説明

存在位置検出システム

【課題】監視対象近傍の環境調整機器を容易に把握することができる存在位置検出システムを提供する。
【解決手段】監視領域内の監視対象10の近傍から、送信側属性情報を送信する属性情報送信部11a等と、監視領域内で互いに異なる領域の各々に設けられた属性情報受信部12a等と、送信側属性情報を受信した属性情報受信部12a等が設けられた領域内の環境調整機器4等の機器側属性情報に、送信側属性情報を対応付ける存在位置管理部14と、を備えた。これにより、監視対象近傍10の環境調整機器4等を容易に把握することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、監視対象の位置を把握する存在位置検出システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
監視対象の位置を把握するシステムとして、屋内の既知の位置に配置された複数の無線標識と監視対象とから受信した信号の到着時刻や電波強度に基づいて、監視対象の位置を算出するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、屋内の天井と床とに対向する形で送受信アンテナを設定し、これらのアンテナによって時間をずらして送信させた信号に対する監視対象からの応答に基づいて、監視対象の位置を算出するものも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3710416号公報
【特許文献2】特開2004−294338号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載のシステムでは、監視対象の位置を把握するだけで、監視対象近傍に配置された空調や照明等の環境調整機器を把握することができない。このため、ビルの管理者等は、監視対象近傍の環境調整機器をひとつひとつ調べて、監視対象と環境調整機器との関連付け作業を行う必要があった。
【0006】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は、監視対象近傍の環境調整機器を容易に把握することができる存在位置検出システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る存在位置検出システムは、監視領域内の監視対象の近傍から、送信側属性情報を送信する属性情報送信部と、前記監視領域内で互いに異なる領域の各々に設けられた属性情報受信部と、前記送信側属性情報を受信した属性情報受信部が設けられた領域内の環境調整機器の機器側属性情報に、前記送信側属性情報を対応付ける存在位置管理部と、を備えたものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、監視対象近傍の環境調整機器を容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明の実施の形態1における存在位置検出システムの構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1における存在位置検出システムの詳細を説明するためのブロック図である。
【図3】この発明の実施の形態2における存在位置検出システムの構成図である。
【図4】この発明の実施の形態3における存在位置検出システムの概要を説明するためのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
この発明を実施するための形態について添付の図面に従って説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0011】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における存在位置検出システムの構成図である。
図1において、1はビルの部屋である。具体的には、部屋1は、A棟の第10フロアの第1部屋である。この部屋1は、複数の監視領域(エリア)に区分される。具体的には、部屋1の東側は、Eエリア2となっている。一方、部屋1の西側は、Wエリア3となっている。
【0012】
Eエリア2の上部には、環境調整機器4が設けられる。この環境調整機器4は、空調装置5、照明装置6からなる。Wエリア3の上部にも、環境調整機器7が設けられる。この環境調整機器7は、空調装置8と照明装置9とからなる。
【0013】
