説明

安全制御装置および方法、並びに、プログラム

【課題】充電用のケーブルが接続されている電気自動車を安全かつ迅速に発進させる。
【解決手段】ケーブル接続検出センサ161は、電気自動車の充電に用いられる充電ケーブルの接続状態を検出し、接続状態を示す接続信号をコンピュータ164に供給する。コンピュータ164は、接続信号、および、電気自動車の駆動系165からの情報に基づいて、充電ケーブルが接続されたまま電気自動車が発進しようとした場合、充電ケーブルを電気自動車から分離するように充電コネクタ166の状態を制御する。本発明は、例えば、電気自動車の安全制御装置に適用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安全制御装置および方法、並びに、プログラムに関し、特に、電気自動車の安全制御装置および方法、並びに、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気自動車の車両側コネクタと電源側コネクタとが接続されている場合、車両を駆動するモータの制御を中止し、充電中の車両の誤発進を防止することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平7−46711号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、電気自動車の車両側コネクタと電源側コネクタとが接続されている場合に、車両を駆動するモータの制御を中止するようにしたとき、例えば、災害時などの緊急時に、すぐに車両を発進させることができないといった弊害を招く恐れがある。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、充電用のケーブルが接続されている電気自動車を安全かつ迅速に発進させることができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面の安全制御装置は、電気自動車と電源とを接続する充電用のケーブルの接続状態を検出する検出手段と、電気自動車にケーブルが接続されたまま電気自動車が発進しようとした場合、ケーブルを電気自動車から分離するように制御する分離制御手段とを含む。
【0007】
本発明の一側面の安全制御装置においては、電気自動車と電源とを接続する充電用のケーブルの接続状態が検出され、電気自動車にケーブルが接続されたまま電気自動車が発進しようとした場合、ケーブルが電気自動車から分離される。
【0008】
従って、充電用のケーブルが接続されている電気自動車を安全かつ迅速に発進させることができる。また、充電用のケーブルによる事故を防止することができる。
【0009】
この検出手段は、例えば、接点式、光学式、電波式などのセンサにより構成され、分離制御手段は、例えば、CPUまたはECU(Electronic control unit)により構成される。
【0010】
この安全制御装置には、電気自動車にケーブルが接続されている場合に電気自動車の発進を禁止するように制御する発進制御手段をさらに設け、分離制御手段には、所定の指令が入力されたとき、ケーブルを電気自動車から分離するように制御させることができる。
【0011】
これにより、電気自動車に乗り込んでから、充電用のケーブルを強制的に電気自動車から分離し、電気自動車を迅速に発進させることが可能になる。
【0012】
この発進制御手段は、例えば、CPU、ECU(Electronic control unit)、または、ECU(Engine Control Unit)により構成される。
【0013】
この安全制御装置には、電気自動車に乗車するための動作を検出する乗車検出手段と、ケーブルが電気自動車に接続されている場合に、電気自動車に乗車するための動作が検出されたとき、電気自動車にケーブルが接続されていることを通知する通知手段とをさらに設けることができる。
【0014】
これにより、電気自動車に乗り込む前に、充電用のケーブルが接続されていることに気付くことができる。
【0015】
本発明の一側面の安全制御方法は、電気自動車と電源とを接続する充電用のケーブルの接続状態を検出する検出ステップと、電気自動車にケーブルが接続されたまま電気自動車が発進しようとした場合、ケーブルを電気自動車から分離する分離ステップとを含む。
【0016】
本発明の一側面の安全制御方法においては、電気自動車と電源とを接続する充電用のケーブルの接続状態が検出され、電気自動車にケーブルが接続されたまま電気自動車が発進しようとした場合、ケーブルが電気自動車から分離される。
【0017】
従って、充電用のケーブルが接続されている電気自動車を安全かつ迅速に発進させることができる。また、充電用のケーブルによる事故を防止することができる。
