説明

安全点検管理システム及び識別コード付着装置

【課題】点検ミスの発生を効果的に抑制することができるようにする。
【解決手段】安全点検箇所の点検対象機器が稼動可能な状態にある場合に識別コードが読み取り不能に構成されると共に、点検対象機器が稼動不可能な状態にある場合に識別コードが読み取り可能に構成された識別コード付着装置12、識別コード付着装置12に付与された識別コードを読み取る情報読取部を有する点検端末装置14、及び、点検端末装置14の情報読取部により識別コードを読み取ることで得られた識別情報に基づき点検結果の管理を行う点検管理装置16を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の安全点検箇所の点検結果の管理を行う安全点検管理システム及び安全点検管理システムに適用される識別コード付着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デパートやスーパーなどの大型商業施設内に設置されている電源コンセントやガス遮断弁などの安全点検の実施が必要な箇所(安全点検箇所)に付与されているバーコードなどの識別コードを各テナントの点検管理者の帰宅時などにバーコードリーダなどの識別コード読取装置で読み取り、その読み取った識別情報に基づいて防災センターなどに配設されているパーソナルコンピュータなどから構成された点検管理装置によりデータ処理を行い、その処理結果をディスプレイや記録紙などに一覧表示させるなどして各テナントの点検結果を集中的に管理するようにした安全点検管理システムが提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
このような安全点検管理システムでは、安全点検箇所に付与されている識別コードを識別コード読取装置で読み取ることで点検作業を行うことから点検作業の容易化と迅速化とを図ることができるという利点を有している。なお、各テナントの点検管理者の帰宅時などに他の勤務者が執務中や作業中であるなどの理由で、電源プラグが電源コンセントに差し込まれた状態で電気器具などの点検対象機器が稼働可能な状態におかれている場合やガス遮断弁が開かれた状態でガス器具などの点検対象機器が稼働可能な状態におかれている場合には、その旨を示すコメント情報が識別コードの読み取りに併せて識別コード読取装置により入力されることになる。
【特許文献1】特開2002−298272号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の安全点検管理システムでは、点検作業の容易化と迅速化とを図ることができるとはいうものの、勤務者が執務中や作業中などであることにより電源プラグが電源コンセントに差し込まれた状態で電気器具などの点検対象機器が稼働可能な状態におかれている場合やガス遮断弁が開かれた状態でガス器具などの点検対象機器が稼働可能な状態におかれている場合であっても、電源プラグの抜き差し状態やガス遮断弁の開閉状態に関係なく識別コードの読み取りが可能であることから、識別コードを読み取っただけでコメント入力を忘れるなどした場合は安全点検作業が終了したことになってしまい、単にドアの施錠などの点検を行う場合とは異なって火災発生などの重大事故につながる点検ミスになるという問題があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、点検ミスの発生を効果的に抑制することができる安全点検管理システム及び当該システムに適用される識別コード付着装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、安全点検箇所に対応して付与された識別コードを読み取ることにより点検を行い、その点検結果の管理を行う安全点検管理システムであって、安全点検箇所の点検対象機器が稼動可能な状態にある場合に前記識別コードが読み取り不能に構成されると共に、前記点検対象機器が稼動不可能な状態にある場合に前記識別コードが読み取り可能に構成された識別コード付着装置と、この識別コード付着装置に付与された識別コードを読み取る情報読取部を有する点検端末装置と、この点検端末装置の情報読取部により前記識別コードを読み取ることで得られた識別情報に基づき点検結果の管理を行う点検管理装置とを備えたことを特徴としている。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に係るものにおいて、前記識別コード付着装置が、電源コンセントと、この電源コンセントの周辺に付与される識別コードを覆う位置に遮蔽板を移動させて識別コードを読み取り不能にすると共に、前記遮蔽板を前記識別コードを露出させる位置に移動させて識別コードを読み取り可能にする遮蔽部材とを備えたもので、前記遮蔽板を識別コードを覆う位置に移動させることで前記電源コンセントへの電源プラグの差し込みを可能にすると共に、前記遮蔽板を識別コードを露出させる位置に移動させることで前記電源コンセントへの電源プラグの差し込みを不能にするものであることを特徴としている。
【0008】
請求項3の発明は、請求項2に係るものにおいて、前記電源コンセントが、識別コードが付与されるプレート状のカバーが嵌合されたものであり、前記遮蔽部材が、前記カバーの端部に固定された支持板を備え、前記遮蔽板を前記識別コードを覆う位置と露出させる位置との間で回動可能となるように前記支持板に支持するものであることを特徴としている。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1に係るものにおいて、前記識別コード付着装置が、識別コードが付与される基板と、この基板に対し前記識別コードを覆う位置に配設され、光透過度を調節することで透視状態と不透視状態とに切り替え可能な調光ガラスとを備えたもので、前記点検対象機器が稼動可能な状態にある場合に前記調光ガラスを不透視状態にすることで識別コードを読み取り不能にし、前記点検対象機器が稼動不可能な状態にある場合に前記調光ガラスを透視状態にすることで識別コードを読み取り可能にするものであることを特徴としている。
【0010】
請求項5の発明は、請求項4に係るものにおいて、前記調光ガラスが、内面に透明導電膜を配設した2枚の板ガラスの間に液晶が充填されて構成されたものであり、前記2枚の板ガラスの透明導電膜間に電圧が印加された場合に前記液晶の分子配列が光を透過させる状態となることで透視状態となり、前記2枚の板ガラスの透明導電膜間に電圧が印加されない場合に前記液晶の分子配列が光を透過させない状態となることで不透視状態となるものであることを特徴としている。
【0011】
請求項6の発明は、請求項1乃至5の何れかに係るものにおいて、前記点検端末装置が、前記情報読取部により前記識別コードを読み取ることで得られた識別情報を前記点検管理装置に送信する送信部を備え、前記点検管理装置が、前記点検端末装置から送信されてきた識別情報を受信する受信部と、前記点検端末装置から送信されてきた識別情報に基づき所定の点検作業が終了したか否かを判別する点検判別部と、この点検判別部での判別結果に応じたメッセージが記憶されているメッセージ記憶部と、このメッセージ記憶部から前記判別結果に応じたメッセージを読み出すメッセージ読出部と、このメッセージ読出部で読み出されたメッセージを含む点検結果を記録紙にプリントするプリンタとを備えたことを特徴としている。
【0012】
請求項7の発明は、請求項6に係るものにおいて、前記点検端末装置の情報読取部が、当該点検端末装置のオペレータの個人コードを読み取るものであり、前記点検端末装置の送信部が、前記情報読取部により前記個人コードを読み取ることで得られた個人情報を前記点検管理装置に送信するものであり、前記点検管理装置の受信部が、前記点検端末装置から送信されてきた個人情報を受信するものであり、前記点検管理装置のプリンタが、受信した個人情報を含む点検結果を記録紙に記録するものであることを特徴としている。
【0013】
請求項8の発明は、請求項7に係るものにおいて、前記点検管理装置が、前記点検端末装置から送信されてきた個人情報が当該点検管理装置に予め登録されている個人情報と一致するか否かを判別する個人判別部と、この個人判別部で一致していると判別された場合に前記点検端末装置から送信される識別情報の受信を可能にし、一致していないと判別された場合に前記点検端末装置から送信される識別情報の受信を不能にする受信制御部とを備えたことを特徴としている。
【0014】
請求項9の発明は、請求項1乃至8の何れかに係るものにおいて、前記点検端末装置が、前記安全点検箇所の点検作業の開始時刻と終了時刻とを取得するためのタイマーと、前記点検作業が予め設定されている点検時間帯に実施されているか否かを判別する点検時刻判別部と、この点検時刻判別部で前記点検作業が前記点検時間帯に実施されていると判別された場合に前記情報読取部により読み取られた前記識別コードの入力情報記憶部への取り込みを可能にし、前記点検作業が前記点検時間帯に実施されていないと判別された場合に前記識別コードの前記入力情報記憶部への取り込みを不能にする読取制御部とを備えたことを特徴としている。
【0015】
請求項10の発明は、請求項9に係るものにおいて、前記点検管理装置が、前記点検端末装置に備わるタイマーの時刻を更新する時刻更新情報を送信する送信部を備え、前記点検端末装置が、前記点検管理装置から送信されてきた時刻更新情報を受信する受信部と、受信した時刻更新情報に基づき時刻を更新する時刻更新部とを備えたことを特徴としている。
【0016】
請求項11の発明は、請求項1乃至9の何れかに係るものにおいて、前記点検管理装置が、前記点検端末装置による点検作業内容を更新する点検更新情報を送信する送信部を備え、前記点検端末装置は、前記点検管理装置から送信されてきた点検更新情報を受信する受信部と、この受信部で受信した点検更新情報に基づき前記点検作業内容の更新を行う点検内容更新部とを備えたことを特徴としている。
【0017】
請求項12の発明は、安全点検箇所に対応して付与された識別コードを読み取ることにより点検を行い、その点検結果の管理を行う安全点検管理システムに適用される識別コード付着装置であって、前記安全点検箇所の点検対象機器が稼動可能な状態にある場合に当該安全点検箇所に対応して付与される識別コードが読み取り不能に構成されると共に、前記点検対象機器が稼動不可能な状態にある場合に前記安全点検箇所に対応して付与される識別コードが読み取り可能に構成されたことを特徴としている。
【0018】
請求項13の発明は、請求項12に係るものにおいて、電源コンセントと、この電源コンセントの周辺に付与される識別コードを覆う位置に遮蔽板を移動させて識別コードを読み取り不能にすると共に、前記遮蔽板を前記識別コードを露出させる位置に移動させて識別コードを読み取り可能にする遮蔽部材とを備えたもので、前記遮蔽板を識別コードを覆う位置に移動させることで前記電源コンセントへの電源プラグの差し込みを可能にすると共に、前記遮蔽板を識別コードを露出させる位置に移動させることで前記電源コンセントへの電源プラグの差し込みを不能にするものであることを特徴としている。
【0019】
請求項14の発明は、請求項13に係るものにおいて、前記電源コンセントが、識別コードが付与されるプレート状のカバーが嵌合されたものであり、前記遮蔽部材が、前記カバーの端部に固定された支持板を備え、前記遮蔽板が前記識別コードを覆う位置と露出させる位置との間で回動可能となるように前記支持板に支持されたものであることを特徴としている。
【0020】