Eエリア2の下部とWエリア3の下部とには、監視対象10が位置している。この監視対象10は、人あるいは物である。これらの監視対象10の近傍には、ビル管理用存在位置検出システムの属性情報送信部11a〜11cが配置されている。これらの属性情報送信部11a〜11cは、監視対象10の移動に追従して移動するものでもよいし、Eエリア2とWエリア3とに予め設けられるものでもよい。
【0014】
これに対し、存在位置検出システムの属性情報受信部12a、12bは、それぞれ、Eエリア2、Wエリア3の各々に設けられる。図1においては、属性情報受信部12a、12bは、それぞれ、環境調整機器4、7に近接して配置される。これらの属性情報受信部12a、12bは、無線あるいは有線の通信路13を介して、存在位置検出システムの存在位置管理部14に接続される。
【0015】
上記構成の存在位置検出システムにおいては、属性情報送信部11aが送信した送信側属性情報は、無線あるいは有線の通信路15を介して、属性情報送信部11aが位置するEエリア2に配置された属性情報受信部12aに受信される。これに対し、属性情報送信部11b、11cが送信した送信側属性情報は、通信路15を介して、属性情報送信部11aが位置するWエリア3に配置された属性情報受信部12bに受信される。
【0016】
これらの送信側属性情報は、存在位置管理部14に向けて送信される。存在位置管理部14は、送信側属性情報を受信した属性情報受信部12a又は12bの位置に基づいて、属性情報送信部11a〜11cの位置を検出する。これらの検出により、監視対象10の位置が容易に把握される。
【0017】
さらに、存在位置管理部14は、監視対象10と環境調整機器4又は7とを関連付ける。具体的には、送信側属性情報を受信した属性情報受信部12a又は12bが設けられたエリア内の環境調整機器4又は7の機器側属性情報に、当該送信側属性情報を対応付ける。この対応付けにより、監視対象10近傍の環境調整機器4又は7が容易に把握される。
【0018】
本実施の形態においては、Eエリア2の下部とWエリア3の下部とに、センサ装置16が設けられる。これらのセンサ装置16は、超音波センサ、照度計、温度計、湿度計からなる。
【0019】
存在位置検出システムの存在位置管理部14とセンサ装置16とは、コントローラ17に接続される。このコントローラ17は、存在位置検出システムの存在位置管理部14とセンサ装置16からの情報に基づいて、環境調整機器4、7を制御する。
【0020】
具体的には、コントローラ17は、存在位置検出システムの存在位置管理部14からの情報に基づいて、送信側属性情報を受信した属性情報受信部12a、12bが設けられたエリア内の環境調整機器4又は7を把握する。その後、コントローラ17は、把握した環境調整機器4又は7と同じエリア内のセンサ装置16の超音波センサにより、監視対象10が検出されているか否かを判断する。
【0021】
監視対象10が検出されている場合、コントローラ17は、把握した環境調整機器4又は7を動作させる。その後、コントローラ17は、認識した環境調整機器4又は7と同じエリア内のセンサ装置16の温度計と湿度計との計測値に基づいて、空調装置5、8を制御する。また、コントローラ17は、把握した環境調整機器4又は7と同じエリア内のセンサ装置16の照度計の計測値に基づいて、照明装置6又は9を制御する。これらの制御により、監視対象10に適した環境が提供される。
【0022】
次に、図2を用いて、存在位置検出システムの構成の詳細を説明する。
図2はこの発明の実施の形態1における存在位置検出システムの詳細を説明するためのブロック図である。
【0023】
まず、属性情報送信部11a〜11cの構成を説明する。
属性情報送信部11a〜11cは同様の構成である。そこで、図2では、属性情報送信部11aを中心に説明する。
属性情報送信部11aは、記憶部18、操作部19、送信情報生成部20、送信部21、表示部22を備える。
【0024】
記憶部18は、属性情報を記憶する機能を備える。この属性装置は、属性情報送信部11aを所有する個人を識別するためのものでもよいし、属性情報送信部11a自体を識別するためのものでもよい。図2では、属性情報は、送信側属性情報としての属性情報送信部ID「1」に、種別「A」が対応付けられたものからなる。なお、図2には図示しないが、属性情報送信部11b、11cの記憶部は、送信側属性情報として、それぞれ、属性情報送信部ID「2」、「3」を記憶する機能を備える。
【0025】
