける構成であれば、孔開けユニット32の針31と逃げ孔22aとの位置合わせを、針受け板22単位で行えるため、位置合わせが容易になる、といった利点がある。
【0036】
さらに、各針受け板22には、孔開けユニット32に取り付けられている切り込みブレード39aの刃部39bが挿脱される、ブレード逃げ溝22bも形成されている。
図示例の受け台2では、ブレード逃げ溝22bは、針受け板22を上下に貫通しているものの、受け台本体21の内部空間21cと連通されていない。しかし、ブレード逃げ溝22bも、受け台本体21の内部空間21cと連通させてあることがより好ましい。
【0037】
一方、受け台本体21の第2台板部21g上には、複数の孔開き受け板23が、やはり、昇降台33のユニット列32Aの複数の孔開けユニット32に対応させて、受け台本体21の長手方向に沿って一列に配列させて取り付けられている。
孔開き受け板23には、該孔開き受け板23を上下方向に貫通する複数の透孔23a(以下、吸引孔とも言う)が開口されている。
この孔開き受け板23は、受け台本体21の第2台板部21gの長手方向複数箇所に開口された開口部21jを覆うようにして取り付けられ、各吸引孔23aを、前記開口部21jを介して受け台本体21の内部空間21cと連通させてある。
なお、この孔開き受け板23は、必ずしも、ひとつの孔開けユニット32に1枚を対応させて設置する必要は無く、例えば、受け台本体21の第2台板部21gの長手方向全長にわたって延在する1枚の孔開き受け板を採用することも可能である。
【0038】
図2に示すように、受け台本体21の内部空間21cは、配管41を介して、集塵用のバキューム装置4と接続されている。配管41は、受け台本体21の長手方向片側の端面板21eに設けられた接続口21k(図1等参照)に接続されている。
この受け台2では、バキューム装置4の吸引力が、内部空間21cを介して、各孔開き受け板22,23の孔(逃げ孔22a、吸引孔23a)に作用する。したがって、受け台2に載置した樹脂シート91を、各孔開き受け板22,23の孔(逃げ孔22a、吸引孔23a)の吸引力によって吸引できるため、樹脂シート91の受け台2からの上方への浮き上がりの発生を抑えることができる。
受け台本体21の内部空間21cは、バキューム装置4の吸引力を各孔開き受け板22,23の孔(逃げ孔22a、吸引孔23a)に作用させるための吸引通路として機能する。受け台本体21は、孔開き受け板22,23の孔(逃げ孔22a、吸引孔23a)を、バキューム装置4と接続するための吸引通路として機能する内部空間21cを有する中空体である。
【0039】
前記孔開け装置1を使用して、樹脂シート91に孔93を形成するには、まず、図1に示すように、樹脂シート91(ここでは、容器本体94及び蓋体95を成形済みの成形シート)を、受け台2と受け台2から上方に離隔させた昇降台33との間に搬入して、受け台2上に載せる。
このとき、樹脂シート91は、複数の受け台2上の第1載置面24に蓋体95(蓋体列95A)を載置し、複数の受け台2の第1載置面24同士の間に確保された凹所26に収納した容器本体94(容器本体列94A)を第2載置面25に載置して、位置決めする。
【0040】
次に、図5に示すように、昇降台33を下降させ、昇降台33に取り付けられている孔開けユニット3の針31を、受け台2の樹脂シート91に突き刺す。
昇降台33の下降によって樹脂シート91に突き刺した針31下端の先細り部31bの上端31cが、受け台2上の樹脂シート91の蓋体95に到達するまでに、樹脂シート91の蓋体95部分が、孔開けユニット32の枠体36と受け台2の針受け板22との間に挟み込まれた状態が達成される。下降限界位置の枠体36の下端366が、先細り部31bの下端頂部よりも下方に位置する構成の場合は、針31が樹脂シート91に接触する前に、樹脂シート91の蓋体95部分が、孔開けユニット32の枠体36と受け台2の針受け板22との間に挟み込まれた状態が達成される。すなわち、樹脂シート91の蓋体95部分が、孔開けユニット32の枠体36によって、受け台2の針受け板22に確実に押さえ付けられた状態となる。
【0041】
このため、この孔開け装置1によれば、樹脂シート91において、枠体36によって受け台2上に押さえ付けられた部位の周囲に、受け台2から浮き上がった部分が存在していたとしても、樹脂シート91の枠体36の内側に位置する部分には、浮き上がり部分の影響が作用しない。したがって、樹脂シートの受け台上面からの浮き上がり部分に起因する、孔の形成精度の低下、といった不都合の発生を解消でき、孔の形成精度の安定確保を実現できる。
【0042】
また、この孔開け装置1では、バキューム装置4の吸引力を各孔開き受け板22,23の孔(逃げ孔22a、吸引孔23a)から樹脂シート91に作用させて、樹脂シート91の受け台2からの上方への浮き上がりの発生を抑えることも、受け台上面からの浮き上がりに起因する孔の形成精度の低下、といった不都合の防止、孔の形成精度の安定確保に有効に寄与するが、この吸引力によって解消できない浮き上がりが存在する場合であっても、上述のように、樹脂シート91の蓋体95部分を、枠体36によって受け台2の針受け板22に押さえ付ける構成により、樹脂シート91を受け台2に押さえ付けた枠体36の外側に存在する樹脂シート91の浮き上がり部分が、樹脂シート91の枠体36の内側での孔の形成精度に影響を与えるといった不都合を解消でき、孔の形成精度の安定確保を実現できる、といった利点がある。
【0043】
孔開けユニット32の枠体36が、樹脂シート91の蓋体95部分を、受け台2の針受け板22に押さえ付けた状態となると、枠体36は受け台2によって、それ以上の下降が規制されるが、昇降台33の下降が進行していくことで、孔開けユニット32(詳細には、案内バー38)のストッパ部38aが、枠体36の当接部(図示例では突壁363)に対して下方に離隔していく。これにより、スプリング37が押し縮められて、枠体36による樹脂シート91の押さえ付けが一層しっかりとなされる。
このため、樹脂シート91を受け台2に押さえ込んだ枠体36の外側の存在する樹脂シート91の浮き上がり部分からの影響のみならず、樹脂シート91に、水平方向の引っ張り力等の、位置ずれの原因となるような外力が作用したとしても、その影響が、枠体36の内側に位置する樹脂シート91に作用することが確実に防止され、孔の形成精度の安定確保に有効に寄与する。
【0044】
なお、この孔開け装置1では、前記孔開けユニット32が複数配列設置された昇降台33の、前記受け台2上方からの下降によって、前記昇降台33に設置されている各孔開けユニット32の針31を、樹脂シート91の複数の蓋体95に一括して突き刺すことができるので、樹脂シート91の多数箇所への孔開けを一括して行えることは言うまでも無い。
【0045】
図5に例示したように、受け台2上に載置された樹脂シート91に上から突き刺した針31が、樹脂シート91を貫通したとき、針31の樹脂シート91の下方に露出した部分、及び、針31によって形成された孔93に、針受け板22の逃げ孔22aから、バキューム装置4の吸引力が作用することとなる。これにより、針31の突き刺しにより樹脂シート91から発生した細粒状(あるいは粉状)のスクラップの飛散を防止できる。また、スクラップを、針受け板22の逃げ孔22aから吸引して回収することができる。
【0046】
針31が、樹脂シート91の下方に突出したとき、針31の樹脂シート91からの突出部分は、針受け板22の前記逃げ孔22aに挿入される。したがって、針31の尖端(下端。先細り部31bの下端頂部)を傷めてしまう、といった不都合を回避できる。
また、針受け板22は、プラスチック製のもの等を採用することが、針31を傷めにくくする点で好ましい。
【0047】
図5は、樹脂シート91に突き刺した孔開けユニット3の針31の軸部31aを、樹脂シート91に貫通(針31下端の先細り部31bの上端31cが、受け台2上の樹脂シート91の蓋体95の下面、あるいは、それよりも下方に到達した状態)させる構成の場合を例示している。
針受け板22の前記逃げ孔22aは、針31の軸部31aが挿入されても、該逃げ孔22aの内周面と前記軸部31aの外周面との間に、細粒状あるいは粉状のスクラップの吸引、回収(通過)が可能な程度のクリアランスを内部に確保できるように、断面の形状、寸法を調整してある。このため、逃げ孔22aに針31の軸部31aが挿入されても、針31によって形成された孔93からのスクラップの吸引、回収が可能であり、また、針31の樹脂シート91を貫通して突出した部分からスクラップを除去する機能も果たす。
【0048】
なお、本発明は、針31の軸部31aを樹脂シート91に貫通させる構成に限定されず、例えば、針31の、先細り部31bのみを樹脂シート91に貫通させて、樹脂シート91にテーパ孔状の孔を形成するようにした構成や、針31下端の先細り部31bの上端31cが樹脂シート91の厚みの途中となる位置を突き刺しの際の昇降台33の下降限界位置とした構成、等も含む。