請求項15の発明は、請求項12に係るものにおいて、前記識別コードが付与される基板と、この基板に対し前記識別コードを覆う位置に配設され、光透過度を調節することで透視状態と不透視状態とに切り替え可能な調光ガラスとを備えたもので、前記点検対象機器が稼動可能な状態にある場合に前記調光ガラスを不透視状態にすることで識別コードを読み取り不能にし、前記点検対象機器が稼動不可能な状態にある場合に前記調光ガラスを透視状態にすることで識別コードを読み取り可能にするものであることを特徴としている。
【0021】
請求項16の発明は、請求項15に係るものにおいて、前記調光ガラスが、内面に透明導電膜を配設した2枚の板ガラスの間に液晶が充填されて構成されたものであり、前記2枚の板ガラスの透明導電膜間に電圧が印加された場合に前記液晶の分子配列が光を透過させる状態となることで透視状態となり、前記2枚の板ガラスの透明導電膜間に電圧が印加されない場合に前記液晶の分子配列が光を透過させない状態となることで不透視状態となるものであることを特徴としている。
【発明の効果】
【0022】
請求項1の発明によれば、識別コード付着装置が、安全点検箇所の点検対象機器が稼動可能な状態にある場合に識別コードが読み取り不能に構成されると共に、点検対象機器が稼動不可能な状態にある場合に識別コードが読み取り可能に構成されているので、点検対象機器が稼動不可能な状態にある場合にだけ識別コード付着装置に付与される識別コードを読み取ることができる結果、点検ミスの発生を効果的に抑制することができる。
【0023】
請求項2の発明によれば、識別コード付着装置が、電源コンセントと、この電源コンセントの周辺に付与される識別コードを覆う位置に遮蔽板を移動させて識別コードを読み取り不能にすると共に、遮蔽板を識別コードを露出させる位置に移動させて識別コードを読み取り可能にする遮蔽部材とを備えたものであるので、点検対象機器が稼動不可能な状態にある場合にだけ識別コード付着装置に付与される識別コードを読み取ることができる結果、点検ミスの発生を効果的に抑制することができる。
【0024】
請求項3の発明によれば、電源コンセントが、識別コードが付与されるプレート状のカバーが嵌合されたものであり、遮蔽部材が、カバーの端部に固定された支持板を備え、遮蔽板が識別コードを覆う位置と露出させる位置との間で回動可能となるように支持板に支持されたものであるので、点検対象機器が稼動不可能な状態にある場合にだけ識別コード付着装置に付与される識別コードを読み取ることができる結果、点検ミスの発生を効果的に抑制することができる。
【0025】
請求項4の発明によれば、識別コード付着装置が、識別コードが付与される基板と、この基板に対し識別コードを覆う位置に配設され、光透過度を調節することで透視状態と不透視状態とに切り替え可能な調光ガラスとを備えたもので、点検対象機器が稼動可能な状態にある場合に調光ガラスを不透視状態にすることで識別コードを読み取り不能にし、点検対象機器が稼動不可能な状態にある場合に調光ガラスを透視状態にすることで識別コードを読み取り可能にするものであるので、点検対象機器が稼動不可能な状態にある場合にだけ識別コード付着装置に付与される識別コードを読み取ることができる結果、点検ミスの発生を効果的に抑制することができる。
【0026】
請求項5の発明によれば、調光ガラスが、内面に透明導電膜を配設した2枚の板ガラスの間に液晶が充填されて構成されたものであり、2枚の板ガラスの透明導電膜間に電圧が印加された場合に液晶の分子配列が光を透過させる状態となることで透視状態となり、2枚の板ガラスの透明導電膜間に電圧が印加されない場合に液晶の分子配列が光を透過させない状態となることで不透視状態となるものであるので、点検対象機器が稼動不可能な状態にある場合にだけ識別コード付着装置に付与される識別コードを読み取ることができる結果、点検ミスの発生を効果的に抑制することができる。
【0027】
請求項6の発明によれば、点検端末装置が識別情報を点検管理装置に送信する送信部を備え、点検管理装置が識別情報を受信する受信部と、送信されてきた識別情報に基づき所定の点検作業が終了したか否かを判別する点検判別部と、点検判別部での判別結果に応じたメッセージが記憶されているメッセージ記憶部と、メッセージ記憶部から判別結果に応じたメッセージを読み出すメッセージ読出部と、メッセージ読出部で読み出されたメッセージを含む点検結果を記録紙にプリントするプリンタとを備えているので、点検端末装置による点検結果に応じたメッセージの付加された点検結果を記録紙にプリントすることができ、オペレータなどはその記録紙を視認することで点検結果を容易に確認することができる。
【0028】
請求項7の発明によれば、点検端末装置の情報読取部が点検端末装置のオペレータの個人コードを読み取るものであり、点検端末装置の送信部が個人コードを読み取ることで得られた個人情報を点検管理装置に送信するものであり、点検管理装置の受信部が送信されてきた個人情報を受信するものであり、点検管理装置のプリンタが受信した個人情報を含む点検結果を記録紙に記録するものであるので、個人情報を含むメッセージの付加された点検結果を記録紙にプリントすることができ、オペレータなどはその記録紙を視認することで点検結果を容易に確認することができる。
【0029】
請求項8の発明によれば、点検管理装置が、点検端末装置から送信されてきた個人情報が当該点検管理装置に予め登録されている個人情報と一致するか否かを判別する個人判別部と、個人判別部で一致していると判別された場合に送信される識別情報の受信を可能にし、一致していないと判別された場合に送信される識別情報の受信を不能にする受信制御部とを備えているので、予め登録されている個人情報と一致するオペレータしか点検端末装置による点検作業を実施することができないようになり、点検作業の信頼性を向上させることができる。
【0030】
請求項9の発明によれば、点検端末装置が、安全点検箇所の点検作業の開始時刻と終了時刻とを取得するためのタイマーと、点検作業が予め設定されている点検時間帯に実施されているか否かを判別する点検時刻判別部と、点検作業が予め設定されている点検時間帯に実施されていると判別された場合に情報読取部により読み取られた識別コードの入力情報記憶部への取り込みを可能にし、点検作業が予め設定されている点検時間帯に実施されていないと判別された場合に識別コードの入力情報記憶部への取り込みを不能にする読取制御部とを備えているので、予め設定された点検時間帯にしか点検端末装置による点検作業を実施することができないようになり、点検作業の信頼性を向上させることができる。
【0031】
請求項10の発明によれば、点検管理装置が、点検端末装置に備わるタイマーの時刻を更新する時刻更新情報を送信する送信部を備え、点検端末装置が、送信されてきた時刻更新情報を受信する受信部と、受信した時刻更新情報に基づき時刻を更新する時刻更新部とを備えているので、点検端末装置の時刻を点検管理装置の時刻と一致させておくことができ、点検作業の信頼性を向上させることができる。
【0032】
請求項11の発明によれば、点検管理装置が、点検端末装置による点検作業内容を更新する点検更新情報を送信する送信部を備え、点検端末装置が、送信されてきた点検更新情報を受信する受信部と、受信した点検更新情報に基づき点検作業内容の更新を行う点検内容更新部とを備えているので、点検端末装置による点検作業内容を必要に応じて更新することができ、点検作業内容の変化に対応して点検作業を実施することができる汎用性に優れたものとすることができる。
【0033】
請求項12の発明によれば、安全点検箇所の点検対象機器が稼動可能な状態にある場合に当該安全点検箇所に対応して付与される識別コードが読み取り不能に構成されると共に、点検対象機器が稼動不可能な状態にある場合に安全点検箇所に対応して付与される識別コードが読み取り可能に構成されているので、点検対象機器が稼動不可能な状態にある場合にだけ識別コードを読み取ることができる結果、点検ミスの発生を効果的に抑制することができる。
【0034】
請求項13の発明によれば、電源コンセントと、この電源コンセントの周辺に付与される識別コードを覆う位置に遮蔽板を移動させて識別コードを読み取り不能にすると共に、遮蔽板を識別コードを露出させる位置に移動させて識別コードを読み取り可能にする遮蔽部材とを備えたものであるので、点検対象機器が稼動不可能な状態にある場合にだけ識別コードを読み取ることができる結果、点検ミスの発生を効果的に抑制することができる。
【0035】
請求項14の発明によれば、電源コンセントが、識別コードが付与されるプレート状のカバーが嵌合されたものであり、遮蔽部材が、カバーの端部に固定された支持板を備え、遮蔽板が識別コードを覆う位置と露出させる位置との間で回動可能となるように支持板に支持されたものであるので、点検対象機器が稼動不可能な状態にある場合にだけ識別コードを読み取ることができる結果、点検ミスの発生を効果的に抑制することができる。
【0036】
請求項15の発明によれば、識別コードが付与される基板と、この基板に対し識別コードを覆う位置に配設され、光透過度を調節することで透視状態と不透視状態とに切り替え可能な調光ガラスとを備えたもので、点検対象機器が稼動可能な状態にある場合に調光ガラスを不透視状態にすることで識別コードを読み取り不能にし、点検対象機器が稼動不可能な状態にある場合に調光ガラスを透視状態にすることで識別コードを読み取り可能にするものであるので、点検対象機器が稼動不可能な状態にある場合にだけ識別コードを読み取ることができる結果、点検ミスの発生を効果的に抑制することができる。
【0037】
請求項16の発明によれば、調光ガラスが、内面に透明導電膜を配設した2枚の板ガラスの間に液晶が充填されて構成されたものであり、2枚の板ガラスの透明導電膜間に電圧が印加された場合に液晶の分子配列が光を透過させる状態となることで透視状態となり、2枚の板ガラスの透明導電膜間に電圧が印加されない場合に液晶の分子配列が光を透過させない状態となることで不透視状態となるものであるので、点検対象機器が稼動不可能な状態にある場合にだけ識別コードを読み取ることができる結果、点検ミスの発生を効果的に抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
図1は、本発明の一の実施形態に係る安全点検管理システムの構成を概略的に示す図である。この安全点検管理システム10は、例えば、デパートやスーパーなどの大型商業施設のテナントなどにおける複数の安全点検箇所の点検管理に適用されるもので、安全点検箇所などを特定するための識別コードが付与された識別コード付着装置12と、この識別コード付着装置12に付与された識別コードを読み取ることで識別情報を得る点検端末装置14と、点検端末装置14で読み取られた識別情報に基づき点検結果の管理を行う点検管理装置16とを備えたものである。
【0039】
ここで、識別コード付着装置12は、各テナントの複数の安全点検箇所に対応して配設されたもので、点検作業の対象となる電気器具やガス器具などの点検対象機器が稼動可能な状態にある場合に当該点検対象機器に対応して付与された識別コードを読み取り不能に構成すると共に、点検対象機器が稼動不可能な状態にある場合に当該点検対象機器に対応して付与された識別コードを読み取り可能に構成したものであり、その具体的構成例を図2乃至図4を参酌して説明する。なお、本発明に係る安全点検管理システム10は、識別コード付着装置12が配設された点検箇所に加え、ドアの鍵部近傍などに施錠を確認するために常に読み取り可能な状態の識別コード(常時読取用の識別コード)が付与された点検箇所を含んで構成することも可能である。
