安否通知方法、安否通知システム及び安否通知プログラム
【課題】現金自動預払機を用いて、より確実に安否確認を行なうことができる安否通知方法、安否通知システム及び安否通知プログラムを提供する。
【解決手段】ホストコンピュータ20は、連絡先情報を記憶する連絡先データ記憶部23と、行内ネットワークNや金融機関共通ネットワークNAを介して、自行又は他行の現金自動預払機30とに接続されている。現金自動預払機30は、口座識別子や現金自動預払識別子を含む残高照会依頼をホストコンピュータ20に送信する。ホストコンピュータ20は、データを送信した現金自動預払識別子が災害地域に属しており、連絡先データ記憶部23に口座が通知登録されている場合には、ロケーション情報や処理時刻情報などを含む安否確認情報を、その口座の取引履歴として保存し、登録されている連絡先に通知処理を行なう。ホストコンピュータ20は残高照会処理を行ない、現金自動預払機30は結果を表示する。
【解決手段】ホストコンピュータ20は、連絡先情報を記憶する連絡先データ記憶部23と、行内ネットワークNや金融機関共通ネットワークNAを介して、自行又は他行の現金自動預払機30とに接続されている。現金自動預払機30は、口座識別子や現金自動預払識別子を含む残高照会依頼をホストコンピュータ20に送信する。ホストコンピュータ20は、データを送信した現金自動預払識別子が災害地域に属しており、連絡先データ記憶部23に口座が通知登録されている場合には、ロケーション情報や処理時刻情報などを含む安否確認情報を、その口座の取引履歴として保存し、登録されている連絡先に通知処理を行なう。ホストコンピュータ20は残高照会処理を行ない、現金自動預払機30は結果を表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バンキング処理を行なうための現金自動預払機を用いて災害発生時の安否を確認するための安否通知方法、安否通知システム及び安否通知プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
地震などの災害の発生時には、多くの人が家族や知人の安否を確認しようとする。近年では、携帯電話機の普及により、通話やメールなどで安否を確認することもできる。しかし、災害の発生時には、通信キャリアの基地局が被災する場合がある。また、多くの電話からのトラフィックが局所的に集中し、不通になる場合もある。このため、通常、災害の発生時に、家族や知人などの安否確認を行なうことが難しい。
【0003】
そこで、災害の発生時に安否情報を確認するための技術が検討されている(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1に記載の発明では、電子証明書とパスワードを格納したカードを用いる。情報登録端末では、入力されたパスワードとカードから取得したパスワードとが一致した場合には、電子証明書を読み出してシステムに送信する。システムでは、受信した電子証明書に基づいて、本人認証を行ない、本人認証が正しく行なわれた場合には、情報登録端末に認証完了通知を行なう。この通知に基づいて、情報登録端末では、安否情報入力画面を表示する。そして、情報登録端末は、安否情報入力画面に入力された被災情報(例えば、避難場所や所属、連絡先など)をシステムに送信する。システムでは、受信した被災情報を個人識別子と関連付けて記録する。これにより、本人認証を行なった上で安否情報の登録を受け付けるので、安否情報の信頼性を確保できるとしている。なお、この特許文献1では、情報登録端末として、現金自動預払機(ATM:automated-teller machine)やキャッシング端末を用いることができることが付言されている。
【特許文献1】特開2004−234415号公報(図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、現金自動預払機の本来の機能は、ホストコンピュータとデータの送受信を行なって、バンキング処理を行なうことである。このため、災害に強い強固なネットワークが構築されている。しかし、特許文献1に記載されているように、現金自動預払機を情報登録端末として用いる場合、通常のバンキング処理とは異なる安否確認処理を現金自動預払機に行なわせる必要があり、現金自動預払機の設定を変更しなければならない。
【0005】
特に、通常のバンキング処理であれば、他行(他の銀行)の現金自動預払機を利用することもできるが、他行の現金自動預払機は安否確認処理の利用を前提として設定されていない。更に他行の現金自動預払機とホストコンピュータとは、金融機関間で共通したネットワーク(例えば、全銀ネットワーク)を介して接続されている。この場合、ホストコンピュータと現金自動預払機とが異なる金融機関に属する場合であってもバンキング処理ができるように、このような金融機関共通ネットワークを通過するデータのプロトコルが定められている。このため、金融機関共通ネットワークを利用するためには、このプロトコルを遵守する必要がある。
【0006】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされ、現金自動預払機を用いて、より確実に安否確認を行なうことができる安否通知方法、安否通知システム及び安否通知プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、災害が発生した地域に属する現金自動預払機を特定するためのデータを記録した災害地域データ記憶手段と、前記現金自動預払機の設置ロケーションに関するデータを記録した設置ロケーションデータ記憶手段と、現金自動預払機にネットワークを介して接続され、この現金自動預払機からの依頼に基づいてバンキング処理を実行する金融機関システムとを用いて、管理コンピュータが安否通知を行なう方法であって、前記管理コンピュータが、現金自動預払機において取得した口座識別子と、この現金自動預払機を特定する現金自動預払機識別子とに関するデータを含む処理依頼を受信する依頼受付段階と、前記現金自動預払機識別子に関するデータと、前記災害地域データ記憶手段に記録された災害地域データとに基づいて、この現金自動預払機が災害地域に属していると判断した場合には、前記口座識別子に関連付けて、前記処理依頼の時刻と現金自動預払機の設置ロケーションとを含む安否確認情報を記録するための安否確認処理を行なう安否確認処理段階とを実行することを要旨とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の安否通知方法において、前記管理コンピュータは、前記口座識別子に対応して本人認証を行なうためのデータを記録する本人認証データ記憶手段に接続されており、前記処理依頼には、本人認証に関するデータが更に含まれ、前記管理コンピュータが、前記処理依頼に含まれる前記本人認証に関するデータに基づいて本人認証を行なう認証段階と、前記本人認証が完了した場合に、前記安否確認処理を行なうことを要旨とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の安否通知方法において、前記管理コンピュータは、前記口座識別子に対応して設定された連絡先データを記録した連絡先データ記憶手段に更に接続されており、前記安否確認処理は、前記現金自動預払機において取得した口座識別子に基づいて、前記連絡先データ記憶手段から特定される連絡先に、前記安否確認情報を送信することを要旨とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の安否通知方法において、前記安否確認処理段階は、前記処理依頼の時刻と前記現金自動預払機の設置ロケーションとを含む安否情報を、現金自動預払機において挿入されたキャッシュカードの口座の履歴情報として記録することを要旨とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1つに記載の安否通知方法において、前記管理コンピュータは、特定金額に対応付けられたメッセージ内容を記録したメッセージ記憶手段に接続されており、前記処理依頼には、前記口座識別子から特定される口座の取引金額に関するデータが更に含まれ、前記安否確認処理段階は、災害地域に属する現金自動預払機から前記取引金額を受信した場合には、前記取引金額と前記メッセージ記憶手段に記録された特定金額とを照合し、前記取引金額が特定金額として記録されている場合には、この特定金額に対応付けられたメッセージ内容を、前記メッセージ記憶手段から取得し、前記安否確認情報に含めて記録することを要旨とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、災害が発生した地域に属する現金自動預払機を特定するためのデータを記録した災害地域データ記憶手段と、前記現金自動預払機の設置ロケーションに関するデータを記録した設置ロケーションデータ記憶手段と、現金自動預払機にネットワークを介して接続され、この現金自動預払機からの依頼に基づいてバンキング処理を実行する金融機関システムとを用いて、管理コンピュータが安否通知を行なう安否通知システムであって、前記管理コンピュータが、現金自動預払機において取得した口座識別子と、この現金自動預払機を特定する現金自動預払機識別子とに関するデータを含む処理依頼を受信する依頼受付手段、及び前記現金自動預払機識別子に関するデータと、前記災害地域データ記憶手段に記録された災害地域データとに基づいて、この現金自動預払機が災害地域に属していると判断した場合には、前記口座識別子に関連付けて、前記処理依頼の時
刻と現金自動預払機の設置ロケーションとを含む安否確認情報を記録するための安否確認処理を行なう安否確認処理手段を備えることを要旨とする。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の安否通知システムにおいて、前記管理コンピュータは、前記口座識別子に対応して本人認証を行なうためのデータを記録する本人認証データ記憶手段に接続されており、前記処理依頼には、本人認証に関するデータが更に含まれ、前記管理コンピュータが、前記処理依頼に含まれる前記本人認証に関するデータに基づいて本人認証を行なう認証手段と、前記本人認証が完了した場合に、前記安否確認処理を行なうことを要旨とする。
【0014】
請求項8に記載の発明は、請求項6又は7に記載の安否通知システムにおいて、前記管理コンピュータは、前記口座識別子に対応して設定された連絡先データを記録した連絡先データ記憶手段に更に接続されており、前記安否確認処理は、前記現金自動預払機において取得した口座識別子に基づいて、前記連絡先データ記憶手段から特定される連絡先に、前記安否確認情報を送信することを要旨とする。
【0015】
請求項9に記載の発明は、請求項6〜8のいずれか1項に記載の安否通知システムにおいて、前記安否確認処理手段は、前記処理依頼の時刻と前記現金自動預払機の設置ロケーションとを含む安否情報を、現金自動預払機において挿入されたキャッシュカードの口座の履歴情報として記録することを要旨とする。
【0016】
請求項10に記載の発明は、請求項6〜9のいずれか1つに記載の安否通知システムにおいて、前記管理コンピュータは、特定金額に対応付けられたメッセージ内容を記録したメッセージ記憶手段に接続されており、前記処理依頼には、前記口座識別子から特定される口座の取引金額に関するデータが更に含まれ、前記安否確認処理手段は、災害地域に属する現金自動預払機から前記取引金額を受信した場合には、前記取引金額と前記メッセージ記憶手段に記録された特定金額とを照合し、前記取引金額が特定金額として記録されている場合には、この特定金額に対応付けられたメッセージ内容を、前記メッセージ記憶手段から取得し、前記安否確認情報に含めて記録することを要旨とする。
【0017】
請求項11に記載の発明は、災害が発生した地域に属する現金自動預払機を特定するためのデータを記録した災害地域データ記憶手段と、前記現金自動預払機の設置ロケーションに関するデータを記録した設置ロケーションデータ記憶手段と、現金自動預払機にネットワークを介して接続され、この現金自動預払機からの依頼に基づいてバンキング処理を実行する金融機関システムとを用いて、管理コンピュータが安否通知を行なうための安否通知プログラムであって、前記管理コンピュータを、現金自動預払機において取得した口座識別子と、この現金自動預払機を特定する現金自動預払機識別子とに関するデータを含む処理依頼を受信する依頼受付手段、及び前記現金自動預払機識別子に関するデータと、前記災害地域データ記憶手段に記録された災害地域データとに基づいて、この現金自動預払機が災害地域に属していると判断した場合には、前記口座識別子に関連付けて、前記処理依頼の時刻と現金自動預払機の設置ロケーションとを含む安否確認情報を記録するための安否確認処理を行なう安否確認処理手段として機能させることを要旨とする。
【0018】
(作用)
請求項1、6又は11に記載の発明によれば、管理コンピュータは、受信した処理依頼に含まれる現金自動預払機識別子に基づいて、処理依頼を受信した現金自動預払機が災害地域に属していると判断した場合には、処理依頼に含まれる口座識別子に関連付けて、処理依頼の時刻と現金自動預払機の設置ロケーションとを含む安否確認情報を記録する。現金自動預払機とホストコンピュータとを接続するネットワークは、通常の電話回線網等よりも強固なネットワークである。このため、管理コンピュータは、災害が発生した地域の
電話回線網による通信が困難な場合でも、利用者の安否確認情報を記録することができる。従って、ホストコンピュータに記録された情報に基づいて、より確実に安否を確認することができる。
【0019】
また、管理コンピュータが、現金自動預払機が災害地域にあるか否かを判断して安否確認処理を行なうので、現金自動預払機において通常のバンキング処理の中で安否確認処理を行なうことができる。従って、既存のシステムやバンキング処理を利用して、安否通知を行なうことができる。
【0020】
更に、安否確認情報には、処理依頼の時刻と、現金自動預払機の設置ロケーションとを含む。このため、安否確認の対象となる利用者の、ある時刻における所在データを取得でき、より詳細な安否情報を記録することが可能となる。
【0021】
請求項2又は7に記載の発明によれば、管理コンピュータは、本人認証ができた場合には安否確認処理を行なうので、安否の信頼性を高めて通知を行なうことができる。
請求項3又は8に記載の発明によれば、管理コンピュータは、口座識別子に対応して設定された連絡先に安否確認情報を送信する。従って、災害発生時の連絡先が予め設定されているので、この連絡先に迅速に安否通知を行なうことができる。
【0022】
請求項4又は9に記載の発明によれば、管理コンピュータは、安否情報を口座の履歴情報として記録する。すなわち、既存の口座の履歴を記録する記憶手段を用いて安否確認情報を記録することができる。このため、既存の設備を有効活用することができるとともに、口座について通帳記帳により、利用者の安否情報を提供することができる。
【0023】
請求項5又は10に記載の発明によれば、処理依頼に含まれる取引金額に一致する特定金額に対応付けられたメッセージ内容を安否確認情報として含ませて記録する。このため、安否だけでなく利用者が通知したいメッセージを安否確認情報として記録することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、現金自動預払機を用いて、より確実に安否確認を行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した安否通知方法の一実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。ここでは、本実施形態の金融機関システムとして銀行システム15を用いる場合を想定する。この銀行システム15は、ホストコンピュータ20及びこれに行内ネットワークNを介して接続された複数の現金自動預払機30を備えている。また、各銀行システム15は、金融機関共通ネットワークNAを介して他の銀行システム15に接続されている。
【0026】
金融機関は顧客の資産を管理しているため、行内ネットワークNや金融機関共通ネットワークNAは災害に強い強固なネットワーク構造で実現されている。
ホストコンピュータ20は、バンキング処理を管理するためのシステムである。このホストコンピュータ20は、管理コンピュータ21を備える。この管理コンピュータ21は、図示しない計時手段、CPU、RAM及びROM等を有し、後述する処理(依頼受付段階、安否確認処理段階及び認証段階等を含む処理)を行なう。そして、このための安否通知プログラムを実行することにより、管理コンピュータ21は、依頼受付手段、安否確認処理手段及び認証手段等として機能する。
【0027】
更に、この管理コンピュータ21は、本人認証データ記憶手段としての口座データ記憶部22と、連絡先データ記憶手段としての連絡先データ記憶部23と、設置ロケーションデータ記憶手段及び災害地域データ記憶手段としての現金自動預払機データ記憶部24に接続されている。
【0028】
図2に示すように、口座データ記憶部22には、口座に関する口座データ220が記録されている。この口座データ220は、顧客が新規な口座を開設すると設定される。この口座データ220は、口座識別子、顧客識別子、暗証番号、残高及び取引履歴に関するデータを含む。
【0029】
口座識別子データ領域には、銀行に開設された顧客の口座を特定するための識別子に関するデータが記録されている。本実施形態の口座識別子データは、支店コード、預金種目コード及び口座番号に関するデータを含んで構成される。
【0030】
顧客識別子データ領域には、預金口座の名義人を特定するための識別子に関するデータが記録されている。
暗証番号データ領域には、この口座の暗証番号に関するデータが記録されている。この暗証番号データは、顧客の預金口座を用いて取引を行なう場合など、顧客識別子データとともに本人確認を行なう際に用いられるデータである。
【0031】
残高データ領域には、この口座の残高に関するデータが記録されている。この口座残高は、この口座に対して入出金を行なう度に更新される。
