説明

安全運転支援装置

【課題】安全運転支援システムのサービス開始点である路側装置の位置から自車両が走行した相対的な走行位置を正確に補正できる安全運転支援装置を提供する。
【解決手段】路側装置7から受信した走行支援情報9のデータ量、路側装置7との間の通信速度及び、情報処理部4への装置内のデータ転送速度に基づいて、路側装置7から走行支援情報9の受信を開始してからの通信時間、情報処理部4へ走行支援情報9の転送が完了するまでの転送時間及び走行支援情報9の解析を完了するまでの解析時間を求め、走行支援情報9の解析完了時点において自車両1Aが路側装置7の位置から走行した相対的な走行位置を算出するにあたり、通信時間、転送時間及び解析時間に自車両1Aが走行した距離を、記憶部5に記憶された履歴データから求めた所定の周期毎の走行距離を用いて補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、道路周辺に設置された各種の感知器の検出情報を路側装置から提供されることにより、運転者に対して検出情報に応じた注意喚起を促す路車協調型の安全運転支援装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、路車協調型の安全運転支援システムの研究が進められている。このシステムは、道路周辺に設置された各種の感知器で、運転者が視認困難な位置にある自動車や二輪車、歩行者などの移動物を検出し、この検出情報を路側装置を介して車載の安全運転支援装置へ提供する。これにより、安全運転支援装置が、上記運転者に対して、感知器の検出情報に応じた注意喚起を促す。
【0003】
安全運転支援装置は、安全運転支援システムのサービス開始位置に設けられた路側装置の光ビーコンを受信した位置から自身を搭載した車両の走行距離を計測し、この走行距離を運転支援処理に利用している。この場合、安全運転支援装置は、光ビーコンによる光通信で路側装置から運転支援用データを受信し、このデータを解析することにより運転支援の開始点を認識して、路側装置の位置からの自車両の走行距離の計測を開始している。
【0004】
しかしながら、安全運転支援装置が光ビーコンを受信して運転支援用データを抽出する間にも自車両は走行しているため、この間の走行距離分だけ、計測した走行距離に誤差が生じる。つまり、路側装置の位置から自車両が走行した距離を計測する計測開始点が路側装置の位置を過ぎた地点になってしまう。
【0005】
このような不具合を解決しようとした従来の技術としては、例えば、特許文献1に開示される走行位置検出支援方式がある。この方式では、路側装置が送信する無線電波から運転支援用データの抽出が完了した時点における自車両の走行速度を利用して、無線電波の受信及び運用支援用データ抽出処理の間に走行した距離を補正している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−227114号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1では、運転支援用データの抽出が完了した時点における自車両の走行速度を利用するため、路側装置が送信した無線電波の受信及び当該無線電波から運用支援用データを抽出する処理の間に自車両が加減速した場合に、走行距離の補正精度が落ちるという課題があった。
【0008】
さらに、特許文献1は、安全運転支援装置内のデータ転送による伝送遅れ(通常、運用支援用データの抽出処理時間より長い)を考慮していないため、元々の補正精度が低い。
【0009】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、装置内のデータ転送及び解析処理中に自車両が加減速した場合であっても、安全運転支援システムのサービス開始点である路側装置の位置から自車両が走行した相対的な走行位置を正確に補正できる安全運転支援装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明に係る安全運転支援装置は、道路側に設けられた路側装置との間で通信を行う通信部と、当該通信部による通信で路側装置から受信した情報を用い、路側装置から自車両が走行した相対的な走行位置を基準として当該自車両の安全運転支援を行う情報処理部とを備えた安全運転支援装置において、所定の周期毎に自車両の走行速度を検出する車両状態検出部と、車両状態検出部によって検出された所定の周期毎の走行速度を、履歴データとして逐次記憶する記憶部とを備え、情報処理部が、路側装置から受信した情報のデータ量、路側装置と通信部の間の通信速度及び通信部から情報処理部への装置内のデータ転送速度に基づいて、路側装置から情報の受信を開始して受信完了するまでの通信時間、通信部から情報処理部へ当該情報の転送が完了するまでの転送時間及び当該情報の解析を完了するまでの解析時間を求め、当該情報の解析完了時点において自車両が路側装置の位置から走行した相対的な走行位置を算出するにあたり、通信時間、転送時間及び解析時間に自車両が走行した距離を、記憶部に記憶された履歴データから求めた所定の周期毎の走行距離を用いて補正するものである。