【0040】
図2は、識別コード付着装置12の一の実施例を示すもので、壁面などに取り付けられる電源コンセント機器を構成するものであり、電源コンセント20と、電源コンセント20に嵌合されたプレート状のコンセントカバー22と、電気器具に電源を供給するための電源プラグ24が電源コンセント20に差し込まれている場合(すなわち、点検対象機器が稼動可能な状態にある場合)に識別コードを読み取り不能にすると共に、電源プラグ24が電源コンセント20から取り外されている場合(すなわち、点検対象機器が稼動不可能な状態にある場合)に識別コードを読み取り可能にする遮蔽部材28とを備えたものである。なお、図2(a)は、識別コード付着装置12の正面図であり、図2(b)は、図2(a)のA−A線における要部断面拡大側面図である。
【0041】
ここで、電源コンセント20は、連結された2つの差込口30を図示の上下方向に備えた長手形状を有するものであり、コンセントカバー22は、各差込口30に対応する形状の貫通孔32が形成された矩形状を有するもので、電源コンセント20の各差込口30に貫通孔32を介して嵌合され、電源コンセント20に対し長手方向の互いに対向する端部位置でねじ34により固定されたものである。
【0042】
このコンセントカバー22には、電源コンセント20周辺の各差込口30に対応する位置にバーコードラベル36が貼付されることで通常点検用の識別コード38が付与される。この識別コード38は、各差込口30について長手方向の左右反対側の位置にそれぞれ付与されるもので、火気点検や施錠点検などの点検内容の種別、点検箇所などの識別情報を含むものである。
【0043】
遮蔽部材28は、各差込口30に対応して取り付けられたもので、コンセントカバー22に対し長手方向の互いに対向する端部位置にねじ34で固定された支持板40と、コンセントカバー22と支持板40との間に配設され、支持板40の図示の左右方向における端部寄りの位置において回動可能に支持された遮蔽板42とを備えたものである。
【0044】
支持板40は、コンセントカバー22の表面に対向する主面部44と、コンセントカバー22の周面に対向する周面部46とが形成された側面視L字形状を有するもので、主面部44の内面側における図示の左右方向の略半部の領域に遮蔽板42を回動可能にするための凹溝48が形成され、この凹溝48部分に遮蔽板42を回動可能に支持する軸体50が突出形成されたものである。なお、支持板40は、遮蔽板42が所定角度(例えば、60°)だけ回動可能な構成となっておれば、凹溝48を必ずしも必要としない。
【0045】
遮蔽板42は、長手形状を有するもので、その長手方向の一端側に形成された貫通孔49が軸体50に嵌合され、識別コード38を覆うことで識別コード38を読み取り不能にする位置(図示の下側の遮蔽板42について言えば、仮想線で示す位置)と、識別コード38を露出させることで識別コード38を読み取り可能にする位置(図示の下側の遮蔽板42について言えば、実線で示す位置)との間で回動可能に支持されたものである。すなわち、遮蔽板42は、識別コード38を覆う位置に移動された場合は差込口30を開放状にすることで電源プラグ24の差込口30への差し込みを可能にするものであり、識別コード38を露出させる位置に移動された場合は差込口30を覆うようにすることで電源プラグ24の差込口30への差し込みを不能にするものである。
【0046】
このように構成された識別コード付着装置12では、遮蔽板42が回動されて識別コード38を覆う位置に移動されると、電源プラグ24を差込口30に差し込むことができることになる。このため、電源プラグ24が電源コンセント20に差し込まれて点検対象機器が稼動可能な状態にある場合は識別コード38を読み取ることができないことになり、安全点検が終了したとの点検ミスが生じるのを効果的に阻止することができる。
【0047】
また、遮蔽板42が回動されて識別コード38を露出させる位置に移動されると、電源プラグ24を差込口30に差し込むことができないことになる。このため、電源プラグ24が差込口30から抜き出されていて点検対象機器が稼動不能な状態にある場合は識別コード38を読み取ることができることになり、安全点検を確実に実施することができる。
【0048】
なお、本実施形態では、火気点検や施錠点検などの点検内容の種別、点検箇所などの識別情報を含む通常点検用の識別コード38に加えて、バーコードラベル52が貼付されることで勤務者の居残りなどにより通常の点検作業が実施できない場合の異常点検用の識別コード54が付与される。この異常点検用の識別コード54は、点検箇所を特定するための識別情報と通常点検モードから異常点検モードに自動変換するための識別情報とを含むものであって、各差込口30について識別コード38とは差込口30を挟んだ反対側の位置にそれぞれ付与され、電源プラグ24が電源コンセント20に差し込まれて点検対象機器が稼動可能な状態にあることで通常点検用の識別コード38を読み取ることができない場合に読み取るためのものである。このため、異常点検用の識別コード54は、少なくとも電源プラグ24が電源コンセント20に差し込まれている場合には遮蔽板42により遮蔽されない位置にあることが必要である。
【0049】
図3は、識別コード付着装置12の他の実施例を示すもので、壁面などに取り付けられる調光ガラス装置を構成するものであり、背面側に配設された取付基板56と、取付基板56に対向して配設された調光ガラス58とを備えたものである。ここで、取付基板56は、壁面などへの取り付け側となるものであり、周縁全域に表面側に突出する枠体60が形成された矩形状を有するものである。また、この取付基板56には、中央部近傍領域にバーコードラベル62が貼着されることで通常点検用の識別コード64が付与される。この識別コード64は、火気点検や施錠点検などの点検内容の種別、点検箇所などの識別情報を含むものである。
【0050】
調光ガラス58は、ガス配管に設けられたガス遮断弁が開かれていてガス器具などの点検対象機器が稼動可能な状態にある場合に不透視状態にすることで識別コード64を読み取り不能にすると共に、ガス遮断弁が閉じられていてガス器具などの点検対象機器が稼動不能な状態にある場合に透視状態にすることで識別コード64を読み取り可能にするものである。なお、図3(a)は、識別コード64が読み取り可能な状態にある場合を示す図
であり、図3(b)は、識別コード64が読み取り不能な状態にある場合を示す図である。
【0051】
この調光ガラス58は、矩形状を有する支持板66の中央部に形成された窓部68に取り付けられたものであり、支持板66を取付基板56の枠体60で囲まれた領域内に嵌め込んで2つのねじ70で取付基板56に固定することで識別コード64を覆う位置に配設されるようにしたものである。
【0052】
この調光ガラス58は、図4に示すように、内面に透明導電膜72を配設した2枚の板ガラス74の間に液晶76を充填することで光透過度を調節可能に構成されたものである。すなわち、2枚の板ガラス74の透明導電膜72間に所定の電圧が印加された場合に液晶76の分子配列が光を透過させる状態となることで2枚の板ガラス74間が透視状態となり、2枚の板ガラス74の透明導電膜72間に電圧が印加されない場合に液晶76の分子配列が光を散乱させて光を透過させない状態となることで2枚の板ガラス74間が不透視状態となる。
【0053】
この2枚の板ガラス74の透明導電膜72間に印加される電圧は、リレーなどを備えた制御回路78によりスイッチ回路80がオンオフ制御されるなどして供給が制御される。すなわち、制御回路78は、ガス遮断弁82の電磁コイル84に電圧が印加されてガス遮断弁82が開かれた状態にある場合、この電磁コイル84の両端電圧を検出することで透明導電膜72間への供給電圧が出力されないようにし、ガス遮断弁82の電磁コイル84に電圧が印加されないことでガス遮断弁82が閉じられた状態にある場合、この電磁コイル84の両端電圧を検出することで透明導電膜72間への供給電圧が出力されるようにしたものである。
【0054】
このように構成された識別コード付着装置12では、ガス遮断弁82が開かれて点検対象機器が稼動可能な状態にある場合には調光ガラス58が不透視状態にされて識別コード64を読み取ることができないことになり、安全点検が終了したとの点検ミスが生じるのを効果的に阻止することができる。また、ガス遮断弁82が閉じられて点検対象機器が稼動不能な状態にある場合には調光ガラス58が透視状態にされて識別コード64を読み取ることができることになり、安全点検を確実に終了させることができる。
【0055】
なお、本実施形態では、先の実施形態のものと同様に、火気点検や施錠点検などの点検内容の種別、点検箇所などの識別情報を含む通常点検用の識別コード64に加えて、バーコードラベル86が貼付されることで勤務者の居残りなどにより通常の点検作業が実施できない場合の異常点検用の識別コード88が付与される。この異常点検用の識別コード88は、点検箇所を特定するための識別情報と通常点検モードから異常点検モードに自動変換するための識別情報とを含むものであって、支持板66における窓部68の下方位置にバーコードラベル86が貼付されることで付与され、ガス配管に設けられたガス遮断弁が開かれていてガス器具などの点検対象機器が稼動可能な状態にあることで通常点検用の識別コード64を読み取ることができない場合に読み取るためのものである。
【0056】
図1に戻り、点検端末装置14は、テナントなどの所定の管理区分に対応して配給され、それぞれの管理区分における安全点検箇所の点検作業を行うときにオペレータ(点検作業者)により操作されるもので、例えば、図5に示すように、長筒状の本体部90と、本体部90の先端に配設され、識別コード付着装置12に付与されている通常点検用の識別コード38、64及び異常点検用の識別コード54、88を読み取る情報読取部92と、本体部90の長手方向に沿って配設された操作ボタン94と、本体部90の長手方向に沿って配設された液晶表示部96と、本体部90の先端部であって情報読取部92の周面に露出するように配設された発光ダイオードなどの発光素子98と、本体部90の先端内部に配設された発光ダイオードなどの発光素子及びフォトダイオードなどの受光素子を有する半導体光素子100と、本体部90の内部に配設された制御回路部102とを備えたものである。なお、半導体光素子100は、後述する通信部116の一部を構成する。
【0057】
本体部90は、合成樹脂などにより構成され、安全点検箇所の点検作業時にオペレータにより把持されるものである。情報読取部92は、通常点検用の識別コード38、64又は異常点検用の識別コード54、88にレーザ光を照射し、その反射レーザ光を受光することで識別情報を得るものであり、図略のレーザ発光照射部、反射レーザ光受光部、コード解読部などを備えた周知の構成になるものである。なお、情報読取部92は、点検端末装置14を操作するオペレータのネームプレートなどに付与されているバーコードなどの個人コードを読み取ることで氏名などの個人情報をも得るようにしたものである。また、情報読取部92は、常時読取用の識別コード(ドアの鍵部近傍などに付与された常に読み取り可能な状態の識別コード)をも読み取ることができる。
【0058】
操作ボタン94は、オペレータにより操作されるものであり、電源ボタン94a、レーザ発光ボタン94b、異常ボタン94c及び変換ボタン94dを備えたものである。電源ボタン94aは、最初の押圧操作により電源オンにすることで点検端末装置14を駆動状態とし、再度の押圧操作により電源オフにすることで点検端末装置14を駆動停止状態とするものである。