これらの場合も、針受け板22の逃げ孔22aから、バキューム装置4の吸引力を作用させることで、針31によって形成された孔93や針31からのスクラップの吸引、回収が可能であることは言うまでも無い。
【0049】
昇降台33の受け台2に対する下降限界位置は、樹脂シート91に上から突き刺した針31を、樹脂シート91に貫通させることができる範囲で、樹脂シート91の厚み等に鑑みて適宜設定される。
また、図示例の孔開け装置1にあっては、樹脂シート91に対する切り込みブレード39aの切り込みによってミシン目98(図12)を形成することも考慮して、昇降台33の受け台2に対する下降限界位置を設定する。昇降台33の受け台2に対する下降限界位置は、ブレード固定台39が、樹脂シート91に接触しないように設定することが好ましい。
なお、孔開けユニット32の枠体36が、樹脂シート91の蓋体95部分を、受け台2の針受け板22に押さえ付けると、樹脂シート91に対する切り込みブレード39aの切り込みによるミシン目98の形成も、樹脂シート91の浮き上がりや、ずれの影響を受けにくくなるため、位置、形状の精度確保が容易になる。
【0050】
受け台2上に載置された樹脂シート91に上から突き刺した針31を、樹脂シート91に貫通させた後、昇降台33を上昇させることで、樹脂シート91から針31を引き抜くことができる。
このとき、針31は、昇降台33と一体的に上昇するため、昇降台33の上昇に伴って樹脂シート91から引き抜かれていくが、樹脂シート91を受け台2に押さえ付けた枠体36は、孔開けユニット32(詳細には、案内バー38)のストッパ部38aが、枠体36の当接部(図示例では突壁363)に対して下方から当接して、枠体36の押し上げを開始するまで、上昇しない。したがって、孔開けユニット32(詳細には、案内バー38)のストッパ部38aが、枠体36の当接部(図示例では突壁363)に対して下方から当接するまで、枠体36が、樹脂シート91における針31が突き刺された部位を覆った状態が維持される。
【0051】
これにより、樹脂シート91が、上昇する針31に追従して、上方へ持ち上がってしまう、といった不都合を防止できる。結果、樹脂シート91からの針31の引き抜きを円滑に行える。
従来構成の孔開け装置のように、樹脂シートが上昇する針に追従して、上方へ持ち上がってしまったときには、針によって樹脂シートに形成された孔の内面の一部に、針に対する圧接力が局所的に作用する、などいった応力集中が発生し、これにより、スクラップの発生量が増大する、といった問題があったが、本発明に係る孔開け装置によれば、針31の先細り部31bの上端31cが、樹脂シート91から上へ抜け出るまで、枠体36の上昇は開始されないため、上昇する針31に対する樹脂シート91の追従上昇を防ぐことができ、結果、樹脂シート91からの針31の引き抜きを非常に円滑に行える。
【0052】
また、この構成であれば、樹脂シート91からの針31の引き抜きに伴い、樹脂シート91から発生するスクラップの飛散を、枠体36によって防止できる、といった利点もある。
樹脂シート91から、針31の軸部31aが抜け出て、針31の先細り部31bの外周面と、針31によって樹脂シート91に形成された孔93の内周面との間に、スクラップの吸引、回収(通過)が可能な程度のクリアランスが発生すれば、枠体36内側のスクラップが、孔93から逃げ孔22aへ、吸引、回収されることとなる。
【0053】
昇降台33の上昇に伴い、孔開けユニット32(詳細には、案内バー38)のストッパ部38aが、枠体36の当接部(図示例では突壁363)に対して下方から当接し、枠体36の押し上げを開始すれば、枠体36が上昇を開始し、図6に示すように、孔開けユニット32全体が、受け台2から上方へ離隔した位置に移動される。
これにより、樹脂シート91への孔93の形成が完了する。
なお、樹脂シート91からの針31の引き抜き完了までに、樹脂シート91からの切り込みブレード39aの引き抜きも完了される。
【0054】
以上、説明したように、前記孔開け装置1によれば、樹脂シート91に針31を突き刺したときに、樹脂シート91の、針31が突き刺された部位の周囲に受け台2から浮き上がった部分が存在していても、樹脂シート91に形成する孔93の形成精度の安定確保が可能であり、また、樹脂シート91に突き刺した針31の引き抜きも、針31に対する樹脂シート91の追従移動を抑えて、円滑に実現できる。
その結果、針31の突き刺しに伴う、樹脂シート91からのスクラップの発生も抑えることがことができる。
また、孔開けユニット32の昇降(具体的には、昇降台33の昇降)による、樹脂シート91への針31の突き刺し、引き抜き動作と同時に、樹脂シート91の押さえ込み、押さえ込み解除を行えるので、孔開けの作業時間の短縮を実現できる。比較的簡単な構成で、樹脂シート91の押さえ込みを実現できる、といった利点もある。
【0055】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されず、各種変更が可能である。
例えば、孔開けユニットの複数本の針31の配置は、図3に例示したような縦横のマトリックス状の配置に限定されず、例えば、環状配置等、様々な配置形態を採用できる。
孔開けユニットの枠体36としては、角筒状のものに限定されず、例えば、円筒状のもの等も採用可能である。
【0056】
また、孔開けユニットの枠体36としては、例えば、図10に示すように、針31が通される針孔367が、孔開けユニットに設けられている針31の位置に対応させて、複数形成された孔開きプレート368を、該枠体36の下端開口部を覆うように設けた構成等も採用可能である。針孔367は、針31の長手方向(上下方向)への枠体36の円滑な移動を可能にするように、大きさ、形状を調整しておく。
この場合は、枠体36と受け台2との間に樹脂シート91を挟み込んだときに、孔開きプレート368も樹脂シート91に上から当接されて、受け台2への樹脂シート91の押さえ込みに寄与する。
また、このとき、受け台2の針受け板22の逃げ孔22aと、孔開きプレート368の針孔367とが連通する。この構成により、図4、図7等に例示したような、枠体36の下端開口部に孔開きプレート368が設けられていない構成に比べて、バキューム装置4の吸引力が、非常に狭い範囲に集中的に作用することとなり、スクラップの吸引、回収を、より確実に行える。
また、樹脂シート91に突き刺した針31を樹脂シート91から引き抜く際に、枠体36の下端366のみならず、孔開きプレート368も、樹脂シート91を受け台2に押さえ込んで、樹脂シート91の針31との追従による持ち上がりを防止する機能を果たすため、樹脂シート91からの針31の引き抜きをより円滑に行えるようになる、といった利点もある。
【0057】
孔開けユニットとしては、ブレード固定台39を具備していないものを採用することも可能である。
また、本発明の適用対象の樹脂シートとしては、必ずしも、樹脂製容器の容器本体や蓋体等といった、製造しようとする製品に応じた凹凸形状が成形済みのもの(成形シート)に限定されず、凹凸が成形されていないものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明に係る孔開け装置の構造を示す正断面図である。
【図2】図1の孔開け装置の側面図である。
【図3】図1の孔開け装置の昇降台を下側から見た下面図である。
【図4】図1の孔開け装置の孔開けユニットと受け台との関係を示す図であって、受け台と、該受け台の上方に離隔させた昇降台の孔開けユニットとの間に、樹脂シートを搬入した状態を示す図である。
【図5】図1の孔開け装置の孔開けユニットと受け台との関係を示す図であって、昇降台の孔開けユニットの針を、受け台上に載置された樹脂シートに突き刺した状態を示す図である。
【図6】図1の孔開け装置の孔開けユニットと受け台との関係を示す図であって、図5の状態から、昇降台を上昇させて、昇降台の孔開けユニットの針を樹脂シートから引き抜いた状態を示す図である。
【図7】孔開けユニットの枠体の構造の一例を示す斜視図である。
【図8】孔開けユニットに設けられる切り込みブレードの構造を示す斜視図である。
【図9】受け台の構造を示す平面図である。
【図10】孔開けユニットの別態様を示す正断面図である。
【図11】孔開け装置によって孔を形成する樹脂シートの一例を示す斜視図である。
【図12】図11の樹脂シートを切断して得られる製品(樹脂製容器)を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0059】