取引履歴データ領域には、この口座への入金やこの口座からの出金など取引履歴に関するデータが記録されている。本実施形態では、この取引履歴データに、後述するように、安否確認情報を記録する。この取引履歴データ領域には、摘要、取引日、入出金額に関するデータが記録される。ここで、摘要は入金又は出金に関する取引先や取引内容に関する情報を含む。取引日は、入金や出金等の取引があった日付である。入出金額は、この口座に入金された金額や、この口座から出金された金額である。
【0032】
図3に示すように、連絡先データ記憶部23には、災害発生時の連絡先に関する連絡先データ230が記録されている。この連絡先データ230は、連絡先について顧客から通知を受けると設定され登録される。この連絡先データ230は、口座識別子及びこれに関連付けられた連絡先情報に関するデータを記憶している。
【0033】
この口座識別子データ領域には、顧客の口座を特定するための識別子に関するデータが記録されている。この口座識別子データを介して、この連絡先データ230と、口座データ記憶部22に記録された口座データ220とが関連付けられる。
【0034】
連絡先情報データ領域には、通知を行なう連絡先に関する連絡先情報データが記録されている。この連絡先情報データは、例えば、緊急連絡先の電話番号などに関するデータである。なお、1つの口座データ220に複数の連絡先情報データ領域を設けたり、1つの口座に対して複数の口座データ220を設けたりすることにより、複数の連絡先情報を記録するようにしてもよい。
【0035】
図4に示すように、現金自動預払機データ記憶部24には、銀行システム15内の現金自動預払機30に関する現金自動預払機データ240が記録されている。この現金自動預払機データ240は、新たに現金自動預払機30が設置されると記録され、現金自動預払機30が撤去されると削除される。この現金自動預払機データ240は、現金自動預払機識別子、ロケーション及び災害地フラグに関するデータを記録している。
【0036】
現金自動預払機識別子データ領域には、各現金自動預払機30を特定するための識別子データが記録されている。
ロケーションデータ領域には、この現金自動預払機30が設置されているロケーションに関するデータが記録されている。このロケーションに関するデータは、例えば住所に関するデータである。このため、このロケーションデータに基づいて、現金自動預払機30が災害地に設置しているか否かがわかる。
【0037】
災害地フラグデータ領域には、この現金自動預払機が災害地にあるか否かを判断するためのフラグデータが記録されている。通常は、現金自動預払機30が災害地ではないため、このフラグデータは「0」に設定されている。災害が発生し、この災害により安否確認処理を行なう必要がある地域に現金自動預払機30がある場合には、このフラグデータが「1」に設定される。これにより、本実施形態では、現金自動預払機データ240が災害地域データとして機能する。
【0038】
上述したホストコンピュータ20は、この銀行の行内ネットワークNを介して現金自動預払機30に接続されている。更に、この現金自動預払機30は、金融機関共通ネットワークNAを介して他の銀行システム15のホストコンピュータ20に接続されている。
【0039】
この現金自動預払機30には、タッチパネルディスプレイ、現金収容部、カード挿入部や取引明細出力部が設けられている。このタッチパネルディスプレイは、表示部及び入力部として機能し、利用者に対して情報を表示したり利用者から指示を受け付けたりする。現金収容部は、利用者との間で紙幣や硬貨の受け渡しを行なう。カード挿入部は、利用者のキャッシュカードを収容し、このキャッシュカードから各種情報を取得する。取引明細出力部は取引明細を出力する。
【0040】
次に、本実施形態における災害発生時の処理について、図5を用いて説明する。上述のように、金融機関は顧客の資産を管理しているため、行内ネットワークNや金融機関共通ネットワークNAは災害に強い構造で実現されているため、災害発生時にも利用可能とする。本実施形態では、災害が発生した地域で、他行(他の銀行)の現金自動預払機30を用いて残高照会を利用して通知を行なう場合を想定する。なお、この他行の現金自動預払機30には、コンビニエンスストア等に設置された現金自動預払機30も含めてもよい。災害が発生した場合、ホストコンピュータ20の管理コンピュータ21は、現金自動預払機データ240のロケーションデータから、災害が発生した地域に属する現金自動預払機30の現金自動預払機識別子を有する現金自動預払機データ240を特定する。そして、管理コンピュータ21は、特定した現金自動預払機データ240の災害地フラグを「1」に設定する。
【0041】
一方、現金自動預払機30のタッチディスプレイに初期画面が表示されている。この初期画面は、銀行が現金自動預払機30を介して提供するサービスに関する複数のメニュー項目が含まれる。メニュー項目としては、「現金引出」、「残高照会」や「通帳記帳」などがある。
【0042】
ここで、利用者は、自分のキャッシュカードを現金自動預払機30に挿入する。これにより、現金自動預払機30は、挿入されたキャッシュカードから、カード情報を取得する(ステップS1−1)。具体的には、現金自動預払機30は、銀行識別子と口座識別子とを含むカード情報を取得する。
【0043】
本実施形態では、利用者は、初期画面のメニュー項目の中から「残高照会」の項目ボタンを選択する。これにより、現金自動預払機30は、「残高照会」の選択を受け付ける(ステップS1−2)。
【0044】
次に、現金自動預払機30は、本人認証データを取得する(ステップS1−3)。具体的には、現金自動預払機30は、項目ボタンが選択されると、挿入されたキャッシュカードの暗証番号を入力する暗証番号入力画面を表示する。
【0045】
この暗証番号入力画面には、利用者の暗証番号を入力するための番号キーと、確認ボタンとが含まれる。ここで、利用者は、キャッシュカードの暗証番号を、番号キーを用いて入力し、暗証番号の入力が完了すると確認ボタンを選択する。
【0046】
この場合、現金自動預払機30は、金融機関共通ネットワークNA経由で残高照会依頼を送信する(ステップS1−4)。具体的には、現金自動預払機30は、まず、残高照会依頼データを生成する。この残高照会依頼データには、口座識別子及び暗証番号に関するデータと、このデータを送信する現金自動預払機30を特定できる現金自動預払機識別子に関するデータが含まれる。そして、現金自動預払機30は、カード情報に含まれる銀行識別子から、残高照会を行なう銀行のホストコンピュータ20を特定し、このホストコンピュータ20に残高照会依頼を送信する。
【0047】
ホストコンピュータ20は、残高照会依頼を受信すると、まず本人認証を行なう(ステップS1−5)。具体的には、ホストコンピュータ20の管理コンピュータ21は、現金自動預払機30から受信した口座識別子と一致する口座データ220を口座データ記憶部22から検索して抽出する。そして、管理コンピュータ21は、抽出した口座データ220の暗証番号と、受信した暗証番号とが一致するか否かを判断する。暗証番号が一致した場合には、本人認証が完了する。一方、管理コンピュータ21は、口座識別子と一致する口座データ220がない場合や暗証番号が一致しない場合には、本人確認ができないことを、残高照会依頼を送信した現金自動預払機30に返信して、依頼処理を終了する。
【0048】
本人認証が完了した場合、ホストコンピュータ20は、残高照会依頼データを送信した現金自動預払機30が災害地域にあるか否かを判断する(ステップS1−6)。具体的には、ホストコンピュータ20の管理コンピュータ21は、受信した現金自動預払機識別子と一致する現金自動預払機識別子の現金自動預払機データ240を抽出する。そして、管理コンピュータ21は、この現金自動預払機データ240の災害地フラグが「1」に設定されているか否かを確認する。
【0049】
このとき、管理コンピュータ21は、「1」の災害地フラグに対応する現金自動預払機識別子により特定される現金自動預払機30は災害地域に属していることになる。この場合(ステップS1−6において「YES」の場合)、管理コンピュータ21は、通知登録があるか否かを判断する(ステップS1−7)。具体的には、受信した残高照会依頼に含まれる口座識別子と一致する口座識別子の連絡先データ230が、連絡先データ記憶部23に記録されているか否かを判断する。
【0050】
そして、管理コンピュータ21は、残高照会依頼の口座識別子と一致する連絡先データ230がある場合には、通知登録がされていることになる。この場合(ステップS1−7において「YES」の場合)には、ホストコンピュータ20は、安否確認処理(ステップS1−8〜S1−10)を行なう。この安否確認処理では、まず、管理コンピュータ21は、現金自動預払機30のロケーション情報及び処理時刻情報を、取引履歴として保存する(ステップS1−8)。具体的には、管理コンピュータ21は、現金自動預払機識別子に基づいて、現金自動預払機30のロケーション情報を現金自動預払機データ240から取得する。更に、管理コンピュータ21は、計時手段から取得した現在時刻と、現金自動預払機データ240から取得したロケーション情報とを含む安否確認情報を、この口座識別子の口座データ220の取引履歴データ領域に記録する。
【0051】
次に、ホストコンピュータ20は、本人認証に基づいて連絡先情報を取得する(ステップS1−9)。具体的には、ホストコンピュータ20の管理コンピュータ21は、本人認証に用いた口座識別子を含む連絡先データ230の連絡先情報を取得する。
【0052】
続いて、ホストコンピュータ20は、通知処理を行なう(ステップS1−10)。具体的には、ホストコンピュータ20の管理コンピュータ21は、取得した連絡先情報の電話番号に、本人認証した利用者が無事である旨の通知を行なう。このとき、この通知には、取引履歴データ領域に記録した利用者の安否確認情報(現金自動預払機30のロケーション情報や処理時刻)を含める。
【0053】
一方、ホストコンピュータ20は、現金自動預払機30が災害地域にない場合や、通知登録がない場合(ステップS1−6、S1−7において「NO」の場合)には、ステップS1−8〜S1−10を実行しない。
【0054】
そして、これらの場合(ステップS1−6、S1−7において「NO」の場合)、又は通知処理を完了した場合(ステップS1−10)には、ホストコンピュータ20は、残高照会処理を行なう(ステップS1−11)。具体的には、ホストコンピュータ20の管理コンピュータ21は、口座データ220の残高データを取得し、これを現金自動預払機30に送信する。
【0055】
残高データを受信した現金自動預払機30は、結果を表示する(ステップS1−12)。具体的には、現金自動預払機30は、ホストコンピュータ20から受信した残高データを画面に表示する。以上により処理が完了する。
【0056】
本実施形態の安否通知によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1) 本実施形態では、現金自動預払機30は、金融機関共通ネットワークNA経由で残高照会依頼を行なう(ステップS1−4)。この残高照会依頼データには、口座識別子及び暗証番号に関するデータと、このデータを送信する現金自動預払機30を特定できる現金自動預払機識別子に関するデータが含まれる。現金自動預払機識別子から現金自動預払機30が災害地域にあり(ステップS1−6において「YES」)、通知登録がある場合(ステップS1−7において「YES」の場合)には、ホストコンピュータ20は安否確認処理を行なう(ステップS1−8〜S1−10)。現金自動預払機30とホストコンピュータ20とを接続する行内ネットワークNや金融機関共通ネットワークNAは、通常の電話回線網などよりも強固なネットワーク構造で実現されている。このため、管理コンピュータ21は、災害が発生した地域の電話回線網等による通信が困難であっても、利用者の安否確認情報を記録することができる。そして、ホストコンピュータ20が災害地域と別の場所にある場合には、ホストコンピュータ20から、この災害地域以外の地域において電話回線網等を利用して連絡を行なうことができる。従って、災害地域の電話回線網の混乱により通信が困難であっても、記録した安否確認情報に基づいて、より確実に安否通知を行なうことができる。
【0057】
また、管理コンピュータ21は、現金自動預払機30が災害地域にあり、通知登録がある場合(ステップS1−6及びS1−7において「YES」の場合)、安否確認処理を行なう。このため、現金自動預払機30における通常の残高照会の処理(ステップS1−1〜S1−4、S1−12)により、安否確認処理を行なうことができる。従って、現金自動預払機30における処理をそのまま用いることができる。
【0058】
更に、異なる銀行システム15相互間において、金融機関共通ネットワークNAを介して送受信されるデータを変更しなくても、安否確認処理を行なうことができる。従って、
既存の金融機関共通ネットワークNAや現金自動預払機30をそのまま用いて、安否確認処理を行なうことができる。
【0059】
更に、管理コンピュータ21は、データを受信した現金自動預払機30が災害地域にある場合(ステップS1−6において「YES」の場合)には、現金自動預払機30のロケーション情報及び処理時刻情報を、口座の取引履歴として保存する(ステップS1−8)。このため、安否確認の対象となる利用者が、残高照会を行なったときの所在や時刻など、より詳細な情報が記録されるので、この情報を用いて安否確認を行なうことができる。
【0060】
(2) 本実施形態では、ホストコンピュータ20は、残高照会依頼(処理依頼)に含まれる口座識別子及び暗証番号に基づいて、本人認証を行なう(ステップS1−5)。そして、本人認証が完了すると、現金自動預払機30が災害地域にあるか否か(ステップS1−6)及び通知登録があるか否か(ステップS1−7)を判断して、安否確認処理を行なう(ステップS1−8〜S1−10)。このため、本人であることを確認した上で通知を行なうので、安否の信頼性を高めて通知を行なうことができる。
【0061】
また、本実施形態では、管理コンピュータ21は、本人認証を、口座識別子及び暗証番号を用いたバンキング処理を行なうときの本人認証と同じ処理で行なう。すなわち、既存の本人認証を用いることができ、メモリ資源を効率的に活用することができる。
【0062】
(3) 本実施形態では、管理コンピュータ21は、現金自動預払機30のロケーション情報及び処理時刻情報を含む安否確認情報を、口座データ記憶部22の取引履歴データに保存する(ステップS1−8)。従って、既存の設備を有効活用することができる。そして、他の人は、その口座について通帳記帳を通常に行なうことにより、利用者の安否情報、すなわち「何時に、誰が、どこ(現金自動預払機30の設置場所)にいたか」に関する情報の提供を受けることができる。
【0063】
(4) 本実施形態では、管理コンピュータ21は、連絡先データ230が記録される連絡先データ記憶部23に接続されている。連絡先データ230は、口座識別子に関連付けられた顧客の連絡先に関するデータである。管理コンピュータ21は、安否確認処理において、口座識別子の連絡先データ230に含まれる連絡先情報を取得し(ステップS1−9)、この連絡先に対して通知処理を行なう(ステップS1−10)。従って、管理コンピュータ21は、災害発生時に連絡を行なう連絡先を特定して、この連絡先に迅速に安否通知を行なうことができる。
【0064】
(5) 本実施形態では、連絡先データ230の連絡先情報は、口座識別子に関連付けられている。このため、顧客が複数の口座を有している場合には、関連付けられている口座毎に連絡先を変更できる。例えば、仕事で使用している口座については取引先を連絡先に、家族で使用している口座であれば家族や親戚を連絡先にすることができる。従って、同じ顧客であっても、用途に応じて連絡先を変更することができるので、利用者の利便性を向上させることができる。
【0065】
(6) 本実施形態では、ホストコンピュータ20は、現金自動預払機30から受信した残高照会依頼に基づいて安否確認処理を行なう(ステップS1−8〜S1−10)。現金自動預払機30においては、残高照会を受け付けた場合でも、この口座を管理するホストコンピュータ20とデータの送受信を行なう。このため、実際に口座に対して入出金の取引を行なわなくても、ホストコンピュータ20は、災害地域に属する現金自動預払機30からの処理依頼に基づいて、安否確認処理を行なうことができる。
【0066】
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した安否通知方法の第2実施形態を図6〜図8を用いて説明する。以下の実施形態においても、上記実施形態と同様に、金融機関システムとして銀行システムを用いる場合を想定する。なお、以下の実施形態において、上述の実施形態と同様の部分については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0067】
本実施形態において、ホストコンピュータ20は、自行(同じ銀行)の現金自動預払機30を用いて安否通知処理を行なう。本実施形態のホストコンピュータ20及び現金自動預払機30は、上記第1実施形態と同様な構成をしている。ただし、本実施形態の現金自動預払機30は、ホストコンピュータ20からの指示に応じて、災害モード用の初期画面を表示することができ、自行のホストコンピュータ20に対して、安否通知処理を指示できるように設定可能になっている。
【0068】
ホストコンピュータ20は、災害が発生した場合には、災害発生地域の現金自動預払機30の現金自動預払機データ240の災害地フラグを「1」に設定する。更に、ホストコンピュータ20は、災害モード用の初期画面となるように、災害モードの変更指示を行なう(ステップS2−1)。この変更指示を受けた現金自動預払機30は、災害モード用の初期画面の設定を行なう(ステップS2−2)。現金自動預払機30のディスプレイには、図7に示すように、災害モード用の初期画面100が表示される。この初期画面100には、銀行が提供するサービスの通常のメニュー項目101とともに、安否通知の項目ボタン105が含まれる。