【0059】
レーザ発光ボタン94bは、押圧操作を継続することにより図略のレーザ発光照射部を駆動させて情報読取部92の先端面からレーザ光を出力させ、通常点検用の識別コード38、64、異常点検用の識別コード54、88などに照射するものである。この通常点検用の識別コード38、64、異常点検用の識別コード54、88などに照射されたレーザ光は、その反射レーザ光が図略の反射レーザ光受光部で受光され、その後に図略のコード解読部で解読されることで点検内容の種別や点検箇所などの識別情報が得られる。
【0060】
異常ボタン94c及び変換ボタン94dは、安全点検箇所の点検作業時に通常の正常な点検作業が実施できない場合に操作されるもので、「残留」、「異常」及び「その他」の3種類の状態をオペレータによる押圧操作により選択し確定するものである。これらの3種類の状態のうち、「残留」は、安全点検箇所の点検作業時に勤務者が居残っており、点検対象機器を使用中であることから点検作業ができない状態にある場合を示し、「異常」は、点検対象機器に異常があることで点検作業ができない状態にある場合を示し、「その他」は、それ以外の特別な事情があることで点検作業ができない状態にある場合を示すものである。
【0061】
すなわち、異常ボタン94cが操作されると、点検作業ができない3種類の状態のうちの1の状態を入力するための異常入力モードに設定される。本実施形態では、異常ボタン94cが操作されて異常入力モードに設定されると液晶表示部96に「残留」が表示され、その後に異常ボタン94cが再び操作されることで「残留」が確定される。また、異常ボタン94cが操作されて異常入力モードに設定された後に変換ボタン94dが操作されると液晶表示部96に表示されていた「残留」が「異常」に変換され、その後に異常ボタン94cが操作されることで「異常」が確定される。また、変換ボタン94dが操作されて液晶表示部96に「異常」が表示された後に再び変換ボタン94dが操作されると液晶表示部96に表示されていた「異常」が「その他」に変換され、その後に異常ボタン94cが操作されることで「その他」が確定される。これら確定された情報は、オペレータによる点検作業に基づく識別情報として点検端末装置14に入力されることになる。
【0062】
液晶表示部96は、異常ボタン94c及び変換ボタン94dが押圧操作されることで上述した「残留」、「異常」及び「その他」の3種類の識別情報を選択的に表示すると共に、後述する警告メッセージなどの種々の情報を表示するものである。発光素子98は、情報読取部92により通常点検用の識別コード38、64、異常点検用の識別コード54、88などを読み取ることで識別情報が得られた場合に緑色光などを出力することでオペレータの視認による読取確認を可能にするものである。
【0063】
なお、本実施形態では、情報読取部92により異常点検用の識別コード54、88が読み取られた場合は、異常ボタン94cを操作しなくても自動的に異常入力モードに設定されるように構成されている。すなわち、情報読取部92により異常点検用の識別コード54、88が読み取られた場合、本実施形態では、異常ボタン94cが操作された場合と同様に液晶表示部96に「残留」が表示されることになる。その後は、上述の説明と同様に異常ボタン94c及び変換ボタン94dの操作により「残留」、「異常」及び「その他」のうちの1の状態が確定される。
【0064】
制御回路部102は、所定の配線パターンが形成されてなる回路基板上に所定の電子部品が搭載されて構成されたものであり、図6に示すように、端末制御部104を備えている。この端末制御部104は、所定の演算処理を実行するCPU、所定の処理プログラムとデータとが記憶されたROM、及び、処理データを一時的に記憶するRAMからなるマイクロコンピュータなどにより構成されたものである。
【0065】
この端末制御部104には、情報読取部92、操作ボタン94、液晶表示部96及び発光素子98が所定のインターフェイス回路を介して接続されると共に、点検管理装置16から送信されてくる点検箇所の増減設定や点検時間帯の変更設定などの点検作業内容を更新するための点検更新情報に基づいて更新した点検作業内容を記憶する電気的に書き換え可能な点検情報記憶部106、情報読取部92により通常点検用の識別コード38、64、異常点検用の識別コード54、88などを読み取ることで得られる識別情報、異常ボタン94cと変換ボタン94dの押圧操作により得られる識別情報及び情報読取部92により個人コードを読み取ることで得られる個人情報を記憶する電気的に書き換え可能な入力情報記憶部108、並びに、点検作業を実施する際の点検時刻情報を得るためのタイマー110がそれぞれ所定のインターフェイス回路を介して接続されている。なお、タイマー110から取り込まれた点検時刻情報は、入力情報記憶部108に記憶される。
【0066】
また、端末制御部104には、送信部112及び受信部114を備えた通信部116が所定のインターフェイス回路を介して接続されている。この送信部112は、情報読取部92により識別コードを読み取ることで得られる識別情報、異常ボタン94cと変換ボタン94dの押圧操作により得られる識別情報、及び、情報読取部92により個人コードを読み取ることで得られる個人情報を点検管理装置16に対し光通信により送信するものであり、識別情報及び個人情報を変調する変調部、変調信号を増幅する増幅部、増幅した変調信号により半導体光素子100を駆動する駆動部などにより構成されたものである。なお、半導体光素子100は、その発光素子が駆動されることで本体部90の先端面から外部に出力される赤外光信号により識別情報及び個人情報を点検管理装置16に対し送信する。
【0067】
受信部114は、点検管理装置16から光通信により送信される点検箇所の増減設定や点検時間帯の変更設定などの点検作業内容を更新する点検更新情報とタイマー110の時刻を更新する時刻更新情報とを受信するものであり、半導体光素子100に生成される信号を増幅する増幅部、増幅した信号を復調する復調部などにより構成されたものである。なお、半導体光素子100は、その受光素子が駆動されることで点検管理装置16から送信される赤外光信号を本体部90の先端面から受光することで更新情報を受信する。
【0068】
また、端末制御部104には、点検内容更新部118、時刻更新部120、識別コード判別部122、点検時刻取込部124、点検時刻判別部126、読取制御部128、点検終了判別部130、表示指示部132、交信指示部134、及び、情報書込部136としての機能実現部を備えている。ここで、点検内容更新部118は、点検管理装置16から送信されてくる点検更新情報に基づいて点検端末装置14により点検作業を実施する点検箇所の増減設定や点検時間帯の変更設定などを行うものであり、点検情報記憶部106に記憶されている点検箇所や点検時間帯などの点検作業内容を書き換えるものである。
【0069】
すなわち、点検端末装置14は、点検情報記憶部106に記憶されている点検箇所と一致する点検箇所につき、設定された点検時間帯にのみ通常点検用の識別コード38、64又は異常点検用の識別コード54、88を読み取ることで得られる識別情報と、異常ボタン94c及び変換ボタン94dの押圧操作により得られる識別情報とを入力情報記憶部108に取り込み可能に構成されている。このため、点検作業を実施する点検箇所や点検時間帯などの点検作業内容に変更が生じたときは、点検情報記憶部106に記憶されている点検作業内容を書き換えておく必要がある。なお、本実施形態では、例えば、開店時、営業中、閉店時及び退店時の4回の所定の点検時間帯に安全点検作業を実施するようにしている。
【0070】
時刻更新部120は、点検管理装置16から送信されてくる時刻更新情報に基づいて点検端末装置14に備わっているタイマー110から得る時刻を正確な時刻に更新するものである。すなわち、点検端末装置14の時刻と点検管理装置16の時刻とは管理面から常に一致させておく必要があることから、点検端末装置14のタイマー110から得る時刻を点検管理装置16から送信されてくる時刻更新情報に基づいて更新可能にしたものである。
【0071】
識別コード判別部122は、通常点検用の識別コード38、64、異常点検用の識別コード54、88などを読み取ることで得られる識別情報のうち点検箇所情報が点検情報記憶部106に記憶されている点検箇所情報と合致するか否かを判別するものである。すなわち、読み取られた識別情報により予め設定されている巡回コース内の点検箇所であるか巡回コース外の点検箇所であるかを判別するものである。また、この識別コード判別部122は、異常ボタン94c及び変換ボタン94dが操作されて「残留」、「異常」及び「その他」のうちのいずれか1の状態が端末制御部104を構成するRAMなどの記憶部に一時的に取り込まれているか否かも記憶部に記憶されている識別情報を確認するなどして判別する。
【0072】
点検時刻取込部124は、各点検箇所における点検作業の点検作業時刻をレーザ発光ボタン94bの操作に対応させるなどしてタイマー110から取り込むものである。なお、最初の点検箇所における点検作業時刻を点検作業開始時刻とし、最後の点検箇所における点検作業時刻を点検作業終了時刻とする。点検時刻判別部126は、各点検箇所における点検作業が点検情報記憶部106に記憶されている点検時間帯に実施されているか否かを判別するものである。
【0073】
読取制御部128は、それぞれの点検箇所における点検作業が点検情報記憶部106に記憶されている通常点検用の識別コード38、64、異常点検用の識別コード54、88などの識別情報と合致しており、しかも、点検情報記憶部106に記憶されている点検時間帯に行われた場合に、情報読取部92により通常点検用の識別コード38、64、異常点検用の識別コード54、88などを読み取ることで得られる識別情報と、異常ボタン94c及び変換ボタン94dの押圧操作により得られる識別情報とを入力情報記憶部108に取り込み可能(書き込み可能)にする一方、それぞれの点検箇所における点検作業が点検情報記憶部106に記憶されている通常点検用の識別コード38、64、異常点検用の識別コード54、88などの識別情報と合致していないか、あるいは、点検情報記憶部106に記憶されている点検時間帯に行われていない場合に、情報読取部92により通常点検用の識別コード38、64、異常点検用の識別コード54、88などを読み取ることで得られる識別情報と、異常ボタン94c及び変換ボタン94dの押圧操作により得られる識別情報とを入力情報記憶部108に取り込み不能(書き込み不能)にするものである。
【0074】
すなわち、点検作業が点検情報記憶部106に記憶されている通常点検用の識別コード38、64、異常点検用の識別コード54、88などの識別情報と合致していないか、あるいは、点検情報記憶部106に記憶されている点検時間帯外に行われた場合には、通常点検用の識別コード38、64、異常点検用の識別コード54、88などの識別情報と合致していない点検箇所の点検作業あるいは点検時間帯外に行われた点検箇所の点検作業については入力情報記憶部108への識別情報の記憶が拒否されることになる。なお、本実施形態では、開店時、営業中、閉店時及び退店時の4回の点検時間帯のうち、閉店時及び退店時の点検時間帯については、点検開始から終了までの目標時間であるタイムリミット(例えば、30分、60分など)が設定されている。但し、そのタイムリミットを超えていても、点検時間帯内であれば識別情報を入力情報記憶部108に記憶できるように設定されている。
【0075】