1…孔開け装置、2…受け台、21…受け台本体、21c…内部空間、吸引経路、22…針受け板、22a…逃げ孔、23…孔開き受け板、24、25…シート載置面、3…針昇降機構、31…針、31a…軸部、31b…先細り部、31c…(先細り部の)上端、32…孔開けユニット、33…昇降台、35…ベース部材、36…枠体、363…当接部(突壁)、37…スプリング、39a…ストッパ部、4…バキューム装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂シートに孔を形成する孔開け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
納豆容器などの食品容器等として、発泡スチレン系樹脂シート等の樹脂シートの成形、切断によって製造される樹脂製容器が広く用いられている。また、この樹脂製容器として、容器内部の通気性確保等を目的として、孔(小孔)が複数形成されたものがある。
樹脂製容器の孔の形成は、容器を形成する樹脂シートへの針の突き刺しによって形成する手法が広く採用されている(例えば、特許文献1)。
特許文献1では、熱溶融性のシート材(樹脂シート)に、平面方形のフランジを有する容器本体を構成する凹部及び容器の蓋体を縦横に多数整列させた成形シートを製造する成形工程と、前記成形シートにおける、前記フランジの四隅部に対応する部分に、加熱溶融によって容器本体のフランジの四隅部及び蓋体の四隅部に透孔を形成する隅切り工程と、前記成形シートを縦横に熱切断して、前記凹部を個別に分離する分離工程とを備え、前記隅切り工程において、隅切具と小孔形成具とをベースに取り付けたユニットを用いて、透孔の形成と同時に蓋体への小孔の形成も行う容器の製造方法が開示されている。隅切具及び小孔形成具は、針状であり、例えば、受け台上に載せた成形シートに上から突き刺して、隅切りの透孔、蓋体の小孔を形成する。
【特許文献1】特開平9−240710号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、受け台上に載せた樹脂シートに上から針を突き刺して孔を形成する場合、以下のような問題があった。
(a)受け台上に載せた樹脂シートに、部分的に、受け台上面からの浮き上がりが存在することがある。樹脂シートの内、針を突き刺した部位は、針によって受け台に押し付けられるものの、当該部位の周囲に浮き上がり部分が存在すると、樹脂シートが針に対して傾動するなど、針に対する樹脂シートの姿勢が安定せず、これが孔の形成精度に影響を与える。
(b)樹脂シートに突き刺した針の引き抜き時に、樹脂シートが針とともに持ち上がることがある。
(c)上記(a)、(b)のいずれも、針の突き刺しによる孔の形成に伴い樹脂シートから発生する、細粒状あるいは粉状のスクラップの発生増を招く。
【0004】
上記問題の対策として、樹脂シートを載せる受け台に、クリップ等のシート押さえ具を設け、このシート押さえ具によって樹脂シートの外周部を受け台に固定することも検討されるが、例えば、上述の特許文献1に開示の、容器本体を構成する凹部及び容器の蓋体を縦横に多数整列させた成形シート、等は、シートのサイズが小さくないため、クリップ等のシート押さえ具によって樹脂シートの外周部を固定しても、外周部よりも内側では、樹脂シートの浮き上がり、針の引き抜き時の持ち上がり、の防止に有効に機能しない。
また、長尺の押さえバーを複数本用いて、樹脂シートを受け台上に押さえ込み、浮き上がり等を防止する案もあるが、樹脂シートの搬入、搬出の度に、押さえバーによる樹脂シートの受け台上への押さえ込み、孔開けの完了後、押さえバーの上昇による樹脂シートの押さえ込み解除、を行う必要があり、孔開けの作業時間の短縮が難しい。各押さえバーを昇降させる機構が必要になるなど、設備としても大掛かりなものになってしまう。
なお、納豆容器等の食品容器用の材料として多用されている発泡スチレン系樹脂シート等の発泡樹脂シートは、非発泡樹脂シートに比べて軽量であるため、受け台上に載せたときの部分的な浮き上がりが生じやすく、上述の(a)の問題が生じやすい。また、突き刺した針の引き抜き抵抗が比較的大きく、上述の(b)の問題が生じやすい。また、上述の(c)の問題も非発泡樹脂シートに比べて生じやすい。
【0005】
本発明は、前記課題に鑑みて、針の突き刺しによって樹脂シートに形成する孔の形成精度の安定確保、樹脂シートに突き刺した針の引き抜き時の樹脂シートの持ち上がり防止、スクラップの発生減少、を簡単な構成により実現できる孔開け装置の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明では以下の構成を提供する。
第1の発明は、樹脂シートに孔を形成する孔開け装置であって、前記樹脂シートが載置される受け台と、前記樹脂シートに突き刺して孔を形成する針が設けられた孔開けユニットを前記受け台上にて昇降させる針昇降機構とを具備し、前記孔開けユニットは、前記針昇降機構によって昇降されるベース部材と、このベース部材に下向きに突設された前記針と、ベース部材に昇降可能に取り付けて前記ベース部材の下側に前記針を囲繞するように配置された枠体と、前記枠体を下方に付勢するためのスプリングとを具備し、前記受け台上の樹脂シートに前記針を突き刺したときに、前記枠体が前記スプリングによって前記樹脂シートに弾性付勢されるように構成されていることを特徴とする孔開け装置を提供する。
第2の発明は、前記孔開けユニットの前記枠体の上端に、前記針が通される針孔が開口された孔開きプレートが設けられていることを特徴とする第1の発明の孔開け装置を提供する。
第3の発明は、前記孔開けユニットの前記枠体は、該枠体に設けられた当接部が、前記孔開けユニットに設けられたストッパ部に上から当接される下降限界位置から上方にて、前記ベース部材に対して昇降可能であり、前記下降限界位置は、前記枠体の下端が、前記針の下端に形成されたテーパ状の先細り部の上端よりも下、となるように設定されていることを特徴とする第1又は第2の発明の孔開け装置を提供する。
第4の発明は、前記受け台は、前記樹脂シートが載置されるシート載置面を形成し前記針が挿入可能な逃げ孔が貫通された針受け板を上部に具備し、前記針受け板上に載置された樹脂シートに上から突き刺して前記樹脂シートの下側に突出した針が、前記針受け板の前記逃げ孔に挿入されることを特徴とする第1〜第3のいずれかの発明の孔開け装置を提供する。
第5の発明は、前記針受け板の前記逃げ孔が、前記針受け板の下側に設けられた吸引通路を介して、集塵用のバキューム装置と接続されていることを特徴とする第5の発明の孔開け装置を提供する。
第6の発明は、前記受け台が、前記吸引通路として機能する内部空間を有する中空体であり、前記内部空間と前記針受け板の前記逃げ孔とが連通されていることを特徴とする第5の発明の孔開け装置を提供する。
第7の発明は、前記受け台の上部には、前記シート載置面を形成する孔開き受け板が、上下位置が互いに異なる複数箇所に設けられ、前記孔開き受け板の内のいずれか1以上が前記針受け板であり、最上段の孔開き受け板上に載せた前記樹脂シートに形成されている凹形部が、最上段の孔開き受け板よりも下側に位置する孔開き受け板上に載置されるようになっていることを特徴とする第4〜第6のいずれかの発明の孔開け装置を提供する。
第8の発明は、前記針昇降機構は、前記孔開けユニットが複数配列設置された昇降台を具備し、前記受け台上での前記昇降台の昇降によって、前記昇降台に設置されている各孔開けユニットの針による前記受け台上の樹脂シートの孔開けを一括して行えることを特徴とする第1〜第7のいずれかの発明の孔開け装置を提供する。
第9の発明は、樹脂シートが、発泡スチレン系樹脂シートであることを特徴とする第1〜第8のいずれかの発明の孔開け装置を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る孔開け装置によれば、受け台上に載置された樹脂シートに上から孔開けユニットの針を突き刺す際に、枠体によって、樹脂シートを上から受け台上に押し付けることができる。このため、樹脂シートの部分的な浮き上がりに起因する孔の形成精度の低下を防止、形成精度の安定維持を実現できる。
また、樹脂シートに突き刺した針を引き抜く際に、枠体が、スプリングの弾性によって、樹脂シートを針から下方へ移動させる機能を果たす。これにより、樹脂シートから上方へ針を引き抜く際に、樹脂シートが針に追従して持ち上がってしまう、といった不都合の発生を抑えることができる。
また、これらの結果、樹脂シートからのスクラップの発生を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を実施した孔開け装置について、図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る孔開け装置1の構造を示す正断面図、図2は前記孔開け装置1の側面図、図3は前記孔開け装置1の昇降台33を下側から見た下面図、図4〜図6は前記孔開け装置1の孔開けユニット32と受け台2との関係を示す図、図7は前記孔開けユニット32の枠体36の構造を示す斜視図、図8は孔開けユニット32に設けられる切り込みブレード39aの構造を示す斜視図、図9は受け台2の構造を示す平面図、図10は孔開けユニット32の別態様を示す正断面図である。