操作部19は、操作されることにより、属性情報の送信を起動する機能を備える。送信情報生成部20は、操作部19による起動に基づいて、記憶部18に記憶された属性情報から属性情報送信部生成情報を生成する機能を備える。この属性情報送信部生成情報は、属性情報の一部である属性情報送信部IDからなる。
【0026】
送信部21は、送信情報生成部20が生成した属性情報送信部生成情報を送信する機能を備える。表示部22は、属性情報送信部11aの動作状態を表示する機能を備える。
【0027】
次に、属性情報受信部12a、12bの構成を説明する。
属性情報受信部12a、12bは同様の構成である。そこで、図2では、属性情報受信部12aを中心に説明する。
属性情報受信部12aは、記憶部23、時刻管理部24、受信部25、送信情報生成部26、送信部27、表示部28を備える。
【0028】
記憶部23は、属性情報を記憶する機能を備える。この属性情報は、受信側属性情報としての属性情報受信部ID「5」に、種別「B」が対応付けられたものからなる。なお、図2には図示しないが、属性情報受信部12bの記憶部は、受信側属性情報として、属性情報受信部ID「10」を記憶する機能を備える。
【0029】
時刻管理部24は、時刻情報を管理する機能を備える。受信部25は、近傍の属性情報送信部11a等の送信部21が送信した属性情報送信部生成情報を受信する機能を備える。
【0030】
送信情報生成部26は、受信部25に受信された属性情報送信部生成情報、記憶部23に記憶された属性情報、時刻管理部24に管理された時刻情報に基づいて、属性情報受信部生成情報を生成する機能を備える。この属情報受信部生成情報は、属性情報送信部ID、属性情報受信部ID、属性情報送信部11a等と属性情報受信部12aとの接続時刻が対応付けられたものからなる。
【0031】
送信部27は、送信情報生成部26に生成された属性情報受信部生成情報を送信する機能を備える。表示部28は、属性情報受信部12aの動作状態を表示する機能を備える。
【0032】
次に、存在位置管理部14の構成を説明する。
存在位置管理部14は、第1記憶部29、第2記憶部30、受信部31、存在位置決定部32、第3記憶部33、関連付け決定部34、第4記憶部35、時刻同期部36を備える。
【0033】
第1記憶部29は、位置管理情報を記憶する機能を備える。この位置管理情報では、棟区分、フロア区分、部屋区分、エリア区分に、位置IDが対応付けられる。この位置IDには、該当するエリアに設けられた属性情報受信部12a等の属性情報受信部IDが対応付けられる。
【0034】
例えば、位置管理情報の最上段では、「A」棟、第「10」フロア、第「1」部屋、「E」エリアに、位置ID「1」が対応付けられる。この位置ID「1」には、Eエリア2に設けられた属性情報受信部12aの属性情報受信部ID「5」が対応付けられる。また、位置管理情報の上から3段目では、「A」棟、第「10」フロア、第「1」部屋、「W」エリアに、位置ID「3」が対応付けられる。この位置ID「3」には、Wエリア3に設けられた属性情報受信部12bの属性情報受信部ID「10」が対応付けられる。
【0035】
同様に、「A」棟、第「10」フロア、第「1」部屋の他のエリアにも、位置IDと属性情報受信部IDとが対応付けられる。また、「B」棟のエリアについても、位置IDと属性情報受信部IDとが対応付けられる。
【0036】
第2記憶部30は、設備位置管理情報を記憶する機能を備える。この設備位置管理情報では、機器側属性情報としての空調装置5、8、照明装置6、9の設備IDに、種別と位置IDとが対応付けられる。これらの位置IDは、空調装置5、8、照明装置6、9が設けられたエリアに対応したものである。
【0037】
具体的には、設備位置管理情報の最上段では、空調装置5の設備ID「1」に、種別「空調」とEエリア2の位置ID「1」とが対応付けられる。この直下では、空調装置8の設備ID「2」に、種別「空調」とWエリア3の位置ID「3」とが対応付けられる。この直下では、照明装置6の設備ID「3」に、種別「照明」とEエリア2の位置ID「1」とが対応付けられる。この直下では、照明装置9の設備ID「4」に、種別「照明」とWエリア3の位置ID「3」とが対応付けられる。
【0038】
受信部31は、属性情報受信部12a等の送信部27が送信した属性情報受信部生成情報を受信する機能を備える。存在位置決定部32は、受信部31に受信された属性情報受信部生成情報と第1記憶部29に記憶された位置管理情報とを対応付ける機能を備える。
【0039】