点検終了判別部130は、点検情報記憶部106に記憶されている点検箇所における点検作業が終了したか否かを入力情報記憶部108に記憶されている識別情報を確認するなどして判別するものである。
【0076】
表示指示部132は、点検作業が点検情報記憶部106に記憶されている点検時間帯外に行われた場合に、端末制御部104を構成するROMなどの記憶部に記憶されている警告メッセージを読み出し、液晶表示部96にその旨の警告表示をさせるものである。なお、液晶表示部96には、点検箇所の名称などの必要な情報が警告メッセージと同時に表示される。
【0077】
交信指示部134は、通信部116に対し、点検管理装置16との交信を指示するものである。情報書込部136は、更新すべき点検作業内容を点検情報記憶部106に書き込むと共に、情報読取部92により通常点検用の識別コード38、64、異常点検用の識別コード54、88などを読み取ることで得られる識別情報と、異常ボタン94c及び変換ボタン94dの押圧操作により得られる識別情報と、情報読取部92により個人コードを読み取ることで得られる個人情報とを入力情報記憶部108に書き込むものである。
【0078】
図1に戻り、点検管理装置16は、点検端末装置14との間で交信を行う端末管理装置138と、端末管理装置138との間で交信を行う主管理装置139とから構成されている。この点検管理装置16を構成する端末管理装置138は、点検端末装置14から送信されてきた識別情報及び個人情報に基づき点検結果の管理を行うもので、図7に示すように、所定の演算処理を実行するCPU、所定の処理プログラムとデータとが記憶されたROM、及び、処理データを一時的に記憶するRAMからなるマイクロコンピュータなどにより構成された管理制御部140を備えている。
【0079】
この管理制御部140には、受信部141と送信部142とを備えた第1の通信部143及び受信部144と送信部145とを備えた第2の通信部146がそれぞれ所定のインターフェイス回路を介して接続されている。第1の通信部143は、点検端末装置14との間で光通信を行うものであり、第2の通信部146は、主管理装置139との間でケーブル通信を行うものである。
【0080】
第1の通信部143の受信部141は、点検端末装置14から光通信により送信されてきた識別情報及び個人情報を受信するものであり、赤外光を受光するフォトトランジスタなどの受光素子を含む半導体光素子(図9の符号194)に生成される信号を増幅する増幅部、増幅した信号を復調する復調部などにより構成されたものである。この受信部141で受信された識別情報及び個人情報は、後述する受信情報記憶部150に記憶される。
【0081】
第1の通信部143の送信部142は、点検箇所の増減設定や点検時間帯の変更設定などの点検作業内容を更新する点検更新情報を点検端末装置14に対し光通信により送信するものであり、点検更新情報を変調する変調部、変調信号を増幅する増幅部、増幅した変調信号により赤外光を出力する発光ダイオードなどの発光素子を含む半導体光素子(図9の符号194)を駆動する駆動部などにより構成されたものである。
【0082】
第2の通信部146の受信部144は、主管理装置139から送信されてきた点検箇所の増減設定や点検時間帯の変更設定などの点検更新情報をケーブルを介して受信するものであり、受信した信号に対し所定の信号処理を行う信号処理部などにより構成されたものである。この受信部144で受信された点検箇所の増減設定や点検時間帯の変更設定などの点検更新情報は、後述する更新情報記憶部154に記憶される。
【0083】
第2の通信部146の送信部145は、後述する受信情報記憶部150に記憶されている識別情報及び個人情報を主管理装置139にケーブルを介して送信するものであり、送信信号に対し所定の信号処理を行う信号処理部などにより構成されたものである。
【0084】
また、管理制御部140には、システムの取り扱いなどを表示したりするディスプレイ148、点検端末装置14から送信されてきた識別情報及び個人情報を記憶する受信情報記憶部150、主管理装置139から送信されてくるもので、点検端末装置14を操作するオペレータの氏名、所属などの予め登録設定された個人情報を一時的に記憶する個人情報記憶部152、主管理装置139から送信されてくるもので、点検箇所の追加、修正、削除などの増減設定や点検時間帯の変更設定などの点検作業内容を更新する点検更新情報を一時的に記憶する更新情報記憶部154、点検端末装置14から送信されてきた識別情報及び個人情報に基づく点検結果に対応したメッセージを記憶するメッセージ記憶部156、及び、点検端末装置14から送信されてきた識別情報及び個人情報に基づく点検結果を短冊状の記録紙に記録する点検シートプリンタ158がそれぞれ所定のインターフェイス回路を介して接続されている。
【0085】
また、管理制御部140には、点検判別部162、個人判別部164、受信制御部166、メッセージ読出部168、交信指示部170、情報書込部172、及び、シート編集部174としての機能実現部を備えている。ここで、点検判別部162は、点検端末装置14から送信されてきた識別情報に基づいて所定の点検作業がすべて終了したか否かを更新情報記憶部154に記憶されている情報と対比するなどして判別するものである。
【0086】
個人判別部164は、点検端末装置14から送信されてきた個人情報に基づいて点検端末装置14を用いて点検作業を実施したオペレータが主管理装置139に予め登録設定されているオペレータであるか否かを個人情報記憶部152に記憶されている情報と対比するなどして判別するものである。
【0087】
受信制御部166は、個人判別部164で点検端末装置14を用いて点検作業を実施したオペレータが主管理装置139に予め登録設定されているオペレータであると判別された場合に点検端末装置14から送信されてくる識別情報の受信を可能にし、点検端末装置14を用いて点検作業を実施したオペレータが端末管理装置138に予め登録設定されているオペレータではないと判別された場合に点検端末装置14から送信される識別情報の受信を不能にするものである。
【0088】
メッセージ読出部168は、点検端末装置14から送信されてきた識別情報に基づく点検結果に対応したメッセージをメッセージ記憶部156から読み出すものである。なお、受信制御部166において、受信を可能にするとは、例えば、受信した識別情報を受信情報記憶部150に書き込む(取り込む)のを可能にするものであり、受信を不能にするとは、例えば、受信した識別情報を受信情報記憶部150に書き込む(取り込む)のを不能にするものである。
【0089】
交信指示部170は、第1の通信部143に対し、点検端末装置14との交信を指示するものである。情報書込部172は、更新すべき点検作業内容を更新情報記憶部154に書き込むと共に、点検端末装置14から送信されてきた識別情報及び個人情報を受信情報記憶部150に書き込むものである。なお、更新情報記憶部154に書き込む更新すべき点検作業内容は、本実施形態では、主管理装置139から送信されてくるものである。
【0090】
シート編集部174は、点検端末装置14から送信されてきた識別情報及び個人情報に基づく点検結果を予め管理制御部140を構成するROMなどの記憶部に記憶されている絵柄情報などにメッセージ記憶部156から読み出したメッセージを加えて編集し、点検シートプリンタ158に対しプリント指示を与えるものである。
【0091】
このように構成される端末管理装置138は、大型商業施設などの防災センターあるいは警備センターの受付窓口などに設置されるものであり、管理制御部140、ディスプレイ148及び点検シートプリンタ158が、図8に示すように、上部に複数の点検端末装置14を収納保管するラック180を備えた管理台182に配置されている。すなわち、管理制御部140は、管理台182の下部に収納され、ディスプレイ148は、ラック180の下部中央に形成された空間部184内に収納され、点検シートプリンタ158は、ラック180の下部側端に配設されている。
【0092】
また、管理台182の中間位置に手前側に張り出す台板186が設けられており、この台板186上に点検端末装置14を収納支持する複数(図示では4台)の収納支持台188が所定間隔で配設されている。この収納支持台188は、図9に示すように、台座190上に点検端末装置14を情報読取部92が下側に位置するように立てた状態で収納支持する収納支持部192が配設されており、この収納支持部192に点検端末装置14を収納支持させたときの点検端末装置14の先端面に対向する位置に発光ダイオードなどの発光素子とフォトトランジスタなどの受光素子とを有する半導体光素子194が配設されたものである。
【0093】
また、台座190上にはバーコードラベル196が貼着されることで識別コード198が付与されており、点検端末装置14を収納支持部192に支持させる前に識別コード198を点検端末装置14の情報読取部92で読み取ることにより、点検端末装置14に対し端末管理装置138との間での交信指示が与えられることになる。
【0094】
このように構成された端末管理装置138では、テナントなどへの出勤時にラック180の所定位置に収納されている点検端末装置14を持ち出して所定の点検時間帯に点検作業を実施し、この点検端末装置14をテナントなどからの退出時に収納支持台188にセットして点検端末装置14の点検作業に基づく識別情報を送信して点検結果を点検シートプリンタ158で短冊状の記録紙に打ち出す一方、点検更新情報を点検端末装置14に送信することで点検端末装置14による翌日以降の点検作業内容が更新されることになる。その後、この点検作業内容の更新された点検端末装置14は、ラック180の所定位置に収納されることになる。
【0095】
図1に戻り、点検管理装置16を構成する主管理装置139は、端末管理装置138から送信されてきた識別情報に基づき日報などの報告書を作成するなどして点検結果の全体的な管理を行うと共に、点検端末装置14による点検箇所の増減設定や点検時間帯の変更設定などの更新すべき点検作業内容を入力設定するもので、図10に示すように、所定の演算処理を実行するCPU、所定の処理プログラムとデータとが記憶されたROM、及び、処理データを一時的に記憶するRAMからなるマイクロコンピュータなどにより構成された主管理制御部200を備えている。
【0096】
この主管理制御部200には、受信部202及び送信部204を備えた通信部206が所定のインターフェイス回路を介して接続されている。この受信部202は、端末管理装置138から送信されてきた識別情報及び個人情報をケーブルなどを介して受信するものである。送信部204は、入力設定した更新すべき点検箇所の増減設定や点検時間帯の変更設定などの点検作業内容を点検更新情報として端末管理装置138に対しケーブルなどを介して送信するものである。
【0097】
また、主管理制御部200には、日報などの報告書を表示したりするディスプレイ208、更新すべき点検箇所の増減設定や点検時間帯の変更設定などの点検作業内容を入力設定すると共に、点検端末装置14のオペレータの氏名、所属などの個人情報及び点検端末装置14による点検時間帯を登録設定するキーボードなどの入力端末部210、端末管理装置138から送信されてきた識別情報及び個人情報を記憶する受信情報記憶部212、点検端末装置14を操作するオペレータの氏名、所属などの予め登録設定した個人情報を記憶する個人情報記憶部214、入力設定した点検箇所の追加、修正、削除などの増減設定や点検時間帯の変更設定などの点検作業内容を点検更新情報として記憶する更新情報記憶部216、点検端末装置14の点検時間帯の変更設定を行う日時情報を得るためのカレンダー機能を有するタイマー218、及び、端末管理装置138から送信されてきた識別情報及び個人情報に基づく点検結果を記録紙に記録する報告書プリンタ220がそれぞれ所定のインターフェイス回路を介して接続されている。