また、図11は、前記孔開け装置1によって孔を形成する樹脂シート91の一例を示す斜視図、図12は前記樹脂シート91を切断して得られる製品(樹脂製容器92)を示す斜視図である。
なお、図1,図2〜図8、図10〜図12においては、上側を「上」、下側を「下」として説明する。
【0009】
ここで説明する孔開け装置1は、図11に示す樹脂シート91に、針の突き刺しによって孔93を形成するものである。
樹脂シート91は、図12に示すような、一枚の樹脂シートで形成された二つ折り構造の樹脂製容器92となる部分が、縦横に多数整列されたものである。
前記樹脂製容器92は、平面視矩形のフランジ部941を有する容器本体94と、この容器本体94から連続する板状に形成された蓋体95とを具備する。蓋体95は、容器本体94のフランジ部941の四辺の内の一辺から延出されていて、該蓋体95と容器本体94との境界位置を折り線96とする折り曲げによって、容器本体94上を覆うようにして、容器本体94に閉じ合わせることができる。
容器本体94は、矩形板状の底板部942の外周に側壁部943が立設された凹形部944と、この凹形部944の前記側壁部943の上部開口端の外周に周設された前記フランジ部941とで構成されている。
前記樹脂シート91は、樹脂製容器92の容器本体94と蓋体95とを、縦横に多数整列させたものであり、縦横に切断することで、樹脂製容器92を切り出すことができる。図11に示す仮想線97a、97bは、樹脂シート91から樹脂製容器92を切り出すための、縦横の切断線を示す。
【0010】
樹脂シート91としては、ここでは、発泡スチレン系樹脂シート等の、熱可塑性樹脂発泡シートであるが、非発泡の熱可塑性樹脂シートを用いることも可能である。また、本発明に係る樹脂シートとしては、熱可塑性樹脂シート以外の、各種樹脂シートの採用も可能である。
熱可塑性樹脂シートの場合は、例えば、成形型を使用した加熱成形によって、樹脂製容器92の容器本体94と蓋体95とを縦横に整列形成したもの(成形シート)等を用いることができる。
【0011】
図12に示すように、樹脂製容器92の蓋体95には、孔93(小孔)が複数形成されている。
ここで例示する孔開け装置1は、樹脂シート91の蓋体95部分に、針の突き刺しによって前記孔93を形成するものである。
【0012】
図1〜図3に示すように、前記孔開け装置1は、前記樹脂シート91が載置される受け台2と、受け台2上に載置された前記樹脂シート91に突き刺して孔93を形成するための針31を前記受け台2上にて昇降させる針昇降機構3とを具備して構成されている。
【0013】
まず、針昇降機構3について説明する。
針昇降機構3は、前記針31が設けられた孔開けユニット32が縦横に多数配列設置された昇降台33と、この昇降台33を昇降させる昇降機34とを具備して構成されている。
昇降台33は、盤状の昇降台本体331の下面側に、前記孔開けユニット32を縦横に多数配列設置した構造になっている。
【0014】
樹脂シート91におけるひとつの樹脂製容器92の蓋体95の複数の孔93は、針昇降機構3のひとつの孔開けユニット32によって形成される。
昇降台33における複数の孔開けユニット32の設置位置は、受け台2上に載置される樹脂シート91における樹脂製容器92の蓋体95の位置に対応している。
図11に示すように、樹脂シート91は、複数の容器本体94が一列に並べた容器本体列94Aと、複数の蓋体95が一列に並べた蓋体列95Aとを、交互になるようにして、それぞれ複数、並列に配列した構成になっている。
図3等に示すように、針昇降機構3の昇降台33の下側においては、孔開けユニット32が複数横並びに配列(図3の左右方向に配列。以下、図3の左右方向を、この孔開け装置1の「横方向」として説明する)されたユニット列32Aが、互いの間隔を開けて、複数並列に配列されている。ユニット列32Aの配列ピッチは、樹脂シート91の蓋体列95Aの配列ピッチに揃えてある。ひとつのユニット列32Aの複数の孔開けユニット32の位置は、樹脂シート91の蓋体列95Aの複数の蓋体95に対応する。
【0015】
なお、受け台2は、樹脂シート91の蓋体列95Aの複数の蓋体95を一括して載置できる細長のシート載置面(第1シート載置面21)を具備し、このシート載置面(第1シート載置面21)に沿って延在する細長形状に形成されている。孔開け装置1においては、孔開け装置1の横方向に延在設置された受け台2が、互いの間隔を開けて、孔開け装置1の縦方向に複数並列に設けられている。
針昇降機構3の複数のユニット列32Aは、それぞれ孔開け装置1における横方向に延在しており、複数の受け台2の位置に対応するように、孔開け装置1の縦方向に並列に設けられている。したがって、この孔開け装置1は、受け台2と該受け台2上にて昇降されるユニット列32Aとの組を、複数具備する。
【0016】
前記孔開けユニット32は、昇降台本体331に固定されたベース部材35と、このベース部材35に下向きに突設されて前記枠体36の内側に配置された複数本の前記針31と、前記ベース部材35に昇降可能に取り付けて前記ベース部材35の下側に前記針31を囲繞するように配置された枠体36と、前記枠体36を下方に付勢するためのスプリング37と、前記ベース部材35から下方に突設されて前記枠体36の昇降を案内する案内バー38と、樹脂シート91における前記樹脂製容器92の折り線96の位置に切り込ませる切り込みブレード39aを固定したブレード固定台39とを具備して構成されている。
【0017】
前記針31は、縦横に整列させて、孔開けユニット32に複数本設けられている。
各針31は、上端をベース部材35に固定して、ベース部材35の下側にて上下方向に延在するように設置されている。
また、各針31は、上端をベース部材35に固定した外観ロッド状の軸部31aの下端に、テーパ状の先細り部31bを具備している。
ベース部材35の下側に突設されている複数本の針31は、下端(換言すれば先細り部31bの下端頂部)の上下方向の位置が揃えられている。
【0018】
図7に示すように、前記枠体36は、四角枠状、より具体的には角筒状に形成されている。
この枠体36は、ベース部材35の下側にて上下方向に延在する案内バー38に案内されることで、内側空間361の中心軸線が上下方向となる向きを保ったまま、前記ベース部材35に対して昇降する。枠体36の前記ベース部材35に対する昇降は、ベース部材35に突設されている針31に対する昇降、とも言うことができる。
【0019】
前記枠体36は、前記案内バー38を通すための案内バー挿通孔362が開口された突壁363を有する。図示例の枠体36において、前記突壁363は、具体的には、枠体36の上端開口部を覆うように設けられた天板364(針孔365が開口されている孔開きプレート)を、前記枠体36の側面(外周面)から枠体36の両側に張り出すように突出させた部分である。また、案内バー挿通孔362は、枠体36の複数箇所(図示例では、両側の突壁363に2カ所ずつ、計4カ所)に設けられている。
【0020】
また、枠体36は、天板364に複数開口されている針孔365に、ベース部材35に突設されている複数本の針31をそれぞれ通して、各針31の長手方向に沿って移動可能、すなわち、各針31に対して上下方向に移動可能に設けてある。天板364の針孔365は、針31に対する枠体36の上下動(昇降)を妨げないように、針31の断面形状に応じて、形状、寸法を調整することは言うまでも無い。
前記枠体36は、各案内バー挿通孔362に挿通された案内バー38に案内されながら、ベース部材35及び針31に対して上下動(昇降)する。
なお、孔開きプレートは、枠体36の上端開口部のみに設けられており、枠体36の下端開口部には設けられていない。枠体36の下端開口部は、開放されたままの状態になっている。
【0021】
前記枠体36は、前記突壁363が、案内バー38の下端の外周に突設された突起であるストッパ部38aに上から当接することで、ベース部材35及び針31に対するそれ以上の下降が規制される。突壁363がストッパ部38aに当接する位置が、ベース部材35及び針31に対する枠体36の下降限界位置である。
枠体36の突壁363は、ストッパ部に上から当接される当接部として機能する。
【0022】
また、図4等に示すように、枠体36は、突壁363とベース部材35との間に設けられたスプリング37によって、ベース部材35に対して下方へ弾性付勢されている。図4、図6に示すように、孔開けユニット32が、受け台2上の樹脂シート91から上方に離隔した位置にあるときには、スプリング37の弾性によって、枠体36の突壁363がストッパ部38aに押し付けられる。
前記スプリング37は、具体的にはコイルスプリングであり、案内バー38に外挿して、突壁363とベース部材35との間に設けられている。
【0023】