【0069】
ここで、利用者がキャッシュカードを挿入すると、現金自動預払機30は、上記第1実施形態のステップS1−1と同様に、カード情報を取得する(ステップS2−3)。なお、現金自動預払機30は、カード情報に含まれる銀行識別子に基づいて、挿入されたキャッシュカードが自行のカードかどうかを確認し、他行のカードの場合には、初期画面100で表示している「安否通知」の項目ボタンを無効にする。
【0070】
自行のキャッシュカードが挿入され、初期画面100において「安否通知」の項目ボタン105が選択された場合には、現金自動預払機30は、通知依頼を開始する(ステップS2−4)。
【0071】
ここでは、現金自動預払機30は、上記第1実施形態のステップS1−3と同様に、本人認証データを取得する(ステップS2−5)。具体的には、現金自動預払機30は、暗証番号を取得する。
【0072】
そして、暗証番号を受け付けた現金自動預払機30は、図8に示すメッセージ選択画面110を表示する。このメッセージ選択画面110には、現金自動預払機30の位置や現在時刻に関する情報とともに、連絡メッセージがそれぞれ表示された複数のメッセージボタン115が表示されている。ここで、利用者は、自分が通知したい連絡メッセージのメッセージボタン115を選択する。
【0073】
メッセージボタン115が選択されると、現金自動預払機30は、行内ネットワークNを介して通知指示を行なう(ステップS2−6)。ここで、通知指示には、カード情報として取得した口座識別子、暗証番号及び選択されたメッセージボタンに対応するデータが含まれる。
【0074】
通知指示を受け取ったホストコンピュータ20は、上記第1実施形態と同様な処理を行なう。ここで、まず、管理コンピュータ21は、ステップS1−5と同様に、本人認証を行なう(ステップS2−7)。そして、本人認証が完了すると、管理コンピュータ21は、上記第1実施形態のステップS1−6と同様に、データを送信した現金自動預払機30
が災害地域にあるか否かを判断する(ステップS2−8)。ここで、管理コンピュータ21は、災害地域に属していると判断する場合(ステップS2−8において「YES」の場合)には、通知登録があるか否かを判断する(ステップS2−9)。
【0075】
そして、通知登録がある場合(ステップS2−9において「YES」の場合)には、ホストコンピュータ20は、上記第1実施形態の安否確認処理(ステップS1−8〜S1−10)と同様な処理を行なう。具体的には、管理コンピュータ21は、現金自動預払機30のロケーション情報及び処理時刻情報を含む安否確認情報を、口座データ220の取引履歴データ領域に保存する(ステップS2−10)。続いて、管理コンピュータ21は、本人認証に基づいて連絡先情報を取得し(ステップS2−11)、この連絡先情報を用いて通知処理を行なう(ステップS2−12)。なお、この通知処理においては、利用者が選択したメッセージ内容を含めた通知を行なう。
【0076】
一方、現金自動預払機30が災害地域にない場合や通知登録がない場合(ステップS2−8、S2−9において「NO」の場合)には、ステップS2−10〜S2−12を実行しない。
【0077】
そして、これらの場合(ステップS2−8、S2−9において「NO」の場合)、又は通知処理が完了した場合(ステップS2−12)には、ホストコンピュータ20は、処理結果通知を行なう(ステップS2−13)。具体的には、ホストコンピュータ20の管理コンピュータ21は、通知処理を行なった旨のデータを現金自動預払機30に送信する。
【0078】
データを受信した現金自動預払機30は、受信したデータに基づいて通知処理を完了した旨の結果表示を行なう(ステップS2−14)。以上により処理が完了する。
本実施形態によれば、上記第1実施形態の(1)〜(5)に記載の効果と同様な効果を奏することができるとともに、以下の効果を得ることができる。
【0079】
(7) 本実施形態では、ホストコンピュータ20は、自行の現金自動預払機30に対して災害モードの指示を行なうと(ステップS2−1)、現金自動預払機30を、安否通知の項目ボタン105を含めた災害モード用の初期画面100が表示されるように設定する(ステップS2−2)。このため、利用者は、「安否通知」の項目ボタン105が含まれる初期画面100を表示した現金自動預払機30を用いて、効率的に、かつより確実に、安否通知を行なうことができる。
【0080】
(8) 本実施形態では、現金自動預払機30は、初期画面100において「安否通知」の項目ボタン105が選択されると、メッセージ選択画面110を表示する。そして、このメッセージ選択画面110において、利用者が通知したい連絡メッセージのメッセージボタン115が選択されると、現金自動預払機30は、ホストコンピュータ20に通知指示を行なう(ステップS2−6)。管理コンピュータ21は、通知処理(ステップS2−12)において、利用者が選択したメッセージ内容を連絡先に送信する。このため、利用者は、自分の状況(例えば、居場所や被災の状況)などについての情報を、連絡先に通知することができる。
【0081】
(第3実施形態)
次に、本発明を具体化した安否通知方法の第3実施形態を図9に基づいて説明する。本実施形態において、ホストコンピュータ20は、他行の現金自動預払機30からの「現金引出」の処理依頼に基づいて、安否通知処理を行なう。
【0082】
本実施形態のホストコンピュータ20の管理コンピュータ21は、更に、メッセージ記憶手段としての図示しないメッセージデータ記憶部に接続されている。このメッセージデ
ータ記憶部には、災害発生時に所定の金額(特定金額)に関連付けられる連絡メッセージが記録されている。本実施形態では、例えば、「1円」や「10円」などの一桁又は二桁の少額を、特定金額として設定する。また、連絡メッセージとしては、例えば「無事です」や「近くの避難所にいます」などのメッセージがある。
【0083】
本実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、現金自動預払機30のタッチディスプレイに初期画面が表示されている。ここで、利用者のキャッシュカードが挿入されると、現金自動預払機30は、上記第1実施形態のステップS1−1と同様に、挿入されたキャッシュカードから、カード情報を取得する(ステップS3−1)。
【0084】
そして、利用者が、初期画面に表示されているメニュー項目の中から「現金引出」の項目ボタンを選択すると、現金自動預払機30は、「現金引出」の選択を受け付ける(ステップS3−2)。そして、現金自動預払機30は、上記第1実施形態のステップS1−3と同様に、本人認証データを取得する(ステップS3−3)。
【0085】
次に、現金自動預払機30は、引出金額データを取得する(ステップS3−4)。具体的には、現金自動預払機30は、現金引出の金額入力画面を表示する。この金額入力画面には、数字キーと確認ボタンとが含まれる。ここで、利用者が、数字キーを用いて、通知したい連絡メッセージに対応する特定金額を入力し、確認ボタンを選択する。
【0086】
これにより、現金自動預払機30は、金融機関共通ネットワークNAを経由して、現金引出依頼を行なう(ステップS3−5)。この現金引出依頼には、口座識別子、暗証番号、引出金額及びこの現金自動預払機識別子に関するデータが含まれる。具体的には、現金自動預払機30は、カード情報に含まれる銀行識別子から、現金引出を行なう口座を有する銀行のホストコンピュータ20を特定する。そして、現金自動預払機30は、このホストコンピュータ20に現金引出依頼を送信する。
【0087】
現金引出依頼を受信したホストコンピュータ20は、上記第1実施形態のステップS1−5と同様に、本人認証を行なう(ステップS3−6)。ホストコンピュータ20は、本人認証が完了すると、上記第1実施形態のステップS1−6と同様に、データを送信した現金自動預払機30が災害地域にあるか否かを判断する(ステップS3−7)。
【0088】
このとき、ホストコンピュータ20は、災害地域に属していると判断した場合(ステップS3−7において「YES」の場合)には、上記第1実施形態のステップS1−7と同様に、通知登録があるかを判断する(ステップS3−8)。
【0089】
そして、通知登録がある場合(ステップS3−8において「YES」の場合)、現金引出依頼の金額が特定金額であるか否かを判断する(ステップS3−9)。具体的には、管理コンピュータ21は、受信した引出金額が、メッセージデータ記憶部に記録された連絡メッセージの特定金額と一致するか否かを判断する。
【0090】
連絡メッセージの特定金額と一致すると、管理コンピュータ21は、特定金額であると判断する。この場合(ステップS3−9において「YES」の場合)、管理コンピュータ21は、現金引出依頼の特定金額に応じたメッセージを復元する(ステップS3−10)。具体的には、ホストコンピュータ20は、メッセージデータ記憶部から、一致した特定金額に対応する連絡メッセージのデータを取得する。
【0091】
次に、ホストコンピュータ20は、上記第1実施形態の安否確認処理(ステップS1−8〜S1−10)と同様な処理を行なう。具体的には、管理コンピュータ21は、現金自動預払機30のロケーション情報及び処理時刻情報を含む安否確認情報を、口座データ2
20の取引履歴データ領域に保存する(ステップS3−11)。続いて、管理コンピュータ21は、本人認証に基づいて連絡先情報を取得し(ステップS3−12)、この連絡先情報を用いて通知処理を行なう(ステップS3−13)。この通知処理においては、管理コンピュータ21は、ステップS3−10で復元したメッセージの内容を含めた通知を行なう。
【0092】
一方、ホストコンピュータ20は、現金自動預払機30が災害地域にない場合、通知登録がない場合、特定金額でない場合(ステップS3−7〜S3−9において「NO」の場合)には、ステップS3−10〜S3−13を実行しない。
【0093】
そして、これらの場合(ステップS3−7〜S3−9において「NO」の場合)、又は通知処理が完了した(ステップS3−13)場合には、ホストコンピュータ20は、現金引出処理を行なう(ステップS3−14)。具体的には、ホストコンピュータ20の管理コンピュータ21は、現金引出の取引履歴を口座データ220に記録する。更に、管理コンピュータ21は、口座データ220の残高に引出金額を減算した金額を、新たな口座データ220の残高データとして口座データ記憶部22に記録する。そして、管理コンピュータ21は、ホストコンピュータ20における現金引出処理が完了したことを現金自動預払機30に通知する。
【0094】
通知を受けた現金自動預払機30は、結果表示を行なう(ステップS3−15)。具体的には、現金自動預払機30は、特定金額に対応する金額の硬貨を現金収容部から提供する。更に、現金自動預払機30は、現金を引き出した後の残高を表示する。以上により処理が完了する。
【0095】
本実施形態によれば、上記各実施形態の(1)〜(5)に記載の効果と同様な効果を奏することができるとともに、以下の効果を得ることができる。
(9) 本実施形態では、現金自動預払機30は、「現金引出」の選択を受け付ける(ステップS3−2)。このとき、利用者は、通知したい連絡メッセージに対応する特定金額を入力する。現金自動預払機30は、金融機関共通ネットワークNAを経由して、口座識別子、暗証番号及び引出金額のデータを送信して、現金引出依頼を行なう(ステップS3−5)。ホストコンピュータ20は、データを送信した現金自動預払機30が災害地域にある場合(ステップS3−7において「YES」の場合)、引出金額が特定金額か否かを判断する(ステップS3−9)。特定金額であった場合には、それに対応するメッセージを復元する(ステップS3−10)。このため、連絡メッセージを特定するために金額を用いるので、管理コンピュータ21は、他行の現金自動預払機30からフォーマットが決まっている金融機関共通ネットワークNAを介して、利用者が通知したい連絡メッセージを特定することができる。従って、利用者は、メッセージを他行の現金自動預払機30からでも送信することができるので、利用者の利便性を向上させることができる。また、特定金額を入力するだけでメッセージを送信することができるので、入力も簡単で、迅速に処理を行なうことができる。
【0096】
(第4実施形態)
次に、本発明を具体化した安否通知方法の第4実施形態を図10に基づいて説明する。本実施形態において、ホストコンピュータ20は、他行の現金自動預払機30からの「振込」の処理依頼に基づいて、安否通知処理を行なう。
【0097】
本実施形態では、上記実施形態と異なり、連絡先データ記憶部23を備える必要はなく、連絡先データは、振込情報として取得する。
本実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、現金自動預払機30のタッチディスプレイに初期画面が表示されている。ここで、利用者のキャッシュカードが挿入される
と、現金自動預払機30は、上記第1実施形態のステップS1−1と同様に、挿入されたキャッシュカードから、カード情報を取得する(ステップS4−1)。
【0098】
そして、利用者が、初期画面に表示されているメニュー項目の中から「振込」の項目ボタンを選択すると、現金自動預払機30は、「振込」の選択を受け付ける(ステップS4−2)。
【0099】
次に、現金自動預払機30は、振込情報を取得する(ステップS4−3)。具体的には、現金自動預払機30は、「振込」の選択を受け付けると、まず、振込先となる口座に関する情報(口座がある銀行、支店名及び口座番号等)を入力するための画面を表示する。そして、利用者は自分の口座を振込先として入力し、振込金額も入力すると、現金自動預払機30は、振込先に関するデータを取得する。なお、ここで、利用者は、振込金額として、例えば「1円」などの少額の金額を入力する。
【0100】
続いて、現金自動預払機30は、振込を行なう振込人に関する情報を取得する。具体的には、現金自動預払機30は、振込人の名前及び電話番号を入力する振込人情報入力画面を表示する。そして、この振込人情報入力画面において、利用者は、連絡をしたい連絡先の電話番号及び連絡先の名前を振込人の情報として入力する。これにより、現金自動預払機30は、振込人情報を取得する。
【0101】
次に、現金自動預払機30は、振込金額に相当する現金を取得する(ステップS4−4)。具体的には、現金自動預払機30は、振込金額に相当する現金を現金収容部に投入する旨を画面に表示し、現金収容部の投入口を開放する。
【0102】
そして、利用者が振込金額に相当する現金を投入すると、現金自動預払機30は、金融機関共通ネットワークNAを経由して振込依頼を送信する(ステップS4−5)。この振込依頼には、口座識別子、振込金額、振込人の電話番号、振込人の名前及び現金自動預払機識別子のデータが含まれる。具体的には、現金自動預払機30は、カード情報に含まれる銀行識別子から、振込を行なう口座を有する銀行のホストコンピュータ20を特定し、このホストコンピュータ20に振込依頼を行なう。
【0103】
振込依頼を受けたホストコンピュータ20の管理コンピュータ21は、上記第1実施形態のステップS1−6と同様に、データを送信した現金自動預払機30が災害地域にあるか否かを判断する(ステップS4−6)。
【0104】
現金自動預払機30が災害地域にある場合(ステップS4−6において「YES」の場合)には、管理コンピュータ21は安否確認処理を行なう。本実施形態においては、管理コンピュータ21は、上記第1実施形態のステップS1−8と同様に、現金自動預払機30のロケーション情報及び処理時刻情報を含む安否確認情報を取引履歴データとして保存する(ステップS4−7)。次に、管理コンピュータ21は、連絡先情報の特定を行なう(ステップS4−8)。具体的には、管理コンピュータ21は、現金自動預払機30から受信した振込人の情報(名前及び電話番号)を連絡先情報として特定する。
【0105】
そして、ホストコンピュータ20は、通知処理を行なう(ステップS4−9)。具体的には、管理コンピュータ21は、連絡先情報の電話番号に、振込先の口座に対して振込を行なった旨の通知を行なう。
【0106】
一方、ホストコンピュータ20は、現金自動預払機30が災害地域にない場合(ステップS4−6において「NO」の場合)には、ステップS4−7〜S4−9を実行しない。
そして、この場合(ステップS4−6において「NO」の場合)、又は通知処理が完了
した場合(ステップS4−9の場合)には、ホストコンピュータ20は振込処理を行なう(ステップS4−10)。具体的には、ホストコンピュータ20の管理コンピュータ21は、振込の取引履歴を口座データ220に記録する。更に、管理コンピュータ21は、口座識別子に基づいて振込先の口座データ220を特定し、この口座データ220の残高に振込金額を加算した金額を、新たな残高データとして口座データ記憶部22に記録する。そして、管理コンピュータ21は、振込処理が完了したことを通知する。
【0107】
通知を受けた現金自動預払機30は、結果表示を行なう(ステップS4−11)。具体的には、現金自動預払機30は、振込が完了した旨の表示をタッチパネルに表示するとともに、取引明細出力部から振込内容を記録した取引明細書を出力する。以上により処理が完了する。
【0108】
本実施形態によれば、上記第1実施形態の(1)に記載の効果と同様な効果を奏することができるとともに、以下の効果を得ることができる。
(10) 本実施形態では、現金自動預払機30は、振込情報として、振込先となる口座を特定する口座識別子及び振込人に関する情報を取得する(ステップS4−3)。管理コンピュータ21は、振込先の口座の取引履歴データとして、この現金自動預払機30のロケーション情報及び処理時刻情報を記録する(ステップS4−7)。従って、カード情報がなくても、自分の口座を特定できる情報があれば、安否確認処理を行なうことができる。また、管理コンピュータ21は、振込人情報を用いて連絡先情報を特定して(ステップS4−8)、この連絡先に対して通知処理を行なう(ステップS4−9)。従って、連絡先を予め登録しておく必要がなく、自由に連絡先に対して安否確認処理を行なうことができる。