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、所定の周期毎に自車両の走行速度を検出する車両状態検出部と、車両状態検出部によって検出された所定の周期毎の走行速度を、履歴データとして逐次記憶する記憶部とを備え、情報処理部が、路側装置から受信した情報のデータ量、路側装置と通信部の間の通信速度及び通信部から情報処理部への装置内のデータ転送速度に基づいて、路側装置から情報の受信を開始して受信完了するまでの通信時間、通信部から情報処理部へ当該情報の転送が完了するまでの転送時間及び当該情報の解析を完了するまでの解析時間を求め、当該情報の解析完了時点において自車両が路側装置の位置から走行した相対的な走行位置を算出するにあたり、通信時間、転送時間及び解析時間に自車両が走行した距離を、記憶部に記憶された履歴データから求めた所定の周期毎の走行距離を用いて補正する。このように構成することで、装置内のデータ転送及び解析処理中に自車両が加減速した場合であっても、安全運転支援システムのサービス開始点である路側装置の位置から自車両が走行した相対的な走行位置を正確に補正することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明の実施の形態1による安全運転支援装置を利用した安全運転支援システムの構成を示す図である。
【図2】図1の安全運転支援システムによるサービスが提供される交差点の一例を示す図である。
【図3】履歴データの生成処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】履歴データの一例を示す図である。
【図5】実施の形態1の安全運転支援装置による走行距離の補正処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】走行支援情報の一例を示す図である。
【図7】この発明における走行距離の演算開始点を説明するための図である。
【図8】履歴データの他の例を示す図である。
【図9】車高の違いにより光ビーコンの受信タイミングが異なる場合を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による安全運転支援装置を利用した安全運転支援システムの構成の一部を示す図であり、図1に示す構成の他、図2で後述する画像センサ等の構成部も備える。図1において、安全運転支援装置1は、不図示の車両に搭載され、路側装置7から取得したデータに基づいて、運転者の安全運転を支援する装置であり、光ビーコン通信部(通信部)3、情報処理部4及び車両状態検出部6を備える。
【0014】
光ビーコン通信部3は、路側装置7の光ビーコンヘッド12から送信された走行支援情報を受信し情報処理部4へ転送する。情報処理部4は、記憶部5に蓄積した履歴データと路側装置7から取得した走行支援情報を解析して、安全運転支援に関する動作を実施する。安全運転支援に関する動作としては、運転者への情報提供や注意喚起等が挙げられる。車両状態検出部6は、自車両の車速を検出する車速センサを備え、所定の周期で自車両の走行速度を検出して、履歴データとして記憶部5に蓄積する。
【0015】
路側装置7は、走行支援情報9を走行車両に搭載された安全運転支援装置1へ提供する装置であり、情報処理部8、光ビーコン通信部10及び路側柱11に取り付けられた光ビーコンヘッド12を備える。走行支援情報9は、図6で後述する構成の情報であり、交差点近辺の対向車両や歩行者の情報、信号灯機の状態、交差点形状等の情報を含んでいる。情報処理部8は、光ビーコン通信部10及び光ビーコンヘッド12を介した光通信により走行支援情報9を、路側柱11近辺を走行する車両に送信する。
【0016】