なお、ベース部材35及び針31に対する枠体36の下降限界位置を設定するためのストッパ部38a、当接部(例えば、上述の突壁363)としては、上述の構成に限定されない。例えば、天板364における枠体36内側に位置する部分に案内バー挿通孔362を形成し、天板364自体を、案内バー挿通孔362に通された案内バー38下端のストッパ部38aに上から当接される当接部として機能させることも可能である。
また、例として、以下のような構成も採用可能である。
(a)枠体36自体に上下に延在する長孔を形成し、この長孔に、ベース部材35に突設したストッパピン(ストッパ部)を挿入して、長孔の上下方向寸法の範囲で、ベース部材35に対する枠体36の上下動を可能とした構成。この場合は、枠体36自体がストッパピン(ストッパ部)に上から当接される当接部として機能する。
(b)ベース部材35に上下方向に延在形成した案内溝に、枠体36に突設した突片を上下動可能に挿入し、枠体36の突片が、案内溝の下端に設けられた突壁に上から当接する位置を、枠体の下降限界位置とした構成。この場合は、案内溝の下端に設けられた突壁がストッパ部、枠体36に突設した突片が、ストッパ部に上から当接される当接部、として機能する。
【0024】
図4等に示すように、前記枠体36の下降限界位置は、前記枠体36の下端366(下側の開口端部)が、前記針31の下端の先細り部31bの上端31cよりも下、となるように設定されている。この構成は、図5に示すように、受け台2上の樹脂シート91に突き刺した針31を、孔開けユニット32の上昇によって樹脂シート91から引き抜く(図6参照)際に、樹脂シート91が針31に追従して持ち上がってしまう、といった不都合の防止に有効に寄与する。
枠体36の下降限界位置は、枠体36の下端366が先細り部31bの下端頂部よりも下側となる位置、あるいは、先細り部31bの下端頂部付近が枠体36の下端366から下に僅かに突出するように設定される。下降限界位置にある枠体36の下端366からの針31下端部の突出寸法は、針31を突き刺して孔93を形成する樹脂シート31の厚み等に応じて適宜設定し得るが、樹脂シート91の厚さ寸法を超えない範囲で出来るだけ小さく設定することが好ましい。
【0025】
図8は、ブレード固定台39に固定される切り込みブレード39aを示す斜視図である。
図8に示すように、切り込みブレード39aは細長板状であり、長手方向の複数箇所に、樹脂シート91に切り込ませる刃部39bが突設されている。
この切り込みブレード39aは、樹脂シート91の折り線96(図11参照)の位置に刃部39bを切り込ませることで、折り線96部分にミシン目98(図12参照)を形成するものである。ミシン目98は、樹脂製容器92において、折り線96から両側の部分(容器本体94と蓋体95)を重ね合わせるように、折り線96を中心として二つ折りに曲げる際に、曲げやすくするためのものである。
【0026】
ブレード固定台39は、孔開けユニット32のベース部材35の下側に突設されている。但し、ベース部材35におけるブレード固定台39の突設位置は、枠体36と接触しないように、枠体36から離隔させてある。
このブレード固定台39は、下端に、ブレード把持片39cを把持するための一対のブレード把持片39cを具備しており、一対のブレード把持片39cの間に切り込みブレード39aを差し込み、締め付けねじ39dの締め付けによって、一対のブレード把持片39cを互いに接近するように若干弾性変形させることで、切り込みブレード39aを一対のブレード把持片39cの間に挟み込むようにして固定できる。切り込みブレード39aは、刃部39bが、ブレード固定台39から下方に突出する向きで固定される。
【0027】
ブレード固定台39は、細長板状の切り込みブレード39aの全長を収納できるように、細長に形成されており、ベース部材35の下面に沿って延在する突条状になっている。
ブレード固定台39及び切り込みブレード39aは、ユニット列32Aの長手方向(図3左右方向。横方向)に沿って延在するように設けられている。また、各ユニット列32Aにおいては、各孔開けユニット32のブレード固定台39が、ユニット列32Aの延在方向(長手方向)に沿って直列に配列されるようにして、位置を揃えて設けられており、ユニット列32Aの長手方向全長にわたって設けられた一枚の切り込みブレード39aを、ユニット列32Aの各孔開けユニット32のブレード固定台39によって固定している。
但し、切り込みブレード39aを、孔開けユニット32毎に一枚ずつ設置する構成も採用可能であることは言うまでも無い。
【0028】
なお、針31は、例えば、外観ロッド状の軸部31aの下端部の、樹脂シート91に突き刺される部分(軸部31aの内、先細り部31bの上端31c付近に位置する部分)が、径数mm(例えば、2〜4mm)程度の断面円形に形成されているもの、等が採用されるが、これに対して、切り込みブレード39aの、樹脂シート91に切り込ませる刃部39bは、厚さ1mm程度、あるいは、それよりも薄い、極薄の板状になっている。しかも、刃部39bは、両面を滑らかに形成して、樹脂シート91に対する切り込み(突き刺し)、引き抜きによる、樹脂シート91からのスクラップの発生を防止できるようにしてある。
【0029】
針31の、外観ロッド状の軸部31aの断面形状は、円形の他、例えば、矩形、三角形、半円形等、様々な形状を採用できる。
【0030】
次に、受け台2について説明する。
図1、図2に示すように、既述の通り、受け台2は、樹脂シート91の蓋体列95Aの複数の蓋体95を一括して載置できるように、孔開け装置1の横方向に延在する細長形状に形成されており、互いの間隔を開けて、孔開け装置1の縦方向に複数並列に設けられている。
【0031】
図4等に示すように、前記受け台2は、具体的には、長尺の受け台本体21と、この受け台本体21上の天板部21a上に取り付けられた針受け板22(孔開き受け板)とを具備して構成されている。
受け台本体21は、前記天板部21aと、両側の側壁部21bとを具備し、断面形状が概略コ字形になっている長尺の部材である。この受け台本体21は、天板部21aと両側の側壁部21bとによって囲まれる内側の内部空間21cを介して、前記天板部21aとは反対の側に位置する開口部が下側、前記天板部21aとなる向きで、底盤20上に設けられた取り付けプレート20a上に固定して設置している。取り付けプレート20aは、受け台本体21の下側の開口部を密閉する機能を果たす。なお、取り付けプレート20aは、図2に示すように、受け台本体21の長手方向両端の端面板21d、21eの下縁を含む、受け台本体21の下縁全体(すなわち、受け台本体21の下側の開口端部の全周)に当接されて、受け台本体21の下側の開口部を密閉する。
【0032】
受け台2上には、受け台本体21の天板部21a上の2カ所に取り付けた孔開き受け板22、23によって、樹脂シート91が載置される、水平あるいはほぼ水平のシート載置面24、25が形成されている。前記シート載置面24、25は、受け台本体21の天板部21a上の2カ所に取り付けた孔開き受け板22、23の上面である。
図4等に示すように、受け台本体21の天板部21aは、孔開き受け板22、23を取り付けるための水平あるいはほぼ水平の上面(取り付け面)を形成する2つの台板部(第1台板部21f、第2台板部21g)を具備する。2つの台板部21f、21gは、いずれも、受け台2の長手方向に延在形成されており、並列になっている。
また、2つの台板部21f、21gは、天板部21aに形成された段差部21hを介して、上下方向の位置がずらされており、各台板部21f、21gに取り付けられた孔開き受け板22、23上のシート載置面24、25も、上下方向の位置がずらされている。
2つの台板部21f、21gの位置は、水平方向にもずらされていることは言うまでも無い。2つの台板部21f、21gは、段差部21hを介して両側に位置する。
【0033】
互いの上下位置が異なる2つのシート載置面24、25の内の上側のシート載置面24(第1載置面)が、樹脂シート91の蓋体列95Aが配置されるシート載置面(第1載置面)である。受け台本体21の第1台板部21f上に取り付けた孔開き受け板である針受け板22の上面が、樹脂シート91の蓋体列95Aが配置される第1載置面24を形成する。
また、受け台本体21の第2台板部21g上に取り付けた孔開き受け板23の上面が形成するシート載置面(第2載置面25)には、樹脂シート91の容器本体94部分が載置される(容器本体列94Aが載置される)。
【0034】
図1等に示すように、樹脂シート91は、受け台2と受け台2から上方に離隔させた昇降台33との間に搬入して、複数の受け台2上の第1載置面24に蓋体95(蓋体列95A)を載置し、複数の受け台2の第1載置面24同士の間に確保された凹所26に収納した容器本体94(容器本体列94A)を第2載置面25に載置することで、位置決めされる。
なお、図1等では、隣り合う受け台2の間に、クリアランスが確保された構成を例示したが、例えば、上記クリアランスに、第2載置面25を延長するように、容器本体94を載置するための載置面を形成する支持部材を設置したり、受け台2のサイズを大型化して、クリアランスを解消するといったことも可能である。