【0109】
なお、本実施形態は、以下のように変更してもよい。
○ 上記第2実施形態では、現金自動預払機30は、「安否通知」の項目ボタン105が選択されると、メッセージ選択画面110を表示し、利用者にメッセージを選択するように指示した。このメッセージ選択画面110に代えて、現金自動預払機30は、メッセージを入力するためのメッセージ入力画面を表示してもよい。このメッセージ入力画面には、通知したいメッセージを入力するための入力欄、メッセージを作成するために用いる文字キーを含ませる。そして、利用者は、文字キーを用いて、例えば「元気です。○○の避難所にいます。」など通知したい内容を入力する。そして、現金自動預払機30は、入力されたメッセージの内容をホストコンピュータ20に送信する。これにより、自由度の高いメッセージを送信することができる。
【0110】
○ 上記第3実施形態において、特定金額は、少額の値に設定したが、メッセージに関連付けられる特定金額は、これに限られるものでない。例えば、メッセージの内容を語呂合わせにした数字を特定金額として用いてもよい。
【0111】
○ 上記第3実施形態では、データを送信した現金自動預払機30が災害地域に属しており(ステップS3−7において「YES」)、現金引出金額が特定金額の場合に、ロケーション情報や処理時刻情報を履歴として保存した。これに限らず、現金引出金額が特定金額でない場合であっても、現金自動預払機30が災害地域に属していた場合には、ロケーション情報や処理時刻情報を履歴として保存し、連絡先を取得して通知処理を行なってもよい。これにより、安否確認処理を自動的に行なうことができる。
【0112】
○ 上記第3実施形態では、現金引出を行なって、安否確認処理を行なった。これに代えて、預入や振込依頼など、利用者のキャッシュカードを利用する処理によって、安否確認処理を行なうようにしてもよい。
【0113】
○ 上記第3及び第4実施形態では、現金引出処理又は振込処理(ステップS3−14、S4−10)を行なう前に、各処理の取引履歴とは別に、現金自動預払機30のロケーション情報、処理時刻情報を取引履歴として保存した(ステップS3−11、S4−7)。これに代えて、現金自動預払機30から依頼を受けた処理が、取引履歴を記録する場合には、この取引履歴に付加してロケーション情報、処理時刻情報等の安否情報を付加してもよい。
【0114】
○ 上記第4実施形態では、利用者の口座に対して振込を行なうようにした。これに代えて、緊急時に連絡を取り合う特定口座を設けてもよい。この特定口座は、例えば家族で共有するような特定口座としてもよい。この場合、特定口座に対して複数の家族カードを発行する。そして、家族カードを家族のそれぞれが所有し、この家族カードを用いて特定口座に対する処理依頼を現金自動預払機30から行なう。これにより、家族の誰がどこの現金自動預払機30にいたかという情報を記録することができる。
【0115】
○ 上記第4実施形態では、通知処理(ステップS4−9)において、利用者が無事か否かを連絡するようにした。この第4実施形態における振込金額を、上記第3実施形態で説明したように、メッセージに対応する特定金額としてもよい。具体的には、管理コンピュータ21を、メッセージデータ記憶部に接続する。そして、管理コンピュータ21は、データを送信した現金自動預払機30が災害地域にあると判断すると(ステップS4−6において「YES」の場合)、振込金額が特定金額であるか否かを判断し、特定金額である場合には、この特定金額に応じてメッセージを復元する。そして、復元したメッセージ、ロケーション情報、処理時刻情報を含む安否確認情報を取引履歴として保存し、連絡先情報を特定して(ステップS4−8)、通知処理を行なう(ステップS4−9)。
【0116】
○ 上記第1〜第3実施形態では、カード情報を取得した後、処理が選択された。これに代えて、処理の選択を受け付けてから、キャッシュカードを挿入する指示を行なって、カード情報を取得してもよい。
【0117】
○ 上記第1〜第3実施形態では、ホストコンピュータ20は、通知登録がなかった場合には、災害地域であっても、ロケーション情報や処理時刻情報を含む安否確認情報を保存しない。これに代えて、災害地域の現金自動預払機30から処理依頼のデータを受信した場合には、通知登録の有無に関わらず、安否確認情報を保存してもよい。この場合、管理コンピュータ21は、通知登録の判断を行なう前に、安否確認情報を取引履歴として保存してもよい。
【0118】
○ 上記各実施形態における通知処理(ステップS1−10、S2−12、S3−13、S4−9)では、取得した連絡先情報の電話番号に通知した。これに限らず、連絡先は電話番号以外であっても、例えば、電子メールや掲示板等を用いて通知処理を行なってもよい。
【0119】
また、上記各実施形態で行なった通知処理を省略してもよい。この場合、利用者の家族が、現金自動預払機30において通帳記帳依頼を行なうことにより、安否を確認することができる。具体的には、利用者の家族は、利用者がカードを用いてバンキング処理を行なった口座に対して通帳記帳を行なう。現金自動預払機30は、挿入された通帳から口座がある銀行の銀行識別子及び口座識別子を取得し、通帳記帳依頼をホストコンピュータ20に送信する。ホストコンピュータ20の管理コンピュータ21は、受信した口座識別子に基づいて口座データ220を特定し、取引履歴データを現金自動預払機30に送信する。現金自動預払機30においては、ホストコンピュータ20から受信した取引履歴を通帳に記帳する。これにより、利用者の家族は、利用者がカードを用いてバンキング処理した時刻及びその場所を通帳により把握することができるので、利用者の安否を知ることができ
る。
【0120】
○ 上記各実施形態では、連絡先データ230の連絡先情報は、口座識別子に関連付けた。これに代えて、連絡先情報を、顧客識別子に関連付けてもよい。具体的には、顧客識別子、顧客名及び本人情報を含む顧客データを記録した顧客データ記憶部を、ホストコンピュータ20に設ける。顧客識別子データ領域には、この預金口座の名義人を特定するための識別子に関するデータが記録される。この顧客識別子データを介して、この顧客データと、口座データ記憶部22に記録された口座データ220とが関連付けられる。顧客名データ領域には、この預金口座の名義人の名前に関するデータが記録される。本人情報データ領域には、顧客本人に関する情報、例えば、顧客の住所や電話番号等に関するデータが記録されている。これにより、顧客毎に連絡先を設定することができる。
【0121】
○ 上記各実施形態においては、個人の口座に関連付けて、安否確認処理を行なった。これに限らず、通知専用口座を設けて、安否確認処理を行なってもよい。具体的には、金融機関の預金口座に、安否を通知するときに入金を行なう通知専用口座を設ける。そして、この通知専用口座の口座識別子を、広く一般利用できるように利用者に周知する。被災し安否通知を行ないたい場合、利用者は、この通知専用口座に対して振込を行なう。この場合、上記第4実施形態と同様に、振込人情報入力欄として、利用者が通知を行ないたい連絡先の情報を入力する。
【0122】
また、この通知専用口座に対して、利用者は、キャッシュカードを用いて自分の口座から振替により入金してもよい。この場合、現金自動預払機30は、キャッシュカードからカード情報を取得し、このカード情報と暗証番号とを用いて金融機関共通ネットワークNAを経由して振込依頼を行なう。
【0123】
振込依頼を受けたホストコンピュータ20の管理コンピュータ21は、キャッシュカード情報により振込人を特定する。そして、管理コンピュータ21は、振込人情報入力画面に入力された情報に基づいて連絡先を特定し、通知を送信する。この通知には、キャッシュカード情報により特定された振込人情報、振込を行なったロケーション情報や振込時刻に関する情報を含める。これにより、通知専用口座を介して、利用者の通知希望を把握し、効率的に通知を行なうことができる。
【0124】
更に、この通知専用口座に入金があった場合には、例えば公共放送機関などの安否通知掲示板に、自動的に転送し、広く通知を行なうようにしてもよい。この場合、振替により通知専用口座に入金を行なう場合には、振込人情報の入力欄を、メッセージ等を入力する入力欄として用いる。これにより、迅速に、安否を確認することができる。
【0125】
○ 上記各実施形態においては、連絡先データ記憶部23及び現金自動預払機データ記憶部24は、金融機関システムとしての銀行システム15のホストコンピュータ20内に設けた。これに代えて、連絡先データ記憶部23及び現金自動預払機データ記憶部24を、銀行システム15とは別の通知用サーバに設けてもよい。この場合には、通知用サーバの管理コンピュータ21が、ホストコンピュータ20の代わりに、安否通知のための処理(依頼受付段階及び安否確認処理段階等を含む処理)を行なう。具体的には、通知用サーバは、ホストコンピュータ20から現金自動預払機30において取得した口座識別子と、現金自動預払機識別子とに関するデータを含む処理依頼を受信する。通知用サーバは、現金自動預払機識別子に関するデータと、現金自動預払機30に記録された災害地域データとに基づいて、この現金自動預払機30が災害地域に属していると判断した場合には、前記口座識別子に関連付けて、処理依頼の時刻と現金自動預払機の設置ロケーションとを含む安否確認情報を記録するための処理を実行する。これにより、金融機関システムを変更することなく、安否通知を行なうことができる。
【0126】
また、通知用サーバの管理コンピュータ21に、安否確認処理のみを実行させることも可能である。この場合にも、ホストコンピュータ20から、現金自動預払機30において取得した口座識別子と、現金自動預払機識別子とに関するデータを取得する。そして、現金自動預払機識別子に関するデータと、災害地域データ記憶手段に記録された災害地域データとに基づいて、この現金自動預払機が災害地域に属しているかどうかを判断する。属していると判断した場合には、口座識別子に関連付けて、処理依頼の時刻と現金自動預払機の設置ロケーションとを含む安否確認情報を記録するための処理を実行する。具体的には、通知用サーバの管理コンピュータ21は、通知用サーバに備えられた連絡先データ記憶手段を用いて安否確認情報を送信する。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】本発明の金融機関システムの概略構成図。
【図2】口座データ記憶部に記録されたデータの説明図。
【図3】連絡先データ記憶部に記録されたデータの説明図。
【図4】現金自動預払機データ記憶部に記録されたデータの説明図。
【図5】第1実施形態における全体処理の処理手順の説明図。
【図6】第2実施形態における全体処理の処理手順の説明図。
【図7】第2実施形態における現金自動預払機の初期画面の画面図。
【図8】第2実施形態における現金自動預払機のメッセージ選択画面の画面図。
【図9】第3実施形態における全体処理の処理手順の説明図。
【図10】第4実施形態における全体処理の処理手順の説明図。
【符号の説明】
【0128】
21…管理コンピュータ、22…本人認証データ記憶手段としての口座データ記憶部、23…連絡先データ記憶手段としての連絡先データ記憶部、24…設置ロケーションデータ記憶手段及び災害地域データ記憶手段としての現金自動預払機データ記憶部、30…現金自動預払機、230…連絡先データ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、バンキング処理を行なうための現金自動預払機を用いて災害発生時の安否を確認するための安否通知方法、安否通知システム及び安否通知プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
地震などの災害の発生時には、多くの人が家族や知人の安否を確認しようとする。近年では、携帯電話機の普及により、通話やメールなどで安否を確認することもできる。しかし、災害の発生時には、通信キャリアの基地局が被災する場合がある。また、多くの電話からのトラフィックが局所的に集中し、不通になる場合もある。このため、通常、災害の発生時に、家族や知人などの安否確認を行なうことが難しい。
【0003】
そこで、災害の発生時に安否情報を確認するための技術が検討されている(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1に記載の発明では、電子証明書とパスワードを格納したカードを用いる。情報登録端末では、入力されたパスワードとカードから取得したパスワードとが一致した場合には、電子証明書を読み出してシステムに送信する。システムでは、受信した電子証明書に基づいて、本人認証を行ない、本人認証が正しく行なわれた場合には、情報登録端末に認証完了通知を行なう。この通知に基づいて、情報登録端末では、安否情報入力画面を表示する。そして、情報登録端末は、安否情報入力画面に入力された被災情報(例えば、避難場所や所属、連絡先など)をシステムに送信する。システムでは、受信した被災情報を個人識別子と関連付けて記録する。これにより、本人認証を行なった上で安否情報の登録を受け付けるので、安否情報の信頼性を確保できるとしている。なお、この特許文献1では、情報登録端末として、現金自動預払機(ATM:automated-teller machine)やキャッシング端末を用いることができることが付言されている。
【特許文献1】特開2004−234415号公報(図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、現金自動預払機の本来の機能は、ホストコンピュータとデータの送受信を行なって、バンキング処理を行なうことである。このため、災害に強い強固なネットワークが構築されている。しかし、特許文献1に記載されているように、現金自動預払機を情報登録端末として用いる場合、通常のバンキング処理とは異なる安否確認処理を現金自動預払機に行なわせる必要があり、現金自動預払機の設定を変更しなければならない。
【0005】
特に、通常のバンキング処理であれば、他行(他の銀行)の現金自動預払機を利用することもできるが、他行の現金自動預払機は安否確認処理の利用を前提として設定されていない。更に他行の現金自動預払機とホストコンピュータとは、金融機関間で共通したネットワーク(例えば、全銀ネットワーク)を介して接続されている。この場合、ホストコンピュータと現金自動預払機とが異なる金融機関に属する場合であってもバンキング処理ができるように、このような金融機関共通ネットワークを通過するデータのプロトコルが定められている。このため、金融機関共通ネットワークを利用するためには、このプロトコルを遵守する必要がある。
【0006】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされ、現金自動預払機を用いて、より確実に安否確認を行なうことができる安否通知方法、安否通知システム及び安否通知プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、災害が発生した地域に属する現金自動預払機を特定するためのデータを記録した災害地域データ記憶手段と、前記現金自動預払機の設置ロケーションに関するデータを記録した設置ロケーションデータ記憶手段と、現金自動預払機にネットワークを介して接続され、この現金自動預払機からの依頼に基づいてバンキング処理を実行する金融機関システムとを用いて、管理コンピュータが安否通知を行なう方法であって、前記管理コンピュータが、現金自動預払機において取得した口座識別子と、この現金自動預払機を特定する現金自動預払機識別子とに関するデータを含む処理依頼を受信する依頼受付段階と、前記現金自動預払機識別子に関するデータと、前記災害地域データ記憶手段に記録された災害地域データとに基づいて、この現金自動預払機が災害地域に属していると判断した場合には、前記口座識別子に関連付けて、前記処理依頼の時刻と現金自動預払機の設置ロケーションとを含む安否確認情報を記録するための安否確認処理を行なう安否確認処理段階とを実行することを要旨とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の安否通知方法において、前記管理コンピュータは、前記口座識別子に対応して本人認証を行なうためのデータを記録する本人認証データ記憶手段に接続されており、前記処理依頼には、本人認証に関するデータが更に含まれ、前記管理コンピュータが、前記処理依頼に含まれる前記本人認証に関するデータに基づいて本人認証を行なう認証段階と、前記本人認証が完了した場合に、前記安否確認処理を行なうことを要旨とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の安否通知方法において、前記管理コンピュータは、前記口座識別子に対応して設定された連絡先データを記録した連絡先データ記憶手段に更に接続されており、前記安否確認処理は、前記現金自動預払機において取得した口座識別子に基づいて、前記連絡先データ記憶手段から特定される連絡先に、前記安否確認情報を送信することを要旨とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の安否通知方法において、前記安否確認処理段階は、前記処理依頼の時刻と前記現金自動預払機の設置ロケーションとを含む安否情報を、現金自動預払機において挿入されたキャッシュカードの口座の履歴情報として記録することを要旨とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1つに記載の安否通知方法において、前記管理コンピュータは、特定金額に対応付けられたメッセージ内容を記録したメッセージ記憶手段に接続されており、前記処理依頼には、前記口座識別子から特定される口座の取引金額に関するデータが更に含まれ、前記安否確認処理段階は、災害地域に属する現金自動預払機から前記取引金額を受信した場合には、前記取引金額と前記メッセージ記憶手段に記録された特定金額とを照合し、前記取引金額が特定金額として記録されている場合には、この特定金額に対応付けられたメッセージ内容を、前記メッセージ記憶手段から取得し、前記安否確認情報に含めて記録することを要旨とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、災害が発生した地域に属する現金自動預払機を特定するためのデータを記録した災害地域データ記憶手段と、前記現金自動預払機の設置ロケーションに関するデータを記録した設置ロケーションデータ記憶手段と、現金自動預払機にネットワークを介して接続され、この現金自動預払機からの依頼に基づいてバンキング処理を実行する金融機関システムとを用いて、管理コンピュータが安否通知を行なう安否通知システムであって、前記管理コンピュータが、現金自動預払機において取得した口座識別子と、この現金自動預払機を特定する現金自動預払機識別子とに関するデータを含む処理依頼を受信する依頼受付手段、及び前記現金自動預払機識別子に関するデータと、前記災害地域データ記憶手段に記録された災害地域データとに基づいて、この現金自動預払機が災害地域に属していると判断した場合には、前記口座識別子に関連付けて、前記処理依頼の時