図2は、図1の安全運転支援システムによるサービスが提供される交差点の一例を示す図である。図2において、画像センサ21は、道路上のセンサエリア21aに進入した車両1Bの存在、位置、速度等を検出し、これらの情報を有線又は無線の通信回線を介して路側装置7へ提供する。路側装置7では、画像センサ21から受信した情報や、各信号灯機の状態、交差点の形状に関するデータ等から走行支援情報9を作成する。
【0017】
安全運転支援装置1を搭載した車両1Aが、光ビーコンの通信領域20に進入すると、路側装置7の情報処理部8は、光ビーコン通信部10及び光ビーコンヘッド12を介して走行支援情報9を安全運転支援装置1に送信する。安全運転支援装置1は、走行支援情報9を受信すると、安全運転支援システムによるサービスが提供されていると判断し、走行支援情報9、自車両1Aの位置(路側装置7の位置から走行した距離)及び車両1Aの状態(右又は左折待ち状態等)に応じて、運転者へ安全運転に関する情報提供や注意喚起を実施する。例えば、自車両1Aが停止線23付近で右折待ち状態であり、かつ対向直進車両1Bが存在する場合、右折待ちを継続するよう情報提供する。
【0018】
次に動作について説明する。
図3は、履歴データの生成処理の流れを示すフローチャートである。安全運転支援装置1の情報処理部4は、所定時間が経過する度に、車両状態検出部6から自車両1Aの車速データを取得し(ステップST1)、履歴データとして記憶部5に追加して蓄積する(ステップST2)。
【0019】
図4は、履歴データの一例を示す図である。図4の例は、100ミリ秒毎に自車両1Aの走行速度(車速データ)を取得した場合を示している。このように短い周期で車速データを取り込んでおくことにより、情報処理部4は、履歴データを参照することで、直近の車速データを知ることができる。なお、履歴データは、所定のデータ数で記憶部5に収集して、古いデータから順に最新のデータに更新されるようにしてもよい。
【0020】
図5は、実施の形態1の安全運転支援装置による走行距離の補正処理の流れを示すフローチャートであり、安全運転支援装置1を搭載した車両1Aが光ビーコンヘッド12の下を走行したときの動作を示している。
車両1Aが光ビーコンの通信領域20へ進入すると、安全運転支援装置1の光ビーコン通信部3で、光ビーコンヘッド12から光ビーコンにより送信されたデータを受信する(ステップST1a)。続いて、光ビーコン通信部3から情報処理部4へデータが転送される(ステップST2a)。
【0021】
次に、情報処理部4は、光ビーコン通信部3から転送されてきたデータを解析(ステップST3a)し、この解析に要した情報処理時間とデータ転送時間を算出した後(ステップST4a)、履歴データを用いて走行距離を補正する(ステップST5a)。
【0022】
図6は、走行支援情報の一例を示す図である。図6において、IDは、走行支援情報9を特定するための識別IDであり、情報処理部4は、このIDから走行支援情報9を受信した旨を認識することができる。また、光ビーコンデータのヘッダは、光通信の制御情報を格納している。情報処理部4は、このヘッダの記述内容から受信した光ビーコンデータのエンドを知ることができ、データ量を認識することができる。
【0023】
走行支援情報9は、上記情報の他、図6に示すような複数の情報(情報1〜3)を含んで構成される。サービス情報は、安全運転支援システムにより提供されるサービスに関する情報であり、サービス開始点である光ビーコンヘッド12の位置(緯度、経度)が含まれる。情報1は、交差点までの距離等が含まれる。
【0024】
情報2は、停止線までの距離等が含まれる。情報3は、安全運転支援システムによるサービスが提供される道路に配置されたセンサが検出した交差点中心から対向車までの距離に関する情報であり、例えば、図2に示す画像センサ21のセンサエリア21a内における対向車両1Bの位置や対向車両1Bの画像センサ21までの距離が含まれる。
【0025】
情報処理部4は、光ビーコン通信部3から転送されてきたデータから、図6に示すIDを取得すると、当該データが走行支援情報9である旨を認識して、ヘッダの記述内容から光ビーコンデータのデータ量を把握する。また、情報処理部4には、光ビーコンヘッド12と光ビーコン通信部3との間の通信速度(bps)、及び、光ビーコン通信部3から情報処理部4へのデータ転送速度(bps)が、既知データとして設定されている。
【0026】
そこで、情報処理部4は、光ビーコンヘッド12と光ビーコン通信部3との間での通信速度を用いて、ヘッダの記述内容から特定した光ビーコンデータのデータ量(byte)から、光ビーコンヘッド12と光ビーコン通信部3との光通信に要した時間を算出する。