【0018】
この検出ステップは、例えば、電気自動車と電源とを接続する充電用のケーブルの接続状態を接点式、光学式、電波式などのセンサにより検出する検出ステップにより構成され、この分離ステップは、例えば、電気自動車にケーブルが接続されたまま電気自動車が発進しようとした場合、CPUまたはECUの制御によりケーブルを電気自動車から分離する分離ステップにより構成される。
【0019】
本発明の一側面のプログラムは、電気自動車と電源とを接続する充電用のケーブルの接続状態を検出する検出ステップと、前記電気自動車に前記ケーブルが接続されたまま前記電気自動車が発進しようとした場合、前記ケーブルを前記電気自動車から分離するように制御する分離制御ステップとを含む処理をコンピュータに実行させる。
【0020】
本発明の一側面のプログラムにおいては、電気自動車と電源とを接続する充電用のケーブルの接続状態が検出され、電気自動車にケーブルが接続されたまま電気自動車が発進しようとした場合、ケーブルが電気自動車から分離される。
【0021】
従って、充電用のケーブルが接続されている電気自動車を安全かつ迅速に発進させることができる。また、充電用のケーブルによる事故を防止することができる。
【0022】
この検出ステップは、例えば、電気自動車と電源とを接続する充電用のケーブルの接続状態をCPUまたはECUにより検出する検出ステップにより構成され、この分離ステップは、例えば、電気自動車にケーブルが接続されたまま電気自動車が発進しようとした場合、CPUまたはECUによりケーブルを電気自動車から分離するように制御する分離制御ステップにより構成される。
【発明の効果】
【0023】
本発明の一側面によれば、充電用のケーブルが接続されている電気自動車を安全かつ迅速に発進させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0025】
図1は、本発明を適用した安全制御システムの第1の実施の形態を示すブロック図である。図1の安全制御システム1は、電気自動車に設置され、その電気自動車(以下、自車とも称する)が充電用のケーブルが接続されたまま走行しないように制御するシステムである。安全制御システム1は、ケーブル接続検出部11、入力部12、乗車検出部13、駆動制御部14、駆動部15、分離制御部16、接続部17、通知制御部18、および、通知部19を含むように構成される。
【0026】
ケーブル接続検出部11は、充電用のケーブル(以下、充電ケーブルと称する)が自車の充電用のコネクタ(以下、充電コネクタと称する)に接続されているか否か、自車に接続されている充電ケーブルの一端が電源のコネクタに接続されているか否かなど、充電ケーブルの接続状態を検出する。ケーブル接続検出部11は、検出した充電ケーブルの接続状態を駆動制御部14、分離制御部16、および、通知制御部18に通知する。
【0027】
入力部12は、火災などの緊急時などにおいて、充電ケーブルの接続中に自車を強制的に発進させるための指令(以下、強制発進指令と称する)を入力するために用いられる。入力部12は、入力された強制発信指令を駆動制御部14および分離制御部16に供給する。
【0028】
乗車検出部13は、自車に人が乗車するための動作を検出し、自車に人が乗車するための動作が行われたことを通知制御部18に通知する。なお、乗車検出部13が検出する動作としては、例えば、外部からドアロックを解錠したり、外部からドアノブを操作したり、ドアを開けたりする動作などが想定される。
【0029】
駆動制御部14は、充電ケーブルの接続状態および強制発進指令に基づいて、モータなど自車の駆動系を構成する駆動部15を制御し、自車の発進を許可したり、禁止したりする。
【0030】
分離制御部16は、強制発進指令が入力された場合、自車から充電ケーブルを分離するように、充電ケーブルが接続される接続部17の状態を制御する。
【0031】
通知制御部18は、充電ケーブルが接続されたまま自車に人が乗車しようとした場合に、充電ケーブルが接続されていることを通知するように、例えば、表示装置、警報装置、ランプなどから構成される通知部19を制御する。
【0032】
図2は、図1の安全制御システム1の具体的なハードウエア構成の例を示すブロック図である。図2の安全制御システム51は、ケーブル接続検出センサ61、強制発信スイッチ62、リモートキー63、コンピュータ64、駆動系65、充電コネクタ66、非常点滅表示灯67、および、警報装置68を含むように構成される。
【0033】