【0098】
また、主管理制御部200には、交信指示部226、情報書込部228、制限時間判別部230、報告書編集部232、及び、編集終了判別部234としての機能実現部を備えている。ここで、交信指示部226は、通信部206に対し、端末管理装置138との交信を指示するものである。情報書込部228は、端末管理装置138から送信されてきた識別情報及び個人情報を受信情報記憶部212に書き込む一方、入力端末部210で登録設定した個人情報を個人情報記憶部214に書き込み、入力端末部210で入力設定した点検作業内容を更新情報記憶部216に書き込むものである。
【0099】
制限時間判別部230は、閉店時及び退店時に実施される点検作業が上述した点検開始から終了までの目標時間であるタイムリミット内(制限時間内)に終了したか否かを判別するものである。報告書編集部232は、端末管理装置138から送信されてきた識別情報及び個人情報に基づく点検結果を一覧表などの表形式に編集するものである。編集終了判別部234は、すべての点検作業について編集作業が終了したか否かを判別するものである。
【0100】
なお、個人情報記憶部214に書き込まれた個人情報は、端末管理装置138を介して点検端末装置14に送信する際に端末管理装置138の個人情報記憶部152に一時的に記憶されることになる。また、更新情報記憶部216に書き込まれた点検作業内容は、端末管理装置138を介して点検端末装置14に送信する際に端末管理装置138の更新情報記憶部154に一時的に記憶されることになる。
【0101】
図11は、点検端末装置14の点検作業時の動作を概略的に説明するためのフローチャートの一例を示す図である。テナントなどへの入所時に防災センターなどに設置されているラック180の所定位置から持ち出した点検端末装置14の電源ボタン94aがオンにされることで点検端末装置14が駆動可能な状態にされ、レーザ発光ボタン94bを巡回ルート内にある点検箇所ごとに順次オンにして点検作業が実施される。
【0102】
なお、本実施形態では、巡回ルート内に本発明に係る識別コード付着装置12が配設された点検箇所に加え、ドアの鍵部近傍などにバーコードラベルを貼着するなどして常に視認可能で読み取り可能な状態の識別コード(常時読取用の識別コード)が付与された点検箇所も含んでいるものとする。この常時読取用の識別コードは、本実施形態では、ドアの施錠などの火災発生などの重大事故につながらない点検箇所などに適用されるもので、通常点検用の識別コード38、64と同様に、火気点検や施錠点検などの点検内容の種別、点検箇所などの識別情報を含むものである。
【0103】
また、この常時読取用の識別コードが付与された点検箇所においては、勤務者の居残りなどのない正常な通常の点検ができる場合は当該識別コードを読み取るだけでよいが、勤務者の居残りなどにより正常な通常の点検ができない場合は当該識別コードの読み取りに加え、異常ボタン94c及び変換ボタン94dを操作することで「残留」、「異常」及び「その他」のうちのいずれかの状態を入力することになる。
【0104】
まず、点検作業の開始に先立ってオペレータのネームプレートなどに付与されている個人コードに情報読取部92を宛がった状態でレーザ発光ボタン94bをオンにすることで個人コードの読み取りが行われ、これにより取得された個人情報が情報書込部136により入力情報記憶部108に取り込まれる(ステップS1)。
【0105】
次いで、巡回ルートにある点検箇所における識別コード付着装置12に付与されている通常点検用の識別コード38、64又は異常点検用の識別コード54、88、あるいは、ドアの鍵部近傍などに付与された常時読取用の識別コードに情報読取部92を宛がった状態でレーザ発光ボタン94bをオンにすることで識別コードの読み取りが行われ(ステップS3)、これにより取得された識別情報が情報書込部136により端末制御部104を構成するRAMなどの記憶部に一時的に記憶される。なお、識別コードの読み取りが行われると、それと対応して点検時刻取込部124により点検作業時刻が時刻情報としてタイマー110から取り込まれ、RAMなどの記憶部に一時的に記憶される。
【0106】
このステップS3において、異常点検用の識別コード54、88が読み取られた場合、あるいは、常時読取用の識別コードの読み取り時に勤務者の居残りなどにより正常な通常の点検ができない場合は、異常ボタン94c及び変換ボタン94dが操作されて「残留」、「異常」及び「その他」のうちのいずれか1の状態が選択され、この選択された識別情報が端末制御部104を構成するRAMなどの記憶部に一時的に記憶されることになる。
【0107】
次いで、RAMなどの記憶部に記憶された識別情報が点検情報記憶部106に記憶されている通常点検用の識別コード38、64又は常時読取用の識別コードと少なくとも点検箇所情報において合致するか否かが識別コード判別部122により判別される(ステップS5)。このステップS5での判別が肯定されると、点検作業が予め設定されている点検時間帯に実行されているか否かが点検時刻判別部126によりRAMなどの記憶部に記憶されている点検作業開始時刻に基づいて判別される(ステップS7)。
【0108】
このステップS7での判別が肯定されると、「残留」、「異常」及び「その他」のうちのいずれか1の状態がRAMなどの記憶部に取り込まれているか否かが識別コード判別部122により判別される(ステップS9)。このステップS9での判別が肯定されると、RAMなどの記憶部に記憶されている識別情報及び時刻情報が情報書込部136により入力情報記憶部108に取り込まれることになる(ステップS11)。
【0109】
次いで、巡回ルートにある点検箇所における識別コード付着装置12に付与されている通常点検用の識別コード38、64又は異常点検用の識別コード54、88、あるいは、常時読取用の識別コードの読み取りがすべて実行されたか否かが点検終了判別部130により点検情報記憶部106に記憶されている情報に基づき判別される(ステップS13)。このステップS13での判別が肯定されると、点検作業は終了する。
【0110】
一方、ステップS7での判別が否定されると、表示指示部132により液晶表示部96に警告表示がなされ(ステップS15)、引き続きステップS13に移行し、それ以降の各ステップが順次実行される。この場合の警告表示は、点検時間帯外の点検作業である旨の内容が表示されることになる。ステップS13での判別が否定されると、ステップS3に戻り、それ以降のステップが順次実行される。また、ステップS5での判別が否定されると、RAMなどの記憶部に記憶されている識別情報が点検情報記憶部106に記憶されている異常点検用の識別コード54、88と少なくとも点検箇所情報において合致するか否かが識別コード判別部122により判別される(ステップS17)。
【0111】
このステップS17での判別が肯定されると、点検作業が予め設定されている点検時間帯に実行されているか否かが点検時刻判別部126によりRAMなどの記憶部に記憶されている点検作業開始時刻に基づいて判別される(ステップS19)。このステップS19での判別が肯定されると、ステップS11に移行し、それ以降のステップが順次実行される。
【0112】
また、ステップS9での判別が否定されると、ステップS13に移行し、それ以降のステップが順次実行される。さらに、ステップS17又はステップS19での判別が否定されると、ステップS15に移行し、表示指示部132により液晶表示部96に警告表示がなされ、引き続いてステップS13に移行し、それ以降の各ステップが順次実行される。このステップS17から移行する場合の警告表示は、巡回コース外の点検作業である旨の内容が表示されることになり、ステップS19から移行する場合の警告表示は、点検時間帯外の点検作業である旨の内容が表示されることになる。
【0113】
図12は、点検端末装置14の端末管理装置138との交信動作を概略的に説明するためのフローチャートの一例を示す図である。まず、オペレータなどの退出時に点検端末装置14により防災センターなどに設置されている端末管理装置138の収納支持台188の台座190に付与されている識別コード198を読み込むことで、送信指示の取り込みが実行される(ステップS21)。
【0114】
その後、点検端末装置14が端末管理装置138の収納支持台188にセットされ、交信指示部134により通信部116に対し交信指示が与えられることで、入力情報記憶部108に記憶されている個人情報、識別情報及び時刻情報が読み出されて送信部112により端末管理装置138に送信される(ステップS23)。このとき、端末管理装置138から送信されてきた点検更新情報が受信部114により受信され、この受信された点検更新情報が点検内容更新部118及び時刻更新部120により点検情報記憶部106に書き込まれる(ステップS25)。なお、点検端末装置14と端末管理装置138との間で実際に交信動作を行う際には、両者の間で種々の交信が行われ、そのための判別ステップなどを含むものであるが、ここではそれらのステップの説明を省略している。
【0115】
図13は、端末管理装置138の管理動作を概略的に説明するためのフローチャートの一例を示す図である。まず、点検端末装置14が端末管理装置138の収納支持台188にセットされたのち、交信指示部170により第1の通信部143に対し交信指示が与えられることで、点検端末装置14から送信されてきた個人情報、識別情報及び時刻情報が受信部141により受信される(ステップS31)。この受信された個人情報、識別情報及び時刻情報は、情報書込部172により受信情報記憶部150に書き込まれる。
【0116】
次いで、受信された個人情報及び識別情報に基づき所定の点検作業が正常に終了しているか否かが点検判別部162及び個人判別部164により判別される(ステップS33)。すなわち、点検判別部162では、送信されてきた識別情報に基づいて所定の点検作業がすべて正常に終了しているか否かが判別され、個人判別部164では、送信されてきた個人情報に基づいて点検作業を実施したオペレータが予め登録設定されているオペレータと一致するか否かを判別する。
【0117】
ステップS33での判別が肯定されると、点検作業終了メッセージがメッセージ読出部168によりメッセージ記憶部156から読み出され(ステップS35)、その後に短冊状の記録紙にプリントされる(ステップS37)。この記録紙には、例えば、図14に示すように、絵柄マーク、点検箇所、点検作業が正常に終了したことを表わすメッセージなどが表示される。
【0118】
ステップS33での判別が否定されると、警告メッセージがメッセージ読出部168によりメッセージ記憶部156から読み出され(ステップS39)、ステップS37に移行して短冊状の記録紙にプリントされる。この記録紙には、異常ボタン94c及び変換ボタン94dの操作による識別情報が存在している場合は、例えば、図15に示すように、絵柄マーク、点検箇所、勤務者が残留していることを表わすメッセージなどが表示される。
【0119】
また、退店時の点検時間帯における点検作業(最終点検)は正常に行われているが、営業中などの点検時間帯における点検作業において未点検箇所があった場合などには、例えば、図16に示すように、絵柄マーク、点検箇所、未点検箇所があったことを表わすメッセージなどが表示される。また、退出時の点検時間帯における点検作業において未点検箇所があった場合などには、例えば、図17に示すように、点検作業のやり直しを命じるメッセージなどが表示される。