具体的には、存在位置決定部32は、位置管理情報の中から、属性情報受信部生成情報の属性情報受信部IDと同じ属性情報受信部IDを検出する。そして、存在位置決定部32は、検出した属性情報受信部IDに対応付けられた位置IDを、属性情報受信部生成情報の属性情報送信部IDと接続時刻とに対応付けて、存在位置管理情報を生成する。
【0040】
第3記憶部33は、存在位置決定部32が生成した存在位置管理情報を記憶する機能を備える。関連付け決定部34は、第2記憶部30に記憶された設備位置管理情報と第3記憶部33に記憶された存在位置管理情報とを対応付ける機能を備える。
【0041】
具体的には、関連付け決定部34は、設備位置管理情報の中から、存在位置管理情報の位置IDと同じ位置IDを検出する。そして、関連付け決定部34は、検出した位置IDに対応付けられた設備IDを、存在位置管理情報の属性情報送信部IDと接続時刻とに対応付けて、関連付け管理情報を生成する。
【0042】
第4記憶部35は、関連付け決定部34が生成した関連付け管理情報を記憶する機能を備える。時刻同期部36は、属性情報受信部12a、12bの時刻管理部24に管理された時刻を同期させる機能を備える。
【0043】
次に、図2を用いて、存在位置検出システムの動作の詳細を説明する。
まず、10時10分に、属性情報送信部11a近傍の監視対象10の位置を把握する場合を説明する。この場合、属性情報送信部11aの操作部19を操作者が操作すると、属性情報送信部11aの送信情報生成部20は、属性情報送信部生成情報37を生成する。この属性情報送信部生成情報37は、属性情報送信部ID「1」となる。
【0044】
この属性情報送信部生成情報37は、属性情報送信部11aの送信部21によって送信される。このとき、属性情報送信部11aの表示部22には、属性情報送信部11aが属性情報送信部生成情報37を送信中である旨が表示される。
【0045】
送信された属性情報送信部生成情報37は、属性情報受信部12aの受信部25に受信される。このとき、属性情報受信部12aの表示部28には、属性情報送信部生成情報37を受信中である旨が表示される。
【0046】
受信された属性情報送信部生成情報37に基づいて、属性情報受信部12aの送信情報生成部26は、属性情報受信部生成情報38を生成する。この属性情報受信部生成情報38は、属性情報送信部11aの属性情報送信部ID「1」、属性情報受信部12aの属性情報受信部ID「5」、接続時刻「10:10」が対応付けられたものとなる。
【0047】
この属性情報受信部生成情報38は、属性情報受信部12aの送信部27によって送信される。このとき、属性情報受信部12aの表示部28には、属性情報受信部12aが属性情報受信部生成情報38を送信中である旨が表示される。
【0048】
送信された属性情報受信部生成情報38は、存在位置管理部14の受信部31に受信される。この属性情報受信部生成情報38と位置管理情報とに基づいて、存在位置管理部14の存在位置決定部32は、存在位置管理情報を生成する。この存在位置管理情報は、Eエリア2の位置ID「1」に、属性情報送信部11aの属性情報送信部ID「1」と接続時刻「10:10」とが対応付けられたものとなる。この段階で、属性情報送信部11a近傍の監視対象10の位置と検出時刻とが把握される。この存在位置管理情報は、第3記憶部33の最上段に記憶される。
【0049】
この存在位置管理情報と設備位置管理情報とに基づいて、存在位置管理部14の関連付け決定部34は、関連付け管理情報を生成する。このとき、関連付け管理情報は2つ生成される。具体的には、関連付け管理情報の一方は、属性情報送信部11aの属性情報送信部ID「1」、接続時刻「10:10」に、空調装置5の設備ID「1」が対応付けられたものとなる。関連付け管理情報の他方は、属性情報送信部11aの属性情報送信部ID「1」、接続時刻「10:10」に、照明装置6の設備ID「3」が対応付けられたものとなる。これらの関連付け管理情報は、それぞれ、第4記憶部35の最上段と最上段の直下とに記憶される。
【0050】
次に、11時10分に、属性情報送信部11b近傍の監視対象10の位置を把握する場合を説明する。この場合、存在位置管理情報は、Wエリア3の位置ID「3」に、属性情報送信部11bの属性情報送信部ID「2」と接続時刻「11:10」とが対応付けられたものとなる。この存在位置管理情報は、第3記憶部33の上から2段目に記憶される。
【0051】