ケーブル接続検出センサ61は、図1のケーブル接続検出部11に対応し、充電ケーブルの接続状態を検出し、接続状態を示す信号(以下、接続信号と称する)をコンピュータ64に供給する。ケーブル接続検出センサ61には、例えば、接点式、光学式、電波式などのセンサが用いられる。
【0034】
強制発進スイッチ62は、図1の入力部12に対応し、強制発進指令を入力するために用いられるスイッチであり、運転者が運転席から操作できるように、運転席の周辺に設けられる。強制発進スイッチ62は、入力された強制発信指令をコンピュータ64に供給する。
【0035】
リモートキー63は、自車のドアロックの解錠の指令を入力するためのキーである。リモートキー63を介して入力されたドアロックの解錠の指令は、ドアロックの解錠を制御する装置に供給されるとともに、コンピュータ64にも供給される。
【0036】
コンピュータ64は、所定のプログラムを実行することにより、図1の乗車検出部13、駆動制御部14、分離制御部16、および、通知制御部18に対応する機能を実現する。
【0037】
駆動系65は、図1の駆動部15に対応し、自車を駆動するモータ、モータに電力を供給する車載バッテリ、車載バッテリからモータへの電力の供給および停止の切り替えを行うスイッチ(以下、電力供給スイッチと称する)などにより構成される。駆動系65は、コンピュータ64の制御の基に、電力供給スイッチをオンまたはオフすることにより、自車の発進を許可したり、禁止したりする。
【0038】
充電コネクタ66は、図1の接続部17に対応し、充電ケーブルが接続される。充電コネクタ66は、コンピュータ64の制御の基に、充電ケーブルを分離することが可能である。
【0039】
非常点滅表示灯67および警報装置68は、図1の通知部19に対応する。非常点滅表示灯67(いわゆるハザードランプ)は、充電ケーブルが接続されたまま自車に人が乗車しようとした場合に、コンピュータ64の制御の基に点滅する。また、警報装置68は、充電ケーブルが接続されたまま自車に人が乗車しようとした場合に、コンピュータ64の制御の基に、充電ケーブルが接続されていることを通知するための警報を鳴らす。
【0040】
次に、図3のフローチャートを参照して、安全制御システム51により実行される安全制御処理について説明する。
【0041】
ステップS1において、コンピュータ64は、ケーブル接続検出センサ61からの接続信号に基づいて、充電ケーブルが接続されたかを判定する。充電ケーブルが接続されたと判定された場合、より詳細には、充電コネクタ66に充電ケーブルが接続されたと判定された場合、処理はステップS2に進む。
【0042】
ステップS2において、コンピュータ64は、発進を禁止する。すなわち、コンピュータ64は、車載用バッテリからモータに電力が供給されないように駆動系65の電力供給スイッチをオフにし、自車の発進を禁止する。その後、処理はステップS5に進む。
【0043】
一方、ステップS1において、充電ケーブルが接続されていないと判定された場合、処理はステップS3に進む。
【0044】
ステップS3において、コンピュータ64は、ケーブル接続検出センサ61からの接続信号に基づいて、充電ケーブルが分離されたかを判定する。充電ケーブルが分離されたと判定された場合、より詳細には、充電コネクタ66から充電ケーブルが分離されたと判定された場合、処理はステップS4に進む。
【0045】
ステップS4において、コンピュータ64は、発進の禁止を解除する。すなわち、コンピュータ64は、車載用バッテリからモータに電力が供給されるように駆動系65の電力供給スイッチをオンにし、自車の発進の禁止を解除する。その後、処理はステップS5に進む。
【0046】
一方、ステップS3において、充電ケーブルが分離されていないと判定された場合、ステップS3の処理はスキップされ、処理はステップS5に進む。
【0047】
ステップS5において、コンピュータ64は、リモートキー63からのドアロックの解錠の指令の入力の有無に基づいて、ドアロックが解錠されたかを判定する。ドアロックが解錠されたと判定された場合、処理はステップS6に進む。
【0048】
ステップS6において、コンピュータ64は、ケーブル接続検出センサ61からの接続信号に基づいて、充電ケーブルを接続中であるか判定する。充電ケーブルを接続中であると判定された場合、より詳細には、充電コネクタ66に充電ケーブルが接続されていると判定された場合、処理はステップS7に進む。
【0049】
ステップS7において、コンピュータ64は、充電ケーブルが接続されていることを通知する。例えば、コンピュータ64は、非常点滅表示灯67を点滅させたり、警報装置68を鳴らしたりすることにより、充電ケーブルが自車に接続されていることを通知し、注意を促す。このとき、例えば、非常点滅表示灯67の点滅と、警報装置68の警報音を同期させるようにしてもよい。その後、処理はステップS8に進む。