また、複数の受け台2をひと纏めにした構成の受け台、すなわち、互いの上下方向の位置が異なる第1載置面24と第2載置面25とが複数箇所に形成された構造の受け台の採用も可能である。
【0035】
図4、図9等に示すように、針受け板22は、受け台本体21の第1台板部21fの長手方向に沿って一列に配列させて、複数、取り付けられている。各針受け板22の位置は、昇降台33のユニット列32Aの複数の孔開けユニット32に対応させてある。
針受け板22には、孔開けユニット32の針31が挿脱される複数の逃げ孔22aを上下に貫通させて形成してある。
また、各針受け板22は、受け台本体21の第1台板部21fの長手方向の複数箇所に形成された開口部21iを覆うようにして取り付けられ、各逃げ孔22aを、前記開口部21iを介して受け台本体21の内部空間21cと連通させてある。
1つの孔開けユニット32に1枚の針受け板22を設ける構成であれば、孔開けユニット32の針31と逃げ孔22aとの位置合わせを、針受け板22単位で行えるため、位置合わせが容易になる、といった利点がある。
【0036】
さらに、各針受け板22には、孔開けユニット32に取り付けられている切り込みブレード39aの刃部39bが挿脱される、ブレード逃げ溝22bも形成されている。
図示例の受け台2では、ブレード逃げ溝22bは、針受け板22を上下に貫通しているものの、受け台本体21の内部空間21cと連通されていない。しかし、ブレード逃げ溝22bも、受け台本体21の内部空間21cと連通させてあることがより好ましい。
【0037】
一方、受け台本体21の第2台板部21g上には、複数の孔開き受け板23が、やはり、昇降台33のユニット列32Aの複数の孔開けユニット32に対応させて、受け台本体21の長手方向に沿って一列に配列させて取り付けられている。
孔開き受け板23には、該孔開き受け板23を上下方向に貫通する複数の透孔23a(以下、吸引孔とも言う)が開口されている。
この孔開き受け板23は、受け台本体21の第2台板部21gの長手方向複数箇所に開口された開口部21jを覆うようにして取り付けられ、各吸引孔23aを、前記開口部21jを介して受け台本体21の内部空間21cと連通させてある。
なお、この孔開き受け板23は、必ずしも、ひとつの孔開けユニット32に1枚を対応させて設置する必要は無く、例えば、受け台本体21の第2台板部21gの長手方向全長にわたって延在する1枚の孔開き受け板を採用することも可能である。
【0038】
図2に示すように、受け台本体21の内部空間21cは、配管41を介して、集塵用のバキューム装置4と接続されている。配管41は、受け台本体21の長手方向片側の端面板21eに設けられた接続口21k(図1等参照)に接続されている。
この受け台2では、バキューム装置4の吸引力が、内部空間21cを介して、各孔開き受け板22,23の孔(逃げ孔22a、吸引孔23a)に作用する。したがって、受け台2に載置した樹脂シート91を、各孔開き受け板22,23の孔(逃げ孔22a、吸引孔23a)の吸引力によって吸引できるため、樹脂シート91の受け台2からの上方への浮き上がりの発生を抑えることができる。
受け台本体21の内部空間21cは、バキューム装置4の吸引力を各孔開き受け板22,23の孔(逃げ孔22a、吸引孔23a)に作用させるための吸引通路として機能する。受け台本体21は、孔開き受け板22,23の孔(逃げ孔22a、吸引孔23a)を、バキューム装置4と接続するための吸引通路として機能する内部空間21cを有する中空体である。
【0039】
前記孔開け装置1を使用して、樹脂シート91に孔93を形成するには、まず、図1に示すように、樹脂シート91(ここでは、容器本体94及び蓋体95を成形済みの成形シート)を、受け台2と受け台2から上方に離隔させた昇降台33との間に搬入して、受け台2上に載せる。
このとき、樹脂シート91は、複数の受け台2上の第1載置面24に蓋体95(蓋体列95A)を載置し、複数の受け台2の第1載置面24同士の間に確保された凹所26に収納した容器本体94(容器本体列94A)を第2載置面25に載置して、位置決めする。
【0040】
次に、図5に示すように、昇降台33を下降させ、昇降台33に取り付けられている孔開けユニット3の針31を、受け台2の樹脂シート91に突き刺す。
昇降台33の下降によって樹脂シート91に突き刺した針31下端の先細り部31bの上端31cが、受け台2上の樹脂シート91の蓋体95に到達するまでに、樹脂シート91の蓋体95部分が、孔開けユニット32の枠体36と受け台2の針受け板22との間に挟み込まれた状態が達成される。下降限界位置の枠体36の下端366が、先細り部31bの下端頂部よりも下方に位置する構成の場合は、針31が樹脂シート91に接触する前に、樹脂シート91の蓋体95部分が、孔開けユニット32の枠体36と受け台2の針受け板22との間に挟み込まれた状態が達成される。すなわち、樹脂シート91の蓋体95部分が、孔開けユニット32の枠体36によって、受け台2の針受け板22に確実に押さえ付けられた状態となる。
【0041】
このため、この孔開け装置1によれば、樹脂シート91において、枠体36によって受け台2上に押さえ付けられた部位の周囲に、受け台2から浮き上がった部分が存在していたとしても、樹脂シート91の枠体36の内側に位置する部分には、浮き上がり部分の影響が作用しない。したがって、樹脂シートの受け台上面からの浮き上がり部分に起因する、孔の形成精度の低下、といった不都合の発生を解消でき、孔の形成精度の安定確保を実現できる。
【0042】
また、この孔開け装置1では、バキューム装置4の吸引力を各孔開き受け板22,23の孔(逃げ孔22a、吸引孔23a)から樹脂シート91に作用させて、樹脂シート91の受け台2からの上方への浮き上がりの発生を抑えることも、受け台上面からの浮き上がりに起因する孔の形成精度の低下、といった不都合の防止、孔の形成精度の安定確保に有効に寄与するが、この吸引力によって解消できない浮き上がりが存在する場合であっても、上述のように、樹脂シート91の蓋体95部分を、枠体36によって受け台2の針受け板22に押さえ付ける構成により、樹脂シート91を受け台2に押さえ付けた枠体36の外側に存在する樹脂シート91の浮き上がり部分が、樹脂シート91の枠体36の内側での孔の形成精度に影響を与えるといった不都合を解消でき、孔の形成精度の安定確保を実現できる、といった利点がある。
【0043】
孔開けユニット32の枠体36が、樹脂シート91の蓋体95部分を、受け台2の針受け板22に押さえ付けた状態となると、枠体36は受け台2によって、それ以上の下降が規制されるが、昇降台33の下降が進行していくことで、孔開けユニット32(詳細には、案内バー38)のストッパ部38aが、枠体36の当接部(図示例では突壁363)に対して下方に離隔していく。これにより、スプリング37が押し縮められて、枠体36による樹脂シート91の押さえ付けが一層しっかりとなされる。
このため、樹脂シート91を受け台2に押さえ込んだ枠体36の外側の存在する樹脂シート91の浮き上がり部分からの影響のみならず、樹脂シート91に、水平方向の引っ張り力等の、位置ずれの原因となるような外力が作用したとしても、その影響が、枠体36の内側に位置する樹脂シート91に作用することが確実に防止され、孔の形成精度の安定確保に有効に寄与する。
【0044】
なお、この孔開け装置1では、前記孔開けユニット32が複数配列設置された昇降台33の、前記受け台2上方からの下降によって、前記昇降台33に設置されている各孔開けユニット32の針31を、樹脂シート91の複数の蓋体95に一括して突き刺すことができるので、樹脂シート91の多数箇所への孔開けを一括して行えることは言うまでも無い。
【0045】
図5に例示したように、受け台2上に載置された樹脂シート91に上から突き刺した針31が、樹脂シート91を貫通したとき、針31の樹脂シート91の下方に露出した部分、及び、針31によって形成された孔93に、針受け板22の逃げ孔22aから、バキューム装置4の吸引力が作用することとなる。これにより、針31の突き刺しにより樹脂シート91から発生した細粒状(あるいは粉状)のスクラップの飛散を防止できる。また、スクラップを、針受け板22の逃げ孔22aから吸引して回収することができる。
【0046】
針31が、樹脂シート91の下方に突出したとき、針31の樹脂シート91からの突出部分は、針受け板22の前記逃げ孔22aに挿入される。したがって、針31の尖端(下端。先細り部31bの下端頂部)を傷めてしまう、といった不都合を回避できる。
また、針受け板22は、プラスチック製のもの等を採用することが、針31を傷めにくくする点で好ましい。
【0047】
図5は、樹脂シート91に突き刺した孔開けユニット3の針31の軸部31aを、樹脂シート91に貫通(針31下端の先細り部31bの上端31cが、受け台2上の樹脂シート91の蓋体95の下面、あるいは、それよりも下方に到達した状態)させる構成の場合を例示している。