その結果、関連付け管理情報の一方は、属性情報送信部11bの属性情報送信部ID「2」、接続時刻「11:10」に、空調装置8の設備ID「2」が対応付けられたものとなる。関連付け管理情報の他方は、属性情報送信部11bの属性情報送信部ID「2」、接続時刻「11:10」に、照明装置9の設備ID「4」が対応付けられたものとなる。これらの関連付け管理情報は、それぞれ、第4記憶部35の上から3段目と4段目とに記憶される。
【0052】
次に、12時00分に、属性情報送信部11c近傍の監視対象10の位置を把握する場合を説明する。この場合、存在位置管理情報は、Wエリア3の位置ID「3」に、属性情報送信部11cの属性情報送信部ID「3」と接続時刻「12:00」とが対応付けられたものとなる。この存在位置管理情報は、第3記憶部33の上から3段目に記憶される。
【0053】
その結果、関連付け管理情報の一方は、属性情報送信部11cの属性情報送信部ID「3」、接続時刻「12:00」に、空調装置8の設備ID「2」が対応付けられたものとなる。関連付け管理情報の他方は、属性情報送信部11cの属性情報送信部ID「3」、接続時刻「12:00」に、照明装置9の設備ID「4」が対応付けられたものとなる。これらの関連付け管理情報は、それぞれ、第4記憶部35の上から5段目と6段目とに記憶される。
【0054】
以上で説明した実施の形態1によれば、既知の位置に既知の大きさを持つ既知のエリアを設定し、無線標識の使用や電波の到着時刻・強度の分析をすることなく、エリア内に存在する監視対象10を検知する。また、互いに同じエリア内にある属性情報送信部11a等と環境調整機器4等の属性情報が対応付けられる。このため、簡単かつ安価な構成で、煩雑な作業となる監視対象10と環境調整機器4等との関連付けを不要とすることができる。これにより、監視対象10近傍の環境調整機器4等を容易に把握することができる。
【0055】
さらに、属性情報送信部11a等と環境調整機器4等の属性情報との対応付けは、属性情報送信部11a等の位置の検出時刻と対応付けられる。このため、属性情報送信部11a等が監視対象10の移動に追従して移動するタグ等であれば、監視対象10の移動を把握することができる。
【0056】
加えて、属性情報送信部11a等の操作部19が操作されていない場合は、属性情報送信部生成情報の送信は停止される。そして、属性情報送信部11a等の操作部19が操作された場合は、属性情報送信部生成情報が送信される。このため、属性情報送信部11a等が監視対象10の移動に追従して移動するタグ等である場合、不要な存在位置管理情報の記憶を防止することができる。
【0057】
また、属性情報送信部11a等には、属性情報送信部生成情報を送信中である旨が表示される。さらに、属性情報受信部12a等には、属性情報送信部生成情報を受信中である旨や属性情報受信部生成情報を送信中である旨が表示される。このため、属性情報送信部11a等の操作者は、属性情報送信部11a等や属性情報受信部12a等の動作状態を確認することができる。
【0058】
なお、実施の形態1においては、属性情報受信部12a、12bの各々で時刻を管理していた。しかしながら、存在位置管理部14で時刻を管理してもよい。この場合、属性情報受信部12a、12bの各々に複数の時刻管理部24を設ける必要がなくなり、安価なシステムを構成することができる。
【0059】
実施の形態2.
図3はこの発明の実施の形態2における存在位置検出システムの構成図である。なお、実施の形態1と同一又は相当部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0060】
実施の形態1においては、同じエリア内の空調装置5等と照明装置6等とに近接して、1つの属性情報受信部12a等が設けられていた。一方、実施の形態2においては、同じエリア内の空調装置39と照明装置40とに対し、それぞれ、1つの属性情報受信部41が近接して設けられている。
【0061】
なお、本実施の形態においては、監視対象10の各々に近接して、属性情報送信部11d〜11iが設けられる。本実施の形態においても、監視対象10近傍の属性情報送信部11d等を操作すれば、監視対象10の位置が把握される。また、監視対象10に対し、空調装置39や照明装置40が対応付けられる。
【0062】
以上で説明した実施の形態2によれば、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。また、同じエリア内の空調装置39と照明装置40の一方に対応付けられた属性情報受信部41が故障しても、空調装置39と照明装置40の他方を利用して、監視対象10の位置を把握することができる。
【0063】
実施の形態3.