刻と現金自動預払機の設置ロケーションとを含む安否確認情報を記録するための安否確認処理を行なう安否確認処理手段を備えることを要旨とする。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の安否通知システムにおいて、前記管理コンピュータは、前記口座識別子に対応して本人認証を行なうためのデータを記録する本人認証データ記憶手段に接続されており、前記処理依頼には、本人認証に関するデータが更に含まれ、前記管理コンピュータが、前記処理依頼に含まれる前記本人認証に関するデータに基づいて本人認証を行なう認証手段と、前記本人認証が完了した場合に、前記安否確認処理を行なうことを要旨とする。
【0014】
請求項8に記載の発明は、請求項6又は7に記載の安否通知システムにおいて、前記管理コンピュータは、前記口座識別子に対応して設定された連絡先データを記録した連絡先データ記憶手段に更に接続されており、前記安否確認処理は、前記現金自動預払機において取得した口座識別子に基づいて、前記連絡先データ記憶手段から特定される連絡先に、前記安否確認情報を送信することを要旨とする。
【0015】
請求項9に記載の発明は、請求項6〜8のいずれか1項に記載の安否通知システムにおいて、前記安否確認処理手段は、前記処理依頼の時刻と前記現金自動預払機の設置ロケーションとを含む安否情報を、現金自動預払機において挿入されたキャッシュカードの口座の履歴情報として記録することを要旨とする。
【0016】
請求項10に記載の発明は、請求項6〜9のいずれか1つに記載の安否通知システムにおいて、前記管理コンピュータは、特定金額に対応付けられたメッセージ内容を記録したメッセージ記憶手段に接続されており、前記処理依頼には、前記口座識別子から特定される口座の取引金額に関するデータが更に含まれ、前記安否確認処理手段は、災害地域に属する現金自動預払機から前記取引金額を受信した場合には、前記取引金額と前記メッセージ記憶手段に記録された特定金額とを照合し、前記取引金額が特定金額として記録されている場合には、この特定金額に対応付けられたメッセージ内容を、前記メッセージ記憶手段から取得し、前記安否確認情報に含めて記録することを要旨とする。
【0017】
請求項11に記載の発明は、災害が発生した地域に属する現金自動預払機を特定するためのデータを記録した災害地域データ記憶手段と、前記現金自動預払機の設置ロケーションに関するデータを記録した設置ロケーションデータ記憶手段と、現金自動預払機にネットワークを介して接続され、この現金自動預払機からの依頼に基づいてバンキング処理を実行する金融機関システムとを用いて、管理コンピュータが安否通知を行なうための安否通知プログラムであって、前記管理コンピュータを、現金自動預払機において取得した口座識別子と、この現金自動預払機を特定する現金自動預払機識別子とに関するデータを含む処理依頼を受信する依頼受付手段、及び前記現金自動預払機識別子に関するデータと、前記災害地域データ記憶手段に記録された災害地域データとに基づいて、この現金自動預払機が災害地域に属していると判断した場合には、前記口座識別子に関連付けて、前記処理依頼の時刻と現金自動預払機の設置ロケーションとを含む安否確認情報を記録するための安否確認処理を行なう安否確認処理手段として機能させることを要旨とする。
【0018】
(作用)
請求項1、6又は11に記載の発明によれば、管理コンピュータは、受信した処理依頼に含まれる現金自動預払機識別子に基づいて、処理依頼を受信した現金自動預払機が災害地域に属していると判断した場合には、処理依頼に含まれる口座識別子に関連付けて、処理依頼の時刻と現金自動預払機の設置ロケーションとを含む安否確認情報を記録する。現金自動預払機とホストコンピュータとを接続するネットワークは、通常の電話回線網等よりも強固なネットワークである。このため、管理コンピュータは、災害が発生した地域の
電話回線網による通信が困難な場合でも、利用者の安否確認情報を記録することができる。従って、ホストコンピュータに記録された情報に基づいて、より確実に安否を確認することができる。
【0019】
また、管理コンピュータが、現金自動預払機が災害地域にあるか否かを判断して安否確認処理を行なうので、現金自動預払機において通常のバンキング処理の中で安否確認処理を行なうことができる。従って、既存のシステムやバンキング処理を利用して、安否通知を行なうことができる。
【0020】
更に、安否確認情報には、処理依頼の時刻と、現金自動預払機の設置ロケーションとを含む。このため、安否確認の対象となる利用者の、ある時刻における所在データを取得でき、より詳細な安否情報を記録することが可能となる。
【0021】
請求項2又は7に記載の発明によれば、管理コンピュータは、本人認証ができた場合には安否確認処理を行なうので、安否の信頼性を高めて通知を行なうことができる。
請求項3又は8に記載の発明によれば、管理コンピュータは、口座識別子に対応して設定された連絡先に安否確認情報を送信する。従って、災害発生時の連絡先が予め設定されているので、この連絡先に迅速に安否通知を行なうことができる。
【0022】
請求項4又は9に記載の発明によれば、管理コンピュータは、安否情報を口座の履歴情報として記録する。すなわち、既存の口座の履歴を記録する記憶手段を用いて安否確認情報を記録することができる。このため、既存の設備を有効活用することができるとともに、口座について通帳記帳により、利用者の安否情報を提供することができる。
【0023】
請求項5又は10に記載の発明によれば、処理依頼に含まれる取引金額に一致する特定金額に対応付けられたメッセージ内容を安否確認情報として含ませて記録する。このため、安否だけでなく利用者が通知したいメッセージを安否確認情報として記録することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、現金自動預払機を用いて、より確実に安否確認を行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した安否通知方法の一実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。ここでは、本実施形態の金融機関システムとして銀行システム15を用いる場合を想定する。この銀行システム15は、ホストコンピュータ20及びこれに行内ネットワークNを介して接続された複数の現金自動預払機30を備えている。また、各銀行システム15は、金融機関共通ネットワークNAを介して他の銀行システム15に接続されている。
【0026】
金融機関は顧客の資産を管理しているため、行内ネットワークNや金融機関共通ネットワークNAは災害に強い強固なネットワーク構造で実現されている。
ホストコンピュータ20は、バンキング処理を管理するためのシステムである。このホストコンピュータ20は、管理コンピュータ21を備える。この管理コンピュータ21は、図示しない計時手段、CPU、RAM及びROM等を有し、後述する処理(依頼受付段階、安否確認処理段階及び認証段階等を含む処理)を行なう。そして、このための安否通知プログラムを実行することにより、管理コンピュータ21は、依頼受付手段、安否確認処理手段及び認証手段等として機能する。
【0027】
更に、この管理コンピュータ21は、本人認証データ記憶手段としての口座データ記憶部22と、連絡先データ記憶手段としての連絡先データ記憶部23と、設置ロケーションデータ記憶手段及び災害地域データ記憶手段としての現金自動預払機データ記憶部24に接続されている。
【0028】
図2に示すように、口座データ記憶部22には、口座に関する口座データ220が記録されている。この口座データ220は、顧客が新規な口座を開設すると設定される。この口座データ220は、口座識別子、顧客識別子、暗証番号、残高及び取引履歴に関するデータを含む。
【0029】
口座識別子データ領域には、銀行に開設された顧客の口座を特定するための識別子に関するデータが記録されている。本実施形態の口座識別子データは、支店コード、預金種目コード及び口座番号に関するデータを含んで構成される。
【0030】
顧客識別子データ領域には、預金口座の名義人を特定するための識別子に関するデータが記録されている。
暗証番号データ領域には、この口座の暗証番号に関するデータが記録されている。この暗証番号データは、顧客の預金口座を用いて取引を行なう場合など、顧客識別子データとともに本人確認を行なう際に用いられるデータである。
【0031】
残高データ領域には、この口座の残高に関するデータが記録されている。この口座残高は、この口座に対して入出金を行なう度に更新される。
取引履歴データ領域には、この口座への入金やこの口座からの出金など取引履歴に関するデータが記録されている。本実施形態では、この取引履歴データに、後述するように、安否確認情報を記録する。この取引履歴データ領域には、摘要、取引日、入出金額に関するデータが記録される。ここで、摘要は入金又は出金に関する取引先や取引内容に関する情報を含む。取引日は、入金や出金等の取引があった日付である。入出金額は、この口座に入金された金額や、この口座から出金された金額である。
【0032】
図3に示すように、連絡先データ記憶部23には、災害発生時の連絡先に関する連絡先データ230が記録されている。この連絡先データ230は、連絡先について顧客から通知を受けると設定され登録される。この連絡先データ230は、口座識別子及びこれに関連付けられた連絡先情報に関するデータを記憶している。
【0033】
この口座識別子データ領域には、顧客の口座を特定するための識別子に関するデータが記録されている。この口座識別子データを介して、この連絡先データ230と、口座データ記憶部22に記録された口座データ220とが関連付けられる。
【0034】
連絡先情報データ領域には、通知を行なう連絡先に関する連絡先情報データが記録されている。この連絡先情報データは、例えば、緊急連絡先の電話番号などに関するデータである。なお、1つの口座データ220に複数の連絡先情報データ領域を設けたり、1つの口座に対して複数の口座データ220を設けたりすることにより、複数の連絡先情報を記録するようにしてもよい。
【0035】
図4に示すように、現金自動預払機データ記憶部24には、銀行システム15内の現金自動預払機30に関する現金自動預払機データ240が記録されている。この現金自動預払機データ240は、新たに現金自動預払機30が設置されると記録され、現金自動預払機30が撤去されると削除される。この現金自動預払機データ240は、現金自動預払機識別子、ロケーション及び災害地フラグに関するデータを記録している。
【0036】
現金自動預払機識別子データ領域には、各現金自動預払機30を特定するための識別子データが記録されている。
ロケーションデータ領域には、この現金自動預払機30が設置されているロケーションに関するデータが記録されている。このロケーションに関するデータは、例えば住所に関するデータである。このため、このロケーションデータに基づいて、現金自動預払機30が災害地に設置しているか否かがわかる。
【0037】
災害地フラグデータ領域には、この現金自動預払機が災害地にあるか否かを判断するためのフラグデータが記録されている。通常は、現金自動預払機30が災害地ではないため、このフラグデータは「0」に設定されている。災害が発生し、この災害により安否確認処理を行なう必要がある地域に現金自動預払機30がある場合には、このフラグデータが「1」に設定される。これにより、本実施形態では、現金自動預払機データ240が災害地域データとして機能する。
【0038】
上述したホストコンピュータ20は、この銀行の行内ネットワークNを介して現金自動預払機30に接続されている。更に、この現金自動預払機30は、金融機関共通ネットワークNAを介して他の銀行システム15のホストコンピュータ20に接続されている。
【0039】
この現金自動預払機30には、タッチパネルディスプレイ、現金収容部、カード挿入部や取引明細出力部が設けられている。このタッチパネルディスプレイは、表示部及び入力部として機能し、利用者に対して情報を表示したり利用者から指示を受け付けたりする。現金収容部は、利用者との間で紙幣や硬貨の受け渡しを行なう。カード挿入部は、利用者のキャッシュカードを収容し、このキャッシュカードから各種情報を取得する。取引明細出力部は取引明細を出力する。
【0040】
次に、本実施形態における災害発生時の処理について、図5を用いて説明する。上述のように、金融機関は顧客の資産を管理しているため、行内ネットワークNや金融機関共通ネットワークNAは災害に強い構造で実現されているため、災害発生時にも利用可能とする。本実施形態では、災害が発生した地域で、他行(他の銀行)の現金自動預払機30を用いて残高照会を利用して通知を行なう場合を想定する。なお、この他行の現金自動預払機30には、コンビニエンスストア等に設置された現金自動預払機30も含めてもよい。災害が発生した場合、ホストコンピュータ20の管理コンピュータ21は、現金自動預払機データ240のロケーションデータから、災害が発生した地域に属する現金自動預払機30の現金自動預払機識別子を有する現金自動預払機データ240を特定する。そして、管理コンピュータ21は、特定した現金自動預払機データ240の災害地フラグを「1」に設定する。
【0041】
一方、現金自動預払機30のタッチディスプレイに初期画面が表示されている。この初期画面は、銀行が現金自動預払機30を介して提供するサービスに関する複数のメニュー項目が含まれる。メニュー項目としては、「現金引出」、「残高照会」や「通帳記帳」などがある。
【0042】
ここで、利用者は、自分のキャッシュカードを現金自動預払機30に挿入する。これにより、現金自動預払機30は、挿入されたキャッシュカードから、カード情報を取得する(ステップS1−1)。具体的には、現金自動預払機30は、銀行識別子と口座識別子とを含むカード情報を取得する。
【0043】
本実施形態では、利用者は、初期画面のメニュー項目の中から「残高照会」の項目ボタンを選択する。これにより、現金自動預払機30は、「残高照会」の選択を受け付ける(ステップS1−2)。
【0044】
次に、現金自動預払機30は、本人認証データを取得する(ステップS1−3)。具体的には、現金自動預払機30は、項目ボタンが選択されると、挿入されたキャッシュカードの暗証番号を入力する暗証番号入力画面を表示する。
【0045】
この暗証番号入力画面には、利用者の暗証番号を入力するための番号キーと、確認ボタンとが含まれる。ここで、利用者は、キャッシュカードの暗証番号を、番号キーを用いて入力し、暗証番号の入力が完了すると確認ボタンを選択する。
【0046】
この場合、現金自動預払機30は、金融機関共通ネットワークNA経由で残高照会依頼を送信する(ステップS1−4)。具体的には、現金自動預払機30は、まず、残高照会依頼データを生成する。この残高照会依頼データには、口座識別子及び暗証番号に関するデータと、このデータを送信する現金自動預払機30を特定できる現金自動預払機識別子に関するデータが含まれる。そして、現金自動預払機30は、カード情報に含まれる銀行識別子から、残高照会を行なう銀行のホストコンピュータ20を特定し、このホストコンピュータ20に残高照会依頼を送信する。
【0047】
ホストコンピュータ20は、残高照会依頼を受信すると、まず本人認証を行なう(ステップS1−5)。具体的には、ホストコンピュータ20の管理コンピュータ21は、現金自動預払機30から受信した口座識別子と一致する口座データ220を口座データ記憶部22から検索して抽出する。そして、管理コンピュータ21は、抽出した口座データ220の暗証番号と、受信した暗証番号とが一致するか否かを判断する。暗証番号が一致した場合には、本人認証が完了する。一方、管理コンピュータ21は、口座識別子と一致する口座データ220がない場合や暗証番号が一致しない場合には、本人確認ができないことを、残高照会依頼を送信した現金自動預払機30に返信して、依頼処理を終了する。
【0048】
本人認証が完了した場合、ホストコンピュータ20は、残高照会依頼データを送信した現金自動預払機30が災害地域にあるか否かを判断する(ステップS1−6)。具体的には、ホストコンピュータ20の管理コンピュータ21は、受信した現金自動預払機識別子と一致する現金自動預払機識別子の現金自動預払機データ240を抽出する。そして、管理コンピュータ21は、この現金自動預払機データ240の災害地フラグが「1」に設定されているか否かを確認する。
【0049】
このとき、管理コンピュータ21は、「1」の災害地フラグに対応する現金自動預払機識別子により特定される現金自動預払機30は災害地域に属していることになる。この場合(ステップS1−6において「YES」の場合)、管理コンピュータ21は、通知登録があるか否かを判断する(ステップS1−7)。具体的には、受信した残高照会依頼に含まれる口座識別子と一致する口座識別子の連絡先データ230が、連絡先データ記憶部23に記録されているか否かを判断する。
【0050】