【0050】
なお、充電ケーブルが接続されていることを通知する方法は、上述した方法に限定されるものではなく、例えば、所定のメッセージを表示したり、音声メッセージを出力したり、リモートキー63を振動させたりする方法などが考えられる。
【0051】
一方、ステップS6において、充電ケーブルを接続中でないと判定された場合、ステップS7の処理はスキップされ、処理はステップS8に進む。
【0052】
また、ステップS5において、ドアロックが解錠されていないと判定された場合、ステップS6およびS7の処理はスキップされ、処理はステップS8に進む。
【0053】
ステップS8において、コンピュータ64は、強制発進スイッチ62からの強制発進指令の入力の有無に基づいて、強制発信指令が入力されたかを判定する。強制発信指令が入力されたと判定された場合、処理はステップS9に進む。
【0054】
ステップS9において、ステップS6の処理と同様に、充電ケーブルを接続中であるかが判定され、充電ケーブルを接続中であると判定された場合、処理はステップS10に進む。
【0055】
ステップS10において、コンピュータ64は、充電ケーブルを分離する。すなわち、コンピュータ64は、充電コネクタ66を制御して、充電コネクタ66から充電ケーブルを取り外すことにより、自車の車体から充電ケーブルを分離する。
【0056】
ステップS11において、ステップS4の処理と同様に、発進の禁止が解除され、その後、処理はステップS1に戻り、上述したステップS1以降の処理が実行される。
【0057】
一方、ステップS8において、強制発信指令が入力されていないと判定された場合、または、ステップS9において、充電ケーブルを接続中でないと判定された場合、処理はステップS1に戻り、上述したステップS1以降の処理が実行される。
【0058】
このようにして、充電ケーブルが接続されたまま自車に乗り込もうとした場合に、自車に充電ケーブルが接続されていることが通知され、搭乗者が、自車に乗り込む前に、充電ケーブルが接続されていることに気付くことができる。これにより、例えば、自車にいったん乗り込んだ後、充電ケーブルが接続されていることに気付き、充電ケーブルを取り外すために車外に出るといった煩わしい作業から、搭乗者を解放することができる。
【0059】
また、充電ケーブルが接続されたまま自車が走行し、充電ケーブルによる事故が発生することが防止されるとともに、緊急時には、自車に乗り込んでから、充電ケーブルを強制的に自車から分離し、自車を迅速に発進させることが可能になる。
【0060】
次に、図4乃至図6を参照して、本発明を適用した安全制御システムの第2の実施の形態について説明する。なお、本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態と比較して、強制発信指令が入力されなくても、自車が充電ケーブルを接続したまま発進しようとした場合に、自車から充電ケーブルを分離するようにしたものである。
【0061】
図4は、本発明を適用した安全制御システムの第2の実施の形態を示すブロック図である。図4の安全制御システム101は、ケーブル接続検出部111、乗車検出部113、駆動制御部114、駆動部115、分離制御部116、接続部117、通知制御部118、および、通知部119を含むように構成される。なお、図中、図1と対応する部分については下2桁が同じ符号を付してあり、処理が同じ部分に関しては、その説明は繰り返しになるので省略する。
【0062】
分離制御部116は、図1の分離制御部16の機能に加えて、ケーブル接続検出部111および駆動部115からの情報に基づいて、自車が充電ケーブルを接続したまま発進しようとした場合に、自車から充電ケーブルを分離するように、接続部117の状態を制御する。
【0063】
図5は、図4の安全システム101の具体的なハードウエア構成の例を示すブロック図である。図5の安全制御システム151は、ケーブル接続検出センサ161、リモートキー163、コンピュータ164、駆動系165、充電コネクタ166、非常点滅表示灯167、および、警報装置168を含むように構成される。なお、図中、図2と対応する部分については下2桁が同じ符号を付してあり、処理が同じ部分に関しては、その説明は繰り返しになるので省略する。
【0064】
コンピュータ164は、図2のコンピュータ64の機能に加えて、ケーブル接続検出センサ161および駆動系165からの情報に基づいて、自車が充電ケーブルを接続したまま発進しようとした場合に、自車から充電ケーブルを分離するように、充電コネクタ166の状態を制御する。
【0065】