また、情報処理部4は、光ビーコン通信部3から情報処理部4へのデータ転送速度を用いて、ヘッダの記述内容から特定した光ビーコンデータのデータ量から、光ビーコン通信部3を経由して情報処理部4へのデータ転送に要したデータ転送時間を算出する。
【0027】
次に、情報処理部4は、光ビーコン通信部3から転送されてきたデータ内容を解析し、例えば図6に示すような情報を光ビーコンデータから抽出する。この時点を光ビーコンヘッド12の位置から自車両1Aが走行した走行距離演算開始点とする。
【0028】
図7は、この発明における走行距離の演算開始点を説明するための図であり、安全運転支援装置1による処理のタイミングを示している。上述したように、予め設定されている光通信速度とヘッダの記述で特定した光ビーコンデータのデータ量に基づいて、車両1Aが光ビーコンヘッド12の位置を通過した時点から、図7に示す光通信に要したデータ転送遅れ時間が算出される。
また、予め設定されているデータ転送速度とヘッダの記述で特定した光ビーコンデータのデータ量に基づいて、光通信が完了した時点から、図7に示す装置内転送に要したデータ転送遅れ時間が算出される。これら時間の合計がデータ転送遅れ時間Δt1である。
さらに、光ビーコンデータの解析時間Δt2は、解析完了時刻(走行距離演算開始点)からデータ転送遅れ時間Δt1の差分に相当する。
【0029】
図5の説明に戻る。上述のようにデータ転送遅れ時間Δt1とデータ解析時間Δt2を算出して走行距離演算開始点を決定すると、情報処理部4は、履歴データを用いて、自車両1Aの走行距離を補正する(ステップST6a)。この走行距離の補正は、先ず、走行距離演算開始点から、データ転送遅れ時間Δt1及びデータ解析時間Δt2だけ時間を遡る。この後、図4に示すような履歴データのうち、車両1Aが光ビーコンヘッド12の位置を通過した時点の走行速度(完全一致するものがなければ、通過時間に最も近い時間にサンプリングされてもの)とサンプリング周期分の時間(図4の例は100ミリ秒)とを積算して走行距離を算出する。この走行距離を走行距離演算開始点に至るまで走行速度のサンプリング周期毎に順次算出して、これらを加算したものを補正距離とする。
【0030】
情報処理部4は、図7に示す走行距離演算開始点から自車両1Aの走行距離を算出した際、この走行距離に補正距離を加算する。このようにして、データ転送遅れ時間Δt1とデータ解析時間Δt2の間に自車両1Aが走行した分の誤差を補正する。この場合、転送遅れ時間Δt1及び解析時間Δt2の間に自車両1Aが加減速してもサンプリング周期毎の走行速度から走行距離を求めて補正するため、自車両1Aの加減速による影響を大幅に低減することができる。
【0031】
これにより、安全運転支援システムのサービス提供開始基準点からの相対的な走行位置が正確に求まることから、図6に示すような情報を用いることにより、例えば、図2に示す交差点における、自車両1Aの位置や自車両1Aと対向車両1Bとの距離を正確に求めることが可能である。
【0032】
以上のように、この実施の形態1によれば、所定の周期毎に自車両1Aの走行速度を検出する車両状態検出部6と、車両状態検出部6によって検出された所定の周期毎の走行速度を、履歴データとして逐次記憶する記憶部5とを備え、情報処理部4が、路側装置7から受信した走行支援情報9のデータ量、路側装置7と光ビーコン通信部3との間の通信速度及び、光ビーコン通信部3から情報処理部4への装置内のデータ転送速度に基づいて、路側装置7から走行支援情報9の受信を開始して受信完了するまでの通信時間、光ビーコン通信部3から情報処理部4へ走行支援情報9の転送が完了するまでの転送時間及び走行支援情報9の解析を完了するまでの解析時間を求め、走行支援情報9の解析完了時点において自車両1Aが路側装置7の位置から走行した相対的な走行位置を算出するにあたり、通信時間、転送時間及び解析時間に自車両1Aが走行した距離を、記憶部5に記憶された履歴データから求めた所定の周期毎の走行距離を用いて補正する。このようにすることによって、装置内のデータ転送及び解析処理中に自車両1Aが加減速した場合であっても、安全運転支援システムのサービス開始点である路側装置7の位置から自車両1Aが走行した相対的な走行位置を正確に補正することができる。
【0033】
また、上記実施の形態1では、履歴データとして、所定のサンプリング周期毎に自車両1Aの走行速度のみを収集する場合を示したが、自車両1Aの動きに関する他の物理量を履歴データとして収集するようにしてもよい。
【0034】