そして、管理コンピュータ21は、残高照会依頼の口座識別子と一致する連絡先データ230がある場合には、通知登録がされていることになる。この場合(ステップS1−7において「YES」の場合)には、ホストコンピュータ20は、安否確認処理(ステップS1−8〜S1−10)を行なう。この安否確認処理では、まず、管理コンピュータ21は、現金自動預払機30のロケーション情報及び処理時刻情報を、取引履歴として保存する(ステップS1−8)。具体的には、管理コンピュータ21は、現金自動預払機識別子に基づいて、現金自動預払機30のロケーション情報を現金自動預払機データ240から取得する。更に、管理コンピュータ21は、計時手段から取得した現在時刻と、現金自動預払機データ240から取得したロケーション情報とを含む安否確認情報を、この口座識別子の口座データ220の取引履歴データ領域に記録する。
【0051】
次に、ホストコンピュータ20は、本人認証に基づいて連絡先情報を取得する(ステップS1−9)。具体的には、ホストコンピュータ20の管理コンピュータ21は、本人認証に用いた口座識別子を含む連絡先データ230の連絡先情報を取得する。
【0052】
続いて、ホストコンピュータ20は、通知処理を行なう(ステップS1−10)。具体的には、ホストコンピュータ20の管理コンピュータ21は、取得した連絡先情報の電話番号に、本人認証した利用者が無事である旨の通知を行なう。このとき、この通知には、取引履歴データ領域に記録した利用者の安否確認情報(現金自動預払機30のロケーション情報や処理時刻)を含める。
【0053】
一方、ホストコンピュータ20は、現金自動預払機30が災害地域にない場合や、通知登録がない場合(ステップS1−6、S1−7において「NO」の場合)には、ステップS1−8〜S1−10を実行しない。
【0054】
そして、これらの場合(ステップS1−6、S1−7において「NO」の場合)、又は通知処理を完了した場合(ステップS1−10)には、ホストコンピュータ20は、残高照会処理を行なう(ステップS1−11)。具体的には、ホストコンピュータ20の管理コンピュータ21は、口座データ220の残高データを取得し、これを現金自動預払機30に送信する。
【0055】
残高データを受信した現金自動預払機30は、結果を表示する(ステップS1−12)。具体的には、現金自動預払機30は、ホストコンピュータ20から受信した残高データを画面に表示する。以上により処理が完了する。
【0056】
本実施形態の安否通知によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1) 本実施形態では、現金自動預払機30は、金融機関共通ネットワークNA経由で残高照会依頼を行なう(ステップS1−4)。この残高照会依頼データには、口座識別子及び暗証番号に関するデータと、このデータを送信する現金自動預払機30を特定できる現金自動預払機識別子に関するデータが含まれる。現金自動預払機識別子から現金自動預払機30が災害地域にあり(ステップS1−6において「YES」)、通知登録がある場合(ステップS1−7において「YES」の場合)には、ホストコンピュータ20は安否確認処理を行なう(ステップS1−8〜S1−10)。現金自動預払機30とホストコンピュータ20とを接続する行内ネットワークNや金融機関共通ネットワークNAは、通常の電話回線網などよりも強固なネットワーク構造で実現されている。このため、管理コンピュータ21は、災害が発生した地域の電話回線網等による通信が困難であっても、利用者の安否確認情報を記録することができる。そして、ホストコンピュータ20が災害地域と別の場所にある場合には、ホストコンピュータ20から、この災害地域以外の地域において電話回線網等を利用して連絡を行なうことができる。従って、災害地域の電話回線網の混乱により通信が困難であっても、記録した安否確認情報に基づいて、より確実に安否通知を行なうことができる。
【0057】
また、管理コンピュータ21は、現金自動預払機30が災害地域にあり、通知登録がある場合(ステップS1−6及びS1−7において「YES」の場合)、安否確認処理を行なう。このため、現金自動預払機30における通常の残高照会の処理(ステップS1−1〜S1−4、S1−12)により、安否確認処理を行なうことができる。従って、現金自動預払機30における処理をそのまま用いることができる。
【0058】
更に、異なる銀行システム15相互間において、金融機関共通ネットワークNAを介して送受信されるデータを変更しなくても、安否確認処理を行なうことができる。従って、
既存の金融機関共通ネットワークNAや現金自動預払機30をそのまま用いて、安否確認処理を行なうことができる。
【0059】
更に、管理コンピュータ21は、データを受信した現金自動預払機30が災害地域にある場合(ステップS1−6において「YES」の場合)には、現金自動預払機30のロケーション情報及び処理時刻情報を、口座の取引履歴として保存する(ステップS1−8)。このため、安否確認の対象となる利用者が、残高照会を行なったときの所在や時刻など、より詳細な情報が記録されるので、この情報を用いて安否確認を行なうことができる。
【0060】
(2) 本実施形態では、ホストコンピュータ20は、残高照会依頼(処理依頼)に含まれる口座識別子及び暗証番号に基づいて、本人認証を行なう(ステップS1−5)。そして、本人認証が完了すると、現金自動預払機30が災害地域にあるか否か(ステップS1−6)及び通知登録があるか否か(ステップS1−7)を判断して、安否確認処理を行なう(ステップS1−8〜S1−10)。このため、本人であることを確認した上で通知を行なうので、安否の信頼性を高めて通知を行なうことができる。
【0061】
また、本実施形態では、管理コンピュータ21は、本人認証を、口座識別子及び暗証番号を用いたバンキング処理を行なうときの本人認証と同じ処理で行なう。すなわち、既存の本人認証を用いることができ、メモリ資源を効率的に活用することができる。
【0062】
(3) 本実施形態では、管理コンピュータ21は、現金自動預払機30のロケーション情報及び処理時刻情報を含む安否確認情報を、口座データ記憶部22の取引履歴データに保存する(ステップS1−8)。従って、既存の設備を有効活用することができる。そして、他の人は、その口座について通帳記帳を通常に行なうことにより、利用者の安否情報、すなわち「何時に、誰が、どこ(現金自動預払機30の設置場所)にいたか」に関する情報の提供を受けることができる。
【0063】
(4) 本実施形態では、管理コンピュータ21は、連絡先データ230が記録される連絡先データ記憶部23に接続されている。連絡先データ230は、口座識別子に関連付けられた顧客の連絡先に関するデータである。管理コンピュータ21は、安否確認処理において、口座識別子の連絡先データ230に含まれる連絡先情報を取得し(ステップS1−9)、この連絡先に対して通知処理を行なう(ステップS1−10)。従って、管理コンピュータ21は、災害発生時に連絡を行なう連絡先を特定して、この連絡先に迅速に安否通知を行なうことができる。
【0064】
(5) 本実施形態では、連絡先データ230の連絡先情報は、口座識別子に関連付けられている。このため、顧客が複数の口座を有している場合には、関連付けられている口座毎に連絡先を変更できる。例えば、仕事で使用している口座については取引先を連絡先に、家族で使用している口座であれば家族や親戚を連絡先にすることができる。従って、同じ顧客であっても、用途に応じて連絡先を変更することができるので、利用者の利便性を向上させることができる。
【0065】
(6) 本実施形態では、ホストコンピュータ20は、現金自動預払機30から受信した残高照会依頼に基づいて安否確認処理を行なう(ステップS1−8〜S1−10)。現金自動預払機30においては、残高照会を受け付けた場合でも、この口座を管理するホストコンピュータ20とデータの送受信を行なう。このため、実際に口座に対して入出金の取引を行なわなくても、ホストコンピュータ20は、災害地域に属する現金自動預払機30からの処理依頼に基づいて、安否確認処理を行なうことができる。
【0066】
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した安否通知方法の第2実施形態を図6〜図8を用いて説明する。以下の実施形態においても、上記実施形態と同様に、金融機関システムとして銀行システムを用いる場合を想定する。なお、以下の実施形態において、上述の実施形態と同様の部分については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0067】
本実施形態において、ホストコンピュータ20は、自行(同じ銀行)の現金自動預払機30を用いて安否通知処理を行なう。本実施形態のホストコンピュータ20及び現金自動預払機30は、上記第1実施形態と同様な構成をしている。ただし、本実施形態の現金自動預払機30は、ホストコンピュータ20からの指示に応じて、災害モード用の初期画面を表示することができ、自行のホストコンピュータ20に対して、安否通知処理を指示できるように設定可能になっている。
【0068】
ホストコンピュータ20は、災害が発生した場合には、災害発生地域の現金自動預払機30の現金自動預払機データ240の災害地フラグを「1」に設定する。更に、ホストコンピュータ20は、災害モード用の初期画面となるように、災害モードの変更指示を行なう(ステップS2−1)。この変更指示を受けた現金自動預払機30は、災害モード用の初期画面の設定を行なう(ステップS2−2)。現金自動預払機30のディスプレイには、図7に示すように、災害モード用の初期画面100が表示される。この初期画面100には、銀行が提供するサービスの通常のメニュー項目101とともに、安否通知の項目ボタン105が含まれる。
【0069】
ここで、利用者がキャッシュカードを挿入すると、現金自動預払機30は、上記第1実施形態のステップS1−1と同様に、カード情報を取得する(ステップS2−3)。なお、現金自動預払機30は、カード情報に含まれる銀行識別子に基づいて、挿入されたキャッシュカードが自行のカードかどうかを確認し、他行のカードの場合には、初期画面100で表示している「安否通知」の項目ボタンを無効にする。
【0070】
自行のキャッシュカードが挿入され、初期画面100において「安否通知」の項目ボタン105が選択された場合には、現金自動預払機30は、通知依頼を開始する(ステップS2−4)。
【0071】
ここでは、現金自動預払機30は、上記第1実施形態のステップS1−3と同様に、本人認証データを取得する(ステップS2−5)。具体的には、現金自動預払機30は、暗証番号を取得する。
【0072】
そして、暗証番号を受け付けた現金自動預払機30は、図8に示すメッセージ選択画面110を表示する。このメッセージ選択画面110には、現金自動預払機30の位置や現在時刻に関する情報とともに、連絡メッセージがそれぞれ表示された複数のメッセージボタン115が表示されている。ここで、利用者は、自分が通知したい連絡メッセージのメッセージボタン115を選択する。
【0073】
メッセージボタン115が選択されると、現金自動預払機30は、行内ネットワークNを介して通知指示を行なう(ステップS2−6)。ここで、通知指示には、カード情報として取得した口座識別子、暗証番号及び選択されたメッセージボタンに対応するデータが含まれる。
【0074】
通知指示を受け取ったホストコンピュータ20は、上記第1実施形態と同様な処理を行なう。ここで、まず、管理コンピュータ21は、ステップS1−5と同様に、本人認証を行なう(ステップS2−7)。そして、本人認証が完了すると、管理コンピュータ21は、上記第1実施形態のステップS1−6と同様に、データを送信した現金自動預払機30
が災害地域にあるか否かを判断する(ステップS2−8)。ここで、管理コンピュータ21は、災害地域に属していると判断する場合(ステップS2−8において「YES」の場合)には、通知登録があるか否かを判断する(ステップS2−9)。
【0075】
そして、通知登録がある場合(ステップS2−9において「YES」の場合)には、ホストコンピュータ20は、上記第1実施形態の安否確認処理(ステップS1−8〜S1−10)と同様な処理を行なう。具体的には、管理コンピュータ21は、現金自動預払機30のロケーション情報及び処理時刻情報を含む安否確認情報を、口座データ220の取引履歴データ領域に保存する(ステップS2−10)。続いて、管理コンピュータ21は、本人認証に基づいて連絡先情報を取得し(ステップS2−11)、この連絡先情報を用いて通知処理を行なう(ステップS2−12)。なお、この通知処理においては、利用者が選択したメッセージ内容を含めた通知を行なう。
【0076】
一方、現金自動預払機30が災害地域にない場合や通知登録がない場合(ステップS2−8、S2−9において「NO」の場合)には、ステップS2−10〜S2−12を実行しない。
【0077】
そして、これらの場合(ステップS2−8、S2−9において「NO」の場合)、又は通知処理が完了した場合(ステップS2−12)には、ホストコンピュータ20は、処理結果通知を行なう(ステップS2−13)。具体的には、ホストコンピュータ20の管理コンピュータ21は、通知処理を行なった旨のデータを現金自動預払機30に送信する。
【0078】
データを受信した現金自動預払機30は、受信したデータに基づいて通知処理を完了した旨の結果表示を行なう(ステップS2−14)。以上により処理が完了する。
本実施形態によれば、上記第1実施形態の(1)〜(5)に記載の効果と同様な効果を奏することができるとともに、以下の効果を得ることができる。
【0079】
(7) 本実施形態では、ホストコンピュータ20は、自行の現金自動預払機30に対して災害モードの指示を行なうと(ステップS2−1)、現金自動預払機30を、安否通知の項目ボタン105を含めた災害モード用の初期画面100が表示されるように設定する(ステップS2−2)。このため、利用者は、「安否通知」の項目ボタン105が含まれる初期画面100を表示した現金自動預払機30を用いて、効率的に、かつより確実に、安否通知を行なうことができる。
【0080】
(8) 本実施形態では、現金自動預払機30は、初期画面100において「安否通知」の項目ボタン105が選択されると、メッセージ選択画面110を表示する。そして、このメッセージ選択画面110において、利用者が通知したい連絡メッセージのメッセージボタン115が選択されると、現金自動預払機30は、ホストコンピュータ20に通知指示を行なう(ステップS2−6)。管理コンピュータ21は、通知処理(ステップS2−12)において、利用者が選択したメッセージ内容を連絡先に送信する。このため、利用者は、自分の状況(例えば、居場所や被災の状況)などについての情報を、連絡先に通知することができる。
【0081】
(第3実施形態)
次に、本発明を具体化した安否通知方法の第3実施形態を図9に基づいて説明する。本実施形態において、ホストコンピュータ20は、他行の現金自動預払機30からの「現金引出」の処理依頼に基づいて、安否通知処理を行なう。
【0082】
本実施形態のホストコンピュータ20の管理コンピュータ21は、更に、メッセージ記憶手段としての図示しないメッセージデータ記憶部に接続されている。このメッセージデ
ータ記憶部には、災害発生時に所定の金額(特定金額)に関連付けられる連絡メッセージが記録されている。本実施形態では、例えば、「1円」や「10円」などの一桁又は二桁の少額を、特定金額として設定する。また、連絡メッセージとしては、例えば「無事です」や「近くの避難所にいます」などのメッセージがある。
【0083】
本実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、現金自動預払機30のタッチディスプレイに初期画面が表示されている。ここで、利用者のキャッシュカードが挿入されると、現金自動預払機30は、上記第1実施形態のステップS1−1と同様に、挿入されたキャッシュカードから、カード情報を取得する(ステップS3−1)。
【0084】
そして、利用者が、初期画面に表示されているメニュー項目の中から「現金引出」の項目ボタンを選択すると、現金自動預払機30は、「現金引出」の選択を受け付ける(ステップS3−2)。そして、現金自動預払機30は、上記第1実施形態のステップS1−3と同様に、本人認証データを取得する(ステップS3−3)。
【0085】
次に、現金自動預払機30は、引出金額データを取得する(ステップS3−4)。具体的には、現金自動預払機30は、現金引出の金額入力画面を表示する。この金額入力画面には、数字キーと確認ボタンとが含まれる。ここで、利用者が、数字キーを用いて、通知したい連絡メッセージに対応する特定金額を入力し、確認ボタンを選択する。
【0086】
これにより、現金自動預払機30は、金融機関共通ネットワークNAを経由して、現金引出依頼を行なう(ステップS3−5)。この現金引出依頼には、口座識別子、暗証番号、引出金額及びこの現金自動預払機識別子に関するデータが含まれる。具体的には、現金自動預払機30は、カード情報に含まれる銀行識別子から、現金引出を行なう口座を有する銀行のホストコンピュータ20を特定する。そして、現金自動預払機30は、このホストコンピュータ20に現金引出依頼を送信する。
【0087】
現金引出依頼を受信したホストコンピュータ20は、上記第1実施形態のステップS1−5と同様に、本人認証を行なう(ステップS3−6)。ホストコンピュータ20は、本人認証が完了すると、上記第1実施形態のステップS1−6と同様に、データを送信した現金自動預払機30が災害地域にあるか否かを判断する(ステップS3−7)。
【0088】
このとき、ホストコンピュータ20は、災害地域に属していると判断した場合(ステップS3−7において「YES」の場合)には、上記第1実施形態のステップS1−7と同様に、通知登録があるかを判断する(ステップS3−8)。
【0089】
そして、通知登録がある場合(ステップS3−8において「YES」の場合)、現金引出依頼の金額が特定金額であるか否かを判断する(ステップS3−9)。具体的には、管理コンピュータ21は、受信した引出金額が、メッセージデータ記憶部に記録された連絡メッセージの特定金額と一致するか否かを判断する。