針受け板22の前記逃げ孔22aは、針31の軸部31aが挿入されても、該逃げ孔22aの内周面と前記軸部31aの外周面との間に、細粒状あるいは粉状のスクラップの吸引、回収(通過)が可能な程度のクリアランスを内部に確保できるように、断面の形状、寸法を調整してある。このため、逃げ孔22aに針31の軸部31aが挿入されても、針31によって形成された孔93からのスクラップの吸引、回収が可能であり、また、針31の樹脂シート91を貫通して突出した部分からスクラップを除去する機能も果たす。
【0048】
なお、本発明は、針31の軸部31aを樹脂シート91に貫通させる構成に限定されず、例えば、針31の、先細り部31bのみを樹脂シート91に貫通させて、樹脂シート91にテーパ孔状の孔を形成するようにした構成や、針31下端の先細り部31bの上端31cが樹脂シート91の厚みの途中となる位置を突き刺しの際の昇降台33の下降限界位置とした構成、等も含む。
これらの場合も、針受け板22の逃げ孔22aから、バキューム装置4の吸引力を作用させることで、針31によって形成された孔93や針31からのスクラップの吸引、回収が可能であることは言うまでも無い。
【0049】
昇降台33の受け台2に対する下降限界位置は、樹脂シート91に上から突き刺した針31を、樹脂シート91に貫通させることができる範囲で、樹脂シート91の厚み等に鑑みて適宜設定される。
また、図示例の孔開け装置1にあっては、樹脂シート91に対する切り込みブレード39aの切り込みによってミシン目98(図12)を形成することも考慮して、昇降台33の受け台2に対する下降限界位置を設定する。昇降台33の受け台2に対する下降限界位置は、ブレード固定台39が、樹脂シート91に接触しないように設定することが好ましい。
なお、孔開けユニット32の枠体36が、樹脂シート91の蓋体95部分を、受け台2の針受け板22に押さえ付けると、樹脂シート91に対する切り込みブレード39aの切り込みによるミシン目98の形成も、樹脂シート91の浮き上がりや、ずれの影響を受けにくくなるため、位置、形状の精度確保が容易になる。
【0050】
受け台2上に載置された樹脂シート91に上から突き刺した針31を、樹脂シート91に貫通させた後、昇降台33を上昇させることで、樹脂シート91から針31を引き抜くことができる。
このとき、針31は、昇降台33と一体的に上昇するため、昇降台33の上昇に伴って樹脂シート91から引き抜かれていくが、樹脂シート91を受け台2に押さえ付けた枠体36は、孔開けユニット32(詳細には、案内バー38)のストッパ部38aが、枠体36の当接部(図示例では突壁363)に対して下方から当接して、枠体36の押し上げを開始するまで、上昇しない。したがって、孔開けユニット32(詳細には、案内バー38)のストッパ部38aが、枠体36の当接部(図示例では突壁363)に対して下方から当接するまで、枠体36が、樹脂シート91における針31が突き刺された部位を覆った状態が維持される。
【0051】
これにより、樹脂シート91が、上昇する針31に追従して、上方へ持ち上がってしまう、といった不都合を防止できる。結果、樹脂シート91からの針31の引き抜きを円滑に行える。
従来構成の孔開け装置のように、樹脂シートが上昇する針に追従して、上方へ持ち上がってしまったときには、針によって樹脂シートに形成された孔の内面の一部に、針に対する圧接力が局所的に作用する、などいった応力集中が発生し、これにより、スクラップの発生量が増大する、といった問題があったが、本発明に係る孔開け装置によれば、針31の先細り部31bの上端31cが、樹脂シート91から上へ抜け出るまで、枠体36の上昇は開始されないため、上昇する針31に対する樹脂シート91の追従上昇を防ぐことができ、結果、樹脂シート91からの針31の引き抜きを非常に円滑に行える。
【0052】
また、この構成であれば、樹脂シート91からの針31の引き抜きに伴い、樹脂シート91から発生するスクラップの飛散を、枠体36によって防止できる、といった利点もある。
樹脂シート91から、針31の軸部31aが抜け出て、針31の先細り部31bの外周面と、針31によって樹脂シート91に形成された孔93の内周面との間に、スクラップの吸引、回収(通過)が可能な程度のクリアランスが発生すれば、枠体36内側のスクラップが、孔93から逃げ孔22aへ、吸引、回収されることとなる。
【0053】
昇降台33の上昇に伴い、孔開けユニット32(詳細には、案内バー38)のストッパ部38aが、枠体36の当接部(図示例では突壁363)に対して下方から当接し、枠体36の押し上げを開始すれば、枠体36が上昇を開始し、図6に示すように、孔開けユニット32全体が、受け台2から上方へ離隔した位置に移動される。
これにより、樹脂シート91への孔93の形成が完了する。
なお、樹脂シート91からの針31の引き抜き完了までに、樹脂シート91からの切り込みブレード39aの引き抜きも完了される。
【0054】
以上、説明したように、前記孔開け装置1によれば、樹脂シート91に針31を突き刺したときに、樹脂シート91の、針31が突き刺された部位の周囲に受け台2から浮き上がった部分が存在していても、樹脂シート91に形成する孔93の形成精度の安定確保が可能であり、また、樹脂シート91に突き刺した針31の引き抜きも、針31に対する樹脂シート91の追従移動を抑えて、円滑に実現できる。
その結果、針31の突き刺しに伴う、樹脂シート91からのスクラップの発生も抑えることがことができる。
また、孔開けユニット32の昇降(具体的には、昇降台33の昇降)による、樹脂シート91への針31の突き刺し、引き抜き動作と同時に、樹脂シート91の押さえ込み、押さえ込み解除を行えるので、孔開けの作業時間の短縮を実現できる。比較的簡単な構成で、樹脂シート91の押さえ込みを実現できる、といった利点もある。
【0055】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されず、各種変更が可能である。
例えば、孔開けユニットの複数本の針31の配置は、図3に例示したような縦横のマトリックス状の配置に限定されず、例えば、環状配置等、様々な配置形態を採用できる。
孔開けユニットの枠体36としては、角筒状のものに限定されず、例えば、円筒状のもの等も採用可能である。
【0056】
また、孔開けユニットの枠体36としては、例えば、図10に示すように、針31が通される針孔367が、孔開けユニットに設けられている針31の位置に対応させて、複数形成された孔開きプレート368を、該枠体36の下端開口部を覆うように設けた構成等も採用可能である。針孔367は、針31の長手方向(上下方向)への枠体36の円滑な移動を可能にするように、大きさ、形状を調整しておく。
この場合は、枠体36と受け台2との間に樹脂シート91を挟み込んだときに、孔開きプレート368も樹脂シート91に上から当接されて、受け台2への樹脂シート91の押さえ込みに寄与する。
また、このとき、受け台2の針受け板22の逃げ孔22aと、孔開きプレート368の針孔367とが連通する。この構成により、図4、図7等に例示したような、枠体36の下端開口部に孔開きプレート368が設けられていない構成に比べて、バキューム装置4の吸引力が、非常に狭い範囲に集中的に作用することとなり、スクラップの吸引、回収を、より確実に行える。
また、樹脂シート91に突き刺した針31を樹脂シート91から引き抜く際に、枠体36の下端366のみならず、孔開きプレート368も、樹脂シート91を受け台2に押さえ込んで、樹脂シート91の針31との追従による持ち上がりを防止する機能を果たすため、樹脂シート91からの針31の引き抜きをより円滑に行えるようになる、といった利点もある。
【0057】
孔開けユニットとしては、ブレード固定台39を具備していないものを採用することも可能である。
また、本発明の適用対象の樹脂シートとしては、必ずしも、樹脂製容器の容器本体や蓋体等といった、製造しようとする製品に応じた凹凸形状が成形済みのもの(成形シート)に限定されず、凹凸が成形されていないものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明に係る孔開け装置の構造を示す正断面図である。
【図2】図1の孔開け装置の側面図である。
【図3】図1の孔開け装置の昇降台を下側から見た下面図である。
【図4】図1の孔開け装置の孔開けユニットと受け台との関係を示す図であって、受け台と、該受け台の上方に離隔させた昇降台の孔開けユニットとの間に、樹脂シートを搬入した状態を示す図である。
【図5】図1の孔開け装置の孔開けユニットと受け台との関係を示す図であって、昇降台の孔開けユニットの針を、受け台上に載置された樹脂シートに突き刺した状態を示す図である。
【図6】図1の孔開け装置の孔開けユニットと受け台との関係を示す図であって、図5の状態から、昇降台を上昇させて、昇降台の孔開けユニットの針を樹脂シートから引き抜いた状態を示す図である。