【0120】
図18は、主管理装置139の管理動作を概略的に説明するためのフローチャートの一例を示す図である。主管理装置139では、端末管理装置138から送信されてきた個人情報、識別情報及び時刻情報が受信部202により受信され、情報書込部228により受信情報記憶部212に書き込まれた状態となっている。なお、このフローチャートは、閉店時及び退店時に点検作業を実施する場合のものである。
【0121】
まず、点検端末装置14による点検作業が予め設定されたタイムリミット内(制限時間内)に終了したか否かが制限時間判別部230により判別される(ステップS41)。このステップS41での判別が否定されると、後述する報告書の制限時間結果欄に「×」印を記録するための制限時間オーバー処理が実行される(ステップS43)。その後、点検箇所ごとのデータ編集が報告書編集部232により実行される(ステップS45)。なお、ステップS41での判別が肯定されると、ステップS45に移行する。
【0122】
次いで、すべての点検箇所についてのデータ編集が終了したか否かが編集終了判別部234により判別される(ステップS47)。このステップS47での判別が否定されると、ステップS41に戻って以降のステップが実行される。ステップS47での判別が肯定されると、その後に所定サイズの記録紙に日報などの報告書がプリントされる(ステップS49)。この報告書は、例えば、図19に示すように、点検箇所、点検時間、点検結果などを一覧表として編集したものである。この図19に示す報告書は、安全点検管理システム10が、識別コード付着装置12が配設された点検箇所に加え、ドアの鍵部近傍などに常に読み取り可能な状態の常時読取用の識別コードが付与された点検箇所も含めて構成されたものである場合の例である。
【0123】
本発明に係る安全点検管理システム10及び識別コード付着装置12は、以上説明したように構成されているので、点検対象機器が火災発生などの重大事故につながるものである場合は当該点検対象機器が稼動不可能な状態にある場合にだけ識別コードを読み取ることができることになり、点検ミスの発生を効果的に抑制することができる。なお、本発明に係る安全点検管理システム10及び識別コード付着装置12は、上記実施形態のものに限定されるものではなく、以下に述べるような種々の変形態様を必要に応じて採用することができる。
【0124】
(1)上記実施形態では、点検端末装置14による点検結果を端末管理装置138と主管理装置139とからなる点検管理装置16により管理するようにしているが、これに限るものではない。例えば、日報などの報告書を必要としない場合などでは主管理装置139をなくすようにし、端末管理装置138のみで点検管理装置16を構成してもよい。また、端末管理装置138と主管理装置139とを設ける場合でも、主管理装置139に端末管理装置138の機能を持たせる構成とすることも可能であるし、端末管理装置138に主管理装置139の機能を持たせる構成とすることも可能である。要は、端末管理装置138の機能と主管理装置139の機能とを一体化させることで、点検端末装置14により識別コードを読み取ることで得られた識別情報に基づき点検結果の管理を行う点検管理装置16とすることができる。
【0125】
なお、端末管理装置138と主管理装置139とを個別に設ける場合、本実施形態では両者間でケーブルを介して通信を行うようにしているが、ケーブルを介さない無線方式により通信を行うようにすることもできる。また、端末管理装置138と主管理装置139とを個別に設ける場合、一台の主管理装置139に別の施設に設置するなどした複数の端末管理装置138を接続することもできる。
【0126】
(2)上記実施形態では、安全点検管理システム10は、その動作説明においては、識別コード付着装置12が配設された点検箇所に加え、巡回コース内にあるドアの鍵部近傍などにバーコードラベルを貼着するなどして常に視認可能な状態の識別コードを付与した点検箇所も含めた構成としているが、これに限るものではない。例えば、識別コード付着装置12が配設された点検箇所のみから構成されるものであってもよい。
【0127】
(3)上記実施形態では、点検端末装置14と端末管理装置138との交信は光通信により実行するようにしたものであるが、これに限るものではない。例えば、点検端末装置14と端末管理装置138との交信を電波により実行するようにしたり、LANなどのネットワークを介して実行するようにしたりすることもできる。
【0128】
(4)上記実施形態では、端末管理装置138は、受信情報記憶部150、個人情報記憶部152及び更新情報記憶部154を備えているが、これに限るものではない。例えば、各記憶部の機能を管理制御部140を構成するRAMなどの記憶部に持たせるようにすることも可能である。
【0129】
(5)上記実施形態では、識別コード付着装置12の遮蔽部材28は、遮蔽板42が回動可能に支持されたものであるが、これに限るものではない。例えば、遮蔽板42が左右方向にスライドされて移動するように構成されたものであってもよい。要は、遮蔽板42が、通常点検用の識別コード38を覆う位置と当該識別コード38を露出させる位置とに移動可能になっておればよい。
【0130】
(6)上記実施形態では、識別コード付着装置12を構成する電源コンセント20は、コンセントカバー22を嵌合させたものであるが、これに限るものではない。例えば、電源コンセント20を所定の基板上に取り付け、この基板上に通常点検用の識別コード38及び異常点検用の識別コード54を付与するようにした構成であってもよい。
【0131】
(7)上記実施形態では、識別コード付着装置12を構成する調光ガラス58は、電圧を印加した場合に透視状態になるように構成されたものであるが、これに限るものではない。例えば、電圧を印加した場合に不透視状態になるように構成されたものであってもよい。
【0132】
(8)上記実施形態では、通常点検用の識別コード38、64及び異常点検用の識別コード54、88は、バーコードラベル36、62及びバーコードラベル52、86を貼着することにより付与したものであるが、これに限るものではない。例えば、コンセントカバー22の表面や取付基板56の表面などに直接印刷することにより付与することもできる。また、異常点検用の識別コード54、88を付与する個所は、図2(識別コード54の場合)及び図3(識別コード88の場合)に示す位置に限定されるものではなく、その目的を達成し得る位置であれば如何なるところであってもよい。
【0133】
(9)上記実施形態では、識別コード付着装置12に対して通常点検用の識別コード38、64及び異常点検用の識別コード54、88をそれぞれ1種類のみ設けるようにしたものであるが、これに限るものではない。例えば、テナントなどのオペレータだけではなく、点検作業者に対応して色分けなどした複数種類の通常点検用の識別コード38、64及び異常点検用の識別コード54、88を設けておき、防災センターあるいは警備センターに詰めている警備員などを含めた複数人(例えば、現場担当者、フロア責任者、警備担当者)により各人の専用の識別コードを読み取ることで多重点検を行うようにしてもよい。この場合、点検結果を点検作業者ごとに個別に管理することが可能になる。なお、同一の通常点検用の識別コード38、64及び異常点検用の識別コード54、88を複数人(例えば、現場担当者、フロア責任者、警備担当者)により読み取ることで多重点検を行うこともできる。
【0134】
(10)上記実施形態では、識別コード付着装置12には、通常点検用の識別コード38、64に加え、異常点検用の識別コード54、88を設けるようにしているが、これに限るものではない。例えば、同一の巡回コース内で点検箇所の点検順序が予め設定されているような場合などでは、主として点検箇所を特定するための異常点検用の識別コード54、88は必ずしも必要としない。このように、異常点検用の識別コード54、88を用いない場合では、異常点検入力時に最初に異常ボタン94cを押圧操作すればよい。
【0135】
なお、通常点検用の識別コード38、64に加えて異常点検用の識別コード54、88を設けておくようにすると、安全点検箇所の点検対象機器が稼動可能な状態にあるときでも異常点検用の識別コード54、88を読み取ることで点検箇所を特定することができることから、巡回ルート内であれば点検箇所の点検順序をその時々で自由に変更することが可能となる。
【0136】
(11)上記実施形態では、点検端末装置14は、異常点検用の識別コード54、88を読み取ることで異常入力モードに自動的に変換されるようになっているが、これに限るものではない。例えば、異常点検用の識別コード54、88を読み取った場合であっても、異常ボタン94cを押圧操作しないと異常入力モードに設定されないようにすることも可能である。
【0137】
(12)上記実施形態では、点検端末装置14のオペレータを主管理装置139に予め登録しておく一方、点検端末装置14による点検作業に先立ってオペレータの個人コードを読み取るようにしているが、これに限るものではない。例えば、オペレータを主管理装置139に予め登録することなく、誰でも点検端末装置14による点検作業を実施するようにすることもできる。
【0138】
(13)上記実施形態では、点検端末装置14において、点検情報記憶部106や入力情報記憶部108などの複数の記憶部を設けているが、これに限るものではない。例えば、1つの記憶部で兼用するようにすることもできる。また、端末管理装置138において、受信情報記憶部150や更新情報記憶部154などの複数の記憶部を設けているが、これに限るものではない。例えば、1つの記憶部で兼用するようにすることもできる。また、主管理装置139において、受信情報記憶部212や更新情報記憶部216などの複数の記憶部を設けているが、これに限るものではない。例えば、1つの記憶部で兼用するようにすることもできる。
【0139】
(14)上記実施形態では、更新すべき点検箇所の増減設定や点検時間帯の変更設定などの入力を主管理制御部200に接続された入力端末部210により実行するようにしているが、これに限るものではない。例えば、主管理装置139に接続された各種データのメンテナンスを行う管理パーソナルコンピュータを別に設けておき、この管理パーソナルコンピュータにより更新すべき点検箇所の増減設定や点検時間帯の変更設定などの入力を実行するようにしてもよい。また、この管理パーソナルコンピュータに接続されたプリンタにより日報などの報告書をプリントするようにすることもできる。こうした場合、端末管理装置138及び主管理装置139は、各種データの保管場所として機能することになる。
【図面の簡単な説明】
【0140】
【図1】本発明の一の実施形態に係る安全点検管理システムの構成を概略的に示す図である。
【図2】図1に示す安全点検管理システムに適用される識別コード付着装置の一の実施例を示す図で、(a)は、その正面図、(b)は、(a)に示す正面図のA−A線における断面図である。
【図3】図1に示す安全点検管理システムに適用される識別コード付着装置の他の実施例を示す図で、(a)は、識別コードが読み取り可能な状態にある場合を示す図、(b)は、識別コードが読み取り不能な状態にある場合を示す図である。
【図4】図3に示す識別コード付着装置を構成する調光ガラスの構造を示す図である。
【図5】図1に示す安全点検管理システムを構成する点検端末装置の斜視図である。
【図6】図5に示す点検端末装置の制御構成を示すブロック図である。