【0090】
連絡メッセージの特定金額と一致すると、管理コンピュータ21は、特定金額であると判断する。この場合(ステップS3−9において「YES」の場合)、管理コンピュータ21は、現金引出依頼の特定金額に応じたメッセージを復元する(ステップS3−10)。具体的には、ホストコンピュータ20は、メッセージデータ記憶部から、一致した特定金額に対応する連絡メッセージのデータを取得する。
【0091】
次に、ホストコンピュータ20は、上記第1実施形態の安否確認処理(ステップS1−8〜S1−10)と同様な処理を行なう。具体的には、管理コンピュータ21は、現金自動預払機30のロケーション情報及び処理時刻情報を含む安否確認情報を、口座データ2
20の取引履歴データ領域に保存する(ステップS3−11)。続いて、管理コンピュータ21は、本人認証に基づいて連絡先情報を取得し(ステップS3−12)、この連絡先情報を用いて通知処理を行なう(ステップS3−13)。この通知処理においては、管理コンピュータ21は、ステップS3−10で復元したメッセージの内容を含めた通知を行なう。
【0092】
一方、ホストコンピュータ20は、現金自動預払機30が災害地域にない場合、通知登録がない場合、特定金額でない場合(ステップS3−7〜S3−9において「NO」の場合)には、ステップS3−10〜S3−13を実行しない。
【0093】
そして、これらの場合(ステップS3−7〜S3−9において「NO」の場合)、又は通知処理が完了した(ステップS3−13)場合には、ホストコンピュータ20は、現金引出処理を行なう(ステップS3−14)。具体的には、ホストコンピュータ20の管理コンピュータ21は、現金引出の取引履歴を口座データ220に記録する。更に、管理コンピュータ21は、口座データ220の残高に引出金額を減算した金額を、新たな口座データ220の残高データとして口座データ記憶部22に記録する。そして、管理コンピュータ21は、ホストコンピュータ20における現金引出処理が完了したことを現金自動預払機30に通知する。
【0094】
通知を受けた現金自動預払機30は、結果表示を行なう(ステップS3−15)。具体的には、現金自動預払機30は、特定金額に対応する金額の硬貨を現金収容部から提供する。更に、現金自動預払機30は、現金を引き出した後の残高を表示する。以上により処理が完了する。
【0095】
本実施形態によれば、上記各実施形態の(1)〜(5)に記載の効果と同様な効果を奏することができるとともに、以下の効果を得ることができる。
(9) 本実施形態では、現金自動預払機30は、「現金引出」の選択を受け付ける(ステップS3−2)。このとき、利用者は、通知したい連絡メッセージに対応する特定金額を入力する。現金自動預払機30は、金融機関共通ネットワークNAを経由して、口座識別子、暗証番号及び引出金額のデータを送信して、現金引出依頼を行なう(ステップS3−5)。ホストコンピュータ20は、データを送信した現金自動預払機30が災害地域にある場合(ステップS3−7において「YES」の場合)、引出金額が特定金額か否かを判断する(ステップS3−9)。特定金額であった場合には、それに対応するメッセージを復元する(ステップS3−10)。このため、連絡メッセージを特定するために金額を用いるので、管理コンピュータ21は、他行の現金自動預払機30からフォーマットが決まっている金融機関共通ネットワークNAを介して、利用者が通知したい連絡メッセージを特定することができる。従って、利用者は、メッセージを他行の現金自動預払機30からでも送信することができるので、利用者の利便性を向上させることができる。また、特定金額を入力するだけでメッセージを送信することができるので、入力も簡単で、迅速に処理を行なうことができる。
【0096】
(第4実施形態)
次に、本発明を具体化した安否通知方法の第4実施形態を図10に基づいて説明する。本実施形態において、ホストコンピュータ20は、他行の現金自動預払機30からの「振込」の処理依頼に基づいて、安否通知処理を行なう。
【0097】
本実施形態では、上記実施形態と異なり、連絡先データ記憶部23を備える必要はなく、連絡先データは、振込情報として取得する。
本実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、現金自動預払機30のタッチディスプレイに初期画面が表示されている。ここで、利用者のキャッシュカードが挿入される
と、現金自動預払機30は、上記第1実施形態のステップS1−1と同様に、挿入されたキャッシュカードから、カード情報を取得する(ステップS4−1)。
【0098】
そして、利用者が、初期画面に表示されているメニュー項目の中から「振込」の項目ボタンを選択すると、現金自動預払機30は、「振込」の選択を受け付ける(ステップS4−2)。
【0099】
次に、現金自動預払機30は、振込情報を取得する(ステップS4−3)。具体的には、現金自動預払機30は、「振込」の選択を受け付けると、まず、振込先となる口座に関する情報(口座がある銀行、支店名及び口座番号等)を入力するための画面を表示する。そして、利用者は自分の口座を振込先として入力し、振込金額も入力すると、現金自動預払機30は、振込先に関するデータを取得する。なお、ここで、利用者は、振込金額として、例えば「1円」などの少額の金額を入力する。
【0100】
続いて、現金自動預払機30は、振込を行なう振込人に関する情報を取得する。具体的には、現金自動預払機30は、振込人の名前及び電話番号を入力する振込人情報入力画面を表示する。そして、この振込人情報入力画面において、利用者は、連絡をしたい連絡先の電話番号及び連絡先の名前を振込人の情報として入力する。これにより、現金自動預払機30は、振込人情報を取得する。
【0101】
次に、現金自動預払機30は、振込金額に相当する現金を取得する(ステップS4−4)。具体的には、現金自動預払機30は、振込金額に相当する現金を現金収容部に投入する旨を画面に表示し、現金収容部の投入口を開放する。
【0102】
そして、利用者が振込金額に相当する現金を投入すると、現金自動預払機30は、金融機関共通ネットワークNAを経由して振込依頼を送信する(ステップS4−5)。この振込依頼には、口座識別子、振込金額、振込人の電話番号、振込人の名前及び現金自動預払機識別子のデータが含まれる。具体的には、現金自動預払機30は、カード情報に含まれる銀行識別子から、振込を行なう口座を有する銀行のホストコンピュータ20を特定し、このホストコンピュータ20に振込依頼を行なう。
【0103】
振込依頼を受けたホストコンピュータ20の管理コンピュータ21は、上記第1実施形態のステップS1−6と同様に、データを送信した現金自動預払機30が災害地域にあるか否かを判断する(ステップS4−6)。
【0104】
現金自動預払機30が災害地域にある場合(ステップS4−6において「YES」の場合)には、管理コンピュータ21は安否確認処理を行なう。本実施形態においては、管理コンピュータ21は、上記第1実施形態のステップS1−8と同様に、現金自動預払機30のロケーション情報及び処理時刻情報を含む安否確認情報を取引履歴データとして保存する(ステップS4−7)。次に、管理コンピュータ21は、連絡先情報の特定を行なう(ステップS4−8)。具体的には、管理コンピュータ21は、現金自動預払機30から受信した振込人の情報(名前及び電話番号)を連絡先情報として特定する。
【0105】
そして、ホストコンピュータ20は、通知処理を行なう(ステップS4−9)。具体的には、管理コンピュータ21は、連絡先情報の電話番号に、振込先の口座に対して振込を行なった旨の通知を行なう。
【0106】
一方、ホストコンピュータ20は、現金自動預払機30が災害地域にない場合(ステップS4−6において「NO」の場合)には、ステップS4−7〜S4−9を実行しない。
そして、この場合(ステップS4−6において「NO」の場合)、又は通知処理が完了
した場合(ステップS4−9の場合)には、ホストコンピュータ20は振込処理を行なう(ステップS4−10)。具体的には、ホストコンピュータ20の管理コンピュータ21は、振込の取引履歴を口座データ220に記録する。更に、管理コンピュータ21は、口座識別子に基づいて振込先の口座データ220を特定し、この口座データ220の残高に振込金額を加算した金額を、新たな残高データとして口座データ記憶部22に記録する。そして、管理コンピュータ21は、振込処理が完了したことを通知する。
【0107】
通知を受けた現金自動預払機30は、結果表示を行なう(ステップS4−11)。具体的には、現金自動預払機30は、振込が完了した旨の表示をタッチパネルに表示するとともに、取引明細出力部から振込内容を記録した取引明細書を出力する。以上により処理が完了する。
【0108】
本実施形態によれば、上記第1実施形態の(1)に記載の効果と同様な効果を奏することができるとともに、以下の効果を得ることができる。
(10) 本実施形態では、現金自動預払機30は、振込情報として、振込先となる口座を特定する口座識別子及び振込人に関する情報を取得する(ステップS4−3)。管理コンピュータ21は、振込先の口座の取引履歴データとして、この現金自動預払機30のロケーション情報及び処理時刻情報を記録する(ステップS4−7)。従って、カード情報がなくても、自分の口座を特定できる情報があれば、安否確認処理を行なうことができる。また、管理コンピュータ21は、振込人情報を用いて連絡先情報を特定して(ステップS4−8)、この連絡先に対して通知処理を行なう(ステップS4−9)。従って、連絡先を予め登録しておく必要がなく、自由に連絡先に対して安否確認処理を行なうことができる。
【0109】
なお、本実施形態は、以下のように変更してもよい。
○ 上記第2実施形態では、現金自動預払機30は、「安否通知」の項目ボタン105が選択されると、メッセージ選択画面110を表示し、利用者にメッセージを選択するように指示した。このメッセージ選択画面110に代えて、現金自動預払機30は、メッセージを入力するためのメッセージ入力画面を表示してもよい。このメッセージ入力画面には、通知したいメッセージを入力するための入力欄、メッセージを作成するために用いる文字キーを含ませる。そして、利用者は、文字キーを用いて、例えば「元気です。○○の避難所にいます。」など通知したい内容を入力する。そして、現金自動預払機30は、入力されたメッセージの内容をホストコンピュータ20に送信する。これにより、自由度の高いメッセージを送信することができる。
【0110】
○ 上記第3実施形態において、特定金額は、少額の値に設定したが、メッセージに関連付けられる特定金額は、これに限られるものでない。例えば、メッセージの内容を語呂合わせにした数字を特定金額として用いてもよい。
【0111】
○ 上記第3実施形態では、データを送信した現金自動預払機30が災害地域に属しており(ステップS3−7において「YES」)、現金引出金額が特定金額の場合に、ロケーション情報や処理時刻情報を履歴として保存した。これに限らず、現金引出金額が特定金額でない場合であっても、現金自動預払機30が災害地域に属していた場合には、ロケーション情報や処理時刻情報を履歴として保存し、連絡先を取得して通知処理を行なってもよい。これにより、安否確認処理を自動的に行なうことができる。
【0112】
○ 上記第3実施形態では、現金引出を行なって、安否確認処理を行なった。これに代えて、預入や振込依頼など、利用者のキャッシュカードを利用する処理によって、安否確認処理を行なうようにしてもよい。
【0113】
○ 上記第3及び第4実施形態では、現金引出処理又は振込処理(ステップS3−14、S4−10)を行なう前に、各処理の取引履歴とは別に、現金自動預払機30のロケーション情報、処理時刻情報を取引履歴として保存した(ステップS3−11、S4−7)。これに代えて、現金自動預払機30から依頼を受けた処理が、取引履歴を記録する場合には、この取引履歴に付加してロケーション情報、処理時刻情報等の安否情報を付加してもよい。
【0114】
○ 上記第4実施形態では、利用者の口座に対して振込を行なうようにした。これに代えて、緊急時に連絡を取り合う特定口座を設けてもよい。この特定口座は、例えば家族で共有するような特定口座としてもよい。この場合、特定口座に対して複数の家族カードを発行する。そして、家族カードを家族のそれぞれが所有し、この家族カードを用いて特定口座に対する処理依頼を現金自動預払機30から行なう。これにより、家族の誰がどこの現金自動預払機30にいたかという情報を記録することができる。
【0115】
○ 上記第4実施形態では、通知処理(ステップS4−9)において、利用者が無事か否かを連絡するようにした。この第4実施形態における振込金額を、上記第3実施形態で説明したように、メッセージに対応する特定金額としてもよい。具体的には、管理コンピュータ21を、メッセージデータ記憶部に接続する。そして、管理コンピュータ21は、データを送信した現金自動預払機30が災害地域にあると判断すると(ステップS4−6において「YES」の場合)、振込金額が特定金額であるか否かを判断し、特定金額である場合には、この特定金額に応じてメッセージを復元する。そして、復元したメッセージ、ロケーション情報、処理時刻情報を含む安否確認情報を取引履歴として保存し、連絡先情報を特定して(ステップS4−8)、通知処理を行なう(ステップS4−9)。
【0116】
○ 上記第1〜第3実施形態では、カード情報を取得した後、処理が選択された。これに代えて、処理の選択を受け付けてから、キャッシュカードを挿入する指示を行なって、カード情報を取得してもよい。
【0117】
○ 上記第1〜第3実施形態では、ホストコンピュータ20は、通知登録がなかった場合には、災害地域であっても、ロケーション情報や処理時刻情報を含む安否確認情報を保存しない。これに代えて、災害地域の現金自動預払機30から処理依頼のデータを受信した場合には、通知登録の有無に関わらず、安否確認情報を保存してもよい。この場合、管理コンピュータ21は、通知登録の判断を行なう前に、安否確認情報を取引履歴として保存してもよい。
【0118】
○ 上記各実施形態における通知処理(ステップS1−10、S2−12、S3−13、S4−9)では、取得した連絡先情報の電話番号に通知した。これに限らず、連絡先は電話番号以外であっても、例えば、電子メールや掲示板等を用いて通知処理を行なってもよい。
【0119】
また、上記各実施形態で行なった通知処理を省略してもよい。この場合、利用者の家族が、現金自動預払機30において通帳記帳依頼を行なうことにより、安否を確認することができる。具体的には、利用者の家族は、利用者がカードを用いてバンキング処理を行なった口座に対して通帳記帳を行なう。現金自動預払機30は、挿入された通帳から口座がある銀行の銀行識別子及び口座識別子を取得し、通帳記帳依頼をホストコンピュータ20に送信する。ホストコンピュータ20の管理コンピュータ21は、受信した口座識別子に基づいて口座データ220を特定し、取引履歴データを現金自動預払機30に送信する。現金自動預払機30においては、ホストコンピュータ20から受信した取引履歴を通帳に記帳する。これにより、利用者の家族は、利用者がカードを用いてバンキング処理した時刻及びその場所を通帳により把握することができるので、利用者の安否を知ることができ
る。
【0120】
○ 上記各実施形態では、連絡先データ230の連絡先情報は、口座識別子に関連付けた。これに代えて、連絡先情報を、顧客識別子に関連付けてもよい。具体的には、顧客識別子、顧客名及び本人情報を含む顧客データを記録した顧客データ記憶部を、ホストコンピュータ20に設ける。顧客識別子データ領域には、この預金口座の名義人を特定するための識別子に関するデータが記録される。この顧客識別子データを介して、この顧客データと、口座データ記憶部22に記録された口座データ220とが関連付けられる。顧客名データ領域には、この預金口座の名義人の名前に関するデータが記録される。本人情報データ領域には、顧客本人に関する情報、例えば、顧客の住所や電話番号等に関するデータが記録されている。これにより、顧客毎に連絡先を設定することができる。
【0121】
○ 上記各実施形態においては、個人の口座に関連付けて、安否確認処理を行なった。これに限らず、通知専用口座を設けて、安否確認処理を行なってもよい。具体的には、金融機関の預金口座に、安否を通知するときに入金を行なう通知専用口座を設ける。そして、この通知専用口座の口座識別子を、広く一般利用できるように利用者に周知する。被災し安否通知を行ないたい場合、利用者は、この通知専用口座に対して振込を行なう。この場合、上記第4実施形態と同様に、振込人情報入力欄として、利用者が通知を行ないたい連絡先の情報を入力する。
【0122】
また、この通知専用口座に対して、利用者は、キャッシュカードを用いて自分の口座から振替により入金してもよい。この場合、現金自動預払機30は、キャッシュカードからカード情報を取得し、このカード情報と暗証番号とを用いて金融機関共通ネットワークNAを経由して振込依頼を行なう。
【0123】
振込依頼を受けたホストコンピュータ20の管理コンピュータ21は、キャッシュカード情報により振込人を特定する。そして、管理コンピュータ21は、振込人情報入力画面に入力された情報に基づいて連絡先を特定し、通知を送信する。この通知には、キャッシュカード情報により特定された振込人情報、振込を行なったロケーション情報や振込時刻に関する情報を含める。これにより、通知専用口座を介して、利用者の通知希望を把握し、効率的に通知を行なうことができる。
【0124】
更に、この通知専用口座に入金があった場合には、例えば公共放送機関などの安否通知掲示板に、自動的に転送し、広く通知を行なうようにしてもよい。この場合、振替により通知専用口座に入金を行なう場合には、振込人情報の入力欄を、メッセージ等を入力する入力欄として用いる。これにより、迅速に、安否を確認することができる。
【0125】