【図7】孔開けユニットの枠体の構造の一例を示す斜視図である。
【図8】孔開けユニットに設けられる切り込みブレードの構造を示す斜視図である。
【図9】受け台の構造を示す平面図である。
【図10】孔開けユニットの別態様を示す正断面図である。
【図11】孔開け装置によって孔を形成する樹脂シートの一例を示す斜視図である。
【図12】図11の樹脂シートを切断して得られる製品(樹脂製容器)を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0059】
1…孔開け装置、2…受け台、21…受け台本体、21c…内部空間、吸引経路、22…針受け板、22a…逃げ孔、23…孔開き受け板、24、25…シート載置面、3…針昇降機構、31…針、31a…軸部、31b…先細り部、31c…(先細り部の)上端、32…孔開けユニット、33…昇降台、35…ベース部材、36…枠体、363…当接部(突壁)、37…スプリング、39a…ストッパ部、4…バキューム装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂シートに孔を形成する孔開け装置であって、
前記樹脂シートが載置される受け台と、前記樹脂シートに突き刺して孔を形成する針が設けられた孔開けユニットを前記受け台上にて昇降させる針昇降機構とを具備し、
前記孔開けユニットは、前記針昇降機構によって昇降されるベース部材と、このベース部材に下向きに突設された前記針と、ベース部材に昇降可能に取り付けて前記ベース部材の下側に前記針を囲繞するように配置された枠体と、前記枠体を下方に付勢するためのスプリングとを具備し、前記受け台上の樹脂シートに前記針を突き刺したときに、前記枠体が前記スプリングによって前記樹脂シートに弾性付勢されるように構成されていることを特徴とする孔開け装置。
【請求項2】
前記孔開けユニットの前記枠体の上端に、前記針が通される針孔が開口された孔開きプレートが設けられていることを特徴とする請求項1記載の孔開け装置。
【請求項3】
前記孔開けユニットの前記枠体は、該枠体に設けられた当接部が、前記孔開けユニットに設けられたストッパ部に上から当接される下降限界位置から上方にて、前記ベース部材に対して昇降可能であり、
前記下降限界位置は、前記枠体の下端が、前記針の下端に形成されたテーパ状の先細り部の上端よりも下、となるように設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の孔開け装置。
【請求項4】
前記受け台は、前記樹脂シートが載置されるシート載置面を形成し前記針が挿入可能な逃げ孔が貫通された針受け板を上部に具備し、前記針受け板上に載置された樹脂シートに上から突き刺して前記樹脂シートの下側に突出した針が、前記針受け板の前記逃げ孔に挿入されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の孔開け装置。
【請求項5】
前記針受け板の前記逃げ孔が、前記針受け板の下側に設けられた吸引通路を介して、集塵用のバキューム装置と接続されていることを特徴とする請求項4記載の孔開け装置。
【請求項6】
前記受け台が、前記吸引通路として機能する内部空間を有する中空体であり、前記内部空間と前記針受け板の前記逃げ孔とが連通されていることを特徴とする請求項5記載の孔開け装置。
【請求項7】
前記受け台の上部には、前記シート載置面を形成する孔開き受け板が、上下位置が互いに異なる複数箇所に設けられ、
前記孔開き受け板の内のいずれか1以上が前記針受け板であり、
最上段の孔開き受け板上に載せた前記樹脂シートに形成されている凹形部が、最上段の孔開き受け板よりも下側に位置する孔開き受け板上に載置されるようになっていることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の孔開け装置。
【請求項8】
前記針昇降機構は、前記孔開けユニットが複数配列設置された昇降台を具備し、前記受け台上での前記昇降台の昇降によって、前記昇降台に設置されている各孔開けユニットの針による前記受け台上の樹脂シートの孔開けを一括して行えることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の孔開け装置。
【請求項9】
樹脂シートが、発泡スチレン系樹脂シートであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の孔開け装置。
【請求項1】
樹脂シートに孔を形成する孔開け装置であって、
前記樹脂シートが載置される受け台と、前記樹脂シートに突き刺して孔を形成する針が設けられた孔開けユニットを前記受け台上にて昇降させる針昇降機構とを具備し、
前記孔開けユニットは、前記針昇降機構によって昇降されるベース部材と、このベース部材に下向きに突設された前記針と、ベース部材に昇降可能に取り付けて前記ベース部材の下側に前記針を囲繞するように配置された枠体と、前記枠体を下方に付勢するためのスプリングとを具備し、前記受け台上の樹脂シートに前記針を突き刺したときに、前記枠体が前記スプリングによって前記樹脂シートに弾性付勢されるように構成されていることを特徴とする孔開け装置。
【請求項2】
前記孔開けユニットの前記枠体の上端に、前記針が通される針孔が開口された孔開きプレートが設けられていることを特徴とする請求項1記載の孔開け装置。
【請求項3】
前記孔開けユニットの前記枠体は、該枠体に設けられた当接部が、前記孔開けユニットに設けられたストッパ部に上から当接される下降限界位置から上方にて、前記ベース部材に対して昇降可能であり、
前記下降限界位置は、前記枠体の下端が、前記針の下端に形成されたテーパ状の先細り部の上端よりも下、となるように設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の孔開け装置。
【請求項4】
前記受け台は、前記樹脂シートが載置されるシート載置面を形成し前記針が挿入可能な逃げ孔が貫通された針受け板を上部に具備し、前記針受け板上に載置された樹脂シートに上から突き刺して前記樹脂シートの下側に突出した針が、前記針受け板の前記逃げ孔に挿入されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の孔開け装置。
【請求項5】
前記針受け板の前記逃げ孔が、前記針受け板の下側に設けられた吸引通路を介して、集塵用のバキューム装置と接続されていることを特徴とする請求項4記載の孔開け装置。
【請求項6】
前記受け台が、前記吸引通路として機能する内部空間を有する中空体であり、前記内部空間と前記針受け板の前記逃げ孔とが連通されていることを特徴とする請求項5記載の孔開け装置。
【請求項7】
前記受け台の上部には、前記シート載置面を形成する孔開き受け板が、上下位置が互いに異なる複数箇所に設けられ、
前記孔開き受け板の内のいずれか1以上が前記針受け板であり、
最上段の孔開き受け板上に載せた前記樹脂シートに形成されている凹形部が、最上段の孔開き受け板よりも下側に位置する孔開き受け板上に載置されるようになっていることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の孔開け装置。
【請求項8】
前記針昇降機構は、前記孔開けユニットが複数配列設置された昇降台を具備し、前記受け台上での前記昇降台の昇降によって、前記昇降台に設置されている各孔開けユニットの針による前記受け台上の樹脂シートの孔開けを一括して行えることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の孔開け装置。
【請求項9】
樹脂シートが、発泡スチレン系樹脂シートであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の孔開け装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−183670(P2008−183670A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−19745(P2007−19745)
【出願日】平成19年1月30日(2007.1.30)
【出願人】(592222444)ホクエイ化工株式会社 (11)
【出願人】(000002440)積水化成品工業株式会社 (1,335)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月30日(2007.1.30)
【出願人】(592222444)ホクエイ化工株式会社 (11)
【出願人】(000002440)積水化成品工業株式会社 (1,335)
【Fターム(参考)】
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