次に、図6のフローチャートを参照して、安全制御システム151により実行される安全制御処理について説明する。
【0066】
ステップS31において、図3のステップS5の処理と同様に、ドアロックが解錠されたかが判定され、ドアロックが解錠されたと判定された場合、処理はステップS32に進む。
【0067】
ステップS32において、図3のステップS6の処理と同様に、充電ケーブルを接続中であるかが判定され、充電ケーブルを接続中であると判定された場合、処理はステップS33に進む。
【0068】
ステップS33において、図3のステップS7の処理と同様に、充電ケーブルが接続されていることが通知され、処理はステップS34に進む。
【0069】
一方、ステップS32において、充電ケーブルを接続中でないと判定された場合、ステップS33の処理はスキップされ、処理はステップS34に進む。
【0070】
また、ステップS31において、ドアロックが解錠されていないと判定された場合、ステップS32および33の処理はスキップされ、処理はステップS34に進む。
【0071】
ステップS34において、コンピュータ164は、駆動系165からの情報に基づいて、自車が発進しようとしたかを判定する。例えば、コンピュータ164は、駆動系165から自車のエンジンが始動したことが通知された場合、または、自車のエンジンの始動後に、駆動系165を構成するアクセルセンサからの情報に基づいて、アクセルペダルが踏み込まれたことを検出した場合、自車が発進しようとしたと判定し、処理はステップS35に進む。
【0072】
ステップS35において、図3のステップS6の処理と同様に、充電ケーブルを接続中であるかが判定され、充電ケーブルを接続中であると判定された場合、すなわち、充電ケーブルが接続されたまま自車が発進しようとした場合、処理はステップS36に進む。
【0073】
ステップS36において、図3のステップS10の処理と同様に、充電ケーブルが自車から分離される。
【0074】
ステップS37において、コンピュータ164は、充電ケーブルを分離したことを通知する。例えば、コンピュータ64は、警報装置68を鳴らすことにより、充電ケーブルを自車から分離したことを通知する。
【0075】
なお、充電ケーブルを分離したことを通知する方法は、上述した方法に限定されるものではなく、例えば、所定のメッセージを表示したり、音声メッセージを出力したり、ステアリングホイールを振動させたりする方法などが考えられる。
【0076】
その後、処理はステップS31に戻り、上述したステップS31以降の処理が実行される。
【0077】
一方、ステップS34において、発進しようとしていないと判定された場合、または、ステップS35において、充電ケーブルを接続中でないと判定された場合、処理はステップS31に戻り、上述したステップS31以降の処理が実行される。
【0078】
このようにして、充電ケーブルが接続されたまま自車が発進しようとした場合、特別な操作をすることなく、自車から充電ケーブルが分離され、充電ケーブルによる事故が発生することが防止される。また、充電ケーブルを自車から分離したことが通知されるので、充電ケーブルが接続されていることに気付かずに、うっかり自車を発進させ、そのまま充電ケーブルを置き忘れてしまうことが防止される。
【0079】
なお、図3および図6のフローチャートにおいては、ドアロックの解錠が検出されたときに、充電ケーブルを接続中であることを通知する例を示したが、例えば、カメラにより撮影された画像や各種のセンサを用いて、外部からドアノブを操作したり、ドアを開けたりするなど、自車に乗り込むための他の動作が検出されたときに、充電ケーブルを接続中であることを通知するようにしてもよい。
【0080】
また、自車の発進を禁止する方法は、上述した例に限定されるものではなく、例えば、アクセルペダルを踏み込めないようにしたり、AT(オートマチックトランスミッション)車の場合、シフトレバーをパーキングの位置から移動できないようにシフトロックしたりするようにしてもよい。
【0081】
さらに、本発明の第2の実施の形態において、充電ケーブルを接続したまま自車を発進させようとした場合に、充電ケーブルを分離する前に、充電ケーブルが接続されていることを通知するようにしてもよい。
【0082】
また、充電ケーブルの接続中に、インストルメントパネルなどに充電ケーブルが接続されていることを表示するようにしてもよい。
【0083】
さらに、本発明の第1の実施の形態においては、強制発進スイッチ62を照光式にして、充電ケーブルの接続中に、強制発進スイッチ62を点灯または点滅するようにしてもよい。
【0084】