○ 上記各実施形態においては、連絡先データ記憶部23及び現金自動預払機データ記憶部24は、金融機関システムとしての銀行システム15のホストコンピュータ20内に設けた。これに代えて、連絡先データ記憶部23及び現金自動預払機データ記憶部24を、銀行システム15とは別の通知用サーバに設けてもよい。この場合には、通知用サーバの管理コンピュータ21が、ホストコンピュータ20の代わりに、安否通知のための処理(依頼受付段階及び安否確認処理段階等を含む処理)を行なう。具体的には、通知用サーバは、ホストコンピュータ20から現金自動預払機30において取得した口座識別子と、現金自動預払機識別子とに関するデータを含む処理依頼を受信する。通知用サーバは、現金自動預払機識別子に関するデータと、現金自動預払機30に記録された災害地域データとに基づいて、この現金自動預払機30が災害地域に属していると判断した場合には、前記口座識別子に関連付けて、処理依頼の時刻と現金自動預払機の設置ロケーションとを含む安否確認情報を記録するための処理を実行する。これにより、金融機関システムを変更することなく、安否通知を行なうことができる。
【0126】
また、通知用サーバの管理コンピュータ21に、安否確認処理のみを実行させることも可能である。この場合にも、ホストコンピュータ20から、現金自動預払機30において取得した口座識別子と、現金自動預払機識別子とに関するデータを取得する。そして、現金自動預払機識別子に関するデータと、災害地域データ記憶手段に記録された災害地域データとに基づいて、この現金自動預払機が災害地域に属しているかどうかを判断する。属していると判断した場合には、口座識別子に関連付けて、処理依頼の時刻と現金自動預払機の設置ロケーションとを含む安否確認情報を記録するための処理を実行する。具体的には、通知用サーバの管理コンピュータ21は、通知用サーバに備えられた連絡先データ記憶手段を用いて安否確認情報を送信する。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】本発明の金融機関システムの概略構成図。
【図2】口座データ記憶部に記録されたデータの説明図。
【図3】連絡先データ記憶部に記録されたデータの説明図。
【図4】現金自動預払機データ記憶部に記録されたデータの説明図。
【図5】第1実施形態における全体処理の処理手順の説明図。
【図6】第2実施形態における全体処理の処理手順の説明図。
【図7】第2実施形態における現金自動預払機の初期画面の画面図。
【図8】第2実施形態における現金自動預払機のメッセージ選択画面の画面図。
【図9】第3実施形態における全体処理の処理手順の説明図。
【図10】第4実施形態における全体処理の処理手順の説明図。
【符号の説明】
【0128】
21…管理コンピュータ、22…本人認証データ記憶手段としての口座データ記憶部、23…連絡先データ記憶手段としての連絡先データ記憶部、24…設置ロケーションデータ記憶手段及び災害地域データ記憶手段としての現金自動預払機データ記憶部、30…現金自動預払機、230…連絡先データ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
災害が発生した地域に属する現金自動預払機を特定するためのデータを記録した災害地域データ記憶手段と、
前記現金自動預払機の設置ロケーションに関するデータを記録した設置ロケーションデータ記憶手段と、
現金自動預払機にネットワークを介して接続され、この現金自動預払機からの依頼に基づいてバンキング処理を実行する金融機関システムとを用いて、管理コンピュータが安否通知を行なう方法であって、
前記管理コンピュータが、
現金自動預払機において取得した口座識別子と、この現金自動預払機を特定する現金自動預払機識別子とに関するデータを含む処理依頼を受信する依頼受付段階と、
前記現金自動預払機識別子に関するデータと、前記災害地域データ記憶手段に記録された災害地域データとに基づいて、この現金自動預払機が災害地域に属していると判断した場合には、前記口座識別子に関連付けて、前記処理依頼の時刻と現金自動預払機の設置ロケーションとを含む安否確認情報を記録するための安否確認処理を行なう安否確認処理段階と
を実行することを特徴とする安否通知方法。
【請求項2】
前記管理コンピュータは、前記口座識別子に対応して本人認証を行なうためのデータを記録する本人認証データ記憶手段に接続されており、
前記処理依頼には、本人認証に関するデータが更に含まれ、
前記管理コンピュータが、
前記処理依頼に含まれる前記本人認証に関するデータに基づいて本人認証を行なう認証段階と、
前記本人認証が完了した場合に、前記安否確認処理を行なうことを特徴とする請求項1に記載の安否通知方法。
【請求項3】
前記管理コンピュータは、前記口座識別子に対応して設定された連絡先データを記録した連絡先データ記憶手段に更に接続されており、
前記安否確認処理は、前記現金自動預払機において取得した口座識別子に基づいて、前記連絡先データ記憶手段から特定される連絡先に、前記安否確認情報を送信することを特徴とする請求項1又は2に記載の安否通知方法。
【請求項4】
前記安否確認処理段階は、前記処理依頼の時刻と前記現金自動預払機の設置ロケーションとを含む安否情報を、現金自動預払機において挿入されたキャッシュカードの口座の履歴情報として記録することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の安否通知方法。
【請求項5】
前記管理コンピュータは、特定金額に対応付けられたメッセージ内容を記録したメッセージ記憶手段に接続されており、
前記処理依頼には、前記口座識別子から特定される口座の取引金額に関するデータが更に含まれ、
前記安否確認処理段階は、災害地域に属する現金自動預払機から前記取引金額を受信した場合には、前記取引金額と前記メッセージ記憶手段に記録された特定金額とを照合し、前記取引金額が特定金額として記録されている場合には、この特定金額に対応付けられたメッセージ内容を、前記メッセージ記憶手段から取得し、前記安否確認情報に含めて記録することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の安否通知方法。
【請求項6】
災害が発生した地域に属する現金自動預払機を特定するためのデータを記録した災害地
域データ記憶手段と、
前記現金自動預払機の設置ロケーションに関するデータを記録した設置ロケーションデータ記憶手段と、
現金自動預払機にネットワークを介して接続され、この現金自動預払機からの依頼に基づいてバンキング処理を実行する金融機関システムとを用いて、管理コンピュータが安否通知を行なう安否通知システムであって、
前記管理コンピュータが、
現金自動預払機において取得した口座識別子と、この現金自動預払機を特定する現金自動預払機識別子とに関するデータを含む処理依頼を受信する依頼受付手段、及び
前記現金自動預払機識別子に関するデータと、前記災害地域データ記憶手段に記録された災害地域データとに基づいて、この現金自動預払機が災害地域に属していると判断した場合には、前記口座識別子に関連付けて、前記処理依頼の時刻と現金自動預払機の設置ロケーションとを含む安否確認情報を記録するための安否確認処理を行なう安否確認処理手段
を備えることを特徴とする安否通知システム。
【請求項7】
前記管理コンピュータは、前記口座識別子に対応して本人認証を行なうためのデータを記録する本人認証データ記憶手段に接続されており、
前記処理依頼には、本人認証に関するデータが更に含まれ、
前記管理コンピュータが、
前記処理依頼に含まれる前記本人認証に関するデータに基づいて本人認証を行なう認証手段と、
前記本人認証が完了した場合に、前記安否確認処理を行なうことを特徴とする請求項6に記載の安否通知システム。
【請求項8】
前記管理コンピュータは、前記口座識別子に対応して設定された連絡先データを記録した連絡先データ記憶手段に更に接続されており、
前記安否確認処理は、前記現金自動預払機において取得した口座識別子に基づいて、前記連絡先データ記憶手段から特定される連絡先に、前記安否確認情報を送信することを特徴とする請求項6又は7に記載の安否通知システム。
【請求項9】
前記安否確認処理手段は、前記処理依頼の時刻と前記現金自動預払機の設置ロケーションとを含む安否情報を、現金自動預払機において挿入されたキャッシュカードの口座の履歴情報として記録することを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の安否通知システム。
【請求項10】
前記管理コンピュータは、特定金額に対応付けられたメッセージ内容を記録したメッセージ記憶手段に接続されており、
前記処理依頼には、前記口座識別子から特定される口座の取引金額に関するデータが更に含まれ、
前記安否確認処理手段は、災害地域に属する現金自動預払機から前記取引金額を受信した場合には、前記取引金額と前記メッセージ記憶手段に記録された特定金額とを照合し、前記取引金額が特定金額として記録されている場合には、この特定金額に対応付けられたメッセージ内容を、前記メッセージ記憶手段から取得し、前記安否確認情報に含めて記録することを特徴とする請求項6〜9のいずれか1つに記載の安否通知システム。
【請求項11】
災害が発生した地域に属する現金自動預払機を特定するためのデータを記録した災害地域データ記憶手段と、
前記現金自動預払機の設置ロケーションに関するデータを記録した設置ロケーションデータ記憶手段と、
現金自動預払機にネットワークを介して接続され、この現金自動預払機からの依頼に基づいてバンキング処理を実行する金融機関システムとを用いて、管理コンピュータが安否通知を行なうための安否通知プログラムであって、
前記管理コンピュータを、
現金自動預払機において取得した口座識別子と、この現金自動預払機を特定する現金自動預払機識別子とに関するデータを含む処理依頼を受信する依頼受付手段、及び
前記現金自動預払機識別子に関するデータと、前記災害地域データ記憶手段に記録された災害地域データとに基づいて、この現金自動預払機が災害地域に属していると判断した場合には、前記口座識別子に関連付けて、前記処理依頼の時刻と現金自動預払機の設置ロケーションとを含む安否確認情報を記録するための安否確認処理を行なう安否確認処理手段
として機能させることを特徴とする安否通知プログラム。
【請求項1】
災害が発生した地域に属する現金自動預払機を特定するためのデータを記録した災害地域データ記憶手段と、
前記現金自動預払機の設置ロケーションに関するデータを記録した設置ロケーションデータ記憶手段と、
現金自動預払機にネットワークを介して接続され、この現金自動預払機からの依頼に基づいてバンキング処理を実行する金融機関システムとを用いて、管理コンピュータが安否通知を行なう方法であって、
前記管理コンピュータが、
現金自動預払機において取得した口座識別子と、この現金自動預払機を特定する現金自動預払機識別子とに関するデータを含む処理依頼を受信する依頼受付段階と、
前記現金自動預払機識別子に関するデータと、前記災害地域データ記憶手段に記録された災害地域データとに基づいて、この現金自動預払機が災害地域に属していると判断した場合には、前記口座識別子に関連付けて、前記処理依頼の時刻と現金自動預払機の設置ロケーションとを含む安否確認情報を記録するための安否確認処理を行なう安否確認処理段階と
を実行することを特徴とする安否通知方法。
【請求項2】
前記管理コンピュータは、前記口座識別子に対応して本人認証を行なうためのデータを記録する本人認証データ記憶手段に接続されており、
前記処理依頼には、本人認証に関するデータが更に含まれ、
前記管理コンピュータが、
前記処理依頼に含まれる前記本人認証に関するデータに基づいて本人認証を行なう認証段階と、
前記本人認証が完了した場合に、前記安否確認処理を行なうことを特徴とする請求項1に記載の安否通知方法。
【請求項3】
前記管理コンピュータは、前記口座識別子に対応して設定された連絡先データを記録した連絡先データ記憶手段に更に接続されており、
前記安否確認処理は、前記現金自動預払機において取得した口座識別子に基づいて、前記連絡先データ記憶手段から特定される連絡先に、前記安否確認情報を送信することを特徴とする請求項1又は2に記載の安否通知方法。
【請求項4】
前記安否確認処理段階は、前記処理依頼の時刻と前記現金自動預払機の設置ロケーションとを含む安否情報を、現金自動預払機において挿入されたキャッシュカードの口座の履歴情報として記録することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の安否通知方法。
【請求項5】
前記管理コンピュータは、特定金額に対応付けられたメッセージ内容を記録したメッセージ記憶手段に接続されており、
前記処理依頼には、前記口座識別子から特定される口座の取引金額に関するデータが更に含まれ、
前記安否確認処理段階は、災害地域に属する現金自動預払機から前記取引金額を受信した場合には、前記取引金額と前記メッセージ記憶手段に記録された特定金額とを照合し、前記取引金額が特定金額として記録されている場合には、この特定金額に対応付けられたメッセージ内容を、前記メッセージ記憶手段から取得し、前記安否確認情報に含めて記録することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の安否通知方法。
【請求項6】
災害が発生した地域に属する現金自動預払機を特定するためのデータを記録した災害地
域データ記憶手段と、
前記現金自動預払機の設置ロケーションに関するデータを記録した設置ロケーションデータ記憶手段と、
現金自動預払機にネットワークを介して接続され、この現金自動預払機からの依頼に基づいてバンキング処理を実行する金融機関システムとを用いて、管理コンピュータが安否通知を行なう安否通知システムであって、
前記管理コンピュータが、
現金自動預払機において取得した口座識別子と、この現金自動預払機を特定する現金自動預払機識別子とに関するデータを含む処理依頼を受信する依頼受付手段、及び
前記現金自動預払機識別子に関するデータと、前記災害地域データ記憶手段に記録された災害地域データとに基づいて、この現金自動預払機が災害地域に属していると判断した場合には、前記口座識別子に関連付けて、前記処理依頼の時刻と現金自動預払機の設置ロケーションとを含む安否確認情報を記録するための安否確認処理を行なう安否確認処理手段
を備えることを特徴とする安否通知システム。
【請求項7】
前記管理コンピュータは、前記口座識別子に対応して本人認証を行なうためのデータを記録する本人認証データ記憶手段に接続されており、
前記処理依頼には、本人認証に関するデータが更に含まれ、
前記管理コンピュータが、
前記処理依頼に含まれる前記本人認証に関するデータに基づいて本人認証を行なう認証手段と、
前記本人認証が完了した場合に、前記安否確認処理を行なうことを特徴とする請求項6に記載の安否通知システム。
【請求項8】
前記管理コンピュータは、前記口座識別子に対応して設定された連絡先データを記録した連絡先データ記憶手段に更に接続されており、
前記安否確認処理は、前記現金自動預払機において取得した口座識別子に基づいて、前記連絡先データ記憶手段から特定される連絡先に、前記安否確認情報を送信することを特徴とする請求項6又は7に記載の安否通知システム。
【請求項9】
前記安否確認処理手段は、前記処理依頼の時刻と前記現金自動預払機の設置ロケーションとを含む安否情報を、現金自動預払機において挿入されたキャッシュカードの口座の履歴情報として記録することを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の安否通知システム。
【請求項10】
前記管理コンピュータは、特定金額に対応付けられたメッセージ内容を記録したメッセージ記憶手段に接続されており、
前記処理依頼には、前記口座識別子から特定される口座の取引金額に関するデータが更に含まれ、
前記安否確認処理手段は、災害地域に属する現金自動預払機から前記取引金額を受信した場合には、前記取引金額と前記メッセージ記憶手段に記録された特定金額とを照合し、前記取引金額が特定金額として記録されている場合には、この特定金額に対応付けられたメッセージ内容を、前記メッセージ記憶手段から取得し、前記安否確認情報に含めて記録することを特徴とする請求項6〜9のいずれか1つに記載の安否通知システム。
【請求項11】
災害が発生した地域に属する現金自動預払機を特定するためのデータを記録した災害地域データ記憶手段と、
前記現金自動預払機の設置ロケーションに関するデータを記録した設置ロケーションデータ記憶手段と、
現金自動預払機にネットワークを介して接続され、この現金自動預払機からの依頼に基づいてバンキング処理を実行する金融機関システムとを用いて、管理コンピュータが安否通知を行なうための安否通知プログラムであって、
前記管理コンピュータを、
現金自動預払機において取得した口座識別子と、この現金自動預払機を特定する現金自動預払機識別子とに関するデータを含む処理依頼を受信する依頼受付手段、及び
前記現金自動預払機識別子に関するデータと、前記災害地域データ記憶手段に記録された災害地域データとに基づいて、この現金自動預払機が災害地域に属していると判断した場合には、前記口座識別子に関連付けて、前記処理依頼の時刻と現金自動預払機の設置ロケーションとを含む安否確認情報を記録するための安否確認処理を行なう安否確認処理手段
として機能させることを特徴とする安否通知プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2007−183755(P2007−183755A)
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−851(P2006−851)
【出願日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【出願人】(592131906)みずほ情報総研株式会社 (187)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【出願人】(592131906)みずほ情報総研株式会社 (187)
【Fターム(参考)】
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