図8は、履歴データの他の例を示す図である。図8では、車両状態検出部6が、自車両1Aの進行方位角を検出する舵角センサを備え、走行速度と同一のサンプリング周期(例えば、100ミリ秒)で自車両1Aの方位角を取得する。これにより、情報処理部4は、履歴データを参照することで、直近の走行距離Δd及び方位角ΔAを知ることができ、転送遅れ時間Δt1及び解析時間Δt2の間に自車両1Aが曲がっても方位角ΔAの変化から正確な走行距離を算出することが可能である。
【0035】
さらに、上記実施の形態1において、車両の走行距離を算出するにあたり、車両の先頭位置から光ビーコン通信部3の取り付け位置までの距離を、算出した走行距離に加算してもよい。
【0036】
さらに、光ビーコンヘッド12の光ビーコンの放射角度及び車高を考慮して走行距離を補正してもよい。
図9は、車高の違いにより光ビーコンの受信タイミングが異なる場合を説明するための図である。光ビーコン通信部3を車両上部に設けた場合に、図9に示すように、車高の低い車両1Cでは路側柱11からの距離Dcで光ビーコンが受信されるのに対して、車高の高い車両1Dは距離Dd(Dd<Dc)まで近づかないと光ビーコンが受信されない。
【0037】
そこで、路側装置7から路側柱11の高さ1及び光ビーコンヘッド12の放射角度αを走行支援情報9として送信する。安全運転支援装置1の情報処理部4は、自車の車高(高さ2)と、走行支援情報9として受信した路側柱11の高さ1及び光ビーコンヘッド12の放射角度αとを用い、三角関数による演算で、光ビーコンが受信される路側柱11から光ビーコン通信部3までの距離(距離Dc又は距離Dd)を算出し、サービス提供開始点とする。これ以降の処理は、上記実施の形態1と同様である。
【0038】
なお、上述までの説明は、履歴データとして車速データを収集する場合を示したが、車速データではなく、車速パルス情報を利用してもよい。また、光ビーコン通信を例に説明したが、通信速度が既知の無線通信であっても構わない。
【符号の説明】
【0039】
1 安全運転支援装置、1A〜1D 車両、3 光ビーコン通信部(通信部)、4 情報処理部、5 履歴データの記憶部、6 車両状態検出部、7 路側装置、8 情報処理部、9 走行支援情報、10 光ビーコン通信部、11 路側柱、12 光ビーコンヘッド、20 光ビーコン通信領域、21 画像センサ、21a センサエリア。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路側に設けられた路側装置との間で通信を行う通信部と、当該通信部による通信で前記路側装置から受信した情報を用い、前記路側装置の位置から自車両が走行した相対的な走行位置を基準として当該自車両の安全運転支援を行う情報処理部とを備えた安全運転支援装置において、
所定の周期毎に前記自車両の走行速度を検出する車両状態検出部と、
前記車両状態検出部によって検出された前記所定の周期毎の走行速度を、履歴データとして逐次記憶する記憶部とを備え、
前記情報処理部は、
前記路側装置から受信した前記情報のデータ量、前記路側装置と前記通信部の間の通信速度及び前記通信部から前記情報処理部への装置内のデータ転送速度に基づいて、前記路側装置から前記情報の受信を開始して受信完了するまでの通信時間、前記通信部から前記情報処理部へ当該情報の転送が完了するまでの転送時間及び当該情報の解析を完了するまでの解析時間を求め、
当該情報の解析完了時点において前記自車両が前記路側装置の位置から走行した相対的な走行位置を算出するにあたり、前記自車両が前記通信時間、前記転送時間及び前記解析時間に走行した距離を、前記記憶部に記憶された履歴データから求めた前記所定の周期毎の走行距離を用いて補正することを特徴とする安全運転支援装置。
【請求項2】
車両状態検出部は、所定の周期毎に自車両の進行方位角を検出し、
記憶部は、前記車両状態検出部によって検出された前記所定の周期毎の進行方位角を、履歴データとして逐次記憶し、
情報処理部は、前記自車両が路側装置の位置から走行した相対的な走行位置を算出するにあたり、前記自車両が通信時間、転送時間及び解析時間に走行した距離及び進行方位角を、前記記憶部に記憶された履歴データから求めた前記所定の周期毎の走行距離及び方位角を用いて補正することを特徴とする請求項1記載の安全運転支援装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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