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行することもできるし、ソフトウエアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行する場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、例えば、プログラム記録媒体などからインストールされる。
【0085】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0086】
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置、手段などより構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0087】
さらに、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明を適用した安全制御システムの第1の実施の形態を示すブロック図である。
【図2】図1の安全制御システムの具体的なハードウエア構成の例を示すブロック図である。
【図3】図2の安全制御システムにより実行される安全制御処理について説明するフローチャートである。
【図4】本発明を適用した安全制御システムの第2の実施の形態を示すブロック図である。
【図5】図4の安全制御システムの具体的なハードウエア構成の例を示すブロック図である。
【図6】図5の安全制御システムにより実行される安全制御処理について説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0089】
1 安全制御システム
11 ケーブル接続検出部
12 入力部
13 乗車検出部
14 駆動制御部
15 駆動部
16 分離制御部
17 接続部
18 通知制御部
19 通知部
51 安全制御システム
61 ケーブル接続検出センサ
62 強制発進スイッチ
63 リモートキー
64 コンピュータ
65 駆動系
66 充電コネクタ
67 非常点滅表示灯
68 警報装置
101 安全制御システム
111 ケーブル接続検出部
113 乗車検出部
114 駆動制御部
115 駆動部
116 分離制御部
117 接続部
118 通知制御部
119 通知部
151 安全制御システム
161 ケーブル接続検出センサ
163 リモートキー
164 コンピュータ
165 駆動系
166 充電コネクタ
167 非常点滅表示灯
168 警報装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気自動車の安全制御装置において、
前記電気自動車と電源とを接続する充電用のケーブルの接続状態を検出する検出手段と、
前記電気自動車に前記ケーブルが接続されたまま前記電気自動車が発進しようとした場合、前記ケーブルを前記電気自動車から分離するように制御する分離制御手段と
を含む安全制御装置。
【請求項2】
前記電気自動車に前記ケーブルが接続されている場合に前記電気自動車の発進を禁止するように制御する発進制御手段を
さらに含み、
前記分離制御手段は、所定の指令が入力されたとき、前記ケーブルを前記電気自動車から分離するように制御する
請求項1に記載の安全制御装置。
【請求項3】
前記電気自動車に乗車するための動作を検出する乗車検出手段と、
前記ケーブルが前記電気自動車に接続されている場合に、前記電気自動車に乗車するための動作が検出されたとき、前記電気自動車に前記ケーブルが接続されていることを通知する通知手段と
をさらに含む請求項1に記載の安全制御装置。
【請求項4】
電気自動車の安全制御装置の安全制御方法において、
前記電気自動車と電源とを接続する充電用のケーブルの接続状態を検出する検出ステップと、
前記電気自動車に前記ケーブルが接続されたまま前記電気自動車が発進しようとした場合、前記ケーブルを前記電気自動車から分離する分離ステップと
を含む安全制御方法。
【請求項5】
電気自動車と電源とを接続する充電用のケーブルの接続状態を検出する検出ステップと、
前記電気自動車に前記ケーブルが接続されたまま前記電気自動車が発進しようとした場合、前記ケーブルを前記電気自動車から分離するように制御する分離制御ステップと
を含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−136494(P2010−136494A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−308562(P2008−308562)
【出願日】平成20年12月3日(2008.12.3)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】