【図7】図1に示す安全点検管理システムを構成する点検管理装置の制御構成を示すブロック図である。
【図8】図1に示す安全点検管理システムを構成する点検管理装置を配置する管理台を示す図である。
【図9】図8に示す管理台に設置される収納支持台の構成を示す図である。
【図10】図1に示す安全点検管理システムを構成する主管理装置の制御構成を示すブロック図である。
【図11】図1に示す安全点検管理システムを構成する点検端末装置の制御動作を概略的に説明するためのフローチャートである。
【図12】図1に示す安全点検管理システムを構成する点検端末装置の点検管理装置との交信動作を概略的に説明するためのフローチャートである。
【図13】図1に示す安全点検管理システムを構成する端末管理装置の管理動作を概略的に説明するためのフローチャートである。
【図14】記録紙の記録内容を説明するための図である。
【図15】記録紙の記録内容を説明するための図である。
【図16】記録紙の記録内容を説明するための図である。
【図17】記録紙の記録内容を説明するための図である。
【図18】図1に示す安全点検管理システムを構成する主管理装置の管理動作を概略的に説明するためのフローチャートである。
【図19】記録紙の日報などの報告書の内容を説明するための図である。
【符号の説明】
【0141】
10 安全点検管理システム
12 識別コード付着装置
14 点検端末装置
16 点検管理装置
20 電源コンセント
22 コンセントカバー(カバー)
28 遮蔽部材
40 支持板
42 遮蔽板
54、88 通常点検用の識別コード(識別コード)
60 取付基板(基板)
52 調光ガラス
72 透明導電膜
74 板ガラス
76 液晶
92 情報読取部
96 液晶表示部
108 入力情報記憶部
110 タイマー
112 送信部
114 受信部
118 点検内容更新部
120 時刻更新部
122 識別コード判別部
126 点検時刻判別部
128 読取制御部
138 端末管理装置
139 主管理装置
141、144 受信部
142,145 送信部
156 メッセージ記憶部
158 点検シートプリンタ(プリンタ)
162 点検判別部
164 個人判別部
166 受信制御部
168 メッセージ読出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
安全点検箇所に対応して付与された識別コードを読み取ることにより点検を行い、その点検結果の管理を行う安全点検管理システムであって、安全点検箇所の点検対象機器が稼動可能な状態にある場合に前記識別コードが読み取り不能に構成されると共に、前記点検対象機器が稼動不可能な状態にある場合に前記識別コードが読み取り可能に構成された識別コード付着装置と、この識別コード付着装置に付与された識別コードを読み取る情報読取部を有する点検端末装置と、この点検端末装置の情報読取部により前記識別コードを読み取ることで得られた識別情報に基づき点検結果の管理を行う点検管理装置とを備えたことを特徴とする安全点検管理システム。
【請求項2】
前記識別コード付着装置は、電源コンセントと、この電源コンセントの周辺に付与される識別コードを覆う位置に遮蔽板を移動させて識別コードを読み取り不能にすると共に、前記遮蔽板を前記識別コードを露出させる位置に移動させて識別コードを読み取り可能にする遮蔽部材とを備えたもので、前記遮蔽板を識別コードを覆う位置に移動させることで前記電源コンセントへの電源プラグの差し込みを可能にすると共に、前記遮蔽板を識別コードを露出させる位置に移動させることで前記電源コンセントへの電源プラグの差し込みを不能にするものであることを特徴とする請求項1記載の安全点検管理システム。
【請求項3】
前記電源コンセントは、識別コードが付与されるプレート状のカバーが嵌合されたものであり、前記遮蔽部材は、前記カバーの端部に固定された支持板を備え、前記遮蔽板が前記識別コードを覆う位置と露出させる位置との間で回動可能となるように前記支持板に支持されたものであることを特徴とする請求項2記載の安全点検管理システム。
【請求項4】
前記識別コード付着装置は、識別コードが付与される基板と、この基板に対し前記識別コードを覆う位置に配設され、光透過度を調節することで透視状態と不透視状態とに切り替え可能な調光ガラスとを備えたもので、前記点検対象機器が稼動可能な状態にある場合に前記調光ガラスを不透視状態にすることで識別コードを読み取り不能にし、前記点検対象機器が稼動不可能な状態にある場合に前記調光ガラスを透視状態にすることで識別コードを読み取り可能にするものであることを特徴とする請求項1記載の安全点検管理システム。
【請求項5】
前記調光ガラスは、内面に透明導電膜を配設した2枚の板ガラスの間に液晶が充填されて構成されたものであり、前記2枚の板ガラスの透明導電膜間に電圧が印加された場合に前記液晶の分子配列が光を透過させる状態となることで透視状態となり、前記2枚の板ガラスの透明導電膜間に電圧が印加されない場合に前記液晶の分子配列が光を透過させない状態となることで不透視状態となるものであることを特徴とする請求項4記載の安全点検管理システム。
【請求項6】
前記点検端末装置は、前記情報読取部により前記識別コードを読み取ることで得られた識別情報を前記点検管理装置に送信する送信部を備え、前記点検管理装置は、前記点検端末装置から送信されてきた識別情報を受信する受信部と、前記点検端末装置から送信されてきた識別情報に基づき所定の点検作業が終了したか否かを判別する点検判別部と、この点検判別部での判別結果に応じたメッセージが記憶されているメッセージ記憶部と、このメッセージ記憶部から前記判別結果に応じたメッセージを読み出すメッセージ読出部と、このメッセージ読出部で読み出されたメッセージを含む点検結果を記録紙にプリントするプリンタとを備えたことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の安全点検管理システム。
【請求項7】
前記点検端末装置の情報読取部は、当該点検端末装置のオペレータの個人コードを読み取るものであり、前記点検端末装置の送信部は、前記情報読取部により前記個人コードを読み取ることで得られた個人情報を前記点検管理装置に送信するものであり、前記点検管理装置の受信部は、前記点検端末装置から送信されてきた個人情報を受信するものであり、前記点検管理装置のプリンタは、受信した個人情報を含む点検結果を記録紙に記録するものであることを特徴する請求項6記載の安全点検管理システム。
【請求項8】
前記点検管理装置は、前記点検端末装置から送信されてきた個人情報が当該点検管理装置に予め登録されている個人情報と一致するか否かを判別する個人判別部と、この個人判別部で一致していると判別された場合に前記点検端末装置から送信される識別情報の受信を可能にし、一致していないと判別された場合に前記点検端末装置から送信される識別情報の受信を不能にする受信制御部とを備えたことを特徴とする請求項7記載の安全点検管理システム。
【請求項9】
前記点検端末装置は、前記安全点検箇所の点検作業の開始時刻と終了時刻とを取得するためのタイマーと、前記点検作業が予め設定されている点検時間帯に実施されているか否かを判別する点検時刻判別部と、この点検時刻判別部で前記点検作業が前記点検時間帯に実施されていると判別された場合に前記情報読取部により読み取られた前記識別コードの入力情報記憶部への取り込みを可能にし、前記点検作業が前記点検時間帯に実施されていないと判別された場合に前記識別コードの前記入力情報記憶部への取り込みを不能にする読取制御部とを備えたことを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の安全点検管理システム。
【請求項10】
前記点検管理装置は、前記点検端末装置に備わるタイマーの時刻を更新する時刻更新情報を送信する送信部を備え、前記点検端末装置は、前記点検管理装置から送信されてきた時刻更新情報を受信する受信部と、受信した時刻更新情報に基づき時刻を更新する時刻更新部とを備えたことを特徴とする請求項9記載の安全点検管理システム。
【請求項11】
前記点検管理装置は、前記点検端末装置による点検作業内容を更新する点検更新情報を送信する送信部を備え、前記点検端末装置は、前記点検管理装置から送信されてきた点検更新情報を受信する受信部と、この受信部で受信した点検更新情報に基づき前記点検作業内容の更新を行う点検内容更新部とを備えたことを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載の安全点検管理システム。
【請求項12】
安全点検箇所に対応して付与された識別コードを読み取ることにより点検を行い、その点検結果の管理を行う安全点検管理システムに適用される識別コード付着装置であって、前記安全点検箇所の点検対象機器が稼動可能な状態にある場合に当該安全点検箇所に対応して付与される識別コードが読み取り不能に構成されると共に、前記点検対象機器が稼動不可能な状態にある場合に前記安全点検箇所に対応して付与される識別コードが読み取り可能に構成されたことを特徴とする識別コード付着装置。
【請求項13】
電源コンセントと、この電源コンセントの周辺に付与される識別コードを覆う位置に遮蔽板を移動させて識別コードを読み取り不能にすると共に、前記遮蔽板を前記識別コードを露出させる位置に移動させて識別コードを読み取り可能にする遮蔽部材とを備えたもので、前記遮蔽板を識別コードを覆う位置に移動させることで前記電源コンセントへの電源プラグの差し込みを可能にすると共に、前記遮蔽板を識別コードを露出させる位置に移動させることで前記電源コンセントへの電源プラグの差し込みを不能にするものであることを特徴とする請求項12記載の識別コード付着装置。
【請求項14】
前記電源コンセントは、識別コードが付与されるプレート状のカバーが嵌合されたものであり、前記遮蔽部材は、前記カバーの端部に固定された支持板を備え、前記遮蔽板が前記識別コードを覆う位置と露出させる位置との間で回動可能となるように前記支持板に支持されたものであることを特徴とする請求項13記載の識別コード付着装置。
【請求項15】
前記識別コードが付与される基板と、この基板に対し前記識別コードを覆う位置に配設され、光透過度を調節することで透視状態と不透視状態とに切り替え可能な調光ガラスとを備えたもので、前記点検対象機器が稼動可能な状態にある場合に前記調光ガラスを不透視状態にすることで識別コードを読み取り不能にし、前記点検対象機器が稼動不可能な状態にある場合に前記調光ガラスを透視状態にすることで識別コードを読み取り可能にするものであることを特徴とする請求項12記載の識別コード付着装置。
【請求項16】
前記調光ガラスは、内面に透明導電膜を配設した2枚の板ガラスの間に液晶が充填されて構成されたものであり、前記2枚の板ガラスの透明導電膜間に電圧が印加された場合に前記液晶の分子配列が光を透過させる状態となることで透視状態となり、前記2枚の板ガラスの透明導電膜間に電圧が印加されない場合に前記液晶の分子配列が光を透過させない状態となることで不透視状態となるものであることを特徴とする請求項15記載の識別コード付着装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2008−305008(P2008−305008A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−149458(P2007−149458)
【出願日】平成19年6月5日(2007.6.5)
【出願人】(506095700)株式会社システムアイインターナショナル (3)
【Fターム(参考)】