図4はこの発明の実施の形態3における存在位置検出システムの概要を説明するためのブロック図である。なお、実施の形態1と同一又は相当部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0064】
実施の形態1においては、属性情報送信部11a等により送信された属性情報送信部生成情報が1つの属性情報受信部12a等に受信される場合について説明した。一方、実施の形態3においては、属性情報送信部11jにより送信された属性情報送信部生成情報が隣接した2つの属性情報受信部12b、12cに受信される場合について説明する。
【0065】
図4に示すように、実施の形態3においては、属性情報受信部12a、12bの他、属性情報受信部12cも配置される。この属性情報受信部12cは、例えば、A棟第10フロア第1部屋のCWエリア(図示せず)に設けられる。このCWエリアは、実施の形態1のWエリア3と隣接している。
【0066】
図4においては、属性情報送信部11jは、CWエリアとWエリア3との境界に配置される。このため、属性情報送信部11jにより送信された属性情報送信部生成情報は、属性情報受信部12b、12cの双方に受信される。この場合、存在位置管理部14は、CWエリアとWエリア3内の環境調整機器(図示せず)の設備IDに、属性情報送信部11jにより送信された属性情報送信部IDを対応付ける。
【0067】
以上で説明した実施の形態3によれば、監視対象(図示せず)近傍で隣接した複数のエリアの環境調整機器を把握することができる。このため、適切に環境調整を行うことができる。
【0068】
なお、実施の形態3においては、2つのエリアが隣接していた。しかしながら、隣接したエリアを2つに限定する必要はない。例えば、CWエリアとEエリアとの双方に隣接する他のエリアがあれば、監視対象近傍で隣接した3つのエリアの環境調整機器を把握することができる。
【符号の説明】
【0069】
1 部屋、 2 Eエリア、 3 Wエリア、 4 環境調整機器、 5 空調装置、
6 照明装置、 7 環境調整機器、 8 空調装置、 9 照明装置、
10 監視対象、 11a〜11j 属性情報送信部、
12a〜12d 属性情報受信部、 13 通信路 14 存在位置管理部、
15 通信路、 16 センサ装置、 17 コントローラ、 18 記憶部、
19 操作部、 20 送信情報生成部、 21 送信部、 22 表示部、
23 記憶部、 24 時刻管理部、 25 受信部、 26 送信情報生成部、
27 送信部、 28 表示部、 29 第1記憶部、 30 第2記憶部、
31 受信部、 32 存在位置決定部、 33 第3記憶部、
34 関連付け決定部、 35 第4記憶部、 36 時刻同期部、
37 属性情報送信部生成情報、 38 属性情報受信部生成情報、 39 空調装置、40 照明装置、 41 属性情報受信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視領域内の監視対象の近傍から、送信側属性情報を送信する属性情報送信部と、
前記監視領域内で互いに異なる領域の各々に設けられた属性情報受信部と、
前記送信側属性情報を受信した属性情報受信部が設けられた領域内の環境調整機器の機器側属性情報に、前記送信側属性情報を対応付ける存在位置管理部と、
を備えたことを特徴とする存在位置検出システム。
【請求項2】
前記存在位置管理部は、隣接した属性情報受信部が前記送信側属性情報を受信した場合は、前記隣接した属性情報受信部の各々が設けられた領域内の環境調整機器の機器側属性情報に、前記送信側属性情報を対応付ける
ことを特徴とする請求項1記載の存在位置検出システム。
【請求項3】
前記存在位置管理部は、前記送信側属性情報を受信した属性情報受信部の位置に基づいて、前記属性情報送信部の位置を検出し、前記機器側属性情報と前記送信側属性情報との対応付けに、前記属性情報送信部の位置の検出時刻を対応付ける
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の存在位置検出システム。
【請求項4】
前記属性情報送信部は、
前記送信側属性情報を送信させるための操作部、
を備え、
前記操作部が操作されていない場合は、前記送信側属性情報の送信を停止し、
前記操作部が操作された場合は、前記送信側属性情報を送信する
ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の存在位置検出システム。
【請求項5】
前記属性情報送信部は、前記送信側属性情報を送信中である旨を表示する
ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の存在位置検出システム。
【請求項6】
前記属性情報受信部は、前記属性情報送信部から前記送信側属性情報を受信中である旨及び前記存在位置管理部へ前記送信側属性情報を送信中である旨の少なくとも一方を表示する
ことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の存在位置検出システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−21661(P2012−21661A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−157733(P2010−157733)
【出願日】平成22年7月12日(2010.7.12)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】